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ゆるゆるドラゴンとえほんのまじゅう

#アリスラビリンス #猟書家の侵攻 #猟書家 #ベスティア・ビブリエ #愉快な仲間

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●きのこくんとふしぎなえほん
 ここはいろんなドラゴンたちがすんでいるまち。
 アリスやとけいウサギは、このまちを「ドラゴンのくに」とよんでいますが、
 ドラゴンたちはそんななまえをだれもよんだことはありません。
 いつものんびり、おかしをたべたり、パンケーキをやいたりしてくらしています。

 あるひ、ドラゴンであるきのこくんはみたことのないえほんをみつけました。
 きっとこれはすごいものにちがいない、ときのこくんはえほんをひろおうとしました。

 そのとき、えほんはひとりでにひらいて、
 きのこ んのまえにおそろしいばけものがあらわれました。
 き こく はたすけをよぼうとしましたが、まにあいません。
  の   はばけものにぺろりとたべられて、どこかにきえてしまいました。

 だれも、     のことなんてしりません。
 だって、     はえほんをひらいて、そのまま   しまったのですから。

●ゆるいドラゴンのなかのへんてこを見つける戦い
「……鉤爪の男の根回しなのか、めんどくせぇ『闘争』が始まろうとしてんぜ」
 霧島・クロト(機巧魔術の凍滅機人・f02330)は予知した案件が原因か、眉間にシワを寄せていた。
「アリスラビリンスで、愉快な仲間達が突然『死んじまう』事件が発生してる。……どーもこれが猟書家の侵略ってんだから困ったもんなんだ」
 クロトがいうに、アリスラビリンスの「ドラゴンのくに」と呼ばれている場所で、その住民である愉快な仲間が『物語』を猟書家に喰われ、その姿の元になった物品に『戻ってしまう』事件が多発しているのだという。

「まー、簡単にいっちまえば、その国の住民……いや住ドラって言うべきか? 全員が『何らかの構成要素』を元に可愛いドラゴンになっただけの姿をしてんだ。そう、仮に鯛焼きだとこんな風に」
 そうやって取り出したイラストは明らかにお前の兄貴の飼ってるドラゴンランスそのものだったのだが、この際『説明』だからということでノーカンにしておこう。
「このドラゴン達もそーなんだが、愉快な仲間達から『物語』を引っこ抜くと、構成要素が無くなっちまうらしいんだ。……つまりは、生き物としての『即死』に近いらしい」
 そりゃなんで鯛焼きがドラゴンになってるのか、みたいな『説明』が無くなったら根本的に生きられないだろ? とクロトは語るが、人間に置き換えれば自分を一方的にもぎ取られるも同義らしい。

「なもんで。お前らにはちょっと『ドラゴンのくに』に行ってきてもらいてーんだが……今回は、それに当たって『よりへんてこな住民』を見つけてきて欲しい」
 どうも、猟書家の性質が『情報の捕食』に偏っており、それに付随して『物理的なダメージ』が一切発生しないのだという。
「そのせいなのか……うん。へんてこな奴ほどその複雑な『情報』を咀嚼するのに時間がかかって、隙が生まれるみてーでさ。……よくわかんなくても、取り敢えず頭に入れといてくれ。俺も説明しててよく分からん」
 とにかく、配下もそんな『へんてこ』な奴を優先して吟味するらしく、困ったら『よりへんてこ』な住ドラを探してこい、とのことらしい。

 頭を掻きながらも改めて猟兵達に向き直ったクロトは、転送の準備を始める。
「……どんなに犠牲が出てても、街に現れた猟書家を倒せば全部元通りにはなるらしい。ちょっくら『情報喰らいの化け物』退治を頼むぜ」


逢坂灰斗
 ボクスドラゴンの属性のバリエーション談義みたいな。
 逢坂灰斗です。今回は『ドラゴンのくにを襲った猟書家を退治』して頂きます。

【MSより】
・今回のプレイングボーナスは『へんてこな「愉快な仲間」を連れてくる』です。
 国の性質的に様々なゆるいドラゴン達が跋扈していますが、
 たまにそうじゃない(※ドラゴンではない愉快な仲間)のも居ます。
 配下のオウガは『へんてこなほど』献上の為の吟味に入る為、隙が生まれ、
 猟書家は『へんてこなほど』情報の咀嚼に時間がかかる為、隙が生まれます。
 貴方の思いつく限りのへんな子の生態系をプレイングしてください。
 ……無論文字数にはお気を付けを(当然ですがFL部分はプレイングではありません)

・また、猟書家本人の攻撃に『物理的なダメージ』は発生しませんが、
 「時間を操作している(戦闘中の記憶を奪われたため)」ような感覚を受けたり、
 一時的にユーベルコードを失念させられたり、最悪動き方を忘れる事もある程の
 危険なもので有る為、ダメージを受けないとは言え、注意が必要です。

以下は参考用の設定。
・ドラゴンのくに
 ミニサイズなドラゴンを中心とした、ゆるい生態系のドラゴン型の愉快な仲間達で構成された不思議の国。
 個体によって好みは様々ですが、基本的にお菓子を食べたり、パンを焼いたり、皆が争いなど無縁そうにマイペースに暮らしています。
 ドラゴンでない愉快な仲間達は基本的には外からやってきて、住心地の良さにそのまま居着いてしまった住民が多い。
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第1章 集団戦 『星屑の魔女』

POW   :    イマトイウホウキボシ
【彗星】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【流星】を放ち続ける。
SPD   :    メテオインパクト
【望遠鏡を通した視線】を向けた対象に、【宇宙からの隕石】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    ホシクズノステージ
戦場全体に、【星空】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【MSより】
・今回のプレイングボーナスは「へんてこな「愉快な仲間」を連れてくる」です。
・街中は星屑の魔女が吟味の為に暴れてたりしますが、彼らは能天気なので色んな意味で危険です。
・取り敢えず自分がへんてこだと思った「愉快な仲間」を選んで同行して貰いましょう。
 ……なお選んだ子は第2章において囮になる、という事実も忘れずに。
・ゆるいドラゴン以外の愉快な仲間も居ますが、基本的にはドラゴンの方が多いです。

●のんびりドラゴンとまひるのほしぞら
 わたあめくんはいいました。
 わぁ、おひるなのにきれいなおほしさまがいっぱい!

 ねがいごとがかないますように、とかドラゴンたちはきょうもマイペース。
 おほしさまをふらせるまじょに、ねぇもっとふらせてよ とかたのむしまつ。

 でも、このくには。 どこからどうみてもおそわれてます。
 ねぇ、だれか、たすけてあげられない、かな……?

 ……なんだか危機感があるんだかないんだか分からないが、これ以上滅茶苦茶にされるのも大変だろう。早めに魔女達を倒して猟書家の宿る『本』を探しに行くことにしよう。
織部・樒
ザフェルさん(f10233)と行動
アドリブOK

へんて…変わった仲間たちに同行をお願いする、ですか
本戦ではなるべく守護したいものですが

ヘンテコな仲間たち
ザフェルさんと共に見つけた、綴じ鍋を擬人化した奥さん
かかあ天下で普段は破れ鍋旦那をぞんざいに扱っているけど実は愛情深い

行動
破れ鍋綴じ蓋夫婦を庇いつつ、ザフェルさんと仲間たちを覆うように
【早業】【高速詠唱】を併用しUC展開
必要に応じ【式神使い】などで敵の目を逸らします
UC展開中は仲間たちの前に出て敵行動をよく見、助言や注意喚起
破られたらその度にかけ直し

UC展開前や破れた際は錫杖構え専守防衛
【見切り】【武器受け】【ジャストガード】【オーラ防御】を駆使


ザフェル・エジェデルハ
樒(f10234)と共闘。ドラゴンランスのイルディリムを連れて行く
ドラゴンの国なんて、コイツも気になるだろうしな

同行してもらう『へんてこな愉快な仲間』は、途中で出会った
「破れ鍋と綴じ蓋」の夫婦(土鍋で、蓋が奥さん、鍋が旦那さん)
【コミュ力】【礼儀作法】で事情を話し、来てもらった
仲はいいが、おっとりした旦那の作る鍋料理が、奥さんには不評らしい…

戦闘では樒の結界の力を借り、ユーベルコードを発動
敵に鈍色竜を仕向け【範囲攻撃】する
また、【オーラ防御】【環境耐性】で敵の攻撃に耐えつつ
敵との距離を詰め、【怪力】を【力溜め】した竜槍での攻撃も行う

のんびりな国に粗暴な輩は似合わねぇからな
お帰り願うぜ



●お鍋も底抜けならば綴じねば締まらぬ
「――もう、チビちゃん達ものんきなもんだねぇ……ほら、アンタも手伝う!」
「……ううむ、あの子らがあんな感じなのは今に始まったことじゃないからねぇ」
 ちっちゃいものドラゴンズに紛れて小さめ等身なお鍋のご夫婦二人。

「……よく見つけましたね、あのご夫婦」
「ちびドラ達の保護者っぽい動きしてたからな……」
 織部・樒(九鼎大呂・f10234)とザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)は、そんな夫婦の側に付きながら、ドラゴンのくにの探索を続けている。
 傍らの夫婦はどうやら『二人分』ではあるが、『セット』の命に近いらしい。割れ鍋に綴じ蓋――という話があるように、彼らはそういう組み合わせの『物語』を持っていたからだ。
「こう、お菓子とかだけだとちびドラ達の身体に悪いっていうから、鍋料理を旦那が作るらしいんだが――奥さんには不評らしくてな」
「……なにかこう、分かります。のんびり作ってそうですし、なんだか、こう、その……言い難いですが、肝心なものを忘れてそうですからね」
 その『割れ鍋』たる旦那は、片目に傷のようなラインを走らせている割には『綴じ蓋』奥さんの剣幕に比べれば幾分か『この国』っぽい緩やかさで。
 反面、奥さんの方はこの国に珍しく、せかせか動く為に、事情を話した瞬間、奥さんの方が食い気味に協力してくれた、とか。

 そんな最中だが、魔女達が暴れ――いや一応暴れている筈の広場にやってきた。
「ああ、おチビちゃん達!! もうそのお星さまはお願い事叶えてくれるようなものじゃないんだよ!!」
「はい、急いで此方に……、できたら騒がないで、ってもう言う事聞いてませんね……」
 最早避難誘導するだけでも幼稚園かなにかといった様相である。ザフェルが連れてきたほんものドラゴンのイルディリウムも油断すれば連れてかれそうだし、魔女達の攻撃も此方を狙っている。
 急いで結界を貼ろうとした……のだが。攻撃の為の動きは途中で止まっている。なんなら、彼女らの視線はご夫婦に注がれていて、普通に『間に合ってしまった』。
 そんな間隙を縫うようにザフィルの槍の一撃がねじ込まれては、吟味に入った魔女から吹き飛んでいった。

「……露骨に止まりましたね。『へんてこ』狙いというのはこういうことですか」
 いくら命中率が高かろうが、降ってくる隕石がこの街の雰囲気にそぐわない位にえげつないものだとしても。
 そんな攻撃の間の隙が『ありすぎる』のでは結界も貼り放題だし、癖も覚え放題という訳だ。
「ま、そんなにぼさっと吟味している暇があんなら――此方はやりたい放題ってわけだな」
 ちびドラ達がやいやいしてる最中を駆け抜けていく鈍色竜達が魔女達を吹き飛ばしていけば……。
 ヒーローショーかとばかりに歓声があがるし、なによりちびドラ達がのんきに盛り上がってるのである。
「のんびりな国に粗暴な輩は似合わねぇからな……お帰り願うぜ」
「……ちょっと緊張感足りないですけどね、この子達」

 結界がちびドラを含めた住民達の安全を保障しているとはいえ、魔女が徘徊しているのはほぼ国中である。
 結局の所移動しては樒が結界を駆け直し、
 ご夫婦がのんき過ぎるちびドラ達をやいのやいのと避難させながら、樒達は動きの遅くなった魔女達を片端からしばき続ける。
「大きいアンタ達! すごそうな本を『向こうで見た』って子がいっぱいいるよ!」
「……この子達的に『すごそうな本』っていうと……」
 傍らできゃいきゃいして、油断すれば肩にも乗ってくるし、イルディリウムにもおなかまー?って目線を向けてくるちびドラ達を巻き込まぬようにしながら、二人は顔を見合わせる。
 この子らの『のんき』な思考から考えれば、その本が猟書家なのは明白だろう。
「……どう考えても、そういうことだろうなぁ」

 そちらの方向に視線を向けると、魔女達もいっぱいである。
 ご夫婦に気を取られている此方に比べると大変なことになっているそちらに向けて、二人と夫婦は歩き出す。
 ……やっぱり割れ鍋の旦那さんは半歩遅くて、綴じ蓋の嫁さんは半歩早かったが。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

青葉・颯夏
セフィリカさん(f00633)と

……センス皆無なあたしに何を振ってるんですか、セフィリカさん
お眼鏡にかなうかどうかはわからないけど、あたしが連れてきたのはこの子です

ボウルの耳にカラフルなお菓子の缶をつないだ身体
目は抜けるような空の青をもったビー玉
手に持ったレードルは武器のつもりかしら

セフィリカさんの子はほんわかする感じがしますね
あ、名前……
つけても大丈夫なら蒼昊にしたい


セフィリカ・ランブレイ
【颯夏(f00027)と!】

へんてこ、ってのも感性だよねえ。ある人は可愛い判断かもだし
今、颯夏のセンスが問われる!
この辺りで探してみよっか!

……で、私が見つけてきたのはこのらくがきドラゴン君!

一人だけ作者が違うような姿してるでしょ?
パステルタッチっていうかクレヨン調

中々大味なタッチで描かれたドラゴンのような不思議な住民
人懐っこく、人の空想力を糧に暮らしているみたい

颯夏の成果はどう?
これは見事なお菓子の戦士くん(こつこつと叩いてみる)

かわいらしくて頼もしそうな子じゃん!
名前あるのかなあ?私達でつけていいのかな

お、格好いい。私だったら……らドン君…とか?
『センスの差が出たわね』
シェル姉、うるさい



●『へんてこ』という定義
「へんてこ、ってのも感性だよねえ。ある人は可愛い判断かもだし……。今、颯夏のセンスが問われる!」
「……センス皆無なあたしに何を振ってるんですか、セフィリカさん」
 ちびドラ達が騒動の渦中だと言うのに相変わらずやいのやいのしている街の中。
 青葉・颯夏(悪魔の申し子・f00027)とセフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)は本題の為に探しものをするかのようにドラ波の中を歩いていた。

 へんてこというのは確かに誰が決めるという基準でもないように思うし、その中でもかっこいいなどを完全に投げ捨てる方向のちびドラ達の中で、『へんてこ』を選ぶというのは当人の感覚が直結する。
 物珍しさと構って欲しさに集まってくるちびドラ達を巻き込まないようにいなしながらも、二人は歩みを進める。

「……お眼鏡にかなうかどうかはわからないけど、あたしが連れてきたのはこの子です」
 颯夏の肩を定位置と定めたかのように乗っていたドラゴンは、お菓子缶をつなぎ合わせたような身体の子だった。……油断するとこの状況下でもお菓子を作るか食べそうな位にすら見えた。
「うーん、お菓子作りするわけじゃないんだけど、ずっとレードル持ってるのよね。武器のつもりなのかしら?」
 宝石かのように据えられたビー玉の瞳はよくわからないが燃え上がるように、本人も鼻息(?)荒く。ふんすととボウルの耳を立てながらアピールしている。
 ……どうも、この国のちびドラの中では比較的事態を『分かっている』ような子らしい。

「……で、私が見つけてきたのはこのらくがきドラゴン君!」
 セフィリカの頭の上でなんだか昼寝をするかのようにしていたそれ……それ? は急に動き出す。子供の落書き帳から物理的に引っこ抜いてきたかのようなその姿はまさしく『らくがきドラゴン』と呼ぶに相応しい。
 くぁ、とひとあくびしたのならば目……だと思う部分をパチクリさせて『みんなたのしそうだねー』みたいな顔をしている。相当なのんびり屋のようだ。
 でもその割にはセフィリカにさっくりついてきた辺りが本質なのだろう。さっきから身体に手書きの流星が模様のように追加されたりして忙しないが、ある意味ちびドラ達の空想をごはんにしている最中とも言える。
「一人だけ作者が違うような姿してるでしょ? パステルタッチっていうかクレヨン調」
「明らかに画材からして違いますね。なんだかほんわかする感じがしますね」

「颯夏の成果はどう? これは見事なお菓子の戦士くん」
 菓子缶ドラゴン君をこつこつと叩いてみると、確かな金属音がする。重量感は見てくれほど無いが、確かな頼もしさがそこにあったろうか。
 そんな最中にふと二人は思い出す――この子達に『名前』はあるんだろうか、と。
 街並みを眺めても名前らしきものは無いし、皆不便はしないようで、強いて言うならば『自分のなりたち』のものがそのまま名前のように扱われているらしい。
「つけても大丈夫なら――蒼昊にしたい」
「お、格好いい。私だったら……らドン君…とか?」
 図らずとも二人のセンスが出た形となり、傍らの魔剣に『センスの差が出たわね』など言われたりしつつも賑やかにしていた所を――

 ……オウガはずっと見ていた。
 蒼昊が颯夏の身体をてしてしと叩くと、星屑の魔女達がずっと吟味したままに突っ立っている姿がそこにあり。
 そういうセンスなのかな……と思われたかどうかは定かではないが、二人にぼっこぼこにされたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ベスティア・ビブリエ』

POW   :    縺願�縺檎ゥコ縺�◆縺ョ縺ァ鬟溘∋縺セ縺励◆
攻撃が命中した対象に【埋まることの無いぽっかりと空いた心の穴】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【一秒毎に記憶を次々と失っていき、衰弱】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    譏疲�縺ゅk縺ィ縺薙m縺ォ
自身の【憑依しているが、使い捨てる本のページ】を代償に、【Lv×1体の幸せそうな物語の登場人物達】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【世界の『正』を『負』に捻じ曲げた幻想】で戦う。
WIZ   :    蟷ク縺帙↓證ョ繧峨@縺ヲ縺�∪縺励◆
いま戦っている対象に有効な【精神攻撃をする『物語』を演じられるもの達】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠フィオレンツァ・トリルビィです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【MSより】
・この章から参加される方は連れてきた子を簡易的にお書き下さい
・前章からの方は前章で見つけた子でそのまま判断します
・このボスは『直接的なダメージ』は発生させませんが、様々な『情報』を喰らう為注意が必要です。

●           
 えほんのなかから、ばけものがとびだしている。
 えほんのなかみも、ゆがんでいる。
 このえほんがはくしになったのならば、つぎのえほんがはくしになるだけだろう。
 このばけものは、そうやって、なかまたちをたべてきた。
 わたあめくんも きのこくんも みんなもうそこにはいない。
 ぜんぶ、たべられてしまったから。そこにいるのは『ドラゴン』じゃない。
 このものがたりは、おわりが、かけている。

 ――突然、ちびドラ達の喧騒が潰えた場所があった。
 星屑の魔女達を倒しながら探し回った先の場所だ。
 そこには、欠けた食器や棒のついた綿飴、カラフルなきのこなどが無節操に散乱していた。
 猟兵達が連れてきた子達は突如身構えるだろう。
 その『物』達には彼らは覚えがあったから。『そうなる前』を知っていたから。

 今一匹が、『喰われて』。ぽいと物言わぬ鉛筆へと変わった。
 その彼を食べた猟書家は――会話すら通じぬ『ばけもの』であった。
青葉・颯夏
【セフィリカさん(f00633)と】

言葉が何も通じないって初めからわかっていれば、無駄な努力をしなくて済む分楽だと思いましょう
(見つけてしまってごめんなさい)
心の中で蒼昊に謝って、改めて猟書家へ向き直る

……ええ、もちろん
準備はできてるから遅れなんて取りません

セフィリカさんの一撃に合わせ、雪紐に黒紅を振るわせる
それだけじゃない
雪紐と黒紅を残して、あとはすべて花びらへと変える
ここで終わらせるわ


セフィリカ・ランブレイ
【颯夏(f00027)と!】

一切会話の通じない奴来たね……
『情報を食う瞬間が狙い目って話よね。叩き込む時は一瞬でやるわよ』

心情的に、らドン君にも蒼昊君にも下がってて貰いたいんだけど
でも、そうだね。君だって勇敢なドラゴンだ、一緒にこの世界を守るために頑張ろっか!

キュートな外見ながら闘志を燃やす落書きドラゴンが敵の前に立つ
敵がらドン君達の情報を咀嚼すべく行動したその瞬間が狙い目だ

颯夏!思いつく中で一番火力出そうなやつで行こう!

【月詠ノ祓・隠神】
全身全霊を鞘を通じて魔剣に込め、文字通りすべての力を乗せた一撃で勝負一日一発の博打技だけど……颯夏なら、上手く合わせてくれるよね!



●歪んだ物語達
 セフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)と青葉・颯夏(悪魔の申し子・f00027)は言葉の通じぬ相手と相対する――
『情報を食う瞬間が狙い目って話よね。叩き込む時は一瞬でやるわよ』
「言葉が何も通じないって初めからわかっていれば、無駄な努力をしなくて済む分楽だと思いましょう」
 眼前に繰り広げられる歪んだ童話達は、あくまで表面上が歪で。どれ程語りかけようともその『本質』が揺らぐことはない。
 そうやって囚われた住民達が、ゆっくりと『情報』を捕食されていったのは明白な事実で。

 ちびドラ達の前に出ようとする二人を制するように、二匹もまた前に出る。
(心情的に、らドン君にも蒼昊君にも下がってて貰いたいんだけど――でも)
 二匹の小さな勇者はそれぞれに自分なりに勇気を奮い立たせてここまでやって来たのだ、それを無碍にする理由も無い。
「そうだね。君だって勇敢なドラゴンだ、一緒にこの世界を守るために頑張ろっか!」

「颯夏! 思いつく中で一番火力出そうなやつで行こう!」
 ――歪んだ、物語は進みだす。
 セフィリカが臆すこと無く真っ直ぐに化け物へと相対するのに反し……

(……見つけてしまってごめんなさい)
 はじめから囮になり得てしまうことは分かっていた。実際にその時になったのなら、颯夏に去来するのは後悔の念にも似ていて――
 だが、後悔をしても眼前の『猟書家』を倒さないならば、この物語は正しい終わりにすら向かわないのだ。
「……ええ、もちろん。準備はできてるから遅れなんて取りません」
 そのほんの少しを覆い隠すように、彼女もまた構え――歪な物語は、全てを包もうと、楽しげな人物達の向こうに虚無を、現実の否定を織り交ぜて、やって来た。

 ……取り憑かれた絵本が、ひとりでに白紙になっていき、その端から『捨てられて』いく。
 愉快な仲間たちの誰かが好きだったろう物語すら、『情報』を得るための糧として擦り潰れていく。

 あまいパンケーキに、こはくのいろしたこうちゃがいっぱい。ちびドラたちのまえにならんでいく。
 けれどもけれど、これは『たべれない』。『たべちゃ』いけない。
 おちゃかいははじまったばかりだが、だれもしょうたいじょうをうけとってはいけない。

 お茶会に給餌の影やテーブルに付く者らがちびドラ達を招こうとする光景は、傍から見れば捕食の光景には見えないだろう。だが――
「そうやって、甘い夢のままに『食べる』つもりかな――そうは、させないから」
 彼らの勇気に応える為の『剣』は此処にある。全ての力を乗せた正真正銘の大博打は、物語の光景に迫ろうとする化け物を、隠(み)えぬ程の速さで断ち切る。
 それだけではない。その動きに追随するように、金髪紅眼の人形が、金鳳花の花びらを連れて舞い踊るだろう。

 ……半ば白紙と化した絵本が、花びらを纏いし剣舞の最中にぼとり、と『捨てられる』。
「……此処で終らせるつもりだったけど、他の本に『逃げた』のかしら」
 ふぅ、と息を吐くように人形を回収する颯夏は、化け物が逃走を優先したことを悟りながらも、その半端な本を拾い上げる。
 使い捨てられた物語を修復するにも恐らく時間は掛かるだろうが――ここでの被害は一先ず阻止できた形だ。
「けど、らドン君達は一先ず無事だね。あれでだいぶ猟書家も痛手を負っただろうし……」
 セフィリカは黒いモヤが飛んでいったろう先を見遣り、少しの願望を込めて。
「逃げ切れるとは、私も思ってないからね」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

織部・樒
引き続きザフェルさん(f10233)と行動します
アドリブOK

何と面妖な……しかしこれ以上はさせません

ザフェルさんの竜に、割れ鍋綴じ蓋夫妻と同乗します
夫妻には【早業】にて【式神使い】召喚し護衛
また【高速詠唱】にて護法を召喚、ザフェルさんの援護に回しましょう
単体で手に余るようなら適宜合体させ、メインは敵が召喚した者たちへの対処
余裕があれば本体への攻撃も

夫妻への攻撃が激しいなら護法を追加で護衛に回し、間に合わないなら
己の身体で庇います
必要なら竜から降りて囮も考えます
その際は【オーラ防御】【武器受け】【見切り】【ジャストガード】しつつ
【呪詛】【マヒ攻撃】付与した錫杖にて反撃


ザフェル・エジェデルハ
引き続き樒(f10234)と共闘
なんだか見た目に合わねぇ攻撃だな
『幸せそうな物語』を語るなら、それに見合った態度取れってんだ

サファクに騎乗し、爪やブレスによる【範囲攻撃】と
竜槍で【力溜め】した【怪力】による攻撃を行う
敵足元や関節部分の【部位破壊】を行い、行動を阻害して仕留める

なお、樒とヘンテコ夫婦も竜に騎乗させる
夫婦の護衛は樒に一任。俺は専ら戦闘に専念だ

敵の攻撃は【オーラ防御】【環境耐性】【狂気耐性】で凌ぐ
正だか負だか知らねぇが、幻想でよく分からなくなったら
【第六感】を信じるぜ

見た目が『幸せそう』でも偽物だからな。遠慮はしないぜ!



●『ものがたり』にけつまつを
 街の上空には愉快な仲間とは違う『ほんもの』のドラゴンが飛んでいた。
 その背中には割れ鍋に綴じ蓋の夫婦がちょこんと跨って、騎手たるザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)に声を掛けていた。

「なぁ、あれがおチビ達が騒いでる『本』……なんじゃあないか?」
 割れ鍋の旦那がすっと指をさせば、意味ありげに散乱する家庭的なものの数々。綴じ蓋の奥さんには『覚え』があった。
「あ、あれがまさか全部近所から『居なくなった』おチビ達だって、言わないだろうね!?」
 夫婦のやり取りを傍らで聞きながら、その光景を目視する織部・樒(九鼎大呂・f10234)は猟書家の繰り広げる『世界』に奇妙さのみを覚えた。

 あたたかなおさらに やきたてのパンをのせて。
 おともだちといっしょにたべれる このしゅんかんが なによりぼくらの たからもの。
 おふとんみたいに ふわふわのスクランブルエッグを のせて。
 いっしょに いただきます というともだちが きづいたら いなくなっている。
 どうして とかんがえるひまもない。 みんなこのまま ごはんにされてしまう。
 たのしかった ごはんのじかんは どこにあるの? たのしいのはだれだっけ。 たのしいって なんだっけ。

 物語はありふれた幸せを描いているのに、誰一人、『ただしいけつまつ』に至らない。
 全てが『たべられている』。物語が突如『捕食』の光景へと繋がっていくのだ。全ては――猟書家にとっては、糧に過ぎないのだと。
「何と面妖な……しかしこれ以上はさせません」
「その為にふたりにも手伝って貰ってるんだろ? ……行くぜ、サファク! 全員振り落とされるなよ!!」

 高速で接近する竜影に反応するように猟書家は『ものがたり』を使い捨てる。
 取り憑かれた絵本の白紙のページが増えていく度に、その歪んだ物語が彼らを呑み込まんと『取り巻いてゆく』。
「……痛みは与えてきませんか。これはまるで幻術の類ではないですか」
「あんた! さっきふろふき大根は煮たばかりだよ!! 朝食でもないのに、お客さんの背中で煮始めるんじゃないよ!!」
 夫婦も同じ『ものがたり』を見せられている。物語に殺意や暴力性は介在しない。ただただ、話として『歪んでいる』ばかりだ。

「なんだか見た目に合わねぇ攻撃だな――『幸せそうな物語』を語るなら、それに見合った態度取れってんだ」
 樒の護法によって、一行は物語から守られている。見た目が幸せそうでも、全ては『情報』を喰らう為の罠でしか無いのだ。
 時折サファクを正気づかせながらも、在らざる『ものがたり』はブレスで灰燼に帰してゆく。
 どんなに暖かな食卓でも、ちびドラ達にとってどれだけ幸福な時間であっても。それをなぞるだけの歪んだ物語はあってはならない。
 猛攻の隙間を縫って割れ鍋綴じ蓋夫婦を喰らおうとするベスティア・ビブリエの喉笛を、竜槍が貫いたのならば。
 『それ』は傷口からぼろぼろとモザイクのようなものを、血液の代わりのようにぼたぼたと流し――
「……見た目が『幸せそう』でも偽物だからな。遠慮はしないぜ!」
「好機ですね、このまま封じ込めます!」
「他のおチビ達の所に逃げられる前に……頼んだよ!」

 樒の護法が、傷口を修補せんと新たな『情報』に喰らいかかろうとした猟書家を、幻惑し足止めしたのならば。
 あとはどれ程『真正面から戦える力強さ』があるだけだ。無論、この猟書家はそんな直接的なものは持ち合わせていない。
 サファクの吐息が全体を巻き込むように炎の海を広げたならば、全身を貫くように竜槍の一撃が放たれ。
「……まぁ、なんていうか豪快な串焼きが出来たものだなぁ」
「流石に誰も食う気なんて起こさないだろうけどな?」
 割れ鍋の旦那の若干のんきな言葉にザフェルが言葉を返せば――その『串焼き』はぼろぼろと崩れ落ちて、『存在しなくなった』。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月17日


挿絵イラスト