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狂い兎と迷いの花園

#アリスラビリンス #猟書家の侵攻 #猟書家 #マーダー・ラビット #時計ウサギ

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 様々な景色が入り乱れるウサギ穴の中を、時計ウサギに導かれアリス達はひたすらに歩く。
 帰る道だと信じて、この先に扉があると信じて、励ましあいながらまっすぐに歩く。

 只々歩いて……ふと時計ウサギが足を止めた。
 いよいよ扉が近いのだろうかと顔を輝かせる一行に向けて、振り返った時計ウサギがにったりと笑う。
「さぁて、皆様。名残惜しいのですが、ここでお別れとなりました。扉、見つからなかったですねえ……まあ、当然ですけれど」
 どういう事だ、と声を上げるアリス達に向けて指を振ると、彼は言い聞かせるようにゆっくりと言葉を紡ぐ。
「どうしても何も、遊んでいただけですからねえ。僕はここでサヨナラ。貴女達にはこのまま骸の海の藻屑になってもらいます……ふふふ、どんなにか痛く苦しく楽しい事でしょう、立ち会えないのが残念です。ああ、万が一出口に辿り着いてしまったら……その時は僕がちゃあんと、一人残らず殺して差し上げますので」
 楽しそうに笑う時計ウサギ――マーダー・ラビット。
 驚きと怯えに固まるアリス達を前にひとしきり笑った後、彼は芝居がかった動きで頭を下げ――そのまま姿を消した。

 マーダー・ラビットが姿を消すと同時、アリス達の周りの風景が大きくぐにゃりと歪む。
 現れたのは現実には存在しない色や形の植物で構成された庭園、高い生け垣が視界を阻む原色の迷路。
 風に揺れる蔦は紫、足元の花を折り取れば花弁は黒の混じった橙。生垣も1本毎に色を変えるが、全体を見れば不思議と調和のとれた美しさを感じる。
 遥か遠くにうっすらと見える光、それが出口なのだろうか。
 先程のマーダー・ラビットの言葉通りなら留まれば死、出口に辿り着いても死。それでも、もしかしたら殺される前に扉を見つけられるかもしれない。そう考えたアリス達は怯えながらも手を取り合い、ゆっくりと歩きだした。

「アリスラビリンスで、可愛らしいお嬢さん達に危険が迫っているようなんだ」
 集まった猟兵達に向かい、樹・さらさ(Dea della guerra verde・f23156)はそう切り出した。
「時計ウサギの先導がないウサギ穴は、不安定に時空の絡み合った異世界と化す……今回アリス達を案内していた時計ウサギはマーダー・ラビットの変装だったようで、彼女達を穴の中に残したまま姿を消してしまう。勿論、逃れる術はない」
 置き去りにされたアリス達は、このまま彷徨い続けるなら何れ骸の海に飲み込まれてしまうだろう。
「これから行く先は、不可思議な色彩の庭園迷宮。君達には現場へ急行してもらい、アリス達を助けて迷路を脱出してもらう。迷路の出口にはマーダー・ラビットが待ち構えているだろうから戦闘は避けられない」
 さらさは一度言葉を切ると、胸に手を当てて頭を下げる。
「出来るだけ早くアリス達を助けて貰いたい……君達なら大丈夫だと信じているよ」


真空。
 初めまして。真空。(まそら)と申します。

 アリラビ猟書家シナリオです。
 第1章:迷路を脱出せよ(冒険)
 第2章:対マーダー・ラビット(ボス戦)
 となっております。

 全章共通のプレイングボーナスは【アリス御一行にも手伝ってもらう】です。
 1章では道を覚えたり出口の方角を確認してたり。
 2章では拾っていた石や棒を投げたり、マーダー・ラビットの動きを教えてくれたりします。

 公開された時点から受付開始となります。

 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称も)とID】のご記入お願い致します。
 あまり大人数だと難しいです、すみません……。

 皆様の参加、心よりお待ちしております。
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第1章 冒険 『庭園迷宮』

POW   :    花も木も無視無視!草木をかき分けながら脱出だ

SPD   :    綺麗な花や整えられた木々を観賞し、ゆっくり散歩気分で脱出

WIZ   :    花や木に脱出のヒントがあるかもしれないので詳しく調べながら探索する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クラリス・シドルヴァニス
親切な時計ウサギを装って、土壇場で裏切る…
いかにもオウガらしい悪趣味な手口ね。
失礼、私はクラリス。猟兵をやっているわ。
大丈夫、正真正銘の人間よ。
さぁ、早く脱出する方法を探しましょう。

どうかしら、出口の方向は思い出せる?
道が塞がれているなら、私がユーベルコードで何とかするわ。
【聖戦の印】を発動し、状況に応じて武器の性能を強化。
セブンリーグブーツの《悪路走破》能力で道なき道をかきわけて、
大剣で《なぎ払い》、無理やりにでも道を作っていくわ。
岩や巨木が横たわるなら攻撃力を。草が生い茂っているならば攻撃回数を。
大丈夫。あなた達が諦めない限り、オウガ達にもあなた達の世界に帰る
心の扉を壊すことはできないわ。



●白の騎士

「親切な時計ウサギを装って、土壇場で裏切る……いかにもオウガらしい悪趣味な手口ね」
 当ても無く異界の庭園迷宮を彷徨うアリス達の前に現れたのは、とりどりの色彩に涼やかに映える銀色の髪を靡かせ、白い鎧に身を包んだ凛と美しい女騎士クラリス・シドルヴァニス(人間のパラディン・f27359)。
 彼女の切れ長の水宝玉の瞳が怯えたように身を竦めるアリス達を捉え……透き通った中に慈愛の色を宿して柔らかく細められる。
「……失礼、私はクラリス。猟兵をやっているわ。正真正銘、人間よ。あなた達を助けに来たの」
もう大丈夫、と安心させるように微笑むクラリスにアリス達はぼんやりと見惚れ……慌ててこくこくと頷いた。

「普通に道を探す時間はかけたくないわね……出口の方向を、思い出せるかしら?」
 問われたアリス達は、軽く目を合わせて確認しあうととこっち、と少し先の赤い生垣で行き止まりになっている方へと指をさす。
 道が塞がれているなら、向かいたい方角へと道を作ってしまえば良い。
 顔の前に大剣を構えると瞳を閉じ祈りを捧げる。金細工で柄に施された、魔を払う華麗な十字の意匠がふわりと白い光を放ち始める。
 聖戦の印……聖なる光が掲げた刃を強化し、先へ進むための意思が力となってクラリスの身体を包み込んだ。
 どんな道でも踏み越える事ができる白いブーツが黄色の草藪をものともせずに踏み込み、その細腕で軽々と横薙ぎに振るった大剣が、白い軌跡を残して目の前の生け垣を吹き飛ばし次の通路への道を開く。
 舞落ちる赤の葉、黄色の草が、まるで花吹雪の様に辺りを染め上げ、鮮やかな色彩が中心に立つ白き女騎士を飾りたてる。
 その高貴な絵画のような光景に、此の場に居る数少ない鑑賞者であるアリス達は目を奪われ……完成されたようにさえ思える世界に自分達が踏み込んで良いものかと、躊躇い足を止めてしまう。
 クラリスは振り返ると、そんなアリス達へ向けて真っ直ぐに手を差し伸べた。
「大丈夫。あなた達が諦めない限り、オウガ達にもあなた達の世界に帰る心の扉を壊すことはできないわ……行きましょう」
 クラリスは強化された大剣を何度も振るい、最短で出口へ向けての通路を切り開いていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神代・みぃ
SPD:お散歩気分でアリスさん達を励ましながら脱出

この国に来るのは初めてだね!
あ、アリスさんたち発見、なの

大丈夫だよ、アリスさんたち
みぃがいるよ、そしてみぃにはアリスさんたちがいる
みんなで一緒に脱出しよ?
力をあわせれば、きっとだいじょうぶ!
さぁ、すすも!

ね、この道って、さっき通ったっけ?
わわ、とおった!?
でもありがと、みぃ、迷路ははじめてなの
みんなは道が見分けつくんだね、すごいの!
(と励ましながら進みます)
それにしても、きれいな迷路だね
あ、このお花とか、あなたに似合そう!
(アリスの髪にさしてあげる)
進めばもっときれいなお花もあるかも
いってみよ!



●花と幼き人魚姫

「この国に来るのは初めてだね!アリスさんたちはどこかな?」
 神代・みぃ(水底の朱・f30892)は物珍しそうに辺りを見回し、迷路を進む。
 少し先の方に人の姿を見つけ、声をかければアリス達。
「……に、人魚?」
 華やかな服の裾から覗くのは足ではなく滑らかなフォルムの尻尾。宝石のように輝く真珠色の髪に瑠璃の瞳。浮世離れした可愛らしさにアリス達は驚き、みぃに何者なのだと問いかけるが。
「みぃはね、金魚さんなの」
 謎めいた答えを返し、ふふ、と笑う声は一瞬年齢に見合わぬ艶やかさを垣間見せて。
 「大丈夫だよ。みぃがいるよ、そしてみぃにはアリスさんたちがいる。みんなで一緒に脱出しよ?力をあわせれば、きっとだいじょうぶ!」
 繰り返し告げるみぃに、頷くアリス達。
「いっしょに、がんばろ?」
 歌うような声は優しく柔らかく響き、不可思議な説得力を持つ。例え幼く見えたとしても、不思議な力を持つ猟兵なのだと理解したアリス達は、みぃと共に先を進む。 

「ね、この道って、さっき通ったっけ?」
 似たような色の組み合わせを見たような……首を傾げていると、アリスが周囲を確認する。
「ここはさっき通ったかも、今度はあっちに曲がってみよう?」
 みぃにとっても初めての迷路、アリス達と一つずつ道を確かめながら着実に進んでいく。
「みんなは道が見分けつくんだね、すごいの!」
「そんなにすごくはないけど……ありがとう」
 それにしても、とみぃは立ち止まると足元の花に手を触れる。
「きれいな迷路……あ、この花とかあなたに似合いそう」
 薄青と白の花弁が交互に八重に咲いた花を一輪、そっと折り取るとアリスの髪に丁寧にさす。
 柔らかな色合いに、皆で似合う似合うとはしゃげば暗い気持ちも吹き飛んだようで。
「進めば、もっときれいな花があるかも。いってみよ!」
 先の道を指さしながら速度を上げるみぃに、アリス達も笑いながら小走りについていく。
「次のお花は何色かな、今度はみぃちゃんに着けてあげるね」
 すっかり仲良くなった一行はゆっくりと、出口へと進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

風見・ケイ(サポート)
風見慧、探偵です
なんて格好つけてみましたが、物語の名探偵とはほど遠く
時間をかけて観察すれば、私でも真実は見えるでしょうが
依頼の多くは素行調査や人探しに……猫探し
ということで、私は主に調査担当
元警察官の経験や伝手を活かしての『情報収集・失せ物探し・追跡』などはお任せください
今は猟兵ですから、少しくらいなら法よりお仕事優先です

私も鍛えてはいるものの、身体能力は常人の域を出ず
武力担当の二人(螢や荊)にならない限り、狙撃や怪力等は使えません
『拳銃』での『援護射撃』や一般人の『救助活動』によるサポート
緊急時は、ライターの火や煙草の煙の巨大化による牽制や攪乱
……無理して、他人の前で右腕を露出したくないので



●赤と青の探偵

 道を進むごとに垣間見える光は強くなり、終わりは近いと感じさせられる。
 アリス達の向かう先、そろそろ出口の辺りかと思われる生垣の隙間を覗く人の姿。
 中性的な書生風の服装、細身の青年にも見えるが銀鎖の下がる銀縁の眼鏡から覗く炎と氷を宿す瞳と泣き黒子は、涼やかな色気を漂わせる。
 風見・ケイ(星屑の夢・f14457)はアリス達に気付くと姿勢を正し、軽く頭を下げた。
「こんにちは。少し早めについたので道を探していたのですが……どういう事かこの先、行き止まりなんですよね」
 困ったように眉を寄せるケイ。アリス達からもここまで来たのに、という落胆のため息が漏れる。
「……ですが」
 言葉は続く。縋るようにケイを見るアリス達にふ、と笑いかけると手で生け垣を示し。
「見えるものが全てではない。貴女達が来るまでに観察の時間を十分に頂きましたから」
 長い睫毛に縁どられた左右異なる色の眼が生垣を見遣る。ぐるりと見まわす視線がある角の一点に止まり。
 調査担当なので間違い探しは得意なんです、と笑みを浮かべたまま端の方から生垣にかかる煉瓦色の蔦を剥がしていく。アリス達も手を貸し、何本目かの蔦を下ろした時、重なる藍色の葉の隙間から光が零れ出す。
「ほら、あったでしょう?」
 蔦を全て剥がしてしまえば、生垣の間に人が一人通れる位の隙間が空いていて。
 顔を出せばそこは茎も葉も白い花の道。正面の光が出口だろう。
 待ち受けるマーダー・ラビットを思い出し、不安そうにケイを見上げるアリス達の手を取ると先へ進もうと促した。
「さあ、行きましょう。大丈夫、我々が守りますから。必ず帰れますよ」

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『マーダー・ラビット』

POW   :    きす・おぶ・ざ・です
【なんとなく選んだ武器】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    ふぁんとむ・きらー
【糸や鋏、ナイフ等】による素早い一撃を放つ。また、【使わない武器を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    まさくーる・ぱーてぃ
自身の【殺戮への喜びによって瞳】が輝く間、【自身の全て】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠終夜・嵐吾です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クラリス・シドルヴァニス
あれが猟書家マーダー・ラビットね、見つけたわよ。
言動の端々から醸し出す悪意…気に入らないわね。
だけど焦りは厳禁、慎重にいくわ。

見たところ相手は軽装、ならば隠し武器による
素早い攻撃が得意と見たわ(戦闘知識)。
相手に対応できるよう、【聖戦の印】を発動。
今回は命中率を重視していきましょう。
「どこにいるの。鉤爪の男は」
まぁ、知っていてもこの者が話すことはないだろうけど…
相手の挑発に乗らないよう、《落ち着き》を保つよう心がけて
戦いましょう。
長剣のリーチを活かし、突きを放って攻撃するとともに
切っ先で突き飛ばし、相手との距離を保ちながら戦うわ。
アリス一行は前に出すぎない位で支援してね、近づくと危ないわ。



●光の向こう

「おやおやおや。出てきちゃいましたかー。これはびっくりですねえ嬉しいですねえ……僕の手で殺せそうじゃないですか」
 光を抜けると足元は先程までと同じ白い花。周りの景色は様々な色が流れ、世界の果ては見えない。
 その中心でゆらりと立ち上がるのは、両の手に血錆の浮いた鋏を下げたマーダー・ラビット。
「貴方が猟書家マーダー・ラビットね、見つけたわよ」
 アリス達を背後に庇い問いかける、クラリス・シドルヴァニス(人間のパラディン・f27359)の言葉にマーダー・ラビットは持っていた鋏をくるりと回し、にたりと笑みを浮かべたままわざとらしく首を傾げる。
「こっちはずっと待ってたんで待ち草臥れちゃいましたよー。これは全力で痛く酷く苦しく無残な殺し方でもしないと、気が済みそうにありませんねえ」
 徹底的に揶揄う様な態度に滲む悪意、どうしても浮かんでくる苛立ちをクラリスはアリス達の存在を意識する事で消し、これからの戦いに余計な感情を持ち込むことの無いように一度の瞬きで思考を切り替える。
「絶対にさせないわよ。一応聞いておくけど、どこにいるの。鉤爪の男は」
「そんなの答えると思いますかー?」
 マーダー・ラビットの答えに眉根を寄せ、クラリスはアリス達に下がるように手で指示をすると、すらりと剣を抜いた。
 手に鋏を下げただけのマーダー・ラビットの様子を冷静に観察し、自身の戦い方を確認する。
 例え素早さで負けていても、底上げする力がある。柄に手をかざすと再び聖戦の印――大剣クロスクレイモアの十字飾りが光を放ち刃を覆う。
 白い花畑の舞台で、水宝玉が煌めき銀の輝きが躍る。鋭く放たれる突きは確実にマーダー・ラビットの身体を切り裂き、剣の放つ光が衝撃波となって距離を取られ、攻撃の為にクラリスへと近付く事も出来ず。
「へえ、これじゃ切れそうにないなあ……あああっ!?」
 肩を竦め鋏を投擲用のナイフに持ち替えようとしたその時、下がっていたアリス達が投げた石が手元を掠めナイフを弾き飛ばす。
「おやおや、これは困りましたねえ」
「ここで終わりね」
 クラリスは確りと目の前の敵を見据え、大剣を構え直した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

梟別・玲頼
アリスの嬢ちゃん達は無事か
怖かったろ…ああ、まだアソコに怖いウサギ野郎がいるけど、大丈夫だぜ
オレが守るから、な?
背中を軽く撫でて落ち着かせる様に告げ

さて、そこのサイコなウサ公
冗談にしちゃ度が過ぎる悪戯だな?
キツめの仕置きが必要な様だ

UC発動
オレの力は護る為の力
アリス達の存在がオレの守護者としての矜持を強く認識させる
つまり君達がそこにいるだけで力になってくれてるんだ

そっちがどんなに凶悪な武器を手にしても、絶対近付けさせねぇからな
風を起こして接近を阻止
弓を番えて遠距離から射抜く
それでもまぁ多少距離詰まったら、アリス達庇いながら、纏う暴風でぶっ飛ばしてやるぜ?
指一本触れさせん…カムイの名において、な


ネミ・ミミーニーズ
案内の兎がいなくなったって?
任せなさい。ネミさんもフェアリーなのでガイドとかそれなりに出来ます。
シリアスに案内出来る時間は限られているけどやってみせよう。

って時間限られてるって言ったでしょ何とか兎!
ええい行け!山羊!【ミミーニーズと4体の悪魔王】
殺戮の喜びがなんだ!うちのは悪魔王だぞ!その辺のまーだーとか超越してるんだぞ!頭が高い!
殺戮への喜びを感じたらまずはこの契約書に詩的表現をしたためてサインするんだそれから殺戮前に凶器に愛を囁いてなんやかんやなんやかんや!

ってな感じで兎は引き付けとくのでアリスの皆様は出口に向かってください。



●守るは梟の神か緑の妖精か

 傷を負うもまだ余裕気なマーダー・ラビットを前にしたまま、視線だけで出口を探すアリス達の前に、ふわりと降り立ったのは人々を守護する梟の化身。
「アリスの嬢ちゃん達は無事か……ああ、まだアソコに怖いウサギ野郎がいるけど、大丈夫だぜオレが守るから、な?」
 梟別・玲頼(風詠の琥珀・f28577)はマーダー・ラビットの視線を遮るように立ち、そっとアリスの背中に手を伸ばして落ち着かせるように撫でると柔らかく声をかける。すっと顔を上げると、マーダー・ラビットに向ける視線は冷たく。
「……さて、そこのサイコなウサ公、冗談にしちゃ度が過ぎる悪戯だな?」
「おや何の事でしょうねえ……僕はいたって真面目ですよう?」
 大げさに首を振り目を伏せ、心外です、などと呟くマーダーラビット。そこにもう一人、小さな影が勢いよく飛び込んでくる。
「はいはい、ネミさんが通りますよー!あ、いたいた!アリスちゃん達見ーつけたっと」
 ネミ・ミミーニーズ(蒸気打ちの妖精・f00595)は向かい合う二人の間を突っ切り、見つけたとアリス達の周りを飛び回る。明るい緑の髪がふわふわと楽し気に跳ね、メイド服でアリス達の側にホバリングすると全開の笑顔で腰に手を当てて。
「あれが元案内の兎ですね。大丈夫だいじょーぶ、あんなのじゃなくてネミさんがちゃんとガイドしますよー」
 会話に割り込まれ指をさされた、マーダー・ラビットは目を丸くすると大きく肩を竦める。
「あんなのとは酷いですねえ……貴方もそう思いません?」
 玲頼に問いかけるも返ってくるのは冷えた視線。ため息をつくと仕方ないな、と鋏を構え。
「気分を害しちゃったので、これはもうじょっきんと行かせてもらいますねえ」
 ゆら、と踏み出したかと思うと、尋常ではない速さで一気に距離を詰める。
 後一歩で手の鋏が届くかと思われたその時、暴風の壁がマーダー・ラビットの細い身体を吹き飛ばし距離を開かせる。手を伸ばした玲頼が生み出した力【祈リシ森ノ守護】。
「近付けたりさせねぇよ。俺の力は守る力……君達が居ることが、俺の助けさ」
「あーもう、ネミさんがシリアスに出来る時間は限られてるんだからね!行け、山羊!」
 玲頼が纏う風の結界、押し返されたマーダー・ラビットの前に、ネミがユーベルコード【ミミーニーズと4体の悪魔王】で召喚した山羊頭の悪魔が立ち塞がる。
「うちのは悪魔王だぞ、まーだーがなんだ、頭が高い!殺戮への喜びを感じたらまずはこの契約書に詩的表現をしたためてサインするんだそれから殺戮前に凶器に愛を囁いてなんやかんやなんやかんや!」
 まくしたてるネミが目配せする。玲頼は一瞬呆気に取られるもネミの視線に気付き、山羊の悪魔が足止めとなってマーダー・ラビットの動けずにいるのを見てすぐに弓に矢を番えた。自身が操る風の壁の合間から、威力を高め放たれた矢は狙い通り真っ直ぐにマーダー・ラビットの胸を射抜く。
「あああああ!傷が血が僕の血が許さない……殺す殺すコロす!」
 血が噴き出すのも構わず無理やり矢を引き抜き、吠えるマーダー・ラビット。虹色に透き通る翅を羽ばたかせ宙に留まるネミがびしり、と指を突きつける。
「ヤバいウサギさんは退場の時間です!」
 動じる事無く再度矢を番える玲頼、透き通った琥珀がひたりと狂うウサギを見据え。
「指一本触れさせん…カムイの名において、な」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

火土金水・明
「アリスさん達を罠にかけて殺そうとする存在は、絶対に許す訳にはいきません。」(可能であれば、アリスさん達に攻撃のタイミングに合わせて拾っていた石や棒を投げてもらいたいです)
【SPD】で攻撃です。
攻撃方法は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡め【限界突破】した【銀の流れ星】で、『マーダー・ラビット』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



●黒の閃光 

 猟兵達との戦闘で深い傷を負ったマーダー・ラビット。流れ続ける血に動きが鈍るが、それでも出来うる限り素早く服の隠しからナイフを取り出す。
「ふふ……ふふふふふ。こうなったら、せめてアリス達だけでも道連れに……!」
 投げられた数本のナイフは真っ直ぐにアリス達に向かう……が、軌道上に突然現れた銀の剣がそれを遮り弾き飛ばす。
「アリスさん達を罠にかけて殺そうとする存在は、絶対に許す訳にはいきません」
 割って入ったのは火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)、アリス達を背後に庇い立ち、艶やかな漆黒の瞳がマーダー・ラビットを捉える。
「これ以上は何もさせませんよ」
 次の瞬間ふわり、と長い射干玉の髪が揺れ黒いマントが靡く。ブーツに包まれた長い足が白い花の上を滑るように動き、一気にマーダー・ラビットとの距離を詰めていく。
 正面に構えられた剣に、鋏で攻撃の軌道をそらそうとするマーダー・ラビット……しかし鋏を向けた場所には剣は降りてこない。寸前で一歩、横にそれると斜めから一閃、更に横に振り抜き二閃。
「少しでもダメージを与えて次の方に」
 冷静に呟く明にせめて一矢を、と振り下ろされるマーダー・ラビットの鋏はタイミング良くアリス達が投げた石や棒で遮られ、明にあっさりと見切られかわされてしまう。
「フザケルナ……しね死ね死んでしまえ……っ!!」
 全身を真っ赤に染めだらりと腕を下ろし、肩で息しながら血走った眼で明を睨み叫ぶマーダー・ラビット。
 明は動じる事無く、視線は目の前の敵に向けながらも周囲の様子を確認する。マーダー・ラビットにダメージが蓄積する毎に周囲の空間が軋み、うっすらと違う世界への扉が覗く。アリス達も開きそうな扉を探しているようだ。
「この様子だとそろそろ終わりのようですね」
 怒り狂うマーダー・ラビットとは対照的にあくまで穏やかに、明は状況を分析した。

成功 🔵​🔵​🔴​

風見・ケイ
三月ウサギのお出ましですね……大丈夫、《私達》が守るから。

(勇気づけるように手を握ったまま、静かに目を閉じて――
パッと開いた時には、赤い瞳の螢に)

さァて、うさぎ狩りの時間だ。あいつの終末を共に見届けてやろう。
いいか、俺の合図で石でも棒でも思いっきり投げろ。
バカみたいに武器を捨てやがるから、それでもいい。
大丈夫。おまえ達には届かせない。苦し紛れにナイフなんか投げてきても、すべて撃ち落としてやるさ。

――すべて視えたからな。
未来を元に、敵の動きを阻害するタイミングで投げつけさせる。
攻撃はすべて迎撃。武器を狙撃してもいい。
いくら加速したところで無駄だ。
これまで撃った弾すべてが、おまえに向かっていくぞ。



●見届けるは赤

 風見・ケイ(星屑の夢・f14457)はそっとアリス達の前へと進み出る。
「三月ウサギのお出ましですね……大丈夫、《私達》が守るから」
 マーダー・ラビットに構うことなく背を向けて勇気づけるようにアリスの手を握ったまま、静かに目を閉じて……一瞬の後開いた両の眼が赤く染まり、合わせて全身の纏う空気が変わる。
 赤い瞳の《螢》はゆっくりと振り向くと、にやりと笑った。
「さァて、うさぎ狩りの時間だ。あいつの終末を共に見届けてやろう」
 大丈夫。ナイフの欠片一つさえもおまえ達には届かせない。すべて撃ち落としてやるさ。
 アリス達に合図して手持ちの武器を構えさせる。それぞれに投擲のタイミングを囁き、ケイ自身もマークスマン・ライフルを構えた。
「誰が終わりだあァ!?死ぬのはお前らだ!!!」
 マーダー・ラビットの眼がぎらりと赤く輝く。血の糸を引きながら走り、ケイを狙ってナイフを、鋏を、持っている武器の全てを投げつけてくる。
 無駄だ――すべて視えたからな。
 アリス達が石を、棒を投げると見事にマーダー・ラビットの動きを止め、投げられたナイフや鋏を全て弾く。
「な、何故……なんで当たらない!?」
 マーダー・ラビットの顔が絶望に染まる。
 何もかもケイの計算通り……いや、最初からそうなると分かっていたのだから。
 終末を共に(デッド・スター・エンド)……ケイの見た未来に、このマーダー・ラビットの姿は存在しない。
 投擲武器を使い切ったマーダー・ラビットに向けてケイの放った炎の弾が直撃する。逃げても追いかける弾丸が、巻きあがる炎が狂ったウサギの全てを燃やし尽くしていく。
 僅かな時間で炎は消える。そこには燃え跡以外の何も、残っていなかった。
 マーダー・ラビットの消滅によって花畑は消え失せ、いくつかの扉が現れる。そのうちの一つ、半開きの扉の向こうからこちらを覗くのは新たな案内役である時計ウサギか。
「一緒に……?そうですね、あの時計ウサギが本物か確認はしておきましょうか」
 瞳の色が戻ったケイをアリス達はもう少しだけ一緒に、と誘う。時間が許す限りはと頷いたケイはアリスの手を取り、ウサギの招く扉を潜った。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月28日
宿敵 『マーダー・ラビット』 を撃破!


挿絵イラスト