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その剣士、般若と成り果て

#サムライエンパイア #猟書家の侵攻 #猟書家 #『刀狩』 #妖剣士 #マイ宿敵

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●惨劇の後に
「あああああああ!!」
 その身を返り血に染めた少女の慟哭が響き渡る。
「ああ……我が君よ! どうして、どうして……」
 事切れた男性をその腕に抱き、少女は嘆く。
「他の女に色目を使うなど……嫉妬で胸が張り裂けそうでした。でも、生き霊をけしかけて懲らしめる程度のはずで、本当に殺すなんて……」
 彼女は何かに取り憑かれたかの如く、想い人と浮気相手、そしてその家人達を惨殺したのであった。だが、一時正気を取り戻した彼女は、想い人の死という事実に絶望する。そして、その絶望が少女剣士を般若へと変えていった……。

●暗躍する『刀狩』
「皆、サムライエンパイアで猟書家が事件を起こすことが予知されたぞ」
 グリモア猟兵の天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は、集まった猟兵に自らの予知を語る。
「猟書家『刀狩』は、豊臣秀吉に仕えた刀喰らいの妖怪だ。主君の血を引くクルセイダーに忠誠を誓っている刀狩は、妖剣士を鬼に変え、クルセイダーの戦力として献上しようとしているのだ」
 刀狩が妖剣士を鬼に変える手法、それは刀狩が標的の持つ『呪われた武器』に憑依して行われる。武器に憑依した刀狩は、妖剣士を洗脳してその者の大切な存在を含めた大虐殺を行わせる。その後に妖剣士を正気に戻すことで、絶望から鬼化させるというものだ。

「今回標的となったのは『嘆きの六条』という妖剣士だ。彼女は嫉妬深くはあるが、流石に想い人を殺すようなことはせぬ。しかし、刀狩は彼女の短刀に憑依し、想い人達を惨殺したのだ」
 猟兵達が駆けつけることが出来るのは、少女が鬼へと変じた直後だ。そのため、この鬼へと変わる事件自体を防ぐことは出来ない。しかし、刀狩の宿る短刀を彼女から手放させることが出来れば、彼女を正気に戻すことが出来るという。
「正気に戻すことが出来れば、六条は鬼より元に戻り、クルセイダーの戦力が増強されることは無い。そして、その時には刀狩は本性を現わす事であろう」
 しかし、武器さえ手放させればよいといっても、鍛錬と精神修養を欠かさなかった妖剣士が『鬼』と化した今、ただそれだけの事が途方もなく困難である。
「嘆きの六条は、妖剣士としての剣技のみならず、自身の生き霊を呼び出して操り、また呪詛にも通じた難敵だ。だが、貴殿達であれば、きっと刀狩の宿る妖刀を手放させ、救うことが出来ると信じているぞ」
 刀狩の悪辣な計画を成就させてはならない。猟兵達は、百々の転移で現地へと向かうのであった。


夢幻
●幹部シナリオのため、二章構成となります。
●青丸が溜まると、六条は武器を落とし二章へ進行します。
●このシナリオのプレイングボーナスは、『正気に返った妖剣士と共に戰う(第2章)』です。

 1章:ボス戦『嘆きの六条』
 2章:ボス戦『刀狩』
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第1章 ボス戦 『嘆きの六条』

POW   :    恨みと妬みの化身
【物理攻撃を無効化する自身の生き霊】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    邪魔する者は呪われよ
【形代を使った呪い】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    その身は般若と成り果てて
全身を【怨念と呪詛】で覆い、自身が敵から受けた【屈辱(正体を見破られるなど)】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠天御鏡・百々です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

バルタン・ノーヴェ
「オゥ……死別の悲恋など、あまりに悲しいデス! そんな未来は叩っ斬りマース!」
 バルタンはこの事件に対して奮起し、猟兵として参加します。

 戦闘中、戦いながら『嘆きの六条』に人を殺させないよう妨害を試みます。
 嘆きの六条の「恨みと妬みの化身(POW)」に対し、ユーベルコード「ヴァリアブル・ウェポン」を使うことで、生き霊の行動を阻害します。
 最大の目的は、彼女を傷つけることなく、妖刀を手放すための隙を作りだすです。
 その為なら、自分自身へのダメージは多少やむを得ないものとします。



「オゥ……死別の悲恋など、あまりに悲しいデス! その上に、鬼とされてオブリビオンに利用されるナンテ! そんな未来は叩っ斬りマース!」

 グリモア猟兵から事件の顛末を聞き、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は奮起する。鬼を造り出すために想い人を殺させるという悪辣な手段も許せないし、クルセイダーの元で更なる惨劇を引き起こす道具とされるなどもっての他だ。そしてグリモア猟兵の転移でサムライエンパイアの武家屋敷に辿り着いたバルタンは、『嘆きの六条』と邂逅する。

「アナタが六条さんデスネ! もう人を殺す必要はアリマセーン!」
「からくりの……女? 我が君を誑かしに来たの!?」

 絶望に染まり般若と化した六条には、まともな思考能力は残っていない様子だ。相手が女性と言うだけで、想い人を誑かそうとしていると嫉妬に狂い、襲いかかって来る。想い人が既にこの世にいないことすら曖昧になっているようだ。

「あいつを……取り殺して!」
「戦闘開始デース! 『ヴァリアブル・ウェポン』、展開シマース!」

 六条は自身の生き霊を呼び出し、バルタンヘと向けてけしかけてくる。それに対し、彼女はそのサイボーグの身体から内蔵兵器を展開して生き霊へと射撃を加えた。

「オウッ!? 攻撃が通じていまセーン!」

 並のオブリビオンなら怯ませることは出来るはずであろうその火力も、生き霊をすり抜けてしまって効果が無い。単純な物理攻撃では、この世ならざる者である生き霊にはダメージを与えられないのだ。これでは生き霊の妨害もままならない。

「さっさと、死んで!」

 さらに、生き霊と連携を取るように六条自身もバルタンを殺そうと斬りかかってくる。元々かなりの腕を持つ妖剣士である六条が鬼と化したことで、ユーベルコードを抜きにしてもその猛攻を凌ぐことは容易では無い。

「戦闘の継続は困難デース! 撤退するしかアリマセーン!!」

 このまま戦ったとしても、唯々負傷が積み重なるだけだ。苦渋の決断となるが、これでは撤退もやむなしだ。冷静にそう判断して、バルタンはこの戦場から退くのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

幻武・極
やれやれ刀狩りか、確か秀吉がそんなことをしていたんだっけ?
まあ、その時は武士は対象外だったらしいけど、今度は妖剣士、つまり武士が対象のようだね。

さて、妖刀には魔鍵で対抗するかな。
物理攻撃が無効なら魔法攻撃で攻めるのは基本だよね。
昔ならボク達のような武術家に有効な手だけど、今は結構対処可能だよね。
トリニティ・エンハンスで攻撃力を強化しつつそれぞれの魔力で属性攻撃を付与して魔法攻撃に変換して攻撃するよ。



「やれやれ刀狩りか、確か秀吉がそんなことをしていたんだっけ?」

 猟書家の名前を聞いてそう呟いたのは、幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)だ。秀吉が行った政策としての刀狩りでは、武士以外から刀を取り上げることで一揆や反抗を妨害すること、そして身分の明確化という目的で行われていた。

「まあ、その時は武士は対象外だったらしいけど、今度は妖剣士、つまり武士が対象のようだね」

 対して同じ名を冠するこの猟書家は、刀を持つ妖剣士を標的とし、クルセイダーの戦力増強を目的としている。再び戦乱を引き起こそうと暗躍するこの刀狩りは、放ってはおけないだろう。そして極は、戦場となる武家屋敷に突入する。

「羅刹の小娘! 貴女も我が君を誑かそうというのね!」
「これが鬼になった剣士か。絶望で精神もおかしくなっているみたいだね」

 近づく女は全て我が君を狙っていると決めつけ、嫉妬に狂う般若の剣士に言葉は通じそうに無い。やはり、刀狩の憑依した短刀を手放させる以外には、正気に戻す方法は無さそうだ。

「殺す殺す殺してやる!」

 六条は呼び出した生き霊と共に、極に襲いかかって来る。

「さて、この相手に対抗するならこれかな……『トリニティ・エンハンス』!」

 『幻武の鍵』を構えた極は、ユーベルコードを用いて三種の魔力をその魔鍵に宿らせる。そして彼女が半透明な生き霊へと魔鍵を振るえば、確かな手応えと共に生き霊が怯んだ。

「物理攻撃が無効なら魔法攻撃で攻めるのは基本だね。昔ならボク達のような武術家に有効な手だけど、今は結構対処可能だよね」

 肉弾戦で戦う武術家にとって、物理を無効化する霊は相性が悪い。だが、猟兵である極にはユーベルコードがある。それを上手く使えば、そういった相手であろうとも問題なく戦うことが出来るのだ。

「さあ、その剣の腕、見せてもらうよ」

 あっさりと生き霊を撃破した極は、六条へと向き合う。そして、相手の剣術を楽しむかのように、己の武術を披露するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天城・千歳(サポート)
本体で行動出来る場所なら本体で、本体の入れない場所の場合は戦闘用リモート義体で行動し本体は義体からの情報を元に【情報収取】【戦闘知識】【世界知識】【瞬間思考力】を使い状況分析及び支援行動を行う。
戦闘状態になったら【誘導弾】の【一斉発射】による【範囲攻撃】で【先制攻撃】を行い、その後は【スナイパー】【砲撃】【レーザー射撃】で攻撃する。
敵の攻撃は状況に応じて【盾受け】で防御するか【見切り】【ダッシュ】【推力移動】を使った回避で対応。
味方とのコミュニケーションはリモート義体が【コミュ力】【礼儀作法】場合により【言いくるめ】を使って対応する。
協力体制を構築した味方に対しては、通信による情報支援を行う。


バルタン・ノーヴェ
「グレイト! バックアップに回りマース!」
ここはサポートに回るべきだとバルタンは考えました。
力押しでは通せないと思い、ユーベルコードは使いません。
真の姿、軍人のような表情・口調となり、冷たい戦闘機械としての姿を変貌させます。
「我輩はこれより援護に突入するであります」
嘆きの六条の注意を引き付けるために、
残像の技能を用いながら、SPDによるかく乱を試みます。



「標的、確認です。攻撃を開始しますわ」

 青い装甲を持つ重装甲のウォーマシン、天城・千歳(自立型コアユニット・f06941)による先制射撃が、武家屋敷の庭へと出てきた嘆きの六条へと加えられた。『ブラスターライフル』、そして機体の背部兵装ユニットに取り付けられた幾つもの武装が火を噴き、六条を一斉射撃が襲う。

「きゃあっ!? お前も、私と我が君の愛の巣を引き裂こうというの!?」

 突然の攻撃に悲鳴を上げるも、六条はすぐに体勢を立て直し、離れた千歳を睨み付ける。その言動はやはり支離滅裂であるも、千歳への反撃のため懐より人型の紙を取り出した。

「グレイト! バックアップに回りマース!」

 しかし、六条の反撃が行われる前に、先ほど撤退したはずのバルタンが物陰より現れて六条を牽制する。どうやら、彼女は直接の攻撃を仲間の猟兵に任せ、自身は援護に動くことに決めたようだ。

「我輩がいる限り、あの方を攻撃する隙は与えないであります!」
「ならば……貴様から呪ってやる!」

 残像を残して細かく移動し、バルタンは六条を攪乱する。猟兵としての真髄であるユーベルコードを使用していないためにまともなダメージこそ通らないが、真の姿を現わした彼女の動きは、六条をしても簡単に捉えられるものでは無い。幾度もちょっかいを掛けられて、遂に六条は標的をバルタンに変更する。そして六条が手元の形代を呪いの短刀で貫けば、恐るべき呪詛が発動した。

「これは……呪いでありますか!?」

 動きを封じる『形代の呪い』、それは如何に速く動こうとも逃れようもない。バルタンは呪いによって拘束され、絶体絶命のピンチだ。しかし、この場にいる猟兵は彼女のみでは無い。彼女が敵の気を引きつけたことで、千歳がユーベルコードを使用する十分な余裕が生まれていた。

「次元兵装庫展開、最適な装備を選択し転送します……あら? 今回はレーザーライフルですね」

 『次元兵装庫』より召喚されたのは大口径のレーザーライフルだ。射撃武器ならお手の物。千歳は狙いを付けて、その武器を撃ち放った。

「いつっ! 形代が!?」
「救援感謝であります!」

 千歳の放ったレーザーが形代を蒸発させ、バルタンが呪いの拘束より解放される。続いて千歳は刀狩の宿る短刀を狙って射撃を行うが、六条は自分の身体で短刀をかばって射撃を受け止めた。

「警戒されていますね。この辺りが潮時でしょうか」

 妖刀への攻撃はかなり警戒されているようだ。とはいえ、六条へのダメージは積み重なり、その動きは大分鈍っている。決着を次なる猟兵に託し、千歳はここで退くことにした。それに合わせ、バルタンもまた撤退したのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

バルタン・ノーヴェ
WIZ対応を想定、ユーベルコードは使用せず。他猟兵方との連携のやり方はお任せするであります。
「再三失礼するであります」
真の姿を持続させたまま、再度攻勢に加わるのであります。
六条殿の行動パターン、足さばきや息遣い、攻撃に出る際の挙動などを、一撃離脱を繰り返したことで得た知見をもとに予測するであります。
彼女の攻撃(短刀による斬撃や●その身は般若と成り果てて、など)に対して、サムライソードを用いて【カウンター】を仕掛けるか、他の方の援護として【武器受け】や【受け流し】で引き受けるつもりであります。
細かい立ち回りは、現場の状況判断でお願いするであります。


ディスターブ・オフィディアン
第二人格で行動

・心情
もう少し早ければ、この虐殺も止められたかな
せめて彼女だけでも刀狩の手から助けなくちゃね

・Powで行動
相手の生霊にたいして破魔の力を纏わせた村雨小太刀で牽制
そのまま六条へ向けて近づき、フェイントで攻撃を誘って刺し殺されます、もとい短剣で刺される瞬間を見切りダミー人形に入れ替わります。
同時にUCを使用、短剣がダミー人形に刺さり動きが止まったところでだまし討ち、そのまま短剣を奪い取ろう、――これぞ忍法変わり身の術ってね

で、正気に戻った彼女には、真実を隠したほうがいいだろう
「夢だよ、悪い夢さ。あの刀狩という化け物が人々を殺し、君に取りつこうとした。奴の意識と混じって夢を見たのさ」



「……もう少し早ければ、この虐殺も止められたかな」

 シルクハットに燕尾服、奇術師の格好をしたディスターブ・オフィディアン(真実を 暴く/葬る モノ・f00053)は独りごちた。刀狩による凶行は既に実行され、犠牲となった者達は手遅れだ。

「でも、せめて彼女だけでも刀狩の手から助けなくちゃね」

 だが、奸計により鬼と変えられてしまった少女は、まだ救出の目がある。全てをオブリビオンの思い通りになど、させるわけにはいかない。グリモア猟兵によってサムライエンパイアへと転移したディスターブは、六条のいる武家屋敷へと侵入した。

「再三失礼するであります」
「何度も何度も……ここまで戦って殺せないなんて、なんたる屈辱でしょう!」

 そこでは、三度目の突入を果したバルタンが、六条を相手に交戦中であった。戦いの中で急激に成長していくバルタンの動きは、最初の戦闘に比べて格段に鋭くなっていた。それは、お互いにユーベルコード無しの戦闘ならば、簡単には遅れは取らないほどだ。しかし、六条がその身に怨念と呪詛を纏ったことで、戦局はオブリビオン優勢に傾いていく。

「おっと、お嬢さんがピンチのようだね。加勢するよ!」
「邪魔を、しないでっ!」

 バルタンの加勢に動いたディスターブに、六条は生き霊を差し向ける。半透明な生き霊は、物理攻撃の通じない厄介な相手だ。

「なるほど、それは霊体かい? ならば……」

 生き霊に対して、ディスターブは村雨小太刀による牽制を行う。破魔の力を持つその刃が生き霊を怯ませた隙に、彼は生き霊を突破した。六条と交戦するバルタンも、不利な状況とは言えこれまでの戦いの中で相手の行動をよく分析していたことが功を奏し、なんとか持ちこたえていた。ディスターブの加勢は間に合ったのだ。

「ならば……貴様から死ねええ!」

 しかし、不用意に接近したディスターブは、六条の妖刀に貫かれてしまった! 刃は完全に心臓を捉え、これは即死しているようにしか見えない。

「はっ!? えええええ!!?? 名も知らぬ猟兵殿がやられてしまいマシタ!?」

 これにはバルタンも驚愕だ。真の姿だというのに、普段の口調が漏れ出るほど驚いている。

「あははははは! 私と我が君の蜜月を邪魔する奴はこうなるのよ!」

 そして六条はと言えば、ようやく邪魔者を一人でも倒せたことでご満悦だ。仲間を倒されてバルタンも動揺しているし、このまま勝てると思っている様子だ。しかし、勝利を確信し油断した所に、ひっそりと伸びてきた手が、彼女から呪いの妖刀を取り上げた。

「え……? 殺した、はず……」
「これぞ忍法変わり身の術、ってね」

 そう、それはディスターブであった。よくよく見れば、刺し殺されたのは身代わり人形だ。彼はユーベルコード『偽計の颱』によって、死んだふりで六条を騙したのだ。

「素晴らしい、見事な策であります!」

 そんなディスターブの作戦を、バルタンが賞賛する。しかし、ディスターブのこのユーベルコードは、少し間違えば簡単に見破られかねないものだ。だが、バルタンの自然なリアクションによって六条が完全に騙されたおかげで、騙し討ちが綺麗に成功したのだ。その意味で言えば、バルタンもまた功労者と言えるであろう。

「あれ……私は、何を……?」
「夢だよ、悪い夢さ。化け物が人々を殺し、君に取りつこうとした。奴の意識と混じって夢を見たのさ」

 正気に戻った六条を、ディスターブは易しい嘘でフォローする。想い人を殺したと言う事実は、如何に操られていたとしても重すぎる。

 六条との戦いが終わると共に、手放された妖刀に取り憑いていた『刀狩』が、その正体を現わしていく。戦いは、次の段階へと進むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『刀狩』

POW   :    刀龍変性
真の姿を更に強化する。真の姿が、🔴の取得数に比例した大きさの【己が喰らい続けた武具が変じた鱗 】で覆われる。
SPD   :    妖刀転生
自身の【体の一部 】を【独りでに動く妖刀の群れ】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
WIZ   :    修羅道堕とし
自身の【背の刃の羽 】から【見た者を幻惑する妖刀】を放出し、戦場内全ての【遠距離攻撃】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ヴァーリ・マニャーキンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「猟兵め……よくも我が主君へと献上する兵を台無しにしてくれたな!」

 六条の手より手放された妖刀より、取り憑いていた妖怪がその正体を現わしていく。龍の如き姿を持つそれは、刀喰らいの妖怪『刀狩』。クルセイダーに仕える猟書家の幹部だ!

「我の喰らいし妖刀の力にて、貴様達を殺し尽くしてくれよう!」

 刀狩はその場で咆哮を上げると、そのユーベルコードを発現させていく。それと同時に、正気に戻った六条の方にも動きがあった。

「貴様が……貴様が、我が君を……許さない!」

 六条は刀狩の憑依が解け、元に戻った妖刀を手にすると、猛然と刀狩へと襲い掛かっていく。ディスターブの言葉で、刀狩が直接想い人を殺したと思い込んでいる彼女の怒と恨みは相当なものだ。猟兵にとっては、心強い戦力となるだろう。

 さあ、猟兵達よ! 六条と共に、刀狩を打ち倒すのだ!

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●この章のプレイングボーナスは、『正気に返った妖剣士と共に戰う』です。
●この戦闘に置いてのみ、六条は怒りと恨みで『猟兵と同等の強さ』を持ちます。
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バルタン・ノーヴェ
POWによる行動で、真の姿は持続するであります。
ユーベルコードは【剣刃一閃】を使用して、前線に立って斬り込む所存であります。
「先程までのバルタンとは、気合が違うでありますよ」

六条殿を止めようとしていた時と違い、敵を葬るという強い意志を持って戦闘を開始するであります。
他の猟兵方や六条殿の動きを認識して連携を怠らず、刀狩への攻撃を繰り返して好機をうかがうであります。
その機が来たならば、ためらわず刀狩に渾身のユーベルコード【剣刃一閃】をぶつけるであります。

「人の心を踏みにじる外道、成敗するであります!」



「先程までのバルタンとは、気合が違うでありますよ!」

 遂に現れた元凶を相手に、バルタンはやる気十分だ。先ほどまでは相手を殺さずに止める必要があったが、この敵に容赦をする必要は無い。彼女は敵を葬るという強い意志を持って刀狩へと斬りかかる。

「六条を相手に苦戦をしていたような猟兵が、この我に勝てると思うな!」

 先手を取って切り込んだバルタンの『ファルシオン風サムライソード』を、刀狩は刀剣の如き鱗を発現させて弾いた。敵は『刀龍変性』のユーベルコードで、喰らい続けた武具をその身に纏ったのだ。だが、そのくらいのことはバルタンも予測済みだ。

「六条殿、今であります!」
「我が君の仇! 此処で死ねえええ!!」

 バルタンは自分から仕掛けることで刀狩を引きつけ、共闘する六条のために隙を作ったのだ。刀狩が利用も出来なくなった手駒に興味を失っていたことも手伝い、六条は奇襲に成功、鱗に覆われていない刀狩の腹を、六条の短刀が貫いた。

「チッ、出来損ない風情がっ!」

 刀狩はその尾を振り回し、六条を打ち据え弾き飛ばした。幹部猟書家と言うだけあって、この程度の傷ではさほどの痛痒も受けていない様子だ。だが、六条に対応したことで、今度はバルタンへの警戒が疎かになっていた。

「人の心を踏みにじる外道、成敗するであります!」

 ユーベルコード『剣刃一閃』、この絶好の機に、バルタンは渾身の斬撃を繰り出した。そして彼女のファルシオンは刀剣の鱗をも斬断し、刀狩の身体を深く切り裂いた!

「ぬうっ! 未熟な猟兵如きに、刀剣の鱗が断ち割られただと!?」

 このダメージには、刀狩も動揺している。戦いの中で経験を積んだバルタンは、遂にその刃を猟書家へと届かせるまでに成長したのだ!

成功 🔵​🔵​🔴​

幻武・極
さて、六条、キミはその般若の面を顔に付けたまま戦闘できるかい。
キミは般若の面を付けて敵だけを見て突き進むんだ。
飛んでくる妖刀は無視して大丈夫だからね。
なんせ、刀狩のユーベルコードで遠距離攻撃は“全て”無力化されているんだからね。

さて、ボクは念には念を入れて幻武百裂拳で近距離の弾幕を張って妖刀が視界に入らないようにして接敵するよ。
そして、至近距離に入ったら2回攻撃でもう一度幻武百裂拳を打ち込むよ。

まあ、六条は彼女のユーベルコードでかなりの強化がされるから大丈夫でしょ。



「我が主君に逆らう愚か者共め! 小細工は許さぬ、修羅道の争いが如く斬り殺してくれよう!」

 刀狩は背の刃の羽より、無数の妖刀を放出した。見た者を幻惑するその妖刀は、戦場全体の遠距離攻撃を封じ込める。命を削って放つ、刀狩の切り札とも言えるユーベルコードだ。

「さて、六条、キミはその般若の面を顔に付けたまま戦闘できるかい?」
「問題ありません。この身を般若に変えたとしても、あの妖を殺せるならば……!」

 強制的に接近戦を強いられるこの状況でも、極は不敵な笑みを浮かべて六条と作戦を詰める。

「キミは般若の面を付けて敵だけを見て突き進むんだ。飛んでくる妖刀は無視して大丈夫だからね」
「はい……アアアアアア!!」

 般若の面を被った六条は、その身も般若にしたかの如く戦闘力を増大させる。先ほどの鬼とされていた状況に似ているが、これは彼女のユーベルコードだ。効果が切れれば元に戻るため、問題は無い。

「うん、刀狩のユーベルコードで遠距離攻撃は“全て”無力化されているんだからね。接近戦でけりをつけられるなら、願ったり叶ったりだよ」

 武術家である極にしても、接近戦のほうがやりやすい。それでも彼女は念には念を入れ、弾幕のような百裂拳で妖刀の幻惑を目にしないようにして敵に接近する。そして、その後ろには六条が続いていた。

「切り刻んでくれる!」
「行くよ! これがボクの百裂拳だ!」
「アアアアア!!」

 刀狩は刀剣のようなヒレを幾つも生やした尻尾を振り回す。それは、幾筋もの斬撃を発生させる恐るべき刃となって猟兵に迫る。だが、極の『幻武百裂拳』は、それを真っ向から打ち破る。幻影と真の拳、虚実入り交じったその攻撃を見切ることなど出来はしない。そして、極が刀剣のヒレをへし折り尻尾を殴り飛ばして出来た隙に、六条が突っ込んで刀狩を滅多斬りにする。

 これには刀狩もかなりのダメージを受けた様子だ。対して、六条はユーベルコードの効果によって生命力を吸収したことで、これまでの戦いで負った傷が癒えていた。戦況は、猟兵有利に進んでいると言えよう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
POWによる行動、真の姿を持続、連携目的ですが、アドリブOKであります。
「ここで終わらせるでありますよ」
六条殿や他の猟兵方の攻撃を通すため、派手な行動で刀狩の気を引き付けようとするであります。
刀狩の至近距離に迫り、ユーベルコード『ヴァリアブル・ウェポン』を使用するであります。
【内蔵兵器】を射撃ではなく鈍器として扱い、ファルシオンと合わせた二刀流で攻撃回数を増やすことで注意を逸らすのでありますよ。
刀狩が我輩を煩わしく感じて攻撃を行ってくる隙に、皆様の必殺のユーベルコードを叩き込んでもらいたいであります!
我輩に向かってくる攻撃に対しては各種技能で防御を試みるので、安心してほしいであります。


火土金水・明
「妖剣士の方を洗脳して大切な存在の方を殺させるような、卑怯な存在は許す訳にはいきません。」六条の方とタイミングに合わせて攻撃を開始します。
【SPD】で攻撃です。
攻撃方法は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡め【限界突破】した【銀の流れ星】で、『刀狩』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



「妖剣士の方を洗脳して大切な存在の方を殺させるような、卑怯な存在は許す訳にはいきません!」
「ここで終わらせるでありますよ!」

 このまま刀狩に引導を渡すべく、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)、そしてバルタンは六条と共に攻撃を畳みかける。

「ぐっ……我に、近寄るな!」

 対する刀狩は、これ以上のダメージを嫌って防御的な行動に出る。その鱗を刀剣の刃に変じさせて防御を固め、更に背の刃の羽は無数の妖刀へと分裂して宙を舞い、二人へのバリケードのように布陣した。

「突破するであります。六条殿、我輩の後に」
「そんなもので、私は止められませんよ」

 『妖刀転生』による浮遊する妖刀の防御陣を、二人はそれぞれの方法で突破する。バルタンはサイボーグの身体から警棒のような武器を展開すると、それで妖刀を殴り飛ばして強引に道を開けていく。そして、その後ろには六条が続いていた。
 明はといえば、妖刀の起動を見切り素早い動きで妖刀の群れをすり抜けた。妖刀が切り裂いたのは、彼女の残像だけであった。

「さあ、辿り着いたでありますよ」
「しかし、我が刃の鱗は貫けまい!」

 バルタンは手数を重視して、警棒とファルシオンで苛烈に攻め立てる。とはいえ、その分攻撃は軽い。『刀龍変性』で強化された鱗に対して、この戦い方では有効なダメージは通せない。だが、ここは相手の気を引ければそれでいいのだ。

「流れる星に、魔を断つ力を……『銀の流れ星』!」
「我が君の仇っ!」
「ぬうっ! ぐおおおおおお!!」

 バルタンが敵の気を引いた隙に、明がユーベルコードによる必殺の斬撃をお見舞いした。『銀の剣』による一閃は刀剣の鱗を両断して刀狩を切り裂き、更に返す刃がもう一条の傷を刻んだ。更にその傷目掛けて、六条が短刀を突き立ててその傷を広げるように抉ったのであった。

「我が主君に猟兵の屍も献上出来ずに……負けるわけにはいかぬ!」

 最早満身創痍という状態だが、刀狩へのトドメにはあと一歩足りなかった様子だ。

「残念。ですが、次の方が決着を付けてくれるわよね」

 明の言うとおり、決着の刻は目前に迫っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ディスターブ・オフィディアン
第二人格

・心情
兵を献上ね、まるで彼女を物のように言うじゃないか
そんなだから負けるのさ。過去も、そして今日もだ!

・Wiz
敵にWizのUCを使わせて、自滅させよう
UCを使用し、猟書家今川義元の幻影を身に纏う
「憑装が使えるのはお前達だけじゃないのさ! さあ、天下の弓取りの技、受けるがいい!」
で、幻の義元に矢を放たせると当時に衝撃波を放ち、幻の矢に攻撃力があると見せかけよう
こっちは無力化されても問題ない、幻を相手にせいぜい無理をするがいい
奇術師を幻惑しようなんて100年早いのさ

村雨小太刀での近接攻撃も交えて、なるべく敵の意識を引き付け、六条さんが動きやすい状況を作る
出来れば彼女に止めを譲りたいね



「兵を献上ね、まるで彼女を物のように言うじゃないか。そんなだから負けるのさ。過去も、そして今日もだ!」
「五月蠅いっ! せめて……貴様達の屍を捧げてやろう!」

 重傷を負った刀狩に、ディスターブはその敗因を突きつける。人を人とも思わぬ所業の末に、飼い犬に手をかまれるが如く六条のの反撃に会い、彼女に協力する猟兵によって刀狩は深い傷を受けている。しかし、刀狩は敗北を認めず、なおも悪あがきをしようとしていた。

「全く往生際が悪いね。なら、とびきりの夢を見せてあげよう」
「何ぃ!? その姿は……義元だと!?」

 ディスターブがユーベルコードを発動すると、その姿が大弓をもった戦国武将―――今川義元へと変じたのだ!

「そう、憑装が使えるのはお前達だけじゃないのさ! さあ、天下の弓取りの技、受けるがいい!」
「ぐっ、仕方ない。妖刀よ、幻惑せよ!」

 ディスターブが変じた義元が弓矢を放つのに合わせて、刀狩は『修羅道堕とし』を発動して遠距離攻撃を無効化する。仲間である猟書家の強さは知っているようで、その矢を受けることは出来ないと言う判断からの苦渋の決断だ。

「さあ、いつまで無効化していられるかい?」
「ぬううううう……」

 実際にはこの義元は、ディスターブが『マジシャンズ・ドリーム』で造り出した幻だ。しかし彼は、弓に合わせて衝撃破を発生させるなど小技を尽くして、刀狩にそれが本物であると信じ込ませていた。

(「こっちは無力化されても問題ない、幻を相手にせいぜい無理をするがいい。奇術師を幻惑しようなんて100年早いのさ」)

 刀狩の『修羅道堕とし』は、非常に強力ではあるがその代償も大きい。負傷の積み重なった刀狩がそれを維持すれば、すぐに力尽きるのは自明の理だ。

「最早、これまで……か」

 力を使い果たした刀狩は、ずしゃりと地面に落ちてその身を横たえる。限界まで消耗しきっている様子だ。

「このショーのフィナーレは君に任せるよ」
「よくも、よくも我が君を……!!」

 六条は倒れる刀狩を滅多斬りにしてトドメを刺す。ここに彼女の敵討ちも完遂された。

「さて、あとは彼女が無事に立ち直ってくれれば良いのだけど……」

 猟書家の企みは阻止され、鬼へと変じた六条は正気に戻った。しかし、彼女の想い人が死した事実は覆せない。願わくば、彼女がその悲しみを乗り越え、前に進んでくれることを……

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月30日
宿敵 『刀狩』 を撃破!


挿絵イラスト