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今日の京は興の都

#サムライエンパイア #猟書家の侵攻 #猟書家 #大天使ロロサエル #陰陽師 #安倍晴明 #魔軍転生

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●サムライエンパイア・山城国にて
 アックス&ウィザーズにあるという天上界の探索は、同志ブラキエルに任せましょう。私には『七大天使』を全て見つけ出すという目的もありますが……どうしても、クルセイダーの抱く『江戸幕府の転覆』という野望に、強い興味を覚えてしまうのです。
 どうしてでしょうね。彼の志か、それとも意思の強さが為せる業か。どちらにせよ構いません。私の興味を引いた以上、逃げられませんよ。

 そう言ってばさっと翼を羽搏かせ見下ろすのは茜に染まりし京の都。整えられた区画の其々に張ってある結界がロロサエルを阻む。しかし、魔将軍の力を以ってすれば、先祖代々オブリビオンと戦ってきた陰陽師たちの結界が崩壊するのも時間の問題だろう。
 そしてその準備は既に出来ていた。ロロサエルは次々と逢魔が時の闇から天使を模したミレナリィドールたちを召喚し、遠くまでよく響く声で命じた。
「発動せよ、『超・魔軍転生』!」
「……――ほう。またこの世に戻されるとは、不思議な縁もあったものです」
 クルセイダーの名の元に、ロロサエルが呼び出したのは、陰陽師『安倍晴明』。不死で、繁殖もできて、生存の為のエナジーも必要としない存在となった、生ける屍。此度の業の蒐集は、さぞや楽しいものとなるでしょうとロロサエルは晴明に微笑む。
 それに晴明は無感情のまま「そうなると良いですね」と返した。期待はしていない、唯もしそうなれば……この飽いた/空いた心の穴も埋まるのでしょうかと考える。どうせ一度骸の海に沈んだ身、どうせなら再びの蹂躙もやぶさかではない。
 界渡る者にして魔軍将となった『安倍晴明』は、魂を分裂させロロサエルの軍勢全てに憑装した。是で準備は整った。あとは眼下に広がる京の都を堕とせばいい。
「クルセイダー、あなたの野望を是非間近で見たいものですね」
 渡来の天使と共に、大天使は天を翔ける。嗚呼、この結界も、陰陽師たちも、魔軍転生も――私の興味に足りる活躍を期待していますよ、猟兵の皆さん。

●グリモアベースにて
「え~、今度はサムライエンパイアで猟書家幹部が悪事を働こうとしてまーす」
 端末型のグリモアをくるくる回し、ついでに座った椅子ごとぐるぐる廻って、斬断・彩萌(殺界パラディーゾ・f03307)は集まった猟兵に説明を開始した。ピッと立体液晶に表示されたのは白に黒のグラデーションが掛かった珍しい色の羽根を持つ天使……名をロロサエル。七大天使の発見を任されつつも、クルセイダーの野望に興味を魅かれサムライエンパイアに居を構えるオブリビオンだ。
 その力は強力で、もし結界が緩んでいるところがあれば其処から一気に京の都は攻め落とされてしまうだろう。
 次いで映し出されたのは車輪に乗った斧持つ天使……のように見える人形。ロロサエルの興味を惹いたか、同じ天使のよしみかは分からないが、配下の軍勢として召喚し、安倍晴明を憑依させ大幅にパワーアップさせている。
「まずはこの天使モドキを倒してね。そうすれば興味を魅かれたロロサエルが直々にお相手してくれるからさ。あ、言っておくけど安倍晴明の力は分裂してるとはいえ弱体化はしてない。普通に強いから覚悟して」
 あと注意すべき点は~、と椅子をまたくるくる回して唸る彩萌。そしてハっと気付いたかのようにテーブルに身を乗り出して説明を続ける。
「地元の陰陽師たちの力を借りられたならベスト! 彼らは戦力としては雑魚なんだけど、結界術とかで相手の動きを鈍くしたり、思考速度を低下させたり、判断力を抑制させることが出来るわ! その隙を狙ってみるのもありでしょうね」
 こんな感じかな。と椅子で回転するのを止め「京の都は宗教上でも大きな役割がある要の場所。きっちり守ってね」と祈りを込めて転送を開始する――。


まなづる牡丹
 オープニングをご覧いただきありがとうございます。まなづる牡丹です。
 今回はサムライエンパイアが舞台、天使も好きです。

 ※猟書家戦につき、二章で終わる特殊なシナリオとなっております。

●第一章
 『万能従者型・渡来の天使』
 渡来人が持ち込んだ、天使を模した量産型ミレナリィドール。安倍晴明の力を憑依され、大幅にパワーアップしています。1:1で真っ向勝負は危険でしょう。
 その代わりと言っては何ですが、安倍晴明の意思が反映されあまり世俗的なものには興味を示しません。彼の興味の先は猟兵の怒りがどれほど自身の心を動かすかです。その為、怒りをぶつけられるような行為を平然と行おうとしてきます。注意してください。

●第二章
 『大天使ロロサエル』
 「七大天使」を探す目的がありながら、クルセイダーに魅かれサムライエンパイアに留まる謎の大天使です。ブラキエルとは旧知の間柄ですが、今回彼がサポートなどに来ることはありません。
 ロロサエルには安倍晴明は憑依していません。そのままの状態で戦うことになりますが、彼は強力なオブリビオンにつきプレイングボーナスを利用しないプレイングは却下または失敗になる恐れがあります。ロロサエルを倒せばあとは烏合の衆となり、陰陽師と共に全ての軍勢を叩き潰せます。

 ※プレイングボーナス(全章共通)……陰陽師と協力する。
 (今回に限らず、猟書家戦ではプレイングボーナスを利用しない場合極端に不利または返却になる可能性があります)

●NPC
 『陰陽師』
 沢山居ます。全員Lv10相当ですが、陰陽術に長けており都の護りを一手に引き受けています。現在の危機を察知しているので、第一章・二章ともに力を貸してくれますし、多少の無茶なお願いも聞いてくれます。

●プレイング送信タイミングについて
 一章は断章を挟んだ後、20日よりプレイングの受付を開始します。締め切りはその時の参加者様の人数によります。
 二章は断章を挟んだ後、プレイングの受付期間をMSページに記載しますので確認をお願いします。

 それでは、強敵と戦う皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『万能従者型・渡来の天使』

POW   :    天使の一撃
単純で重い【天使の斧】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    くるくる回る天使の輪
自身が装備する【天使の車輪】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    兄弟の危機を見過ごせない!
自身が戦闘で瀕死になると【新たな別の渡来の天使】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『はぁ……何にでも興味を魅かれる者に、遍くものに興味を失くした私が召喚されるとは……また不思議な縁もあるものですね』
 万能従者型・渡来の天使に入り込んだ安倍晴明の意識は、そんな事を考えていた。眼下に見下ろす紅葉で茜色に染まった京の都は、形容するなら美しいのだろうが……まるで素知らぬ顔。
 ――京の都が堕ちようと、天上界が見つかろうと、何もかもどうでもいい。私は飽きてしまいました。この命も、どうせ束の間のものでしょう。
 ――唯、もしまた猟兵と殺れるのなら……その時は怒りの炎が欲しい。全てを焼き尽くす程の怒りの、執念の、慟哭の炎は、果たして私の心を動かし、揺さぶり、殺すのでしょうか。
 今回の晴明の目的は業の蒐集ではない。単純に戦力として求められていると分かっているけれど。その心はエンパイア・ウォーの頃のまま。
『破邪の弱そうな陰陽師を殺してみましょうか。そうしたら怒られますかね、フフ……』
 姿は万能従者型・渡来の天使に変わり、戦法も変われど、中身は全くの別人。元々あった渡来の天使の意識は半分以上晴明に乗っ取られ……それでも猟兵を倒すという意識だけは残されている。猟兵を邪魔者として排除しようと全力で戦う気でいる渡来の天使に対し、弄ぼうという晴明。
 君は彼らを蘇った安倍晴明として扱ってもいいし、軍勢として召され憑依させられた哀れなミレナリィドールとして扱ってもいい。
フォルク・リア
陰陽師に侵攻してくる
渡来の天使を抑える術を頼み
同時に敵が陰陽師を狙う事も警戒して貰う。
「頼む事が多くて申し訳ないけどよろしく頼むよ。
あと、力の弱い人が狙われるかもしれないから
危ないと思ったら知らせてくれ。」
陰陽師が危険を知らせたら優先して救助。

陰陽師にも被害を出さない事を目標に連携。

ディメンションカリバーを発動し
スカイロッドに魔石を取り込む。
敵全体に牽制を兼ねて斬撃効果を持った空圧をかける。
「その全てを諦めた無気力さ。
この京の都より躯の海の方が似合っているよ。」
敵のダメージの受け方と陰陽術の効き方を【見切り】
引き続き全体に攻撃
敵が瀕死になる前に攻撃切り替え。
単体に向け強力な風弾を放ち仕留める。




 都の陰陽師たちは侵攻してくる渡来の天使たちを必死に抑え込んでいた。誰か一人でも手を抜けば、其処から堰を切ったように彼らは流れ込んでくるだろう。一点集中されて誰かが倒れないように、周囲の警戒も怠らない。
「頼む事が多くて申し訳ないけどよろしく頼むよ。あと、力の弱い人が狙われるかもしれないから、危ないと思ったら知らせてくれ」
 フォルク・リア(黄泉への導・f05375)の言葉に「応ッ」と答える陰陽師たち。彼らに被害が出ては都は一巻の終わり。十分に注意しなくてはならない。【ディメンションリカバリー】を発動し、スカイロッドに煌めく魔石を取り込む。
 結界の中から敵全体に向けて、牽制を兼ねた空圧をかける。斬撃属性のそれはシュパシュパシュパッと音を立てて渡来の天使を斬り刻んだ。
『おお、痛いいたい。ですが、これもまた束の間の夢……全ては消えて無くなりましょう』
「全てと言うけどね。消えるのはお前たちだけだ、安倍晴明。その全てを諦めた無気力さ――この京の都より骸の海のほうが似合っているよ」
 巨大な斧を振りかざし、明確に自分たちを攻撃してくるフォルクへ向け重撃を加える! スカイロッドがそれを受け止め、ぶんっと横一文字に風を切れば再び風の刃が敵へ向かう。全体攻撃ゆえに一体ごとを狙う技よりは威力が劣るが、それでも敵全体に攻撃が行き渡っているのは幸いか。
 陰陽師たちもフォルクが持つ力を存分に発揮できるよう、全力でサポートする。風の術式には五行における木の術式を。力がじっとりと背中に入り込んでいくのを感じる。――嗚呼、涼やかで、暖かい。
「此処はお前たちが穢して良い処ではない。去れ」
『う、ああ……ボクたちは……!』
 かろうじて残っている渡来の天使が、また新たな天使を呼び寄せる。これでは同じ事の繰り返しだ。フォルクは考える……どうすれば相手の再来を抑える事が出来るか。そして導き出された答えは、敵が瀕死になる前に攻撃を切り替え、単体に向けて強力な風弾を放つこと。
 これならば全体を削りつつ、弱った敵がまた無傷の天使を呼ぶのを防ぐことが出来る。無限ループの回避というわけ。陰陽師の与える気がスカイロッドに取り込まれた魔石に溜まっていく。これで威力は十分だ!
 斧はその大きさ故に鈍重で、天使の動きはフォルクの目でも追える。十分に見切って避けて、空間すらも断つ斬撃を解き放ち天使の最期を見送る。
 安倍晴明、お前は蘇るべきではなかった。今の京の都に、お前の存在すべき場所はない――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

東雲・深耶
「まさか残滓とはいえあの安倍晴明と刀を交わらせることが出来るとはな!武士の末裔の端くれとして夢のような話じゃないか!」
と、黒タイツに包まれた脚で大地を蹴ってスカートを翻しながら不意打ち気味に時空間切断剣術を放出。その一撃の可否を見て改めて『安倍晴明』と対峙する。
「私は空閃人奉流流祖、東雲・深耶。安倍晴明、いざ尋常に勝負を――」

先の不意打ちから『斬閃延長能力』と誤解させたまま斬り合いに結び、チャンスを見計らって天使の斧の一撃を迎え撃つ。
「残念だが第三魔剣は破壊力は絶大でな?」
斧を粉砕せんと時空間崩壊現象が発動する。
そこに陰陽師たちの結界術により動きを止めたところを第二撃を放っていく。




「まさか残滓とはいえあの安倍晴明と刀を交わらせることが出来るとはな! 武士の末裔の端くれとして夢のような話じゃないか!」
 胸躍る戦いに震えながら、黒タイツに包まれたそのほっそりとした……しかし剣士のしっかりとした脚で大地を蹴り、紺のスカートを翻しながら不意打ちの時空間切断剣術を放出する! 切断された空間ごと天使の一体は斧をごとりと落とし消え去った。
 その一撃の可否を見て、安倍晴明と対峙した東雲・深耶(時空間切断剣術・空閃人奉流流祖・f23717)は、高らかに宣言する。
「私は空閃人奉流流祖、東雲・深耶。安倍晴明、いざ尋常に勝負を――!」
 不意打ちとはいえ効果の程は抜群で、敵からしてみれば『斬閃延長能力』だと誤解させたまま斬り合いに結ぶ。チャンスは一度きりじゃない、必ずやってくる。だってほら、天使たちは顔を見合わせて斧を振りかざしてきた。まさにこの時を待っていた!
 斧が振り下ろされる瞬間、構えを変えて敵の持つ武器から腕まで全てを粉砕せんと時空間崩壊現象が発動する! 天使は残り滓の心で『あああ!』と叫び声を上げながら、もう二度と武器を持てない手に慄いた。
「残念だが第三魔剣は破壊力は絶大でな?」
 崩し壊くのではなく、界を崩する次元を超えた剣戟。三千の天を砕きし崩界と墜滅の裁き。そこにはどんな強烈な一撃も、張り巡らされた小細工も通用しない! 出来るのは技と技、力と力のぶつかり合いのみ! そしてこの場で勝利を手にするのは深耶の方だ!
 陰陽師たちの必死の結界術により、先程より若干動きが鈍る天使たち。怏々、これでは狩り放題だな! なぁんて笑って斧を、あるいは頭を、あるいは心臓を狙い、第二撃を放つ。乗り移った安倍晴明はやれやれといった風に、この状況に欠伸をかいた。
『小娘風情が、私を――私たちの軍勢を倒しきれるなどとお思いですか? 面白おかしい話じゃあありませんか』
「安倍晴明! 今やお前の姿かたちは変わろうと、在り方は変わりはしない! ひとかけらも残さずに滅してくれる!」
『戯けたことを。やってごらんなさい』
 深耶にとって敵が安倍晴明であることは重要な意味を持っていた。エンパイア・ウォーで刃を交わせなかった分を、今此処でやりぬきたい! その気持ちが強く、天使には目もくれず唯その中の安倍晴明を見つめる。
 さぁ、かかってこい。私は逃げも隠れもしない。それともそちらから来ないというのなら、必殺の一撃をお見舞いして進ぜよう――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

大豪傑・麗刃
なるほど。わたしの怒りを見たいと。ならば見せてやろう安倍川餅くん!
違った?ごめんごめん姓名判断くん。

……
うん。きみはそういう態度をとると思った。
わたしを最も怒らせる行為。それは

ネタに塩対応されること

きみには失望した。

(伝説の超変態人発動!)

怒りによる巨大化と怪力で今のわたしはキャバリアソードすら持てる。これは戦闘ではない。蹂躙だ。ぐさ、ではなく、ぷち、だ。

さて相手がとってきそうな手段は

・高速で巨大剣を回避し接近
・巨大剣に斧をぶつけて武器破壊を狙う
・逃げ隠れして隙を伺う
・質量攻撃を普通に耐える(え?)

このあたりか。
対策としてはやはり陰陽師殿らにがんばってもらい敵の速度落とす事か。
んで、ぷちっと。




「なるほど。わたしの怒りを見たいと。ならば見せてやろう安倍川餅くん! 違った? ごめんごめん姓名判断くん」
『……惜しいんですがねぇ……』
 大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)渾身のギャグにも、のらりくらりとした反応を見せる安倍晴明。面白いのか、詰まらないのか、それすら考えるのが面倒くさいといった感じだ。麗刃は震える。
「…………きみには失望した」
 分かっていた。安倍晴明、きみはそういう態度をとるだろうと思っていた。――私を最も怒らせる行為。それは。『ネタに塩対応されること』。今、麗刃の怒りは頂点に来ていた。プッツンというやつである。
 ギャグがウケなかった悲しみと怒りの感情が爆発し、伝説の超変態人と化した麗刃。「きみはつまらん」と呟いて、戦闘能力が劇的に向上する。ずもももと巨大化した麗刃に陰陽師たちは困惑、「なんと面妖な……!」と驚いている。
 結界は空高くまで広がっているが、麗刃の怒りはそんなものでは収まらない。怪力で以ってキャバリアソードを持ち上げ、戦闘ではない蹂躙が始まる。ぐさ、ではなく、ぷち、だ。一瞬でカタをつけてやろう。
 さて、相手がとってきそうな行動を予測する。幾つか浮かんだが斧を巨大剣にぶつけ武器破壊を狙うのが一番厄介か。相手の小ささ(自分が巨大なだけ)を活かし逃げ隠れして隙を伺われるのも面倒だ。
「陰陽師どの、敵に呪詛をかけてもらっても?」
『かしこまりました!』
 呪いの効果で天使たちの行動速度が落ちる。その間に巨大な剣を振り回し、持っている斧ごと天使を粉砕した! ちょこまかと動く天使の哀れな事。でもこちらだって渾身のギャグをスルーされたのだ。悲しみ具合でいったらこっちの方が高いと麗刃は思う。
 天使は巨大化した麗刃を斧で傷付けるが、普通に耐えられた。これも怒りのパワーか。
「わたしを怒らせた罪は重い」
『くくく、笑わせないで下さい。あれで怒る人がいるんですか?』
 安倍晴明の笑い飛ばされた侮辱に流石の麗刃も堪忍袋の緒が切れる。ぷちっ。巨大剣を引き摺り下から上に斬りあげるようにして、一度に複数の天使たちを巻き込んで潰した。笑いとは、笑顔である。人々の笑顔を奪う輩を、放っておくわけにはいかない。麗刃は剣を持ち直し構える。
「大丈夫、ぷちっと行くから、痛くないですよ」
 ニィと笑顔で対応する麗刃は、笑えない程恐ろしい形相だったとか――。

成功 🔵​🔵​🔴​

火土金水・明
「相手は安倍晴明が憑依した存在ですか。前回、清明と戦うことはなかったので思いっきりいきますか。」(可能であれば、陰陽師さん達に結界術をお願いします)
【WIZ】で攻撃です。
攻撃方法は、【対空戦闘】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【新・ウィザード・ミサイル】を【範囲攻撃】にして、『万能従者型・渡来の天使』達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。




 陰陽師たちに結界術をお願いして、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は渡来の天使と向き合った。今は陰陽師・安倍晴明が憑装した存在と言った方が正しいか。
「前回、晴明と戦うことはなかったので思いっきりいきますか」
 空を飛ぶ渡来の天使に対し、こちらも空中戦で対応する。陰陽師には自分に結界を張ってもらい少しでもダメージの軽減を。ヒュッとマントを翻しながら、フェイントを掛けつつ全力魔法の【新・ウィザード・ミサイル】を拡散させた。
 全属性の魔法の矢は渡来の天使を貫通し、ドスッドスっと二回攻撃。その度に天使は傷つくも新たな天使が呼び出されて数は減らない。そして瀕死になった渡来の天使と、召喚されたばかりの彼らが同時に斧を振りかざし襲ってくる!
 卓越した戦場の把握で、敵からの攻撃を見切ることは出来る。だが自分が退けば後ろにいる陰陽師たちに攻撃がいってしまうだろうと考えた明は、オーラによる防御で自らを守ることに専念した。大丈夫、こちらには陰陽師からのサポートもあるのだ。
『……!? 効かない!?』
「その程度の攻撃では私は倒せませんよ」
 振りかざされた斧を七色の杖で弾き、再び魔法の矢を放つ! 天使も負けてはいない。安倍晴明の力で強化された力で、一度見た矢を斧で真っ二つに切り裂く! お互い牽制しあい、攻撃の手を緩めない。巨大な斧は振りかざすだけで大きな隙が生まれるのを、明は見逃さなかった。
 鎧をも貫く属性を矢に与え、ばら撒くように虹色の矢がシュンシュンと天使の胸や頭をぶちぬいていく。同僚がやられたことに怯えた天使は、自棄になりながら明につっこんできた。そんなことをしても、無駄だというのが分からないのか。ザっと躱して。
「残念、それは残像です」
 宙に浮いたまま手を翳し、渡来の天使たちに一斉攻撃! 一撃目で追い込み、二撃目でトドメを刺す。天使は消える間際、安倍晴明の意識を保ったまま呟いた。
『また猟兵に負けますか……良いでしょう。それもまた宿命……』
「安倍晴明。あなたの力は本当はこんなものではないはずです」
『それはあの天使に言って下さい』
 大天使ロロサエル。安倍晴明を召喚した底知れぬ天使。御使いに天使を選んだ彼だ、何か思うところがあったのかもしれないが。
「私は本気のあなたと戦いたかった」
 渡来の天使は地に堕ちた――。

成功 🔵​🔵​🔴​

乱獅子・梓
【不死蝶】
安倍晴明か、俺にとっては
綾から話を聞いたくらいの存在だが…
そいつを蘇らせる為にガワだけを利用された
このオブリビオンたちも哀れだなとは思う
哀れんだところで結局倒さなきゃいけないわけだが

まずは沢山居る陰陽師たちを一箇所に集める
散らばるよりは守りやすくなるだろう
一網打尽にされる危険性も無くは無いが
大丈夫、俺たちが絶対守るから
お前たちは術に集中してくれ

陰陽師たちのすぐ傍らでUC発動
成竜の零の咆哮を広範囲に響かせる
味方に対しては神秘的な歌声だけを届けるが
敵に対しては生命力を削ぎ取る凶器と化す

晴明は隙あらば陰陽師を襲おうとするだろうが
近付けば嫌でも零の歌声を間近で聴くことになるぞ?


灰神楽・綾
【不死蝶】
ははっ、猟兵を怒らせて気を引こうだなんて
とんだ構ってちゃんだねぇ
あらゆることへの興味が失われているというのに
そんな性悪な部分だけはしっかり残っているとはね

俺が晴明に抱く感情は
せっかく躯の海でおねんねしていたのに
不完全な形で叩き起こされて可哀想だねぇ
っていうところかなぁ?

まずはPhantomの紅い蝶の群れを
陰陽師たちの周囲に飛ばす
零の歌声を聴いてなおも向かってくる悪い子には
ひらひら舞うだけの蝶が牙をむく
蝶が敵に触れた瞬間、UCによって鎖へと変化し敵を捕縛
あはは、悪巧みが仇となったね?

捕縛され身動きが取れなくなった敵
新たにこちらへ向かってくる敵
次々とDuoでその命を刈り取っていこう




 猟兵を怒らせて気を惹こうだなんて、とんだ構ってちゃんだねぇ……というのが召喚された安倍晴明への灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)の第一印象である。あらゆることへの興味が失われているというのに、そんな性悪な部分だけはしっかり残っているとは。
「せっかく骸の海でおねんねしていたのに、不完全な形で叩き起こされて可哀想だねぇ」
 そういう綾の口角は少し上がっていて。乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)にとって彼の安倍晴明とは綾から話を聞いたくらいの存在だが……そいつをよみがえらせるためにガワだけを利用されたこの渡来の天使たちも哀れだと思う。
 哀れんだところで結局倒さねばならないのだが。オブリビオンと人類は分かり合えない、ぶつかり合う存在。どちらが正しいや悪いといったこともなく、あるのは純粋な支配。どちらがどちらを制すかの勝負。敗北の先にあるのは死か、あるいは隷属か……どちらにせよ死より恐ろしいものが待っているのだろう。
 まずは結界の四方を守る陰陽師を残し、分散している彼らを一か所に集める。一人ずつ散らばっているよりは守りやすくなるだろう。一網打尽にされる危険性も無くは無いが――。
「大丈夫、俺達が絶対守るから。お前たちは術に集中してくれ」
『承知! 助太刀に感謝します!』
「くくっ、梓かっこいー」
 言いながら綾は陰陽師たちの周囲にPhantomの紅い蝶の群れを飛ばす。オーラで出来た蝶たちは、いざという時陰陽師を守ってくれるだろう。
 集まった陰陽師のすぐ傍らで、蝶の群れに纏われながらするすると成竜となった零の咆哮が広範囲に轟き響き渡る! 味方に対しては神秘的な歌声だけを届けるその音色も、敵に対しては生命力を削ぎ落す凶器と化す。零の唸りに陰陽師たちは「おおっ!」と感嘆の声をあげた。
 渡来の天使たちは一か所に固まっている陰陽師たちを纏めて潰さんと結界の外から斧を振り回してくる! しかし、近づけば近づく程に強烈な眠気が天使たちに襲い掛かる。眠い、というよりは気絶に近い誘眠だ。それにもなお抗い斧を振りかざす天使に、綾はふぅっと蝶を掌から吹き付ける。
「悪い子にはお仕置きだよ」
 Phantomはひらひら舞うだけの美しい蝶に非ず。渡来の天使が蝶に触れた瞬間、鎖に変化した紅い蝶はそのまま敵を捕縛する。ギシっと絡めとられて身動き一つできない。綾は怒ることもなく、至って楽しそうに天使たちに告げた。
「あはは、悪巧みが仇となったね?」
『これはこれは……私の読みの裏をかきましたか』
 天使たちは一丸になって陰陽師たちを狙っているように見せかけつつ、実際は綾と梓そのものを狙っていた。術者が居なければ煩わしい猟兵の技も使えまいという算段。しかし、綾はそれを読んでいた。分かるのだ、だって――自分でもそうするだろうから。
「綾、あまり前に出すぎるな」
「大丈夫、みんなまた骸の海で眠りにつくよ」
 あの天使≪安倍晴明≫も零の歌声には抗えないのか、ぱたりぱたりと一体ずつ地に堕ちていく。それをDuoで刈り取っていく綾。眠った相手を仕留める程簡単な仕事はない。捕縛されて暴れる天使も、赤と黒の大鎌が血の華を咲かせる。
 ――あ~あ、どうして勝てない相手に挑むのかな。度し難いね。そのまま泥濘に沈んでおけば良かったのに。そうすれば『興味』なんて永遠に沸かないのにね。
 綾は新たにこちらへ向かってくる天使に、両手を交差させてDuoを構える。斧が振り上げられ、ガチィンと鎌の交差部分に当たる! ギリギリと耐える綾に、梓の援護が飛んできた!
「焔!」
 小さいながらも吐き出された炎は天使を焼き、隙を生み出す。そこへDuoが死の音色を奏で、ごろりと首を斬り落とす。その様子に怯える陰陽師もいれば、このようなこと妖に比べればと平気な者もいたりと様々。
「焔、よくやった」
 小さな声で鳴く焔は、零にだけいいところは見せられないと誇らしげ。安倍晴明は近づけば零の歌声で眠りに落ち、憑装した渡来の天使が刈られてしまう状況に進退窮まっていた。
「ほら、どうしたの。かかってきなよ、安倍晴明」
「綾、挑発するんじゃない」
「怒りはあげないけど、侮りならあげてもいいかなって思ってさ」
『不快……実に不快ですねぇ……』
 渡来の天使を乗っ取った安倍晴明は、憎々しげに呟いた。さぁ、怒っているのはどちらでしょう――?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『大天使ロロサエル』

POW   :    月閃乱撃
【日本刀による隙無き連撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    月呪審判
【三日月の如き刃】【朧月の如き羽】【月蝕の如き呪言】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    月焔邪視
【魔眼や呪言】を向けた対象に、【精神や身体の内側から蝕む焔】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠筧・清史郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 京の都、上空。遥か眼下を見下ろして、白黒の翼を羽搏かせ大天使ロロサエルはぼつりと愚痴を零した。
「やれ、安倍晴明はやぶれましたか」
 彼の名立たる陰陽師も、猟兵の前では勝利出来ない。それも今回は二度目なのだ、対策も練られていたのだろう。

 ――嗚呼、興味深い。猟兵とはかくも私の興味を惹いて止まない。これほどまでに脅威、これほどまでに力を持っていながら、何故その力を蹂躙に使わない?

 ロロサエルの中に生まれた興味。それは七大天使から、クルセイダーから、猟兵へと移り変わる。その力で如何様にも出来るのに、何ゆえオブリビオンだけを敵視するのか。彼らは一体、何の為に戦っているのか。
「私が直接聞いてみましょう。猟兵――貴方がたの目的は何なのですか?」
 猟書家たる大天使ロロサエルの刃が閃く。風も、土も、木も、水も、金も。ざわざわとざわついて震えた。都全土が、この敵に恐れを抱いていた。
 それでも負けるわけにはいかない。刃には刃を以って、猟兵よ、忌まわしき好奇心と興味の塊に立ち向かえ――!
東雲・深耶
「ほう、この気配……幹部猟書家というだけはあるな。私もとっておきを見せるとしよう……」
陰陽師が結界術で僅かに動きを止めている間に虚空から【征竜剣・八大竜王】を取り出してユーベルコードを起動。
「これは貴様の同士とやらが担当する世界のオブリビオン・フォーミュラの力を用いた剣……それを、強化させて時空間切断剣術を用いる」
そう言って相手に牽制や挑発を行う。
更に【閃空の波紋】で周囲の陰陽師による結界術をこちらも強化、そして八代竜王の八つの属性と陰陽師の結界術に対してに空間干渉による空間属性を複合させて九属性にした斬閃を叩きこむ。
「これが八代竜王を越えて九頭竜に至る剣――征竜剣・八大竜王だ」




 天を見上げてロロサエルを睨む深耶の心は静だった。怒りも、哀しみもない……唯あるとすれば、彼の者が好むという『興味』それ一点のみ。――お前が猟兵やクルセイダーに興味を持ったように、私も少しはお前に興味を抱いたぞ。
「ほう、この気配……幹部猟書家というだけはあるな。ならば私もとっておきを見せるとしよう……」
 陰陽師たちの操る結界術は微弱だ。だが束になれば多少の効果はある。その一瞬を縫って、深耶は虚空から征竜剣・八大竜王を振り抜いた。そうして起動するは天上に吼える八大竜の代行者! 神化した刃は不思議な色を見せ煌めく。
「これは貴様の同士とやらが担当する世界のオブリビオン・フォーミュラの力を用いた剣……それを、強化させて時空間切断剣術を用いる」
『ほう……我らの力を人間である貴方如きに扱えますかな?』
「それは自身の目で、これから確かめさせてやろう!」
 挑発に乗ってきたロロサエルに、深耶は口角をあげた。こう言えば貴様は食い付くだろうとの予想は大当たり。呪いの言葉を口にしながら、ロロサエルは三日月の如き刃を振るい、朧月を思わせる羽根を深耶目掛けて大量に飛ばす! その羽根を一枚ずつ斬り落として、深耶は深く深呼吸をした。
 閃空の波紋。それは、閃空人奉流を開眼した際得た呼吸法。空間と知覚、及び干渉を可能とする技術と鍛錬の賜物。周囲の陰陽師による結界術を強化し、八代竜王に八つの属性を付与する。虹のように光る刃身が美しい。
 更に陰陽師の結界術に対して空間干渉を行い、第九の属性……空間属性を複合させた八代竜王。それは見た目以上の射程を誇り、振るっただけで空間をも断ち、全てを刻む王の剣。
 その間も敵の猛攻は止まらない。羽根への対処が遅れ、セーラー服や柔肌に鋭い傷がついていく。しかし、それだけだ。傷ついても、深耶は止まらない。もう立ち止まってしまう程、心に灯った闘志は消えていない!
「これが八代竜王を越えて九頭竜に至る剣――征竜剣・八大竜王だ」
『嗚呼、成程。そういう使い方もあるのですね。熟、人間の考えることは興味深い』
 相手の刃が届くより先に、深耶の放った八大竜王の斬閃がロロサエルを捕らえる! ぐっと深々、衝撃波のような痛みがロロサエルの身体に響き渡った。しかし、痛みだけではない感情が沸き起こる。『これ』はどこまで私を追い詰める? と。新たな興味。
 吹き飛ばされ地に膝を着きつつも、素早く居直ったロロサエルは深耶に向けて微笑んだ。
『もっと楽しませて下さい。征竜とは天の使いすらも征するのか……教えてください』
「言われずとも!」
 深耶は再び八大竜王を振るう。刃と呪言と羽根が飛び交う様を、陰陽師たちはごくり息を飲みと見守っていた――。

成功 🔵​🔵​🔴​

灰神楽・綾
【不死蝶】
「お前たちの目的は何だ」だなんて
まるで主人公が悪役に言うような質問をするんだね
「世界の平和を守ることだ」とおどけて言ってあげようか
勿論俺はそんなヒーローなキャラじゃない
「お前にそんなの答えてあげるつもりは無い」
という意思の表れ

俺と遊んでよ、大天使さま
相手は猟書家、真っ向から捻じ伏せるのは至難
なら俺は陰陽師たちの術が完成するまで
ひたすら喰らいつき時間稼ぎに徹しよう

UC発動し、成功率を最大限高める
両手に構えたDuoで刃を受け止め
複数のナイフを念動力で操り、飛んでくる羽を迎撃
呪言は防ぎようがないからこの際対策は捨てる
ユーベルコードさえ封じられなければいい

あはは、何だか動きが鈍ってきたね?


乱獅子・梓
【不死蝶】
ったく、誰が相手でもおちょくって…
こいつのマイペースっぷりは仕方がないな
しかし今回は決して侮れるような相手じゃないことは
言わなくても分かっているだろう

あいつを倒せるかどうかは
お前たちにかかっていると言っても過言じゃない
連戦できついと思うが頑張ってくれ
と陰陽師たちを鼓舞

UC発動し、炎属性のドラゴンを召喚
陰陽師たちを囲むようにドラゴンを配置
万が一敵が綾を突破して陰陽師を
直接狙ってきた時の為の保険だ
炎を吐き、咆哮を上げて威嚇し
迂闊に近付けないようにする

陰陽師の術が完成したら一斉に突撃だ!
ドラゴンの大群にどう対処するか
そんな思考を巡らせる時間も与えず
四方八方からブレス攻撃や体当たりを叩き込む




 大天使ロロサエルの興味は尽きない。クルセイダー、七大天使、京の都、陰陽師、安倍晴明……そして猟兵。世界の命運を掛けた戦いに命がけで付き合う彼らに、興味が湧かないはずがない。猟兵ときたら一人ひとりの力は大したことはないくせに、同じ目的の為に集まり戦う。それは勇気か決意か覚悟か。
『貴方たちの目的は何です? 私に教えてください、私は貴方たちを理解しようとしています』
「あはは。『お前たちの目的は何だ』だなんて、まるで主人公が悪役に言うような質問をするんだねぇ」
 くつくつと綾は口元に手をやり笑いを堪えようとして、ダメだった様に細い眼を甘い果実が如く上弦に歪ませる。「世界の平和を守ることだ」とお道化て言ってみてあげようか。なんて、勿論綾のキャラじゃない。
「お前にそんなの答えてあげるつもりは無い」
 そんな意思の表れ。全く、誰が相手でもおちょくるのだから……と梓は頭に手を当てて首を振る。いつものことだ。綾のマイペースっぷりはもう仕方のないこと、今更更生できたもんじゃないし、する気もない。
 しかし、今回は決して侮れるような相手じゃないことは言わなくても分かっているだろう。誰にでも態度を崩さないとはいえ、相手を見る目はあるのだ。油断が命取りになることはその肌から感じる威圧が物語っている。
「あいつを倒せるかどうかはお前たちにかかっていると言っても過言じゃない。連戦できついと思うが頑張ってくれ」
『任されよ、異界の戦士殿!』
 陰陽師たちを鼓舞すれば、彼らもまた命を張ってこの都を守ろうと固い意思を揺るがせない。これなら安心して背中は任せられるなと、梓は刃の間合いを詰めようと降り立つロロサエルに視線を戻す。彼は微笑んでいた。まるで猟兵のことを侮っている。己の敵ではないと、油断している。――そこに付け入る隙がある。
「気に食わねぇな……」
「俺と遊んでよ、大天使さま」
 相手は猟書家、真っ向から捻じ伏せるのは至難の技。ならば陰陽師たちの結界術が完成するまで、ひたすら食いついて時間稼ぎに徹しようと、綾は赤と黒の大鎌を手に「来なよ」と意識をそちらに向かわせる。陰陽師たちを守る陣形を組み、炎属性のドラゴンを複数体配置。万が一ロロサエルが綾を突破してきた時の保険だ。
 陰陽師たちは異界の竜に驚きながらも、必死で術式を編み上げてゆく。木火土金水が戦場に満ち、複雑な結界を編み上げていく。ロロサエルに対抗するにはそれなりに強大な力が必要だ。それなりに時間もかかる。綾の剣戟に合わせ、ドラゴンも炎を吐き、咆哮を上げて威嚇する。迂闊に近づいたら大やけどだ。
「ねーぇ大天使さま。今の俺は強いよ。何でも成功する……お前との闘いにも、必ず勝つ」
『さて、この世界には『弱い犬程よく吠える』という言葉がありましたか』
「勉強不足だね、『鳴かない猫は鼠捕る』だよ」
 ガチガチとロロサエルの刀がDuoに食い込む! 同時にロロサエルの白黒の羽根が舞って綾向かい襲い掛かる。一歩でも引いたら圧し負ける、そう思った綾は黒の刃を盾に赤の刃を滑らせて刀を弾いた! 複数のナイフを念動力で操り、飛来する羽根を1枚ずつ切り裂いて地に落としていく。びくびく動いて動かなくなる羽根はまるで別の生き物のようだった。
『ふむ……貴方に呪いあれ。ほうら、何でも成功するなんて嘘でしょう』
「試してみる?」
 呪いの言葉は防ぎようがないのでこの際無視! あらゆる行動を阻害されなければそれで良い。じわじわと追いかけては引き、かと言って最低限の安全地帯は残して時間を稼ぐ。その内に陰陽師の術式が編まれ、陣地に巨大な結界が拡がる!
「ッ、まだ掛かりそうか?」
 梓の心配そうな声に、陰陽師は首を振る。漸く結界術が完成したのだ。ロロサエルは自らに掛けられた術に掌をくるくると反転させてみる。これは――鈍重のまじない!
「あはは、何だか動きが鈍ってきたね?」
『……小細工を……』
「綾っ! 避けろ!」
 後方からの梓の声に、綾は即座に横に転がる! 間髪入れず後方から炎のブレスが放たれ、ロロサエルを包み込んだ。手にした刀でブレスを断ち切るが、数の暴力でそれも適わない。ドラゴンの軍勢にどう対処するか……そんな思考を巡らせる時間も与えず、四方八方から体当たりにブレスにと袋叩きにする!
『くっ……』
 一歩退くロロサエルに、追撃のDuoが閃く! ぶつかりあった刃にカキィンと鳴り刀の刃がこぼれた。なんて鋭い切れ味、首にでも掛かったら死んでいただろう。
 ――嗚呼、嗚呼! これだから止められないのです。私の好奇心を満たす猟兵のなんと面白い事。良いでしょう、この場では貴方達に勝ちを譲ります。愉快な貴方達に、私の好奇心をほんの少しだけお裾分けして――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

大豪傑・麗刃
あんまりわたしにまじめなことをしゃべらせないでほしいのだ。頭痛が痛くなるのだ(強調表現としての重言肯定派)
わたしの目的は、わたしが馬鹿なことをやったら周りが笑ってくれること。きみたちみたいなのがいたら、わたしが馬鹿なことをやったらみんなはこの状況で何やってんだと怒るかあきれるかではないか。
わかるかね大変人ロリコンLOくん!わからんだろうなあ。

わたしは超怒ったのだー!!

(スーパー変態人2発動!)

右手に刀2本左手に脇差(バスタード・ヒーローソード)2本の計4刀携え、相手の連撃もものともせず気合入れて全力で突撃し、きみの希望通り蹂躙するだけなのだ!

陰陽師はわたしの速度上げるか、攻撃防ぐ防壁張るかで。




「あんまりわたしにまじめなことをしゃべらせないでほしいのだ。頭痛が痛くなるのだ」
 敢えての重複表現で如何に現状が麗刃にとって面倒くさい状態かを表現する。麗刃の目的は、馬鹿なことをやったら周りが笑ってくれて、楽しくて愉快な状況になること。あははと笑顔が溢れて、ほっこりする空間を生み出す事。
 ――それなのに。ロロサエル……きみたちみたいなのがいたら、わたしが馬鹿なことをやったらみんなはこの状況で何やってんだと怒るか呆れるではないか。わかるかね大変人ロリコンLOくん! わからんだろうなぁ。
「わたしは超怒ったのだー!!」
 全身を青白いスパークを伴う金色のオーラで覆い尽くし、早くシリアス空間を終わらせお笑いに走りたい欲望を顕在化させる。いい加減この重苦しい雰囲気を吹き飛ばしたい。笑って、笑われて。それでいいじゃないか! この空気にした罪は重いぞと、麗刃はキッとロロサエルを睨みつける。
 右手に刀を二振り、左手に脇差二振りの計四振りを携え、相手の懐に入る! しかし其処は敵の間合い、簡単には手出し出来ない。実際問題、襲い掛かる連撃が麗刃を苦しめる。しかし此処で怯むような麗刃ではない。
「陰陽師くん! サポ……援護を頼む!」
『はいっ!』
 陰陽師たちは麗刃を中心にして広がり、術式を展開していく。相手は格上、一人ひとりの魔力ではデバフは掛からない。であれば、味方……麗刃を支援するのが確実! 攻撃から身を守る防壁を幾重にも重ねあげる。
 そうして連撃をものともせずに気合を入れて突撃し、彼の大天使の希望通り蹂躙するだけだ。何度でも斬り重ねてくるのなら、こちらはその分防げばいい。四振りの刃がガチガチと音を立てる。ひどい悲鳴だ。だが悪くない、こいつらも望んでいる……この雰囲気を終わらせたいと!
 血を啜るとか持ち主が非業の死を遂げるだとか、そんな厄介な代物ではないとはいえ、刀はそれぞれ意味を持っていた。在る剣は超かっこよかったから、或る刀は武士らしくあろうとして。しかし、持ち主が麗刃である以上、最早普通の刀で通るわけにはいかないのだ。
 かと言って刀ギャグが思い浮かぶわけでもなかったので、果敢に攻め入る他にない。しかし、今はそれが一番の有効打。幾重にも編み込まれた鎖のような防壁は麗刃の剣戟を休めない。まだこちらは傷ひとつ付いてない! 嗚呼、あまりにも虐めると弱い者いじめになってしまうか。
 麗刃は高まりきった燃え滾る闘魂を刃に籠めて、一閃。相手に隙はない。だがそれは慢心だ。絶対的優位を信じているからこそ生まれる油断……どてっ腹を刃が刻む!
『ぐっ……しつこいですね、貴方も……』
 ロロサエルの興味は、いつしか焦りに代わっていたのを麗刃は知る由もない――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フォルク・リア
「大天使と言う割に察しが悪い。
俺の目的は力なきものを虐げる、
その暴虐を止めること。
故に今はこの京の都を守る事が目的だよ。」

右手にデモニックロッドをを左手にエンドオブソウルを構えて
闇の魔弾を放ちながら陰陽師に
「先の言葉から奴の狙いは猟兵に絞られていると見ていい。
君たちには奴が俺に放つ術に対抗して(できれば打ち消して)
貰いたい。俺は攻撃に集中して奴を倒すよ。」

月焔邪視を受けても陰陽師を信じ
グラビティテンペストの発動に集中
【全力魔法】で装備を微粒子に変換。
ロロサエルの周りに超重力を発生させて攻撃。
「天の使いが滅びを望んだとしても
人の願いがある限りそれは成らない。
お前の野望、この力で天から堕とす。」




 興味や好奇心といったものが己を動かす原動力となることを、フォルクは知っている。何かを探求し、研究し、暴き、確認することは、ある種の欲を満たしてくれるから。でもそれは人の道を外れなければの話。外道は絶対に手痛い目に合うと、相場が決まっている。
『興味深い。貴方は何を為そうとしているのです?』
「大天使と言う割に察しが悪い。俺の目的は力なきものを虐げる、その暴虐を止めること。故に今はこの京の都を守る事が目的だよ」
『何故?』
「何故だと?」
『其処には理由があるはずです。私が此処を陥落させたとして、貴方に何の不都合が?』
 大天使ロロサエルは根本的に間違えている。弑逆を止めることに、理由などいるものか。不都合、ああ有るとも! 折角の研究対象がひとつ減ってしまうのだから! それに、困っている人を見過ごせる程、フォルクは人の心を忘れてはいない。フォルクはあくまで、ひとだから。
 右手に魔杖デモニックロッドを、左手に禁書エンドオブソウルを構え、敵対者を追尾する闇の魔弾を放つ! 禁書の頁がガクガク震え、フォルクの魔力に反応を示す。捲れそうになる頁を抑えながら、陰陽師たちにひとつ頼みごとを。
「先の言葉から奴の狙いは猟兵に絞られていると見ていい。君たちには奴が俺に放つ術に対抗して……できるのなら、打ち消して貰いたい。俺は攻撃に集中して奴を倒すよ」
 その言葉に頷く陰陽師たちを信じ、大魔術・グラビティテンペストの発動に集中する。その内に体がじわじわと疲労していくのを感じる。なるほど、精神と肉体を内側から蝕む焔とはこれか……と思うと同時に、陰陽師たちが対抗してくれていてこれなのだ。直撃していたらたまったものではないと溜息をつく。
 ――長いような、短いような詠唱が終わった。全力で装備品の数々を微粒子に変換し、ロロサエルの周りに超重力を発生させる。ぐわん、と空間が歪みいびつに凹んだようになった世界に、ロロサエルは挟み込まれた。重力とは、引き寄せられること。オブリビオンである以上、骸の海からの呼び声に抗えない。
『……どうやら此処までのようですね。残念です。しかし、忘れないで下さい、猟兵。我が同士は天上界へと至り、破滅と滅びを世界に齎すでしょう』
「――天の使いが滅びを望んだとしても、人の願いがある限りそれは成らない。お前の野望、この力で天から堕とす。俺は……俺達は、その為に此処に居る」
 ロロサエルはフッと諦めたように目を閉じ、歪んだ世界に断ち切られ静かに逝った。デモニックロッドから吸い上げられる魔力が漸く止まる。危ない、使い過ぎは厳禁だと己を制しながら空を見る。首魁を失くした哀れな渡来の天使たちが陰陽師たちの手で射ち落されていくのが見えた。
 これで終わりではないことは全ての猟兵が分かっていることだろう。過去は何度でも蘇る。でも、猟兵たちが費やした時間、願い、想いがある限り、世界は殺させない。全ての世界に命があるのなら、過去も未来も全てが其処に――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月04日


挿絵イラスト