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【猟】マッスル・カーニバル!

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #ドーラ・ワルダー #キマイラ

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#キマイラ


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●筋肉は全てを解決する
 平和なはずのキマイラフューチャー。今現在は、骸の月が浮かび猟書家の侵略を受けている。
 そんな世界で新たな猟書家が現れた。
 ボンテージに身を包んだ猟書家、ドーラ・ワルダー。彼女は高所から、キマイラ達の様子を眺めていた。

「フフ、平和を謳歌なさい。今からこの世界は、悪の組織『ワルドーラ』の手によって支配されるのですから!」

 そんな彼女の後ろで部下であるアルパカが控えていた。
 ……いや、アルパカなのはアルパカなのだが……。
 その姿は……そう、マッスル。
 筋肉モリモリの肉体にアルパカの頭がつけられ、その首には拘束具となる首輪がつけられていた。
 ワルドーラへの忠誠の印として付けているのだが、その姿はもはや変質者のソレだ。近寄りがたい雰囲気しか無い。

「ドーラ様ァ!! 此度は我らにおまかせあれぃ!!」
「我らアルパカマッスルブラザーズ! ワルドーラ繁栄のためであれば西へ東へ、北へ南へぇ!!」
「ええいやかましい!! おべんちゃら言う前にとっととキマイラ達を捕まえてくるんだよ!」
「あいあいさぁー!!」

 大きく鞭を振り上げられ、超筋肉のマッスルブラザーズは走る。
 ドーラ・ワルダーの目的であるキマイラ連れ去り作戦。その実行へと移るために。

●寄るな筋肉!!!!
 その日、彼らは思い出した。この世界がどのような世界であったか。
 なんでか生き残ったキマイラ達がなんでか発生した謎の怪人達に襲われるという世界ということを。

 住民たちは逃げ惑う。恐ろしい筋肉モリモリのアルパカ人間に。
 住民たちは逃げ惑う。とんでもない容姿の怪人に。
 住民たちは逃げ惑う。どうして筋肉を見せつけられる事態となったのかわからずに。

 早く来てくれヒーロー達! こんな恐ろしい夢のような事態はまっぴらだ!
 早く来てくれヒーロー達! 悪夢がどんどん広がってゆく!
 早く来てくれヒーロー達! ああ、アルパカが! アルパカが!!

 そんな様子のキマイラフューチャーに、女性の高笑いが響き渡った。

●もはや何がなんだか
「胃が痛い」
 その一言だけを残したのは金宮・燦斗(《奈落を好む医者》[Dr.アビス]・f29268)。最近珍妙な予知を頻発しているために、胃薬が欠かせなくなってきたそうだ。お医者さん大丈夫?
 ともあれ、キマイラフューチャーでの事件だそうで、今回は猟書家ドーラ・ワルダーによる侵略行為が始まっているのだという。部下達を解き放ち、キマイラ達を攫うという良くある典型的な悪者系のパターンなのだが、その部下達がヤバいのだという。
「アルパカマッスルブラザーズ……量産型の怪人だそうで、はい。首だけなら可愛らしいのに、首から下が可愛くない悪意しかない存在が街中に溢れかえってるのを想像してみてください。ヤバいです」
 遠い目をして部下の特徴を答えた燦斗は、ぐいっと胃薬一気飲み。怪人が怪人しているのは良いのだが、見た目があまりにも異質過ぎて攫われる以前にキマイラ達の心が心配だそうだ。
 キマイラ達の救出のためにアルパカマッスルブラザーズの討伐、及びドーラ・ワルダーの討伐。この二つの条件が猟兵達に課せられた。
 なお、キマイラ達による応援はその場所で大きな力に転化されるとのことで、応援を受ければ受けるほどに討伐のしやすさが変わるというアドバイスを受けた。キマイラ達も、流石にアルパカマッスルブラザーズなんてものにさらわれるのは癪だろう。
「というわけで、筋肉まみれのマッスルカーニバル、行ってらっしゃい」
 にこやかに笑顔を振りまいて、燦斗は猟兵達を送り出す。
 その先に見える筋肉の海へと飛び込む者達へ、そっと感謝を捧げながら……。


御影イズミ
 閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
 猟書家シナリオです。こうする以外に思い浮かばなかったんだ……!
 こちらのシナリオは2章構成となっております。

 なおこちらのシナリオ、全章共通のプレイングボーナスがあります。
 ボーナスは「キマイラに応援される」ことです。
 なお、キマイラ達には戦闘力はありません。この点ご注意ください。

●第一章:集団戦シナリオ
 『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』との戦いです。
 ポージングしながら襲いかかってくるその姿、まさにマッスル。
 恐ろしいことに集団戦なのでマッスルの海に飲まれます。
 ボーナスが入ると猟兵がマッスル過ぎて眩しがられるかもしれません。

●第二章:ボス戦シナリオ
 猟書家『ドーラ・ワルダー』との戦いです。
 マッスルブラザーズが役立たずだったから自分が!という感じで出てきます。
 ボーナスが入るとヒーローみが増した戦いになります。後光出るかも。

 皆様の素敵なプレイング、お待ち致しております。
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第1章 集団戦 『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』

POW   :    ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ   :    ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レパル・リオン
出たわねワルドーラ!正義のパワーでやっつけるわ!

ユーベルコードで【変身】よ!
イェーガー・レパル参上!

筋肉がなんのその!人々を守るため、果敢に怪人に立ち向かうわ!悪魔合体な怪人が相手でも、あたしは逃げない!人々の代わりにあたしが平和を守る!
ポージングしてる怪人を掴み、ジャイアントスイングで怪人をなぎ倒し投げつけるわ!
無双するだけがヒーローじゃない!筋肉に飲み込まれても決して諦めず、パンチ!キック!全力で戦い続けるわ!
みんなの応援がある限り、あたしは何度でも立ち上がり戦う!

必殺、【虎狼竜・神風脚】!敵の群れの中から大ジャンプで飛び出し、そのまま急降下キック!ド派手に怪人を爆破するわ!



●イェーガー・レパル、参上!
「俺達アルパカブラザーズ~♪」「Hey!」
「俺達マッスルブラザーズ~♪」「Hey!」
 とんでもない歌を歌いながら、列をなして街中を走るアルパカマッスルブラザーズ。その異質過ぎる光景には、キマイラたちもビビりまくり! そりゃそうだ!!
 しかしそんなアルパカマッスルブラザーズを討伐するため、ヒーローたる猟兵が派遣された。その声でアルパカマッスルブラザーズの居場所を特定させ、自身の存在をはっきりとさせる。
 密集するビルの屋上から聞こえてくるその声には、アルパカマッスルブラザーズも少々驚きを隠せない。
「出たわね、ワルドーラ! 正義のパワーでやっつけるわ!」
「何奴ッ!!?」
「とうっ!!」
 ビルの屋上から飛び降りてきたのは、レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)。飛び降りるまでにユーベルコードを用いて登場した火の輪を連続してくぐり抜け、魔法猟兵イェーガー・レパルへとして変身。目にも鮮やかな太陽のような衣装を身に纏い、ライオンをモチーフにした魔法少女がアルパカマッスルブラザーズの前に立ちはだかっていた。
「イェーガー・レパル、只今参上!!」
 キラキラと輝く素敵なエフェクトと共に現れたレパルは、キマイラ達が逃げる時間を稼げるようにアルパカマッスルブラザーズの前に立って道を塞ぐ。ワルドーラの目的がキマイラ達の確保ということもあって、彼女の位置取りは完璧だった。
「くっ、イェーガー・レパル! 我らワルドーラの邪魔立てをするというのか!」
「そんなことはこの筋肉が許しはせぬ! 許しはせぬぞぉー!!」
「筋肉がなんのその! 人々を守るため、あたしは立ち向かうわ!」
 ―――たとえその姿が悪魔合体な怪人が相手だとしても、人々の代わりに平和を守ってみせる!!
 はっきりと言い切ったレパルはアルパカマッスルブラザーズの取っているポージングを崩すために、その足を掴んでジャイアントスイングを行いながら列を乱す。ブンブン振り回されるアルパカマッスルからは汗がほとばしり、何故か恍惚の表情を見せている。
 念の為に言っておくが彼らアルパカマッスルブラザーズは決してマゾヒストではなく、躍動する肉体の誇示のために敢えて不利な行動を行うことで身体能力の強化を図っているだけである。そこだけは留意していただきたい。
 ぶんぶん振り回して列を乱した後にレパルは一気にパンチとキックでアルパカマッスルブラザーズに攻撃を加え、なるべくキマイラ達が被害を受けない場所へと集めるように動き回った。
「我らアルパカマッスルブラザーズ!!」
「ドーラ様に歯向かう者を討伐せねばあァ!!」
 ふんぬっっ!! とポージングを見せつけた後にアルパカマッスルブラザーズは、飛躍的に上がった身体能力を持ってレパルにムキムキツヤツヤの拳を振るい、ムキムキぱっつぱつの筋肉質な足で蹴りを回す。
 お互いが身体能力を上昇している中で振り回される拳や蹴りは、周囲のキマイラ達を吹き飛ばす勢いを持っている。だがそれでも、助けてくれるヒーローのためにキマイラ達は応援を続けた。
「ガンバレー! イェーガー・レパルー!」
「変なやつに負けるなー!」
 子供達の可愛らしい応援を受け、レパルは最後の一撃を繰り出す準備をしていた。ユーベルコード『虎狼竜・神風脚』の準備のために足を踏ん張り、連続の空中ジャンプによって空高く飛び上がる。アルパカマッスルブラザーズの視線が全て空を飛ぶレパルに向けられたかと思えば、彼女は一気に急降下。
「これで終わりよ! カミカゼキーーック!!」
 ライオンの頭に変化した足でのキックが、一人のアルパカマッスルに直撃する。その風圧は勢いよく周囲にいたアルパカマッスルブラザーズをも吹き飛ばし、彼らを建物の壁にぶち当てた。
 見た目の肉体とは違い、アルパカマッスルブラザーズの体力はそこまでない様子だ。レパルは同じように連続してユーベルコードを放ち、アルパカマッスルブラザーズを蹴散らしていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィルヘルミナ・アルトマイヤー
「うぅ…どう見ても怖そうな人(?)達…あんま近付きたくないんですけど…」
接近戦は嫌いですけど苦手じゃないんです。
わたしこう見えても腕力だけは自信あるので、びったんびったんのユーベルコードを使ってマッチョさん達を掴んではぶつけて掴んではぶつけてを繰り返していきます。魅せ筋さんには流石にパワー負けしないでしょうし小柄なわたしが魅せ筋さんを軽々投げ飛ばせばす、少しはキマイラさんたちも応援してくれますかね!?
め、目立つのはあまり好きじゃないんですけど…


迅雷・電子
【心情】うわぁ…(いろんな意味で唖然)なんて敵なんだい…でもあの筋肉なら相撲のしがいはありそうだね!(制服を脱ぎ捨てイェカの姿になり四股を踏み)さあ、待ったなしだ!

【作戦】とりあえず奴らが攻撃してくるなら【見切り】で回避か【怪力】で受け止めるよ!
そしてそのまま連続つっぱりで複数攻撃した後にそのまま相撲投げだよ!!いっぱいいるけど場外に追い出すよ!どすこぉぉぉい!(絡み・アドリブOK)



●つっぱりからのびったんびったん
 変な歌を歌いながら列をなして走るアルパカマッスルブラザーズ。そんな彼らを遠目から見てはドン引きしているのはヴィルヘルミナ・アルトマイヤー(オラトリオの力持ち・f30751)と迅雷・電子(女雷電・f23120)。頭がアルパカで筋肉がテカテカ光っては走るその様子は、まさに変態のそれとしか言いようがない。
 しかし電子にはアルパカマッスルの姿には気味悪ささえ覚えるが、その筋肉はむしろ自分の得意分野での戦いに持ち込めるのではないか!? という考えが浮かんでいた。気味悪さのほうが強くなっているため、隣にいたヴィルヘルミナに少し相談をしていた。
「ヴィルヘルミナさんはどんな戦い方が出来るんです?」
「ボクですか? うぅん、腕力には自身があるので……掴んでべちべち叩きつけることぐらい、ですねぇ」
「おぉ、同じ近距離型だ! あたしは相撲で戦おうと思ってるから、吹き飛ばしたところでべちべちやってくれないかな!」
「あ、いいですね。ちょっと、あの、あんまり近づきたくないのもあったので……」
 ちらりとヴィルヘルミナの目線が列をなして走るアルパカマッスルブラザーズに向けられる。筋肉から溢れる汗が周囲の温度差と重なってもわもわと湯気が出てきている光景には、思わず目を背けてしまうほどだ。こんな状況は早くなんとかしなければ、自分たちよりも住民たちの目の毒になってしまう!!
 ならばと二人は準備に向かう。アルパカマッスルブラザーズが向かう道のその先へ回り込み、塞ぐために。キマイラ達にはすぐに避難するように伝え、外を出歩かないようにと指示を出す。

「俺達アルパカブラザーズ~♪」「Hey!」
「俺達マッスルブラザーズ~♪」「Hey!」
 珍妙な歌を歌いながら列で走り込みを続けるアルパカマッスルブラザーズ。キマイラを攫うことを目的としていたが、そのキマイラ達がどうにも見つからない。このままではドーラ様に叱られてしまう! と恐れているアルパカマッスルの群れは、そのまま道なりに進んでから作戦を練ろうと皆で話し合っていた。……器用にも、走り込みをしながら。
「むっ!」
 先頭を走るアルパカマッスルの一人が、目の前を塞ぐ誰かに気づき列を止める。後光によってその正体がはっきりしなかったが、女性であることはなんとなくわかった。そこで列を止めたアルパカマッスルが、その二人に向けて威嚇の大声を上げる。
「貴様ら、何者だ!」
 問いかけに対し、二人はしっかりはっきりと答えた。ヴィルヘルミナはある意味恐ろしい人物達と鉢合わせになることに震え上がっていたが、電子に至っては服を脱いで相撲取りの姿となっていた! 彼女は、相撲をやる気満々だ!!
「あたしたちはあんた達を倒しに来た、猟兵!」
「怖そうな人には、ま、負けません!!」
「なぁにぃ~?? 猟兵だとぉ~??」
「たった二人でなぁにをしようというのかね?」
 迫りくる筋肉に対し、ヴィルヘルミナは思わず視線をそむけたくなってちらりと電子を見る。電子も思わず目を背けてしまったが、目があったので合図として二人同時に首を縦に振ってアルパカマッスルブラザーズの列に向かって走り出した。
 二人の行動に驚くアルパカマッスルブラザーズだったが、敵が近づいてきたことで即座に逞しい肉体を見せつける行為を行い、自身の強化を図っては二人に拳を振るう。
 電子の見切りは素早くその拳の軌跡をたどり、ヴィルヘルミナへ攻撃される寸前に自慢の怪力で受け止めることが出来た。思わぬ怪力に止められたことにより、マッスルが命だったはずのアルパカマッスルブラザーズは更に驚きを隠せない。またこのおかげで相手の攻撃に見切りをつけることが出来るようになった電子は、命中率の高まったユーベルコード『連続つっぱり』を発動させる。
「どすこいどすこいどすこい!!」
 いい感じに張り手が炸裂し、初撃がしっかりと入った。列の一番先にいたアルパカマッスルブラザーズはつっぱりによって吹き飛ばされ、地に落ちたかと思うと……今度はヴィルヘルミナが倒れているアルパカマッスルの足を掴み、ユーベルコード『びったんびったん』の力を借りて思いっきりマッスルアルパカを地面や建物の壁に叩きつける。
 なんてものを見せてくれたんだ! という怒りと、筋肉だけが力ではないんだ! と自信を持った腕力を使ってヴィルヘルミナは何度も何度も、掴んではぶつけて、掴んではぶつけてを繰り返す。小柄な少女が大柄の筋肉だるまを投げ飛ばすその様子には、アルパカマッスルブラザーズの誰もが目を奪われていた。
 張り手によって吹き飛ばされては、足を掴まれてべちべちと地面や壁にぶつけられているその様子、もちろんキマイラ達も目撃していた。高所に避難しておいたおかげで彼女達の戦いをよく見ることが出来ているため、少しずつキマイラ達がヴィルヘルミナと電子を応援し始めた。
「め、目立つのはあまり好きじゃないんですけど……電子さん、次お願いします!」
「はいはい! それそれそれそれーーっ!」
「うおおぉぉ!? この張り手、まさにマッスルがマッスルに敗北する瞬間ーーっ!!」
「き、筋肉が……敗北……ガクッ」
 何を言っているのかわからないが、とりあえず敗北の言葉として受け取りつつ張り手を連発させる電子。ヴィルヘルミナもまた、倒れたアルパカマッスルの言葉を理解しようとは思わず、ただただ無心で張り手で飛んできたアルパカマッスルをべちべちと叩きつけては気絶させておいた。
 こうすることでキマイラフューチャーにまた救いがある。そう信じて、二人はしっかりと筋肉に(物理的な攻撃を)叩き込んでいたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エルヴィン・シュミット
[アドリブ・連携歓迎]
ったく、何がマッスルだよ…キマイラフューチャーでそんなモンが流行るわけ無いだろ。
本当にイカしてるのは何か、俺が見せてやる!

行くぜ…【LET IT RIDE】!
【楽器演奏】と【パフォーマンス】で奴らのポージングよりも派手に目立ちながら【衝撃波】で攻撃する!
お前らには賞賛よりも痺れるような衝撃波をお見舞いしてやるよ!
おっと、接近戦ならチャンスがあるなんて考えないほうが良いぜ?
もしそんな事しようってんなら…【重量攻撃】とUCでぶん殴る!

『さあ、俺のカッコいい所を存分に見せつけてやるぜ!』



●マッスルよりもイカしたパフォーマンス!
 アルパカマッスルブラザーズの話を聞きつけ、やってきたのはエルヴィン・シュミット(竜の聖騎士・f25530)。珍妙な歌を歌いながら走り続ける列に対して、彼はぽつりと苦言を漏らした。
「何がマッスルだよ……キマイラフューチャーでそんなモンが流行るわけ無いだろ……」
 若干その様相に引きつつも、彼は本当にイカしているのは何かを見せてやろうと、アルパカマッスルブラザーズの前に立ちはだかる。その手にはファイアーパターンペイントが施されたギター、『LET IT RIDE』。設備がなくとも肌が震えるほどの音が出せるそのギターは、エルヴィンにとっては相棒の一つとも言える装備だ。
 彼の楽器演奏とパフォーマンスはもちろんアルパカマッスルブラザーズの耳に届いていた。目の前にいる男がギターを弾き鳴らし、注目を集めようとしている。そんな演奏程度で負けるものか!と、一人のアルパカマッスルが逞しい肉体を見せつけるためにポージング。念の為に伝えるが、敢えて不利な行動を取るための的となっているだけだ。マゾヒストなどではない。
「さあ、俺のカッコいい所を存分に見せつけてやるぜ!」
 LET IT RIDEから流れてくる音は何もパフォーマンスのために使われるわけではなく、その音が衝撃波となって敵を攻撃する武器にもなる。エルヴィンの演奏を聞きつけてキマイラ達が多数寄って来たため、彼は素早く衝撃波の勢いをアルパカマッスルブラザーズに当たるように調整。列を吹き飛ばしては叩きつけてやった。
「くそぅ、我らの筋肉が効かぬだとぅ!」
「仕方ない、ここは正統派マッスルパンチで向かうしかない!!」
「応っ!!」
 幾人かのアルパカマッスルが演奏を止めようと躍起になって、戦闘力の上がった拳を振るい始めた。演奏中だったエルヴィンは一瞬の反応が遅れてしまいその場から退避することが叶わずに拳を受けてしまうが、なんとか衝撃波で彼らを吹き飛ばして再び距離を取る。
「近距離なら俺が対処出来ないとでも思ったか? チャンスがあるなんて、考えないほうがいいぜ?」
 アルパカマッスルブラザーズの対処法に、にたりと笑ったエルヴィン。演奏だけで距離を保っている彼の動きに、近づけばなんとかなると考えられていた様子だが……特にそういうわけではない。
 彼は演奏を止めて首から下げていたLET IT RIDEのヘッド部分を両手でしっかりと持ち、武器のように構えてアルパカマッスルブラザーズの列へと突撃。一気に距離を詰め、LET IT RIDEを振り上げた。
「行くぜ……避けるんじゃねえぞ!!」
 ユーベルコード『MAXIMUM BET』を用いて、単純だがかなり重たい一撃を一体のアルパカマッスルにぶち込んだ。筋肉はそれを一瞬だけ止める働きを持ってくれたが、エルヴィンは更に重量攻撃の技術も加えていたためにその一体はあえなく撃沈。その後、遅れてやってくる地形破壊に周りのアルパカマッスルブラザーズも巻き込まれてはゴロゴロと転がり落ちてゆく。
「ドーラ様あぁ! お許しくだせぇーー!!」
「こんな若造にやられる我らをお許しくだせぇーーー!!!」
 次々にやられるアルパカマッスルブラザーズの悲鳴虚しく、エルヴィンはこの一帯にいたアルパカマッスルブラザーズを討伐。残党がいないことを確認してから少し汚れたLET IT RIDEを綺麗にして、再びゆっくりと演奏を始めてキマイラ達に安心感を与えたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ケルシュ・カルハリアス
※ アドリブ・連携OK

まさか本業(鮫絵描き)じゃなくて猟兵としての仕事を故郷(キマフュ)でする事になるなんてね。
僕だって以前なら逃げ惑うだけだったけど、今は違うよ。鮫の真髄を見せつけるぞ!

【サメジャックフィールド】で筋肉アルパカ達の足場を鮫だらけのでっかいプールにしてやります。僕はその上を【水上歩行】して戦闘力を高めながら雷の【属性攻撃】をするよ。痺れるのは筋肉アルパカだけでね。
ポージングしてる暇なんてないよ。泳いで逃げないと食べられちゃうからね。
…まあ水辺から逃げようものなら【チェイスサメ】が許さないよ。

キマイラさん達は【ウイングサメ】に守ってもらおう。鮫好きの同志は是非応援してください!



●サメフィールド展開、マッスルフィールド消滅!
「まさか、本業としてではなく猟兵としての仕事を故郷ですることになるなんてね……」
 そうポツリと呟いたのは、ケルシュ・カルハリアス(鮫絵師・f29842)。もともとは鮫を描く鮫絵描きとして故郷のキマイラフューチャーで仕事をしていたのだが、絵面的にも鮫と合体し難いものがキマイラフューチャーに跋扈していると聞いたために猟兵として故郷へ帰ってきた。
 そして、ケルシュはとうとう見つけてしまった。可愛いと筋肉を合体させるという、誰がやったのかさえわからない邪悪にも等しい視界の暴力が列をなして走っている所を。しかもその可愛らしい頭から聞こえてくる歌は、もはや軍隊の訓練か何かだ。
「俺達アルパカブラザーズ~♪」「Hey!」
「俺達マッスルブラザーズ~♪」「Hey!」
「う、うわぁ……」
 思わずドン引きしてしまうケルシュだったが、本来の仕事を思い出さねばとふるふると首を横に振ってユーベルコード『サメジャックフィールド』を展開。彼の描いた絵の具鮫が一気にアルパカマッスルブラザーズへと襲いかかる。
「て、敵襲ー! 敵襲だーー!!」
 一体のアルパカマッスルの声で、彼らはポージングを取る。何故ならばそうすることで戦闘力が上がり、自身に不利な状況ほどその戦闘力は増大になる。そのために彼らは気づかなかった。アルパカマッスルブラザーズの足元、ならびにケルシュの足元や周りにいたキマイラ達の足元が徐々に鮫のいる水辺へと変わっていることに。
「鮫のテリトリーにしてやるよ!」
 もともと誰かがいた地面は、鮫が足場となっている。しかし鮫の上となれば生き物故にグラグラと揺れ動き、普段の何千倍もの平衡感覚が必要になってくるものだ。キマイラ達は空を飛ぶことの出来るウイングサメに守ってもらいながら、ケルシュはその中を水上歩行での移動を行ってもらえるため、実質上平衡感覚が必要なのはアルパカマッスルブラザーズのみ。
 揺れ動く足場に慣れることが出来ず、大半のアルパカマッスルブラザーズは鮫だらけの水中へと落ちた。なんとかして逃げようと泳ぐものの、鮫というのは嗅覚が優れている。アルパカマッスルブラザーズのその匂いを嗅ぎつけた鮫達は、水中へと落ちた者達へと噛みつき引きずり込んだ。
 またケルシュのその力は、以前の彼とは全く違う。昔の彼であれば狼狽える事もあっただろう。だが今は、しっかりと敵と戦う術を身に着けてここにいる。
 キマイラを乗せたウイングサメには被害が及ばないようにもう少し空へ飛んでもらい、彼は雷属性を帯びた絵の具で思いっきりアルパカマッスルブラザーズを攻撃し始めた。無作為というわけではなく、水中で逃げ回る者達を中心に水上で踏ん張る者たちにもしっかりと当たるように調節しての攻撃。コレにはさすがのアルパカマッスルブラザーズも狼狽える。
「み、皆のもの! ポージングだ、ポージングをするのだぁ!!」
 鮫の上でなんとか立っていた一人のアルパカマッスルの声により、鮫の上で立つアルパカマッスルブラザーズは洗練された筋肉を見せつけ始めた。敢えて鮫の上でポージングを取るという不利な行動により、その戦闘力は増大。おかげで揺れ落ちることがなく、ケルシュへと走り寄ってその拳で攻撃を仕掛けてくるのだが……ケルシュは水上歩行によって距離を取り、足場の鮫が移動してケルシュから離れるために上手く攻撃が当てられなかった。
「あ、そうだ。キマイラさん達、特に鮫好きの同士さん達は是非応援してください! 鮫さん達も喜びますよ~!」
 ケルシュが空を飛ぶウイングサメの背に乗ったキマイラ達に声をかけると、上空から応援の声が聞こえてきた。その声が聞こえているのかどうかはわからないが、水中の鮫達は皆その動きを急速に早めてはアルパカマッスルブラザーズを水中へ落としてゆく。
 やがて、水上に残るアルパカマッスルブラザーズの姿は見えなくなる。全てが水中に落とされて、鮫とケルシュの雷属性の絵の具によって倒されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ドーラ・ワルダー』

POW   :    わたくしにひれ伏しなさい!
【鞭】が命中した対象に対し、高威力高命中の【踏みつけ攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    下僕達、やっておしまいなさい!
戦闘用の、自身と同じ強さの【力自慢の下僕】と【テクニック自慢の下僕】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    こうなったら奥の手よ!
自身が戦闘で瀕死になると【巨大なびっくりメカ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ガジル・コリアンダーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「ああ、もう、なんてことだい! あんな大見得を切っておきながら無様だね!!」

 麗しい声があたりに響き渡る。
 同時に、鞭の音まで聞こえてきた。

 ワルドーラの首領、ドーラ・ワルダーのお出ましのようだ。
 彼女は高笑いを響かせながら、キマイラフューチャーを練り歩く。

「キマイラ達を連れ去るのを邪魔されるなら、先に始末してあげましょう」
「光栄に思いなさいな! あなた達はこれから、我がワルドーラの繁栄のための踏み台となるのですから!」
「オーッホッホッホッホッ!」

 キマイラ達を連れ去り、ワルドーラに属する下僕怪人へと改造させるドーラ・ワルダー。
 彼女の思惑を止めなければ、このまま侵略を進めてしまうことになるだろう。
 一刻も早く、討伐しなくては……!

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 プレイング受付:11/24 8:31~
 プレイングボーナス:キマイラに応援される

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ケルシュ・カルハリアス
※アドリブ・連携OK

よくも故郷を滅茶苦茶にしようとしましたね!これ以上鮫愛好家が減ったらどうしてくれるんです!こっちにもダメージが来るでしょう!(同志の喪失と本業の依頼が減るから)

まず雷の【属性攻撃】から【チェイスサメ】の追撃だ!
メカなどの増援は【ウズシオゴーホーム】に巻き込むよ。それでダメなら【ウイングサメ】による【集団戦術】も追加だ!

見せてあげますよ!これが鮫魂です!



●これが鮫魂だ!!
 先程のマッスル達によって故郷をメチャクチャにされてしまったケルシュ。ちょうど都合よくドーラ・ワルダーが現れてくれたため、そのまま彼女に向けて言いたいことを全てぶつけた。
「よくも故郷をメチャクチャにしようとしましたね!! これ以上鮫愛好家が減ったらどうしてくれるんですか!」
「鮫の愛好家? 知ったことではありません! 我がワルドーラに害するものは全て排除すべきなのですから!」
「そうなったらこっちにも(同志の喪失と本業の依頼が減るから)ダメージが来るでしょう!!」
「本音を言いなさい本音を!!」
「本業の依頼が減るのが一番痛いんですよこっちは!!」
 とても正直な鮫絵師・ケルシュの叫びに、一瞬だけドーラ・ワルダーが怯んだ……ようにも見えた。顧客が減るのは、仕事を持つものであれば誰だって痛いものだ。
 そんなこと知ったこっちゃないよ! とドーラ・ワルダーが言い返すと、ケルシュはその怒りを雷属性の絵の具を振り回して攻撃。塗りたくられる絵の具はドーラ・ワルダーにもわずかに付着したようで、振り払う様子が伺えた。
 その間にもドーラ・ワルダーの周りには追いかける鮫が増え続け、それを鞭でバシバシとはたき続ける。無理にはたき落とせば絵の具を食らい、絵の具を落とせば鮫に追いかけられる。繰り返し行い続けていると、ドーラ・ワルダーにも疲弊の顔がにじみ始めた。
「くっ、こうなったら……奥の手よ!!」
 連続する絵の具と鮫の攻撃に、ドーラ・ワルダーは巨大なメカを呼び出した。しかもその巨大メカは先程戦ったアルパカマッスルブラザーズによく似たメカであり、ドーラ・ワルダーはその肩に乗ってケルシュへと襲いかかる。
「オーッホッホッホッ! さあ、跪きなさい! 我らワルドーラに逆らうものは、皆こうなるのですから!」
 ぐしゃり、と建物を一つ踏み潰す。ムキムキの足に踏み潰された建物は粘土のように潰され、大地の一部に変化した。その余波を食らって立て直そうとするケルシュだったが、ドーラ・ワルダーの持つ鞭の動作のように巨大ロボは腕を振り回し始め、その腕に巻き込まれて宙を舞う。
「ぐっ……!?」
 振り回しの勢いで空へと打ち上げられたケルシュだったが、このチャンスを逃すわけには行かないと重力に背くように身体を捻じ曲げ、ユーベルコード『ウズシオゴーホーム』を発動。空に巨大な渦潮の絵を描き、ドーラ・ワルダーもろとも巨大ロボを渦潮へと巻き込んだ。
 このユーベルコードは対象の棲家へと転移させるユーベルコード。転移を拒否すればダメージを受けるもので、ドーラ・ワルダーはその性質に気づくことなく渦潮に抗った。
「―――これが鮫魂です!! 悪いけど、流されて!!」
 ぐるぐると描かれる渦潮はドーラ・ワルダーとその巨大ロボを飲み込み、かき混ぜてゆく。その中では鮫達が一心不乱に泳いでいたと、キマイラ達は後々に証言していたのだという……。

成功 🔵​🔵​🔴​

迅雷・電子
【心情】あんたがあのアルパカ共の親玉か…見るからに悪役っぽい格好だねぇ…とにかく、キマイラ達を守るためにあんたを倒すよ!

【作戦】基本敵の攻撃は【見切り】で回避するよ!部下が厄介だし、基本はドーラを狙って攻撃だ!【ダッシュ】で間合いを詰め、そこから雷電張り手からの相撲投げでドーラを倒すよ!
「あんた、鞭はすごいけど肉体はそうでもないんだね!」
(絡み・アドリブOK)



●鞭は凄いけど……?
 ピシン、パシン、とキマイラフューチャーに響く鞭の音。アルパカマッスルブラザーズという配下がやられたことに腹を立てているのか、ワルドーラの首領であるドーラ・ワルダーがイライラと床や壁を鞭で弾いていた。
 電子はまさにそんなイライラ最中のドーラ・ワルダーの前へ立ちはだかり、頭の天辺からつま先までしっかりと見つめる。先程戦った連中と親玉なのか、否か。それを見極めるために。
「……あんたがあのアルパカ共の親玉、か……うん、見るからに悪役っぽい格好だねぇ……」
 ドーラ・ワルダーのその見た目は、知っている人なら知っているであろう大人な悪役というような姿。際どいボンテージ姿に仮面を施しているその衣装は、まさに、女性悪役の王道中の王道といったところ。若き相撲取りである電子であっても、納得するほどの悪役っぷりだ。
「まあ、とにかく! キマイラ達を守るために、あんたを倒すよ!!」
「オーッホッホッホッ! やってみて御覧なさいな! その程度の細腕では私を倒すことは不可能に近いのですから!」
 彼女は完全に電子の姿を見てなめきっている。ふんどし姿に四股を踏むその姿は、電子にとっては大事な儀式であってもドーラ・ワルダーには意味不明なポーズ取りなのだから。
 その様子から電子は、今なら距離を詰めれば一気に行けるのではないかと判断。立合いのために蹲踞の姿勢をとり、再び油断した隙をよく見て素早くダッシュで距離を詰め始めた。
 その素早い動きに一瞬遅れたドーラ・ワルダーは鞭を連続して振るうも、電子に当たることはなかった。事前に準備運動をして全てを見切っているのか、電子は皮膚が当たるすれすれで鞭を回避してドーラ・ワルダーに接近する。
 初撃を回避できたおかげで、鞭の攻撃はもう二度と当たることはない。上手いことドーラ・ワルダーの攻撃が当たることなく、電子はユーベルコード『雷電張り手』の発動条件―――自身から30cmの範囲内にドーラ・ワルダーを巻き込むという条件を満たすことが出来た。
「どすこぉぉぉい!!」
 バリバリと稲妻の迸る手は彼女の持てる力の限りにドーラ・ワルダーの身体を突き飛ばす。その超高速の電撃張り手はドーラ・ワルダーが見切ることも許されぬ速さとなり、速さから生まれた威力は電子の持つ力を最大限に活用して発揮され、ドーラ・ワルダーの身体に大きく傷を刻み込んだ。
 張り手が決まり、大きく空を飛ぶドーラ・ワルダー。直後、建物の壁に突き刺さって動けなくなってしまった。まさかこんなオチが待っているとは思わなかったのか、ドーラ・ワルダーは見張りに敷いていた部下達に助け出され、情けない声で電子に泣き言を伝えてそのまま撤退していった。
「……あの人、鞭は凄いけど肉体はそうでもなかったなぁ……」
 ぽつりと呟いた電子は再び軽く四股を踏み、神聖な相撲の儀式を終えてからその場から去ったのだという。
 後に、キマイラ達は『衝撃! SUMOUの真実!』という見出しの動画を上げていたとかなんとか……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レパル・リオン
やれるもんならやってみなさいよ!

ドーラ・ワルダー!キマイラフューチャーを、アンタ達の好きにはさせないわ!

怪人のムチを左手でガード!踏みつけに来た怪人の足を、逆に右手で殴りつけるわ!
ぐううーっ!さすが幹部!全然踏みつけが止まらないわ!
だけどヒーローは屈しない!たとえ折れても、戦い続けるわ!

そう、あたしはスーパーヒーロー!絶対諦めないヒーロー!
みんなの応援がある限り!みんなの笑顔を守るため!
うおおーっ!気合よー!
気合とパワーを込めたパンチで、怪人を思いっきりふっとばす!

もう一撃!くらえーっ!
レパル・キーック!



●アンタ達の好きにはさせない!
 ドーラ・ワルダーの高笑いが響くキマイラフューチャーに、一人の魔法少女が立ち向かう。
「ドーラ・ワルダー! キマイラフューチャーをアンタ達の好きにはさせないわ!!」
 その名は魔法少女イェーガー・レパル。キマイラフューチャーという世界を救うため、再び彼女はやってきた!
 レパルはビルの屋上から飛び降りると、鞭を振りかざすドーラ・ワルダーに向けてはっきりと宣言する。あたしを倒せるものなら、倒してみなさいよ! と。
「ふふ、たかが少女一人で何が出来るというのです? 私の鞭にかかれば、お前のような小娘一人程度、軽々と捻り潰してくれる!!」
 大きく振りかざされた鞭はレパルの左手でガードされるものの、それを好機としてぐるぐるに巻き付けては引き寄せる。思いっきりレパルを地面に引きずり落とすと、彼女を思いっきり何度も踏みつけては高らかに笑う。
「そら、そらそら!! 手も足も出ないだろう、猟兵!!」
「ぐ、ううっ……!!」
 ガツンガツンと踏みつけられる合間にも、レパルはドーラ・ワルダーの足を右手で何とか殴りつける。左手は鞭で押さえつけられて動かない今、彼女が使えるのは右手のみだ。どうにかしてでも、体勢を立て直さなくてはならないが……さすがは猟書家、足を殴られてもその勢いが止むことはなかった。
 だが、そんな負けないという気持ちに呼応したのか、周囲に隠れていたキマイラ達が少しずつレパルを応援し始めた。彼女の名を知らぬ者はいたとしても、彼女がこの世界を救うヒーローたる存在であることは把握できていたようで、名も知らぬヒーローを応援する輪が徐々に出来上がる。
「あたしは……―――あたしは!!」
 周囲の応援の声がレパルの胸に燻っているヒーローとしての魂を、更に燃え上がらせる。踏みつけを行うドーラ・ワルダーの足に強い一撃を与えると、思いっきり吹き飛ばすことに成功。吹き飛ばされたドーラ・ワルダーは一瞬、何が起こったのか理解できていない様子でレパルの顔を見やる。
 彼女のその顔は、気合の入った顔。応援していたキマイラ達も絶賛するほどのヒーローの姿が、そこにはあった。レパルも最初は何が起こっているかはわからなかったが、キマイラ達の応援によって自分の力が湧き上がっていることに気づいたようだ。
「これなら……いける!!」
 ぎゅっと拳を握りしめたレパルは地を蹴って距離を詰め、ドーラ・ワルダーに気合とパワーを込めたパンチを連続して繰り出した。それをなんとか鞭で弾こうと努力しているのだが、レパルの素早い動きと彼女の輝きを前にドーラ・ワルダーは目潰しを食らったように動きがバラバラだ。
 ある程度の連続パンチを食らわせたところで、目潰し状態のドーラ・ワルダーが見えていない隙にレパルは建物の壁を蹴って宙を舞い、ドーラ・ワルダーの頭上へと飛び上がると……。
「もう一撃!食らえーっっ!!」
 重力と己の体重を乗せた一撃を、思いっきりドーラ・ワルダーの綺麗な顔にぶち当ててやったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ダンテ・ホーンテッド
負傷、共闘、多少のアドリブok

ムキムキなアルパカどもを退治しつつ
丁度いい資料だと倒れたアルパカを動かして筋肉の構造を観察して描く練習やデッサンをしてたら
猟書家が高笑いしながら見参!

キマイラフューチャーの猟兵への認識を思い出し
ヒーローの真似も悪くねえな!と
武装形態(真の姿)にキラキラと黒い電気の演出をつけて変化!

子供達とロックやパンクやゴスロリな服装の若いキマイラ達に応援されながら
ペンを電気で出来た茨の鞭と宝石の薔薇の花に変え攻撃する

ライバル心を燃やした猟書家と高速鞭対決になるが
ダンテの鞭が動くたびに
鋭い宝石の薔薇の花弁と電気が撒き散らされ猟書家の身体もプライドも服もズタボロに切り裂く!



●ヒーローの真似事も悪くはない!
「ほう……ここの筋肉がこうなって……ほうほう……」
 アルパカマッスルブラザーズを倒し、ちょっとだけその御姿をデッサンさせて頂こうと床に配置して筋肉構造の練習をしていたのはダンテ・ホーンテッド(黒い幻雷と紫水晶・f23827)。筋肉の資料が足りなかったから丁度良かったと言わんばかりにスケッチブックにその御姿を複写していた。
 しかしそんなのんびり雰囲気の中、高笑いする女性の声。ようやくお出ましかな、と一度スケッチブックを閉じてそちらを見やれば……猟書家ドーラ・ワルダーが近づいている様子が伺えた。
「オーッホッホッホッ! 先程は油断しただけ。今度はそうはいきませんことよ!」
 どうやら先に来ていた猟兵達にボコボコに伸されているのか、若干その肌には生傷が浮かんでいた。ボンテージ姿なせいで余計に生傷が増えているような気もするが、そこはご愛嬌。
 ……そういえば、とふとダンテはキマイラフューチャーにおける猟兵の認識を思い出す。
 キマイラフューチャーにおいては猟兵は特にキマイラ達から『めちゃくちゃカッコいいヒーロー』としての扱いを受けており、大人も子供もお姉さんも猟兵を見かければ握手会を開くほどだ。
 そんな世界でやるヒーローとはさぞ心地良いだろうと、ダンテはその姿を武装形態に変えてクリスタリアン特有の姿へと変化させる。ついでに、ド派手な演出で盛り上げようとキラッキラの黒い電気をつけておいた。注目度上昇間違いなしだ。
「Hey Boys&Girls! ここは一丁、俺様と共にド派手にパンクでロックなバトルを繰り広げようぜ!」
 何処からか聞こえるダンテの美声に、楽しみたがりの少年少女からロックやパンクが好きな青年達、ゴスロリ系の若い女性達などなど、様々なキマイラ達が隠れていた場所から顔を出してダンテを応援し始めた。
 応援の目線が集まったところで、ダンデはペンを電気で出来た茨の鞭と宝石の薔薇の花に変えてドーラ・ワルダーへ射出。鞭によるライバル心を燃やしたドーラ・ワルダーがそれを全て捌くも、ダンデのユーベルコード『紅薔薇水晶の赫緋』によって生まれたローズクォーツの薔薇の花びらは彼女の鞭を避けて彼女の身体へ痛手を追わせる。
「くっ……こうなったら!!」
 ドーラ・ワルダーは苦し紛れに何かの合図を鳴らし、巨大なメカを召喚。配下のマッスル達に似ている気もするが、ひとまずそれは置いといて。
 キマイラ達は流石にメカ相手では分が悪い!此処は引け!と声をかけたが……ダンテはニヤリと不敵に笑い、鞭を振るった。
「悪いが、メカ相手でも軽く通用するのが俺様なんでなぁ!!」
 電気で出来た茨の鞭が巨大メカの足に当たれば、その機構が一瞬にして麻痺してしまう。巨大と言えども所詮はメカ、電気とはかなり相性が悪いのだ。ドーラ・ワルダーが攻撃する間もなく、彼は連続して鞭を振るってはメカを叩き落とす。
 ―――なお、イラストレーターとしての血が騒いだのか、筋肉の次はこのメカを参考に練習……という考えも浮かんでいた、かもしれない……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルヴィン・シュミット
やっと親玉のお出ましか…にしても、趣味悪ぃな、おい。
まあいいや、さっさとお帰り願おうか!

こいつは流石に遊んでいる暇はなさそうだな!
いきなりで悪いが、UCを使わせて貰うぜ!

光の翼を使って高速で飛翔し、可能な限り狙いを絞らせない!
そしてスキを見つけたら【ALUETTE】の【重量攻撃】の一撃で思いっきり粉砕する!
びっくりメカだか何だか知らんが、長々と付き合っていると面倒になりそうなんでな!

『覚悟しな、悪党!俺がいる限りキマイラフューチャーの平和は乱させない!』



●世界の平和は乱させない!!
「やっと親玉のお出まし、か……」
 はぁ~~~っと大きなため息を付いたエルヴィン。これまで戦ってきたアルパカマッスルブラザーズの親玉とだけあって、猟書家ドーラ・ワルダーの趣味の悪さに悪態をついていた。可愛らしい顔にマッスルなんてもの、確かに趣味が悪いとしか言いようがない。
 しかしその悪態のつき方とは裏腹に、彼はひしひしと猟書家としての力を感じ取っていた。ここは、遊ぶこともなく一気に片を付けたほうが良さそうだと判断した彼はユーベルコード『HOLY KNIGHT CHANGE』を発動させ、己の身体を変化させた。
「覚悟しな、悪党! 俺がいる限り、キマイラフューチャーの平和は乱させない! 我が騎士の誇りに懸けて!!」
 その強い志の籠もった言葉とともに、白銀の光に包まれるエルヴィン。まばゆいその輝きにはドーラ・ワルダーさえも視線を奪われるほどだ。
 光が収まれば、エルヴィンはその姿を白銀の鎧の騎士へと変貌し、シンプルな装飾の片手半剣・ALUETTEをその手に携えていた。光り輝く翼を広げ、彼は地を蹴って空を舞う。素早い動きで翻弄し、可能な限りドーラ・ワルダーの鞭から逃れるように彼女を中心に円を描いて避け続ける。
「ちぃっ、ちょこまかと鬱陶しい奴め!!」
 ドーラ・ワルダーは空を飛んで逃げ続けるエルヴィンを近づけさせないように鞭を振り回し、どうにか足だけでも掴んで引きずり降ろそうと必死だ。空を飛べぬドーラ・ワルダーにとって彼ほど不利な相手はいないだろう。
 エルヴィンは足元に迫ってくる鞭をALUETTEで弾いては、距離を詰める。振り払って体制を崩したその一瞬の隙にドーラ・ワルダーに力を込めた重い一撃を与えてその身体に傷をつける。
 あまりにも強い一撃に、ドーラ・ワルダーの足はふらついた。もう一度、その身体に一撃をと思いエルヴィンは彼女との距離を詰めたが……ふと、第六感が働いて急ブレーキ。鞭の攻撃こそは来なかったが、代わりに別のモノが彼へ攻撃を仕掛けてきた。
「……流石に、親玉となればそういうのも準備万端、ってか……!!」
 冷や汗をかいたが、正体さえわかれば対処はしやすい。エルヴィンはALUETTEを再び握り直し、"それ"と対峙する。
 エルヴィンを攻撃したモノの正体。それは、ドーラ・ワルダーが呼び出した巨大メカ……が持っている巨大な鞭。第六感が働かなければ、あの大鞭にぶつかって多大なダメージを負っていたことだろう。
 巨大メカの肩に乗ってエルヴィンを煽り始めたドーラ・ワルダー。その高笑いで居場所がバレているものだということに気づかないのか、勝利を確信したかのように笑っていた。
「これこそ我がワルドーラの叡智を集めて作り上げた巨大メカ! 猟兵如き、この巨大メカで捻り潰して差し上げますわ!!」
「ああ、そうかい。じゃあ俺もとっととてめぇをぶちのめすとするかねぇ!!」
 エルヴィンの翼は更に輝きを増し、飛翔の速度を更に上げた。彼は先程と同じようにメカを中心に円を描くように周囲を飛び回り、光の円を作り出してドーラ・ワルダーの視界を光で埋め尽くす。
 すぐに何処へ消えたとあたりを見渡すも、光で埋め尽くされた視界には何も映らない。飛び回る光の中に影を見出して巨大メカの動きとともに鞭を振るうも、それは当たりもしない。ただ光の中に飲み込まれるだけ。
「残念、俺はこっちだ!!」
 エルヴィンの振るったALUETTEは、ドーラ・ワルダーの背中を思いっきり切り裂き、巨大メカの肩にいた彼女を突き落とす。相当な高度から落ちたドーラ・ワルダーの声は、二度と聞くことはなかった。


 恐ろしい姿をした悪意の塊しか無いマッスルは消え去った。
 しかし、猟書家がいる限り、オブリビオンがいる限り、彼らはまた現れるだろう。
 そしてまた、猟兵達は再び彼らと相まみえることになるだろう。
 それでも往くのだ、猟兵達よ。アルパカとマッスルの名誉のために……!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月27日


挿絵イラスト