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お前を貧相にしてやろうか!

#サムライエンパイア #猟書家の侵攻 #猟書家 #大天使ロロサエル #陰陽師 #安倍晴明 #魔軍転生

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 ここはサムライエンパイア、京の都。
 今もエンパイアの中枢として機能する都市へ、一つの集団が近づいていた。
「いやぁ、見えてきましたなァ、京の都がァ。」
「ドォゥヘッヘヘ……ロロサエルの旦那ァ、やっちまっていいんですかィ?」
 下卑た嗤いを浮かべる、不健康そうな男たちの集団。
 粗末な恰好の男たちの中で、ロロサエルと呼びかけられた天使だけが小綺麗な姿をしていた。
「ええ、構いません。あなた方に宿る安倍晴明の力、見せてください。」
「フッへへへ! お墨付きだぜェ!」
「たぁっぷりとやってやりやしょう! われらの力をみせてやりやすぜぇ!」
 汚らしく涎を垂らしながら駆け出していく男たちを見送り、天使は手にした侵略蔵書を開きながら呟いていた。
「私の術に間違いはなく、彼らに憑装はされているはずですが……なんにせよ、興味深い。」

「皆さん、着実に猟書家たちを退けられていますね。
 まだまだ先は長いですが、頑張っていきましょう。」
 グリモアベースに集まった猟兵たちを、八咫は笑顔で出迎えていた。
 そのまま手にしたグリモアを輝かせると、壁に映るのは陰陽師の集団と……張られた結界に張り付く、不健康そうな男たちの群れ。
「今回見つかった猟書家は、大天使ロロサエルという方ですね。
 まずは、その配下である超・貧乏神の群れを倒してください。
 ……その、結界に張り付いてる者たちです。
 正直に言えば、それほど強い者たちではありませんが……彼らには、安倍晴明が憑いています。
 このまま放っておけば、京の防衛に当たる陰陽師の結界も、破られるのは時間の問題でしょう。
 皆さん、頑張って蹴散らしてくださいね。
 ただ……」
 笑顔は変わらないまま眉根を寄せて、八咫は言葉を続けた。
「この者たちは……色々と豊かなモノへと嫉妬をし、それを消す力を持っています。
 具体的に言えば、皆さんの中で飛び抜けたモノ……例えば、頑健な身体、器用な手先、様々な知識などなどです。
 もちろんそれは一時的なものですが、その状態で戦うことになりますので、気を付けてくださいね?」


ヨグ
 ヨグです、猟書家との戦い第2弾です。
 皆さんの得意な所を一時的に消す貧乏神たちを、何とかして打ち倒してください。
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第1章 集団戦 『超・貧乏神』

POW   :    ドゥェッヘッヘ! お前達の身体を貧相にしてやろう
【指定した肉体の部位を貧相にする光線】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    どんな技術も、私の前では素人以下になるのだぁ!
自身に【金属を高速で腐食させるオーラ】をまとい、高速移動と【指定した技能のレベルを0にする光線】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    貧すれば鈍する! 頭も心も貧しくなるがいい!
【知識を奪う光線】【記憶を奪う光線】【性格を下劣にする光線】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニコリネ・ユーリカ
ギャッ貧乏神!
商売をしてる私には天敵と言ってもいいくらい
やだやだサブイボ出ちゃう(さすりさすり)

営業車『Floral Fallal』で現場に到着…んンッ腐食!?
あっやっダメ、私の商売道具で武器で相棒なの
この御時世で配達に力を入れてるから錆はんんンンンン!
頼みとするドラテク技能(運転・操縦)も🔰レベルになったら
私なんてもう…何の取柄もない外国人…

いいえ、まだ武器はある!
錆ついたシャッター棒の代わりに『ラッコの石』を握り
硬い貝を何度も叩く諦めない心と怪力で貧乏神に殴り掛かる

敵の素早い挙動を戦闘勘と五感で見極め
額にある「貧」の字を拒むように石で叩き割る
欲しがりさんには、いっぱいあげちゃう!!(石)



「グゥェヘッヘッヘ!」
「こんな結界程度でェ、止められると思うなァ!」
 嗤いながら結界に張り付く貧乏神。
 バンバンと無造作に叩くと結界に歪みがうまれていっていた。
「……くっ、これ以上は。」
 結界を維持する陰陽師の額に一筋の汗が滴った時……ザザッと土埃をあげてドリフトしながら、一台の営業車が貧乏神たちの近くに停まった。

「おんやァ?」
「うう、貧乏神を相手しなきゃいけないなんて。」
 運転席の扉が開き、さわやかな花の香りと共に降り立った、ニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)。
 ふと自身の二の腕をさすってみれば、
「やだやだ、サブイボ出ちゃう。」
「くっひっひっ……お嬢ちゃんにはァ、われらの力が解るようだなァ!」
「ひっ!?」
 貧乏神が奇妙なオーラを纏ったかと思えば、高速でニコリネへと向かってくる。
 とっさに手にしたシャッター棒で叩き払うが、
「んンッ腐食!?」
 シャッター棒は突如錆び、ぼろりと崩れていた。
「ぬひひっ……そうだァ、我らの身は全てを朽ちさせるのだァ!」
「くっ……。」
 一瞬、ニコリネの視線が営業車へと向く。
 商売道具であり武器でもあり……そして何より、相棒である、営業車『Floral Fallal』。
「おぉ? その鉄の車が、大事なんだなァ?」
「あっやっダメ、錆はんんンンンン!」
「ぐあぁっ!?」
 向かってこようとする貧乏神へと、ニコリネはとっさに掴んだ石を叩きつけていた。
 額の『貧』の字へと、力いっぱい……貧乏神は一撃で塵となって、砕けていった。
「や、やらせない! 私の相棒に指一本触れさせないわ!」
「ウッヘッヘッ……お嬢ちゃん、やるなァ!」
 精一杯強がるニコリネへと、下卑た嗤いを浮かべた貧乏神たちが群がっていくが、
「……欲しがりさんには、」
 その手に掴まれることなく、額にある貧の字へと的確に叩きつけられる石。
「いっぱいあげちゃう!!」
 ニコリネの持つその石は、かつてラッコからもらった大切な石で……貝などを叩き割るには最適なもの。
 ラッコが腹の上で貝を叩き割るように、貧乏神の頭が叩き割られていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鍋島・小百合子
SPD重視

なんじゃ…わらわに溢れていた心(勇気)が突如としていく抜けていく感覚は…
そうか、わらわは武士である前に人であったのじゃな
戦う心を芽生えさせんが為に身に着けた心…
いざなくなってしもうたらわらわは戦えなくなるのかえ…?

…否
戦は理不尽に訪れるもの
なればこそ武士として人としての覚悟を見せなければならぬであろう?

UC「群制御動陣」発動にて90名の薙刀兵を召喚
得物たる薙刀が使い物にならねど「木の物干し竿や竹槍等の非金属製の長柄武器」で武装すればよいこと!
兵達を戦闘知識込みで指揮、兵達の勇と数の力を集団戦術として貧乏神を蹴散らしてくれよう

わらわも覚悟を決めて戦に臨む!
兵達よ、わらわに続け!


ケイティ・ネクスト
「貧相ねぇ」
 まあ、猫幼女なので貧相と言えば貧相ではあるかにゃ。そのバストは貧相であった。煌びやかな装備品も全部ただの飾りだし。
「で、それがお前を殺す事に何の関係があるのにゃ?」
 どんなに貧相になってもこの体一つあれば誰でも殺せる。猫は今までずっとそうしてしたし、これからもそうだ。
 猫の爪で急所を一突き。装備も何も必要ない。急所を見破る技術すら不要。猫と言う生き物の本性は狩猟生物。技術ではなく本能が狩り方を知っている。
 貧すれば飢える。飢えた獣の恐ろしさを教えてやるにゃ。
「ま、理解した時には手遅れだけどにゃ」



 一方、別の貧乏神たちと対峙した2人。
「くっ、なんじゃ……?」
「グェッヘヘヘ……威勢のいい姉ちゃんだったがなァ!」
 放たれた光線を浴びてしまい、鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)の足は止まっていた。
 その身を襲うのは強力な脱力感と、
「わらわに溢れていた心が……勇気が、突如抜けていく感覚は。」
「げっひっひっひ……そうだァ、姉ちゃんの心がわれらには強すぎてなァ。」
「おっとォ、そっちのキラキラした嬢ちゃんにも効いてきたかァ?」
「……。」
 下卑た嗤いを浮かべる貧乏神に見下ろされながら、俯いていたケイティ・ネクスト(蠱惑の仔猫・f26817)。
 金色の煌びやかな胸飾りの辺りを撫でてみれば、そこにあったふくらみが消えていた。
「金は富の象徴じゃァ。しかしィ、貧相な身体には似合わんてぇことよォ!」
「貧相、ねぇ。」
「……あ?」
 ケイティの呟きがすぐ下から聞こえ、貧乏神が疑問に思った時……ゾブリと腹を貫く衝撃。
「お、おま……ぇ。」
「……で、それがお前を殺す事に、何の関係があるのにゃ?」
 見下ろせば、腹から引き出される猫の爪。
 見上げる金色の目は、猫のもの……本性は狩猟生物である縦長の瞳孔が、笑みへと変わる。
 狩りを楽しむ、野生の笑みで爪を一舐めし、
「ま、理解した時には手遅れだけどにゃ。」
「嬢ちゃんは危険だなァ!」
 塵と化した貧乏神の背後から、別の貧乏神たちが指を向けるのが見える。
「その素早い足かァ?」
「鋭い爪もじゃなァ!」
 口々にケイティへと嫉妬の言葉を並べたて、指に光が溜まっていく。
「ちっ……遠いし多いにゃ。」
「ひゃっはっは! さらに貧相になるがいい!」
 光線が放たれ、跳んで避けようとした時……間に割り込む人の影があった。

「なにィ!?」
 貧乏神の驚く声に目を向ければ、ケイティを守るように立つ女武者たち。
「なん、にゃ?」
「……皆の者、棒は持ったな。」
 歩み寄る鍋島の声に頷く彼女らの手に握られているのは、本来の得物の薙刀ではなく、数字の刻印された木の物干し竿や竹槍だった。
「よし……。」
 その鍋島の手に握られているのも、木の物干し竿だ。
 武器としては心許無いが、貧乏神を倒すには十分なもの。
「兵たちよ。わらわの言葉に応えた事、ありがたく思う。」
 まだ、鍋島の心には何かが抜けたような虚脱感はある。
 しかし、召喚に応じた兵たちを前に湧き上がるのは指揮官の、武士としての心構え。
「わらわも覚悟を決めて戦に臨む! 兵たちよ、わらわに続け!」
「にゃはは! いい目してるにゃ!」
 女武者たちを率いる鍋島と共に、ケラケラと笑いながらケイティも貧乏神へと駆ける。
「ヒェ!?」
「何故じゃァ! 心を折ったはず!」
「確かに折れたわ……しかしな、」
 先頭にいた貧乏神を叩き伏せながら、どこまでも冷静な鍋島の言葉が続く。
「戦は理不尽に訪れるもの。なればこそ、武士として人としての覚悟を見せなければならぬであろう?」
「その通りにゃ!」
「ギャアアア!」
 さらに女武者たちに叩き伏せられ、倒れたところを正確に急所を斬り裂くケイティの猫の爪が続く。
「それに、貧すれば飢えるにゃ。飢えたらご飯を狩らなきゃいけないにゃ……。」
「ヒッ!?」
 怯える貧乏神へと向けるのは、狩りを楽しむ肉食獣の笑み。
「飢えた獣の恐ろしさを教えてやるにゃ。」
「ぐふっ!?」
 首を斬り裂かれ、貧乏神は塵へと化して……その数を減らしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

網代・徹
【Ahnenerbe】

飛び抜けた力を消す、ねェ。私そういったの持ってないんですが…ァ、喋るところとかです?私が無口なイケメンになっちまいます?(なお同行の二人からはガン無視)

霧島さんが集めてくれた敵を、UC【天網恢恢疎】で出した網を上から振らせてまとめて絡めとる。
SPDが落とされる可能性があるので、自分は落下位置の調節くらいで速度は落下に任せる。

まァ、さすがに包囲されてる時に上なんて見ないでしょゥ?
バジルさん、あとはデカい花火をどうぞォ。たァまやァ~。

包囲から抜け出すのがいたら太い釣り針で引っ掛け引き戻したり直接ぶん殴ったり。
SPDに拘らず、まったり急がずやる釣りってのもオツなもんですねェー。


アレクサンドル・バジル
【Ahnenerbe】
超・貧乏神かぁ、お近づきにはなりたくねーな。
しかし、下種っぽいな。本当に安倍晴明憑いてるのかと思ったが、あいつも下種だったな。そーいえば。
敵POWUCが飛んでくる前は肉体で殴ったり蹴ったりで数を減らします。
飛んできた後は絶奈や徹によって一か所に集められているだろうから、そこに向てて最大出力の爆炎魔法を。
(属性攻撃:炎×焼却×範囲攻撃×全力魔法)
うっわ、嫌な攻撃だな。しかし、ハハ、悪いな。
魔法も苦手じゃねーんだわ。特にお前らみたいなのを燃やすのはな。


霧島・絶奈
【Ahnenerbe】で連携

◆心情
五行相克による利点の相殺
そう考えれば確かに安倍晴明らしいとも言えそうです

◆行動
私の得意とるするモノ…
強いて挙げるならば【オーラ防御】でしょうか?
とは言え、手段は一つだけではありませんし、連携によって自身の得手の喪失等簡単に取り戻せます

【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別する指向性散弾」を複数設置

其に呼応して『獣ノ爪牙』で呼び出した軍勢により敵集団を包囲
先の罠と併せ、中央に向けて「後退」させる事で敵を集積させ、綱代さんの行動を補佐

敵捕縛後はバジルさんの攻撃に併せ【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【各種耐性】で軽減し【生命力吸収】で回復


榊・ポポ
やめてよー
ポポちゃんの営業トークが新入社員レベルに戻っちゃうじゃないかぁ
この状況だと営業は不要?
営業できねぇカカポはただの鳥ってうるさーい!
あー、せっきゃくさほーも全部わすれたー
チョリーッス、さほー忘れたからー態度もクソ?みたいな?
これじゃあバイト君以下?出来ないクソ事務員?ぢゃん?
くそーマジやってらんねーし
窓際族チョーダッセーし
やる事ないやぁ
ふて寝しよ...

スヤァ......

ふて寝したポポちゃんのデスボイス寝言による不意打ちや
寝言魔法による容赦ない蹂躙
夢で出てきたよくわからない人たちがわらわらと出てきて代わりに戦うのであった
(集団戦術)



 一方、他の猟兵たちの戦いを見ている影が4つ。
「飛び抜けた力を消す、ねェ。」
 物陰で周りに語り掛けるように呟く、網代・徹(淵に臨みて・f30385)。
 他の猟兵が肉体や心を貧相に変えられる様を見つつも、出てくる言葉は気楽なもので、
「私そういったの持ってないんですが……ァ、喋るところとかです? 私が無口なイケメンになっちまいます?」
「やめてよー、ポポちゃんの営業トークが新入社員レベルに戻っちゃうじゃないかぁ。」
 そう捲し立てる、賢いカカポの榊・ポポ(デキる事務員(鳥)・f29942)。
 同じく喋りが得意な榊だが、無口なイケメンの件には触れず、
「この状況だと営業は不要? 営業できねぇカカポはただの鳥ってうるさーい!」
 最後には叫ぶように声を上げていた。
「おいおい、気付かれるぞ……と思ったが、別に構いやしねーか。」
「ええ、問題ありません。私たちの目的は、彼らの討伐ですからね。」
 榊を止めようと手を伸ばしかけたが、思いとどまったアレクサンドル・バジル(黒炎・f28861)。
 そして、フードの下で笑いながらふらりと物陰から姿を現す、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)。
「声が聞こえると思ってきてみりゃァ……ゲヒヒヒ!」
「人数はいるようだがァ、われらに勝てると思うかっているのかァ?」
 こちらを見ながら下卑た嗤いを浮かべる貧乏神たちに、アレクサンドルは少し眉根を寄せ、
「しかし、下種っぽいな。本当に安倍晴明憑いてるのかと思ったが、」
「まァ、らしいといえばらしいんじゃないです? 下種な所とかァ。」
「あぁ、あいつも下種だったな。そーいえば。」
 同意する網代と共に頷いていた。
「ヒャッハー! 隙ありじゃァ!」
 その時、貧乏神たちから放たれる光線に4人は貫かれていた。

「ふむ……五行相克による利点の相殺、ですか。」
 貧乏神の放つ光線により、霧島の身の回りを覆うオーラがすっかりと消えていた。
「そう考えれば確かに、安倍晴明らしいとも言えそうです。」
「ケッヒヒヒ……嬢ちゃんは解るようじゃ」
「あー……あー、せっきゃくさほーも全部わすれたー。チョリーッス、さほー忘れたからー態度もクソ? みたいな? これじゃあバイト君以下? 出来ないクソ事務員? ぢゃん?」
 貧乏神の言葉に被せるように、榊の大声が響き渡る。
「くそーマジやってらんねーし、窓際族チョーダッセーし。やる事ないやぁ、ふて寝しよ……。」
 スヤァ……と、先ほどまでの声が嘘のようにあっさりと、立ったまま寝入っていた。
「……しっかし、嫌な攻撃だな。」
「そうだねェ、私たちの何が得意か解ってるようで。」
 アレクサンドルと網代の身体は、力が入りにくくなっている。
 徒手空拳による格闘を、素早い動きを封じるように……そんな2人の前に、ふわりと霧島が立ちはだかる。
「とは言え、手段は一つだけではありませんし、」
「ヒッヒッヒ……その状態でェ、わしらとまともに戦えるかァ?」
 杖を振り上げながら襲い来る貧乏神へと霧島は何かを撒きながら、同時に周囲に屍兵を呼び出していく。
「連携によって自身の得手の喪失等、簡単に取り戻せます。」
「へっ、この程度でグアアア!」
 ひるまず突っ込んできた貧乏神が、地面に撒かれた罠から放たれる散弾に吹き飛ばされていく。
 そうして足の止まった貧乏神へと屍兵は槍を突き付け、じりじりと後退させていく。
「く、くそォ……。」
「ぶっ、なんだァ!?」
 途端に横合いから殴りつけてくる、よくわからない人々。
「お前らのせいで窓際に追いやられたじゃないかぁー。ちょ、やめ、何で殴るんだぁ……スヤァ。」
 立ったまま眠る榊の夢の中の人々が現実にも現れ、貧乏神たちを殴りつけていく。
 そこに上から網がかかり、槍を前に後退して殴りつけられて纏まっていた貧乏神たちが絡めとられていった。
「まァ、さすがに包囲されてる時に上なんて見ないでしょゥ? さァ、どんどんいきましょゥ~。」
 足の止まった網代だったが、背負子から放つ網を操るのは念動力。
 例え四肢を全て縛られようとも、止まることの無い力だった。
「バジルさん、あとはデカい花火をどうぞォ。」
「おう、いくぜ。」
 屍兵の後ろから一気に突進するアレクサンドルに、貧乏神たちは杖を構えた。
「ヒッ、ヒヒ……お、お前の格闘技術は封じてあるゥ!」
「ああ、その通りだ。しかし、ハハ、悪いな。」
 貧乏神の目の前で、黄金の魔力に覆われていくアレクサンドル。
 その手に湛えられた魔力の炎に、貧乏神は目を剥いた。
「魔法も苦手じゃねーんだわ。特にお前らみたいなのを燃やすのはな。」
「なん、だとォ!」
「グアアアアアア!」
「たァまやァ~。」
 解き放たれた劫火になすすべもなく、網代の掛け声と共に貧乏神たちは焼き払われていった。

「ふー、こんなもんかね?」
「いやァ、お疲れお疲れェ。」
 塵も残さず消えていったのを確認し、アレクサンドルに笑みを返す網代。
 その時、自然に自分の足が動くのを感じ、
「おォ、本当に元に戻るんですねェー。」
「ふふ、そのようですね。」
 屍兵を帰した霧島にも、オーラが戻っていた。
 そのまま貧乏神のいた場所を見下ろしながら、
「目に見えるモノしか消せないようでは、私たちには勝てませんよ。隠し玉の一つや二つ、持っているものですからね。」
「はは、その通りだな。」
「そのとーり! ポポちゃんが、ただ眠ってるだけだと思ったなら大間違いだ!」
 アレクサンドルの同意に合わせるように榊の声が響く。
 3人がそちらに視線を向ければ、
「……スヤァ。」
 まだ寝ていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

頭も心も貧しくなる、だと。ならばお前もその世界に連れて行ってあげるわ。
ケイオスマジックで精神世界を顕現するわ……あれ?いつもと変わらないわね?顕現した精神世界への感想に貧乏神が驚愕し二度見してきたわね。うん、呼吸をするようにレジストしたら、え、違う?下劣さがUCで下げる以上だったから?そんなん言われてもなぁ。
とりま化術神罰で男の娘化ナーフしてアマゾンポジションで騎乗してエナジーをおいしくいただくわ♡



「頭も心も貧しくなる、だと。」
「ゲヒヒ……そうだァ、嬢ちゃんの頭は下品で下劣になるのじゃァ!」
 最後に残った貧乏神と対峙していた、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)。
 不意打ちの光線を受け、驚愕の表情を浮かべたアリスだったが、
「ならば……お前も、その世界に連れて行ってあげるわ。」
「……なんじゃとォ?」
 放たれた結界に捕まり、貧乏神はアリスの精神世界へと呑み込まれていった。

「……おやァ?」
 しかし、そこに広がる世界は、貧乏神から見てもおかしいものだった。
 ピンクの触手がうねる、カラフルな動植物が蠢く精神世界だが。
「あれ? いつもと変わらないわね?」
 安定しているのだ。
 少しでも自身の精神が移り変われば動揺するもの……それが一切存在しない精神世界。
「え、な……何故じゃァ?」
「うん、呼吸するようにレジストしたから。」
 思わずアリスの顔と周りの世界を何度も見直す貧乏神へ、あっさりと言い放つアリス。
 その言葉と共に背後にうねる触手を指さし、
「いや違う! 元が下劣な精神を持ってるからだ!」
「えー、そんなん言われてもなぁ……。」
 突き付けられた血色のいい少年の指を、そっと握るアリス。
 ここで貧乏神は一つの事実に気が付いた。
「な……わしの身体、が?」
 その口から出るのは、変声期前の甲高い声。
 握られた指を振りほどこうにも、アリスの手が前より大きく感じて、
「ふっふふふ……わしじゃなくて、ボク、でしょう?」
「あ、う……。」
 そっと押し倒される、可愛らしい少女と見紛う男の子……もとい、貧乏神。
「それじゃあ……いただきまーす♪」
 のしかかるアリスに全てを吸い取られ……貧乏神は塵のひとかけらも残さず、消えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『大天使ロロサエル』

POW   :    月閃乱撃
【日本刀による隙無き連撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    月呪審判
【三日月の如き刃】【朧月の如き羽】【月蝕の如き呪言】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    月焔邪視
【魔眼や呪言】を向けた対象に、【精神や身体の内側から蝕む焔】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠筧・清史郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「なかなか興味深い戦いを見せていただきました。」
 貧乏神が張り付いていた結界を見下ろし、呟くのは猟書家『大天使ロロサエル』。
 オブリビオンを阻む結界をひと撫でし、それを維持する陰陽師たちを見渡し、
「しかし、ふむ……強度はこの程度と。」
「くっ、なめないでいただきたい!」
「おや……?」
 陰陽師たちが符を片手に印を結べば、途端にロロサエルを結界が包み込み、縛り上げる。
「そういう使い方もできるのですね。」
 しかし……背中の翼を広げ、刀の一振りで砕かれてしまう。
「あなた方の術に、強い興味を覚えましたよ。」
「だめか……我らの力では、一瞬しか止められん……!」
 さわやかなロロサエルの笑みに、陰陽師たちに落胆の表情が見える。
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

混沌魔術で分霊達(式神使い/集団戦術)を陰陽師達に降霊させ結界術の強化。
月閃乱撃をSamplingし、最近流行りの鬼狩り剣士達の技をMixし、新たな剣術をDIYしてロロサエルと斬り結ぶ。手にした日本刀は武器改造した結界術で形成したものだ。
調息し体感時間を引き伸ばす程に深く集中し、最大限に己のパフォーマンスを引き出し、残像を纏った連撃を繰り出すわ(ドーピング/限界突破/リミッター解除/早業/先制攻撃)。神憑り(降霊/第六感/肉体改造)の剣術、なかなかのものでしょ?
「妖の息吹 捌の型 八岐大蛇」
洪水の如き剣閃の暴力で蹂躙し押し流してあげるわ。


ニコリネ・ユーリカ
唯の興味で骸の海から魂を掬って複製して
手勢に詰め込んで街を攻めるなんて
貴方は天使じゃない、悪魔よ

陰陽師さんは落胆しないで
貴人方が連綿と京の都を護り続けて来た結界術は
ちょろっと降りて来た男になんか負けない

一瞬でもいい、彼の動きを止めてくださいな
交睫ひとつで私は消えてみせる

魔眼も呪言も対象を認識していないと精神や身体は灼けないわ
透明化後、エプロンのポケットからボールペンを取り出して杖に変え
戦場を疾りながら光属性の魔法弾を撃つ!
陰陽師さん達を凝視させないように幻惑しつつ
自身は死角へ回り込み、光弾に似た炎弾を放つ

私からしてみれば
仕事をほっぽって寄り道なんて言語道断
捜索中の仲間とは骸の海で合流なさーい!


榊・ポポ
出たなイケメン手羽先野郎!
具体的に何に興味あるのか言わないとにゃぁ
こっちも商売だし?
(野生の勘によって何かを思い出してしまったポポちゃん)
あ...
あっ...
オアーッ!!
てめ、この、去年辞めたクソバイトか貴様ァ!(言いくるめ・威圧)
そのツラ確かにクソバイト君だァ!
あ?人違いだって?
うるせー!死んだ魚みてーな顔しやがって!
陰陽師ィ!ヤツを一瞬止めろォ!
飛び掛かって、ガラスの灰皿持ってェ...

イ ケ メ ン 滅 び ろ !!

あー、思い出したらイライラしてきた!
あいつ察して君だったし!マジで似てるわー
顔面をセンターに入れて殴る!
顔面をセンターに入れて殴る!!
顔面を、センターに、入れて、殴るッ!!!



「さぁ、あなた方の結界で防いで見せてください。」
「くっ……!」
 ロロサエルの瞳に黒い炎が宿る。
 京の都を守る陰陽師たちへとその視線を向けようとした時、
「出たな、イケメン手羽先野郎!」
「……おや?」
 突然横から響き渡る、榊のけたたましい叫び声。
 思わず視線を向ければ、その小さな身体で精一杯威嚇した榊がいた。
「問い掛けがなってないぞ! 新人かよ! 具体的に、何に興味あるのか言わないとにゃぁ。……あ?」
「ふむ、突然のことに何事かと思いましたが。」
 ロロサエルが柔らかな笑みを浮かべて話しかけていると、榊が何かに気が付いたようだ。
「興味深いこの世界がいけないのです。私の目には、全てがそのように」
「あっ……オアーッ!!」
 言葉を遮るように響き渡る叫び声。
「てめ、この、去年辞めたクソバイトか貴様ァ! そのツラ確かにクソバイト君だァ!」
「……クソバイト? ふむ……そう呼ばれた記憶はありませんね。あなたとは初対面ですし。」
「うるせー! そのこっちを見下したような笑顔は忘れねェ!」
「ですから人違い」
「あ? 人違いだって? そんなわけねーだろォ!!」
 完全な決めつけだったが、一歩も引かない榊と律儀に応じるロロサエルとの言いあいが続いていた。

「な、何が起きて……。」
「ふふ、最初は驚いたけどちょうどいいわね。」
「ええ、興味を引いてもらえるのは助かるわ。」
「あ、あなた方は、先ほどの。」
 驚いている陰陽師たちへと笑みを向ける、アリスとニコリネ。
「陰陽師さんは落胆しないで……貴人方が連綿と京の都を護り続けて来た結界術は、ちょろっと降りて来た男になんか負けないから。」
「そうそう。あの天使だって弱くないのに、少しでも縛り上げられるなんてすごい事よ。誇ってもいいわ。」
 励ます2人の言葉に、陰陽師たちの表情も少しずつ柔らかくなっていく。
「そう、でしょうか。」
「ええ、だから陰陽師さんに頼みたいことがあるの。一瞬でもいい、彼の動きを止めてくださいな。」
「もちろん、私も手を貸すわ。あいつを倒すために協力してくれない?」
「ええ……ええ、協力させてください。」
「ふふ、いい返事ね。」
 パチリとアリスが指を鳴らせば、陰陽師たちへと分霊たちが降りていく。
 そのままするりと入り込むと、目に見えて陰陽師たちの法力が高められていった。
「おお……これなら、我らにも。」
「ほんの少し、交睫ひとつでも構わないの。……その一瞬で、私たちは消えてみせる。」
「そういう事だから、適時あいつの動きを縛ってね。」
「ああ、我らに任せてほしい。」
 胸を叩く陰陽師に笑みを返し、2人はロロサエルの元へと駆け出した。

「何をそんなに苛立っているのです?」
「うるせー! 死んだ魚みてーな顔しやがって!」
 怒りが怒りを呼び、榊のボルテージが最高潮に達していた。
 顔をロロサエルに向けながらクルクルと回す様は、7色に輝き出しそうなほどで、
「多少白いかもしれませんが、あなた方とはあまり変わらないでしょう? そちらの方々も……そう思いませんか?」
「ふふ、そうかも……ね!」
 横から刀で斬りかかるアリスから身を捩りつつ、流れるように引き抜かれたロロサエルの刃を跳び退って躱していた。
「唯の興味で骸の海から魂を掬って複製して、手勢に詰め込んで街を攻めるなんて……。」
 結界で作り上げた刀を構えるアリスの後ろで、ニコリネは慎重に隙を窺っていたが……ロロサエルの、興味のままに周り全てに注がれる視線を切ることができない。
「貴方は天使じゃない、悪魔よ。」
「ふふふ……その指摘は、なかなか面白いですね。天使という種族でしかないのであれば、私が悪魔であってもおかしくはありません。」
「……おィ陰陽師ィ! ごちゃごちゃうるせェクソバイトを一瞬止めろォ!」
「む?」
 突然の声だったが、陰陽師たちもすぐに察して印を結ぶ。
 結界で縛り上げられたロロサエルへと、ゴツいガラスの灰皿を手にした榊が飛び掛かった。
「しかしこの程度……くっ、」
「イ ケ メ ン 滅 び ろ !!」
「ぐあ!?」
 同じように翼を広げて払おうとするが、強化された結界は少しだけひっかかる。
 そして、猟兵たちが動くにはそれで十分で……ガラスの灰皿がロロサエルの顔面に突き刺さった時、その隙にニコリネはその姿を消していた。
「くっ……なかなか、やりま」
「あー、思い出したらイライラしてきた! あいつ察して君だったし! マジで似てるわー!」
 相手が口を開こうが気にせず、容赦なく灰皿を振り回す榊。
 しかし、一度見て動きが解ったか、ロロサエルの視線は陰陽師の方へ。
「あなた方を放っておくわけにはいかなくなりました。その力が失われるのは惜しいのですが……おや?」
 ロロサエルは確かに、陰陽師へと視線を向けていた。
 その彼らが光に包まれて消えたと思えば、降り注ぐ光弾に似た火炎弾を斬り払い、
「幻惑と火炎の魔法……先ほどの女性ですか、姿が見えませんね。」
「ええ、そして……私を忘れてもらっては困るわね。」
 静かにかけられた声に振り返れば、刀を構えたアリスの姿。
 神を宿して息を整え、深く集中し……その迫力は、歴戦の剣豪と何ら変わることが無く、
「これは……片手間に受け流すとはいきませんね。」
「顔面をセンターに入れて殴る! 顔面をセンターに入れて殴る!!」
 アリスの迫力にロロサエルの頬を一筋の汗が落ちる間も、榊は灰皿を手に殴り掛かっていた。
 しかしここは戦場、多数で襲う者たちを卑怯と罵るモノはいない。
「顔面を、センターに、入れて、殴るッ!!!」
「くっ、この時に……ぐあ!?」
 身を躱そうとした時、陰陽師の結界に阻まれて灰皿を顔面で受け止めるロロサエル。
 瞬間、アリスが駆け出した。
「妖の息吹 捌の型 八岐大蛇。」
「捜索中の仲間とは骸の海で合流なさーい!」
「くっ、あああああ!」
 残像を纏うほどの速度で振るわれる、アリスの刃はまさに8つに鎌首をもたげる八岐大蛇のごとく。
 さらにニコリネの放つ火炎弾によって炎を纏い、ロロサエルの身体を斬り裂き、焼き焦がしていく。
「……決まった。」
「ふふ、決まりましたね。」
 刀を手に息をつくアリスに、ニコリネは笑みを向けながら杖を振るう。
 見る間に杖がボールペンへと変わり、自身のエプロンへと納められていた。
「でも、まだね。」
「ええ、なかなかしぶといわ。」
「ふ、ふふふ……本当に猟兵の方々はお強い。」
 起き上がるロロサエルに浮かぶ笑みは変わらない。
 多少法衣を斬られていても、変わらないさわやかな笑み。
「非常に……興味深い。」
「何が興味深いだクソバイトォ!!!」
 ……榊はまだ、ガラスの灰皿で殴り掛かっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鍋島・小百合子
POW重視
他の猟兵との連携を意識

わらわの心に勇が再び湧いたか
なれば怖いものはないものぞ

「肥前が女武者鍋島小百合子!推して参る!」
ろろさえる相手に名乗りを上げれば破魔の力を纏いし薙刀の武技にて果敢に挑む(なぎ払い、鎧砕き、乱れ撃ち、遊撃(以下壱技)併用)
陰陽師達を鼓舞しつつ戦う姿勢を取り戻させつつ彼らを守る立ち回りで臨む
敵の乱撃は薙刀の武器受けをもって攻撃の手を痛めぬよう可能な限りの防御を徹底
敵に隙が出来れば咄嗟の一撃にて反撃(切り込み、カウンター併用)
こちらの傷が蓄積されれば好機と見てUC「亡霊召喚法」発動
戦友たる女武者の霊共々わらわ達の武技をろろさえるに叩き込む!(壱技、集団戦術、覚悟併用)


ケイティ・ネクスト
 あれ、これ奪われたままコイツと連戦かにゃ? まあ、どちらでも関係の無い方法で始末してやるにゃ。
「飢えた獣の恐ろしさ、心底まで味わいながら狩られるがいいにゃ」
 【猫の怨返し】だにゃ。空中を跳ねる猫は正しく変幻自在。一本の刀で捌き切るなんて無理があるにゃー。そしたら当然全周囲攻撃を使うしかなくなるにゃ?
「にゃは、その瞬間を待っていたんだにゃ」
 発動後に作らせた隙に【猫の跳躍】で飛びつき、腕に攻勢植物の触手を絡み付かせて【猫と触手とびったんびったん】で振り回して叩き付けて弱らせ、後は猫の餌だにゃ。
「ネコの裁きは突然来る」



 傷ついたロロサエルの前に、鍋島とケイティが歩み出る。
「おや、あなた方は……彼らに奪われていましたね、色々と。」
「ああ、そうじゃな。しかし、わらわの心に勇が再び湧いた。なれば、怖いものはないものぞ。」
「猫としてはどちらでも良かったんだけどにゃ。けど、ないよりはあった方が良いにゃ。ってことで、」
 言葉を切り、2人は自身の得物である薙刀と爪を構え、
「肥前が女武者鍋島小百合子! 推して参る!」
「飢えた獣の恐ろしさ、心底まで味わいながら狩られるがいいにゃ。」
 息の合った名乗りと宣言に、ロロサエルはことさら感心したように刀を構えて微笑みかけてきた。
「面白い……さぁ、お二方の力を見せてください。」
「言われずとも、」
「やってやるにゃ!」
 今だに余裕のあるロロサエルに対し、2人は一気に駆け出した。

「はぁっ!」
 正面から鋭く振り下ろされる鍋島の薙刀。
 対するロロサエルは受け止めることなく、手にした刀で刃先を逸らし、
「重く鋭い。そして何より、鍛錬を積んだ者の気迫だ。」
「誉め言葉として受け取ろう!」
「そして、」
 するりとロロサエルが身を躱したと思えば、横から飛びかかるケイティの爪が空を切る。
「野生動物のごとき敏捷さ、まさに変幻自在の攻めと。」
「ちっ、今のは入ったと思ったのににゃ。」
「余所見をするでない!」
「はは、まさか。」
 薙ぎ払われる薙刀の刃先、そして斬りかかる爪から、いつの間にか逃れている。
「あなた方の戦い、非常に興味深い……そのようなものを、見ずにいるとでも?」
「……なるほどのう。」
「続けるにゃ。体は一つだにゃん、全部見れるわけがないにゃ。」
「はは、これは手厳しい。」
 正面から斬りかかる鍋島の薙刀をあしらいながら、左右や背後からのケイティの爪を避け続ける……そんなことが、
「出来るはずがないにゃ!」
「くっ!?」
 あまりの素早さに視界から外れたケイティ……ロロサエルは右からの殺気に身を躱した。
 しかし、ケイティの爪に引き裂かれたのは、ロロサエルの左側。
「なぜ……あぁ、」
「猫よりは殺気を隠し切れないからにゃ。」
 見れば、ケイティと同じくらいの体格の野良猫が飛び掛かっていた。
 その爪は同じくらい研ぎ澄まされていて、
「なるほど、誤認させるため。であれば、」
 それまで防戦一方だったロロサエルだが、改めて刀を構える。
「なればこそ、全てを薙ぎ払いましょう。」
「く……これ、は!」
 周囲を全て斬りつける連撃。
 あまりの隙の無さに野良猫は斬り裂かれ、薙刀で受けた鍋島もまた肩や腰を斬られていく。
「どうしました? この程度では」
「にゃは、その瞬間を待っていたんだにゃ。」
「ぬ? おおっと!?」
 野良猫の影から飛び掛かったケイティに足を掴まれ、その身に似つかわしくない怪力でロロサエルは地面に叩きつけられていた。
 ケイティの腕に絡む攻勢植物の触手がうねり、さらにもう一度持ち上げて、
「ネコの裁きは突然来る。」
「ぐはっ!」
 叩きつけられたロロサエルの目に映るのは、血に濡れた鍋島の足。
「まだ終わりと思うな……。」
 傷付き、幽鬼のごとく振り絞る声に見上げれば……薙刀を振り上げる鍋島と、その戦友たる女武者の霊たちの姿。
「ろろさえる……貴様に引導を渡すのは、わらわたちぞ!」
「ぐあああああ!」
 掴まれ、地面に置かれたロロサエルが身を躱すことも出来ず……裂帛の気合と共に振り下ろされる薙刀の刃に、その身を斬り刻まれていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

網代・徹
【Ahnenerbe】で連携

ははァ、下っぱが特徴的なだけで大天使様は普通なんです?
まァ足引っ張らないように頑張りましょゥかね。

UC【海底の友】使用。
服の袂から無数の雑魚を解き放つ。当たると食らい付いて離れませんので悪しからず。
ダメージよりも邪魔優先。目とか背面からとか、邪魔くさいなと思わせるような死角狙いで雑魚を向かわせる。
意識をこちらに向かせるなり散らすなりすれば、あとは霧島さんとバジルさんが上手いことやってくれるでしょゥ。

狙われた場合には食らう前に【逃げ足】を使って頼りになる方々の後ろへ引っ込みます。

一服していいですかねェ?…ァ、まだ駄目ですか。


アレクサンドル・バジル
【Ahnenerbe】で連携
さて、次は大天使サマか。興味興味といっても結局壊すことしか出来ねーんだから、オブリビオンってのは哀れなもんだな。
陰陽師たちに合図とともに大天使の動きを止めるように言い含め。
一瞬?十分だろ。
戦闘中、丁度いいタイミングを見極めて陰陽師に合図。(見切り)
合図と同時に『戦闘モードⅠ』を解放。
地面すれすれの低速飛行の超音速で間合いを詰め、渾身の一撃を。
(貫通攻撃×怪力)


霧島・絶奈
【Ahnenerbe】で連携

◆心情
神の使徒よ
存分に愉しみましょう

◆行動
厄介な攻撃をしてくるようですが…
先程の貧乏神の方がより厭らしい手合いでしたね

【オーラ防御】は定型の実体を持たない故に、外側からの攻撃だけでなく攻撃の発生源其の物を覆う事も不可能ではありません
【各種耐性】と併せて、バジルさんと綱代さんの盾となります

【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を複数設置

【範囲攻撃】する『DIABOLOS LANCER=Replica』で【二回攻撃】
一撃目は足元に打ち込み自身と味方を強化
続く二撃目に【マヒ攻撃】の力を籠めて攻撃

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



「す、すごい……。」
「ああ……だが、」
 猟兵たちによって地に伏せたロロサエルに、陰陽師たちは歓声を上げていた。
 しかし……それでも再び起き上がり、その口元に笑みが浮かぶのを見て、
「本当に勝てる、のか?」
「はは、不安になるのは解る。あの大天使サマは確かに強いからな。」
 いつの間にか、すぐ隣にいたアレクサンドルの言葉に振り返る。
 陰陽師たちの縋るような視線を受けても、いかにも楽し気に言葉を続けていた。
「ま、戦うのは俺たちだ。あんたたちは、出来ることをしてくれればいいのさ。」
「出来る事……足止めくらい、ですか。一瞬で解かれる、と思いますが。」
「一瞬? 十分だろ、俺がその一瞬で決めてやるよ。」
 あくまで気楽に、ウインクと共に親指を立てるアレクサンドルの様子に、陰陽師たちの緊張も和らいだように見えた。

「くっ……少し、いいのを喰らってしまいましたね。」
「ははァ、下っぱが特徴的なだけで、大天使様は普通なんです?」
 起き上がったロロサエルと距離をとって立つ、網代と霧島。
 先ほどの貧乏神と比べれば、外見的にはオラトリオと変わらない。
「ええ、普通のオブリビオンですよ。何より、魔軍転生も施していませんしね。」
「なるほどなるほどォ、あれは安倍晴明のせいだったとォ、そんなわけでさァね。」
「ふふ、つまりあなたは素の強さである、と。」
「ええ、その通り。」
 目深に被ったフードの下で、霧島の口元に獰猛な笑みが浮かぶ。
 それは、これからの戦いに対する期待。
「神の使徒よ、存分に愉しみましょう。」
「まァ、足引っ張らないように頑張りましょゥかね。」
「では、ご期待に沿えるように、」
 ロロサエルの言葉と共に、呪言の炎に包まれる霧島。
 しかし……その炎は元々、霧島の中で燃え上がらせるもので、
「おや……そのような姿でも、神の1柱でしたか。」
「ふふ、見誤りましたか? ……内から燃えるなら、外へ逃がせばいいのです。」
「さァて、出番ですよゥ!」
 炎を目隠しに、その中から投げつけられる無数の雑魚。
 大したことはないとばかりに刀で斬り払われるが、腕に1匹が喰らいつく。
「おや、これは……。」
「ははァ、そいつァただの魚じゃァございませんで。」
 横に跳び出した網代がさらに雑魚を投げつける中、喰らいついた魚がさらに大きく変わっていく。
「いつも食われてばかりの魚ですがァ、その恨みを果たさんとする健気な奴でしてねェ!」
「くっ、なるほど。」
 鋭い牙を持つミズウオとなり、その口が改めて開かれた時、ロロサエルの刀で斬り捨てられていた。
「なかなかに厄介ですね。」
「へへェ、そう思ってくれりゃァ幸いでさァ!」
 ロロサエルの魔眼が網代へと向けられるが、足元から上がるサーメートの炎に遮られる。
 魔法で作用するそれを投げた霧島から噴き出していた炎が消え、その手に構えるのは槍のように見える巨大な輝ける物体。
「それ、は……。」
「……かつて、何処かの世界で在り得た可能性。」
 霧島は『それ』を、一気に地面に突き立てる。
 途端に周囲に落ちる銀の雨……それは、これからの世を生きる人々の力を増す領域。
「物語が紡ぐ、生命賛歌の力……つまり、」
「お前さんを滅ぼす力ってわけだ。」
 言葉を引き継いだアレクサンドルの合図に、陰陽師たちは一斉に印を切る。
 これまでと明らかに違う、強い結界に縛られるロロサエル。
「ぐっ……まさか、」
「人ってなぁ、先を信じるから強くなれるんだぜ。」
 アレクサンドルは一気に黄金の魔力を帯び、地面すれすれの低空飛行で間合いを詰める。
「興味興味といっても結局壊すことしか出来ねーんだから、オブリビオンってのは哀れなもんだな。」
「ぐあっ……!」
 そのまま、身動きの出来ないロロサエルへと渾身の拳を叩きこむ。
 速度と共に魔力の篭もった一撃は、あっさりと身動きの出来ない天使の腹を突き破った。
「私らはァ、まだ生きたいだけなんですよねェ。」
「あぐ……このまま、では……。」
 網代の投げつけた雑魚がロロサエルの手足に噛みつき、巨大なミズウオに喰らいつかれる。
 手にしていた刀と侵略蔵書が地面に落ちていた。
「過去から見れば、今は眩しく見えるでしょう……。」
 その声に見上げれば、槍のようなモノ……DIABOLOS LANCER=Replicaを構えた霧島の姿。
 深々とロロサエルの胸へと貫き入れ、
「それを目に焼き付け、過去へとお帰り下さい。」
「ぐぶっ……ふ、ふふふ……。」
 血を吹きながらも、ロロサエルは笑っていた。
「良いものを……見させてもらいました、よ。」
 苦しみよりも、楽しいと思わせる……興味のあるものを目にした者の浮かべる笑みのまま、塵へと変わっていった。

「最後まで、その興味のままに動いていましたか。」
「あぁ……そーいう奴だったってところか。」
 地に落ちた塵を見つめ、霧島とアレクサンドルが話していると……横からごそごそと聞こえる、荷物を探る音。
 そちらへ向けば、ちょうど背負子から煙草入れを取り出した網代の姿があった。
「一服していいですかねェ? 結構これでも緊張してやしてねェ……ァ、まだ駄目ですか。」
「ふふ、いいんじゃないですか?」
「んじゃァ遠慮なく……。」
「はは、火ならつけてやるよ。」
「へへ、ありがてェ。」

 ……こうして、京の都は猟兵たちの手によって護られた。
 猟書家たちの侵攻はまだ始まったばかり、今も別の部隊が京の都を襲っているが……今は、この勝利を祝おう。
 京を護る陰陽師たちと共に、その士気を維持するために。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月04日


挿絵イラスト