●誰にも理解されないそれは
「なんで……どうして……」
人には理解できないものがある。
忘れていたはずの『あの記憶』が蘇った。
きっかけはこの何も知らない世界で彼女は迷い込む……そんな中、一人の女の子と出会う。
記憶が取り戻せる……そう信じていたのだ。
その蘇った記憶は―――。
「どうして石化の良さを分かってくれないのよぉぉぉーーー!!」
「……選ぶ人、間違えたかな?」
●これでも救助対象です
「皆さん、お集まりいただきありがとうございます」
ミネラル・トーリア(蝋成分100%のブラックタール・f25607)がぺこりと礼儀正しくお辞儀をした。
「アリスラビリンスで幹部猟書家が確認されました」
オウガ・オリジンから奪った力を利用して、猟兵達が平和にした世界の侵略を企てる「オウガ・フォーミュラ」を名乗る猟書家とその元で動く幹部達。
今回はそのアリスラビリンスにて幹部の一人、猟書家『ホワイトアルバム』が出現した。
「彼女の目的は鉤爪の男の目論む『超弩級の闘争』の実現を企んでいるようです」
そのため必要であるアリス適合者の前に現れ、『自分の扉』に辿り着いていないにも関わらず、忘れていた『忌まわしき記録』を解放してしまう。
「それによって狂乱したアリス適合者は生きながらオウガと化してしまいます」
不思議の国自体も地獄のような様相に変異させつつ、手当たりしだいに暴れまわっている。
このまま放っておけば絶望に陥った彼女はホワイトアルバムに喰われてしまう……。
「して……今回の救助対象者ですが……名前は『ミグマ』……」
さっきまでまじめな表情から苦笑いに変わっていくトーリア。
「えっと……その……石化性癖を持つ女性です……」
どういうことだ……?
と、いうのも彼女の『忌まわしき記録』と言うのが、その性癖を他人から理解されず馬鹿にされたこと……らしい、なんじゃこりゃ?
少なくとも彼女にとっては『忌まわしき記録』であるため、ホワイトアルバムにとっては格好の餌となってしまっている。
「と……とりあえず!これ以上被害が出る前になんとか説得していただいてほしいのです」
説得というと、やはりその性癖に理解を示すしかない。
しかし、性癖一つでも好き嫌いもあるし、どういった好みがあるのかも分からない。
「つまり行き当たりばったり……じゃなくて総当たりでいくしかないです」
さらっととんでもないことを口にしたトーリアだが、多分気のせいだろう。
しかし、強くはげましたり、心を通じさせることができれば、攻撃が鈍ったり、幹部との戦いに参加してくれたりといった効果が期待できる。
「彼女を元に戻せば次はホワイトアルバムとの戦いです」
猟書家であるためどんな力を秘めているのか分からない。
しかし、ここで倒しておかなければもっと多くの被害が出るだろう。
「苦しい状況下の中ですが、世界を猟書家の魔の手から守るためお願いします…!」
再度トーリアはペコリとお辞儀をし、転送の準備に掛かった。
もちもち大福
おはこんばんちは!今日ももちもち!もちもち大福です。
少しずつ執筆を慣らしていってます……。
幹部シナリオのため2章構成となっております。
プレイングボーナス……アリス適合者と語る、あるいは共に戦う。
1章ではホワイトアルバムによって狂乱し生きながらオウガと化したアリス適合者の女性『ミグマ』を説得などをしましょう。
2章では猟書家『ホワイトアルバム』の戦いです、1章での結果次第では『ミグマ』が共に戦ってくれるかもしれません。
いつもの通りやられ前提のプレイングも問題なく採用します!
(仮に石化などされてしまっても次章・終了時にはなんやかんやで戻ります)
それでは、みなさまのプレイングをお待ちしております!
第1章 ボス戦
『堕ちた彫刻家『アリスアーティスト』』
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POW : 素敵な彫刻にしてあげる♪
【手に持つ彫刻刀】が命中した対象に対し、高威力高命中の【彫刻化の呪い】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 大理石へと変わり果てなさい♪
【腕輪】から【呪いの瘴気】を放ち、【大理石化】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 石膏まみれになっちゃえ♪
【粘液状化したドロドロの石膏】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【が深い石膏の沼に変わり】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:みいこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠テフラ・カルデラ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
とある不思議の国の一つ……そこには多種多様な石像が立ち並んでいた。
その姿は迷い込んだアリス達や愉快な仲間たちを象っていた。
否、これらは元々生きていた者……何者かによって石像に変えられてしまったのだ。
そんな中、ただ一人動く狂乱し暴れている少女がいた。
「アハハハ……この力があれば……ウフフフ……」
石化性癖を持つアリス適合者『ミグマ』が怪しい笑みを浮かべている。
生きながらオウガと化した彼女はその力によって動く者全てを彫像に変えて暴れていた。
だめだこいつ、はやくなんとかしないと……。
レムル・ガルム
○△
石化が性癖…私が小さくて可愛い物を愛でるように、あの人も綺麗な石像を愛でる趣向を持ってるのデショウカ?
だとすると悪い人では無さそうなのデス。
ということで、UCで自身を強化してから、【予告状(発煙タイプ)】と【蒸気式アンカーガン】を使って武器を盗んで、まずはゆっくりお話できる状態にするのデス!
そして説得に移るわけデスガ…。ここは私がミグマさんの要望を聞いて、ミグマさん好みの石像となることで、ここに居る人達はあなたの性癖を馬鹿にしないと説得にかかかるのデス!
ミグマさんの趣向次第では、恥ずかしい格好で石化してしまうかも知れないデスガ、人を救うのが騎s…ゲフンッ、怪盗の誇り!どんとこいなのデス!
「石化が性癖……私が小さくて可愛い物を愛でるように、あの人も綺麗な石像を愛でる趣向を持ってるのデショウカ?」
様々な石像が乱立する中、レムル・ガルム(XGMN01:護衛型魔法騎士人形試作一号機・f25125)はミグマに対してどう説得すればいいのか考えていた。
「……だとすると悪い人では無さそうなのデス」
丁度、考えもまとまったところで、生きながらオウガと化した彼女を説得するために向かっていく。
「あっははははー!素敵な彫像♪」
堕ちた彫刻家『アリスアーティスト』……もといミグマは笑い狂いながらも石像と化したアリスの少女に触れる。
必死に逃げようとしたのだろう、助けを求めるように腕を伸ばし、今まさに「助けて」と聞こえてくるような絶望に満ちた表情を焼き付けたまま灰色に染まりつくしていた。
それだけではない、彼女の周りには数多くの彫像と化したアリス達やゆかいな仲間たちがまるで美術館のように立ち並んでいた。
「う~ん……でも……」
石化された犠牲者の表情はどれも恐怖や絶望といったものばかり、ミグマには何か物足りないと感じていた。
「みんな恐れて逃げていくし、なんかこう……自ら石像になりた~いみたいな子いないのかしら?」
流石に都合が良すぎるか?とため息をつくミグマ、こんなことをしてもあのトラウマは未だ脳裏に焼き付いたまま。
もういっそこの世界全てを石に変えてしまおうかという勢いもできそうな気がする……。
突然、目の前に紙が刺さりそこから煙が溢れ出す。
「誰……!?」
ミグマは一歩引く……その瞬間、手に持っていた彫刻刀が離れていった。
「私の彫刻刀が……!?」
長い間……煙が晴れると目の前にはレムルが現れた。
彼女はユーベルコード【トリニティ・エンハンス】によって自身を強化し、【予告状(発煙タイプ)】で煙幕を出す。
そして、【蒸気式アンカーガン】によってミグマの武器である彫刻刀を盗んだのだ。
「さっきのはあんたの仕業ね?私の彫刻刀返しなさいよ!」
「おっと……返す前にまずはゆっくりお話しするのデス!」
はぁ……とレムルの言葉に彼女は困惑しつつも、返すというので仕方がなく聞くことにした。
とりあえず対話可能までにこぎつけた彼女は、ミグマに対して説得を始める。
「ミグマさんは石化が大好きなのデスね?」
「そうよ?もしかしてあんたも……」
突然彼女が怪しみだす様子にレムルは慌てて訂正する。
「いえいえ!石化が好き……ということで私がミグマさんの要望を叶えてあげたいのデスよ!」
「……え?」
ミグマはぽかんとするが、ふと……さっきの自分を思い出す『自ら石像になりたい人』を求めている自身に。
「え?マジ?ホント……?」
突然の願望が叶うことに興奮が抑えられなくなる彼女。
「ホントデス!私があなたの求める石像になることで、ここに居る人達はあなたの性癖を馬鹿にしないのデス!」
ミグマはう~む……と少し考える。
彼女にとっては千載一遇のチャンスだ、しかも自ら石像になってくれるとも言ったため、これを了承する他ならない。
「良いわ……それじゃあどうしてやろうかしら……?」
レムルはどきりとした、自身が石化される……自分が言ったこととは言え、いざ石化されるとなるとやはり緊張する。
もしかしたらミグマの趣向次第で恥ずかしい恰好で石像に変えられるかもしれない。
それでも人を救うのが騎士……ではなく怪盗の誇りとして、どんなポーズでも受け入れようとした。
「そうね……こういうのはどうかしら?」
ポーズも決まったようで、ミグマはレムルの手足など動かしてポーズを決めていく。
彼女の予想に反してぺたん座りで腕を広げ、まるで何かを受け入れるかのようなポーズだった。
「それじゃあこれは返してもらうわね?始めるわよ?」
ミグマは彫刻刀を返してもらい、指輪から呪いの瘴気をレムルに浴びせていく。
身体が強張り、服も含めて肌が大理石に変化していく。
「笑顔のまま……笑顔のままよ?」
「はい……デス……」
その様子に少し顔を歪めるが、ミグマの言葉に自然な笑顔を作る。
段々大理石化は首まで及び、残った頭も侵食を受けていく。
「あっ……」
口も固まってしまい喋れなくなる。
白に灰のマーブル模様が顔を這いあがっていき、瞳・髪も飲み込んでいった。
「はぁぁ……とても素敵じゃない……♪」
大理石の像と化したレムルを見て恍惚の息を漏らす。
ぺたん座りで全てを受け入れるかの如く両腕を広げた怪盗ミレナリィドールの大理石像がそこにあった。
そして硬い彼女の身体中を触れつつも大理石の感触にさらに恍惚の息を漏らした。
ふと、レムルの言っていた言葉……『ここに居る人達はあなたの性癖を馬鹿にしない』と……。
「そうね……理解を示してくれる人……確かにいるのよね……」
かつて猟兵だった大理石の像を見て、ミグマは呟いた。
大成功
🔵🔵🔵
隣・人
「まあ何だって『こうなった』かは訊きゃしませんよ。人の※※に首突っ込んだって愉快は事にはなりません。だったらテメェにも教えてやりますよ――めまいに苛まれながらげろげろするアンタが可愛らしいってね!」
先だしジャンケンなのは当たり前ですね
腕輪から放たれる前に『捨て身の』ユーベルコード
アリスだとかアイスクリームだとか如何でもいいので
この自意識過剰な芸術家(ひとりよがり)!!!
そこで目ぇ回したまま俯いてなさいな!!!
え? 大理石ですって?
好きにしなさいよこん同族嫌悪!!!
あっという間にアートの完成です
おらっ!!! 嘔吐(おーと)しやがれ!!!
全部肯定派だ隣人ちゃんは!!!
「まあ何だって『こうなった』かは訊きゃしませんよ」
隣・人(🌈・f13161)はミグマから石像群に隠れつつも機会を窺っていた。
「人の※※に首突っ込んだって愉快は事にはなりません、だったらテメェにも教えてやりますよ――めまいに苛まれながらげろげろするアンタが可愛らしいってね!」
先出しジャンケンは当たり前のように、タイミングを見計らって飛び出す。
「まだ動ける子がいたの……!?」
「踊り。歌い。眩んで沈むのですよ」
攻撃される……と思い、彼女に向けて指輪から呪いの瘴気を出そうとする……。
しかし、隣・人はユーベルコード【六六六番外・隣人置暗流活殺自在悪魔的耳いし生過剰】を発動、【捨て身の一撃】によってミグマの三半規管に『いし』を生やす。
「アリスだとかアイスクリームだとか如何でもいいので」
回り―――周り―――廻り―――意識が暴走していく。
「この自意識過剰な芸術家(ひとりよがり)!!!そこで目ぇ回したまま俯いてなさいな!!!」
「ぐえぇぇぇーーー!?それヤバい!ヤバいから!!」
段々と気持ち悪くなり、三半規管が危険信号を示していく。
流石にここでやらかしてしまったら石像達が汚れてしまう……。
それだけは避けなければと必死になって呪いの瘴気を隣・人に浴びせていく。
「そのまま大理石の像になりなさい……!」
「え? 大理石ですって?好きにしなさいよこん同族嫌悪!!!」
その受け入れに驚く暇もなく隣・人に正気を浴びせていくと同時に、彼女の身体は大理石へと変化していく。
いつの間にかポーズを取った形であっという間にアートの完成だ。
「ハァ……ハァ……何だったのよこいつ……」
突然襲撃を受けてダメージすらなかったが、精神的にかなりヤバい事になっていた。
とりあえず危機は脱したので一息ついた……その時だった。
ミグマの顔が青ざめ、喉から酸っぱい何かがこみあげていって―――。
「あ―――やば―――ぅぇ―――」
しばらくお待ちください―――。
「しまった……油断した……」
死にそうな表情を浮かべながらも、相手の恐ろしさを思い知ることとなった。
しかし、吐き出すものを出しきったせいか、少し苛々が消えたような……気がした。
さらに言えば、あの三半規管が暴走しているときに、しっかりと確実に聞こえてきた。
『おらっ!!! 嘔吐(おーと)しやがれ!!!全部肯定派だ隣人ちゃんは!!!』
前者は……とにかく、後者だ……否定ではなく肯定……。
つまり自分の性癖を認めてくれていることだ。
彼女は大理石像と化した隣・人の姿を見る……どことなくノリノリに見えるのは気のせいであろう。
否定はせず肯定してくれてる人がいる―――ミグマは少しずつ冷静になりつつあった。
大成功
🔵🔵🔵
リノ・ヴォルワール
〇△
「せきかせいへき?良く分かりませんけど魔法怪盗にお任せです!」
お任せって言ったけど…説得ってどうすればいいんだろ
褒めればいいのかな?
あ、あの人かな?
頑張るぞ!
「せきかってスゴイですね!かっこいいとわたしは思いますよ!」
取り合えず褒めます、自信を持ってもらわないとですよね?
良く分からない趣味ですけどわたしに出来る事ならなんでもしちゃいますよ!
そ、それとこっそり彫刻刀を盗んでおこうかな?
悪い事するのは悪魔の特権だもんね!
「指先から、石に…やだやだ!動けなくなってきて…これ、大理石…化って…」
こんな趣味…良いなんて…ダメ、じゃないの…
ああ…変なポーズとらさないで…動けな…ぁ…
「せきかせいへき?良く分かりませんけど魔法怪盗にお任せです!」
どうも性癖についてよく分かっていない少女、リノ・ヴォルワール(魔法怪盗すとれいきゃっと・f31502)は自信満々にミグマに挑もうとしていた。
が、本人もどう説得すればいいのかもわかっておらず、とりあえず褒めればいいかと考えた。
「あ、あの人かな?頑張るぞ!」
気合を入れつつも、見つけたオウガに落ちたアリスの元へと向かう。
「うぅ……口ん中まだ酸っぱい……」
色々とやらかしてげんなりとしているミグマ、石像達に被害はいなかったのでまだマシではあるが……。
そんな中、突然目の前に少女……リノが駆け寄っていく。
「ん~……?あんた何?」
「せきかってスゴイですね!かっこいいとわたしは思いますよ!」
突然の褒め倒し、そんなミグマも目を丸くする。
「へ?あぁ……まぁ……ね……」
今までかっこいいなんて言われたことが無いため少し戸惑った。
とりあえずリノは褒めて褒めて褒めまくる手段を取っていた。
「かっこいい……かぁ……それも……ありかな……?」
「良く分からない趣味ですけどわたしに出来る事ならなんでもしちゃいますよ!」
それを聞いてほほぉ……とニヤリと笑みを浮かべるミグマ。
「良く分からない……か、それじゃあどういうのか教えてあげなくちゃね?」
そんなどさくさにリノはユーベルコード【泥棒猫の一撃】によって彼女の持っていた彫刻刀を盗んでいく。
実際は相手の攻撃を無力化……ではあるが、彼女にとっては『悪い事するのは悪魔の特権』である。
「それじゃあ始めるわよ?」
「は……はい!」
ミグマは指輪から溢れる瘴気をリノに浴びせていく。
すると彼女の指先から白い大理石に変わっていく。
「指先から、石に……やだやだ!動けなくなってきて……これ、大理石……化って……」
呪いの瘴気による大理石化……その侵食は手足を固めていく。
その現象にリノはようやく石化性癖がどういうことなのか理解し、涙目になって強張る身体を必死に動かす。
「こんな趣味……良いなんて……ダメ、じゃないの……」
「あっれー?さっきまではかっこいいなんて言ってなかったっけー?」
ついボロが口に出てしまった……。
しかしミグマは怒るどころか、ノリノリで大理石に変わっていくリノの反応を楽しんでいた。
「うーん……猫耳だから……こうして……と……」
「ああ……変なポーズとらさないで……動けな……ぁ……」
大理石化途中のリノの身体を動かし、猫を意識したポーズに変えていく。
同時に大理石化の侵食が早まり、彼女が抵抗する暇もなくその姿を晒されることとなった。
「ま、授業料としてしばらくは大理石の像になってなさい♪」
少し上機嫌になったミグマはふと何かに気づいた。
「……って、あれ?彫刻刀何処やった?」
いつの間にか手に持っていた彫刻刀が無くなっていた。
幸い……リノが盗んだことは全く気付かなかったようだ。
そのあたりについては彼女は上機嫌なためあまり気にしないことにした。
「さて……もう動く奴はいないのかしら?」
次なる獲物を探すミグマは彫像達を見比べながらも自身の性癖を思う存分楽しんでいた。
成功
🔵🔵🔴
アルミナ・セシール
○△
説得ね……
さくっと穿った方が手っ取り早そうだけどそういうオーダーなら仕方ないわ。
話し合いに持ち込むにはそういう態度を示すのが一番よね。ミグマと相対したらまずは装備してるパイルバンカーをパージして敵対の意思がない事を示すわ。
まぁ石化を要求されるだろうからそこも大人しく従っておくのがいいかしらね。他の猟兵もそうしてるようだし。
「どうかしら私のこの肉体美?ちょっとした自慢なのよ?」
こうしてアピールしておけばこっちの話にも乗ってくれるかもしれないしね。
「どんなポーズでも構わないわよ。この私が大理石化、素晴らしい芸術品になれそうね。私自身はそれを見れないけど。」
そんなこと言いつつ石化してあげる。
「説得ね……さくっと穿った方が手っ取り早そうだけどそういうオーダーなら仕方ないわ」
アルミナ・セシール(タイプ・フィフス・f31124)は少々物騒な事を呟きつつも、今回の生きながらオウガになってしまったアリス適合者を説得しようした。
話し合いに持ち込むにはそういった態度を示すのが一番だ。
丁度よく目の前に浮足立って歩いていたアリス適合者ミグマと相対する。
「あら?また一人来たのね?」
アルミナは装備している【RX-Aパイルバンカー改コリシュマルド】をパージする。
キャバリアの装甲すら貫くほどの威力のある武器は本来オブリビオンが相手なら容赦なく穿つだろうだ、今回は相手が相手だ。
それをあえて手放す様子にミグマは疑問が浮かぶ。
「武器捨てちゃうの?」
「話し合いがしたいからね、武器持っててもしょうがないじゃない?」
なるほど……と彼女は納得する、敵対の意思がない事を理解してもらえたようだ。
して……本題である説得ではあるが……。
「で?あんたも何かしてくれるワケ?」
今まで出会って来たであろう猟兵達の犠牲……活躍によりミグマも自分自身に何か用事でもあるのかと分かっていた。
「いや!皆まで言うな!あんたも石像になってくれるのよね?」
アルミナが何かを言おうとした矢先にミグマは叫ぶ、勝手にそう思われてしまった……しかし他の猟兵達もそうしているようであるし、断れば大きなリスクが帰ってくる可能性も否めない。
「そうね……そういうとこかしら?」
そのためアルミナは彼女の言うことを大人しく従うことにした。
「どうかしら私のこの肉体美?ちょっとした自慢なのよ?」
相手を話に乗らせるためにアピールをする彼女をミグマは興味深そうに見ていた。
「どんなポーズでも構わないわよ」
さらにその気にさせるために加えて話す、つまり好きにしても良い(ミグマなりの意訳)と……。
「それじゃあ……遠慮なく……こうして……っと……」
ミグマはアルミナの手足を動かすように指示する、胸周りを腕で囲むことによって、胸を強調し目立たせるようなポーズを決めていく。
「それじゃあ大理石に変えるわね?石化用の彫刻刀どっか行っちゃったし、石膏でドロドロにしたらその肉体美が台無しになっちゃうしね……」
「この私が大理石化、素晴らしい芸術品になれそうね。私自身はそれを見れないけど」
指輪からの瘴気によって足から石化が始まる。
「そうね……代わりに目に焼き付けておいてあげる♪」
脚、身体、腕、胸と、そのポーズを固定しつつ大理石像へと変わっていく。
最後に表情もキリッと笑顔で決めつつ頭も冷たい石へと変化していき、強さを求めるレプリカントは今、美しい大理石像に生まれ変わった。
「とても素敵な大理石像になったわね~♪」
ミグマはアルミナの像をまじまじと見る。
ふと……彼女はある一点を見つめて少し気分がブルーになった。
「くっ……大きい……」
何の事かは言わないでおこう……。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・フォーサイス
え?石化性癖って、普通じゃなかったの?友だちに普通にいるから普通だと思ってた。
ミグマちゃんは石化する方が好き?される方が好き?
キミの好きなこと、たくさん教えて!
へー!じゃあ、このちびアリスで言うと?
なるほど、なるほど。理解したよ。
じゃあ、ぼくの魔法で望み通りの石化をしてあげるね!
「……ってゆーか、あたし何してんだろ……」
多くの彫像を作り出していたミグマはふと我に返った、そういえばなんかトラウマ見せられて、そんでもってなんか暴れたくなって……?
狂乱のオウガになりかけていた彼女はいつの間にか意気消沈していたのだ。
たくさんの石像の中から現れたアリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)が近づいてきた。
「あー……?何か用?」
「えっとね……ぼく、石化性癖についてお話ししたいの!」
その言葉にミグマは少し考えてから、気だるげに返答をする。
「お話?あー……うん、お話ならいいよ?……それ以前にそんな特殊性癖って身近にあるものなの?」
「え?石化性癖って、普通じゃなかったの?友だちに普通にいるから普通だと思ってた」
普通だったのか……と彼女は少し驚く、それよりもその友人の方が気になるところだが……。
「ミグマちゃんは石化する方が好き?される方が好き?」
「そりゃもちろんする方が好きよ?される方はかなり貴重じゃないかしら?」
アリスの質問にミグマも少しずつノリノリになってきている。
「キミの好きなこと、たくさん教えて!」
「あんたグイグイいくね……やっぱり石化と言えば反応かしら?ほら……」
彼女が指さした先には様々なポーズや表情の彫像達が立ち並んでいる。
「石化されるときの反応って人それぞれの反応が楽しいのよね、大方恐怖とかだけども……」
「へー!じゃあ、このちびアリスで言うと?」
と、アリスがユーベルコード【アリスの世界】によって作られた彼女をデフォルメして小さくしたちびアリスが立っていた。
「あらかわいい♪そうね……」
指輪から瘴気をちびアリスに浴びせていく。
瞬く間に動かなくなり、大理石に変わっていった。
「こんなかわいい子なら大理石にしてもいいわね♪」
「なるほど、なるほど。理解したよ」
理解した……その言葉がミグマにとってはこの上なく嬉しく、待ち望んでいた言葉であろう。
だが、彼女の喜びは次の言葉で打ち砕かれた。
「じゃあ、ぼくの魔法で望み通りの石化をしてあげるね!」
「え……?それってどういう……」
彼女のユーベルコード【能力解析】だ。
ミグマの大理石化の瘴気をそのままコピーし、それを彼女に浴びせていく。
「ちょ……何をやって……ひっ……」
脚が大理石に変わる、それは自分で何度も見てきた光景だ。
それが今、自分自身で体験している……だがしかし、ミグマにとっては恐怖でしかなかった。
「止めっ……止めてっ……!」
大理石の呪いは彼女を侵食していき……。
「…………」
大理石の像と化したミグマがそこに立っていた。
表情は恐怖で染まり、ポーズからして必死に抵抗した跡が見える。
「これで望み通りの姿になれたね!」
一人残ったアリスは、そう呟いた。
狂乱し暴れていたオウガになりかけの石化性癖のアリスは、自ら石化されることによってその暴走は止まり元のアリス適合者に戻ることとなった。
……最終的に少々強引ではあったが、とりあえず石化された犠牲者とかミグマとかも色々諸々戻ったのでヨシッ!
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『ホワイトアルバム』
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POW : デリシャス・アリス
戦闘中に食べた【少女の肉】の量と質に応じて【自身の侵略蔵書の記述が増え】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : イマジナリィ・アリス
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【虚像のアリス】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ : イミテイション・アリス
戦闘力が増加する【「アリス」】、飛翔力が増加する【「アリス」】、驚かせ力が増加する【「アリス」】のいずれかに変身する。
イラスト:ち4
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ライカ・リコリス」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「本っっっっっっ当にすみません!!!!!」
ペコペコと頭を下げて半泣きで謝りまくるミグマ……。
とりあえず不思議の国の住人や迷い込んだアリス達、そして猟兵達を元に戻しつつ謝罪することとなった……。
「ま……まぁまぁ、わたしたち怒っていないから……」
と慰めるアリスやゆかいな仲間たち。
「うぅ……押しつけがましい事しちゃったし、土下座したまま石化しないと気が済まないわ……」
「あぁー!あぁー!大丈夫!大丈夫だから!!
かなり落ち込んでいるミグマを必死に慰めようとする周りの人々。
「そ……それに……石化って……良いかも……?」
「石化される感覚……癖になるかもです……」
あれ?なんか雲行きが怪しいぞ……?
「え……?ほ……ホント?」
ミグマもその言葉を耳にして涙目になりつつ目を見開いている。
「そうそう!その力があればこの国を守れるかもしれません!」
「襲い掛かってくるオウガを彫像に変えるのもアリかも……?」
何というか……類は友を呼ぶとはこの事か?
ともあれ、性癖はミグマ一人ではないということをわかってくれたようだ。
「あーあ……戻ってしまったのね?」
そんな中、不満そうな少女の声が聞こえてきた。
皆が声の聞こえる方向見ると、アリス……の姿を偽った猟書家だった。
「でもいいわ、この場のアリス達も含めてみんな美味しく食べてあげる」
その一言でアリス達は怯えだす、このままでは……
「なぁにが『美味しく食べてあげる』よぉ?」
ただ一人のアリスが異議を申し立てた……ミグマだった。
「あんな忌まわしい記憶思い出させて……他人の迷惑かけて……絶対許さないわよ!!」
怒り心頭の彼女、忌まわしい記憶を引きずり出され、生きたオウガとして暴れまわり、挙句にこの世界の住人やアリス、猟兵達までも石化させてしまったのだ。
あまりの怒りように『あんたを石像にしてこの国のシンボルとして飾らなきゃ気が済まない!』と言っているほど。
「え……えぇ……」
さすがの猟書家もドン引きである……これホントにオウガ化から戻ったんですかね?
「あんた達!あいつを倒すために来たんでしょ?一緒に戦いましょ?」
猟兵達に同意を求める、一応それがもう一つの目的でもある。
こうして猟書家『ホワイトアルバム』との戦いが始まった!
「あたしも戦うわ!あいつは絶対石化させる!!」
これ……どっちが悪人なんだろう?
※
ミグマについては1章のボス戦時のユーベルコードを使用することができます。
(彫刻刀についてはこの時点で返してもらっているためPOWも使用可能です)
かなりやる気満々なので一人突っ走る可能性があります。
彼女との連携をする場合はプレイング内での記載をお願いします。
他のアリス達やゆかいな仲間たちについては避難済みなので思い切り暴れても大丈夫です。
火土金水・明
「この世界のアリスさんは、あなたの言葉に決して負けない心をもった方ですよ。色々な意味で。」「残念ですが、もう、あきらめなさい。」(一応、ミグマさんの攻撃のタイミングに合わせて攻撃します。)
【WIZ】で攻撃です。
攻撃方法は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【サンダーランス】で、『ホワイトアルバム』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。
「この世界のアリスさんは、あなたの言葉に決して負けない心をもった方ですよ。色々な意味で」
猟書家の出現と同時に参戦した火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)はミグマと共に戦うこととなる。
「残念ですが、もう、あきらめなさい」
「いいえ、そうするわけにはいきません」
ホワイトアルバムが首を横に振る、まだ彼女もそう簡単にあきらめてくれるわけにはいかないようだ。
明はユーベルコード【サンダーランス】を発動、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた雷属性の魔法の矢を放つ。
「おっ……と……!?」
一度避けたホワイトアルバムに別の雷の矢が、明による【2回攻撃】だった。
避けることができず命中し、その痛みが継続していく。
「なかなかやるところですね?ではこちらからもいきますよ?」
痛みに耐えながらも戦闘力が増加する『アリス』に変身し、明に攻撃を加えていく。
確実に当たった……そのはずだったが手応えすらなかった。
「残念、それは残像です」
そんな彼女も【見切り】による【残像】によって回避していた。
「ふふふ……それだけではないですよ?」
ホワイトアルバムが更なる連撃を繰り出す相手に当たりそうならば【オーラ防御】でダメージの軽減をしていく。
「少しでもダメージを与えて次の方に……」
「あたしも戦うわよ!!」
明が反撃に転じようとしたと、ミグマも(半ば乱入する形で)参戦してくる。
粘液状の石膏を操り、それらをホワイトアルバムに飛ばしていく。
「……っ!」
ギリギリで回避する彼女の服に少量付着する。
「もう……汚れてしまったじゃないですか?」
折角のかわいらしい服を汚されたことに腹を立てるホワイトアルバムに明の追撃である雷の矢が降り注ぐ。
回避してもミグマの石膏が襲い掛かり、更にそれを避けても明の攻撃が襲い掛かってくる。
「これじゃあ……攻撃する暇がありませんね……」
互いの攻撃に対して余裕の表情ではある……が少し焦りの汗が出てくる。
突然ではあるものの、ミグマの攻撃の後に彼女をカバーするように明は合わせて追撃を行っている。
無論、ホワイトアルバムが全ての攻撃を避け切れてはいない。
粘液状の石膏や雷の矢によって服も台無しになっていく。
「まだ……これからです……!」
ふと、ホワイトアルバムが動きを止める。
そこにミグマはここぞとばかりに溜めた石膏を彼女にぶつける。
「よし、もらったぁーー!!」
どぷん……と、偽りのアリスの身体は石膏に包まれ……驚いた彼女の石膏像がそこにあった。
とはいえ、石膏でドロドロに塗り固め、ただえさえ形を整えていないため、そこらかしらで石膏が垂れ固まった箇所が目立った形で固まっていった。
しかし、石膏塊にヒビが割れ……。
「……っと、危なかったですね」
固まった石膏の中からホワイトアルバムが飛び出してきた。
彼女の【イマジナリィ・アリス】によって、完全脱力状態でミグマの石膏をわざと受け、それらを無効化していたのだ。
「やっぱりそう簡単にやられてくれないわよね?」
「やられるわけにもいきませんし、そんな攻撃にやられたくはないですね?」
今までのダメージによるものか……はたまたこの性癖に対してドン引きしているのか……?
ホワイトアルバムも少し表情が歪みつつあった。
大成功
🔵🔵🔵
隣・人
「うるせぇ。テメェがやったのは※※に対する冒涜だ。さっさと報いを受けやがれホワイトなアルバム!!!」
何に変身したって一撃(ペチン)と触れれば攻撃です。モザイク付与したら執拗に回してやりますよ。おらっ。テメェが食い続けたもの今全部嘔吐しやがれ!
あっは――この世が回ればテメェも眩暈、ゲロゲロしたらスッキリすると思ったら大間違い。永遠にオロロロしてろや!
そんで暴力。殴り蹴る自分がモザイク塗れになるのも構いませんね。さあ、その愛おしい眼振を見せてください!!!
最後は回転椅子で撲殺だ。たまらない脳漿ですね!
え?
飛行されたら?
そんな平衡感覚でどう飛ぶって言うんですか。やれるもんならやってみなさい。ふふん。
「うるせぇ。テメェがやったのは※※に対する冒涜だ。さっさと報いを受けやがれホワイトなアルバム!!!」
と隣・人はオウガに負けないほどの狂気と言わんばかりに叫ぶ。
ミグマと対峙していたホワイトアルバムも彼女の方向に向く。
「うるさいのはそちらですよ?もう少し音量を……」
しかしその刹那、隣・人はユーベルコード【六六六番外・隣人千闇流眩暈覇製・永久回転謳吐無間】によってモザイクがホワイトアルバムに命中する。
「何に変身したって一撃(ペチン)と触れれば攻撃です」
「痛くないですね?一体何を―――」
戦闘力が増加する『アリス』に変身し、隣・人に攻撃しようと……した。
「おらっ!テメェが食い続けたもの今全部嘔吐しやがれ!」
回る―――周る―――廻る―――ホワイトアルバムの眼前が回っていく。
ユーベルコードによってモザイクを付与された彼女は半永久的に回転されていく。
同時に逃れられない嘔吐感が嫌と言うほど感じる。
「あっは――この世が回ればテメェも眩暈、ゲロゲロしたらスッキリすると思ったら大間違い。永遠にオロロロしてろや!」
「や……やめ―――」
涙目で必死に嘔吐を我慢するホワイトアルバム、しかし半永久的な回転がそれらを逃すこともなく。
しばらくお待ちください―――。
一言で言えば地獄絵図……周りには嘔吐した際のアレがまき散らされており、ホワイトアルバム自身も見ていられない状態になっていた。
そして暴力……隣・人による殴る蹴るが猟書家を襲う。
「自分がモザイク塗れになるのも構いませんね。さあ、その愛おしい眼振を見せてください!!!」
かわいらしいホワイトアルバムは見るも無残な姿に、嘔吐物と鮮血が混じったものが白い服を汚していく。
「最後は回転椅子で撲殺だ。たまらない脳漿ですね!」
彼女の頭に回転椅子がぶち込まれる。
「あがぁっっ……!!!」
本来彼女が出るはずのない言葉が吐き出された。
「こ……怖ぁー……」
そんな状況を震えながら見届けるミグマ。
彼女は激しく回された程度であったが、これ以上の酷いものを見てしまった。
もしかすると自分自身……あれ以上暴走していたら同様の事をされていた?
「ま……まさか……ね?」
少々鳥肌が立ったミグマは、手が出せずに目の前の惨状をただただ見届けるしかなかった。
「こ……これ以上付き合ってられないわ……」
ホワイトアルバムの焦りが露わになり、飛翔力が増加する『アリス』に変身して逃走を図ろうとする。
「そんな平衡感覚でどう飛ぶって言うんですか。やれるもんならやってみなさい。ふふん」
飛んでいく彼女を見て隣・人はニヤリと笑みを浮かべる。
その彼女の言葉通り、平衡感覚が狂って飛翔すらまともにできず墜落していった。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・フォーサイス
うんうん。やっぱり、石化性癖は普通だったんだね。6人中、3人がいいって言ってるんだから間違いない。
それじゃあ、ホワイトアルバムちゃんもこっちに引き込む、もとい、石化の良さをわかってもらうために石化しないとね。
偶像のアリスを出してきたら、ファデエフ・ポポフゴーストでテレポートして素早く切りつけ、けしちゃうよ。
今だ!やっちゃって!
うーん。石化した時の表情がいいって気持ち、ちょっとわかったかも。
そういえば、ミグマちゃんを美味しく食べてあげるって言ってたね。美味しく食べてあげるよ。アリスの前に立ち塞がる敵が倒されるっていうお話をね。
アルミナ・セシール
○△
へぇやる気じゃないそういうの嫌いじゃないわよ。
きっちりあいつを芸術品にしてやんなさい、そしたら私も一緒に鑑賞してあげるわ。
UC【コード・フィフス:マックススピード】で高速で移動しつつ攻撃を仕掛けてやるわよ。
向こうもUCで無力化してくるでしょうけどそれも織り込み済み。だって私はミグマの前の露払いですもの。
こっちが派手に動き回って注意を引き付けてる間にミグマの●大理石へと変わり果てなさい♪
を当てされるのが狙いよ
向こうのUCによる無効化は完全な脱力状態でユーベルコードを受けるのが条件。
私との戦闘に気を取られてる間に仕掛けられる石化に果たして完全な脱力状態になんてなれるのかしら?見物ねふふふ……
レムル・ガルム
○△
ミグマさんが元に戻って良かったのデス……。石になった甲斐があるのデス!
さて、ミグマさんがやる気まんまんみたいなので、その石化衝動を敵に沢山ぶつけて貰うとしまショウ!
UC【深領域霊子回路最大解放】で、能力を引き上げてから敵に攻撃して私に釘付けにして、その隙にミグマさんの石化UCをぶち込まさせる作戦でいくのデス!
ただUCが終わると昏睡してしまうので、その間に敵やミグマさんになにかされないか心配なのデス……。
まぁ、ミグマさんが元気なってくれるならなにをされても良いのですが……、破廉恥過ぎるのは勘弁デスヨ?
「ミグマさんが元に戻って良かったのデス……石になった甲斐があるのデス!」
「へぇ……やる気じゃない、そういうの嫌いじゃないわよ」
目の前の惨状に呆然としたミグマにアルミナやレムルは彼女の気合に感心している。
「え?えぇ……!あたしをあんな目に遭わせた悪者ですもの、それ相応の目に遭わせてやるわ!」
「うんうん。やっぱり、石化性癖が普通だったんだね」
そんなアリスは盛大な誤解をしたままだった……どうするんだこれ?
「6人中、3人がいいって言ってるんだから間違いない」
「だよねっ!こんなに仲間がいて嬉しいわ♪」
あー……うん、それはもう致し方がないよね……?
当のミグマ本人もドヤ顔をかましている。
「さて、ミグマさんがやる気まんまんみたいなので、その石化衝動を敵に沢山ぶつけて貰うとしまショウ!」
レムル達の目の前にはミグマを暴走させた元凶が立っていた。
「はぁ……はぁ……し……死ぬかと思いました……」
そんな中、何百回の回転を経験し、何十回もの嘔吐を繰り返し、完全にげっそりとしているホワイトアルバム。
「きっちりあいつを芸術品にしてやんなさい、そしたら私も一緒に鑑賞してあげるわ」
「それじゃあ、ホワイトアルバムちゃんもこっちに引き込む……もとい、石化の良さをわかってもらうために石化しないとね」
アルミナとアリスの会話を聞いた彼女に悪寒が走る。
こんな特殊性癖を持っているワケの分からない奴とかそれに同意しているとんでもない連中に好き勝手されたくはない。
しかし彼女が身構える暇もなくアルミナはユーベルコード【コード・フィフス:マックススピード】によって高速戦闘モードへと変身していく。
同時にレムルもユーベルコード【深領域霊子回路最大解放】によって思考を司る回路を一時的に増強し、自信を釘付けにするように攻撃を加えていく。
ホワイトアルバムはこちらに向かってくる二人を目で捕らえた。
「でも色々吐き出せたせいか、頭も冷静になれているわ」
彼女も【イマジナリィ・アリス】によって回避しようとする……。
突然、目の前にアリスが現れ、虚像のアリスを素早く切りつけ消していく。
「しまっ―――!?」
アリスのユーベルコード【スピン-統計性の関係の破れ】によってホワイトアルバムの目の前にテレポートしてきたのだ。
「まだまだ行くのデス!」
「余所見はダメよ!」
3人の攻撃に彼女は回避も許すこともできない、一斉に攻撃すればいくら猟書家でも耐えることはできないはず……。
しかし、真の目的はそれではなかった。
ふと、ホワイトアルバムの動きが重く感じる、【イマジナリィ・アリス】は完封され、必死に回避している。
なのに身体の動きが鈍い……それどころか強張っている気がする。
「!?まさか……!?」
ミグマの使う呪いの瘴気に気づくも既に遅く、手足の先端から大理石に変わっていく。
3人の攻撃は収まることがなく、ホワイトアルバムの行動・逃走妨害をしている。
(私達との戦闘に気を取られてる間に仕掛けられる石化に果たして完全な脱力状態になんてなれるのかしら?見物ねふふふ……)
アルミナそう思いながらも倒してしまわないように手加減している。
他の二人も同様、確実にミグマの手でホワイトアルバムを大理石像に変えようとしていた。
「このまま……彫像だなんて嫌よ……!」
手足の侵食が進む……3人に好き勝手され、食べるつもりだったアリスに彫像に変えられる……そんなもの猟書家として許されるはずもない。
酔いも冷めているため今なら逃げられると思った彼女が飛翔力が増加する『アリス』に変身し瘴気から上へ逃れようとするが、アルミナが逃がすはずもない。
「逃げるなんてダメよ?そのまま落ちなさい!」
変身による飛翔力が上がっても、大理石化の影響で逃げられず地面へと叩きつけられる。
「きゃあっ……!」
まるで餌を待ち受けていたかのように、そこに溜まった瘴気が再び呪いを身体へと侵食を始めていく……。
「今だ!やっちゃって!」
「今度こそ……終わりよ!!」
アリスの一言でミグマの腕輪の瘴気が濃くなり、それをホワイトアルバムにぶつけていく。
彼女は倒れた状態から必死に体勢を立て直すが、ガチッと身体が動かなくなる。
金縛り……そんな軽いものではない、大理石化……彼女の脳裏にその言葉が過る。
「あぁ……ダメッ……あああぁぁ……」
涙目で必死に懇願する、石になる……生きたまま物言わぬ偽りのアリス像へと……。
色々と汚れた服が……手に持つ本が……生身の身体が……白に灰の斑を彩った無機質に変わっていく。
「やだ……助け……て……」
ついには自信のプライドも折れて助けを求めながらも残った頭も侵食していく。
過去に喰らったアリス達も助けを求めながらも喰われたのであろう。
その立場が今までのツケのごとく自身に帰ってきた。
少し違うのは、絶望を彩った大理石の像に変わることぐらい。
静かになった戦場……猟書家と呼ばれた侵略者はただの彫像と化す最期を迎えた。
戦いが終わった後、レムルが真っ先に倒れて昏睡状態になる。
ユーベルコードの反動よるものなのだが、それを知らないミグマはその様子に慌てて支える。
「え?え?これ大丈夫なの……?」
「うん、そういうものだから大丈夫だよー」
アリスが慌てるミグマを落ち着かせながらも、大理石像をまじまじと見ていた。
あの余裕を見せていたホワイトアルバムから考えられない絶望的な表情がまず目を引く。
涙目……と言いつつも、頬には涙が流れた跡が見えた。
恐らく、完全に石化する間際に流れてそのまま侵食に巻き込まれたのであろう。
「うーん、石化した時の表情がいいって気持ち、ちょっとわかったかも」
「でしょー?」
ふふん……とミグマはレムルを寝かしつつも同志が増えたことに喜びを感じていた。
「そうね……あの彼女からは考えられない表情が素敵ね」
アルミナも続けて大理石像を鑑賞している。
そんな中、物理的に動かなくなったホワイトアルバムの姿を見るなり、戦いが終わったのかと国の住人やアリス達が次々と顔を出す。
彼女を倒した猟兵や止めを刺した一番の功労者であるミグマに色々話しかけていた。
それをよそにホワイトアルバムの大理石像を前にアリスは語り出す。
「そういえば、ミグマちゃんを美味しく食べてあげるって言ってたね」
言葉を交わしている……というよりは一方的に話している。
無論、相手は物言わぬ彫像であるため、反応なんて帰ってくるはずもない。
「美味しく食べてあげるよ、アリスの前に立ち塞がる敵が倒されるっていうお話をね」
余談だが、レムルは起きた後に「ミグマさんが元気なってくれるならなにをされても良い」と言ってしまい、文字通り彼女に色々されてしまったことを追記しておこう……。
……そんなこんなで、色々波乱(?)はあったものの、一人の特殊性癖を持つアリスは救われた。
彼女が今後どうなるかは……また別のお話……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵