#ダークセイヴァー
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猟兵達の拠点『グリモアベース』で、
「はろー! みんな元気かな? さっそくだけど、みんなに向かってほしい場所があるんだ!」
ウェスタンハットを被った少女、ベッキー・ウッド(人間のブラスターガンナー・f01790)は朗らかに挨拶したのち、話を切り出した。
「ダークセイヴァー。オブリビオンに支配された世界。その世界の辺境の村に行ってほしいんだ」
ベッキーは挨拶の時とは変わって、表情を引き締める。
「滅多に旅人も訪れず、人々が細々と農業をやって生きているこの村もまた、オブリビオンに支配されている。
この村は、オブリビオン――複数の亡者たちを率いる異端の騎士に、重税や生贄を要求されながらも、なんとか皆殺しにされず今まで生き延びてきた。
だけど、そんな村の人たちを、オブリビオンが皆殺しにしようとしているらしいんだ。理由は、ただの気まぐれ、ただの戯れで。
みんなには、このオブリビオンを退治してほしい。
そのためにも、『まずオブリビオンの居場所を突き止めてほしい』んだ」
いつどこからくるか分からない状態で敵を待ち受けるよりも、敵の居場所を突き止めておいたほうが、有利に戦闘できる。だから、居場所を突き止めることは必要だろう。
村人たちは、生贄や貢物を差し出しているから、オブリビオンの居場所を知っているはず。
「けど、村の人たちは、オブリビオンの強さに怯え、諦めきっている。だからみんなが居場所を尋ねても、簡単には答えてくれなさそうなんだ」
『今まで素直に従っていたから皆殺しにされなかった。今度も素直に従えば、皆殺しにされないだろう』
『逆らっても、オブリビオンの強さには絶対かないっこない』
と、思いこんでいるのだ。
村人たちからオブリビオンの居場所を聞き出すためには、誠意を込めて説得する、力を見せて猟兵ならオブリビオンが倒せると納得させる、等の方法があるだろう。
村の中や周辺を探索しオブリビオンの居場所を探すという方法もある。村人に聞くよりも、手間がかかるだろうが、手際よく動くことでカバーできる筈だ。
「村の中には小さい子供もいる。放置しておけば、その子供まで皆殺しにされちゃう。そんなの許せないよね?
みんな、オブリビオンを倒そう! そのためにも、オブリビオンの居場所を突き止めよう! どうかお願いね!」
ベッキーはオブリビオンへの怒りと、皆への信頼を込めて、そう言ったのだった。
支倉みかん
皆様、ご閲覧ありがとうございます。
支倉みかんと申します。皆様が素敵な冒険ができるよう、全力を尽くします。
ダークセイヴァーの辺境の村が、オブリビオンに皆殺しにされようとしています。
オブリビオンを退治するため、まず『オブリビオンの居場所を突き止めてください』
村人たちは、オブリビオンの居場所を知っているはずです。
でも、彼らはオブリビオンの力に怯え、諦めているため、簡単に居場所を言うことはないでしょう。
居場所を教えてもらうため、どうやって彼らの心を動かすかが鍵となるでしょう。
あるいは、村の中や周辺を探索するという方法もあります。
皆様の能力と個性を発揮し、この村を救ってください。よろしくお願いします。
第1章 冒険
『支配された村』
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POW : 強さを見せて村人を信頼させる
SPD : 村周辺の探索を行う、村人達と密かに接触する
WIZ : 会話や行動で信頼を得る、村人たちから情報を引き出す
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
レイラ・ツェレンスカヤ
まぁ!支配されているのね!
隷属しているのね!
レイラは従順な子はキライじゃないわ!
でもレイラ以外に従順なのはスキじゃないの!
だからレイラがあなたたちを解放してあげるわ!
だからオブリビオンの居場所を教えて頂戴?
レイラの力を見せてあげればいいかしら!
血のめぐりは力のめぐり
レイラの槍はどんなオブリビオンが相手でもその血を流してくれるわ!
волшебство・громを見せてあげるわね!
近くの木や地面に槍を飛ばすわ!
血の槍が飛び交う様は、綺麗で華麗で、とっても強そうでしょう!
レイラの力は信じてもらえるかしら!
佐久間・嶺滋
一応田舎出身ではあるけどもまぁ、うん……別世界だもんなぁ。
一先ずは「旅人」として混ざっていこうかな、と。
こういうとこってしっかり人手として働いていくのが
重要だと思うんだよ。一宿一飯の恩義とかそういうのあるけどさ。
その後にゆっくりと、それとなしに訪ねてみたりな。
この辺りで【コミュ力】が使えれば良いんだけれど。
必要になったら猟兵としての立場を明かしていこうかな、と。
その場合は俺の他にも何人かそういう人がいるかもしれないから、
信頼できると思った人にはこっそりでもいいから
情報を伝えてあげて欲しい、とか。
……無論信頼されなかったらそれまでだから
怪しまれないうちに退散も考慮しとく。
メドラ・メメポルド
ええと、オブリビオンのお話、聞けばいいのね
ならメド、村のひとにお話聞いてくるわ
いっしょに聞きに行ってくれるひとがいるなら、ついてくよ
「安心して、メドはあなたたちにひどいことしないわ」
「ここにケガレがあると聞いて、やってきたのよ」
ケガしたひとや病気のひとがいるなら【生まれながらの光】でいやすわ
メドは……ええと、セイジョサマ?なの
ひとを癒したり、わるいものをとりさったりするのがお仕事なのよ
だから、こわがらないで
メドを信じてほしいの
……ええ、もちろん、メドひとりでは
たくさん相手に戦うなんてできないわ
だからね、つよい、たのもしいひとたちを呼ぶの
この村をきれいに戻すために、怖いひとの場所、教えてくれる?
メグレス・ラットマリッジ
SPD:村周辺の探索を行う、村人達と密かに接触する
彼らの絶望を照らす説得材料を、私は持ち合わせておりません。
せめて一刻も早く原因を取り除くことに尽力しましょう。
出入りが少なく、騎士と複数の亡者……なら足跡も相当目立つのでは?
もし道が整備されていないのなら猶更、大体の方角を割り出しましょう。
そこから可能な限り追跡しますが、絶対に見つからないように慎重に。
今の段階で襲撃されたら目も当てられませんからね!
同じことをする方がいるならうまく手分けしたいですね。
【絶望の福音】による未来視ができるなら、発見される未来が見えるまで追跡します。
●信頼を
旅人を装い村を訪れた佐久間・嶺滋が見たのは、痩せこけた人々。若者も老人も虚ろな目で作業をしていた。
その一人、荷車を引く老人に嶺滋は声をかけた。
「良かったら手伝うぜ?」
老人は戸惑っていたが、嶺滋が自分は旅人で、手伝う代わりに宿泊場所を教えてほしいというと、荷車を嶺滋に渡してくれた。
大量の荷が積まれたそれを、嶺滋は両腕に力を籠め運ぶ。
老人の手伝いを終えると、今度は倒れそうな農婦に代わり、鍬を振る。さらに、老女が運んでいた荷袋を担ぐ。
「有難うのう。しかし、兄さんみたいな人がこの村に来るとは珍しい事じゃ」
嶺滋のコミュ力と態度に心を許したのだろう、老女は笑いかけてくる。
嶺滋は、
「実は俺は猟兵といって、村の皆の為に来たんだ。俺の他に何人か来るかもしれない」
真剣な声で老女に告げる。
「信頼できると思った人には、こっそりでいいから情報を伝えてあげてほしい」
老女は不思議そうな顔。が、拒絶はしない。
嶺滋はまず村人の為に働くことで、老女や複数の村人の信用を得た。それは、今後の猟兵の情報収集に大いにプラスになるだろう。
●推論と調査
一方、メグレス・ラットマリッジは村の外周部にいた。
「他の方は、村人の信頼を上手く得ているようですね。では、私は私の方法で、原因を取り除くことに尽力しましょう」
木々に身を隠したメグレスは、周囲を警戒。安全を確認してから、村から北へ続く道へ。
「出入りが少なく、騎士と複数の亡者。なら足跡も相当目立つのでは? 整備していない道ならなおさら」
身を屈め、地面を慎重に観察。旅人らしき僅かな足跡はあるが、大勢が通った痕跡はない。
メグレスは移動を開始。迅速な動きで別の道へ行き、調査を続行。
だが。
村から外に続くどの道にも、不審な足跡は見つからなかった。
「おかしいですね……村外から村に入ったなら、必ず足跡がある筈です。これは……」
ボロボロのフェルト帽を被り直し、メグレスは思考を巡らす。
「村の外から来ていない……なら、オブリビオンは村の中のどこかにいる?!」
その結論に至れたのは、論理的な考えから調査を始めたからこそ。
手掛かりを手にしたメグレスは、走る。己の発見を皆に伝えるために。
●癒しと力
メグレスの調査結果を受け、猟兵達は村内の調査や聞き込みに注力し始める。
時間が経過し、メドラ・メメポルドとレイラ・ツェレンスカヤは、村人の家、足を負傷した若者の家の中にいた。
「ケガの人はいないかしら?」尋ねたメドラ達を、村人達が此処まで案内してくれたのだ。
素直に案内してくれたのは、先行した嶺滋が、村人の警戒心を解いてくれたからだろう。
傷ついた若者の足に、メドラはそっと触れる。
案内した村人達が見守る中、メドラは掌を淡く光らせた。【生まれながらの光】で若者を治療。
「傷が治った? 一体……」
驚く村人達。メドラは額に汗を浮かべつつ、
「メドは……ええっと、セイジョサマ? なの。ひとを癒したり、わるいものをとりさったりするのがお仕事なのよ」
淡く仄かな緑の眸を村人達に向け問う。
「この村をきれいに戻すために、怖い人の場所、教えてくれる?」
「怖い人……地下の騎士様? で、でも、地下の騎士様は恐ろしんだぞ。亡者だってっ」
震える村人にメドラは頷く。
「ええ。だからね、つよい、たのもしいひとたちを呼ぶの。だから、こわがらないで。メドを信じてほしいの」
顔を見合わせる村人達。メドラの真摯な説得に心が揺れている。
「まぁ!」レイラが声をあげた。
「これだけお願いしてもお話しないなんて、支配されているのね! 隷属しているのね! レイラは従順な子は嫌いじゃないわ!」
天真爛漫なレイラの声は、村人達の注目を集める。
「でも、レイラ以外に従順なのは好きじゃないの! だからレイラがあなたたちを解放してあげるわ! だからオブリビオンの居場所を教えて頂戴?」
レイラに、村人の一人が怯えた口調で、
「か、解放……し、しかし本当にそんなことが……」
「疑うなんて失礼ね! レイラの力を見せてあげればいいかしら!」
レイラは扉を開けた。外を向き、
「血の巡りは力の巡り。レイラの槍はどんな相手でもその血を流してくれるわ!」
волшебство・гром(イカズチノマホウ)を発動、数十もの血の槍で、家の外の樹を撃ち、地を穿つ。
「綺麗で華麗で、とっても強そうでしょう!」
ゴスロリの裾をひらり、レイラは村人達を振り返る。村人の多くが尻餅を搗いていた。
暫くし、その場の村人のうち、最年長の村人が口を開く。
「外から来た人々よ、あなた達の心と力を信じる。全部喋ろう」
年老いた村人は話しだす。村の一角にある家の地下に、異端の騎士と亡者達はいると。
大成功
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メグレス・ラットマリッジが敵が村内にいることを突き止め、佐久間・嶺滋が村人たちの警戒心を解いた。
メドラ・メメポルドが村人を真摯に説得し、レイラ・ツェレンスカヤが力で心を動かした。
猟兵たちの努力は実った。そして今、家の中で。年老いた村人が猟兵達に自分達が知ることを語りだす。
村の一角にある家の地下に、異端の騎士と亡者達はいる。
異端の騎士は、基本的に地下に引きこもり、ごく稀にしか外に出ない。
階段から地下に降りてすぐの広い部屋に、多くの亡者が立っている。異端の騎士の部屋に行くには、亡者の部屋を通らねばならない。そして、亡者達は騎士の許可なく入った者を殺害しようとする。
亡者は皆、異端の騎士に殺されたかつての村人。少年、老人、婦人……老若男女様々な個体がいるが、皆一様に松明を持つ。
「儂の孫も、去年、殺され亡者にされた。身勝手な願いじゃが、頼む。儂らを助けてくれ!」
暫くして、グリモア猟兵、ベッキーの元に猟兵たちは再合流した。
「はろー! みんなのおかげで、敵の居場所が分かったよ! 有難う!
敵が外に出るタイミングは分からない以上、こちらから襲撃を行った方がいいと思うんだ。
だから、皆、村の小屋から地下に行って!
まずは亡者たちを倒して、そしてその先にいる異端の騎士を退治してほしい。危険な任務だけど、どうかお願いね!」
ベッキーは一人一人の目を見つめ、激励するのだった。
第2章 集団戦
『篝火を持つ亡者』
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POW : 篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
イラスト:トギー
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●群れる亡者
それぞれの活躍でオブリビオンの居場所を突き止めた猟兵は、オブリビオンを倒すため、村の一角にある目立たない小屋へ侵入する。内部にある幅広の階段を降りた。
階下から強烈な死臭。常人なら吐き気を催すそのにおい。猟兵はさらに階段を降りた。
降りてすぐの扉を開ける。ギィ。錆びついた音。
そして目にしたのは、大量の炎と亡者。
広い部屋の中に亡者の群れがいるのだ。
かつて老人だったもの、少年だったもの、女だったもの、男だったもの……老若男女様々だった彼らは、今は全て亡者。腐った体にローブを纏い、篝火を手にしている。
亡者の群れは猟兵に体を向け、篝火を構える。彼らを倒さずに、先に進むことは出来ない。
メグレス・ラットマリッジ
【SPD】粗末なアンデッドに対しては、良い感情を持ちません。
かわいそうに、今に解放してあげましょう。
屋内に多数の敵ということで、範囲攻撃での一掃を狙います。
UCは血を這う無差別の電撃、使用する時は離れるか飛ぶように声を掛けます。
亡者のUCによって回避されることは前提、逃げ場は空中にしかないのだからこれで他の方も攻撃を当てやすくなるでしょう。
UCはこちらの注意が薄い時に、なるべく敵の中心で発動します。ミイラ取りがなんたら……なんて笑えませんからね。
●敵群の只中へ
地下に侵入した猟兵達の一人、メグレス・ラットマリッジ(襤褸帽子・f07070)の赤茶の瞳は、今は憂いを帯びているように見えた。腐ってなお動く亡者達へ、呟く。
「かわいそうに、今に解放してあげましょう」
メグレスの視線の先で、亡者たちの先頭の数体が篝火を猟兵に向けた。
その際に出来た隙をメグレスは見逃さず、前進。揺れる白のウェーブヘア。
牽制のため【雷杖(低出力)】を一振りし、さらに前へ。先頭の亡者の脇を抜け、群れの只中に。
「皆さん、下がってください!」
仲間へ声を張るメグレス。
亡者数体が篝火を掲げた。【篝火の影】でメグレスの動きを予想しようというのか。
が、メグレスは攻撃を躊躇わない。床に掌を付け、
『ゴートゥヘル!!』
【地縫雷撃(テリブル)】を発動。地を這う電撃で広範囲の亡者たちを襲う!
篝火の影を使用した亡者は、跳躍し回避を試みる。が、腐った足では満足に跳べない。数体が電撃をよけきれず、甚大な被害を受けた。回避できた亡者も、多くが態勢を崩している。
メグレスは己の姿勢を立て直しつつ、他の猟兵達に要請。
「今のうちに追撃をお願いします!」
成功
🔵🔵🔴
メドラ・メメポルド
ひとりで戦うのはとくいでないの。
だから誰かについてくわ。
腐ったお肉の臭いがするわ。
メド、腐ったお肉はおいしくないから食べたくない。
……でもお残しするのはもっといけないことだから、
ちょっぴり頑張って食べるね。
【ブラット・ガイスト】
わたしの血を、わたしに刻まれた聖痕へ撫で付ける。
ええと、なんだっけ、わたし、ホショク……状態?になるのよ。
青い月が赤くなったら、わたし、とてもお腹が減るの。
でもこんなにいるんだもの、きっとお腹も空きすぎたりしないわ。
一欠片も残さずぜぇんぶ、いただきます。
……だいじょうぶ、味方のひとは食べないわ。
でも、よかったら、へろへろだから、
ちょっとだけメドに血をちょうだい。
●いただきます
腐臭の満ちた地下の部屋。
仲間の電撃に撃たれ、また体勢を崩す敵を見、メドラ・メメポルドは悲しげな顔をした。
「メド、腐ったお肉は美味しくないから食べたくない……でもお残しするのはもっといけないことだから、ちょっぴり頑張って食べるね」
メドラは指から血を垂らす。その指で聖痕【La lune】をなぞる。青い月を赤に。【ブラッド・ガイスト】
「わたし、とてもお腹が空いたの」
発した言葉に、いつもと違う一人称。
亡者達に、メドラはゆらゆらした動きで近づく。ゆららら。
敵数体が態勢を立て直す。炎がメドラへ飛ぶ。
メドラは火傷を負う。が、止まらない。一体の亡者の腕を、メドラはしっかり掴む。唇をゆるり動かし、
「ぜぇんぶ、いただきます」
そして、音。
数秒経たず、メドラは一体を肉片すら残さず『消滅』させた。別の一体を掴む。先程と同じ音。また音。音。
多くの亡者を消してから、メドラは動きを止めた。疲労と負傷にふらつきつつ、仲間を振り返る。
「……だいじょうぶ、味方のひとは食べないわ」
メドラは直前の仲間の攻撃にも助けられ、敵の四分の一強を倒した。が、なお亡者は多い。篝火が、バチッと鳴る。
成功
🔵🔵🔴
シャルロット・ロンドルセル
【POW】
「義によって助太刀するわ」
戦闘音を聞きつけ、戦いの場に現れる。
「亡者たちよ、貴方たちを解放する」
黒剣を抜き、斬りかかる。
高い生命力吸収技能に物を言わせ、手傷を受けると弱った亡者を屠って確実に数を減らしながら回復する。
頃合いを見てUC発動。
「仮にこれを予知出来たとして、この数の攻撃を、正しく避けきれるかしら?」
斬撃舞踏。攻撃回数を重視して二刀流となり、優雅に舞うように無数の斬撃を浴びせていく。
「眠れ、亡者よ」
剣に付いた血を振り払い、呟く。
●優雅にして無数
シャルロット・ロンドルセルの赤い瞳の前で。数を減らした亡者達は、しかし一切怯まず炎を飛ばしてくる。
炎は、シャルロットの肌をも焼いた。激痛。が、シャルロットは痛みを顔に出さず【黒剣・幻妖華】を抜く。
「亡者達よ、貴方達を解放する」
床を蹴る。敵との距離を詰めた。黒剣を振り、ローブと腐肉を裂く。
シャルロットは生命力を吸って炎に耐え、攻撃を続行。
目前の数体が斬撃に動きを鈍らせたと悟ると、
「予知の技は知っているわ。けれど仮にこれを予知出来たとして、この数の攻撃を、正しく避けきれるかしら? ――『踊れ』」
【斬撃舞踏(スラッシュロンド)】を発動。血液より作成した剣と黒剣をそれぞれ両手で握る。
とん、ととんとん。舞踏の如き足捌きで移動。体を捻り、斬撃! 横一文字に斬り、袈裟懸けに斬る。二剣による、絶え間なき連撃!
亡者はなお抵抗する。放たれる炎にあかあかと照らされながら、シャルロットの二剣は着実に敵数を減らしていく。
一体、また一体、と倒れる亡者。剣に付いた血を振り払い、シャルロットは呟いた。
「眠れ、亡者よ」
大成功
🔵🔵🔵
レイラ・ツェレンスカヤ
まぁ!とっても臭いわ!
うふふ、ドキドキするわね!
乾いた血と腐った肉の匂い!
レイラは嫌いじゃないわ!
でもレイラたちの邪魔をするなら倒さないといけないかしら!
腐った身体からじゃ、綺麗な血が出ないのは残念だけど。
волшебство・гром!
どれだけ数が増えても、レイラの雷はその一切合切を貫くのだわ!
うふふ、たくさんの人になぶられるのも痛くて苦しくて、嫌いじゃないわ
でも、一人でたくさんを人を倒してしまうのも、美しいものだと思わない?
●起き上がる亡者と雷
猟兵の活躍に、次々倒れる亡者。その亡者の数体が、
むくり。
立ち上がる。亡者達が【新たなる亡者】を倒れた同類に行使、操り、再び戦闘可能にしたのだ。数を回復した亡者達は猟兵へ殺到。
レイラ・ツェレンスカヤは、近づく亡者の腐った顔を覗き見、はしゃぐ。
「まぁ! とっても臭いわ! ドキドキするわね! 乾いた血と腐った肉の匂い! レイラは嫌いじゃないわ! でもレイラたちの邪魔をするなら倒さないといけないかしら!」
レイラは闇の外套を翻し、血槍チェルノボグを一閃。槍で亡者達の篝火を払った。そして、
「【волшебство・гром】!」
宙に赤い鎗が出現。数は八十。鮮血の槍はレイラの意に応じ、亡者達へ降る。
【新たなる亡者】で立ち上がった亡者達の動きは、鈍い。レイラの槍の雨が、その頭部を貫き、胴に穴をあけた。再び立てぬよう徹底的に破壊。
「どれだけ立ち上がっても、レイラの雷はその一切合切を貫くのだわ! でも綺麗な血が出ないのは残念かしら!」
敵の一手【新たなる亡者】を無効化し戦局を有利に導いたレイラ。レイラは笑う。とびきり楽しそうに。
成功
🔵🔵🔴
揺歌語・なびき
情報を手に入れてくれた皆の想いに報わないとね
鼻をつく腐臭に顔を歪める
ああ、皆死んでしまったんだな
大丈夫、おれがちゃんと、殺してやる
SPDを活かして素早い動きを
迷わず敵陣に突っ込んでなるべく複数の敵をひきつけ
かなりの数を範囲内におさめた所で人狼咆哮
【2回攻撃】【傷口をえぐる】【恐怖を与える】を活用
血を吐くように咆哮しては、亡者に真の眠りを
敵の攻撃には【見切り】でうまくかわそうか
君達に怒りはない
ただ、嘆く姿が哀れだと思うよ
大丈夫
君達をオモチャにした奴を、殺してやるから(ふわりと笑う
●地下に響く咆哮
亡者達の数はもはや遭遇時の四分の一程度。
揺歌語・なびきは顔を歪めていた。
「大丈夫、おれがちゃんと、殺してやる」
表情を消し、亡者の群れへ突き進む。
亡者達は篝火を振り回す。その篝火になびきは拷問具をぶつけ、防御。
突然、上体をそらす。飛んできた炎を見切り、回避したのだ。
なびきは暫く回避に専念。
数分後。亡者達が己を囲んだのを桜の瞳で確認すると、元は子供や大人だった彼らへ、
「君達に今、真の眠りを」
そして、なびきは吼えた。
己の両拳を、爪が食い込むほど強く握り、声を轟かす。【人狼咆哮】
咆哮の中、亡者達の動きが止まる。ダメージを受けていた亡者の傷が広がる。数体が、篝火を落とした。
なびきは、さらに吠える。喉が裂け血を吐いても構わないとばかり。
響く咆哮の中、亡者達が一体、二体と倒れていく。
なびきの声は、亡者達全てを完全に沈黙させるまで続いた。
戦闘が終わり。なびきは、もう動かない亡骸の前に跪く。
「君達に怒りはない。……大丈夫、君達をオモチャにした奴を、殺してやるから」
なびきはふわりと笑い、立ち上がる。
広間奥の扉をあけ、その先の通路を仲間と共に走る。
奥にいるだろう異端の騎士を、殺すために。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『異端の騎士』
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POW : ブラッドサッカー
【自らが他者に流させた血液】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【殺戮喰血態】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : ブラックキャバリア
自身の身長の2倍の【漆黒の軍馬】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ : フォーリングローゼス
自身の装備武器を無数の【血の色をした薔薇】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
イラスト:神手みろふ
👑17
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
メグレスの電撃が、メドラの殺戮捕食体が、シャルロットの剣技が、レイラの雷が、なびきの咆哮が、立ち塞がる亡者たちを、全滅に追いやった。
だが互いの健闘を称えあう時間はない。猟兵達は通路を駆け抜け――最奥の扉に辿り着いた。
扉を開く。
亡者達の部屋と同じく、広い部屋。奥には、玉座。そこに、黒い全身鎧を着た騎士。
「入り口には亡者達が居た筈だが? ……ああ、お前達が倒したのか」
低い男の声。
「最近、ことに退屈でな。仕方ないので、村人を全滅させようと思っていたところだ。それでも、退屈は晴れなかったろうが。
せっかく来てくれたのだ。村人の前にお前達を殺そう。
お前達は俺の退屈しのぎになってくれるか? フハハハハハハハハハッ!!」
耳障りな声で笑い、騎士は立つ。
騎士は長剣を鞘から抜く。騎士の身よりも長い刃、その切っ先が猟兵達に向けられる。
メグレス・ラットマリッジ
『人に向けた刃は、いつか自分に刺さることになります。心を改めるつもりはありませんか? 』
説得されるとは思っていません。しかし、一度言葉を投げかけてみます。丸く収まるのならそれに越したことはない。
剣を納める気がないのなら遠慮なく、確実に殺すことを目的に戦います。
接近戦を挑み武具の行動阻害技能で隙を作り、ここだという所で高出力の雷杖を叩き込みます。
UCは相手のUCを封じるように、特にブラックキャバリアに対しては騎手を引きずり下ろす為に使いたいです。
他の猟兵に力を貸すこと借りることにも躊躇はありません。
無事に終われば、亡者のお墓を立てます。せめて安らかに眠れるように。
メドラ・メメポルド
あなた、美味しくなさそうね
鎧だからとか、そういう意味ではないのよ
メドの血肉にしてあげたくないの
だから、食べてあげないわ
たたかうのは、得意でないわ
でも、いきるためには必要だもの
あなたの攻撃を避けながら、あなたの隙を見つけるわ
【あなたのために注ぐ毒】
そして、毒をあげる
メドは毒使いなの
くらげの腕からちくりと、あなたへ捧ぐわ
メドがあげるのはみっつ
痛みを忘れる、やさしい毒
幸せをあげる、あたたかな毒
そしてね、それを、ぜぇんぶ奪う毒
あなたが誰かに注いだものよ
……ねえ、あなたはどんな気持ちなのかしら
村のひとの心はわかった?
逃げたくなった?救われたくなった?
わかったなら、食べられないまま苦しんで、腐っていってね
●枷と毒を
剣先を突き付けられても、メグレス・ラットマリッジは冷静な顔。まっすぐ騎士へ問う。
「人に向けた刃は、いつか自分に刺さることになります。心を改めるつもりはありませんか?」
「刃で殺すのが嫌か? なら轢死でも良いが」
返事は嘲笑交じり。メグレスは対話は無駄と悟る。口を閉じた。
メドラ・メメポルドがゆぅら、メグレスに並ぶ。緑の眸で敵をじいっ。
「あなた、美味しくなさそうね。メドの血肉にしてあげたくないの。だから食べてあげないわ」
海底の昏さを感じさせる、メドラの声。
「なら俺がお前の血を啜ってやろう、退屈しのぎになッ」
騎士の腕が動く。放たれる、高速の突き。
メグレスは咄嗟に腕を振る。黒い手斧で剣を弾く。火花。
攻撃を弾かれた騎士は体を捻る。続いてメドラに切りかかる。
メドラは後ろに跳ぶ。刃を間一髪で回避。ふらんと揺れる首。
その後もメグレスは斧と雷杖で身を守り、メドラもくらげの勘を発揮し避け続けた。
が、騎士の攻撃は執拗かつ速い。
時が経つにつれ、二人は疲労していく。メグレスの額に汗。メドラの息も荒い。
好機と見たか、騎士が【ブラックキャバリア】を発動。黒の軍馬を召喚。
跳躍し騎乗する騎士。その時、
「この時を待っていました。騎乗してすぐは回避困難な筈」
メグレスは【咎力封じ】を実行。枷と轡を放ち馬上の騎士を拘束。
さらにロープを騎士の胴に巻きつけ、馬上の体を傾かせる。
「メドラさんっ」
呼びかけるメグレス。
メドラは呼びかけに応じ、くらげの腕を騎士へ伸ばす。
鎧の継目から【あなたのために注ぐ毒】を注入。
毒は三種。三種目が効力を発揮した時「っ!?」騎士が声にならぬ声。声には怒りと苦痛。
メドラは囁く。
「それはあなたが誰かに注いだものよ。……ねえ、あなたはどんな気持ちなのかしら。
村のひとの心はわかった? 救われたくなった?」
そして静かで強い意志を込め、
「わかったなら、食べられないまま苦しんで、腐っていってね」
騎士はメドラを兜越しに睨む。
その隙をつき、メグレスはロープで騎士を引く!
騎士は馬から落下。床が揺れ、召喚された馬が消滅。
耐え続け、一撃の機を伺っていたメドラとメグレス。戦術が功を奏し、騎士の技を無効化し、ダメージを与えた。
落とされた騎士は即座に立つ。拘束を振り解き、再び剣を構える。
肌に騎士の殺気を感じつつも、猟兵達は走る。次の一手を打つために。
大成功
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揺歌語・なびき
ああ…そうか
そんな理由で、虐げたのか(すっと目を細め
いや
誰かを傷つける理由なんてそんなもんだよな
ならおれも、お前を気兼ねなく殺せるよ(ひくりと笑う
咎力封じで騎士の行動阻害
ロープで軍馬の脚を縛り上げたら手枷に猿轡と続けよう
その嘶きも、お前の薔薇の色も嫌いなんだよ
【傷口をえぐる】【呪詛】【串刺し】【恐怖を与える】でダメージ増加
猟兵同士の連携重視
皆が攻撃しやすいよう【2回攻撃】と【援護射撃】で手数を増やすよ
支援はおれに任せて、アタッカーよろしく
軍馬の攻撃を【見切り】で躱そう
地に這いつくばって泣いて懇願しろよ
自分が悪かった、赦してくれって謝れよ
誰もお前を赦さないけどさ
赦されないまま、ここで死ねよ、なあ
●理由
揺歌語・なびきは、
「退屈、そんな理由で、虐げたのか。いや」
すっと細めた目、桜の瞳で騎士を見据える。
「誰かを傷つける理由なんてそんなもんだよな。ならおれも、お前を気兼ねなく殺せるよ」
ひくり。口元に浮かぶ笑み。
次の瞬間、なびきは銃の引き金を引く。
呪詛を込めた光線が、鎧を貫通!体液が散る。
騎士はなびきを睨み、
「小賢しき射手は、馬で蹴り殺す!」
再び軍馬を召喚。騎乗し、なびきに迫る。
嘶く馬の脚に、なびきは蹴られた。床に倒れる。
「がっ……その嘶き、嫌いなんだよ」
目を見開き、なびきは【咎力封じ】を実行。
ロープと枷と轡を放つ。ロープを馬の脚に巻き、轡を口に。
枷は外れたが、馬の動きが鈍った。
馬の追撃をなびきは床を転がり回避。
体をうつ伏せに。なびきは銃口を騎士に向け、射撃。
「這いつくばって泣いて懇願しろよ。赦してくれって謝れよ。誰もお前を赦さないけどさ」
さらに撃つ。容赦なく連射。
「赦されないまま、ここで死ねよ、なあ」
最初に命中したのと同じ場所を、光線で抉った。
馬上で揺らぐ騎士の体。致命傷には遠いが、効いている。
さらに攻撃をと、なびきは視線で仲間に要請。
成功
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レイラ・ツェレンスカヤ
うふふ、うふふふ! チャンスね、チャンス!
レイラはこのときを逃すほど愚かではないのだわ!
血を扱うのはあなただけではないかしら!
実はね、レイラも得意なのだわ!
血槍チェルノボグは敵の血も、自分の血も力に変えるの!
その鎧ごと、レイラが打ち抜いてあげる!
痛くて苦しい素敵なダンスの始まりかしら!
うふふ、ふたりとも倒れるまで血を流しあいましょ!
●血と血
「うふふ! チャンスね、チャンス!」
響く高い声。
ゴシック&ロリータの裾を揺らし、レイラ・ツェレンスカヤははしゃぐ。赤黒い槍【血槍チェルノボグ】を握り、馬上で姿勢を乱す騎士を、突く。
鎗は外れた。が、騎士の体勢をより崩させた。
騎士は落馬。だが即座に立ち上がる。
「ああ、お前が死ぬチャンスだ!」
長剣を振る騎士。刃がレイラの頬を掠め、ぽたりと血。
騎士の剣が長さを増す。レイラの血を吸ったのだ。
「うふふ、血を扱うのはあなただけではないかしら!」
滴る血を槍へ落とすレイラ。槍は血を吸収、肥大化。
槍が騎士を刺し、剣もレイラの肌を幾度も抉った。流血の度、凶悪化する槍と剣。
「なぜだ? そこまで傷ついてなぜ、笑う?」
「だって痛くて苦しいダンスは、とても素敵だもの! さあダンスのお礼に、鎧ごとレイラが撃ち抜いてあげる!」
騎士の問いに、レイラは笑みを濃くさせた。
踵で床をとんと叩き、【волшебство・пушка】。重い血の杭の一撃を騎士へ!
杭は騎士の鎧に穴を開け、肉を潰した。その背後の壁までを破壊。
「おのれ、猟兵めっ!」
騎士の怒声。鎧には大きな損傷。今の騎士に遭遇時の余裕は、ない。
大成功
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フィロメーラ・アステール
「もらったー! こいつをお見舞いしてやるぜ!」
必殺の【スーパー流れ星キック】をくらえー!
【ジャンプ】【ダッシュ】そして【気合い】の【スライディング】で【残像】が出るほどに加速!
そのまま相手を【踏みつけ】て【全力魔法】で光の【属性攻撃】を叩き込むぞ!
実の所、この技は相手を動けなくする方がメインの技だ!
ダメージはあまりないかもしれないが、動けない相手の上で踊る【パフォーマンス】でもして、味方を【鼓舞】して【勇気】を与えるのをオマケするぞー!
「モノの楽しみ方がわからないヤツは、どうあがいても退屈なままだぜ!」
お星様には娯楽なんか数えるほどしかない!
それで何億年も過ごしてきた!
まさに暇つぶしのプロ!
佐久間・嶺滋
俺は、あの村に微かながらでも残っていた希望や黎明を信じていた。
だからこそ、だ。
今を生きる誰かを傷つけるのならば、
過去は過去に。塵は塵に。
……オブリビオンは、殺す。
【暗殺】技能を使いつつ可能なら背後を取って【後ろの正面】を仕掛ける。
外れても【目潰し】や【恐怖を与える】ことを意識して、
相手に圧をかけて心を折るか混乱させれれば上出来……かな、と。
攻撃には常に【生命力吸収】も乗せることで、体力的な優位も得れれば。
●光と影
「殺してやる、お前らも村人も皆殺しだッ」
叫ぶ騎士を、佐久間・嶺滋の青い瞳の視線が射抜く。
「村には微かながらでも希望が残っていた。俺はその希望や黎明を信じた。だからこそ、それはさせない」
嶺滋の隣で、神秘の服を纏ったフィロメーラ・アステールはびしっと騎士を指す
「仮にそれができたって、退屈は晴れないぞ。モノの楽しみ方がわからないヤツは、どうあがいても退屈なままだぜ!」
言葉と共に接近する、嶺滋とフィロメーラ。その前で、
「花よ、敵を屠れ削れ葬れッ!」
騎士は剣を、無数の花びらに変化させた。鮮血色の花びらは、騎士の周囲を守るように飛ぶ。
「迂闊には近寄れない、か。なら――」
嶺滋は『影葬楔』を投擲。影の武具は花びらの隙間を掻い潜り、騎士の眼へと飛ぶ。
腕を交差させ、顔を庇う騎士。
その時、宙を舞う花びらの動きが鈍った。騎士の注意が逸れたからか。間髪入れず、
「もらったー! こいつをお見舞いしてやるぜ!」
フィロメーラはしゅーてぃんすたーしゅーずで空気を蹴る。残像が出る程のスピードで宙を移動。
緩慢な花びらを回避し加速。気合で加速。さらに加速。加速。加速! そして、
「スーパー! 流れ星!! キーーーック!!!」
足を輝かせ、騎士の頭部を踏みつけた。
隕石落下の如き轟音。広間全体が揺れた。
「か、体が……?」
騎士の困惑した声。
フィロメーラが与えた衝撃が、騎士の動きを封じているのだ。
騎士に乗り踊ろうとするフィロメーラ。
そのフィロメーラめがけ花びらが飛んでくる。騎士が意志で操っているのだ。
フィロメーラは慌てて花びらを避けつつ、皆に視線で合図。
合図を受け、嶺滋は走る。足音を立てぬ走法で。
今の騎士は衝撃で動けなくなっているうえ、フィロメーラが気を引いてくれている。隙だらけ。
故に、嶺滋は容易く敵の背後を取れた。
嶺滋は【後ろの正面】を実行。手を静かに動かし、
「今、お前の後ろにいる」
黒剣を一閃。超高速の一撃
「過去は過去に。塵は塵に。……オブビリオンは、殺す」
嶺滋の刃は、騎士の首に深く刺さる。
血が吹き出、騎士の体は仰向けに倒れた。
騎士は息絶えた。その体はボロボロ崩れ散り、塵になって消える。
●希望
「まあ! もうダンスは終わりなのかしら!」
血の付いた槍と床の血だまりを見比べ、こくん、首を傾けるレイラ。
嶺滋となびきは敵が完全に消えたのを確認
「おわり、だな」
「ああ……これで村の人が虐げられることもなくなったね」
構えを解く嶺滋。なびきも銃を持つ手を下ろす。
「おなかがすいたの……でもやっぱり、あなたは最後まで、美味しくなさそうだったわ」
腹部を抑えつつ、呟くメドラ。
メグレスは、
「……私は亡者になった方のお墓を作りに行きますね。せめて安らかに眠れるように」
騎士がいた場所に背を向けた。仲間たちもメグレスに続く。
村の隅に墓を作り終え、猟兵達は村を後にした。
村はオブリビオンの支配から解き放たれた。もう、理不尽な殺戮もない。家族が亡者に変えられることもない。猟兵が村に希望をもたらしたのだ。
「みんなお疲れだぜ!」
フィロメーラはねぎらいの言葉を皆にかける。とびっきりの笑顔で。
大成功
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