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超悪ショタオシオキ的な？

作者：硅孔雀

●イチャイチャカップルでたらめ花言葉で滅茶苦茶事件
　アタシはヒューチャーキマイラ世界で暮らす一般ＮＰＣ娘。
　ただいま失恋して超甘い物大食い中。ケーキめっちゃ甘い。
　失恋の理由は簡単。かれぴっぴＮＰＣ男が持ってきた花束をくれたの。
　今この地域では空前の花言葉ブーム。可憐とか、清楚とか、真実の愛とか素敵な言葉でイチャイチャ出来るかと思ったのに。
　貰ったピンクの薔薇の意味は『今日の晩御飯は鯖缶』
　白い百合の花の意味は『正直相手の香水がキツイ』
　そんでもって、アタシの大好きな黄色いマーガレットの花言葉は『さっきすれ違った子の胸がでかい』
　だって！動画でもＳＮＳでもそうあったし、皆もそうだって言うの！
　超最低！ムカつく！と、いうわけでかれぴっぴにビンタをかましてアタシの恋はお終い。はあ、甘い物めっちゃうま。ケーキめっちゃうま。

●悪ショタうぃず？？？
「バッカばーーーかだな！イチャイチャカップル滅茶苦茶にするの楽しいぜ！」
「恋人作るって年でもないのにはしゃいでいて楽しいのボス？」
「俺様は楽しければどうでもいいんだよ！メソメソ泣いてたお前の使い道を与えてやっただけ感謝しろよー！」
「いたい、アンカー痛い！でもそうね、イチャイチャしたカップルが可愛い方がいいって私とは別の物選んでたし、このままでいいかも……」
「だよなー。ってことで次の花言葉は何にしよっかなー『あいつ実は鼻毛はみ出てる』とか面白そうだぜ！ぎゃはは！」
「分かりましたボス。皆、作業の時間よー」

●いんぐりもあべーす
「つーわけで、これから皆にはキマイラフューチャーって世界に行って悪ショタを退治して貰いまーす。生意気通り越して悪ガキだわアレ」
　カバンシ・サフィリーン（ギャル系宝石人形（妹分）・f10935）はため息交じりに集まった猟兵達を前に、スマホの画面を見せつける。
『化粧が濃い、靴が泥だらけ、頭悪い…』
　そこには滅茶苦茶な言葉が並んでいる。
「これが今、キマイラヒューチャーのある区域で『花言葉』として流行ってる単語。っていうかさっき言ってた悪ガキのオブビリオンが流行らせてる」
「名前はパスト・フォーサイスっていって、くっだらない事をしたがる悪ショタ。そいつが花言葉を考えている光景を予知したわけ」
　人類滅亡後の地球？らしき惑星の人類の遺したポップなサイバーパンク都市に、何らかの理由で生き残ったキマイラ達が楽しく暮らしているキマイラフューチャーの世界。
　その地域も当然みんなは面白おかしく、愉快に暮らしていた。そしてカップルたちの間では花言葉でお互いの気持ちを確かめ合いイチャイチャするブームが起こっていた。
「そのブームの中で悪戯を思いついたって所ね。しかもこいつ、手下まで作って動画とかＳＮＳで一斉に滅茶苦茶な花言葉を広めたもんだから皆信じちゃってカップル大崩壊。マジ最悪」
「とりま、うーん『でたらめ花言葉』に対しての対処が必要かな」
　指を折りながらカバンシは方法を考える。
「亀裂の入った彼氏彼女に本当の花言葉を教える、花言葉以外の流行を作る、そもそもでたらめな花言葉を誰が流したのか根源を探る……がいいかも」
「つーわけで、悪ショタには猟兵がオシオキ、って事で！」

第1章 冒険 『幸せの花言葉』

POW   :    本当の花言葉を教える SPD   :    花言葉以外の流行を作り出す WIZ   :    でたらめな噂の根源を探る 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

【つくしではなくマーガレット】
　黄色と紫のツートンカラーのアイ・キャンディ（顔のモニタは広告用・f06686）はとことこと事件の現場になっている地域を歩いていた。どこからかビンタの音が聞こえれば、喧嘩の声も聞こえる。
「……信じる方も信じる方かなぁ」
　アイは確かに、でたらめ花言葉で事件が起こっていることを理解する。騙されて喧嘩別れなんて悲しい、女の子が泣いているのであれば寿命が減るとはいえ助けにはなるかもしれない。
「よりが戻るかはわからないけど、できることはしてあげよう」
　公園のベンチに座っていた女性の元に駆け付けると、ちょっとそこのお姉さんと声をかける。その手にはマーガレットの花。
「うちが今から、楽しい動画を見せるね。この顔、動画が見えるです」
　ブルーライトはカットしてあるから、長時間の視聴でも目が疲れないよ、という言葉に興味を示した女性はアイの顔をじっと見た。
　アイのユーベルコード：明日を生きる糧となれ（デリバリームービーチョイス）が発動される。画面にはお金持ち学校に転校してしまった少女がイケメン金持ちな少年達と恋に落ちるドラマ、そして一番人気なお菓子っぽい名前のイケメン役の演じた俳優のアレコレな会見画像が映し出される。
「あ、これごめん関係ないや」
「は、はあ…」
　画面が移り変わり、クライマックスのシーンらしき場面が映し出される。一面のマーガレット畑で二人はデートをしている。
『黄色とピンクのマーガレット……綺麗』
『美しい容姿、そして真実の愛が花言葉として込められているんだって』
『え……？』
　男は彼女の左手をとると、その白いマーガレットの指輪を嵌めた。
『そして、白いマーガレットは、秘めた愛と信頼。僕を信じくれてありがとう。これが、答えだよ』

「……めっちゃ泣けます。このマーガレット『アイシャドウがパンダみたい』って意味じゃなかったんですね」
「うん、そうだよ！」
　女性はスマートフォンにアイから見せられたドラマと、マーガレットの花言葉をＳＮＳで拡散する。
　いっぱいいいね！が付いたとスマホを見せたアイはにっこり笑う。
　己の寿命と引き換えに女性の笑顔を救った真のイケメンはアイであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

【マーガレット被りは想像してませんでしたすいません】
　鈴木・志乃（ブラック・f12101）は激怒した。必ず、かの糞ガキ悪ショタをオシオキせねばと決意した。オレンジ色の瞳に灯るのは怒りの炎。オラトリオとして髪に咲くマーガレットの花。
「私の花が『アイシャドウがパンダみたい』だと……」
　出てこいガキ共ー！！あたしはすっぴんじゃー！！とピキピキしながら動画を作成し始めた。
【真実】【花言葉】【でたらめな言葉に騙されないで！】【花】とタグをつけ、サムネイルにはオラトリオの猟兵達（自分は載せなかった）
「タグはこんな所でいいし、このサムネだったら誰でも見たいと思わせられる。あ、有名なあの人にリプすれば見てくれるかもしれない。拡散希望もいれてと……」
　鈴木の配信した動画の中では、様々な綺麗な花を髪に纏い、戦うオラトリオ達の姿があった。そして、最後には登場したオラトリオの花について、その正しい花言葉の一覧を載せる。
『この人達の花の花言葉ってこんなに綺麗だったの？』
『猟兵達のイメージダウンとか最低。高評価つけます』
『ガセネタ流したのどいつだよ！』
『投稿者のブラックさんありがとう！』
投稿者コメントに書いた
『オラトリオは髪に花が生えている種族。なぜ彼らは不名誉な花を隠さないのか？それは、正しい花言葉はこうだからだ！』
『嘘の花言葉は彼らに対する種族差別になりうる。もしかすると怪人が猟兵のイメージを下げる陰謀かも……』
　という言葉も視聴者にとっては心に響く言葉であったでようだ。
　いいね！の嵐を眺めながら鈴木は考える。
（キマイラヒューチャーは第二の故郷。絶対に許さないぞ悪ショタァ！）

『あの動画は嘘だよ。そんなことよりも失恋したらケーキだよ』
　というＳＮＳの呟きに鈴木の目が光った。

成功 🔵​🔵​🔴​

【ラブラブリバイバル！】
　灰色の髪が揺れる度、甘い香りが漂う。マルグリット・エーレ（秘せるフラクタル・f09722）は事件が起きている地域を歩いていた。
（成程、これは酷い）
　ベンチやブランコに腰を掛けて泣いている男の子たちの姿。
「そうね、せっかく破局したカップルが多いのであれば、仲直りするきっかけを流行らせればいいのよ」
　一方的に振られた男の子たちに起死回生の！今のカップルは、さらにイチャイチャを！その足は男の子ＮＰＣＡ男の元へと続いていった。

「僕はなんてことを……『マグロ漁船に乗ってろ』なんて花言葉の花を送ってしまったなんて」
　マルグリットは嘆いているＡ男の前に立ち、その肩を掴む。
「安心して、ラブラブリバイバルは絶対に起きるわ」
「え……」
　マルグリットは滑り台をコンコンと叩く。その右手にはおっきなグラスに注がれたジュース。そして、左手には
「カップル限定商品！一つの物を二人で食べたり飲んだりして、ラブラブを見せつければオッケーよ！」
　マルグリットはユーベルコード：秘せるフラクタル（オルターエゴ）を発動させる。衣装が微妙に違うもう一人のマルグリエットは笑う。
「こんなに可愛い私達で実践しまーす」
　ハート形、星型に変形したストローで向かい合う形でジュースを飲んでいくマルグリット達。
「あ、こ、これ素敵っす！」
　その時、涙で目を腫らした女性が駆け付けてきた。
「Ａ男！あの、さっきはごめんね」
「Ｂ子、花言葉なんかよりも素敵なラブラブカップルになれる方法を猟兵さんに教えてもらったんだ」
　ちょうどいいタイミングだと、マルグリットは今度はカワイイお菓子でデコレートされたパフェとスプーン二つを差し出す。
「一緒に食べたら、ながーくイチャイチャ。破局は元通り！」
　二人がいちゃいちゃとパフェを食べている光景を動画で配信する。
「ラブラブ度高まった？」
「はい、ラブラブです❤」
「猟兵さんありがとうございます❤」
　配信された動画のコメントには【なにこれ新感覚❤❤】【振られた俺も再挑戦してくる！】と並んでいる。
　でたらめ花言葉ブームをラブラブリバイバル、またの名をカップル限定商品ラブラブデート作戦が書き換えていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

【ラブラブリバイバル大陸！】
　マルグリット・エーレ（秘せるフラクタル・f09722）が街角でカップルに見せた『カップル限定の飲食を二人で分け合ってラブラブリバイバル動画配信』。その動画の拡散により、街中にはいたるところで男女が仲睦まじくジュースを飲みあっていたり、パフェを食べあったりしている。
「むふふ。さすが私、ヒットメーカーってやつね！カワイイだけでなくて、賢い❤」
賢く可愛いマルグリットは無表情ながら、どこか楽し気にステップを踏みながらその光景を眺める。
「ここはさらに、キマイラフューチャーをイチャコララブラブでデコラティブにしていきましょう」
　マルグリットの周りに甘い匂いが漂うのと同時に、どこからか音楽が聞こえてくる。

【もじゃもじゃのおじさんがメインテーマとしてバイオリンで音楽を流していそうな動画を想像してください】
――何故、秘せるフラクタルであるマルグリット・エーレは、カップルのイチャイチャにこだわるのか。
　スタッフの問いかけに、彼女はそれが当然であるように答える。
「え、なんで、そんなに他人のイチャイチャ好きなのって？だって、カップリングってそういうものでしょ！他人の幸せで飯が美味い！ってやつよ！」
　さらりと答えるそのプロ精神。我々スタッフはさらなる取材をしなければと交渉を始めた。
　我々スタッフが特別にマルグリットと共に行動していると、彼女はベンチに座ってパフェを食べているカップルに近づきはじめた。
「ラブラブですね❤」
「はい、配信された動画を見て、おかげで復縁できたんです❤」
「実はね、もっともっとイチャイチャな方法があるんだよ？」
男女が顔を見合わせると、マルグリットはカップルの男子の口元にパフェのクリームが付いていることを指摘する。慌ててぬぐおうとする彼の手を止め、マルグリットは微笑む。
「そう、甘い物二人で食べたら、こう色々お口周りにぺったりついてるものでしょ？」
　はい実演！その声と共にマルグリットのユーベルコード：秘せるフラクタル（オルターエゴ）が発動し、衣服が微妙に違うもう一人のマルグリットがそこに現れる。
　スタッフが事前に用意したパフェを彼女が一口食べる。その口元にはパフェの生クリームが付いていた。
「今度はお互いの顔についた生クリームやら、なんやらをね、こうね、唇的なあれでね、拭ってあげるのが今のマストトレンド！」
　可愛らしいドレスに身を包んだ少女が、同じ少女の唇の近くの生クリームをぺろりと舐める。その光景は、加工など一切せずともピンク色のオーラが漂っている。
　我々スタッフをはじめ、カップルはその光景から目が離せない。
「す、凄すぎます❤」
「ラブラブ最高です❤」
配信されている動画には『なにこれめっちゃエモい・拡散！拡散！・タマリマセンワー』とコメントが並んでいる。
マルグリット・エーレ、彼女こそ花言葉で苦しむこの地域の救世主かもしれない。
【もじゃもじゃのおじさんが奏でるバイオリンの音楽の中動画配信が終わる】

『何がパフェだ！こっちにだってスポンジの上にクリームがあるぞ！』
『切り分けられられるスイーツにもスイーツ権を！』
　スタッフから渡された動画に、でたらめな花言葉を書き込んだアカウントからこのようなコメントがあったとマルグリットに伝えられた。
「……ケーキ？」

成功 🔵​🔵​🔴​

【キマイラフューチャーにオンリーワンフラワーブーム再来】
　ラブラブリバイバルにより街中のカップルは皆イチャイチャを取り戻し始めた。しかし、動画の配信をチェックすることも忘れ取っ組み合いに発展しているカップルＮＰＣズを前に、遊馬・美湖（パワフルギャル・f12819）はため息をつく。
「あのさー第一何で花言葉なんのて信じてるの？ばかっぽー」
　キマヒュー最先端ポップスタイルな洋服に身を包む、滅びた世界では恐らくギャルと呼ばれていたような出で立ちの彼女の口から発せられた声に、ＮＰＣズは振り向く。殺気立っていた。
「なによこのガキ！このあたいに『髪型が２世代前くらい古い』なんて花言葉の薔薇をくれてきたのよ！」
「い、いや、そっちこそこの間のデートのお返しって『いつもズボンの裾から靴下が見えてる』とかいう花言葉のパンジーを持ってきたんだろ！」
　あまりにも低レベルな、何で本当それ信じたのがミコにはわがんね的な花言葉の羅列。
「花言葉なんて、国とかその時代とかで大衆の好き勝手で変わるやつじゃん。だいいち人を嫌な気分にさせる流行って何？笑っちゃうんですけどー」
　ここは花言葉ではなく、花自体に目を向けさせる必要がある。そう考えた。
「第一さ、お花って花束で送るのもいいけど、ちょい貸して？」
　遊馬はカップルの座っているテーブルに置かれた花をそれぞれ一本ずつ抜き出し、　器用に編み合わせ花飾りを作り、自身の頭に飾る。色とりどりの花が黒髪の中、咲き乱れている。
「ほら見て見て、チョーかわいい♪真の流行っていうのは、いつの時代だって人をハッピーにするものじゃん☆」
　花言葉なんて国とかその時代とかで大衆の好き勝手で変わるやつだし花自体の美しさが重要じゃない？、と付け足すとＮＰＣズの間から殺気が消えたように感じた。
「なにその花飾りめっちゃ可愛い！えーこれ映えまくりじゃん！」
「でしょー？人を嫌な気分にさせる流行なんて笑ってやり過ごすのがここの流儀じゃん。スタイルじゃん」
　
　面白おかしく楽しく。キマイラフューチャーの住民達のソウルに刻まれたヒューチャーポッピングスタイル。
「……そういわれると、そうだよな。なんであんな変な言葉信じてたんだろ」
「なんだっけ、クリスマス？そんな感じのイベント過ぎたあたりからＳＮＳで流行り始めていたんだよねダーリン❤」
「そうだねハニー❤そういえばあまり流行りそうにないケーキ出てくるあのビルに、やたら人が出入りしていた時期でもあったねハニー❤」
　イチャイチャを取り戻したＮＰＣズから伝えられた情報。遊馬はそれを整理しながら、オンリーワンフラワーの精神でねーとＮＰＣズに手を振り場を後にする。
「このＳＮＳアカウント……クリスマス・ケーキングビルって読むのかな」
　手にしたスマホからＳＮＳサイトをチェックする。

『クリスマス・ケーキングビル：花言葉なんてクソ！つまり花よりケーキだよケーキ！皆ケーキ食べて！』

大成功 🔵​🔵​🔵​

第2章 集団戦 『売れ残ったクリスマスのケーキ怪人』

POW   :    恨みのローソク 【ケーキの飾りのロウソク 】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤い】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。 SPD   :    ふかふかボディ 自身の肉体を【スポンジケーキ 】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。 WIZ   :    生クリームブラスト 【両掌 】から【生クリーム】を放ち、【ベトベト感】により対象の動きを一時的に封じる。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

【クリスマス・ケーキングビルでのしとー】
　カタカタ。カタカタ。ビルの一室でまるで働いているかのように端末を並べ、同じ顔、同じ匂い、同じ甘さがしそうなケーキ達が並んで画面に目を向けている。
「これも全てはおいら達を売れ残りにした罰だ……」
「苦しめ……そしてケーキ買え……」
　売れ残ったクリスマスのケーキ怪人は猟兵達の気配に気が付くと、一斉に振り返る。

「あ、お前らのせいで花言葉ブーム終わったじゃねーか！」
「こっちは売れ残ったら速攻オワコンブームが定着してるんだぞ！」
「ケーキ買え！無料でもいいから食え！」
　迫ってくるケーキの群れ。それはどこか悲し気な光景でもあった。


【猟兵配信～でたらめ花言葉の元凶怪人を倒しに行く～】
「……どうも」
　でたらめな花言葉でイチャイチャを滅茶苦茶にされたカップル達は配信タイトルを見て我先にとＵＲＬを拡散していく。画面には黒キャップ帽をかぶった少女が映し出されていた。少女キャップを脱いだ。その黒髪に咲くマーガレットの花、凛とした美しさに【女神降臨ｗｋｔｋ】【もっと脱いで！】と色々コメントが流れる。
「こんにちは、嘘の花言葉を流されて ま こ と に 遺憾の意な【ブラック】です。破局させられかけた皆さんの分まで、恨みを晴らして来るので、同じく怒り心頭な皆さん、応援よろしくお願いします」
　ぺこりと頭を下げ、長い鎖を手に取った少女はビルに向かって駆けだす。
「まってろ怪人～～ッ！！」
　鈴木・志乃（ブラック・f12101）の叫び。【ぶっころせ！】【ブラック女神鎖でオシオキタイム！】とコメントは増え続けていった。

目立たない黒パーカーでビルの入り口に入った鈴木は、３人の売れ残ったクリスマスのケーキ怪人が階段の踊り場付近で休憩しているのを発見した。
「なあ、俺達売れたか？」
「……売れてないよなあ」
「あの猟兵達のせいなのか？それとも、そもそも俺達に魅力がないのが」
　彼等のボヤキから感じ取れる哀愁。半額シールが悲しく輝く。しかし、慈悲などない。
視角から『光の鎖』をスズキは投擲し、３人……３個のケーキをまとめ上げる。
「なんだなんだ！まとめてお買い上げか！？」
「こんにちは。そんなわけありませんよ。ってことで貴方、いや貴方達は恋人達の心を破壊し、この世界を害しました。罪を償え！！」
　ユーベルコード：聖者の裁判（セイジャノサイバン）が発動し、聖者ブラックのオーラが怪人達を照らす。
「眩しっ！これ位眩しい中でケーキ食え！」
　怪人の１人が全身をふっかふっかなスポンジケーキへと変貌させ襲い掛かる。
「誰が食うか！私のこの花を侮辱しておいて何様だこの売れ残り―！」
　攻撃を加齢に避けながら裁きの言葉、即ち売れ残りに対する審判を下す。
「花言葉を滅茶苦茶にした罪、許せん！」
　マイクで増幅された衝撃波が、１個だけではなく２個の怪人達を壁に叩きつけた。
「な、なんで俺達は大きくなれないんだ。ケーキ食ってくれないのか？」
「そうだ、お前らのせいで俺達はあんな餓鬼と一緒に」
　気絶した怪人を前に鈴木に懇願するように迫る２人怪人達。マイクを持ち直し、鈴木のアンサーが決められる。
「売れ残ったのと！他人の幸せを滅茶苦茶にするのは別！風評被害の責任取れー！！！！！！」
　衝撃波により完全に消え去った怪人達。
「……というわけで、売れ残ったクリスマスのケーキ怪人達が犯人でした」
　鈴木の聖者スマイルにコメントはＧＪといいね！の嵐で覆い尽くされていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

【ラブラブ女神さまのご褒美タイム】

「おい！猟兵達が入ってきたぞ！迎撃態勢準備！」
「試食コーナー作りました！」
　あわただしく動き始める売れ残ったクリスマスのケーキ怪人が６人。
「あら、試食なんて最初からしないわよ」
いつの間にか入ってきたマルグリット・エーレ（秘せるフラクタル・f09722）が自然に会話に混ざる。
「猟兵来るの早いって！半端ないって！」
　焦る怪人達にマルグリットは優しく微笑みかけた。
「かつては、恋人たちの甘いクリスマスを彩った者たちよ…あなた達の役目は悲しませることではない…イチャコラさせるためのもの」
その口から紡がれる甘い言葉、ラブラブ女神様のオーラに涙目の怪人達の目が❤になる。ケーキはすばらしいもの。わかるわ。私がカワイイのと同じくらい世の真理。女神の声に怪人がまた一人、また一人と膝をつく。
「大丈夫です、その美しき生クリーム。全て食べ尽くします❤」
　怪人達は今度は涙を流した、それは悲しみではなく嬉しさからくる涙だ。
「それでは感謝の気持ちを込めて、女神様に生クリームブラスト発射！！！！！！」
　１２本の腕から飛び出す生クリーム。通常であれば顔とかあそことかにかかり、べとべとでいやーんと疑似的な何かを想像できるご褒美タイムであったが
「こ、この御方」
「全部、いやーんクリームが口にーとか言わずに全部食べられた……」
　ごちそうさまでした❤ぺこりと衣服や肌に一切の汚れもなくマルグリットは礼をする。そして、そっと怪人達に手を伸ばす。
「ああ、女神様❤」
　その手に縋り付いた怪人達は一瞬にして片手で床に叩きつけられた。
「何故かという顔をしているので説明はしますね。だってだって女の子は甘いものでデキているから❤」
　戦闘中に甘いものを食べた生クリーム、甘い物の量と質によって反射神経、感度、そして戦闘力が増大していくユーベルコード：フードファイト・シュガーモード。
「女神様、な、なぜです？」
「甘いもので例える可愛い女の子からの答えです❤飴と鞭って知ってます？」
「えっとじゃあ……」
「今は鞭ならぬスプーンタイムです❤」
　ぶんぶんと空を切るスプーンを持った女神はニコニコと怪人に微笑む。ボコスカボコスカチャカポコチャカポコ。撲殺鏖殺滅殺という言葉では言い表せない、とりあえず段ボールの残骸が残っててよかったね状態のフロアがそこにはあった。

「あら、このパソコンまだ生きている」
　マルグリットはパソコンのモニターを眺める。
『クソ売れ残り共！俺様からの返事を無視するなー！！』
「……なんか、子供っぽい？」

成功 🔵​🔵​🔴​

【乙女の敵って事忘れてない？】
　猟兵達の活躍により、次々と倒されていく売れ残ったクリスマスのケーキ怪人達。
「第一クリスマス・ケーキングビルって名前自体ださいじゃん。そこからセンスないから売れ残るんじゃね？」
　混乱の渦の中、遊馬・美湖（パワフルギャル・f12819）は階段を上がっていく。どこを見渡してもケーキだらけな光景に、たとえあれが出来たてフレッシュな物であろうともいっぱい食べたら太るじゃん。
　というのが遊馬の出した結論であった。食べるならお金払ってでもおっいしーのが良いに決まってんじゃん。売れ残りとかゲロマズっぽいしぃとも付け加えておく。
「あ。つーことは、ここで目一杯カロリー消費すれば、後で美味しいもの食べに行った時にサイコーにハッピーポップになれるってことじゃない？」
　ミコも頑張れそー、とるんるんしていた所にゲロマズケーキたちが並ぶ。その数は４体。
「さっきから心の声もなんかしんないけど聞こえてたんだぞ！」
「そっちが金払ってくれなかったからこんな身になったんだよ！」
　悲しみの涙をさらに増して近寄ってくるゲロマズケーキ達。はあ？と遊馬は呆れながら攻撃態勢に入る。
「つーかそのゲロマズ生クリームで武器の手入れしたくないからとっととしてくんない？」
　ゲロマズの連呼に怪人達も黙ってはいない。罵られた怒り、売れ残りと散々連呼された怒り。全てが頭上の炎に集まりメラメラと燃え広がる。
「つーかそれ、ビルごと燃やしてね？」
「うるさい！多少フレッシュじゃなくても食える！俺たちの怒りを喰らえ！食え！」
「無理！同担拒否っつーか同腹拒否！」
　恨みのつまった、その頭上のケーキに悲しく突き立てられた飾りのロウソクが燃え上ったまま遊馬に襲い掛かる。
「はー仕方ないなあ……じゃあ、その炎消すっつーの！」
　遊馬のユーベルコード：灰燼拳により、彼女の黒髪の一本を焦がすことなく風圧で炎が消し飛ばされた。その拳の威力に怪人達は慌てて下がろうとするが超高速で放たれる灰燼拳を躱す術など持ち合わせていなかった。
「そーやってくすんくん箱の中で泣いてたから足腰弱ってたって感じ？」
　最後の一匹のスポンジ部分を拳で貫き、戦闘は終わった。
「んーこれは、マカロン１０個とティラミスもいける感じ！乙女の楽しみタイム増やしてくれてありがとねー」
　墓標として残された段ボール達には目もくれず、遊馬は歩み始めた。
「馬鹿と煙はなんとかっつーし、このビルの上にボスがいるっぽいんだよねー」
　そだよー。

成功 🔵​🔵​🔴​

【ラブラブ女神さまの登頂生配信】
　その身から漂うのは自身の女神オーラが発したものなのか、先程■■した売れ残ったクリスマスのケーキ怪人達の最期の意地なのか。兎に角甘い匂いを身にまとい、マルグリット・エーレ（秘せるフラクタル・f09722）は階段を上る。
「クリスマスを彩った者たちよ……乙女でスイーツ美少女の服を裂くとか非紳士的な行動をしなかったのは褒めてあげていいかな❤」
　売れ残り怪人をちょっとだけ褒めた所でマルグリットは考え、精神を集中させる。
「さてと、マルグリットの実況動画生配信のお時間でーす！」
　ここで問題です。マルグリットは動画撮影ドローンを召喚した。分速とか時速とかとにかく関係なしにドローンは、地面からアップでマルグリットを上空に浮かび上がっていきながら撮影を始める。マルグリットはスイーツ的な可愛らしさとフリルいっぱいのドレスを着用中。ドローンの風によってマルグリットのスカートが揺れた結果配信を見ていた男子の流した鼻血は何リットルであるか。
「……これ映ってる……やつ？……え、ちょ、ちょっと、だめ。そんなとこまで映したらだめ……❤」
　スカートを抑える姿もまた可愛らしく、鼻血の量がプラスされるものとする。
「カワイイ私をしっかりねっとり映してきましょ。美少女の活躍はいつ見てもいいもの❤」
　この問題を解いている間にマルグリットちゃんの大食いで１０体くらい逃げようとしていた怪人達、食べられていました。自分を食べてくれる女神によって文字通り昇天してしまったので本望だったかもしれないですね。
　さてマルグリットが階段を上がっていくと『おれさまのけらいのへや！』とへったくそな文字がでかでかと書かれたドアがありました。
「これはつまりボスの家来のボスの部屋。プチボス部屋って呼んじゃいます❤」
　スプーンでドアを力いっぱいフルスイング。プチボス部屋はどのフロアよりも大きく、沢山の怪人達が並んでいます。
「動画配信見てます！食べてください！」
「ここを突破されたら困るんだって！本当勘弁してくださいって！」
　口々にその思いを吐き出しながら、５体の怪人達がマルグリットへと迫っていきます。
「ねね、あっちの階段の上に親玉がいるんでしょう。食べてあげるから、ほらほら、あなた達を集めて回った親玉のこと教えて？ね❤」
　怪人達は知っています。彼女が生クリームを食べたら彼女が圧倒的な力を持って同胞を屠っていたことを。
「すなわち、我々ふかふかボディなスポンジには味がない！ははは、巨大パンチをくらえー！！！」
　甘くないスポンジは口直しにはいいかもしれないけど、それが彼らの売れ残りの原因だとは思ってなかったのかな。マルグリットはそんなことを思いながら、衝撃を武器のスプーンで軽く避けます。パソコンの部品や、部屋の備品の欠片が服を破きます。
「んもー、皆。こんな悪いことするケーキちゃんにはお仕置きだよね？」
　ドローン目線でウィンクするマルグリット。
【女神！女神！】【胸のあたり破けて！】とコメントが流れていきます。
「ははは！このまま一斉にパンチキックで女神さまに食べられ、じゃなくて猟兵を追い出すぞー！」
　一斉に襲い掛かってきた怪人達は、目にも止まらぬ速さでスイングされたスプーンで壁にべしゃっと叩きつけられました。その前には笑顔のマルグリット。
「あのね、サービスタイムっていうのは女神様にとっての最大のご褒美。皆のパワーがこもっているの❤」
　マルグリットのユーベルコード：ヒロインピンチ。自身が活躍や苦戦をする度衣服の破け具合によって武器や防具がパワーアップする。はいここテストに出ます。怪人達は自ら敗北フラグを立ててしまったわけですね。
「スプーンをクルクル。スイーツぱくぱく。ささ、貴方達、おしおきとおしえてどっちがいい？」
「ど、どっちも……」
「オッケー両方ね❤❤」
　ポコチャカポコチャカ。最後の一体が『あ、あのガキはただの悪戯で……』と呟いた所で消えていきました。

「んー。ボスは子供なんですか。というわけで、マルグリットの動画配信どうだったかな？」

成功 🔵​🔵​🔴​

【多分それが一番心に刺さる口撃だったと思います】
　くだらない花言葉ブームに便乗して、というよりもボスの作戦に協力しケーキを売り込もうとしていた売れ残ったクリスマスのケーキ怪人達。しかしその野望は猟兵達によってクリスマス・ケーキングビルごと終わろうとしていた。物理的な意味で。
「なんでだよ！ただ！ケーキ食べて欲しかったのに！」
「パフェやマカロン、昔はティラミスとも戦ったよ！最近もだけどさ！」
　ケーキ怪人達がさらに涙を流しているとボスボス部屋の窓がパリーンと割れた。
　怪人達が一斉にその方向を振り向くと、そこにはメカメカしい見た目のテレビウムが一体。
『ペットボトルロケット』と『エアスケートシューズ』を組み合わせて乗り込んできたアイ・キャンディ（顔のモニタは広告用・f06686）は言う。
「いくら傷心でもこの時期にクリスマスケーキは食べないんじゃないかな。うん、傷んでるよね。ケーキって一ヶ月保たないよね」
　アイの言葉に真っ青、にはならず真っ白なクリームを震わせる怪人達。
　こうして最終決戦、３０体のケーキ怪人が一斉にアイに襲い掛かってくる。
「え、分かってなかったの？」
　アイの画面からは食品衛生の安全性のＣＭが流れる。
【消費期限は期限を過ぎたら食べないほうがいいんですよ～♪賞味期限は開けてなければ美味しく食べられるって目安ですよ～♪】
　売れ残ったクリスマスのケーキ怪人、どっちもアウトであった。

「空中から攻撃するんだけどねうちはー」
　ペットボトルロケットに乗っかったまま自分に向けて飛ぶ生クリームブラストを避ける。ロケットからばら撒かれている水はケーキ怪人の全身、段ボールをふやかしていく。すでに気絶している怪人もそこにはいた。
「そんでもってだめ押しの一撃だよー塗り塗り」
　アイのユーベルコード：グラフィティスプラッシュが発動し、レインボーな色とりどりの染料がフロア全体にぶちまけられる。その攻撃で消滅してしまったケーキ怪人もいたが。まだ息のある怪人達は
「なんかさ、クリスマスケーキっていうよりかはレインボーケーキだよね。なんだっけ、そうだ！」
　アイの画面に映し出されるのは目にも毒々しいケーキを食べてキラーンと白い歯を輝かせる家族の動画。
【おーハニー！ハニーのスィートなケーキで今日もアメリケーンだよ❤】
【ダーリン愛してる❤】
（途中でステージをペンキを塗りあうＣＭが流れそうになりましたが流石にまずいので差し替えました）
「アメリカンだよね、それ」
「く、くそ、ケーキもそもそもメリケンの言葉」
「わ、我等ケーキ怪人。クリスマス死せどもケーキ死なず！」
「売れ残こりって意地でも言わないんだ」
　アイは戦いを終わらせるべくかっこいい攻撃法＋着地方法を考え、実行した。
　ペットボトルロケットから飛び降り、エアシュートシューズを駆使し生クリーム（色付き）を避ける。
　フロアの床、そして残りの怪人を巻き込みかっこよく滑り込むとケーキ怪人はすべて消えていた。
「できたのもよかったけど失敗してごろごろ転がるのもそれはそれで美味しいよね。あのケーキは美味しそうじゃなかったけど」
　こうして売れ残ったクリスマスのケーキ怪人は消滅しその野望はここに終わった。

■

「お前らさっきからうるせーなー！もしかしてやられてんじゃねーのかー！！」

大成功 🔵​🔵​🔵​

第3章 ボス戦 『パスト・フォーサイス』

POW   :    来い！俺様の手下どもっ！！質より量で押し潰せ！！ 【相手している猟兵の10倍の数の雑魚キャラ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。 SPD   :    おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ！！！ 【武器を使った怒涛の連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。 WIZ   :    俺様は逃げるから、後は任せたぞ！俺様ちゃん人形！ 自身が戦闘で瀕死になると【逃げる時間稼ぎ用の巨大パスト君ぬいぐるみ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

【今日の俺様のいたずら大作戦】
『おれさまのへや！』と汚い字で書かれた扉を蹴り破るようにして出てきたのはアンカーを抱えた少年。
「俺様の名前はパスト・フォーサイス様だ！イチャイチャカップル達をからかって遊んでいたのに邪魔すんなよな！」
　パスト・フォーサイスはむぅと怒った顔で猟兵達を睨みつける。
「イチャイチャバカップルがこの俺様の肩に当たってもイチャイチャに夢中で謝んなかったのが悪いんだからな！」
「つーわけで、俺様の作戦を台無しにしたお前らには俺様からのお仕置きがまっているんだぞ！どうだ怖いだろー！俺様の家来は１００００００万人いるんだからな！」
　ふんぞり返るパスト・フォーサイス。
　最後の戦いが始まろうとしていた。


【俺様のターン！フィールド魔法発動だ！】
「え？家来何人だって？」
「１００００００００万だって言ってるだろブース！」
「あ？さっきと言ってる数字違ってるじゃん。アンタさぁ、数も数えられない糞餓鬼なんだね。ダッサダッサ！」
　遊馬・美湖（パワフルギャル・f12819）が胸を張って手下の数を豪語するパスト・フォーサイスを挑発する。当然糞餓鬼のパスト・フォーサイスの怒りは有頂天です。
　やっぱりこいつ糞餓鬼だ。畳みかけるように遊馬は挑発の言葉を重ねます。
「いい、糞坊やちゃん。アンタの脳みそがすっからかんの餓鬼だからって何しても許されると思うなよこのガキンチョ。そんなんだから彼女もできねーんだっつーの！」
「うるせー！うるせー！お前みたいなブス顔面落書きの刑だからな！俺様無敵バリアー貼ってるから攻撃通んないんだからな！」
　パスト・フォーサイスの叫び声と共に、空気が僅かに振動する。叫び声での振動ではなく、空間のあちこちから何かが出てきそうな気配だと遊馬は察した。
「あー。家来いるならいくらでも呼べばいいじゃん。この部屋にどれだけ入るかなんてしらなけどねー」
　このミコ様の華麗なナイフ捌きを見よ、と言わんばかりに遊馬は手にしていたナイフを振り回し、威嚇する。
「もう遅いんだよブスブス！来い！俺様の手下どもっ！！質より量で押し潰せ！！」
　その声と共にパスト・フォーサイスを中心に落書きしたような滅茶苦茶な形のロボットもどき、手下が溢れ出す。ボスの部屋とケーキ怪人のいた部屋をあっという間に手下は破壊し、広大な戦闘地域が出来上がっていた。
「はっはー！ブス大人には分かんなかっただろ！俺様は手下を呼べるんだよ！」
「ブスブスうっさいっつーの！」
　先ほどよりもっと胸を張って偉そうにしているパスト・フォーサイスに向かって遊馬は叫びますが、同時に冷静に彼が召喚した敵を数えます。
（２００まではいかないって……所かな。数数えられないのは正解みたいだけど、まずはこいつらをどうかしないとね）
「よーし！あのブスを捕まえろー！」
　一斉に手下が遊馬の元に押しかける。
「とりあえず、まずは一撃！」
　遊馬がその群れの一体に、ナイフを突き刺し、なぞる様に横に薙ぎ払う。あっという間に４０体ほど手下が消えました。
「え、なにこれ。糞雑魚じゃん。アンタの手下糞雑魚ー！」
　あらかじめナイフを振り回しておいたことで、遊馬のユーベルコード：羅刹旋風はすでに発動していた。戦闘力の向上と引き換えに見切られる可能性が高い戦法でもあったが
「雑魚キャラなら見切られる心配はないか。てなわけでガキンチョ、覚悟！」
　ナイフが煌めくたびに雑魚キャラ手下は次々と消えていく。
「おいやめろ馬鹿！俺様の手下消すな！いじめんな！」
「うるさい！あんたにはオシオキ！」
　ミコのウルトラミラクルストレートパンチでパスト・フォーサイスは吹っ飛びました。広がる荒野、じゃなかった、最上階のフロア。勝ち誇るミコちゃんと蹲るガキンチョ。
　パスト・フォーサイスは早くも涙目です。

成功 🔵​🔵​🔴​

【“おねショタ”る女は“少年(バットボーイ)”とアレしちまったんだよ】
　ズド、ズドドドドド……
「な、なんだよこの音！？」
　今や広大な戦場と化したクリスマス・ケーキングビル屋上。
　ラスボス悪ショタ、パスト・フォーサイスには何かエンジンのような物が動いている音とガリガリと地面を削る音が聞こえる。明らかな違和感に立ち上がり、音のする方を向く。
「は！？」
　よく目を凝らして見ると、それは宇宙バイクに跨り、巨大な何かで地面を削りながら近づいてくる。
「もが、もががもが、もがもがもが！！」
（“待”っていたわ！この“瞬間”（とき）を！）
　口に甘いあまーい飴ちゃん（おばちゃんが舐めておき！と渡したものではありません）を口に含み、自分のユーベルコード：だって女の子は甘いものでデキているからの発動用に糖分を摂取、強化していたため中々いい絵にはなりませんでした。
　しかし美少女スイーツ女神なマルグリット・エーレ（秘せるフラクタル・f09722）の登場です。ドレスの裾が捲れてあんなことやこんなことが見えそうで出来そうで実に可愛く、そして凶悪でした。
　悪ショタはただただ恐怖を感じ叫ぶ。
「こわいこわい！！来い！俺様の手下どもっ！！質より量であれとめろ！！」
　雑魚キャラの手下がまたもやパスト・フォーサイスの声に応じて召喚される。
　空間が広大になったためか、その数は
「ひゃっとかずへ、数えて、２００人は超えているかしら」
　飴ちゃんを舐め終えたマルグリットは優雅に宇宙バイクから降ります。勿論その手には巨大なスプーンを持っていますが、とてもとても可愛らしいマルグリットちゃんのオーラに雑魚キャラの両目は❤❤マークです。
　ふらふらと自分の指示を待たずにマルグリットの元へと近づく手下にパスト・フォーサイスは叫ぶ。
「こらー！お前らそのおっかない女倒せ！倒すんだよ！」
「あらかわいい悪ショタ。でもね、仕方ないの❤」
「は？」
「おねショタってそういうものでしょ？ボ・ク？」
「は！？」
❤
　マルグリットちゃんの講義が始まります。
　まあ、ほら、数用意しないと、私のような美少女はね、ショタには陥落させられないのよね。これお決まり。ここまでは分かる、ショタちゃん？
「わかるわけねーだろ！？やめろ！？」
　分からないのは残念ね、おねショタのシチュエーションの1つ、【複数のショタに囲まれて】っていうのを再現したかったのは分かるわ。
「さっきから何言ってるんだよ！？」
でもほら、私ってば、カワイイ上につおいので、くっころもそもそもおねショタフラグもね❤
「お前なにする気なんだよ！？」
「スプーンで撲殺するわ❤」
　ものすごい勢いで吹き飛びあっという間に吹き飛ぶ雑魚キャラ。スプーンで撲殺される雑魚キャラ。そして
「はい、ご褒美タイム❤」
「ご褒美じゃねー！？」
　フロアの端から端へ吹き飛ぶパスト・フォーサイスと共に講義は終わりました。
❤
　次回の開催は未定です。

成功 🔵​🔵​🔴​

【おねショタ学会もこれには満足】
「くっそー……なんで俺様が！この俺様の邪魔をするんだこの変態ブス！」
　半泣きになりながらパスト・フォーサイスは立ち上がります。
　あらあら可愛い子ね、といった様子でマルグリット・エーレ（秘せるフラクタル・f09722）は可愛いショタっ子を眺めます。
「いやいや、ご褒美だと思うの。なんて言っても、可愛い私にお仕置きされるなんて世の男性紳士諸君からしたら垂涎の賜り物だと思うの♥ねー？♥」
　スイーツおね女神マルグリットちゃんのキュートなウィンク。ばちこーん♥
　撮影ドローンが映し出した光景におおきいちびっこのみんなのこころはずきゅこーん♥
　【これは神配信！】【ショタ！俺をショタにしてくれ！】【夢のお姉さん攻めショタｋｔｋｒ】おおきなお友達、喜んでますね。

「お、おまえ、これいじょう俺様に何するつもりだ」
　マルグリットはニコニコとしたまま凶器。
　じゃない、可愛さアピールの巨大スプーンをぶんぶん♥振ってます。
「あのね、まだまだお仕置き、じゃなかったご褒美タイムは続くの」
　ねえショタちゃん、こんなに可愛い私が二人いたら、素敵じゃない？そう思うでしょう？わけわかんねえよとパスト・フォーサイスが答える前に、マルグリットのユーベルコード：秘せるフラクタル（オルターエゴ）は発動します。
「呼ばれて登場、ショタ弄り大歓迎♥」
「ああ可愛い私、可愛さ２乗？いや無限大♥」
「いやん私、私も一緒に交じって♥」
「「ボク、一緒に遊びましょう？」」
　スプーンを持っていないマルグリットのスカートは、スプーンを持っている方のマルグリットとは違う形状。穴ぼこだらけの最上階フロアから吹き込む強い風でどっちもアレやソレが見えそうです。
「さあどちらでも♥」
「ほぉらお姉さんが二人にふえましたよー♥」
　訳の分からないことを勝手にいわれ、まだ続け、そしてさらに理解できない者が二人。もうこれ以上好きにされてたまるか！お姉さんになんて絶対に負けない！
「ブスが２人にいても俺様はつよいんだぞ！おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ！！！」
　パスト・フォーサイスはアンカーを振り回しますが、所詮はショタっ子です。二兎追う者は一兎も得ず、でたらめな花言葉なんて考えている暇があったら国語の教科書的なの読んでいた方がよかったかもしれませんね。
「おりゃあ！」
　マルグリットの顔を狙おうとした先、マルグリットはさっと避けます。
「おねショタ忍法。分身の術、あんど」
　さっと避けたマルグリエットがスプーンでアンカーを弾き飛ばし、慣性の法則に従い、ぽふりと突っ込み。
「おねえさんぽよぽよ挟みの術。あん♥いたずらショタ♥」
「もがもがもがー！！！！（挟むなばかー！！！！）」
　大きなお友達には正に天国な状態でしたが、パスト・フォーサイス君にとっては苦しいだけです。
「あら、お触り禁止って言ったでしょ？」
「（むぐあー！）いってねー！」
　ぽよぽよで固定されたボールを、スプーンでまた撲殺ホームラン♥

　再び壁に大穴が空いたのをお姉さん達は見守ります。
「飛ぶわねー♥」「飛んだわねー♥」
べちゃっとその場に倒れうつぶせになっているパスト・フォーサイス君。

「「まだまだお仕置き足りなぁい？」」

大成功 🔵​🔵​🔵​

【立ち上がれラスボス】
　滅茶苦茶になった最上階フロア。瓦礫と埃まみれになった大地に、ぼろぼろの状態で倒れているパスト・フォーサイス。
　アレクシア・アークライト（UDCエージェント・f11308）は考える。
　あそこに見えるのはアンカーを抱えている少年です。倒れています。
　相手は自分が楽しむために他者を不幸に陥れているオブリビオン。今はしょうもない悪戯で済んでいますが、今後、オブビリオンの活動がエスカレートしていくことは想像に難くないのです。
「オシオキでいい、って言っていたけど、別に倒してしまって……いえ、殺してしまって構わないのよね？」
　その呟きに、ズタボロパストは反応し、勢いよく立ち上がります。
「ふ、ふはは！この俺様は！超すげー悪人だぞ！！負けるわけないだろ！！！」
　アレクシアの言葉は、今まで散々な目にあわされてきた自分に対する【はたしじょー】であるとパスト君は受け止めたようです。
「ふはは！俺様大復活！来い！俺様の手下どもっ！！質より量で押し潰せ！！」
　その叫び声と共に滅茶苦茶な形のロボットもどき、手下達が大量に空間から現れ、アレクシアの方に向かってきます。
（相手は見た目も言動も男の子。正直言ってやりにくい…と思っていたが）
アレクシアは考える。もしこのオブビリオンが自分の出身地、ＵＤＣアースにいたとすれば。
アレクシアは妄想する。もし、ＵＤＣアース、家族や恋人に不和を撒き散らし、その様子を洞窟の奥底でゲヒャゲヒャと笑って見ているドロドログチャグチャな邪神がいたとしたら……。
「うん、やっぱり死刑」

　軽く腕を雑魚の群れの前にかざし、空間を撫でれば念動力であっという間に雑魚は雑魚の塊になります。
「こらー！！お前ら役に立てー！！」
　パストの絶叫もむなしく、雑魚の塊をそのままアレクシアはぶつけます。
　ぐへぇ！という声と共に壁に磔にされたパストは何とか塊をアンカーで破壊しますが、突然その動きが止まります。
「な、なんだこれ……動けない……」
「今度のはただの念動力じゃないわよ」
　その言葉と共にアレクシアのユーベルコード：空間操作（スペイシオキネシス）が発動する。空間をすっと撫でると、その動きのままパイスの体は切り裂かれた。
「ぐ、ぐぎぎぎ！」
「ズンバラリン、成功って所ね」
　息も絶え絶えのパスト・フォーサイズ。決着の時は近い。

成功 🔵​🔵​🔴​

【最終回・やべえお姉さん】
「ま、まけねえ……俺は、俺様は大悪党！パスト・フォーサイズ様だ！」
　最後の力を振り絞り、アンカーを掲げ絶叫するぼろぼろの少年。一見すると覚醒フラグが立った様に見えるかもしれませんが、こいつはオブビリオンです。
　そして、オブビリオンを退治するのが猟兵達のお仕事です。
「まだまだパスタ・チョウドイイサイズ君はヤる気みたいなので？」
　おねショタのおね役マルグリット・エーレ（秘せるフラクタル・f09722）がそこに立っていました。
「このブスブスが！今度ばかりは……！」
「まあ、気持ちはわかるわ。だってこんなカワイイお姉さんを好きにしたいって気持ち。私可愛いから。ショタを誘惑しちゃうの♥」
「聞けよ人の話！あと名前ちげーぞ！」
　パスタ・チョウドイイサイズ君の手下達をぱっくり（そしてついでに虐殺）したのも手伝って、マルグリットのユーベルコード：だって女の子は甘いものでデキているから（フードファイト・シュガーモード）はより一層彼女に力を与えます。
「うるせえ！もう最終決戦だ！！俺様もいくぞ！！」
　大量の雑魚を召喚し、先陣を切ってマルグリットに襲い掛かってくるパスタ君。

「ごめんね、お姉さんこんなに可愛いから、皆メロメロなのよね？あ、でも、お触りはＮＧ♥」
　可愛い巨大スプーンが地面を掬います。雑魚キャラが巻き込まれます。潰れます。
わざとスカートの中身が見えそうになったり、腋を大きく見せるポーズまで決めながら雑魚キャラは消えていきます。

　【黒一面の画面の中、ポーンとピアノの音が響いたシーンを想像してください】
――何故、そんな恥ずかしいポーズを？
――え、恥ずかしくないかって？可愛い私のあんな姿こんな姿、妄想されているし、いまさら？
　　恥かしさを受け入れ、そして妄想のために自分をアピールする。そうプロフェッショナルお姉さんは語った。

「というわけで、まずはその物騒なのはぽーい♥」
　アンカーとスプーンの一騎打ち。激しい鍔迫り合いの中、先に中に飛んだのはアンカーであった。
「ああっ！」
「よし、じゃあオシオキ開始！えいえいっ♥」
　執拗にスプーンがパスタ君の目を襲います。
「や、やめ！目はやめろ！」
　顔をガードし、じりじりと攻撃を受けながら壁に穴が開き、空気が流れ込む方向へと後退するパスタ君。
「よし、フィニッシュタイム♥」
「画面の向こうの貴方もフィニッシュ♥」
　カキーン！特大ホームランです。
「覚えてやがれこのブス共ー！あとおねショタなんて大っ嫌いだーーー！！！」

■

　こうしてカップル達は今日もいつでも平和にラブラブ。
　もしかしたらおねショタ（物理）が次のブームになるかもしれませんね。

成功 🔵​🔵​🔴​

最終結果：成功 完成日:2019年02月22日