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京の長い一日

#サムライエンパイア #猟書家の侵攻 #猟書家 #大天使ロロサエル #陰陽師 #安倍晴明 #魔軍転生

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「まさかこのような都合のいい肉体があるとは思いもしませんでした」
「貴方の力を発揮するのならやはり陰陽師の体の方が良いと思いまして。気に入って何よりです、安倍晴明殿」
 大天使ロロサエルの前に立つのは年若い陰陽師の姿、だがその口調は枯れたものであり動かしているのは超・魔軍転生によって埋め込まれた安倍晴明その人であった。
「そして私をこの京に呼び出したということは、この幾重にも張り巡らされた霊的都市を落とそうと言うことで相違ないですか」
「そうです。この都市もこの都市を守る陰陽師達もとても興味深い。如何程の力があればこれを突破できるのかと。そこで助力を求めたという事です」
「良いでしょう、ここにこうして呼び出されたのも何かの縁。戯れに一つ滅ぼしてみましょうか」


「性懲りもなくめんどくさいのが蘇ったらしい。ついでに京っていうサムライエンパイアの街を狙っているそうだ」
 アルミィ・キングフィッシャー(「ネフライト」・f02059)が肩を竦めて呟いた。
「エンパイアウォーって覚えているかい? そこで安倍晴明って言ういけ好かない奴がいたんだが、ロロサエルって言うこれまた胡散臭い奴が適当なオブリビオンの陰陽師にとりつかせて暴れさせようとしてるらしい」
 グリモア猟兵はため息交じりに呟いた。
「で、この京って街は陰陽師達が昔から守っていて、オブリビオンも退けていたらしい。ただ今度来るこいつらはこれまでのに比べて荷が勝ちすぎる、そこでアンタ達には応援に行ってもらいたい」
 京の街は結界で守られてはいるがこのままなら貫かれてしまうだろう。現地の陰陽師達と協力して結界を守りながら敵を撃退する必要がある。
「ま、そういう話さ。できることは多く、目的はシンプルだ。それじゃあ任せたよ」


西灰三
いつもお世話になっています。
西灰三です。
今回はサムライエンパイアの猟書家シナリオをお送りします。
詳しい内容はオープニングの通り。割と純戦です。

それでは皆様のプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『安倍清濁』

POW   :    形代封じ・大威徳
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【符術を操る自分自身】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
SPD   :    悪業罰示・無為識神
自身の身長の2倍の【霊獣、または十二神将】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    毒するは濁り酒、分つは清刀。
【祝詞と呪詛】を向けた対象に、【角を持つ種族を殺める酒と刀】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

舞莽・歳三
面倒なことになる前に手早く終わらせるしかないみたいだな…
敵がなるべく結界に近づいてこないよう【索敵】で神経を張り巡らせながらナイフを【投擲】してなるべくインファイトにならないように立ち回るぜ
最後はUCで隙をみてきめる、それでだめなら俺は逃げるからな!




「なんだよアレ……、面倒になる前にと思ったらもう面倒じゃねえか……」
 舞莽・歳三(とし・f30567)はげっそりした表情を浮かべて京の結界に殺到する若い陰陽師達の姿を認めて呟いた。今彼らは結界に穴を開けんとよくわからない事の書かれた札を掲げて呪言を唱えている。
「これは……ほっとくともっと面倒になるやつか」
 竹藪の陰に身を隠しながら続々道を通って数を増やしていく陰陽師達を見て、ため息を付いてから覚悟を決める。
「仕方ねえ、やるか」
 竹藪の中を風の音に紛れて進みナイフを手にする。
「まず一つ」
 彼女のはなったナイフは先程呪言に集中していた陰陽師の首に突き刺さる。しかし敵も只者ではなく、奇襲を悟った彼らは彼女の位置を直様に把握する。
「クソっ! 気付くの早えよ!」
 走り去って逃げようとする彼女の背を、霊獣に乗った陰陽師達が追いかけてくる。相当に速い彼らはいずれ歳三に刃を突き立てるだろう。
「もう一歩速く……!」
 しかし歳三も黙って逃げるわけではない。自身にかかる重力を反対にして飛び上がると、追ってきた霊獣の背に乗り、後ろから陰陽師達の首を掻っ切っていく。
「これで仕事はしたろ! 俺は逃げるからな!」
 更に遠くから迫ってくる陰陽師達を振り切り彼女は戦場から離脱した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

村崎・ゆかり
今度の安倍晴明は、陰陽師のオブリビオンに憑装してきたか。油断出来ないわね。
地元の陰陽師に地理を聞いて、自分の知る京と照らし合わせてから黒鴉の式に「偵察」させて、「地形の利用」で戦闘地点を設定、奇襲を仕掛ける。
「全力魔法」「高速詠唱」酸の「属性攻撃」動きを封じる「呪詛」を乗せた紅水陣。さあ、安倍晴明、この陣図をどう破る?

もちろん解呪されるのを黙って見てるつもりはない。
あたしも紅水陣に乗り込んで、薙刀で「衝撃波」を放って「なぎ払い」、「串刺し」にしていく。
紅水陣の酸の雨は、「環境耐性」「浄化」「呪詛耐性」で効果を打ち消し、一人ずつ確実に討滅していく。

名乗りがまだだったわね。村崎ゆかり、陰陽師よ。




(「道の作りは私の知ってる京と同じ……。規模は小さいけれどだからこそ守れている部分もある」)
 それは人口と歴史の量的な差もあるのだろうと村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》・f01658)は見当をつける。恐らく道を使った霊的防御の密度もこの規模だからこそできているのだろうが、何分相手は安倍晴明であり陰陽道の大家である、少なくともその名前は。
「……油断できないわね」
 それが降ろされているのが陰陽師ならば力技ではない方向で結界を崩してくるだろう。ともかく街へと敵を近付けさせるのは得策ではない。彼女は一計を放つ。
「古の絶陣の一を、我ここに呼び覚まさん。魂魄までも溶かし尽くす赤き世界よ、我が呼びかけに応え、世界を真紅に塗り替えよ。疾っ!」
 彼女の術が紅い酸の雨を呼び、京を守るように取り囲む。これにより敵の足が止まるが即座に彼らも解呪に取り掛かる。
「やはり破るつもりね。……でも足を止めたのなら」
 彼女は紅い雨の中を駆け抜けて、解呪に専念する敵を切り裂く。敵の内の一人、安倍晴明が眉を僅かに動かして呟く。
「捨て身ですか、いくら守りの呪があると言えども無事では済まないでしょうに」
「お生憎様、その程度で躊躇うほど弱くないの。……名乗りがまだだったわね。村崎ゆかり、陰陽師よ」
 雨に耐えながら薙刀を振るう彼女と清明達は激しく交戦するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



(「道の作りは私の知ってる京と同じ……。規模は小さいけれどだからこそ守れている部分もある」)
 それは人口と歴史の量的な差もあるのだろうと村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》・f01658)は見当をつける。恐らく道を使った霊的防御の密度もこの規模だからこそできているのだろうが、何分相手は安倍晴明であり陰陽道の大家である、少なくともその名前は。
「……油断できないわね」
 それが降ろされているのが陰陽師ならば力技ではない方向で結界を崩してくるだろう。ともかく街へと敵を近付けさせるのは得策ではない。彼女は一計を放つ。
「古の絶陣の一を、我ここに呼び覚まさん。魂魄までも溶かし尽くす赤き世界よ、我が呼びかけに応え、世界を真紅に塗り替えよ。疾っ!」
 彼女の術が紅い酸の雨を呼び、京を守るように取り囲む。これにより敵の足が止まるが即座に彼らも解呪に取り掛かる。
「やはり破るつもりね。……でも足を止めたのなら」
 彼女は紅い雨の中を駆け抜けて、解呪に専念する敵を切り裂く。敵の内の一人、安倍晴明が眉を僅かに動かして呟く。
「捨て身ですか、いくら守りの呪があると言えども無事では済まないでしょうに」
「お生憎様、その程度で躊躇うほど弱くないの。……名乗りがまだだったわね。村崎ゆかり、陰陽師よ」
 雨に耐えながら薙刀を振るう彼女と清明達は激しく交戦するのであった。
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

あー…(「胡散臭い」という言葉に腑に落ちた顔)
アポ何とかって髭の方もだけど、こっちもあれだ、UDCのチュウニビョウだっけ?それを連想させるんだ。なんで引っかかってたのかがわかった。

陰陽師たちには足止めかなんかの術が使えるなら使って貰おうかな。
完全でなくとも鈍れば上等。
盾になるように立ち、マヒ攻撃を乗せた暗殺のUC菊花で攻撃。
騎乗してるって事は、的もでかくなってるって事だろ?暴論だけど。
敵の攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らうものは気合のオーラ防御、根性の激痛耐性で耐える。




「あー……」
 黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)は脳裏に浮かぶ敵の姿にうめいていた。グリモア猟兵の『胡散臭い』という表現が腑に落ちていたからだ。
(「アポ何とかって髭の方もだけど、こっちもあれだ、UDCのチュウニビョウだっけ?それを連想させるんだ。なんで引っかかってたのかがわかった」)
 中二病は所謂「若気の至り」であって、胡散臭いとは全く別の概念ではあるのだが、それはさておき。彼の周りでは今多くの陰陽師達が必死で結界の維持に当たっている、既に攻撃を受けているのだろう。彼らの援護をすべく瑞樹も前へでる。目標は結界の外で画策している敵陰陽師達。
「はっ!」
 自らを裂く勢いで敵を同時に切り捨てていく瑞樹。敵が彼の動きに対応し霊獣を呼び出す。
「的がでかくなっただけで強くなったと思うのか?」
「さて、それもやってみれば分かるでしょう?」
 清明はそう返し、霊獣をけしかけ自らも刃を抜く。そして無数の牙と刃が交差し閃いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

篝・倫太郎
【華禱】
陰陽師系のオブリビオンに晴明憑装とか
面倒くさい事しやがって
ま、面倒臭くても、だ……
クルセイダーの野郎を引き摺り出す為には阻止するんだけどな

だろ?往こうぜ、夜彦

陰陽師の皆さんは結界の維持ヨロシク!
出来りゃ距離取ってで頼む

拘束術使用
射程内の総ての敵に鎖での先制攻撃と同時に拘束
ダッシュで接近して
吹き飛ばしと破魔を乗せた華焔刀でなぎ払いからの範囲攻撃
刃先返して2回攻撃

以降はフェイントも織り交ぜながら攻撃
放たれた符は拘束術の鎖で引き裂く

敵の攻撃は見切りと残像で回避
回避不能時はオーラ防御で防いで凌ぎ
負傷は激痛耐性で耐える
負傷した場合は以降の攻撃に生命力吸収も乗せてく

夜彦の死角も拘束術の鎖でフォロー


月舘・夜彦
【華禱】
相手が陰陽師だからこそ、中途半端なオブリビオンでは対抗出来ず
安倍晴明を憑装しなければならなかったのでしょう

現地の陰陽師達はこのままでは危険です
倫太郎、急ぎましょう

陰陽師達には結界の維持を指示
彼等が狙われても間に入れるように、離れ過ぎない位置に配置

倫太郎の拘束術を合図に行動し、拘束された敵を視力にて確認
敵の数が多く、その中心で拘束されている敵に向けて二刀流剣舞『襲嵐』
その敵への一撃を起点に嵐を繰り出して周囲の敵を巻き込む

攻撃が終わる前に駆け出して弱っている敵や討ち漏らした敵の追撃
2回攻撃となぎ払い併せで広い範囲を攻撃

敵からの攻撃は残像にて回避
回避困難であれば武器受けにて防御




 京の町に転送された篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)と月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)の二人は、何よりもまず戦いの気配を探った。
「あっちか!」
 避難をするために逃げ惑う人々。ならば彼らの来る方が戦場だろう。二人は人波に逆らって急ぐ。
「陰陽師系のオブリビオンに晴明憑装とか面倒くさい事しやがって」
「相手が陰陽師だからこそ、中途半端なオブリビオンでは対抗出来ず、安倍晴明を憑装しなければならなかったのでしょう」
 敵の中心は安倍晴明を宿したオブリビオンの陰陽師と聞く。蛇の道は蛇という算段なのだろう。
「現地の陰陽師達はこのままでは危険です。倫太郎、急ぎましょう」
「ああ、面倒臭い事はとっとと片付けてクルセイダーの野郎を引きずり出そうぜ。行こうぜ、夜彦」
 二人が街の端に至る頃には陰陽師達が耳や目から血を流しながら結界の維持をしていた。結界の外では既に戦闘が始まっているらしく、彼らも飛び込む、
「キツイだろうけど結界の維持ヨロシク!」
「私達が敵を切り捨てて来ます」
 言葉もそこそこに二人はもっとも敵の層が厚いと思われる戦場に飛び込んだ。そこは逆を言えばまだ猟兵達の手が回っていない場所ということだ。
「縛めをくれてやる!」
 まず戦場の中心に躍り出た倫太郎がその身の危険と引き換えに、見えざる鎖をばら撒いて敵を捉える。その全てが清明を捉えられる訳ではないが、打ち漏らしには遠くを斬る夜彦の二振りが放たれる。受けた敵が怯んだ所で、彼もまた敵中へと飛び込んで周りの敵を斬り伏せていく。しかし攻撃の時こそもっとも大きな隙である、その背に刃が突き刺さらんとした時、それを透明な鎖が阻んだ。
「背中は任せろ!」
「では、私は倫太郎の背中を預かりましょう」
 叫んだ倫太郎の背に忍び寄っていた敵を夜彦の飛来する斬撃が切り捨てた。彼らは互いの背を守りながら、京の街を守る。この戦いがサムライエンパイアを守る道に繋がると信じて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

司・千尋
連携、アドリブ可

戯れで滅ぼされたら堪らないよな…
俺も手伝ってやるよ


攻撃は最大の防御とは言うが
攻撃手が足りているか敵に押され気味なら防御優先で味方を援護する
無理なら敵の数を減らす事に注力

攻防は基本的に『子虚烏有』を使う
範囲内に敵が入ったら即発動
範囲外なら位置調整

近接や投擲等の武器も使い
死角や敵の攻撃の隙をついたりフェイント等を駆使
範囲攻撃や2回攻撃など手数で補う
片っ端から消失させてやるぜ


敵の攻撃は細かく分割した鳥威を複数展開し防ぐ
割れてもすぐ次を展開
オーラ防御も鳥威に重ねて使用し耐久力を強化
回避や『子虚烏有』で迎撃する時間を稼ぐ
間に合わない時は双睛を使用
陰陽師達や結界への攻撃は最優先で防ぐ




「戯れで滅ばされたら堪らない……よなっ!」
 結界の外側で守るように光剣を投げ迫りくる安倍晴明達を牽制する司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)。奮闘する彼に対し、敵は静かに返す。
「何を言うのです。滅びは終わりではありません、また骸の海から相見える事も出来るでしょう。この私のように」
「それがいらない世話って言うんだ。消え失せろ」
 光剣の群れがぐるりと巡り清明の一体を消滅させる。しかし敵はそれだけではない。
「そこです」
 複数の清明が多方向から刀を手に近づいてくる。全てが自分である以上、躱すのが指南と言っていい斬撃。もしかしたら討たれた一体は囮だったのかも知れない。
「ちっ!」
 千鳥は防御用の武具をばら撒き多方向からの攻撃を制限する。動きを一度止められた彼らの背中に光の剣が突き刺さりその姿を消滅させていく。
「お見事、ではまたどこかで」
「もう会いたくないね」
 千鳥は小さく呟いて、敵の陰陽師の数が減ってきた事に気付く。そろそろ件の首魁の元に行けるだろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニコリネ・ユーリカ
胡散臭いロロサエルがいけ好かない清明を使うだなんて
ややこしい事しか起きないわよねぇ
大天使さんは何故か京に興味を持ったようだけど
過度の好奇心は身を滅ぼすって教えてあげましょ

街に結界を敷く陰陽師さんならではの情報(地形や風水)を頼り
風向を見つつ軍勢の密な所へ、花馨を連れて飛翔
機動に優れる空から仕掛ける

本日のオススメはナルシス!
眠気を催す「narcotic」を語源に持つとおり
甘く優しい芳香には催眠・鎮静作用があるの
眠気に動きを鈍らせたなら
南方から炎の精霊を呼んで灼熱を浴びせる
魂を空にすると操られちゃうから、完全燃焼で骸の海に還すわ

水仙の花言葉は「自惚れ」
数と術に溺れる敵に痛い目みせてあげるんだから!




 結界のほとり、それを維持する陰陽師たちが集う場所の一角前にこの世界とは不釣り合いなケーブルカーが止まる。そこから降りたニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)が戦場で暴れまわる量産型安倍晴明を見て目を細める。
「胡散臭いロロサエルがいけ好かない清明を使うだなんてややこしい事しか起きないわよねぇ」
 そんな事を言いながら車の中から花束を一振り。今日の花の香りもよく通る。
「大天使さんは何故か京に興味を持ったようだけど、過度の好奇心は身を滅ぼすって教えてあげましょ」
 ここに来るまでに逃げ惑う人落ち着かせるために何本かの花を売っておいた。それが手のひらで香りそのものになると彼女を中心に留まる。ニコリネはそれらを連れて空へ飛び上がる、このタイミングこそが彼女の待つものが訪れる時間と陰陽師に聞いたからだ。
「本日のオススメはナルシス! 眠気を催す「narcotic」を語源に持つとおり甘く優しい芳香には催眠・鎮静作用があるのよ」
 花の馨が風に乗り結界の解呪を行っている安倍晴明達を包み込む。直様に彼らはその花の香りが原因であると悟り袖で抑えるがもう遅い。既に彼女はそのまま敵を焼き尽くすための炎の精霊を喚んでいる。そのコントロールを奪われる前に炎をぶつけて相手を完全燃焼させる。
「水仙の花言葉は「自惚れ」。あなた達にはぴったりね、そのまま骸の海に写った自分でも見ながら沈むといいわ」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『大天使ロロサエル』

POW   :    月閃乱撃
【日本刀による隙無き連撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    月呪審判
【三日月の如き刃】【朧月の如き羽】【月蝕の如き呪言】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    月焔邪視
【魔眼や呪言】を向けた対象に、【精神や身体の内側から蝕む焔】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠筧・清史郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 多数の安倍晴明を憑装させた敵を倒し結界の維持を妨げない程度に減らした猟兵達は、残る敵の首魁であるロロサエルの前へとたどり着く。
「あの安倍晴明達を退けるとは……油断していたつもりもありませんでしたが、手際が良いものですね」
 刃鳴りを立てながら刀を抜くその天使の姿は、取り合わせがやや異様である。その存在は猟書家の中でも謎の多い存在だが、少なくとも敵には違いない。そのそんざいから放たれる全てのものがこちらを傷つけるために振るわれるだろう。
「それでは仕方ありません、七大天使が一柱ロロサエル。参ります」
村崎・ゆかり
見つけたわよ、大天使ロロサエル。あなたはここで討滅させてもらうわ。

「降霊」太歳星君降臨。
太歳星君様、かの異教の御遣いに、あらゆる不幸不運をお与えください。
これでロロサエルの行動成功率を大きく引き下げたはず。

それじゃあ巫覡載霊の舞で、ロロサエルに斬りかかる。
「衝撃波」を伴う薙刀で「なぎ払い」、「串刺し」にして攻めかかるわ。攻撃こそ最大の防御。
京の陰陽師の結界の力も借りて、動きが鈍ったロロサエルを確実に傷つけていくわ。

大天使の魔眼や呪言は、「呪詛耐性」「浄化」「火炎耐性」で打ち消す。
悪いわね。あなたにとってあたしは最悪に相性が悪いみたいよ?
全ては己の不運と思って、大人しく骸の海へ還りなさい!




「見つけたわよ、大天使ロロサエル。あなたはここで討滅させてもらうわ」
 村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》・f01658)がブランクのカードを構える、白地に浮かび上がるのは頬髭を蓄えた古代中国の官僚らしき姿。
「地の底巡る大いなる厄災の神、太歳星君よ。我が願いに応え、怨敵を調伏せしめんがためこの地へと出でまし給え! 疾!」
 カードがくるくると周り彼女の頭上で弾ければ、浮かんだ像がそのまま形を伴って現れる。それは人の形こそしているものの本質は全く違う。
「それは……ヒスマエル、いや」
「太歳星君様、かの異教の御遣いに、あらゆる不幸不運をお与えください」
 災神と共に現れた彼女にロロサエルは邪眼を向ける。しかして不意に吹いた颪で桶が飛びその視線を斬る。それだけでなく対峙するゆかりの姿もわずかながら隠してしまう。
「そこよ!」
 そしてその僅かな時間さえあれば薙刀を一振りする時間くらいは稼げる。放たれた衝撃波が桶を砕きその向こうにいるロロサエルを捉える。
「悪いわね。あなたにとってあたしは最悪に相性が悪いみたいよ? 全ては己の不運と思って、大人しく骸の海へ還りなさい!」
「なるほど、術の類は効きませんか。ですが」
 瞬間的に翼をはためかせてロロサエルは彼女の背後に回るとそのまま刀を振るう。
「自分より上位のものの力を、自分のもののように語るのならば、愛想も尽くでしょう」
 既に太歳星君の姿はそこになく。辛うじて薙刀の柄で受けるのがゆかりには精一杯だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

へぇ…天使にも柱って使うのか(素直に関心)
神にしか使わないと思ってたけど、ぁでも一神教だと天使にも使うのか?
……おっと危ない。戦いに注力しなくては。

存在感を消し目立たない様にしつつ、マヒ攻撃を乗せた暗殺のUC五月雨で攻撃。
同時に投げられるだけの飛刀も投擲、相手の攻撃を相殺しつつ攻撃を仕掛ける。
また投げたらほぼ同時に二刀を携えて飛び込み、直接本人に攻撃をしかける。
敵の攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らってしまうものは激痛耐性で耐え、呪言は呪詛耐性でしのぐ。




「へえ……天使にも柱って使うのか」
「こちらの流儀に合わせた次第です」
「神にしか使わないと思ってたけど、あでも一神教だと天使にも使うのか?」
「そもそも数を数える言葉というのは全ての言語にあるものではありませんよ」
 黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)とロロサエルは世間話をするように言葉を交わす、もっともそれぞれが台詞を言う度に刃が振られる剣呑な会話ではあるが。言っているそばからロロサエルの刀から不意に三日月のような斬撃が放たれて彼は慌てて横に逃げる。
「……おっと危ない。戦いに注力しなくては」
 不意打ちはあっという間に見抜かれた。彼を追うように羽が襲いかかり地面を転がって回避する。
「そこで大人しくしていなさい」
 呪言が瑞樹の足を封じる。近接戦闘においてそれは致命的だ、両手の刀で自身に振り下ろさされる刀をなんとか押し留めながら瑞樹はロロサエルの顔を覗き込んでニヤリと笑う。
「かかったな、喰らえ!」
 瞬間ロロサエルの背中に彼の本体と同じ姿の短刀が突き刺さる。ロロサエルは即座に後ろに引き降り注ぐ短刀達に対応する。
「くっ」
「予め仕込んで置いたのさ」
 かく言う彼も押し切るほどの力はなくしばらく敵を削ってからこの場を脱出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フォルク・リア
「油断じゃないならそれが自分の実力って事だ。
だが、お前の力が勝っていたとしても負けるつもりは
ないけど。」

冥空へと至る影を発動
呪装銃「カオスエンペラー」の弾丸に
【呪殺弾】の【呪詛】を乗せた【誘導弾】で攻撃すると同時に
【残像】を伴う移動で敵を攪乱し的を絞らせない。
攪乱する事で魔眼から逃れ
弾丸での攻撃で呪言を唱える暇を与えない。

月焔邪視を受けたら。
冥空へと至る影で強化した拘鎖塞牢を
自らに使用して焔の力を封じる。
「その力、確かに此方を凌駕している事は疑いない。
しかし彼我の力の差など勝利を諦める要因にはならない。」
と、レッドシューターに【全力魔法】の魔力を込めて
敵に炎を放つ。
「今度はお前が燃える番だ。」




「油断じゃないならそれが自分の実力って事だ。だが、お前の力が勝っていたとしても負けるつもりはないけど」
 呪装銃を携えたフォルク・リア(黄泉への導・f05375)がフードの下で薄く笑う。ロロサエルは二本の指を唇に揃えて呪言を紡ぐ。
「月よりの焔、私の目の前にいる者の内より出でよ」
 ロロサエルが呪文を紡いだ瞬間フォルクの体の内側から精神をも焼く炎が湧き上がる。
「成程。この力確かに此方を量がしている事は疑いない。しかし彼我の力の差など勝利を諦める要因にはならない」
「強がりですか? それとも」
 ロロサエルの力を前にしてもフォルクの余裕は崩れない。苦痛も受けているのにだ。彼はその苦痛を力に変えるべく影を伸ばす。
「冥府への門たる忌わしき影よ。その枷を外し闇の力を我に届けよ」
 影を通じて送られた苦痛を代価にフォルクの呪装銃カオスエンペラーに冥界の炎が装填される。
「今度はお前が燃える番だ」
 放たれた炎がロロサエルに向かって高速で飛ぶ。天使も刀を構えて炎を受けるが、その刃から延焼し天使の身へと燃え移る。
「だから言ったろう。負けるつもりはない、と」

大成功 🔵​🔵​🔵​

篝・倫太郎
【華禱】
好奇心は悪い事じゃねぇんだけどな
あんたのソレはどうやっても許容出来ねぇからよ
還って貰うぜ

陰陽師の皆は引き続き結界の維持頼んだぜ!
往こう、夜彦

燎火使用
召喚した神霊で攻撃回数重視の風属性での先制攻撃
同時にダッシュで接近し
吹き飛ばしと鎧砕きを乗せた華焔刀でなぎ払い
刃先返して、フェイントも入れつつ2回攻撃
これ以降の攻撃もフェイントを織り交ぜて
夜彦と連携しながら対処

敵の攻撃は見切りと残像で回避
回避不能時はオーラ防御で防いで凌ぎ
咄嗟の一撃で攻撃の相殺を狙う

負傷は激痛耐性で耐える
以降の攻撃は生命力吸収も乗せて対処

どんなにてめぇが強かろうと、何度だって還す
そして最後にはクルセイダーを引きずり出してやる


月舘・夜彦
【華禱】
試す為に、人の命を散らそうとする
命の重さを、貴方は軽く見ている
そんな貴方を私達が逃がすはずもないでしょう

陰陽師達は引き続き私達が守りますので結界の維持に集中を
往きましょう、倫太郎

駆け出して接近して抜刀術『風斬』
倫太郎と連携して敵を陰陽師達に近寄らせないように距離を維持
風斬は基本攻撃力を重視、躱され易いようであれば命中率重視
視力にて動きを確認、連撃が来たら攻撃回数を重視
併せ武器落として刀を弾いて攻撃をずらす、または武器受けにて防御
2回攻撃にて攻撃を捌いた後にカウンターで対処
負傷は激痛耐性にて耐える

私の本当の狙いは貴方ではない
その先の奴と刃を交えるその時まで、負ける訳にはいかないのです




「試す為に、人の命を散らそうとする。――命の重さを貴方は軽く見ている。そんな貴方を私達が逃すはずもないでしょう」
「好奇心は悪い事じゃねぇんだけどな。あんたのソレはどうやっても許容出来ねぇからよ、還って貰うぜ」
 陰陽師達の守る京を背にした篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)と月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)はロロサエルと対峙し刃の切っ先を突きつけている。
「人の命の重さ、ですか。逆に問いますが貴方方はその意味を全て知っているのでしょうか」
「我々は貴方と問答をしに来たわけではない。往きましょう、倫太郎」
「往こう、夜彦!」
「答えては貰えませんか、例えば貴方方の片方と億人の命はどちらが重いのか。どう答えるかが気になったのですが」
 ロロサエルに言葉の代わりに放たれたのは斬撃。風が集いて幾重もの刃となりその胴を凪ごうとする。それをもたらしたのは華焔刀を携えた倫太郎だ。
「下らねえ事に疑問持つんじゃねえ!」
「少なくとも私にとっては価値のある事ですよ」
 放たれた風の刃を切り払いながらロロサエルは涼しげに返す。その天使の斬撃は風の刃だけではなく猟兵達にも等しく放たれる。
「ならばそのまま疑問を抱えたまま骸の海に落ちてください」
 ロロサエルと夜彦の斬撃がぶつかり合って、辺りに甲高い金属音を鳴り響かせる。
「ならば、せめてあの街の陰陽師達と会わせてほしいのですが。そうはさせてくれなさそうですね」
 不意に踏み込んだロロサエルが倫太郎の持つ薙刀の穂先の内側の間合いに入る。大ぶりの武器というのは得てして懐に入られると弱いもの、そこを的確に付いてくる。
「くっ!」
 柄をぶつけるように振り回してロロサエルを打ち払おうとするが、その程度の打撃では止まらない。しかしもう一振りの風の刃が二人の間に差し込まれ、ロロサエルを追い払う。
「大丈夫ですか、倫太郎」
「ああ、しかし盾の俺が守られるってのはちょっと悔しいな」
 距離を開けられたロロサエルは二人に刀を突きつけている。どうやらまだまだ余力はあるらしい。
「どんなにてめぇが強かろうと、何度だって還す」
「私の本当の狙いは貴方ではない。その先の奴と刃を交えるその時まで、負ける訳にはいかないのです」
「そして最後にはクルセイダーを引きずり出してやる」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

司・千尋
連携、アドリブ可

七大天使って事は似たような奴があと六人いるわけ?
負けそうになったら堕天使になってパワーアップ…とかは止めてくれよ?


近接や投擲等の武器も使いつつ
宵と暁との波状攻撃で攻撃
死角や敵の攻撃の隙をついたりフェイント等を駆使
範囲攻撃や2回攻撃など手数で補う
攻撃時は味方は巻き込まないようにする


敵の攻撃は細かく分割した鳥威を複数展開し防ぐ
割れてもすぐ次を展開
オーラ防御も鳥威に重ねて使用し耐久力を強化
回避や防御、相殺する時間を稼ぐ

敵の攻撃の刃、羽、呪言は三種類同時に当たらないように対処しやすい攻撃を集中して防ぐ
間に合わない時は双睛を使用
陰陽師達や結界への攻撃は最優先で防ぐ


好奇心は猫を殺すんだぜ?


ニコリネ・ユーリカ
私ったら性悪だから
貴方に七大天使を見つけさせた後でやっつけたいけど
貴方の死が他の天使を呼び込むかもしれないものね
頑張りましょ(わるいかお)

陰陽師さん達は安全圏へ
常に射線に立って衝撃や負傷を代わります
可能なら皆さんが四方から四神を喚び召すように
私が精霊術で呼び集めた四属性の精霊を結界術でお守り下さい

さぁ
天使が振るう刀と花屋が振るうシャッター棒の戦いよ
体格や体勢から間合いと初動を見極め
致命傷だけは回避しつつ斬撃に打突を被せる
刀は力の方向によっては折れやすいから
満遍無く硬い金属棒で叩き折っちゃう

地上に降り立った天使さん
貴方は貴方の仕事を果すべきだったわ
自身の旺盛な好奇心に猟兵を刻み
骸の海へ行きなさい




「七大天使って事は似たような奴があと六人いるわけ?」
「そうです。私の使命は他の七大天使を探す事。……もっともここにいるのは個人的興味ですが」
「職務放棄してて良いのかしら? 真面目そうに見えて意外と雑なのね」
 繰り返す武器の打ち合いの中、司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)とロロサエルの会話から、天使に辛辣なコメントを付けるニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)。彼女達の背後で守られている結界が四色に輝いているのはパワーソースとして四属性の精霊を貸しているからだ、陰陽師達はそれを四聖獣と見なして扱っているのだろう。
「守りは万全ですか」
「負けそうになってるからって堕天使になってパワーアップ……とかは止めてくれよ?」
 千尋の放った短刀を弾き返すロロサエル。千尋は軽口を言うものの直様に接近しての打ち合いに移行する、彼に加勢するようにニコリネもシャッター棒を手に横に並ぶ。
「もう堕ちてるんじゃないかしら、骸の海に」
「ああ、なら気にすることはないな」
 斬撃と呪詛が降り注ぐ戦いの中で軽口を挟む余裕のある二人。もっとも戦いの方はやや押されてはいるが。
「そろそろ幕引きと行きましょう」
「お前の負けで、って事か?」
「私ったら性悪だから、貴方には他の七大天使を見つけてもらってから倒れて欲しかったけど。貴方の死が他の天使を呼び込むかもしれないし」
「成程、冗談が上手ですね」
 ロロサエルの放った斬撃が距離を無視して二人に同時に襲いかかる。しかしそれを減衰するため、千尋の放った鳥威が刃を鈍らせる。
「少し任せていい?」
「給料次第だな」
 そう交わしながらニコリネは一旦引き、残された千尋の目が金色に光る。彼と彼の操る宵と暁の二体の人形の動きが加速してロロサエルを三方から攻め立てる。
「このまま失せろ」
「そういうわけにもいきません」
 逃れる事の出来ない攻撃の只中においてもロロサエルの余裕は崩れない。次第に千尋の方にも傷が生じており、耐久力の差で勝てるはずだ。そう踏んでいるのだろう。
「とでも思ってるんでしょうけど天使さん。お生憎様」
 そう言ったニコリネの頭上には炎の塊が浮かんでいた。防衛に余裕の出来た陰陽師たちから助力を受けて膨らんだ炎の精霊だ。
「貴方は貴方の仕事を果すべきだったわ。自身の旺盛な好奇心に猟兵を刻み、骸の海へ行きなさい」
 今になってロロサエルはその存在に気付く。しかし今背を向けて逃れようとすれば千尋に切り刻まれるだろう。その逡巡の僅かな間に炎は落とされロロサエルを焼失させる。
「好奇心は猫を殺すんだぜ? どんな厄介な猫もな」
 すんでの所で距離を取った千尋が薄く笑いながら呟いた。ロロサエルが滅ぶと同時に京の街に静かさが帰ってくる。かくて京の長い一日はこうして幕を閉じるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月27日


挿絵イラスト