漿船イオニス――古メカでパニック!
●漿船イオニス
宇宙のどこかで漿船(クリスタルシップ)が鈍い輝きを放っていた。その船は実に長く宇宙を漂い、その中にクリスタリアン達を育んできた。
そこへ辿り着いたのは、隠された転送装置を使い宇宙空間を越えてきたバトラー・サファイアだ。長く蒼い髪が躍る。
「さて……イオニス、眠りにつくのはまだ早いですよ。私達のために一仕事してもらわなければならないのですから」
イオニス――バトラー・サファイアは漿船をそう呼んだ。薄れゆく漿船の意志へと語り掛ける。
「しかし……少々うるさいですね。少し黙っていただきましょう」
部屋の外はどんどんがらがらと妙に騒がしい。クリスタリアン達の声も響き、バトラー・サファイアにとっては耳障りでしかなかった。
バトラー・サファイアは部屋を抜け出す。そしてクリスタリアン達を見つけ次第黙らせるのだ。
黙らせる、とはすなわち死を意味する。罪のないクリスタリアン達の命はいとも簡単に散っていった。
●スペースシップワールド・2ndラウンド
「『スペースシップワールド』が大変です!」
ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)がグリモアベースに飛び込んでくる。事件の予知があったのだ。
「猟書家の幹部『バトラー・サファイア』が漿船を襲う悪夢をまた見てしまいました!」
猟書家――もう耳にタコができるほど聞いた言葉だ、と感じる猟兵もいることだろう。
しかし彼らとの戦いは長く続く。辛抱強く対処していくことが大切だ。
猟兵が適度に集まったのを見計らい、ロザリアは説明を開始する。
「『イオニス』という漿船にバトラー・サファイアが転送装置を使って現れ住人の皆さんを殺してしまうんです! ですからその前に漿船へ乗り込み、転送場所を見つけてバトラー・サファイアを倒しましょう!」
単純明快な話だ。だが転送場所がどこか、ということは現段階ではわかっていない。
その鍵は、刻一刻と命の期限が迫っている漿船の住人達にある。住人達なら転送装置へ辿り着く糸口を見つけられるはずだ。
ところが漿船は今、絶賛問題発生中なのだとか。
「ただ、漿船イオニスでは船のあちこちで機器の故障が発生し、住人の皆さんはパニックになっているようです。話を聞くにも聞ける状態じゃないかもしれませんので、まずは住人の皆さんを助けてあげるといいと思います!」
故障の原因は様々だろうとロザリアは言う。精密な部品などを修理することもあれば、力技で何とかなる、ということもあるかもしれない。
「バトラー・サファイアの出現まであまり時間はないかもしれません。皆さん、どうか力を貸してください!」
沙雪海都
沙雪海都(さゆきかいと)です。
再びバトラー・サファイアとの戦いになりますがよろしくお願いします。
●フラグメント詳細
第1章:日常『レッツ!メカニック!』
漿船イオニスでの機器修理のフラグメントになります。
通信機だとか安眠カプセルだとかモニターだとか、色々機器はあると思います。
ここに挙げた物でもいいですし「こういうものを直すぞ!」とかプレイングで言えば多分そういう物が壊れているでしょう。
きちんと直せれば住人も落ち着くと思いますので、話を聞いてみるなどしてみてもよいかと。
住人達はテレパシーを使うことで漿船と意思疎通ができます。そこを頼ってもいいかもしれません。
第2章:ボス戦『バトラー・サファイア』
能力的には特殊要素の無い普通のボスです。
普通にやっつけましょう。
●MSのキャパシティ
合わせプレイングはお受けできません。申し訳ないです。
ゆったりペースで進行予定です。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 日常
『レッツ!メカニック!』
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POW : 叩けば直るとばかりに力技で何とかする
SPD : 技術を活かしてきちんと修理する
WIZ : 効率よく修理を進めるための作業割り振りなど、裏方仕事をする。
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
エメラ・アーヴェスピア
SSWの幹部は大人数を巻き込むわよね…本当に迷惑よ
猟書家との戦いは始まったばかり、出来る限り被害は出したくないわね
それじゃ、仕事を始めましょうか
なるほど、短時間で片っ端から修理していけばいいのね…それなら完全に私の領域よ
私は判り易い所で待機し、船員達に何が何処で壊れているか聞いて【情報収集】
そしてその場所に『我が工房に帳は落ちず』の工兵を片っ端から派遣し【メカニック】で修理させるわ
SSWの機械なら何度となく修理してきたからこの世界の技術だけで直す事も容易よ
大部分は任せなさい、時間もないし手早く行きましょう
※アドリブ・絡み歓迎
ルカ・クルオーレ
アドリブ歓迎
わー、困ったことになってるねえ。
機械かー、苦手じゃないんだけど僕の知識範囲で分かるかなあ。
メカニックはそれなりに学んだけどねえ……うん、見た感じ通信機辺りなら知識の応用が利きそう。
「はいはい、ばたばたしてても何にもならないからねー。一寸場所空けてねー」
うん、人の身になってから色々勉強しといて良かったよ。
落ち着いて貰えたら転移場所とやらを調べてみようかな。
それっぽい機械を使って……ああ、船と話せるんだ?
それじゃ皆にお願いしようか。
怪しい場所……あんまり人が行かない場所、ここを押さえられると困るなって場所とかを探す感じで良いのかな。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎
■行動
確かに、お話を聞くどころでは無さそうですねぇ。
転送場所をの質問はこの件の解決後に行うとして、まずは此方でしょうかぁ。
人手の不足する箇所を艦内の方に尋ね、其方に入りましょうかぁ。
私は『修理』については詳しくありませんが、であれば詳しい方をお呼びしましょう。
【伎偶】を使用し『宇宙船の整備』に長けた『女神の従者』を召喚しますねぇ。
『艦隊戦』であれば『艦の整備』も戦いの一環ですから、当然此方の技術者もおりますので、『技術』や『知識』が必要な箇所はこの方にお願いしますぅ。
その上で『パーツの運搬』や『力技による解決』が必要な箇所は、私が[怪力]でお手伝いしますねぇ。
●猟兵メカニック部隊、活動開始!
猟兵達がやってきた漿船イオニスはてんやわんやの状況だった。
「だぁーっ! 通信機から火花が!」
「おーい、安眠カプセルが動かないぞー!」
「大変でーす! 倉庫の扉が故障してユンちゃんが閉じ込められてしまいましたぁー!!」
あちらこちらから耳を痺れさせるような悲鳴が上がっている。これではとても話を聞けたものではない。
「スペースシップワールドの幹部は大人数を巻き込むわよね……本当に迷惑よ」
眩暈がしそうなほど人が目まぐるしく駆け回る船の惨状を前にエメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)はため息をついた。
何を思って大勢のクリスタリアンが住む船を狙ってくるのか。しかも船が耐えきれずあちらこちらで故障を出しているこの時に。
猟兵達が来た時に少しでも障害を多くするため――なんてことを考えているのだとすれば、バトラー・サファイアとはなかなかの策士と言えそうだ。
「わー、困ったことになってるねえ」
他方、ルカ・クルオーレ(Falce vestita di nero・f18732)はこの状況を前にしてものんびりとしていた。どこか楽しんでいる節もあるのは、体を得たヤドリガミとして、その目で見る新しき世界への興味故か。
「確かに、お話を聞くどころでは無さそうですねぇ」
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)も同意を示す。どこもかしこも忙しそうで、外部から来た人間の相手をしてもらえる気がしなかった。
「今はこの状況を片付けるのが先決ね。それじゃ、仕事を始めましょうか」
「わかったよー。あ、さっき通信機がどうとか言ってた人がいたからー、僕はそっちに行くねー」
エメラが作戦開始を宣言すると、ルカは早速目をつけていた通信機の元に駆け寄っていく。
「はいはい、ばたばたしてても何にもならないからねー。一寸場所空けてねー」
「わっ、君は……」
「通信機、直したいんでしょ? その辺りの知識ならそれなりに持ってるからー」
突然登場したルカにクリスタリアンの男は少し驚いた様子だったが、言われるままに場所を譲っていた。ルカは近くに転がっていたドライバーを手に取ると手早く回転させてネジを外し、通信機の蓋を開ける。焦げ臭い煙が昇り、焼けた配線が見えた。
「被覆が脆くなって線が焼けたのかなー? あぁ、それでここのパーツもダメになってるねー」
ルカの手際の良さに男は見とれているようだった。何が何だかさっぱりだったものを、どこからか来た者が簡単に解体、修理していく。
確かな技術は信用を生んでいた。
「これの代わりはこの船にあるのかい?」
「あぁ、探してこよう」
ルカが故障の原因となっているパーツを手渡すと、男はどこかへ走っていく。
「彼は大丈夫そうね。あなたはどうするのかしら?」
「私は『修理』については詳しくありませんが、詳しい方をお呼びすることならできますよぉ」
エメラに尋ねられると、るこるはふんにゃりした雰囲気で答える。
その傍を一人の少女がぱたぱたと走っていくのが見えた。
「あわわ、皆忙しそうですー……どうしよう……」
「あらぁ、どうしたのでしょう?」
見覚えのある顔だ。そういえば、ここに来てから何度もるこるやエメラの近くを通っていた気がする。
「倉庫の扉が故障してユンちゃんが大変なんですー!」
「なら、私が行ってお手伝い致しましょう」
「本当ですか!? ありがとうございますー!」
半泣きの少女はぺこぺこ頭を何度も下げ、るこるを先導するように通路へと駆け出していく。
「では、行ってきますねぇ」
「えぇ、お願いね」
るこるの背中を見送り、エメラもまた自分が手を貸すべき相手を探す。
今いる場所は部屋を良く見渡せる。荷を運び入れる者や、他人に呼ばれて向かう者、連絡を受けて指示を出す者などいたが。
「その『安眠カプセル』とは何処にあるのかしら?」
「猟兵さん。あぁ、安眠カプセルは向こうの仮眠室に……」
男はまた別の通路の先を指差した。あちらこちらの人間に話しかけていたが、あまり取り合ってもらえず頭を抱えていた男だ。
「私は機械の専門家……修理が必要なら請け負うわよ」
「本当かい!? そりゃあ助かる。お願いするよ」
「なら、その仮眠室までの経路、あと修理してほしい台数を教えてちょうだい」
「経路はあの通路を進んで2つ目の十字路を右に曲がり、左手に見える3つ目のドア、そこが仮眠室だよ。24台の安眠カプセルが全部ダメになってしまって」
「24台……ふふ、それでこそ私の腕の見せ所ね」
バトラー・サファイアが出現するまで時間はそれほどあるわけではない。しかしエメラはむしろ歓迎するように笑みを浮かべていた。
船内の機器修理と聞いて、満を持して乗り込んだのだ。それくらいのボリュームを持ってきてもらわねば役不足というもの。
「各員、整列!」
エメラが号令をかけると、目の前に瞬時に魔導蒸気工兵が現れた。総勢93名が長方形に整列している。
「目標、24台の安眠カプセル。速やかに作業を開始なさい」
それだけの指示で魔導蒸気工兵は即座に行軍し、仮眠室へと向かって通路に消えていく。
「今のは……」
「彼らに任せておけば問題ないわ。私の意思はトレースしているし、この世界の機械は何度も修理してきているから技術面にも不足なし。作業経過も入ってくるから、あなたは大人しく見ているだけでいいわよ。……何なら、他に修理したい物を持ってきてくれても構わないわ」
自信満々な表情はまさに司令塔だ。魔導蒸気工兵からは逐一状況が発信され、それに応じて的確な指示を与える。まるで目の前に実物があるかのようにエメラは魔導蒸気工兵を動かしていた。
「こっち、こっちですー!」
少女に連れられ、るこるは件の倉庫の前にやってきた。
「ユンちゃん、聞こえますかー? 人を連れてきました! すぐに出られますからね!」
「ほんと!? 助かるよー!」
少女が扉の向こうに声を掛けると、これまた泣きべそをかいていそうな声が返ってきた。
「では、宜しくお願いします!」
「はぁい。……大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、大いなる技術を操りし女神の従者よ、私の元へ」
るこるは扉から少し離れると、静かに召喚の詠唱を始めた。るこると扉の前の空間を囲むように白い光が床から迸り、目の前に『女神の従者』が召喚される。様々な分野に長けた人形型の従者。此度は宇宙船の整備に長けたものを呼び出した。
それに合わせてるこるの体がしゅんと縮んだ。縦方向、身長も多少は縮んだが、それより他人の目を引く豊満な胸が目の前の少女と同じくらいに縮まってしまったのが衝撃的だった。
「わっ、おむねが……!」
「大丈夫ですよぉ。修理が終われば元通りになりますからねぇ。さぁ、取り掛かってください」
かなり持て余すことになった服を押さえながら、るこるは従者へ指示を出した。技術力の高い従者を呼び出すにはそれなりの代償が必要であり、それが今のるこるの体の変化だった。
代償に応じた仕事を従者はしてみせた。扉を一瞥すると素早く横の壁を開く。扉の配線部分を一瞬で見抜き、工具を差し込み故障したパーツを取り外す。それを従者はすっとるこるへ差し出してきた。
「これの新しいものがあればいいのでしょうかぁ」
「そういうのなら、隣の部屋で見た気がします!」
少女が横から教えてくれたのでるこるは隣の部屋へ出向き、中にあった小さな扉のロッカーをパカパカ開けて探し始める。色々なパーツ置き場。形や書いてある記号などを比べ、同じものを見つけ出した。
「これでお願いしますねぇ」
従者に手渡すと、またてきぱきと作業してパーツを取り付ける。そして最後にピッと扉を指差した。両サイドにスライドして開くタイプの扉。その真ん中の隙間に指を突き立てるようにして、ぐっと引き寄せるジェスチャーを見せた。
「あらぁ、一度手動で開けないといけないのですねぇ」
そのまま強引に開けると壊れるが、修理が終わった今なら通電と共に開くことで正常に動くようになる、ということらしい。そんな細かなジェスチャーを従者はしていた――気がした。
ともかく、力仕事となればるこるの出番だ。
「じゃあ、いきますよぉ。いち、にぃ、さん!」
タイミングを計り、るこるは指に力を込めて怪力を発揮した。すると扉はずるりとスライドして両側に開く。暗い部屋の中には少し年齢の上がった少女がぺたんと床に座り込んでいた。
「わぁー、ユンちゃん!」
助けを求めた少女はユンちゃんなる少女へ駆け寄り抱きついていた。
これにて一件落着。従者が消えると、るこるの体型も無事元に戻っていた。
「はい、終わりー。ちゃんと直ってるか確かめてみてねー」
ネジをきゅるきゅると回し、蓋を固定して修理は完了だ。ルカが男へ確認を促すと、男は早速通信機を操作する。
「あー、あー、テステス」
男が呼び掛けるとスピーカーから「おぉ、直ったのか」と声がした。
「これで孤立せずに済む……助かったよ、ありがとう」
「どういたしましてー。……あ、それで実は、気になることがあってー」
ルカは落ち着きを取り戻した男に転送装置について尋ねてみた。すると男も驚きの様子。転送装置の存在は知らなかったようだ。
「多分人があまり行かない場所とか? にある気がするけどー」
「いくつか心当たりはあるが……イオニスに聞いてみよう」
「ああ、船と話せるんだ? ならお願いするよー」
男は静かにテレパシーを飛ばし、漿船イオニスの声を聞く。
「……君の言う通りだ。確かに、転送装置というものがあるらしい。そこは今はスクラップ置き場として使っていてね。今でこそこんな状況だが、普段はそんなに行く場所じゃないよ」
「あ、当たりだねー。じゃあ、早速行ってみようかなあ」
「通信機を修理してくれたお礼だ、そこまで案内しよう」
男の助けにより、目的の場所が見つかった。ルカは他の修理作業を行っていたエメラを見つけ声を掛ける。
「転送場所、わかったよー。この人が案内してくれるってー」
「あら、そうなの。こっちも作業が終わったから丁度いいわね」
エメラの前には修理開始時同様、魔導蒸気工兵が整列していた。役目を終えてぽしゅんと消えていく。
「そういえば……倉庫に向かった子がいるのだけど」
「倉庫か……その子も同じ場所へ向かっているなら、途中で会うことができるはずだよ」
「なら安心ね。急ぎましょう」
男を先頭に、エメラとルカは転送場所とされるスクラップ置き場へ向かう。足元も壁もぴかぴか宝石の輝きを放つ通路を駆け抜けていくと、丁字路の角からひょっこりるこるが顔を出した。連れる少女は二人に増えていた。
「あ、二人も来たんですねぇ」
るこるも少女達に転送装置の在処について少女達に質問し、やはり同じくテレパシーから転送場所の情報を掴んでいた。
こうして合流した三人が向かうのはスクラップ置き場。
気付けば、船内の喧騒は静まっているようだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『バトラー・サファイア』
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POW : ナイブスストーム
【サファイアでできた無数の暗器】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : アカンプリッシュメント・オブ・アサシン
レベル分の1秒で【麻酔針】を発射できる。
WIZ : サファイア・フラッシュ
【サファイアの肌】から【蒼く眩い閃光】を放ち、【目を眩ませること】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:白菜ポンズ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠エリル・メアリアル」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●蒼色の従者
スクラップ置き場にはその名に相応しく、故障した機械がいくつも転がっていた。猟兵達の活躍により収まった大故障の危機も、予兆のようなものがあったのかもしれない。
その一画、都合よく空いたスペースに、まるで3D映像が実体を得るかのように蒼色の従者たるバトラー・サファイアが出現した。
対峙する猟兵とバトラー・サファイア。果たして、戦いの口火を切るのはどちらか――。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
どうやら、間に合ったみたいですねぇ。
それでは、始めましょうかぁ。
『FBS』を四肢に嵌め飛行、『FRS』FSS』を展開し【籠域】を使用しますねぇ。
此方は『触れた物を崩壊させる乳白色の波動』をバリアの様に纏うことが出来る【UC】、攻撃手段が『暗器』で有る以上、数は多くても『暗器一つの大きさ』は然程ではない筈ですから、此方で防げるでしょう。
防げない程のサイズの品は『FSS』の[砲撃]で飛来中に削りますぅ。
後は住人の方々の前でガードしつつ『FRS』『FSS』で[砲撃]、回避場所を塞ぐ様に彼女の周囲を対象に含めた[範囲攻撃]を『連射(=[2回攻撃])』で行い、確実に叩きましょう。
●全方位・波動解放
「どうやら、間に合ったみたいですねぇ。それでは、始めましょうかぁ」
ゆったりした口ぶりとは裏腹にるこるの動き出しは早かった。FBS(フローティングブレイドシステム)を四肢に嵌め浮遊すると、FRS(フローティングレイシステム)とFSS(フローティングシールドシステム)を続けて展開し、攻撃・防御両面で万全の体制を築く。
『大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて祈りを捧げましょう』
そしてさらに乳白色の波動を球状に纏う。波動の中に霞む様は妖艶な神秘を演出していた。
「邪魔です……消えなさい!」
バトラー・サファイアは矢継ぎ早に暗器を投擲した。ナイフ状の暗器は弾丸の如く一直線に飛び、るこるが纏う波動と衝突する。
サファイアの暗器に対し流動的な波動だが、その破壊力は刃を防ぐ盾となる。暗器は鋭利であれど質量はそうあるものではない。故に衝撃力の勝負では波動のバリアが持つ破壊力を凌駕するに至らず、力を失った暗器がるこるの周りに散らばっていく。
「くっ……」
正面突破は困難と判断したか、バトラー・サファイアは横っ飛びで転回していく。移動の最中でも暗器の投擲を続けて隙を突こうとしたが、波動は強固に暗器を弾いていた。
「逃がしませんよぉ」
後ろまで回り込まれて隅に待機する住人達に被害が出ぬよう、飛行してバトラー・サファイアの前を塞ぐ。広く展開されたシールドに波動の範囲も合わせれば、バトラー・サファイアの攻撃範囲を丸々カバーすることができた。
やがてバトラー・サファイアの手が止まる。るこるの守りを崩す手段に窮していた。
「終わりでしょうかぁ。では、次はこちらから……」
いよいよレイシステムの出番だ。るこるが両腕に装着した固定砲台をバトラー・サファイアに突きつけると、周囲に浮遊する砲台も一斉にバトラー・サファイアへ砲口を向けた。
一斉射撃。流星群のような砲撃がバトラー・サファイアを捕らえにかかった。右も左も、バトラー・サファイアの逃げる先まで、先回りするように砲撃は網を広げる。
逃れられないか――それでもハチの巣にされるよりはましだ。当たっても一発か二発なら耐えられるかと意を決し右へ跳んだバトラー・サファイアだったが、砲台はまだ沈黙していない。砲口がカッと輝いた再度の射撃はバトラー・サファイアの動きに合わせてより範囲を狭め、確実に撃ち落とさんとしていた。
細い体にビシビシと砲撃が刺さり、まるで巨人に持ち上げられるかのようにバトラー・サファイアの体が吹き飛んでいく。
「あがっ……ぐっ……!」
床を跳ね転がるバトラー・サファイア。放置されたスクラップに叩きつけられてようやく止まったその体には、砲撃の恐ろしさを示すように無残な穴がいくつも開いていた。
大成功
🔵🔵🔵
ルカ・クルオーレ
アドリブ連携歓迎
スクラップ置き場の様子を見るに、結構色々限界だったっぽい?
一度きちんとメンテ受けた方が良いのかもねえ。
そうして眺めていたら……ああ、丁度いいタイミングで来た。
長引かせる必要もないし、さっさと終わらせようか。
「お前みたいなのにかける時間ももったいないからねえ」
薄く笑みを浮かべ挑発し大鎌を構えると、なぎ払いを連続でぶつける事で相手の体勢を崩していくよ。
少しでも隙が見えたらLama di distruzione……UCの力でバトラー・サファイアの身体を破壊してしまおう。
「全て破壊してあげるよ……跡形もなく、ね」
●冷たい赤と熱い蒼
ルカはスクラップの中に浮かぶ道を歩く。
「ここの様子を見るに、結構色々限界だったっぽい? 一度きちんとメンテ受けた方が良いのかもねえ」
漿船を長く使うためにも。ルカは思いやる言葉を口にする。
しかし刹那、ふっとルカの瞳から体温が消えた。
「長引かせる必要もないし、さっさと終わらせようか」
立ち上がるバトラー・サファイアを見つめるルカの眼差しは、崖に掴まる手を蹴り落としそうな程に冷たい。
対しバトラー・サファイアの蒼い瞳には怒りの熱が籠る。
「それはこちらの台詞です!」
暗器をシャッと取り出すと、両手を交差させながら鋭く投げつけてきた。バツ字に並び飛行する暗器を前に、ルカは薄く笑みを浮かべながら大鎌、Falce della Morteを構える。
「お前みたいなのにかける時間も――」
ルカはバツ字の交差点を狙って大鎌で薙いだ。真一文字の一閃、その圧が衝撃波となり暗器を丸ごと吹き飛ばす。
「もったいないからねえ」
静かに呟き、軽く前傾しながら跳ぶように駆け出した。一歩、二歩、三歩。簡単に間合いを詰めバトラー・サファイアへ迫る。怒りが醒めるようにバトラー・サファイアの瞳は揺れていた。
ルカは弧を描く刃でバトラー・サファイアを薙ぎ払う。暗器や麻酔針と言った小物では到底太刀打ちできない一撃だ。バトラー・サファイアはバックステップを踏んで回避を試みるが、刃の軌道がぐぅんと伸び、クリスタルの体をガリッと抉った。
「ぐぅっ」
浮いた体がバランスを崩す。踵から着地するが傾いた軸は戻らない。そのまま後方へ転げてしまうかというところへルカは追い込んだ。
『……お前の全てを破壊してやるよ』
大鎌を振り上げ袈裟に薙いだ。咄嗟に腕で庇おうとするのが見えたが構わない。それ諸共砕けばいいのだ。
ルカが放った薙ぎは一直線に床まで突き刺さる。その上では細かい欠片と共にバトラー・サファイアの片腕、肘から先が舞っていた。
「あぁぁっ!! こ、の……っ!」
自分の体を抱きすくめるように欠けた腕を庇うバトラー・サファイアへ、ルカが投げかける視線は常に等しく。
「このまま全て破壊してあげるよ……跡形もなく、ね」
瞳の赤とは裏腹に、ひどく冷酷なものだった。
大成功
🔵🔵🔵
エメラ・アーヴェスピア
さて、何とか間に合ったかしら?
ここから先に進ませると船員さん達が危ないわよね、何とかここで撃滅しましょう
入手した情報からすると…あまり派手な攻撃はしてこなさそうね
ならいつも通りで行きましょう
『出撃の時だ我が精兵達よ』
9機召喚、5機は大盾と魔導蒸気散弾銃を装備。残りは魔導蒸気長銃を装備させ【集団戦術】で運用
大盾の兵は【盾受け】で私と長銃の兵を【かばう】しつつ接近された時に散弾銃、残りの兵は後ろから射撃よ
対閃光装備さえしていれば敵の脅威度はそこまででもないわ
それと折角だから新兵器の試験と行きましょう
「魔導蒸気装兵」、魔導蒸気製の光剣を構え、その機動力を持って【遊撃】に回りなさい
※アドリブ・絡み歓迎
●出撃の時だ我が精兵達よ
「さて、出現にも間に合ったことだし……このまま撃滅といきましょう」
バトラー・サファイアの戦闘力は大きく削がれている。畳みかけるなら今、とエメラが動いた。
『さぁ出番よ、私の勝利の為に出撃なさい』
ポポポポポ、と床が輝き召喚されたのは戦闘用魔導蒸気兵だ。アーチを描くように9機の兵が並ぶ。
それらは装備によって役目が割り当てられ、即座に陣形を成した。大盾と魔導蒸気散弾銃を持つ5機の兵がまずは前衛に立って壁を作り、その背後にエメラと4機の兵を隠す。
後衛の4機は魔導蒸気長銃を装備し、大盾の隙間から銃口を覗かせバトラー・サファイアを狙っていた。
「射撃、開始せよ!」
エメラが号令をかけると長銃が一斉に発砲音を轟かせた。等間隔に並んだ弾丸がバトラー・サファイアへと集中する。
「……っ!」
体の左右のバランスを失っているバトラー・サファイアの動きは精彩を欠いていた。盾の間から伸び出た銃口を注視してはいたものの、回避の動き出しが遅れて先の無い腕に弾丸を浴びる。丸い弾痕からパキパキとヒビが走り、ぷらぷらと揺れる袖口から欠片がぼろぼろ零れていく。
「止まり……なさいっ……!」
逃げているだけではいずれ死ぬ。残った片腕で反撃の糸口を見出そうとバトラー・サファイアは麻酔針を放つ。普段の速さよりはいくらか劣るが、それでも細い針は見えにくく回避は難しい。
「盾よ、塞げ!」
エメラの号令に動いたのは大盾の兵だ。銃口が引っ込むとすぐさまガチンと隙間を閉じ、針一本通さない。大盾が完全な壁となり、エメラと長銃の兵を麻酔針からかばっていた。
「射撃、用意!」
盾が開き、また長銃が顔を出した。重なる銃声。見舞った斉射はバトラー・サファイアの体を穿つ。攻撃と防御のテンポが絶妙だ。バトラー・サファイアを寄せ付けない。
盾が閉じればそこは完全な影の中。光の一筋も通らなければ目くらましも受けることはない。
(この調子で封じていけば、敵の攻撃は脅威ではないわね……折角だから新兵器の試験といきましょう)
大盾は麻酔針を弾き、小気味よい音を鳴らしていた。歯噛みするバトラー・サファイアの表情は見えていないが作戦は概ね順調と判断し、エメラは新たな戦力を投入した。
魔導蒸気装兵――エメラの経験と技術の粋を結集した人型魔導蒸気兵器だ。エメラ自身よりもさらに小さいが、魔導蒸気製の光剣を構える様は紛れもなく兵士だった。
小柄であればこその機動力。大盾の陰からひゅんと飛び出すと、長銃の射撃を受けてなお接近を試みていたバトラー・サファイアへと間を詰めた。
「これは……っ!」
それまで射撃に集中していたところへ伏兵が迫ってきた。麻酔針を投げ打つが、魔導蒸気装兵は鮮やかに光剣を操り叩き落とす。そして自身の間合いを手に入れると身長差を物ともせず跳んで斬り上げた。
光剣は足を削る。破片がキラキラと光を反射していた。よろめく宝石の体を待ち構えていたように銃声が鳴ると、弾丸は一直線にバトラー・サファイアの中心を貫いていた。
小憎らしい遊撃兵。魔導蒸気兵器故に表情などないが、それが却ってバトラー・サファイアを苛立たせる。
射撃のタイミングからして、この兵器に誘導された――バトラー・サファイアはふらつきながらそれを悟るのだった。
大成功
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フィオリナ・ソルレスティア(サポート)
◆性格
普段から冷静沈着で人当たりが良く優しいお姉さん。
実は猫と弟を溺愛する困ったさん。隠しているつもりが割とダダ洩れ
口調は「私~だわ」「私~かしら」『下の名前+さん付け』
胸にトラウマがあるため巨乳の敵には容赦しない。絶対に。
◆戦闘
オートフォーカスで敵をロックオンし、遠距離からの魔法系UCで戦う。
アイギスの盾で相手のUCを相殺したり、敵の弱点に応じた属性攻撃等を
得意とする。フィニッシュはバベルの光が多い。
TPOに応じて愛用の宇宙バイクで戦うことも。意外と乗りこなす。
◆非戦闘
動物と話す等、情報収集を中心にしつつも、ハッキングやシステム破壊等
荒業で対応することも
●存在こそが命取り
跳んで、駆けて、仰け反って。
バトラー・サファイアの様々な挙動にはどれも『揺れ』が伴っていたのをフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)は見逃していなかった。
宝石の体とはいったい何なのか。物申したくなるほどに揺れていた。
そして芸術とは、時に一部が欠けている時こそ美しいとされる。今のバトラー・サファイアは片腕を失うことでまさにその美を、その胸元に湛えていた。
「巨乳かつ美乳……つまりは敵だわ!」
容赦しない。絶対にだ。地獄の炎よりなお燃え滾る執念だ。
オートフォーカスですぐさまロックオン。ああ、忌々しい胸元がロックオンされた。何故そこなのか。心臓があるからか? それとも巨乳を滅せよという神の思し召しか。
「何、を……これ、でも、受けなさいっ!!」
怨嗟の視線が突き刺さるのをバトラー・サファイアは感じていた。フィオリナの宣言も聞いていた。猟兵とオブリビオン。敵対は当然だが、フィオリナが向けてくる敵意の本質は計り兼ねていた。
サファイアの肌は蒼く眩い閃光を放つ。今はフィオリナの照準から逃れなければならなかった。超新星爆発を思わせる輝きが部屋全体に満ちていく。
この光の中を不規則に動けば照準から少しでも外れられるか――それは一種の期待であり、そしてフィオリナはその期待を打ち砕く。
光で視界が遮られようと、フィオリナが今生の敵とする相手を失するはずもなかった。やがて光が弱まった時、ぐるりと向き直っていた先にバトラー・サファイアは居た。
「貫け、バベルの光よ!」
宇宙空間の彼方から一本のレーザーが降る。漿船を通り抜けたレーザーが貫くのはやはり胸元だった。地に留められるようにレーザーに撃ち抜かれたバトラー・サファイアの体がびくんと硬直する。
揺らさない。確固たる意志が為し得たことか。事の終わりを確認し、フィオリナはゆっくりロックオンを外す。
レーザーの軌跡を辿るように倒れるバトラー・サファイアの体は、床と衝突すると粉々に砕け散っていった。
成功
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