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導かれし果て(作者 遭去
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#アリスラビリンス  #猟書家の侵攻  #猟書家  #マーダー・ラビット  #時計ウサギ 


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「は〜い、こっちですよ「アリス御一行様」! はぐれない様についてきてくださいね! ……おっと、そこに凸凹があるので躓かないようお気を付けを!」
 とあるウサギ穴の中、そこにはアリスの少女とオウガブラッドの少年、愉快な仲間、そして一行を先導する男の時計ウサギの姿。
「ちょ、ちょっと待って……いつも思うけど貴方足が早いわ」
「おやっ、そうでしたか? それは失礼。とはいえこう言うではありませんか。『違う場所に行くには今より早く動かないといけない』と!」
「言わねぇよ」
 バッサリとオウガブラッドの少年に斬られた時計ウサギはあらら~と残念そうに肩を竦めた。
「いや~それにしてもこれまで色んな冒険がありましたですね。アリスさんの迷路には、危ない所を何度も助けられました!」
「そうね、でも私だけではないわ」
「ああ、ここまで無事に来れたのも皆のおかげだよ」
 時計ウサギの口から紡がれるは慌ただしく危険でも楽しかった冒険譚。
 アリス達は時計ウサギの言葉に素直に賛同した。アリスが一人、二人であろうとここまで来れる事は無かっただろう。
 クリケットで勝たなければ処刑される事になった時だって今少女の腕の中で寝ている子犬の人脈が無ければそもそもチームが成立しなかった。
 少年の帽子の中にいるネズミには偵察してもらった事が何回あった。
 目の前で先導する時計ウサギの男にもこうしてウサギ穴で移動する以外にも危機から救ってもらった事もあった。

 様々な冒険を思い起こしどの位の時間が過ぎた頃か。一同の前を歩いていた時計ウサギはくるり後ろに振り返り、アリス達に向き直る。
「ーーはいっ、残念ですがそろそろ皆様とお別れの時間となりました!」
「……えっ?」
 明るく飄々とした口調で残酷な宣言をされたアリスたちは一瞬、何のことを言っているか分からなかった。
「えっ、意味がわからない? いやいや、僕って時計ウサギじゃないですか? ウサギ穴って、僕らが先導しないと通れないんですよ。じゃあ逆に、今みたいなウサギ穴のど真ん中で、時計ウサギが居なくなったら、一体どうなると思います? ……はいはいシンキングタイム……1、2、終了!」
「考えさせる気ゼロだろ!」
 少年が抗議を入れるも時計ウサギはまるで聞こえてないかのように次の言葉を紡ぐ。
「正解は「骸の海の藻屑と化す」でした〜! てなわけでばいばい! でもいちおう穴の出口で待ってるから、出てこれたらご褒美に殺してあげるね〜!」
 そう言い切ると時計ウサギーーマーダー・ラビットの足元に穴が空きそのまま穴の中へと姿を消した。
「な、なんだってんだよ……!」
「早く脱出しないと……!? ちょっと見て!」
 マーダー・ラビットがいなくなった瞬間。先ほどまで何も無かった空間が歪み始め――歪みが収まるとそこは木のタイルが貼られた床、そして棒状に建つ何か。
「こ、ここは……?」
 突然変わった空間に驚きを隠せない一行。
――ウウウウウウウウウッ―――――イッッ!
 突如、上空から聞こえてきた大音量に咄嗟に耳を塞ぎ声の発生源を見やる。
「……はっ?」
 素っ頓狂な声を上げるオウガブラッドの少年。彼の目線の先には二本足で立つ生き物の姿があった。
 姿かたちは自分らとさほど変わらない。ただそのサイズが有り得ない程大きい事以外は。
「はぁ~~なるほど~」
「これはヤバいですな」
 少女の腕の中と少年の頭の上にいた愉快な仲間たちがその様を見て納得したように頷く。
「えっ、どういう事!?」
「何がやばいんだ!」
「先ほどの咆哮は『むーしぃー!』っと言ってました」
「僕たち巨人のおうちに迷い込んじゃって虫と思われてるみたい~」
「……って事は……」
 アリスは冷や汗をかきながら再び上を見る。
 そこには何かをこちらに叩きつけようとする巨人の姿。
「に、逃げろぉぉぉ!」
 それは誰の声か。アリス一行は散り散りとなって家具の隙間へと逃げ込んでいった。


「ウサギ穴で移動する途中で時計ウサギがいなくなると中にいる者はどうなるか。貴様らは知っているか?」
 クマのぬいぐるみ、もといエドワード・ベアトリクス(運命の王子様(くま)・f28411)はグリモアベースに集まった猟兵に声をかける。
「曰く、骸の海の藻屑となるそうだ。そしてウサギ穴のこの性質を利用してアリス達を殺そうとする者が現れた。『マーダー・ラビット』と言う猟書家だ」
 彼はアリスと愉快な仲間たちと行動を共にし国と国を渡るウサギ穴の中で彼だけ離脱。そこで全員死ねば終わり、もし何かしらの手段で出て来れても出口で待ち伏せして殺そうとするという。
「殺すだけならこんな面倒くさい方法をとる必要はないが、あるとしても碌な理由では無いだろうな。とにかくお前たちはこの猟書家と対峙前にウサギ穴に取り残されたアリスと愉快な仲間たちを助けに行ってもらいたい」

 ウサギ穴の中は時計ウサギがいなくなった時点で不安定な時空の異世界と化するという。その影響でアリス一行がいるウサギ穴の中は今は巨人が住まう家の空間を模っている。
「自分たち以外の物――空間、家具、人間が巨大な家だ。家の間取りは平屋の一軒家で部屋数は5,6個あるがすべての部屋に窓があるからそこから飛び出して逃げるのも良いが、どんな方法でも家の中から出る事ができればウサギ穴の空間から脱出できる」
 そうして脱出できたウサギ穴の出口には『マーダー・ラビット』がアリス達が出てこないかと待ちわびているという。
「『マーダー・ラビット』はヘラヘラとした奴だが殺人鬼と言われるだけあって油断はできない。鋏や糸といった様々な物を獲物として戦うが、特に近距離での攻撃は強力でな。下手に奴の間合いで戦えば貴様らの体がバラバラにされる可能性もあるから気を付けろ」
 エドワードは説明を終えると改めて猟兵達を見上げる様に真っすぐみやる。
「不安定なウサギ穴の中でアリス達の救助、そして強敵との戦闘。両方をこなす事は難しかろう。では貴様らは猟兵、困難を乗り越えてくれると信じているぞ」
 まぁ無理はしないようにな。
 そういいながらエドワードは猟兵達を見送るのだった。
 


遭去

 遭去です、今回は猟書家依頼をお送りします。どうぞよろしくお願いします。
 以下、補足です。

●依頼形態
 この依頼は2章構成です。1章は冒険、2章はマーダー・ラビットとの戦闘となります。

●アリス一行
 アリス適合者の少女、とオウガブラッドの少年。そして愉快な仲間たちで構成されています。時計ウサギはいません。
 なお彼らはそこそこの戦力を有していますので2章では要望があれば皆様の戦闘のサポートを行わせれます。

●1章
 巨人の住まう家に取り残されたアリス御一行様。皆さんはアリスと猟兵達を虫と勘違いしている巨人の目を掻い潜って彼らと共にこの家から脱出、もしくは脱出の手助けをしてください。
 脱出は家の外へ出れば達成できますので、どうにか窓へと辿りついて飛び降りる、壁を壊して外に出たり、穴を掘って家から出る等で脱出してください。
 なお、猟兵達がこの家に来た時点ではアリス達は散り散りになってどこかの部屋にいます。

●2章
 マーダー・ラビットとの戦闘です。大きなギミックはありませんが、先述した通り1章で助けたアリス達が皆様の戦闘をサポートしてくれます
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第1章 冒険 『小さな小さな大冒険!』

POW物陰に隠れながら、素早く通り抜ける
SPD何かに擬態しながら、気付かれないように進む
WIZ愉快な仲間達を探して情報収集。協力を求める
👑7 🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 アリスラビリンスの某国……いや、ここは国と言っていいのだろうか。先導役がいなくなった不安定なウサギ穴の見せた刹那の夢といった方が正しいだろうか。
ーーーーおおおおいいいいっっっああああああああああああああああ――――
 部屋に響き渡る咆哮。此処の主である巨人は侵入した『虫』を排除しようとスリッパをもって部屋を徘徊する。
水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:ロキ
巨人、ですか。敵でないなら、あまり傷つけたくはありませんね。
物陰からUCを発動し、光属性の触手でアリスさんたちに光学迷彩を施します。風属性の触手で足音を拾い巨人の位置を特定し、こちらへ向かってくる場合は土属性の触手で岩を飛ばして巨人の気を逸らします。
「とりあえずこちらへ。怪我した方は居ませんか?」
必要そうであれば医術で手当てします。
裏切られたばかりであれば、警戒されるかもしれませんね。
「信用する必要はありませんよ。私は悪人ですし。ですが、共闘するにしろ敵対するにしろ、ここを出なくては儘ならないでしょう?」
理解が得られたら、脱出が楽そうな壁際へ誘導します。



「どうしよう……」
 キャビネットの下から聞こえる小さな声。その埃っぽい床に一人の少女が座り込んでいる。
 先ほどの巨人の一撃のせいで仲間とはぐれ今は彼女と腕の中の子犬の様な愉快な仲間のみ。
「うーん、まずだっしゅつするのが良いと思うな~」
 腕の中で丸くなっている愉快な仲間が少女の方をみやる。
「それは分かるけど」
 愉快な仲間の提案にため息をつきながら少女は先ほどまでいた場所を見やる。
 先ほどの襲われた場所には潰れた何か(何かとは言わないが)は無い事から他のメンバーは無事であろうことは幸いだが、どう脱出すべきか。腕の中の彼は広い人脈を持ち巨人の言葉は分かれど、脱出はおろか他の皆と合流するに便利そうな力は持っていない。別れたメンバーの事を心配しながらも少女は途方に暮れる。
 そんな時、突如目の前に音もなく何かが現れた。
「何これ……」
「なにこれ~!」
 何か――それは白、緑、茶色のうねうねした触手。いきなりの登場に少女は触手に興味を持って近寄ろうとする愉快な仲間を抑え込みながら後退る。
「とりえあずこちらへ」
 突如隣のベッドの下から声が聞こえた。
 隣とは言え棚との間には何も隠れる物が無い。巨人が徘徊する中無策に移動することはかなりのリスク。
 しかも声の主が何者かもわからない中、動いていいのか。
 考えていると衝撃が近づいてきた。
 緑色の触手がグニャグニャと動く。それを見た茶色い触手が岩……巨人たちからすれば小石サイズのそれを吐き出し、自分たちのいるキャビネットの反対側へと投擲。
――???――
 投擲された岩に気を取られキャビネットの下から離れる巨人。
 そのタイミングで触手たちは少女の腕を引っ張り、ベッドの下へと誘導していく。
 幸いにして見つかる事なく、少女と触手は先ほどの声が聞こえたベッドの下へと辿りつく。先ほどとあまり変わらない埃っぽい場所には応急箱を持った緑の瞳の少年、水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)の姿。
「お怪我はありませんか。あるようなら応急手当いたします」
「手当、手当ほしい~包帯ぐるぐるでおねがいします~」
「いやあなたどこも怪我してないでしょう……。それよりあなたは誰? 何の目的で助けたの?」
 突然助けてくれた怜悧に少女は警戒しながら半歩後退りする。
「私たちは猟兵、貴方たちを助けに来たものです。……こういえば信用して頂けますか?」
「猟兵……。ええ、猟兵は信用できるわ。ただあなたが猟兵を騙る何かじゃない可能性もあるわけだけど」
 猟兵の名は少女も他のアリスから聞いたことがある。曰く、オウガに襲われたところを助けてくれる集団だと。
 だが、彼女は警戒を緩めない。
(「まぁあんな仕打ち受ければそうなりますよね」)
 怜悧は心の中で小さくため息をつく。
 信頼していた相手に土壇場の所で裏切られ不安定なウサギ穴に放置され、今は仲間と散り散りになって心細い中、突然現れた人間を信用しろと言う方が難しい。むしろ信じられたら底抜けに良い人か馬鹿であろう。
「信用する必要はありませんよ。私は悪人ですし。ですが、共闘するにしろ敵対するにしろ、ここを出なくては儘ならないでしょう?」
 だが、それは怜悧――ロキの人格にとって、想定内。
「それに私が誘導するまで動く事は無かった事からどう動くべきか悩んでいた。もしくは移動手段を思いつかなかったとも取れます」
「うっ……」
 図星を突かれて固まる少女。
「私ならこの巨人のいる空間から元の世界へと戻る術も知っていますし、ここを潜り抜ける方法もあります。じっとして事態が悪化するのを待つより、裏切られる前提事態を変えていった方が良いと思いますが」
 怜悧から投げられた提案に悩む少女。
「ねぇねぇ、どうせどこかにいこって話してたし良いんじゃないかな~。それにこの人、嘘言ってる様には見えないし」
「わ、分かったわ……とりあえず脱出までよろしくお願いするわ……でも不審な動きしたら離れるから」
 自身でもこのままでは駄目だと思っていたのだろう。少女は怜悧に頭を下げる。
「ええ、承知しました……それじゃあ触手ちゃん、お願いします」
 ロキの声に応じる様に白い触手が飛び上がるとロキと少女、彼女の腕の中の愉快な仲間へと白い粉を浴びせた。
 白い粉は体にくっつくと瞬く間に透明になっていく。
「わっ、な、なに……!?」
「小麦粉~?」
「これを浴びれば光学迷彩、つまりは周囲に溶け込む効果を持つことができるので堂々と動いても巨人には見つかりにくくなります。あとは風属性の触手ちゃんで動きを察知して土属性の触手ちゃんで適時巨人の視点を誘導してやれば問題ないでしょう」
 茶色と緑色の触手が声に反応して動く様を少女はまじまじと見やる。
「触手ってそんなことできるの?」
「普通の触手は無理でしょう。ですが私の触手ちゃんは優秀ですから。……それでは行きましょうか」
 そういうとベッドの下から出ていくロキ。しばらくしても巨人に見つかったことは無い様で定期的に響く巨人が歩く音に変化は無かった。
 少しの間戸惑うも、覚悟を決めた少女は怜悧の後をついていくのだった。
大成功 🔵🔵🔵