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俺も専用機が欲しぃぃぃっ!

#クロムキャバリア

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#クロムキャバリア


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●暴走、熱血野郎!?
 クロムキャバリア三国緩衝地帯。その名の通り、三つの小国の国境に挟まれ、どこの国にも属さぬ場所。
 北のラトゥキス、東のフィランダ、そして西のアルゼルグ。それぞれ三つの小国に挟まれた個所は、どこの国にも属さぬまま、商人達の連合による自治が行われている。
 そんな緊迫した情勢漂う地帯にて、異変は唐突に勃発した。
「フハハハ! 凄い……凄いパワーだぞ、このマシンは! このパワー、スーパーロボットにも負けていない!!」
 場所は東のフィランダ王国。一騎当千のスーパーロボット乗り達が集う場所にて、新たにプラントより排出された新型機。
 スーパーロボットが多数を占めるフィランダ王国にて、それは珍しくもサイキックキャバリアであった。かつて、古代魔法帝国時代に建造された機体のレプリカだろうか。ともかく調査せねばという話になったのだが、どうにも雲行きがおかしい。
「おい! いったい、これは何のつもりだ、レヴィ!」
「そのキャバリアは、まだ調査中の機体だろ? なんでお前がそれに乗って……うわぁっ!?」
 周囲を取り囲む調査団の車両を、無情にも攻撃するサイキックキャバリア。非武装の民間機を攻撃するなど外道の極みなのだが、搭乗しているパイロットは、完全に自分の力に酔っていた。
「ハーッハッハッハ! このキャバリア、やっぱり凄ぇよ! さすがは古代魔法帝国の置き土産……ぺぽぅっ!?」
 だが、次の瞬間、唐突に素っ頓狂な悲鳴を上げて、キャバリアのパイロットが気絶した。しかも、搭乗者が意識を失っているにも関わらず、それは動きを止めることなく、周囲の人々へも襲い掛かり。
「うわぁぁぁっ! こ、殺され……っ!?」
「……させぬ!!」
 巨大な剣が人々を推し潰そうとした瞬間、間に割って入ったのは無骨な野太刀を手にした古めかしいキャバリアだった。
「新型機の暴走と聞いて駆け付けてみれば、面倒なことになっているようだな。まったく……ヒヨッコの分際で勝手な真似をして、騒ぎを大きくしよってからに……」
 野太刀を手にしたキャバリアのコクピットから漏れる大きな溜息。互いに睨みあったまま、二機のキャバリアはそれぞれの武器を構えると、正面から激しく刃を重ねた。

●憧れだけは一人前!?
「……と、いうわけで、クロムキャバリアにある三国緩衝地帯の近くで、面倒な事件が発生したわ」
 中立地帯を囲むようにして位置する三つの国。今回、事件が起きるのは、その中の一つであるフィランダ王国の領土内だと、パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)は猟兵達に説明し。
「この国、なんか凄いカリスマな女王様の下に、腕の立つスーパーロボット乗りが集まってる感じなのよね。まあ、それ以外にも、どこにでもあるような量産型キャバリアに乗って戦う、普通の兵隊さんもいるみたいだけど……」
 当然、彼らの戦闘力はスーパーロボット乗り達に及ばず、中には早く自分のスーパーロボットが欲しいと憧れる者も数多い。そんな中、プラントから新たにサイキックキャバリアが生産された。この国では珍しい型のキャバリアだったので、大至急調査が行われたが……なんと、調査中のキャバリアに、勝手に乗り込んだアホがいるらしい。
「そのアホ……じゃなかった! 勝手に乗り込んだのは、レヴィ・ブルーデンっていう見習いのスーパーロボット乗りね。模擬戦なんかじゃ優秀な成績出してたみたいだけど、まだ自分のスーパーロボットは持っていなかったみたい」
 そんなレヴィからすれば、新型キャバリアの存在は正に夢のロボ。どうしても自分専用のロボが欲しかった彼は、なんと勝手に調査中の機体に乗りこんで……そのまま意識を奪われてしまったのである。
「もう、分かってると思うけど、その調査中のキャバリアってオブリビオンマシンだったのよね。おまけに、調子に乗り過ぎてレヴィは中で気絶しちゃうし……マジで頭痛いわ、こいつ……」
 結局、暴れ回るサイキックキャバリアを止めるために、レヴィの師匠であるスーパーロボット乗り、グラード・バクスターが愛機『デュアルガイゼル』で出撃したが……なにしろ、相手はオブリビオンマシンの上に、中に乗っているレヴィを殺すわけにもいかないので、さすがの達人も不利な戦いを強いられているとのこと。
「このままだと、グラードさんは倒されて、暴走したキャバリアが無差別に虐殺開始しちゃう感じ? さすがに、それはヤバ過ぎる展開ってやつになるわ」
 それこそ、国境を超えて暴れ出したら、ただでさえ不穏な周辺地域の情勢に対し、火に油を注ぐことになり兼ねない。最悪、これを口実に他の二国がフィランダへと侵攻する可能性もあり、そうなったら最後、三国間での全面戦争は避けられないだろう。
「なんていうか……こんなアホな理由で戦争になったら、それこそマジでやってられないんだけど……。面倒なことになる前に、さっさとオブリビオンマシンをぶっ壊して、レヴィを引っ張り出した方が良さそうね」
 そういうわけで、事件の解決に力を貸して欲しい。そう言って、パトリシアは猟兵達を、クロムキャバリアのフィランダ王国へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 自分の目の前に憧れの巨大ロボットがあったら、誰でも乗りたくなりますよね?
 でも、果たしてそれは、本当に正義のロボットなのでしょうか……?
 もしも、自分の乗ったロボットが、正義の使徒ではなく悪魔の化身だったならば……。
 そんなわけで、現地のスーパーロボット乗りと一緒に、暴走した新型キャバリアを破壊してください。

●第一章
 暴走したサイキックキャバリアである、『セラフィム・リッパー』との戦いになります。
 搭乗者は中で気を失っていますが、彼の魂を揺さぶるような呼びかけをすれば、目を覚ますかもしれません。

●第二章
 中破させた敵を、更に追い詰めます。
 逃走するために、敵が何かを仕掛けてくるかもしれません。

●第三章
 追い詰めたサイキックキャバリアが真の姿へ変身しますので、それを撃破してください。

●レヴィ・ブルーデン
 スーパーロボット乗りに憧れる一般兵士。
 正義感は強いのですが、度が過ぎる程の熱血漢でもあり、周囲を省みず行動することがあるようです。

●グラード・バクスター
 野太刀以外には何も装備していない、無骨な旧型のスーパーロボットに乗る戦士です。
 レヴィの師匠でもありますが、さすがにオブリビオンマシン相手にハンディのある戦いを挑まれては、1対1での勝機はありません。

●プレイング受付期間
 平日・土曜のみ受け付けています。
 日曜の夜に大量のプレイングをいただくと、スケジュールの関係から採用しきれない可能性がありますので、ご了承ください。
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第1章 ボス戦 『セラフィム・リッパー』

POW   :    断罪の剣
【無敵斬艦刀】が命中した対象を切断する。
SPD   :    エンジェルビット
自身が装備する【BS-Fクリスタルビット】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    フォールンウイング
【光の翼】を向けた対象に、【プラズマビーム】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

タリア・コーエン
組み立てたばかりの愛機『CANAAN』で初参戦ね

とは言え私も愛機もスペックは全盛期とは程遠いから
レーザー兵器とドローンで敵機へ弾幕を張りつつ
ダッシュとフェイントを交えながら巧みに距離を取って戦うわ
グラード機をフォローするようにね

確かに専用機が欲しいのは判らないでもないわ
私もSLG時代とは違うこの世界で目覚めた時に途方に暮れたもの
でもね、チャンスとは掠め取るのではなく掴み取るもの
貴方がしてたのは結局は独り善がりの行動じゃないの?

彼の目が覚め、機体が一時的にでも停止したら
【神罰執行『Code』】プログラムを実行するわ
大丈夫、限界を超えて思考を加速出来る私はタイミングを逃さない

※アドリブ&連携OK


鏡島・嵐
【生身or量産型キャバリアを借りての出撃希望】
まあ、気持ちはわかんなくもねえかな。強ぇモン、カッコいいモンに憧れるってのは、おれらくらいの年頃じゃよくある話だ。おれだってカッコいいのは好きだし。……流石に悪のメカで暴れられるんは困るけどさ。
正直怖ぇけど、なんとか止めねえとだ。

第一目標は、苦戦してるグラードと、あと他の猟兵仲間の援護かな。
ユーベルコードでグラードや味方の能力を引き上げて、簡単には撃破されねえように。
あとは状況を見ながら、苦戦してる仲間に〈援護射撃〉を飛ばして支援したり、〈武器落とし〉や〈マヒ攻撃〉を仕掛けてオブリビオンマシンを足止めしたり。
(生身だと豆鉄砲でやり合うシュールな図)



●対決! スーパーロボットVS超魔術ロボット!?
 巨大な剣をその手に握り、互いに激しく討ち合う二つの巨体。
 光の翼を生やし、戦艦をも両断する威力の大剣を振るうのは、プラントより新たに生産されし機体、セラフィム・リッパー。
 対するは、フィランダ王国の剣豪であるグラード・バクスターの愛機、デュアル・ガイゼル。
 どちらも剣を使うことに違いはない。が、しかし、オブリビオンマシンであるセラフィム・リッパーが相手では、さすがの達人も分が悪い。その辺の有象無象が相手であれば技量で性能差を覆すことも可能だったが、相手が人知を超えた力を持つ禁忌のマシンでは、旧型のスーパーロボットで相手をするのも限界だ。
「……まったく、手こずらせてくれる。ヒヨッコの分際で、勝手に先走りおって……」
 状況は、明らかにグラードの方が不利だった。一騎当千のスーパーロボットは、数ではなく質で勝負する機体。だが、それ故に、自らの質を上回る相手をぶつけられた場合、苦戦は免れなくなってしまう。
 このままでは、グラードが倒されるのも時間の問題だった。だが、そうはならない。ピンチをチャンスに変えて大逆転するのもまた、スーパーロボットのお約束なのだから!
「なんとか間に合ったようね。これより、支援攻撃を開始するわ」
 降り注ぐ無数のレーザーと共に、現れたのはタリア・コーエン(導師・f18918)だった。そんな彼女のキャバリアは、天球儀のような形状をした不可思議な機体。それが多数のドローンを引き連れ、気が付けばセラフィム・リッパーを包囲していた。
「おお、援軍か! どこの誰だか知らぬが、忝い!」
 タリアの弾幕を生かし、グラードはセラフィム・リッパーから距離を取った。彼の機体が得意とする間合いは接近戦だが、ここは体勢を立て直す方が先だ。
「まあ、ここは俺達に任せてくれよ。足止めくらいなら、手助けするつもりだ」
 同じく、鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)もまた、セラフィム・リッパーに牽制弾を食らわせながらグラードの後退を援護する。もっとも、彼はキャバリアに乗っておらず、おまけに武器は豆鉄砲。その、あまりにシュールな光景には、さすがのグラードも言葉を失う他になかったが。
「なんと……よもや、そのような玩具を武器に、生身でキャバリアに立ち向かう者がいようとは……。さては、お主らが噂の『猟兵』とやらか!」
 単身でキャバリア数機分の戦力に匹敵するとも言われる猟兵。その援護を受けられたことで、グラードも大太刀を構えて立ち上がる。再び激突する刃と刃。激しくぶつかり合う二機を横目に、タリアと嵐はセラフィム・リッパーに捕われているであろう、レヴィ・ブルーデンへと呼びかけた。
「確かに専用機が欲しいのは判らないでもないわ。私もSLG時代とは違うこの世界で目覚めた時に、途方に暮れたもの」
「まあ、気持ちはわかんなくもねえかな。強ぇモン、カッコいいモンに憧れるってのは、おれらくらいの年頃じゃよくある話だ。おれだってカッコいいのは好きだし」
 だが、それでも悪のメカに乗りこんだ挙句、意識を奪われて破壊の権化になられては堪らない。そう、嵐が続けたところで、タリアもまた自分の想いをレヴィに告げつつ問い掛ける。
「……でもね、チャンスとは掠め取るのではなく掴み取るもの。貴方がしてたのは、結局は独り善がりの行動じゃないの?」
 本当に正規のスーパーロボット乗りになりたいのであれば、弛まぬ努力を続けることで、機体に見合う実力を身につけねばならない。調査中の機体に興味本位で乗り込み、そのまま専属パイロットになれる程、世の中は甘くない。だから、頭を冷やして出て来いと呼びかけたところで、コクピットのレヴィから微かに反応があった。
「う……うぅ……。お、俺は……」
 オブリビオンマシンに奪われていた意識が、再び戻ったのだろうか。少しばかり安堵するタリアだったが、しかしどうにも様子がおかしい。
「俺は……模擬戦じゃ……誰にも負けてねぇ……。俺が一番……キャバリアを上手く……使えるんだぁ!!」
 果たして、そんなタリアの予感は的中し、レヴィを乗せたセラフィム・リッパーはグラードのデュアル・ガイゼルを強引に振り払うと、彼の怒りを体現するかの如く光の翼を広げて舞い上がった。
「ふ……ふふふ……あーっはっはっはっは!! 俺様が……俺様が一番だ! 最強だ! 俺様は無敵なんだよぉ!!」
 その瞳に狂気を宿し、レヴィは叫んだ。意識こそ戻ったようだが、これは拙い。薄っぺらい自尊心をオブリビオンマシンによって増幅され、完全に暴走してしまっている。
「全員、俺様の前に平伏しやが……はぼぅぅ!?」
 最後は翼からプラズマビームを発射して、それと同時にレヴィも再び意識を失った。どうやら、攻撃の度にレヴィは精神を削られているようで、このままでは彼がオブリビオンマシンの燃料にされ、廃人になるのも時間の問題だった。
「おわっ! あ、危ねぇ!!」
 咄嗟に、タリアの操るドローンの影に隠れ、嵐は辛うじて敵のビームを回避する。
 冗談じゃない。あんな攻撃、直撃を食らったら即死ではないか。おまけに、こちらの武器は豆鉄砲。どう考えてもキャバリアを撃破するには力不足なのだが……ならば、味方に力を与えれば良いと嵐は考えたようだ。
「魔笛の導き、鼠の行軍、それは常闇への巡礼なり。……耳を塞ぐなよ?」
 召喚した道化師の演奏により、仲間の能力を強化するユーベルコード。当然、自分に使っても効果はあるが、今回はそれよりも更に効果的な対象がいるわけで。
「これは……出力が上がってる? だったら、考えている暇はないよね」
「こちらも同様だ。まさか、出力200%の高みを拝むことができようとはな」
 従来のキャバリアの性能限界を超えた出力上昇に、タリアだけでなくグラードも目を丸くしていた。こんな無茶苦茶な出力上昇を起こしてエネルギーバイパスは大丈夫なのかと心配になるが、それは問題ない。なぜなら、嵐の召喚した道化師の演奏は、対象のあらゆる戦闘力を、代償なしに強化してくれるのだから。
「ふむ……。ならば、ここは一つ、あのアホ弟子の動きを封じるか。ついて来れるな、お嬢さん?」
「問題ないわ。私の加速した思考なら、あなたの動きにも余裕で追従できるから」
 グラードの問いに、タリアが淡々と返した。その言葉に満足したのか、グラードはデュアル・ガイゼルで大地を蹴って飛び上がると、そのまま帯電する刃をセラフィム・リッパーに叩き付けた。
「受けよ! 奥義・光刃雷!!」
 攻撃を受け止めるべく大剣を構えたセラフィム・リッパーの全身に、凄まじい電撃が襲い掛かる。相手の剣や盾を通し、高圧電流を流す必殺技だ。物理的に防御ができない以上、受け太刀はできない。案の定、セラフィム・リッパーは大剣を通して流れる電流にやられ、思わずデュアル・ガイゼルから距離を取ってしまい。
「覚悟して、『Sahaquiel』からは逃げられないわよ」
 その動きを読んでいたかの如く、タリアのユーベルコードが発動した。瞬間、セラフィム・リッパーの全身に凄まじい重力波が襲い掛かり、装甲を無視して内部の機械を圧壊し始めた。
 Code Sahaquiel。それは、タリアが視認した対象に、超重力の一撃を叩きこむというシンプルかつ強力なユーベルコード。地形をも変形される超重力を前にしては、いかに堅牢な装甲で身を固めようとも、時に装甲の重さでさえ足枷となるわけで。
「やれやれ……。とりあえず、これで少しは動きを封じられたか?」
 額の汗を拭いつつ嵐が呟いた。敵は未だ健在だったが、それでも自慢の機動性を、少しでも削げたのは収穫だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ロッテ・ブラウ
ズームー…データ照合行ける?
ピーッ、照合シマシター…
目標:タイプ:セラフィム・リッパー

はぁまたコイツかぁー…流石に見飽きたかな?
さぁ行くよ「禍津血」
狩りの時間だ、スマートに終わらせよう…

◆暗殺?援護射撃?
愛機に搭乗
射撃ポイントにて『属性攻撃』の応用の幻術と
「ステルス装甲」で姿を隠しつつ
「RSキャバリアライフル」による仲間への援護射撃を行います

「幻想領域」展開-肉体構造を射撃戦特化へ
反射神経ー…精密射撃性能ー…肉体構造の適正化完了
OKOK、敵は高機動がウリの機体、しっかり機動力を削ぐのを狙うよ
【BS-Fクリスタルビット】も面倒だからね
潰すだけ潰しておくよ

さぁ、パーティーの始まりだ!!



●Let's party time
 調査中にパイロットを取り込み、暴走を始めたオブリビオンマシン。その暴挙を止めるべく、ロッテ・ブラウ(夢幻・f29078)は遠間から、敵機の情報を確認した。
「はぁまたコイツかぁー。……流石に見飽きたかな?」
 だが、情報を確認すると同時に漏れる落胆の声。どんな珍しいマシンかと思えば、実にありふれたサイキックキャバリアに過ぎなかったのだから。
 ここ、フィランダ王国の主戦力はスーパーロボット。故に、この地に住まう者達からすれば珍しい機体なのかもしれないが、各地を転戦している猟兵にとっては、何ら珍しい機体でもない。
「さぁ、行くよ『禍津血』。狩りの時間だ、スマートに終わらせよう……」
 虚空より愛機を呼び出し、ロッテは素早くそれに乗り込んだ。小柄なフェアリーの身でありながら、彼もまたサイキックキャバリアを駆ることができる。それも、搭乗者の魔力を糧に稼働するという、オブリビオンマシンと紙一重の危険な機体を。
(「敵は目の前の相手しか見えていないみたいだね。だったら……」)
 冷静に状況を把握し、ロッテは狙撃に有効な場所へと移動した。その際、ステルス機能によって機体の位置を把握されないようにすることも忘れない。これに幻術を加えれば、いかに高性能なセンサーを持ったキャバリアでも、そう簡単にこちらの位置を特定はできない。
 その上で、ライフルを構えてロッテはセラフィム・リッパーに狙いを定めた。めまぐるしく動き回りながら、グラードの機体と剣を斬り結ぶ相手を、誤射なしに撃ち抜くのは困難な任務ではあるのだが。
「コレがボクのチカラだよ!!」
 それはロッテとて百も承知。自分の肉体を射撃戦に特化したものへ作り変えると、改めて照準を合わせて狙いを定めた。
「反射神経ー……精密射撃性能ー……肉体構造の適正化完了。OKOK、敵は高機動がウリの機体、しっかり機動力を削ぐのを狙うよ」
 まずは一発、相手の翼の付け根を撃ち抜く。放たれた銃弾は、まるで吸い込まれるようにして、相手の背中に直撃し。
「おっと、ビットを出して来たようだね。こいつもなかなか面倒だ」
 ようやくロッテの存在に気付いてビットを射出するセラフィム・リッパーだったが、それとてロッテは見切っていた。なにしろ、今までも数多くの同型機を葬って来たのだ。当然のことながら、敵の使用するユーベルコードは、その性質を含め全て把握している。
「さぁ、パーティーの始まりだ!!」
 迫り来る多数のビットを、ロッテは実に楽しげに撃ち落として行く。しかし、セラフィム・リッパーの本体が健在である以上、そちらを止めねばパイロットであるレヴィも助けられない。
 正確無比な狙撃にて、着実に敵の武器を奪って行くロッテ。これで、ようやく押し返せた。狂った機械を止めるための戦いは、まだまだここからが本番だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィーナ・シェフィールド
アドリブ絡みOKです。

いつかは自分だけの機体に乗りたいと言うパイロットの気持ち、もしかすると、いつかは大舞台で歌いたいと言う歌手の気持ちと似ているかもしれませんね。
…わたしはどちらも叶えてしまっていますけど…

とにかく、被害が大きくならないよう食い止めましょう!

「来て、レゾナンツ!」
インストルメントの演奏に乗せて召喚したレゾナンツに搭乗し、【包み込む破魔の歌声】を発動します。

「レヴィさん、目を覚まして!」
スピーカーから放たれる破魔の歌声でオブリビオンの動きを阻害しつつ、レヴィさんに呼びかけを続けましょう。

敵のビーム攻撃に対しては、レゾナンツが纏ったモーントシャインのオーラ防御で受け流しますね。


フレミア・レイブラッド
あっちこっちで暴走して面倒なロボね…

【ブラッド・オブリビオン】で「荒野に飛来する氷鳥達」の「氷雪の鷲獅子」を召喚。
【騎乗】し、自身と鷲獅子に【念動力】の防御膜を纏わせて出撃。
ビームの瞬間に翼の向きを【念動力】で逸らす、ビームを念の防壁で防ぐ等で防御。

グラードと連携し、援護しながら鷲獅子の飛行能力で空中戦を展開。
鷲獅子の【極寒の風】や【凍てつく息吹】で翼やスラスターを凍結させて機動力を奪い、最終的に行動不能まで凍結させるわ

それでもスーパーロボット乗り(見習い)なの!
貴方の正義の心はその程度で挫けてしまうものだったの!
貴方の正義の心を示しなさい!

…頑張ったら頬にキスくらいはしてあげるわよ(多分)


シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK

派手に暴れているようですが…パイロットは無傷で救出しますよ。
専用機という響きに憧れるその気持ち、理解できますし。

「召喚に応じて来たれ、ノーブル・スカーレット!」
指を鳴らして貴紅を召喚。
ひらりと飛び乗り、ブースターの閃光と共に高速機動を開始します。

「さぁ、目標を狙い撃ちましょう!」
ライフルを構えて【標的は照準の中に】を発動、フェイントを織り交ぜた弾幕で攻撃した後、照準を合わせて関節部を狙い撃ちます。

「まずは動きを止めなくては…」
圧縮粒子弾の連射で手足の関節部を赤熱させた後、実体弾による衝撃で歪ませ、動きを止めましょう。

「目を覚ましなさい、それでもスーパーロボット乗りですか!」



●集う戦士
 プラントの生産したキャバリアが、実はオブリビオンマシンだった。ここ、クロムキャバリアでは珍しくない光景だが、しかしこうも同型のマシンに暴走されては、なかなか対処も面倒なわけで。
「あっちこっちで暴走して面倒なロボね……」
 いっそのこと、暴走した機体は有無を言わさず解体処分か凍結処分にでもしてしまえば良いのではないかと、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は思わず溜息交じりに考えた。
 もっとも、そんなことをすれば世界のミリタリーバランスが変わってしまうため、現実的ではないのは承知している。今回も、戦って暴走を止めねばならないことにやるせなさを感じるが、そうやって人々を守るのもまた猟兵の務め。
「派手に暴れているようですが……パイロットは無傷で救出しますよ。専用機という響きに憧れるその気持ち、理解できますし」
「いつかは自分だけの機体に乗りたいと言うパイロットの気持ち、もしかすると、いつかは大舞台で歌いたいと言う歌手の気持ちと似ているかもしれませんね」
 そう言いながら、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)とフィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)の二人は、自らの愛機を呼び出した。真紅のラインが美しい純白の宇宙バイクと、白き有翼のサイキックキャバリアを。
「召喚に応じて来たれ、ノーブル・スカーレット!」
「来て、レゾナンツ!」
 疾走するバイクと、それに続く翼の騎士。やはり、キャバリアを相手にするには、こちらも何らかの対抗策があった方が戦い易い。
 迫り来るビームやビットの攻撃を、シンは華麗な操縦テクニックで避けながら肉薄する。フィーナも自機の翼を盾代わりにし、光線を弾きながら距離を詰める。そんな二人の姿を見たフレミアもまた、自らの使役する氷の鷲獅子を召喚した。
「血の隷属を用いて命ずる……。フレミア・レイブラッドの名の下に、嘗ての力を以て骸の海より戻り、わたしに力を貸しなさい」
 地上と空中からの波状攻撃。いかにオブリビオンマシンといえど、これに対処するのは難しいはず。
「あなたの弟子は、わたし達で目を覚まさせてあげるわ。それまで、悪いけどあの機体を押さえておいてね」
 それだけ言って、鷲獅子の背に乗り天高く飛翔するフレミア。彼女の言葉を聞いたグラードは、それを見送りつつも静かに頷き大太刀を構える。
「ふっ……どうやら、このままでは私の方がロートル扱いされ兼ねんな。援護に感謝するぞ!」
 苦笑しながらも、グラードはデュアル・ガイゼルでセラフィム・リッパーの間合いに踏み込んだ。相変わらず性能差は歴然だったが、それでも数分の間だけ敵の動きを止める程度であれば、今の彼でも十分だった。

●その魂を震わせろ
 互いに激しく剣を斬り結んだまま、一歩も退かないセラフィム・リッパーとデュアル・ガイゼル。体格ではグラードのデュアル・ガイゼルが上回るが、それを物ともしない辺り、オブリビオンマシンと化したセラフィム・リッパーの性能の高さが窺える。
 このままでは、押し切られるのも時間の問題。そうなる前に、レヴィの目を覚まさせた上で、コクピットの中から引き摺り出さねば。
「さぁ、目標を狙い撃ちましょう!」
 まずは敵の動きを止めるべく、シンが圧縮粒子弾を連射した。狙うべきは、手足の関節。装甲に覆われていない急所に着弾すれば、その部分が瞬く間に赤熱し、白い煙を上げ始め。
「今よ! 凍てつく息吹を使いなさい!」
 間髪入れず、フレミアが鷲獅子に命じたことで、今度は酷寒の冷気がセラフィム・リッパーへと襲い掛かる。
「ほぅ……急激な温度変化を利用して、敵の関節部を脆くしたか」
 相手の踏ん張りが効かなくなったことを察し、グラードが感心した様子で呟いていた。
 この状態であれば、今の自分でも容易に敵の装甲を穿てる。距離を取る振りをしつつ敵の肘関節に太刀を浴びせれば、今までの苦戦が嘘のように、装甲諸共にセラフィム・リッパーの腕が砕けて弾け飛んだ。
「これはチャンスですね。……其は天使の抱擁、聖なる浄化の歌声!」
 その瞬間を待っていたとばかりに、フィーナが飛翔するスピーカーポッドから破魔の歌声で呼びかける。オブリビオンマシンの洗脳を解くため。そして何よりも、レヴィの意識を取り戻させるために。
「レヴィさん、目を覚まして!」
 スピーカーから繰り返される声援が届いているからだろうか。先程から、セラフィム・リッパーはデュアル・ガイゼルの攻撃に対し、防戦一方になっていた。それでも未だレヴィが目を覚まさないのは、後一押しが足りないからか。
「目を覚ましなさい、それでもスーパーロボット乗りですか!」
「貴方の正義の心はその程度で挫けてしまうものだったの? 貴方の正義の心を示しなさい!」
 シンが、そしてフレミアが、それぞれにレヴィへと問い掛ける。
 本当に正義の味方になりたいのであれば、スーパーロボットに乗りたいのであれば、こんな洗脳に負けてはいけないと。
「う……ぐぅ……。お、俺……は……」
 果たして、それら呼びかけの力か、レヴィが微かに意識を取り戻した。だが、ともすれば再びマシンに意識を持って行かれ兼ねない状態。彼が自らの意思でマシンの呪縛を振り払い、力への渇望を捨てるだけの何かがあれば、完全に支配から脱せるのだろうが。
 こうなったら、最後は彼の男としての魂に賭けるしかないだろう。健全な青少年であれば、絶対に抗えないであろう誘惑で、彼の心を揺さぶるしかない!
「……頑張ったら頬にキスくらいはしてあげるわよ」
 説得のドサクサに紛れ、フレミアがまさかの大胆発言をブチかました。こんなことで、本当にレヴィの意識が戻るのだろうか。どうにも半信半疑な者が多かったが。
「な、なんだってぇぇぇぇっ!!」
 なんと、今までの事が嘘のように、レヴィがマシンの呪縛を振り払ったではないか!
 恐るべきは、健全なる男子のエロパワー。まあ、これ以上面倒なことになっても困るので、ここは目を覚ましてくれただけでも良しとしよう。
 ここまで来れば、後はマシンを破壊するだけだ。既に半壊状態と化したセラフィム・リッパーを倒すべく、猟兵達は休むことなく攻撃を集中させて行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クロエ・アスティン
POWで判定

量産型のキャバリアをお借りして出撃するであります!
武器は使い慣れたハンマーとシールドをお借りしていきますね。

敵の動きに翻弄されずきっちりと盾で攻撃を受け止めながら反撃の機会を探ります。
けど、無敵斬艦刀の攻撃は危険を察知してシールドを放り捨てて咄嗟にバックジャンプ……危なかったであります……
再び無敵斬艦刀で斬りかかってくるのをハンマーを振りかぶって待ち構えて……【ほーむらんであります!】
敵が刀を振りきる前に量産機のモーターをフル稼働してハンマーを振りぬいて吹っ飛ばしてやります!

※アドリブや連携も大歓迎



●サヨナラ、フルスイング!?
 猟兵達の呼びかけもあり、なんやかんやで意識を取り戻してくれたレヴィ。だが、彼が意識を取り戻しても、当然のことながらセラフィム・リッパーは止まらない。オブリビオンマシンである以上、下手をすればパイロットなしでも、悪意の赴くままに破壊行動を続けることができるのだから。
「くそっ! 止まれ! 俺は……俺は、こんなところで終わる男じゃない! 立派なスーパーロボット乗りになって……あの、カワイコちゃんにキッスしてもらうんだぁぁぁっ!!」
 コクピットの中で叫びながら、無茶苦茶にレバーを動かすレヴィ。欲望丸出しな上に、そもそも理由が情けなさ過ぎる気もするが、それはそれ。
 ここで彼を止めなければ、被害は増す一方だ。最悪、少しばかり手荒な方法で機体を破壊するのも仕方がないと、グラードが決意を固めた時だった。
「はぁ……はぁ……お、遅くなってしまい、もうしわけないであります!」
 そこに現れたのは、一機の量産型キャバリアだった。今さら、量産機が一機増えた程度で何ができるのか。何も知らない者であれば、そう思っただろう。
 だが、それに乗っているのは他でもない、クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)だったのである。使い慣れたハンマーと盾を武器に、クロエのキャバリアはセラフィム・リッパーへ突撃した。性能でもパワーでも負けている以上、今のクロエが敵を上回れるのは、ハンマーを使った接近戦の技量のみ。
「くっ……! なかなか、手強いでありますね……」
 それでも、やはり決定打を与えることは難しく、ともすればクロエは押し負けそうになっていた。なにしろ、元の性能がまるで違うのだ。セラフィム・リッパーが本気を出せば、クロエの乗る量産型キャバリアなど、瞬く間に真っ二つにされ兼ねないのだから。
「おい、下がれ! 誰だか知らないけど、お前の機体じゃ、こいつには勝てねぇ!」
 さすがに拙いと悟ったのか、セラフィム・リッパーのコクピットの中でレヴィが叫んだ。しかし、当然のことながら彼の制御など受け付けるはずもなく、セラフィム・リッパーの斬艦刀が、非情にもクロエの機体へ振り下ろされ。
「……っ! あ、危なかったであります……」
 間一髪、後方へと退いて避けたクロエだったが、代わりに盾が真っ二つにされてしまった。もう、これで身を守るものは何もない。それを分かっているのか、セラフィム・リッパーは更なる追撃とばかりに、一気にクロエの方へと距離を詰めて来た。
「そうはさせないであります!」
 だが、それこそがクロエの待っていた千載一遇のチャンス。性能で劣る機体で各上の相手を叩くには、相手の隙が最も大きくなる瞬間を狙い、カウンターを決めるしかない。
「全力で叩くであります! せりゃぁぁぁぁっ!!」
 敵が剣を振り被ったところへ、クロエはハンマーを直撃させた。横殴りに襲い掛かる金属の塊。いかに量産機が繰り出した攻撃とはいえ、それでも猟兵のユーベルコードである以上、さすがのセラフィム・リッパーも耐えられず。
「おぶっ!? へっぷばぁぁぁぁん!!」
 コクピットが揺さぶられた衝撃で、レヴィが目をひん剥いて泡を吹いていたが、細かいことは気にしたら負けだ。かくして、悪のキャバリアは撃破され、世界に平和が……って、それでいいのか、本当に!?
「ふぅ……強敵だったでありますね」
 額の汗を拭うクロエだったが、彼女は気付いていなかった。今の一撃で要救助者であるレヴィ諸共に目標をふっ飛ばし、空の星にしてしまったことに。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『戦闘ヘリ部隊を倒せ』

POW   :    性能差で物量に対抗する

SPD   :    技量で物量に対抗する

WIZ   :    作戦で物量に対抗する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●マリオネット・ウェポンズ
 戦いの果てに、レヴィを乗せたまま空の星となってしまったセラフィム・リッパー。このまま行方不明になってしまうかと思われたが……その所在は、意外と直ぐに判明した。
「サイキックエナジーの反応があったのは、この辺りか? 街から離れているのは幸いだが……」
 油断なく周囲の様子を窺いながら、先頭を行くのはグラードの愛機であるデュアル・ガイゼル。猟兵達の活躍により、彼の機体が破壊されなかったのは幸いだ。旧式とはいえ、それでも強力なスーパーロボット。彼の機体が感知した反応を頼りに進んで行けば、やがて目的の場所に辿り着き。
「あれは!? ……どうやら、見つけたようだな」
 グラードのデュアル・ガイゼルが指し示す方向には、果たして頭から地面に突っ込み、墓標のような姿になっているセラフィム・リッパーがあった。
 一応、まだ起動はしているようだが、上半身が完全に地面の中に埋まってしまい、殆ど某推理小説に登場した死体状態。というか、あんな状況で、果たして中にいるレヴィは大丈夫なのだろうか。
「恐らく、やつは無事だろう。……なんとなく、だがな」
 この程度のことでくたばる人間ではないと、グラードは額に汗を浮かべつつも猟兵達に告げた。心配しているのか呆れているのか、そこまではキャバリアの外からは分からなかったが。
 とりあえず、敵が動けない今の内に、中からレヴィを引っ張り出した方が良いだろう。そう考え、セラフィム・リッパーに近づいたものの、次の瞬間に聞こえて来たのは異様な数のローター音。
「これは……まさか、サイキックエナジーでやつが操っているのか!?」
 グラードや猟兵達が気付いた時には既に遅く、周囲は完全に武装ヘリの大群によって囲まれていた。どうやら、近くにあった駐屯地に待機していたものを、セラフィム・リッパーがハッキングして、サイキックエナジーでコントロールしているようだ。
 キャバリアに比べても兵器としての性能は格段に劣る武装ヘリだが、これだけの数を相手にするのは厄介だ。それでも、まずはこのヘリを叩き落とさねば、セラフィム・リッパーに近づくことさえ難しい。
 一難去って、また一難。暴走するサイキックキャバリアからレヴィを引っ張り出すためにも、まずはヘリの群れを一機残らず叩き落とすのだ!
フィーナ・シェフィールド
シンさん(f05130)と一緒に行動します。
アドリブOKです。

「武装ヘリですか…無人のようですね。」
引き続きキャバリア『レゾナンツ』に搭乗したまま、空中から戦場の状況を確認します。

「援護します!数が多いですけど…がんばってくださいね!」
操縦席の中からインストルメントで【夜想曲嬰ハ長調】を演奏。レゾナンツの肩のスピーカーから戦場に響かせます。

「まだ来ます!油断しないでください!」
シュッツエンゲルでヘリの攻撃を受け流しながら、演奏を続けます。

ある程度ヘリの数が減ってきたら、レヴィさんを救出をするためにセラフィム・リッパーに接近しましょう。
急に動き出すかもしれませんし、警戒を怠らないようにしますね。


シン・ドレッドノート
フィーナさん(f22932)と連携します。

「空中戦になりそうですね。こちらも空で迎撃しましょう。」
召喚したキャバリア『貴紅』に乗り換え、バイクに装着していたキャバリア用のスナイパーライフルを手に取り、ブースターで空中に舞い上がります。

「無人ヘリなら遠慮はいりませんね…ターゲット・マルチロック!目標を撃墜します!」
【乱舞する弾丸の嵐】でライフルを複製、それぞれにヘリに照準を合わせて一斉射撃で撃墜していきます。

ヘリならローターを破壊すれば動きは止められますし、急所を狙い撃つことで、効率的に無効化しましょう。

「一機残らず撃ち落します!」
スナイパーライフルの射程を活かして、接近される前に撃墜しますね。



●空中大激突!
 空を埋め尽くさんばかりのローター音。大地に突き刺さり、動けなくなったセラフィム・リッパーであったが、しかしサイキックエナジーを利用した強大な能力は健在だ。
 自分を守らせるべく、セラフィム・リッパーは多数の武装ヘリを周囲の駐屯地から呼び寄せたらしい。一機ずつの戦闘力は大したことはないが、こう数を集められると面倒だ。
「武装ヘリですか……。無人のようですね」
 中に人が乗っていないことを確認し、フィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)は空中から敵の陣容を確認した。数の上ではこちらが不利だが、それでも人が乗っていないとなれば、問答無用で叩き落せるのは幸いであり。
「空中戦になりそうですね。こちらも空で迎撃しましょう」
 同じく、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)もまた自らのキャバリアである『貴紅』を呼び出すと、バイクからキャバリア用のスナイパーライフルを手にして空中に舞い上がる。
「援護します! 数が多いですけど……がんばってくださいね!」
 シンの駆る『貴紅』の姿が見えたところで、フィーナはキャバリアのコクピットの中から自慢の演奏を響かせた。曲目は、夜想曲嬰ハ長調。彼女の演奏に共感した者全ての戦闘力を高める、サポート用のユーベルコード。
 その楽曲をスピーカーで拡大し、フィーナはシンへと力を届ける。それら全てを自らの力に変えて、シンはキャバリアが手にしている銃を複製し。
「無人ヘリなら遠慮はいりませんね……。ターゲット・マルチロック! 目標を撃墜します!」
 複製した無数の銃と共に、四方から襲い掛かる武装ヘリに一斉射撃! 圧倒的な弾幕の前には、さすがのヘリ部隊も成す術もなく、次々に撃墜されて行くと思われたが。
「まだ来ます! 油断しないでください!」
 フィーナが叫ぶのと、爆風の中からヘリが飛び出して来るのが同時だった。やはりというか、この数相手ではどうしても討ち漏らしが生じてしまう。もっとも、それはシンも承知の上だったのか、直ぐに気持ちを切り替えると、残存戦力へと狙いを定めた。
「一機残らず撃ち落します!」
 今度は面制圧の一斉者ではなく、一点を突破するための単射だ。制圧力では圧倒的に劣るが、その分、命中精度はお墨付き。
 ヘリのローターが次々に破壊され、飛行する術を失った機体から落下して行く。
 武装ヘリのアドバンテージは、戦車並みの火力を誇りながら戦車よりも機動力があり、更には戦闘機よりも小回りが効くところが挙げられる。当然、これらの能力に真っ向から立ち向かうのは、人間の能力だけでは限界がある。
 だが、仮にヘリの能力を想定以上に上回る敵機が現れたらどうなるのか。今のところ、明確な答えは出ていない。そして、当然のことながら、この武装ヘリ達もそれは同じ。自分達以上に小回りが効き、かつ大火力な技を持つ猟兵達は、正にヘリの天敵に外ならず。
「……どうやら、少しは静かになったようですね」
 周囲のヘリを全て撃ち落とし、シンは機体を着陸させた。フィーナもそれに続く。二人の前には未だセラフィム・リッパーが頭部を地面に埋めたまま、しかし不気味に稼動している。
 兎に角、この中からレヴィを引っ張り出さねば。そう考え、そっと近づく二人だったが、彼らが歩を踏み出そうとした矢先、その足元にミサイルが撃ちこまれた。
「……っ! 新手ですか!?」
「どうやら、そのようですね。まったく、本当に数だけは多い」
 再び銃を抜き、構えるシン。武装ヘリの大部隊との戦いは、まだ始まったばかりだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

清水寺・大牙
【アドリブ・絡み歓迎】
【SPDで対抗】

「やれやれ、相手がヘリの群れとは…『雪風』の機嫌が悪くなりそうだ」

数が多いのは厄介だが、装甲も火力もコッチの方が上の筈だ
高度での有利不利は無い、なら一機ずつ叩き落すのみ

『金剛』の装甲(オーラ防御)を信じて敵陣に吶喊
『寿光』の推力を全開にして(空中戦・推力移動)肉薄して接近戦を挑む
戦闘用と言っても所詮はヘリ、弱点丸出しなんだからそのローターを叩き切って地面に追い落としてやるさ


タリア・コーエン
引き続き、愛機『CANAAN』で参戦ね

先程の戦いで少しは感覚を取り戻せたわ
物量で攻めてくる相手への最適な作戦……それは上回る物量よ
武装ヘリは三次元的に動くから少々厄介な敵ではあるけど
限界突破した瞬間思考により攻撃プログラムをも上回る演算で弾幕を適切な位置に置けば良いだけ
この様な地形なら索敵システムも良好だし
広範囲を制圧するのに最適な【神罰執行『Code』】も正常に作動するわね
グラード機の露払いには充分……もしかしたら殲滅してしまうかもしれないわね
でも仕方ないわ、未だに正気を取り戻さずにつまらない小細工で挑んでくるのだから
最終フェーズまでは容赦しないわ

※アドリブ&連携OK



●目には目を
 倒しても倒しても、次から次へと現れる武装ヘリ。
 恐らく、この周囲に存在する駐屯地のヘリを、見境なく集めているのだろう。無人であるのが幸いだが、それにしても恐るべきは、セラフィム・リッパーの誇るサイキックパワー。これだけ広範囲に影響を及ぼし、かつ複数のヘリを同時に操るとは、やはりサイキックキャバリアは底が知れない。
 だが、それでも敵は、所詮は無人機。おまけに、キャバリアでもないとなれば、キャバリアを有する猟兵達に方に分があるというもの。
「やれやれ、相手がヘリの群れとは……。『雪風』の機嫌が悪くなりそうだ」
 愛機の『雪風』に乗ったまま、清水寺・大牙(人食い虎・f06778)が辟易した様子で呟いた。
 彼の駆る雪風は、鎧武者の甲冑を思わせる姿をしたサイキックキャバリア。その外観からも想像できる通り、得意とするのは接近戦。
 本当は、キャバリア相手に1対1で斬り合いたかったのかもしれないが、しかし今は文句を言っていても仕方がない。そうこうしている間にも、ヘリの数は更に増え、こちらを包囲し始めているのだから。
「先程の戦いで少しは感覚を取り戻せたわ。物量的には不利だけど、やるしかないわね」
 天球儀のような機体の中で、タリア・コーエン(導師・f18918)は冷静に状況を確認する。敵の数は……数える方が馬鹿らしい程に多い。こういう場合は、一機ずつ潰しても仕方がないので、こちらも数で対抗するのみ。
「物量で攻めてくる相手への最適な作戦……それは上回る物量よ」
 ロボットアニメでは、よく物量に対して機体の質で対抗する。しかし、現実的に考えた場合、戦術としてはナンセンスだ。こちらと相手の戦力差が近代歩兵と原始人レベルに開いているのであれば分かるが、そうでない場合、物量というのは期待性能差を覆す、圧倒的なアドバンテージを持っている。
 では、その物量差を覆す方法は何か。友軍機の総数は増やせない。ならば、手数でカバーするだけだ。
「……見敵必殺、『Arael』の翼が見えた時点で結末は決まってた」
 索敵システムによるマルチロックで照準を合わせ、タリアは乗機であるCANAANから、多数のレーザーを発射した。
 その本数は、実に10万本以上。誘導性能までついているが、もはやそんなことは関係ない。
 全天を埋め尽くす光の矢。隙間など全く存在しない。三次元的な動きが武器の武装ヘリも、これには対処のしようがない。
 全てが終わったとき、そこに残されていたのは、撃墜されたヘリの残骸だけだった。それでも、中には上手く友軍機を盾にして生き残ったものがいたが、もはや数えられる程度にまで数は減っており。
「戦闘用と言っても所詮はヘリ。装甲も火力も、こちらが上だ」
 大牙の駆る雪風が一瞬にして距離を詰め、ヘリの後部ローターを叩き折る。ヘリコプターは、その構造上、2つのローターがなければ姿勢を保てない。後部の補助ローターを失ってしまうと、メインローターの回転によって機体の方が振り回されてしまい、後は失速して墜落するだけだ。
 雪風が近接仕様の機体だと察し、途端に距離を取る武装ヘリの群れ。それでも、大牙の猛攻は止まらない。距離を取られ、機銃やミサイルで攻撃されようと、闘気の膜で覆われた雪風の装甲には、殆どダメージを与えられていない。
「やはり、この程度か。無人の、それもキャバリアでもない兵器が相手ではな……」
 爆炎の中から飛び出した雪風の太刀が、武装ヘリを纏めて3機も斬り捨てた。物量というアドバンテージを失った今、個々の性能でキャバリアに劣る武装ヘリでは、数機が纏まって攻撃をしたところで、猟兵達の足止めにさえならなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フレミア・レイブラッド
世話の焼けるロボット乗りね…んー…(キスの件)一応頑張った事になるのかしら?
衝撃で忘れてると面倒なくて良いのだけど

引き続き、1章で召喚した鷲獅子に騎乗。

自身と鷲獅子、ガイゼルの周囲に【念動力】の防御膜を展開。
鷲獅子の飛行能力を活かして【空中戦】を行いつつ、グラードを支援するわ。

鷲獅子の背から雷撃や凍結の魔力弾【属性攻撃、高速・多重詠唱、全力魔法、誘導弾】を多重連射で放ち、鷲獅子の【極寒の風】や【凍てつく息吹】と併せて武装ヘリの群れを攻撃。

また、【念動力】でヘリを操っているサイキックエナジーを遮断・乱したりする事でヘリのコントロールを妨害したり、奪って同士討ちさせたりといった手段も試してみるわ



●烈風突破
 トドメの一撃で吹っ飛ばされ、盛大に地面に突き刺さったセラフィム・リッパー。そのコクピットで気絶しているであろうレヴィに言ったことを、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は今さらながらに後悔していた。
「世話の焼けるロボット乗りね……。んー、一応頑張った事になるのかしら?」
 その場の勢いだったとはいえ、頑張ったらキスしてやるなどと言ってしまったのだ。しかも、その言葉でレヴィが思いもよらぬ奮起を見せ、セラフィム・リッパーの洗脳を一時的にでも振り払ったのである。
 落下の衝撃で、全て忘れてくれれば面倒でなくて良いのだが。まあ、仮に覚えていたとしても、戦闘時のドサクサに紛れて言ったこと。洗脳されて頭がパーになった状態での空耳だったとでも言っておけば、適当に誤魔化すことも可能だろう。
 閑話休題。鷲獅子の背に乗ったまま、フレミアはグラードの駆るデュアル・ガイゼルの周りを旋回した。彼の機体は、接近戦に特化している。遠距離からミサイルや機銃で攻撃して来る武装ヘリが相手では、多数を相手にするのはさすがに不利だろうと。
「支援するわ。下がって!」
 鷲獅子と共に吹雪や電撃で周囲のヘリを攻撃しつつ、フレミアはその上で、念を障壁にしてグラードを守った。元より装甲の厚そうなキャバリアだ。これならミサイルの直撃を食らっても、余裕で耐えることができるはず。
「それにしても、この数は面倒ね。せめて、何らかの方法でコントロールを遮断できればいいんだけれど……」
 さすがに、グラードを守りながらでは無理だろう。元より、念の総量が違う。遠く離れた場所にあるヘリを多数集め、手足の如く操るとなれば、敵の繰り出す念の強さは常識を超えたものだから。
 試しに、ヘリのコントロールを奪おうとするフレミアだったが、彼女の力を以てしても、1機を操るのが精一杯だった。全てのヘリの制御を奪うには、それこそ何らかのユーベルコードを用いなければ、相手の念に押し返されてしまう。
「及ばずながら、私も戦わせてもらおう。お嬢さん一人に任せては、スーパーロボット乗りの名が廃るからな」
 そんな中、ミサイルの雨を斬り捨てながら、グラードのデュアル・ガイゼルが前に出る。殆ど決闘用と言っても差し支えないような機体で、いったい何をするのかと思われたが。
「……ぬんっ!!」
 全力で大太刀を一振りすれば、それによって生じた風圧は、凄まじい突風となってヘリの集団に襲い掛かった。風を下に送ることによって浮遊しているヘリにとって、突風はバランスを崩す大敵だ。
「なるほどね。最初から、風を遮断するか、流れを乱した方が早かったみたいね」
 勝手に制御を失って行く武装ヘリを眺めつつ、感心した様子で呟くフレミア。レヴィのような熱血バカとは違い、グラードは戦いの年季が違う。
「まあ、いいわ。そういうことなら……これで十分でしょうしね」
 残るヘリの集団に、フレミアは鷲獅子と共に再び吹雪を浴びせかけた。凍らせる目的ではない。凍てつく強風として叩き付け、相手のバランスを崩させるために。
 案の定、これはヘリにとって最悪の攻撃だったらしく、ローターを凍りつかせながら、制御を失い落下して行く。中には懸命に飛行を続けようとするものもあったが、それらもまた互いに空中で衝突し、焔に巻かれて鉄屑と化す。
「ふむ……さすがは猟兵だ。キャバリアなどなくとも、この程度の戦力では相手にならぬか」
 次々と武装ヘリ撃墜されて行く様に、今度はグラードが感心する番だった。気付けば、周囲にはヘリの残骸が積み重なり、凍りついたローターが、無残にもひしゃげて深々と大地に刺さっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鏡島・嵐
この期に及んで暴走止まんねーのかよ……!
くそ、こんなことになるんならおれもキャバリア借りてこれば……!
ええい、今更悔やんでもしょうがねえ。やれることをやるだけだ!

空を飛ぶ味方もいるみてーだから正直使うかどうか迷うトコだけど、《幻想虚構・星霊顕現》で大きな風を起こしてみっか。
つっても、ずっと風を起こしたままだと制御が大変だし味方にも迷惑かけるだろうから、敵の動きや攻撃のタイミングを〈見切り〉、敵の攻撃の妨害や味方の攻撃が当たりやすくなるように一瞬だけ突風を起こして味方を支援する。
勿論、他の味方とは連絡を取り合って、動きを邪魔しねえように細心の注意は払うぞ。

※連携・アドリブは適当に。



●吹き荒ぶ嵐
 制御を奪われた武装ヘリを、次々と叩き落として行く猟兵達。そんな中、同じ猟兵でありながら、鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)は焦っていた。
「この期に及んで暴走止まんねーのかよ……! くそ、こんなことになるんならおれもキャバリア借りてこれば……!」
 猟兵の力を以てすれば、武装ヘリと1対1で戦っても負けることはない。だが、問題なのは、敵の数。見れば、周りの猟兵達は各々でキャバリアを用意しているか、あるいは何らかの存在を召喚することで、戦力差を埋めている者ばかり。
 その一方で、嵐の武器は手製のパチンコだけである。能力的にも仲間のフォローや攻撃補助に特化しているためか、火力の差は如何ともし難い。
「ええい、今更悔やんでもしょうがねえ。やれることをやるだけだ!」
 しかし、それでもここまで来た以上、自分も何かせずにはいられなかった。確かに、自分にはヘリを一撃で破壊するような武器も、キャバリアのような大型兵器もない。召喚できる存在にも、巨大な魔獣やドラゴンの類はいないのだが……火力や体格の大きさだけが、勝敗を決する全てではない。
 ヘリはローターを回転させることで、風圧によって飛んでいる。それ故に立体的な軌道で飛び回ることが可能だが、その結果生じる弱点もある。
 それは、突風に弱いということ。風に煽られれば航空機以上にバランスを取ることが難しく、空気の薄い場所でも運用は難しい。
「よし、食らえ!」
 嵐が狙ったのは、正にその弱点だった。ユーベルコードにより発生させたのは、純粋に強烈な突風。広範囲に渡るそれを、一瞬だけ発生させることで、ヘリの制御を一時的に奪い。
「今だ! あのヘリを叩き落としてくれ!」
「承知した。後は任せてもらおうか」
 ヘリの排除そのものは、グラードと彼の駆るデュアル・ガイゼルに任せる。せめて、一機でも多く斬り捨ててくれればと思った嵐だったが……しかし、グラードは大太刀を構えて踏み込むことはなく、それをヘリの群れに向けて投げつけたのだ。
「受けよ! 奥義・旋風大車輪!」
 投擲された巨大な刃が、回転しながら竜巻を起こす。それはブーメランのような軌道を描き、接触したヘリを次々に叩き落としながら、再びデュアル・ガイゼルの手に収まった。
「おいおい、無茶苦茶だな。どうなってんだ、あれ……」
 物理法則を無視した刃の動きに、嵐は半ば呆れ顔で呟いた。スーパーロボットは、時に気合いと根性で不可能を可能にするとも言われているが、まさか刀を投げてブーメラン代わりにしようとは。
 まあ、グラードに限らずキャバリアを駆る者は、猟兵と同じくユーベルコードを使用できる。きっと、あの奥義とやらもグラードの使うユーベルコードなのだと割り切って、嵐はそれ以上突っ込むのを辞めた。
「さて……とりあえず、これで全部片付いたのか?」
 気が付けば、辺りはヘリの残骸だらけで、動いている敵機は見当たらなかった。
 これで残すは、地面に突き刺さったままのセラフィム・リッパーのみ。今だ不気味に稼働を続けるサイキックキャバリアに向かい、猟兵達は静かに歩を進めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ヴェルディグリース』

POW   :    メラルダの剣
【サイキックエナジーを実体化させて自分の剣】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD   :    ベリドートの鎧
全身を【緑青色に輝く強固なサイキックオーラ】で覆い、自身の【搭乗者を顧みない出力のサイキックエナジー】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    ロムスフェーンの外套
自身の【搭乗者の生命力および精神力】を代償に、【対象の至近距離へテレポートし、サイキック】を籠めた一撃を放つ。自分にとって搭乗者の生命力および精神力を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ツェリスカ・ディートリッヒです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●翡翠の魔剣機士
 武装ヘリの軍団を薙ぎ倒し、ついにセラフィム・リッパーを追い詰めた猟兵達。だが、大地に深々と突き刺さったセラフィム・リッパーに近づこうとした瞬間、それは眩い輝きを放ち、静かに宙へと浮かび上がった。
 光に包まれた装甲が溶け、新たな形へと変わって行く。巨大な剣はそのままに、しかしより騎士の使うであろうロングソードへと酷似した形状に変化し、背部より展開されていた光の翼は、より物質的な黒き外套へと姿を変える。
「なるほど、擬態か。まったく、どこまでも厄介な相手だな」
 変わり果てた姿のセラフィム・リッパーを見て、グラードが呟いた。いや、もうこれはセラフィム・リッパーではない。
 ヴェルディグリース。搭乗者の命を削ることで、圧倒的な性能を発揮するという禁忌のキャバリア。真の姿に覚醒したオブリビオンマシンを撃破し、今度こそレヴィを救いだすのだ!
タリア・コーエン
引き続き『CANAAN』で参戦
いよいよ、最終形態ね

敵機は搭乗者の命を削る鬼子
メカニックでもある私の経験から判断して機体の何処かに生命力と精神力をエネルギーへと変換するコンバータ的な装置がある筈
装置を破壊すれば出力は落ち、少なくともレヴィがミイラ化する可能性も下がるわ

【神罰執行『Code』】を起動しメタトロンに該当箇所を調べて貰うわ
その間AIのサポートが無いのは大変だけど
レーザー兵器とドローンで弾幕を張りつつ
ダッシュとフェイントを交えながら緩急をつけて時間稼ぎするわ
大丈夫、私は決して一人じゃないし
限界を超え思考加速出来るから持ちこたえられる
場所が判明したら機を逃さず狙撃よ

※アドリブ&連携OK



●禁忌の呪縛
 セラフィム・リッパーの殻を破り、ついに姿を現したヴェルディグリース。
 全く性質の異なる機体に、内部構造レベルで変貌する。何がどのような仕組みになっているのかは不明だが、それこそがオブリビオンマシンの恐ろしさでもある。
 通常のキャバリアが単なるマシンに過ぎないのに対して、オブリビオンマシンは明確な悪意を持ってこの世に現れる。それ故に、連中の存在は厄介なのだ。明確な破滅の意志を持って、常識を無視した力を発揮する存在は。
(「いよいよ、最終形態ね。敵機は搭乗者の命を削る鬼子……」)
 時間を掛けられないことは、タリア・コーエン(導師・f18918)も承知していた。下手に相手を消耗させれば、それは搭乗者の命を無駄に削らせることになる。ただでさえ、セラフィム・リッパーの状態での戦闘でレヴィは消耗しているのだ。これ以上、彼に負担を強いてしまっては、救出はそれだけ難しくなる。
「『Metatron』? 私が時間を稼ぐわ、正しい解を導き出して」
 サポートAIに演算を任せ、タリアは敵の中枢を探らせた。メカニックでもある彼女の勘が告げている。生命力や精神力を糧に動く機体は、そのどこかに人間の持つエネルギーを変換して増幅するコンバータ的な装置があるはずだと。
 装置を破壊できれば、敵の出力は低下して、少なくともレヴィが一気にミイラ化させられることはなくなるはず。問題なのは、敵の弱点を見極める間は、AIのサポートが完全になくなるということだが。
(「大丈夫、私は決して一人じゃないし、限界を超え思考加速出来るから持ちこたえられる」)
 多数のドローンを展開しつつ、タリアは敵を牽制することに集中した。見たところ、相手の得意な間合いは接近戦。四方八方からドローンとレーザー兵器で弾幕を張れば、近づいてこれないと踏んだのだが……果たして、それは少しばかり、読みが甘かったと言えるだろう。
「……っ! 剣が巨大化した!?」
 突然、敵機が膨大なサイキックエナジーを放出したかと思うと、それは収束して巨大な剣の形になったのだ。その刀身は、キャバリアの全長の更に数倍。そんな剣を振り回そうものなら、それだけで周囲は大被害だ。
 緑色に輝く大剣が、力に任せて横薙ぎに振るわれる。間一髪で避けたものの、風圧だけで周囲の石や草木が宙を舞い、バランスを崩したドローンが次々に斬り捨てられて破壊された。
「しまった、ドローンが!!」
 たったの一振りで、弾幕を張るためのドローンが失われた。ならば、今度は砲台で攻撃しようとするも、敵の攻撃は止まらない。
「まだ来るの!?」
 構わず一斉砲撃を浴びせたものの、それでさえも巨大な剣の一振りで相殺される。おまけに、敵の攻撃は未だ止まらず、大きく振り被られた刀身が、今度こそタリアの駆るCANAAN目掛けて振り下ろされた。
(「このままじゃ、やられる。こうなったら……!」)
 受け太刀をしようにも、そもそもCANAANには敵の攻撃を受けるための剣がない。仕方なく、装備していたバズーカを射出して敵の剣にぶつけ、それにより軌道が逸れたところで、なんとか横跳びに攻撃を避けた。
「危ないところだったわね。でも、計算は終わったわ」
 武器の大半を失いながらも、タリアはAIが導き出した答えに改めて目を通した。やはり、この機体は人間の生命エネルギーを自らのエネルギーに変換する装置を持っている。そこを狙って攻撃すれば勝機はあるが……問題なのは、その場所だ。
(「コクピットの近く……というか、コクピットそのものがコンバータの代わり? さすがは魔法で動く超機械ってところかしらね」)
 なんと、一般的な機械式のコンバータは存在せず、操縦席そのものが、直接人間の生命力を吸い出す仕様になっていたのだ。
 恐るべきは、古代魔法帝国の超技術。科学の力で動いている、一般的なキャバリアとは一線を画す存在。それでも、弱点が判明した以上、そこを狙って攻撃する以外にないわけで。
「完全に破壊はできなくても、システムの性能を落とすくらいなら……」
 迷いを捨てて、タリアはCANAANに装備されたガトリング砲を連射した。正直、お世辞にも狙撃に向いた武器とは言えなかったが、コクピット周りの装甲を削りつつ内部に衝撃を与えるには、これしか方法が残されていなかった。
 コクピットに魔術的な何かが施されているのであれば、それを削ることで少しは敵の呪力を弱められる可能性はある。欠けた水晶玉では満足な占いができず、掠れた魔法陣では本来の力を発揮できないのと同じように。
 果たして、そんなタリアの読みは正しく、胸部装甲を貫かれたヴェルディグリースは、途端に動きが鈍くなった。
 とりあえず、これでレヴィが直ぐに死ぬことはなくなった。が、しかし、同時にタリア自身も限界だ。愛機こそ無傷だったものの、既に大半の武装を破壊され、あるいは使い尽くしてしまい、残された方法は体当たりくらいしかないのだから。
 ここから先は他の猟兵と、レヴィの師匠であるグラードに任せよう。追い縋るヴェルディグリースを残るガトリング砲の弾を使って牽制しつつ、タリアは後方へと退いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

シン・ドレッドノート
フィーナさん(f22932)と連携します。

早く救出しないとレヴィさんの生命が危険ですが…手を抜いて戦える相手ではありません。
「全力で行きますよ!」

キャバリアに搭乗したまま閃光の魔盾のビーム障壁を全面に展開。

「踊れ、ビット達!」
続けて【紺青の剣劇】を発動、920本のライフルビットとソードビットを召喚し、瞬時に剣閃と弾幕の結界を構築。

魔盾のビーム障壁をセンサー代わりにし、テレポートで現れた敵が障壁に触れた瞬間に、その位置に向けてカウンターの一斉射撃です。

「たたみかけます!」
動きが一瞬でも止まったら、破魔の力を込めたソードビットを各部関節に向けて撃ち込みます。コクピットに当たらないよう注意しますね。


フィーナ・シェフィールド
シンさん(f05130)と一緒に行動します。
アドリブOKです。

急いで救出しないと、レヴィさんの命に関わりますね…。
「絶対に助けます!」

どこから来るか分からない敵の攻撃に備え、レゾナンツの纏うモーントシャインのオーラ防御を全開。シンさんのキャバリアのビーム障壁と重ね合わせ、防御力を上げておきます。

「聖なる歌で、オブリビオンの力を打ち消します!」
【包み込む破魔の歌声】で召喚したスピーカーポッドを効果範囲の最大レンジで展開。
周囲を破魔の力を込めた歌声で満たし、テレポートで現れた敵に放ちます。

せめて破魔の力でオーラを打ち消すことができれば、敵を弱体化できるはずです!
「目を覚まして、レヴィさん!」



●その心を、もう一度
 搭乗者の命を削り、それを力とする狂った兵器。最初からそういった設計思想だったのか、オブリビオンマシンと化して狂ったのかは分からない。だが、このまま放っておけば、搭乗者の命が消えてしまうことだけは明白だ。
 先の攻撃で生命エネルギーの変換装置が破損したとはいえ、それでも未だ動きを止めない以上、この機体を止めるには搭乗者を中から引っこ抜くしかないのだろう。あるいは、搭乗者諸共に機体を破壊するか……否、それはあまり考えたくはないことだ。
「全力で行きますよ!」
「はい、絶対に助けます!」
 シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)の言葉に、フィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)が力強く頷く。貴紅とレゾナンツ、それぞれのキャバリアで背中を合わせるようにして死角を潰しつつ、横向きのままヴェルディグリースと対峙する。
 敵の攻撃は、どこから来るか分からない。油断なく月光の如きオーラで機体を包み、フィーナはモニター越しにシンへと目配せした。
「ええ、任せてください。まずは守りを固めましょう」
 どこから攻撃されても構わないように、シンは周囲を光の障壁で覆い尽くした。
 これで、前後左右、どこから攻撃されても防御できる。唯一の死角は真下だが、そんな場所から攻撃を仕掛けられるのは、ドリルを装備したスーパーロボットくらいだろう。
 果たして、敵は何を仕掛けて来るのか。この状況で満足に攻撃が通らないことは、相手も十分に承知しているはずなのだが。
「……消えた!?」
「いえ、直ぐに現れますよ。……そこです!!」
 突然、姿を消して障壁の中に現れたヴェルデグリーズの攻撃を、シンは間一髪で受け止めた。
 搭乗者の命を削る瞬間移動。それを用いて障壁の内部に入り込んで来ることを、シンは最初から予期していた。
 敵の攻撃は正確だが、正確過ぎるが故に先を読みやすい。空間を跳躍して死角に回り込まれようとも、それをカバーできるよう、最初から身構えていれば対処も可能だ。
「さあ、今度はこちらの番です。舞い踊れ、ビット達!」
 天剣絶刀とは、このことか。千にも迫らん数の剣と銃。その全てを使い、シンは確実に相手の逃げ場を奪って行く。再び跳躍して逃れようとするヴェルデグリーズだったが、そもそも短距離の跳躍しかできないユーベルコードだ。
 戦場の、ほぼ全てを剣と銃により支配されれば、跳躍したところで逃げ場などなかった。避けようのない攻撃の嵐の前に、さすがのヴェルデグリーズも、徐々に装甲を削られて行き。
「今です! 聖なる歌で、オブリビオンの力を打ち消します!」
 動きが止まったところで、フィーナが無数のスピーカーポッドから破魔の歌声を響かせる。機体を破壊できなくとも、敵の呪縛を中和することができれば、その分だけ相手はエネルギーの供給減を断たれて弱体化するはずだ。
「目を覚まして、レヴィさん!」
 先の戦いで見せた正義と根性。それを、今一度見せる時だ。そんなフィーナの言葉に反応したのだろうか。
「う……うぅ……。お、俺は……」
 コクピット内のレヴィが、微かに意識を取り戻した。それに合わせ、ヴェルデグリーズの動きが途端に鈍くなる。レヴィの意識が戻ったことで、彼の力を吸収し難くなったのだ。
「たたみかけます!」
 最後はシンが、操作していたソードビットを一斉にヴェルデグリーズへと突撃させた。コクピットへの直撃は避けているものの、それでも全身を串刺しにされては堪らない。
 再び、跳躍で逃走するヴェルデグリーズだったが、それは既に身体を貫かれた後だった。串刺し刑より脱することはできたものの、装甲があちこち破壊され、内部もかなり損傷している。
 ほんの一瞬、僅かなものだが、希望が見えた。追い詰められたオブリビオンマシン。後はそのコクピットから、レヴィを引っ張りだすだけだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロッテ・ブラウ
へ〜っ、騎士みたいでさ、かっこいいじゃん?

【禍津血】に搭乗したままステルスを解除して効果範囲ギリギリの位置に姿を現します

【幻魔の瞳】の条件はクリアしてるからね、ボクの好きにさせて貰うよ?

幻術の基本は、現実の中に忍ばせた小さい誤差の積み重ねってね♪
正確な動きが得意な奴ほど、ちょっとの誤差が命取りさ!!

残念♪ボクはソコには居ないぜ!!
はははっ、惜しい惜しい♪

幻術で距離感を狂わせ、更に死なない虚像を見せる事で撹乱を狙います
更に範囲内にいる限り
虚像からの攻撃でダメージを与え続けられるので
疲弊した瞬間、中距離攻撃により、トドメを刺す瞬間まで無理には攻めません

ダンスは楽しかった?
じゃーね?バイバイ


清水寺・大牙
【アドリブ・絡み歓迎】
【POWで対抗】

「雑魚相手は稼ぎには悪くないが…不満か『雪風』? アレなら満足させてくれそうだ」

雲霞の如き敵を薙ぎ払うのも悪くないが、やはり大物狩りは血が滾る…この義体に血が流れていなくとも、な
小手先の技が通用する相手じゃない、全力で真っ向勝負と行こう
『金剛』と『寿光』の能力全開で間合いを詰め(ダッシュ・推力移動・オーラ防御・残像)
UCの『斬鉄』で攻撃回数を減らす代わりに攻撃力を上げて切り伏せる

「俺と『雪風』の牙だ…そう容易くは折れんぞ…?」



●幻影に散る?
 猟兵達の活躍によって、徐々に追い込まれて行くヴェルデグリーズ。だが、それでも未だ倒れないのは、決定打に欠けているからに他ならない。
 中にレヴィが乗っている以上、彼を避けて攻撃すれば、必然的にコクピット周りは狙えない。しかし、それではいつまで経っても相手の急所を攻撃することができず、最後の一押しが足りなくなってしまう。
 誰かを助けるためには、それも仕方のないことだ。元より人質を取られた状態で戦わされているようなもの。苦戦は百も承知している者が多かったが……中には純粋に戦いを楽しむために、この場に足を運んでいる者もいるようで。
「雑魚相手は稼ぎには悪くないが……不満か『雪風』? アレなら満足させてくれそうだ」
 武装ヘリのような小物と違い、大物狩りは血が滾る。清水寺・大牙(人食い虎・f06778)の駆る雪風が、静かに刀を抜き放ってヴェルデグリーズと対峙する。
 相手は人の精神を食らい、それを力に変える忌むべきキャバリア。小手先の技で勝てる程、甘い相手でないことは理解している。だからこそ、大牙は敢えて甘さを捨てて正面から斬り掛かった。当然、敵もまたロングソードを巨大化させて、大牙を斬り捨てんと振り下ろすが……その一撃は、雪風の太刀によって受け止められ、それ以上は先へ進まなかった。
「俺と『雪風』の牙だ……そう容易くは折れんぞ……?」
 ユーベルコードを使って戦うキャバリア同士の戦闘に、武器の質量差はさしたる問題ではない。剣のサイズは圧倒的に相手の方が上だったが、それでも雪風の手にした細身の太刀は、しっかりとヴェルデグリーズの大剣を受け止めている。
 互いにぶつかり合う力と力。お互い、拮抗したまま一歩も譲らない。このまま千日戦争になるかと思われたが、しかしこの場にいるのは、何も大牙の駆る雪風だけとは限らないわけで。
「へ〜っ、騎士みたいでさ、かっこいいじゃん?」
 突然、周囲の空間が歪み、ロッテ・ブラウ(夢幻・f29078)の駆る禍津血が姿を現した。空間跳躍の類ではない。迷彩機能によって背景と同化していたんを解除したのだ。
 まずは、軽く一発だけ攻撃を当て、その上でロッテは敵を誘うようにして身を退いた。大牙の雪風と斬り合うのを中断し、ヴェルデグリーズもまた後ろに下がってロッテを追うが……それこそが、彼の仕掛けた罠である。
「さぁ、夢の世界へ……」
 一撃でも攻撃を当てることができれば、そこから先はロッテの繰り出す幻惑空間。現実と現実の狭間に虚構を、虚構と虚構の狭間に現実を隠すことによって、実態と非実態の境目さえ曖昧にさせる惑わしの術。
「残念♪ ボクはソコには居ないぜ!!」
 瞬間移動で間合いを詰めて攻撃を繰り出したヴェルデグリーズだったが、その攻撃は虚しく空を切った。続けて、声のする方へと跳躍して再び剣を振り下ろすも、やはりそちらも虚像である。
「はははっ、惜しい惜しい♪」
 ロッテの駆る禍津血を捉えようにも、既に幻術の中に捕われてしまったヴェルデグリーズは、彼の影さえ掴むことができないままだ。気のせいか、だんだんと動きが鈍くなっているような……いや、気のせいなどではなく、本当に鈍くなっている。
 ヴェルデグリーズの動力は、パイロットの持つ生体エネルギー。幻術による撹乱でそれを浪費させたことで、ヴェルデグリーズの中にいるレヴィの生体エネルギーが、枯渇寸前になっているのだ。
 もっとも、それは即ち、レヴィの死を意味することでもあった。命を削り力に変える忌むべきキャバリア。確かに、パイロットが死んでしまえば、そこから先はエネルギーの供給減も失い大幅に弱体化することになるのだろうが。
「う……ぁぁ……」
 既にコクピットの中のレヴィは、まともな言葉を発することもできない程に衰弱してしまっていた。ヴェルデグリーズを倒すという一点に絞って考えれば撹乱戦術は悪い方法ではなかったが、レヴィの命をあまりにも考慮してい無さ過ぎた。
 エネルギーの供給減が、そろそろ限界であることを悟ったのだろう。ついにヴェルデグリーズは、レヴィから吸い出した生体エネルギーを剣に集約させると、ところ構わずメチャクチャに振り回し始めた。
 刃が触れる度に、禍津血の幻が消えて行く。手数の多さで、全ての幻を消すつもりだろうか。撹乱を狙う相手には有効な策の一つであるが……この場にいるのが、ロッテだけでないことは、ヴェルデグリーズにとって不幸だった。
「斬れるかどうかではない……斬る、それが答えだ」
 剣を振り回すヴェルデグリーズに、再び大牙の駆る雪風が斬り掛かって来たのだ。雑な強化しかされていないロングソードに、情け容赦なく振り下ろされる鋭い太刀。今度は拮抗することなく、雪風の太刀はヴェルデグリーズのロングソードを叩き折りながら、果てはその先にある胸部装甲にまで食い込んで。
「やめろ! 私の弟子を殺す気か!!」
 慌ててグラードが止めに入ろうとしたが、もう遅い。大牙の駆る雪風の太刀によって斬り伏せられ、胸元の装甲に亀裂が走ったヴェルデグリーズに、ロッテの禍津血が手にしたライフルが炸裂する。
「ダンスは楽しかった? じゃーね、バイバイ」
 全身の装甲が弾け飛びながら、ヴェルデグリーズは関節から火を噴き、静かに後ろへ倒れ込んだ。全身から煙を上げつつ沈黙する緑の騎士。暴走こそ鎮まりつつあったものの、その中に閉じ込められた者の安否は、とてもではないが無事とはいえない状況だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フレミア・レイブラッド
【ブラッディ・フォール】で「鋼騎が纏うは恩讐の黒炎」の「ブレイジング・バジリスク」の力を使用(魔力で乗機として構成)。

自身の魔術【属性攻撃、高速詠唱】を併用してライフルと弾丸に雷属性を付与。
グラードに援護を依頼し、電磁砲として威力・弾速強化と雷撃付与を付与し、敵の攻撃範囲外からライフルで攻撃。

雷撃付与の弾丸でダメージを与えつつ、自身の周辺に【念動力】の網を張って一定範囲内への敵の侵入を感知し、瞬間的に敵を全力の【念動力】で拘束。
【エンジンキラー】で敵の動きを停止させ、停止してる間にコクピットハッチを破壊してレヴィを引き剥がすわ!

あぁ、もう!ちゃんと(頬に)キスしてあげるから足掻いてみなさい!


鏡島・嵐
命を削ってまで力が欲しい奴が作った機体、か。……正直、おれには想像もつかねぇな。
命を懸けて守れるもんなんて、そうあるもんじゃねえし……おれとしちゃあ、誰かを守るときは自分自身も守りてえからな。
正直怖くて堪んねぇけど、最後の正念場だ。絶対ぇに止めねえと。

見るからに強そうだし、実際強ぇんだろうな、あの機体。
無傷で無力化ってのは無理そうだし、せめて味方の損害を減らしながら戦わねえと。
ユーベルコードで損傷してる味方の機体を適宜修復しながら、〈援護射撃〉で支援も行う。
ただのスリングショットだけど、精度だけは〈スナイパー〉ばりに高ぇからな。豆鉄砲だからって莫迦にしてっと、痛い目見るぜ?



●バカの帰還
 全身の装甲が吹き飛び、フレームが剥き出しとなったヴェルデグリーズ。
 機体のあちこちから煙を噴き出し、完全に満身創痍な状態。こんな姿で動けることだけでも脅威的であり、実際にかなりの無茶をしているのが見てとれる。
 折れた剣を杖代わりにして立ち上がるも、既に脚部が満足に動かないようだった。
「命を削ってまで力が欲しい奴が作った機体、か。……正直、おれには想像もつかねぇな」
 半壊状態のヴェルデグリーズを見上げながら、鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)が呟いた。命を懸けて何かを守るという思想は立派だが、同時に自分自身も守れねば意味がない。そんな嵐の想いに反し、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は随分と冷めた目でヴェルデグリーズを見つめていたが。
「あんなもの、所詮は狂った思想の産物よ。それに、制作者が自分で乗ろうとしたってわけでもなさそうだわ」
 この手の機体は、作った者が自ら乗らず、しかし搭乗者に犠牲を強いる代物であることが多い。呪いの武具などもそうだが、大概の場合は兵士を使い捨ての駒と定義し、人間の肉体や魂そのものを燃料、あるいは消耗したら交換可能な部品としてしか考えていない。
 勝利のためなら人命などゴミ屑のように軽視する。その設計思想が、何よりも恐ろしく、そして不愉快だった。いくら勝手な理屈でキャバリアに乗り込んだとはいえ、こんな機体に命を吸われて死んでしまうなど、あんまりだ。
「ちょっと、聞こえているの? 生きているなら、返事しなさい」
 未だ動きを止めないヴェルデグリーズに向かって、フレミアが中に捕われたレヴィに声を掛ける。だが、これまでの戦いが長引き過ぎたのか、心身共に憔悴した彼は、何の言葉も返してこなかった。
「返事がない……って、ことは、まさか……」
 最悪の事態が嵐の脳裏を過る。ここまでやって、最後の最後でパイロットが死んでしまいましたでは話にならない。
「……来るわよ! 意識を集中して!」
 しかし、あれこれ考える暇もなく、フレミアが嵐のことを叱咤した。その瞬間、ヴェルデグリーズが霧散するようにして消滅する。残る僅かな生体エネルギーを利用して、空間跳躍を行ったのだ。
「ど、どこだ……どこから来る……?」
「落ち付きなさい。……そこよ!」
 事前に張り巡らせていた念動結界で敵の接近を察知し、フレミアは雷弾を発射した。ノールックショットというやつだ。まるで背後に目があるかの如き動きには、さすがのヴェルデグリーズも面喰らったようで。
「今よ! 援護は任せたわ、グラード!」
「承知! チェストォォォォッ!!」
 横から割り込んで来たグラードのデュアル・ガイゼルが、強引にヴェルデグリーズを押し込んで行く。先程までの戦いで消耗しているのか、少しばかり勢いがないが、そこは嵐がしっかりとフォローだ。
「その調べは哀しく、その詞は切なく、その末期は儚く、痛みを遙かに運び去る……」
 召喚した人魚の紡ぐ調べが、グラードの駆るデュアル・ガイゼルの装甲を修復していった。こうなれば、もう負ける要素はどこにもない。いかに強力なオブリビオンマシンとはいえ、装甲を剥かれて丸裸な状態の機体と、歴戦の勇士が駆る万全な状態の機体では、性能に雲泥の差が出るのは当然だ。
「上出来だわ。さあ、大人しくしていてもらうわよ」
 続けて、フレミアは念動結界を収束させつつ、ヴェルデグリーズの動きを封じ込めるのに全ての力を注ぎ込んだ。その上で、今度は自分もキャバリアを召喚するのを忘れない。さすがに、この難敵を相手にするのは、氷の鷲獅子では骨が折れる。
「骸の海で眠るその異形、その能力……我が肉体にてその力を顕現せよ!」
 詠唱と共に彼女が呼び出したもの。それは、以前に彼女が戦い、そして打ち破った、オブリビオンマシンに他ならなかった。
 ブレイジング・バジリスク。高い機動力と射撃性能を持ち、果ては一時的にマシンの動力を止めることも可能という、キャバリア戦に特化した癖の強い機体。
 自身の念でヴェルデグリーズを拘束しつつ、フレミアはブレイジング・バジリスクの能力を解放した。その途端、周囲に存在するキャバリアが……それこそ、他の猟兵の駆る機体も、グラードのデュアル・ガイゼルも、そしてヴェルデグリーズさえもが一斉に稼働を停止した。
 これこそが、ブレイジング・バジリスクの切り札であるエンジンキラー。戦場に存在する、あらゆる機械の動力を止めてしまうという反則技。だが、その効果に比例して代償も大きく、この能力を発動できるのは、フレミアの力を以てしても90秒程度が良いところ。
(「限界を超えたら、さすがに私も命が危ないわね。ここは、手っ取り早くレヴィを引っ張り出さないと……」)
 動きを止めたヴェルデグリーズのハッチを強引にこじ開け、フレミアは中からレヴィを助け出そうとした。が、しかし、そんな彼女を嘲笑うかのようにして、ヴェルデグリーズがなおも動き続ける。エンジンをカットされているにも関わらず、残る最後の生体エネルギーを全て使ってフレミアの拘束を打ち破り、全身に糸の如く念を貼り巡らせることで、機体を無理やり操ろうとしているのだ。
「う……ぐぅ……」
 白目を剥いて泡を吹き、もはやレヴィの命は風前の灯だった。このままでは、本当に彼が死んでしまう。あまり使いたくはなかったが、ここは最後の切り札を使う他にない!
「あぁ、もう! ちゃんとキスしてあげるから足掻いてみなさい!」
 ただし、場所は頬に限定させてもらうが。そう、心の中で呟いてフレミアが叫べば……なんと、今まで死に掛けのゾンビ状態だったレヴィが、突如として正気を取り戻し起き上がったではないか!
「……ハッ! そ、そうだ! こんなところで死んだら……お姉さんに、キスしてもらえなくなるじゃないかぁぁぁっ!!」
 なんというか、もう色々な意味でメチャクチャだった。こんなことで限界以上のパワーを発揮できるとか、スーパーロボット乗りってなんだろう。
 愛の力? いや、この場合は欲望か? もう、どちらでも構わない。色々面倒臭いし、なによりエンジンを停止させるのも限界に近かったので、フレミアはさっさとレヴィをヴェルデグリーズのコクピットから摘まみ出し。
「後は任せてくれ! 豆鉄砲だからって莫迦にしてっと、痛い目見るぜ?」
 無人となり、ついにエネルギーの供給が断たれたヴェルデグリーズに、嵐がパチンコで狙いを定める。単なるスリングショットだと侮るなかれ。彼の放つ礫の命中精度は、狙撃手が用いるライフル並の命中率なのだから。
「こいつで……終わりだ!」
 狙うはフレームの隙間と隙間。装甲が吹き飛び、剥き出しになった内部の更に奥。重要な機関が集中している、頭部ユニットの中心部。
「……#◆$●%▲&*!?」
 人間の言葉では発声不能な機械音を立てて、礫を食らったヴェルデグリーズが膝を突き倒れる。人間でいうところの、脳に値する部位を礫で射抜かれたのだ。さすがに、これに耐えるのは不可能だったのか、ヴェルデグリーズは今度こそ、完全に機能を停止した。
「まったく……世話の焼ける馬鹿弟子だ。この度は、本当に世話になってしまったな。改めて、礼を述べさせてもらおう」
 最後に、気絶したままのレヴィを受け取り、グラードが言った。デュアル・ガイゼルの手の中で倒れているレヴィは相変わらず目を回したままだが、それでも朦朧とする意識の中、繰り返し何かを呟いており。
「キ……ス……。お姉さんと……キス……」
 どうやら、フレミアとの約束を果たすことだけが、今のレヴィを生かしている模様。
 なお、その後にしっかりキスをしてもらえたかどうかは、神のみぞ知るといったところである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月02日


挿絵イラスト