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赤い靴で踊りましょう、それは罪のリズムだから

#アリスラビリンス #猟書家の侵攻 #猟書家 #ホワイトアルバム #アリス適合者

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 ターン、タタン。
 硬い靴の音を響かせ、白い少女が踊りだす。
『ボクは王子様になりたかったんです。囚われのお姫様を救うために』
 タン、タタタン。
『けれどボクは王子様になれなかった。お姫様を救えなかった』
 ターン、タタン。
『お姫様は行きたくなかったお嫁に行ってしまった』
 タン、タタン。
『弱いボクは何もできませんでしたとさ。それがボクの罪』
 この靴を履いたら、踊るたびにいつでも自分の罪を確認できるの。だからとってもいい気持ち。
「そうそう、とっても楽しいでしょう? プレゼント、気に入ったでしょう? 自分の扉なんかどうでもいいでしょう? 私が連れてってあげるから、踊りながらついてきて?」
 大きな白い本を持った可愛らしい少女が先を示してくれる。だからボクは自分の罪だけ数えてずっと踊っていられる――。

●「アリスラビリンスで猟書家が暗躍しているヨ」
  集まった猟兵達を見回したロバート・ウォン(東方妖怪の猟奇探偵・f30564)は語りだした。
「今回の敵はホワイトアルバム。ひとりのアリス適合者の目の前に現れ、彼女が自分の扉を見つける前に忌まわしき記録を解き放ってしまったアル。そのせいでその適合者は生きたままオウガに変わってしまい、不思議の国自体を地獄さながらの様相に変化させて手当たり次第に暴れまわってしまうネ」
 少女の名前は『リコ』というらしい。とても困窮した家の次女で、美しい上の姉がお嫁に行くことで相手の家に借金を肩代わりしてもらうという契約を結んだ親に憤り、姉を逃がそうとしていたが、子供だったため叶わなかったらしい。それをとても悔やんでいたそうだ。
「お姉サンはお嫁になんか行かずにバレリーナになりたかったそうヨ。ケド、お嫁に行ったら夢どころじゃない、すぐに妻としての責務を求められる。そんなリコサンのお姉サンを想う不安と悲しみ、悔恨がリコサンを赤い靴を履いたオウガに変化させ、自らの罪を味わいながら踊り続けさせているヨ。そしてそれを止めようとする者を殺そうとするようネ。ケド、彼女はまだ誰も殺していない。踊りながらも必死で抵抗しているようアル。まだ完全にはオウガになりきっていないということヨ。斃せばそりゃ止まるヨ。ケド、彼女を励まして目を覚まさせることができれば、きっと一緒に戦ってくれるはずアル」
 そう言うと、ロバートは転移の準備を始める。
「リコサンのコトが片付いたらホワイトアルバムはすぐに襲ってくると思うヨ。そのときリコサンがどうなってるかは皆サンの腕前にかかってるアル。リコサンを救うため、不思議の国を救うため、頑張っチャイナ」


星野ユキヒロ
 星野ユキヒロです。アリスラビリンスの敵は可愛い姿が多いですね。

 さて、今回も猟書家シナリオ、二章構成です。

●一章
 オウガになりかけのリコとの戦闘です。彼女を止めようとする者を攻撃しようとしてきますが、励まし心を通わせれば助けることができます。あの手この手で目を覚まさせてあげてください。

●二章
 猟書家『ホワイトアルバム』との戦闘になります。第一章でリコを助けていれば一緒に戦うことができます。やや赤い靴に引きずられた戦い方になるかもしれませんが、前向きに戦う彼女を見られると良いですね。

●プレイングボーナス(全章共通)
『アリス適合者と語る、あるいは共に戦う』となっております。

 それでは皆さんのプレイングを楽しみにしております。
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第1章 ボス戦 『赤い靴』

POW   :    この女の罪を教えてやるよ!
【絶望した魂を好んで捕食する口を開いた形態】に変形し、自身の【操るアリスの罪を喧伝、言葉でいたぶること】を代償に、自身の【操るアリスの舞踏と鋭い牙による噛み付き】を強化する。
SPD   :    罰として死ぬまで踊ってもらおうか!
【舞踏に合わせて放たれる殺傷力十分な脚撃】【美しい所作で攻撃を回避する華麗なステップ】【足切断時アリスが死亡する呪い(常時発動)】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    赦されるいい方法を教えてやろうか?
自身の【憑りついたアリスが罪の記憶を取り戻すこと】を代償に、【アリスの足を切断する為召喚した首切り役人】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【首切り斧と「赤い靴」が操るアリスとの連携】で戦う。

イラスト:ぬる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はトリテレイア・ゼロナインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 鋭くねじれた尖塔の屋根、曲がりくねったお城の階段、ねじれねじれたメルヘンの地獄。妖精でしか住めないくらいに小さいキノコのような丸い屋根のおうちが円を描いたステージで、少女リコはくるくる回っている。白いドレスに不自然に目立つ赤い靴。

 くるくるタンタン、くるくるタン。

「ずっと壁の花でいるつもりかい? ボクと一緒に踊ろうよ」
 白いドレスの王子様は目も回さずにくるくるくる。さあ始めよう、戦いのダンスパーティーを。
高砂・オリフィス
※アドリブ、連携歓迎

むっかー! 無理やり踊らせるなんてひどい、ひどいよーっ
そういう悪いやつはとっととぶっ飛ばすに限る! さあぼくも踊って戦うよ!

ぼくのステップは足が中心! で、手に地面をつけたり、飛んだり跳ねたりでキックを命中させる!

それでそれで、その間にアリスさんに話しかけようっと
まず握手しながら夢とか後悔とか聞き出す!
ふんふん。なるほど。じゃあ今から迎えに行くしかないねっ! あははっ! ぼくだってダンサー目指してる身の上だし? 夢を追うのはいつからだって遅くないしね!
償うためにも、なおさらこんな悪いやつとはオサラバしなきゃ! さあテンポを上げてくよ! ついてきてっ、全部アドリブだけどねっ♪



「むっかー! 無理やり踊らせるなんてひどい、ひどいよーっ。そういう悪いやつはとっととぶっ飛ばすに限る! さあぼくも踊って戦うよ!」
 ぷんぷんと怒りながら現れたのは高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)。カポエイラの技を取り入れた足技中心のダンススタイルで現れた、褐色の踊り手だ。
『無理やりだと? クハハ、踊らされるだけの理由がこの女にはあるのさ。そんなに踊りが好きなら、罰としてお前にも死ぬまで踊ってもらおうか!』
 赤い靴のつま先が開いて、ジャギジャギとした声で答える。そうしている間にも少女リコはオリフィスの華麗なカポエイラ技を捌きながら、舞踏に合わせて脚撃を放った。
 フットワークを用いて必要最小限の動きでそれを避けたオリフィスは少女の手を取り語り掛ける。
「ねえアリスさん。リコさんだっけ? リコさんの夢はなんだったの? 王子様になりたいのはお姉さんのためだよね? ぼくに教えてよ」
 オリフィスの問いに、暗く淀んでいた少女の目がひととき光を取り戻す。
「ぼ、ボクだってバレリーナになりたいんだ。姉さんと一緒に舞台に立つのがボクの夢。でもできないんだ。姉さんはお嫁に行ってしまったし、ボクは姉さんを救えなかった……」
 泣きそうな顔で語る少女の瞳はまたすぐに深い澱みに沈んでいく。
「ふんふん。なるほど。じゃあ今から迎えに行くしかないねっ! あははっ! ぼくだってダンサー目指してる身の上だし? 夢を追うのはいつからだって遅くないしね! 償うためにも、なおさらこんな悪いやつとはオサラバしなきゃ! さあテンポを上げてくよ! ついてきてっ、全部アドリブだけどねっ♪」
 少女の望みを聞き出したオリフィスは、気合を入れるように少女に発破をかけると手を取ったままカポエイラの足技でダン、ダン、ダン! と相手の足を重点的に蹴る。
 少女リコはたたらを踏んで妖精のサークルの真ん中に迷い出た。まだまだパーティは始まったばかりなのだ。
『なかなかやるねぇ。さぁ、次の踊り手は誰だ?』

大成功 🔵​🔵​🔵​

琥珀川・れに
王子様だったら失敗せずに“姫”を助けられるとでも?

僕はダンピール、母親が人間だよ。
僕もしがらみに囚われた彼女を救えなかったんだ。
この男装が平常になったのそれから
僕も最初に失敗したんだ。

僕は君を倒せない
考える時間をあげよう
UCで動きを封じる

役人との戦いを見ていて。
今の僕はちゃんと王子になれたかい?
君は諦めたのかい?
(言いくるめ)

さあ美少女が見ているんだ。
かっこよく戦おうじゃないか
斧は動きが大きいし剣でカウンターを狙って行こう。
ダンスするようにね

※アドリブ大好き。追加省略ご自由に。
※参照不可承知ですがステシURLに過去情報あります。
見なくていい様プレ書いてますが見た方が書きやすいのであればどうぞ



「王子様だったら失敗せずに“姫”を助けられるとでも?」
 次に名乗りを上げたのは琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)。僕のことは気さくにレニーと呼んでくれ、と言いながら、軽くもてあそんでいた紫の毛先をピンとはじく。
「僕はダンピール、母親が人間だよ。僕もしがらみに囚われた彼女を救えなかったんだ。この男装が平常になったのはそれから。僕も最初に失敗したんだ」
 自らの痛みを語りながら、れにはカツカツと靴を鳴らして少女リコに近づく。それ以上にお喋りな、赤い靴がケタケタ笑った。
『おい来たぞ、本物の王子様だ。見えるかリコちゃんよ。なあおい。赦されるいい方法を教えてやろうか? お前を裁く執行人は用意してやるからよ、自分の罪をしっかり思い出しな!』
 どろりとした少女リコの瞳が再び意思を取り戻す。
「い、嫌、嫌だぁ」
 彼女が罪と思っているそれは少女の脳髄を侵し、苦しむその影が歪んで膨らみ、首切り役人が実体化した。
『足を切断する刑だ。この女にはお似合いだよなあ!』
 少女リコは苦しみながらも戦いのステップを踏み、それに交差するように首切り役人は大斧を振り回す。これは誰も見たことのないバレエの演目。れにはそこに登場させられた王子様だ。王子様がどう戦うのか、観客は固唾をのんで見守るに違いない。
「さあ美少女が見ているんだ。かっこよく戦おうじゃないか。だが、僕は苦しむ君を倒せない。代わりに考える時間をあげよう。さぁ、この薔薇で幻想の世界へ誘ってあげるよ」
 れにが細身の剣を振るうと、その剣は血で形作られた薔薇の花弁を散らす。その花弁は役人と少女に纏わりつき、ステップを踏む足を重く重く沈ませた。
「どうだい、今の僕はちゃんと王子になれたように見えるかい? 君はどうだい、諦めたのかい?」
 少女に語り掛けながら、役人の大振りの攻撃をかいくぐり、カウンターを食らわすれに。それはまさに王子様と言って遜色のない姿だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

尾守・夜野
「…はぁ
ふざけた事を…
おいてめぇ!【今】姉は本当に不幸なのか?
一部しか記憶ねぇのに断言できんのかよ!
今が不幸だと逃げたいとてめぇに訴えた記憶があるなら!
燻ってる場合じゃねぇだろ!
前駄目だった?…はん!
今は前とはちげぇだろ!
助けられなかった
…なら次は助けんだろ!
しゃきっとしろ!」

…俺みたいに、助けたい奴らがほぼ助かられないor助けても生きる場所を提供できないって訳じゃねぇんだし
ここで諦められるのむかつく

靴の言葉に倍で返し相手が考えられる時間を稼ぐ

噛んでくる口は埋めてる箇所なら気にせず受け止め、舞踏は黒纏で縛り上げ止めようとする

何なら靴の標的こちらに向けてもいいぜ?
絶望?んなの常にに決まってんだろ



 次に現れた踊り手は尾守・夜野(墓守・f05352)。抜けるように白い肌、漆黒の髪、赤い瞳。ステージに立つ白い少女リコとは対照的な少年だ。
『おっと新しい王子様が現れたようだぜ。なあ、この女の罪を教えてやろうか。この女は自分が姉貴を救い出す王子様になれると妄想を逞しくして、気持ちだけ強いつもりで結局何もできなかった腰抜けのアッパッパァ女さ! そんで今は絶望に浸って踊り続けてるってわけ! 笑ってやるしか仕方のねえアンポンタンのポカンだ。見てやってくれよな!!』
「お願い、やめろ……やめて……」
 牙のある口をガチャガチャ開いた赤い靴は少女リコの罪、傷を言葉で喧伝し、いたぶる。少女が精神的苦痛に身をよじるたびに赤い靴の牙は鋭く尖り、その靴を纏う足のステップは激しくなった。
「絶望? んなの常にに決まってんだろ。なんなら俺が相手してやろうか」
 夜野は忌々しそうに赤い靴を視線で射すくめる。
『お前もつつけるなぁ。食いでのありそうな絶望によだれが出そうだぜ!!』
 少女の回転しながらのハイキックで肉薄した赤い靴が夜野に噛みつく。しかしそこはパーツで置き換えた部位、夜野にとっては何ほどのこともない。彼はかぶりついてきた赤い靴を少女ごと、纏った衣服を変形させて縛り上げる。
「……はぁ、ふざけた事を……」
 赤い靴のおしゃべりに辟易した表情を見せ、夜野がすぅと息を吸うと、靴以上の勢いの言葉を迸らせた。
「おいてめぇ! 今、姉は本当に不幸なのか? 一部しか記憶ねぇのに断言できんのかよ! 今が不幸だと逃げたいとてめぇに訴えた記憶があるなら! 燻ってる場合じゃねぇだろ!」
 びく、と反応した少女が少年の顔を見た。
「前駄目だった? ……はん! 今は前とはちげぇだろ! 助けられなかった……なら次は助けんだろ! しゃきっとしろ!」
 喝を入れながら、夜野はスキットルに入った血液で自らの武器の封印を解き、殺戮捕食形態に変化させる。
(俺みたいに……助けることも、助けた後のことを保証することもできないってわけじゃねえのに、ここで諦められるのはムカつくんだよ!!)
 自らの心の痛みを噛みしめ、夜野が赤い靴を切り裂く。もうずっと踊り続けて、さらにボロボロの靴ではもう限界だろう。もう一息で、少女を助けることができるはず。

大成功 🔵​🔵​🔵​

戎崎・蒼
踊りは得意じゃないんだ。
それに悲愴な悔恨の想いも、全部、全部……僕にとっては、君が"優しい子"だという証明に他ならない。
猟兵達が語ったように、後悔なんて今することではないよ。

【POW】で判定。
噛み付き攻撃は見切って躱す。(見切り)
そうしたらUCを相手に放ち、踊りを止められるよう試みる。
……その隙に説得出来ればいいな。

────君のお姉さんは、そんな風に罪の意識を感じて欲しかったのかな。
罪の意識に駆られ、挙句には身を滅ぼす事なんて……望んでいないと、僕はそう思う。
何より君が亡くなった未来はきっと、君の大切な人の最悪の未来になってしまう。
だからこそ、君は生きるんだ。


フォルク・リア
踊り続けるリコの事を気遣い。
靴の言動や攻撃に警戒しながら話しかける。

「それが君の罪か。
ならば、償う方法も分る筈だ。」

「それは此処で踊り続ける事でも
増して自分を責め続ける事なんかじゃない。
君が何もできなかった自分を悔やむ程優しいなら
お姉さんもそうなんじゃないのか?
君が夢を諦めたら同じ様に苦しむような。
自分の夢を誰かに託す事が出来る様な。」

「そう、全て俺の想像さ。
だけど。今からでも確かめる事は出来るんじゃないか。
その靴を脱いで走ればきっと自分の夢にも追いつける。」

靴には
「悪いが。お前の言葉に興味はない。」
敵の魂の在処を【見切り】
蒼霊焔視を発動。
首切り役人も召喚されたのなら
【範囲攻撃】で焼き払う。



「靴よ。悪いが、お前の言葉に意味はない」
「踊りは得意じゃないんだ。それに悲愴な悔恨の想いも、全部、全部……僕にとっては、君が"優しい子"だという証明に他ならない。猟兵達が語ったように、後悔なんて今することではないよ」
 次にステージに訪れたのは二人の男。フォルク・リア(黄泉への導・f05375)と戎崎・蒼(暗愚の戦場兵器・f04968)だ。二人は踊らずにカツカツと少女リコに歩み寄る。
『また新手が来やがったか。なんどでも教えてやろうなあ。この女がヒーロー願望だけ募らせて、結局は何もできなかった罪の話をよ。それを赦してもらえる方法を俺が教えてやってるのに、おせっかいな猟兵が次々現れてご破算にしちまう。悲しいよなあ』
 赤い靴の語る言葉に頭を抑える少女の足元から闘争の炎が沸き上がる。同時に、新たな首切り役人が現れて、少女と共に猟兵二人の前に立ちはだかった。
「それが君の罪か。ならば、償う方法も分る筈だ。その魂を焼く青藍の炎。怨霊の如く追い縋れ」
 フォルクが視線を向けると魂を焼く蒼炎が突如として巻き起こる。その炎は首切り役人を焼き払い、赤い靴のつま先まで到達する。赤い靴を履いた少女リコは蒼い炎に焙られながらもステージの中を駆け抜け、噛みつく靴でのハイキックを蒼に見舞うが、蒼はそれを見切る。
「人は縛られてこそ人たりえる」
 謳いながら蒼は少女の足首をがっしりと掴む。通常なら不作法な行動に、通常ではありえない力が籠り少女の自由を奪った。
「────君のお姉さんは、そんな風に罪の意識を感じて欲しかったのかな。罪の意識に駆られ、挙句には身を滅ぼす事なんて……望んでいないと、僕はそう思う。何より君が亡くなった未来はきっと、君の大切な人の最悪の未来になってしまう。だからこそ、君は生きるんだ」
 さらに、後ろからフォルクが少女の両肩をがっしりと抑え、少女の踊りは完全に続行不可能となる。
「そうだ。償う方法はこんな靴の言いなりになることや、役人にその身を斬られることなんかじゃない、もっと別のものだ。それは此処で踊り続ける事でも、増して自分を責め続ける事なんかじゃない。君が何もできなかった自分を悔やむ程優しいなら、お姉さんもそうなんじゃないのか? 君が夢を諦めたら同じ様に苦しむような。自分の夢を誰かに託す事が出来る様な」
 蒼とフォルク、二人がかりの説得に少女はくしゃりと表情を歪めた。
「そんなの、そんなの何も知らないところから、好きなように言える綺麗ごとじゃないか! ボクに何ができたっていうんだよ……!」
「そう、全て俺たちの想像さ。だけど。今からでも確かめる事は出来るんじゃないか。その靴を脱いで走ればきっと自分の夢にも追いつける」
 フォルクの言葉に少女リコは涙を流す。その涙の雫が赤い靴に落ちると、ボロボロで禍々しかった赤い靴は涙が落ちたところからみるみると白い色に変わり、口を閉ざす。
 フォルクと蒼がそっと手を放し、一歩引くと、そこには真新しい王子様の靴を履いた一人の少女が佇んでいた。二人の猟兵は少女が泣き止み、顔を上げるまで待ってやる。気のすむまで泣いて、顔を上げた少女の瞳はもう淀んでなどいなかった。
 そして少女は、二人の猟兵にエスコートされてステージの袖へ姿を消した。彼女の退場に合わせて、役目を終えたキノコのステージは幕が閉じるように崩れて消えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ホワイトアルバム』

POW   :    デリシャス・アリス
戦闘中に食べた【少女の肉】の量と質に応じて【自身の侵略蔵書の記述が増え】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    イマジナリィ・アリス
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【虚像のアリス】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ   :    イミテイション・アリス
戦闘力が増加する【「アリス」】、飛翔力が増加する【「アリス」】、驚かせ力が増加する【「アリス」】のいずれかに変身する。

イラスト:ち4

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ライカ・リコリスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ぼろぼろと崩れるステージから生還した少女リコ。いや、我ら観客は彼女をこう呼ぼう。真っ白で汚れない高潔な靴を履いた、『王子リコ』だ。王子の足元に咲いた可憐な鷺草の花たちが、その両の花弁を掌に見立てて喝采の拍手を送る。
「お前だけを糾弾はしない。お前の口車に乗って自分の後悔の海に溺れた、ボクが愚かだったんだ。けれど、お前がボクの大事なひとのいる世界を壊そうとしてボクをああしたなら。ボクはお前を討たなければならない。そこにいるんだろう? 出てきなよ」
 王子リコの呼びかけに、ふわりとしたスカートをパラシュートのように膨らませて『それ』は降下してくる。
 ホワイトアルバム。愛らしい容姿を持った、悍ましい猟書家。
「うふふ、くすくす。あらかっこいい。別にあなたが『自称』してるだけのハリボテの王子様であることはなにも変わらないのに。それで何ができるかもわからないのに。いいわよ、自分が王子様だと思ってる、哀れな物乞いのダンス。物語に飢えたわたしに食べさせて?」
フォルク・リア
リコの姿を見て安心した様に頷いたあと。
「ハリボテとはな。
お前目が見えてないんじゃないか?
それとも希望の輝きに目が眩んでるのか。」

リコが戦闘に馴れていない事も
予想して配慮しつつ戦い。
「さて、行こうか。
あれを倒せば君はまた一つ強くなれる。」

呪装銃「カオスエンペラー」の【範囲攻撃】で弾幕を張り
息を合わせて敵を攻撃。
イミテイション・アリスには
攻撃を【見切り】
【残像】を使った回避。月光のローブでの【オーラ防御】
やリコとの連携でしのぎつつ。
「その姿。違う誰かの力を利用しているのか。
本当の姿を晒してもらおう。」
暴虐の黒竜王を発動。
変身を解除させてからその隙を狙って
一斉攻撃を仕掛ける。



赤い靴に踊らされ、絶望に惑わされていた少女が真っ白な王子に羽化した姿を目にして、フォルクは安心したように頷く。そして、ホワイトアルバムに向き直った。
「ハリボテとはな。お前目が見えてないんじゃないか?それとも希望の輝きに目が眩んでるのか」
 まばゆいばかりの産まれたての王子様。その姿はフォルクの言う通り希望に満ちて光り輝いている。フードの魔術師は王子リコを先導するように先に立った。
「さて、行こうか。あれを倒せば君はまた一つ強くなれる」
 魔術師と王子は、愛くるしい邪悪な魔女に向かって駆けだす。ホワイトアルバムは手にした書物をぺらりとめくった。
「さっきとても強い子を食べたから、使ってみたいの。見せてあげる」
 ホワイトアルバムの太く長いおさげ髪がぶわりと浮き上がり、握った拳がみしりと鳴る。
「その姿。違う誰かの力を利用しているのか。本当の姿を晒してもらおう」
 フォルクが呪装銃カオスエンペラーを放つと、幾多の死霊があらわれ広範囲からホワイトアルバムを嘗め尽くそうとする。ホワイトアルバムはそれらの死霊を一体ずつ喰らい、躱し、相手することを強いられた。
「魔術師さん、ありがとう。ボクは赦される方法でなく、赦されなくてもできる方法を探すんだ!!」
 王子リコの号令で、白い騎士が現れた。それは先ほど戦っていた首切り役人が純白に漂白された姿をしている。斧ではなく、小剣を携えて、ホワイトアルバムとせり合った。
 フォルクもまた、王子リコと連携してホワイトアルバムと戦う。剛腕の攻撃を素早さからなる残像で見切った。
「纏う風は黒。羽撃く翼は烈風。その身に宿すは狂乱。上げる咆哮は冥府の陣鐘。抗う全てを喰らい、その宿せし力の無慈悲なる真価を示せ」
 フォルクの放った暴虐の黒竜王が、風船のように膨らんでいたホワイトアルバムの剛腕を破裂させ、その中に隠れていた少女の細腕を喰った。
「やだ、あの子ったら食べられちゃった。いやあね。乙女の腕の断面を見るなんておいたが過ぎるの」
 ホワイトアルバムは、骨も筋もないつるりとした断面の腕を袖に隠して悍ましく笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神代・みぃ
※アドリブ・連携歓迎

はりぼてだって、大いにけっこう
嘘だって、つき続ければ本当にできるんだよ
それを為す意思があれば
それをみぃは知ってるの

だいじょうぶだよ、リコさん
この白い子を倒そう
そして、みんなで幸せになるの!

竜神飛翔で竜の姿に変化して
リコさんをかばいながら敵に雷を振らせるわ
びりびりにして、しびれさせちゃうの
さあ、あのわるい子に【神罰】を!
その隙に、リコさんが攻撃できればいいなって。

もしリコさんや仲間の猟兵さんが怪我をしたり
気持ちが負けそうになったら
癒しの歌声【歌唱】で皆を元気づけるね!



「はりぼてだって、大いにけっこう、嘘だって、つき続ければ本当にできるんだよ。それを為す意思があれば。それをみぃは知ってるの」
 ふわふわと浮き上がって現れたのは神代・みぃ(水底の朱・f30892)。彼女は空中を泳ぐ金魚のようにそのまま王子リコの頭上へと浮き上がった。
「だいじょうぶだよ、リコさん。このわるい子を倒そう。そして、みんなで幸せになるの!」
 希望の言葉を紡ぎながら、金魚は大きな竜の姿に変わる。周りに黒い雲が寄り添うように纏わりつき、弱い電流を連続して放ち始めた。
「さあ、あのわるい子に神罰を! この隙に攻撃して!!」
「やだ、しびれるじゃない。動きづらくてやだから、もう一人食べた子に手伝ってもらおうかな……」
 ホワイトアルバムのページに刻印されていた文字がぞわりと増え、彼女の両の脚にびきびきと筋が走る。地面に深い足跡を刻み、恐ろしい力強さで王子リコに迫った!
「ボクの願いを教えてあげるね。それはボクと周りの人たちの幸せさ!」
 王子リコの白い靴のかかとから、綺麗に装飾された刃が生え、ホワイトアルバムと共に脚撃のステップを踏んだ。
「くっ、これは食べられてしまった子の力か、強い!」
「うふふ、どうしたの王子様、お眉が曇ってる」
 強い力によるローキックに、王子リコは苦戦しながらも回し蹴りとかかと落としで戦い続けた。
「リコさん負けないで! みぃのお歌で癒してあげるの!!」
 竜となったみぃが頭上の空気を震わせ、王子リコを援護する。聞いているだけで勇気が湧いてくるような歌声だった。
「ありがとう猟兵さん! まだまだボクは負けないぞ!!」
 ホワイトアルバムと王子の脚撃の交差に、火花が散った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

尾守・夜野
アドリブ歓迎
「はりぼて?
それがどうかしたか?
てめぇの言はやらねぇで吠える負け犬の遠吠えにしか聞こえんな

物乞い?
てめぇこそ物語を乞う物乞いだな
こいつは物語を紡ぐものだ
消費するてめぇらとはちげぇんだよ!
今までいくつの未来(物語)をくった?」

リコに被害がいかねぇように挑発&UC発動
強化なんざ許すわけねぇじゃん?
「てめぇに食われた奴等もてめぇに恨みがたっぷりあるらしいなぁ?
ははっ実に無様としか言いようがねぇじゃねぇか」

強化を重ねる度に放ち相殺、弱体化を
重ねる度に煽り煽りひたすらに煽りリコから注意を反らして

タイミングをみて目線で合図を送ろう


アラン・スミシー(サポート)
基本突然現れて仕事を終えたら去っていく人物です。

基本的に【乱戦】か【銃撃戦】での援護がメインとなります。
他の猟兵の手の足りない所に現れては銃で攻撃し、気を引いたり足止めをしたり敵の頭数を減らしたりします。
また既存のPCでトドメを刺しにくい時は【最終局面】を使って下さい。逆転の隙を作ったり、心情的に殺せないタイプのPCがいた際にどうぞ。

説得や交渉等が必要ならなんか良い感じの言葉を言います。
例:君の正義は分かった。しかしその正義は君を救ったかい?

ユーベルコードのセリフを参照し、MSの言って欲しい都合の良い言葉をアレンジしてやってください。
大体無意味に格好いいこと言ってます、割と適当に。


アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPDの方がクリアしやすいと判断したら、そちらを使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使う形です。
主に銃撃UCやヴァリアブル~を使う雰囲気です。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
他人の事は気にしない素振りを見せますが、基本、不器用なので、どう接したらいいのかわからない感じです。
ですが、合せるところは合せたり、守ってあげたりしています。
特に女性は家族の事もあり、守ってあげたい意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。



「やあご同輩、調子はどうだい?」
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
 苦戦の王子に新たな騎士たちが現れた。アラン・スミシー(パッセンジャー・f23395)とアス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)だ。かたや飄々と、かたやクールに。タイプの違う二人はとても頼もしく見える。
「ファンが多いのね王子様。妬けちゃう」
 ホワイトアルバムは突然ぐにゃりと力を抜いて、王子リコの脚撃のダメージを殺し、産み出した虚像のアリスがその攻撃を四方八方にまき散らす。
「おおっと危ない。うかうかしてるとやられるね。そんじゃ反撃といきますか。知ってるかい? ナイフを火で温めるとパンが綺麗に切れるんだ」
 アランは虚像のアリスの攻撃をかいくぐり、ナイフを投擲して捌いていく。
「いいこと教わっちゃった。次の子はおいしいパンでいただきたいもの。そちらはどう? クールにふるまってるけど、女の子が震える膝で立ち向かってるのによだれが出そうなほど感動してるのがわかる。そういうのがお好き? ならそんな物語、たくさん知ってるから見せてあげる」
 ホワイトアルバムが自らを物語で強化しながらアスを挑発する。アスの心を勝手に想像してわざと下品な解釈をしているのだ。アスはその思惑に気付いて、一瞬、誰にもわからないように眉を寄せたがすぐにすっと流した。
「くだらない。空想は隙を産むぞ……そこだ。魔に惑わされたその心! 破邪の刃で断ってみせる! 退魔念導破邪斬!!」
 握りしめたフォースセイバーに念動力を込め、アスがホワイトアルバムを切り伏せる。ホワイトアルバムの片足が落とされ、本からぞろりと移動した活字が仮の脚として彼女を立たせていた。
「いったぁい……か弱い女の子に何するの」
「化け物め……」
 猟兵たちの助けで一時後ろに下がっていた王子リコが肩で息をしながら異形の少女を見据える。その後ろから、よろけかけた王子リコの肩を片手で支えるものが一人。それは赤い靴に踊らされたリコを励ましながら戦った夜野だった。
「はりぼて? それがどうかしたか? てめぇの言葉はやらねぇで吠える負け犬の遠吠えにしか聞こえんな。物乞い? てめぇこそ物語を乞う物乞いだな。こいつは物語を紡ぐものだ。消費するてめぇらとはちげぇんだよ! 今までいくつの未来(物語)を喰った?」
「あらあら勇壮。あなたからもおいしそうな不幸の物語のいい香り。おなかがすいちゃう。食べさせてよ」
 ホワイトアルバムの口から垂涎の二文字がぼたりぼたりと垂れていく。残った腕と足がびきびきと強化されていくが。
「ひでぇ有様だな。てめぇに食われた奴等もてめぇに恨みがたっぷりあるらしいなぁ? ははっ実に無様としか言いようがねぇじゃねぇか。恨みの連鎖など断ち切らせるものかよ。尽きるまで付き合ってもらうぞ!」
 夜野の憎しみの感情と、今までホワイトアルバムに喰われた者たちの憎しみが繋がって鎖となり、二人を繋ぐ。繋がれたホワイトアルバムの強化部分を夜野は強化解除、弱体の呪詛で爆破していった。そして夜野は王子リコに目で合図を送る。
(今だぜ、王子様)
「罰として、キミにも死ぬまで踊ってもらおうか!!」
 王子の靴からぎゅるぎゅると白いリボンが伸び、王子リコの脚を彩っていく。それは少女の憧れのトウシューズだった。王子リコは美しく勇壮なステップで爆発に千切れかけたホワイトアルバムの手足、部品を蹴り飛ばしていく。それはまるで悪い魔女を討伐する王子の物語を落とし込んだバレエの演目のようで――。
「見ろよ。王子様、踊りきったねぇ」
「これが最後の幕引きというやつだ」
「王子にとっては幕開けだろ」
 三人の猟兵は、各自ばらばらに拍手をした。

ーーーーーーー
「姉さん!」
「リコ!」
 丘の上。敬愛する姉の元へ少女は駆けていく。姿は少女だが、心は戦いを経て一つ成長した王子様。
「リコ、あなたどこへ行っていたの? みんなとても心配していたのよ」
「姉さん、会いたかった! ひどい目に合ってない?」
 涙にぬれる少女の頬を、姉は優しく拭う。
「リコ、聞いて。旦那様は思ったほど恐ろしい人ではなかったの。私、商売の才能があるんですって。それで私をお嫁に欲しがったそうなの。だから、私は私の戦い方でリコたちやみんなを守っていくわ」
「姉さん、幸せなの?」
「幸せになれるかはこれからかなあ」
 姉の瞳は未来を見据えていて。
「そうか。守るべきお姫様なんていなかったんだ……」
「何言ってるの? 悪い夢でも見ちゃった? 一緒に帰りましょ。久しぶりに実家に帰りたいって言ったら、ゆっくりしておいでって言われたの」
 夕暮れ、二人は仲良く手を取って家路についた。王子になりたかったアリスの物語はこれでひとまずおしまい。この物語をハッピーエンドにした猟兵たちがいたことを観客は知っている。だから、最後は猟兵たちに贈る万雷の拍手が誰もいないステージに響き渡った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年11月25日


挿絵イラスト