3
【猟書家戦】死するは真の救済か

#サムライエンパイア #猟書家の侵攻 #猟書家 #ブラザー・アポストロス #破戒僧 #コルテス #魔軍転生

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サムライエンパイア
🔒
#猟書家の侵攻
🔒
#猟書家
🔒
#ブラザー・アポストロス
🔒
#破戒僧
🔒
#コルテス
🔒
#魔軍転生


0




● 『死』と云う名の救済
 今年は不作だ。
 冬には雪が少なく日照りが続き、梅雨の時期には長雨で幾つもの川が氾濫し、夏は焼けるほどに暑かった。
 それ故に物価が高騰して、商売さえも成り立たない。
 ……あの司教が来たのは、そんな年の秋だった。
 税も払えず、食うに困っている人々に親身になって、切支丹でない者達をも救おうとするその様に村の人々は感銘を受け、そしてその救済に耳を傾ける。
「死こそが我々にとって唯一の救済なのです。
 飯と水を断ち、麗しき死の刻を待ちなさい。
 さすれば私があなた方を救済へと導きましょう」
 その言葉は甘美なる響きを持って、町の人達に浸透していく。
 それが緩やかにその身を蝕む毒だと、町外れの寺に身を寄せる破戒僧が気付いた時にはもう既に手遅れで。
 幾人かがその司教の犠牲となった後だった。

●『死』は本当に救済となり得るのか
「猟書家と言うのは本当に碌でもないことを考えますよね」
 そうは思いませんか、皆さん?と、ため息混じりに神奈木・璃玖(九尾の商人・f27840)は集まった猟兵達を振り返る。
「死が救済などというのはただの妄言、なんてことは私は言いませんよ。
 世の中には様々な考えの方がいますからね」
 彼の猟書家の発言を擁護するとも思われる璃玖のその言葉は、彼が『商人』として様々な人達と接してきたからこそ言えることだ。
 自身とは考えが正反対だとしても、それが客と認める相手ならば璃玖にとっては関係がない事なのだから。
「しかし、苦しみから逃れるために死を求めることは違うと思うのです。
 死を救済と考えるならば、精一杯生き抜きその上で天寿を全うすることで、その人の魂は救済されるのだと私は思います」
 どう考えるかは人それぞれだとの思いも確かにあるが、彼の司教『ブラザー・アポストロス』の考えは少なくとも璃玖とは決して相容れないものだった。
「それ故に、この暴挙は止めなければなりません。
 幸いと言うべきか、近くの寺に身を寄せる破戒僧の方が猟書家の動きに気付いて動いていましてね。
 彼と共にこの事態を治めていただきたいのです」
 彼の司教『ブラザー・アポストロス』はオウガ・フォーミュラー『クルセイダー』の秘術を使い、自らが死に導いた人々の霊に魔軍将「コルテス」を憑装して戦わせているとのことだ。
 だが悲しいかな、彼らはその魔軍将「コルテス」の戦下手という性質までも引き継いでいるため、連携や地の利をほとんど考えずに戦っているらしい。
「しかし、それでも数が多いため破戒僧の方は苦戦しているようでして。
 私から言わせれば、猟兵でもない方がここまで戦えるということに感心せざるを得ないのですけれどもね」
 それは地の利を考え、敵の相打ちを狙って動いているからに他ならないことは璃玖も分かっている。
 しかし、だからこそ咄嗟に考えつくことが出来るというのは才能とも言えるものだろう。
「彼らを倒しているうちに彼の司教も姿を現すでしょう。
 猟書家としての力が制限されるようですので憑装はしていませんが、それでもその力を軽く見てはいけません」
 決して油断することなないように、よろしくお願いします。
 そう最後に言い置いた璃玖の手のグリモアが輝き、猟兵たちを送り出した。


綺朔
 ようやく猟書家シナリオを出せました!
 どうも、綺朔(キサク)です。

 今回は猟書家幹部の「ブラザー・アポストロス」戦をお送りしたいと思います。
 本作は通常のシナリオとは異なり2章構成となります。
 なお、全編通して破戒僧が共に戦ってくれます。
 破戒僧は猟兵程の力はないにせよ、土地勘と敵の相討ちを狙う戦法が功を奏してようやくまともに戦えているという状況にあります。
 破戒僧は猟兵達に対して非常に協力的ですので、彼と協力して事態の収拾に当たってください。

●第1章 集団戦『義勇兵の亡霊』
 『ブラザー・アポストロス』により犠牲となった方々が魔将軍「コルテス」に憑装された結果亡霊と化しました。
 破戒僧も、ああなってしまっては戻すことは不可能と分かっているため、心苦しく思いながらもせめて苦しまずに逝かせてあげようと戦っています。
 なお、亡霊たちは魔将軍「コルテス」の戦下手という性質も受け継いでいるため、破戒僧と協力すれば簡単に撃破出来ることでしょう。

●第2章 ボス戦『ブラザー・アポストロス』
 璃玖の言うように、猟書家としての力が制限されるようですので彼自身は憑装していません。
 しかし、それでもその力は侮れないものがあるため油断は大敵です。

 プレイングボーナス(全編通し):破戒僧と協力して戦う。

●リプレイ執筆について
 各章共に状況説明を兼ねた断章追記後のリプレイ執筆となります。
 プレイングは随時受付ますが、断章追加のタイミング等によっては返却する可能性もありますためご了承ください。
(その場合はお手数ですが再送いただけますと幸いです。)

 その他については綺朔のマスターページをご参照ください。

 それでは、皆さんの素敵なプレイングお待ちしております。
10




第1章 集団戦 『義勇兵の亡霊』

POW   :    我が信念、この体に有り。
自身の【味方】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    我が信念、この刃に有り。
自身に【敵に斃された仲間の怨念】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    我が信念、この矢に有り。
【弓】を向けた対象に、【上空から降り注ぐ無数の矢】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●救いの犠牲
 彼の司教……アポストロスといったか。
 彼奴の言葉に誑かされた町の人々は、尽く亡霊と化していってしまった。
「拙僧がもっと早くに気付いていれば、彼奴の横暴を止められたやもしれません」
 ……だがたとえ彼が早くに気付いたとて、結果は変わらない。
 『ブラザー・アポストロス』のもつ遅効性の洗脳ユーベルコードは、破戒僧の言葉さえも届かない程に町に浸透してしまっていたのだから。
 そう、全ての元凶は彼の司教『ブラザー・アポストロス』ただひとり。
「拙僧とてその事は解しているのです」
 しかし、そんな彼の司教を護るかのように配された亡霊達に阻まれているため、司教には近付く事さえ侭ならない。
 連携を取ろうとしているようにも見えるが、全て裏目に出て無意味にも程があるとさえ感じるその戦い方は、かつてこの世界であったとされる戦争で猟兵達が戦った魔将軍「コルテス」を彷彿とさせるもので。
 その「全く連携の取れていない連携」に、グリモア猟兵が「連携を考えていない」と捉えたのも頷けるというものだ。
 個々の能力は高くとも、それを活かすための使い方ができていなければ意味が無い。
「拙僧が不戦の戒律を破るは、戦でしか守れぬものもあると気付いたがゆえにございます。
 どうか町の者共を救うためにも、そのお力を貸してはくれませぬか」
 信仰の力は失われども、信じるもののために戦う……それが彼ら『破戒僧』のあるべき姿だ。
 猟兵達に対して頭を下げる彼もまたそのひとりであり、町の人々を救いたいという思いは誰よりも強いのだった。
虹川・朝霞
初陣だけれど、頑張らねばなぁ(独り言)

うんうん、力を貸すのはもちろんのことです。
一つお聞きしたいのが、ここ、どこかに三人ほどの横幅がある袋小路あります?

作戦。その袋小路に、俺が逃げよう☆
ん?たぶん大丈夫。相手、強くて戦下手なんだべ?疑い無く追いかけてくるべ?(何故か訛る)
(鉄下駄が凄い音しそう)
袋小路に着いたら、追い詰められたフリをして、【幻霞】発動。
俺の安全確保しつつ、相手には幻覚『増えた俺と破戒僧』をひっかぶせて、同士討ち狙い。
まー、まだ力量まだまだな俺だから、こうするのが楽なんです。


御剣・神夜
見事な覚悟。感服しました
微力ながら、力になりましょう
怨霊に取りつかれた人達を、これ以上利用はさせません

我が信念、この体に有り。で、不利な行動を取ろうとしたら、衝撃波、なぎ払い、範囲攻撃で複数の相手を纏めて薙ぎ散らして、能力アップなど関係なく、あるいは不利な行動をとっても関係なく、吹き飛ばし、薙ぎ散らす
近づかれたら重量攻撃と捨て身の一撃で、防御されようが能力が上がろうが気にせず斬り捨てる
「神にすがるしかなかった彼らの心が悪いとは思いません。許すまじはその隙につけこむ外道。安らかに眠ってください。貴方達を利用したツケは支払わせます」



 町の人々を守りたい、と云う破戒僧のその思いは猟兵達も同じことで。
「見事な覚悟。感服しました
 微力ながら、力になりましょう」
「うんうん、力を貸すのはもちろんのことです」
 破戒僧のその覚悟に感服を寄せている御剣・神夜(桜花繚乱・f02570)の横で、今回が初陣の虹川・朝霞(梅のくゆり・f30992)がしきりに頷きながら応える。
「ところで、一つお聞きしたいのだが」
「拙僧に答えられることならば、何なりと訊いてくだされ」
「ここ、どこかに三人ほどの横幅がある袋小路あります?」
 何か企みがあるような笑みを浮かべて、朝霞が破戒僧に訊ねる。
「袋小路ならば至るところにございますが……何をなさるおつもりで?」
「その袋小路に、俺が逃げるんです」
 ふふん、と自信ありげに答える朝霞を、破戒僧が心配そうに見る。
「ああ、たぶん大丈夫でしょ?
 相手、強くて戦下手なんだべ?疑い無く追いかけてくるべ?」
「そこを仕留めると、そういうことですか」
 まあ、そういうことです。と、神夜のその言葉ににやりと笑いながら何故か訛った朝霞は答える。
「ならば、私も助力いたしましょう。
 おひとりで行かれるより良いはずです」
「それじゃあ、よろしくお願いします
 ……あ、破戒僧さんは他の場所をお願いしますわ」
「相解り申しました
 少々心配ではありますが、お二人で往かれるというならば大丈夫なのでしょう」
 亡霊たちが居るのはここだけではない。
 それに袋小路に追い込むのは思う以上に危険なことだ。
 猟兵ではない破戒僧は足手まといになりかねない。
 破戒僧もそのことを察したのか、ここは二人に任せることとしたようだ。
「ではいざ、参りましょう」
 今いる場所から一番近い袋小路の場所を教えてもらい、朝霞と神夜は作戦を決行するために動く。

 しばらくして、件の袋小路。
 カランコロンと鉄下駄の音が響くその小路には亡霊に追いかけられている朝霞がいた。
「よしよし、ちゃあんと付いてきてるってね」
 亡霊達は逃げる朝霞を捕まえようと、味方のためを思い敢えて不利とも思える行動を起こしているが、同時に同じ行動を起こしていたり、全く的外れのところに追い込もうとしたり、逆にその行動により味方に攻撃をしてしまったりと、意味をなしていないどころか逆効果にも思えることを仕出かしている始末。
 魔将軍「コルテス」が憑装されていなければ有効なその行動も、戦下手という特性のせいで活かせない状況となっていた。
 現状でもおそらくは問題なく同士討ちで自滅してくれるだろうなぁと、追いかけられながら考えていた朝霞だったが、いつの間にか前の道が壁に変わっていたことに気づく。
 壁に囲まれ、背後には亡霊達、追い込まれたのは朝霞の方で今が好機と考えた亡霊達が一斉に朝霞へと襲いかかる。
「ヤベ……って、なーんちゃって」
 途端、目の前の朝霞の姿が掻き消え、辺りに薄紅梅色の霞が漂い始める。
 ユーベルコード【幻霞(ゲンカ)】により、自らの肉体を霞へと変質させたのだ。
 同時にその霞は幻覚作用を伴い、亡霊達は互いのことを朝霞や破戒僧と錯覚する。
 突然増えた朝霞と破戒僧に戸惑いながらも、これが幻覚であると気付かないままに亡霊たちは互いを攻撃し始める。
 自身の力量不足を理由として選んだ作戦がここまで有効だとは、さすがの朝霞も思いもせず内心で驚いていたが、同時に楽ができると喜びを感じていた。
「作戦大成功、ですね。
 後続たちはお任せを」
 仲間の異変を感じ取ってか、続々と亡霊達が袋小路へと侵入してくるが、袋小路の入口付近に身を潜めていた神夜のユーベルコード【剣刃一閃】により亡霊達がまとめて切り捨てられる。
 亡霊達が袋小路に誘い込まれたと気付いたときには時既に遅く、その殆どが同士討ちと神夜の刀により倒れた後であった。
「神にすがるしかなかった彼らの心が悪いとは思いません。
 許すまじはその隙につけこむ外道。
 安らかに眠ってください。貴方達を利用したツケは支払わせます」
 袋小路へと誘い込んだ最後の亡霊を神夜が一刀両断する。
 霞から人の姿へと戻った朝霞もまた、神夜と同じ思いであることは言うまでもないことであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヨナルデ・パズトーリ
ふん、全く相変わらず呆れる戦術のなさじゃな
貴様は再び妾が骸の海に還してやる故…疾く滅びるが良い下郎が!!

建物等を壊さぬ様に破戒僧に町の中の開けた場を確認

UCは即発動
魔法は原則『高速詠唱』且つ『範囲攻撃』
『先制攻撃』で『呪詛』入りの闇の『属性攻撃』『全力魔法』の『乱れ撃ち』で『目潰し』
自身の『存在感』を薄れさせ『目立たな』くし逆に『存在感』と『殺意』を持たせた『残像』により攪乱
高速飛行の『空中戦』で敵に肉薄し『怪力』による『破魔』の力を込めた斧の『薙ぎ払い』と『零距離射撃』の『神罰』の雷『属性攻撃』『全力魔法』の『二回攻撃』
矢が来たら『天候操作』も補助にし風『属性攻撃』『全力魔法』で矢を散らす


鞍馬・景正
断穀による死、ですか。
確かに仏法にも即身仏や補陀落渡海などの捨身行があるのは存じておりますが――自らは為さず他者を唆すは欺瞞の類。

鬼となって斬らねばなりますまい。

◆戦闘
寡兵で多勢に挑むのは様々な戦術がありますが――此度は少し違う作戦が挑めそうですね。

破戒僧殿に広場や空き地など開けた空間に案内して頂き、そこを戦場としましょう。

亡霊達を引き付け、わざと包囲させつつ、我先に切り込んでくる相手は【乗打推参】にて撃破。

そして敵に一斉に仕掛けて来るよう仕向けさせ、その場に伏せて正面の味方同士で相討ちとなって頂きましょう。

後は刀を抜いて敵陣の隙間を縫うように移動しつつ、【早業】で残りの敵を仕留めて参ります。


火土金水・明
「相手はコルテスが憑依した存在ですか。戦下手であれば、こちらにも勝機はありますね。」破戒僧さん達とタイミングに合わせて攻撃を開始します。
【WIZ】で攻撃です。
攻撃方法は、【先制攻撃】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【新・ウィザード・ミサイル】を【範囲攻撃】にして、『義勇兵の亡霊』達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



 袋小路へと誘い込む作戦を取る猟兵が居る一方で、広く開けた場所で戦いを挑む猟兵ももちろんいる。
「断穀による死、ですか。
 確かに仏法にも即身仏や補陀落渡海などの捨身行があるのは存じておりますが――自らは為さず他者を唆すは欺瞞の類。
 ……鬼となって斬らねばなりますまい」
 そんな猟兵のひとりである鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)は、この状況の裏にいる司教に対する怒りを顕にしていた。
「相手はコルテスが憑依した存在ですか。戦下手であれば、こちらにも勝機はありますね。」「貴様は再び妾が骸の海に還してやる故…疾く滅びるが良い下郎が!!」
 対象的に亡霊達に対し敵意を顕にしているのは火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)とヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)だ。
 特にヨナルデに至っては魔将軍「コルテス」に対し浅からぬ因縁があるようで、早速ユーベルコード【第一之太陽再臨(ナウイオセロトル)】により、その身を黒曜石の鎧に身を包んだ姿へと変化させる。
「我ジャガーにして煙吐く鏡、テスカトリポカにしてケツァルペトラトルたる者!
 民と共に在った嘗ての妾の猛き力、目に焼き付けるが良い!」
 異国の戦神であるヨナルデのその姿に、その場にいた破戒僧は戦慄を感じる。
 それは彼女を敵に回してはいけないという直感めいたもので、敵ながらこの場の亡霊達に同情を禁じえないものだった。
「破戒僧さん、呆けるのは後にして……来ますよ!」
 明の鋭いその言葉にハッと我に返った破戒僧を狙って、亡霊が弓を向けていた。
「全ての属性を収束して、今、放つ!」
 その亡霊の周囲に向かって、明がユーベルコード【新・ウィザード・ミサイル】を放つ。
 470本もの色とりどりの属性を持った魔法の矢が、亡霊の放つ無数の矢を撃ち落とし、さらにその先にいる亡霊達に降り注いでいった。
「なかなかやりますね。
 ……こちらも負けてはいられません」
 その様子を見ていた景正だが、亡霊たちに囲まれていて、窮地に陥っているようにも思える状況にあった。
 しかし、この現状こそが景正の策であり、これを好機と見た亡霊が我先にと切り込んでくるとユーベルコード【乗打推参(コグソク・コシノマワリ)】により撃破していく。
 無力化され倒されていく味方を見て、ここで向かって行ってはダメだと判断したらしい亡霊達が一斉に景正へと襲い掛かる。
 その一瞬、景正がその場に伏せた。
 狙っていた獲物が唐突に消えたと錯覚した亡霊達が、勢いそのまま味方同士に斬り掛かり相打ちとなる。
 少し頭を捻れば先までの景正の動きが陽動であると判ずることが出来たが、亡霊達は景正が避けることなど僅かばかりも考えていないかのように攻め入ってきたのだ。
「ふん、全く相変わらず呆れる戦術のなさじゃな。」
 その状況を空から見ていたヨナルデが、残る亡霊に対して呪詛の入った闇の魔法を乱れ撃つ。
 それと同時に自身は高速飛行で敵に肉迫し、「黒曜石の戦斧」により亡霊を一刀両断した後、神罰の雷を流し込み完全に消滅させていく。
 三者三様の手段で寸刻の間に数多くいた敵の数を減らしていく様を間近で見ていた破戒僧は、本当に心強い味方が現れてくれたものだと改めて感謝の気持ちを感じていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ブラザー・アポストロス』

POW   :    悔悟せよ、汝罪深き者
対象への質問と共に、【自身の侵略蔵書】から【野心の獣】を召喚する。満足な答えを得るまで、野心の獣は対象を【引き裂く爪と牙】で攻撃する。
SPD   :    報いを受けよ、愚かなる者
【侵略蔵書の表紙】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、侵略蔵書の表紙から何度でも発動できる。
WIZ   :    来たれ我らが同胞よ
【火縄銃】で武装した【聖戦士】の幽霊をレベル×5体乗せた【ガレオン船】を召喚する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠枢囹院・帷です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●死による救済を説く司教
 破戒僧と共に戦う猟兵達の前に現れたのは、未だ残る亡霊たちにその身を守らせた件の司教『ブラザー・アポストロス』本人だった。
「何故、貴方方は私の邪魔をするのですか?
 私はただ彼らに『生』と云うものの愚かさを教え、『死』に導いているだけに過ぎないというのに。
 そしてその死の先にあるものを手にすることで、彼らは救われるのです」
 この司教によってもたらさる死の先にあるもの、「オブリビオン」となり蘇ることこそが神に依って選ばれた証であるのだ、と。
 そう『ブラザー・アポストロス』が破戒僧や猟兵達に説教をするように講じる。
「……司教殿、拙僧はこの町の皆が如何程に苦しんでいたかを存じております」
 その講説を静かに聞いていた破戒僧が、重い口を開く。
「司教殿が拙僧には成し得なかったことをやって退けたことも認めましょう」
 本来、食うに困る町の人々を導くのは、信仰からは外れた身となれども破戒僧自身の役割だった。
 破戒僧が『不戦の戒律』を破ってまで守りたいものはこの町の人々であったはず。
「しかし、だからこそ貴殿のその行いを看過することは罷りならぬのです」
 役割を全うできなかった自身の不甲斐なさと、異国の司教に先を越された口惜しさ。
 そして何より、守るべき町の人々を死に誘う『敵』に対する怒りが、今の破戒僧に力を与えていた。
「生きとし生けるものを愚弄するその行い、決して許すべからず……
 覚悟なされよ、異国の司教!」
「ふふ、いいでしょう。
 貴方にも真の救済が『死』以外はないとその身を持って教えて差し上げましょう!」
『ブラザー・アポストロス』が自身の手の『侵略蔵書』を開く。
 町の人々を守らんとする破戒僧と死による救済を説く異国の司教の戦いの火蓋が今、切って落とされようとしていた。
御剣・神夜
死は救い
見方によってはそうでしょう。ですがそれは天寿を全うしての話。貴方はその言葉で多くの人の命を奪った
れっきとした殺人です。私は貴方のように手を汚さずことをなそうとする人が大嫌いです。楽に死ねると思わないでください

悔悟せよ、汝罪深き者で野心の獣が召喚されたら第六感、見切りで爪を回避しつつ、衝撃波、なぎ払い、範囲攻撃で獣事アトロポスを捨て身の一撃、重量攻撃で斬り捨てる
「貴方の問いも、言葉もとても軽い。そんな言葉は心まで響きません。さっさと消えてください」


鞍馬・景正
死は救い、か。
確かに全てに終焉がある以上、それが救いになるという教えは心地よいものでしょう。

――死者を尖兵として取り込む為の詭弁、という点を除けばな。
生の尊厳を冒涜するのならば、貴様こそ生かしておけぬ。


愛馬を呼び寄せ騎乗。
何か質問されれば、僧殿に考えて頂けるよう頼みましょう。

私は――臨済師が悟りを得た時の逸話はご存知か? あれで参ります。

そして返答は保留のまま、【騎龍之勢】にて獣とアポストロスごと轢き潰すように【騎乗突撃】を仕掛けつつ逃げ回ります。

程良い所で僧殿から答えを聞き出し、回答としましょう。

それで納得しようがすまいが、刀を抜いて【怪力】と疾走の勢いを乗せた斬撃を浴びせましょう。



 死を救いとするアポストロスの考えは、猟兵達にも理解できる。
 ……人であってもそうでなくても、生きている者たちはいずれ死ぬ。
 それは変えようのない必然であり、それが救いとなるという教えは非常に心地の良いものだろう。
「しかし、それが死者を尖兵として取り込むための詭弁でなければ、の話でしょう」
「そしてあなたは『死は救い』との言葉で多くの人の命を奪った。
 『死は救い』という言葉は、天寿を全うしてこその言葉だというのに……。
 あなたのその行いは、れっきとした殺人です!」
 アポストロスの行いに沸々と怒りを滾らせる鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)と御剣・神夜(桜花繚乱・f02570)の言葉を受けてもなお、彼の司教の態度は変わらない。
「彼らをオブリビオンとして蘇らせて差し上げることが詭弁?れっきとした殺人?
 いいえ、本当にあなた方猟兵は解っていらっしゃらない」
 アポストロスが手に持つ侵略蔵書を開く。
「あなた方は私の考えを理解している。
 ……にも拘わらず、何故私の邪魔をするのです?」
 開いた侵略蔵書から飛び出した獣が猟兵達へと襲い掛かってきた。
「私の教えは間違っていますか?
 飢えに苦しみ、明日に悩む事こそが、人として正しい在り方であると?」
 景正と神夜、そして破戒僧へと放たれる獣達は、アポストロスが満足いく答えを得るまで彼らを執拗に追う。
「異国の司教よ、貴殿のその死を重んじる考えは正しくはあるのでしょう。
 しかし、そちらのお方の言葉の通り、生を全うして初めて死を重んじることが出来るのです」
 アポストロスの問いに答えたのは、破戒僧だった。
 神夜の言葉を借りながらではあるものの、アポストロスの行いを破戒僧ははっきりと否定する。
「破戒僧殿、彼奴との問答はお任せしてもよろしいでしょうか」
 その様子に、景正が呼び出した愛馬「夙夜」に跨りながら破戒僧に提案する。
「それは、もちろんですが……
 何をなさるおつもりで?」
「……破壊層殿は、臨済師が悟りを得た時の逸話はご存知か?」
 景正が何を成そうとしているか、その言葉だけで破戒僧は察する。
「あれで参ります。」
 破戒僧が何かを言う前に景正が、愛馬「夙夜」を走らせ、ユーベルコード【騎龍之勢(キリュウノイキオイ)】で獣達を轢き潰しながら逃げ回る。
 それは神夜も同じことで、獣達の攻撃を巧みに躱しつつ逃げ回っていた。
「やれやれ、理解に苦しみます。
 生きる事自体が『悪』であると、何故気付かないのでしょう。
 『生きる』ことは苦しむ事なり、それなのに人間は『生』という物にしがみつく。
 それは何故ですか?そうまでして、苦しみしかないこの世界に何を望むのです?」
 本気で理解できない、というように質問を重ねるアポストロスの手の侵略蔵書から、更に獣が生まれ破戒僧へと襲いかかる。
「……世界に苦しみしかないのは、貴殿のような者が居るからでしょう。
 貴殿のような、苦しみから逃れる術として軽率に『死』を与えようとする者がいるからこそ!」
「よくぞ言ってくれました、破戒僧さん!」
「……何!?」
 獣を退治しながらアポストロスと問答をしていた破戒僧の後ろから飛び出してきたのは、神夜だった。
 さらに刀を抜いた景正が、愛馬「夙夜」を駆り突進してくる。
「貴方の問いも、言葉もとても軽い。そんな言葉は心まで響きません。
 さっさと消えてください!」
 神夜の渾身の一撃と、景正の鋭い斬撃がアポストロスを守るように取り囲む獣ごと吹き飛ばす。
「ブラザー・アポストロス、貴様の行いは生の尊厳を冒涜するものなればこそ、生かしてはおけぬ」
「ええ、それに私は貴方のように手を汚さずことをなそうとする人が大嫌いです。
 楽に死ねると思わないでください」
 アポストロスの行いに怒りを感じていたのは何も破戒僧だけではない。
 おそらく、この場にいる猟兵達は皆、景正や神夜と同じ思いであろう。
「……これだから『生』にしがみつく者は醜い。
 いいでしょう、貴方方はこの私自らが『救済』して差し上げましょう」
 アポストロスはゆらりと立ち上がり、猟兵達と再び対峙する。
 その目には先程までの余裕は感じられず、この場にいる猟兵達と破戒僧を『救済』する事しか見えていないようだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

虹川・朝霞
竜神としても認めますよ。あなたは確かに、救済を説いてなしえようとしている。
…ですが、かつて生も司っていた者として、許すことはできないのです。

私は基本的に遠目からの攻撃で支援となりましょう。
紫雲刀での切り込みを主に使いますが…おそらく、どこかコピーされ止められるはず。
紫雲刀を取り落として…ピンチに見せかけて、鉄下駄でのかかと落としor蹴り(遠い)
私は軽々使ってますが、これ、重いんですよ。鉄(に似せたUDC圧縮体)なので。
あなたは見たところ、怪力ではなさそうですし…ね?



 竜神として、『死は救済』と謳うアポストロスの考えとその行いは認めざるを得ない。
 そう考える虹川・朝霞(梅のくゆり・f30992)だが、過去に『生』を司ることもあったことから鑑みるに、生者を冒涜するかの如き彼の司教のやり方は許されざるものだった。
「認めるのに許さない、とは。
 矛盾しているのではありませんか?」
「いいえ、していないですよ。
『認める』ことと『許す』ことは異なるものですからね」
 獣達を避けながら接近した朝霞が「紫雲刀」でアポストロスに切り込んでいく。
 一定の距離を保ちながら、蛇腹刀である「紫雲刀」を鞭のようにしならせる朝霞のその攻撃には、ユーベルコード【鉄雲(テツウン)】の効果により射程と威力が上がっていた。
「破戒僧殿も貴方が救済を説いて成し得ようとしているのは理解しているのでしょう。
 しかし俺も破戒僧殿と同じように、そのやり方が許せな……うわっ」
 話をしていた朝霞の手から「紫雲刀」がすっぽ抜け、ガシャンと重い音を立ててアポストロスの近くの地面に落ちる。
「おやおや、戦いにはしっかりと集中しないと……っ?」
 朝霞のユーベルコードをコピーするためにその「紫雲刀」を拾って持とうとしたアポストロスだが、持ち上がらないほどの重さに驚きを隠せない様子だった。
「拾ってくれようとしたのはありがたいですけどね。
 俺は軽々使っていますが、これ、重いんですよ。鉄なのでね」
 これもね、と薄い笑みを浮かべながら蹴りを繰り出す朝霞の足には鉄下駄があった。
 咄嗟のことで反応ができなかったアポストロスはその蹴りを諸に喰らってしまい、大きく吹き飛ばされる。
「がっ……
 はっ、油断していたのは私の方だったわけですか」
 小賢しい真似を、と悪態を吐くアポストロスを尻目に、朝霞が「紫雲刀」を拾い上げてアポストロスを見据える。
「さて、異国の司教とはいえ容赦はしませんよ。
 俺が竜神として、あなたを『救済』してあげますからね」
 アポストロスの拝する神と自身が異なる神であることは朝霞も重々承知の上だ。
 しかしそれがどうした?
『死』は全てのものに等しく与えられるべきものなのだから。
『死による救済』がアポストロスがもたらすものか、朝霞がもたらすものかなど、詮無きことだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

神楽坂・神楽
死による救済を説くおぬしは、当然、救済された身なのじゃよな?

ふむ、おかしいのう。
見たところ、おぬしはわしらの存在に苛立ち、果てにはそのように怪我までさせられておる。
痛みや苦しみから、何ら解放されておらぬではないか。
それでよく救済などと語れたものじゃ。

さて、救済を騙る者よ。
おぬしにはわしなりの救済を与えてやろうぞ。

全身の《氣》を解放し、野心の獣を迎撃しつつ、一気に接近。
《氣》を纏わせた攻撃で敵の両手両足を破壊。
敵が動けなくなったなら、《刻印》で分解・吸収する。

おぬしの身体は一片残さずこの《刻印》が喰ろうてくれる。
痛みも苦しみも二度と感じることはなくなるゆえ、感謝するのじゃな。



『死』は平等だ。
 老若男女、病のある者そうでない者、全ての人間に与えられる最も尊ばれるべきものだ。
 だからこそ、その素晴らしさをアポストロスは人々に教授した。
「私は『生』の苦しみから人々を解放してさしあげたのですよ」
 生きる気力を奪い、米も水も断ち自然に任せるがまま死を迎えさせる。
 それがアポストロスの言う『救済』そのものだ。
「なるほどの。
 死による救済を説くおぬしは、当然、救済された身なのじゃよな?」
 アポストロスと猟兵達の睨み合いが続く中、もっともらしい疑問を呈したのは、神楽坂・神楽(UDCエージェント・f21330)だった。
「ええ、もちろんですよ。
 こうしてオブリビオンとして蘇り、クルセイダー様のために身を尽くしているのですから」
「ふむ、であればおかしいとは思わぬか?」
 自信に満ちた様子で語るアポストロスに神楽が矛盾を突き付ける。
 救済されたと語るにも関わらず、アポストロスは破戒僧と猟兵達という邪魔者の存在に苛立ち、果ては怪我を負っている。
「おぬしはまだ痛みや苦しみという『生』を象徴するその感覚から何ら解放されておらぬではないか」
 それでよくも救済などと語れたものだ。
 そう言外に匂わせる神楽の言葉を、アポストロスは一蹴するかの如く嗤った。
「この私が救済されていない、と?
 ふふ、やはりあなた方猟兵は何もわかっておられないようだ」
 アポストロスのその言葉と共に現れた獣たちが、神楽を取り囲んで喉を低く鳴らして唸っている。
「そして私のあなた方の考えは相容れないものでしょう。
 だからこそ、敢えて問いましょう。
 ……あなた方の考える『救済』を、是非とも私に教えていただきたい」
「後悔するでないぞ?
 ……では、おぬしにはわしなりの『救済』を与えてやろう」
 その言葉と共に神楽が全身の氣を解放し、自身の周りにいる獣達を巻き込みながらアポストロスへと急接近する。
「救済を騙る者よ、覚悟するがよい」
「くっ、いつの間に」
 咄嗟に手に持つ侵略蔵書から新たに獣を召喚するアポストロスに、それすらも関係ないとばかりの神楽はユーベルコード【全力技Ⅰ(ゼンリョクワザ)】により増大させた氣を使い、彼の司教の四肢を破壊する。
「がっ…!」
「安心せい、おぬしの身体は一片残らずこの《刻印》が喰ろうてくれるわ」
 神楽の両手の刻印に、動けなくなったアポストロスが吸い込まれるように消えていく。
 痛みも苦しみも二度と感じなくなる、アポストロスにとっては理想とさえ思える『救済』が猟兵に依ってもたらされるとは、彼自身も想像だにしなかったに違いない。
「おぬしの『救済』は成された。
 感謝するのじゃな、異国の司教よ」
 最後にアポストロスの持っていた侵略蔵書を刻印に吸収させた神楽の言葉は虚空へと消えていったのだった。

△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 アポストロスの脅威は猟兵達の活躍により去った。
 町の人達に行われていた洗脳は、アポストロスがいなくなったことで徐々に解けてはいるものの、緩やかに侵食していたその影響が完全になくなることはないだろう。
「この度は拙僧の力不足により貴方方の手を煩わせてしまい申し訳ありません。
 これから冬に向けて不安は尽きませんが、後のことは拙僧らにお任せください」
 破戒僧が身を寄せる寺に居るのは彼だけではない。
 町の復興は、破戒僧が中心となりその寺の者たちの力も借りながら進められるようだ。
 甘美な響きを持って浸透した『死による救済』だが、その本当の意味を説教する破戒僧の言葉に、町の人達が『生きる意味』を取り戻したことは言うまでもなく。
 その後、無事に町が冬を越せたかどうかは……想像するまでもないことだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月19日
宿敵 『ブラザー・アポストロス』 を撃破!


挿絵イラスト