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ジャングルの島の我儘王女

#グリードオーシャン #【冒険】→【集団戦】→【ボス戦】 #冒険『ジャングルの罠』 #集団戦『スターフィッシュアーミー』 #ボス戦『『海を満喫』我儘王女ベルベット』

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#グリードオーシャン
#【冒険】→【集団戦】→【ボス戦】
#冒険『ジャングルの罠』
#集団戦『スターフィッシュアーミー』
#ボス戦『『海を満喫』我儘王女ベルベット』


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●ベルちゃん様に従うのじゃ!
「むー、退屈じゃ! 島民を呼んでくるのじゃ!」
 鶴の一声ならぬベルちゃんことベルベットの一声で、配下のヒトデ頭人間は集落から一人の男を引っ張ってきた。
 何故連れてこられたのか男にはわからないが、その顔は血の気がすっかり引いてしまって青白い。
 ベルベットに呼び出されることが何よりの恐怖なのだ。
「お前、何か芸をするのじゃ!」
「ひぃっ、げ、芸……芸……えぇと、えぇと……」
 芸と言われて何かできるほど普段から備えてはいない。まして委縮している状態では満足に体も動かない。
「なんじゃ、ベルちゃん様の言うことが聞けぬのか!?」
「そ、そういうわけでは――」
「だったら芸を見せるのじゃ!」
「そんな、きゅ、急に言われても無理で――」
「うるさーい! 言うことを聞けぬなら死刑! 死刑じゃ!」
 死刑。その言葉でヒトデ頭人間は銃を構え、間髪入れずに弾丸を浴びせた。男は声も上げられず、糸が切れた人形のようにばたりと倒れて動かなくなる。血だまりが急速に広がっていく。
「この島にはろくな島民がいないのじゃ……せーっかく、『ラブベル島』というベルちゃん様にぴったりの島じゃのに……」
 ベルベットはぶつくさ文句を言いながら、植物の蔓を編み込んで作られたハンモックにダイブして不貞寝を始めるのだった。

●我儘王女をこらしめよ
「皆さん、大変でーす!」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は大声で呼び掛けていた。今はどの世界も大変な状況。グリモアベースは非常に慌ただしく、騒がしい。
「えっと、とりあえず話しますね! 『グリードオーシャン』にてコンキスタドールが悪の掟で島民を困らせている悪夢を見てしまいました! 皆さんには島に向かい、コンキスタドールを倒していただきたいんです!」
 島の名前はラブベル島というそうだ。アックス&ウィザーズから落ちてきたと思われる島で、気候は熱帯に近く、ジャングルが島の大半を占めている。
「元凶となっているコンキスタドールは『ベルベット』というのですが、島民の皆さんに『ベルちゃん様に従え』という掟を敷いて、従わない人を殺してしまっているようです! しかもベルベットは傍若無人で事あるごとに島民の皆さんへ無理難題を突き付けるので、島民の皆さんは毎日震えながら生活しています!」
 今日もまた、犠牲者が増えていくのだろう。急がねばならない。
「なのでベルベットの元へと向かってほしいのですが、ベルベットが拠点にしているジャングルには罠が仕掛けられているため、注意して進まないといけません!」
 島民達が引っかかって慌てふためく様を眺めて楽しむために作られた罠だ。うっかり引っかかってしまわないよう気を付けなければならない。
「ベルベットの拠点に到着した後ですが、ベルベットには『スターフィッシュアーミー』という配下がいますので、まずはその集団から倒さないといけません!」
 親衛隊、とでも言うべきか。奇妙な取り合わせだが排除しなければベルベットまで辿り着けないのは事実。
「スターフィッシュアーミーを倒せば、残るはベルベットだけです! 勢いよく蹴散らしちゃってください! よろしくお願いします!」
 ロザリアは力いっぱい叫び続け、猟兵達への案内を終えるのだった。


沙雪海都
●マスターコメント
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 ちょっと忘れかけた頃に島ですがよろしくお願いします。

●フラグメント詳細
 第1章:冒険『ジャングルの罠』
 ジャングルには落とし穴とか上から網が降ってくるとか、命には影響なさそうだけど面倒臭い罠が仕掛けられています。
 引っかかるのも癪ですからどうにか対処して進みましょう。

 第2章:集団戦『スターフィッシュアーミー』
 ベルベットの拠点です。ジャングル内部ですが快適生活のために平地っぽくならされており、おおよそ円形で周囲は木に囲まれています。
 何としてもベルベットを守り抜く部隊ですので蹴散らしましょう。

 第3章:ボス戦『『海を満喫』我儘王女ベルベット』
 熱帯故に水着なのか……ともかくボスです。
 場所は集団戦とほぼ同じなのでそのままやっつけてください。

●MSのキャパシティ
 合わせプレイングはお受けできません。申し訳ないです。
 ゆったりペースで進行予定です。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『ジャングルの罠』

POW   :    トラップごと、ジャングルを薙ぎ払って進む。

SPD   :    トラップを解除して進む。

WIZ   :    トラップの位置を特定し、避けて進む。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

日紫樹・蒼
性格:弱気
性質:ヘタレ
※どんな酷い目に遭っても構いません

「ジャングルだけでも怖いのに、そこら中罠だらけなんて…
仕方ないので悪魔を呼び出してなんとかしてもらおうとしますが、蒼の実力が低いので、言うことを聞いてくれません

『罠を避けて進めばいいのね? うふふ、任せなさい♪
念力で蒼を罠のありそうな場所にぶん投げる悪魔ウェパル
当然、罠が発動しまくり散々な目に

「ちょっ!? は、話が違……っ!!
『あら? だって、誰かが引っ掛かったら、そこに罠があるって証拠でしょ?
つまり、ウェパルは蒼を犠牲にして罠の位置を探り「自分だけ」罠を回避しているというわけ

『心配しなくても「私が」無傷な間は、死ぬ前に助けてあげるわよ♪



●トラップの正しい特定方法?
 ジャングル。一度足を踏み入れれば、そこは異界と化す。
 言い過ぎか? いやそうでもない。少なくとも日紫樹・蒼(呪われた受難体質・f22709)にとっては。
「ジャングルだけでも怖いのに、そこら中罠だらけなんて……」
 鬱蒼と深緑が茂る中、一歩足を踏み出すのにもぷるぷる震えながらだった。そうして進めたのも最初の数分だけで、今ではすっかり立ち往生。
 戻るにしても、周りは似たような植物ばかりで足を置いた場所など覚えているわけもない。踏み場所を間違えて罠に引っかかってしまったら――。
 進むも地獄、戻るも地獄。こうなれば、その場から動かずにできることで対処していくしかない。
 蒼はゆっくりと腕を伸ばす。はめられた水影の腕輪が妖しく光る。
「来たれ、水域を支配せし、大いなる公爵よ。水影の盟約の下、我に力を貸し与えよ……」
 草木が騒めく。ジャングルの植物は決して軟弱ではない。それを揺るがす魔力量を放出して、悪魔ウェパルが召喚された。
「はぁ~い。何か用?」
 ウェパルはすとんとジャングルの中に降り立った。それですら今の蒼には心臓に悪く、ひぇっ、と甲高い変な声が出た。
「あ、あの、このジャングルを、罠を避けて進めるよう……」
「罠を避けて進めばいいのね? うふふ、任せなさい♪」
 蒼が全てを言い切る前にウェパルは承知した。すぐに蒼はふわりと体が軽くなるのを感じる。
「わ……」
 浮いていた。ウェパルの念力だ。少し驚いたが、これなら地に足をつけることなく移動できる。
 罠にかかる心配はなさそうで――。
「それっ♪」
 蒼は脳がぎゅるんとかき混ぜられるような浮遊感に襲われた。何が起きたかわからなかった。天地がひっくり返り、景色がぐにゅっと伸びている。
 念力に操られた蒼の体は横倒しにぶん投げられていた。まるでミサイルだ。
 頭が何かの抵抗に引っかかった、と思った時にはその抵抗をぶっちぎっていた。刹那、目の前に植物の蔓が飛んできた。
 べちぃん! 額に直撃した。頗る痛い。
「ぁあ……っ」
 声なのか吐息なのかわからないものが口から漏れる。本当に痛い時はぎゃあだのひゃあだの叫ぶこともできないらしい。
 蔓に打たれた蒼は地面に墜落するがまだ終わらない。荷重に反応して地面から板が飛び出し立ち上がった。当然、その上に乗っていた蒼の体は跳ね飛ばされる。今度は自由な放物線だった。
 目の前に広がるのは広大なジャングルの景色ではない。それを覆い隠すようにネットが広がっていた。ずぼんと飛び込んだ蒼はネットに絡まりながら地面に落ちる。そして地面は案の定ずぼっと陥没し、ボールのように丸め込まれた蒼は見事、落とし穴にホールインワンしたのだった。
 周りの土が衝撃で崩れて降りかかってくる。口の中にぽろっと入ってしまったのを咳込むように慌てて吐き出した。
「色んな罠があるのねえ」
「ちょっ……は、話が違……っ!!」
 蒼は涙目になりながら、落とし穴に落ちた自分を見下ろしてくるウェパルに片言な抗議をする。しかしウェパルはあっけらかんと答えた。
「あら? だって、誰かが引っ掛かったら、そこに罠があるって証拠でしょ? もう作動した罠は見えているんだから、『私は』罠を避けて安全に進めるじゃない」
「そん、なっ……!!」
 屁理屈だ、とは続けられなかった。罠に次々引っかかってボロボロで、ヘタレ気質も相まって言葉が喉を通らない。
 とは言え、ウェパルに命令にするには相応の交渉術を以って臨まなければならない。ウェパルが勝手に行動を起こしてしまうのは、まだ蒼がそこまでの域に至っていないということを意味していた。
 それでも一応は召喚された身として、
「心配しなくても『私が』無傷な間は、死ぬ前に助けてあげるわよ♪」
 と、不安定ながら命の保証は……してくれたと言えるのだろうか?


 さて、ウェパルの無茶な言い分に屈してしまい、穴から引き上げられた先には二度目の射出が待っている蒼だが。
 ジャングル内部の進行度というただ一点においては無理矢理ウェパルに飛ばされていることで、蒼一人でいる時よりはるかに捗っているのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大豪傑・麗刃
こんな平和そうな島に罠だとう。けしからん。ワナワナ(罠だけに)

とはいえ命には影響なさそうな罠でしょ。オープニングで人死にが出てることを思えば、別に大した事はない。大豪傑の名の通り、小細工なく真っ向から制圧前進あるのみ。右手に刀、左手に脇差(と呼ぶには大きすぎるバスタードソード)を構え、飛んできた罠は全部斬ってしまえばよい。
いざゆかん!

(言いつつ体張る系のお笑い芸人のごとくに悲惨な感じに罠にひっかかる)

……
い、今のは練習。今度こそ

(またひっかかる)

……
い、今のは悪い見本なのだ。今度こそ

(また)

……
そ!そな目で見ゆコは麗ちゃんぶつじょ!!

(と変態的衝動発動、上がった身体能力で無理やり罠を突破する)



●全ては笑いに通ず
 ジャングルとは自然だ。自然が広がる島は、コンキスタドールの侵略さえなければ平和そのもの。
「こんな平和そうな島に罠だとう。けしからん」
 大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は静かに、しかし確かに怒りを燃やし、ワナワナと震えていた。罠だけに。
「……とはいえ命には影響なさそうな罠って話だし、予知で人死にが出てることを思えば、別に大した事はないな! 小細工なく真っ向から制圧前進あるのみ!」
 麗刃は豪傑ではない、大豪傑なのだ。その名を背負う者として小手先の対策など無用。右手に刀、左手に脇差――と言うには大きすぎるし、俗にバスタードソードと呼ばれるような外見をしていたが――を構え、飛んできた罠は全部斬り捨てる勢いだ。
「いざゆかん!」
 意気軒昂と駆け出していく。自然の中故、多少足場は悪いが気にせず突き進み――。
「ぬわーっ!」
 落ちた。見事に落ちた。雪崩れ込むように落とし穴に飲み込まれた。オーソドックスな罠だが嗚呼無念、罠は飛んでくるものばかりではなかった。
 それでも両手の得物を離さなかったことは賞賛すべきか。麗刃は窮屈そうにずりずりと落とし穴から這い出してくる。
「……い、今のは練習。今度こそ」
 そう、受け身の練習だ。斬れない罠にぶち当たってしまった時はこうして受け身を取りダメージを最小限に抑えるしかない。全ては想定の範囲内なのだ。
 土のこびりついた頬を拭う。そして先を見れば、斬ってくださいと言わんばかりのひも状の何かがピンと木の幹の間に張られているではないか。
 次は本番。そう言わんばかりに麗刃はまたも駆け出した。見え見えの罠。上等だ。これを斬り、さらに襲い掛かってくる仕掛けを斬ってこそ大豪傑。
 右手の刀を振り下ろした。ぷつんと張りつめた繊維が切れると、前方から縄で吊るされた薪のような小型の丸太が振り子の要領で落ちてきた。
 これだ。こういうものを待っていた。麗刃は左手の脇差――で今は通しておく――を薙ぐが。
「ぐぺらばっ!?」
 意外に速度がついていた。脇差を振り切る前にぱこんと額に命中し、麗刃は奇天烈な叫び声を上げて仰け反った。星が散った視界の中で返ってくる丸太を見ながら大の字に倒れていく。
「……い、今のは悪い見本なのだ」
 ぷるぷると体を起こす。頭上では未だ丸太が揺れていた。
 大豪傑とは清濁併せ飲む度量が必要だ。故に悪しき見本を示すことも想定として受け入れる。
 後続の猟兵が麗刃と同じ能力を持っているとは限らない。だからこそ、失敗図を示すことも必要なのだ。
 後顧の憂いも断った。これで心置きなく邁進できる。
「……今度こそ」
 地を踏み締める足に力を込めた。得物の構えは最初のまま力強く。ジャングルを突き進み、見えた仕掛けを叩き斬った。
 今度はどこからだ? 真上からだ。ばさっと網が落ちてくる。
 これまた斬るには丁度いい罠だった。今度は両手の刀と脇差をクロスするように振り上げた。
 網を斬り裂き、さらに突き進む。そんな光景を描いていた。今度は遅れぬよう、素早く振り抜く。
 確かに振り抜けた。しかし斬り裂いたのは空だった。振り抜いたところに網が絡まり思うように得物を動かせなくなってしまった。
「んぎぎ……」
 押してもダメ、引いてもダメ、ぐちゃぐちゃとこんがらがってきた。
 沈黙。そして、
「そ! そな目で見ゆコは麗ちゃんぶつじょ!!」
 麗刃は口を空回りさせて叫び出した。網の中でじたばた暴れる。その光景は滑稽なものだ。
 これはまた悪い見本なのか――いや、これでいい。これでいいのだ。
 麗刃のここまでの全ての行動が一本の線で繋がった時、麗刃は凄まじい馬力を発揮して網を一気に引きちぎった。
「どぅわあああっはっはっはー!!」
 単なる奇声か高笑いか。とにかく大声を上げて麗刃は走り出す。植物の蔓が絡まろうが気にしない。真っ先に引っかかった落とし穴も今度は踏み抜く前に次の一歩を地面に食い込ませ乗り越えた。上から降ってくる丸太など頭突きで一跳ね、刀も脇差も使わず弾き返した。
 大口を叩いてへまをする。それは他人から見れば失笑ものだ。そのウケ狙いとお笑いの精神のため、麗刃は罠に身を挺して罠に引っかかり続けていた。
 そうして発動した『変態的衝動』で全ての罠を乗り越える。それが真の策だった。
 こうなったら麗刃は止まらない。他者を適度に困らせる罠など無いに等しいと言わんばかりに、ジャングルを猛進するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

杓原・潤
罠かぁ……島民が引っかかって、って事は箒で【空中浮遊】してれば大丈夫かな?
流石に島民が飛んで移動してたりはしない気がするし。
でも何かあるとヤだから、念には念を入れて行こう!
と言う事で、ユーベルコードで鮫を呼んじゃうぞ!
ジャングルを進むのは大変だし、鮫に生えてる回転ノコギリでちょっとだけ道を切り開かせて貰おうかな?
【集団戦術】でうるうを守るように綺麗に並んだ鮫が木や草を罠ごと【切断】していけばきっと大丈夫!
……あっ、鮫が罠に引っかかってる!?
もうちょっとだけ頑張って、後で撫でてあげるから!



●ジャングルに鮫――つまりは樹『海』
 罠は何のために仕掛けられているのか。そこに着目したのが杓原・潤(星と鮫の魔法使い・f28476)だった。
「罠かぁ……島民が引っかかって、って事は箒で空中浮遊してれば大丈夫かな?」
 箒に跨りふよふよ進む。なるほど、こうして進めば、例えば定番の落とし穴なんかには引っかからない。
 しかし念には念を。コンキスタドールが仕掛ける罠だ。どこかにトンデモな罠があってもおかしくない。
「でも何かあるとヤだから……鮫たち、出ーておーいでっ!」
 両手をがばっと広げれば気分は大魔法。潤は周囲に回転ノコギリが生えた鮫を召喚した。潤を中心に宙をぐるぐると鮫は泳ぐ。ジャングルは高密度な鮫空間になっていた。
「よーしみんな、うるうを守りながら、しんぐーん!」
 総勢77体の鮫が隊列を組む。その中心にいるのは潤だ。前後左右上下と立体的に組まれた隊列はまるで1体の巨大な鮫を成しているようだった。
 その大きな隊列が進むには、木々の入り組むジャングルは少々狭い。最前の鮫達は回転ノコギリで最小限の道を開き、進軍スペースを作っていた。
 倒れる樹木の中からは罠の残骸も飛び出してくる。回転ノコギリの餌食になったものだ。こうして罠ごと切断していけば大丈夫、と安心しながら進んでいたが。
 少し広くなった幹の間、するりと抜けられると思っていた鮫が、回転ノコギリでぷっつん、張られた仕掛けの糸を切ってしまった。
 ひゅーん、とターザンのように飛んできた蔓の鞭。先端に錘として括り付けられていた木の枝の束が鮫に当たると同時に弾けた。飛び散る枝爆弾。絵面は地味だが、地味なりに痛い。
「……あっ、罠に引っかかってる!?」
 島民とて蟻ではない。地上より1メートル程度のところにある仕掛けなら、当然引っかかってしまうこともあろう。
 それは時に、宙に浮いた鮫でさえ捕らえることもある。
 幸い潤に被害はなかったが、枝を浴びた鮫達がちょっぴり涙目になっている。
「ごめんねー! もうちょっとだけ頑張って、後で撫でてあげるから!」
 繊細な鮫の心を気遣いながら、潤はコンキスタドールの拠点を目指す。
 ジャングルに巻き起こる罠イベントは鮫達の士気にも関わる。進路を見据える潤の瞳は一層真剣になった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天威・利剣
アドリブ歓迎
罠とは……随分手間のかかることをするな。罠にかかっている様子というのはそんなに面白いものなのか?
UCで召喚した愛馬に跨り、風の如く森を駆け抜ける。相棒、頼んだぞ。同時に、剣に神力を込めて薙ぎ払い、邪魔な草木を罠ごと吹き飛ばしてやろう。全く、随分と手間を掛けさせてくれる。
それでも万が一、罠にかかるような事があるかもしれないな。なるべく避けたいところだが……、予想できないことがあるかもしれない。如何なる罠であろうが、俺様の剣と相棒で協力し、力ずくで脱出する。
この俺様が格好悪いところを見せるわけにはいかないからな。
さあ、一刻も早く奥へと進もう!



●その罠を越えてゆけ
 天威・利剣(旧き意力・f29612)はジャングルに黄金の鎧を纏った戦馬を疾駆させ乗り込んだ。
「相棒、頼んだぞ」
 利剣の愛馬である戦馬は息を荒げながら駆け抜ける。揺れる馬上。しかし戦馬は太い脚で衝撃を殺し、利剣が手綱から手を離しても姿勢を保てるほどに留めていた。
 道を駆けるのが戦馬の役目なら、道を開くのは利剣の役目だ。
「ふぅっ……はっ!」
 剣に神力を籠めた薙ぎ払い。波動がひゅんと鳥の翼のように大きく広がった。草木を切り飛ばすと、その下には巧妙に隠された落とし穴が顔を出す。
「跳べ!」
 利剣の声に応じ戦馬は跳躍、力強く落とし穴を越えていく。
「全く……随分と手間を掛けさせてくれる」
 呟いてまた一薙ぎ。今度は上部の枝葉を払う。葉が生い茂り何かが潜んでいそうなそこはまさに罠の隠し場所だった。バキバキと仕掛けは崩れ落ちていく。
(……ここまでは順調のようだが)
 臭いところは軒並み神力で潰してきた。おかげで予定のペースを保ったままジャングルを進んでいる。しかし利剣は万が一も警戒して目を凝らす。ジャングルに潜む違和感を探す。
 迸らせた神力がまた地面を撫でるように飛んでいく。すると、しっかり根付いているであろう植物がたぷりと揺れた。
「――沼か!」
 一見ただの地面だが、薄く膜を張るように土が盛られている沼は不用意に足を踏み入れたものを呑み込む新手の罠だ。
 戦馬も蹄の感触の変化で察知したのだろう。胴を伸ばして距離を稼ぎ越えようとしたが、着地した先がずぶりと沈む。
「ちぃっ!」
 黙っていてはどんどん沈んでいってしまう。利剣は両足で戦馬の腹を挟むようにしてしっかり自分の体を固定し、斜めに身を乗り出して沼の先に剣を向けた。
「こんなものでは……俺様は止まらん!」
 剣が泥に塗れるのも厭わず、利剣はまさに沼を斬った。泥が大飛沫となって散っていく。
 泥が掻き出されたことで抵抗が減り、戦馬が進む。斬った一瞬、沼の底が見えていた。底はあるが、それでも完全に沈めは脚は半分以上埋まってしまいそうだった。厄介極まりない。
 利剣は沼を斬り続けた。こうなればもう力技で抜け出すしかない。戦馬も泥を掻き分け少しずつ進んでいく。
 利剣には馬上の自由がある。一人で沼を脱出しようと思えばできたはずだ。残された戦馬は召喚を解けばいい。
 だが、『愛馬を見捨てる』という赤っ恥な所業を利剣が選ぶはずもなかった。この苦難も必ず乗り越えられる。それは全幅の信頼に他ならない。
 進む度、沼の嵩が減っていく。そして前脚が自由になると、後は馬力で一気に抜け出した。
「よくやった」
 声を掛けながら軽く触れてやると、ぶふぅ、と鳴く。
 まだ行ける、問題ない――そう返事をしているように感じられた。
「……よし、一刻も早く奥へと進もう!」
 進路に向けて利剣が剣を掲げると、戦馬はまた巨体を躍動させ駆け出すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『スターフィッシュアーミー』

POW   :    戦法『自己犠星』
レベル分の1秒で【回復する再生能力で粘りつつ、捨て身で銃弾】を発射できる。
SPD   :    作戦『隠忍海星』
【近くに潜伏していた仲間達】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    メガリス銃『スリーディザスターズ』
【氷結呪詛弾】【念力誘導弾】【電撃速射弾】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●親衛隊、ヒトデ頭
 鬱蒼としたジャングルが急に開けた。地面が均され、樹林が円形に伐採された人為的な区画。ここがベルベットの拠点か。
 玉座が安置されているが、空席だった。その陰からふらふらと出てきたのは。
「来客か……うぅ!? 猟兵!? お前達など呼んでおらぬぞ!?」
 寝ぼけ眼でやってきたベルベットは猟兵の登場にピンと目が冴えた。招かれざる客――猟兵達の立場はそんなところか。
「帰れ! 帰るのじゃ! お前達、この者共を追い返せ!」
 ベルベットが喚く。すると周囲の樹林に潜んでいたヒトデ頭人間、スターフィッシュアーミーが波のように押し寄せ、猟兵達の前に立ちはだかり、あっという間にベルベットの姿が見えなくなった。
 この配下を排除しない限り、ベルベットには辿り着けない。猟兵達は戦いに挑む――。
大豪傑・麗刃
芸を見たいというからせっかくおもしろい芸をしにきたというのにまったくけしからん。この人でなし!ヒトデだけに。

敵は自己再生してこちらの攻撃を耐えつつ銃を撃ってくるらしい。攻防一体の戦術というべきか。耐久力に自信あるなら存外理にかなった戦術かも。どう見ても見た目ネタキャラだし、ギャグキャラ特有の耐久力ということか。こちらもギャグキャラとして対応してもいいが、それは次にとっておくとしよう。だからまあ

斬る。

二刀流構え、銃弾飛んで来たら見切って全部斬る。
本体は一撃で死ねば再生もできまい。死なないなら至近距離から撃ってくる銃弾を左の脇差で武器受けしつつ右の刀で再生速度に負けないよう斬りまくる感じでひとつ。



●斬ればよかろう
 予想外の邪険な扱いだ。麗刃はご立腹だった。
「芸を見たいというからせっかくおもしろい芸をしにきたというのにまったくけしからん。この人でなし! ヒトデだけに」
 そっとオチを添えるのだ。さすが、慣れている。
 しかしながらヒトデ人間ことスターフィッシュアーミーには表情もなければ耳もなさそうで、麗刃のボケに構わず銃口を向けた。
 綺麗に一列の銃弾が放たれる。軌跡が一点で交わるように麗刃へと集中していた。
「ぬわー! お前達も風情が無い!」
 笑われない芸とは悲しいものだ。時間があればこんこんと芸の何たるやを語ってやりたいがそうもいかず、銃弾には対処しなければならない。麗刃は両刃を取り、宙に線を描くように振り抜いた。
 ガガガン、と刃が鳴る。真っ二つに斬られた銃弾がぱらぱらと落ちる中を疾駆しスターフィッシュアーミーを何体か纏めて斬りつけた。
 手ごたえ十分、防弾チョッキも刃は防ぎきれないらしい。ばっくり体を裂いてやったが、見ればじゅくじゅくと傷口から液体が溢れ、傷を徐々に塞いでいるではないか。
 いくらかの再生能力を持つスターフィッシュアーミーは傷に構わず銃撃の体勢に入っていた。バパラパラと至近距離からの連射を体を捩ることで間一髪かわし、麗刃は一旦距離を置く。
(自己再生して攻撃を耐えつつ銃を撃ってくるか……攻防一体の戦術というべきか)
 思いの外厄介。ふざけた外見をしていても――いや、ふざけた外見だからこその耐久力か。
 同じ戦術でぶつかっていくべきか否か。戦況を見る。スターフィッシュアーミーを倒したとて、次はベルベットが待っている。奥の手は残しておくほうがいい。
 ならばやることは一つしかない。麗刃は恐れることなく接近を繰り返した。
 弾丸は激しく打ち付ける雨のように。耳が破れるような発砲音がジャングルを満たす。一秒もなく到達する鉛玉を麗刃は二刀で斬る。
 斬って斬って斬って斬って肉薄し、本体もまた縦一線に斬り捨てた。
 再生能力も無限ではない。再生を上回る速度で斬りかかっていけばいずれ倒れる時が来る。
 星が二つに割れたところへ更に右の刀を入れて一刀両断。一気に絶命まで持っていった。
 至近の銃弾は存在感のある脇差で受けて間を詰め、また一太刀、今度は星を一刀で狩る。
 並の脇差ではこううまくはいかなかったかもしれない。脇差様様だ。
「ふん! ふん! ふんんん~!!」
 二刀の乱舞は星頭より派手だった。斬り上げ薙いで斬り伏せて星頭を五角刈りにしてみたが、案外面倒だったのでやっぱり黙って斬ることにした。
 そしてまた一つ、星がくるりと空を飛ぶ。気持ちの悪い流れ星だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

杓原・潤
うわっ、気持ち悪っ!?
うるう、あんまりあれに近寄りたくないんだけど……鮫は休ませてあげないとだし。
仕方ない、頑張る!

さて、なんかもういきなり撃たれそうだしすぐにユーベルコード発動!
箒に乗ってそっこー逃げちゃえ!
銃弾はうるうより断然速いけど、撃ってる人はどうかな?
【空中戦】でやる見たいにジグザグに飛んで、流れ弾は【オーラ防御】!
これで【時間稼ぎ】出来るはず。
暫く敵を翻弄したら反撃開始、ウィッチーズミーティアの力で流星の【属性攻撃】を【乱れ撃ち】だ!
出来たら円を描く様に飛びながら敵を【おびき寄せ】て、一気に一網打尽に出来たらいいな。
だって顔?が気持ち悪いんだもん!



●響きだけは綺麗なStar fish
「うわっ、気持ち悪っ!?」
 他の猟兵が斬り飛ばした頭がべちゃりと落ちた。音もやっぱり気持ち悪くて、露の一滴すら浴びたくないと潤は飛び退いていた。
 近寄りがたい相手だが、頼りになる鮫もここまでの行軍で疲れ気味だ。
「鮫は休ませてあげないとだし……仕方ない、頑張る!」
 そうと決まれば先手必勝。銃口などどこからでも向いてくるので危ないなんてものではない。
『うるうは魔法使い! 星の魔法使いなんだから!』
 Starry Magus. 颯爽と星の魔法使いへ変身するとすぐにぴょんと箒に乗って空へ飛び出した。スターフィッシュアーミー達は潤の輝きに反応するかのように上を向き、銃を空へ掲げ始めた。
 ドパパパパ、と三色の弾丸が飛び交う中をジグザグぴゅぴゅんと箒で駆ける。的を絞らせない動きで翻弄しつつ、オーラ防御で全身を包んでどうしても避けられそうにない弾丸にも対応した。オーラに命中した弾丸はパリパリとオーラの表面に電撃を走らせる。
 飛び回れば気色悪い紫色の星が追いかけてきて軍勢が波打った。その動きは殊更気持ち悪くて、潤はオーラ防御全開であまり下を見ないようにして飛び続けた。
 やがて銃はぷすりと静まる。弾切れ、リロード――反撃の時だ。
 まずはぐるりと円を描く飛行に変えた。ベルベットの領地を目一杯に使ってから徐々に範囲を狭めると、潤を追いかけ回し銃を向けるスターフィッシュアーミー達が徐々に纏まっていく。
「よーし、集まったね!」
 ここでとっておき。星形のアクセサリー、ウィッチーズミーティアに触れた。星の魔法使いになっていれば、アクセサリーがもたらす流星の魔力は飛躍的に増幅される。
「やぁぁぁっ!」
 そうして集めた魔力を一気に放出。光の噴水だ。煌びやかな流星が辺り一面に流れる絨毯爆撃。気づけば塊になっていたスターフィッシュアーミー達は身動きが取れず次々と的になっていく。
 広がったヒトデ頭は中心部が白く、いかにも的らしい。そこへ着弾した流星の魔力がぼごんと爆発。煙を上げたスターフィッシュアーミー達がばたばたとうつ伏せに倒れていく。
 気持ち悪い顔――とされるヒトデ頭の表はしっかり潰す。
「これで一網だじ……わぅあぅぁ~!」
 戦果を確認しようと箒の真下を見下ろした潤。スターフィッシュアーミーの頭とは、裏側も淀んだ紫色でしかも無駄にデコボコ。力尽きてはいるはずだが、今にもボコボコ動き出しそうで背筋に嫌な寒気が走る。
 慌てて見上げた空は青かった。潤を優しく包み込んでくれそうな青色をしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

日紫樹・蒼
性格:弱気
性質:ヘタレ
※どんな酷い目に遭っても構いません

「はぁ、さっきは酷い目に……って、なにこれ! 凄い気持ち悪いんだけど!?

罠でズタボロのところに殺到するヒトデ頭
そのまま背後から忍び寄られ頭から食べられるのがオチです
仕方ないので魔法生物を呼び出し代わりに戦ってもらいます

「今日こそ変なのが出ませんように
現れたのは大量のホラ貝(ヒトデの天敵)モンスター
彼らにとってヒトデは餌!
集団で襲い掛かり、ヒトデ頭を捕食します

「ふぅ、助かった……って、なんでボクまで食べ……うわぁぁぁん!
まあ、巻き添えを食って、自分まで襲われるのはお約束
溶解液で服を溶かされ、蒼も酷い恰好に!?
「うぅ、なんでボクがこんな目に



●それが蒼のお約束です
 100人いれば99人は気持ち悪いと言いそうなのだから、この場に集まった数名の猟兵の意見が一致することは何ら不思議なことではない。
「はぁ、さっきは酷い目に……って、なにこれ! 凄い気持ち悪いんだけど!?」
 ズタボロでジャングル踏破という半ばペナルティめいた状況で辿り着いた蒼。一目見た時の胸に渦巻くもやもやは、とにかく声に出して発散しないと胸やけがしそうだった。
 だが、戦場で存在を知らせる大声を発することは危険を招く。

 ――ガサガサガサッ!

「ひぃっ!」
 潜伏し機を見ていたスターフィッシュアーミー達が一斉に飛び出した。標的はもちろん蒼だ。近接、サブミッションでも決めようかとヒトデ頭をうねらせて殺到してきた。
「あわわわわ今日こそ変なのが出ませんようにぃ~!」
 念じて放つ召喚術。現れたのは螺旋に羽が生えたようなホラ貝の軍勢だった。
 餌、餌、餌。今にも迫り来るスターフィッシュアーミー達は、ホラ貝にとっては捕食対象。我先にと一斉に群がりヒトデ頭にべたりと張り付くと、貝殻ごと覆いかぶさるように倒していく。
 頭を呑み込まれながらもスターフィッシュアーミー達は剥がそうと貝殻に手を掛ける。しかしホラ貝はしっかりホールドし食事を進め、やがて力負けしたスターフィッシュアーミー達が動かなくなっていった。
「ふぅ、助かった……」
 と、ほっとするのも束の間。物足りないと一部のホラ貝が蒼目掛けて突進してくるではないか。
「……って、なんでボクまで食べ……うわぁぁぁん!」
 相変わらず召喚するものが言うことを聞いてくれないのは最早お約束であった。べたっと背中にのしかかってくるホラ貝。ぬめっとした冷たい感触の中に、なんだかスースーと空気が通り抜けるような感覚が。
「わああ、溶けっ……溶けて! る!」
 ぶんぶん体を振り回し、終いには地面へ転がって。どうにかこうにかホラ貝を剥がしたはいいが、ホラ貝が剥がれたことで余計に風の通りがよくなった。
「うぅ、なんでボクがこんな目に……」
 ぺたんと弱々しく座り込むところまでがテンプレなので如何ともし難いが、迫っていた軍勢はホラ貝によって撃退されたので、終わりよければ何とやら。
 心許ない背中のディフェンス力は……またきっと召喚が何とかしてくれる、多分。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天威・利剣
アドリブ歓迎
出てきたな、手下ども。立ちはだかるなら蹴散らすのみだ。
「貴様らと俺様達。強いのはどちらだ?」UCで3人の戦士の霊を召喚し、突撃する。この俺様と古の戦士達。強いのはこちらに決まっている。……質問しておいてなんだが、貴様ら話せるのか?
弓で射かけ、矛で貫き、斧で叩き斬る。見事な連携だ。だがお前らだけに良い所を見せるわけにはいかない。俺様も協力し、神剣の力で敵を切り伏せる。
敵の銃には注意だな。油断すれば蜂の巣にされかねない。常に動き回り、遊撃していく。
敵が仲間を呼ぼうと関係ない。潜伏している草木を剣に込めた神力で薙ぎ払い、こちらから首を獲ってやる!



●古の戦士と共に
「出てきたな、手下ども。立ちはだかるなら蹴散らすのみだ」
 数は減らしているが、スターフィッシュアーミーは最後の一体になったとしても果敢に攻めてくるのだろう。彼らはそういう部隊だ。
 利剣は神剣を突きつける。
「貴様らと俺様達。強いのはどちらだ?」
 問いかける利剣の両脇に靄が生まれ、色と形を持っていく。古代の記憶から召喚された弓の戦士、矛の戦士、斧の戦士の三騎、その霊だ。
 矛の戦士と斧の戦士は脇目も振らず飛び出していた。左右から挟撃体勢の彼らに向けスターフィッシュアーミーは銃を乱射するが、巧みに銃撃の合間をすり抜けられてあっという間に詰められる。
 矛が閃き、スターフィッシュアーミーの体をずんと貫いた。斧はがつんと大地ごとスターフィッシュアーミーを叩き割り、綺麗に分かれた半身がそれぞれどさと倒れていく。
 背後を取れば、と味方の背後を利用してスターフィッシュアーミーが回り込んだ。移動射撃を繰り出そうとするが、その背中は弓の戦士が狙う。ひゅっと射掛けられた矢が後頭部とも言うべき星の中心に突き刺さり、スターフィッシュアーミーは銃を構えた格好のまま倒れ絶命した。
 互いの死角を守り、三騎の連携は完璧だった。そしてそれは最初に利剣が発した問いの答えが出るまで続く。答えを出せばいいのだが、如何せんスターフィッシュアーミーに言葉を話すことが可能なのかどうか。
 謎は謎のまま戦は佳境を迎える。利剣も連携に天晴れ、と高みの見物を決め込むわけにはいかない。抜いた神剣は飾りではないのだ。
 連携に加わり敵陣を乱しにかかる。弓の射線に入らぬよう注意を払いながら動き回り、他の戦士に気を取られて明後日の方向を向くスターフィッシュアーミーへ近づくと、
「お前らだけに良いところを見せられるわけにはいかないからな!」
 腕力で振り切った刃が防弾チョッキごと胴体を輪切りにした。支えがなくなった上半身が仰向けになりながら落ちていく。
 遊撃が増え、スターフィッシュアーミーの軍勢はいよいよてんやわんやの状態だ。銃をどこに向けても誰かしらが死角に潜り狙ってくる。こうなりゃ自棄とばかりにぐるぐる暴れながら銃撃をかます猛者が現れたが、無念、味方のスターフィッシュアーミーを盛大に巻き込んだ後に利剣に斬って捨てられた。
「……む?」
 ベルベットの拠点を取り囲むジャングル、その茂みが揺れるのに利剣は気づいた。そして飛び出してきたのは潜伏していた別のスターフィッシュアーミーの一団だ。拠点の警戒に出ていた手勢が戻ってきたか。
 走り込みながらの銃撃が戦場に広がり、戦士達の攻撃の手を遮っていく。内へ内へと攻め入っている中でその外側からの射撃は自然と前後挟撃の形となってしまう。
 危機が迫る――が、利剣は動じていなかった。内は他の戦士達に任せて増援部隊へ素早く駆け寄る。神剣には神力を籠め一刀、薙ぎ払いがまず最前衛のスターフィッシュアーミーを断った。
 まだ茂みは揺れる。地も鳴り響く。奥からスターフィッシュアーミーが湧いてこようとしていた。
「何体来ようが関係ない! その首……もらった!」
 籠めた神力を確かめるように剣身をすっと撫でた後、ジャングルごと斬り裂くように広範囲に振り薙いだ。神剣の圧、神力の波動が斬撃の軌跡から伝播し、草も樹も皆纏めて斬り飛ばし。
 その中にはやけに色の悪い星も混ざっていた。斬り飛ばされた力の余波でくるくると回転し、ぼとりと落ちる。
 利剣の前には竜巻が通り抜けたかのような大きな道が広がり、その道中に頭と体を切り離されたスターフィッシュアーミー達がずらりと連なっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『海を満喫』我儘王女ベルベット』

POW   :    ベルちゃん様の言うことを聞くのじゃ!
自身の【海の魔物を操るレアアイテムに込めた魔力】を代償に、【海の魔物クラーケン】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【無数の触手】で戦う。
SPD   :    ベルちゃん様の水着姿に見惚れるのじゃ!
装備中のアイテム「【全てのダメージを反射する水着】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
WIZ   :    あれもこれもベルちゃん様に寄越すのじゃ!
レベル分の1秒で【海に関する装備(主に水着)を奪い取る魔法】を発射できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はティエル・ティエリエルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●どこまでも我儘に
 スターフィッシュアーミーは猟兵達の活躍により綺麗さっぱり一掃された。途中周りから増援などもあったようだがそれらも狩り尽くし、いよいよ残るはベルベットただ一人。
「うぬぬぬ……なんじゃなんじゃ! 使えない奴らじゃのう!」
 ぷりぷりと湯気を立ててかつての配下を罵倒するベルベット。怒りがどうにも収まらず、近くに転がっていた頭の無いスターフィッシュアーミーを蹴飛ばしている。
「かくなる上は……ベルちゃん様が! 直々に! お前達を葬ってやるのじゃ! ありがたいと思えー!」
ティモシー・レンツ(サポート)
基本は『ポンコツ占い師』または『本体を偽るヤドリガミ』です。
カミヤドリも魔法のカードも、「Lv依存の枚数」でしか出ません。(基本的に数え間違えて、実際より少なく宣言します)
戦闘についてはそれなりですが、戦闘以外は若干ポンコツ風味です。(本体はLv組で出せない、UCの枚数宣言や集団戦は数え間違える、UCを使わない占いは言わずもがな)

ヤドリガミの「本体が無事なら再生する」特性を忘れて、なるべく負傷を避けつつ戦います。
オブリビオンに止めを刺すためであれば、猟兵としての責任感が勝り、相討ち覚悟で突撃します。



●間違いは誰にでもある……よね?
「うぅーん……葬られたくは……ないかな」
 ティモシー・レンツ(ヤドリガミのポンコツ占い師・f15854)が言うことは尤もだった。誰しも他人の命によって生死を決められるなど真っ平ごめんだ。
「うぬぅ、口答えをするでない! なんなら……これでどうじゃ! どうじゃ!?」
 ベルベットは突如くねくねと動き始めた。自分の水着を見せびらかすように、起伏のない体を目一杯反らして曲げて、セクシーでキュートなポーズを決める。
「この水着に見惚れたか!? この水着は全てのダメージを反射するスペシャルな水着なのじゃ!! これでお前にはもう髪の毛一本ほどの勝ち目もないぞ!? 大人しく葬られるのじゃー!!」
 その水着はベルベットがポーズを決める度に淡いオーラを放つ。ベルベットは誇張こそすれど嘘はつかない。水着が持つダメージ反射能力は本物なのだろう。
 さて困ったティモシー。うにょーんと眉をハの字に下げて悩む、悩む。
「占いは……あまり自信ないや。疑似妖精……探し物じゃあないし。うーんうーん……」
 そうしてぐるりと一回り。辿り着くのは原点だ。
「しょうがない……えーっと、1、2、3……全部で66……飛んでけっ!」
 ゆらり漂う占いカードが宙に現れ、しゅしゅっと手裏剣のようにベルベット目掛けて飛んでいく。くるくる回転する占いカードは刃の如く。
「その程度の攻撃……水着の前には無駄じゃ無駄じゃ!」
 ベルベットは仁王立ちでティモシーの飛ばした占いカードを待ち構えていた。淡いオーラが占いカードの軌道を歪めて弾く。
「ひとつ! ふたつ! みっつ! よっつ……」
 弾いたカードをベルベットは声高に数えていた。そうやって自身の力を示すのだ。自信満々な表情が憎らしい。
「お前、ろくじゅうろくと言ったな! 全て弾いてやったぞ! どうじゃ、参ったじゃろぅ!?」
 オーラが解ける。力は存分に見せた。絶望に打ちひしがれるティモシーの顔が、ベルベットの脳裏にはすでに浮かんでいた。
 後はその現物をじっくりねっとり拝むだけ。拝み倒して後は頭の一つも踏みつけてやれば起き上がっては来れまい――などと有頂天になっていたその時だ。
「あっ」
「なんじゃ?」
「……間違えた」
 ティモシーはぽつりと呟く。
 有頂天になるあまり、空にまだ漂うカードをベルベットは完全に見逃していた。しかしティモシーもまた、全部飛ばしたものだと思っていた。互いに見てようやく気付く3枚の占いカード。
 ティモシー自身が言うように、数を偽ったのは意図的ではない――が、それが却ってベルベットの絶対の自信の裏をかいた形となった。しゅん、と風に乗って飛び立った占いカードが本物の――風の刃の力を見せつける。
 気を抜いてオーラを失っていた水着へ1枚、2枚、3枚しゅぱんと合計三筋斬り裂いた。ぺろりとめくれた生地の下、柔肌が刻まれる。
「痛い! 痛いのじゃ! お前、嘘をついたな!?」
「えぇ……? 数え間違えただけですし……」
「ふぬぁー問答無用じゃー!!」
 傷口を押さえてぷんすか怒るベルベット。よくわからないまま一矢報いたティモシーはただただ困惑しきりだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アハト・アリスズナンバー(サポート)
「私の手が必要ならば、お貸しします」

無表情、無感情に見える、死んでも次の自分が即座に故郷から転送される量産型フラスコチャイルドです。

一人称は「私」、口調は誰に対しても「です、ます、でしょうか」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。

基本的には手が必要なら貸す、といったスタイルでユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず突撃します。
ただ、アリスが関連してる場合は積極的に突撃し、アリスの敵を排除するように動きます。

その他の部分はマスターさんにお任せします


ニコリネ・ユーリカ(サポート)
あらあら、盛り上がってるわねぇ
お忙しい所、お邪魔しまーす!
新しい販路を求めてやってきた花屋です
宜しくお願いしまーす(ぺこりんこ)

~なの、~なのねぇ、~かしら? そっかぁ
時々語尾がユルくなる柔かい口調
商魂たくましく、がめつい

参考科白
んンッ、あなたって手強いのねぇ
えっあっヤダヤダ圧し潰……ギャー!
私も気合入れて働くわよー!
悪い子にはお仕置きしないとねぇ
さぁお尻出しなさい! 思いっきり叩いてあげる!

乗り物を召喚して切り抜けるサポート派
技能は「運転、操縦、運搬」を駆使します

広域では営業車『Floral Fallal』に乗り込みドリフト系UCを使用
近接では『シャッター棒』を杖術っぽく使います

公共良俗遵守



●ベルベットお仕置き隊
「あらあら、盛り上がってるわねぇ。お忙しい所、お邪魔しまーす!」
「うぬ、新手か!?」
 爽やかな声が響き渡ったと思ったら、ごとごと荒地を乗り越えやってきたのは5MT4WDの花屋の移動販売車だった。
 ここはジャングル――だが、猟兵の攻撃によりベルベットの拠点からジャングルの外側へ一本長く伸びる道が開拓されていた。
 運転手のニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)は窓から手を振ると、均されたベルベットの拠点の隅に車を停めた。
「……助かりました」
「いいのいいの、困った時はお互い様よ。私も一人じゃここまで来るのは大変だったでしょうし」
 助手席からはアハト・アリスズナンバー(8番目のアリス・f28285)が降りてきて、ニコリネへペコリと一礼、感謝を述べた。返すようにニコリネもまたペコリ。
 ジャングルへ乗り込もうとしていたアハトをニコリネが拾う形で合流した二人。開けた道へ出るまでは主にアハトが身を挺して進路を切り開いていた。
 仕掛けられていた罠には全て引っかかる。それが彼女達の突破口だ。たとえダメージが過剰になろうとそこはアハトが量産型の利を生かし後の自分に全てを託す。罠攻略の一つの究極形と言えよう。
「さぁ、島の人達を困らせる悪い子にはお仕置きしないとねぇ」
「仕置きなどされてたまるかー! 来い、クラーケン! ベルちゃん様に力を貸すのじゃ!」
 持っていた宝玉を掲げて呼び出したのは海の魔物クラーケン。出現と共に宝玉は崩れてサラサラ消えていく。
 ここは陸のど真ん中だがベルベットはお構いなしだ。無数の触手を泳がせるタコのような魔物が二人の前に立ち塞がる。4、5メートルはあろうかという巨大な魔物が二人を見下ろしていた。
「ここは私が」
 アハトが前に出て先制で飛び出した。伸びてくる無数の触手を前にアリスズナンバーランスを取り、左右に大きく振り回し触手を薙ぎ払っていく。
 鋭い切り込みにクラーケンは拒絶するように触手を立ち上げた。そして今度は触手の太さを生かし、アハトへ叩きつけてくる。左右から同時に振り下ろされる触手が地を割る勢いでアハトに衝突した。
 槍を水平に掲げて受けるアハト。だが足元が悲鳴を上げ、がりっと地面が砕けて沈む。
「見てるばっかりじゃいけないわね。今度は私の番よ」
 ニコリネはシャッター棒を取りアハトの救援に向かった。また一段深く沈むアハトを押さえつける触手へシャッター棒を振り上げて殴打し、一つ宙へ弾き飛ばした。
「……っはあっ!!」
 負荷が軽くなったアハトは崩れかかる地を一層踏み締め一気に触手を押し返した。跳ね上げられた触手によりクラーケンのバランスが崩れ、後方へぐらりと揺れる。
「――チェックメイト」
 アハトは地を這う別の触手を駆け上がると、タコで言うところの胴体部分まで一跳びで到達し、引いた槍を深々と突き入れた。弾力のある胴体はずむんと凹んで衝撃を吸収しようとするが、やがて耐えきれなくなりぱっくりと避けて槍の侵入を許す。同時に白目を剥いたクラーケンがゆっくりと倒れていく。
「クラーケン! しっかりせんかー!」
 ベルベットの声は届くことなく、クラーケンはどぱっと大量の水へ変化し消滅した。
「さぁお尻出しなさい! 思いっきり叩いてあげる!」
「ぬぁー仕置きは嫌じゃー!」
 逃げようとしたベルベットだが、残念、ニコリネに首根っこを鷲掴みにされ万事休す。そのまま腹側から抱えられ、無防備になったお尻へべちん! とシャッター棒が甲高い音を立てて、
「はぎゃーーーー!!」
 耳がキンキンと痛くなるような悲鳴がジャングルに木霊した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

日紫樹・蒼
性格:弱気
性質:ヘタレ
※連携歓迎

「えっと、あれが親玉なの? あんな小さな子なら、僕でもやっつけられ……って、えぇぇぇぇっ!!
召喚されたクラーケンを前にして絶句
触手は以前の依頼でトラウマがあるので、まともに戦えません

「うわぁぁぁ! こ、来ないでぇぇぇ!
咄嗟に腕輪を魔法の杖に変えますが、そこで魔力切れ
再び魔力が溜まるまで、何もできないのがこのUCの欠点

【逃げ足】を駆使して逃げますが、お約束の如く捕まるでしょう
魔力が回復するまでは何もできないので、味方に杖を放り投げる形で託すのが精一杯
「うぅ……だ、誰か……この杖で敵をやっつけて……

触手に全身を好き放題にされても構いません


ルディア・ディアマンテ(サポート)
助けが必要なようね。助太刀いたしますわ!

サポートでの参加なので人々の避難や救出、敵の陽動のような支援になるような事を中心にこなしますわ。
事情がわからないまま行動すると事態を悪化させる恐れがあるので、その辺りは気をつけないとね。
指示をしてくれる仲間がいれば素直に従いますわ。

支援中心とはいえ戦闘は避けられないもの
その時は武器は白銀のバルバードを使いその遠心力と、UC金色の風で強化された速度を利用し一撃離脱戦法で戦いますわ!その姿はまさに金色の風の如し!

騎士の誇りを胸に、堂々と恥じない行動を!



●黄金と白銀が合わさり最強の斧技
「あれが親玉なの? あんな小さな子なら……」
 今し方、お尻をべちべちと叩かれたばかり。地に伏せ悶絶する姿は島を牛耳る悪の親玉にしては何とも情けない。
 蒼にも少しは希望が湧いてくる。今度こそ、という思いはあるのだ。
 クラーケンは怖い。しかし他の猟兵がやっつけてくれた今なら――。
「うぐぐ……も、もう一度じゃあ! クラーーーーケン!!」
 ベルベットが取り出したるは二つ目の宝玉。カッと輝くと、またも海の魔物クラーケンが現れた。
「って、えぇぇぇぇっ!! 二回目なんて聞いてないよぉぉぉ!!」
「フハハハ、そうじゃ! その反応が欲しかったのじゃ!!」
 勇み進んだ足がカチンコチンに固まった。口をぱくぱく金魚のように開閉し、ずしんと現れたクラーケンを見上げている。
 蒼とクラーケン。ひっくり返し難い相性だった。過去の依頼のトラウマが蒼の体を縛る。
「うわぁぁぁ! こ、来ないでぇぇぇ!」
「いけ! やってしまえ! クラーケン!」
 ベルベットの声に従いクラーケンは触手を存分に伸ばした。
 蒼にとっては生命の危機に等しい。錆びついたように動きの悪い足をどうにかこうにか動かして逃げる傍ら、自身の力を腕輪に託す。
 秘められた全魔力を代償に、腕輪は黄金の魔法の杖へと昇華した。しかしここまで。魔力の尽きた蒼は横から流れてきた触手に宙に攫われていく。
「うぅ……だ、誰か……この杖で敵をやっつけて……」
 握り締めた杖は、手首の力のみで放るより他なかった。ほとんど自然落下で落ちていく杖。
「託されましたわ!」
 擦れるような小さな声を聞きつけてクラーケンの元へ走り込んできたのはルディア・ディアマンテ(金色の風・f18851)だった。パシッと杖をキャッチすると、白銀のバルバードを振り回して押し寄せる触手に一太刀入れた後、遠心力を利用してその場から脱出、距離を取る。
「凄いですわね……」
 手にした杖からは膨大な魔力が流れ込んでくる。蒼の持てる全てをつぎ込んだ杖だ。本人がたとえヘタレであろうと純粋な力は本物だった。
「これとわたくしの力を合わせれば、あのクラーケンを貫きベルベットの元まで――」
 今はクラーケンの巨体の裏に身を潜めているベルベット。声だけはやかましいほどに通っていた。姿は見せていないが、おそらく移動はしていない。
 バルバードと黄金の杖を宙で掛け合わせる。白銀、黄金、輝かしい二つの力が重なる時、新たなる究極の力が生み出されるのだ。
『この一撃に全てをかける! 光になれぇぇぇぇっ!!』
 蒼の全魔力、ルディアの全魔力、そして生命力が全てつぎ込まれたバルバードは白金の輝きを放つ。ルディアは巨大なクラーケンの触手の根元まで飛び込んでいくと、バルバードを全身で薙ぎ払った。
 バルバードの数倍に膨れ上がった光の刃が巨体を一気に引き裂いて光の粒子へと変えていく。胴体部がぶるんと揺れた後、地面へずしりと落ちて消滅する。
「ぐぅ、おおぉ……お前……たちぃ……っ!」
 光の刃はクラーケンを完全に真っ二つにし、さらに背後にいたベルベットまでも斬り裂いていた。赤い水着が正面からべろりと裂けて、深手を負ったベルベットは血を流しながら蹲る。
「う……このベルちゃん様が……ベルちゃん様が……負けることなどあってはならないのじゃあ……!」
 威勢だけは健在だが、その声は絞り出さなければならないほどに弱々しかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

杓原・潤
良かった、さっきみたいなののボスだからもっと気持ち悪いかと思ってたけど見た目は普通の女の子だった!
まぁ逆に戦い辛いけど!
うるうの海に関する装備は……やっぱキャバリアだね。
そしたらまずはテルビューチェ無しで戦わないといけないけど……あ、相手は水着姿に自信があるのかな?
だったら魅力で勝負だ!うるうの方がかわいいぞ!
とかそんな感じで言いながらポーズを取って【挑発】しちゃおう。
相手がムキになってきたら自分のポーズの中に投げキッスを入れてユーベルコード発動!
それで動きを止められればこっちのもん!
ちょっと可哀想だけど見逃しては上げられない。
かっこよくテルビューチェを呼んで【踏みつけ】ちゃえ!


天威・利剣
アドリブ歓迎
無力な島民を力で従えて楽しいか?何とも腹の立つ奴だ。
敵を【威厳】ある態度で挑発し、意識をこちらに向けさせる。相手も傲慢なところがあるから、夢中で向かってくるだろう。
UCを発動し、超高速で斬撃を浴びせる。……その水着、衝撃を跳ね返しているのか。薄着だと思っていたが、厄介な代物だな。反射された斬撃は、飛んで避けつつ、日輪の如き赤いオーラを纏って防御する。
一見、敵の方が優勢そうだが俺の狙いはそこじゃない。敵を更に挑発して、隙を見せるのをうかがう。隙ができれば、狙うのは水着のない手足、そして首だ。水着の力を保っていられなくなるまで攻撃を加え、全力の一突きを見舞う!



●挑発には乗るのが性
「良かった、さっきみたいなののボスだからもっと気持ち悪いかと思ってたけど見た目は普通の女の子だった!」
「ああ……だが、どんななりだろうと無力な島民を力で従える……何とも腹の立つ奴だ」
 見た目は普通の女の子、しかしその実態は島全てを我が物のように扱い振舞う我儘王女。
「おい、貴様」
「なん……じゃ」
 痛みに顔を歪めながらベルベットは応じる。
「俺様は今、腸が煮えくり返るほどムカついてるが……そのなりに免じて慈悲をくれてやる。――一突きだ。一突きで済ませてやる」
「……ハッ、減らず口を叩きおって!!」
 これ以上痛み苦しむことのないよう、一撃で葬る――戦いが始まった時とは真逆の立場に追いやられたベルベットは頭に血を上らせる。
 動けばさらに傷口は開くか――いや、そんなことより、虚仮にされてはベルちゃん様の名が廃る。
 小さな体が無理矢理跳んだ。血痕が地面にぽつぽつと残る中、姿勢をぎりぎり低く保ち指を猛獣の爪のように曲げて構えた。
「ベルちゃん様の真の力……見せてやろうぞ!」
 決死の覚悟が眼力の中に溢れていた。睨みつける眼光は獣のように鋭く利剣に突き刺さる。
 それでいい。そうして夢中で向かってくるなら、それは利剣の思う壺。
「上等だ! ついてこれるか? この速さに!」
 ベルベットの水着がオーラを纏うのと同じように、利剣もまた赤く輝くオーラを纏った。それにより得た飛翔能力で飛び立つ速さは相当なもので、宙からベルベットを抜き去りながらその背後へ超高速の斬撃を浴びせた。
 十六連の波状斬撃が地上のベルベットへ襲い掛かる。気づき振り返る時にはもう目前へ迫っていた斬撃だが、振り返り様にびしっとピースサインを決めて、
「無駄じゃあ!!」
 水着のオーラが強まり、斬撃をびしばし弾き返した。空中へ返っていく斬撃を利剣は素早く飛んで避け、また防御オーラを固めて身を守る。
「……ふん、厄介な代物だが」
 利剣は地上へと目を向ける。地上にいるのはベルベットだけではない。
「うるうの出番! あなた、水着姿に自信がありそうだけど……うるうのほうがかわいいぞ!」
 片足ぴょん、華麗にダブピ――ダブルピースを顔の横で決めてニッコリ満面の笑顔。
 それはもう、審査員がいたら10点の札がずらっと並んだに違いない。
「ぬ、ぬぬ……なんの! ベルちゃん様のほうが……可愛いのじゃ!!」
 ベルベットの頭に小さな穴でも開いていたら、ぴーっと音が鳴っていたに違いない。如何せん挑発されると簡単に乗る彼女。潤のポージングに対抗し、いらぬポージング返しを始めていた。
 審査員がいたら……さてどうなっていたか。
 外見はともかく――今となってはボロボロの身なりのベルベット、勝負は厳しい。
「じゃあ、こんなのはどう?」
 挑発に乗ったと見て、潤はいよいよ決めにかかった。人差し指と中指を揃えると口づけをして、
「……んっ」
 パチンとウインクしながらの大技、投げキッスがベルベットへと放たれた。しかしそれは単なる投げキッスではなく――小悪魔的な魔法の合図。
 ベルベットへ向けた指先から星型の魔力が飛び、平坦な胸元へと突き刺さった。それはまさに心に、ハートに突き刺さったのだ。
「はぅあ!!」
 一瞬の胸の高鳴りがベルベットを襲う。得も言われぬ感覚――これまで島民達をいじり倒して遊んでいたが、そのどれでも得ることのなかった不思議なときめきだった。
 どういうわけか、潤の姿が可愛く見えてくる。可愛く、可愛く――。
「……はっ!?」
 ベルベットの背筋が凍った。ベルちゃん様などと自称し、己を最上と位置付けるベルベットが、他者を可愛いなどと思っては――それよりも。
 覇気だ。膨れ上がった覇気が空から襲い掛かってくる。
 潤が作り出した大きな隙だ。利剣は狙いを定めて急降下していた。
 水着が攻撃を反射するのであれば、水着に覆われていない場所を狙えばよい。
 腕や足、肩に首と、あるではないか。
「おおおおっっ!!」
 利剣は剣を深く引いた。全身の力を溜め、速度を乗せて全力の一突きを。
「――おごっ!」
 肩甲骨の間から滑り込んだ刃が喉元からまた現れる。ずしんと重くぶつかった衝撃は一瞬串刺しになったベルベットを刃から解き放ち宙へ飛ばす。
「来て! テルビューチェ!」
 呼べばどこでも現れるすごいヤツ、それがキャバリア「テルビューチェ」だ。空の彼方からジャングルへ、光の速さで飛んできた。潤は箒に乗って空へ飛ぶと、空中でテルビューチェにサッと搭乗した。
 それはクラーケンといい勝負をしただろうが、ベルベットが海に関する装備を奪い取る魔法を使うために呼び出せず、最後の最後までとっておいたのだ。
 そしてキャバリアを呼び出したからには――。
「えーいっ!!」
 ずざっと地面を転がり滑ってくるベルベット目掛けて右脚で渾身の踏みつけ攻撃。衝撃で周囲1メートルほどに円形の地割れが広がった。
 感触はほとんどなかった。それは竜巻が灯火を巻き込むがごとく圧倒的な力で。
 ベルベットは一欠片も残さずこの島から消え去ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月05日


挿絵イラスト