●閲兵式
戦乱と荒廃の嵐が吹き荒れるクロムキャバリアにあっても、局所的な平和と繁栄と言うものは存在する。たとえそれが蛍火のように儚い物であっても、あるいはそうであるが故に、人々はそれを愛し尊ぶのであろう。
陸上交易路の要衝に位置するイルジア大公国は、そのような繁栄を享受している国家である。
地政学的な重要さと、陸上交易によって生み出された富。そして、富を背景とした強力な国軍によって独立を保ち続けているこの国は、現大公の即位から10年にも渡り、平和の配当を享受し続けていた。
雲間から陽光が頼りなく降り注ぐ冬のとある日。柔らかな雪がまばらに降り積もる中で、現大公の即位10周年を記念する閲兵式が挙行されていた。
勇壮なドラムと管楽に背を押されながら、陽光を美しく反射するほどに磨き上げられたキャバリア達が丁寧に舗装された道を進む。
「ただいま大公殿下の御前を行進いたしますは、近衛鉄騎兵第三聯隊!指揮官はクーリエ・ベルトラム大佐であります!」
指揮官機を先頭に一糸乱れぬ動作で行進するキャバリアの隊列。兵士たちは愛機のコクピットを開き、器用に直立しながら大公と群衆に対して敬礼を送る。
精強を謳われる部隊の名が読み上げられる度、群衆は鉄の巨人たちを歓呼と熱狂をもって迎えた。
閲兵式に参加する兵士たちの表情は明るく、それを見物する群衆のそれもまた同様である。
慈悲深く公正な大公と、頼もしき軍人達。そして、陸上交易路からの富。眼前にある美しくも強大な隊列が如く、祖国の光栄と繁栄は続いていく。
今日も、明日も、あるいは永遠に。
この場にいる誰しもが、そのような幻想を共有していた。
――間延びした飛翔音と共に、数発の砲弾がキャバリアの隊列中央部で炸裂するまでは。
●クーデターは唐突に
「ごきげんよう、皆さま。早速ではありますが、状況を説明いたします」
グリモアベースの一角、飾り気のないガンルームに、柔らかくも冷たい声が響く。
声の主は、金髪の人形。その名をティー・アラベリア。
彼が短杖を振るうと、魔力によって編まれた三次元地図が投影される。地図には予知情報を基に生成された部隊配置が投影されていた。
「クロムキャバリアに存在する国家、イルジア大公国の首都にてクーデターが発生致しました。 首謀者は公国軍の高級将校にございます」
ここまで聞いてしまえば、多くの猟兵は話の続きを察するだろう。即ち、オブリビオンマシンによる精神汚染である。
曰く、クーデター部隊は既にプラントの占拠を終え、首都に存在する主要な施設を制圧せんとしているらしい。
「事件発生当時、首都では大規模な閲兵式が行われておりました。正常な各級部隊の指揮官は、それぞれに部隊を掌握し、市民を守って防戦を続けております」
三次元地図が拡大され、主要な交戦地点が映し出される。味方を示す青い光点は分断され、汚染部隊を示す赤い光点に包囲されようとしていた。放置すれば全滅は必定。兵士たちに守られた市民の命は語るべくもない。
「まず、皆様には市民の避難と各部隊の合流を支援いただきたく存じます。市街戦となりますので、市民の避難と、それを守る戦力は確保する必要がございます」
ティーの細い指が単杖を再び振るう。戦況図は消え、いくつかの兵器の映像が投影される。
「敵前衛として展開しているのは戦車と装甲車を主体とした機甲部隊です。それなりの装甲と火力を持ちますが、皆さまであれば対処は容易かと存じます」
一通りの説明を終えると、ティーは笑顔を顔に張り付けたまま、猟兵達に向き直る。
「件の国家は陸上交易路の結節点として機能しております。 即ち、地政学的要衝でございます。……そのような国の政情が不安定となれば、周辺国の緊張は高まる事でしょう」
ティーの口調はあくまで柔らかい。しかし、その声が指摘する事実はおぞましい物であった。
「かの世界をご存じである皆様ならば、その果てにある結末は容易に想像できましょう。どうか、この予知を葬るべく、ご協力いただければ幸いでございます」
グリモアの光に照らされながら、ティーは改めて猟兵達に頭を下げる。
「それでは、皆様のご武運をお祈りしております。どうかご無事で帰還なされますよう」
あーるぐれい
皆様、お初にお目りかかります。新人MSの あーるぐれい と申します。
初のシナリオではございますが、ご参加いただければ幸いです。
今回の目的は「首都で発生したクーデターの鎮圧」となります。
●第一章
市内で分断されている正常な部隊の合流支援と、市民の避難支援を行います。
避難民と味方部隊は市街のあちこちに分散しているため、様々な状況が発生しています。
敵戦力は猟兵に比べれば弱体であるため、思うさま登場し、蹴散らし、味方と市民を救いましょう。
●第二章
敵のキャバリア部隊との本格的な市街戦が展開されます。
遮蔽物の多い戦場を踏まえたプレイングにはプレイングボーナスが発生します。
また、第一章で救出した味方部隊がいれば、彼らも支援してくれるでしょう。
●第三章
敵指揮官機との戦闘となります。
プラントは首都近郊に存在するため、第二章ほどの遮蔽物はありません。
しかしながら、その分周りを気にしない大火力の発揮が可能となっております。
●プレイング受付期間
各章とも断章投下後即座にプレイング受付を開始いたします。
各章にプレイング受付締め切りを設ける場合は、MSページにてご連絡いたします。
また、プレイングの採用方針や記載方針等についても、同様にMSページをご確認いただければ幸いです。
第1章 冒険
『戦車部隊を壊滅させよ!』
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POW : 性能差で物量に対抗する
SPD : 技量で物量に対抗する
WIZ : 作戦で物量に対抗する
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●戦場にて
「第二中隊、中隊長機大破、脱出確認できず。オフマン中尉が指揮権を継承」
「第一中隊、損失7機。抵抗線の維持困難」
聯隊付きの通信小隊からもたらされる情報を聞きながら、クーリエ・ベルトラムは疲れ切った脳に思考を強制していた。
彼の愛機に数刻前までの面影はない。美しく陽光を跳ね返していた装甲は、今や塵とオイルによって都市迷彩のような有様となっている。
ベルトラムが率いる聯隊は、クーデター部隊の奇襲を受け3個中隊を残すのみとなっている。それでも、壊乱した他部隊の残余を収容しながら、国営スタジアムへと至る市民の避難路を防御し続けていた。
倒壊した建物を防壁とし、中隊間で有機的な火線を形成しながら粘り強く抗戦する様は、公国軍が適切な訓練と戦訓研究を行っている証左と言ってよい。
しかし、崩壊の足音は、刻一刻と近づいている。聯隊長であるベルトラムですら、指揮ではなく戦闘に多くの集中力を要さねばならぬほどに、状況は切迫していた。
ベルトラムは通信回線から聯隊最先任曹長を呼び出し、告げる。
「先任曹長、本部中隊から何機か抽出し第一中隊の支援に回れ」
「ハッ、聯隊長殿。しかし、本部の戦力が危険なほど低下しますが」
「構わない。一分一秒でも長く、市民の避難路を維持しろ。そのうち私も手伝いに行くさ」
通信画面に映る最先任曹長の顔が楽しげに歪む。
「近衛は死すとも降伏せず、というヤツですかな」
「そう、我々は近衛なのだ。そして、銃後には市民がいる。これ以上、死ぬ理由が必要かね」
力強い復唱と共に、回線が切断される。これで今しばらく防衛線を維持できる。我々は、義務を果たさなければならない。
戦闘開始から数時間。このようなやり取りが、首都のあちこちで繰り広げられていた。
義務に対する献身、死への恐怖、戦場の高揚、歪められた狂気。あらゆる感情の坩堝と化した都市に、猟兵達は降り立つのだった。
アイオライト・セプテンバー
※アドリブ歓迎
ロケーションは市街地、市民は避難中……あまり火器は使いたくないわね
味方部隊の合流ルート、および市民の避難ルートへの足止めを第一に念頭に置いて行動しましょう
自機キャバリア【ブルーテイル】は軽量、高機動型
小回りは効く
攻撃は【推力移動】と【操縦】技術を駆使して、市街を高速移動しつつ、装備されたキャバリアにビームダガー【スラッシュ】での格闘戦をメインにしましょう
敵が戦車部隊であれば、砲塔と履帯を破壊し、別の戦車を足止めするための置物になってもらうのが良さそうね
何よりも第一に市民の避難
次に味方部隊の駆け付けやすい状況の整備
可能な限り大勢の命を救う……それを忘れずに動きましょう
●狂気を祓う旋風
遠雷のような砲声と地響き。兵士たちの怒声と避難民たちの悲鳴。数刻前までは繁栄の象徴であったはずの都市は、一転して阿鼻叫喚の巷と化した。
破滅は、その足音を速めて自分たちに近づいている。堪えがたい絶望と焦燥感に背を押されながら、避難民たちは歩を進める。
「おかあさん、おかあさん」
一人の少女が、母親の外套の袖を引き天を指さす。砲火に晒され半壊した教会の直上。母親と娘、そしてそれにつられた避難民たちが見上げたその先から、閃光と共に一機のキャバリアが躍り出た。
「……ッ! なんとか間に合ったみたいね」
転移に成功したキャバリアのパイロット、アイオライト・セプテンバーはメインカメラに投影される避難民の姿に安堵の息を漏らす。
パイロットであるアイオライトと同様、美しくも凛々しい愛機「ブルーテイル」を駆り、素早く戦況を分析する。
「まずは、市民の避難ルートを確保しなくちゃね」
数秒の後、アイオライトは市民たちの退避ルートに向かって伸びる大通りが、現在の主戦場であることを特定する。機体に搭載された高出力ブースター「ファルコン」が生み出す巨大な推力を完璧に制御し、砲火の飛び交う戦場へと躍り出る。
「新世界学園所属、アイオライト・セプテンバー。これより貴隊を援護するわ!」
交易国家であるからこそ、他国の情報は多くもたらされる。新世界学園、アイオライト・セプテンバー、そして空を駆けるブルーテイル。断片的な情報が抗戦を続けていた部隊の中に伝播し、戸惑いと歓喜をもって迎えられた。
「市街と避難民、火器の類は控えたほうがよさそうね」
複数の敵戦車から撃ち出される砲弾を、ブルーテイルは危なげなく回避していく。機体各所に設けられたアポジモーターによって鋭利かつ複雑な戦闘機動を描くブルーテイルにとって、旋回の遅い戦車砲などは脅威にもならない。
常人には模倣不可能な機体制御を行いながら、アイオライトは戦車隊への距離を詰める。腰部からプラズマエネルギーブレードを抜刀し、鮮やかな手並みで戦車の堅牢な履帯と砲身を両断していく。
「03、履帯及び砲身大破! 戦闘続行不能!」
「05より01へ! 敵機が補足できない!このままでは……うわっ!」
「01より各車へ。敵は単騎だ、散開し統制射撃によってこれを排除する」
ブルーテイルの超常的な機動力に翻弄されながらも、戦車隊は秩序をもって対処を試みる。しかし、狂気に侵されながらも冷徹に機能する公国軍の戦術をもってしても、アイオライトの技能とブルーテイルの機動力を留めることは叶わない。
「さぁ、ついてこられる?」
特別な動力機関、特別な機体、特別なパイロット。その全てが有機的に結合した高速機動。重力の軛を感じさせない軽やかな挙動と速度をもって、並み居る戦車たちを次々と鉄塊へと変換していく。
小半刻も経たずして、完全充足状態であった機構聯隊は細切れの鉄片へと姿を変えていた。愛機のコクピットの中でアイオライトは一つ息を吐くと、新たな戦場に向けて愛機を飛翔させる。
すべては、可能な限りの命を救うために。
大成功
🔵🔵🔵
才堂・紅葉
「酷い戦場ね……まぁ、稼ぎ時ではあるか」
高所から戦場を見下ろし【情報収集、偵察】
指を鳴らし「迦楼羅王」を喚ぶ
まずは劣勢な味方部隊に一息つかせねばならない
「ギアを上げるわよ、迦楼羅王」
出力の【封印を解く】事で焔の熱を帯びる
排熱機構を兼ねたマフラーが紅蓮となって翻る
非常に目立つがそれが狙いだ。戦場の注意を惹きつけたい【存在感、パフォーマンス】
戦車を足場に踏み砕くように【早業】で疾駆し、巻き起こる【衝撃波】で【吹き飛ばし】をかけ、【戦闘知識】を活かして敵を分断し返したい
「狙い目はそこね!!」
敵の密な場所を見切って紋章を光らせ、マフラ―を触媒に呼んだ神鳥で押し流しを図ろう
今回の仕事はまずは戦場整理だ
●紅蓮の神鳥
「酷い戦場ね……まぁ、稼ぎ時ではあるか」
砲声が轟く戦場にあって、ビルの屋上から冷静に戦況を見据える一人の猟兵。その名を才堂・紅葉。
市民を守りながら後退する部隊は、クーデター部隊によって確実に包囲されつつあった。敵の部隊規模は、おおよそ一個聯隊。対する味方は大隊にも満たない。いかにキャバリアが市街戦に適しているとはいえ、全滅は時間の問題であるように思えた。
戦場の分析を終えた紅葉は、その手に紋章を輝かせながら指を鳴らす。力強い響きに応えるようにして現れたるは一機のキャバリア。紅葉の愛機たる「迦楼羅王」である。
愛機に乗り込んだ紅葉は、すぐさま屋上より跳躍する。落下地点は今まさに味方を包囲せんとする部隊の正面である。
衝撃と轟音。力強く着地した迦楼羅王は、戦闘出力まで引き上げられた主機関の熱を逃がすため、排熱機構を兼ねたマフラーを展開する。
それは、鉛色の色彩に支配された世界を引き裂く紅蓮の赤。マフラーから放出される熱は冬の大気を溶かし、紅葉と迦楼羅王の闘気が如く、陽炎と化して周囲の空間を歪ませる。
しかし、如何に尋常ならざる存在感を放ったとしても、迦楼羅王は単騎である。戦術的観点において、戦場における影響力は風前の塵に等しい。心理的な衝撃をそのような常識によって覆い隠した戦車兵たちは、新たな挑戦者に向けトリガーを絞る。
紅葉は冷静に戦車の砲身の動きを見切り初弾を回避すると、迦楼羅王を操り先頭車両に肉薄。その手に握られた三節棍を繰り出す。
迦楼羅王が操る三節棍が、唸りを上げて車体前部に迫る。鋼板とセラミックを幾重にも張り合わせた戦車の複合装甲、まして、最も強力な防御力を誇る前部装甲に、である。如何にキャバリアが放つ攻撃とはいえ、純粋な運動エネルギーのみでは戦車にとって有効打たりえない。
しかし、紅葉が操る迦楼羅王の出力は、その様な常識を超越した。轟音と共に叩きつけられた三節棍は、戦車の前部装甲を紙細工が如く拉げさせる。そのあり余る衝撃は、戦車の下にある地面を陥没させるほどである。
不遜にも迦楼羅王に挑みかかった戦車が、兵器ではなく鉄屑と化したことは言うまでもない。
あまりにも超常的な光景に、戦場の時が止まる。敵であれ味方であれ、眼前の光景に等しく驚愕したのである。デモンストレーションとしてこれ以上のものはなかった。
愛機のコクピットの中で、紅葉は不敵な笑みを漏らす。
「さぁ、余興はここまで。 ギアを上げるわよ、迦楼羅王」
僚車を破壊された怒りと、まったく妥当な戦術的判断によって、敵の砲火が迦楼羅王の周囲に集中する。紅葉は迦楼羅王を跳躍させ軽々と攻撃を回避すると、敵戦車を飛び石にするように踏みつけ、前進を開始する。
圧倒的出力によって、時に力強く、時にしなやかに機動する迦楼羅王。足場にされる哀れな戦車たちは、機動の余波によって発生した衝撃によって塵の如く吹き飛ばされる。
敵部隊を的確に引き裂きながら、紅葉が到達するは機甲聯隊本部。指揮系統が集中する脳であり、心臓部である。
「狙い目は――そこね!!」
力強く跳躍する迦楼羅王。曇天を背に輝くは、羽ばたく神鳥を彷彿とさせる深紅のマフラー。
「吹き飛ばしなさい、迦楼羅王!!」
紋章を輝かせ命じる紅葉の言に、愛機たる迦楼羅王は忠実に応えた。紅蓮の神鳥と化した迦楼羅王は猛烈な速度とエネルギーを伴って突入し、周囲に存在する何もかもを吹き飛ばす。
かくして、一個機甲聯隊が完全に壊乱し、周囲の戦域を担当していた敵部隊は大幅な後退を余儀なくされる。
紅葉と迦楼羅王が生み出した貴重な時間によって、味方部隊は戦力を再編し市民を伴って包囲網を突破することに成功する。
高貴にして歴戦の傭兵たる彼女は、間違いなく多くの命を救ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
小和泉・佳奈恵
【遊撃警備隊】
此方はSec-UNIT31、イルジア正規軍の支援に入る。
市街戦はセンチネルの本領、相手が戦車なら気後れする相手でもなか。
多喜さんのバイクと並走して市街地で孤立した友軍を救援して回るよ。
匍匐跳躍の推力移動とアンカーワイヤーを併用で三次元機動を徹底、都市部の地形を利用して敵戦車をトップアタックで無力化していく。
キャバリアもどきとはいえ、戦車に負ける機体じゃなかけん。
最悪友軍機や多喜さんの盾になって庇うつもりで距離を維持して戦おう。
近衛の戦いは見事やね。誇りと矜持がある。
生まれた国も世界も違うけど、そういう人は嫌いじゃない。
なら、此処で死ぬのはよそ者の役目だ。
数宮・多喜
【遊撃警備隊】
チッ、先手を打たれた後かよ……!
それなら仕方ねぇ、全力で戦線を立て直す!
小和泉さん、避難誘導はひとまず頼んだよ!
乱戦の中でカブに『騎乗』し、
小和泉さんのセンチネルに並走して駆け抜ける。
図体の小ささを活かして『操縦』テクを駆使しながら、
【超感覚探知】のテレパスで中隊の機体に通信網をつなぐよ!
この思念を繋いだ皆へ伝えたい事がある。
死なせや、しねぇよ。
アンタ達が生きて耐え抜いてこそ、市民の平穏があるんだろうがよ。
通信網はアタシが受け持った。
死兵になれ、とまでは言わねぇけどよ。
アタシの『情報収集』から戦況を逐次更新する、
アンタらはそれを使って戦えばいい。
この『鼓舞』が、アタシの戦い方さ!
●警備部隊躍進ス
戦闘開始から数刻。ベルトラムが指揮する近衛鉄騎兵第三聯隊が直面する状況は、悪化の一途を辿っている。
時間を経るごとに増大する敵の圧力は、ベルトラムに当初の抵抗線の放棄を決断させ、最終防衛線への後退を強要したのだ。
この抵抗線を突破されれば、もはや避難民たちを護る盾は失われる。近衛鉄騎兵達は建物という建物を拠り所にして戦闘を継続したが、限界は近づいていた。
延々に続くとすら思える敵の攻撃、減っていく仲間。兵士たちの心に鉛のような絶望が満ちていく。もはやこれまでと誰しもが思いかけたその時、兵士たちの心に奇妙な感覚が生じる。何者かと繋がるような感覚、直感的にそのような連想を抱いた刹那、兵士たちの心中に一人の女性の声が響く。
「この思念を繋いだ皆へ、伝えたい事がある」
未だかつて経験したことの無い感覚に兵士たちは戸惑うも、不思議と拒絶する者はいない。自らの心に朗々と響く声が、絶望に凍えた心を溶かしていく。
「死なせや、しねぇよ。 アンタ達が生きて耐え抜いてこそ、市民の平穏があるんだろうがよ」
そうだ、まだ倒れるわけにはいかない。心に響く声に、兵士たちの間から誰ともなく同意の声が上がる。
心中から聞こえる鼓舞に勇気づけられ、顔を上げる兵士たちの眼前に、眩い閃光が走る。光を裂いて飛び出したるは一台の小型バイクと、カーキ色に塗装された機動兵器。
「そうだ! 顔を上げて前を向きな! あんたらは、まだ死ぬには早い!」
小型バイクに搭乗する数宮・多喜が、立ち直った兵士たちに向かって発破をかける。激しい交戦の結果として大量に散らばった瓦礫を器用に避けながら、敵前面を突っ切るようにバイクを走らせる。
「此方はSec-UNIT31、イルジア正規軍の支援に入る」
多喜のバイクを護るように並走する機体は、小和泉・佳奈恵が操る「Type-01J センチネル」である。カーキ色に塗装された機体にエンブレムを輝かせ、多眼型の頭部から取得された情報を油断なく分析する。
(近衛の戦いは見事やね。誇りと矜持がある)
不利な状況にあっても、義務に対する献身を果たし続ける近衛部隊に対し、佳奈恵は少なからず好感を覚える。だが、敵もまた公国軍。オブリビオンマシンによる精神汚染があるとはいえ、公国軍相撃という構図は覆しようもない事実である。
(――なら、此処で死ぬのはよそ者の役目だ)
ひそかな決意を胸に、佳奈恵は愛機の操縦桿を握る手に力を込める。
「まずは前線を立て直す! 小和泉さん、悪いけど露払いは任せたよ!」
「よかよ。市街戦なら、センチネルの本領じゃけん」
佳奈恵は、進路を妨害するように立ちはだかる歩兵戦闘車の姿を認めると、センチネルのタクティカルウインチを上方に射出し急速上昇を図る。強烈な重力を感じながら高度を得ると、再度ウインチを射出し、その反動によって機体を180度反転させる。ウインチを巧みに操り、見事にトップアタックの射線を確保した佳奈恵は、20mm多砲身回転式機関砲のトリガーを絞る。特徴的な駆動音と共に猛烈な速度で撃ち出された20mm砲弾は、装甲車の上部装甲を見事に食い破り爆散させた。
「いつもながら見事なもんだね」
「戦車や装甲車に負ける機体じゃなかけん」
愛機への信頼を込めて答える佳奈恵の言葉に、自信はあれど油断はない。
佳奈恵は多喜の進路を護るように精密な操縦によって匍匐跳躍を実施する。連続した跳躍によって、戦闘ヘリの匍匐飛行にも似た機動を実現する戦闘機動は、市街戦において最適とも呼べるものである。しかし、その難易度は極めて高く、精密な技量と高度な集中力を必要とする。佳奈恵とセンチネルだからこそ実現できる戦闘機動であった。
高速で後ろに流れる景色を流し見ながら、防衛線に向けて前進する戦車小隊を捕捉した佳奈恵は、再びウインチを射出し、機体を戦車直上に遷移させる。横と縦の猛烈な重力に晒されながらも、冷静に武装を選択する。
「戦車相手に20mmじゃ威力が足りんね。なら、これや」
佳奈恵がトリガーを引き絞ると、機体背部に搭載された発射装置から短射程の多用途誘導弾が射出される。如何に主力戦車と言えど、上面装甲は比較的薄い。的確に弱点を突いた誘導弾は、狙い通り上面装甲を貫き、複数の戦車を大破せしめた。
「よっしゃ、あたしも自分の仕事をしようかね」
佳奈恵の活躍に笑みをこぼしながら、多喜もまた自身の能力に注力する。センチネルの視界、近衛兵たちの視界、そして自身の視界をテレパシーリンクによって統合し、聯隊司令部に向けて共有を試みる。
「聯隊殿、こ、これは……いったい」
「落ち着け、情報参謀。いつものように仕事をこなせばいい」
未経験の経験に悲鳴を上げる情報参謀を宥めながらも、ベルトラム自身もまた多喜がもたらした情報量に戦慄していた。
(この情報があれば、もしかしたら、もしかしたならば――)
自身の頭の中で、敵味方の動きがリアルタイムに更新されていく。殲禍炎剣によって限定的な索敵手段しか持ちえないクロムキャバリアの世界にあって、多喜のテレパスからもたらされる情報は神の目を得るに等しい。
ベルトラム率いる近衛鉄騎兵第三聯隊は、多喜からもたらされる情報を基に、部隊を再編し、敵部隊の攻撃を先んじて防ぎ、ある時は逆撃を加え敵を分断する事さえ可能となった。
市街戦によるキャバリアとテレパシーリンクの組み合わせは、それほどまでの有利を味方部隊にもたらしたのである。
佳奈恵の駆るセンチネルの空中突撃機動と、多喜のテレパスからもたらされる情報。この二つの支援は、壊滅の淵に踏みとどまっていた近衛鉄騎兵第三聯隊に対して、万軍の来援に勝る支援を与える事になった。
この後一刻程の戦闘の後、近衛鉄騎兵第三聯隊と二人の猟兵は、敵の重包囲を見事突破することに成功したのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
己の妖精ロボ達を戦場に放ち●情報収集
自身はロシナンテⅣ搭乗
合流を支援させて頂きます
騎士として先鋒はお任せください
把握した●地形の利用で守備隊と素早く合流
●盾受けで●かばい被害抑えつつ小刻みな●推力移動による射線絞らせぬステップ移動を●操縦で実現
戦車に接近
剣盾で破壊し制圧実行
同時並行で●瞬間思考力による戦機ならではのマルチタスク
別所で妖精が捕捉した避難民を避難所まで案内
※●操縦し一礼させた妖精のスピーカーで
お怪我はございませんか?
この先は危険ですので迂回路をご案内します
無力化した戦車から妖精ロボ用い通信網●ハッキング破壊工作
後は分断した敵を速やかに制圧しましょう
流れる血を一滴でも少なくする為に
●騎士の本懐
既に廃屋と化したとある住居。生活の後が生々しく残るリビングであった空間に、一人の少女が座り込んでいる。
外套は破け、体は疲れ切っている。味方はすでに遠く、彼女を助けるものは何もない。
弾着の地響き、付近を通過する砲弾の飛来音を感じるたび、少女は膝に顔をうずめ、死への恐怖を紛らわせるように自らの髪をかきむしる。いっそ、狂気の虜となった方が、彼女にとっては幸せであったかもしれない。
このような悲惨な光景は、公国軍が相撃つ戦場となったこの都市で、数刻前から数限りなく出現した光景であった。
希望は、無いように思われた。
あと一刻もせぬうちに、確率論の導きに従った砲弾が少女の頭上に飛来し、この苦痛に満ちた時を終わらせるであろう。それは彼女にとっては恐怖からの解放ではったが、まぎれもない悲劇でもある。
故に、その結末は否定される。ほかの誰でもない、紛い物という自覚故に、誰よりも騎士らしくあらんとする、一機の機械によって。
「お嬢さん、お怪我はございませんか?」
柔らかな燐光が、疲れ切った少女の身体を照らす。優しげな声に顔を上げると、そこには絵物語の住人を思わせる妖精が羽ばたいている。
唐突に発生した超現実的な光景に、少女は呆然と妖精を見やる。しかしそれは、彼女が久方ぶりに見せた恐怖以外の表情であった。
「ここは危険です。さぁ、どうか手を。安全な場所まで、ご案内しましょう」
言われるがまま、少女は妖精の手を取り立ち上がる。その表情には微かではあるが希望の色があった。
妖精から聞こえる優しげな声は、少女の心を冥界の狭間から救い上げたのだ。
少女を救い出した声の主であるトリテレイア・ゼロナインは、激戦の只中にあった。
味方の前面に立ち敵の攻撃を防ぎながら、なおかつ自身の僕たる妖精を操り多くの孤立した避難民を救う。
邪悪にして偉大であった銀河帝国の技術はトリテレイアに瞬間思考能力を与え、かくのごとく複雑な並列作業を実現させている。
技術とは思想を持たぬ物。トリテレイアの存在は、その何よりの証明であると言えた。
「避難民の誘導は成りました。後は、切り開くのみ」
トリテレイアは愛機たる「ロシナンテⅣ」を操り剣と盾を掲げる。トリテレイアの決意を体現するかの如きその構えは、清廉な闘気となって敵味方双方を圧する。
「ロシナンテⅣ ――参ります!」
戦闘出力となった機関から生み出される力強い推力は、ロシナンテⅣを部分的に重力の軛から解き放ち、地面を滑るような戦闘機動を実現させた。
味方に迫る敵戦車に対し、ロシナンテⅣは正面から立ちはだかる。
気圧される様に放たれた敵戦車の徹甲弾を、トリテレイアは巧妙に機体の推力バランスを操作することによって回避する。味方に向かう砲弾があれば、その超常的な瞬発的思考力をもって弾道を計算し、最適な角度をもって敵弾を受け流す。
敵戦車部隊の斉射をいなしたトリテレイアは、推力移動によって得た運動エネルギーを盾に乗せ、轟音と共に敵戦車前部装甲を貫く。トリテレイアすぐさま貫いた盾を引き抜き、機体を反転。返す刀で敵戦車の砲塔を切り裂き、残身をもって構えた盾が敵の第二斉射を受け流す。
無力化した敵車両に妖精を侵入させ、同時並行で敵の指揮系統を侵食しながらトリテレイアが駆るロシナンテⅣは前進する。
味方を護り、鼓舞し、切っ先となって駆ける。すべての武人がかくありたいと憧れる騎士の象徴が、まぎれもなくこの場所に存在していた。
大成功
🔵🔵🔵
ホワイト・キャスター
【アドリブ、絡みOK】
さてさて、クーデターとは何とも笑えん状況な訳だが…先ずは頼まれた仕事を片付けねぇとな
市街地で戦車が相手ってんならキャバリア出すよりもバイクで突っ走った方が速いか
ただのバイクと侮るなよ兵器盛り盛りの魔改造バイクさ
危険上等、フルスロットルで駆けつけて戦車の脚に向けて弾丸をぶちこみ
動けなくなって投降するならヨシ
しないのなら砲塔にミサイル打ち込んでやろう
市民誘導は……苦手なんで軍人さま達に任せながらアタシは逃げ遅れた奴を探して連れていこうかね
●鋼鉄の驃騎兵
既にクーデター部隊が制圧した戦域。避難民の救助など絶望的となった戦域に、戦車とも装甲車とも違う、力強いエンジン音が響く。
疎らに降る雪と塵を引き裂きながら、戦場を駆けるは一台のオフロードバイク。ホワイト・キャスターが操る「ウィーン」である。
「さてさて、クーデターとは何とも笑えん状況だが……先ずは頼まれた仕事を片付けねぇとな」
味方などいない敵陣の奥深く。だが、そうであるからこそ、逃げ遅れた避難民は存在する。目立たず、しかし迅速に、逃げ遅れた者たちを救助せねばならない。キャスターがキャバリアではなく、あえてウィーンを選んだのはその様な理由であった。
オフロードバイクならではの小回りを生かし、時に細い路地を通り、時に瓦礫を乗り越え、敵を迂回しつつ避難民の救助に当たっていたキャスターであったが、敵もまた玄人であった。制圧した領域に敵が浸透している形跡を察知すると、前線から一部の部隊を抽出し、後方各所に展開させたのだ。
「……あれは、流石に仕事の邪魔だな」
キャスターの眼前には展開を終えたらしい戦車の小隊が、小賢しい敵を葬るべく待ち構えている。排除せねば無駄な時間を使うと判断した彼女は、躊躇なくバイクに搭載された武装の安全装置を解除する。
「さぁ、危険上等だ。ただのバイクと侮るなよ」
ヘルメットの中で不敵に微笑むと、潜んでいた路地から戦車隊が待ち受ける路地へと待ち受ける阻止線へと躍り出る。
自分達を散々悩ませていた敵が、一台のバイクであったことに愕然としつつも、戦車兵たちは小癪な敵を叩き潰すべくトリガーを絞る。次の瞬間には、戦車に搭載された機関砲が、哀れな挑戦者を引き裂くかに見えた。
しかし、その予想は覆された。キャスターが操るウィーンは、機関砲手の想像を凌駕する速度をもって加速し、即席の制圧線をいとも簡単に突破する。
敵の機先を制したキャスターは、ハンドルに備え付けれらたトリガーを絞る。ユーベルコードによって強化された機銃弾は戦車の履帯を紙のように引き裂き機動力を奪う。しかし、それでもなお敵の戦意は衰えない。
「生真面目なやつらだね!」
戦車の砲塔がこちらに向きつつあることを察知したキャスターは、バイクに搭載されたミサイル発射装置の引き金を引く。車体前面に搭載された発射装置から飛び出した2発のミサイルは、過たず戦車砲塔に命中し、敵部隊の前衛を沈黙させる。
「01から各車! 主砲、弾種榴弾、統制射。――撃てッ!」
眼前の敵は、機関砲や各個射撃でどうにかできるものではない。冷静に状況を判断した隊長車が、部隊各車に榴弾による面制圧を命じる。その判断はまったく妥当なものであったが、キャスターの機動はその意図を挫いた。
キャスターはあらかじめ見繕っていた瓦礫に向けてウィーンを突進させると、瓦礫をジャンプ台替わりに大きく跳躍したのだ。
爆轟と衝撃波。地面に向けて放たれた榴弾の爆風を利用して空中での加速を得たキャスターは、残ったミサイルを敵戦車の上部装甲に向けて撃ち放した。
かくのごとくして、キャスターの進路を阻まんとした戦車隊は壊滅した。
彼女は後ろを振り返りもせず、次なる要救助者が潜む場所に向けて、ウィーンを加速させるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
バーン・マーディ
……破壊か
この戦場の狂気・憤怒・高揚
マーズよ
貴様もまた呑まれるか?(しかし否という機神の意志を感じた
…我はバーン・マーディ
ヴィラン…悪である
故に…善良なる者共の救出は他の猟兵共とこの国の者共に任せる
我らが下すは
暴力に対する…叛逆である
事前
【戦闘知識】
戦車隊で使われてる戦車の種類と
動力系
何処を切り裂けば爆発せず無力化できるかの確認
更に戦車の陣形と近衛の位置も把握
UC起動
【オーラ防御】展開
マーズを駆り突撃
【切り込み・鎧無視攻撃】による戦車の武装と動力を爆発させずに切り裂き
また搭乗位置も把握
鬼神の如く暴れながら不殺は徹底
我はこの国の事情に興味はない
だが…奴らを率いる輩には少しばかり興味があるからな
●機神躍動
首都中央に位置するクランベラ国立公園は、イルジア大公国の繁栄の象徴ともいえる美しい公園であった。しかし、クーデター発生から数刻たった現在、かつての面影は跡形もなく喪失している。
現在のクランベラ国立公園は、首都を巡る公国軍とクーデター部隊の最激戦区となっていた。国立公園に展開する公国軍陣地の後方には、イルジア大公国の心臓部たる宮殿と議事堂、そして、頭脳たる官庁街が存在する。
即ち、クランベラ国立公園陣地の喪失は、それが例え一時的なものであるにせよ、クーデターの成功を意味するのだ。
国内の政情のみならず、国外への影響もまた計り知れない。公国軍とクーデター部隊、その双方が、決死の覚悟をもってこの戦域に人血と鉄量を投入していた。
力、意志、そして狂気。戦場に発生するありとあらゆる感情がぶつかり合い、混融する煉獄と化したこの地に、一筋の紅い雷が轟音と共に奔る。
戦車の装甲すら震わせる雷鳴と閃光に、あらゆる人間が首をすくめ、兵器を握る手を緩めた。
――戦場に、つかの間の静寂が訪れる。
雷が落ちたのは敵味方の陣地を挟んだ丁度中央地点である。我に返った兵士たちがその場を見やると、果たしてそこには一体の機神があった。
正確に表現するならば、現れたのは一機のスーパーロボットである。しかし、その機体が纏う尋常ならざる闘気と威容は、機神という表現を兵士たちの意識に強要した。
「……破壊か」
天より飛来した破城神機。そのコクピットの中で、主たるバーン・マーディは呟く。
「この戦場の狂気・憤怒・高揚。マーズよ、貴様もまた呑まれるか?」
バーンは戦場に流れる空気と意志に思いを馳せ、自身の僕たる神機に問いかける。
バーンの問いかけに応えるが如く、周囲の大気が鳴動する。それは紛れもなく、自らの存在によってこの戦場を支配せんとする機神の意思表示であった。
機神の意志を確認したバーンは鷹揚に頷く。そして、戦場全ての人間に向かい宣言する。
「……我はバーン・マーディ。ヴィラン……悪である」
悪ある機神は、クーデター部隊の陣地に一歩、また一歩と歩を進める。その歩みは堂々たるもの。機神の周囲には紅く禍々しいオーラが、バーンの闘気が如く揺らめいている。
「我らが下すは、暴力に対する ――叛逆である」
バーンの宣言を明確な宣戦布告として受け取ったクーデター部隊から、数多の砲火がマーズに対して向けられる。
突出した1機に対する集中射。それは戦術的判断にしてはあまりにも過剰な火力であった。通常の機体であれば、それが例えスーパーロボットであっても、破片すら残さずに消滅する。それ程の過剰火力である。
しかし、そのような凡百の常識は、バーンとマーズの前にあっては無力であった。爆轟と粉塵が晴れたのち、戦車兵たちの眼前には傷一つ…否、塵一つの汚れすらない破城神機の姿があった。
重キャバリアの装甲すら貫く徹甲弾をもってしても、バーンが放つ不屈の意志と闘気を貫くこと能わず。マーズの周囲を覆う紅きオーラが、数十発にも及ぶ砲弾を全て弾き返したのだ。
「――いざ、参る」
狂乱の嵐となって自らに向けられる砲火を物ともせず、バーンはマーズを飛翔させる。
戦闘出力のマーズに対して障害足りえるものは、この戦場に存在しない。戦車の複合装甲をもってしても、マーズが振るう軍神の剣の前には紙細工に等しい。
高速で機動しながら、バーンは戦車や装甲車の砲身と駆動系を的確に貫いていく。その精密な技量は筆舌にし難いほど洗練されていた。
紅い暴風と化した機神が通り過ぎた後には、鉄屑となった兵器と、呆然自失とした兵士たちのみが残る。
兵士たちの表情には、もはや戦意も狂気も存在しない。バーンという圧倒的な存在が、兵士たちの士気ごとオブリビオンマシンによる狂気を粉砕したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
槐・白羅
(予知にも捕捉されず飛来する暗闇の如く黒いオブビリオンマシン
はーはっはっはぁっ!
そーかモルス…モルスといったなお前
此処にプラントがあるっていうんだな?
(機体に声をかけてるも正気喪失?
いいだろう!
此処に群がった連中を須らく殲滅し!
プラントをわが物として!
此処にこの俺が国を打ち立てる!(【殺気】をばら撒く)
あの戦車共が邪魔だな
(己の心に響く殺せ…死の眠りを与えよという声の赴くまま戦車に襲い掛かり
【貫通攻撃】による手刀で戦車を壊す…が
…ん?(寸前でコックピット部分だけは外し不殺徹底
…???
此方に対する攻撃は【受け流し】で弾き
市民達が銃撃に晒されそうな状況で
UC起動
市民を庇う動き
…うんー??
●闖入者
公国軍とクーデター部隊が相撃つ戦場に、一機のキャバリアが飛来する。それは、闖入者としてはあまりにも危険な機体であった。
冥導神機「モルス」と呼ばれるその機体は、オブリビオンマシンである。モルスのコクピットにあって、搭乗者たる槐・白羅は狂気を伴った高笑いを上げる。
「はーはっはっはぁっ! そーかモルス…モルスといったなお前。此処にプラントがあるっていうんだな?」
己が国を作るという少年の夢は、オブリビオンマシンの狂気により増幅され、暴走する。ただプラントを求め飛翔する機体からは、奔放な殺意があふれ出し、周囲のあらゆる人間を圧している。
「いいだろう! 此処に群がった連中を須らく殲滅し! プラントをわが物として!
此処にこの俺が国を打ち立てる!」
果たして、搭乗者たる白羅の言葉は狂気に満ちていた。彼は空中でくるりと機体を回転させると、障害となりそうな目標に目星を付ける。
「そうだ、モルス。あの戦車共だ。あの戦車共が、邪魔だ」
然り、然りとモルスは答える。その欲望のまま、死の眠りを与えよと、搭乗者たる白羅を唆す。
白羅は凶暴な笑みを漏らすと機体を急降下させ、その運動エネルギーをもって戦車の前部装甲に手刀を突き刺す。
神機の手刀は戦車の刃を易々と突き破り、その駆動系を破壊する。哀れな戦車兵たちの命運は、ここで尽きたかのように思われた。
しかし、いかなることか、狂気に侵されているはずの白羅は、無力化した戦車にそれ以上の攻撃を加えることはなかった。突き刺さった腕部を抜き放つと、後方の敵戦車から放たれた砲弾を手刀によって両断する。
衝撃と爆発。その振動をコクピットで受けながら、白羅は自らの行動に対して呆然と自問する。しかし、答えは出ない。
自らに向けられた殺意に応えるように、白羅は機体を躍動させ、敵戦車を無力化し続ける。ある時は砲身の動きを見切り、またある時は跳躍し、そしてまたある時はビルの瓦礫を盾にしながら、ただ淡々と挑戦者たちを無力化していく。その様は、まさに冥導するが如く。静かに、しかし確実に、戦車という兵器に死を与え続けていった。
しかし、これほど一方的な戦闘にあって、兵士たちに死者はない。モルスからの狂気に当てられながらも、白羅は攻撃を駆動系のみに集中させ、それ以上の攻撃を行わなかった。
それが、白羅の良心と正気を示すものであるかは定かではない。しかし、事実は事実である。
白羅はモルスを操り戦場を駆ける。その真意が那辺にあるか、それは誰にもわからない。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『ファイアディザスター』
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POW : ガトリングストーム
【両腕のガトリングガンの連射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : ハウリングショット
レベル分の1秒で【両腕のガトリングガン】を発射できる。
WIZ : ガトリング・フィアー
【轟音を伴うガトリングガンの掃射】を披露した指定の全対象に【動けない程の恐怖の】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「第五鉄騎兵師団、第三〇二機械化擲弾兵師団、第五独立重機甲旅団……以上が、現在首都に展開する反乱部隊の全容だ」
激戦の末確保されたクランベラ国立公園内に設置された臨時司令部。その主たる近衛総軍司令官アルフ・イルジアは、細巻きを吹かしながら告げる。その所作は平時の優雅さを些かも損ねていない。
彼にとって、それは当然の事であり、義務でもあった。有事にあって、総軍司令の一挙一動は、あらゆる人間から注目される。
「第二諸兵科連合軍のほぼ半数ですな」
自身の対面に直立する部下、クーリエ・ベルトラムの言に、アルフは頷く。
「左様。反乱部隊指揮官は第二軍司令官だ。些か武断的な男ではあったが、このような妄動に奔る男ではない」
「他国に見られる、精神汚染機による錯乱だと?」
ベルトラムの探るような問いに、アルフは首を横に振る。
「クーデターの原因について、私は個人的な見解を表明できる立場にない」
にべもなく回答をはぐらかすと、アルフは細巻きを灰皿に押し付ける。
原因がどのようなものであれ、彼は今この時発生している現実に向き合わねばならぬ事を理解していた。それが例え、友人たる第二軍司令官を殺める命令を下すことであったとしても。
「原因を究明するにせよ、我々はまず、目の前の火の粉を払わねばならない。故に大佐、私は貴官に命ずる」
自身の上官が実際的な思考を失っていないことに感謝しつつ、ベルトラムは踵を打ち付け姿勢を正す。
「近衛鉄騎兵第三聯隊は、補充及び再編が完了し次第、市街東部に進出。友軍と協同し市街の敵を撃滅し、プラントへの侵攻路を確保せよ。なお、所属不明勢力はこれを友軍と認め、最大限の支援を与えるよう特に命ず。質問はあるか」
「市街への被害については」
「所属不明の勢力に感謝すべきだろう。既に住民の避難は完了している。必要とあらば被害は考慮せずともよい。箱などまた作り直せばよいと、大公殿下は仰せだ」
「……まさに、大御心ですな」
近衛総軍司令官であると同時に、大公の弟たるアルフは頷く。姉である大公の言に対して、彼自身もまた同様の意見を抱いていた。
「気前の良さが、我が大公家の伝統だ。気前の良さついでに、軍直轄砲兵による支援に付けてやる。好きに使え」
ベルトラムは新しい玩具を得た子供の様に笑みを浮かべると、教本通りの敬礼を気前のいい上官に贈る。
「誓って、市民と大公家の敵を撃滅いたします」
「よろしい、大佐。近衛としての義務を果たせ」
必要の奴隷たる二人の軍人に、これ以上の会話は必要なかった。
猟兵達の活躍によって、第一の悲劇は未然に回避された。
クーデターの元凶を排除するため、猟兵達は未だ砲声止まぬ市街に再び足を踏み入れるのだった。
アイオライト・セプテンバー
※アドリブ歓迎
敵機は『ファイアディザスター』型か……
どうやら射撃能力に長けるタイプのようね
こういう機体が相手であれば、いかにロックオンを振り切るかが問題だけど……
敵機とは建物を挟むようにして射線から逃れつつ、物陰から飛び出した瞬間に
敵の攻撃の隙を【見切り】つつ、自キャバリア【ブルーテイル】の装備したライフル【ウッドペッカー】で射撃
早打ち勝負ってやつね
ユーベルコード【フラッシュ・トリガー】を使って、敵がガトリングを構えるより速く、銃撃を叩き込む……これで戦っていきましょう
味方部隊が敵の注意を散らしてくれるなら、より高速射撃による奇襲はより成功率を上げそうね
考慮していきましょう
本格的に雪が降り積もりだした増した市街に、複数の轟音が響き渡る。
冷え切った大気を裂くように低空を飛行するは、アイオライト・セプテンバーの駆るブルーテイルである。
「敵機はファイアディザスター型……どうやら射撃能力に長けるタイプのようね」
周囲で展開されている友軍と敵部隊の交戦を観察し、アイオライトは戦闘方針を模索する。周辺には一個大隊規模のキャバリアが展開している。大口径のガトリング砲を装備する複数の相手に、正面から撃ちあっては分が悪い。
焦点は、どのように敵のロックオンから逃れるかであった。遮蔽物となる周囲の建造物を見繕い、機動パターンを構築したアイオライトは友軍部隊との回線を開く。
「こちら、ブルーテイル。前方に展開する敵部隊を叩くわ。可能であれば援護を要請するわ」
「ブルーテイル、こちらは三〇一鉄騎兵大隊だ。アンタには借りがある。背中は俺たちに任せて、手荒くやってくれ」
アイオライトは軽く眉を上げ、微笑む。彼とブルーテイルの後方には、先ほどの戦闘でアイオライトに救われた兵士たちが、借りを返さんと気勢を上げているのだ。
「ブルーテイル、了解。頼りにしてるわ!」
アイオライトの容姿と声から部分的な誤解を抱いている兵士たちの歓声を背に受け、ブルーテイルはビルとビルの合間を器用に飛翔しながら、敵部隊側面に遷移する。
アイオライトは対キャバリア用突撃銃「ウッドペッカー」の安全装置を解除し、ビルの合間から飛び出すと同時に射撃を開始する。
名称に違わず軽快な発射音と共に発射された弾丸はファイアディザスター一機の腕部ガトリング砲に命中する。着弾と同時に炸裂した対キャバリア弾がガトリング砲の多連装砲身を引き裂き、弾倉に存在した弾薬ごと敵機の腕部を吹き飛ばす。
他の機体は衝撃で倒れこんだ僚機を援護する様に、射撃地点に向けて砲身を向けるが、そこには既にブルーテイルの姿はない。
アイオライトはブルーテイルの機動力を生かし、事前に見繕っていた建物に機体を滑り込ませたのだ。すぐさま先ほどとは別目標に射撃を浴びせ、一機ずつ確実に敵機を無力化していく。
しかし、敵部隊指揮官もまた冷静であった。正攻法でブルーテイルを捕捉することを早々に放棄すると、ある程度の損害を覚悟しながら部隊を分散させ、射線の死角が存在しないよう陣形変更を試みたのだ。
キャバリア式の方陣ともいうべき陣形と、構築された射線によって、ブルーテイルは敵の砲火に晒されるかに見えた。しかし、その試みは別方向からの攻撃によって阻止される。アイオライトに後方に控えていた三〇一鉄騎兵大隊が展開を完了し援護射撃によって敵の陣形変更を阻止したのだ。
建物と建物の間を自在に飛翔するブルーテイルは、鮮やかにかつ確実に、混乱する敵部隊を葬っていく。
アイオライトと三〇一鉄騎兵大隊の共同戦闘は、わずか半刻ほどの戦闘で、敵キャバリアの一個大隊が地上から消滅させたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
小和泉・佳奈恵
【遊撃警備隊】
肩に……って危なかよ!?
ああもう……無茶ばするっちゃけん!
シールドで多喜さんを庇いながら前進。敵機のガトリングは基本的に受けるよ。強化プラスチックとセラミックの装甲じゃ耐えきれんやろうけど……回避機動で多喜さんを振り落とすわけにはいかんもんね。
――って、その機体は……多喜さんがキャバリアを出して防御もやってくれるならありがたか!
盾を前面に構えて二機で制圧射撃、敵部隊をこの場に縫い止める! ガトリングの轟音? そんなもの訓練の度に聞いとる! 怖くもなんともなか!
敵機の数を減らせそうなら減らしつつイルジア軍主力の花道を用意するよ。
本命は近衛だ。この国の問題はこの国の人が解決せんと!
数宮・多喜
【遊撃警備隊】
さぁてそれじゃあ逆進攻、ってか?
けれどもさすがにキャバリアが張る弾幕相手に、
カブで真正面から挑みたくはないねぇ。
小和泉さん、ちょいとセンチネルの肩に乗せとくれ。
なに、頃合いを見て動くからさ!
二人乗りは弾幕に曝される直前まで。
座標アンカーは小和泉さんのセンチネルを指定。
鉄火場に突っ込んだなら、即座に【心機一体】で
Overedを呼び出す!
すぐさま"einherjar"を射出展開、『オーラ防御』と併せて
一定の空間を『かばう』ように『盾受け』し、
直撃を避ける為のバリア役として働くよ。
『勇気』と『気合い』を奮わせて、
脚を止めないよう『鼓舞』しながらね。
さあここからは『制圧射撃』の時間だよ!
●鉄床戦術
クーデター部隊の初期攻勢が頓挫し、公国軍が戦力の合流と再編に成功してから半刻。
公国軍が制圧した市街中央部から、プラントに至る四つの主要道路では、一進一退の攻防が行われていた。
小和泉・佳奈恵の駆るセンチネルの姿もまた、最激戦区たる主要道路のうちの一つ、М4号線にあった。
センチネルの眼前に立ちはだかるはキャバリア一個中隊。合計して九機のファイアディザスターである。
敵中隊は一個小隊を大通り上に展開させ、残り二個小隊をその側翼の路地に展開させる形で、センチネルを圧迫する。
「ヒュウ、流石にあの弾幕相手に、カブで真正面から挑みたくはないねぇ」
センチネルの肩部で悠々と戦況を観察するは、数宮・多喜である。本格的な対キャバリア戦闘となっている現在、彼女は愛車たる「JD-1725」を離れ、センチネルの機上で機会をうかがっている。
「……無茶ばするっちゃけん! 危なかよ!?」
多喜と機体を護るように盾を掲げ、辛うじて敵弾を受け流す佳奈恵。
多喜の狙いは妥当な物であり、戦術的にも有効であることを認めてはいたが、それでも気が気ではない。
通常の機体、通常のパイロットであったならば、一個中隊のファイアディザスターから放たれるガトリング砲弾の豪雨に晒され、抵抗の余地なく粉砕されていただろう。
まして、センチネルは正規のキャバリアではないのだ。
あくまで対邪神存在用として設計されたセンチネルの纏う装甲は、一部にタングステンを含むものの、大部分は高強度耐熱プラスチックとセラミックによって構成される複合装甲である。即ち、軽量ではあるが強度においてキャバリアに劣る。
それでも、否、そうであるがゆえに、佳奈恵は思考を放棄せず、脳を全力で回転させる。火力と装甲が劣っていようとも、ここが市街地であり、軽量なセンチネルであれば、戦い方はいくらでもある。
都市に存在するあらゆる遮蔽物を利用しながら、センチネルと佳奈恵は敵部隊の足を止めることに成功しつつあった。
「あの機体で良く持ちこたえるものだ……」
佳奈恵と多喜の前に展開する第五鉄騎兵師団隷下の第二鉄騎兵大隊。その指揮官をして、センチネルと佳奈恵の戦いぶりに感嘆を禁じ得なかった。
一機のキャバリアが、一個中隊を拘束している。通常では考えられぬ事ではあったが、事実はかくの如く眼前に存在している。
第二大隊にとって、センチネルが守るエリアは絶対に確保せねばならない重要地点であった。
当該エリアを確保できなければ、М4号線上に展開する彼の大隊が分断されるだけではなく、戦域上に存在する他の部隊の側翼をも脅かされてしまう。
戦術上の必要に迫られ、第二大隊指揮官は決断する。
「第二中隊及び第三中隊からそれぞれ一個小隊を抽出。本部からも一個小隊を投入し、あのカーキ色の機体を叩け」
指揮官の命令は迅速に下達され、佳奈恵と多喜のもとにさらなる敵の増援が殺到する。
しかし、それは、第二大隊が佳奈恵と多喜の策に絡め捕られたことを意味していた。
戦場の焦点が自分達に遷移したことを理解した佳奈恵は、機上にある多喜に対して合図を送る。
「――ッ! 多喜さん!」
「任せな!」
多喜は器用に立ち上がると、渾身の笑みと共に天へと腕を突き出す。
「絶対座標チェック、空間クリア。 サイキックロード接続 ――来やがれ、オーヴァード!」
多喜の叫びに呼応する様に、天より幾筋もの眩い光が降り注ぐ。
鉛色の空を引き裂くように現れた光が晴れると、果たしてそこには、一機のキャバリアがあった。
鮮やかな紅い塗装に包まれた機体の名は、「JD-Overed」。多喜が操るサイキックキャバリアある。
Overedはコクピットに多喜を取り込むと、ゆっくりと地面に着地する。
突如虚空から出現した尋常ならざるキャバリアに動揺しつつも、ファイアディザスターを操る兵士たちは、果敢にガトリングの砲身を新手に向け、射撃を開始する。
四方から迫る無数の砲弾。しかし、それらがセンチネルとOveredを貫くことはなかった。
Overedから射出されたシールディングオービット「Einherjar」によって形成された斥力場は、主人を貫かんとした敵弾を悉く防ぎ、跳ね返したのだ。
「さあ、ここが頃合いさね! 小和泉さん、準備はいいかい?」
「多喜さん、ありがたか! これで花道を作れる!」
Overedの出現によって、形勢は逆転した。
想定外の増援に混乱した敵部隊に対し、センチネルの20mm機関砲と、Overedのマルチプルブラスターが雨のように降り注ぐ。
巧妙な連携のもとに放たれる20mm砲弾と多種多様な属性を持ったエネルギー弾は、無防備にも道路上に身を晒していたファイアディザスターの装甲を軽々と打ち砕く。
「各機、後退! 遮蔽物に身を隠せ!」
急激な敵火力の増大に、各部隊指揮官は各々の部下に慌ただしく命令を下す。当初から展開していた中隊と、後続の増援の連携が乱れ、混乱はさらに助長されていく。
今までセンチネルを制圧していた筈の敵部隊は、一転して制圧される側の立場に追い込まれたのだ。
敵部隊の拘束に成功したことを確信した佳奈恵は、周辺に展開する近衛鉄騎兵第三聯隊に対して通信を送る。
「センチネルより近衛聯隊指揮官へ。我、敵の拘束に成功しつつあり。前進されたし」
「近衛聯隊よりセンチネル及びそこの派手なキャバリアへ、貴隊の助力、万軍に勝る。これより前進を開始する」
佳奈恵と多喜の活躍により、突破口は開かれた。
センチネルとOveredへの対処のため、戦力を抽出され、弱体化した敵第二大隊の諸部隊に対し、近衛鉄騎兵第三聯隊の隷下部隊が一斉に攻撃を開始したのだ。
近衛部隊は弱体化した敵部隊を一息に突破すると、佳奈恵と多喜が拘束する敵部隊を逆包囲する。
かくの如く、М4号線を巡る戦闘の大勢は決したのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
バーン・マーディ
戦火か
炎か
良い
我はこの都市の世情に興味はない
唯我が「鎧」の敵を粉砕するのみ
【戦闘知識】
敵陣の陣形と戦場全体の把握
【オーラ防御】展開
【武器受け】にてガトリングガンの掃射に対して正面から軍神の剣で受け止めながら突撃し
【怪力・二回攻撃・吸血・生命力吸収】で敵機のエネルギーを吸収
またコックピットは避け爆発はさせる前に脱出させる
囲まれれば
…貴様らは今安全な位置にいると思っているか?(唯一振るう剣を地面に突き立て
良い
全て我が領域内だ
UC発動
周囲の敵機に須らく十字光線を降り注がせ
全弾駆動系
武装
須らく破壊して行動不能へと至らせる
どうした?
動けない程の恐怖の感情を与えるのではなかったのか…?(冷徹に
槐・白羅
うん?んんんー?(レベルアップ
凄いな!力が溢れてくるぞ!(機神のオーラも高まり
頭も大分すっきりしてきた!
さぁこのまま皆殺しに…
…ん?
ってなんでそんな事しなきゃいけないんだ!
皆殺しにしてプラント乗っ取るとか馬鹿か!?(コンソールぼかんっ!焦る神機の意志
というか此処は…イルジア国か…それに…囲まれてるが…
此奴らお前のお仲間か?(否とモルスの意志は伝わるが
ええい殺せ殺せと煩い!
生殺与奪の意志はこの俺が決める!
一応記憶だと…此奴らは反乱軍って処か
よし国に恩を売るのも一興!
中々ヤバい奴のようだなモルス
だが使いこなしてやる!
【受け流し】で射撃のダメージ軽減
きつくなったらUC
【貫通攻撃】
手刀やキック
不殺徹底
●二柱の神機
首都とプラントを繋ぐ四つの主要道路のうち、最も整備され、イルジアの大動脈とも呼ばれるМ1号線周辺は、公国軍とクーデター部隊との間で最も激烈な戦闘が行われている戦域であった。
М1号線確保のため、クーデター部隊が展開する戦力は二個鉄騎兵大隊。対する公国軍は三個鉄騎兵大隊を投入する。
М1号線の重要度を考えれば、より多くの戦力を投入して然るべきではあったが、市街地という特殊な戦場が、公国軍及びクーデター部隊の戦力集中を妨げていた。
必然的に、戦況は膠着する。
公国軍は果敢に攻勢を仕掛けるも、オブリビオンマシンによる精神支配と強化を受けたファイアディザスターと、公国軍の手の内を知り尽くしたクーデター部隊が構築する猛烈な阻止火力によって、早々に後退を余儀なくされた。
かくして余興は終わり、戦場という舞台に二柱の機神が現れる。
第一の機神は、バーン・マーディの操る破城神機「マーズ」である。
バーンから発さられる闘気が陽炎の様に機体を覆い、斥力場と化して降り積もる雪を溶かしていく。
闘気が周辺の空間を歪め、溶かされた雪が変じた白い靄は外套が如くマーズの後ろに付き従う。
炎上した戦車やキャバリアの残骸が散乱する幹線道路を力強く踏みしめる様は、まさに神話的な威容をもって敵味方全ての人間を畏怖せしめた。
「戦火か、炎か。 ……良い」
バーンは僕たるマーズの内にあって、粛然と戦場を観察する。
眼前に立ちはだかるは、幹線道路に展開するキャバリア一個中隊。即ち九機のファイアディザスターである。さらにその側面を固める形で一個中隊。合計して一八機ものキャバリアが、マーズの進路に立ちふさがっている。
バーンは自らの知識と経験から、後方に存在する予備戦力の存在すら看破していた。
一機のキャバリアが相手取るにはあまりにも過剰な戦力。しかし、破城神機の歩みが止めるには甚だ不足であった。
「マーズよ、躍動せよ!」
主たるバーンの命に従い、マーズは軍神の剣を抜き放ち、轟音を響かせながら敵陣中央に突貫する。
対する敵部隊に、一切の油断はない。クランベラ国立公園での戦闘がどのようなものであったか報告を受けていたパイロットたちは、愛機が目の前の神機を引き裂くことを祈り、トリガーを引き絞る。
入念に計画された火線の只中に突入したマーズは、前方からの射撃を軍神の剣で防ぎ、側面を斥力と化した闘気で防御する。
凄まじいまでの衝突音が、周囲のビル群に反響し、遠雷の如く首都の隅々に響き渡る。
火力の雨と化したガトリング砲弾は、軍神の剣と闘気に命中するたびに拉げ、意味を成さない鉄塊となって空しく地面に落下していく。
濃密な硝煙を突破して、正面の一個中隊の前に現れたマーズ。その装甲は、数千発ものガトリング砲弾の嵐に晒されてなお、禍々しく輝いていた。
バーンは流れるような動きでマーズを操り、軍神の剣を一機のファイアディザスターに突き入れる。
コクピットを避ける形で機体を刺し貫いた軍神の剣は、エネルギーインゴットから供給される動力と、本来であれば機体を爆散させるはずであった熱エネルギーすら吸収し、機体を兵器から人型の鉄塊へと変貌させる。
力なくうなだれた敵機から軍神の剣が引き抜かれると、刺突孔からは血液の様にオイルがあふれ出した。
凡百のキャバリアにとって、一度踏み入れてしまったマーズの間合いから逃れる術はない。
不幸にもマーズの正面に立ち塞がった中隊は、破城神機の手によって分解される定めにあった。
マーズの戦闘を目の当たりにした敵指揮官は、即座に予備戦力の投入を決断する。
正面の一個中隊がマーズによって突破されるわずかな時間のうちに、側面に展開していた中隊を前進させ、予備兵力として残置していた四個中隊をマーズの周辺を取り囲むように展開させるよう命令を下す。
包囲が完成すれば、如何に神機と言えど苦戦は必定であっただろう。
しかし、その試みはもう一柱の神機によって妨害されることとなる。
即ち、槐・白羅が操る、冥導神機「モルス」が戦場に出現したのだ。
「ハハ、ハハハ! 凄いな! 力が溢れてくるぞ!」
移動する部隊の側面から現れたモルスは、瞬く間に一機のファイアディザスターを手刀によって無力化する。
その動きは迅速かつ正確。しかし、パイロットたる白羅は未だ狂気の淵にあった。
さぁ、殺せ、殺すのだ。あまねく生命を悉く、冥府へと――。
モルスの狂気に満ちた囁きが、主たる白羅を唆す。
「わかっているさ、モルス。このまま一気に皆殺しに……ッ!?」
モルスの手刀が、無力化したファイアディザスターのコクピットを貫かんとした、まさにその時である。
冥導神機が発する禍々しい闘気が、既に戦場を支配していた破城神機の闘気と衝突し、不可視の精神的な衝撃波となって戦場を伝播したのだ。
二柱の神機が出会うことで、いかなる共鳴が発生したかは人知の及ぶところではない。
しかし、強大な力を持つ二つの精神波は、冥導神機の狂気に飲まれつつあった白羅の精神を正気の岸へと引き上げたのだ。
「――違う! 何故そんなことをしなければいけないんだ!」
冥導神機の狂気を跳ねのけた白羅は、咄嗟に繰り出した手刀の角度をずらし、コクピットを避ける。
自らの主が狂気から脱した事に驚愕したのか、モルスが発する精神波には明らかな狼狽の色があった。
「まったく、皆殺しにしてプラント乗っ取るとか馬鹿か!?」
怒りのままにコンソールを殴りつける白羅であったが、左右からの殺気を感じ取り、モルスを跳躍させる。
狂気に侵されているとは言え、冥導神機の名は伊達ではない。主の意志を全くの遅延なく汲み取った機体は、軽々と機体を飛翔させ、ガトリング砲弾の雨を掻い潜って見せる。
軽やかな機動によってファイアディザスターの一個中隊を手玉に取りつつあった白羅は、なおも自らを狂気へと誘わんとするモルスの囁きを一蹴する。
「中々ヤバい奴のようだな、モルス。だが、貴様は俺が使いこなしてやる!」
冥導神機の機体から骸の海を放出し、ファイアディザスターが持つ射撃武器を一時的に無力化した白羅は、決意も新たに敵部隊に躍りかかるのだった。
「闖入者か、是非もない」
不運な一個中隊を労もなく無力化したバーンは、神機同士の共鳴に思いを馳せる。
神機と神機。強大な闘気と闘気のぶつかり合いは、強大なプレッシャーとなって周囲を圧する。
しかし、バーンの僕たるマーズは、このような状況にあっても小動もせずその存在を確立させていた。
愛機への信頼も新たに周囲を見回すと、クーデター部隊は自身に対する包囲を完了させつつあった。
マーズに向けられる無数の銃口。しかし、彼らにとっては些かの脅威足りえない。
バーンとマーズが立つこの戦場そのものが、既に彼らの領域と化しているが故に。
「我は選別する」
バーンの宣言と同時に、マーズは高らかに軍神の剣を天へと掲げる。
「我に牙剥く者、我に抗うもの、我に刃向けるもの、我を貶めるもの……!」
朗々と響くバーンの宣託。それに呼応するかの如く、軍神の剣が眩い光を放つ。
――そして、審判の時は来た。
「須らく、等しき神罰を与えん事を!!」
軍神の剣から光が解き放たれ、不遜なる挑戦者たちに裁きの鉄槌を与える。
後に残るは二柱の神機。
もはや、彼らを遮るものは、この戦域には存在しなかった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
貴司・忍
アドリブ絡み歓迎
学徒防衛都市国家立花、特攻部隊開天組隊長、貴司・忍!
オブリビオンマシン案件とみなした…介入させてもらう!
とはいえこういうのは専門外なんだが…
やりようはある!
味方の部隊から首都の地図を拝借
首都なら高層ビルの一つや二つあるよな?
一番高い所に陣取る
【集団戦術】の応用で通信を飛ばしてもらい
敵の位置情報を逐一確認
一撃必殺があたし達の心情
コード発動…高所から飛び降り突っ込む
開天組の十八番【重量攻撃】さ!
ガトリングは拾った戦車の残骸を壁代わりにする
残骸が壊れたら今度は両腕を盾にする
要はぶつかるまで動ければいい
激突後、その辺の壁に叩き付け無力化する
まだ起きるなら…機関砲四門、零距離だ
痛いぜ?
●六号開天、突貫ス
公国軍とクーデター部隊の主戦場と化した四つの幹線道路。
商業施設やオフィスビルが多く立ち並ぶМ5号線の大規模商業ビルの屋上にあって、一機の重キャバリアが地上の戦闘を俯瞰する。
堂々たる重装の機体。その名を「六号開天」。
老人と学生たちによって運営される学徒防衛都市国家立花の特殊攻撃部隊長、貴司・忍が操る量産型キャバリアである。
「市街戦か……こういうのは専門外なんだが、なぁに、やりようはある!」
眼下をすすむは敵第一中隊。九機のファイアディザスターが、中央の幹線道路とその両脇を通る支道に分かれて進軍している。さらにその数十メートル後方には同様の隊列をもって第二中隊が続いている。即ち、大隊縦列での行軍隊形であった。
直線状に並ぶ敵に対してならば、六号開天の長所を遺憾なく発揮できる。そのように判断した忍は、ビルの屋上から愛機を跳躍させる。
「特攻部隊開天組隊長、貴司・忍! オブリビオンマシン案件への介入を開始する!」
背部の多段推進装置が生み出す推力と、高所からの落下によって生じる運動エネルギーのすべてを突進力に変換し、六号開天は敵第一中隊中央への突撃を敢行する。
上空から飛来する敵機を発見した第一中隊であったが、猛烈な速度をもって突貫する六号開天を迎撃することは叶わなかった。
第一中隊中央に展開していた三機のファイアディザスターは、不幸にも六号開天の突貫をまともに受けることとなる。
地を裂くかの如き轟音。衝突の余波は不可視の波となって周辺ビルの窓ガラスを粉砕する。
六号開天の突進を受けた三機のキャバリアは、成す術もなく吹き飛ばされる。その装甲は紙細工の如く拉げ、衝撃によって自慢のガトリング砲は腕部ごとちぎれ飛び、付近のビルに叩きつけられる。
開天肉弾戦法の威力は、それほどまでに強大な物であった。
易々と敵第一中隊中央を突破した忍と六号開天であったが、敵部隊もまた目の前に展開した現実を受け入れた。第一中隊の後方に展開する第二中隊と、側面の支道に展開していた第一中隊の残余がガトリングの砲門を六号開天に向ける。
しかし、それもまた忍の想定の内であった。
多段推進装置を巧みに操作することで、機体を九〇度回転させた忍は、幹線道路沿いに存在した商業施設の中に突入し、敵の斉射を回避する。
多段推進装置が発生させる運動エネルギーと機体の質量を持ってそのまま商業施設内を突っ切ると、ガラスとコンクリート片をまき散らしながら、第一中隊残余が展開していた支道へと躍り出る。
凡百のキャバリアであれば、実現しえない強引な機動である。開拓用二脚重機の姿勢制御ノウハウと重厚な正面装甲。そして、常識はずれの推力を誇る多段推進装置を持つ六号開天であればこそ可能な突撃機動であった。
「これが、恐れ知らずの開天組だっ!!」
第一中隊残余から放たれる咄嗟射撃を物ともせず、忍は再度六号開天を突進させる。
進路上のファイアディザスター達が、先ほどスクラップと化した僚機と同様の運命をたどったのは言うまでもない。
市街戦という専門外の領域を、強引に自らが得意とする突撃突破戦法によって蹴り飛ばした忍は、その後も幾度となく突撃を繰り返す。
そのたびに、敵部隊の陣形は千々として乱れ、混乱は拡大していくのだった。
成功
🔵🔵🔴
カシム・ディーン
平和な国…いいですね
あまり僕には縁がありませんでしたが
まぁ…今は中々に熱いですね
とは言え僕のやる事は変わりません…此処の司令官が使ってるキャバリア…一つゲットして売り払う大作戦をするとしましょうか(悪い笑顔である
【情報収集・視力】で周辺情報と敵の位置の把握
【属性攻撃・迷彩】
生身のまま光属性を全身に付与
姿を消し迷彩で存在を手近な敵機に接近
そのままわたぬきでパイロットを機体の外に強奪
【盗み攻撃・盗み】で精度強化
そのまま乗り込んで機体乗っ取り!
これは前にも使ったことはありますね
なら問題ありません
周囲の敵にガトリングを容赦なく掃射
【力溜め】で威力増強
壊れたら他の機体に襲い掛かり強奪を繰り返す
●不可視の一撃
М5号線に発生した大混乱は、一人の猟兵に絶好の好機をもたらした。
猟兵の名はカシム・ディーン。キャバリア同士が相争う戦場にあって、生身の身体を悠然と晒し、優雅とすら思える動きで市街を駆け巡る彼は、混乱した状況を利用すべく行動を開始する。
「平和な国……いいですね。 あまり僕には縁がありませんでしたが」
立ち並ぶ店舗の陳列窓に並ぶ数多の衣類や装飾具の数々は、イルジアという国の豊かさを暗に証明していた。戦乱が続くクロムキャバリアの世にあって、生存に直接影響しない品々をここまで潤沢に抱えられる国はそう多いものではない。
「まぁ……今は中々に熱いようですが」
ひび割れた陳列窓を眺め、皮肉気にカシムは微笑む。
どのような状況であれ、彼のやる事は変わらない。幸いにして、獲物はたっぷりと周囲を徘徊している。
光属性の魔術によって周囲の可視光線を歪め、光学的な迷彩を作り出した彼は、М5号線の支道を歩くキャバリア小隊に狙いを定める。
自らが潜む細い路地を小隊が通り過ぎるタイミングを見計らい、カシムは一機のファイアディザスターに取り付くと、慣れた調子で機体を駆けのぼり、コクピット付近まで到達する。
パイロットが異変に気が付いたときには既に遅い。自身のユーベルコードを応用し、装甲越しにパイロットの頸根を掴んだカシムは、そのままの勢いで哀れな搭乗者を機体の外に投げ捨てる。
「この機体なら、前にも使ったことがありますね。なら、問題はありません」
手早くコクピット開閉レバーを引き、主なきキャバリアの中に身体を滑らせる。
見知ったアビオニクスを操作し、敵味方識別装置を無効化すると、ガトリングの砲門を前方の同型機に向け、引き金を絞る。
不意を打たれた形となった敵機は、カシムの魔力によって強化されたガトリング砲弾の直撃を受け、沈黙する。
カシムは素早く機体を翻すと、もう一機のファイアディザスターを照準に捕らえ、再度引き金を引く。
轟音と共に発射されたガトリング砲弾は、先ほどと同様に敵機を捉えたかに見えた。しかし、既の所で異常に気が付いた敵パイロットは、辛うじて致命的な部分への被弾を回避する。
左腕ガトリング砲を撃ち抜かれ、弾倉の誘爆によってのけぞりつつも、敵機はカシムの操る機体に対して残った右腕から射撃を開始する。
「おっと、もう反応してきますか。中々素早い」
カシムは機体のバランスを器用に操り決死の攻撃を回避すると、敵右腕部に向けて射撃を行い二機目の機体を無力化した。
ここに至って、周囲の敵小隊も異常に気が付いたのであろう。カシムの機体を囲むように展開を開始し、各々射撃を開始する。
程なくしてカシムが操る機体を衝撃が襲う。彼の魔力によって強化されているとは言え、所詮は量産機。四方からの掃射に耐えられる道理もない。
「初動は上々。では、次に行きましょうか」
擱座した機体をためらいなく乗り捨て、カシムは再び路地へと消える。彼にとっては、一つの機体にこだわる理由など存在しない。獲物はいたるところに転がっているのだ。
敵の機体を奪っては同士討ちを誘う事を繰り返すカシムの戦法によって、М5号線に展開するクーデター部隊の混乱は、より深刻なものとなる。
天才魔術盗賊を自称する少年は、まぎれもなく自らの実力と才幹によって、クーデター部隊を手玉に取ったのであった。
成功
🔵🔵🔴
才堂・紅葉
「ガトリング持ちの部隊か……展開火力が厄介ね」
ビルの遮蔽に身を隠しつつ、空に溶け込む気球型【迷彩】ガジェットを飛ばし、状況を確認する【メカニック、偵察、情報収集】
射線をカバーし合う陣形が厄介だ
隠密に優れた迦楼羅王でも、白兵距離への接敵は難しいだろう
「つまりは、こうよね」
紋章の【封印を解く】
遮蔽から六尺棒に斥力【属性攻撃】を加え空中高く【投擲】だ
狙いは【戦闘知識】で見極めた敵指揮官機を落下する棒で【暗殺、重量攻撃】だ
それに合せ、彼のカバーしていた警戒エリアより【忍び足】で接敵
高い運動性を活かした立体機動の格闘戦で動揺する敵を無力化し、棒を回収して離脱したい【グラップル、気合、早業、部位破壊】
●斬首戦術
度重なる猟兵達の攻撃によって、М5号線に展開するクーデター部隊は大いに混乱し、壊乱の一歩手前にまで追い詰められていた。
しかし、味方の壊乱を食い止めるべくクーデター部隊司令部から投入された戦術予備、第五鉄騎兵師団隷下の第四鉄騎兵大隊は、戦線の崩壊を首の皮一枚で阻止することに成功する。
堅実な部隊指揮に定評のある第四鉄騎兵大隊指揮官は、防衛線を大幅に後退させると、幹線道路が交差する十字路を中心として火線を形成した。
部隊の主要な侵攻路である幹線道路の交錯点を抑えることで、戦闘正面を縮小しつつ公国軍部隊の機動を抑止することに成功した第四鉄騎兵大隊は、念入りに突撃破砕線を構築し、一挙にМ5号線を制圧せんと前進していた公国軍部隊の攻勢を一時的に頓挫させることに成功する。
確保は時間の問題と目されていたМ5号線の戦況は、再度膠着するかに思われた。
才堂・紅葉が駆る迦楼羅王が直面した状況は、そのような物であった。
念入りに構築されたガトリング砲による突撃破砕線は、如何に迦楼羅王と言えど無策で突破することは困難であろう。
しかし、紅葉の表情に焦燥の色はない。事前に機構召喚符によって呼び出していた偵察用ガジェットからもたらされる情報を、自らの戦闘知識と経験によって分析し終えた彼女は、眼前の敵陣が突破可能であることを確信する。
「正面からの突破が無理なら、搦め手を使うだけ。つまりは……」
迦楼羅王の内にあって、紅葉は自らの紋章の能力を開放する。
紋章の力に呼応する様に、深紅の排熱機構を展開した迦楼羅王は、自らの得物たる六尺棒を天に向け、投擲姿勢を取る。
「――こうよね!」
迦楼羅王の内に充足された力が最高点に達したと同時に、迦楼羅王は六尺棒を天高く投擲する。
大気を引き裂き、猛烈な速度をもって飛翔する六尺棒は、当然の如く敵部隊にも観測される。
「十時方向飛翔体!各機、対砲迫姿勢!」
全く妥当な判断のもと、着弾予想地点に潜む中隊はキャバリアの姿勢を制御し砲火に晒される露出面積の最小化を図る。防衛線の一翼を担う中隊指揮官機もまた事前に設定した掩体代わりの建物に身を潜める。
適切な判断によって、被害はほぼ発生しないかと思われた次の瞬間、打ち上げられた六尺棒は物理法則を無視した挙動を描いて落下機動を修正すると、過たずに中隊長機が潜む建物に突入する。
ハイペリア重殺術・無明百舌落し。迦楼羅王によって投擲された六尺棒は、重力操作によって軌道を修正し、中隊長機を建物ごと粉砕したのである。
轟音と衝撃。予想しえない攻撃で中隊長機を失った部隊は、すぐさま指揮権の継承を図る。しかし、建物の崩壊と共に巻き上がる土埃が、六尺棒に込められた魔力によって広範囲に拡散し、煙幕の様に周囲の視界を奪う。
指揮官の喪失と視界不良による混乱。数分にも満たない好機を、紅葉と迦楼羅王は見逃さなかった。
土煙に紛れる様にして敵部隊に接近した迦楼羅王は、敵の突撃破砕線直前で跳躍。
幸運にも迦楼羅王を捕捉していた数機のファイアディザスターからの阻止射撃を、ビルの壁面を足場にした連続跳躍によって回避すると、指揮官を失った中隊直上に躍り出る。
懐に潜り込みさえすれば、射撃偏重のファイアディザスターなど紅葉と迦楼羅王の敵手足りえない。
洗練された近接格闘戦技によって行く手を塞ぐ機体を無力化すると、前方へ跳躍し投擲した六尺棒を回収。
着地の勢いを運動エネルギーに変換し、再度前方へ六尺棒を投擲する。
紅葉が次に狙うは、先程のような中隊指揮官機ではない。敵部隊にとって最も重要な目標。即ち、敵大隊の頭脳たる大隊本部であった。
わずか数分にも満たぬ時間で防衛線の一翼を突破され、部隊指揮に忙殺されている大隊本部には、天からの鉄槌にも似た一撃を防ぐ術は存在しなかった。
防衛線の側翼を突き崩され、頭脳たる指揮官すら失った第四鉄騎兵大隊は、紅葉と迦楼羅王に続く公国軍部隊の攻撃の前に、ついには抗戦を断念した。
М5号線を巡る戦闘は、かくのごとくして終結したのであった。
大成功
🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
※ロシナンテⅣ搭乗
砲兵部隊とも連携し敵の制圧を図りましょう
現地観測員として曲射砲撃行う彼らとデータリンク
機体の角は飾りではありませんからね
(ハッキング、情報収集、地形の利用)
派手なUCで敵前に躍り出ると同時、砲撃要請
自機体ハッキングによる直結操縦で反応速度向上
推力移動と地面の踏みつけで加速し砲撃掻い潜り突撃
視認し操縦席でトリガーを引く限り、追い付けると思わぬことです
(瞬間思考力+見切り)
同時攻撃に浮足立つ敵へ格納銃器とサブアームのライフル乱れ撃ちスナイパー射撃
武装のジョイント破壊し武器落とし
立ち塞がる敵は近接攻撃で撃破
無力化機体は後続の友軍に任せ次の残敵へ
引き続き先鋒を務めます
支援に感謝を!
天音・優歌
いつも通りオブリビオンマシンに洗脳されちゃった人達の解放だね
今回も張り切っていこう
箒に乗って浮遊し敵キャバリアの頭上を取りながら
市街地の一番背の高い建物を中心に敵の射線を切るように大きく旋回しつつ
UCを発動し空中から剣の雨を降らせる
イヤーマフを装備して轟音による影響を少なくし音による恐怖を抑える
ガトリングは狙って撃つ武器じゃない
空を飛ぶ生身サイズの的にそうそう当りはしない
だから怖くないと自分に言い聞かせる
敵キャバリアは手足を切り落として達磨にすれば無力化できるタイプだね
いつも通りコクピットのある胴体は避けつつガトリングから無力化
魔導書から無数の剣を召喚して攻撃
舞え、ミゼリコルディア・スパーダ!
●女神と騎士
プラントへと至る主要幹線道路、М8号線周辺は、今や市街でクーデター部隊が確保する最後の戦域であった。
この戦域を失えば、プラントへ至るすべての幹線道路を公国軍の手に明け渡すこととなる。
それは即ち、公国軍に迅速な兵力展開を許すことに繋がる。結果として、クーデター軍はプラント周辺へと追い詰められ、公国正規軍の圧力の前に屈することとなるのは自明であった。
しかし、裏を返せば、М8号線周辺さえ確保できていれば、周辺の戦域が戦線の突出部となり、公国軍に戦力の分散配置を強要できるだけでなく、プラントへと侵攻する部隊の側背を突くことすら、理屈の上では可能となるだろう。
故に、今や戦場全体の焦点はМ8号線とその周辺に集中していた。
公国軍は制圧した戦域から部隊を抽出し、六個鉄騎兵大隊もの戦力を投入。М8号線周辺を半包囲する形で布陣した。
対するクーデター部隊も、四個鉄騎兵大隊と第五独立重機甲旅団の残余部隊を投入し、死守の構えを見せている。
両軍の緊張が高まる中、戦域の中心であるМ8号線上には一機のキャバリアの姿があった。
降りしきる雪を溶かすかの如き敵意と狂気を真正面から受けて立つは、白銀の騎士。
誰が見まごうことも無い。その堂々たる機体は、トリテレイア・ゼロナインの駆るロシナンテⅣである。
トリテレイアの背後には公国鉄騎兵一個大隊が、騎士の突撃を援護せんと隊伍を揃える。そして、眼前には敵主力を務める鉄騎兵二個大隊及び一個戦車中隊が、今まさに騎士を迎え撃たんと幾重もの突撃破砕線を張り巡らし、待ち構えている。
儀式的とすら言える光景を空中で見守るは一人の魔女。その名を天音・優歌。
魔導書を携え、特徴的な魔箒に跨るその姿は、まさに古典的魔女そのものであった。
「奇麗……」
優歌は眼下の光景を見遣り、感嘆する。今まさに、彼女が愛する「均衡」が、眼下に広がっていた。
戦力と戦力、意志と意志とが、緊張という名の細い一本の糸の上で均衡を保っている。
もし、この場に何か一つでも物音を立てるものがあれば、眼前に広がる美しい均衡は一瞬にして崩れ去り、戦闘が始まるであろう。
それほどまでに完成され、永遠に続くかに思えた両軍の睨み合いは、ロシナンテⅣの力強いスラスター音によって終わりを告げる。
「――参ります!」
RSライフルと長大な盾を掲げ、トリテレイアの駆るロシナンテⅣは躍進する。
脚部格納型のメインスラスターから生み出される推進力を完璧に制御し、敵陣へと突貫する様は、まさに機械騎士の突撃であった。
トリテレイアからもたらされる砲撃諸元の情報を基に、公国軍の後方に控える砲兵旅団が戦域全体に突撃支援射撃を実施する。つい先ほどまで静寂に包まれていたМ8号線周辺は、トリテレイアの号令を契機として砲火と爆轟が支配する煉獄と化した。
「大丈夫、いつも通りにやればいいんだ。」
あるいは空中に身を置いているためであろうか。優歌はあくまでも冷静に、自らの義務を果たすべく行動を開始する。
「――舞え、ミゼリコルディア・スパーダ!」
敵陣中央に突貫するロシナンテⅣを、側面から攻撃せんとする敵中隊にめがけ、優歌は魔力の雨を投射する。
幾何学模様を描きながら天より降り注ぐ魔法剣の雨は、強力無比であると同時に美しくもあった。
優歌が行使した大魔術は、呆然と空を見上げるファイアディザスター達の両腕を過たずに切断していく。
暴力的な砲火力とは異なる洗練された魔力の刃は、ロシナンテⅣの突貫に万軍にも勝る支援を与えた。
後方からの砲火力と、上空からの大魔術。戦場に君臨する二柱の女神によって支援されたトリテレイアは、騎士の本懐たる正面突撃を完璧に成功させた。
衝突直前に二丁の対キャバリアライフルを撃ち尽くすと、すぐさま長剣を抜刀。古の騎兵達が最大の武器とした衝撃力をもって、眼前の敵部隊を蹂躙する。
騎士の突撃を正面から受けたクーデター部隊の隊列が目に見えて乱れる。敵と混融したため、もはや砲兵からの支援を受けることはできなくなったトリテレイアであったが、上空から正確に投射される優歌の魔術は、それを補って余りあるものであった。
二人の猟兵の即席連携は、想像以上の破壊力となって敵正面部隊を打ち崩す。
トリテレイアと優歌の勇戦に勇気付けられた公国軍もまた、全正面にわたって攻勢を開始する。
騎士と魔女によって、正面戦力たる二個大隊を軽々と蹴散らされたクーデター部隊に、もはやその勢いを止められる力はなかった。
かくのごとくして、クーデター部隊はイルジア大公国の首都から駆逐されたのである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『輝光神機『ロクシアス』』
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POW : BSプラズマライフル『黄金の矢』
【プラズマライフルのレーザーサイト 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【プラズマ化した超高熱熱線】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 高速戦闘演算機構『予言の神』
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【BSプラズマライフル 】から【相手の回避行動を読み切った超連続射撃攻撃】を放つ。
WIZ : 対人虐殺機構『疫病の矢』
自身の【機体全身 】から【疫病ウィルス型ナノマシン】を放出し、戦場内全ての【キャバリアに乗らない生身での戦闘行動】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「テラ・ウィンディア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
※ MSより : 第三章プレイング受付は、断章公開後から実施いたします ※
●降臨する神機
猟兵達の活躍によって、4本の幹線道路を含む首都全域を確保した公国軍。
郊外への迅速な兵力展開に成功し、プラントの包囲も時間の問題と思われたその時、公国軍の先陣を切る第三鉄騎兵師団の前衛部隊が、猛烈な爆轟に包まれる。
――オブリビオンマシンたる輝光神機が、戦場に降臨したのである。
不意を突かれる形となった第三鉄騎兵師団は、わずか半刻の戦闘で甚大な損害を被り、瞬く間に壊乱へと追い込まれたのだった。
「信じられません、一機のキャバリアによる損害とはとても……」
「例の精神汚染機か、冗談ではないな」
近衛鉄騎兵第三聯隊の聯隊本部にて、部隊参謀が呆然と漏らした言葉に、ベルトラムは合意する。
一機のキャバリアがもたらした尋常ならざる損害に、ベルトラムは通常戦力によるオブリビオンマシンの撃破という幻想を早々に捨て去った。
「敵精神汚染機に対してありったけの火力を叩きこむよう、軍直轄砲兵に要請しろ。通常のキャバリアでは太刀打ちできん」
あるいは、軍直轄砲兵による集中射と大量のキャバリアを投入すれば、撃破そのものは可能であるかもしれぬ。
しかし、それが実現するまでに、どれだけの人命が損なわれるか知れたものではない。少なくとも数個大隊。あるいは師団の潰滅すら覚悟しなければならないだろう。
それは、真っ当な軍隊にとって、あらゆる意味で許容できるものではなかった。
「結局は、彼らに頼らざるを得ないという事でしょうか」
「他国では猟兵と呼ぶそうだ。……君も見ただろう、あの戦闘力を」
ベルトラムの苦々しい表情を見遣り、聯隊参謀は抗弁の口を閉ざす。どれほど受け入れ難くとも、ベルトラムの選択が最善であることは自明であった。
「我が聯隊は精神汚染機周辺の敵部隊を拘束し、侵攻路を切り開く。 猟兵達が敵を打ち倒すまでの間、彼らの戦場を守り切るのだ」
猟兵達は、近衛鉄騎兵第三聯隊が切り開いた侵攻路を進み、輝光神機に相対する。
最後の戦いの幕が、切って落とされたのだった。
アイオライト・セプテンバー
※アドリブ歓迎
私の所属する旅団は、学校という形態をとった組織
私はそこの美化委員長
だからこそ許せないのは、何よりもこの世界を汚す輩の存在
人の心を汚すオブリビオンマシンも
まして疫病ウィルス型ナノマシンなど、以ての外だということ
周辺の遮蔽物は、先ほどに比べて少ない……だったら遠慮はいらないわね
友軍には一度、本機の前に出ないよう要請
本機【ブルーテイル】の動力炉として接続されている偽神兵器【エアドライブ】を臨界起動
ユーベルコード、【クリーン・アップ】を発動し、内部のオブリビオン・ストームを解放――敵機へと【一斉発射】
【疫病ウィルス型ナノマシン】を吹き飛ばす
人間だけを殺す機械など……存在してはならないのよ
●美化委員長かく戦えり
思うさま戦場を蹂躙した強大なる神機の前に、一機のキャバリアが陣風と共に立ち塞がる。
誰よりも早く戦場に到着した猟兵が、アイオライト・セプテンバーであったことに驚きを抱くものは皆無であろう。
イルジア大公国の首都を巡る騒乱にあって、彼と、彼の駆るブルーテイルという機体は、常に友軍の先陣を切る存在であった。
ブルーテイルの姿を認めた神機は、新たなる挑戦者にプラズマライフルの銃口をむけ、荷電粒子の波を解き放つ。
その狙いは正確無比。凡百のキャバリアとパイロットであれば、神機から放たれる攻撃を回避することなど不可能であった。
しかし、アイオライトとブルーテイルはそのどちらにも当てはまらない。
人体と同一レベルの感度にまでチューニングされたブルーテイルのアクチュエーターは、アイオライトの操作をほぼリアルタイムに機体へと伝達し、最小限の動作による回避を実現する。
初撃を軽く機体をひねらせるような形で危なげなく回避したアイオライトは、その勢いを絶妙なタイミングでアポジモーターによって増幅し、大きく横へ水平移動するための運動エネルギーに変換した。
一般的な高機動機体の回避機動を塞ぐ形で放たれた第二撃は、あまりにも変則的かつ負荷の高いブルーテイルの機動を捉える事こと叶わず、空しく大気を焼くだけに終わる。
アイオライトとブルーテイルによって披露された一連の回避機動は、まさに人機一体。ブルーテイルの常識から外れた運動性能と、アイオライトの技量によってのみ実現できる類のものであった。
回避に使用された速度を殺すことなく、アイオライトはブルーテイルの機体正面を神機に向け、肩部多連装ミサイルユニットのトリガーを引き絞る。
轟音と共に連続して放たれた多弾頭ミサイルは、無数の子弾をまき散らし神機へと迫る。
乱数的な挙動を描きながら迫るミサイルの群れを、神機はその外観からは想像もつかぬほどの高速機動によって回避する。
高速機動によって振り切られ、プラズマによって焼き切られるミサイル達。しかし、アイオライトの表情に落胆はない。
敵に回避と迎撃を強要し本命を叩きこむ時間を稼ぐ事こそが、アイオライトの狙いであったが故に。
「人間だけを殺す機械など……存在してはならないのよ」
人の心を汚すオブリビオンマシンと、疫病ウィルス型ナノマシン。眼前の神機は、あらゆる意味で彼の美学に反する物であった。
アイオライトの意志と美学に応えるかのように、ブルーテイルの動力炉たるエアドライブの出力は急速に上昇する。
動力炉内部で荒れ狂うオブリビオン・ストームが臨界に達したその時、アイオライトは外部に向けてそれを解放した。
「さあ、お掃除してあげる」
決然たる宣言と共に機体から解放されたオブリビオン・ストームは、神機の放った疫病ウィルス型ナノマシン「疫病の矢」をあらゆる空間から押し流していく。
一歩間違えばイルジアの国土を蹂躙していた災厄は、アイオライトとブルーテイルによって払われようとしていた。
成功
🔵🔵🔴
才堂・紅葉
「厄災じみた機体ね。一国でも亡ぼす為の仕様かしら」
モニターに映るナノマシン状況に顔をしかめる
一発勝負で行く
迦楼羅王で対峙し、機動力で回避行動を取りつつ前に出る
あの読みを回避で上回れないので、一点読みの受けに挑む【見切り、野生の勘】
「コード・ハイペリア」
真の姿の【封印を解く】と超過駆動形態
胸と両掌の間で圧縮展開する力場での射撃受けだ【オーラ防御、気合】
「絶ッ!!」
正拳の要領で力場を撃ち出し、着弾に杭打ち機構の撃鉄を重ねて奴の機体に紋章の刻印を狙う【カウンター、グラップル】
「奈落門!!」
刻んだ紋章を基点に【気合】で『奈落門』を開き、超重力【属性攻撃】で爆縮を敢行
周辺エリアのナノマシンの一掃も狙う
●顕現せしは奈落門
「厄災じみた機体ね。一国でも亡ぼす為の仕様かしら」
戦場に君臨する神機を見据え、才堂・紅葉は迦楼羅王のコクピットにあって苦々しく呟く。
戦闘員かの是非を問わず、ただ人間を殺害するという目的に特化した厄災。
神機から際限なく放出されるナノマシンのデータは、歴戦の紅葉をして嫌悪の念を感じさせる代物であった。
狂気に堕ちた神機は紅葉と迦楼羅王の姿を認めると、高速で飛翔しながら荷電粒子の波を放つ。
第一撃を辛うじて見切り回避した紅葉は、迦楼羅王を跳躍させ後退する。
「あの攻撃を回避し続けるのは難しいわね。……なら、一発勝負で行く」
相手を追い詰めるべく追撃に移る神機。しかし、迦楼羅王の後退は、決して追い詰められての物ではなかった。
「コード・ハイペリア」
紅葉は決断し、自らの持つ紋章の封印を解き放つ。両手と背中に刻み込まれた紋章が青く燐光し、コクピット内を照らす。
迦楼羅王は主人の意志に応えるべく、排熱機構を展開し、超過駆動形態へと移行する。
紋章の魔力によって増幅された機関出力は、紅いマフラー状の排熱機構を通して外気を焦がす。凍りかけていた地面は忽ちのうちに乾き、迦楼羅王の周囲は灼熱の気に満ちていく。
敵手の尋常ならざる様子を認めた神機は、必殺の意志を込めて追撃の荷電粒子を連続して放つ。その攻撃には一切の油断も躊躇もない。
凡百の機体が受ければ一撃で機体を貫通し、爆散せしめる程強力な荷電粒子の波が迦楼羅王に迫る。
しかし、紅葉と迦楼羅王は動じない。機体の両腕を胸の前で構えることで、防御力場を圧縮展開すると、致命的な出力の荷電粒子流を真正面から受け止めたのである。
地を引き裂かんばかりの轟音。しかし、迦楼羅王は見事敵の攻撃を受け止めることに成功する。
荷電粒子流は大気を歪ませるほどの高密度で展開された闘気の力場によって捕らえられ、純粋なエネルギーの塊と化した。
紋章の力を行使することによる反動に歯を食いしばりながら、紅葉は力場を操作し、圧縮されたエネルギーを迦楼羅王の拳へと込める。
「――絶ッ!!」
裂帛の気合と共に迦楼羅王は正拳の要領で拳を突き出し、力場に封じ込めたエネルギーを神機へと向け解放する。
眩い閃光と共に繰り出されたエネルギー流は、過たずに神機の脚部を捉える。
自身が放った荷電粒子を撃ち返される形となった神機は、脚部の装甲を抉り取られ、姿勢を崩す。
しかし、その損傷は紅葉の攻撃の一端にすぎない。空中で大きく仰け反った神機の脚部には、紅葉が持つハイペリアの紋章が刻印されていたのだから。
「コード・ハイペリア承認。アビスゲート限定解除……承認……。超高重力場……特異展開、実行!」
紋章の力は絶大なれど、行使する紅葉の体を蝕む諸刃の剣。しかし、紅葉は強靭な精神力によって激痛を抑え込み、神機への攻撃を完遂させる。
「奈落門!!」
神機へと刻まれたハイペリアの紋章を起点に、門が開く。それは、天文学的な質量を封じた奈落への扉。
巨大な質量を持った奈落門の出現は神機の装甲を歪ませるだけにとどまらず、周囲の大気を奈落門へと収束させる。瞬間的な速度で数十万気圧にまで圧縮された大気は瞬く間に加熱され、奈落門が閉じるまでの合間に爆縮現象を発生させた。
爆縮によってもたらされる小規模な核融合反応は、奈落門の消滅と共に外部へと解放される。結果として発生した情景は、猛烈な閃光と共に吹き飛ばされ、脚部への深刻な損傷を負った神機の姿であった。
奈落門によって引き起こされた爆縮と、それによって生じた核融合反応による衝撃波は、神機に深刻な損傷を与えると同時に、周囲に展開されていたナノマシンを吹き飛ばすことに成功したのであった。
成功
🔵🔵🔴
貴司・忍
オブリビオンマシンって、やたら仰々しいのが多いよな…
敵兵装はプラズマライフルにナノマシンね
危険すぎるな、うちの国にまで手を伸ばされたら…
絶対此処でぶっ壊す
【柘榴】を起動
ガトリングの勢いで高速発射されるミサイルを放ち【制圧射撃】ならぬ爆撃を試みる
どんなミサイルが入ってるかはあたしも知らねぇ飛び切りのランダムだ読み切れるかなフーハハハ―!!
これを囮にしてミサイルと一緒に開天六号も
【ダッシュ】&【ジャンプ】を組み合わせた【推力移動】で接近
これだけのミサイルがあればそうそう狙いはつけられるまいよ
あたりそうだったら最悪彼岸花を盾にする
コード発動しチェーンソーで狙うはその危なすぎる腕
斬り落とす!
●特攻隊長、飛翔セリ
「あの機体、危険すぎるな、うちの国にまで手を伸ばされたら……」
神機から放出されるナノマシンのデータを確認し、慄然とするは六号開天を駆る貴司・忍である。
彼女の祖国、学徒防衛都市国家【立花】は学生たちが運営する小国家。当然、自身の身を守ることのできない子供たちが多数在籍している。
そこに、眼前の神機が現れたならば……。そのような想像を振り払うかのように、忍は多段推進装置の出力を上昇させる。
巨大な推進装置からもたらされる推力は、六号開天の巨体を軽々と持ち上げ、轟音と共に神機のもとへと機体を躍進させた。
「絶対に、ここでぶっ潰す!」
前方からの強烈な重力に耐えながら、忍は決意も新たにミサイルガトリング【柘榴】のトリガーを引き絞る。
ガトリングの砲門が重々しい音を立てながら回転し、ミサイルを雨霰と発射していく様は、ある種の火力信奉者が見れば感涙を零すほどに勇壮な光景である。しかし、それに比して飛翔音がどこか悲しげであるのか会計部門の涙故であろうか、それは定かではない。
柘榴から発射されたミサイルの豪雨は、他の猟兵の攻撃によって体勢を崩した神機へと迫り、次々と炸裂する。
炸裂したミサイルの弾頭は、発射した忍ですら詳細が分からないほどに多種多様であった。神機の目の前で榴弾弾頭が炸裂し、内部の合金ペレットが神機の装甲を傷つけたと思えば、集束型弾頭から無数の子弾が放出され、神機の周囲で炸裂する。
神機は強引な姿勢制御で回避行動をとると、持ち前の高速機動とプラズマライフルによって火力の雨を迎撃していく。損傷し体勢を崩していたとはいえ、神機の戦闘力は依然として健在であった。
しかし、忍と六号開天が怯むことはない。火力の雨によって神機の機動を制約することこそが、忍の狙いであった。
「さぁいくぜ、六号開天!」
忍は背部多段噴進装置の出力を最大まで上昇させる。
常識外れの出力を持つ多段噴進装置は、その圧倒的な推進力によって六号開天を一時的に重力の軛から解放した。
ガトリングから放たれるミサイル達と共に、自身も巨大な弾丸と化した六号開天は、猛烈な速度で神機に迫る
迫りくる六号開天を脅威と見做した神機は、プラズマライフルを不遜な挑戦者へと向け引き金を絞る。
しかし、忍は神機の行動を読み切っていた。事前に起動していたロケットエンジン搭載型の装着式大型アーム【彼岸花】を神機の射線上に発射する。
衝突する荷電粒子流と彼岸花。爆散する彼岸花とプラズマの余波を引き裂きながら、ついに六号開天は神機へと至る。
「開天組の名物だ、見物料は今から貰う!」
六号開天の腕部に搭載された削岩用大型丸鋸が音を立てて起動し、唸りを上げて神機の装甲を削り取る。
舞い散る装甲片と火花。六号開天が持つ速度と質量をまともに受け止めた神機は大きく体勢を崩し、きりもみしながら高度を下げていく。
墜落寸前で六号開天の束縛から脱出した神機であったが、その腕部には深刻な損傷が刻まれていた。
成功
🔵🔵🔴
トリテレイア・ゼロナイン
火力に差があろうとも…騎士としてこれ以上の犠牲は看過できません
速やかに制圧させて頂きます
装甲融解程度は許容範囲
●世界知識と●瞬間思考力、センサー●情報収集でプラズマ熱線の被害範囲●見切り最小限の●推力移動操縦機動で回避し接近
サブアームのライフルと格納銃器の●乱れ撃ちスナイパー射撃
敵ライフルのサイト狙い回避行動誘発
背部コンテナから取り出したスモークグレネード●投擲目潰し
囮として大盾投擲と同時、熱源センサーに切り替わる一瞬の隙突き迂回するようUC発射
ライフルに絡みつかせワイヤー巻き戻し
機体出力限界突破した怪力で地に引き摺り倒し●ライフル踏みつけ
各部装甲継ぎ目に銃器を接射しつつ抜き放った剣突き立て
●老獪なる騎士
猟兵達の猛攻により損傷を負ってなお、輝光神機の放つ禍々しい闘気は戦場全体を圧していた。或いは、傷つけば傷つくほどに、神機から発せられる狂気は増幅され、強大になるのやも知れぬ。常人をしてそのような憂惧の念を抱かせるほどに、狂気に堕ちた神機の存在は超越的であった。
そのような敵手に対し、一歩も引かず立ち向かうキャバリアの姿があった。その雄姿を誰が見違うことがあろうか。イルジア大公国で発生した一連の騒乱の渦中にて、常に友軍の先頭に立ち、血路を切り開き続けた騎士。トリテレイア・ゼロナインの駆るロシナンテⅣである。
「火力に差があろうとも……騎士としてこれ以上の犠牲は看過できません」
眼前の輝光神機の性能は、圧倒的である。正面装甲、機関出力、そして投射火力。戦闘において重要視されるすべての性能において、ロシナンテⅣは輝光神機に及ばない。
しかれども、それが何ほどのことがあろうか。自らの経験と能力、そして騎士たらんとする意思を信じ、トリテレイアは愛機たるロシナンテⅣを駆り、神機へと挑む。
「速やかに、制圧させて頂きます」
トリテレイアの意思を反映するかの如く、ロシナンテⅣは手にした銃器を構え猛然と突貫する。
ロシナンテⅣから放たれる闘気を受けた神機は、トリテレイアを対等な敵手と認め、未だ損傷の無いプラズマライフルから荷電粒子流を放つ。
対するロシナンテⅣは手にしたライフルと格納銃器を猛射しつつ、体勢を大きく逸らし第一撃を回避する。
極限まで強化された格闘運動性を持つロシナンテⅣは神機の攻撃を回避することに成功する。超高出力の荷電粒子の余波は、掠めただけでもロシナンテⅣの装甲を焦がす。
火力の差は圧倒的なれど、トリテレイアとロシナンテⅣは怯まない。
トリテレイアは神機との間合いと射撃のタイミングを的確に見抜き、第二撃が発射されると同時に背部コンテナから取り出したスモークグレネードを投擲する。
絶妙なタイミングで炸裂し、瞬時に展開された粉塵が、攪乱膜の役目を果たし、致命的な荷電粒子流の威力を弱める。
しかし、トリテレイアの狙いは防御だけではなかった。神機が索敵を光学から熱源に切り替える一瞬の隙を突き、手に掲げる大盾を投擲する。
猛烈な速さで迫る盾を迎撃する機動を神機に強要しつつ、ロシナンテⅣを敵手の側面に遷移させる。
トリテレイアの歴戦の技量と瞬間思考力は、一手でも違えれば窮地に追い込まれる綱渡りのような戦闘機動を実現させた。
敵手の術中に嵌ったことを神機が悟ったと同時に、トリテレイアからの詰めの一手が放たれる。
「騎士の戦法ではありませんが……不意を討たせて頂きます」
両腕部に収納されていた隠し腕が展開され、神機が持つライフルを絡め捕る。
かくの如くして、トリテレイアの策は神機を捕らえることに成功したのだった。
トリテレイアは手応えを感じると同時に機体出力を限界まで引き上げると、猛烈な引力で神機を格闘戦の間合いへと引き摺り込み、素早く愛剣を抜刀する。
辛うじてその軛から脱することに成功した神機であったが、その金色の装甲には無数の弾痕と刺突孔が刻み付けられていたのだった。
成功
🔵🔵🔴
天音・優歌
今回の元凶のオブリビオンマシンだね
アレを倒せば今回の事件も解決するはず
いくよ、メソテース!
魔導書からサイキックキャバリアを召喚し乗り込みます
優しき歌より来たりて!无音の世界に……天からの音を降らせよ我が半身!汝、无に還す者!メソテース!
UCを発動しサイキック・ロードを広範囲に展開
疫病ウィルス型ナノマシンを敵に返し生身の方の戦闘行動の支援
ナノマシン自体に意思はないと思うから転移できるはず
UCを維持しつつ空中浮遊で空を飛び正面から切り結び合い堂々と戦います
長引かせるとパイロットの方が危ない
出し惜しみはなしで速攻で片をつけるよ!
ホワイト・キャスター
おっと、キャバリア取りに行ってる間に大将さまのお出ましか。
味方が優秀なようで嬉しいねぇ
見るからに最新鋭機、いいね。腕がなるよ
番狂わせはアタシたちの十八番、そうだろう?ブルーフォッグ
UCでリミッター解除した機体を操縦技術で制御
殺人ウイルスはアタシには意味ないが後ろで道を作ってくれた奴らに何かあったら目覚めが悪い
濃霧噴射装置で押し返し、そのまま霧に紛れて実体験でぶん殴る!
地形を利用して射線を切り、キャバリアや戦車の残骸にアンカーを絡ませぶん投げて、隙きができたら剣で叩く
それを霧が晴れるまで繰り返す。
●優美なるもの、堅牢なるもの
猟兵達の死力を尽くした戦いは、確実に輝光神機の機体に損傷を蓄積させていた。今や金色の装甲は弾痕や破孔に覆われ、出現時の神々しいまでの美しさは失われて久しい。
しかれども、神機の放つ狂気を帯びた闘気は依然として健在であった。むしろ損傷を受け、追い詰められるほどに、神機から放たれる闘気は強大さと禍々しさを増幅させているように思われた。
厚い雲に覆われた天に向かって、神機は咆哮する。消費され、忘れ去られた過去の妄執は、今この時存在する世界を滅ぼさんと神機から溢れ出る。
一度は払われた「疫病の矢」は、過去からもたらされる神機の狂気によってより悪辣な物へと変化し、再び地表を埋め尽くさんとしていた。
しかし、今ここには過去の妄執を断ち切らんとする意志を持った猟兵がいる。神機から放たれる狂気を断ち切るように、輝く魔法陣が神機の眼前に立ち塞がった。
「優しき歌より来たりて!无音の世界に……天からの音を降らせよ我が半身!」
雪の降りしきる地に朗々と響き渡る天音・優歌の詠唱。それに応えるかのように、魔法陣から放たれる光は眩さを増し、神機の邪気を引き裂いていく。
「汝、无に還す者!メソテース!」
優歌の詠唱が完結し、術式は成った。召喚されるは白亜のサイキックキャバリア、その名を「メソテース」。
白き外套を翻し、魔力を帯びた長剣を掲げるメソテースの姿は、力強く、そして、優美であった。
メソテースの躯体内に導かれた優歌は、すぐさま機体に魔力を流し込み、一つの魔法を発現させんとする。
主の意を汲んだメソテースは剣を回転させ、天球儀状の柄頭から魔力の旋風を発生させた。
優歌の魔力がメソテースによって増幅され、より強大な魔法となって発現した魔力の旋風は、サイキック・ロードとなって周囲のナノマシンを除くと同時に神機とメソテースの周囲を取り囲み、一種の戦闘領域を形成したのだ。
魔力の渦に閉じ込められ、その元凶を取り除かんとメソテースに銃口を向ける神機。
しかし、神機の注意がメソテースに集中した絶妙な隙を突いて、もう一機のキャバリアがその側背を突いた。
「これであの機体は機動力を生かせない。味方が優秀なようで嬉しいねぇ」
巧妙に神機の虚を突いたのはホワイト・キャスターの駆るブルーフォッグであった。量産機をベースにした機体でありながら、現地改修を重ねられたその姿は武骨そのもの。兵器としての効率と信頼性を体現するが如きその姿は、狂気に侵された神機に立ち向かう人間の意思そのものであると言えた。
「見るからに最新鋭機、いいね。腕がなるよ」
強大な敵と当たることなど、キャスターにとって些かの重圧にもならない。番狂わせは、むしろキャスターとブルーフォッグの十八番であった。
ブルーフォッグは濃霧噴射装置で周辺のナノマシンを吹き飛ばしつつ、発生したきりに紛れる形で、神機の側面から実体剣で切りかかった。
重々しい衝撃音と共に、神機の装甲から火花が飛び散る。
あらぬ方向からの攻撃を受けた神機は、辛うじてその攻撃を受け止めた。しかし、外見以上の重量を持つブルーフォッグの刃は、神機に受け止められながらも体勢を崩すことに成功する。
「お互い猟兵だ、うまくやろうぜ」
今までの戦いぶりから優歌の力量を信頼したキャスターは、神機を抑え込みながらウェッジアンカーを射出。
楔型のワイヤー付きアンカーで擱座し打ち捨てられた戦車の残骸に絡み取ると、すぐさまそれを神機へと投擲する。
高速で飛来する戦車の残骸を払いのけながら、小癪なキャバリアを撃滅すべく体勢を変える神機。
「隙ができた? ――それなら!」
ブルーフォッグによって誘導された神機の機動は、優歌とメソテースにとって好機であった。杖として使用していた剣を再び回転させ、体勢の乱れた神機へと切りかかる。
堂々たるメソテースの斬撃は、物理的な力以上の圧力を伴って神機へと迫り、防御を強要する。
あるいはメソテースとブルーフォッグ、どちらか一機のみであれば神機はより有利に戦闘を進められたのやもしれない。
しかし、優歌とキャスターという二人の猟兵による即席の連携は、お互いの行動を補い合い、神機の行動を制約することに成功する。
優美さと堅牢さ。相反する外観を持った二機のキャバリアが繰り出す刃は、神機の機体に深刻な損傷を与えることに成功したのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
小和泉・佳奈恵
【遊撃警備隊】
大佐の判断は正しかよ。でも、此処はイルジア。みんなの国やけん。
余所者に全部持っていかれるんじゃ、いかんよ。
正規軍と交戦中の敵を掃討してから参戦する。
大佐の機体にMk-Ⅸを装弾した20mmを預けていく代わりにその機体の銃を貸して貰おう。多喜さん、管制と索敵よろしく。
勝利の花道は公国軍に。死ぬのは余所者の仕事やけんね。
Sec-UNIT31、進出する!
噴射跳躍とアンカーワイヤーの三次元機動で陽動するよ。
大佐の射線に敵を引きずり出すのがぼくの役目だ。射撃で牽制しつつ、友軍機が危なければ盾で庇う。
大丈夫、ぼくは大佐を信じとうけん。絶対に当ててくれる。絶対に貫ける。この国の英雄は絶対勝つ!
数宮・多喜
【遊撃警備隊】
なるほど、
まさに一騎当千って訳だ。
指揮官さんよ、アンタの采配はまぁ正しい。
けどな、もう一つ。
「化物を斃すのは常に人間」、てのも正しくはないか?
そうさ、アンタらも人間だ。
軍隊(群体)の戦い方、見せ付けなよ!
壊乱状態の部隊にテレパスを回し、
『情報収集』による連携と『鼓舞』で最低限の統制をもたらすよ。
小和泉さんには銀の弾丸になってもらおうかと思ったけれど、
撃鉄役をお望みみたいだね。
そうだ、奴がいくら高速で動いたとしても
狙撃の瞬間は動きが止まる。
殺意が膨れ上がった瞬間がその時さ、
『援護射撃』を開始する!
総員、『制圧射撃』の『弾幕』で
大佐の射線上へ奴を釘付けにしてしまえ!
●意志の力
「Sec-UNIT31、進出する!」
戦場に到着した小和泉・佳奈恵は、直接神機と対峙することを選ばず、周辺の敵部隊に攻撃を仕掛け、散々に攪乱していた。
佳奈恵の狙いは壊乱した第三鉄騎兵師団に再編の時間を与え、近衛鉄騎兵第三聯隊の前進を支援することにある。
「大佐の判断は正しかよ。でも、此処はイルジア。みんなの国やけん」
ワイヤーアンカーを次々と周辺の建造物に射出し、軽量なセンチネルを縦横に機動させる佳奈恵。
センチネルの手には愛用の20mm多砲身回転式機関砲ではなく、公国軍が正式採用している対キャバリア突撃銃が握られている。
クロムキャバリアの世界の常識からあまりにも逸脱したセンチネルの挙動に、敵部隊の脚は止まり、次々と撃破されていく。
「……余所者に全部持っていかれるんじゃ、いかんよ」
この世界の、この国を守る主体は、あくまでも公国軍である。佳奈恵は確固たるものであり、自身を銀の弾丸ではなく撃鉄であると定義していた。
かくのごとき佳奈恵の意思を尊重し、支えるのはもう一人の猟兵。即ち数宮・多喜である。
多喜は直接的な戦闘ではなく、自身のテレパシー能力を使用して佳奈恵と公国軍を支援していた。
装甲擲弾兵の測的装備とキャバリアのセンサ類からもたらされる情報が、多喜のテレパスのネットワークによって統合され、衛星を持たぬクロムキャバリア世界の軍隊では実現不可能な精度でのC4Iシステムを構築したのだ。
これによって、砲兵はより正確な諸元を基に効力射を実施でき、前衛となるキャバリア部隊は自機のセンサ情報だけではなく、周辺部隊の機体からもたらされる情報を基に機動し、戦闘を行うことが可能となる。
敵味方の正確な情報がもたらされることによって、混乱した第三鉄騎兵師団は急速に秩序を回復しつつあった。
佳奈恵と多喜の奮戦によって、機は熟しつつあった。
豊富な火力、旺盛な戦意、投入可能な戦力、正確な情報。戦場に出現した神機を打倒するため、ベルトラムが必要と考えていた、そして、望みえぬと諦めていた要素が、すべてその手中に齎されたのだ。
「ここは我らの国、か」
佳奈恵からかけられた言葉を、ベルトラムは反芻する。今ここに道は拓かれ、そして近衛たる鉄騎兵第三聯隊がある。イルジアを護る醜の御楯として、これ以上明確な使命が他にあろうか。
決意を固めるベルトラムのもとに、多喜からの念話が入る。
「指揮官さん、お隣の第三鉄騎兵師団の師団長から伝言だ。側面は固めてやるとさ」
当初壊乱の淵にあった第三鉄騎兵師団は、ベルトラムの聯隊と佳奈恵、多喜の参戦によって危機を脱し、テレパスからもたらされる情報と各級部隊の指揮官たちの尽力によって兵力の再編を完了したのだ。
未だ攻勢には耐えられぬとも、味方の前進を支えるだけの力はある。多喜はその旨をベルトラムに伝える。
「承知した。……君たちには返しきれない借りができたな」
「ハッ!礼ならこれが終わった後にいくらでも聞いてやるよ。 アンタ達軍隊の戦い方、見せ付けてやりな!」
「いいだろう。公国軍の戦い方、御覧に入れる」
かくして、ベルトラムは決断する。彼は近衛鉄騎兵第三聯隊全部隊に対して、神機との戦闘開始を下命した。
聯隊の最先鋒を務めるは、ベルトラムが直率する本部中隊および第一中隊である。極限の状況の中、兵達を死地に立たせる指揮官の義務と技術を彼は熟知していた。
新たに戦場に出現した有象無象達を一蹴すべく、プラズマライフルを構える神機。しかし、その意図はセンチネルが投射された短距離多用途誘導弾によって阻まれる。
「大丈夫、ぼくは大佐を信じとうけん。絶対に当ててくれる。絶対に貫ける。この国の英雄達は絶対勝つ!」
佳奈恵の言葉、多喜の思念に力つけられた近衛兵達は、騒乱の元凶たる神機に向けて引き金を絞る。
多喜のテレパスによって統制された火力はすさまじく、神機の動きを一時的に拘束することに成功する。
佳奈恵から託され、ベルトラムが放ったジオアームズMk-Ⅸ IHEIAP弾は、かくのごとき状況下で神機の腕部装甲を貫徹し、その片腕を引き千切ることに成功したのだった。
大成功
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バーン・マーディ
神機
事前
首謀者について細かく調べておく
どのような戦い方をするか
どういう性格か
やはり…此奴か
…遠い世界に此奴の様な虫の王がいたらしいがな
そして…マーズよ
あの機神も貴様の知己か…(かなり微妙な反応。敵か味方か測りかねてる様子
まぁいい
まずはあの太陽を落とすとしよう
【オーラ防御】展開
【戦闘知識】
戦い方と癖を把握
狂気に侵され…否
侵されているからこそ癖は明確になる
後は叩き潰すのみ
UC発動
敵の攻撃は基本回避せず
軍神の剣による【武器受け】で致命を避け
【切り込み・鎧破壊・鎧無視攻撃・怪力・二回攻撃】にて破壊のオーラを纏った軍神の剣による猛攻
破壊のオーラを広域に展開しナノマシンの破壊も試みる
太陽よ
今こそ地に墜ちよ
槐・白羅
神機
ふむ…あの丸いのを背負ってるのはお前の仲間か?(凄まじい抗議の気配
しかし…信じられぬ強さ…あれが噂の猟兵とやらか…
そしてあの金色のも…何となく分かる
…人を狂わす機体は基本一切識別不能であったが…今は判る
そして倒さねばならんと言う事もな
それが猟兵としての性質か
なんとも不思議なものだ
モルスよ
お前も同じような物のようだが
使いこなして見せるとしようか
さて…他に機能は…今は無理か
仕方ない…キャバリアで出来るかわからんが試すか(UC発動
よし…どうやらモルスの力も高められているな
ならば…突撃あるのみ!
はっはっはっ!流石に避け切れなさそうだな
【受け流し】でダメージ軽減と致命を避け
手刀で【貫通攻撃】だ
●神機相撃
イルジア大公国の歴史において、最も長い日が終わろうとしている。
既に日は落ち、闇が支配する戦場を照らすは、絶え間なく発射される照明弾のみ。
戦い続けた輝光神機の装甲に、もはや往時の輝きは存在しない。所々が拉げ、破孔が生じ、血の様に赤黒いオイルが滴っている。
この国軍人たちと猟兵達の奮戦は、輝光神機をかくの如き満身創痍の状態へと追い込むことに成功したのだ。
しかし、神機から発せられるは、なおも強大な闘気と狂気。神機の意思は物理的な力として現世を歪め、プラズマと化して機体の周囲を覆っていた。
あの狂気に堕ちた神機は不滅なのではないか。凡百の人間だけでなく、或いは猟兵でさえも、そのような畏怖にも似た感情を抱くやもしれない。
それほどまでに、この戦場に降臨した神機の戦闘力と存在は超常的であった。
時を経るごとに、損傷を受けるごとに、神機から発せられる邪悪なプレッシャーはその強大さを増していく。
戦場全体が神機の邪気に包まれるかに思えたその時、それを祓うかのように新たな闘気が戦場に満ちる。
大地を震わせ、戦場に表れたるは二柱の神機。即ち、破城神機と冥導神機。
イルジアという舞台において、ついに三柱の神機が邂逅を果たしたのである。果たして、それは天の意思か。或いは、神機という超常の存在によって歪められた天の理が、この三柱をこの場へと導いたのやもしれない。
「……マーズよ、あの機神も貴様の知己か」
「……あの丸いのを背負ってるのはお前の仲間か?」
神機を駆る二人の猟兵、バーン・マーディと槐・白羅は互いの機体に対する関係を、僕たる神機に問いかける。
主たる二人の問いかけに対する神機の反応は、お互いに異なる物であった。破城神機は結論を保留し、冥導神機は激しい抗議の意思を主人に返す。
導かれし二柱の神機がどのような関係にあるにせよ、バーンと白羅がこの場でなすべき事に変化はない。
自らの駆る神機と同等の存在がこの場にあり、それは過去の妄執に捕らえられている。
故に、成すべき道は一つであった。
「まぁいい、まずはあの太陽を落とすとしよう」
「……今は判る、あの人を狂わす機体は、倒さねばならん」
果たして、破城神機と冥導神機は、主人の意思を過たず汲み取った。
戦闘出力に入った二柱の主機関は膨大なエネルギーを発生させ、自身から溢れ出でる闘気と共に戦場を圧する。
輝光神機、破城神機、冥導神機。三柱の闘気が物理的な力と化して衝突し、大地が鳴動する。それが、戦闘開始の合図であった。
「マーズよ、破壊の神としての力を見せるが良い。今ここに叛逆の刃を突き立てん!!」
先陣を切るはバーンの駆る破城神機である。極限まで高められた闘気は背部の光輪より炎となってマーズを包み、輝光神機に迫る加速を実現させる。
迎え撃つ輝光神機からの射撃に対して、バーンはもとより回避を考えていない。
軍神の剣を荷電粒子流の着弾点に構え、断ち切らんとする破城神機。
すべてを焼き尽くす業火と化した破城神機の闘気によって勢いを弱められた荷電粒子の奔流は、軍神の剣の一振りによって周囲へと拡散する。
もはや指呼の間まで接近した二柱の神機。マーズは軍神の剣を上段に構えると、必殺の意思をもって輝光神機へと振り下ろす。
しかし、狂気に侵されてなお、敵もまた神機であった。輝光神機はプラズマライフルの銃口から発生させた荷電粒子流を、自らの闘気によって収束させ、電の剣としてマーズの斬撃を受け止めて見せたのである。
激しく衝突する炎と雷。接近戦は不利と見るや、輝光神機は初撃の反動を使用して大きく機体を逸らし、半円機動を描きながらマーズの側背を突かんと試みる。
しかし、その機動は実現しない。輝光神機が体勢を逸らした絶妙なタイミングを、白羅が操る冥導神機が突いたのである。
「玄武門、開門。朱雀門、開門。白虎門、開門。青龍門、開門……! 四門開門!!」
マーズが突貫した刹那の合間を使用して、白羅は身中にある四つの門を開く。それは、高次なる世界から白羅本来の力を呼び出すための儀式であった。非有非空の世界よりもたらされた力は、白羅とモルスの闘気に共鳴し、金色のオーラと化して一人と一柱を包む。
裂帛の気合と共に、冥導神機は突進する。瞬く間に音速を超えたモルスは、マーズの初撃を辛うじて防ぎ、その側背を突かんとした輝光神機を捉えた。
「我が全霊!たっぷりと楽しめぇ!」
破滅的な運動エネルギーと共に、モルスの手刀が輝光神機の腹部を真横から貫く。
凡百の機体であれば機体が分解するような損傷と衝撃を受けてなお、輝光神機は未だ機能を停止しない。
自らの腹部を刺し貫いたモルスの腕をつかみ、雷の剣で切り落とさんとする。
恐るべきはオブリビオンの狂気か、輝光神機の執念か。
しかし、破壊の象徴と化した剛剣が、因果諸共そのすべてを断ち切った。
「――太陽よ、今こそ地に墜ちよ!」
軍神の剣が、モルスの攻撃によって速度が削がれた輝光神機の下腹部から肩部にかけてを逆袈裟に切り裂く。斬撃の勢いを殺さずバーンは機体を回転させると、返す刀で腹部へと正面から剣を刺し入れる。
この一撃によって、三柱の神機が繰り広げた戦いの勝敗は決した。
致命の一撃を受けた輝光神機は天を仰ぎ、咆哮を上げる。輝光神機が纏っていた闘気は衝撃波となって霧散し、咆哮と共に周囲の大地と天を覆う雲を引き裂く。
最期の咆哮に、どのような感情が込められていたか。それは、同じく神機を操る二人の猟兵以外に知るすべはない。
その咆哮を最後に不滅とも思われた輝光神機が機能を停止した事だけが、ただ一つ明白な真実であった。
引き裂かれた雲の隙間から、青白い月光が大地を照らす。
戦の音が途絶えた世界にあって、戦いを終えた三柱の神機が美しく輝いていた。
大成功
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