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明日の笑顔の為に

#クロムキャバリア #学徒防衛都市国家【立花】 #エヴォルグ量産機 #ヴェルディグリース

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#クロムキャバリア
#学徒防衛都市国家【立花】
#エヴォルグ量産機
#ヴェルディグリース


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●キャラバン、襲撃
「あーあ、今回の遠征は長かったなぁ…ねぇ、今回は何ヶ月かかった?」
「ほ?………三ヶ月ですかね。記録更新です」
「おい、無駄口叩いてないで周辺警戒してろ」
「「へーい」」
 だだっ広い荒野の中で停車しているトラック群と、それを守るように囲んでいる同型と思わしきキャバリアが三機。
 どこにでもありそうな、ちょっとしたキャラバン隊だ。
 絶えず周辺を見回している、アフロマークがペイントされたキャバリアが護衛の隊長機なのであろう。
「つっても兄貴、もうこっからはうちの国の勢力圏内ですよ?だからトラック組も休んでる絵わけですし…あ、このチョコバーうんまっ!!」
「いや、だからってお前キャバリアから降りるんじゃないよ…おい待てチャラお前、また積み荷からつまみ食いしてんのか!?」
 トラックの運転手たちに交じってチョコバーを頬張る、愛嬌のある金髪少女パイロットに対しスピーカー越しに怒声を放つ隊長機。
「ほっほ。トラック組は彼女に甘いですからね…まぁそこは役得と言うことにしておいてあげてください、モッサ隊長。いやしかしうまいですねこのバナナ」
「おめーもしっかり食ってるじゃねぇかラリーさんよぉ!?」
 三本目のバナナに手を伸ばすゴリラ顔の同僚に、コクピット内でギャースカ声を荒げるアフロ隊長。
 この二人、腕は立つんだけどなぁ…と、遠征と言うある意味過酷な任務の中で、長い付き合いながらも変わらずにいてくれている二人に感謝すべきか怒るべきかとコクピットで頭を抱える始末だ。
 これには休息を取っていたトラック運転手たちも思わず笑ってしまう。
 とはいえ、故郷まであと少し。
 積み荷を待っている子供達は大勢いる…早く戻らねばと彼ら全員が気合を入れなおし、休息を切り上げる準備にかかった。
「はー美味しかった……あれ?友軍機の反応?こんなところで?」
「ん?どうしたチャラ」
 ふと、コクピットへ戻った彼女が妙な反応をキャッチした。
「あ、モッサ兄貴…いや、なんかレーダーが友軍機の反応をキャッチしたみたいで…おっかしいなぁ、この方角には詰め所も何もないはずだし…」
「友軍だぁ?迎えでもよこしてくれたってか?…いやそんな連絡入ってるか、ラリー」
「…ないですね」
「てぇことは、だ」
 体調機が、ガトリング砲の安全装置を解除。
 カメラセンサーを超望遠に切り替える……見えた。
 土煙、そして、異形。
「──敵襲だよなぁ!!」

●笑顔の運び人を救え
「集まってくれて、サンキューな。じゃあブリーフィング始めるぜ」
 いつも通り、愛機であるキャバリアを背にしながら集まった猟兵に切り出すのは、キャバリア乗りの貴司・忍だ。
「今回、あんたらにお願いしたいのはオブリビオンマシンに襲われているトレーラーのキャラバン御一行救出だ」
 地図を広げ、キャラバン隊がオブリビオンマシンに襲われる位置を指し示す。
「場所は…まぁあたしがいるってことはなんとなくわかるよな?クロムキャバリアだ」
 そこで、とある荷物を積んだキャラバン隊が、どこの所属かもわからないオブリビオンマシンに襲われ壊滅する…それが、彼女が見た予知だ。
「キャラバンの所属先は都市国家【立花】…あー、こないだ内乱騒ぎもあった例の学徒防衛都市国家だ。よその国からの荷物を満載した連中が帰還する途中を狙われた」
 苦虫をかみつぶしたような表情で、忍は語る。
「護衛のキャバリアは三機。どういうわけかオブリビオンマシンは連中のレーダーに反応しなかったみたいで接近を許しちまったようだ」
 調べてみれば、立花近隣で発見された古代帝国の調査に出ていた学生たちが行方不明になっているという。
「うちの国の生徒がオブリビオンマシンに操られてるか使われてるんなら、友軍として近づくのはわけねェ。必死で戦ってるが…敵は、オブリビオンマシンだ」
 兵器としての数と質。
 その両方を上回る相手に、背後を気にしながらの戦闘…長くはもたないだろう。
「ぶっちゃけ、連中が護衛してるキャラバン小隊の罪には特に重要な物資じゃないが…あいつらは間違いなく、物資を捨てないだろうな」
 トレーラーに満載されている荷物の大半は、他国からかき集められた嗜好品だ。
 ゲームだったり、お菓子だったり、飲料だったり。
 果てはぬいぐるみや人形もある。
「…うちの国はまだまだ小さい小規模国家でね。正直、学生の寄り集まり。娯楽は過去の遺産の焼き増しなんかが多い」
 だからこそ。
 明日明後日、そのまた明日。誕生日や記念日を迎える皆の為に、少しでも外の文化に触れさせてやりたい。
 そんな思いから彼らキャラバンは旅立ち、そして帰ってきた。
「娯楽の為に命を賭けるとか、甘い話かもしれないけど…頼む。連中を助けてやってくれ」
 深々と頭を下げる忍。
 背後で彼女のキャバリアが、チェーンソーを唸らせ次元の扉を開いた。


とま太郎
 下手の横好きだろうとロボが好き、どうも皆さんとま太郎です。
 今回の依頼は、学徒防衛都市国家【立花】へ帰還しようとしているキャラバン隊の護衛となります。
 前回に引き続き、都市国家【立花】関連のシナリオとなります。

 一章、二章共にキャラバン隊を襲うオブリビオンマシンの迎撃です。
 NPC小隊が踏ん張っていますが、彼らだけでは壊滅は時間の問題。
 部隊はだだっ広いだけの荒野、特にこれと言ったマップギミックはなく、このままでは蹂躙される運命にあるトレーラー達を、迫り来るオブリビオンマシンから守ってあげてください。
 なお、オブリビオンマシンのパイロットには洗脳された民間人が乗せられています。
 彼らの救出も任務の一環です、気を付けていきましょう。
 うまく事が運べば、第三章ではちょっとしたお楽しみが待っていることでしょう。

 各章それぞれ、プレイング募集は断章を投下してからになりますのでよろしくお願い致します。
 それでは皆様のプレイング、お待ちしております。
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第1章 集団戦 『エヴォルグ量産機』

POW   :    ヴォイドレーザー
【口内から無作為に分岐するレーザー】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    リボルティックスピア
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【自身から分離した触腕】で包囲攻撃する。
WIZ   :    EATエンジン
自身の【エネルギー補給機能を起動。自身】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[エネルギー補給機能を起動。自身]から何度でも発動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「ガトリング!ラァンチャー!」
 キャバリアが吼えた。
 唸るガトリング。
 降り注ぐミサイルの嵐が、無数とも思えるような大軍に降り注ぐ。
 だが、蜥蜴じみた群れは止まらない。
「くそがぁ!?ハロウィンはもう終わったろうが!あんなゲテモノどっから湧いて出やがったんだああん!?」
 アフロのキャバリア乗りが、弾切れを起こしたガトリングを投げ捨て機関砲で敵を牽制し始めた。
「ウホ?ウホホホ!?ホー!!?あれ友軍!?ナンデ!?」
「兄貴ィィィ!!ラリーがあれから友軍の反応が出てるって!!」
 それに続き、ライフルを連射して敵を牽制する二機のキャバリア。
「なんだと!?……くそが、益々わからん!!ラリー、チャラ、気張れよお前ら…!!」
 腕に備え付けられたチェーンソーを構えるアフロマークのキャバリアを筆頭に、二機のキャバリアがそれぞれ手にした武器を構える。
 故郷の門は、いまだ遠く。
 その道のりを塞ぐ敵は数多く。
 守るべきキャラバン隊をを背にしながら戦うにはあまりにも絶望的な戦力。
 加えて、キャバリアを操るアフロ頭のモッサ・ゼントも、ゴリラ顔のラリーも金髪少女のチャラ・ゼントも、皆子供だ。
 それでも、この荷物を待っている皆のために命を張るのが彼らの仕事だ。
 恐れを振り払う様に、肩で息をしながらパイロットたちは雄たけびを上げそれぞれの獲物を振り上げる学生戦士。
 そんな子供達を…そして操られてしまっているもう一方の子供達を助けるべく、猟兵達は次元を超え戦場へと飛び込んだ。
朱鷺透・小枝子
アドリブ歓迎。

仲間を撃つ。それはとても不名誉な事であります。止めなければ!
ディスポーザブル01に搭乗、操縦。
エンジン全開、エネルギー充填。…吶喊!

仲間の為、物資を守る姿勢、見事!
キャラバン隊へ声をかけつつ、敵機へ推力移動。
『ブレイクダッシュ』瞬間思考力、前方から来る触腕をロックオン、ホーミングレーザー射撃で撃ち落とす!

アレは敵だ!走れ!敵を発見したならば!!

壊せ壊せ壊せ、だが!殺すな!破壊しろ!アアアアぁ!!
捕食しようと群がってくる敵機へ、パルスアトラクターで無差別攻撃。電磁パルスでマヒ攻撃を行い機能を停止させる。コックピット、何処だ!此処か!?(顔面の白い顔を剥ぎ取る)胸か腹か何処だ!?


フレティア・ハイマール
大丈夫、ちゃんと守ってみせるよ。あなた達も、あなた達が運んでる荷物も。

スロゥマトをリモート・レプリカントで操作して接近戦させつつ、わたしはキャラバンの皆を護るような位置を取って戦うよ。
スロゥマトは体当たり(【重量攻撃】)や【怪力】で殴る【暴力】、掴んだ相手の手足を機体からの熱で焼き切る(【焼却】【部位破壊】)ことで敵を無力化するよう動かす。
わたしはヴァルキリヤ・フェザーを操作して、敵がキャラバンを狙って撃ってきた触腕を撃墜したり、スロゥマトを突破した敵の手足を【部位破壊】したりと防御的に行動。

キャラバンの皆を護るのと、敵キャバリアに乗ってる子達を助けるの、どっちもやりきってみせるよ。



 数の不利を連携で誤魔化した三機のキャバリアは、当然消耗し綻びが生まれていく。その綻びが最も大きいのは、年若い少女が乗るキャバリア。

「仲間を撃つ。それはとても不名誉な事であります。止めなければ!」
 敵と揉みあいになってでもその進行を阻む三機のキャバリアを、追い詰められる一機のキャバリアを見た朱鷺透・小枝子(ディスポーザブル・f29924)が戦場に叫ぶ。
 その背後の、何もない所からにじみ出るように現れたキャバリア【ディスポーザブル01】に飛び乗った。
「今日もシステム不調なし、エンジン全開、エネルギー充填…」
 敵を認識したと同時に、脳のリミッターが段階を幾つかすっ飛ばして外れていき、思考が研ぎ澄まされる。
 アレは敵だ!走れ!敵を発見したならば!!
 先鋭化した思考がこれでもかと戦いに駆り立てる。
 そしてキャバリアが一機、戦場へと飛び込んだ。
「わぁ、速いねぇ…じゃあ、私たちはあっちを助けましょうか」
 その背に、一機の熱い巨人と一機の少女が続く。

「うわぁぁくんな、くんなぁー!?」
「チャラ―!今行く…邪魔だてめぇらぁ!!」
 弾丸が尽き果て、エヴォルグに群がられ無数の触腕で装甲が破壊されようとする、金髪少女のキャバリア。
 兄貴分がフォローに回ろうとして、しかし間に合わずその触腕はついにコクピットへと届き…。
「吶喊!!」
 割り込んだ重厚なキャバリアの体当たりが、悲劇を防ぐ。

 ディスポーザブル01の、けた外れて頑丈な巨体がエヴォルグを数対纏めて吹き飛ばして見せる。
「壊せ壊せ壊せ、だが!殺すな!破壊しろ!アアアアぁ!!」
 思考を口から駄々洩れさせながら胸部の音響兵器【パルスアトラクター】から、電磁音波が全方位に片っ端からばらまかれ機械を麻痺させる。
 此方に反応しようとした触腕も、高速化した思考がそれに更に反応、肩から展開したホーミングレーザーが撃ち落とし少女に近寄ることを許さない。
「コクピット!何処だ!!此処かか!?胸か腹か!?どこだ!!」
 手近な動けないエヴォルグを一機引っ掴むと、あふれ出る闘争心に身を任せて白い仮面を引き千切り腹を裂く。
 腹部で気絶している民間人を発見、保護して転身、再起動していた金髪少女のキャバリアへと預ける。
「ごほん…む、鼻血が。仲間の為、物資を守る姿勢、見事!まさか自分より年下の兵士までいるとは。ちょっとお喋りしたいところではありますが、まずここは介入を優先させてもらいます」
「え、あ、はい…え、なに?」
 突然の介入、未知のキャバリアの参戦に戦場が硬直する…そして真っ先に、そう言う存在を知っているオブリビオンマシンが動き出した。
 キャバリアには目もくれず、狙うはもっと数の多いキャラバン隊。
「はっ!?まずい、ラリー!?」
「ほぅ…!駄目です、間に合わん!!」
 アフロとゴリラ顔の乗るキャバリアが銃撃で牽制しようとして、エヴォルグが一機抜けてしまった。
 仮面のような口が開く。
「止せ―!?」

「大丈夫、ちゃんと守ってみせるよ。あなた達も、あなた達が運んでる荷物も」
 どごむ!!!!
 轟音が鳴り響き、エヴォルグの頭部が地面へと叩き込まれる。
 キャラバン隊を超えて飛び出した鋼鉄の巨人が…ジャイアントキャバリアが【スロゥマト】がその怪力でぶん殴ったのだ。
 そしてそれを操るフレティア・ハイマール(アバター・オブ・マザーブレイン・f29910)が、頭部を失ってなお動くエヴォルグの触腕を水晶のように輝く羽根型のビットで撃墜し、無力化する。
「うん、思った通り…確かこの辺だったかしら…」
 羽根型のビットは続いて目の前のエヴォルグの四肢を断ち、スロゥマトがその皮膚じみたバイオ装甲を熱で焼き切ってしまえば…腹の中には気絶した学生が収められていた。
 その光景に、AIでも搭載しているのか周囲のエヴォルグたちが後ずさりする。
「うんうん、まずは一人」
 そっと学生を保護し、トレーラーへと非難させるスロゥマト。
「あ、貴方達一体…あ、ていうかあっちの子もそっちの子もうちの学生じゃん!?え、なに!?どゆこと!?」
「自分たちは猟兵、ひとまずは皆さんの味方で、あれに喰われている学生たちの味方であり…あれの敵であります」
 這う這うの体でキャラバン隊まで下がってきたキャバリア乗りのチャラが疑問を投げかければ、彼女を庇う位置に立っていた小枝子が答えた。
「……マジっすか。何処からともなく表れる超特急戦力。噂には聞いてましたけど…」
「キャラバンの皆を護るのと、敵キャバリアに乗ってる子達を助けるの、どっちもやりきってみせるよ。後ろは任せて」
  スロゥマトが拳を鳴らし、チャラのキャバリアもトレーラーから銃を受け取り、援護に入る。
 二機のキャバリアと一機のレプリカントのバックアップを受け、ディスポーザブル01は再びエンジンを全開にする。
「ではお二人とも。後ろは任せました…さて待たせたな行くぞ敵ィィィ!!」
 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

小鳥遊・ルイ
俺も学生連合に身を置く身だ。
学生だけで頑張る国があるのなら力になりたい。

物資は大事だからな。きちんと守らないとな。
娯楽は学生にとっては特に貴重だろうから…。

ではBluebird作戦に参加する。
基本は遠距離からのサポート。
UC【アドバンテージ・アンサー】使用。
戦術的有利な場所からのロングレンジライフルからの狙撃をさせてもらう【スナイパー】【援護射撃】

敵は友軍を装っているようだしさらぬ援軍が来ていないかレーザーユニットで【索敵】しておこう。


ティー・アラベリア
【アドリブ、絡み歓迎】
家庭用奉仕人形、ティー・アラベリア。ご用命に従い罷り越しました☆
他人の嗜好品を守るため命をかける酔狂さ、ボクは嫌いではありませんよ♪

さぁ、まずは護衛機と敵との間に火力の壁を築きましょう!
魔導波探信儀で敵の位置を把握し、火気管制機構と連動させた92式魔杖とUCによる砲撃をもって、敵の突撃を文字通り破砕致します☆
機体そのものは狙わず、敢えて足元や周囲を狙い、爆風の余波で武装や脚部を無力化しちゃいます♪
その後は引き続き92式による砲撃を続けながら、追加で90式と95式を起動。
誘導弾とピンポイント魔力照射による爆縮破砕によって、コクピットを避けて敵機体を無力化しちゃいますね!



 一方此方は最前線。
 味方が減ったために敵集団に押し込まれそうだったゴリラとアフロマークのキャバリアであったが…。
「家庭用奉仕人形、ティー・アラベリア。ご用命に従い罷り越しました☆」
 舞い降りた少女人形の参戦と共に、優勢は逆転していた。
 人形の名はティー・アラベリア(ご家庭用奉仕人形・f30348)。
 一礼と共に取り出した魔杖を、自らの火器管制機能を接続。
 同時に魔導波探信儀を起動、絡繰り仕掛けの透き通った瞳が戦場全体の敵を捕らえ…撃つべし、撃つべし!!
 地形が変わるんじゃないかとばかりの制圧砲撃。
 ユーベルコードのエネルギーを感知し、エネルギーを吸収戦と捕食にかかるエヴォルグだったが、一発一発精密な制御がされてるそれが捕食されるなんて様を晒すはずもなく。
 口を開けた所で92式魔杖の火力弾とすり替え、その顔面を爆破。
 向かってくる敵の鼻先足先を誘導弾を操作して次々と爆破。
 徹底して、突撃を許さない。ある程度敵の足が止まったあたりで振り向いて、今度はキャバリア隊へと一礼。
「初めまして立花のパイロット様方。突然ですが助太刀です。人の嗜好品を守るため命をかける酔狂さ、ボクは嫌いではありませんよ♪」
「お、おう…一体何が…」
「……………可憐だ」
 ぼそっと、庇われたゴリラ顔のラリーが呟いた。
「おいラリー、鼻の下伸ばしてんなほんとに去るみたいだぞ…しかしなんてぇ火力だ」

「感心するのはいいが、警戒が足りてないぞ、兵士」
 銃声、一発、続いて二発。
 破壊されたふりをして隊長機に伸ばされていたエヴォルグの触腕を、遠方からの狙撃が貫いた。
「こちら学生連合所属、小鳥遊・ルイ。これよりそちらに狙撃支援を行う」
 上空を見れば、戦場全体が見える位置で浮遊しているドローン。
 隊長機がセンサーを起動し周囲を見渡すと…キャラバン隊後方、はるか遠方。
 崖の上らしき高所で、巨大な狙撃銃の銃口をこちら側に向けていたキャバリア、小鳥遊・ルイ(俺+君=?・f30019)が搭乗する【bluebird】の姿があった。
「とんでもねぇ援軍だな…感謝する」
「気にするな。俺も学生連合に所属する身だ、学生だけで頑張る国があるのなら力になりたい。それに…物資は大事だからな。きちんと守らないとな。娯楽は学生にとっては特に貴重だろうから…お前たちの気持ちも、わかる」
「…重ねて礼を言うぜ。ことが終わったら、うちの国を見てってくれよ。俺で良ければ案内するぜ?」
「考えておく。聞こえているかそちらの猟兵。頭は俺が落とす、他はそちらでできるか?」
「委細問題なく。文字通り破砕して差し上げましょう☆」
 通信を受けたティーが、手にした杖とはまた別の杖を周囲に二本起動させた。
 90式爆縮破砕型魔杖と95式思念誘導型魔杖。
 思念操作による誘導弾が脚部を爆破し、体制が崩れた所に95式から魔力を照射、損壊した腕部脚部に爆縮現象を発生させ完全に破壊する。

 それでも獲物を求め首を伸ばすエヴォルグ…とても狙いやすくなったそこにbluebirdからの狙撃が撃ち込まれる。
 数の利を悠々と覆すティーの大火力と一撃必殺のルイの狙撃。
 パイロットの意識を奪っているエヴォルグでは、その連携に太刀打ちすることは不可能だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

天音・優歌
キャラバン隊と皆の楽しみを守るため
今回も張り切っていくよ!
生物みたいなオブリビオンマシンだね
えっと……コックピットどこ?
とりあえず、手足をぶった切って達磨にした上で首を落しておけばいいのかな
そこのキャラバン隊、助けに来たよ!

敵に捕まらないように箒に乗って高所を空中浮遊しながらUCを発動
魔道書から召喚した無数の魔法剣で敵の手足を切り刻むか縫い止め
その上で首を切り落とし無力化します

コックピットは……多分、頭か胴体だよね
そこに攻撃がいかないよう注意すればいいか
パイロットを気にせず攻撃するためのUCも覚えた方がいいのかな
舞え、ミゼリコルディア・スパーダ!


緋月・透乃
ほー、また立花かー。オブリビオンに狙われやすい何かがあるのかなー?
ま、私はいつものように戦いを楽しむだけだね!

今回も生身でいくよ!
まずは手持ちの食べ物で【色々食べよう!】を防御力重視で発動させよう。
そしてRX推進戦鎚九六式の推進機を利用した高速移動で敵に接近し一体ずつ壊していこう!
敵のユーベルコード対策は最短距離で真っ直ぐ突撃するのみ!広範囲無差別攻撃は読みにくそうだから回避は捨てて耐える方向でいくよ!そのための防御力重視だね。
それに、前の立花での戦いで惨敗した時は回避を考え過ぎていたことも原因の一つだろうし、もっと自分のしぶとさを信じていかないとね。



「ほー、また立花かー。オブリビオンに狙われやすい何かがあるのかなー?」
「うーん、どうなんだろ…子供ばっかりって言うのと関係があるのかも。あ、こっちのパンも結構いけるんだね」
 怒号飛び交うキャラバン隊の中、二人そろって首を傾げているのは緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)と天音・優歌(メソテースの書・f30005)の女の子組だ。
 透乃は、その能力を聞いたキャラバン隊から菓子パンやホットドッグを受け取っては咀嚼し素早く胃に収めつつ、しっかり味わっている。
 この二人、以前も立花での事件に関わり、生身でキャバリアに挑んだという共通点を持つ。
「うん、まだメソテースは呼ばなくてもいいかな…とはいえ、キャラバン隊と皆の楽しみを守るため張り切っていくのには変わりないよ!ね!」
「んー、私はいつものように戦いを楽しむだけだね!」
「あれぇ!?」
 ゴーイングマイウェイ。肉体を頑強に強化した透乃が巨大な鉄槌をどこからともなく取り出し、エヴォルグの軍団へと突っ込んでいった。
 優歌もあわててそれに続く。箒へと腰かけ、空へと飛び出した。

「ここなら届かないかな…舞え、ミゼリコルディア・スパーダ!」
 殲禍炎剣に反応されないぎりぎりの位置で浮遊しながら、上空に次々と魔方陣を展開する優歌。
 魔方陣から降り注ぐ魔法剣がエヴォルグの生物じみたバイオ装甲を斬り割き、細い手足に剣を片っ端から突き立て縫い留める。
「うん、これでよし。それじゃあ、コクピットはお腹みたいだからまずはあの首を…」
 そう言いながら、魔法剣を操作し動けなくなった一機のエヴォルグの首に飛ばそうとする優歌。
 そして振り下ろされようとした魔法剣に、ユーベルコードで造られた剣に…エヴォルグが反応。
 口を大きく開け、捕食、エネルギーへと分解…解析。
「なっ…食べられた!?あれ機械だよね!?生物じゃないよね!?」
 驚愕する優歌に向け、解析したエネルギーを再構築し魔法剣擬き撃ち出すエヴォルグ達。
 だが、それらが優歌に届くことはない。
「おいつい、たーっ!!」
 物を食べながら走っていたら、いつの間にか優歌に追い抜かれていた透乃がここで合流、キャバリアサイズの大鉄槌をぶん回し魔法剣擬きを纏めて薙ぎ払う。
「一度食べたもの戻すとかお行儀悪いと思うなー私。そう言うの良くないぞー」
 戦槌をエヴォルグ達に向ける透乃。
 キャバリアと同等の武装を生身で持ち上げる彼女に、動けぬエヴォルグ達の注目が集まる。
 その白い仮面のような口が、一斉に開いた。
 迸る閃光、上空の優歌が思わず目を瞑ってしまうほどの無数に無作為に分岐しエヴォルグですらどう分かれたのかわからない程ランダムな軌道を描くレーザーが、透乃へと殺到する。
 対し、透乃は戦槌の推進装置を起動。
 前進、突撃。
 もちろん彼女もまた目を瞑ってしまっているため、レーザーの軌道など見えているはずもなく避けれるはずもない。
 いや…そもそも今回の彼女に避けるという考え自体が無かった。
 無差別の攻撃ほど読みずらいものはなく、そもそもとして彼女自身がそう言ったことを考えるのは面倒だと割り切るタイプであり。
 なにより、依然彼女はオブリビオンマシンとの対決で、一度回避を考えすぎたことによる苦い経験があった。
 だから、どんな攻撃が来ようとも自分のしぶとさを信じると決めていた。
 故にこそ、最短でまっすぐの突撃戦法。
 降り注ぐ光に、強化した肌を焼かれながらも、焼かれる程度で済んでいるならよしとそれに怯む事無くさらに加速。
 飛び上がり、エヴォルグへと肉薄。
 頭部目掛け戦槌を振り下ろす…粉砕。
 頭部を首諸共地面へめり込ませ機能停止させたところに、駄目押しのもう一発。
 コクピットを覆うバイオ装甲が抉れるほどのぶん回しで学生を救出ついでに動力を破壊、確実に無力化する。
 そんな彼女に再びレーザーの嵐が降り注ぐが…。
「……うーん、ちょっと反省かな」
 その間に動かせる魔法剣をありったけ束ね、優歌がエヴォルグの首を斬り落とす。
「コクピットがお腹で良かった。これなら全力で斬れる…いちいち気にしないで攻撃できるような技、考えておくべきかなぁ…まぁ、それは終わってから考える!」
 そしてレーザーの嵐を耐えきった透乃が力一杯戦槌を振るう。
 食えるものなら食ってみろとばかりに分厚く束ねられた魔法剣が、エヴォルグの首を狩り始める。
 動きを封じられた巨大兵器は、生身の少女二人の手で撃破されていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

開条・セサミ
・心情
カプセライズ・ヘッドオン!
娯楽の……為にね?
うちの会社の心情(モットー)は、『皆様の、新たな扉を開くきっかけとなることを』
外の文化に触れることはすなわち、その人にとっての『新たな扉』!
だったら……応援しない訳には、いかねぇよなぁ!

・戦闘
武装の「ストライク・グレイブ」で触腕を【なぎ払い】つつ、キャラバンを守るように行動するぜ!
つか、なんだあのオブリビオンマシン……どこにコックピットがあるんだよ?
「ジュークボックス」に分析させつつ、ユーベルコード『ウェポンズ・トランスポート』で奴らに最適な武装を召喚し、パイロットを保護しつつ攻撃する!

・その他
アドリブなんかは大歓迎だ!


リリウム・マーセナリー
※アドリブ・連携歓迎

「――必ず、助けます」
私は娯楽というものを最近漸く知った身ではありますが――それらを大事にする気持ちはわかるつもりです。そんな方々を確りと守り抜いてみせます。

「こちら『ホワイトアウト』。これより状況を開始します」

愛機ホワイトアウトで出撃し、【選択UC】で急行。護衛対象の近くにいる敵から優先して左手のRS-AL-063[W]で牽制して、その隙に右手のRS-LRL/L-067[W]で四肢や武器を狙い撃ち(スナイパー)ます。
護衛対象近辺の安全を確保しつつ、確保でき次第、前衛機がいるのならその【援護射撃】に徹します。


シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK!

前途ある有望な若者を守るのも猟兵の大切なお仕事。
誰一人、傷つけることなくオブリビオンマシンから救い出すとしましょう。

スナイパーライフルを連射しながら、フレキシブル・ブースター・バインダーで地面近くを高速移動してトレーラーと敵の間に割って入ると、トレーラーを背に迎撃態勢を取ります。

「ターゲット・マルチロック。目標をまとめて狙い撃つ!」
【乱舞する弾丸の嵐】でスナイパーライフルを複製展開、実体弾と圧縮粒子弾を織り交ぜた一斉射撃で触腕を蹴散らすと、そのまま敵の手足の関節を撃ちぬき、行動不能にします。

「お怪我はありませんか?」
動けなくなったところで、コクピットから民間人を救出しますね。



 駆けつけた猟兵達の手によって次々と撃破されゆくエヴォルグの群れ。
 その光景を後方から見下ろしていた何者かが、拍手を送りながら、自身が操る人工知能たちに合図を送った。
 キャラバン隊、後方。
 戦えない非戦闘員たちが集まりどうにか脱出の気を探そうとしている、そんな時。
 突如地面が盛り上がり…無数の触腕が噴出した。
 次いで現れる異形のキャバリア、エヴォルグ。触腕を束ね地を掘り進み後方へと潜り込んでいたのだ。
 前線で力を振るう猟兵達も、その援護をしようとしていた護衛部隊も、誰もかれもが間に合わない。

「カプセライズ・ヘッドオン!」
 だが、それに備えていた猟兵達ならば間に合うことができる。
 キャラバン隊の中で待ち伏せていた一機のキャバリアが、銀色の装甲を輝かせながら手にしたグレイヴで触腕を薙ぎ払う。
 優に数十はあろう触腕を、手にした武器一つで纏めて薙ぎ払うその姿は力強く、学生たちに何処か憧れを抱かせるその雄姿はまさしくスーパーロボット。
 その機体の名は、開条・セサミ(カプセライザーGP・f30126)が頭部へと変形し操る機体の名はCGP-CC-001『ドン・キホーテC3』。
「どうか安心を。貴方達は――必ず、助けます」
 上空、撃墜判定ギリギリのところから不意を突く形で急降下してきた純白のキャバリアが、手にしたアサルトライフルをありったけ撃ち放ち触腕を撃ち落とし、おまけとばかりにもう片方の手に装備したレーザーライフルを触腕の向こう側にいるエヴォルグに撃ち込み何機かの敵を無力化した。
「こちら『ホワイトアウト』。最終防衛ライン設定、これより状況を開始します」
 その機体の名は、リリウム・マーセナリー(白百合の傭兵/ホワイトアウト・f29990)が操縦する機体の名はホワイトアウト。
そして最後の一機。
「前途ある有望な若者を守るのも猟兵の大切なお仕事」
 手にした狙撃銃をアサルトライフルを使うかの様に連射しトレーラーの間を滑り込みながら、若者二人が落としそこねた触腕を的確に処理しながら、数の多さに物を言わせ包囲網を築こうとしていた触腕を、ブースターを噴かして高速で移動しながら次々狙撃で撃ち落とすという神業をやってのけた、深紅のキャバリア。
 その機体の名は、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)が駆るその機体の名は貴紅〈ノーブル・スカーレット〉。
 銀、白、紅。
 三機のキャバリアが並び立ち、それぞれの獲物を構えエヴォルグと睨み合う。
「では皆さん。誰一人、傷つけることなくオブリビオンマシンから救い出すとしましょう」
 シンの言葉を皮切りに、戦いの火蓋が降ろされた。

 真っ先に斬り込んだのはドン・キホーテC3。
 頭部に直接変形しているがために実現できる、人間のごとき滑らかな動きで具レイヴを振るい、迎撃しようとする触腕を次から次に斬り捨て進む。
(娯楽の……為にね?)
 武器を振るいながら彼が思考するのは、戦闘員非戦闘員関わらず、命を賭けていた学生たちの姿、そして自社の心情(モットー)。
「『皆様の、新たな扉を開くきっかけとなることを』…外の文化に触れることはすなわち、その人にとっての『新たな扉』!だったら、そのために命張る連中を……応援しない訳には、いかねぇよなぁ!」
 だから斬る。自らに注目を集め触腕を後ろへと通そうとしない。
「ターゲット・マルチロック。目標をまとめて狙い撃つ!」
 そんな触腕とセサミとの攻防の隙間をすり抜け、セサミの動きを邪魔せずに輝く弾丸が触腕を撃ち落とす。
 トレーラーを背に陣取った貴紅──シンの援護射撃だ。
 念力によって複製された狙撃銃を空中に展開。
 一時的にだが、通常のキャバリアでは到底出せない火力を実現した貴紅の弾幕がエヴォルグの手足に集中して撃ち込まれる。
「む、思っていたより硬いですね…できればコクピットは狙いたくないのですが」
「つか、なんだこのオブリビオンマシン……どこにコックピットがあるんだよ?触腕と言い、機械にしては生物的過ぎる…ぜ!!」
 少しづつ前に出ながらセサミがセンサーを起動し、エヴォルグ内部の生命反応を探るがエヴォルグ特有のバイオ装甲の為に今一判別しづらい。
 これが普通の敵なら迷うことなく掻っ捌くのだが、中にいるのは人質同然の学生、彼らも救わなければ意味がない。
 こうなれば怪我させない程度に腹のあたりをどうにか開いて確認してみるかと、ドン・キホーテC3が損傷覚悟の突撃に出ようとした所で…。
「……いえ、捕らえました…頭です」
 リリウムが、僅かな反応を捕らえた。
 念のために、とホワイトアウト背部に取り付けておいたレーダーユニットの反応を元に、手にするレーザーライフルから閃光を放ちエヴォルグの足を貫きながら、結果を導き出す。
「あれの首の先、白い仮面の所がコクピットになっています…他の機体とは違うようです」
「とすれば…あれだけ太いと、銃では厳しいですね。なら私達は支援に徹するとしましょうか」
 シンが展開する狙撃銃の弾丸を実態弾から、弾速の早い圧縮粒子弾へと切り替えると触腕の迎撃に集中する。
「…こちらホワイトアウト。聞こえますか、ドン・キホーテ03。私は娯楽というものを最近漸く知った身ではありますが――それらを大事にする気持ちはわかるつもりです。そんな方々を確りと守り抜いてみせます。ですので…」
「……ああ、任せときな」
 触腕への対処を後方の二人に任せ走り出す。
 途中でグレイヴを地面へ突き刺し、虚空へと手を伸ばす。
 送信された戦場のデータを元に出現したのは、グレイヴよりもさらに大きな巨大な大戦斧。
「全力全開で、いくぜぇぇぇ!!!」
 一気に加速。
 すれ違い様エヴォルグの首を、次から次にぶった斬る。
 全ての首を落とし、ゴロンと落ちた首の先を回収すれば、そこには無理やり操られていたであろう学生の姿。
 即座に取って返し、保護した後方へと学生を預ける。
「外傷はないようですね…洗脳の類でしょうか。ともかく、無事で何より」 
 シンが学生の無事を確認。幸い、目立った怪我はないみたいだ。
 最前線にセンサーを向ければ、彼方も戦闘が終了したようだ。
 だが、これはまだ前哨戦に過ぎない。
 これを指揮したオブリビオンマシンがいる、そう直感した彼らは警戒を強めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ヴェルディグリース』

POW   :    メラルダの剣
【サイキックエナジーを実体化させて自分の剣】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD   :    ベリドートの鎧
全身を【緑青色に輝く強固なサイキックオーラ】で覆い、自身の【搭乗者を顧みない出力のサイキックエナジー】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    ロムスフェーンの外套
自身の【搭乗者の生命力および精神力】を代償に、【対象の至近距離へテレポートし、サイキック】を籠めた一撃を放つ。自分にとって搭乗者の生命力および精神力を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ツェリスカ・ディートリッヒです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「いやはや助かったぜ…あんたらが猟兵だな。うちの会長から話は聞いていたが、本当にすごい連中だな」
 アフロマークの隊長機が、戦闘を終えた猟兵達に話しかける。
 残りの護衛機は再びキャラバン隊の警護に戻りつつ、エヴォルグパイロットたちの保護に回っているようだ。
「しかし…あの化け物に乗せられてたのはうちの【明天組】…ああ、近隣資源や遺産の調査を主に担当している連中でな」
 ちなみに俺ら輸送担当の所属は【雲天組】な、と付け加えつつもその声色には疑問が満ちていた。
「確か新しく見つかった古代遺跡の調査に行ってたはずだが…」

『なるほど、やはり貴様らはこの愚か者たちの同胞であったか』
 遠方から、声が響く。
 ゆっくりと此方に歩いてくるのは、サイキックの光を纏った緑青色の騎士。
 彼は、猟兵達へ見える位置までやってくると、手にした巨大な十字剣を地面に突き刺し固定した。
『よくぞ逃げずに戦った。よくぞ我が兵を倒した。心強き戦士たちに敬意を表し、名乗ろう。我が名はヴェルディグリースの騎士、クルーエル』
 キャバリアが厳かに名乗りを上げる。
 通信機越しではない、サイキックエナジーの波が声となって戦場に響いている。
 それはすなわち、このキャバリアそのものが意思を持っていることの証左だった。
『我が砦に立ち入った愚か者の同胞を追ってみれば、まさかまさかの出会いとは…ああ、我は神に感謝すべきだろうか。この者にも、感謝すべきだろうか』
 騎士は、ゆっくりと胸の鎧を開く。
 そこには、虚ろな瞳で操縦席らしきものに縛り付けられている一人の学生の姿。
「…そいつは!?」
 猟兵達と共にその姿を警戒していた隊長機が驚愕の声を上げた。
 この少年もまた、立花の学生だった。
『この者、異能の才を秘めていたがあまりに惰弱、脆弱、無知。せめて我が供物に置いてやろうと思ったが…これほどの戦士達との戦い、この者も存分に使ってやらねばなるまいて』
 少年が苦悶の声を上げる。クルーエルが彼からサイキックの力を無理やりに引き出しているのだ。
『…しかし、わからぬ。なぜそのようなものに命を賭けたのか』
 騎士が、キャラバン隊へと指を向ける。
『この者達の記憶を見て、察した。それは娯楽の品々だろう。そんなもの、人を堕落に誘い、心を腐らせる。ゆえに我が破壊してやろうと思ったというのに…』
 まるで解せないと、自我を持つキャバリアは本心からそう思っていた。
『我が兵たちを倒した時もそうだ。中の人間の事を考慮したのだろう…強者の特権とはいえ、甘い、あまりに甘い』
 騎士が、大地から剣を引き抜いた。
『真に強きものに、笑顔など必要はない。弱いから笑顔を求める。そのようなもの、切り捨てるべきである。戦士には戦いだけがあればいい。明日に、笑顔などいらんのだ』
 サイキックエナジーの光がさらに立ち上り、胸の鎧が閉じられる。
『死を感じてこそ命は輝く、力は漲る!それにこそ人の価値はある!!さぁ、戦士達よ、存分に戦おう、殺し合おうぞ!!』
 長い年月の眠りの中でかつて自身を操った騎士のそれを真似、自我を得た古代帝国の遺産、かつてのサイキックキャバリア、ヴェルディグリース・クルーエル。
 古の時代より目覚めたオブリビオンマシンを止めることができるのは君達だけだ、猟兵。
開条・セサミ
・心情
てめぇの強者に対する独自理論(ロジック)なんざ知るか馬鹿野郎!
人の命を無理矢理吸いとって輝きがどうとか言ってんじゃねぇ!
待ってろ、そこからひっぺがしてやる!

・戦闘
【盾受け】で奴の攻撃を受け止めつつ、【限界突破】で一気に懐まで飛び込み、ユーベルコード『レスキューアームズ・インパクト』で搭乗者を救助しつつ奴をぶん殴る!!!!

・その他
アドリブや共闘等は大歓迎だぜ!!!


小鳥遊・ルイ
…あなたの遺跡に無断で立ち入ったことは詫びる。
だが娯楽を堕落に誘い心を腐らせてしまうと言うその視点では見えぬものもあるだろうな。
娯楽は活力にもなるし癒しにもなる。
効率だけでは『人』は潰れてしまうものだぞ。

俺は基本的にサポートがメインだ。
ゆえに…こんなことも出来る
UC【行動規制】
上手く行けば一時的に敵UCを封じることができる。好機だぞ猟兵。

あとはできる限りの援護をするのみだ。【戦闘知識】【援護射撃】【スナイパー】



「なるほど…彼らに変わって、あなたの遺跡に無断で立ち入ったことは詫びる」
 戦場上空、ドローンから響く声。
 同時に、銃声。
 その声と銃弾の主は小鳥遊・ルイ(俺+君=?・f30019)だ。
 だれよりも次の相手に備え、周囲警戒を行い、狙撃銃を降ろしていなかった彼だからこそ真っ先に動くことが、常人ならばまず近く不可能な速度での狙撃を行うことができた。
 だが、敵はオブリビオンマシンを率いていた騎士。
ヴェルディグリース、クルーエル。
 ドローンに目を向けつつ、片手間で十分と言わんばかりに狙撃を切り捨てていた。
「うむ、先ほどより見させてもらったが遠方寄りの狙撃、見事…惜しむらくは銃の威力と弾速が足らぬことか」
 迸るは機体内の少年の生命力を絞り出して引き出されたサイキックエナジー。
極限まで強化されたクルーエルの機体駆動速度は間違いなく規格外であった。
「何も詫びる必要などないぞ、兵士よ。悪いのは、等しく弱者であり、笑顔などと言う惰弱に浸ろうとするこの者らだ」
「…だが娯楽を堕落に誘い心を腐らせてしまうと言うその視点では見えぬものもあるだろうな。娯楽は活力にもなるし癒しにもなる…効率だけでは『人』は潰れてしまうものだぞ」
「………ならば、人の器など捨ててしまえばよいだけのこと!!」
 遠方からルイが引き金を引く。
 手足、頭、関節部、的確な狙撃はしかしルイの方向へと機体を向けたクルーエルに全て斬り落とされる。
「無様!我に通じぬと知ってまだ無駄な努力を続けるか!!」
 クルーエルが斬り払う。そして、迸るオーラに物を言わせ駆け出し…膝を付いた。
 狙撃は囮…本命の毒は、ドローンから。
「だろうな、そもそも俺は基本的にサポートがメインだ──好機だぞ、猟兵」
「任され、たぁぁぁ!!!!!」
 緑青のキャバリアの横っ面を、銀色のキャバリアがぶん殴った。
 ドン・キホーテC3、開条・セサミ(カプセライザーGP・f30126)。
 緑青の兜が、大きく歪み、騎士が蹈鞴を踏む。
「なんだ、これは、力が、入らん、言語が、乱れ」
 サイキックエナジーに乱れが生じる。
 上空のドローンから知らず知らずのうちに送り込まれていたデータの毒。
 かつての文明に存在しなかったそれが、クルーエルに大きな隙を生む。
「てめぇの強者に対する独自理論(ロジック)なんざ知るか!」
 その隙を逃してなるものかと、突撃したセサミが更に殴りかかる。
「自分の命も張りやしねぇ!!」
「ぐ、ぬ、わか、ぞう…!?」
 顔面を殴り胸部を殴る。
「自分勝手の馬鹿野郎!」
 ノイズの走る剣をクルーエルが振り上げた…破れかぶれの一撃。そんなものがスーパーロボットに通じるはずもない。
 ドン・キホーテC3[ga手にした大盾で防ぎ、押し返す。
 機体がショートしかねない程の大出力を絞り出し、更に仕掛けたラッシュ。
 ヴェルディグリースの兜が損壊し、揺らめく不気味な光を携えたカメラアイが露出する。
「人の命を無理矢理吸いとって輝きがどうとか言ってんじゃねぇ!」
 要救助者を、何としても救う。
 限界から生じる綻び、頭脳に走る撤退せよの警告文を振り払い、その手にレスキューアームズ…サイキックエナジー滾る、特殊兵装を展開、叩き付ける。
「ならば、それ以上の輝きを示すがいい、若造!!!」
 クルーエルもまた、サイキックエナジーを漲らせ毒のデータを無理やり排出。
 手にした剣を巨大化し、振り下ろす。
 クロスカウンターのごとし、同時の攻撃。
 結果は……痛み分け。
「なんとなんと、我が、鎧が…!!」
「へっ…あとちょい…!!」
 深々と刃が突き刺さり、無茶な突撃に配線が焼き斬れたのか膝を付くドン・キホーテC3。
 だが…動力源を納める、クルーエルにとって最も重要な場所である胸部装甲には、とても無視できぬほど大きな罅が入っていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

朱鷺透・小枝子
引き続きディスポーザブル01に搭乗操縦。

名乗り返す。自分は朱鷺透小枝子!
敵は破壊する。味方は助ける。それで十分だろう!!
敵機のメラルダの剣を機体の身体とシールドのオーラ防御で受け止める。

細かい事も、強者であるかどうかも、どうでも良い!
ただ己が為すべきを為せ!戦え『ディスポーザブル』!!
この命が壊れ失せるまでッ!!
1~5の技能レベルを自身のレベル×10に強化。

サイキックエナジーの剣を握りしめ、敵機に向けレーザー射撃。
ああああッ!
推力移動、一気に敵へ接近しブラストナックルのマヒ攻撃。

瞬間思考力。クローアームを差し込む隙を見抜き、部位破壊。
怪力で四肢を斬り裂くか、頭をもぎ取るか。破壊できるなら良し。


緋月・透乃
ほー、前から洗脳されたパイロットは生体パーツみたいなものではと思っていたけれど、こりゃ思った以上だねぇ。こわいこわい。(棒)
死を感じてこそ命は輝くってのは私もそう思うね!これだから戦いはやめられないね!
お前を倒し学生も救う、きっと困難で正に命を輝かせるのに相応しいだろうね!こいつは笑顔になるってものだよ!

使う武器は重戦斧【緋月】、生身でいくよ!
狙いは単純に突撃して敵の体勢を崩してから緋迅滅錘衝を叩き込むだけ!
敵の攻撃にはこっちの攻撃を当てて弾き、ユーベルコードには緋迅滅錘衝を当てて武器破壊を狙うよ!
私の怪力と、小さいから力を一点に集中しやすいという差でいけるはず!



「ほー、前から洗脳されたパイロットは生体パーツみたいなものではと思っていたけれど、こりゃ思った以上だねぇ。こわいこわい」
 あからさまな棒読み。呆れた視線をクルーエルに向けるのは緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)だ。
「その割には、狂気こそ見えど恐怖は感じ取れぬが?…怪力無双たる少女よ。我らが戦場に生身で挑むその強さ、称賛に値する。名乗りを上げることを許す」
「えー、許されてもそう言うのはあまり趣味じゃないっていうか、そもそも許可がいるの?って感じなんだけど…うん、まぁいいや。名乗ってあげよう、私の名は…」
「自分はぁぁぁ!!自分は朱鷺透小枝子ぉぉぉ!」
 爆音、スピーカーから鳴り響く。
 乗騎であるディスポーザブル01外部スピーカーの音量を最大にして高らかに名乗りを上げた朱鷺透・小枝子(ディスポーザブル・f29924)。
 脳のリミッターはおろか神経の限界すら既に振り切れアクセル全開、迸る鼻血でコクピットを地に染めながらの雄叫びだった。
「……み、みみが…」
「くおお……鎧に響く…!?おのれ、死を認めぬ愚かな悪霊めが…!!」
 耳を抑えて蹲る透乃、膝を付いてしまったクルーエル。
「吶喊!!!」
 意図してかあるいは意図せずか生み出せた敵の隙を、極限まで先鋭化した彼女は見過ごさない…最速で突っ込む!
 膝を付いてもオブリビオンマシン、腰に傾いでいた剣にサイキックエナジーを滾らせ、その突撃を薙ぎ払う。
 だがその刃の下を、ディスポーザブル01はスライディングして潜り込んで見せる。
 コクピットを守るように構えていたシールドに剣を擦らせながらも肉薄。
「敵は破壊する。味方は助ける。それで十分だろう!!細かい事も、強者であるかどうかも、どうでも良い!」
 零距離、起き上がると共に組み合い…肩の装甲がスライド、幾条ものレーザー攻撃が、剣を振り切ったクルーエルの鎧を焼く。
「おのれ死にぞこないが!!」
 クルーエルが、返す刃で再び剣を振りディスポーザブル01の、レーザー攻撃砲台に食い込み、片方が破壊される。それでも残った片側の砲台で照射を続け、零距離で殴り合う。
「細かい事も、強者であるかどうかも、どうでも良い!ただ己が為すべきを為せ!戦え!!この命が壊れ失せるまでッ!!」
「笑止であるぞ、悪霊風情がぁぁぁ!!!」
 損傷した傷口から、血潮のごとく噴き出る霊物質とオイル、それを意に介さず組み合う小枝子。
 ディスポーザブル01の出力が低下する中、クルーエルが剣に更にサイキックエナジーを込め、押し込んでいく。
「あーもー、サイズが違うと歩幅が違うなぁもう!こんなに滾るのに!!」
 ディスポーザブル01を両断しようとしていた剣が跳ね上がる。
 10mを超えようとしていた剣を、2mあるかないか程度の戦斧で動かして見せたのは怪力少女、透乃。
「死を感じてこそ命は輝くってのは私もそう思うね!これだから戦いはやめられないね!あんたもそう思ってるんでしょ!?だからここに来たんでしょ!?」
 重大な損傷を受け機能停止へと陥ったディスポーザブル01を庇うように前に立ち、戦斧【緋月】で巨大なメラルダの剣と打ち合う。
 自身に、そしてディスポーザブルに迫る刃を、規格の違い過ぎるそれを、自らの怪力を一点に集中し、弾くことに専念することでこちらを単純に潰しかねない剣を弾いて跳ね除けるという神業を幾度となく繰り返す。
 打ち合いを続けながら柄にもなく吼える。戦場の全てに聞かせるかの如く。
「お前を倒し学生も救う、きっと困難で正に命を輝かせるのに相応しいだろうね!こいつは笑顔になるってものだよ!」
「それこそ笑止よ!弱者を切り捨てられぬとは、我ともあろうものが見誤ったか!!ならばその命、燃え上がらせよ!!」
 メラルダの剣がさらに巨大化する。
 15m、20m、さらに巨大化…弾くとかそう言う次元のそれではない。
「その輝き、その命、ここで断つ!!」
 振り下ろされる、その瞬間。
「あ、あ、あ、あ、あっっっっ!!!!」
 再生…修復を終えたディスポーザブル01が再起動、瞬間思考力が即座に撃ち込める瞬間を見出し、剣を振り上げたクルーエルに拳をねじ込んだ。
 国を失った兵士は、ただ破壊する事しかできない亡霊。
 それでも、その破壊の先に、命を守ることができるのであれば。
「戦え、戦え、戦え、戦え…そうだそのために私は来たんだ、戦え『ディスポーザブル』!!!」
 鼻血と血反吐で顔を紅に染め小枝子が行く。
 レーザーに焼かれ赤熱化した鎧型の装甲に、深々と突き刺さる鉄拳、迸る雷。
 いかに騎士の風体をしていようと、クルーエルはキャバリア。内部への電撃は対策してなお重傷を齎す一撃であり、痙攣するように挙動に異常をきたしてしまう。
 一切の容赦なくそこにクローを叩き込み、先ほどよりさらに強い組付きで動きを止める。
「今です、透乃様!!」
「オッケー十分!!」
 透乃がディスポーザブル01の背を駆けあがる。
 狙うは一点。先ほどから自身の全力を叩き込んだ一点。
「緋迅滅錘衝!!」
 緋月を左手に握りしめ、宝石のように美しい巨大な刀身へと叩き込む。
 サイキックエナジーすら捻じ伏せる専心が、騎士の刃を粉砕したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リリウム・マーセナリー
※アドリブ・連携歓迎

戦うだけの日常など、何があるというのです。誰だって、戦うには理由が要ります。そして、その殆どは生きる為です。
戦う為に戦う――そのような者もいるのも確か。でも、長く戦い続けるのはいつだって何かを守る者です。だから――。
「殺し合いはしませんよ。――私はただ、守る。救う。それだけです」
右腕のロングレンジレーザーライフルで【選択UC】による長距離狙撃(スナイパー,援護射撃)を試みます。あくまでも援護射撃に徹し、可能な限り位置を悟られぬよう狙撃ポイントを決め、ここぞ、という一瞬に賭けます。

「――今です」

着弾してもしなくても、隙は生まれる筈。後は頼みました。


フレティア・ハイマール
いいえ、いいえ。
強いことは尊いこと、けれど弱いことは罪じゃない。
例え小さく弱くとも、生きていたって良いの。その道を作り守るのが、プラント管理AIたるわたしの在る理由。
みんなの笑顔を、奪わせたりなんて、しないんだから!

スロゥマトに搭乗して戦うよ。
ヴァルキリヤ・フェザーを展開、【レーザー射撃】で此方から距離を取ろうとする動きを牽制して接近してく。
敵の攻撃はムスペルヘイム・アーマーで【盾受け】したり【受け流し】たりして凌ぐ。最悪でも部位破壊は避けられるよう【瞬間思考力】で判断を。
距離を詰めたら【怪力】での【暴力】で殴りかかって、崩したところに終止の烈光を叩き込みにいくよ。



 へし折れ、半分ほどとなった愛剣を呆然と見つめるクルーエルが、声を震わせ怒りの声を上げる。
「おのれ…よくも我が騎士の誇りを…なぜだ。なぜそのような弱さの為に、そのような強さを得られるのか!!まったくもって理解不能だ、おぞましい!情けない!!」
「いいえ、いいえ。強いことは尊いこと、けれど弱いことは罪じゃない」
 露出したカメラアでキャラバン隊を睨み付けるクルーエル。それを遮るのは、燃え滾る熱を孕む炎の巨人、ジャイアントキャバリア。
「例え小さく弱くとも、生きていたって良いの。その道を作り守るのが、プラント管理AIたるわたしの在る理由」
 フレティア・ハイマール(アバター・オブ・マザーブレイン・f29910)が乗り込んだことでその力を開放した巨人が握りこぶしをぶつけあい、打ち鳴らす。
「端末ごときが、ぬかしおる…剣折れたとはいえ、巨人一機程度で割れと戦えるなど、なんとも烏滸がましい。諸共、断ち切ってくれようぞ」
 折れた刀身がサイキックエナジーで補強され、折れているにもかかわらずキャバリア用のロングソードと変わりないほどに延長される。
「では殺すぞ、端末」
「かかってきなさい。みんなの笑顔を、奪わせたりなんて、しないんだから!」

 一方、トレーラー隊後方。
 戦闘の最中一人離脱していたリリウム・マーセナリー(白百合の傭兵/ホワイトアウト・f29990)。
 彼女は、トレーラー隊のキャバリア乗り、隊長機のモッサから気になる情報を得ていた。
 捕らわれた少年の持つ本来のサイキックはすなわち、瞬間移動能力。それがキャバリアの力で増幅されれば、脅威どころの話ではない。
 だからこそ、愛機の右腕に備えた愛銃を入念にチェックしながら狙撃ポイントについていた。
(戦うだけの日常など、何があるというのです。誰だって、戦うには理由が要ります。そして、その殆どは生きる為です)
 もしもの時は俺らに任せろと、損傷したキャバリアに乗り虚勢を張ったアフロの少年の姿を思い浮かべる。
(戦う為に戦う――そのような者もいるのも確か。でも、長く戦い続けるのはいつだって何かを守る者です)
 年長者らしき、彫りの深い顔の青年。年若い金髪の少女。力が無くても意地を張った、トレーラー隊の若者たち。
 誰一人として、死なせやしない。誰かの為に戦える人を、笑顔と言う形のないものを命がけで守ろうとする彼らを、決して。
「私はここに、救援に来た。だから殺し合いはしませんよ。――私はただ、守る。救う。それだけです」
 ただそれだけを、心の中で反芻し、一心に精神を整える。
 神経を研ぎ澄ませ、彼女は一人、息を潜めた。

「行って、ヴァルキリヤ!」
 スロゥマトの背から放出される、羽型のクリスタルビット。
 スロゥマトへと向かってきながらも、攻撃をトレーラーにまで向けようとするクルーエルの刃を、全力で牽制し自身もまたクルーエルへと突き進む。
 だが、ここで致命的な問題が発生する。
(拳が、届かない…!)
 燃え滾る熱を、圧倒的暴力へと変換可能なスロゥマト。
 だが、そのメイン武装は握りしめられた拳そのものであり…半ば折れているとはいえ、中野少年を酷使し生み出したサイキックエナジーで剣を延長するクルーエルの間合いは広く、真っ向勝負はスロゥマトの防戦一方となっていた。
 全身を覆い、その身を赤く輝かせる特殊装甲、ムスペルヘイム・アーマーの硬度に物を言わせ、剣を弾いてカウンターを叩き込もうとしても一歩引かれ、いまいちダメージが入らない。
 だが、その一方でクルーエルもまた焦燥に駆られていた。
(純粋に硬い。防御に徹されてはまるで抜くことができぬ。その上彼奴の一撃はまさしく怪物の拳…まともに受ければ、消耗した今の鎧では損壊は必至!ええい面倒な!!)
(……あれを、使ってみるか)
 そしてその焦燥といら立ちが、騎士にある決断をさせる。
「あ、ぎ、ぎゃあああああああああ!?」
「っ!?ダメ、あの子が!!」
 クルーエル内部から、少年の絶叫が響き渡る。
 今までにない反応に、思わず焦りスロゥマトを突撃させてしまうフレティア。
 拳を振り被り、騎士の胸部へと叩き込もうとして…その拳がすり抜けた。
 クルーエルが、一瞬で姿を消したのだ。
 そして音もなく、スロゥマトの背後へと現れた。
 動力源である少年が、唯一使用できるサイキック、短距離テレポート。それを、その命を搾り取り自身諸共発動させスロゥマトの後方へと瞬間移動して見せた。
 少年の絶叫は限界を超えさせられた苦痛の証であり、騎士がなりふり構わなくなってきた証でもあった。
 そして掴んだ完全な隙を逃さず、クルーエルは剣を手に取る。
 
「――今です」

 その瞬間を待っていたリリウムが、引き金を引いた。
 目標、敵後頭部。外しはしない、そのために潜んできた。
 音よりも早く跳ぶ光の弾丸が、背中を晒すクルーエルの後頭部へと着弾。
 弾速に特化した今の狙撃ではめぼしいダメージは確認できず。
 泡を食ったように振り向き、遠くの此方を探す目標にとって今の一撃は、せいぜい視界が揺れたぐらいだろう。
 この距離から放てる火力では、喰らい続ければ厄介と警戒させる程度のものであろう。
 やがて位置がばれてしまえば、奴はこちらに現れ攻撃を仕掛けてくるだろう。
 だが、そこに至るまでは。
「隙は生まれる筈。後は頼みました」
「ええ。これで…終わりにするわ!」
 アンサーヒューマンとレプリカントが簡潔に通信を終える。
 スロゥマトが口を開き…燃え盛る熱が生み出す光線を至近距離で叩き付ける。
 一撃必殺の切り札の気配に再び転移しようとしたクルーエルは、しかし間に合わず。
 緑青の鎧に覆われたクルーエルが、瞬く間に爆炎に包まれていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シン・ドレッドノート
ふっ…笑顔を見せる余裕も持てない者が、真に強き者を語るとは。
そこが貴方の強さの限界と言うことでしょう。

「なかなかのスピードのようですね」
貴紅のブースターで地上をホバーのように浮き上がってランダムに移動しつつ、飛翔する敵機をライフルで狙い撃ちます。

途中で直線の動きに切り替え、弾幕を張りつつ後退。
「さぁ、踊ってもらいましょう」
追ってくる敵機の目前で、カウンターで【紺青の剣劇】を発動しビットを召喚。

「そのスピードが命取りです!」
ライフルビットの一斉射撃でサイキックオーラを相殺しつつ、相対速度を利用して無数のソードビットを鎧の隙間に突き立てます。

もちろん、コクピットには当たらないよう十分注意しますね。



 自慢の鎧を黒く焦げさせながらも、いまだ折れぬクルーエル。
 折れた剣を振るい、サイキックオーラで全身を覆い、襤褸切れのようなマントをはためかせ飛ぶ。
「ふっ…笑顔を見せる余裕も持てない者が、真に強き者を語るとは。そこが貴方の強さの限界と言うことでしょう」
 シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)が駆る、深紅のキャバリアがそれを迎え撃つ。
「輪が限界を、貴様如きが語るか!ならばその限界とやら、引き出して見せるがいい!!」
 折れたならば折れたなりの戦い方がある。
 そんな過去の記録を再生し、空に鋭角的な軌道を描いてクルーエルが襲い掛かれば、シンは愛機のブースターの出力を微調整し、ホバーよろしく地面を滑るように走り、銃を撃つ。
「ム…スピードは中々」
 曲線的な軌道と直線的な軌道は互いに互いを捕らえることなく、それぞれにかすり傷が積み重なっていく。
 貴紅もヴェルディグリースも、共にサイキックキャバリアに分類されるキャバリアだ。
 そして後者はオブリビオンマシンの長であり、動力源の出力に置いて前者を大きく上回っている。
 実力は拮抗している、故に機体の性能差が響き、やがて拮抗はクルーエルに有利な者へ傾き…クルーエルが貴紅の軌道の先を捕らえた。
「そこだっ!」
 だが、シンはギリギリの所でその先読みを覆す。肉体への負荷を一切合切無視した急制動からのバックステップ、全力で後退。
 確実にとらえていた、そう確信してしまったがゆえに空振りとなったメラルダの剣は深々と地面に突き刺さる。
「ふぅ…踊りに付き合って頂き、まずは感謝しましょうか…でも、ここまでです」
「笑止!ならばその感謝とやら胸に抱いて死ねい!!」
 クルーエルは自我を持っているとはいえ、機械、その判断は素早く。
 剣がないならば、この拳で十分であると判断し貴紅を追撃する。
 サイキックエナジーを全て推力に回し、時速数百㎞にまで最短で即座に達することができる、そう考えての行動だった。
「ええそうです、それですよ。それがあなたの命取り…!」
 それこそがシンの読み通り。
 剣を手放し武器を切り替えたその一瞬のうちに、手はずは整った。
 貴紅を守るように浮遊する、その手に保持しているはずの武器と全く同系統の、無数の青い刃と宝玉が美しく輝くライフルがすべてこちらに迫ろうとするクルーエルに向けられていた。
 そしてシンが、引き金を引く。
 降り注ぐ銃弾は高速で迫るクルーエルと衝突し、その装甲に次々とダメージを与え…続いたソードビットが、その傷目掛け深々と突き刺さり、傷を広げていくのだった。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

ティー・アラベリア
アハッ!この世界にもボクのご同輩のような機械人形がいるのですね☆
仕えるべき文明もなく、亡霊のように戦い続けることが楽しいですか?
えぇ、楽しいですよね!気が合う様で何よりです☆
過去の遺物同士、仲良く殺し合いをしましょう♪

さて、魔法人形にしては近接戦がお好きなのですね。
ならば戦闘機動機構を起動し、95式の誘導弾と90式の対装甲射撃で引き撃ちし、接近をお誘いしましょう。
距離を詰めようと通常の手段で接近して来るならば、92式の砲撃で足を止め、焦らして差し上げます。
敵が痺れを切らし転移してきたタイミングで、UCを発動。
零式にあらん限りの魔力を込めて抜刀し、逆にご自慢の剣を叩き切って差し上げます☆。



「アハッ!この世界にもボクのご同輩のような機械人形がいるのですね☆いやいや的であるのがちょっと惜しいですねいや惜しくないかな…うん惜しくないですね!」
「何を言っている…我こそは騎士。人形などと、侮辱してくれるな……しかし、なるほど…」
 どこか風格すら漂わせていた鎧も、もはや見る影もなく。
 ひび割れ砕け、焼け焦げ穴の開いた姿になっても、まだ彼は己の考えを押し通す為戦う。
 その姿を、自身の同類と称したティー・アラベリア(ご家庭用奉仕人形・f30348)は、その眼下で挨拶を交わしていた。
 両者ともに、かつての時代の遺産。
 だからだろうか、戦いに狂う騎士が、一時だけその言葉に耳を傾けたのは。
 かたや人の内面その物を映し仕えることをよしとした自動人形。
 かたや人の強さのみを追求しそれを賛美し己の信とした騎士機械。
 人か、己か。
「仕えるべき文明もなく、亡霊のように戦い続けることが楽しいですか?」
「──ああ、楽しいとも」
「えぇそうでしょうとも、楽しいですよね!気が合う様で何よりです☆……でもやっぱり」
「相容れぬな、人に与する貴様とは」
「ですので…過去の遺物同士、仲良く殺し合いをしましょう♪」

 クルーエルが仕掛ける。
 地に刺さったままの剣ではもはや役立たぬと捨て置き拳を振り下ろす。
 咄嗟の判断で99式戦闘機動機構を起動し、後方へ吹き飛ぶようにティーが飛べば、それを追撃せんとクルーエルが駆け出す。
 泥が付くことも厭わず、地面を転がり吹き飛び、地を擦りながら大きく距離を取ったティー。
「あいたたた。さて、魔法人形にしては近接戦がお好きなのですね」
 即座に杖を二本取り出し、魔力を流し込む。
 95式思念誘導型魔杖《ホーミング弾》と90式爆縮破砕型魔杖《爆発》。
 異なる特性を持つ杖を同時に制御し解き放つ。
「では、来れるものならどうぞこちらへ♪」
 撃つべし、撃つべし。
 高速魔法弾を精密に制御し、一点に集中させて足を踏み出させないようにする。
 おまけとばかりに、動きを止めた個所には魔力校をこっそりと照射、クルーエルが動かさなければ即座に魔力の過剰集中により爆縮現象が起こり、ただでさえ損傷の激しい装甲がごっそりと削り取られることだろう。
 それでも、どうにか距離を詰めようとすれば…三本目の杖が起動。
 迸る魔力の奔流がクルーエルへとぶち込まれ、その歩みを無理やり捻じ伏せる。
 徹底して近づかせぬのが相手の狙いか、あるいは罠か。
「どちらでも捻じ伏せるのみ…故に、死力を尽くせ我が供物よ!!」
 動力炉が苦悶の声を上げる。サイキックエナジーを吸い上げ、地に突き刺さる剣をどうにか手に取る。
 刀身が折れても、なお人間大の相手には十分な刃渡りを持つメラルダの剣。
 サイキックを解き放ち、ティーの頭上へと転移。剣を大きく振り下ろす。
 迎え撃つは、魔力の刃。
 それまで起動していた全ての杖を停止させ、全身の魔力をその一振りに集束。
 零式鋭剣型短魔杖、魔力を高密度に凝縮し、剣とする魔法の杖。
 あらん限りの魔力を込めたその一振り、稼働時間は一分弱。
 その一分弱を一瞬に突っ込み、激突。
 ──折れてなお脅威であるその剣は、その根元から寸断されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天音・優歌
ストイックな持論は結構だけど人に押し付けないで
明日のため、笑顔のため
守るべきものがあるから人は強くなれるんだ
自分のためにしか振るわれない力なんかに私は負けない!

魔導書からサイキックキャバリアを召喚し乗り込みます
優しき歌より来たりて!无音の世界に……天からの音を降らせよ我が半身!汝、无に還す者!メソテース!

テレポートからの攻撃を警戒しつつ
空中浮遊で空を飛び正面から剣で斬り合い堂々と戦います
条件を満たしたらUCを発動



 もはや見る影も無くなった機体を見下ろしながら、クルーエルが呟く。
「もはやここまでか…ならば死にゆくその時までその強さ、少しでも刻むとしよう。弱きものを、少しでも道連れにするとしよう」
 もはや加減は不要、動力源の命が枯渇するのも気にせずにサイキックを搾り取る。
「ストイックな持論は結構だけど人に押し付けないで…あなたの勝手に、皆を巻き込ませはしない」
 その眼前に、魔方陣は輝く。
「優しき歌より来たりて!无音の世界に……天からの音を降らせよ我が半身!」
 目覚めるは白、一切の穢れ無き白亜。
「汝、无に還す者!メソテース!」
 魔導書より来るは騎士にして巨人、サイキックキャバリア。
 その名を、メソテース。
 天音・優歌(メソテースの書・f30005)の、機械の騎士。
「明日のため、笑顔のため。守るべきものがあるから人は強くなれるんだ」
 負傷した猟兵を治療できないかと動くトレーラー隊の青年たちを見る。
 いざとなれば特攻も辞さないと扇情を睨むキャバリア乗り達を見る。
「だから私は守る。自分のためにしか振るわれない力なんかに私は負けない!」
「…思い一つで、我が死力を跳ね除けられると思うな!!」
 クルーエルが、柄だけとなった剣を天に掲げる。
 サイキックを剣に集中し、緑に妖しく輝くサイキックの剣へと作り変えた。
 剣が折れてはもはや巨大化はできず、それでもその迫力は先ほどまでに勝るとも劣らない。
 両手を添え、クルーエルが構える。
 メソテースもまた、剣を手に取り構える。
 二機の騎士が、最後の激突を始めた。

 メソテースのマントが翼のごとくはためき、その巨体が空へと舞う。
 応じるようにクルーエルも飛翔する。先ほどまで発揮できていた超スピードこそもうないものの、それでも長年の記録が魅せる剣術は何ら陰ることはなく。
 真正面から向かってくるメソテースとぶつかり合い、逆に押し込むには十分な技量。
 対し、技量においてまだ及ばない優歌であったが、それを補って余りあるほどの堂々たる太刀筋。
 じりじりと押し込まれながらも、致命傷を受けることはなく、一歩たりとて逃げやしないと真正面から喰らい付く。
 そうなってしまえば、不利になるのはクルーエルだ…何せ、動力はもはや枯渇寸前、時間は今のクルーエルにとって最大の敵なのだ。
「…なんとも惜しいことをした!本来ならば思うさま斬り合いたいところだが…!」
 鍔迫り合いの最中、クルーエルが消える。
 打ち合いの中での短距離転移、少し後ろに下がるだけの転移。
 メソテースの攻撃のリズムを乱すために最後の切り札を狙い…加速、剣をメソテースに突き出した。
「取った!!……なに!?」
 だが、メソテースは捕らえきれず。その姿を追えば太陽を背にする騎士の姿。
「…大切なものを守るため、私は倒れるわけにはいかない!行くよ、メソテース!!」
 これこそが彼女の力。彼女の本体に眠る力の一端が、メソテースの魔力を強くする。
 その姿に看取れたクルーエルへ、白い光を纏ったメソテースが飛ぶ。
 ここ一番の速さを見せ、輝く拳をクルーエルの胸へ叩き込む。
 ここまでの戦いで最も損壊していた胸部は、その一撃でついに限界を迎え砕け…高速具を引き千切り、少年を救出。
 動力を失い、サイキックで無理やりつなぎ止めていたクルーエルが自壊していく。
「はは、ははは……まったく、なんて強さだ。これが、我が認めなかった強さか。まったく、笑えて来る…おや」
 その中で、ふとクルーエルは気が付いた。
「そうか、これが笑顔か、笑うという事か…なるほど、これを守るのが貴様らか…ああ、これは…ようやく合点が、いった…!はは、ははははは!!」
 哄笑しながら鉄くずへと変わりゆくその姿を、優歌は最後まで見届けたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『クロムキャバリア小国家の首都観光』

POW   :    食事! 首都ならではのグルメを楽しむ。

SPD   :    名所! 首都の観光名所やスポットを巡る。

WIZ   :    名産! おみやげや掘り出し物を探すショッピングに回る。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「かーえーってーきーたーぞー!!!」
 金髪少女、チャラ・ゼントが、検問所の待合室で、窓の向こうに広がる街並みに向け大声を張り上げる。
 ここは学徒防衛都市国家【立花】。
 猟兵達の奮戦のお陰でオブリビオンマシンの襲撃を切り抜けられたトレーラー隊は無事故郷までたどり着き、荷物の納入に成功。
 護衛を務めていた三人のキャバリア乗りには『ともかくいったん休め』と、事情聴取の準備が整うまでのちょっとした休暇が与えられることになった。
 救出された学生たちも、命に別状はなくそのまま病院へ。
 サイキッカーの少年は少々弱っていたようだが…クルーエルの動力源にされていた間に読み取った彼の記録を編纂するのに夢中なようで、病室にタイプライターを持ち込んで張り切っている。
「そこの喧しい妹は放っておくとして…さて、猟兵さんたちよ。まずは礼を言わせてくれ、おかげで全員無事に帰ってこれた。ちび達の誕生日プレゼントもこれで補充できたってもんだ」
 そう言って、立花まで一緒についてきてくれた猟兵達に頭を下げる金髪アフロ頭の青年、モッサ・ゼント。
 護衛隊の隊長、アフロマークのキャバリアに乗っていたのが彼だ。
「さて、わざわざうちの国まで来てもらった恩人を、何もせずに帰すのはあまりに申し訳ない。ということでうちの政徒会長…ああ、お偉いさんのトップやってる人な。その人から『お礼に費用はこちらで持つから、立花を楽しんでいってください』だとよ」
 窓の外を親指で指さすアフロ。
 その先に広がるのは、学生たちが切り盛りする学園都市。

 一昔前の風体を残す、お総菜やら立ち食いグルメやら、少しセンスの古い雑貨やアパレルが並ぶアーケード商店街もあれば、様々な商品が並んでいるであろう、大きなビルの百貨店も存在する。
 少し目線を変えれば、運動部であろう学生たちが汗を流す大規模な運動公園、数少ない観光客を狙ったお土産屋なんかもある。
 町工場では、ちょっと頭の螺子が外れている学生たちが集まって日や試作品を作っては売り捌いている…これもお土産の部類に入るらしい。
 その大半を、人工知能か『部活動の一環』としてそう言った系統の部活に所属した学生が運営しているのが、この国最大の特徴だ。
「まぁ…うちの国の連中はミーハーなところがあるからな。あんたらならどこに行っても歓迎してくれるだろう。幸いと言っちゃあいけねぇが、立て続けに事件が起きたせいで俺らの事情聴取の用意が整うまでは久々の休暇だ。あんたらさえよければ道案内に付き合うぜ」
 彫りの深い顔の青年ラリーは君達をどこに案内したものかと観光案内を広げ、金髪少女のチャラもワクワクとった感じの目で猟兵達を見ている。
「とはいえ!一人で、あるいは友人だけで知らない街を歩くってのも乙なもんだ。そこら辺はあんたらに任せる……入国管理部の調整は終わったみたいだな。それじゃあ、俺たちの国を存分に楽しんでいってくれ!」
 ケータイに届いたメールを見て、猟兵達の入国許可を確認したモッサが扉を開け、猟兵達を自らの故郷に案内するのだった。
 
 ※この章では、道案内や観光案内が欲しいという方向けにNPCの三人組を用意してあります。
 金髪アフロで常識人のモッサ・ゼント(護衛隊隊長機)
 彫りの深い長身の青年、ラリー(護衛隊策敵機)
 最年少でモッサの妹、チャラ・ゼント(護衛隊偵察機)
 知らないところの観光は不安…と言う方は、どうぞ彼らをお供にしてあげてください。
リリウム・マーセナリー
※アドリブ・絡み歓迎

方針:POW寄りのSPD

「戦闘が終わった後の余暇は、良いものです」
――と、言うのは簡単ですが、私にそれを言う権利があるかと言えば微妙な所。娯楽を知ったのはつい最近。まだまだ知らない事ばかり。

「……おや、美味しそうな香りが……」

特に食事。軍人時代に、傭兵だった頃。食事と言えば糧食でしたからね。味を意識したモノというだけで私にとっては新鮮なものです。(ただし、普段は糧食をバリボリと食べてますが)

(おいしそうなお菓子を食べて)「こ、これは――!?」

やはり、こういう日常を守る為に私達は力を振るっているのだと、実感できるのは良い事です。



「戦闘が終わった後の余暇は、良いものです――と、言うのは簡単ですが、私にそれを言う権利があるかと言えば…」
 正直に言えば、微妙な所。それがリリウム・マーセナリー(白百合の傭兵/ホワイトアウト・f29990)の内心であった。
 戦闘を終え、立花に招待されたはいいが…彼女自身、娯楽と言うものを最近知った身であり、その手の知識に関してはまだまだ知らないことばかり。
 観光と言う娯楽をどう楽しめばいいのかいまいち理解しきれず、当てもなくぶらついているのが彼女の現状だった。
「えーと…先ほど貰った観光案内によれば、この商店街では立ち食いが…ふむふむ」
 いつまでぶらついてもしょうがないので、検問所のインフォメーションセンターにて配られていた観光案内片手にやってきたのは商店街。
「おや…おいしそうな香りが…」
 彼女が一先ず見出した楽しみは、食事。
 ふらふらとたどり着いたのは、クレープ専門だという小さなキッチンカー。
 そこでクレープの生地を焼いているのは、やはり学生だ。
 商店街を練り歩きながら食べるにはもってこいの、焼き立て生地の香ばしい香りに自然とリリウムは吸い寄せられていった。
「はいはい立花商店街名物、クレープショップ・キママニへようこそー…あら、お姉さんここらじゃ見ない顔だね、観光?うちのクレープは高校生にも大学生にも人気殴ら入メニューに幅があるからさ、どんな味がいいかな?」
「はい。ではお薦めを。なにせ味を意識したモノというだけで私にとっては新鮮なものです」
 そう、軍人時代も傭兵時代も、食事と言えばもっぱら糧食、味は二の次三の次。
 しかも彼女、食の楽しみを知った上で普段はかつてとどっこいどっこいな糧食を常食としているのだ、クレープの中身についての良し悪し好みなど、ない。
 立板に水とばかりにセールストークを並べようとしていた男子学生(演劇部出身)もこれには絶句。しかしすぐに気を取り直してメニュー表を吟味する。
「……お姉さんも苦労してるんだねぇ…よっしゃわかった!せっかく立花まで来てうちを選んでくれたんだ、出血大サービスしてやらにゃ立花男児の名が泣くぜ!!」
 そう言って、手早く用意されたのは色とりどりのフルーツにホイップクリームがたっぷりと乗り、チョコソースまでかけられたパフェのようなクレープ。
 ご丁寧に生地も焼き立ての物を用意し直したそれを受け取ったリリウム。
 あまりのボリュームにどうしたものかと目を白黒させたが、意を決して大きく口を開け、パクリ、かぶりつく。
「こ、これは――!?」
 白黒していた目が、きらきらと輝いた。
 生クリームのついた口元に笑みが広がる。
 わかりやすいほどに甘くて美味しい、学生たちがだれでも食べれる庶民的な味。
 やはり、こういう日常を守る為に私達は力を振るっているのだと、リリウムは確かに実感する。
 この味に出会えたこともそうだが…この実感を得られたことが、彼女には何よりの報酬だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

小鳥遊・ルイ
ここが【立花】か…いい国だな。
せっかく別の国に来てこんな風に見てまわれるんだ幼馴染にお土産を買って行こう。
あいつが気に入りそうな可愛いものがあればいいんだが…。
…やはり俺一人は不安だな誰か案内してくれると助かるんだが…あいつの好きなものがわかりそうなやつがいい…となると女性か?
百貨店よりは雑貨屋の方がいいかもしれない。
可愛いものが好きな可愛い子。
猫に犬に鳥…やはりウサギがいいな。
君は…幼馴染からお土産を貰うならどんなものがいい?
?…俺は幼馴染が女の子だと言ったか?
幼馴染は男だ。



「ここが【立花】か…良い国だな」
 自然公園のベンチに腰掛けながら小鳥遊・ルイ(俺+君=?・f30019)は呟いた。
 彼自身、大事な幼馴染と共に学生連合に属する身だ。色々と思うところも、感慨深い所もあったのだろう。
 だからこそ、この国をじっくりと見て回り、この国の良さをその目で見てきた彼にとって、それは心からの言葉なのだろう。
 穏やかな空を見上げ、この国の光景を振り返り…ふと思い立ったように立ち上がる。
「…せっかく、自由に回れるのだからな。何か買って行ってやろう」
 観光と言えば、お土産。
 しかし、いかにもクールな雰囲気を漂わせているルイだが、実は周囲の予想を上回るほどのぼんやりさん。
 今回も気ままに見て回った結果、ガイドブックをもらい忘れるというポカをやらかし、表情に出さずに途方に暮れる。
「あいつが気に入りそうな可愛いものがあればいいんだが…可愛い物がいいな…だが、雑貨屋となると少々探すのは…無難だが百貨店か…?いやしかし…」
 ぶつぶつと呟きながら歩くその肩を、背後から現れたアフロ頭が掴んだ。
「よぉ戦友!借りを返しに来たぜ!」

 アフロ頭のキャバリア乗り、モッサ・ゼントに案内されたのはファンシーなぬいぐるみから細やかな小物が並び、子供や老人の多い雑貨屋…所得、地物の人御用達のお店だった。
 幼馴染から贈り物をもらうならどんなものがいいか、というリクエストに応えたモッサが案内した雑貨屋の内装はルイのお気に召したようで。
 可愛らしさと牧歌的な雰囲気の両立がなされた店内に、ルイの口元に、僅かながらに笑みが浮かぶ…もっとも、それを笑みだとわかるのは礼の幼馴染ぐらいだろうが。
 ともかく興味を示してくれたルイに、たまたま彼を見かけ案内を買って出たモッサも満足げにしている。
「猫に犬に鳥…小人に、キャバリアのぬいぐるみまであるのか…いや、やはりウサギがいいな」
「おうおう戦友、隅に置けねぇなぁ!大事な子にでも渡すのかい?よっしゃよっしゃ、百戦錬磨のモッサ様が一緒に見てやろう、どんな子に贈るんだ?」
 休暇だからなのだろう、やたらフランクなモッサが、陳列棚を吟味するルイの隣に並ぶ。
「…そうだな。幼馴染は、可愛いものが好きな可愛い子」
 その声色に、確かな信頼を感じ取ったのか、それまでの軽薄そうな雰囲気をやめたモッサが、同年代のこの恩人の、日常を彩る力になってやらねばと改めて気合を入れる。なにせ、彼はそういった笑顔と信頼が見たくて、命を賭けた運送屋なのだ。
「…OK、任せろ。最高の一品を見繕ってやるぜ。で、彼女さんもウサギが好きなのか?何なら、オスメスで分けて二人で色違いにでも…」
「……いや…?…俺は幼馴染が女の子だと言ったか?」
「うん?」
 幼馴染は、男だ。
 静かに、はっきりとした断言。
 優しくもどこか遠い目をしたモッサは、そっとルイの手にオスの兎のぬいぐるみを二つ、手渡したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

朱鷺透・小枝子
…薬が抜けました。学徒の皆様が無事なようで安心であります。
もし何かあったら、貴司殿へ顔向けできませんでした……。

手の空いている方に道案内を頼めますでしょうか?
恥ずかしながら、自分は散策慣れしておりません。
この国の方に案内していただけると助かるであります。

アーケード商店街
焼きそばパン、コロッケ、おにぎり。美味い(買い食い)
おおこれは、音楽が出ています…!(オルゴールを手に驚く)
服、パイロットスーツ兼スクールウェアがあるので…(ひやかし)

何処か景色のいい所
数時間程度でありましたが、この国はきっと、良い国であります。
自分の故国では、これほどの喧騒はありませんでした。
皆活気があって、楽しそうであります



「…薬が抜けました。学徒の皆様が無事なようで安心であります」
 みんなから少し遅れて立花へと入国したのは朱鷺透・小枝子(ディスポーザブル・f29924)だ。
 戦闘中、少々過激な興奮剤を多用していた彼女は、それを心配した入国管理部の面々に進められ、ちょっとした小休憩を取っていた。
 そうして落ち着いた彼女は、戦闘のログを改めて確認しながら街へと向かっていた。
「もし何かあったら、貴司殿へ顔向けできませんでした……」
 ほっと溜息を一つ。
「ほう、懐かしい名前を聞きましたな…なるほど、猟兵を始めたというのは噂通りで」
 その横を歩いているのは、戦闘中、護衛部隊の一人であったゴリラ顔のラリーだ。
「はい。私達を此処に連れてきたのも彼女です。助けられて本当に良かった…ではお願いした通り、道案内をお願いします」
 兵舎の中で管理された生活を送ってきた彼女にとって、自由な散策は下手な戦争より難易度の高いミッション。
「恥ずかしながら、自分は散策慣れしておりません。この国の方に案内していただけると助かるであります」
「ホッホッホ!恩人、それも少女の頼みを無碍にしたとあらば立花男児の恥晒しもいいところ、しっかりとご案内いたしましょう!」
 なので正直に誰かに頼ることにして、まず案内されたのはアーケード商店街だ。
 予算はうちで持ちますからと、国がバックについているので無駄に気風のいい解き放たれた小枝子、まずは空腹を刺激する香りの元へと突撃。
「焼きそばパン、コロッケ、おにぎり。美味い」
 お総菜屋さんに突っ込み、上げたてだったり焼き立てだったりの美味しいものを口いっぱいに頬張り、目の前で炭火で焼かれた、味噌が甘めの焼きおにぎりに齧りつく。
 お腹を満たせば次は、お土産屋へと突撃、店内に飾られたオルゴールを見つけ、一つ一つ違う音楽のなるオルゴールへ目を輝かせる。
 超克部の部員だという店員の好意で、気に入ったオルゴールに名前をその場で彫ってもらい、自分だけのオルゴールを手にし、年相応の満面の笑みを浮かべた。
 お次はアパレルショップだ。各校の学生服にパイロットスーツまで売っている。
「…これは…特攻服?」
 妙なのも交じってたりするが、それもお国柄なのだろう。どんな服があるのかが気になっていたので、存分にひやかした。
 無邪気に見て回るその様子は、まさに15歳の少女らしく。応対した店員たちも、荷物持ちをしているラリーも、皆笑顔を浮かべるのだった。

「いやぁ、楽しみました。数時間程度でありましたが、この国はきっと、良い国であります」
 そうして歩き回る中で辿り着いた、デパートの屋上。
 ヒーローショーがやっていたり、ちょっとしたアトラクションが置いてあったり。
 そんな場所で、街を見下ろしながら佐代子は呟いた。
「自分の故国では、これほどの喧騒はありませんでした。皆活気があって、楽しそうであります」
 その視線の先にあるのは、立花か、それとも彼女の故国か。
「…ならばどうか、誇ってください。その活気の一端は、貴方達のお陰で守られたのです。立花は、いつだって貴方達を歓迎しますよ」
 その言葉に、幾らか胸が満たされたような思いを感じた小枝子であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

開条・セサミ
・心情
いやー、うちの学園みたいな所、他にもあるんすねぇ……交流した記録があれば、何か役に立つっすかねぇ?

・行動
SPDを選択して、色々見て回るっす!

・その他
アドリブは大歓迎っす!


フレティア・ハイマール
モッサさんに案内して貰って、街を観光するよ。
他の国をよく知る折角の機会だし、色々見て回らせてもらいましょう。

特にアーケード街や百貨店にはちょっと惹かれるものがあるかも。
この世界でここまで色々な種類の品物が手に入る、ってなんだか凄い気がして。
わたしの(管理している)ところだと、割と効率重視でやってるから、服も食べ物もそこまで種類はないのよ。
…参考にさせてもらおうかな。

折角だからお買い物もしていくよ。
服を買おうと思うけど…わたしの体型で着られる服あるかな。
…あった。凄い品揃えだね…。

そんな感じで色々回らせてもらうけど、ふふ、得るものも多かったし楽しかった。
これからも、この繁栄が続きますように…。



「いやー、うちの学園みたいな所、他にもあるんすねぇ」
 四角い箱のような顔を伸ばして、立ち並ぶ街並みを眺めながら開条・セサミ(カプセライザーGP・f30126)が言う。
「交流した記録があれば、何か役に立つっすかねぇ?」
「ええ、きっと役に立つと思うわ。私も他の国をよく知る折角の機会だし、色々見て回らせてもらいましょうか」
 その横で並んで歩くのはフレティア・ハイマール(アバター・オブ・マザーブレイン・f29910)だ。
 種別こそ違えど、同じ機械の体を持つ者同士。ちょうど行き先が同じと言うこともありまぁ一人寂しく向かうよりはと一緒に向かう事にしたのだ。
 彼らのガイドを務めるのはアフロ頭のモッサ・ゼント。
 アフロ、球体、美少女。何とも珍妙な組み合わせであるが市街を見渡す機会組もそれを先導する青年も楽しそうだ。
「それで?この町の事なら俺は大体知ってるぜ恩人達!どんなリクエストでもご満足させて見せるさ!…まぁ流石に本職のガイドには劣るが…」
「いいえ、私は子供達の好きなものを知りたいの。私のところはどうしても効率重視になっちゃうから…私の子達にももっといろいろ楽しませてあげたいのだけど…」
 え、その見た目で子持ち?と表情をフリーズさせたモッサとセサミだったが、事情を聴いてどうにか納得した。
「…そういやそっちのあんたはロボットヘッドってやつだったか。今更だが、はじめてお目にかかったぜ…開発部の連中が目を輝かせそうだ」
「そんなもんすか?……いや、自分試作品だしそりゃそうか。ちょっとそっちにも顔出してみたいっすねぇ…でもなんか怖いっすねあれ」
 インプットした観光情報から、町外れにそう言った技術屋の溜まり場があったので、ちょっとそっちにもよろうかなぁと思ったセサミだったが…なんか紹介写真に映る連中の笑みがすごくマッド臭かったので、辞めておくことにした。
「あぁ同感だ。やめといたほうがいいぞ。あいつら絶対バラさせてとか言いそうだし…お、見えてきたぜお二人さん。あれが立花一の百貨店【大輪】だ」
 目配せするモッサの視線の先には、他の建造物よりも頭一つ二つ抜きんでている高層ビルがあった。

「……どういう輸入ライン引いてりゃこれだけ維持できるんだ…?」
 眉根を寄せるような映像を映すセサミの視線の先には、既製品から周辺国家からの輸入商品であろう、お菓子やら飲料やら調味料やら…日用品からちょっと高級な衣服まで、ずらっと取り揃えられている。
「驚いたかお二人さん。うちの観光地の一つはどうよ?」
「ええ、驚いたわ…」
 一方のフレティアは、百貨店の存在自体に驚いているようだった。
 輸送手段の限られるこの世界でここまで色々な種類の品物が手に入る、運営側の並々ならぬ努力を感じて、感嘆の息を漏らす。
「ははは。まぁこれだけ維持できるのはうちの国が娯楽とか流通に熱を入れてるってのもあるがな、ここは観光地も兼ねた、半ば国営の施設なんだよ」
「にしたって限度があるでしょうに…お、電子パーツに工具も置いてある…文房具もあるんすね。学園の皆にお土産見繕ってみるか…おすすめのあります?持ち出し禁止のやつとかは…」
 店員に話しかけ、百貨店ならではの高品質文具を探し求めるセサミ。
 一方、フレティアはファッションコーナーでずらりと並ぶ女学生用の制服をチェックしていた。
 制服一つとっても、各校によってデザインにだいぶ差がありそれだけでも参考になる。背丈とスタイルがアンバランスである自分に合うサイズの制服すら完備していたことには、驚きを通り越して若干引いてしまったが…良い買い物ができた。
 そうして、一通りのカタログも貰いつつひとまずの買い物を終え、別コーナーで物色中だったモッサとセサミに合流すれば。
「さ、財布が、財布が冬を…!」
「安心しろ戦友、今回はうちの会長が全部支払うから…ただ俺の肩が爆散しかねんのでこっからはちょっと自重してくれ…!!」
 そこには、店員のセールストークにするする流されたのであろう、文房具を通り越してぬいぐるみやらキャバリアのフィギュアやらギフトセットやら、勧められるがままに商品を買ってしまい、山積みの荷物を抱える二人の姿が。
「……ふ、ふふっ。大丈夫?私も持とうか?」
 その光景を見たフレティアは、唖然とした後堪え切れずについ笑ってしまった。
 その後も、ひぃひぃ言いながら(片方はロボットなのだが)荷物をロッカーに預け街へと繰り出した三人。
 アーケード商店街に行けば、B級グルメにフレティアが舌鼓を打ち、見るからに口の無いセサミは悔し涙を映しながら動画だけでもと記録し。
 自然公園に行けば、子供達にせがまれ頭部だけ変形したセサミが皆で記念写真を撮って一躍スターになったり。
 二人のロボットは大いに立花を楽しみ、早々忘れられそうにない記録を獲得していくのだった。
「これからも、この繁栄が続きますように…今度は、いつか、皆で」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

緋月・透乃
そういえばクロムキャバリアで戦闘は何度かしているけれど、それ以外のことは殆どしていなかったねぇ。武器を作ってもらったくらいかな。
経費もあっちもちらしいし、折角だから何かしていこうかな。

猟兵になってよかった事のひとつに色々な世界へ行ってその世界ならではの食べ物を食べられることがあるんだよね。
そこで、商店街の全飲食店の全メニュー完食をできるところまでやるよ!
大食いの腕とお腹がなるね!
立花は何か美味しいのかなー?


最も好きなものはにんじん
嫌いなものは特にない
しっかり食べた!と感じるものが好き
デザート類は甘いよりしょっぱいほうが好き



 ざわざわと、立花のアーケード商店街に人が集まっている。
 人だかりの中心は、商店街内の中華料理店。
 その中で、一人の少女が匙を置き、一息ついていた…緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)だ。
「美味しかったぁ!うん、ここのボリュームは中々だね!ごちそうさまー!」
 満足げな笑みを浮かべる透乃。
 安い、美味い、多いの三拍子が揃ったこの店の中華料理を、全て一品ずつ大盛りで平らげて見せた少女に、大食いに自身のあるはずの常連たちが戦慄する。
「ふむむ、腹六分目って所かな…じゃ、次はどこに行こうかなぁ…」
 訂正、学生たちは絶句した。
 なにせ透乃、商店街にふらっと現れたと思えば、イタリアンやらラーメン屋やらに入ってはメニュー全品完食しつづけ、この中華飯店で四件目なのだ。
「いやー経費は持ってくれるって言うし、こっちの名物は食べたことなかったから助かるなー」
 次はどこの店に入ろうかと散策しながら、総菜屋でちょうど上げたてだったコロッケを頬張りながら考える。
 とにかくよく食べる彼女の、戦い以外の楽しみの一つが異世界の食事であり、彼女はクロムキャバリアではまだ落ち着いて食事を楽しむ機会に恵まれなかった。
 そこに、観光の代金は全て負担するという鶴の一声。
 彼女が自重を明後日の彼方にぶん投げたのは当然の出来事なのであった。

「学生だけの国ってだけあってがっつりしたのが多いねこの国。えーと、ラーメンは食べたイタリアンも一通り食べたお蕎麦も食べた…あ、この焼きおにぎり美味しい。うーん醤油のいい香り」
 正直、ここまで食べてきて名物と呼べるほど特別な料理は少なかった。聞けば、かの遺産やデータから情報を引っ張り出し、そこから模索を続けているらしい。
 しかし、個々の料理は食べていて楽しかったなと透乃は振り返る。
 食べ盛りの学生達を日々相手にしている立花の料理は量が多く濃いめの味付けが多いこともあり…ここまでの道中は彼女を満足させるには十分なものだった。

 ならばこそ、大食いの腹と腕が鳴る。
 さっきの中華料理の店では、良い喰いっぷりだとサービスで特盛の麻婆豆腐に海老炒飯まで出してくれた、おかげである程度の腹ごしらえはできた…ならばここからが本番。
 適当な学生を捕まえお薦めの店を聞き出し、飛び込んで…メニュー全品お願いします!と注文を飛ばす。にんじんご飯が出てきた、嬉しい。
 透乃に触発されたのか、集まった学生たちも次々と注文を飛ばし大盛りを頼む、商店街の飲食店はまさにお祭り騒ぎとなっていた。
 もっとも、幾らかの生徒は明日以降散財と食べ過ぎで地獄を見るだろうが…。

成功 🔵​🔵​🔴​

天音・優歌
SPD判定

ここに来るのも二度目だっけ
最初に来たときはゆっくりする暇はなかったなぁ
いい機会だし、しっかり観光していこう
チャラちゃん、観光案内をお願いできるかな?

箒に乗って空中遊覧しながら首都の観光名所やスポット巡りをします
可能ならチャラ・ゼントちゃんを一緒に箒に乗せて観光案内をお願いします



「……ここに来るのも二度目だっけ。まさか、こんなに早く来ることになるなんてねぇ」
 立花の空を悠々と箒で跳びながら、二度にわたる騒動を思い返す天音・優歌(メソテースの書・f30005)。
 その後ろで彼女の腰をつかんで離さないのは、優歌のガイド役を頼まれたキャバリア乗りの少女、チャラだ。おっかなびっくり箒に腰掛けている彼女を見て、自分も昔はこうだったかなぁどうだったかなぁと思う優歌。
「うひゃあ…あたし本当に飛んでるっす、魔女っ娘の気分っす…異世界ってすごいんすねぇ」
「異世界っていうか魔法なんだけどね…もう慣れたかな?じゃあ改めて、観光案内お願いしてもいい?前回来た時は結局ゆっくりできなかったからあまり詳しくなくて…」
 のんびりと浮遊を続けチャラを空中に慣れさせつつ聞けば、彼女は肯定を返してくれる。
「前に、リーの兄貴も世話になったって聞いてますしね。お礼に今日は精一杯、楽しんでもらうっすよ!」
 チャラ・ゼント。二人の兄の名はリーとモッサ。
「……あぁ、あの時のリーゼントの…不思議な縁もあるものだね」
「そうそうリーゼントの」
「じゃ…ちょっとスピード上げてくよ!!」
 箒が加速、一番の名所だというアーケード商店街に向け一直線で突き進んでいった。

 百貨店もそうだが、流通輸入に力を入れてるだけあってこの国の雑貨やお土産、服飾の幅は広い。
 おそらくそれだけ知識を取り入れてるのだろうなあと思いながら、立ち寄ったアパレルショップで立花各校の制服を試着し、似合うと勧められ気に入ったデザインの物を買ってみた優歌。
 移動手段に箒を使い、フヨフヨと浮かぶ姿に注目が集まり、以前彼女に助けられた学生がお礼を申し出てきたりして人騒ぎ合ったが…そのおかげか、目立ちこそすれど取り締まられることはなく。
 チャラが用意したデジカメで空から記念写真を撮ったり、喫茶店に立ち寄って女学生らしく女子会を開いてみたりと順調に思い出を作り、気が付けばすっかり良い時間に。
「いやーなんかあたしの方が楽しんじゃって…今日はありがとうございました、優歌の姐さん」
「ん、こちらこそ…でも、まだ今日は終わってないよ?」
 へ?と変な声を漏らしたチャラを手早く箒に座らせ、急発進。
 ぐんぐん上昇し、立花で一番大きいビルを超えて…。
「楽しませてもらったからには、しっかりお礼を。さぁ星空の下、遊覧飛行の時間だよっ!」
 眼を白黒させるチャラを背に、まだ十二歳で戦場に立つ彼女へのお礼に、優歌は立花を一周する遊覧飛行に繰り出したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK

ここが立花ですか。
私は初めて来ましたが、なかなか賑やかな街ですね。
せっかくですので、お嬢さんに色々と案内してもらうとしましょう。
「チャラさん、お勧めの場所があれば教えていただけませんか?」

映えるスポットや美味しい料理など、色々と教えてもらうとしましょう。

お薦めカフェで一緒に食事でもしながら、この国やチャラさんのことなど聞かせてもらいますね。
将来のことなど、アドバイスできることがあれば相談に乗りますよ。
これでも操縦士としてもメカニックとしてもそれなりの技能を持ってますし、シーフとして偵察のコツなども教えてさしあげられますし。

「まだまだ戦いは続くでしょうけど、がんばってくださいね」



「ふぅ…貴紅の整備依頼がやっと終わりましたか…」
 前回の戦闘で愛機の出力関連をだいぶ無茶させたシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)。
 その辺りの軽いメンテ依頼の手続きし、漸く彼も立花へと入国できたようだ。
「いやはやしかし、学生だけと聞いてはいましたが、予想以上に活気がありますね。流石若者の国……ふむ、これはちょっと目移りしてしまいそうだ」
 ガイドブック片手に道行く人々を眺めながら、気合の入った観光案内に感心するシン。
「と言うわけで、考えてばかりで時間を潰しても何なので…チャラさん、お勧めの場所があれば教えていただけませんか?」
「ういっす、お任せあれ!やー、イケメンおにーさんの案内なんて役得っすねぇ!」
 ハハハと笑う実年齢44歳のイケメン。
 チャラに案内され…途中【映える】とは?というちょっとした文化の違い、あるいは12歳故の年齢的な無知(ただ単に彼女の兄連中が過保護なだけかもしれないが)にちょっと冷や汗を流しながらも、無事自然公園で一番見晴らしのいい場所を案内してもらえたシン。
 その後、立ち食い系のグルメを楽しみ、公園内の景観を見て回ったこともあって休憩にとカフェに立ち寄った二人。
 休憩中、真からこんな質問がチャラに向けられた。
「そういえば…チャラさんは十二歳でキャバリアに乗っているようですが、何か事情でも?せっかくだし、もし良ければあなたやこの国の事、教えてください」
「はいはい立花の歴史ですねそれなら…え?あーいや、あたしっすか?別に大した理由はないっすよ…この国は学生しかいないんで、あたしがまだガキだった頃はだいぶ情勢がやばかったらしいんす。で、そん時にうちの兄貴たちやその上の人達が、命がけでこの国を守り通したって聞いて…あたしも力になりたくて」
 で、無理を言って試験を受けさして貰ったら適性があったので、兄の一人であるモッサ・ゼント(例のアフロ)の監視の元、実戦経験を積んでいるのだそうだ。
 お恥ずかしい…と顔を赤くするチャラ。
「…フフ、なるほど。それは恥ずかしがることではありませんよ、チャラさん。家族を想うその心、きっとお兄さんたちも誇らしいでしょうね」
 その思いの中に、確かな家族愛を感じ取ったシンが満足げな笑みを浮かべた。
「ならば、今日のお礼に私で良ければ相談に乗りましょう。こう見えて人生経験は豊富な方でしてね…キャバリア乗りとしての将来でも、そうじゃない将来の夢でも、私で良ければ力になりますよ」
 コーヒーのお代わりを注文し、自分の得意分野を一つ一つ上げて質問を促すシン。
 まだまだ学ぶことの多いチャラは、目を輝かせて人生の先輩からのアドバイスに耳を傾けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティー・アラベリア
(到着と同時に疑似人格が戦闘用から主人格に切り替わる)
学生の方のみで構成される国家とは、噂には伺っておりましたが、凄まじいものです
この活気ある様を見ると、ボクたちのお仕事が意義ある物であると実感できますね
……さて、観光もしたいところですが、あのサイキックキャバリア、クルーエルといいましたか。あれに取り込まれていた方のお見舞いに参りましょう
随分と乱暴な助け方をしてしまった事ですし、お土産にフルーツとお茶を片手にお世話させていただきます
クルーエルが何を背負い、何を思っていたか、気になってしまうのです
感傷と言われてしまえばそれまでですが、あのキャバリアの記憶をボクの記憶装置に留めておきたいのです



 立花中央総合病院、その特別病棟にある病室にティー・アラベリア(ご家庭用奉仕人形・f30348)は入た。
「…学生の方のみで構成される国家とは、噂には伺っておりましたが、凄まじいものです」
 病室の窓から見える立花の町並みを、そこで行き交う人々の活気を再確認するティー。
 お見舞いの為手にしたフルーツを買いに行った時もそうだったが、この活気ある様を見ていると、自分たちの仕事の意義を再確認できると言うものである。
 …そう、お見舞い。
 彼女がいるのは、クルーエルの動力源にされていた、サイキッカーの少年の病室。
 戦闘時とは打って変わった…実際に通常活動用の人格に切り替わった彼女は非常に温和な性格をしており、それゆえに手荒な救出となってしまった少年を気遣い観光を遠慮し、お見舞いの品を持参しての来訪だった…無論、そればかりが目的ではないのだが。
 家庭用奉仕人形、梶人形とも呼ばれている彼女が入れたお茶の味は最高の物であり兎の形に斬られたリンゴは目で人を楽しませてくれる。
 おかげで血走った目をしてタイプライターと睨めっこしていた例の少年も、一息付けたようだ。
「落ち着かれたようで、何よりです。何分、相手が相手だったので乱暴な救出になってしまいましたが、お怪我の方は?」
「ちょっと衰弱してるみたいなんですけど、物理的なけがとかはなかったので大丈夫です」
 それはなによりです、と微笑むティー。そして、どうしても聞きたかった質問を切り出す。
「…不躾ですが、もし教えて頂けるなら…」
 クルーエル、人の強さを求めた騎士。
 彼が何を背負ったのか、その思考回路の中で何を思っていたのか。
 決して言相容れぬ存在だとしても…性格が切り替わってなお、ティーはどうしてもそれが気になっていた。
 感傷と言われてしまえばそれまで。
 それでも、少しでもあのキャバリアの記憶を自身の記憶装置に留めておきたかった。
「かまいませんよ…あのキャバリアは、強くありたかったんだと思います。かつての主がそれを求めてたからだって。その主さんは騎士で、きっと砦を守ったりとか、いろんな理由が相まって強さを求めてたんでしょうけど…」
「…クルーエルには理解できなかった。そうですか、だから彼は、ただ強さだけに固執していたんですね」
 かつての主の願いのままに、それを求めた理由が理解できずとも、追求し研鑽し…そして、狂った。
「…病み上がりの所に、ありがとうございました」
「いえ、助けてもらったのは僕ですし、これぐらいで良ければ…それと、これを」
 そう言って彼が差し出したのは、緑青色の小さな破片。
「あいつの記憶を読み取った時、最後の言葉も聞こえました」
 ──自業自得と理解できても、心底貴様らが羨ましい。
「…何の役に立つかはわからないですけど、もし良ければ貰ってやってください。研究材料にするにはちょっともったいないので。それで僕達みたいな人を、また助けてあげてください」
 差し出された遺物をティーは確かに受け取り、そっとハンカチで包むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月02日


挿絵イラスト