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書を狩る兵達ー貌を簒奪されし令嬢

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #猟書家 #ラグネ・ザ・ダーカー #ヴィジランテ #書を狩る兵達

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「う、く……いったい何が起こったんですの……?」
 と、ブルーラディアンター……イギリス貴族の家に生まれ、自らもエレクトロニクスにて才能を磨き、潤沢な資金を手にした少女、サーシャリア・ノルエッジと呼ばれる令嬢のヒーローが、高速道路の架線下にて暁の光によって目を覚ました。
「確か、わたくしは昨日のプロモーションムービーのクランクアップの後……カフェでコーヒーを飲んで……そうですわ、急に眠気が襲ってきて……!!」
 嵌められたのだ、と理解が追いつき悔し気に唇を噛むサーシャリア。
 しかしなぜか拘束されていないことに疑問を抱き、考え込むと同時に髪を指に巻く。これはサーシャリアの昔からの癖だ。考え込むときはいつもこうしており、教育係にいつも怒られた物だ。
 だからそこで分かった。サーシャリアの容姿はきれいな夕焼け色のオレンジ色の腰まで届く艶やかなストレートヘアに蒼い瞳が特徴的な令嬢然とした姿だ(胸はたわわだ)。
 そして、今サーシャリアの指に巻かれているのはもじゃもじゃの黒髪だ。
 ついでに言うと服装はサーシャリアが常時着用しているイギリスの名門学校の制服(校則で外出時は制服を着用義務とのことだ)であるが、捨てられていた手鏡を拾って自分を見ると、なんとも芋草い、不細工ではないが非常に陰気で地味な少女にサーシャリアは変貌していた。
「な、なにがおこっているのですのー!?」
 どうやら特殊な変装メイクをさせられているようで、顔や髪を引っ張っても素の髪や顔を引っ張っているようで、力任せに引っ張ったら凄惨なことになるだろう。
「うう、誰ですの!わたくしにこんな辱めを受けさせたのは!!」
 そこで耳に届くは街のプロモションムービーの公開宣伝……つい先日に撮影を終えたブルーラディアンターを含めたヒーローのプロモーションムービー、そこで撮影完了の一般市民も招待したパーティーがクランクアップの翌日、つまり今日に行われるはずだった。
「わたくしは今こんな姿に……つまり行方不明になっているはずですが……?」
 そう、出演者のヒーローが消息不明になれば何等かの報道はされているだろう。しかし、ニュース映像はそのパーティーの華やかさを伝えるばかりだ。
「では、今度は今回のプロモーションムービーに参加された「ブルーラディアンター」さんにインタビューをしましょう!」
「こんにちわ。今回の撮影については……」
 と、そこで映し出されたのは……今架線下で謎の変装をさせられているはずの「ブルーラディアンター」ことサーシャリア・ノルエッジであり……
「は、はああああっ!?ですわぁぁぁぁ!?」

「猟書家『ラグネ・ザ・ダーカー』の活動が確認されたわ!!今回変装されたヒーロー『ブルーラディアンター』は解けない変装技術を施されて放置されているの。まずは彼女と合流してその変装を解いてあげて」
 と、同じく令嬢の出身であるシャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)はそうグリモアベースに集った猟兵たちに告げる。
「で、「ラグネ・ザ・ダーカー」が変装を施した理由については見当がついた猟兵もいるみたいね?アイツは「ブルーラディアンター」に変装し、自らの配下であるオブリビオンを会場に突入させて戦闘を行う状況を仕立て上げるの。そこで戦闘の余波として大きな被害を齎そうともくろんでいるわ」
 次にパーティー会場をホログラフに写しだす。
「「ブルーラディアンター」にかけられた変装を解いたら、変装した「ラグネ・ザ・ダーカー」が紛れたパーティー会場に潜入し、「ラグネ・ザ・ダーカー」に見つからないようパーティー会場の要人に本物と偽物の事に「ブルーラディアンター」と一緒に告げて、避難させなさい」
 そして、パーティー会場から人が避難し終わったら「ラグネ・ザ・ダーカー」を討伐するだけだ。
「「ブルーラディアンター」も戦闘を支援してくれるわ。ただ、顔を奪われると同時に力も奪われチエルみたいでね?アームドヒーローとしての力は見込めない。その代わりに指揮能力は確かだから、彼女のその力を借りてあいつを骸の海へと返しなさい」
 そこでシャルロットが持つタブレットが瞬き、転移の術式が輝いた。


黒代朝希
 ヒーローズアースの猟書家シナリオです。

 プレイングボーナス
 「ヴィジランテ(サーシャリア)と共に戦う、もしくは猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員であると名乗る」

 サーシャリア・ノルエッジ
 アームドヒーローに冒険商人がジョブであるイギリス貴族のヒーロー。
 高飛車だが弱者のために尽くす様が民衆から指示を受けていた。
 本来潤沢な資金源を強みとして活動を行うヒーローだったが、「ラグネ・ザ・ダーカー」に顔を奪われたことでヴィジランテへと変質している。
 これはシナリオ成功時に「ラグネ・ザ・ダーカー」を撃破することで元に戻る。
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第1章 日常 『悩めるヒーロー』

POW   :    体を動かし悩みを散らす為、特訓に付き合う

SPD   :    何が足りないのか、アドバイスをする

WIZ   :    聞き役に徹し、カウンセリングをする

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


・注意事項
 リプレイ第一陣はサーシャリアにかけられた変装を解くプレイングとなり、第二陣以降はパーティー会場に変装を解かれたサーシャリアと一緒に乗り込みんで「ラグネ・ザ・ダーカー」に悟られないよう人々を避難させるリプレイとなります。
 そこを組んでプレイングを投下、リプレイ第一陣投下前は第一陣、第二陣以降の両者に対応したプレイングを書いてくれると助かります。
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

変装を解くのは簡単ね。きゅーbゲフンゲフン胡散臭いマスコット的なUDCを召喚し、魔術的パラダイムシフト(結界術)で魔法少女的な世界観を展開、強制変身バンク(多重詠唱/早着替え/化術)で分解再構築して変装衣装に変えれば出来上がり。あ、衣装はきちんと潜入活動向けのモノよ、私だってTPOをわきまえる時はあるわ。
で、潜入して避難ね。これも結界術でミラーワールド作って、ドッペルゲンガーなUDC(式神使い/集団戦術)に化術で避難対象に变化してもらって入れ替えればシームレスに避難(救助活動)できるかしらね?



「変装を解くのは簡単ね」
 と、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)が遠くから変装メイクを施されたサーシャリアの姿を見て呟く。
「『世界観を転換する魔術的パラダイムシフト。私達の知覚を離れた客観的真理などない、故に、あらゆることは真実であり可能である』」
 詠唱を唱えると同時に、周囲から胡散臭いマスコットの様なぬいぐるみの様な存在が召喚されていく。
 それは極限まで極めた結界術による魔術的パラダイムシフトで魔法少女的な世界観を展開しする世界浸食術式。
「ひゃい!?い、一体なんですの!?」
 突如として光に包まれるサーシャリア。その光によって特殊メイクが分解されて本来の絢爛な容姿へと戻っていく。
「強制変身バンクで分解再構築して変装衣装に変えれば出来上がり……と」
 変身バンク、もとい光から解放されて地面にへたり込んだのは赤のカクテルドレスに身を包み、オレンジ色の長髪が特徴的な元の姿に戻ったサーシャリアの姿だった。

「立てるかしら?その衣装はあなたの念次第でいかようにも変容するわ。あ、わたしはアリス・セカンドカラー、猟兵よ」
「りょ、猟兵……と、いう事はこの事件にはオブリビオンが絡んでいますの!?」
「正確には『猟書家』なのだけどね。最近、ヒーローの成り代わり事件が多発しているでしょ?」
 と、これまでの経緯をアリスとサーシャリアは語りあう。
「成程……では、その『ラグネ・ザ・ダーカー』というオブリビオンがわたくしの姿を奪って……」
「盛大にやらかすでしょうね。無論わたしたち猟兵が阻止するのだけど」
 その話を聞いてサーシャリアは毅然と立ち上がり、アリスへ告げる。
「パーティー会場にはこの街のセントラルヒルズでおこなわれますわ!急いで『ラグネ・ザ・ダーカー』に気取られないよう避難を済ませましょう!」
「りょーかい。だけど猟書家を斃せば力は元に戻るとはいえ、今のあなたはその力を奪われているから無茶はしないでね?」
 その言葉にサーシャリアは頷き、グリモア猟兵が手配した車両へと乗り込みセントラルヒルズへと向かうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


 ――セントラルヒルズ。
 ここではサーシャリアを含めたヒーロー達によるプロモーションムービー完成を祝ったパーティーが、一般人も招待して開催されている。
 そこで、サーシャリアこと『ブルーラディアンター』に変装した『ラグネ・ザ・ダーカー』が事件を引き起こし、「『ブルーラディアンター』が一般人に被害を出してしまう」という状況を作り出そうとしているのだ。

「そんなこと絶対にさせませんわ……!!」
 そこにアリスのユーベルコードによって変装が解かれ、自身の意志によって服装が変容する衣装を着込んだサーシャリア本人が猟兵たちを引き連れて潜入する。

 『ラグネ・ザ・ダーカー』に気取られないようサーシャリアの身柄を隠しながらパーティーの要人に話を通し、パーティー会場から人々を避難させるよう行動するのだ。
清水・式
お任せプレイング

変装は、まぁ、他の人がパパっとやってくれるから。
僕の方は、変装が解けた後の事をやらないとね。
人気のヒーローが、メイクも無しに敵の前に立つ訳にはいかないだろう。
……流石に、お高い化粧品は持ってないけど。仕事柄、リップとか簡単なのは持ち歩いてるし。

避難に対しては、そうだな。
煙幕とか、照明を落とすとかして相手の視界を遮って、というのが定石だしなぁ。
周りとタイミング合わせて、短時間だけ施設のブレーカーを落として。
その間に避難誘導してもらうとか?
僕のところ『お手伝いさん』(オリジナルUDC/数多ノ命ヲ救ウモノタチ)たちで避難誘導と軽い怪我ならなんとかなるし。



「変装は、まぁ、他の人がパパっとやってくれたから。僕の方は、変装が解けた後の事をやらないとね」
 そう清水・式(世迷子・f02108)は呟き、懐から化粧道具を取り出す。
「人気のヒーローが、メイクも無しに敵の前に立つ訳にはいかないだろう」
「あ、ありがとうございます」
「流石に、お高い化粧品は持ってないけど」
「いえ、贅沢を言ってられない状況ですので構いません」
 と、リップをサーシャリアの唇に塗っていく。やがて化粧を済ませ終えるとサーシャリアと式はセントラルヒルズから一般人を避難させる手筈を相談していく。

「避難に対しては、そうだな。煙幕とか、照明を落とすとかして相手の視界を遮って、というのが定石だしなぁ」
「煙幕については異変を『ラグネ・ザ・ダーカー』に気取られる可能性がありますわね……」
「となると照明を落とすか」
「ああ、でしたらわたくしにお任せくださいな」
 そう、エレクトロニクスにて名を馳せた橙髪の令嬢が告げる。
「電子機材の操作はお手の物ですわ」

 ――絢爛たるパーティ会場。サーシャリアに変装した『ラグネ・ザ・ダーカー』の姿を遠巻きに見ながら式はその時が来るのを待っている。
「……サーシャリアさんの知り合いと話が付けられて良かったな。上手く偽物から気を引かれずに避難の準備が出来た」
 そう、本物が来てしまえば話は早い。完璧な変装と言えど流石に些細な違和感は出る。そこからサーシャリアと式は己の知人に秘かに声をかけて避難の準備を整えていた。
 そして、パーティ会場の証明が落とされる。
「『数多ノ命ヲ救ウモノタチ(イシャノオシゴト)』」
 式が発動したのは57体の『お手伝いさん』を召喚するユーベルコード。その数の利を活かすことで避難誘導を円滑かつ迅速に行い、『ラグネ・ザ・ダーカー』の元から一般人を避難させるのだ。

 やがて、光が戻り会場内にはサーシャリアに変装した『ラグネ・ザ・ダーカー』のみが残されていた。
 その光景をみて『ラグネ・ザ・ダーカー』は己の計画が失敗したことを悟った。
「……一つ聞いても良いかい?あれだけの人数、どうやってあの短時間で移動させたのかな?」
「知り合いのアポート能力者……本来はあれ程の規模の転移は不可能ですが、そこは流石猟兵(イェーガー)。転移の力を増幅してこの状況を作り上げましたの」
 そう本物のサーシャリアが己に変装した猟書家に向き合う。
「そうか、ならばせめて君と猟兵を始末して逃げるとしようか」
 ここからは、正体を現した猟書家『ラグネ・ザ・ダーカー』との闘いだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ラグネ・ザ・ダーカー』

POW   :    ダーカー・インジャスティス
全身を【鮮血の如きオーラ】で覆い、自身の【悪意】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    侵略蔵書「キル・ジ・アース」
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【侵略蔵書「キル・ジ・アース」】から【具現化された「死のイメージ」】を放つ。
WIZ   :    マッド・デッド・ブラザーズ
【死せるヴィラン】の霊を召喚する。これは【強化された身体能力】や【悪辣な罠】で攻撃する能力を持つ。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鏡繰・くるるです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

日月・獏ノ進
出遅れましたが初手すぐに室内で最高速に達する飛翔は出来なさそうですから手練手管で抑え込める内に手を打ちますか。

こちらも初手、【空中浮遊/空中戦】の射撃で対抗。言って飛べると飛んで戦うは別ですから。死のイメージは【見切り】つつ【勇気】で振り払い、【破魔】で切り捨てていきましょう。

後は接近戦を仕掛けて攻めさせる事で【武器受け】で接触、UC発動。服変わらず変身してシャツボタン弾け状態で「偽者に取って代わられる気分はどうです?」や「折角なので今の僕の姿をスマホで自撮りしていいです?」と挑発して僕だけに目を向けさせて接近戦。そのままUCで力を奪いつつその隙にサーシャリアさんに攻撃して貰いますかね。



「出遅れましたか……」
 戦場となるパーティ会場に突入してきたのは日月・獏ノ進(陽気な奇策士・f00422)。言葉とは裏腹に伍長や表情には悲嘆どころか億劫そうな感情は浮かんでいない。
 なぜなら今回の猟書家『ラグネ・ザ・ダーカー』のユーベルコードは転移する際に把握している故、攻略法が見いだせたのだ。
「ですが、初手すぐに室内で最高速に達する飛翔は出来なさそうですね」
 豪華なパーティ会場故に広い空間が確保されてはいるが、閉鎖環境という関係上高速機動をするとしても最高速には達せないだろう。
「とはいえ、この死のイメージと対峙できるかは別だろう!!」
 そう言い切る『ラグネ・ザ・ダーカー』はシャンデリアの転落による圧死、不注意による壁や床への激突死などの日月が辿りうる『死』のイメージを自身の侵略蔵書「キル・ジ・アース」から具現化して行き、それを日月へと差し向け――
「こちらも言わせてもらいますが……飛べると飛んで戦うは別ですから」
 ――空中を浮遊する技能を用いて空を駆ける日月の射撃によって撃ち落とされる。
「フン、流石は猟兵。サー・ジャバウォックを討伐しただけはある……!?」
 と、毒づく『ラグネ・ザ・ダーカー』は己の声を出して以上に気が付く。
「(私の声ではない……!?いや、というより、これは)」
「――『呪の反転の計』」
 そのユーベルコードの名を紡ぐ――自身への外見と力を奪う呪いを反転させる事で外見をコピーし、奪った力によって能力を覚える――すなわち、『ラグネ・ザ・ダーカー』が常套手段としている行為を行うことで奪った『ラグネ・ザ・ダーカー』の姿と声で。
「おのれ……私の声と姿で……」
「自分にして嫌なことは他人にもしてはいけない。その常識を守れないような相手に遠慮は無用でしょう……あ、折角なので今の僕の姿をスマホで自撮りしていいです?」
 そう『ラグネ・ザ・ダーカー』の声と姿で言葉を紡ぐ日月。それは自らの信条を貫く為の行為ともう一つの目的のため。
「く、だが忘れるな。ユーベルコードはまだ……!!」
「ええ、わたくしもいくつかは使えますわ」
 ――自らを囮として、サーシャリアの支援攻撃から意識をそらすために。即席で組み立てたレールガンを突き付けるサーシャリアの姿を『ラグネ・ザ・ダーカー』が目にしたときには遅く、超電磁速度で放たれた鉄塊がその身体を穿った。

「……えーと、本当に大丈夫……あ、大丈夫ですわね。レールガンを叩き込んだ方が『ラグネ・ザ・ダーカー』の姿に戻っていますわ」
 それを観て『ラグネ・ザ・ダーカー』が起き上がる前にパーティ会場から一時撤退していくサーシャリア。その追撃を阻止するべく日月は牽制射撃を行うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

清水・式
引き続き、お任せプレイング。

さて、じゃあ偽物退治といきましょうか。
といっても、あまり戦闘向きじゃあないんだよね、僕。

とりあえずまぁ、『死のイメージ程度』アトラクション感覚で避けるか何かを楯にするかして対策を。
餓死寸前とか、日常茶飯事だったしなぁ。
幽霊たちは、『お手伝いさん』たちに任せよう。戦闘力あんまりないけど。

後はまぁ、みんな回復させつつ。
急所目掛けて、薙刀をドォンッと。
あ、止めは、サーシャリアお願いね。



「さて、じゃあ偽物退治といきましょうか。といっても、あまり戦闘向きじゃあないんだよね、僕」
 そんなセリフを口にしながらレールガンを叩き込まれて蹲っている『ラグネ・ザ・ダーカー』へ薙刀を振りかぶるのは清水・式(世迷子・f02108)。
 彼は戦闘を好む傾向にある羅刹という種族においてある種異質な争いを好まないという気質の持ち主だ。したがって純粋な戦闘を得意とする猟兵ではない。
「とはいえ、あのクライング・ジェネシスを下した猟兵の一人。決して油断はしない!」
 そう、彼はオブリビオンとの戦いにおいて超人的な力を振るう事の出来る生命体の埒外に在る究極生命体、『猟兵(イェーガー)』の一人。戦闘に特化していないからと言って侮る事など愚策以下である。
「故に全力で行かせてもらう……『侵略蔵書「キル・ジ・アース」』!!」

 瞬間顕現するのはこの戦場と化したパーティ会場にて式が辿りうる死の可能性、そのイメージだ。
「ふーん、だから?」
 それを観て、式は軽くアトラクションのようにその『死のイメージ』を回避していく。
「な……」
「だってこれ、あくまでイメージでしょ?」
 端的に、真理を告げる式。これは極めて強烈で精密に構築こそされており、直撃したら大体はそのイメージに引きずられて死ぬか大ダメージを負うのだ。
 しかし、強靭な精神力を有する者なら気合と根性でねじ伏せることは理論上は不可能ではない。
 あるいは――
「餓死寸前とか、日常茶飯事だったしなぁ」
 あまりにも、死に馴染み過ぎて死のイメージに対して感応の影響を受けない。そんな存在は天敵と言えるのかもしれない。
「く、ならば……」
 と、別のユーベルコードによって式を攻撃しようと試みる『ラグネ・ザ・ダーカー』。
「――ッ……!?」
 しかし、そこに眉間を精密に穿つ銃弾が。前にも言ったがここは閉鎖環境、遠距離狙撃は不可能なはずだが――
「ドローンを即席で組み立てて、そこから撃っただと……」
 即座に仕組みを理解した『ラグネ・ザ・ダーカー』はドローンを破壊しようとするが、その一瞬の隙に十数の弾丸を撃ち込まれる。
「グッ!だが、これで」
「そうだね。僕がいる」
 胴に叩き込まれるは薙刀の一閃。脇腹を持っていかれて『ラグネ・ザ・ダーカー』は血反吐を吐くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

ほうほう、死のイメージねぇ。こんな感じかしら?と銃のジェスチャーをした人差し指を自らのこめかみに当てパーンと頭を撃ち抜く。
ま、悪霊たる私には幽体(降霊、封印を解く、式神使い、空中浮遊、目立たない、迷彩)の方が本体なんだけどね。肉体の方は適当な“素体”を肉体改造すればどうとでも調達できるし。
ぬいぐるみ形態のワンダーラビットを囮に勝ち誇るラグネの後ろに回り
「ご満足いただけたかしら?」
と、ブレス攻撃で耳元に囁き。
そのまま憑依(降霊)して精神を結界術で侵蝕して悪夢へとご案内☆
さぁて、どう料理してあげようかしら♪



「ほうほう、死のイメージねぇ。こんな感じかしら?」
 瞬間、少女の頭部が弾け飛んだ。銃のジェスチャーをした人差し指を自らのこめかみに当て、そこから念動力の応用で自らの頭蓋を吹き飛ばしたのだ。
「……いきなり、自殺だと……?」
 そう訝しむ『ラグネ・ザ・ダーカー』。この行動は流石に意味不明だろう。
「ま、悪霊たる私には幽体の方が本体なんだけどね」
 そして自らの頭蓋を吹き飛ばした少女、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)は宣言通り幽体の姿で『ラグネ・ザ・ダーカー』の背後からヒョイと顔を出す。

「ご満足いただけたかしら?」
「ああ、貴様を真に滅ぼせたら……!?」
 そう、振り向き様に攻撃をしようとした『ラグネ・ザ・ダーカー』はしかし、体の動きの鈍さに愕然とする。
「交霊術を基にした憑依術よ。それに私の得意な結界術で侵蝕して悪夢へとご案内☆」
 瞬間、『ラグネ・ザ・ダーカー』の脳髄を[編集済み]な[データ欠如]で[削除済み]たる[人類には早すぎた]にして[あー!お嬢様、それは!あー!!]な妄想が駆けぬける。
「アバッとうっ!?」
「さぁ、アリスと遊びましょ……?」

「えーと、わたくしの敵はあの褐色の猟書家ですわよね……?何か、今あの少女の支援に出たら凄まじいことになりそうですけど……」
 と、背筋を凍らせる橙髪のお嬢様は身震いするのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神楽坂・神楽
ヒーローに成り代わり、不慮の事故を装った悪事を働き、人々に疑心暗鬼の種を蒔く……であったか

なんとも遠大な計画じゃが、その企みはわしら猟兵にとっくにバレておる
だというのに、今なおその計画に固執するとは、やはりオブリビオン、過去にとどまったままの存在じゃな

せっかくじゃ、その力、わしが未来のために使ってやろうぞ

拳に《氣》を集束
敵のオーラを弾き飛ばしつつ、一撃を加える
打撃を与えたなら、UCによる[念動力]で動きを封じる

サーシャリア殿
お主の名と姿を騙った罰を与えるが良いぞ

サーシャリアがとどめを刺したなら、骸の海に還る前に《刻印》で全てを吸収しよう
さっき言ったであろう? お主の力はわしが使ってやるとな



「ク……これ以上はマズイ!!」
 と、自分の状態を察して戦線離脱を図ろうとする『ラグネ・ザ・ダーカー』。
 しかしそこに、黒白の功夫服を着た少女が現れる。
「ヒーローに成り代わり、不慮の事故を装った悪事を働き、人々に疑心暗鬼の種を蒔く……であったか」
 黒く短いポニーテールがチャームポイントのその美麗な容姿に反して口調は老熟したもの。その両腕から溢れるのは気功に類する力と――
「……成程、UDCアースのグールドライバーという体系の異能か」
「如何にも。永年の功夫により10層の《氣》を纏うに至ったのよ。ああ、見た目通りの年齢ではなくてな?」
 その名は神楽坂・神楽(UDCエージェント・f21330)。両腕に移植された《刻印》の力によって全盛期の力と猟兵の力を取得した武術家である。

「……ここが私の死に場所か。などというつもりはない」
「さて、それはどうかのう?ここでは被害を抑えられたが、他の事件で貴様はやらかしていると聞くしのう……」
 カラカラと、喉を鳴らせて笑う神楽。しかしその目は決して笑ってなどいない。
「なんとも遠大な計画じゃが、その企みはわしら猟兵にとっくにバレておる。だというのに、今なおその計画に固執するとは。やはりオブリビオン、過去にとどまったままの存在じゃな」
「さて、これが失敗したならやり直せば良いだけだ」
「そんなことはどうでもよい」
 怒りと呆れを静かに滾らせながら、
「そんな過去の存在が、今を生きる命を脅かすこと。決して看破はできん。故に討たせてもらうぞ」
 その言葉と同時に神楽の身体を纏う10層の《氣》が唸りを上げる。
 過去と未来。そのぶつかり合いが始まる――

「ああ、せっかくじゃ。その力、わしが未来のために使ってやろうぞ」
 刹那に『ラグネ・ザ・ダーカー』の目の前に神楽の顔が迫り、鳩尾に強烈な一撃が叩き込まれる。
「がはぁッ……縮地か!!」
「いかにも、そして……」
 次に起こったのは『ラグネ・ザ・ダーカー』を地面に叩きのめすほどの出力を持った念動力。『刻印が吸収したものの量と質に応じて任意の技能1つを異能の域で獲得する』というユーベルコードによって超強力な念動力を発動させたのだ。
「く、これしきで……」
「ああ、それはともかく」
 神楽は『ラグネ・ザ・ダーカー』から視線を切り
「サーシャリア殿。お主の名と姿を騙った罰を与えるが良いぞ」
「言われなくても、ですわ!!」
 その言葉と同時に、銃声が鳴り響く。
 その次に起きた現象は、サーシャリアが取り寄せた対物狙撃銃の銃弾が『ラグネ・ザ・ダーカー』の頭部を引き飛ばしたというもの。
「……さて、骸の海に還る前に《刻印》で全てを吸収しよう。さっき言ったであろう? お主の力はわしが使ってやるとな」
 そう言って両腕に在る《刻印》で『ラグネ・ザ・ダーカー』を取り込んでいく神楽。それを見届けるのは『ラグネ・ザ・ダーカー』が斃れたことで全ての力を取り戻したサーシャリアであった。

 後日、サーシャリアは今回の事件による物的な被害を自らの資産から補填。更に『ラグネ・ザ・ダーカー』等猟書家による事件に対する猟兵たちの全面的なバックアップを宣言。
 そして彼女は今日も、令嬢としての義務を果たすべく戦っているのだとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月02日


挿絵イラスト