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ぷにぷにスイートタイム

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●ぷにぷにの行列
 ふわりふわり、迷宮に広がるは甘やかな香り。
 その芳香放つのは、ぽよんぽよんと跳ねて進む、柔らかな災魔達だった。
『ぷにー!』
『進ムぷにー!』
『目指セ楽園ぷにー!』
 きゃっきゃとはしゃぎながら、転がり、乗っかり、ぽよぽよぷにぷに。
 丸くて柔らかい――スライム状の体を持った彼らは、赤や緑、青に紫と、色とりどりで。
 そして何より、数がとても多かった。
「くそ、これじゃキリがないぞ!」
 魔法学園の生徒が、ぷにぷにの一つを潰しながら声を上げる。得物振り下ろせば、一撃。いや素手でも倒せる。そんな弱い災魔だけれど、数に圧倒されてしまう。
 さらに――彼らの脅威は、数だけではなく。
「おい! お前もぼっとしてないで手を動かせよ!」
「だ、だって! この子達、とっても……とっても」
 賢明に防衛する男子生徒が、傍の女子生徒へ声かける。すると女生徒はぷるぷると首振って、目に涙まで溢れさせながらこう叫んだ。
「とっても、かわいすぎるから! こんなの倒せないよお!」
『ぷに?』
『ぷにっぷー!』
 阿鼻叫喚の、地下迷宮。そんな中を蜜ぷに達は無邪気に行進して。翻弄される生徒達は、奥に潜む者の存在にはまだ気付いていなかった。

●愛しきぷにと花蜜と
「皆様、お集まりいただきありがとうございます!」
 笑顔浮かべて、ちょこんとお辞儀。集った猟兵達へ声かけて、アリア・アクア(ミレナリィドールのビーストマスター・f05129)は此度の依頼を説明する。
「アルダワ魔法学園の地下迷宮が、オブリビオン達によって逆侵攻される事件を予知しました。皆様にはこの逆侵攻を食い止めるため、オブリビオンと戦っていただきたいんです!」
 現在は学園の生徒達が応戦しているが、彼らだけではオブリビオンを食い止めることは不可能。このまま学園内まで侵攻を許してしまえば、非戦闘員の学生もいるため大変危険な事態となってしまう。
「逆侵攻してきているのは、蜜ぷにさんというオブリビオンです。とってもおかわいらしくて、とってもおいしいんです!」
 迷宮に住む災魔としてはポピュラーな存在、『蜜ぷに』。花の蜜でできたスライム達は、倒されるととてもおいしい花蜜となる。とても弱いため、通常の迷宮探索で出会えば生徒達のおやつとされてしまうのだが。
「今回は、とにかく数が多くって。倒しても倒しても蜜ぷにさんが押し寄せるため、生徒の皆様だけでは人手が足りない状況なんです」
 あっちでぷにぷに、こっちでぷにぷに。無邪気な蜜ぷに達の様子を想像すれば、アリアは思わずほわんと微笑んだ。だがしかし、これだけの蜜ぷにがまとまっている点を考えると、彼らを従えている者がいる可能性も高いと言う。決して油断はしないでほしいと、白花の少女は語り猟兵達をじっと見つめた。
「それからですね、蜜ぷにさん達は本当に、本当におかわいらしいので……でもとっても弱いので……ぷにぷにつつきたいなあなどとお考えの皆様は、どうぞご注意ください!」
 突くことは、できる。なでることもできる。ちょっとくらいなら抱きしめたっていいだろう。ただ、彼らは弱いので――力加減を間違えれば、そのままぷにゃっと潰れて花蜜となってしまう恐れがある。そんな悲しい想いする人が、少ないといいのですが……語るアリアの瞳は真剣そのものだが、結局その後倒さねばならない矛盾には敢えて触れなかった。
「それからですね、学園の家庭科室を利用できるよう、手配しようと思っています。蜜ぷにさん達からたくさんの花蜜が入手できると思うので、全ての戦いが終わったら、皆様でお菓子作りをしていってください!」
 一通りの調理器具や材料はある。花蜜たっぷりのケーキやクッキー、ゼリーなどもできるだろう。バレンタインが近いから、チョコレート菓子でもいいかもしれない。
 皆様がどんなお菓子を作るのか、楽しみです。ふわと微笑んだアリアは、そのままグリモアを起動する。
「どうぞ、蜜ぷにさんを堪能してきてくださいね!」
 戦いへ送る言葉にしては、明るすぎる声で。告げて一礼した少女は、猟兵達をアルダワ魔法学園へと送り出すのだった。


真魚
 こんにちは、真魚(まな)と申します。
 第六猟兵の初シナリオ、よろしくお願いいたします。

●シナリオの流れ
 第1章:集団戦(蜜ぷに)
 第2章:ボス戦(迷宮温室の女王)
 第3章:日常(お菓子作り)

●戦闘について
 迷宮内での戦闘となります。
 広さは十分にあり、戦闘に支障となるものはありません。
 蜜ぷにとは多少の会話が可能ですが、説得は不可能です。
 弱い敵なのでバッタバッタ倒していくというより、可愛らしい反応を楽しんだりしていただいた方が採用率が上がります。

●第3章について
 学園の家庭科室を借りて、花蜜入りのお菓子を作ります。
 材料は全て用意されていますが、こだわりがあれば持ち込みも可。
 焼く、蒸す、冷やす、凍らせる、全部オッケーですがあんまり時間のかかるものは難しいです。
 お菓子作りの手順についてはマスター側で調べることもできますので、こだわりたい部分にプレイングをかけるのがおすすめ。

 第3章のみ、お声がけがあればアリアもご一緒します。
 お菓子大好きですが、作るのを手伝わせるのはおすすめしません。出来がひどくても泣かない、むしろ歓迎という方でしたら。

●その他
 ・ペアやグループでのご参加の場合は、プレイングの冒頭に【お相手のお名前とID】か【グループ名】をお書き下さい。記載なき場合は迷子になる恐れがあります。また、4名様以上のグループはリプレイ執筆までに時間がかかったり、キャパ的に不採用となる場合があります。
 ・許容量を超えた場合は早めに締め切る、または不採用とさせていただく場合があります。

 それでは、皆様のご参加、お待ちしております。
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第1章 集団戦 『蜜ぷに』

POW   :    イザ、ボクラノラクエンヘ!
戦闘用の、自身と同じ強さの【勇者ぷに 】と【戦士ぷに】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    ボクダッテヤレルプニ
【賢者ぷに 】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    ミンナキテクレタプニ
レベル×1体の、【額 】に1と刻印された戦闘用【友情パワーぷに】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●進めぷにぷに
『ぷに!』
『もっともっと行クぷに!』
 元気な声で、ぽよんぽよん。たくさんの蜜ぷにが、迷宮を進んでいく。
 その勢いには応戦する生徒達も圧倒され、花蜜まみれの彼らの横をカラフルなぷにぷに達がどんどんすり抜けていく。
『ミンナ! 進ムぷにー!』
 掛け声一つ、わらわらと。ぶつかって、転がって、絶好調の蜜ぷに達は、もはや生徒達には止められない。
ソラスティベル・グラスラン
わぁぁ…!『蜜ぷに』!わたしの宿敵カラフルぷるんがこんなにも!
何を隠そう彼らの蜜は大好物、わたしの勇気の源なのです!
花蜜を使ったスイーツ!ああ、その為にわたしは来たはずなのに…

かわいいのです
もうどうしようもなく

そう、彼らの恐ろしさは力などではなく
敵と思えない無邪気さ、人懐っこさ、争いとは無縁そうな姿…
…勇気がおれそうです(膝をつく)

……そ、それでもわたしは勇者なのです!災魔を討ち、学園よ甘味に包まれてあれ!
これがわたしの【勇者理論】!!(戦意を保つ為の状態異常力重視)
全力の【勇気】と【鼓舞】で自分と周囲に喝を入れ、【範囲攻撃】で斧を振る
学園を守る為、勇気ある誓いをここに!いざ突撃ーっ!!(泣)


観那月・唯希
蜜ぷにって名前は可愛いです。どんなのでしょうか……
あ、依頼ってことは忘れてないですよ?ちゃんと倒さないとです

ライオンライドでライオンを呼び出した後は、持っている武器で攻撃きます。複数いる場合はなぎ払いも使っていきます。周りの人の邪魔にならないようにはします

それにしてもこれが蜜ぷにですか……。ものすごく可愛いです!ちょっと撫でるくらいならいいでしょうか……?力加減には気をつけて……(なでなで)

連れて帰りたいんですけど……やっぱりダメですよね。ほかっておいたら大変なことになるんですから……はあ。涙をのんで退治しましょうか




 蜜ぷに達の勢いに押され、倒れそうになる生徒が一人。
 その生徒を庇うよう前に立ちはだかったのは、橙色の髪をなびかせたドラゴニアンの娘だった。
「わぁぁ……! 『蜜ぷに』! わたしの宿敵、カラフルぷるんがこんなにも!」
 瑠璃色の瞳輝かせ見つめるは、ぽよぽよ跳ねる災魔達。彼らが動く度ふわんと漂う甘い香りに、ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)は心を躍らせる。
 蜜ぷに達から得られる花蜜は彼女の大好物、そして勇気の源なのだ。蜜ぷに退治にも当然気合が張るというもの――なのだけれど。
『ぷにぃ?』
 愛らしい鳴き声、敵意などない純粋な瞳。ぷにっとソラスティベルの前へ進み出た蜜ぷにと目が合えば、思わずきゅんと胸が高鳴る。
(「かわいいのです、もうどうしようもなく」)
『なんダぷに?』
『この尻尾ノボりやすそうぷにー』
 躊躇うソラスティベルに構わず、蜜ぷに達は彼女の尻尾をせっせと上り始める。ぷにんぷにんと弾む感触も、それはそれは心地好くて。
「……勇気がおれそうです」
 敵とは思えない無邪気さ、人懐こさ、争いとは無縁そうな姿。これこそが蜜ぷにの恐ろしさなのだと、実感した彼女は思わず膝から崩れ落ちた。
 のぼりやすくなったぷに! とばかりに、わらわら寄ってくる蜜ぷに達。その幸福――もとい、危機的状況の中に、飛び込んできたのは大きな黄金のライオンだった。
「大丈夫ですか?」
 獣の背より声かけるのは、獅子と同じ金色髪の少年。観那月・唯希(陽光に煌めく琥珀・f01448)はそのまま蜜ぷに達を蹴散らして、ソラスティベルを解放する。
 突然の攻撃に飛び散る花蜜、逃げるようころんころん転がる蜜ぷに達。その姿が名前の通り可愛らしくて、唯希は獅子から降りるとそっと近付いた。
「ものすごく可愛いです! ちょっと撫でるくらいならいいでしょうか……?」
 力加減に気を付けて、そうっと伸ばした手で優しくなでなで。
『ぷにーくすぐっタイぷにー』
 瞳をきゅーっと閉じて、小さく身をよじるぷにぷに。可愛い。連れて帰りたい。
「でも……やっぱりダメですよね。ほかっておいたら大変なことになるんですから……はあ」
 ため息は重く、哀愁に満ちて。けれどなぎなた構えた彼の琥珀色の瞳には、決意の光が満ちていた。
 そんな少年の姿に、ソラスティベルも勇気を奮い立たせて。すっくと立ち上がった彼女は、自身の胸を強く叩いた。
「そ、そうです! わたしは勇者なのです! 災魔を討ち、学園よ甘味に包まれてあれ!」
 勇気で攻め、気合で守り、根性で進む。彼女の勇者理論は戦意を保つことに集中され、蒼空色の巨大斧が振るわれる。
「学園を守る為、勇気ある誓いをここに! いざ突撃ーっ!!」
 気合一閃、複数の蜜ぷにを巻き込む攻撃。ぷにゃんと悲鳴上げて花蜜と化すぷにを見れば、やっぱり涙がにじむけれど。これは、戦いなのだから。
 ソラスティベルが蹴散らし進み、残った蜜ぷにを唯希が切り伏せていく。戦う二人の周囲には、あっという間に花蜜の山が出来上がるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

華切・ウカ
ぷにちゃんぷにちゃん!今日も丸くてぷにぷにでとてもとてもかわいらしいお姿ですね!
はぁぁ……かわいい(つんつん)

どうして一緒にいられないんでしょう…かなしい…
災魔と猟兵の運命……かなしい……
ぎゅっと抱きしめても、良いですか?
ああ、でもあまり力を入れ過ぎると…やさしくします!

はあああああぷにぽにぷに……ぷにゅん……どうしてこんなに、素敵な感覚なのでしょう……!
でも、でもやはりお別れの時間が迫って……
いえ、良いですよね。今日くらい!ええ、今日くらい!今日もかもだけど!
……ウカと一緒に……一緒に……地上にっ!
でも、でもそれはかなわないのですよね……
またあとで、会いましょう!はいとくの、じかんに……




 仲間達を蹴散らされても、蜜ぷに達はひるまない。
『負ケルなぷに!』
『行くんダぷに!』
 ぷにぷに、ぽよんぽよん。勇敢に進む災魔達は、人の少ないルートへ群がる。そこへ一人現れたのは、華切・ウカ(空鋏・f07517)だった。白き着物を身に纏う、凛とした少女――けれどその金の瞳は、すでに蕩けそうなほどに潤んでいた。
「ぷにちゃんぷにちゃん! 今日も丸くてぷにぷにでとてもとてもかわいらしいお姿ですね!」
『ぷにに?』
 興奮のあまり早口で。声かければいろとりどりのぷにぷにが、不思議そうにウカへと向き直った。たくさんのぷにちゃんが、ウカを見ている。それだけでウカは、心のときめきが抑えられなかった。
 しゃがみ込んで、つんつん。ぷにー!? と仰け反る姿すら愛しくて、少女はため息を零す。かわいい。こんなにかわいいのに。ウカは、悲しい宿命を知っている。
「どうして一緒にいられないんでしょう……かなしい……。災魔と猟兵の運命……かなしい……」
 考えれば、涙が零れそうで。悲しみに呑まれないよう、ウカは赤い蜜ぷにへ抱きしめてもいいかと問いかけた。特に抵抗を見せなかったので、そっと抱き上げ胸へ閉じ込める。
「はあああああぷにぽにぷに……ぷにゅん……どうしてこんなに、素敵な感覚なのでしょう……!」
『ぷにー気持ちイイぷにー』
『ズルいぷにー、交代ぷにー』
 笑顔の赤ぷに、せがむように足元で跳ねる黄ぷにと青ぷに。ぷにちゃんが、ウカの取り合いを。その幸福なひと時が終わるなんて辛すぎて、ウカはふるると首を振った。
(「いえ、良いですよね。今日くらい! ええ、今日くらい! 今日もかもだけど!」)
 決心胸に、少女は蜜ぷに達の前へと正座する。何事かと見つめるぷに達へ、勇気出して唇開いて。
「……ウカと一緒に……一緒に……地上にっ!」
『ぷに? 楽園ぷに?』
『連レテってクレルぷに?』
 無邪気で、期待に満ちた声。頷きたい――けれど、猟兵としての心がそれを許してくれなかった。
「ごめんなさい、ぷにちゃん……!」
 涙声で、ウカは愛する彼らとの別れを決意する。手に構えるは花鋏、彼女の姿そのもの。
 チョキンと鋼色で切れば、ぷにぷにはあっけなく崩れ花蜜と化す。かなしい、けれど彼らとの別れを決して忘れないから。
「またあとで、会いましょう! はいとくの、じかんに……」
 紡ぐ言葉は、努めて明るく。花鋏の娘はそのまま刃振るい、蜜ぷに達へ別れを告げたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アメリア・イアハッター
ええ、何この子達……かわいい
一匹くらい貰っても……だめだよね、うん
まぁそれはそれとして
甘い蜜をくれるなら採集しちゃいましょ
花より団子ってね

・行動
潰したりするのも嫌だし、破裂して蜜でべたべたになるのも嫌だから、ここは凍らせてしまいましょう!

武器「Vanguard」をぷに達に向け、UC【Ice Cloud】使用
動けなくなるまできっちりと冷凍する
敵の数が多い場合はその固めたぷにを投げたり蹴飛ばしたり転がしたりして、他のぷに達に当ててみよう
連鎖してうまい事倒せないかしら

あ、もしかしたら冷凍させた状態なら、そのままの状態で生徒さん達に持ち帰りしてもらえたりしないかな
敵の数が少ない時ちょっと相談してみよ




 猟兵達が加勢したことで蜜ぷにの数は徐々に減ってきているが、まだまだ迷宮はたくさんのぷにぷにに埋め尽くされている。
 ぷよん、ぽよんと跳ねながら、先へ進めと押し寄せる蜜ぷに達。
「ええ、何この子達……かわいい」
 そんな姿に感嘆の声漏らしたのは、アメリア・イアハッター(想空流・f01896)だった。
(「一匹くらい貰っても……だめだよね、うん」)
 仲良くなって、連れ帰って。一緒に暮らせたら幸せだと思うけど。どんなに可愛くても、相手は災魔なのだから。
「甘い蜜をくれるなら採取しちゃいましょ。花より団子ってね」
 紡ぐ言葉、突き出す腕には『Vanguard』と名付けた縛霊手。道照らし、未知拓くそれは、強烈な冷気纏って空気を震わせる。
「凍てつけ!」
 アメリアの声と共に、放たれる冷気。それは周囲の蜜ぷにへ襲い掛かり、瞬く間にその身を凍らせていった。
『ぷににー!?』
 悲鳴上げた蜜ぷにが、ぱきり氷漬けになる。そしてそれは氷の中で崩れて、そのまま冷凍花蜜へと変化していく。
 ごろごろ転がる、冷凍花蜜。赤茶髪の少女は今度はそれを拾い上げ、ぷにぷにへと放り投げた。
『ぷにゃん!?』
 氷が当たれば、それだけで崩れる脆い蜜ぷに。跳ねた氷は、そのまま複数のぷにぷにを潰していく。足元の氷を蹴飛ばしても、跳ねる氷が連鎖するように蜜ぷにを倒していって。破裂した蜜が自身にかからぬようある程度の距離保って攻撃すれば、慌てた蜜ぷに達が友情パワーぷにを召喚しても全て倒すことができた。
「あ、もしかしてこの状態なら、生徒さん達に持ち帰りしてもらえたりしないかな」
 周囲でじりじり後退していた学園の生徒へ、声掛け。すると生徒達は快諾し、冷凍花蜜抱えながら撤退を始めてくれる。
 凍らせた花蜜で、どんなお菓子を作ろうか。そんなことを考えるアメリアは、蜜ぷに達の愛らしさに微笑みながら再び冷気を放つのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ローズ・ベルシュタイン
【薔薇園の古城】で参加

■心情
可愛いスライムですわね、しかも甘くて美味しいとは、お菓子作りが楽しみですわ。
その為には、早く蜜ぷにを退治しましょう。

■行動
WIZ判定の行動。

エレクトロレギオンを使用して、機械兵器を1体の蜜ぷにに対して1体ずつ割り当て
こちらも数の戦力で戦わせますわね。
特に、友情パワーぷにに対しては、数字の小さい対象から優先して倒しますわ。

私自身は、範囲攻撃や、なぎ払いで、纏めて蜜ぷにを倒す様にしますわ。
敵が飛び掛かってきたら
ジャンプや、ダッシュで回避するように努めますわね。
後は、同じチームのメンバー同士、死角となる所をカバーし合って
協力して戦いますわ。


ネージュ・ローラン
【薔薇園の古城】で参加。

かわ……いい……!?
ずっと眺めていたいです。
はっ、いけません……これは災魔……これは災魔なのです!

どうやら彼ら(?)にも役割分担があるようですね。
でしたら他の皆さんが戦いやすいように、一気に切り込んで後衛から潰すことにしましょう。

【精霊獣召喚の舞】を使用。
呼び出すのは炎の精霊の化身、炎の黒犬です。
騎乗したら賢者ぷにを目指して一直線に【ダッシュ】します。
そこから自身の魔法による【属性攻撃】と黒犬の攻撃によるコンビネーションの【2回攻撃】で蹴散らしてしまいましょう。

「ごめんなさい。その分美味しくいただきます!」


アニエス・ブランシュ
【薔薇園の古城】で参加
ああ……ぷにぷにしていて可愛らしいですわね……
とても倒しにくいのですが、これもお菓子の為ですわ。
心を鬼にして戦いましょう。

全力魔法と属性攻撃のエレメンタル・ファンタジアで炎の津波を起こし、友情パワーぷにや蜜ぷに達を押し返しつつ纏めて攻撃しますわ。
数字の大きい友情パワーぷにがいる場合はそちらを優先的に巻き込むようにしますわね。
暴走しそうになったら一旦止め、それ以降は全力魔法と属性攻撃で蜜ぷに達を攻撃いたします。
敵の攻撃に対しては第六感とダッシュを駆使して回避、または魔力を纏ってオーラ防御いたしますわ。
同じチームのメンバーの死角をカバーしあうように協力するようにしますわ。




 迷宮を闊歩する蜜ぷには、ずいぶんと数を減らしていた。それでも残ったカラフルぷにぷに達は、出口を求めて歩き続ける。
『ぷににー!』
 声を上げて、ころころと。じゃれるように転がる蜜ぷにの姿を見つめるのは、【薔薇園の古城】の三人だった。
「かわ……いい……!? ずっと眺めていたいです」
「ああ……ぷにぷにしていて可愛らしいですわね……」
 無邪気な蜜ぷに達に釘付けになりながら、ネージュ・ローラン(氷雪の綺羅星・f01285)とアニエス・ブランシュ(精霊使い・f09149)がため息を漏らす。こちらに攻撃的な様子もなく、飽きるまで眺めることだってできそうだ。
 戦場であることをつい忘れてしまいそうな二人に対して、ローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)はロングソード『夕の憩い』を抜き放ち、蜜ぷに達を観察していた。
「可愛いスライムですわね、しかも甘くて美味しいとは、お菓子作りが楽しみですわ」
 お菓子作りのためにも、早く蜜ぷにを退治しましょう。自身の髪と同じ夕焼け色の剣を構えてローズが言葉紡げば、はっとしたアニエスもすぐに戦闘態勢を整える。
「そうですわね、とても倒しにくいのですが、これもお菓子の為ですわ。心を鬼にして戦いましょう」
 言うが早いか、アニエスはエレメンタルロッドを高々と掲げる。イグニス、と呼びかければ杖より灼熱の炎が生まれ出で、たちまち火柱となり、炎の津波へ変化し蜜ぷに達を飲み込んだ。
『ぷににーっ!?』
 逃れることなどできず、炎に焼かれる蜜ぷに達。周囲に漂うは花蜜の焼けた――こんがりカラメルのような香ばしいにおい。
『やらレタぷに!』
『オカエシにミンナのちから、見セルぷに!』
 ぷにぷに、蜜ぷに達も臨戦態勢。彼らは新たな友情パワーぷにを召喚し、数で応戦する。ぽこぽこ、生まれた蜜ぷに達はぶつかり、合体し、少しずつ大きくなっていく。
 さらにその奥には、同じく召喚された賢者ぷにが蜜ぷに達の戦闘力を向上させ始めていた。かわいい、けれど数が増え戦力も上がるとなれば厄介だ。
(「いけません……これは災魔……これは災魔なのです!」)
 状況を分析し、情を振り払うよう己へ言い聞かせ。ネージュはシルクベールを操って、軽やかな動きで舞を始めた。
「我が舞に応じ、具現せよ精霊の化身」
 舞と、言葉が、炎の精霊の化身を呼び出す。応え現れたのは、炎纏う黒犬で。
 ひらり炎犬の背に飛び乗ったネージュは、前列の巨大ぷに飛び越えて賢者ぷにへと迫る。放つ魔法、炎犬の突進。その鮮やかな連続攻撃に、賢者ぷにはあっけなく潰れ花蜜へと変化した。
「ごめんなさい。その分美味しくいただきます!」
 花蜜回収も、忘れずに。そうして敵後方から潰していくネージュに対して、前線から攻撃を仕掛けたのがローズだ。彼女は小型の機械兵器を召喚し、それらを蜜ぷにへ一体ずつ割り当て戦わせていく。戦闘用機械兵器は脆く、一撃で消滅する。けれどそれは蜜ぷにとて同じ、彼女の差し向けた機械兵器たちは順調に蜜ぷにの数を減らしていっていた。
 けれど、大きな大きなぷにへと合体した個体は簡単には倒れない。
『ぷぷぷぷ、ぷにいー!!』
 鳴き声上げて、転がって。巨大蜜ぷにはローズを圧し潰さんと迫るが、その動きは横から飛んだ炎の魔法に阻止された。
「ローズ様、援護しますわ!」
 放ったのは、アニエス。体の一部を焼かれた巨大蜜ぷにが悶える姿見て、ローズは感謝の言葉を紡ぐ。
 そして、巨大蜜ぷにへと大きく一歩踏み込んで――剣を一閃。夕焼け色の太刀筋は鮮やかに巨大蜜ぷにへ刻まれて、次の瞬間弾けたぷにはそこに大きな大きな花蜜の水溜まりを作り出したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

栗花落・澪
バレンタインか…
べっ、別に、あげたい人いるわけじゃないし
友達にね、うん

蜜ぷにをぷにりたかったわけじゃないから
違うから(自己暗示)

ベタベタ覚悟で、鬼ごっこを仕掛けてみるね

僕が最初の鬼やるよ
はいタッチ…じゃなくてぎゅ、でもいい?
優しくするからっ
(それが目的とは言わない)

あれ、増えた?
合体前にタッチタッチー
鬼交代した時は遠慮しなくていいよ
おいでおいで
(抱き締めるけど)

ただ遊んで終わりってわけにもいかないから
然り気無く【破魔】を乗せたUCを【優しく】ばらまきながらね
温かい気持ちのまま倒せたら嬉しい

傍目から見ると鬼ごっこ中に仲間が減っていく怖い図になってるのは見なかったことに

後で着替えないとなぁ…


レムナント・ノア
オホホホ、美味しい蜜ぷにと聞いて捕まえにきましたわ!
あ、あら本当にぷにぷにですわね……。
いけませんわ、そんな……わたくしはチョコレート作りの材料に
蜜ぷにの花蜜を手に入れると決めていますのに!

進ムぷにー!
……はっ! 敵側に寝返ってどうしますの!

あら、あら。あちらにくっついた大きなぷにがいますわね。
乙女には特別なチョコレートを作る義務がありますのよ!
覚悟なさい! ユーベルコードでもなんでもない普通のビンターー!!

…………そうですわよね、潰れて蜜になるのですから
素手でいったら蜜を被るのは当然のことでした。
瓶を取り出し花蜜を回収しますわ……。オホホ……。

こうなったらなりふり構わずたくさん集めますわよ!




 迷宮に入った時は溢れかえるほどだった蜜ぷに達も、猟兵達の活躍でまばらに見える程度になってきた。そんな中、颯爽と現れたのはレムナント・ノア(おてんば・f07798)だ。
「オホホホ、美味しい蜜ぷにと聞いて捕まえにきましたわ!」
 高笑いと共に、蜜ぷにを見つめ――見つめて、そのぽよぽよぷにぷにを凝視。
「あ、あら本当にぷにぷにですわね……」
『ぷに?』
『構ワナイぷに、進ムぷに!』
 視線感じて振り向く蜜ぷに、その横をどんどん進んでいく蜜ぷに。どちらも、動く度に体がふるふる揺れて愛らしい。
「いけませんわ、そんな……わたくしはチョコレート作りの材料に蜜ぷにの花蜜を手に入れると決めていますのに!」
 そう、バレンタイン前のこの時期、それは大事なことなのだ。そのためならば、この愛らしい蜜ぷに達を倒すことだって造作もない、はずなのに。
『行ケぷに! 進ムぷにー!』
「進ムぷにー!」
 思わず、蜜ぷにと共鳴したように声が出た。しかし次の瞬間には我に返り、敵側に寝返ってはならないと自身を叱咤する。
 己との戦いを始めたレムナントの近くには、同じイベントを思い描きながらこの迷宮へやってきた少年がいた。
(「バレンタインか……」)
 別に、あげたい人がいるわけじゃないし。友達にね。心の中でうんうん頷き、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は無邪気に行進する蜜ぷに達を見つめる。
(「それに、蜜ぷにをぷにりたかったわけじゃないから違うから」)
 これもまた、自身に言い聞かせるように。そうして自己暗示かけた上で、琥珀色の髪したオラトリオは蜜ぷに達の前でしゃがみ込み、笑顔で声をかけた。
「ねえねえ、鬼ごっこしようよ。僕が最初の鬼やるよ」
『鬼ゴッコぷに?』
『ノゾムところダぷに!』
 少年の提案に、蜜ぷに達はノリノリ。楽しいことが好きなのかもしれない。そして散らばり逃げ出す蜜ぷに達を、澪は追いかけていく。
 あっちへぷにぷに、こっちへぷにぷに。楽しそうにきゃっきゃと動く蜜ぷには、地上への道など最早考えている様子はなかった。そんなぷにぷにの一体を、壁際へと追いつめて。澪は捕まえた合図に触れるだけでなく、そっとその体を抱きしめた。ぷにぷに、柔らかくも低反発なボディ。これを堪能するのが鬼ごっこの真の目的だなんて、そんなこと言わない。
『捕マッタぷに!』
『鬼が交代シタぷに! 逃ゲろぷにー!』
 楽しそうに逃げ出す他の蜜ぷに達は、友情パワーぷにを召喚した。囮にして逃げるつもりなのだろうか。わらわら生まれた戦闘用ぷに達は、ぽよんとぶつかり大きくなったり、ころころ転がったりこれまた自由な様子。そんな彼らが合体しないよう、小さな個体から澪は捕まえ鬼役にしていく。
 それに――ただ遊んで終わりというわけにはいかないから。夢中で逃げる蜜ぷに達の目が届かぬところで、澪は武器を取り出し言葉を紡いだ。
「罪を背負いし者達に、清浄なる裁きを与えん」
 歌うように、囁くように、優しい声音。それに反応した武器は瞬く間に鈴蘭の花弁へと姿を変え、友情パワーぷに達へ襲い掛かる。雪花の嵐は、優しく優しくぷにぷにを包み込んで――通り過ぎたその場には、花蜜が少し残るだけ。
『ぷに? いつの間にかナカマが減ッタぷに?』
『ドコカ隠れてるぷに!』
 鬼ごっこ中に仲間が減っていく、ちょっとホラーな状況だけれど。蜜ぷに達は特に気にすることなく遊びに興じている。そんな姿も愛らしくって、澪は微笑みながらぷにぷに達を追いかけ、逃げて、花蜜まみれになるのも構わず楽しむのだった。
 そして、その鬼ごっこの副産物として、できあがった巨大ぷにが一体。
「あら、あら。あちらにくっついた大きなぷにがいますわね」
 その姿見つけたレムナントが、ずんずん近付き巨大ぷにを見上げる。背の高いレムナントが、見上げるほどの蜜ぷに。何体のぷにが合体しているのだろうか。
 けれど、レムナントは臆さない。乙女には、特別なチョコレートを作る義務があるのだから――!
「覚悟なさい! ユーベルコードでもなんでもない普通のビンターー!!」
 気合の一声、ぴっと広げられた掌がスピードのせて巨大蜜ぷにへ迫る。その掌は、巨大なぷにぷにの体に沈み込み、歪ませ、かと思ったらその巨体はあっけなくパンッと弾け飛んだ。
「…………そうですわよね、潰れて蜜になるのですから、素手でいったら蜜を被るのは当然のことでした」
 そう、素手でも倒せるほど、蜜ぷには脆い。巨大化していても、当たり所が悪ければこの通りだ。
『ぷ、ぷに……』
 震える周囲の蜜ぷに達の、視線がつらい。レムナントはその空気をオホホと笑い誤魔化しながら、瓶を取り出し花蜜を回収し始めた。
「こうなったらなりふり構わずたくさん集めますわよ!」
 開き直り、武器も用意して。決意固めたレムナントは、花蜜集めに集中し蜜ぷに達を次々潰していく。
 ぷにゃんぷにゃんと上がる声、蜜が飛び散れば甘い香りが広がっていく。勢いに乗ったレムナントの攻撃によって、残り僅かだった蜜ぷに達はそのほとんどが花蜜へと変わったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『迷宮温室の女王』

POW   :    百裂蔓撃
【髪のように見える無数の蔓】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    捕縛液噴射
【腹部の食人植物】から【刺激臭のする液体】を放ち、【空気に触れると凝固する性質】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    女王の花蜜
レベル×5体の、小型の戦闘用【昆虫型モンスター】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神楽火・夢瑪です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●緑の女王と花蜜
 猟兵達の鮮やかな攻撃によって、蜜ぷにの数は残り僅かとなった。
 もはや全滅させることは難しくない――そう誰もが確信する中で、『それ』は迷宮の奥より現れた。
 ずり、ずり、と根を蠢かせ引きずって。影より進み出てきたそれは、根の上に花、その上に緑の女性型の体がついたような、奇妙な姿のオブリビオン。
「あれは、『迷宮温室の女王』! どうしてこんなところに!」
 花蜜集めを手伝っていた、生徒の一人が声を上げた。『迷宮温室の女王』。災魔の中でもレアで、その体の至る所が薬などの材料として有効活用できる、学園としてはぜひとも倒しておきたい敵なのだ。
「それに……ねえ、今こいつに出会ったのって、ちょっとラッキーじゃない?」
 どこかそわそわ、声上げたのは女子生徒。そんな彼女らが遠巻きに見つめる先で、緑の女王は足元の蜜ぷにへ手と思わしきパーツを伸ばし――そっと摘まむと胸部の花へ運び、そのまま蜜ぷにを丸呑みにした。
『ぷぷぷにー!?』
 可愛らしい悲鳴が聞こえる。ああ、かわいそう、だけれど。
「ねえ、転校生さん達知ってる? 『迷宮温室の女王』が食べて消化し始めたものって、惚れ薬の材料になるのよ!」
 興奮気味に語ったのは、やはり女子生徒。食べられた蜜ぷには、きっと花蜜になっている。女王によって薬効を付与された花蜜――それでバレンタインのお菓子を作ったら、どんなものが出来上がるのだろう?
「俺らではあいつと戦うのは無理だ! 転校生達、ぜひあいつを倒してくれ!」
 男子生徒が猟兵達へ声掛け、頑張ってほしいと激励する。集めた花蜜は全て生徒達が回収し、学園へ持ち帰っておいてくれるという。猟兵達は、この『迷宮温室の女王』を倒すことに集中すればいい。
 恐らく、蜜ぷに達が大量にのぼってきたのは、この災魔が原因――であれば、これを倒せば此度の事件は収束するのだろう。
 猟兵達の戦いは、佳境を迎えたようだった。
栗花落・澪
なるほど、薬かぁ…
学校とかって通った事が無いからピンとこないけど
こういうのって生徒には興味深いものなのかな

足元はなんというか、体幹良さそうだし
上部を狙ってみようかな

UCを発動し、【歌唱】のリズムや音程で操作可能な花の刃で敵の顔付近を狙い、攻撃兼視界妨害で
他の猟兵の攻撃が通りやすいようサポート

植物なら
火には弱い筈だよね
★Staff of Mariaの【全力魔法】で炎の渦を巻き起こし攻撃
更にその技で目眩ましが出来たようなら
飛行により相手の背後を取ったうえで
武器を★清鎌曼珠沙華に持ちかえての首を狙って【薙ぎ払い】

但し…非力ゆえ本来接近戦は不得意なんだ
だから防がれたらすぐに距離を取ります




 奇妙に長い手を伸ばし、『迷宮温室の女王』が蜜ぷにを捕まえる。手当たり次第に食事する災魔を見て、澪は小さく首を傾げた。
(「なるほど、薬かぁ……」)
 学校に通ったことがないからか、澪はピンとこないけれど。生徒にとっては興味深いものなのだろうかと、思い巡らせながら少年は敵を見つめる。
 太い根が蠢く下半身に対して、緑の女王の上半身は華奢に見える。狙うなら上部だろうと、目標定めた澪は大きく息を吸い込んで楽園へ誘う歌を歌い始めた。
 澄んだ歌声に、無数の花弁が舞い散る。それらは女王を取り囲むように躍り、刃の如き鋭利さで災魔の顔を次々と切りつけた。
「幸せのままに眠れ」
 紡ぐ言葉と共に歌声のテンポ上げれば、花弁の刃は勢いを増す。苛烈な攻撃に傷つけられて、『迷宮温室の女王』は不気味な声を上げた。
 その声は、痛みに上がる悲鳴であり、同時に敵意を表したものだった。彼女の声に応じるように、周囲に昆虫型モンスターが出現する。それらは澪へ飛び掛かるが、少年は即座に『Staff of Maria』と名付けた清浄なる杖を構えた。
「植物と昆虫なら、火には弱い筈だよね」
 光と共に巻き起こるのは、炎の渦。流れる空気に琥珀色の髪を揺らしながら、澪は炎でもって昆虫達を焼き尽くした。
 武器を薄紅色の鎌へと持ち替えながら、澪は後退し敵との距離をとる。背後をとり接近戦へと持ち込みたいが、非力な少年にとってその間合いは不得意なもの。首をとるには敵の隙を狙いたいが、先の炎は女王には届いていないから。
 災魔が、うめき声をあげる。澪の攻撃により彼女が動揺しているのは明らか。続く猟兵達の攻撃は、女王に通りやすくなったことだろう。
 ひとまずの成功に安堵しながら、澪は油断なく『迷宮温室の女王』を見据えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ローズ・ベルシュタイン
【薔薇園の古城】で参加

■心情
ぷには無事に倒しましたわね。
さぁ、次は女王が相手ですわね。

■行動
WIZ判定の行動

エレクトロレギオンを使い、
敵の昆虫型モンスターに対しては、機械兵器を1体ずつ割り当てる事で
こちらも数で勝負しますわね。

百裂蔓撃や捕縛液噴射には、見切り、ダッシュ、ジャンプで回避するよう努め
どうしても回避できないときは、盾受けで防御。
仲間が攻撃を受けそうなときは、かばうで、守る様に動く。

私自身は、フェイントを織り交ぜて確実に攻撃を当てる様にし、
2回攻撃、マヒ攻撃、傷口をえぐるなどで攻撃。
あとは、仲間同士で、互いの死角となる場所をカバーし合って
声掛け等も使い、協力して戦いますわ。


神宮寺・絵里香
【薔薇園の古城】で参加。

≪心情≫
・ここの学生は、好きな奴には惚れ薬入りの菓子渡すのか?
 さっぱり感覚は分からんが、いいのか、それで。
・まあ、災魔とやらは倒すだけだ。

≪戦闘≫
・中衛に入る。必要ならば前、特に必要がなければ後衛から魔法戦。
・武器は雷槍因達羅と擬槍蛇乃目。雷槍には【雷属性】と【麻痺攻撃】
 を組み合わせた痺れる雷を付与。蛇乃目には水属性を付与して、
 捕縛液を【武器受け】した時に洗い流せるようにする。
・基本的には高速詠唱からの【麻痺攻撃】UCで痺れ狙い。
 【範囲攻撃】にすることで昆虫ごと焼き払う。
・【世界知識】と【戦闘知識】で予め敵のことを調べて置き、
  危険な行動を【見切り】対処。


アニエス・ブランシュ
【薔薇園の古城】で参加
食べて消化し始めたものが惚れ薬の材料になるようですわね。
食べてしまったら大変なことになりそうですが彼女達に回収させても大丈夫ですの……?

迷宮温室の女王から距離をとりつつ高速詠唱し、全力魔法と属性攻撃のウィザード・ミサイルで攻撃いたします
85本の炎属性の魔法の矢のうち小型の戦闘用昆虫型モンスター1体に対し炎の矢を1本撃ち、残りの炎の矢を迷宮温室の女王と撃ち漏らした昆虫型モンスターに撃ちます
敵の攻撃に対しては第六感とダッシュを駆使して回避、または魔力を纏ってオーラ防御いたします
同じチームのメンバーの死角をカバーしあうように協力いたしますわ


ネージュ・ローラン
【薔薇園の古城】で参加。

惚れ薬?危険は無いのですか?色々な意味で。
どちらにせよ放っておくわけにはいかないので倒しますが。

今回は後方から攻撃することにしましょう。
迷宮内にある石や瓦礫を拾い上げ、【彼岸駆け】で投擲します。
できれば相手の噴射液を狙って当てることで妨害したいですね。
止めきれなかった攻撃に対しては落ち着いて【見切り】、【スカイステッパー】も使用して回避を試みます。

隙ができたら本命はスカートの下に隠した【シークレットダガー】の投擲です。
本体目掛けて全力で投げましょう。

仲間に対しては、後方から全体を見渡し、声をかけながら戦いましょう。




「さぁ、次は女王が相手ですわね」
 蜜ぷに戦が一段落したことに、安堵して。言葉紡ぐローズに頷いたのは、アニエス、ネージュ、そして神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)だった。彼女らが陣形を整える間にも、『迷宮温室の女王』は残った蜜ぷにを次々捕食していく。
 脳裏によぎるのは、学園の生徒が語った女王の逸話。食べて消化し始めたもの――今回であれば捕食された蜜ぷにの花蜜が、惚れ薬の材料になるということだが。
「惚れ薬? 危険は無いのですか? 色々な意味で」
「食べてしまったら大変なことになりそうですが彼女達に回収させても大丈夫ですの……?」
 もしその薬効が確かなものなら、学園のバレンタインに混乱を招きそうな気がする。躊躇し言葉紡ぐアニエスとネージュに、ふむ、と絵里香も首を捻って。
「この学生は、好きな奴には惚れ薬入りの菓子渡すのか? さっぱり感覚は分からんが、いいのか、それで」
 恋愛というものは、薬でどうにかするものではないように思うが。ともあれ、【薔薇園の古城】の四人の目的は変わらない。危険な災魔、『迷宮温室の女王』をここで倒すこと――仲間達と頷きあい、ローズは周囲に小型の機械兵器を召喚した。
 接近する機械兵器に気付いた緑の女王は、金切り声を上げて昆虫型モンスターを召喚する。機械兵器と昆虫型モンスター、召喚された者同士一対一の戦い。一撃で勝敗は決するが、勝ち残った昆虫型モンスターにはアニエスの炎の矢が襲い掛かった。一本、二本、小さなモンスターを吹き飛ばして、残った炎の矢全てが女王を狙う。頭上より降る様は雨のように、その炎は女王の体の至る所を焼き、災魔は悶え叫び声を上げた。
 炎の爆ぜる音しても、彼女達の攻撃はまだ終わらない。ローズが敵目指して奔る中、後方より狙い定めるはネージュだ。彼女は迷宮に転がる石を拾い上げ、それに風精霊の魔力を篭めた。
「風よ宿れ、敵陣を駆けよ」
 言葉紡げば、ただの石は風纏う武器になる。そのまま力いっぱい投擲すれば、魔力のせた一撃は真っ直ぐ女王の肩を穿ち風穴開けた。
 怒りに狂う女王見て、絵里香は『雷槍「因達羅」』を手に、敵を真っ直ぐ指し示す。
「ナウマク・サマンダ・ボダナン・インダラヤ・ソワカ! 神々の王の裁きよここに! 魔を滅ぼせ因達羅の矢よ!」
 声の導きに応え、天で光るは青白い雷光。その稲妻は『迷宮温室の女王』の頭上より降りかかり、雷受けた災魔は麻痺を受けて体を震えさせた。
 四人の鮮やかな連続攻撃は、確実に敵へダメージを与えている。けれど災魔も負けるものかと、麻痺に耐え体を蠢かせる。怪しく動く腹部の食人植物――その動き見て、絵里香は仲間達へ注意促す声を上げる。
「気をつけろ、捕縛液を出す気だ」
 敵の予備動作を見切った適切な声掛けに、猟兵達は素早く動いた。次々と放たれる体液、それは四人へ降りかかるが、ローズとアニエスはそれを走って躱した。ネージュ目掛けて飛んだ捕縛液は、片足を捕らえそうになるが――それは、巫女服翻しながら射線上に飛び込んだ絵里香が『擬槍 蛇乃目』と名付けた仕込み傘を開き、受け止めた。水属性付与した傘は体液に侵されることなく、その刺激臭する液体を洗い流していく。
 動きを封じるはずの攻撃を無効化されて、『迷宮温室の女王』が狼狽える。その隙を逃さず、ネージュは傘の後ろより飛び出してスカートの下に隠しておいた『シークレットダガー』を取り出した。
「隙ありです!」
 鋭い声で投擲するは、風纏う刃。それは食人植物を貫いて、女王はひと際大きな悲鳴を上げた。
 その死角より駆けて、懐へ飛び込むは夕焼け空色の少女。彼女はロングソードを閃かせ、緑の女王を袈裟に切り裂いた。
 続けて絵里香の雷が、アニエスの炎の矢が、ネージュの風纏う投擲が災魔を撃って。四人の息の合った攻撃を前に『迷宮温室の女王』は深手を負い、憎らし気に彼女達へキイイと声を上げるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レムナント・ノア
い、嫌ァー! なんか本当にモンスターっぽいのが出てきましたわよ!?
オホホ、花蜜も手に入れたことですしわたくしはこれで……。
……ほ、惚れ薬!? なんですのその女子力の高いワードは!!

ま、まあわたくしはこう見えて猟兵ですし?
オブビビ……オビブリオン?を倒す使命がありますからね、オホホホ。
集めた花蜜を生徒達に預けて、いざ敵と向き合い――。

嫌ァー!! やっぱり無理です!!
あの敵から花蜜を得るということは肉薄しなくてはいけませんもの!
こうなったらとライオンのタマちゃんを呼び出して
ライドオンつまりライオンライドですわ!

【先制攻撃】で引っ掻いちゃってくださいな!
わたくしは頑張って背にしがみついていますから!


華切・ウカ
!!!
あなた、ぷにちゃんをいじめて…!!
いえ、ぷにちゃんがおいしく、背徳的なのはウカも認める所なのですが……
でも、でもあなたのその頂き方には愛情も、躊躇いも、何も感じらえません!
あなたがどんな薬効成分を……えっ、惚れ薬の材料……?
それは、それは……ウカにはあまり関係のないことですね!
だってそんな薬効なくても、ぷにちゃんの蜜は最高なのです!!

他の猟兵さんが居れば協力もしつつ。
ウカはその蔓を、ウカ自身で切りましょう。
草木をちょきんと切るのはウカのお仕事、得手です!
柔らかな茎は確実に一撃で。堅い幹や根は一度でダメなら何度でも。
ウカの刃は必ずあなたを仕留めます。幾つも自身を複製して、連ねて。


アメリア・イアハッター
惚れ薬かぁ
それってそんなに大事なものなの?
……あんなに盛り上がってるってことは、大事なのね
よーしそれならがんばっちゃお!

・方針
根を引きずっている様子を見れば機動力は低く、さらに蜜ぷに達に夢中っぽい
あんまり接近してこないだろうと判断してなるべく遠くから攻撃することとし、蜜ぷにがいればとりあえず敵の方に投げてみる

・行動
敵が食事中は根の部分に向かってUC【マジック・ミサイル・ダンス】使用
低そうな機動力を更に落とし、皆の攻撃が当たりやすいように
こちらに攻撃してくる時はミサイルを迎撃に回す
近くに蜜ぷにがいればそっと掴んで敵の方に投げ転がしてみる

さっきの冷凍花蜜は食べるかな?
生徒さんに一個貰って投げてみよ




「い、嫌ァー! なんか本当にモンスターっぽいのが出てきましたわよ!?」
 災魔の奇妙な姿見て、悲鳴上げて。レムナントは怯えた様子で、ウカの後ろへと身を隠す。
 そんな仲間を庇いながら、ウカはその金の瞳に怒りの炎燃やし『迷宮温室の女王』を睨み付けた。
「あなた、ぷにちゃんをいじめて……!!」
 現れた女王に気付いた蜜ぷに達は、ぷにぷに体を震わせながら逃げ惑っている。恐らく、蜜ぷに達は女王に従っているわけではない。ただ、捕食対象として狙われて、迷宮の上層へと逃げ延びようとしたのではないだろうか――。
 ぷにちゃんがおいしく、背徳的なのはウカだって認める。認めるけれど、女王の接し方には、許せないものがあって。
「あなたのその頂き方には愛情も、躊躇いも、何も感じられません!」
 そう、蜜ぷにはかわいらしくて、おいしい。芽生えた罪悪感を噛みしめながらもなんとか倒し、そうしてありがたくいただくのが蜜ぷに達の花蜜なのだと、ウカは思うから。緑の女王は許し難き敵であると、彼女は強く認識した。
「あなたがどんな薬効成分をもっていようと……えっ、惚れ薬の材料……?」
 女王の体内の花蜜、惚れ薬の材料になるから取っといてください! そんな声が後方へ退いた生徒に一人からかけられて、ウカは口上を中断した。代わりに、身を乗り出したのはレムナントだ。
「ほ、惚れ薬!? なんですのその女子力の高いワードは!」
 そうと聞けば、ここで撤退などできない。わたくしはこう見えて猟兵ですし? と言葉紡ぎながら、レムナントはウカの隣へ並ぶ。
 そんな姿を視界に捉えながらも――ウカは強い意志でもって唇を開く。
「それは、それは……ウカにはあまり関係のないことですね! だってそんな薬効なくても、ぷにちゃんの蜜は最高なのです!!」
 胸を張って、得意げに。だからこの女王を必ず倒しましょうと、ウカはその手を握り締める。
「惚れ薬かぁ。それってそんなに大事なものなの?」
 同じく生徒の声を耳にして、首傾げるのはアメリア。背後ではしゃぐ女生徒と、近くで意気込みレムナントを、交互に見て。――あんなに盛り上がっているということは大事なのだろうと、納得した少女は武器を構えた。
「よーしそれならがんばっちゃお!」
 言葉と共に、アメリアはその場で軽やかにステップを踏む。リズムに合わせるよう作り出したのは魔法のミサイル、それらは空を舞い踊るような軌跡生み、『迷宮温室の女王』の根へと迫る。
「キミも一緒に踊ろうよ!」
 明るい声とミサイルの着弾は、ほぼ同時。機動力落とすことを狙った一撃に、災魔は体を揺らし苦しんだ。
 畳み掛けるなら絶好のチャンス、そこを狙ってレムナントはいざ女王と向き合うが――。
「嫌ァー!! やっぱり無理です!! あの敵から花蜜を得るということは肉薄しなくてはいけませんもの!」
 蠢く根っこ、ぱくぱくと口開く食虫花、不気味な女性型の顔。そのどれもが生理的に受け付けなくて、レムナントはイヤイヤと首を振る。
 その横を、ウカは風のように駆けた。手で操るは『華切』、ヤドリカミたるウカの本体。
「草木をちょきんと切るのはウカのお仕事、得手です!」
 紡ぐ言葉、鋏振るう様は舞うように。ちょきん、ちょきんと動かす花鋏は、女王の葉を、髪を、指を切り落としていく。
 その痛みに抗うように、『迷宮温室の女王』は金切り声上げて腹部の食人植物を震わせた。体液による反撃――しかしそれを予測したアメリアは手近な蜜ぷにを掴み、吐き出す先へと転がした。
『ぷっ、ぷににー!?』
 ころんころん転がった、蜜ぷにを包む捕縛液。動き封じられた蜜ぷに見れば、女王はすかさず手を伸ばし捕食する。
「ああっ、ぷにちゃんが! ぷにちゃんがまた……!」
 ウカが、悲哀に満ちた声を上げた。かわいそうだけれど、女王は蜜ぷにを捕食する時は攻撃の手を止める。この作戦は有効と見て、アメリアはとっておいた冷凍花蜜も投げつけ、敵の捕食行動を促した。
 再び生まれた敵の隙、レムナントは今度こそ攻撃を仕掛ける。呼び出したのは黄金のライオン、飛び乗り声を上げる。
「タマちゃん、引っ掻いちゃってくださいな!」
 主の命に応え、獅子は駆けて女王へ飛び掛かる。その背にしがみついたレムナントは、ぎゅっと目を閉じ敵を見ないようにしていて。
 鋭い爪は、幾筋のも傷を緑の女王に与える。ぐらり、災魔の体が揺れる。しぶとい敵だが、そろそろ限界だろう。
 最後にユーベルコードを操るのは、ウカ。彼女はたくさんの分身を生み出し、空から、左右から、自在に操る花鋏でもって女王の体を切り刻んだ。堅い幹や根は、ここまで健在だったけれど。何度も何度も刃向けられれば、傷が生まれ、そこから折れる。
「ウカの刃は必ずあなたを仕留めます」
 言葉紡げば、最後の花鋏が女王の腹部、食人植物を根元から切り落とした。それがとどめの一撃となり――『迷宮温室の女王』は、ここに打ち倒されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『手作りお菓子を君に』

POW   :    大きなお菓子作りに挑戦!

SPD   :    お菓子いっぱい作るよ!

WIZ   :    お菓子は見た目が命! 出来映えにも拘るよ!

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●いざ、花蜜スイーツを
 迷宮での戦闘を終えた猟兵達は、学園の家庭科室へやってきた。
 広げられた調理器具と材料――その中には、生徒達が運び込んでくれた花蜜もある。
 ふわり香る花蜜は、どんなお菓子にしてもおいしいだろう。お菓子作りに自信がなければ、冷蔵庫や冷凍庫に入っているヨーグルトやアイスにかけるだけでも立派なスイーツになる。
 どんな甘味を作り上げ、どうやって楽しむか。それは全て、猟兵達の思うままに。
アメリア・イアハッター
全部終わって、さぁ、お菓子の時間ね!
とはいえ、私揚げ物意外あんまり得意じゃ無いのよね
ということで、さっきの冷凍花蜜を使って、何か作ってみましょう!

まずは簡単なやつから
もう単純にこれを削って削って、氷自体に味がついた花蜜かき氷!
シロップがかかってない?
ふふ、このままでとっても甘いのよ!

次はこの冷凍花蜜を砕いて、紅茶に入れたら……はい、花蜜の香りも一緒に香る、ちょっと甘い紅茶の完成!
甘すぎないスイーツと一緒にどうかな?

最後は……だめだ、やっぱり揚げ物しなくちゃ気が済まない!
ということで、花蜜を使ったチュロスを揚げちゃおう!
外はカリッと中はモチっと!
油の温度が重要だよ!

……いっぱい作りすぎたね?




「全部終わって、さぁ、お菓子の時間ね!」
 笑顔浮かべてテーブル確保したアメリアは、先の戦いで氷漬けにした花蜜を持ち込んでいた。揚げ物以外は不得手の彼女、けれど今回は冷凍花蜜を使ったお菓子に挑戦する。
 まずは冷凍花蜜を削って――アメリアが何か器具がないか近くにいた女生徒に尋ねると、彼女は蒸気で動くかき氷機を用意してくれた。さすが、最高の蒸気文明を備える魔法学園だ。
 アメリアは、そのかき氷機に冷凍花蜜をセットすると、しゃりしゃりという音と共にそれを削り出す。器に山のように盛れば、ほんのり蜜色に染まる花蜜かき氷の完成だ。
「シロップがかかってない? ふふ、このままでとっても甘いのよ!」
 ふわり笑ったアメリアは、ひとさじ掬って味を確認。舌の上で融ける氷は、蜜の甘さと花の香りを口中に残す。その甘味に満足げにうなずくと、少女は次のメニューに取り掛かった。
 やかんでお湯を沸かし、ポットで淹れるのは紅茶。蒸らす間に冷凍花蜜を砕いてグラスに入れ、そこに紅茶を注げば――花蜜香る、甘い紅茶ができあがる。甘すぎないスイーツと楽しめば、きっと相性抜群だろう。
 これで、冷凍花蜜は使い切った。けれどそれだけではアメリアは落ち着かなくて。
「だめだ、やっぱり揚げ物しなくちゃ気が済まない!」
 言うや彼女はテキパキと、揚げ物の準備を始める。花蜜混ぜ込んだ生地を作って絞り袋へ詰め、熱した揚げ油の中へ絞り落とす。
 外はカリッと、中はモチッと。油の温度に気を配り、完成したのは花蜜チュロス。
「……いっぱい作りすぎたね?」
 夢中で作りふと気が付けば、アメリア一人では食べきれないほどのお菓子の山ができていて。ここに集まった猟兵や生徒達へおすそわけしたり、旅団へ持ち帰ってもいいかもしれない。そう考えながら少女は揚げたてのチュロスを口に運び、その食感と甘味に笑みを零すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アニエス・ブランシュ
【薔薇園の古城】で参加
【WIZ】ようやく待ちに待ったお菓子作りの時間ですわね!
お菓子作りの経験は余りないのですがレシピ通りに作れば大丈夫なはず、ですわ。
紅茶を用意していただけるのでしたら 、わたくしは花蜜を使ったスコーンを作りますわ。
神宮寺様は甘い物が苦手のようですので甘さを控えめにしたスコーンを別に作っておきます。
完成後は同じ旅団の参加者の方と一緒に食べましょう。
ああ……クッキーとくずきり、どちらもも美味しいですわ!


栗花落・澪
よーっし
美味しいお菓子作るぞー♪

今回はプリンでも作ってみようかな
勿論、生徒さん達用にね♪

蜂蜜の代わりに蜜ぷにの蜜で代用
材料も比較的少ないし簡単に作れるから
必要なら生徒達にも教えるね

一気に複数人分を混ぜて固めて
時間が足りない分は
【全力魔法】で熱や冷気を駆使して軽く時短

果物と生クリームで自由に飾り付け
言いつつ僕はイチゴを縦にカットして
ヘタの部分を切り落としてハート型に
同じものをいくつか作って
固めたプリンの上に花のように飾り付け

余分な苺でジャムを作り
カラメルの代わりにかけてみようかな
クリームはアザラン飾ってはい完成

蜜、少し持ち帰っても大丈夫かな?
いや、あの…家でも作りたくて……
と、友達用だよ!?


観那月・唯希
蜜ぷにたくさん持って帰れましたし、お菓子も色々できそうですね!

お菓子は食べるのは好きですけど、作ったことはないので他の人達に教えてもらいながら作ります。クッキーに挑戦してみましょうか

えっと、材料をこうして混ぜて……、蜜ぷにはどんな風に使うんでしょうか?けっこう大変ですね……

(完成後)自分で作るとよりおいしいですね!お菓子作り好きになりました!

補足
初めて見るお菓子作りの工程を目をキラキラさせながら楽しんでいます


ローズ・ベルシュタイン
【薔薇園の古城】のメンバーで参加

■心情
遂にお菓子作りですわね、此処まで頑張った甲斐がありましたわ。
さぁ、皆で美味しいお菓子を作ってみましょうね♪

■行動
WIZ判定の行動

お菓子には、やっぱり華やかさも必要ですわね。
ですので、私は食用の薔薇の花も、お菓子に飾り付けしてみたいですわ。
「花蜜入りのお菓子、どんな感じに仕上がるか楽しみですわね」
後は、皆が作っているマニュアル通りに作ってみますわ。

完成したら、同じ旅団の参加者で試食をしてみたいですわね。
「んー、甘くてとても美味しいですわ」
「皆様は、どんな感じのお菓子を作れましたでしょうか?」
そうやって、皆で食べ比べしたいですわ。


神宮寺・絵里香
【薔薇園の古城】で参加
【WIZ】
≪心情≫
・甘い物苦手なんだよなぁ…オレ。
・まあ、あれだ。渋めの茶でなんとか乗り切ろう。
・しかし菓子作りか…。最後に作ったのは何年前だ?
 10年ぶりくらいか…。娘の誕生日以来か
 私が作った方が美味いって言ったから二度と作らなんだが
≪行動≫
・んー…蜜を使った菓子だとくずきりあたりにするか。
 和菓子だからある程度は口になれているし、それなりに作った経験も
 あるからな。見た目もまあそれなりに綺麗なのができる筈だ。
・オレ用の奴は甘くない奴にして他の奴にあげるやつは普通に花蜜を
 使った甘くてカラフルな奴にするか。

‥うん、甘さ控えめとか言ってるけどやっぱ甘いな、コレ。


ネージュ・ローラン
【SPD】
【薔薇園の古城】で参加。

ついにお菓子作りですね。
実は料理は得意ではありませんが頑張ります。
何事も挑戦です。

クッキーを焼いてみましょう。
炎の精霊さん、オーブンをよろしくお願いしますね。
せっかく材料が沢山あるのでどんどん焼きますよ。
焼いている間に、クッキーに合う紅茶も用意しておきましょう。

完成したら他の参加者と一緒に食べてみましょうか。
皆さんのお菓子も素敵です。

あとは、少しずつ丁寧にラッピングしていきましょう。
喜んでもらえると嬉しいです。




 【薔薇園の古城】の四人も、揃ってお菓子作りの準備を始めていた。
「ようやく待ちに待ったお菓子作りの時間ですわね!」
「ええ、此処まで頑張った甲斐がありましたわ」
 周囲に漂う甘い香りに心躍らせるアニエスと、うなずくローズ。さぁ、皆で美味しいお菓子を作ってみましょうね、とローズが言葉紡げば、隣で絵里香は僅かに眉を寄せて。
(「甘い物苦手なんだよなぁ……オレ」)
 しかし仲間達とこうして一つのことを楽しむことは、嫌ではない。渋めの茶でもってなんとか乗り切ろうと、決意した絵里香はくず粉を手に取り水に溶かし始めた。
「しかし菓子作りか……。最後に作ったの何年前だ? 十年ぶりくらいか……」
 あれは娘の誕生日。しかし食べた娘に『私が作った方が美味い』と言われて以来、絵里香は二度と作っていなかった。記憶辿りながらの作業だが、不思議と体が覚えているもの。お湯を沸かして冷水を用意して、手際よくくずきり作りを進めていく絵里香見て、ネージュもやる気を出す。
「実は料理は得意ではありませんが頑張ります。何事も挑戦です」
 語るネージュが用意したレシピは、シンプルなクッキー。先に材料はしっかり計量しておいて、バターに花蜜入れて混ぜていく。ふわり、香る花蜜は砂糖より華やかに。卵と小麦粉も加え生地完成させれば、それ見たローズが一言。
「食用の薔薇の花も、お菓子に飾り付けしてみたいですわ」
「それなら、薔薇入りのクッキーも作りましょう」
 微笑むネージュは、半分に分けた生地に食用の薔薇の花弁を混ぜ込んでいく。ローズと二人で型抜きして、天板に並べて。備え付けのオーブンへ入れれば、ネージュは魔法の力を感じ取る。
「炎の精霊さん、オーブンをよろしくお願いしますね」
 声掛け、閉じれば後は焼き上がりを待つだけ。たくさんのクッキーを焼き上げながら、ネージュは紅茶も用意していく。
 その隣のオーブンには、アニエスが成形済みのスコーン生地を入れていた。お菓子作りの経験があまりないという彼女でも、仲間に見守られレシピ通りに作ったスコーンはなかなかの出来だった様子。火が通り始めるころには花蜜の甘い香りがオーブンから漂ってきて、桃色髪の少女は嬉しそうに笑み浮かべた。
 そうして完成したお菓子を並べれば、試食会と言う名のティーパーティーが始まる。
 サクサクのクッキー、香ばしくしっとり焼き上げたスコーン、それから涼やかなくずきり。テーブルに溢れる甘味を前に、四人は微笑み手を伸ばしていく。
「んー、甘くてとても美味しいですわ」
「……うん、甘さ控えめとか言ってるけどやっぱ甘いな、コレ」
 できたてお菓子に舌鼓打つローズの横で、絵里香は自身の作ったくずきり食べて、ぽつり。シンプルなくずきりに花蜜垂らしただけなのだが、その花蜜が思った以上に甘い。もう少し控えめでもよかったかと思う絵里香は、苦めに入れた紅茶飲み干し甘味を相殺した。
 対して、皆のため作った分は花蜜たっぷり、カラフルに。フルーツで蜜ぷに色に染めたくずきりは見た目も楽しくて、仲間達から歓声が上がる。
「ああ……クッキーとくずきり、どちらも美味しいですわ!」
「アニエスさんのお菓子も素敵です」
 アニエスとネージュが語り合い、笑い合う。そんなアニエスのスコーンは甘さ抑えたものもあって、こちらは紅茶と相性良く絵里香も満足して食べ切った。
 存分に食べ比べしても、作ったお菓子はまだまだある。ネージュは仲間達に持ち帰りを提案し、皆で丁寧にラッピングを施していく。
「喜んでもらえると嬉しいです」
 贈る相手を思えば、咲く笑顔。四人の楽しい時間は、まだ少しだけ続いていく。


「よーっし、美味しいお菓子作るぞー♪」
 張り切る澪が用意したのは、卵に牛乳、それから花蜜。
 興味津々の生徒達も集めて、彼はボウルに次々と卵を割り入れ解していく。鍋には牛乳と、とろり花蜜。少し温めれば牛乳に花蜜溶けた優しい香りが広がって、澪はふわり微笑んだ。
 卵液と合わせれば、たくさん出来上がるプリン液。これを小さな型にひとつひとつ流し入れて、オーブンで蒸していく。
 蒸しあがり待つ間は、飾り用の苺と生クリームを用意する。丁寧に切った苺はハート形に、余ったものは鍋で煮詰めてジャム作り。他のフルーツも切るうちに、タイマーが鳴ってプリンは完成。
「うーん、冷やす時間が足りないかな?」
 蒸し立てでほかほかの湯気上げるプリン見て、時計見て、澪は小さく首傾げ。それから大きく息を吸うと、魔法操る歌を歌い出した。
 神秘の歌声に従って、生まれるは冷気。それはプリンだけを包み込み、凍らないよう絶妙な温度で冷やしていく。
「軽く時短に、ね」
 こんな魔法の使い方があるなんて、と驚く生徒達に、澪は片目閉じて笑いかけ。すっかり冷えたプリンを皿の上に取り出すと、飾り付けを始めた。
 カラメル代わりの手作り苺ジャムは、色鮮やかに。その上にハート形苺並べれば、花咲くように仕上がって。最後に絞り出したクリームにアラザン飾れば、おしゃれなプリンの出来上がりだ。
 その見事な出来栄えに生徒達が歓声上げる中、そっと澪に話しかけてきた少年がいる。
「あの、ぼくにクッキーの作り方を教えてもらえないでしょうか?」
 頼まれた澪が、断るはずがない。笑顔でうなずけば唯希は、お菓子作りは初めてなのだと語る。食べるのは好きだけれど、初挑戦の手作りクッキー。澪に説明受けながら、唯希は緊張した面持ちで材料をそろえていく。
「えっと、材料をこうして混ぜて……、蜜ぷにの蜜はどんな風に使うんでしょうか?」
「バターと一緒に混ぜるんだよ。そうそう、上手」
「けっこう大変ですね……」
 優しく丁寧に教えてくれる澪に、言葉交わしながら唯希の表情もだんだん緩み。手で丸めて潰すだけの簡単な成形で、オーブンへ。やがて甘い香りと共に焼き上がったクッキー取り出せば、唯希の瞳はキラキラと輝いた。
 焼きたてのクッキーを、さっそく一口。さくり、口の中でほどける味を楽しめば、今まで食べたどんなクッキーとも違う感動が少年の心に広がって。
「自分で作るとよりおいしいですね! お菓子作り好きになりました!」
 満面の笑顔で語れば、澪も嬉しそうにうなずく。そうして初めてのクッキーを生徒達にも振る舞う唯希を見送って、澪は残った花蜜の山にちらり視線を移した。
 他の猟兵達もお菓子作りに使ったけれど、まだまだ花蜜はたくさんある。ここに置いて行っても生徒達が使うだろうけど――。
「蜜、少し持ち帰っても大丈夫かな? いや、あの……家でも作りたくて……」
 ぽつり、傍にいた生徒に尋ねる。声に生徒は澪の顔見て――そして、ははあん、なんて言い出しそうな表情浮かべたから、澪は慌てて声上げた。
「と、友達用だよ!?」
 その言葉は、真実か否か。彼の反応に笑う生徒は、どうぞ好きなだけ持ち帰ってと語る。幸せ運ぶ甘い物は、たくさんの人におすそ分けした方がきっと素敵だから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

花葬・ラヰア
ご一緒できる方がいれば、一緒に
お裾分けも大歓迎、です

はなのみつ、ですか
蜜ぷにから採られたというそれをじいいと眺めながら
ぼくもひとくち、いいかな……
そのまま食べるひとがいるのなら、釣られてぱくり
そうでなくても、少し、食べてみたいのです

お料理、簡単なものなら……
器に入れて冷やして固めて出来上がり
そんな、牛乳ぷりん
シンプルな味わいだから、蜜と一緒にめしあがれ
作るのもそこそこに、味見した蜜の味が忘れられなくて
確か、食べられるものも用意してあるのでした
こそこそアイスを取り出して、一口ぱくり
ん、あまい。おいしいです

ご一緒したひとはきっと偶然の縁だから
あの、よかったら、どうですか
お持ち帰りにぷりんを手渡して


華切・ウカ
ご一緒できそうな方が居れば一緒に
お菓子のお裾分けは大歓迎です!

はあぁ…今日もこの、背徳の時間がとうとう……
ぷにちゃ……今日も美味しくいただきます
お菓子作りはやはりウカひとりでは難易度…というのを先日学んだところなので本日は花蜜をそのまま。
うっ、おいしい、ぷにちゃ……

はっ!そういえばヨーグルトやアイスクリームはいただけるのでしたっけ!
それを頂きましょう!
アイスも気になりつつ…今日はヨーグルトの気分…
はああああよーぐるとにぷにちゃん蜜のかがやき…!!
アリアちゃんもよければいかがですか?

えへへ、偶然の御縁でいっしょにこうして楽しむというのもとても良いですね!


ユニ・エクスマキナ
ご一緒出来る方がいそうならチャンスは逃しません!

お菓子!作り!たい!!
予習はバッチリ!
ちゃんとお菓子の作り方を調べてきたのねー!
初心者でも出来そうなゼリーを作りますっ!
花蜜の甘いいい匂い……ちょっとだけ、味見しちゃおうっと
ペロっと舐めれば美味しくて、味見の手が止まらなくて
……!!(半分以下に減った花蜜見てガクブル)
これがぷにちゃんの罠……!

あれ?なんか分量が足りない……
うーん、どうしよう?
周りキョロキョロ様子見しつつ
あ!そうか、アイスにかけちゃおーっと
んー美味しい♪幸せな味……
ヨーグルトも美味しそうだし……交換こしませんか!?
アリアちゃんも一緒にどう?
皆で分ければ美味しさも倍増、お得なのねー♪




 猟兵達が賑やかにお菓子を作る中、とある作業台に置かれた花蜜を眺め、ウカはため息を零す。
「はあぁ……今日もこの、背徳の時間がとうとう……」
 大好きなぷにちゃんが変わり果てた、その姿。悲しいけれど、ウカはよく知っている。背徳の花蜜は、とっても美味しいのだ。
「ぷにちゃ……今日も美味しくいただきます」
 しっかり手を合わせてから、器に盛った花蜜をひと掬い。お菓子作りを一人で行うのは難易度が高い。そう先日学んだばかりのウカは、そのままの美味しさをいただくことにしたのだ。
「うっ、おいしい、ぷにちゃ……」
 感情が零れたような声、瞳が潤んでいるのは花蜜の味に感動したからか、はてさて。
 そんなウカの様子見て、やってきたのは幼いヤドリガミの少年だ。作業台の上には、まだたくさんの蜜が置いてある。
「はなのみつ、ですか」
 ふわり、漂う花の香りが心地好くて。花葬・ラヰア(鍍のココロ・f12936)が背伸びし花蜜見つめていると、さらに金髪の少女がやってきて作業台にレシピを広げた。
「お菓子! 作り! たい!! ちゃんとお菓子の作り方を調べてきたのねー!」
 得意げに語るユニ・エクスマキナ(ハローワールド・f04544)が用意したのは、ゼリーのレシピ。温め混ぜて、冷やし固める。シンプルな手順だから、初心者でもできそうだと考えて。
 鼻歌まじりに器具を用意し、材料を計量して。花蜜に手を伸ばした時、ラヰアと同じく香りに惹かれてふわり笑う。
「花蜜の甘いいい匂い……ちょっとだけ、味見しちゃおうっと」
 スプーンひとさじ、ぺろりと舐めて。途端口の中に広がる華やかな香りと蕩ける甘さに、ユニの瞳が輝く。もうひとさじ、さらにもうひとさじ。味見の手が止まらないユニを見たラヰアもまた、釣られるように一口味見をする。
 そんな二人に、ウカはこくこく頷いて。
「お二人にもわかりますか、この、ぷにちゃんの背徳の味……っ」
 ならば一緒に味わいましょうと、花鋏の少女が誘うままにユニは夢中で花蜜を堪能し――ふと気付けば、あんなにたくさんあった花蜜は半分以下に減っていた。
「……!! これがぷにちゃんの罠……!」
 戦慄し震えるユニは、ゼリーの分量分の花蜜がなくなり慌てて周囲をきょろきょろ。そんな中、一人花蜜の罠から抜け出していたラヰアは牛乳プリンを仕上げていた。器に入れたら、あとは冷やし固めて出来上がり。冷蔵庫に入れて完成を待つが、味見した花蜜の味が忘れられない。だからラヰアは冷凍室の扉開けて、中に入っていたアイスを取り出し作業台へ戻った。
「あ! アイス! ユニもそれほしいのね!」
 目ざとく見つけたユニが、身を乗り出して声上げる。今日のメニューは、予定変更。微笑みうなずいたラヰアは、ユニの分もアイスを取り分ける。
 たらりと垂らす花蜜は、アイスの冷たさに粘度増して。
「ん、あまい。おいしいです」
「んー美味しい♪ 幸せな味……」
 二人で堪能。花蜜だけとはまた違って、より甘みを感じられる気がする。笑顔の二人見たウカは、私も一緒にと冷蔵庫へ走って。アイスも気になりつつ――今日はヨーグルトの気分と、よく冷えたヨーグルトを持ってきた。
「はああああよーぐるとにぷにちゃん蜜のかがやき……!!」
 白いとろとろヨーグルトの上に、甘やかな蜜色。これはもはや芸術品だと、息のむウカの隣でユニがそわそわ。
「ヨーグルトも美味しそうだし……交換こしませんか!?」
 アイス差し出しながらの提案は、断られるはずがなく。三人はそのまま、花蜜かけたアイスとヨーグルトを交互に楽しむ。さらにそこへ白花のミレナリィドールが通りかかったから、笑顔で手招きして。
「アリアちゃんもよければいかがですか?」
「皆で分ければ美味しさも倍増、お得なのねー♪」
「まあ、アイスにヨーグルト! どちらもとってもおいしそうですね……!」
 お言葉に甘えて、とスプーン構えたアリア・アクア(ミレナリィドールのビーストマスター・f05129)は、アイスもヨーグルトも一口ぱくり。その美味しさにふわんと笑えば、四人の心が解けていく。
 これも、花蜜が結んだ不思議な縁。思うラヰアはぱたぱた冷蔵庫へ走り――そしてぷるんと固まった牛乳プリンを差し出した。
「あの、よかったら、どうですか」
 今日の記念に、お持ち帰りを。小さな手の上の優しい甘味に、少女達は微笑みそれを受け取る。
「えへへ、偶然の御縁でいっしょにこうして楽しむというのもとても良いですね!」
 笑うウカ、うなずく三人の猟兵達。四人の楽しく甘い時は、もう少しだけ続いていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レムナント・ノア
ムムムムム……ムムムムムム……!

メレンゲを作るべく卵白をかき混ぜながら
葛藤の末……決めましたわ!
迷宮の女王から手に入れた特別な花蜜は
学園の女生徒達に譲りましょう。

わたくしには使うことが出来ませんもの。
恋が叶うと良いですわねえ。オホホホホ!

メレンゲ作りに勤しむ一方、アリアさんを見かけましたら
お声かけしてみますわね。

この度は転送お疲れ様でしたわね。
わたくしはガトーショコラ作りの最中ですわ。オホホ。
ところで、ご覧のとおり手が塞がっていますのよ。
生地作りを手伝って頂きたいのですけれど……。
あっ材料はそちらではなくて……いえあの……。

あらまあ、オホホホ……。


(出来上がりはおまかせします)




「ムムムムム……ムムムムムム……!」
 カシャカシャと泡立て器操る音と、唸る声が家庭科室に響く。声の主――レムナントはボウルの中の卵白と砂糖を泡立てながら、葛藤していた。テーブルの上に並べた材料の中には、もちろん蜜ぷにから得た花蜜も置いてある。そしてその隣にも花蜜。これは、迷宮の女王に一度捕食された蜜ぷにのもの。惚れ薬の材料の材料になると噂の、花蜜だった。
 白く泡立ち始めた卵白に、追加の砂糖を投入して。レムナントは、決意は固まったと言うように大きく一度うなずいた。
「……決めましたわ! 特別な花蜜は、学園の女生徒達に譲りましょう」
 せっかく手に入れた乙女なら一度は欲する代物だけれど、レムナントには使うことができないから。近くを通りかかった女生徒に声掛ければ、彼女は頬を染めて礼を言い、慌てて花蜜を持って行った。
「恋が叶うと良いですわねえ。オホホホホ!」
 背中見送り、高笑い。と、女生徒と入れ違いに今度はアリアがやってきて、レムナントはこの少女も呼び止める。
「この度は転送お疲れ様でしたわね」
「いえ、レムナント様こそ戦闘お疲れ様でした! ところで、レムナント様は何を作られているのでしょう?」
 首を傾げ尋ねるミレナリィドールに、レムナントはガトーショコラを作っているのだと語る。ボウルの中には、ふわふわのメレンゲ。しかし角が立つまで泡立てるには、まだ少し時間がかかりそうだ。
「ご覧のとおり手が塞がっていますのよ。生地作りを手伝って頂きたいのですけれど……」
 レシピはこちらに、と指し示すレムナント。するとアリアは、ぱっと瞳を輝かせる。
「えっ! 私が! お手伝いしていいんですか! 喜んで!」
 ――そのテンションの高さに、レムナントは頼んだことを少し後悔したかもしれない。
 張り切るアリアはレシピとにらめっこ、すでに溶かしてあったチョコレートと無塩バターを見て。お任せください、と言うや卵黄入ったボウルを引き寄せ、豪快に花蜜を突っ込んでいく。
 レシピの通りに作っている、とアリアは思っている。けれど、思っているのは本人だけで――。
「あっ材料はそちらではなくて……いえあの……」
 言葉紡ぐレムナントは、慌ててメレンゲを完成させる。二人で作業すれば大丈夫、と思ったのだが。揃えて置いた材料とは違うものが、投入されている気がする。
 それでも何とか生地を混ぜきって、型に流してオーブンで焼く。
 出来上がったそれは――ガトーショコラというよりは。
「あらまあ、オホホホ……」
「まあ、不思議です! ガトーショコラがチョコレートムースに!」
 何か熱を加える過程で、魔法的なアレンジでも加わったように。オーブンから取り出したそれは、天板の上でふるると震えた。
 恐る恐る、端にスプーンを入れて一口味見。するとこれが意外と食べられるのだから、何を生み出してしまったのかますます謎である。
「えへへ、お役に立てましたでしょうか」
「そうですわねえ、オホホホホ……」
 咲くように笑う無自覚ミレナリィドールに、レムナントは今度こそ苦しい笑い声上げて。それでも礼を告げたのは、レムナントが大人だったからに違いないのだった。


 家庭科室いっぱいに広がる香りは、甘やかに、華やかに。
 今日の思い出閉じ込め作り上げた菓子達は、持ち帰り他に人にも楽しまれるのだろう。
 皆に笑顔を運ぶ花蜜のスイーツ。
 蜜ぷに達が目指した『楽園』は、確かにここにあるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月15日


挿絵イラスト