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お前がパンケーキになるんだよ!!

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #ミズ・ルチレイテッド #バーチャルキャラクター

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#バーチャルキャラクター


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●キマイラフューチャー・とあるカフェ前
 ここはキマイラフューチャーの服飾や飲食の店が集まった通り。
 流行の最先端のファッション、スイーツを求めて人々が集まっている。
「こんにちは〜。ハニィでぇす!
 今日は、いま話題のふわふわスフレパンケーキを食レポしまぁす!! 楽しみですねぇ〜」
 通りの中央で動画を配信しているのはバーチャルキャラクターの少女ハニィ・チーズだ。
 彼女は料理好きなバーチャルキャラクターだが、自分で作ることや食べることより、「話題になっている料理を人に広めて、たくさんの人に食べてほしい」という少女である。
 彼女が動画で紹介した料理は頻繁にSNS上で話題になり、しばらく行列が絶えなくなることも珍しくない。

 ところが、通りの影にそんな彼女を狙う怪人が潜んでいた。
「あいつらがスイーツを広めて話題になっても、写真を上げるだけで食べない、完食しない奴らが増えるだけだ。そんなやつは捕まえてスイーツにしてやるぜ……」
「ちょっといいですか、いえ、待ちなさい!」
 悪巧みをする怪人の背後から突然声がかかる。
「誰だ?」
 怪人の背後に立っていたのはクリスタリアンの女性。
「心配しなくていい。『宇宙船団ルチレイテッド』が力を貸そうというのだ」
 猟書家「ミズ・ルチレイテッド」その人である。
 彼女がパチン、と指を鳴らすとその背後に漆黒の漿船(クリスタルシップ)が現れる。
 船は怪人に照準を合わせると、ビームを発射した……。

●グリモアベース
「猟書家の動きを予知したよ!」
 と、グリモアベースに飛び込んできたのはシャロン・アイテール(電脳忍者配信者・f28974)。
「今回はキマイラフューチャーに潜んでいた猟書家『ミズ・ルチレイテッド』に関する事件なんだ」
 ミズ・ルチレイテッドはキマイラフューチャーの怪人・パティシエキマイラ『バエル』を改造し、バーチャルキャラクターを襲わせるつもりなのだという。
 バエルはネットやSNSで料理を広めて完食しない人々を憎んでおり、バーチャルキャラクターのハニィを狙っていた。
 どうやら捕まえて彼女自体をスイーツに改造して復讐するつもりらしい。
「実際、写真だけ撮って完食しない人もいるだろうけどね。ハニィちゃんはそういう人じゃないよ。取材で料理をいっぱい食べてるし、多くの人が美味しい料理を食べて幸せになってほしいという気持ちから配信をしてるんだよ」
 バエルの恨みは少し矛先が間違っていたと言えるだろう。
 しかし、そこをミズ・ルチレイテッドに利用されてしまう。
「改造されたバエルは『対象が食べようとしていたものと同じだが、宇宙っぽい色にした料理』に改造できるようになっちゃったんだ。このままだとハニィちゃんは宇宙色のパンケーキになってしまうね」
 イメージとして紫色のパンケーキに青色のクリームが盛り付けられた画像が表示される。
 人によっては食欲が減退しそうな色合いだ。
 しかも、改造されたスイーツはそれ自体が拡散力を持っておりSNSで流行してしまうのだとか。
 キマイラフューチャーの食欲の危機に関わるため、なんとしても防がないといけない。
「転送されたら、カフェでハニィちゃんがバエルに襲われる直前のはずだから、急いで助けてね。よろしく!」
 そう言ってシャロンはキマイラフューチャーへの扉を開いた。


青猫格子
 こんにちは。青猫格子です。とうとう「猟書家の侵略」が開始されました。
 このシナリオは全2章構成になります。

 バーチャルキャラクターがパンケーキに改造されて拡散されるのを防ごう、という内容ですのでコメディ寄りというかゆるい感じのシナリオですが、真面目に戦うならそれもOKです。プレイングに合わせます。

 第1章は宇宙怪人に改造されたパティシエキマイラ『バエル』との戦いです。
 改造されているので背中のタピオカミルクティの色が宇宙な感じの色になっています。

 第2章は猟書家『ミズ・ルチレイテッド』との戦いになります。
 詳細は第2章の開始時に説明したいと思います。

 全章共通で、プレイングボーナスは『バーチャルキャラクターのハニィに応援される』です。彼女は戦力はありません。食べることと、人が幸せそうに何かを食べていることが好きな一般バーチャルキャラクターです。

 第1章はOP公開後に導入部を公開します。その後プレイング受付を開始いたします。
 以降のシナリオ進行についてはマスターページをご覧いただければと思います。
 それでは、プレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『パティシエキマイラ『バエル』』

POW   :    不幸せのパンケーキ
単純で重い【相手をパンケーキ型に潰すフライパン】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    カロリーの暴力
【超高カロリー高密度のタピオカミルクティ】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に残った巨大化したタピオカを利用して】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    パティシエの今日の気まぐれスイーツ
対象への質問と共に、【今まで作ったバズスイーツ】から【完食してもらえなかったスイーツ】を召喚する。満足な答えを得るまで、完食してもらえなかったスイーツは対象を【スイーツの一部にして取り込もうとする】で攻撃する。

イラスト:相澤つきひ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は甲斐嶋・詩織です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●カフェのテラス席
「こちらが、『ふわふわスフレパンケーキ:季節のフルーツ添え』です」
 店員がハニィ・チーズの席へパンケーキの皿を運んでくる。
「わぁ、美味しそう~!」
 厚みのある、ふわふわのパンケーキ2枚に、リンゴや洋梨などの秋のフルーツが添えられ、山盛りのクリームにはリンゴソースがかけられている。見栄えも良くて動画映えもばっちりだ。
「こんなにたくさん果物が載ってるなんて贅沢ですねぇ。それではさっそく、いただきま……」
 と、フォークで食べようとしたところ、
「待てーい!!」
 いきなりテラスに乗り込んできたのは宇宙怪人と化したバエルだ。
「な、なんですかあなたは」
 ハニィも店員たちもびっくりするが、バエルは臆することなくハニィに向けて背中のタンクに繋がったホースを構える。
「いいからお前がパンケーキになるんだよ!!」
緋月・透乃
猟書家の魔の手がきているらしいけれど、いつものキマイラフューチャーっぽい事件だね。怪人主体なのかな?
改造怪人は普通のよりも強いのが定番のはずだから、楽しませて欲しいね!

とりあえず敵に言いたい!
変な色だけどタピオカみたいなものや料理道具であるフライパンを武器にするのはいいのかー!
あんたが邪魔したせいでハニィが食べられなくなっちゃうじゃん!自分が許せない状況を自分で作ってんじゃん!
ってね。
戦闘はもぐもぐ欲張りスプーンで敵の攻撃を弾いたり殴ったりしつつ、チャンスには罷迅滅追昇で打ち上げてからシンカーキャロットでの追撃を狙うよ!
食器を料理に使い、植物の硬さを利用しているだけだよ!



 バエルとハニィが対峙したその瞬間に、緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)はカフェにたどり着いた。
「ここね。猟書家の事件って聞いてやってきたけど……」
 今のところ、それらしき姿は見当たらない。
 いつものキマイラフューチャーのごとく、怪人が事件を起こしているだけにも見えるが、どこかに隠れているのだろうか。
「とりあえず、あんたがバエルね!」
 透乃がバエルとビシっと指差すと、ハニィに向かっていたバエルが顔を向ける。
「なんだ? お前もスイーツにされたいのか!?」
 バエルがフライパンを構えて透乃に向かって突進してくる。
 透乃はフライパンを振り下ろされる寸前に『もぐもぐ欲張りスプーン』を突き出し、フライパンを弾いて攻撃の軌道を逸す。
 攻撃を外したフライパンは地面に激突し、カフェの前の道路に大きな穴が開いた。
「あんたは料理を粗末にする人を恨んでいるみたいだけど、そのタピオカみたいなのとか料理道具とかを武器にするのはいいのかー!」
 透乃が煙を上げるフライパンやバエルの背負ったタピオカを見ながら言う。
「はぁ? これは俺が武器として使うためにわざわざ作ってんだ。だから良いんだよ!」
 痛いところを突かれたはずだが、バエルは気にしていない様子だ。
「でも、あんたが邪魔したせいでハニィはパンケーキを食べられなくなっちゃうんだよ!?」
「それは……」
 今度のは効いたようだ。バエルがハニィの方を見ると、彼女は戸惑った顔で透乃たちとパンケーキを交互に見ている。
 料理を食べたいが、とてもそんな雰囲気ではなくなってしまい困惑しているようだ。
「隙あり!!」
 バエルの一瞬の隙を透乃は見逃さなかった。
 バエルの横っ腹にショルダータックルを命中させ、態勢を崩されたバエルはスプーンで空中に打ち上げられる。
「痛ってえ〜!! お前も料理道具を粗末に使ってるじゃねえか〜!」
 落ちてきたバエルは更に透乃のシンカーキャロットでホームランのように道路に吹っ飛んでいった。
「食器を料理に使い、植物の硬さを利用しているだけだよ!」
 彼女の言葉がバエルに聞こえたかは不明だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

九十九・ゆかな
撮るだけ撮ってほとんど手を付けない人は確かに嫌っすね、気持ちは分かるっすよ。まぁーそれでも襲い掛かってくるなら話は別っすよ。

襲われる直前にハニィちゃんとバエルの間に割り込んで散弾銃を撃ち込ませてもらうよ。
自分が狙われるように挑発しつつ狭い路地に逃げ込みつつ、短機関銃で攻撃を牽制、リモコン爆弾で不意打ち、怯んだら散弾銃でズドン。
相手が飛び道具使ってくるならライオットシールドで防御、フライパンのUCは避けるしかないっすね。……仮に潰されても『戦場の亡霊』で何とかするっす。

ハニィちゃんには…ついて来てもらった方がいいかな、護りながら戦うのは得意だし、何より応援してもらえれば励みになるからね。


リダン・ムグルエギ
今回は動画を撮りに来たわ
コンセプトは
宇宙対決!やべースイーツの攻略法、よ!

へろー、宇宙怪人
アタシは宇宙山羊
今日は貴方の宇宙スイーツ、取り込まれる前に完食しに来たわ!

あ、ハニィちゃん
よければコラボ動画にしない?

このスイーツ素晴らしいわ
量と色はともかく美味ね

対処法:
見ない
味だけを感じられるわ

次に色変味変
チョコ等で食欲増進作用のある催眠模様を描くの
後で絵描き歌で教えまーす

で、量に対抗する究極の奥義が…

こちらコネで呼んだ同僚と
配信に参加者急募テロップを流して
ブームを仕掛けて呼んだヤジキマイラの皆さんよ

必殺「皆でワイワイ分けて食べよう!」よ

どんなお菓子でも
皆で楽しく食べれるなら最高じゃない?
さ、完食よ!



「いてて……今度こそあいつをパンケーキにしてやるからな!」
 一度は道路に転がり出たバエルだが、すぐにカフェに戻ってきた。
 しかし、ハニィと彼の間に九十九・ゆかな(爆破系工兵。・f21098)とリダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)が立ち塞がる。
「へろー、宇宙怪人。アタシは宇宙山羊」
 リダンが軽いノリでバエルに声をかける。どうやら動画を撮っているらしい。
「今回のコンセプトは宇宙対決! やべースイーツの攻略法、よ!」
 そんな中、ゆかなは問答無用でバエルに向かって散弾銃を浴びせる。あわててバエルはフライパンで銃弾を防ぐ。
「また邪魔か。そんなに料理を粗末にするやつらをかばいたいのか?」
 バエルはフライパンを構えたまま二人に問いかける。
 ゆかなは少し考えて、こう答えた。
「撮るだけ撮ってほとんど手を付けない人は確かに嫌っすね、気持ちは分かるっすよ。
 まぁーそれでも襲い掛かってくるなら話は別っすよ」
「ふん、綺麗事を言いおって」
 そう言ってバエルは飛びかかりながらフライパンをゆかなにぶつけようとする。
 ゆかなはライオットシールドを構えながらも素早く攻撃を避ける。
 フライパンによって破壊されたテーブルがパンケーキの形になってしまう。

「俺の攻撃を受けて破壊されたものは、スイーツになるのだ」
 パンケーキの形に破壊されたテーブルは、次の瞬間本物のパンケーキになってしまった。
 巨大で紫色の毒々しい見た目のパンケーキであるが。
「そこの宇宙山羊、このスイーツを攻略できるものならしてみろ! 完食できなかったらお前もパンケーキに取り込まれるがな」
「あ、ハニィちゃん、よければコラボ動画にしない?」
「話を聞けー!」
 バエルの問いかけをスルーして、リダンはハニィに気さくに話しかける。
「は、はい! じゃあ私がスイーツの紹介をして、リダンさんが食べる感じでしょうかねぇ」
「OKOK、そんな感じよ」
 落ち込んでいたハニィの元気が少し戻る。
「考えたら楽しくなってきました。頑張りましょうねぇ」
 とはいえ相手は巨大な毒々しい色のパンケーキだ。リダンとハニィだけでどうやって食べるのか……。

「うん? なんだか急に人が多くなってきたっすね」
 ゆかながいつの間にか、カフェの周りに沢山のキマイラたちが集まっていることに気づく。
「参加者急募テロップを流して集めた皆さんよ」
 リダンがハニィに言う。皆で分けて食べようということらしい。
 集まってきたキマイラたちとリダンがどんどんパンケーキを食べていく。色は全然気にしていないようで、皆美味しいと口々に言う。
「くっ、このままでは完食されてしまう!」
 バエルはリダンたちを邪魔しようとするが、ゆかなはすぐにそれに気づいた。
「そうはさせないっすよ」
 リモコン爆弾をバエルに投げつけ、起動する。ズドンと爆発してバエルはカフェの前方に吹き飛ばされた。
「全く、完食されそうになったら邪魔しようなんて本末転倒なやつっす」

 その間にもパンケーキはどんどん減っていき、ついに完食された。
「最初のとはちょっと違うけど、皆でパンケーキを食べられて嬉しいですねぇ!」
 と、すっかり元気を取り戻したハニィであった。
「そうよ、どんなお菓子でも皆で楽しく食べれるなら最高じゃない?」
 リダンはキマイラたちが色を気にしないよう、食欲増進作用のある催眠模様を描きながら食べていたのだ。
 本人はというと、見ないでパンケーキをどんどん食べていた。
「ハニィちゃん、またバエルが来るかもしれないっすけど、自分たちが守るので安心して配信を続けてください」
 バエルを吹き飛ばしたゆかなが戻ってきてハニィに言う。
「はい、ありがとうございます。皆さんも怪人との戦い頑張ってくださいねぇ」
 ハニィの応援を聞くと、不思議と元気を感じるゆかなたちであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

サージェ・ライト
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、世に潜み…胸が目立ちすぎて潜めないとかそんなことないもん!!(お約束

バエルさんの気持ちもわかりますが
そのタピオカは危険すぎます!(カロリー的に
見逃すわけにはいきません!

【VR忍術】で仕掛けまーす!

フライパンの一撃はかなり危険…ならばこう!
「ていっ、なんとかの錬金術師でよく使われている土壁防御の術!」
いいんです私の場合こーゆーのもありなんです!(押し切る

地面から突出した土壁をフライパンを持つ手にぶつけて
フライパンを吹っ飛ばします
防御といったなアレは嘘です!

その隙をいただきます!
ハリケーンスラッシュカタールでの2回攻撃で仕留めますよー!

※アドリブ連携OK



「うおーっ、こうなったらどいつもこいつもパンケーキにしてやる!!」
 すでにぼろぼろになっているバエルだが、怒りで痛みを忘れているようだ。
「お待ちなさい!」
 駆け出そうとするバエルに声をかけたのはいわゆる女忍者の姿のバーチャルキャラクター。
 サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)である。
「お呼びとあらば参じましょう……!
 私はクノイチ、世に潜み……胸が目立ちすぎて潜めないとかそんなことないもん!!」
 急に年齢相応の口調になるサージェ。どうやら胸のことになるとこうなってしまうようだ。

「邪魔をするな。お前もパンケーキにしてやろうか。それともタピオカが良いか?」
 そう言ってバエルはタピオカのタンクにつながるホースをサージェに向ける。
「バエルさんの気持ちもわかりますが、そのタピオカは危険すぎます!」
 確かに、全部飲んだらカロリー的に相当危険だろう。
「見逃すわけには行きません! メモリセット!」
 一足先にサージェがVR忍術を発動させる。術を発動させることで、彼女は様々な現象を再現し、自身を強化するのだ。
「ふん、叩き潰してやる!」
 バエルがサージェに向かってフライパンの一撃を浴びせようと飛びかかってくる。
「ていっ、なんとかでよく使われている土壁防御の術!」
 サージェが手を叩くと地面から土壁がせり出してきた。
「そんなもの! 土壁ごとパンケーキにしてやるぜ!!」
 しかしバエルはお構いなしに、土壁とサージェをまとめて叩き潰そうとしてくる。

「えーいっ!」
 なんと、サージェは地面から生えた土壁を押してバエルの腕にぶつけた。
「ぐおっ……!?」
「防御といったなアレは嘘です!」
 パンケーキを持つ腕に土壁がぶつかった衝撃で、バエルはフライパンを手放してしまった。
「いただきです!」
 サージェはその隙を見逃さなかった。
 ハリケーンスラッシュカタールを構えてバエルに突進、素早く二回斬りつける。
「卑怯だぞ……っ!」
 斬られたバエルはその場に倒れる。
「これでも忍者ですからね!」
 サージェは胸を張って、自分が忍者であることを誇るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ネリー・マティス
パンケーキ!大好きー!ストイックな食事だけでなく自分へのごほうびも大切なのだ!
というわけでちょっとタイム!ハニィさんと同じのわたしも頼むよ!
ふわっふわパンケーキにたっくさんの果物!いいねいいね!いただきまーす!!
(幸せそうにパンケーキを頬張るネリー)
(痺れを切らしたバエル、UCでネリーを叩き、パンケーキ型に)
あれ?なんだか視界が低い……
……。
そーだった!怪人やっつけなきゃ!
もう一度叩いてきた所を……【グラップル】で受け止め!【怪力】を乗せた【びったんびったん】で叩きのめーす!
誰であろうと、幸せな食事の邪魔はさせない!
(ネリー模様肌色パンケーキに手首足首が生えたマスコットのような姿で決めポーズ)



 怪人が現れて大騒ぎのカフェであったが、キマイラフューチャーでは日常の出来事である。
 バエルが倒れると見るやすぐ客が来て営業が再開していた。
「そこのハニィさんと同じの私も頼むよ!」
 ネリー・マティス(大きな少女・f15923)は元気よく店員に注文する。
 しばらくすると、テーブルには「ふわふわスフレパンケーキ」が運ばれてきた。
「いいねいいね! たまには自分へのごほうびも大切なのだ! というわけでいただきまーす!!」
 ネリーは幸せそうにパンケーキを頬ばる。

「……って、勝手に倒されたことにするな! まだ生きとるわ!!」
 起き上がったバエルが店内に乗り込んできて、客のキマイラたちやネリーに向かって叫ぶ。
 わーっと客や店員たちは店の外に逃げ、勝手に撮影したり配信したり始める。
 そんな中、店に一人だけ残ってパンケーキを食べ続ける者がいた。
 ネリーである。
「ったく、あのハニィとかいうやつはどこへ行ったんだ? こうなったらお前をパンケーキにしてやる!」
「え?」
 と、ネリーが気づいたときにはもうバエルのフライパンが眼前に近づいてきており……。
「あれ? なんだか視界が低い……」
「きゃーっ! 大丈夫ですかぁ!?」
 店内の様子が心配になって戻ってきたハニィが、ネリーの姿を見て叫んだ。
 バエルのフライパンの一撃で、パンケーキの形になってしまったネリーがいたからだ。

「あ、あなたはハニィさん。そーだった! 怪人やっつけなきゃ!」
 ネリーはパンケーキの形になってしまったが、どうやら動くことは問題ないらしい。
 肌色のパンケーキに手首足首が生えたマスコットのような形になっている。
「活きが良いほうがいいパンケーキになるからな。とはいえ、逃げられても困るから今度こそ息の根を止めてやるぜ!」
 バエルはネリーに今度こそとどめを刺そうと、フライパンを再びネリーに叩きつけようとするが……。
「受け止めただと!?」
 ネリーはマスコットのような手足からは考えられないほどの怪力でフライパンを受け止め、そのままバエルごと持ち上げて床面に何度も何度も叩きつけた。
「誰であろうと、幸せな食事の邪魔はさせない!」
 ネリーの手から離れたバエルは何もできず、そのまま床にぐったりと伸びてしまった。
 今度こそ本当に倒れたらしい。
「これでもう安心だよ!」
 ネリーはパンケーキの姿のまま決めポーズをしている。バエルが倒れたのでそのうち元に戻るであろう。
 これでカフェとハニィを脅かす存在はいなくなった。今のところは。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ミズ・ルチレイテッド』

POW   :    インクルージョン・ウェポン
【掌から生成したルチルの弾丸】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    クロックパルス・イベイジョン
【水晶振動子を利用し、完璧なタイミングで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    クリスタライズド・バレット
【10秒間の集中】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【透明化させたルチル弾】で攻撃する。

イラスト:+風

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠椎宮・司です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●その後……
 平和になったカフェでハニィは無事に配信を終え、猟兵たちに礼を言った後帰ることにした。
 ところが、店から一歩出た途端、ぐにゃりと周囲の風景が歪む。
「こ、ここはどこですかぁ!?」
 気がつくと、猟兵とハニィたちは黒い石だけが広がる空間に迷い込んでいた。
「ようこそ、我が『宇宙船団ルチレイテッド』へ!」
 どこからともなくミズ・ルチレイテッドが現れる。
「バエルに連れてくるよう命じてたのですが、上手くいかなかったようですね。ですから、少々手荒な真似になってしまいますがご招待いたしました」
「わ、私を連れてきてどうするんですかぁ……!?」
 ハニィは出口の見えない空間でどうすればいいかわからず、わなわな震えている。
「もちろん、あなたを我が船団の一員にしようということです! そのために宇宙怪人に改造する必要がありますがね! アハハハハ……!」
 広い空間に、ミズ・ルチレイテッドの笑い声が不気味に響く。

■マスターより
 舞台は黒い石に囲まれた広い謎の空間です。宇宙船団ルチレイテッドの漿船の中かもしれませんし、別の本拠地かもしれません。
 分かることは、ミズ・ルチレイテッドを倒さないと元の場所に戻れないということだけです。
 プレイングは11/13(金)8:31 から受付開始します。
 どうぞよろしくお願いいたします。
ネリー・マティス
(まだパンケーキ姿のまま)
改造だってー!?なんてことを!!
(既にパンケーキ怪人っぽい姿)
見知らぬ場所でも、心配することはないよ!目の前の敵をやっつけるのだ!!
歩幅は小さいから、歩きはせずに【ジャンプ】でぴょこぴょこ移動!弾丸を撃ってきたら、空中で体全体を大きくぶん回す感じで【マキ割り斬】!弾丸を両断して防ぐよ!大斧で弾丸を斬るのは、普通に考えれば難しい……でも今回、ちっちゃいパンケーキの姿だから的が小さいんだよ!!弾丸の狙いがわかっていれば斬るのも容易!
近づいて【怪力】をのせた斧での一撃だー!
猟書家をやっつけたパンケーキ!そう呼ばれるのもいいよね!面白くてかわいいもの!これは「映える」よね!!


リダン・ムグルエギ
ふっ、遅かったようね。ミズ
彼女は宇宙怪人より前に宇宙山羊の仲間入りしてしまったわ…
コラボしたし

ともあれ踊りで勝負よ!
え、キマフュの流儀知らないの?

キャバリアに乗りパフォーマンス勝負を仕掛けるわ
説得力を生む催眠模様の入り衣装を着てるし
相手は真面目ちゃんだもの…ネタ勝負でも乗りそう

踊りつつ音楽に合わせてミズへ演出用にボールを投げるの
音に乗ったミズの回避で映えるダンスが撮れるはずよ
それでアタシのコラボ動画は盛り上がり
ミズのガチ攻撃はコードで無効化できるのよ

勝敗?
特にないわよ
だってアタシ、さっきのカロリー消費しつつ
猟書家と踊ってみた動画撮りたかっただけだし…

この隙に誰かだまし討ちしてくれそうじゃない?



「改造だってー!? なんてことを!!」
 ミズ・ルチレイテッドの言葉に驚き声を上げたネリー・マティス。
 しかし、彼女はまだ先ほどの戦いでパンケーキ姿にされたままである。むしろ本人がパンケーキ怪人に見えなくもない。
 一方、動じなかったのはリダン・ムグルエギである。
「ふっ、遅かったようね。ミズ。彼女は宇宙怪人より前に宇宙山羊の仲間入りしてしまったわ……コラボしたし」
 ハニィはまだ不安そうに周りを見ていたが、ネリーはそんな彼女を励ますように声をかける。
「見知らぬ場所でも、心配することはないよ! 目の前の敵をやっつけるのだ!!」
 そして、敵を倒すための準備運動なのか、ぴょこぴょこジャンプを始める。
「み、皆さんならきっと大丈夫ですよね……? 私は何もできないので応援してまぁす!!」
 ハニィは猟兵たちの後ろに急いで隠れる。

「ともあれ踊りで勝負よ!」
「よかろう、勝負を始め……えっ踊り?」
 リダンの言葉が意外すぎたようでルチレイテッドが思わず聞き返す。
「キマフュの流儀知らないの?」
 リダンはそのまま平然とキャバリア『スター・オブ・シェル』を呼び出すと乗り込む。
「何であろうと、全力で勝ってみせよう」
 どこからともなくノリの良い音楽が流れ、リダンが踊り始める。
 ルチレイテッドは最初は慣れない様子だったが、すぐにリダンの動きを見て覚え、リズムに完璧に合わせて踊りこなすようになった。
「案外ノリが良いじゃないの」
「アハハ! 水晶振動子の力を使えばタイミングを合わせることなど訳もないのだよ!」
 と答えつつ、ルチレイテッドは隙だらけに見えるリダンに攻撃しようと手からルチルの弾丸を放った。
 しかし、弾丸はキャバリアに着弾する前に勢いを失ってしまう。
「何だ!?」
「そんなに余裕があるならこれはどう? ほら!」
 今度はリダンが踊りながらルチレイテッドに向かってボールを投げる。
 ルチレイテッドは慌てて踊り続けながらボールを避ける。

「すごいですねぇ、完全にあの人を足止めしてます。この後一体どんな攻撃が……」
 ハニィはリダンの戦いの趨勢を見守っていたが、
「特にないわよ」
 リダンは特に秘策があるわけではなかった。先ほど食べたパンケーキのカロリーを消費しつつ、猟書家と踊ってみた動画を撮りたかっただけなのだ。
「そういうことなら、わたしに任せて!」
 パンケーキ姿のネリーがジャンプしながら言う。
 バトルアックスを抱えたネリーはそのままぴょこぴょことルチレイテッドへ近づいていく。
「何か近づいてきたな。だが無駄だ!」
 ルチレイテッドはネリーに向かって掌から弾丸を放つ。しかし、ボールを避けながらのため少し攻撃が遅くなった。
「見切ったああ!」
 ネリーは空中でジャンプすると、斧を大きくぶん回して弾丸を真っ二つにする。
 斧を弾丸に当てるのは 普通に考えれば難しいが、ルチレイテッドの攻撃がワンテンポ遅れたことと、ネリーが小さくなっているため狙いがわかりやすいという理由であっさり成功したのだ。
 その勢いのままネリーはルチレイテッドに接近して斧で大きく斬りつける。
 ルチレイテッドは斧の攻撃を受けて吹き飛ばされると、踊りを止めて起き上がった。
「くっ……! さすがにちょこまかと動くこいつとボールを一度に相手するのは一苦労だ」
「あら、踊りを止めてはだめじゃない」
 リダンは翻弄されるルチレイテッドの様子を見ながらもまだ踊り続けている。
「猟書家をやっつけたパンケーキ! そう呼ばれるのもいいよね!」
「なるほど、それも『映える』ネタかもしれないわ。配信の内容を変えようかしら」
 ネリーの言葉に、リダンが頷きながら言う。

「どいつもこいつも……まじめに戦え!!」
 ルチレイテッドは怒るが、わざわざキマイラフューチャーまで来て戦うということはこうなることもあり得るわけで……。
 しばらく踊るリダンとパンケーキ姿のネリーに翻弄され続けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

緋月・透乃
でてきたね猟書家!
いきなりこんなところに連れてくるとは、結構できそうな感じだね!
こりゃ戦うのが楽しみだね!
それにしても、なんでこんな凄そうな奴があんな変な奴を利用したのかな……

ハニィには、
さっきの奴みたいに今度の敵も倒すから、私を信じて声をだして応援でもして!黙って震えているよりも不安じゃなくなると思うよ!
とか言っておけばいいかな。

近づいて殴りたいけれどその前に敵の攻撃がきそうだね。
もぐもぐ欲張りスプーンを身を守るように構え、気合いで集中して敵の視線と掌の様子から攻撃を読み、怪力でスプーンを支えて弾丸を防いでいくよ!

近づけたら足等を攻撃して体勢を崩してからの緋迅滅墜衝を狙っていくよ!



「でてきたね猟書家!」
 緋月・透乃はいきなり現れたミズ・ルチレイテッドに向かって呼びかける。
「いきなりこんなところに連れてくるとは、結構できそうな感じだね!」
「ハハハ、そうやって余裕を演出しようとしているのかな。無駄なことだ!」
 ルチレイテッドは掌にルチルの弾丸を出現させると、透乃の方へ向かって発射した。
「透乃さん!!」
 ハニィが叫ぶ。透乃はギリギリのところで攻撃を回避していた。
「大丈夫だよ。さっきの奴みたいに今度の敵も倒すから、私を信じて応援でもして!」
 攻撃を外した弾丸は後方の地面の岩に当たって砕けたが、その岩にもひびが入っている。
 少し危なかったなと思いつつも、透乃はハニィに向かっていつも通りの元気な様子で言う。
「でも……」
「声を出したほうが、黙って震えているよりも不安じゃなくなると思うよ!」
 応援は、応援する相手だけを勇気づけるのではない。時に本人を奮い立たせることもあるのだ。
「わかりました! 頑張ってくださぁい!!」
 ハニィは頷くと、猟兵たちやルチレイテッドから距離を置いて彼女たちの戦いを見守ることにした。

「行くよ……!」
 透乃は接近したいが、先ほどのような弾丸がまた飛んでくる可能性が高い。
 スプーンを盾のように構え、ゆっくりと前進していく。
「そんなもの、簡単に貫いてみせる!」
 ルチレイテッドが先ほどより攻撃力を増した弾丸を透乃へ向かって発射する。
 ところが、スプーンに命中した弾丸は弾かれてしまう。
「なんだと!」
 透乃が驚異の集中力で、弾丸の軌道を見ながら、スプーンの丈夫な部分で軌道をそらすように弾丸を弾いていたのだ。
「今だよ!」
 ルチレイテッドが隙を見せた瞬間、透乃は一気に距離を詰め、スプーンでルチレイテッドの足元を払った。
「必殺の左! 緋迅滅墜衝!!」
 体勢を崩したルチレイテッドに、透乃はすかさず左手の重戦斧【緋月】の大振りな右薙ぎを一気に叩きつける。
「ぐ……いまのは痛かったですね……」
 地面に叩きつけられたルチレイテッドは起き上がりながら余裕そうに言うが、その額には大きくひびが入っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サージェ・ライト
そこまでです!(しゅたっとどこからともなくクノイチ参上)
ちょっと強引ですが手荒な真似をしていないところが
ポイント高めな幹部さん!
なかなかに紳士的……ごめん、女の子でした……
ともかく見逃すわけにいきません!
ハニィさんは返してもらいますよ

ハリケーンスラッシュカタールを構えて戦闘態勢
さて、真面目にいっきまーす!

ダッシュで接近しながら残像を生み出してかく乱
ルチルの弾丸をかわしましょう
それでも直撃しそうな弾丸はカタールで受けて弾き飛ばします

間合いに入ったら2回攻撃の連打による
カタールでの連打突きで態勢を崩し
【乾坤一擲】で決めに行きますよ!
「この一撃に勝負を賭けて! いざ、参ります!」

※アドリブ連携OK



「そろそろお遊びはおしまいにしようか。さあ、来なさい。宇宙怪人にしてあげよう……」
 ルチレイテッドがハニィの方へ近づいていく。
「そこまでです!」
 その時、どこからともなく声がした。
「ちょっと強引ですが、あくまで相手の行動を促すところはポイント高めかもしれませんね」
 現れたのは女忍者、サージェ・ライトであった。
「あれ、よくみると女の子でした……紳士的な方だと思っていたのですが」
 サージェはルチレイテッドを近くで見て目を丸くしている。
「どちらであろうと、お前たちはここで死ぬのだから無意味なことだ!」
 すかさず掌からルチルの弾丸をサージェに向かって放つルチレイテッド。

「さて、真面目にいっきまーす!」
 戦闘態勢に入ったサージェは、ハリケーンスラッシュカタールを構えてダッシュする。
 飛んできたルチルの弾丸が当たったように思えたが、次の瞬間彼女の姿はかき消え、別の場所に出現する。高速移動により現れた残像だった。
「素早いな、だが数を増やせばどうだ?」
 ルチレイテッドは今度は複数の弾丸を同時に発射し、サージェを狙う。
「危ない!」
 サージェはカタールを手前に出して弾丸を弾き、そのままルチレイテッドへ接近し、斬りつけた。
「こんなものっ……!」
 ルチレイテッドはカタールの攻撃を手で受け止める。身体がルチルで出来ているためできる芸当だ。
 その力は強く、サージェは力で押し返されそうになる。
「サージェさん!」
 遠くで戦いを見守っていたハニィが心配そうに声をかける。
「大丈夫、ハニィさんは必ず守りますよ!」
 サージェはハニィにそう言うと、自らの能力を開放する。
「この一撃に勝負を賭けて! いざ、参ります!」
 ルチレイテッドの手を弾き飛ばし、大きく飛び上がったサージェはそのまま垂直にカタールを相手の腕に振り下ろした。
「ぐはっ……!」
 ルチレイテッドの左腕にひびが入り、大きく砕け散った。

成功 🔵​🔵​🔴​

九十九・ゆかな
さてと……さっきの戦闘じゃ消化不足だったし、真剣に暴れさせてもらおうか。
あー…ハニィには私の盾を貸しておくよ。その後ろなら流れ弾程度は防げる。ついでに撮影でもしてくれりゃ万々歳だ。機材が無けりゃスマホも貸すか。

初手でグレネードを足元に放りなげて、その爆発を避けたところに散弾銃を構えて、二発撃つ。一発目はスラッグ、二発目は散弾。
三発目以降は全部炸薬スラッグ弾、人を吹っ飛ばすくらいの威力はあるからな?必死に避けなよ?
隙を見せたら短機関銃を乱れ撃つ、リモコン爆弾を仕掛け点火する等で追撃だ。

『技巧:銃撃領域』のタイミングは敵の本気の攻撃まで取っておく。
その弾丸ごと、君を撃ち抜かせてもらおうか!



「そろそろ頃合いっすね」
 九十九・ゆかなはルチレイテッドにとどめを刺そうと動き始める。
 ハニィは少し心配そうだったが、ゆかなたちの戦いを見守ることにした。
「ゆかなさん、皆さんのおかげでさっきの配信は無事に成功しました。今度は皆さんを応援しますよ!」
「ああ、ハニィは私の盾に隠れておくといいっすよ」
 ゆかなが持っていた盾をハニィに貸す。
「さてと、今度こそ真剣に暴れさせてもらおうか」
 ゆかなが前に出る。
「その割に余裕そうじゃないか。油断すると痛い目にあうぞ!」
 ルチレイテッドがゆかなに右手を向けてルチルの弾丸を放つ。
 ゆかなは弾丸を避けながらグレネードを彼女の足元に放り投げる。爆発が起きるが、ルチレイテッドに命中した様子はない。しかしゆかなは彼女が避けるのは織り込み済みだった。
 爆風が消える前に彼女が避けたであろう地点に向かって散弾銃を二発放つ。
 さらに炸薬スラッグ弾を発射する。

「動きに無駄がなく、ある意味美しさすらありますね」
 それらを驚異的な速度で避けながら、ルチレイテッドは小さく呟いた。
 相手の動きに感心したためだろうか、そのとき彼女の動きがほんの少しだけ遅れる。
「少しテンポが遅れたね」
 ゆかなは相手の隙を見逃さなかった。さらに短機関銃で追い打ちをかける。
「ぐっ……これでどうだ!」
 ルチレイテッドは弾丸を一度に何発も周囲に放ち、機関銃の弾にぶつけて軽減を試みた。
「そこだ!!」
 大量の弾丸を放つためのほんの僅かな時間、動きが止まったルチレイテッドに狙いをつける。
 ゆかなの放つ銃撃が、ルチレイテッドに全て命中した。

 弾丸ごと撃ち抜かれたルチレイテッドは、言葉も発せず地面に倒れ、バラバラに砕け散った。
 それと同時に周囲の風景が再び歪み、もとの店の前に戻ってきていた。
「わぁあ、戻ってこれました〜!!」
 泣きそうな顔をしたハニィがゆかなたち猟兵に駆け寄る。
「あー、もうこれで大丈夫っすね。よかったっす」
「皆さん無事で良かったです。ゆかなさん、これありがとうございました」
 借りていた盾を返すハニィ。
 砕けたように見えたルチレイテッドであるが、戻ってきた場所にはその姿を見つけることは出来なかった。
 猟書家は強大で謎の多い敵であるが、ともあれ今回もキマイラフューチャーの平和は守られたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月17日
宿敵 『ミズ・ルチレイテッド』 を撃破!


挿絵イラスト