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そろそろバレンタインイベントですね

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●当たると嬉しいよね!
『ヤベェ、最初の10連で最高レア5枚とか神ゲーwww』
『イラストもマジいいし、こんな神ゲームにもっと早く出会いたかった』
『そろそろバレンタインイベ始まるぞ!みんな、今やろうぜ!ちなみに今日の単発、また最高レア(笑)』

 キマイラフューチャーで流行りのソーシャル・ネットワーキング・サービスには、今日もそんな投稿が溢れている。そのどれもが最高レアリティの獲得結果だ。
 つい最近、とある街に在る会社がサービスの運営を開始した所、爆発的にヒットしたらしい。何と言っても、目玉は最高レアリティのキャラクターの排出率である。他社のゲームとは比べものにならない程の……否、寧ろ最高レアリティの排出率が一番高いという不思議設定。いやいや、嘘だろ。
 しかし、そんな冗談の様な設定が有り得るのだ。何故なら……。
「ふひひ、いいぞ……!今の内に甘い汁を啜っていればいい、バレンタインイベント開始と同時に搾り取ってやるからな……!」
 この男、ハートブレイク・チョコレート怪人こそが運営だったのだ!

●現実はほろ苦い
「運営が怪人だったとか、マジかよ……」
 グリモア猟兵にして一人のゲーマーでもある十朱・幸也(鏡映し・f13277)は深々と溜息を吐く。
 最高レアリティキャラばかりが当たる、というのは性能厨である彼にとっても夢の様な話だったのかもしれない。現実は無常である。
「という訳で。バレンタインイベント(ゲーム)で家賃以上の課金をしても推しが出なかった怨念に塗れたハートブレイク・チョコレート怪人を倒してほしい。このままだとキマイラフューチャー中にこのゲームが流行り、バレンタインイベント(ゲーム)で大量の爆死者が出る」
 爆死ってなーに?ソーシャルゲーム事情に詳しくない一部猟兵の純粋な眼差しが十朱に刺さる。
「ああ、うん……人々の生活に支障が出る、マジヤバいで察してくれ……」
 何処か遠い目をしながら、とてもざっくりな説明。深く聞いてはいけない、気がする。
「今回の怪人の詳しい居場所は分からないが……バレンタインイベント(ゲーム)前にプレイヤー離れの兆候を見せれば、勝手に怪人の方から出てくるだろうな」
 まずはプレイヤー達に現実を突き付ける事が重要だ、と続ける。
 怪人がとある街に居るのは分かっているので、其処に住む人々……特にスマートフォンに夢中になっている人々に対して、各々の方法で現実を見せてやってほしい。
「ああ、本命のボス以外にも手下の怪人がいるかもしれないから注意しておきな。まずはコイツらを倒してから……って、ありそうだし」
 一仕事を終えたと言いたげな顔をしてから十朱は椅子に座り、自分のスマートフォンを取り出す。慣れた手つきで操作し、ぽちっとタップ。
「……歪な夢を見せる怪人に教えてやってくれ、現実はこんなモンだってな」
 自身のスマートフォンの画面を見せながら、猟兵達を応援する。尚、ガチャの結果画面だったのだが……結果はお察し、だったそうな。


ろここ。
●御挨拶
 皆様、初めまして。新人マスターの『ろここ。』です。
 初シナリオとなりますが、皆様に楽しんでもらえる様に努めます。
 何卒、宜しくお願い致します。

 一本目はギャグテイストのシナリオです、大事な事ですがネタ依頼です。ガチャ怖いね。
 大量の爆死者を出さない為、皆様の力で怪人の野望を阻止しましょう!
 それでは皆様の素敵なプレイングを、幸也共々お待ちしております。
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第1章 冒険 『良い文明? 悪い文明?』

POW   :    ガチャは悪い文明! 俺のこの下ない大爆死を見れば考えを改めるだろう。

SPD   :    人はガチャのみに生きるにあらず、バトルやストーリー、考察も楽しんでこそです。

WIZ   :    どうも運営にガチャ結果が操作されているようですね、突き止めれば皆アンチと化すでしょう。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

筒石・トオル
【WIZ】
推しほど来ない物だよね。それが運なら「物欲センサー強すぎ!」諦めがつくけど、あまりに偏る結果だと不信感を抱くよね。そこを突こう。
【情報収集】【第六感】を駆使して調べて見るよ。ネットでは出現率の考察してる人も居るだろうし、出た出ないの発言はそこら中に散らばってるからね。それらの情報を集めて精査すれば、不審な点は見つかると思うんだ。
廃課金勢ほど出難い仕様とかね。貢いだ金額程、種明かしをした際にアンチに回ってくれるはず。
「僕の目が本気?……別に。不正が許せないだけだよ」



●不正の証拠
 現地に到着した筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)は、まず落ち着ける場所を探し歩いていた。
 ……推しほど来ない物。それが運ならば物欲センサーの強さ故とも思えるが、あまりに偏りが酷ければ不信感を抱く可能性もある。最高レアリティの排出率が一番高い設定ではレアケースかもしれないが……彼の第六感は告げるのだ。このゲームには必ず裏が在る、と。
「この辺りでいい、かな」
 人気の無い静かな場所に設置されたベンチに腰掛けて、インターネットで検索を開始する。数多の情報を精査する、眼鏡越しの彼の目は真剣そのものだ。
「(……別に。不正が許せないだけだよ)」
 内心、言い聞かせる様に呟きながらも調査の手は止まらない。
 一通り集めた情報から、彼は最高レアリティ排出の報告は一日の中の限られた時間に集中している事に気付いた。それも集中するタイミングにはある程度のパターンがあるらしい。やはり、不正は確かにあったのだ。
 早速、彼は知り得た情報を分かり易く纏め始める。程なくして、不正の事実はインターネット上に流布されるだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

木槻・莉奈
うーん…最高レアリティが一番排出率が高いって…それもうレアじゃないんじゃない?

WIZ選択

ここはキマイラフューチャーだもの、人気ゲームなら動画を上げてる人も多いはず
ガチャ結果を撮ってる動画を探して、操作してる証拠になりそうな動画を抜粋
その動画の紹介動画でも流しましょうか

顔どころか撮ってる場所が分かるように周囲も映り込むように
猟兵である事も明かして、猟兵である事を疑われそうならリオン(ライオンライドのライオンの名前)も呼んで一緒に映ってもらうわ

タイトルはそうね…人気ゲームの闇に迫る!とかでどうかしら?
面白いゲームだって教えてもらったのに、皆が騙されてるなんて許せない!ってのを前面に出しておきましょ


鈴木・志乃
皆が攻めなさそうな方面から行くよ

【SPD】

やっぱりゲームには燃えるBGMが付き物だよ
というわけで、ネットに溢れるゲームの神曲をアレンジ又はリミックスして動画化する
懐かしい物から知られざる名作までピックアップだ!【コミュ力】
ガチャよりBGMの中毒性の方が、あたしは強いと思うね!

仕事、勉強に作業用の日情系BGM
牧歌的な世界のRPGやスマホゲームの錬金術音楽とか良いよね?

やる気を出す為のボス戦やギルドバトルBGM
皆と戦ったあの激戦を思い出せ

エンディングBGMってズルいよね
浄化される感じがするの
涙出てくるよね

睡眠用オルゴールアレンジ
就寝用ピアノアレンジ
ヒーリングリミックスでお休みまでサポート

洗脳開始だ



●ライオンを連れた姫降臨(コメント抜粋)
 インターネット上での情報伝達速度は凄まじい。
 不正の事実に衝撃を受けた人々が次に目にしたのは、ある二つの動画だ。

 まずは一つ目。木槻・莉奈(シュバルツ カッツェ・f04394)による物、タイトルは『人気ゲームの闇に迫る!』というシンプルながらも視聴者目線で意図が読み取り易い内容だ。
 動画内で真剣な表情を浮かべる彼女の傍らには巨躯のライオン――リオンも共に。木槻自身の言葉もあり、視聴者は彼女が猟兵という事実に疑念を抱く事は無かった。
「私もこのゲームが面白いって、知人に勧めてもらったのだけれど……」
 木槻の言葉に続いて流れるのは、明らかに排出率が操作されていると思われるガチャ動画の数々だ。引いた日は違えど、同じ時間帯に引いている筈だが出方に差があるのは明白。動画の投稿者に協力を要請して、その一部を抜粋して流していると彼女は説明を加えた。
 ……怪人に不都合な動画は消された可能性もある。それでも数多くの動画から少数派を探し出す事が出来たのは、彼女の努力の賜物か。
「皆が騙されてるなんて許せない!どうか、この事実を多くの人に伝えて下さい」
 お願いします、と木槻が続ければ同意する様にリオンも鳴く。
 動画のコメント内では心強い言葉と同時に、彼女を讃える声もあったそうな。

●音楽の力
 二つ目は鈴木・志乃(ブラック・f12101)による神曲集だ。
「(ガチャよりBGMの中毒性の方が、あたしは強いと思うね)」
 キマイラフューチャーの世界を守りたい、第二の故郷を壊されたくない。
 鈴木の強い思いによって作られたBGM集は会心の出来と言っても過言ではない。昔懐かしい物から知られざる名作まで、その中で選んだ神曲が彼女の手でアレンジ、或いはリミックスされている。
 ――洗脳開始だ。彼女の声無き声が、始まりの合図。

 RPGの始まりを連想させる様な、ほのぼのとした日常系BGMが続き……不意に激しくなる戦闘。それもボス戦、ギルドバトルと言った特に盛り上がるBGMの数々に視聴者達は夢中になり始める。そして激戦を潜り抜け、辿り着いたエンディング……時に喜び、時に仲間と別れ、時に決断を迫られる。音楽が以前プレイしたゲームを思い出させたのか、涙している様なコメントが散見された。
 ……最後の癒しと安らぎのオルゴール、ピアノアレンジは彼らの心に沁み渡っただろう。
『すげぇ、感動した』
『ゲームって、ガチャやイラストだけじゃねぇよな……思い出したわ』
 動画内に流れるコメントの数々を見て、鈴木はグッとガッツポーズをした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

辰神・シエル
【POW】にて行動
「いや…お前らさ、最高レアリティがポンポン出るとか行ってるけどよ…
オレのこのガチャ運見ても言えるか!?」
と言いながら爆死したゲームのスクリーンショットを見せる。同時に事前にガチャ爆死動画をとって編集したやつを流す。
明らかに出てないんだけどよォ!どう落とし前つけてくれんだ?あぁ!?とか最後に言い放った動画を!ネットの海に流す!
ガチャは悪い文明なんだよ。明らかに操作入ってるだろこれ…と、この日のために入れたゲームをついでに削除もしとく。
リアルマネーがどれくらいかかったかは聞くなよ!



●財布の中身にクリティカル?
 猟兵達の活躍により、確実にプレイヤーは減少し始めている。
 そんな中、新たに他の猟兵による動画が投稿されたとの噂が広まっていた。
「お前らさ、最高レアがポンポン出るとか言ってるけどよ……オレのこのガチャ運見ても言えるか!?」
 動画冒頭から聞こえる喧嘩腰の声は、辰神・シエル(ペネトレイトアロー・f02627)のもの。明らかに荒れていると判る声にコメントでは様々な反応が見受けられたが、それでも動画は続く。
 ガチャを回し始めるが、最高レアリティは出ない。回す、出ない。また回す、だが出ない。繰り返す内に回せなくなるが、即座に課金して再び回す。
 ……どれだけ繰り返したのか。最初は揶揄する様なコメントばかりだったのに、爆死街道まっしぐらな辰神を止める声が増えていて。
「オイオイオイ……明らかに出てないんだけどよォ!どう落とし前つけてくれんだ?あぁ!?」
 宵越しの銭は持たない、と言わんばかりに単発で回し終えた所で彼は叫ぶ。
 動画の最後には運営を非難するもの、ゲーム離れを宣言する声で溢れていた。

 己が投稿した動画を確認し、ニヤリと笑う。
 そのままゲームをアンインストールしながら、彼は思うのだ。
 財布の中身が冷え切ろうが、反省も後悔もない。だが……やっぱ、ガチャは悪い文明なんだよ、と。

成功 🔵​🔵​🔴​

綿津見神・禮
【POW】
ガチャはわるい文明です。
ガチャはわるい文明なんです……!

高レアリティ?なにを言ってるんですか!
わたしが欲しかったのこの強そうなのじゃないです!
この、低レアリティのとってもかわいいおさかな(キャラクター)が全然でないじゃないですかぁ!

わたしはゲームで勝ちたいんじゃなく、ゲームを楽しみたかったんです!
かわいいキャラクターを集めて、弱くても育てて戦っていく、
それも楽しみ方の一つじゃないですか!
こんなの、あんまりですよ…
やっぱりガチャはわるい文明、滅ぶべきものだったんです。

もういいです、そっとアンインストールします…。
…滅ぼしに、行きましょう。



●好きな子を愛でたいのに!
『なぁ、お前猟兵の動画見た?』
『見たわー。でも高レア強いし、今のままでも楽だし良くね?』
 コンビニのホットスナックを食べながら、男子学生のグループが公園でたむろっている。皆、これまでの情報や動画を見た上で怪人のゲームを楽しんでいる様だ。
 ……しかし、其処に現れる。俯いた人魚が宙を泳ぐ。
「……なんです」
 顔を上げた人魚、綿津見神・禮(黒鱗の人魚・f07619)は憤慨していた。
「高レアリティ?なにを言ってるんですか!」
 あまりの勢いに男子学生達は、更には偶々その場にいた者達も全員目を丸くしている。無意識にヒレ耳が動く程の彼女の激情に驚きを隠せなかった。
「わたしが欲しかったの、この強そうなのじゃないです!この、低レアリティのとってもかわいいおさかなさんが全然でないじゃないですかぁ!」
 キャラクター一覧画面を学生達に見せながら、綿津見神は畳み掛ける。
 高レアリティの排出率が高くなれば、自ずと低レアリティの排出率は下がる。恐らく、彼女は怪人の設定した高レアリティが多く出る時間帯に回してしまったのだろう。
 低レアリティでもかわいいキャラクターを集め、育てる楽しみ方を奪われた。周囲の視線も相まってか、彼女の嘆きに男子学生達は思わず謝罪。その上、育てる楽しみもあるよな、と同意し始めた。
「やっぱりガチャはわるい文明、滅ぶべきものだったんです。……滅ぼしに、行きましょう」
 ゲームをアンインストールしながら、打倒ガチャ……ではなく、怪人への決意をぽつりと言葉にする。……怪人に対するもの、の筈だ。多分。
 その場に残った男子学生達も低レアリティで勝つのも楽しいよな、と同様にアンインストールしたそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『大頭頭ズ』

POW   :    x形拳
【様々な生物や機械、自然現象等を模した拳法】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    i極拳
【健康体操のようにも見える連続した攻撃動作】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    n卦掌
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【大地の中を走る気の流れの噴出点(龍穴)】から排出する。失敗すると被害は2倍。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●怪人の誤算
「何故だ……!何故、離れる!そりゃあ出過ぎも飽きるし、ちょっとしたお遊び込みの仕様にしたが……時間帯ちゃんと調べれば、高レアリティ祭なんだぞ!?皆の夢だろ!?」
 自分で墓穴を掘っている様な気がしないでもないが、怪人は今の流れに危機感を感じ始めていた。
 怪人の排出率の操作を利用した猟兵達の行動によって、プレイヤーの数は急激に減少をしている。慌てて火消しを試みるも遅く、ソーシャル・ネットワーキング・サービスや動画のコメントは運営への非難やゲーム引退を意味するものばかり。
「くそう、バレンタインイベントまでもう少しなのに……!大頭頭ズ達よ、今すぐ猟兵達をなんとかしてこい!俺は火消しに忙しい!」
 無茶ぶりにも文句一つ零さず、嫌でも目立つ大きな頭の被り物を着けた男女――大頭頭ズ達は市街地へと向かい始める。
 ……狙うは猟兵、命令を忠実に遂行すべく歩みを進めた。
筒石・トオル
【POW】
手下に戦わせている間に火消しか…なら時間はあまり掛けられないね。
攻撃重視の拳法っぽいんで、UCで炎の魔力で防御力を上げておこうかな。模すのが生物系であれば火は苦手かなってのと、簡単に火消しはさせないぞって気持ちを込めて。
念の為【オーラ防御】もしておくけど、攻撃を好んで受けるつもりはないんで、【第六感】【見切り】【フェイント】などで攻撃をかわし、焦って攻撃してきた所をルーンソードで【武器受け】、隙を見て斬り付けるよ。

※覚醒時は瞳が金色に。別人格が出る為、言葉遣いも性格も荒くなります。
「ハッ、怪人の前にてめーらで爆死のウサ晴らしでもさせて貰おうか!?」



●迅速に、且つ冷静に
「手下に戦わせている間に火消し、か……」
 筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)は探し歩く。
 あの場に残り、敵の襲撃方向から怪人の居場所を予測する事も可能ではあっただろう。だが、あまり時間は掛けられないと判断したのか、逆に自分から敵を探す事にしたのだ。
 ……そして、その時は訪れる。
 気配を隠すつもりが無いのか、大頭頭ズの内の一体が筒石の前に姿を現した。其れは何も語らず、被り物がある故に表情は見られず。殺意のままに行動する。
「発動」
 ――短く告げる。選択するは炎。
 燃え盛る魔力は筒石の力となり、また防御力を向上させる。
「簡単に火消しはさせない……って、聞こえてないよね」
 溜息を吐く間にも、大頭頭ズは果敢に攻撃を仕掛ける。怪人の影響を受けているのかゲーム機を模した拳法を用いて、命中率を上昇。避ける間もない早業を繰り出す。
 情報精査にも利用した第六感を含む複数の技能を駆使して、避けようとするが……相手の命中率向上は効果があったらしい、数撃受けてしまう。それでも、防御技能もあったからか、然程のダメージでは無かった様だ。
「……そろそろ、終わらせようか」
 無いとは思うが、時間稼ぎの為に動かれても困る。
 ……だが、覚醒する必要もない。先程までの攻防で大頭頭ズの力量を大まかに把握出来たのか、筒石はルーンソードを構える。
 言葉も無く、再び大頭頭ズが接近。次こそはとゲーム機を模した拳法で、少年の胸の中心を穿とうとして……逸れる。逸らされた。筒石はルーンソードで敵の攻撃を受けた上で流し、そのまま横一文字に斬り付ける。
 崩れた体勢では避ける間もなく、大頭頭ズはその場に崩れ落ち……消えていった。
 次は漸く怪人のお出まし、だろうか。
 眼鏡の位置を直しながら、筒石は武器をしまってからまた街を歩き始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

綿津見神・禮
【POW】
オブリビオン…!やっぱりガチャはわるい文明です!滅ぼしてしまわないと…。
【溟海の加護】を使用して。星の指揮刀に水の魔力を纏わせて攻撃を…
え?x形拳?…な、なんですか!そのおさかなみたいな動きは!
おさかなさんを逃したわたしへの当てつけですか!?おのれ…!

【フェイント】で間合いを狂わせて、【残像】で敵の攻撃を回避し【カウンター】、後の先を取ります。
そのふざけた”たーとうとう”、斬り捨ててくれましょう!

ところで中身が気になります。普通に顔があるんでしょうか?



●人魚騎士はお怒りなのです!
 憤慨した気持ちはまだ収まらない。
 空中を泳いで進む綿津見神・禮(黒鱗の人魚・f07619)の前に、早速現れたのは一体の大頭頭ズだ。
「オブリビオン……!」
 其れは悪い文明であるガチャへの怒りか、大頭頭ズを視認して直ぐに彼女はやる気満々な様子を見せる。滅ぼしてしまわないと……と続いた気がするが、やる気がある事はきっと良い事だ。
 大頭頭ズも標的である猟兵を確認した直後、即座にx形拳の構えを取る。
「溟海の歌声、海原の加護を、ここに……」
 星の指揮刀を横に、空いている方の手を刃に添えて。溢れる水の魔力は呼び寄せられる様に、彩る様に指揮刀へと。
 ……強化を終える前に、先手を取らねばなるまい。大頭頭ズはゆらゆらと、水中を揺蕩う魚の如き動きで綿津見神を翻弄しようと試みる。
「な、なんですか!そのおさかなみたいな動きは!」
 ガチャでおさかなさんを逃した、自分への当てつけだろうか。
 真実は不明だが、そう考えると益々怒りが湧いてくる。相手の攻撃は強化されているのか防いではいるものの一撃一撃が重い。……だが、当たらなければ意味が無い。
「――っ!?」
「甘い、です……!」
 渾身の回し蹴りは確かに、綿津見神を捉えた。少なくとも大頭頭ズにはそう感じられた。
 だが、実際の彼女は少し後方……星の指揮刀を地面に対して水平の状態で、腕を引いて構えている。蹴り飛ばした筈の標的は残像だったのか。消える其れに気付いた時には、もう手遅れだった。
「そのふざけた『たーとうとう』、斬り捨ててくれましょう!」
 溟海の加護がのった刺突は速く、的確に大頭頭ズの頭の被り物を貫通する。
 ぐっと力を込めて、そのまま横薙ぎに振るえば激しく損傷した被り物がごろん、と地面を転がっていく。中身の怪人には普通に顔があった事は判ったが、表情を見る間はなく……被り物と共に消失していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鈴木・志乃
時間帯で排出率変わるとか
どう考えても不利益被る人いるよね?
イベ前に潰せてほんと良かったよ

【戦闘】

【目立たない】格好で死角から急接近を図るよ
一撃食らってもいいから代わりにUCぶちかます
必要なら言葉で煽って【誘惑】も厭わない
出来れば重ねがけしたいからね

一、戦闘において拳法を使わない
二、戦闘で蹴り技を禁ず
これでリーチは潰せるはず

極力縦横無尽に飛び回って、敵を混乱させたいな
敵の動きに耳を澄まし、攻撃を【見切り】【第六感】と共にかわす
厳しいときは【オーラ防御】
正面からの攻撃は毒を塗った光の鎖で【武器受け】して【カウンター】狙ってくよ【毒使い】
もしくはマイクで全力シャウトして【衝撃波】だな



●女神に反する者の末路は
「(イベ前に潰せてほんと良かったよ、本当に)」
 ふと一息を吐く鈴木・志乃(ブラック・f12101)の視線の先には、一体の大頭頭ズの姿だ。周囲を見渡しながら歩いている様子から、まだ気付かれていないと彼女は判ずる。目立たない格好が功を奏したらしい。
 どう考えても不利益を被る人が出る様な怪人の暴挙を、これ以上見過ごす訳にいかない。
「――っ!?」
 大頭頭ズが裏通りに背を向けた直後、嫌な予感に振り向くが遅い。
 既に至近距離に迫っていた彼女の攻撃を避ける間は無い。ならば、掌底を叩き込むまで。敵が攻撃姿勢を取っているのは理解していたが、それでも彼女は己の攻撃を優先する。光の鎖に、聖者のオーラを重ねて……全力でぶつける!
「これ以上の狼藉は許されません!」
 其れは彼女の強い意思が込められた、言の葉。
 抗う事は許されない、女神の法律。戦闘において拳法の使用を禁ずる。
 それでも怪人の命令を優先とする大頭頭ズは止まらない、鈴木の腹部に掌底を打ち込み……直後、硬直。彼女をよろめかせる事に成功したが、女神は其れを許さなかったのだ。
「どうしたの、まさか……怖気付きました?」
 ノーダメージとはいかなかったが、問題ない。首尾は上々、後は予定通りに動くだけ。隙あらば、女神の法律をまた告げてやる。
 鈴木の不敵な笑みを見て、今度こそと大頭頭ズは構えを変え始めた。夏の猛暑を模した拳法。猟兵を容赦なく燃やし、苦しめる為に。内側から発する痛みに耐え続けながら、彼女に肉薄しようと迫る。
「遅いッ!」
 敵の足音、衣擦れの音、集中して耳を澄ます。
 己の直感も活かせば、敵の攻撃を避ける事は容易であった。
「……先程、ちゃんと言いましたよ」
 これ以上の狼藉は許されません、と。
 キマイラフューチャーの世界を壊そうとする者に、これ以上の猶予など無い。
 己を蝕み続ける女神の裁きに耐え切れず、大頭頭ズは地に伏して……そして、消えていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

木槻・莉奈
探す手間が省けたわ、そっちから出てきてくれてありがとう?
まぁ、だからって加減してあげるつもりはないんだけど

【POW】選択

『高速詠唱』『全力魔法』で【トリニティ・エンハンス】使用
選ぶのは炎の魔力、攻撃力あげてくわね
『属性攻撃』で炎の属性も付与して底上げを、『2回攻撃』『先制攻撃』『範囲攻撃』で極力多くの敵を倒せるように行動
回避は『見切り』、一般の人が巻き込まれそうなら『挑発』『おびき寄せ』や『かばう』で此方に引きつけ
ダメージ受けた場合は『生命力吸収』も使用

動物達なら実際の動きを知ってるし、自然現象は魔法の領分、機械は学園にも多いからどれもこれも知識はあるわよ?
それで私に勝とうなんて…甘いわ



●苛烈なる猛炎
 この個体のみならず、大頭頭ズ達は焦り始めていた。
 一人だけではなく、複数人と連絡が取れなくなっているのだ。その人数は時間が経つ毎に一人、また一人と増えている。猟兵達と交戦しているのか、或いは……その上で倒されたのか。
 それでも怪人の命令は絶対、と街中を駆ける。猟兵を探し出そうとする。
 ……漸く立ち止まった時に相対したのは、黒髪の少女。
「探す手間が省けたわ、そっちから出てきてくれてありがとう?」
 不敵な笑みを浮かべて、木槻・莉奈(シュバルツ カッツェ・f04394)は凛と告げる。敵を目にしても堂々とした振る舞いの彼女は、さながら女武士の様で。
 思わず大頭頭ズが一歩下がるも、即座に拳法の構えと取ろうとする。
「その心意気は認める、けど……甘いわ」
 速く、強く、燃え盛る炎の勢いを力に。
 トリニティ・エンハンスによる魔力、更に炎属性の魔力を重ねていく。
 対して敵は少しでも優位を取ろうとしたのか、流水を連想させる拳法で木槻に襲い掛かる。流れる様な拳と蹴りの連撃を全て見切るのは難しく、幾つかの攻撃を受けてしまうが……問題ない、と彼女は判断する。隙を見て、大頭頭ズから生命力を奪い取り、自己回復に充てていたからだ。
「……水かしら。炎に対抗する為だとしたら、単純ね」
 アルダワ魔法学園、マジックナイト、そして……ビーストマスター。
 経験による知識から推察した事柄を木槻は言葉にする。その様子から余裕を感じ取られ、僅かに大頭頭ズが後退した。
「水が蒸発する事もあるって、知ってた?」
 知らなかったとしても、加減してあげるつもりはない。
 木槻は炎属性の魔力を帯びたルーンソードで、擦れ違う瞬間に一閃。止めに、と逆袈裟斬りによる追撃。
 苛烈な一撃は傷口から延焼、瞬く間に大頭頭ズの全身を焼き尽くし……灰となって消えていく。周囲に他の個体がいない事をしっかりと確認した後、彼女はふと一息を吐いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

綿津見神・禮
「さっきと同じ…!?まだいるんですか……!?」
バレンタインまでもうあまり時間がありません。早めに始末する必要があります
「そこを退きなさい、さもなくば。」
右手で星に指揮刀を構え、【フェイント】、敵の攻撃を誘います。
【残像】を纏って回り込み、左手で【波濤の幻想】を使用。
「喰らえ!」
その体を喰らいます。

ガチャと言う悪しき文明に魅入られしものよ、安らかに眠りなさい。
「お前たちが逝っても、おさかなさんは戻らない…。」
このような悲しみを無辜の民に与えるわけにはいきません。
悪しき文明は、滅ぼさなければ…!
元凶の元へ、急ぎましょう……。



●終局、そして元凶へ
「さっきと同じ……まだ、いるんですか!?」
 何処か慌てている様子の大頭頭ズの姿を見て、綿津見神・禮(黒鱗の人魚・f07619)は即座に右手で星の指揮刀を構える。
 バレンタインイベントは、フライング気味に始まるものだが……怪人一人では火消し対応に精一杯なのだろう。少なくとも周囲の人々の様子から、彼女はその様に判断した。
 其の事実は勿論、目の前の大頭頭ズも理解している。早く猟兵達を片付け、己の主の元へ向かわなければならない。準備運動と見せかけて……一気に距離を詰め、倒す。綿津見神に向かう速度は凄まじく、そのまま連続攻撃を……!
「退く気は無い、みたいですね」
 人魚の騎士は美しく、自然にも見える動作であっさり避けた上、敵の背面へ。
 構えているだけに見せていたのはわざと、だ。焦りは隙を生みやすい、追い詰められている状況ならば尚更。大頭頭ズが其れに気付いた時には遅く、i極拳はまだ止まらない。
「エーギルのあぎと、ラーンの網。海の恐怖をここに」
 左手を敵に向けて突き出し、集中。顕現せしは海の恐怖。
 水の魔力が溢れ、彼女の左手に急速に集束。波濤の幻想を造り出す。声無き声で唸り声を上げている様にも見える程、其の水龍は恐ろしく。
「喰らえ……!」
 i極拳を終えた直後の大頭頭ズに為す術は無かった。
 大きな口を開けて、水龍は胴体に喰らい付く。食い千切られると錯覚する程の痛み、身体の奥底から力が抜けていく感覚。生命力を喰らい尽くされた大頭頭ズは地面にドサッと落ちた直後、静かに消失した。
 同時に水龍も役目を終え、綿津見神の左手から霧散する。
「お前達が逝っても、おさかなさんは戻らない……」
 ガチャと言う悪しき文明に魅入られしものよ、安らかに眠りなさい。
 どちらが本音か、或いはどちらも本音かは定かではないが……これ以上、悲しむ無辜の民を増やす訳にはいかない。
 綿津見神は星の指揮刀を静かに納刀した後、元凶を探す為に再び歩き始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『ハートブレイク・チョコレート怪人』

POW   :    ジェラシックフレイム
【チョコレートの頭部から噴き出す嫉妬の炎 】が命中した対象を燃やす。放たれた【嫉妬の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    センチメンタル・ギリチョコワールド
戦闘中に食べた【義理チョコ 】の量と質に応じて【過去の悲しみを糧として】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    ジェラシック・ラブイーター
【嫉妬 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【とろけるチョコの塊】から、高命中力の【愛を食らう触手】を飛ばす。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠滝舘・穂刈です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●その男は爆死の怨念で出来ている
「火消し、終わらねェェェ!」
 ダァン!と勢いよくキーボードに両手を叩きつけ、ハートブレイク・チョコレート怪人は盛大に叫ぶ。火消しが終わらない、それどころかさっきよりも炎上フィーバーしていないかと思う程に。怪人の予想は正しいが、それだけだ。
 ……尚、良い子の皆は物に八つ当たりしてはいけない。
「っていうか、大頭頭ズは何をやってんだよ……」
 定期連絡の時間はとっくに過ぎているのに、誰からも連絡がない。
 俺、敬われてねぇのかな……などとぼやきながら、怪人が連絡を取ろうとしたが。
「アレ、え、お前らー!?誰か返事寄越せ、プリーズ!?」
 しーん。
「え、コレが噂の部下ドッキリ……!?」
 しーん。部下ドッキリとはなんだろうか。
「……ぜんめ、つ?」
 直視した事実を怪人が受け止めるまで、ほんの少しだけ時間が必要の様だ。
 …………。間を置いて、静寂した空間に壊れた笑い声が響き渡る。
「猟兵共、俺の夢をマジで壊すなら……上等だァ!やってやんよォ!」
 人はきっと、其れをヤケクソと言うのだろう。
 再び壊れた様な笑い声を上げながら、会社の窓ガラスを突き破って街へと降り立つ。
「最高レア祭、万歳ー!ヒャッハー!」
筒石・トオル
【POW】
UC発動。敵が炎で来るならば、水の魔力で防御力を上げて対抗しよう。
念の為【オーラ防御】もしておく。
その前に【見切り】【フェイント】で当たらない様には心掛けるけど。
「自分が炎上したからって、他に当たり散らすのは見苦しいよ」
爆死で怨念を抱く点に関しては同情するけどね。
攻撃を避けつつ、熱線銃で敵を撃ち抜く。
【スナイパー】【早業】【視力】で確実に相手が反応するより速く攻撃する。
「熱いのが得意なのはキミだけじゃないんだよね」
ダメージが低いようなら【2回攻撃】でダメ追加。出来るだけ削り取るよ。



●冷静沈着な狙撃手
 派手に窓ガラスが割れ、降りて来た存在に住民達は悲鳴を上げる。
 筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)は其れを聞き逃す事は無く、即座に現場へと急行する。程なくして到着した場所に居たのは、頭部が割れたハート型になっている者の姿。間違いない、奴がハートブレイク・チョコレート怪人だ。
「バレンタインなんだから、ゲームでくらい好きな子にチョコ渡させろよォ!何で推しが高レアリティばっかなんだよ、クソォォォ!」
 ……まあ、爆死で怨念を抱く点に関しては同情しなくもない。
 筒石の頭にそんな思考が過ぎるが、正直に言えば其れだけである。人々に迷惑を掛けようとしていた、この怪人に慈悲など無い。
 ハート型の頭部から溢れる炎の勢いは凄まじく、熱風と共に飛散する火の粉が彼の衣服を掠める。ならば……炎には水を、トリニティ・エンハンスを使用して水の魔力を集束。自身が纏うオーラの防御力を向上させた。
「自分が炎上したからって、他に当たり散らすのは見苦しいよ」
「黙れェ!」
 荒れる心のままに頭部を振り乱し、怪人は周囲に炎を撒き散らす。
 見切り切れず、防御していても尚焼き尽くそうとする炎の威力は高い。所々筒石の衣服を焦がし、多少の火傷も負わせている。しかし……其れは彼から動揺を引き出す事は無かった。
「(傷は深くない。確かに、威力は高いけど……)」
 嫉妬心による八つ当たりしか頭に無いのか、攻撃を防ぐ様子はあまり見られない。
 ならば、先に此方が削り切ればいい。与えるダメージは決して低くはないが、防御する気がないなら其処を突く。
「熱いのが得意なのはキミだけじゃないんだよね」
 熱線銃再び構え直し、敵を撃ち抜く。早業による二回連続射撃。地面を転がる様にして炎を避けて、また高速射撃。狙撃手の精密な攻撃は、確実に怪人へダメージを与え続けている。
 ぐっ、と怪人が呻く声が聞こえてきたが……倒すには至っていない。ならば倒れるまで撃ち抜くまで。眼鏡の奥に見える彼の双眸は、次の狙撃位置を見定めていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴木・志乃
(すうっ)
【UC発動】
【歌唱】【誘惑】【パフォーマンス】

指定、怪人
遠距離から精神攻撃だよ
人の命の儚さとか切なさとか
一生懸命頑張っても報われないやるせなさとか
それでも前を向く人達を肯定して
幸せになりますようにって【祈る】歌
(爆死した人に幸あれ!とちょっと思ってる)

尚後半は盛り上がってきて声量上がるから
【衝撃波】攻撃がプラスされるよ

もしお怒りでも歌うのは止めないよー
怒った攻撃は荒いから【見切り】易そうね
【第六感】【オーラ防御】【スライディング】でかわすよ

燃えそうになったら敵の炎に手持ちの毒水ぶっかけるね【毒使い】
物理攻撃は鎖で【武器受け】しそのまま【カウンター】狙う



●天にも届く歌
「猟兵共……調子に、乗るなァ!」
 幾度も熱線を受けて尚、爆死の怨念はハートブレイク・チョコレート怪人を立たせ続ける。嫉妬心のままに炎を撒き散らしている。
 ……最愛の嫁を求めた結果、爆死によって心は折れた。ならばもうこれ以上、折れる事は無いと考えているのだろう。渾身の策をあっさり破られ、部下も早々と倒されて。それでも戦意は衰えを見せなかった。
 ――そんな中、遠くから微かに息を吸う音が聞こえてくる。
「いくよ」
 怪人との距離は約五十メートル程、其処から響く声に怪人の動きが止まった。
 何だ、これは。即座に怪人が声が聞こえてきた方向に視線を向けると、鈴木・志乃(ブラック・f12101)が透き通るような声で歌う。オレンジ色のヘッドセットマイクで増幅した声を、魂の呼び声を用いて怪人へと集束させる。
「(どうか、どうか……)」
 敵の戦意を奪う為、罪悪感を呼び覚ます女神の歌。
 歌の意味は其れだけじゃない、鈴木は祈りも込めているのだ。
 人の命は儚く、生きている間にどれ程努力を積み重ねても報われない事もあるだろう。今回のガチャの爆死もまた然り。それでも……前を向こうとする人達を肯定したい、幸せがあります様にと願いたい。とても優しい、祈りの歌は続く。
「止めろ、その歌を止めろォ!」
 後半に入ったからか、徐々に盛り上がりを見せ始める歌を止めようと。怪人は炎を振り撒きながら、鈴木へと駆ける。爆死した人にも幸あれと、彼女の想いが予想外に怪人にも届いたのだろうか。
「今日を明日を素直に生きてる、その顔に微笑み浮かばせたい」
 だが、それでも鈴木は歌を止める事は無い。
 降り注ぐ炎は、演出代わりにとその場でくるりと一回転。手にした毒水が消していく。それでも消し切れなかった炎は正確に見切り、ステップを踏む様に動いて躱す。動揺が炎に現れ、勢いが弱まっても尚、怪人は止まらない。
「止めろォォォ!」
「止めない……絶対に!」
 凛とした声で叫んで、そして鈴木は最後まで歌い上げる。
 彼女の強い意志、気迫が生み出した音の衝撃波が向かってくる怪人を押し戻した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木槻・莉奈
操作された夢なんて要らないわ
あと、食べられないチョコも要らないわ
食べられるようになってから出直してきなさい

【POW】選択
【トリニティ・エンハンス】の【炎の魔力】に炎の『属性攻撃』の重ね掛けでの『2回攻撃』
『全力魔法』で威力を上げて、『高速詠唱』『先制攻撃』で先手をとる
嫉妬程度に負ける程、私の魔法は弱くないわよ

防御は基本『見切り』、間に合わない場合『武器受け』
炎攻撃で来るなら『火炎耐性』も有効かしら…嫉妬の炎ってそもそも火炎に当たるの?いいわ、深く考えるのはやめましょ
ダメージが嵩むようなら攻撃時に『生命力吸収』使って多少なり回復を

八つ当たりするくらいなら、本当に楽しいゲームでも作ればよかったのに



●炎を呑む、炎
 地面を転がった怪人が起き上がり、目の前で凛と佇む少女を睨み付ける。
 少女――木槻・莉奈(シュバルツ カッツェ・f04394)は内心、怪人に思う所があったのだ。八つ当たりするくらいなら、本当に楽しいゲームでも作れば良かったのに。
 ……尤も、怪人に其れを告げた所で逆上されるだけだろう。そう判断したからか、彼女は静かに薄花桜を構える。
「猟兵、邪魔だァァァッ!」
 冷静さを欠いた怪人が感情的な叫び声を、頭部からの嫉妬の炎を撒き散らす。
 小さな火は己の得物で斬り裂いて、その必要が無ければ回避する事で対処。
 嫉妬を筆頭とした感情を露わにする怪人と対照的に、木槻は冷静に戦況を見極めていた。これまでの戦闘の中で、怪人が繰り出す炎が弱まっている事も理解している。
 だからこそ、彼女は正面からしっかりと怪人を見据えた。
「いいわ……火力勝負でもしましょうか」
「ナメやがって……!」
 舐めている訳ではなく、木槻は敢えて真正面から迎え撃とうと言うのだ。
 視野が狭まっている怪人には、其れを理解する余裕はないだろうが。寧ろ、これはチャンスだと言わんばかりに現時点での最大火力で彼女を焼き尽くそうと炎を撒く。
 だが、それよりも速く放たれた木槻の炎がぶつかり……炎同士が喰らい合う。凄まじい熱量が二人を襲う中、木槻がぽつりと呟いた。
「……操作された夢なんて要らないわ。食べられないチョコもね」
 ――嫉妬の炎と、魔法による炎。
 せめぎ合う二つの炎に向けて、木槻は掌を突き出す。もう片方の手で握り締めた、薄花桜の刀身が淡く光っていた。己の武器からも魔力を底上げして、もっと。もっと、もっと、強い炎を造り出す。今まで培った全てが、嫉妬程度に負ける訳がない!
「食べられるようになってから出直してきなさい!」
 お菓子を好む木槻らしい言葉と共に、追撃の炎が放たれた。
 ……絶対に負けない。最初の炎よりも勢いを増した其れは、怪人の炎も巻き込んで突き進む。彼女の炎が、逆に怪人を焼くまでに時間は掛からなかった。
 怪人は酷く消耗している、倒すまでもう一息……木槻は警戒を緩めなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アス・ブリューゲルト
レアリティか。
それを管理できる地位に就いた途端、逆の立場になるのが、お前のやりたい事なのか?
むしろ、多くのプレイヤーを喜ばせるのが、ゲーム運営者ではないのか?

【POW】メインで。
「レアが出なければ、確率を上げる。それだけで、お前は喜ぶのか!? その為の過程があっての、レア獲得ではないのか?」
「なぜ、そのための救済処置を考えられないのか? それさえあれば、皆、有意義にゲームを楽しめるのではないのか?」
敵を突き放すのではなく、寄り添いつつも、二回攻撃やなぎ払い、零距離射撃等を織り交ぜ、攻撃を重ねる。

「プレイヤーの笑顔のために、やってるんだろう!」
両足からのUCで止めを。
「だからこその、レアだろ?」



●誰の為の笑顔
 熱風が内側を焼き尽くさんとするからか、ハートブレイク・チョコレート怪人は肩で呼吸をする事さえ辛そうに見える。それでもまだ立ち続ける、嫉妬の炎が燃え続ける。そうだ、まだ立たねばならないのだ。己の目的を果たしていない、俺と同じ苦しみを……!
「レアリティか。それを管理できる地位に就いた途端、逆の立場になるのが、お前のやりたい事なのか?」
 そんな怪人の近くまで歩み寄り、真正面から言い放つ男がいた。
「多くのプレイヤーを喜ばせるのが、ゲーム運営者ではないのか?」
 アス・ブリューゲルト(サイボーグのフォースナイト・f13168)は更に続ける。
 その言葉はぐっ、と怪人の声を詰まらせた。そうだ、喜ばせる為にやったのだ。喜んだ後、自分と同じ苦しみを味わえばいいと……だが、喜ばせる筈の策すらも否定されたのだ!
「じゃあ、どうしろって言うんだよォォォ!」
 男は吼えた。頭部から噴き出す炎に含まれる感情は嫉妬だけ、ではない。
 間近で感じる熱量に僅かに目を顰めるが、アスは決して退かない。このまま突き放す事は簡単だ、だが彼は……怪人に寄り添おうと考えているのだ。己の衣服、身を焼かれながらも、彼は拳を握り締め……言葉と共に怪人へと叩きつける。
「レアが出なければ確率を上げる、それだけでお前は喜ぶのか!?過程があっての、レア獲得ではないのか!」
「ああ、嬉しいね!幾ら貢いでも、幾ら時間を掛けても好きな子がゲット出来ないなんて虚しいだけじゃねぇか!」
「なぜ、そのための救済処置を考えられないのか?それさえあれば、皆、有意義にゲームを楽しめるのではないのか?」
「俺は……俺の味わった地獄を、絶望を人間共にも解らせてやりてぇんだよ!」
 手っ取り早い策だっただけだと、そう告げて怪人は噴き出す嫉妬の炎を強くする。
 アスも拳による殴打、愛用の蒼い色をした二丁の熱線銃の零距離射撃で対抗。決して、怪人との距離を遠ざけようとしなかった。嫉妬、爆死の怨念に駆られてしまった怪人がやりたかった事は……違う気がしたのだ。会いたくても、会えない悲しみを知っているアスだからこそ、そう感じたのかもしれない。
「お前は……プレイヤーの笑顔のために、やっていたのではなかったのか!」
 機械の両足に埋め込まれた兵器が、銃弾の雨を怪人に浴びせる。威力を増した攻撃を怪人は避けられず……否、急に身体を硬直させた為に直撃を受けたのだ。
 止めには至らない。だが、アスの言葉は怪人を本心と向き合わせる切っ掛けとなったかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​

綿津見神・禮
敵の攻撃を【カウンター】で牽制しながら戦闘。
【空中戦】に【残像】を合わせ三次元的な動きで敵を翻弄
【ロープワーク】と合わせロープで敵を雁字搦めに
「……ところでお前はチョコレート怪人ですね?」
敵の動きを抑制し波濤の幻想を使用、左手を水で出来た龍に変容させ
「チョコレートらしく喰われなさい、言い残すことはありませんね?」
人々の楽しみと、おさかなさんを弄び、バレンタインに不幸を呼ぶチョコ。
「お前は自らの存在を裏切った。骸の海に還るがいい。」


…ああ、おさかなさん……。



●おさかなさんの恨み
「ぐっ……!」
 ハートブレイク・チョコレート怪人は既に満身創痍。
 嫉妬と爆死の怨念渦巻く中、迷いが生じ……それでも最初の想いは強く。少しでも力を取り戻そうと義理チョコを貪っている。チョコレートがチョコレートを食べる、共食いの図を見据えながら……終わりを齎す人魚がゆらりと姿を現した。
「やっと、やっと見つけました……お前はチョコレート怪人ですね?」
 怪人をキッと睨み付ける綿津見神・禮(黒鱗の人魚・f07619)の様子は、明らかに怒っていた。怒り以外の感情が見えなかった。
 義理チョコを食べ続けながら、そうだと告げる様に視線を合わせる怪人を確認。彼女はにっこりと、表情を変えて。
「エーギルのあぎと、ラーンの網。海の恐怖をここに」
 開幕同時に波濤の幻想を発動、左手に水の魔力を収束させて龍の姿を造り出す。使い手の感情がそのまま表れているからか、水龍も怒っている様に見えるのは気のせいではない。
 抵抗をするならば、ロープワークで雁字搦めにする事も綿津見神は考えていたが……どうやら、その必要はなさそうだと判断したらしい。
「チョコレートらしく喰われなさい、言い残すことはありませんね?」
「えっ、ま、待ってくれ……!」
「待ちません、おさかなさんの恨みは深いのです」
 人々の楽しみと、おさかなさんを弄び、バレンタインに不幸を呼ぶチョコレート。
 猛省の機会こそ与えても、放っておく訳にはいかないのだ。低レアリティにされ、出てくる事さえ出来なかったおさかなさんの為にも。
 綿津見神は地を滑る様に接近、少し手前で跳躍する様に動き……空から左腕を構えた。
「お前は自らの存在を裏切った。骸の海に還るがいい」
「す、すみませんでしたァァァ!」
 ――謝った所で、もう遅い。
 真上から口を大きく開けて、迫る水龍が燃え盛る頭部ごとハートブレイク・チョコレート怪人を喰らった。一片たりとも残さない、主の望み通りに。嫉妬の炎も、怨念も呑み込んで……水龍が消える時、怪人の姿もその場から消え去っていた。
「ああ、おさかなさん……」
 ……怪人が作ったゲームだとしても、あのおさかなさんのキャラクターに会いたかった。悲しくない訳がない。寂しさは消えない。
 それでも綿津見神は、そして猟兵達はキマイラフューチャーからハートブレイク・チョコレート怪人の脅威を退けた。誇るべき成果を挙げたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月19日


挿絵イラスト