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思いは美しい漿船と共に

#スペースシップワールド #猟書家の侵攻 #猟書家 #バトラー・サファイア #クリスタリアン #漿船

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「ごきげんよう、艦は今日も機嫌がよろしいようですね」
「ごきげんよう、今日もステージから叫ばれた思いを聞くことができたからでしょうね」
 クリスタリアンたちが優雅に挨拶を交わす。
 その視線の先にあるのは、美しく飾られたステージだ。
 ここは漿船『ミントグリーンベリル』。太古からクリスタリアンが使用している移民船だ。微弱ながら意志を持ち、艦内住民とテレパシーで意思疎通ができる。そして、『ミントグリーンベリル』には美しいステージがあり、勇気を持つ人々が日々思いを告白するのだという。
「我々はテレパシーでも会話ができる。我が『艦』そのものとも。ですがそれでは言葉が廃れてしまう。大きく声を出すことは恥ずかしいですしね」
「だからこそ、このステージで思いを告げる人は尊い」
「思いを伝える言葉を、そしてその人を、大切にしなければなりませんね」
 ステージで思いを告白することは、テレパシー能力に優れた人々の間で言葉が廃ることの無いようにと古来より伝わってきた習慣だ。
 ここはすべてが宝石でできた美しい艦。その中に住む人々も穏やかで清らかな性格をしているようだ。
 人々は微笑みあう。
 脅威がすぐそこまで迫っていることも知らずに。

●思いは美しい漿船と共に
「ついに猟書家の侵略が始まったね」
 ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)が話を始めた。
「私もね、スペースシップワールドを航行中の漿船『ミントグリーンベリル』に『バトラー・サファイア』が忽然と現れるっていいう予知を見たんだよ。幹部猟書家だね。強敵だけど、きっちり撃破したいよ」
 その艦はすべてが宝石でできた美しい移民船だ。艦内では穏やかで優しい性格のクリスタリアンたちが日々を静かに暮らしている。
「『ミントグリーンベリル』には古くからの風習があるんだ。毎日ステージで色々なことを声に出して告白するんだって」
 愛しい人への思いや家族への感謝の言葉、時には面と向かって言えなかった謝罪の言葉などをステージで告白するのだ。
「テレパシーで意志の伝わる人たちだからこそ、声に出す言葉を守っていくという風習なんだって。素敵だよね」
 そしてクリアスタリアンたちは、ステージで思いを告白した者を尊ぶという。
「それはそうとして、『バトラー・サファイア』が艦内のどの個所に現れるかは分からないんだ。現れた瞬間『ミントグリーンベリル』は敵の場所を察知してクリスタリアンたちに教えると思う。だから『バトラー・サファイア』をすみやかに排除するためにはクリスタリアンの協力が必要だよね」
 艦からのテレパシーを受け取ることができるのは、艦内で暮らしているクリスタリアンのみ。彼らの協力があれば、すぐに『バトラー・サファイア』を討ちに行くことができる。協力が無い場合でも敵と戦うことは可能だが、艦内に被害が出てしまうかもしれない。
「そこで皆にはまずそのステージで告白してほしいの。どんな思いでもいいから、きちんと言葉にしてね。そうすることで艦内の人たちからの信頼を得られるはずだよ」
 ステージで告白を行えばクリスタリアンたちからの信頼を得ることができる。そうすれば、敵が出現したことを教えてくれるはずだ。
「ちなみに告白はどんな思いでもいいからね。日頃言えない感謝の言葉とか、他にも色々あるよね。あ、ステージのデータは録画できるから希望があれば録画媒体を持ってきてください」
 それでは、いざ漿船のステージへ。
 美しい船を守ってほしいとルビナは頭を下げた。


陵かなめ
 こんにちは、よろしくお願いします。
 幹部猟書家『バトラー・サファイア』との戦いになります。
 敵は移民船『ミントグリーンベリル』のどこかに突如出現予定です。その場所を素早く知るためにも、艦内のクリスタリアンたちの信頼を得ましょう。

 色々な思いを抱えている皆様の、心を告白してください。
 美しいステージが皆様の思いを待っております。
 お仲間とご一緒に参加される場合は、必ず【グループ名】をご記入ください。お一人で参加される場合には、リプレイ中に他PC様のお名前を出すことは出来かねます。その場合『仲間へ』『相方へ』『家族へ』という表現になります。ご了承ください。
 大きな声で堂々と、歌に乗せて、パフォーマンスと一緒に、ただ実直になどなど。内容や方法はお任せいたします。

 第一章は、美しいステージでの告白大会です。
 第二章は、猟書家の幹部『バトラー・サファイア』との戦いの予定です。

 プレイングの受付開始は11/06 8:30です。
 それではプレイングお待ちしております。
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第1章 日常 『告白大会開催』

POW   :    ストレートに思いのたけを叫ぶ

SPD   :    言いたいことを理路整然と伝える

WIZ   :    小道具を用意して告白に挑む

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

大豪傑・麗刃
よーし。
こういう機会でないと言えないようなことを告白してやるのだ。

がくせいちゅーもーく!(なんだー!!)

元ネタは知らないが告白の時はこう叫ぶらしい。

実は。
わたし、大豪傑麗刃は。

こっそり改名してたのだ!!

昔:だいごうけつ・れいじん
今:だいこうけつ・れいと

いやねえ。漢字に問題はないんだけど。ごく少数ながら、わたしの名前見て、女の子だと思う人がいてねえ。なんでかって思ってみたら、たぶん『れいじん』だと『麗人』(=美しい女性)につながるってことなんだろうねえ。なので変えてやったのだ。
しかし恥ずかしながら読みがな変える機能があるとはつい最近まで全く気付いてなかったのだ。

便利な世の中になったものなのだー!



●ちゅーもーく!
 その日『ミントグリーンベリル』のステージは朝から賑わっていた。自分の思いを告白する者、懺悔する者など多数の参加者がステージから叫んでいる。
 さて大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)も大きく胸を張ってステージに立った。
 この際である。
 こういう機会でないと言えないようなことを告白してやろうというわけだ。
「がくせいちゅーもーく!」
「?」
 麗刃の声を聞いたクリスタリアン達が首を傾げる。
「一体何の言葉かしら?」
「あまり聞かない言葉ね」
 戸惑う声もなんのその。麗刃は咳払いをして「元ネタは知らないが告白の時はこう叫ぶらしい」と伝えた後、大きく息を吸い込んだ。
「実は。わたし、大豪傑麗刃は」
 極めて深刻な表情で切り出す。
 ステージを見つめていたクリスタリアンがざわついた。
 一体どれほどのことを告白しようとしているのだろうか。
 自然と皆の視線が集まった。会場が静まり返る。
 そして麗刃の声が会場の隅々まで響いた。
「こっそり改名してたのだ!!」
 こっそり……改名を。
「まあ、名前を変えるなんて相当のことがあったんでしょうに」
「一体どういう名前だったのかしら?」
 皆の注目を一身に集め、麗刃は宣言した。
「昔はだいごうけつ・れいじん。そして今はだいこうけつ・れいとなのだ!」
「なる……ほど?」
「いやねえ。漢字に問題はないんだけど」
 麗刃の解説はこうだ。
 ごく少数ではあるのだが、麗刃の名前を見て女性だと思う人がいるのだ。
 何故かと考えてみたら『れいじん』という響きが『麗人』つまり美しい女性というイメージに繋がるのだろうという結論に至った。
「はあ」
「なので変えてやったのだ!」
 どーん!
 と、衝撃の事実が告白された。
 名前を変えたんだもんね。とてもすごい告白だ。
「良くは分からないけれど、凄い事なのね」
「ええ名前を変えたんですものね」
 クリスタリアン達は顔を見合わせ、ぽつぽつと拍手を始めた。
 やがて拍手の波が会場中に広がる。
「勇気を出してくれてありがとう」
「素晴らしいステージに尊敬と敬意を」
 尊敬の眼差しを受けながら麗刃はステージを降りた。
 しかし恥ずかしながら読みの変更が可能なことはつい最近まで全く気付いてなかったのだ、など照れた笑みを浮かべながらクリスタリアン達の間を歩く。
 自分を尊ぶ真っすぐな視線が心に染みた。
「便利な世の中になったものなのだー!」
 クリスタリアンたちに受け入れられ、麗刃は『ミントグリーンベリル』でのステージを満喫した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リョウカ・クリーナ
方針:POW

思いの丈を大きな声で叫べばいいのでありますね……私はつい最近再起動したばかり。何故か猟兵という埒外の存在になれていたりとか、銀河帝国が2回も滅んでたりとか、世界情勢の大変化には驚くばかりですが、メイド型ウォーマシンとしての最優先事項はただ1つであります!

それは「素敵なマスターを見つけること」であります!
せっかく猟兵になれたのですから、ここはあらゆる世界を股にかけて付き従うべきマスターを是非とも見つけたい、いや見つけてみせるであります!

出来れば、こう、ウォーマシンの私に負けないくらいに体格がよろしくて、優しい殿方をマスターにしたいと存じます!
ここで叫んだからには有言実行です!



●最も優先すべきこと
 『ミントグリーンベリル』のステージでは告白が続いていた。様々な思いを告白し聞いている者はその思いを尊ぶ。
 そんな中リョウカ・クリーナ(メイドロイド・f30795)もステージに立った。
「思いの丈を大きな声で叫べばいいのでありますね……」
 自分はつい最近起動したばかりの存在だ。何故か猟兵という埒外の存在になれていたりとか、銀河帝国が2回も滅んでいたりとか、世界情勢の大変化に驚くばかりの毎日。
 だがメイド型ウォーマシンとしての最優先事項はただ1つ。
 それをステージで告白しよう。
「最優先事項、それは『素敵なマスターを見つけること』であります!」
 と、会場中にリョウカの声が響き渡った。
「素敵なマスター? 仕える主ということかしら?」
「お仕事先を探すなんて立派ねえ」
 クリスタリアン達が囁きあう。
 リョウカは表情を引き締め、こぶしを握り締めた。
「せっかく猟兵になれたのですから、ここはあらゆる世界を股にかけて付き従うべきマスターを是非とも見つけたい」
 力強く決意を言葉にする。
「いや、見つけてみせるであります!」
「素晴らしい決意だわ」
「強い思いが伝わってきましたね」
 会場から大きな拍手が広がった。まっすぐな思いに、クリスタリアン達は敬意を表する。
「ところで、具体的にはどんなマスターがよろしくて?」
 リョウカの話に興味を持ったクリスタリアンが問いかけた。ステージに注目していた人々もリョウカの答えを待つ。
 あれほどのまっすぐな思いを持ったリョウカが求める主とは?
 注目を一身に集め、リョウカは少々声のトーンを落とし恥ずかしそうに手をすり合わせた。
「え、それは、出来れば、こう、ウォーマシンの私に負けないくらいに体格がよろしくて……」
 と、身振り手振りで理想的な体格を表す。
 それから、ぐっと体に力を込め叫んだ。
「優しい殿方をマスターにしたいと存じます!」
「まあ!」
「とっても素敵ね! そうよ、見上げるくらいの殿方は、素敵ですものねえ」
 特に女性のクリスタリアンがきゃあきゃあと声を上げる。
 会場中からの惜しみない拍手を聞きながらリョウカはステージを降りた。
「素晴らしいステージをありがとう」
「あなたの願いがかなうといいわねえ」
 すぐにクリスタリアンに囲まれる。皆、リョウカに尊敬の眼差しを向けていた。
「ここで叫んだからには有言実行です!」
 リョウカはクリスタリアン達にそう宣言し、決意を新たにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

三角・錐人
・POW対応

・思いを叫べ、か。ここで愛を叫べば中々に盛り上がったとこなんだろうけど、実はまあ、ついこないだ失恋したばっかりなんだよなぁ……嘆きを叫んでもブーイングだろうし……考えてもしゃーない。今の俺の思いを思いっきり叫んでやるぜ!

・失恋したとはいえ、相手を嫌いになったわけじゃない。そういう縁はなかったけど、彼女のこれからの幸せを祈るくらいは許されるだろ? いいか、俺よりも絶対にいい奴と巡り合え! その縁を絶対に逃がさず、幸せになれ! それが俺の今の偽らざる気持ちだ! ここにいる皆も色々あるだろうけど、誰かの幸せを願う気持ちは忘れないでくれよ!

・あー、すっきりしたぜ。さあ、俺もまた頑張るか! 



●力強い言葉
 三角・錐人(ロケットスパイダー・f08517)はステージや会場の人々を眺め腕組みをしていた。
「思いを叫べ、か」
 ここで愛を叫んだのなら、なかなかに盛り上がったことだろう。
 だが錐人は――。
「実はまあ、ついこないだ失恋したばっかりなんだよなぁ……」
 というわけだ。
 だからといって嘆きを叫んだところで何になるというのか。ブーイングが起こるかもしれない。何よりあたたかな雰囲気に包まれている会場を盛り下げるわけにはいかない気がする。
 会場からはまた拍手が聞こえてきた。皆、様々な思いを叫んでいるようだ。
 錐人は自分の頬を軽く叩いた。
「……考えてもしゃーない。今の俺の思いを思いっきり叫んでやるぜ!」
 そして、ステージに立つ。
「今度はどんな思いが言葉になるのかしら?」
 クリスタリアン達が期待の眼差しでステージを見つめた。
 すうと息を吸い込み、錐人は自分が最近失恋したことを説明する。
 そしてこう続けた。
「失恋したとはいえ、相手を嫌いになったわけじゃない。そういう縁はなかったけど、彼女のこれからの幸せを祈るくらいは許されるだろ?」
 聴衆は静かに彼の言葉を聞いている。
「いいか、俺よりも絶対にいい奴と巡り合え!」
 錐人が力を込めて叫んだ。
「その縁を絶対に逃がさず、幸せになれ! それが俺の今の偽らざる気持ちだ!」
 それは力強い言葉だった。
 会場を越えて遠く果てまで届きそうな声。会場にいたクリスタリアン達は神妙な表情で錐人の続きを待つ。
 錐人は一度会場全体を見回し、姿勢を正した。
「ここにいる皆も色々あるだろうけど、誰かの幸せを願う気持ちは忘れないでくれよ!」
 これを締めの言葉とする。
 一呼吸置いて、会場から大きな拍手が巻き起こった。
「そうね、誰かの幸せを願う気持ちは大切だわ」
「ええ。私も見習いたいです」
「素敵な思いね」
 クリスタリアン達はそう言って錐人の言葉に同意した。
 拍手に包まれながら錐人はステージを降りる。その表情はさっぱりとしたものだった。
 一つ大きく伸びをし会場を見る。すべてが宝石でできた移民船は、美しく輝いていた。
「あー、すっきりしたぜ」
「素敵な言葉をありがとう」
「素晴らしいステージだったわ」
 クリスタリアンが惜しみない拍手を贈る。
「さあ、俺もまた頑張るか!」
 それに応えながら錐人は気合を入れ直した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サージェ・ライト
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、世に潜み…胸が目立ちすぎて潜めないとかそんなことないもん!!(お約束

とまあ、目立つ行為はさておき(横に置くポーズ)
ふむふむ、告白
いいですね
この際言っておくことがあります

そう、私はバーチャルキャラクター
電子の海に漂うシノビとかクノイチとかの概念が集まりしモノ
だからこんな形をしていますが!

「私! こんなユーベルコードも持ってますけど
胸の谷間とか見られると恥ずかしいんですー!!」

ふう、すっきりした
いやーこれで私も今後心置きなく戦える…あれ?何この、空気?
え?その格好でそれはムリ?
ほんと!ホントですってば!!
信じてー!!><

※アドリブ連携OK



●お約束と私
 サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)はシュタッとステージに参上した。このステージに呼ばれた気がしたのだ。
「お呼びとあらば参じましょう」
 美しいステージに立ち、さっそく自己紹介を始めた。
「私はクノイチ、世に潜み……」
 潜み?
 と、誰も言葉にはしないが、一部から視線を感じた。サージェは頬を膨らませ慌てたように早口になった。
「胸が目立ちすぎて潜めないとかそんなことないもん!!」
「……ええと?」
 ステージを見守っていたクリスタリアンが首を傾げる。
 サージェはひとつ咳払いをして「とまあ目立つ行為はさておき」と今のくだりを横においた。
「ふむふむ、告白。いいですね」
 趣旨を聞き、大きく頷く。
 それならば言っておくことがある。絶好の機会だ。
 足を肩幅に開き力強く胸を反らすと、サージェは強く主張を始めた。
「そう、私はバーチャルキャラクター。電子の海に漂うシノビとかクノイチとかの概念が集まりしモノ」
 クリスタリアン達が注目する。
 確かにサージェの姿はなんというか……露出が……。だがこれには理由がある。『忍者』という概念が集まったバーチャルクノイチなのだから、設定的に肌の見える軽装でなければならないのだ。さすが概念。概念恐るべし。
 だからこそサージェは言いたい。
「だからこんな形をしていますが!」
 強く言いたい。
「私! こんなユーベルコードも持ってますけど。胸の谷間とか見られると恥ずかしいんですー!!」
 と。参考までにユーベルコード『おいろけの術』を発動させた。両目を瞑り、胸の谷間からセクシービームを放つ。その肩は羞恥に震えていた。
 セクシービームはピンクの光線となり会場を駆け巡る。
「……」
 そして、クリスタリアン達を大いに困惑させた。
 だがサージェ自身は実にスッキリとした表情でステージを降りる。
「ふう、すっきりした」
 これで自分は今後心置きなく戦えるはず。
 ふと顔を上げると、クリスタリアン達が優しい笑顔でサージェを取り囲んでいた。
「……あれ? 何この、空気?」
「あなたも色々思い悩んでいるのね? そのような装いだけども」
「思いを言葉にするのはとても大切よね。そのような装いだけども」
「え? その格好でそれはムリってことでしょうか? ほんと! ホントですってば!!」
 あくまでも、クリスタリアン達は優しい笑顔のままだ。
「信じてー!!」
 と、サージェの必死の叫びがこだました。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神咲・七十
NGなし・アドリブ・連携お任せ

え~と、あそこで言いたいことを叫ぶんですよね?
恥ずかしいですが、割と悩んでいることがあるので頑張りますか。


え~、実はここに来てからずっと悩んでいることがありま~す。
皆さん、テレパシーで会話してるみたいでうまく聞くことが出来ず、未だにこの移民船の美味しい食べ物が食べれてませ~ん。
なので、この後美味しい食べ物を教えてくれる人を募集してま~す。

特に嫌いなものとかないのでどんな食べ物でも教えて欲しいで~す。
なかでも、スイーツとかの甘い物が好きなので、そのあたりに詳しい人が特にうれしいで~す。

(それで来てくれた人に教えられて、待ってる間美味しい物巡りを始める)



●重要な悩み
 神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)は美しいステージを眺めていた。
「恥ずかしいですが、割と悩んでいることがあるので頑張りますか」
 と決意を胸に抱き、ステージに登った。
「新しい方だわ」
「悩みって何かしら?」
 クリスタリアン達が七十の様子を見守る。静まる会場を広く眺め、七十は話し始めた。
「え~、実はここに来てからずっと悩んでいることがありま~す」
「まあ、やはり悩みのようだわ」
 では彼女の悩みとは? 会場中から注目が集まる。
 七十は大きな声で告白した。
「皆さん、テレパシーで会話してるみたいでうまく聞くことが出来ず、未だにこの移民船の美味しい食べ物が食べれてませ~ん」
 この会場は思いを言葉にする場所だ。したがってクリスタリアン達は極力声に出して会話をしている。ところが会場外はとても静か。それもそのはずで、ちょっとしたやり取りなら住民たちはテレパシーで対応できるのだから。
「確かにそうかも知れないわね」
「食堂は別の場所ですし、艦の外からの客人は珍しいものね」
 つまり、接待に慣れていないのだ。
 真面目まクリスタリアン達は申し訳ないことをしたと顔を曇らせる。
 だが――。
「なので、この後美味しい食べ物を教えてくれる人を募集してま~す」
 という七十の軽い言葉が続き会場の空気は明るくなった。
 皆が笑顔で拍手をする。
「もちろんです!」
「指摘いただいて本当にありがとう!」
 ステージを降りた七十をクリスタリアン達が取り囲んだ。
「なにかお好きなものはありますか?」
「特に嫌いなものとかないのでどんな食べ物でも教えて欲しいで~す」
「まあ! 素晴らしいわ。やはり最初は食堂に案内したいです」
 すべてが宝石でできた美しい艦にはいくつか飲食できる場所があるという。中でも食堂は艦の中心部にあり、日々多くのクリスタリアンが利用するとのことだ。
「メニューは何が良いかしら? 毎日の食事からおやつ時のカフェメニューまで揃っているわよ」
「そうですねー、スイーツとかの甘い物が好きなので、そのあたりに詳しい人が特にうれしいで~す」
 七十の言葉を聞いて、それならと何人かが手を上げた。
「日替わりのケーキがあるのよ。今日は銀河ゼリーケーキだったわね」
「銀河ゼリーケーキ? 魅力的な名前ですね~」
 敵の襲撃までには、まだしばし余裕があるはずだ。身体が甘い物を求めている気がする。七十は自分に正直に、いくつかのスイーツを堪能した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『バトラー・サファイア』

POW   :    ナイブスストーム
【サファイアでできた無数の暗器】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    アカンプリッシュメント・オブ・アサシン
レベル分の1秒で【麻酔針】を発射できる。
WIZ   :    サファイア・フラッシュ
【サファイアの肌】から【蒼く眩い閃光】を放ち、【目を眩ませること】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:白菜ポンズ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エリル・メアリアルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●バトラー・サファイア
 漿船『ミントグリーンベリル』艦内に、突如猟書家『バトラー・サファイア』が現れた。折しも告白大会が幕を閉じた頃合いだ。
「宝石の船体を持ち、僅かに意志を有する世界最古の旧式移民船。私達はあなたの力を必要としています」
 突如出現した『バトラー・サファイア』は、ゆっくりと『ミントグリーンベリル』に語りかける。
「ですからあなたの中の異物を、これから全て排除します」
 あなたがこれまで育んだ愛しきクリスタリアン達を、一人残らず、と。
 今ここで残虐な行為が始まれば穏やかなクリスタリアン達はひとたまりもないだろう。
 漿船『ミントグリーンベリル』はクリスタリアンにテレパシーで呼びかける。
 危険な存在と、避難の指示と、そして助けを求めよと。

「お願いします!! 助けてください。危険な存在が艦の中心に!!」
 告白大会で猟兵のことを認めた彼らは、すぐに猟兵に助けを求めた。
「案内をします。危険な存在が近づいている場所はわかります。ですが……申し訳ありません。我々は戦うすべがない」
 どうか艦内に現れた危険な存在を止めてほしいと。
 彼らの悲痛な叫びを、猟兵達は聞いた。

※第2章のプレイング受付を開始します。クリスタリアンの案内でバトラー・サファイアとすぐに戦うことが可能です。かれらと彼らの船をどうか助けてあげてください。よろしくお願いいたします。
大豪傑・麗刃
主殿は挑発に乗りやすかった(1戦だけだが)が、彼女はどうかなあ。塩対応系かボケ殺し系にも見えるが、男は度胸。一度は試そう。苦戦以下くらったら次回から考えるってことで。

武器は右手に刀、左手バスタードソード。精神攻撃による挑発という名のギャグで相手に喜怒哀楽恐の感情を与え、平常心を崩す。すると敵の暗器投げ攻撃にも乱れが生じる。そこで飛び道具を見切り、早業でなぎ払って武器受けし、返す刀で敵本人を斬ると。

えっときみはたしかバトルジャンキーくん。なるほど武器いっぱい持ってるわけだ。
違った?ごめんごめんマヨラーくん。
そんなに怒るなボトラーくん。

サファイアとかけ徳川家ととく
その心は

どちらもあおい(青い、葵)



●それは滅ぼす存在
 クリスタリアンの指示した場所へ大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)が躍り出た。
 右手に刀、左手にバスタードソードを備え勇ましく敵の前へ。
「あ改名したことを告白してくれた方よ!」
「あの勇気のある方だわ」
 クリスタリアン達が麗刃の背に期待の視線を送る。
 麗刃はしっかりと敵を見据えた。
「えっときみはたしかバトルジャンキーくん。なるほど武器いっぱい持ってるわけだ」
「何ですか?」
 敵が眉を顰める。
「まさかとは思いますが、漿船が用意した抵抗があなただと?」
 そして、悠然と名乗りを上げた。
「私はバトラー・サファイア。今からこの漿船がこれまで育んだ、愛しきクリスタリアン達を滅ぼす者です」
 バトラー・サファイアはそう言って闘気を立ち昇らせた。何かのきっかけで戦いを始めるつもりだろう。
「おや、バトルジャンキーくんじゃない? 違った? ごめんごめんマヨラーくん」
 今にもサファイアでできた無数の暗器が襲い来るという状況で、麗刃は歯を出して笑った。
「そんなに怒るなボトラーくん」
 と、冷ややかな瞳の敵に気安く話しかける。
「私はバトラー・サファイア。時間稼ぎのつもりなら無駄なことです。さあ、ナイブスストーム。クリスタリアンを根絶やしに――」
「おー! サファイアだったな! それじゃあ麗刃ちゃんが言おう!」
 サファイアが攻撃を繰り出す寸前のことだ。
「サファイアとかけ徳川家ととく。その心は……」
 麗刃の声が戦場に響き渡った。
「どちらもあおい!」
 これは青いサファイアと徳川の葵をかけた渾身のギャグ!! ユーベルコード『なんちゃって、あっはっは』。
「……なんですって?」
 サファイアが首を傾げた。そしてわなわなと肩を震わせる。この技を食らえば誰しもが平常心とシリアスな心を奪われるという。恐ろしくもわけのわからない一撃だ。
 例に漏れずサファイアの顔が斜めに歪む。とてもシリアスなキャラとは思えない、大胆なデフォルメ具合だ。
 麗刃がチャンスとばかりに敵の懐に飛び込んだ。
「なっ……」
「もう遅いのだ」
 慌てて武器を構えなおすサファイア。
 だが麗刃は余裕をもって敵の武器を弾き飛ばした。
 そしてさらに踏み込み、次の動きで敵の体を斬りつける。
「ば、ばかな……」
 敵の体が後方へ吹き飛んだ。
「すごいわ……!」
 クリスタリアン達が遠くから麗刃に拍手を送る。何を言ったのかはわからないけれど、きっと素晴らしいことに違いない。
 惜しみない拍手に、麗刃は手を挙げて応えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

岩戸・御影(サポート)
鬼の外見の東方妖怪 悪霊×神器遣い(18歳)
口調は掴みどころがなく、からかう感じ(僕、キミ、だね、だよ、~かい?)
「面白そうだね、僕も混ぜてくれる?」
「勝てばさ、悪い事でも結果正義になるんだよね」

自身の意思を読み取り自在に動く浮遊する剣「哭廻(コッカイ)」を攻撃と防御に使い、己の身の内に蓄積された[呪詛]と[毒を使った継続ダメージ]で敵を弱らせていく戦闘方法。
敵の攻撃は「血染めの折り鶴」を身代わりにするか、[結界術]で防御或いは哭廻で受けます。

享楽的で愉しい事が好きな為、戦闘や少々後ろ暗い行動も魅力的だと感じたら率先して動きます。怒られてものらりくらりと言い訳して躱します。よって悪戯も好き。



●心集めて
 岩戸・御影(赫鬼面・f28521)は珍しそうに漿船『ミントグリーンベリル』を眺めた。すべてが宝石でできている艦内はとても美しい。
 さてその中心部では猟書家『バトラー・サファイア』が現れたということだ。周囲のクリスタリアンが怯えたように逃げ惑っている。
 御影は浮遊する剣『哭廻』を従え、ゆっくりと前へ出た。
「面白そうだね、僕も混ぜてくれる?」
「邪魔をするのなら、排除します」
 バトラー・サファイアのサファイアの肌が輝き始める。どうやら御影を敵と見做したようだ。
 周囲のクリスタリアンが祈るように御影を見る。
「どうかお気をつけて」
「あれはとても危険な存在だと艦が伝えています」
 彼らはとても純粋で心優しい人々だ。だが今は不安と恐怖の心で溢れていた。
「そうなのかい? それはさぞ恐ろしい存在なんだね」
 口元に笑みを浮かべ、迷いなく敵へと向かう。
 御影の様子を見てバトラー・サファイアが姿勢を正した。
「好きに動けるとは思わないことです!」
 思わず目を閉じてしまうような激しい閃光が敵の体から放たれる。
 御影は咄嗟に『血染めの折り鶴』を取り出し身代わりにした。
「随分眩しいようだけど、まさかこの程度が足止めだなんて言わないよね」
 うまく目くらましを躱し、すぐさま反撃に出る。
「この戦場に存在する悪意や憎しみ、妬み嫉み。僕が有効活用してあげる」
 ユーベルコード『魂魄結硝』を発動させ、広く戦場から負の感情を集めた。この艦は心穏やかなクリスタリアン達が暮らす場所だ。言葉を大切にし、小さなことで喜び合う。普段なら負の感情など微々たるもののはず。
「でも、例えば恐怖や焦りは十分な負の感情だね」
 御影の元に彼らの恐怖や不安・焦りが集まる。それらが仮初の魂魄の形、御影と同じ姿の黒い人型となった。
「まさか、クリスタリアン達の恐怖を利用するなど……!」
 バトラー・サファイアの頬が引きつる。
「勝てばさ、悪い事でも結果正義になるんだよね」
 黒い影とともに走り出した御影が、あっという間に敵の体に剣を突きつける。二方向からの攻撃に、バトラー・サファイアが顔を歪めた。
 哭廻が敵の体を斬る。
「少しの傷で良いんだよ」
 そう言って、御影は傷口からたっぷりと呪詛を流し込んだ。身体を蝕まれたバトラー・サファイアは、苦痛に声を漏らした。

成功 🔵​🔵​🔴​

神咲・七十
アドリブ・連携お任せ

う~ん、ここの人たちに被害を出したくないですしちょっと大掛かりにして戦いますか
(それに見られたくないですし)


UC『万花変生』を使用し、逃げられ被害が広がらないよう(そして中が見えないよう)に強固な蔓で周囲を覆います。
中では、自立した植物の大軍を出し、それを囮・盾・妨害に使いながら自身を強固な皮膜で覆い、(隷属させる植物を気づかれない様に植え付けてから)大剣と尻尾の連帯攻撃で攻めます。


この先もあなたの主とそれに連なる者の被害を抑える。
それなら、貴方を取り込んだ方が都合がいいですよね?
私のものになってください。
(弱らせて隷属させて取り込もうとする)


直接話す方が伝わりますよ?



●植物に包まれて
 七十は毒の痛みに顔を歪める敵の姿を見た。
 そして自分に美味しいものを勧めてくれたクリスタリアン達の姿も。
「う~ん、ここの人たちに被害を出したくないですしちょっと大掛かりにして戦いますか」
 銀河ゼリーケーキは美味しかった。一緒に食べたクッキーも、添えられていたクリームも甘くて良かったといえる。そんな彼らに被害を出したくないことは事実だ。
 そして、見られたくない思いもある。
「何を――」
「今日はそういう日で、今はそういう気分」
 敵が何らかの行動を起こす前に行動を開始した。
 ユーベルコード『万花変生』を発動させ、多種多様な未知の植物を召喚し周辺を覆い尽くす。蔦が絡み合い敵の逃げ場を奪っていくようだ。
「何も見えない。あの方は大丈夫かしら?」
「どうかご無事で」
 遠くからクリスタリアン達の声。彼らからはこちらの様子が見えなくなったようだ。
「それではいきましょうか」
 七十は植物を操った。蔦が伸び植物が大量に蠢き始める。
「このようなもの、何の障害にもなりえません」
 サファイアの肌から蒼く眩い閃光が放たれた。敵の全身が輝き目くらましとなる。
「直接浴びたのなら眩しかったのでしょうけど」
 七十の周辺の植物が重なり影を作った。これは強固な盾であり、囮でもある。
 敵の光を避けながら七十は走った。その手には漆黒の大剣。サイドから回り込むと、大きく最初の一撃を叩き込んだ。
「っ、まだ、負けるわけにはいきません」
 バトラー・サファイアがナイフを手に取り刃を受ける。刃と刃がぶつかり合い火花が飛んだ。
 七十の尻尾が揺れ敵の腕に絡みつく。サファイアが尻尾を振り払った。その瞬間を狙い、次の一撃を振り下ろす。
 二人の攻防が続いた。
 ――バトラー・サファイアの身体から突如植物が伸びるその時まで。
「な……?」
 己の肩から伸びた植物を呆然と見るサファイア。
 紛うこと無い、隷属させ取り込み召喚対象にする七十の植物だ。
「最初の一撃のときに飛ばしておきました」
 七十は伸びゆく植物を見た。
「この先もあなたの主とそれに連なる者の被害を抑える。それなら、貴方を取り込んだ方が都合がいいですよね?」
 敵は随分弱ってきている。これなら取り込めるのではと。
「私のものになってください」
「くっ、そのようなこと……」
 バトラー・サファイアは植物の根元を掴むと強引に引き抜いた。すでに根付いていたものを引き抜く苦痛はいかほどか。その顔がますます青ざめる。
「まだ弱りきっていませんでしたか」
 無理に攻め込まず、七十が一歩後ろに引いた。
「この私をここまで追い詰めるとは」
 敵は苦しそうに膝をついた。

成功 🔵​🔵​🔴​

三角・錐人
【主従】で参加

・リョウカはこれが初戦闘に近い。ここは俺が……え、ご主人様? 悪い気はしねえが……なら、この戦いは採用試験だ。俺に見事合わせることができたら、俺はお前の主人で、お前は俺のメイドだ。それでいいな?

・リョウカには彼女の最大火力をぶつけてもらう。そのために必要なのは「俺は動かず、敵を動かす」こと。
【観殺】を仕込みながら暗器の群れをその場で見切り、避け、捌く。第六感や見切り、早業を総動員だ。
そしてバトラーが焦れて「動いた」時、俺はオーラ防御全開で動きを止め、ニューワルサーで号砲一発。
後はリョウカが作る暴風を耐え、収まったら俺が〆の一撃を敢行する!
さあ、これでリョウカは俺のメイドさんだ!


リョウカ・クリーナ
【主従】

まさか私の理想に近い、マッチョで優しそうな殿方がこの場にいたなんて……はい、不肖なメイドですが、必ず期待に応えるであります!

仰せつかったのは機を見て、気を合わせての全力攻撃。これは無差別攻撃でもありますが、きっと錐人様はよき策を講じておられるはず。私はそれを信じてその時まで襲い来る暗器を箒と包丁で「掃除」するであります。

マスターの合図は銃での号砲。それを聞いたら即座に【ベルセルクトリガー】を発動シマス。アア、目の前の動くもの全てが敵に見えマス! モットモット「掃除」ヲ! ソシテ「料理」ヲ! サファイアノ活ケ造リナンテ最高ニ綺麗デアリマス! 

……こんな私でも本当によろしくて? 錐人様……



●出会った二人
 猟兵たちの攻撃により敵は弱っている。
 その前に錐人とリョウカが立った。
「あら、あの二人がどうして?」
 クリスタリアン達が遠くからその様子を見る。すでに避難は完了しており、皆安全な場所にいるようだ。
「まさか私の理想に近い、マッチョで優しそうな殿方がこの場にいたなんて」
 リョウカは嬉しさを滲ませながら錐人を見た。そういえばと、クリスタリアン達は考える。彼女の思いは「素敵なマスターを見つけること」だったと。そして、できるなら体格が良くて優しい殿方が良いと聞いた。
 さて。
 リョウカはこれが初戦闘に近い。ここは俺がと表情を引き締めていた錐人が周囲の視線に気づく。
「たしかに体格はよろしいようですわ」
「それに彼の告白も、優しい思いが溢れていたわね」
 クリスタリアン達はリョウカと錐人を見比べ優しげな笑顔で頷いた。
「……え、ご主人様?」
 錐人が自分を指差す。
 なるほど、そう言われると悪い気はしないけれど――。
「ならこの戦いは採用試験だ。俺に見事合わせることができたら、俺はお前の主人で、お前は俺のメイドだ」
 それでいいなと念押しする。
「……はい、不肖なメイドですが、必ず期待に応えるであります!」
 リョウカは大きく頷いた。
「まあ! 頑張ってリョウカさん」
 クリスタリアン達が二人を応援する。
 錐人とリョウカは彼らの声に後押しされるように、敵の射程内まで一気に飛び込んだ。

「丁度よいですね。まとめて殲滅します」
 バトラー・サファイアが無数の暗器を空に飛ばす。空に舞い上がった暗器が一斉に二人に降り注いだ。
「さて観るとするか」
 ユーベルコード『観殺』を発動させた錐人は、じっと敵の動きを見ながら暗器を避けた。第六感を頼りに身体を繰り、早業で小さくステップして降り注ぐ暗器の雨を回避する。
 隣ではリョウカが箒で暗器を叩き落としていた。
「錐人様はよき策を講じておられるはず。私はそれを信じてその時まで『掃除』するであります」
 そう言いながら、包丁を取り出して敵の武器を弾き返す。
 錐人が狙っているのは二人の同時攻撃だ。特にリョウカには彼女の最大火力をぶつけてもらおうと、その時を見極める。
「そのために必要なのは『俺は動かず、敵を動かす』ことだ」
 小さく呟いて、いつでも飛び出せるように足に力を込めた。
「っ、しぶといですね」
 敵が苛立った声を上げる。バトラー・サファイアはこれまでの戦いで随分傷ついていた。これ以上戦いが長引けば、当初の計画に支障が生じるだろうとも考える。
 ならば、と。
 暗器を飛ばしながら、自らも一歩踏み出した。
 直接錐人とリョウカを叩き潰すと。
「動いたな!」
 瞬間、錐人も駆け出す。
 全身をオーラで覆い、襲ってきたサファイアの身体をガッチリと掴んだ。
「は、離せ」
 敵の焦る声。だがどれだけナイフで突き刺そうとも揺るがない。
「離すわけ、無いだろうが」
 錐人はサファイアの抵抗を力でねじ伏せる。そしてニューワルサーで号砲一発。リョウカに合図を送った。
「マスターの合図デスネ」
 リョウカが最終武装モードを開放する。
 ユーベルコード『ベルセルクトリガー』を発動させ、あらゆる攻撃を仕掛けた。
 ああ、目の前の動くもの全てが敵に見える。
「モットモット『掃除』ヲ! ソシテ『料理』ヲ!」
 理性を失い、動くものすべてを打ち砕いていった。
 サファイアの暗器も、錐人から逃れようとしているサファイアも、そしてそれを押さえつけている錐人も、もはや区別がつかない。
 アア、ただ『掃除』をして『料理』をするだけ。箒がうなり包丁が切り裂く。嵐のような猛襲だ。
「サファイアノ活ケ造リナンテ最高ニ綺麗デアリマス!」
 リョウカは嬉しそうに敵の身体を割いた包丁を舐めた。
 攻撃の嵐が止む。
「あ……あぁ、そんな……」
 何度も打たれ割かれたバトラー・サファイアが力をなくしていく。
「よくやった、リョウカ」
 錐人は大きく体を捻り、敵の体を地面に打ち付けた。
「……っ……」
 最後にビクリと体を震わせ、サファイアの身体が砕けて消える。

 錐人はようやく全身に纏ったオーラを解除した。リョウカの攻撃は凄まじかったが、予定通り守りを固めたことで錐人はほぼ無傷だ。
「ああ、なんてことでしょう。あの危険な存在を消し去るなんて」
「ありがとう、猟兵さんたち」
「素晴らしい。二人のコンビネーションも素敵ですね」
 遠くからクリスタリアン達が拍手をする。
 彼らにとっての驚異は去ったのだ。その表情は嬉しさと安堵に満ちていた。
 理性を取り戻したリョウカが錐人に駆け寄る。
「……こんな私でも本当によろしくて? 錐人様……」
 少し……荒ぶりすぎたかもしれない。リョウカはもじもじと様子をうかがった。
 錐人が大きく頷く。満足の行く戦いっぷりだったと。
「さあ、約束だぜ。これでリョウカは俺のメイドさんだ!」
「! あ、ありがとうございます」
 差し出された手に自分の手を添え、リョウカは嬉しそうに頭を下げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月23日


挿絵イラスト