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真田血風録~美少女武芸者触手春宮図

#サムライエンパイア #猟書家の侵攻 #猟書家 #真田神十郎 #剣豪 #上杉謙信 #魔軍転生

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●猟書家の蠢動
「はっ……はぁっ……はあっ……!」
 しなやかな肢体が枝を潜り、木の根を跳び越える。
 ポニーテールにした亜麻色の髪と、太股が露わになるほど裁断された小袖の裾から伸びる狐の尻尾をなびかせ、妖狐の少女は三角形の耳をピクピクさせた。
「……撒けたの? もう追っては……こない?」
 腰に佩いた太刀の柄に触れた少女の草鞋は、いつしか枯葉の積もった森の地面を抜け、濡れた岩場を踏んでいた。
 陽光に煌めく沢を前に、妖狐の少女は深く息を吐く。
「……何なのよ、猟書家って。幕府転覆とか……意味が解らないわっ」
 街道をのんびりと歩いていた自分の許へ、半刻ほど前に突如現れ、襲い掛かってきた『真田神十郎』を名乗る男とその配下たちを思い返し、少女は頭を振った。
 少女はしがない旅人。……先の三方ヶ原の戦いから、島原での復活した第六天魔王・織田信長との決戦……その混乱の最中で離ればなれになった家族を捜し、諸国を放浪しているだけの身だ。
 ……齢15の女の身で一人旅をする為に、かつて渡来人からもたらされたという奇妙な剣術を修めてはいたが……。
「……『蹴刀の山吹』なんて、何処の誰が言い出したのよ……」
 真田神十郎から呼ばれた自分の異名に、少女――山吹はやや吊り目がちの愛らしい顔を顰めた。
 ――その刹那のことである。
「「「「「――見~付~け~た~タ~コ~!!」」」」」
「んきゃあっ!?」
 目の前の沢から、幾十もの長くうねるものが飛び出した。悲鳴を上げつつも、山吹は太刀を抜き払い、鞘を放り捨てる。細腕に構えた剛剣を、遠心力も利用して己に迫る触手の群れへと振るった。――刃が充分に加速した瞬間、着物の裾が翻るのも構わずに繰り出されたカモシカのような脚線美が、太刀の峰を蹴り付けてさらなる速度を上乗せする。
 大気が慄くような斬撃音を響かせ、触手の大群を切り飛ばした山吹だが……そこで自身の迂闊に気付いた。
「あ――ひゃんっ!?」
 濡れて苔むした沢周りの岩場は大変滑り易く、刃渡り三尺を超す大刀を振るった反動を、廻し蹴りによって片足立ちとなった体勢では殺し切れなかったのだ。
 可愛く鳴いて尻餅をついた山吹に、沢の水面から新たに生えた触手の軍勢がにじり寄る……。
「やっ……嫌っ! ……や、やぁぁああああああああああっっ!?」
 山吹の、その名の如く山吹色の着物の裾から、襟ぐりから、ヌメヌメと照り光る触手共が滑り込む。白磁のような肌の上に赤い吸盤の跡を刻み付けながら、年齢の割に発育した彼女の胸へ、尻へ、腰回りへ、触手たちは無遠慮に絡み付いていって……。
 ……やがて、憐れな妖狐の少女の武芸者の声は、拒絶の啜り泣きから切ない喘ぎ声へと変わっていった……。

●……多分、謙信さん泣いてる
「皆~、ちぃとお願いしたいことがあるんやけどー!」
 グリモアベースに元気な声を響かせ、UDCアースの日本の学校の制服であるというプリーツスカートをフワリ。スカイダンサーらしく踊るようなステップを決めた灘杜・ころな(鉄壁スカートのひもろぎJK・f04167)が新たな事件の発生を猟兵たちへ報せた。
 ……相変わらずこのグリモア猟兵、どれだけ激しく動いてもスカートの中の肝心な所が一切見えない。
「今回皆には、サムライエンパイアへ行ってもらいたいんよ。――『クルセイダー』の配下の猟書家がついに動き出したんや!」
 ころなの報告に、気を引き締めた猟兵も多かっただろう。『迷宮災厄戦』にて撃破が叶わなかった猟書家・クルセイダー。それが事を起こし始めたのだから。
「敵は真田神十郎っちゅう新たな猟書家とその部下たちや。そいつらは優秀な剣豪を殺して、配下のオブリビオンとして蘇らせようとしとる。皆には、今回狙われとる『蹴刀の山吹』っちゅう剣豪を助けてほしいんや」
 山吹という剣豪は、UDCアースでいうところの『倭刀術』に似た剣技を使うらしい。ころなとそう変わらぬ年齢の少女ながら、野盗や獣をものともせずに一人旅が出来ることからもなかなかの使い手と言える。
「……ちゅうても、今回彼女を襲うんはオブリビオン。しかも多勢に無勢。ここままやと山吹ちゃんの運命は風前の灯火や……」
 皆にはそこに乱入し、山吹を救ってほしいところなは語る。
「ただ、真田神十郎は『超・魔軍転生』を使うんよ。これは、信長の『魔軍転生』の強化版でなぁ。『死んだ魔軍将の魂を大量に複製して召喚、配下全員に憑装させる』んよ……」
 その上、今回憑装されるのは『上杉謙信』。軍略に長けた彼の魔軍将の力を得た神十郎配下のオブリビオンたちは、巧みに自分たちに有利な地形へ猟兵たちを誘い込んでいく。対抗手段が無ければ、猟書家と戦う前に猟兵側が全滅してしまう展開もあり得た。
「せやけど、本物の上杉謙信も、それ以外にもたくさんのオブリビオンを倒してきた皆や。きっと朗報を持ち帰ってくれると信じとるで!!」
 そう言って皆を送り出そうとして――ころなは思い出した風に付け加えた。
「あ、それからやけど――今回の猟書家の配下、『蛸』やから」
 ……何ですと?
「触手で相手の全身を絡め取って、色々弄り回して……骨抜きにしてしまうっちゅう困った連中なんよ! 皆、気ぃ付けてな!!」
 ……そんなエロモンスターに憑装された謙信さん、きっと泣いてる。


天羽伊吹清
 皆様、お久し振りです。初めましての方も居ますかね?
 天羽伊吹清、迷宮災厄戦以来のシナリオ公開です。

 今回のシナリオは『猟書家の侵略』に基づく『幹部シナリオ』となります。
 2章構成で完結致しますのでご注意下さい。
 また、第1章、第2章共に、次の内容をプレイングに組み込むことで判定にボーナスを得られます。

『剣豪・山吹を守る(本人も、猟兵たちほどではありませんがそれなりに戦えます)』

 猟兵たちは、早ければOP本文の『●猟書家の蠢動』で山吹が尻餅をついた前後には乱入出来ます。もっとも、これは『最速で駆け付けた猟兵は』ということになります。先に判定された猟兵のプレイングにより、状況・山吹の状態は変化していきますのでご注意を。

 ……なお、第1章に関しましては、お色気描写の希望も受け付けます。――が、第2章に関しましては、戦う真田神十郎のキャラクター性を鑑み、彼に直接何かを行う・行わせるお色気描写を希望されているプレイングは不採用に致しますのでご了承下さい(真田神十郎に直接関わらないお色気描写なら、採用の余地は充分にあります)。

 それから――『真田神十郎自身は憑装を行っておりません』。

 それでは、皆様のプレイング、心よりお待ちしております。
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第1章 集団戦 『骨抜き妖怪『衣蛸』』

POW   :    随分と凝ってるタコ~。俺たちのようにほぐすタコ!
【タコの保護色能力で全身を迷彩して接近し】【筋肉の塊である8本の触手で相手を捕まえ、】【マッサージで弱らせてからの絞めつけ攻撃】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    カッピングもやってますタコ~。血流良くなるタコ!
【タコの保護色能力で全身を迷彩して接近し】【非常に強力な吸盤で相手を捕まえて、】【カッピングで生気を吸い取り弱らせる攻撃】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    運動不足じゃないかタコ~?ヨガは身体に良いタコ!
【再生能力を活かして非常にしぶとく接近して】から【筋肉の塊の触手と強力吸盤で相手へ捕縛攻撃】を放ち、【操り人形のように強制的にヨガをさせる事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ハロ・シエラ
妖狐の剣士、ですか。
手助けして差し上げたくなりますね……私は人間ですけど。
あの蛸とも戦った事があります、何とか出来るかも知れません。

まずは彼女を【かばう】必要があるでしょう。
敵は迷彩で姿を隠している様ですが、私の【第六感】で察知したい所です。
それが出来れば【カウンター】のユーベルコードで触手を【切断】し、絡み付かれるのを防ぐ事も出来るでしょう。
足元の悪さは【地形耐性】でカバーしながら戦います。

彼女が体勢を立て直すまでは敵を【おびき寄せ】る必要があるかも知れません。
その為なら捕まるくらいは我慢しておきましょう。
マッサージで弱ったふりをしておいて【だまし討ち】し、【怪力】で抜け出すとします。



「あ――ひゃんっ!?」
 自らに迫る触手の群れを切り払った代償に、『蹴刀の山吹』の通称で知られる武芸者の少女は苔むした岩場に足を滑らせ、尻餅をつく。
 ……そのような大きな隙を見逃すオブリビオンたちではない。沢より持ち上がった新手の触手群が、我先にと山吹に向かって殺到した。
「ひっ――」
 ミニスカート丈の小袖の裾から伸びた尻尾を逆立て、山吹が掠れた悲鳴を漏らした……刹那である。
「――はあっ!」
 山吹と触手共の間に走り込んだ小柄な体躯が、手にしたレイピアを一閃。炎を纏った斬撃が、山吹を慰み者にするはずだった蛸足共を切り飛ばし、炎上させる。
 山吹に劣らぬ脚線美で危なげなく沢の畔に立ち、彼女を庇ったのは――ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)。唐突に差し伸べられた救いの手に、山吹は目を白黒させた。
「今の内に体勢を! 早く!!」
「え、ええ!」
 ハロの有無を言わせぬ促しに、山吹は慌てて跳ね起きる。……が、直後にカクンッと膝が折れた。脚を負傷している……様子ではないが、鼻先にまで肉迫した絶望の匂いに、動揺が肉体を縛っているのだろう。
(彼女が体勢を立て直すまで、まだ時間が掛かりそうですね……)
 如何に剣豪と称えられる腕前でも、山吹はまだ10代半ばの少女だ。致し方無し、と、13歳ながらダークセイヴァーで苛酷な経験を積んできたハロは慮る。
「少しの間、私があの蛸たちを引き付けます。その間に気持ちを落ち着けて下さい」
「……え? あ――」
 山吹が返事をするより早く、ハロは駆けた。剣豪の少女の亜麻色の髪から突き出た狐耳をチラリと見、ハロは決意を新たにする。
(妖狐の剣士、ですか。手助けして差し上げたくなりますね……私は人間ですけど)
 人間、ではあるが、時々黒い狐の耳やら尻尾やらが生えてきたりするハロ。何とはなしに、山吹へ親近感を覚えているのかもしれない。
 今もその感情の昂りに、狐耳と狐尻尾を顕現させたハロ目掛け――沢とは反対側の岩陰から吸盤だらけの触手が伸びる。
「っ――!!」
 死角からの奇襲を第六感で察知したハロは、苔に塗れた岩の上で敢えて靴底を滑らせ、フィギュアスケーターの如き旋回にて触手をギリギリで躱す。反撃のレイピアでその触手もまた焼き切った。
「厄介、ですねっ。この『骨抜き妖怪・衣蛸』は……!」
 岩の一つに擬態していたミズダコを思わせる大蛸に、ハロは舌打ち混じりに吐き捨てる。
 ハロが正体を看破したその蛸妖怪は、保護色を利用しての隠密を得意としていた。なかなかに手強いオブリビオンではあるが……ハロとて勝算が無いわけではない。
(この蛸とは戦ったことがあります。何とか出来るかもしれません)
「どうしました? 私一人捕まえられないなんて……猟書家の配下といっても大したことは無いのですね!」
 ハロは不敵な声で挑発し、衣蛸たちが山吹の方へ行かぬように己へと誘き寄せる。沢より這い上がってきた衣蛸たちを細剣より放つ炎で牽制し、岩の擬態を解いた蛸妖怪たちは蛇の牙のようなフックが付いたワイヤーを振るって威嚇した。
 そうやって敵から付かず離れずの距離を保ち、また一歩山吹とは逆方向へと踏み出した――瞬間。
「ダ~~ゴ~~!!」
「っ……!?」
 ハロの背後の見上げるような岩が蛸足を生やし、それを彼女の両脚へと巻き付けた。吸盤がハロの太股に、ふくらはぎに吸い付いてガッチリとホールド。そのまま彼女は逆さ吊りにされる。
(――大きい……!)
 実のところ、ハロはすぐ後ろにまだ姿を隠した敵が居ることも、他の衣蛸たちがそちらへ自分を追い込もうとしていたことも悟っていた。それでも敢えて引っ掛かってみせたのは、未だ太刀を杖代わりにしなければ立ってはいられない山吹の方へオブリビオン共を行かせぬ為。囮としての役目に殉じたのである。
 だが……流石にこの相手は予想外。他の衣蛸たちより遥かに大きく、身長が150cmに数cm足りないハロなど、胴体部に三人は入ってしまいそうだ。
 その巨体だけでも充分に難敵であるのだが……。
「このっ……下ろしなさいっっ……!!」
 逆さ吊りにされたことでまくれ上がりそうになる軍服のスカートを押さえ、ハロが大型衣蛸を怒鳴り付ける。その頬は林檎のように色付いていた。
 年齢不相応に落ち着いた雰囲気に騙されがちだが、実際のハロは背伸びしがちのところがあるだけの歳相応の女の子である。こういう恥ずかしい目に遭う耐性も、実はほとんど無い。……それでも、その強がりな気質はこんな場面でもハロに弱音を吐かせなかった。
(山吹さんが立ち直るまで、捕まるくらいなら我慢しておきましょう……!)
 ……けれど、当然『捕まるだけ』で済むはずが無い……。
「――ひゃっ!? な、何をする気ですか……!?」
 拘束したハロの脚を力ずくで開かせ、スカートをガードしていた彼女の両腕も触手で引き剥がして捕らえた大衣蛸。支えを失ったハロの腰布は重力に引かれて完全にまくれ上がり、キュートなピンクのショーツが陽の下に晒された。……ハロの頬の温度がさらに一段階上昇する。
 周囲に集まった衣蛸たちの触手は――そのハロの下着に散った桜の花弁の柄へと狙いを定めていた。
「さあ――この子のコリをしっかりと解すタコ~」
「あれだけの足捌きを駆使する子だから、きっと脚が疲れているはずタコ!」
「その中でもきっと、アソコのコリは酷いはずタコー」
「――『股関節』ダ~~ゴ~~!!」
「にゃっ!?」
 衣蛸たちの言い分に、ハロは狐耳が生えてビクンッと震えるほど心掻き乱された。
「待っ……何を考えているんですかあなたたちは!? やっ、やめっ――」
「遠慮するなタコ~」
「これこそ俺たちのOMOTENASIの精神タコ~」
「お前もコリを解されて俺たちみたいにグニャグニャになるタコ~」
「……その後しっかり始末して、お前も神十郎様の配下に加えてやるダ~~ゴ~~!!」
 巨大衣蛸がハロを触手で束縛したまま、彼女の下半身を仲間たちの方へと向ける。そこへ、衣蛸たちは次から次へと群がっていって……。
「あっ――」
 ハロの赤い眼が大きく見開かれ、その可憐な唇が何かを叫ぼうとする。……しかし、結局意味ある言葉は紡がれること無く……ハロの長く艶やかな黒髪が振り乱され、背筋が弓のように反り返り、若干13歳の少女の痩躯が小刻みに痙攣を繰り返した……。
「――その子を放せぇ!!」
 と――最後尾に居た衣蛸が胴体を輪切りにされる。独楽のような旋回で太刀を叩き込んだのは……山吹。ようやく臨戦態勢へ立ち戻った妖狐の剣豪に、衣蛸たちは焦りながら振り向いて……。
「……時間稼ぎは、もう充分ですね」
「――ダ~~~~ゴ~~~~!?」
 ブッッヅンッッ!! という凄絶な音を鳴らし、動きを封じられ、マッサージで骨抜きにされていたはずのハロが大衣蛸の触手を引き千切っていた。踊るように身をくねらせる大型蛸妖怪へ、ハロは『小さき狐』の銘を持つレイピアを容赦無く突き立てる。体内へ流し込まれた細剣の火炎により、大型衣蛸は内側から弾けるように火柱と化した。
「……散々、いいようにやってくれましたね……」
 赤い双眸に極寒の色を宿し、衣蛸たちを睨め付けるハロ。その表情の冷たさと反比例して、レイピア・リトルフォックスの炎はより大きく、熱く燃え上がっていた。
「お、お前……骨抜きになったんじゃなかったのかタコ!?」
「ふりです。……騙されましたね?」
「タ~~コ~~!?」
 また一体、衣蛸を屠って、ハロは山吹と合流する。軍服の猟兵少女の横顔を、妖狐の剣豪少女は少し戸惑い気味に見詰めた。
「……本当に大丈夫?」
「大丈夫ですとも! ……下着は、脱がされていませんから……」
「そ、そう……」
 目が潤んでいる気もするハロへ、山吹はそれ以上ツッコまなかった。代わりに問い掛ける。
「それで――あなたは誰? この状況はどういうことなのよ?」
 それに、自己紹介もまだだったことを思い出して、ハロは僅かに唇の端を持ち上げて答える。
「私はハロ・シエラ。あなたを助けに来ました――」

大成功 🔵​🔵​🔵​

叢雲・黄泉
「面白い太刀と剣術を使う少女が危機とあっては助けに行かないといけませんね……
そして、事件が解決したら太刀を見せてもらわなければ……」(刀剣好き

魔物ごとき、邪神たちに比べれば敵ではありません……
私の妖刀の錆にしてあげましょう……

「受けてください、あらゆる魔を斬り裂く必殺剣を……!」

抜き放った妖刀から【斬魔剣】の一撃を放ち、山吹を助けようとしますが……

「なっ!?
斬魔剣で……斬れない……!?
にゃあああっ!」

コンニャクのようなものは斬れないため、タコの触手に捕まってしまい……
触手によって身体中の敏感な部分を隅々までマッサージされて嬌声を上げさせられるのでした。

「これが……車懸りの陣……!?」(違います



「……クルセイダー? 豊臣秀吉の孫!? えぇ……何でそんなことになってるのよ……?」
 叢雲・黄泉(賞金稼ぎの邪神ハンター・f27086)から大体の事情を聞かされ、山吹は溜息を吐いていた。
(まあ、無理もないですね……)
 黄泉は思う。山吹は今回、完全に巻き込まれたクチだ。落ち度の一切無い被害者である。――だからこそ守らねばと、黄泉は決意を新たにした。
(面白い太刀と剣術を使う少女の危機とあっては、助けないわけにはいきませんから)
「……そして、事件が解決したら、その……太刀を見せてもらってもいいですかっ?」
「……え? ま、まあいいけど……」
 目をパチクリさせる山吹から言質を取って、黄泉は内心でガッツポーズをする。黄泉は実のところ、かなりの刀剣愛好家であった。それ故、山吹の使う倭刀術、そしてそれ用に彼女が師匠より授けられたという刀に興味津々なのである。
 ちなみに、山吹の愛刀はサムライエンパイアやUDCアースの日本の太刀とは微妙に違っていた。『苗刀(みょうとう、ミァオタオ)』――UDCアースの中国において、日本刀を参考に作られた刀剣の方に実は近い。

 閑話休題。

 さて、先陣を切った軍服の少女猟兵に斬られ、焼かれた骨抜き妖怪・衣蛸たちであるが、まだまだ多数の個体がこの沢の周辺には潜んでいるようだった。保護色で身を潜めてはいるが、虎視眈々と山吹を亡き者とする機会を窺っていることを黄泉は第六感的に感じ取る。妖狐の少女剣士を背に庇うように立ち、黄泉はうそぶいた。
「魔物如き、邪神たちと比べれば敵ではありません……。私の妖刀の錆にしてあげましょう……」
 黄泉の挑発的な言動に反応したのか――彼女を左右から挟撃する形で、衣蛸の姿が滲み出る。
「山吹、下がって下さい!」
「あ――」
 狐耳の少女剣士を後方へ押しやると同時、黄泉の両腕が紅に染まった。半吸血鬼たる黄泉の吸血鬼の因子が発現したその手が、血のように禍々しい色のオーラを纏う刀を抜き放つ。それを彼女は、雄々しく薙いだ。
「受けて下さい、あらゆる魔を斬り裂く必殺剣を……!」
 ユーベルコード・『斬魔剣』――命中すればUDCアースの邪神たちですら斬り捨てると黄泉が豪語する、彼女の必殺技。それは大気を引き裂き、まずは右手より躍り掛かってきた衣蛸へ吸い込まれる。

 グニッ、ニュルッ、スカッ。

 ……衣蛸の体表へ衝突した黄泉の妖刀は、蛸の軟体へ僅かに喰い込んだ後、滑って明後日の方向に振り抜かれた。
 後方へ距離を取っていた山吹の目が点になる。
「――なっ!? 斬魔剣で……斬れない……!?」
 ……説明しよう。黄泉の必殺の斬魔剣、本当にありとあらゆるものを斬り裂けるのだが――例外的に、『こんにゃくを始め、ヌルヌルとしたものは斬れない』のである。
 …………蛸って、物凄くヌルヌルしてるよね!
 渾身のユーベルコードの不発に呆然としていた黄泉は……そのまま左手側から迫ってきていた衣蛸に捕まった。斬魔剣が痛くも痒くもなかった右手側の衣蛸もそこに加わる。
「ちょっ……黄泉さん――」
「や、山吹は逃げて……にゃああああっ!!」
 自分を助けに来ようとする山吹へ翻意を促し……涙を呑んだ表情で彼女が踵を返したのを見送って――黄泉は蛸妖怪たちへの供物となった。
 彼女の黒いセーラー服の襟元から、膝丈のスカートの裾から、吸盤が並んだ触手が何本も潜り込んでくる……。
「あっ……やぁっ……ぃやぁああああっ……!」
 自分の素肌の上を粘液に塗れた触手が這い回る感触に、黄泉は震え上がった。……口数が少なく、クールな印象が強い黄泉だが――それは人付き合いが苦手な自身を庇護する壁でしかない。本当の彼女はまだ14歳……UDCアースの日本なら中学二年生に相当する少女に過ぎないのである。
 しかも……ここまで何とか気を張ってきたものの、実は黄泉は『触手が大の苦手』なのであった。それなのに、今からその触手に黄泉は玩具にされてしまうのである。震え上がり……赤い双眸から涙をポロポロと零してしまうのも仕方が無かった。
 そんな黄泉に、衣蛸たちはあっけらかんと言ってのける。
「そんな怖がらなくていいタコ~」
「すぐに気持ち良くなるタコ~」
「「タコ~」」
「――あっ……!?」
 衣蛸たちの言い分を証明するように――黄泉の喉から艶のある響きが漏れた。
 黒いセーラー服の胸元の布を押し上げ、触手が踊る……。
「あっ……んぁっ……!? ――ひゃあっ……❤」
 黄泉の小さな唇から、甘い旋律が紡がれ始めた。ピクン、ピクンッと跳ねながら、彼女は己の胸元へ突っ込まれている触手を掴もうとするが……両手は別の触手に巻き付かれ、動きを封じられてしまう。
「邪魔しちゃ駄目タコ~。うーん……この娘、本当に胸が小さいタコ~。可哀想だからたっぷり豊胸マッサージしてあげるタコ~」
「よ……余計なお世話で、す…………あぁっ!? あひゃっ! あひぃんっ❤」
 コンプレックスを刺激され、拒絶の弁を吐こうとした黄泉だが――衣蛸の壮絶な豊胸マッサージの前にそれは掻き消された。彼女の肩がフルフルと震え、吸血鬼化が解けた繊手がキュッと握り込まれる。
「やっ……やぁっ……❤ 乳……首ぃ……そんな、弄っちゃ……駄目ですぅっ……ひぃぁっ……❤」
「ここのコリを徹底的に解すのが豊胸のコツなのタコ~」
「ほ、解れるわけ、無……あぁんっ❤」
 胸部の二つの敏感な突起を触手の先端で上下左右に弾き回されて、黄泉は喉元を晒して啼いた。彼女の主張通り、14歳の少女の細やかな胸の先端部は、柔らかくなるどころか時間を経るごとに硬さを増していく。
 それはつまり、衣蛸たち特有の豊胸マッサージがエンドレス、いつまで経っても終わらないということであり……。
「あぁっ❤ あひっ❤ あひぃんっ❤ ちっ、乳首ぃっ❤ 取れちゃぃま、す……ああぁっ❤」
「そう簡単には取れないタコ~」
 充血が収まらない乳突起からの凄絶な刺激に、黄泉は仰け反って喘ぐしかなかった。
 ……そして、胸部だけではない。黄泉の『下半身』の方にも、衣蛸たちの恐るべきマッサージは迫っていて……。
「――ひゃぅっ❤」
 黄泉のスカートの中で、衣蛸の触手が蠢いた。ストッキングを破り、ショーツの内側へ無遠慮に入り込み……それどころか、黄泉の大事な亀裂までホジホジと……。
「ん❤ んっ❤ んんっ……❤ そ、そこは、もっと……駄目、ですっ……んぁああっ……❤」
 黄泉の拒否も空しく、衣蛸の触手は彼女のクレヴァスを押し広げ、さらに奥へと邁進していく。黄泉の深淵へ続く肉洞をほじくって、そこに存在する肉襞を一枚一枚丹念になぞって揉み解していった……。
「あぁっ❤ やぁっ❤ ひゃぁああああっ……❤」
 衣蛸の執拗なマッサージによって、黄泉の女性としての器官は否応なく解されていってしまった。衣蛸の触手が奥へ……さらに奥へと突き進むことを許してしまう。
 そうして、ついに……。
 ――コツンッ。
「っっ……❤」
 黄泉の女性的深淵……赤ちゃんを育む為の部屋の入口にまで、衣蛸の触手は到達した。そこを触手の先端で撫でながら――蛸妖怪はとんでもないことを言い始めた。
「あ、ここ、一番コリが酷いタコ。目一杯マッサージしてあげるタコ~」
「……え?」
 ――そこから黄泉は、よく憶えていない……。
「っ❤ っっ❤ っっっっ……❤」
 ――とにかく、黄泉がいつか新たな命を宿すはずの場所の扉が、衣蛸によって正当な鍵が無いまま開放されてしまったのは事実である。未来に黄泉の子供が使うはずだったその空間は、一足先に衣蛸という妖怪の侵入を受けて……その思うように弄ばれてしまったのだ。
「~~っ❤ ~~~~っっ❤ ~~~~~~っっっっ❤」
 自分の肉体の奥底から迸ってくる桃色の電撃に、黄泉は何度も昇天を繰り返し……いつしか意識を手離していたのである……。
 ぼやける視界の中で、黄泉は辛うじて思考した。
(山吹、逃げられたでしょうか……?)
 そこは、彼女の運を信じるしかない……。
 衣蛸に屈服し、身も心も解されてしまった黄泉は、甘美な戦慄の中で思うのだった……。
(これが……車懸りの陣……!? ……んぁああっ、あぁっ……❤)
 ――いや、そういう認識をされたら、謙信さん号泣するから。

成功 🔵​🔵​🔴​

子犬丸・陽菜
なぜたこ…
君たちこんな陸の上でいて平気なの?
ってのは野暮ってものかな?

エッチな目に合わせるなんて許せないよ!

力を得るため宝珠を起動して内臓をかき回す
ぐちゃぐちゃという音と苦痛と気持ち悪さがいつものように…

剣豪さんを助けるために飛び込むよ!
拷問剣で剣豪さんを捉えている足を優先

更に枷を使うけどタコ…?
あ、剣豪さんこっち見るとお腹の中かき回されるから気をつけて!

ぬめぬめして斬りにくい!
威力をあげようとすると更に内臓をかき回さないと…

く、うぐ…

さ、触るなぁ、あう、ち、力が抜けて?
せ、せっかく苦しい思いをしているのにっ

もしかして宝珠を使うだけ苦しむだけなの?
どうしたら…

内臓に宝珠以外の感触が加わった…?



「くっ……くぅっ……!?」
 黒セーラー服のダンピールの少女が身体を張って逃がした山吹は、再度逃げ込んだ森の中でいよいよ追い詰められていた。
 四方の木々の陰から、何処にこれだけ潜んでいたのかというほどの骨抜き妖怪・衣蛸が現れる。……対して、山吹はこのように木々が乱立する地形では、得物の長尺刀を上手く振るえない……。為す術が無かった。
「ようやく追い詰めたタコ~」
「さあ、大人しくマッサージを受けて骨抜きになるんだタコ~」
「……そして、快楽の中で死んで、お前も神十郎様の配下として甦るんだタコ~」
「ひっ……い、嫌ぁっ!!」
 先の二名の猟兵の奮闘も空しく、山吹は衣蛸たちの餌食になってしまうのか……? 彼女の恵まれた肢体に、粘液で照り光る触手の群れが触れる――触れようとした刹那だった。

「エッチな目に遭わせるなんて許せないよ!」

 禍々しいほどに黒い刀身が、周囲の木々ごと山吹に迫る触手共を切り飛ばした。亜麻色髪の妖狐の少女を守護するように、黒髪の少女が降り立つ。
 ――子犬丸・陽菜(倒錯の聖女・f24580)であった。
 黒き拷問剣を血払いするように振った陽菜へ、山吹はおずおずと問い掛ける。
「あなたも……あたしを助けに来た猟兵なの……?」
「そうよ、剣豪さん。さあ、まずはここを突破しないと――」
 山吹へウインクして、陽菜は改めて衣蛸たちへと向き直り……疑問符を浮かべた。
「……何故蛸……?」
 今さらそこを気にしますか?
「……君たち、こんな陸の上で居て平気なの? ――ってのは、訊くだけ野暮ってものかな?」
 姿形こそ蛸であるが、衣蛸たちはれっきとした妖怪。さらにはオブリビオンである。呼吸とか水の浮力が無い状態での重力負荷とか……それは、どうとでもなるのだろう。
「……邪魔するタコ?」
「邪魔をするなら容赦しないタコ~」
「お前も骨抜きにして――神十郎様の配下にしてやるタコー!」
「やれるものならやってみなさい!」
 自分へと目標を変えた衣蛸たちへ、陽菜は気炎を上げた。……応じるように、彼女の腹の内でズグンッ……と何かが起動する。
(……っ! 来た、来た、来た……!!)
 ……腹部の布が大胆に取り除かれた陽菜の黒衣から覗く、彼女の真っ白いお腹。その内には一つの宝珠が埋め込まれている。それは、陽菜の内臓を激しく掻き回し、彼女に常人ならば気を失うような痛みと不快感をもたらすのだ。――その苦痛を代償に、陽菜の武装もユーベルコードも発動する……。
「くっ――あ、あぁああああああっ……!!」
 苦痛混じりの獅子吼を上げ、陽菜が漆黒の剣の拷問具・『逆恨みの刃』を手に駆け出す。主の苦しみを喰らって威力を増すその刃が、陽菜へと襲い来る触手を次から次へと切断していった。
 それだけで止まる陽菜ではない。
「剣豪さん、こっち見るとお腹の中掻き回されるから気を付けて!」
「……お腹? ――え? はっ!?」
 陽菜の忠告に困惑を浮かべつつ、律義に目元を手で覆う山吹。それを確認するが早いか、陽菜は己の腹から響くグチュグチュという音を聞きながらユーベルコードを成就した。
「『あたしの、苦痛の一端……感じてみますか? ん、ぐ、んぐぅっ!!』」
 解き放たれるは、『知られざる枷』と名付けられた陽菜の秘術。視線を媒介に、陽菜の『内臓を掻き回される苦痛』を他者にも共有させる呪詛……。
「んぐぐっ……タコー!」
「痛い、痛いタコ~!」
 それを喰らった衣蛸たちが、一見頭のように見える胴体を抱えて地面を転げ回った。相手が蛸ということで、通じるか些か不安だった陽菜だが、効果は充分に発揮されたようである。
 ――が、そうは問屋が卸さなかった。
「ターコー!」
「っ!?」
 直前に触手を切り飛ばされ、無力化したはずの衣蛸たちが、陽菜の死角から喪失したはずの触手を放ってきた。衣蛸たちの十八番は保護色だけではない。再生力も常軌を逸しているのである。
 普通の蛸でも、触手を失った程度ならしばらくすれば生えてくるのだ。妖怪にしてオブリビオンたる衣蛸たちの再生の力は、推して知るべし。
 油断を突かれた陽菜は、漆黒の拷問剣で迎撃を試みるが……。
「……っ!? ヌメヌメして斬り難い……!!」
 間合いを詰められ、思うように剣を振れない……遠心力が足りないことも原因だった。『逆恨みの刃』は、衣蛸たちの体表を滑って弾かれてしまう。……切れ味をもっと増す方法が、無いわけではなかったが……。
(威力を上げるには、さらに内臓を掻き回さないと……うぅっ)
 念じれば即座に宝珠はそれに応えると解っていながら、陽菜は躊躇した。それはより強い苦痛を恐れた――からではなく、最近はらわたを掻き回されると覚えるようになってきた『別の感覚』の方を恐れたからだったが……何にせよ、躊躇った一瞬が致命的となる。
 ――その隙を突いて、衣蛸たちのうねる脚が、とうとう陽菜を捕らえたのだ。
「くっ、うぐっ……!?」
 陽菜の四肢に巻き付いた蛸足が、彼女の関節を様々な方向へ捻り上げる。陽菜の手から黒い愛剣が滑り落ちた。
「今助け――」
「――駄目! 剣豪さんは逃げて!!」
 救助に飛び込もうとした山吹を、陽菜は鋭い声で制した。ここで山吹まで捕まれば、陽菜の、他の猟兵たちの努力も無に帰す。……数瞬迷った山吹は、「死なないでね!」と言葉を残して逃走に移った。
 彼女を追おうとした衣蛸たちを『知られざる枷』で牽制して――それが陽菜の限界。
「さ……触るなぁ……!」
 全身に絡み付いた触手に強制的にY字バランスに似たポーズを取らされながら、陽菜は拒絶の声を上げた。彼女の黒衣の短いスカートがまくれ、下着がお目見えしていたが……それを気にしている場合ではない。
 右脚、次いで左脚と交互に上げられる度に、陽菜には想定外の変化が起きていた。
「……あ、う……ち、力が抜けて……? せ、折角苦しい思いをしてるのにっ……!?」
 強いられるヨガのせいで、陽菜の脚には力が入らなくなってきていた。両腕も絶妙に捻られることで脱力してくる。視線による苦痛の共有も、タネを気付かれたらしい。衣蛸たちは木々の陰や岩陰から触手を繰り出して、巧みに彼女の視界の外に陣取り、自らの視界にも彼女を入れなかった。触手から伝わる触覚だけで、陽菜を攻め立てる。
(手立てが、無い……! もしかして、宝珠を使うだけ苦しむだけなの? どうしたら……!?)
 陽菜の焦燥は――ここから余計に加速する。
「……はっ……ぅ……ぅあっ……?」
 何となく……宝珠に掻き回されているお腹の中の苦痛が和らいだ気がした。
(ううん、むしろ――少し、気持ちいい……ような……?)
「あ……ぁん……はぁっ……!?」
 陽菜の声が熱っぽさを増していく。
「――効いてきたみたいタコー」
 彼女は、衣蛸たちの会話を耳にした……。
「この娘、何だかお腹が痛そうにしてたし、お腹に良いヨガを試してみたタコ~」
「効果は抜群タコー」
「ついでにお腹に良いマッサージもしてあげるタコ~。タコ、タコー」
「あっ、やっ、ひぃぁっ……んぁっ……❤」
 おへその周りをプニプニと触手に揉まれ……陽菜は自分の喉から漏れる声におかしな響きが混じるのを自覚した。
(やっ、な、何か……変っ……!!)
 ――偶然の相乗効果だった。お腹を、内臓を回復させる衣蛸たちのOMOTENASI技の効能で、陽菜の内臓は普段よりも強さを増す。その結果、宝珠の機能も何とか受け止められるようになり……そのせいで、宝珠の与える刺激は逆に『内臓に対するマッサージ』的な効果を発揮し始めたのだ。
「あっ、くぁっ……やぁぁっ……❤」
 陽菜が、お腹を前に突き出すように身体を仰け反らせる。特に、下腹の、おへその下にある臓器に火が点いたようになっていた。背筋を駆け上がる疼きに、陽菜は瞳を潤ませる。
(こ、これ、ある意味……普段お腹の中を掻き回されてる時より、苦しぃ……!!)
 苦しくて――気持ちいい。陽菜の目の前にバチバチと火花が散る。
「……うーん? この娘のお腹の中、どうなってるタコ? 何かあるタコ~?」
「……直接触って確かめてみるタコ?」
「それがいいタコ~」
「……え?」
 衣蛸たちの話す声に、陽菜は我に返った。……気が付けば、抱え上げられてM字開脚のような体勢を取らされた彼女の脚の付け根の前には――吸盤だらけの触手が鎌首をもたげるようにしていて。
 ……陽菜の、『内臓への直通通路の一つ』と間近の位置……。衣蛸たちが何を目論んでいるか、流石に陽菜にだって解る。
 だけれど……。
(……今、この状態の内臓に……宝珠以外の感触が加わったら――)
 ――その想像は、陽菜の胸を痛いほど疼かせてしまった。
 過呼吸染みた荒い息を吐き続ける陽菜は、蛇のように揺れる一本の触手から目を逸らせない。
 やがて……彼の触手によって、陽菜の内臓直通通路を守っていた布地が――剥ぎ取られた……。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
厄介ですが、何とかやってみましょう。

『F●S』3種を展開し【白翼衣】を使用して飛行、山吹さんの所へ急ぎますぅ。
『視界の悪さ』故に上空からの攻撃は難しいですが、『足場』を考えると飛行の利点は大きいでしょう。

到着したら「味方です」と呼び掛けつつ『FBS』を山吹さんの周囲に配置、彼女の『死角』を塞ぎ守り易くしますねぇ。

相手は『蛸』、手数に加え樹上からの降下等も有り得ますから、これに戦闘巧者の謙信さんの力となると、相当厄介ですぅ。
『FSS』は『死角からの攻撃』への[カウンター]中心に使い、『FRS』による[砲撃]主体で攻撃しますねぇ。

謙信さんの為にも早く仕留めたい気がしますぅ。


フレミア・レイブラッド
エロ蛸に憑依させられるなんて、謙信が本当に嘆いてそうね…。
しかもこんな可愛い子を襲うなんて…わたしが可愛がってあげたいわ(本音漏れ)
まぁ、謙信を憑装するなら、こちらも謙信の力を使わせてもらうわ!

敵と山吹の間に庇う様に割って立ち【念動力】で山吹の周囲に防御壁を形成。
更に【ブラッディ・フォール】で「天使と悪魔携える軍神」の「上杉謙信」の服装(フレミアにアレンジした感じ)に変化。
【毘沙門刀車懸かり】で12本の『毘沙門刀』を纏い、各属性の刃で敵の触手を斬り落としながら接近し、最後はタイミングを合わせ、山吹と渾身の連撃(毘沙門刀連斬)を叩き込むわ!

私を手籠めにしたければ美少女に生まれて出直して来なさい



「……彼女、大丈夫かな……!?」
 自分を守る壁となってくれた黒髪黒衣の少女を思いながらも、山吹は秋深い森を駆ける脚を止めない。
 ここで自分が真田神十郎配下に捕まれば、これまでに自分を助けてくれた猟兵たちの献身が無駄になることを理解しているからだ。
 そんな山吹の後ろで、一体……また一体と追っ手の衣蛸が増えていく。それが意味するところを……直前に自分を逃がしてくれた黒髪の少女猟兵がどうなったかを悟り、山吹は唇を噛む。
 いつしか雪崩の如くなった衣蛸の群れが、妖狐の剣豪少女の真後ろにまで迫った……。
「……厄介ですが、何とかやってみましょう」
 ――そこに、些かスローテンポな声が上空から降ってきた。
 はっと山吹が頭上を仰げば、そこには童顔に似合わぬ大変に豊満な肉体を持った少女が一人。乳白色のオーラを纏い、飛翔する夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は、引き連れて飛んでいた光の刃のチャクラムを眼下へと降り注がせる。
「「「「「タコ~!?」」」」」
 今まさに山吹へ触手を伸ばそうとしていた蛸妖怪たちが、ぶつ切りになって地に倒れた。
 葉の落ちた森の木々を掻い潜り、るこるの光輪刃――『フローティングブレイドシステム(FBS)』は山吹を庇護するように並走する。同じく、枝葉を縫って高度を落としたるこるも、山吹の斜め上に陣取った。
 戸惑う亜麻色髪の妖狐へ、るこるは微笑。
「味方です」
「――ええ、わたしもね」
 保護色で隠れ、先回りしていた衣蛸たちが、荒れ狂った念動力によって弾き飛ばされる。
 山吹よりもさらに鮮やかな金色の髪をなびかせて彼女の横に並んだのは、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)であった。
 彼女たちこそ、今より山吹を守る心強き護衛である。
 FBSで山吹の死角を補いながら、るこるは思案の色を顔に浮かべていた。
「相手は『蛸』。手数に加え樹上からの降下もあり得ますから、これに戦闘巧者の謙信さんの力となると、相当厄介ですぅ」
 そう言いつつ、予想通り木の上から八本の触手を広げて降ってきた衣蛸を、るこるは両腕に装着した砲台――『フローティングレイシステム(FRS)』にて撃ち抜き、骸の海へと還す。
(本当は、もっと上空に座して一方的な射撃を行いたいところなんですがぁ……)
 秋深まったとはいえ、まだ色付いた葉を枝に纏わせた木々は多い。先にFBSを強襲させた時のように、高空から衣蛸たちを狙えるポジションは少ないのだ。お世辞にも良くはない森の中の足場を無視出来る飛行は維持しつつも、るこるとて安全地帯には居られないのである。
「謙信さんの為にも早く仕留めたい気がしますがぁ……長期戦になりそうですねぇ……」
 今、山吹の踏み出そうとした地面より起き上がった衣蛸を、浮遊するビームの盾群――『フローティングシールドシステム(FSS)』で喰い止めつつ、るこるはぼやく。それもまたFRSの一部である、脳波で操作される16の浮遊砲台で衣蛸を一体、また一体と葬りながら、るこるは自分と今回の敵の相性の悪さを感じていた。
 ……いや、『相性が悪い』のとは些か異なるか。FBS、FRS、FSS……いずれも変幻自在に機動する、数のある兵装を駆使し、手数で勝負するるこると、保護色を活かして奇々怪々な奇襲を行ってくる衣蛸。……それも、いつ尽きるかも解らぬ大群。
 ――戦法の方向性が似過ぎているのである。
 このような似たタイプの者がぶつかり合った場合、どうしてもお互いの戦力の地道な削り合い……消耗戦になってしまうケースが多いのだ。
 本心では早期決着を望んでいるるこるにとって、それは頂けない……。
 本来なら、『飛行』というアドバンテージがあるるこる側が、衣蛸の触手が届かない高空から絨毯爆撃で圧勝出来るはずなのだが――上空からの視界を遮る木々と、山吹という飛べない護衛対象の存在が、るこるの優位を殺している……。
 何より、一番脅威なのは――恐らく衣蛸たち、それらを全て『読み切ってやっている』点であった。
「……怖いですねぇ、憑装・『上杉謙信』……!!」
 るこるの頬を冷や汗が伝う。
 けれど――希望はあった。
 何せ、ここまでの分析は『彼女』の存在を一切考慮していないのだから。
「……エロ蛸に憑依させられるなんて、謙信が本当に嘆いてそうね……」
 心底謙信に同情した様子で呟いた――フレミアの存在を。
 彼女は横を走る山吹の整った横顔、ついでに走る度に悩ましく弾む胸の膨らみを眺めてアンニュイな溜息を零す。
「しかも、こんな可愛い子を襲うなんて……その前にわたしが可愛がってあげたいわ」
「……ぅえ?」
「本音漏れてますよぉ?」
 一歩だけフレミアから距離を取る山吹と、ツッコミを入れるるこる。失言をごまかすように、フレミアは真紅の愛槍・『ドラグ・グングニル』を構えた。
「まぁ、謙信を憑装するなら――こちらも謙信の力を使わせてもらうわ!」
 フレミアの全身から莫大な魔力が噴き上がる。
「『骸の海に眠るその異形、その能力……我が肉体にてその力を顕現せよ!』」
「……何かヤバい気がするタコ!」
「皆、掛かれ~、タコ!!」
 ユーベルコードを発動させたフレミアに危機感を覚えたか、衣蛸たちが一斉に保護色を解いてフレミアに殺到するが――遅かった。
 見よ……フレミアの赤きドレスが、青地に白のアクセントが入った新たな衣に変じるのを。小柄ながらもメリハリのあるボディラインに密着した新しきドレスの上に、白き陣羽織が抱擁するように纏われた。強気に微笑んだフレミアの周囲に、12の色とりどりの刀が次々に召喚され、舞い踊る。
 ……フレミアのユーベルコード・『ブラッディ・フォール』は、過去に彼女が戦ったオブリビオンの力を骸の海より引き上げ、再現するもの。エンパイアウォーにて魔軍将・上杉謙信と交戦した経験があるフレミアは、当然のことながら彼の能力も振るうことが出来るのだ。
 12の刀を稲妻の嵐の如く乱舞させ、襲い掛かってきた衣蛸たちをことごとく斬り捨てたフレミアは、自信満々、不敵に言ってのける。
「さぁ――わたしの謙信の力とあなたたちの謙信の力、どちらが上か試してみましょうか?」
 迷宮災厄戦において、クルセイダーすら凌駕したその武力が、彼の猟書家の配下の配下に過ぎない衣蛸たちへ容赦無く炸裂する。
「山吹、あなたもやられっ放しは嫌でしょう? わたしに合わせなさい!」
「! え、ええっ!!」
 フレミアに促され、山吹も太刀を手に駆け出した。驚異の再生力を発揮して身を起こした衣蛸の一体へ、彼女は愛刀を叩き付ける。……それは、衣蛸の触手に受け止められてしまったが――そこにさらに叩き付けられた山吹の廻し蹴りが太刀を蛸の胴体にまで押し込み、続け様に打ち込まれた二発目の蹴りが、とうとう衣蛸を輪切りにした。
 山吹が衣蛸を一体倒す間に……フレミアはその数倍、否、数十倍の戦果を上げる。彼女の周囲で大回転した12色の毘沙門刀が、竜巻の如く衣蛸たちを巻き上げた。本来ならそれの障害になるはずだった森の木々たちは、そういう形の動物の如くフレミアの邪魔にならぬように彼女の周辺から離れていく。……『樹』の属性の毘沙門刀による操作であった。
 そして、邪魔な木々がそうやって退いたことで、『彼女』の方もその力を万全に使えるようになったのである……。
「FSSは味方の誤射が無いよう、二人を守って下さいねぇ。FRS――フルファイア! FBSはまだ息がある個体へのとどめをお願いしますぅ」
 乳白色のオーラを煌かせ、上空へ舞い上がったるこる。自身の両腕の固定砲台と周囲に追従する浮遊砲台から、数え切れぬ光の線を地上へと走らせた。神の怒り、天の裁きの如き閃光が、衣蛸たちを蒸発させていく……。
 ……あれだけ居た衣蛸たちが、今や両手の指で数えられるまでに数を減らしていた。
「これで一旦区切りかしら? ――山吹、最後は派手にいくわよ!!」
「ええっ!!」
 疾駆したフレミアの隣に、12の毘沙門刀と山吹が並ぶ。ここが舞踏会の会場であるかのように鮮やかに、艶やかに旋回した二人の少女をエスコートする如く、12の属性の刀たちもまた旋風と化した。壮絶極まる斬撃音が連続して響き渡る……。
「……タ……タコ――」
「――逃がしませんよぉ」
 最後の衣蛸をるこるのFBSが真っ二つにして――目に見える範囲から衣蛸は駆逐された。
 乱れた呼吸を整える山吹の腰に手を回して支えながら、フレミアは足元の蛸の触手の切れ端を踏み付ける。
「私を手籠めにしたければ、美少女に生まれて出直してきなさい」
 少しだけ大人びた口調で、吸血姫は勝利宣言を告げた……。

 ――とはいえ、今回の事件を主導する真田神十郎が健在である以上、衣蛸の増援、山吹を狙うオブリビオンの魔手はまだまだ終わらないだろう。
 三人は休息もそこそこにこの場から移動するのであった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユメ・ウツロギ
※アドリブ歓迎、NGなし、お色気希望

これがその蛸ですか……早速、蒐集開始、です。
しかし、猟書家の狙いは理解できましたが……蛸なのに人間に欲情するのですか?とても興味深い、です。
ヨガ?知識は知っていますが

【スパーダ】で、自身と山吹さんの周囲を固める様に展開。

触手を斬り裂き、時に敵本体に魔法剣を繰り出すも、いつの間にか敵にスパーダが展開し難い地形へ徐々に誘導され、更に切断した大量の触手が足首に絡まって動きが取れなくなっていたり。

おや。流石は噂に聞く上杉謙信です。実に興味深いです。
ですが、その触手をどうするつもりです?
ヨガ?んっ、こんなものは、ヨガではない、です。

全身を触手で蹂躙・操られてしまう事に



 豊乳の女神の使徒と吸血鬼の姫の活躍で一度は殲滅されたかに見えた衣蛸たちだが……しつこく新手が湧き出してきていた。
 彼の蛸妖怪たちに狙われる山吹を庇いつつ、街道を一緒に疾駆するのはユメ・ウツロギ(蒐集の魔女・f30526)。……まだ10歳にも達していない少女が今の護衛だという事実に、山吹は困惑と不安を隠せない様子だった。
 ――とはいえ、見た目に惑わされてはいけない。ユメは『魔女』……生業ではなく、『西洋妖怪としての』魔女なのだ。幼くも整った容姿に騙されると痛い目を見るはずである。
 そんなユメ、グリモアベースで話を聞いた時から、衣蛸に興味津々だった。今、自分たちを追ってくる彼らに、好奇心に満ちた緑色の眼差しを向けている。
「これがその蛸ですか……早速、蒐集開始、です」
 抱えた『無限の書』と題された魔導書の表紙を撫でながら、ユメは『ミゼリコルディア・スパーダ』を発動する。幾何学的な軌道を描き、飛翔する魔法の剣……その数、640。それらがユメを、彼女の傍らの山吹を守るように布陣した。
 本質的には知識欲と魔法技術の探求心の塊であり、それ以外への関心が極めて薄いユメであるが……『山吹を守る』という今回の使命を、忘れてはいないようである。
 ……『衣蛸に関する知識を蒐集する』という目的の方が、強そうではあるが。
 何にせよ、ユメは自己評価が低いものの『魔術の天才』である。彼女の繰り出す640本もの魔法の剣は、襲い掛かってくる衣蛸たちを危なげなく切り刻んでいった。時に触手を切り飛ばし、或いは蛸の胴体を輪切りにして……が、そうやってどれほどの衣蛸を血祭りに上げたかも解らない頃になって、山吹が戸惑った声を上げる。
「……ねえ、あたしたち、いつの間にまた森に入ったの?」
「……そういえばそうですね……」
 人の行き来で踏み固められた街道を進んでいたはずのユメたちは、気が付けば木の根がうねり枯葉が積もった森の地面を踏んでいた。……木々が障害物となり、ユメの魔法剣は満足に展開出来ず、山吹の長尺の得物も振るい難くなっている……。
 いつの間にか、自分たちが罠に誘い込まれたとユメと山吹が悟った時には――最早手遅れだった。
「ちょっ……枯葉の中に何か居るわよ!?」
「私たちが切り落とした……触手? まだ生きています――あ」
 山吹のカモシカのような脚を、ユメの芍薬のような脚を、切断された蛸足たちが這い登った。さらには、保護色で隠れていた衣蛸の本体たちも二人の少女へと躍り掛かってきて……。

 ――幼き知識欲の魔女と妖狐の少女剣士は、そうしてとうとう蛸妖怪の魔手に囚われたのである……。

 ……否、『妖狐の少女剣士』に関しては、訂正であった。
「はぁっ……はあっ……! あ、あなた……!!」
 山吹を辱めようとした触手たちの方は、どうにか残っていた『ミゼリコルディア・スパーダ』にて断ち切られていた。小袖の帯を解かれ、量感ある乳房が零れ落ちそうになっているが、亜麻色髪の少女の貞操は何とか無事のようである。
 反対に、残っていた魔法剣を山吹の救助に使い切ってしまった幼き知識欲の魔女は、ほぼ完全にその身を触手に制圧されつつあった。
「こ、今度はあたしが助ける――」
「――いえ、逃げて下さい。山吹さん一人で対処出来る数ではありません」
 太刀を手に自分の方へ切り込もうとした山吹を、表情を1mmも動かさずにユメが止めた。
 自分を見捨てろと冷徹に言う幼き猟兵に、剣豪の少女はくしゃりと顔を歪めて――それでも冷静な部分が、山のように蠢く蛸妖怪たちを相手取ることは無理だと断じたのだろう。山吹は血が滲むほど唇を噛んで、身を翻す。
「助けを連れて、戻ってくるから……!」
「……いえ、結構ですよ」
 木々の向こうに消えた山吹の鼻声を聞きながら、ユメの方は淡々としていた。自分の身体へ触手を巻き付ける蛸妖怪たちの背後に浮かぶ、何処か悲痛な顔の清廉な武将の幻影を興味深げに見詰める。
「こうも完全に罠に嵌められるとは、流石は噂に聞く上杉謙信です。実に興味深いです」
 ……謙信さん、両手で顔を覆ってしまう……。
 謙信さんの悲哀を余所に、衣蛸たちは逃がした山吹の分もぶつけんとばかりにユメのドレスを剥いでいった。両腕、両脚共に触手に拘束されているユメは、抵抗する余地も無く全裸へと変じる。
 ただ……拘束など無くても、ユメは抵抗などしなかったかもしれないが。
 ユメは、倫理観や常識にも疎い。魔女として、時には性交渉すら伴う儀式にも惜しみなく自身のカラダを差し出す。……これから自分の身に降り掛かる運命をはっきりと理解しながら、むしろそれを『衣蛸たちの知識をより深く蒐集する為の好機』として待ち構えてさえいるのだ。
 そのようなユメだから……本気で殺される前にはグリモアベースに引っ張り戻されるだろうと冷静に分析している。それまで、ユメの方こそ衣蛸たちを堪能する心積もりなのだ。
「……蛸なのに人間に欲情するのですか? とても興味深い、です」
 それが欲情なのかは解らないが、ユメの白く繊細な裸身を前に、衣蛸たちが興奮しているのは確かのようだった。真っ先に伸ばされた触手の先端が、ユメの起伏の薄い胸の頂点をピンッ……と弾く。
 緑の瞳を片方だけ閉じて、ユメがピクンッと震えた。
「この子、抵抗しないタコ~」
「観念したのかタコ~?」
「大人しくしてるのなら、たっぷりヨガで気持ち良くしてやるタコ~」
「……ヨガ? 知識は知っていますが……んっ……」
 ユメの歳相応に華奢な肢体は、衣蛸たちの触手で思うままに姿勢を変えられる。背筋を弓形に反らされ、両腕は頭上で固定された。両脚は180度近く開かれ……9歳の少女の翳り無き秘所が露わにされる……。
 身体を反らせること、開脚させること、それらは実際のヨガでもよくあることであるが……。
「……ですが、その触手をどうするつもりです?」
「解らないタコ~?」
「…………」
 実際には、ユメとて解らないわけではなかった。何せ、目の前に突き出された触手の他に、二本の触手がユメの毛の一本すら生えていない秘裂を左右から引っ張り、隠されていたピンク色の粘膜を空気に触れさせていたのだから。
「……んっ」
 その粘膜に、ユメの眼前から下ろされた一際太い触手の先端が宛がわれる。……『入口』は容易く探り当てられた。――挿入が開始される。
「んっ……んっっ…………んぁっっ……!!」
 反らされた背中をより仰け反らせ、ユメが束ねられた白い髪を躍らせて喘ぐ。
 ミチ、ミチッ……と、自分の中の柔肉が掻き分けられていく音をユメは聞いた。とんでもない圧迫感が己を内側から押し広げていく感触に、彼女の肺は膨張と収縮を繰り返す。
 ……実のところ、ユメは9歳という年齢に反してとっくに『経験済み』……どころか、世間一般の感覚で言えば『経験豊富』な部類に入るのであるが――それでもここまで太く、長い代物を突っ込まれた経験は稀だった。彼女の薄い下腹部は、その内でのたうっている触手の形を漠然と浮かび上がらせている。
「んぁっ……ふぁっ……くぁっ、あぁっ……!!」
 全身をビクビクと跳ね回らせ、緑の双眸の端から涙をポロポロと零して、ユメが絶え絶えに息を吐いた。肌の上にはびっしりと汗の珠が浮かび、このままユメは壊されてしまうのではないかと思えるほどである。
 ……が、良く見れば、極太の蛸足を呑み込んでいっている彼女の下の口は、蜜のような涎を溢れさせ始めていた。ユメの声にも「あぁっ、あくぅっ……んあぁっ……❤」と、媚びたような響きが混じり始めている。
 触手の先端がユメの未成熟な女性的根幹の正門へと触れた時には、彼女と衣蛸の結合部からは淫らな水音が鳴り響いていた。
「あっ❤ あっ❤ あぅんっ❤ はぅんっ❤ あぅっ❤ あひっ❤ ひゃぅんっ……❤」
 自らの体内で蠢く触手に合わせ、リズミカルに甘い歌声を披露するユメの腰は、まだ一桁の年齢とは信じられぬほど妖艶にくねっていた……。
「気持ち良さそうタコ~♪」
「とっておきのヨガが効いてきた感じタコー♪」
「んっ❤ んん~っ❤ こ……こんなものはっ❤ ヨガではない❤ で、すっ……❤」

 ヨガなどよりも、もっと気持ちイイもの❤

 ユメの知識の中に、それはしかと刻まれた。
「あっ❤ あっ❤ ……あっ、あっ、あっ、あっ……❤」
 ユメの敏感な肉洞の中で、衣蛸の触手の蠢動は段々と激しさを増す。それに追い立てられるように、ユメの声は切羽詰まっていった。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ……あん、あん、あん、あん、あん、あん、あん、あんっっ……❤」
 たった9歳の少女のカラダが、末期のような痙攣を走らせる……。
「――ぁ、っっっっっっっっ~~~~~~~~~~~~~~❤❤❤❤」
 ……幼き魔女は、高々と嬌声を上げて魔女にあるまじき天国のような心地を体感した……。

 ――この後、ユメは真に徹底的にその幼い肉体を触手に蹂躙されることとなる。

成功 🔵​🔵​🔴​

備傘・剱
地上へようこそ、海産物
そして、いらっしゃいませ、今夜の食材
アクアパッツァの具材がエロ宣言なんぞ、百年早い!

オーラ防御展開して、獲物を閉じ込めよう
そして、結界術で捕縛して、さぁ、調理開始、発動
捌いた蛸は念動力で確保しつつ、こっそり持ってきたクーラーボックスに衛生的に収納してくれる
あ、生食もいけそうかな…?捕食って見るのも、一興かも
醤油、持ってない?

解体作業中、他の奴に邪魔されるのも面倒だから、衝撃波と誘導弾で弾幕張りつつ、一足りないとパンドラゴラにも相手させよう

山吹の状態を見るけど…
酷い状態になってそうだから、浄化、いるかな?
医療の心得もあるけど、見た方がいいかな?

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



 帯は解け、左の乳房も零れているあられもない格好で、山吹は森の中を駆けていた。
 幼き魔女の猟兵が我が身を犠牲にし、どうにか彼女を衣蛸の魔手より逃がしたが――それも一時凌ぎだったようである。
 新手の蛸妖怪のオブリビオンは、大挙して山吹のすぐ後ろにまで迫っていた。
「――あぁっ……!?」
 彼女の行く手を塞ぐように、先回りしていた衣蛸たちが保護色の迷彩を解く。前門の蛸、後門も蛸……挟み撃ちされた山吹には、もう進むことも退くことも許されない。
 妖狐の剣豪少女は、恥も外聞も無く亜麻色の髪を振り乱して叫んだ。
「誰か――助けてよっっ!!」
「――あいよ」
 山吹の前方の衣蛸たちが、一瞬でバタバタと倒れた。彼女と後方の衣蛸の群れの間に、黒豹のような影が割り込む。
 否――黒豹ではない。それを思わせるしなやかな敏捷性と凶暴性を併せ持つ青年……備傘・剱(絶路・f01759)だ。鋭い眼光で衣蛸共を見据え、眼光よりもさらに鋭い短刀を右手に閃かせる。明らかに真っ当ではない気配を放出する彼に、衣蛸たちは怯えたように進行を止めた。山吹の背筋にもゾクリとした感覚が生じる……。
「――地上へようこそ、海産物。そして、いらっしゃいませ、今夜の食材。アクアパッツァの具材がエロ宣言なんぞ、百年早い! ……あ、生食もいけそうかな? 捕食ってみるのも一興かも?」
「「「「「………………」」」」」
「…………へ?」
 衣蛸たちが固まり、山吹がキョトンとした。
 ――備傘・剱。遺跡に潜り、遺物を発掘しながら、猟兵としてオブリビオンとも戦い……キマイラフューチャーで食事も出来る酒場を営んでいる。即ち、料理人。そんな彼の漆黒の眼差しは今……獲物を狙う光を宿して衣蛸たちを射抜いていた。
 衣蛸たちが一斉に回れ右をする。
「――こいつヤバいタコ~!」
「お、俺たちを食べる気満々だタコー!」
「逃げるが勝ちタコ! すたこらさっさー、タコ!!」
 本能的恐怖から逃走に移ろうとした衣蛸たちだが――彼らは次々に燐光を纏う透明な壁に阻まれた。それは、剱の卓越したオーラ操作能力が展開させた結界。衣蛸たちを隔離し、内の一体だけを自分の目の前に放出させる剱。
「………………」
「『オブリ飯の神髄見せてやるぜ。調理開始、だ』」
「ぃやぁああああああっっ、タコ!!」
 瞳で必死に訴えた衣蛸の願いも空しく、剱が死刑宣告を告げた。
「やめろー、タコー!」
「我々は食い物じゃないタコー!」
「人道的扱いを要求するタコー!!」
 仲間の衣蛸たちが結界の壁をバンバン叩いて主張するのを、ガントレットより衝撃波と誘導弾を連射して黙らせながら(剱自前の結界の為、彼からの攻撃は素通りします)、剱は蛸を捌く時のセオリーに則って眼前の衣蛸の息の根を止め、解体していった。鼻歌まで出てきそうな慣れた手腕に、山吹はポカンとする。
 何せ、剱のオブリ飯……オブリビオンを捌いて調理して食うという所業は、今に始まったことではない。数々のオブリビオンが食材として積み上げられ……それによって培われた剱の技術は、最早確固たるものとなっていた。
「タ、タコ三郎~! 何て憐れな姿に……タコ……」
「お前に、人の血は流れていないタコ!? その血の色は何色だタコ!?」
「きっと青や緑の血が流れてるタコ~!!」
「……一足りない、パンドラゴラ、ちょっとあいつら黙らせとけ」
 すっかり切り身にされてしまった衣蛸(タコ三郎という名前だったらしい)を前に、口々に剱を罵る衣蛸たちが鬱陶しくなり、彼は連れ歩いているサイコロ妖怪とジャックランタン型の動く植物に蛸オブリビオンたちの鎮圧を命じた。
 蛸妖怪たちの悲鳴をBGMに、余分な衣蛸の切り身は持ち込んだクーラーボックスに衛生をしかと確保してしまい込んで……皿に綺麗に盛り付けた衣蛸の刺身を、剱はいざ実食に入ろうとする。
 ……だが、そこで重大な問題に気付いた。
「……うげ、醤油忘れた……」
 ワサビは持ってきていたのに、痛恨のミスである。しかし、幸いにもここはサムライエンパイア。醤油の現地調達は可能かもしれない。
 そこで剱は、最も手近に居るサムライエンパイア人――山吹へと問い掛けた。
「あのさ、醤油持って――な……い……?」
「え? あ――っっっっ……!?」
 ……山吹が醤油を持っていないことは、剱にも即座に解った。
 何せ――帯は解けて緩むに緩み、小袖の前の合わせ目はすっかり開いて白磁のような肌を覗かせている。胸部にて大きく自己主張する連峰は、先端が丸く鮮やかな桜色に色付いていて、お腹の真ん中では慎ましやかなおへそが淑やかに佇んでいた。
 もっと視線を下げれば、程良く細く、太股にはそれなりに肉付きがある脚線美が目に映る。……より詳しく言えば、そのおみ足の付け根には、男なら最大限に注目してしまっても致し方が無い魅惑の領域が存在していて……。
「――っ、きゃああああああああああああああああああああっっっっ!!」
 絹を裂くような悲鳴を上げて、山吹がその場にしゃがみ込む。顔を真っ赤にしながら必死に着物の前を合わせる妖狐の少女を前に、剱は今さらながらばつが悪そうな顔で目を逸らした。
「う~! うぅ~!!」
 獣が唸るような声で威嚇してくる山吹に、剱は思案する。……相手は15歳の少女、そして剱は24歳の大人の男だ。ここは大人の男性らしく、きちんとフォローしなければなるまい。
 自身の経験に基づき、剱は最適なはずの言葉を山吹へと掛ける。
「――実に良いものを見させてもらったぜ。ご馳走様でした」
「っっっっ!!」
 ……山吹が投擲した石を、剱は首だけ傾けて躱す。
 15歳の乙女に、飲み屋でほろ酔い加減のねーちゃんを口説く感覚で声を掛けてはいけない……。
 頭を掻きつつ、剱は再度山吹へ話し掛ける。
「……触手に色々とされたんじゃないか? 浄化……要るかな?」
「がるるっ!!」
「……医療の心得もあるけど、診た方がいいかな?」
「がるるるるっっ!!」
「………………」
 ……すっかり山吹に警戒されてしまった剱は、天を仰ぎながら衣蛸の刺身を一口摘むのであった……。
 ミズダコに似た食感と味で、醤油無しでも結構旨かったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリスフィア・スターライト
アドリブ可
お色気描写OK
NGなし
山吹との絡み希望

強気で接近戦が得意な人格のリリスで参加
同じポニーテールの少女剣士として放っておけないわね
独特の剣技を使うみたいだし、今後の参考にさせてもらおうかしら
その為にも山吹の救助を優先して戦うわ
それにしても綺麗な子ね・・・襲われるのもわかる気はする・・・
と、そんな事を考えている場合ではないわね!
山吹を巻き込まないよう気を付けながら華炎連斬で
蛸を片っ端から切り払い焼き尽くしてあげるわ
早々に倒してあげるんだから、憑装された謙信には感謝して欲しいわね
蛸の反撃を受けて苦戦しても心は折れず何としても
窮地を脱して山吹を助けるわ

それからこの事は口外しないと約束するわね…



「………………」
 山吹色の小袖の前をしっかりと合わせ、紫色の帯をきちんと締め直す。
 乱れ切っていた衣類を隙無く整えて、山吹は溜息を吐いた。
 ……その頬が未だに赤いのは、オブリビオン料理にこだわりを持つ男性猟兵に色々と見られたせいかもしれない。
 亜麻色の髪のポニーテールも結い直している山吹を横目で見つつ、リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)――その中でも特に『リリス』と呼ばれる人格の彼女は、「ほぅ」と感嘆の息を零していた。
(それにしても綺麗な子ね……襲われるのも解る気はする……)
 ……横目で見ていたつもりが、いつの間にかその碧眼の真ん中に山吹を映していたリリスは、慌てて頭を振る。山吹と同じポニーテールが軽やかに揺れた。
 ――と、その時リリスの耳に、紅葉した木々の枝葉が不自然に鳴る音が届く。
「来たわよ、山吹! 気を引き締めて!!」
「解ってるわ!!」
 リリスの警告に、亜麻色の髪から突き出した狐の耳をピクピクさせて山吹が答える。彼女も自分への追っ手――さらなる衣蛸たちの襲来を察知したらしい。
 ……今なお、猟兵&山吹たちと、真田神十郎配下のオブリビオンたちの追い掛けっこは終わっていなかった。
「……っ、相変わらず姿が見えないわ……! 何処から来るのよっ!?」
 山吹が忌々しげに吐き捨てる。彼の蛸妖怪たちは保護色を利用した優れた迷彩能力を持っており、山吹はもちろん、猟兵たちでも居所の看破には骨を折る相手だ……。
 ――とはいえ、それはリリスに関しては『例外』であったのだが。
「山吹、ここは任せなさい。……少し下がっていてよ、巻き込まれるから!」
「えっ?」
 リリスが一歩前に出て、逆に山吹は反射的に後ろへ飛び退く。多重人格の少女剣士が構えた緋色の刃の魔剣が、唸りを上げた。
(もう、蛸たちがかなり私たちに近付いていることは確かね。なら――)
「『この距離なら外さない! 焼き払い斬り裂いてあげるわ!』」
 リリスの斬撃が宙を走り――そこに幾条かの青い線が生じた。次の瞬間、「「「「「タコ~!?」」」」」と悲鳴を上げながら、負傷で保護色を強制解除させられた衣蛸たちが滲み出る。
 ……蛸の血は、青い……。
「ここからが本番よ!」
 雄々しく吠えて、リリスが魔剣を翻す。その刀身が、鮮やかな紅蓮の華を咲かせた。
「「「「「タ、タコ――」」」」」
 二度目の衣蛸たちの悲鳴は、爆音に掻き消される。周囲の紅葉よりもなお紅い火炎を引き連れて、リリスが進撃した。
 リリスのユーベルコード・『華炎連斬』――魔剣の初撃が命中した対象に、広範囲を巻き込む爆炎を伴った二撃目を炸裂させる秘剣である。今回の衣蛸のような、ある程度密集した集団敵相手には、本当に最初の一体にのみ通常の斬撃を当てれば、二撃目以降の爆炎は相当な高確率で新たな敵も巻き込み、そちらに対する初撃となるのだ。結果、三撃目、四撃目も爆炎を巻き起こし……リリスの炎の猛進撃は止まらない、終わらない。
 如何に保護色で衣蛸たちの姿が見え難くとも、広域を薙ぎ払う攻撃を連発して周辺共々粉砕するのであれば、撃破には何の問題も無いのである。
 ……森の木々まで吹き飛び、炎上しているが、リリスはそこまで細かいことは気にしない性格だった。
「早々に倒してあげるんだから、憑装された謙信には感謝してほしいわね!」
 高らかに叫んで、その言葉通りにリリスは衣蛸を屠り、上杉謙信を憑装状態から解放していく。
 ……さて、衣蛸たちがこの森へとリリスたちを誘い込んだのは、周りの木々を刀剣を振るう障害とし、剣士たるリリスと山吹の実力を封じる為であったが――リリスはその木々ごと敵を爆砕していくので、蛸妖怪たちの作戦は不発に終わることとなっていた。その上、リリスの攻撃の度に木々が減っていく為、山吹の方も段々と動き易くなっていく。
「――ったぁああああっっ!!」
 これまでの鬱憤を晴らすように、山吹が逆風の太刀筋で衣蛸を斬り上げる。触手で斬撃を受け止めてはみたその衣蛸だが、次いで跳ね上がった山吹の脚線美が刀の峰を蹴り上げたことで、今度こそ真っ二つとなった。
「……本当に独特の剣技だわ」
 両刃の剣を愛用するリリスにとって、片刃の剣の峰を蹴って斬撃を加速させるというのは未知の発想だ。そればかりでなく、通常『日本刀』的な刀剣、またはリリスの愛剣のような刀身に幅と長さがある直剣を扱う剣術の場合、両足をしかと地に着けて、移動もすり足で行い、下半身を安定させることが尊ばれる。
 対して山吹が使う『倭刀術』……或いは『苗刀術』と呼ばれる類いの剣技は、常に跳ねるように動き回り、下半身を安定させることよりも素早く変幻自在に動くことを主軸に置いていた。
 その動きが、猫とか……まさしく狐とか、牙と爪持つ獣たちの身捌きと重なり、ある種の美しさがある。
(本当に……綺麗な子)
 山吹の技を自分も今後の参考にしたいような……そんな感慨がリリスの胸に沸き上がった――刹那であった。
「――タ~~コ~~!!」
「っ!? しまっ――」
 山吹に見惚れた僅かな隙を突かれ、炎の壁を抜けてきた衣蛸にリリスはしがみ付かれてしまう。彼女も振り払おうと身をくねらせるが……衣蛸の方もここで振り解かれたら逆転の目は無いと悟っているのだろう。必死であった。
「んっ……ひゃっ……んきゃああああああああああっっ!?」
 衣蛸は、強引にリリスのスカートの中……さらにはショーツの中にまで触手を突っ込んできたのである。……上述した通り、剣術において下半身の安定性とはかなり重要なものだ。下着の中で踊り狂う蛸足の吸盤でお尻を、さらにはもっと大事で敏感な箇所を擦り上げられて、リリスの膝からは力が抜けてしまう。魔剣を振るう剣速も落ちて……次撃が全ての衣蛸から躱された。
 ――『華炎連斬』が、止まる。
「……えっ? ――だ、大丈夫っ!?」
 荒れ狂い続けていた爆炎が収まったことで、山吹もリリスの危機を察したが――駄目だった。リリスの方へ駆けようとした山吹の足首が地面に擬態していた衣蛸の触手に巻き付かれ……彼女は為す術無く転倒してしまう。
 ……黒く焼け焦げた森の一角で、リリスと山吹は衣蛸の大群に包囲された……。
「「「「「反撃開始タコ~!!」」」」」
 リリスと山吹の、絹を引き裂くような悲鳴がこだました……。

 ……一刻ほど後……。
「あっ❤ あっ❤ あぁっ❤ ふぁあっ……❤」
「んっ❤ きゅっ❤ んんっ❤ んきゅぅっ……❤」
 燻る煙もすっかり消えた森のその一角では、二人の少女剣士と触手の織り成す春宮図が展開していた。
「ご、ごめんっ、山吹っ❤ はっ❤ はぁっ❤ はぁぁっ……❤」
「あ、謝らないでよっ❤ うっ❤ ぅんっ❤ うぅんっ……❤」
 リリスも山吹も、生まれたままの姿に剥かれ……その裸体を幾十もの触手にて蹂躙されていた。双方、豊かに実った胸部の二つの果実を淫らな形にたわませられ、その先端を引っ切り無しに弾かれている。……両者とも、そこは鏃の如くピンピンだった。
 が、何より特筆すべきは、両名共に触手で強制的に大きく開かされた両脚の、その根元であろう……。
 リリスと山吹のそこの部分は――密着させられていた。
 衣蛸たちに衣類を全て奪い取られ、柔肌の上に数え切れぬ吸盤の跡を刻まれたリリスと山吹は、いつしか綻んで熱い蜜を垂らし始めていたソコを、触手によって蝶の翅のように開かされ……重ね合わされてしまったのである。そのまま触手は二人の太股をまとめて縛り上げ……リリスと山吹は離れることもままならない有様となってしまった。
「あっ❤ やっ❤ やぁっ❤ んぁっ❤ 山吹のアソコ……熱ぃぃ……❤」
「んっ❤ んにゅっ❤ んぁっ❤ あぁっ❤ リリス、そんなに擦り付けられたらっ、あたしっ、またっ……❤」
 山吹が「ん~~~~っっ❤」と声を押し殺し、小刻みに痙攣する。彼女がもう何度目かも解らない頂点に達したことを、リリスも察知した。そして、その山吹の絶頂の震えのせいで、彼女とリリスの敏感極まる肉芽が何度も衝突を繰り返す。それがもたらす電撃のような刺激に、リリスの方も昇り詰める。
「っっ~~❤ っっっっ~~~~❤ っっっっっっ~~~~~~❤」
「……っ……っっ……っっっっ……❤」
 共に背を仰け反らせ、ポニーテールを振り乱す剣士の少女たち。濃厚な口付けを交わし合っている彼女たちの下の口は、聞くだけで脳が蕩けそうな淫猥な水音を鳴り響かせていた。
(な……何とか、しないと……!)
 幾度となく脳裏で繰り返した自分への叱咤を、リリスはまた行った。山吹の方は「あっ❤ あっ❤」と啼いて最早心も折れつつあるようだが、リリスの方はまだ逆襲を諦めてはいなかった。
(もう……少し……ぁ……❤)
「あっ❤ ひゃぁぁんっ……❤」
 甘美な稲妻が走るのに耐えつつ、腰をずらすこと幾百回目。リリスは少しずつ、最初は離れた地点へ放られていた愛剣の許へと近付いていっていた。
 あと、ほんの少しでそれに手が届く……。
(山吹……ごめんね……!!)
 リリスが移動の為に腰を蠢かす度、彼女と秘貝を合わせられた山吹は望まぬ快感に打ち震えている。その姿に罪悪感と……形容し難い疼きを覚えながら、リリスは最後の一歩とばかりに一際大きく腰をのたうたせた。
「あっ❤ んぁっ❤ あぅっ❤ ひぃぁああああああああああああっっ……❤」
「あっ❤ あぁっ❤ あぁぁっ❤ あぁぁああああああああああああああああ~~~~~~っっ❤」
 山吹がビクンビクンッ! と跳ね踊り、その震動でリリスの方も今まで以上に大きな悦びに全身を波打たせる。意識が白濁する中、それでもリリスはどうにか手を伸ばし……その指が触れ慣れた剣の柄を捉えて……。

「――このことは口外しないと約束するわね……」
 ……さらに数十分後、何事も無かったように身なりを整え終えたリリスの言に、同じく何事も無かったように身なりを整え終えた山吹はコクコクと頷くのであった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

彩波・いちご
【恋華荘】
上杉謙信も女体化はよくありますが、まさかタコとは…災難ですね…

触手には触手で対抗ですっ
【異界の抱擁】おいでませ我が眷属!
緊急事態ゆえ、タコを押し流す津波のようにっ!

…あ、山吹さんどころか、味方まで巻き込んでますね…広範囲過ぎました…
一応タコは捕まえて拘束してくれているとは思いますが…正直触手だらけで区別がっ

…仕方ありません、素手で救出しに行きましょう
私の中の邪神の眷属なので、私に影響はないはずですし(フラグ

智悠璃さんやアシュリンさんを捕まえて…(むにゅっ
胸とかお尻とか掴んでいるのはご勘弁をー!?
って、なんで悶えているんですかっ!?
そんな声聞いてるとこっちまで変な気分にっ!?


詩羽・智悠璃
【恋華荘】
※アドリブ歓迎

春画で馴染みの蛸ですか…
新作の題材に有用とはいえ嫌な予感が…
山吹さんの悲劇だけは防ぎます

駆けつけた時点で蛸が襲っていたら
【フルゥル・ド・スルジヱ】で迎撃
誤射対策で【スナイパー】の構え!

きゃあぁっ!?

集中しすぎて足を止めた為か
蛸を私達の方へ【おびき寄せ】る形に
山吹さんを【かばう】事はできますが…

やめて下さいっ、吸盤が内股に…あぁあっ!
誤解です!【誘惑】なんか、ひぅうっ!?

アシュリンさん共々触手の餌食ですが、数が多い様な…
私のCカップに伸びる手共々、いちごさんの悪癖が?!

膨大な触手といちごさんの美技に抗えません
せめて再度UCで間近の蛸を…!

ダメ、ダメぇ!イッ、んぅあああっ!


織笠・アシュリン
【恋華荘】
アドリブ歓迎っ

タコ……タコ……あー、絶対嫌な予感しかしないっ!
ともあれ、山吹ちゃんだけは守るからね!
あ、これもフラグっぽいー!

ともかく、まずはアウトレンジから主導権取るよ!
詠唱と予備動作から【スナイパー】で狙って【未来繋ぐ和合の剣】でタコを攻撃!

って、触手伸びてきた~!?
これ、絶対いちごの混じってるでしょいやぁぁぁぁっ!?
山吹ちゃんに向かう分は【おびき寄せ】られてるかもだけど!

やぁっ、ブラウスとパンツの裾から入るのダメぇっ!?
智悠璃と胸合わせとか何やらせてるのー!
って、いちごまで乱入するの!?
おしりに胸に手がっ、やぁっ……
この声っ、いちごが出させてるんだよぉ……あっ、あぁぁぁんっ!



 織笠・アシュリン(魔女系ネットラジオパーソナリティ・f14609)が現地の森に到着した時、既に猟兵たちと猟書家配下のオブリビオン・衣蛸たちとの戦線は拡大し切っていた。
 ……その中に、蠢く吸盤だらけの触手を見付け、アシュリンは普段は朗らかな愛らしい顔を歪める。
「タコ……タコ……あー、絶対嫌な予感しかしないっ!」
 敵が触手というだけでもうアレなアシュリンの隣で、彼女が住む女性猟兵専門の寮・『恋華荘』のお手伝いさんである詩羽・智悠璃(湯煙に舞う添桜・f22638)も、大きな丸い眼鏡の奥で桜色の瞳を何とも言えない様子で細めている。
「春画で馴染みの蛸ですか……。新作の題材に有用とはいえ、嫌な予感が……」
 ……『世間一般に大々的には公開出来ない本』の類いの読書と執筆を秘密の趣味とする智悠璃。今回の敵は彼女の感性をビンビンと刺激してくれるが……同時に危機感もガンガンと警鐘を鳴らしていた。
 ――それでも、守るべき、助けるべき対象が居る以上、戦場へ飛び込まないという選択肢は猟兵たる彼女たちには無い。
「ともあれ、山吹ちゃんだけは守るからね!」
「山吹さんの悲劇だけは防ぎます」
(……あ、これもフラグっぽいー!)
(……ですよねー)
 ……アシュリンと智悠璃は、もうこの時点で自分たちに降り掛かる運命を悟っていたのかもしれない……。
「――あ! あそこで走っているの、山吹さんじゃないですか!?」
 そう言って、遠い目をしているアシュリンと智悠璃へ森の一角を示してみせたのは、二人にも負けぬ可憐さを有した美少女……ではなく、美貌の男の娘である彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)。恋華荘の管理人にしてただ一人の男性住人である。
 いちごの指差す先には、確かに木々の間を縫って走る、いちごと同じ妖狐の少女の姿が見えた。
「もう蛸に襲われていますね! まだ捕まってはいないようですが……」
 智悠璃が慌ててユーベルコードを高める。アシュリンも並んで、自身に流れるケルトの魔女の血を呼び覚まし始めた。
「まずはアウトレンジから主導権取るよ!」
「はい!」
 智悠璃とアシュリンのユーベルコードが、同時に発動した。
「『こういう時は、阿里蘇那(アリゾナ)辺りでの早腕を競うのが、本場の粋なのだとか。ですから……両手撃ちで恐縮ですが、私も一発!』」
「……、…………、……………………! 『光の王と、祖父たる邪眼の王の加護で、道を拓くよ!』」
 山吹に圧し掛からんとした衣蛸の群れが、桜の精たる智悠璃の頭に生えた桜の花弁より変じた呪術式徹甲炸裂弾に吹き飛ばされ、アシュリンの指先より放たれた赤黒い稲妻を纏うオーロラによって塵へと還される。……自分の危機を救ってくれた狙撃に、山吹の視線が恋華荘のメンバーの方を向いた。いちごが手振りで先へ逃げるように促すと、唇を「ありがとう」と動かして山吹が疾走を再開する。
 その彼女をしつこく追い続ける衣蛸たちへ、智悠璃は桜花が変じた呪術式徹甲炸裂弾を、アシュリンは光と邪眼属性の極光を放ち続けた。しぶとさに定評があるとされる蛸妖怪たちだが、流石に遠距離から一方的に高火力を叩き込まれては、加速的に数を減らすしかなかったようである。
 ただ……だからこそ、アシュリンと智悠璃は懸念しておくべきだった。
 ――業を煮やした衣蛸たちが、山吹の前に自分たちを狙う可能性を……。
「「……えっ?」」
 いつの間にか……本当にいつの間にか、保護色の迷彩を駆使して自分たちへと肉迫していた衣蛸の別の群れに、アシュリンと智悠璃が呑み込まれる……。
「アシュリンさん!? 智悠璃さん!!」
 いちごの悲痛な叫びがこだました。
「きゃぁあっ!?」
 智悠璃の和風のメイド服のスカートを撥ね上げて、衣蛸の触手が彼女のおみ足を這い登った。ホルスターが装着された太股を、無数の吸盤が吸い立てる……。
「やめて下さいっ、吸盤が内股に……あぁあっ!」
 内腿どころかさらに上へと登り、智悠璃のお尻や敏感な前の丘まで撫で始めた触手たち。眼鏡の桜の精の唇より、悩ましげな吐息が漏れる。
「セクシーな声を上げてるタコ~」
「さりげなく男を誘惑するイケナイ女子だタコー」
「誤解です! 誘惑なんか――ひぅうっ!?」
 ニュルンと下着の中にまで滑り込んだ触手の先端に、お尻の谷間に隠されたすぼまりをなぞられて……智悠璃は立っていられなくなってしまう。……アシュリンの方も既に膝を突き、触手への抵抗もままならなくなっていた……。
「やぁっ……! ブラウスとパンツの裾から入るの、ダメぇっ……!?」
 アシュリンのショートパンツの中に侵入した触手が、彼女の股間の辺りで小刻みに動いているのが見て取れた。アシュリンは必死で太股を閉じているものの……徐々に赤みを増していくその頬が、艶を増していく呼吸音が、儚い抵抗であることを証明している。
 柔肌に粘液を擦り付けられながら、それでも二人が屈服しないのは……これが奇しくも囮の役割となり、山吹に向かう衣蛸の数を減らせていると気が付いたからだ。ここで自分たちが慰み者になろうとも、山吹は守ってみせると……誇り高い猟兵の矜持。
(――それに応えずして、何が男ですかっ!)
 そう胸中で獅子吼したのはいちごである。彼は、その青い眼差しで衣蛸たちを……彼らに憑装された上杉謙信を睨む。……彼の魔軍将の力によるものであるはずの先の奇襲は、いちごの目から見ても見事であった。
(上杉謙信も女体化はよくありますが、まさかタコとは……災難ですね……)
 同情心が僅かに首をもたげたが、いちごにとってはそれよりも、アシュリンと智悠璃を、さらには山吹を救うことの方が大事である。故にこそ、彼は躊躇無く自身のユーベルコードを解き放った。
「目には目を、歯には歯を、触手には触手で対抗ですっ。『ふんぐるいふんぐるい……、星海の館にて微睡む我が眷属よ!』」
 いちごの影が大きく、大きく……森を覆い尽くさんばかりに広がって、その表面が水面の如く波打った……。
「――タ、タコ~!? な、何か大量に出てきたタコ~!?」
「俺たちのとは違う触手タコ~!? ……凄く……大きいです……タコ~!?」
「は、放すタコ! 俺たちはマッサージをする側でされる側じゃ……タコォォッッ!!」
 影を門として召喚された異界の触手たち……。それらは自分たちの方こそ格上だと言わんばかりに衣蛸たちを蹂躙していくが――蹂躙されるのは衣蛸たちだけではなかった。
「ぃやぁああああああああっ!? 私のCカップ、そんな乱暴に揉まないで下さ――あぁああっ……!!」
「……って、触手いっぱい伸びてきた~!? これ、絶対いちごの交じってるでしょいやぁぁぁぁっ……!?」
「……あ、あれっ?」
 自分が召喚した触手の中から響く智悠璃とアシュリンの悲鳴に、いちごは冷や汗を垂らした。いちごの気合いが入り過ぎていたこと、衣蛸たちを押し流す為に津波のイメージをユーベルコードに注ぎ込んだことが災いしたのかもしれない……。
「……あ、味方まで巻き込んでますね……広範囲過ぎました……」
 反省するように、いちごの狐耳がペタンとする。……山吹も、或いは巻き込まれているかもしれない……。
「一応、タコは捕まえて拘束してくれているとは思いますが……正直触手だらけで区別がっ……!?」
 頭を抱えていたいちごは、意を決して胸の前で拳を握り締めた。
「……仕方ありません、素手で救出しに行きましょう。私の中の邪神の眷属なので、私に影響は無いはずですし」
 恐る恐る、いちごもまた触手の海の中へと踏み込んでいくのだった……。
 ――その頃、智悠璃とアシュリンであるが……。
「あっ❤ あっ❤ ア、アシュリンさんっ❤ ぅあぁあっ❤」
「やんっ❤ やぁんっ❤ 智悠璃と胸合わせとかっ❤ 何やらせてるのぉっ……❤」
 一糸纏わぬ姿に剥かれてしまった両名は、全身を触手にまさぐられつつ……双方の乳房の天辺にて充血してしこっている突起を、幾度となく交錯させられていた。
 アシュリンの右の乳首が智悠璃の左の乳首を弾いたかと思えば、智悠璃の右の乳首がアシュリンの左の乳首とコリ、コリッとダンスに興じる。
「「ふぁああああっっ……❤」」
 硬く敏感な胸の先端から迸る甘い電流に、二人のそこは余計に腫れて尖っていっていた。
 ……そんな彼女たちを見付けて、いちごもいたたまれなくなる。
「は、早く智悠璃さんとアシュリンさんを回収して――」
 焦燥感に駆られたいちごが伸ばした手は――よりにもよってアシュリンのお尻を引っ掴んだ。
「あぅんっ❤ ……って、いちご!? いちごも乱入するの!?」
「ち、違います、違いますよっ!?」
 目を白黒させるアシュリンに、いちごは首を横に振るが……アシュリンのプリプリと心地好いヒップからは、何とも手を離し難く……。
「やぁっ……あっ、あぁぁぁぁんっっ……❤」
「……っ!? アシュリンさん、変な声、出さないで下さいっ!!」
「この声っ、いちごが出させてるんだよぉ……あっ、あっ……❤」
 ピクンッ、ピクンッと跳ねて甘々な声を上げるアシュリンに、いちごの方も急速に変な気分になっていって……。
 ――「我慢出来ませんでしたっ……!!」……今回の事件が片付いた後、いちごは涙ながらにそう語ったという。
「あっ❤ あっ❤ あっ❤ あっ❤ ひゃっ❤ ひゃっ❤ ひゃぅっ❤ ひゃぅぅっ❤」
 ……少々後、アシュリンを駅弁スタイルに抱え上げ、激しく突き上げるいちごの雄姿があった……。
「やっ❤ やっ❤ やぁぁっ……❤ いちごっ❤ あたしもぅ……キちゃぅっ……❤ 凄いのっ❤ キちゃうよぉ……っ……❤」
 いちごの首に両腕を回し、両脚を彼の腰へと絡めているアシュリンだが、その身体は頼りない。汗を蒸発させて甘い体臭を放ち、瞼を半ば閉ざしてピクピクと震わせている彼女は――今日一番の絶頂寸前だった。
「アシュリンさんアシュリンさんアシュリンさんっっ!!」
「あ、や、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ………………んにゃぁぁああああああああぁぁああああああああああああああ~~~~~~~~~~っっっっ❤」
 いちごの腰使いが一段と激しさを増し――それが唐突に静止した瞬間、アシュリンが天を仰いで蕩けた絶叫を上げた。彼女の下腹の内で断続的に響く放出音……数十秒間続いたそれが収まった時、アシュリンは完全に気を失っていたのである。
 彼女を優しく横たえて……再び立ち上がったいちごの股間では、彼の分身も未だ直立したままだった。
 その威容を前に、智悠璃の呼吸は荒くなる。……それが怯えから来るものなのか、それとも期待から来るものなのか、本人にすら解らない……。
「い、いちごさんの悪癖がっ!? せ、せめて最後の『フルゥル・ド・スルジヱ』で間近の蛸を――」
「――もう、この辺りには居ませんから安心して下さい……」
「んんぅっ……!?」
 最後まで猟兵としての使命を果たそうとした智悠璃の唇は、いちごによって塞がれた。……暫しお互いの舌が絡み合い、唾液が交換される水音が鳴った後――銀の糸を引いて離れていくいちごの唇を見詰める智悠璃の双眸は、潤むに潤んでいる。
 同じく潤み切った彼女の女陰に、いちごの剛直がゆっくりと埋め込まれた……。
「んんっ……❤ あっ❤ はぁっ❤ うぁっ❤ あぁんっ❤」
 正常位でいちごに圧し掛かられ、彼の腰を自分の腰へとぶつけられる智悠璃。そのCカップがたゆっ、たゆんっと弾む。
「んっ❤ んっ❤ んぁっ❤ んぁあっ❤ い、いちごさんっ❤ もっとゆっくりっ❤ 激しっ……❤」
 智悠璃が懇願する通り、いちごの腰の前後運動は急激に速度を増していく。微妙に角度を変えて智悠璃の内側をくまなく擦り上げていった。
「す、すみませんっ、智悠璃さんっ! 気持ち良くて……止まれませんっ!!」
「あ❤ あ❤ あ❤ や❤ ぅあ❤ ぅあ❤ ぅあん❤ ぅあぁんっ❤」
 獣のように腰を振って、智悠璃の最奥の赤ちゃんの為の部屋へ打突を繰り返すいちご。汗の雫を飛び散らせながら、智悠璃はそれを受け止め続けるしかない……。
 ……けれど、彼女にだって耐え切れる限界はあるのである。その限界はあっさり振り切られ――智悠璃は何処かへ吹き飛んでいきそうな己を保つ為、力一杯いちごへしがみ付く。
「ダメ……❤ ダメぇ……❤ イッ……❤ イッッ……❤ ――んんぅぅぁぁああああああああああああああああああああああ~~~~~~~~~~❤」
 ずれた眼鏡の奥の桜色の瞳をギュゥッと閉ざし、智悠璃が天高く飛翔していく己の意識に絶叫を上げた。同じ瞬間にいちごの生命の砲弾も智悠璃の体奥で炸裂し、彼の体温を彼女の胎の内へ撒き散らす……。

 ……こっち方面で名高い恋華荘の三人、これくらいで終わるわけが無く……もうしばらくその肉の饗宴は続くのであった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

郁芽・瑞莉
アドリブ・絡み大歓迎

猟書家たちのオブビリオンの魔の手を退けた世界への侵攻ですか……。
再びの大きな争いにならない為にも、しっかりと対処していかない解けませんね!


蛸相手には先制攻撃の誘導弾とした符で高速詠唱で発動。
スナイパーの如く本体をなぎ払って数を減らしますよ!
しかし信玄公が宿った蛸たちに誘導され水辺に誘導。
水に潜んでいた蛸に脚を触手に絡められてそのまま引きずり倒されて。
水に濡れる中で抵抗しようとするも生気吸収で力が抜けて符を取り落として。
抵抗が弱まると全身に絡まる触手が敏感な部分をピンと弾き弄って。
甘い電撃が走って先端は尖り、
ぐちょりと水とは違う蜜が溢れるに程に骨を抜かれてしまいますよ。



 ……さて、某男の娘猟兵の召喚した異界の触手にて、猟兵たちと真田神十郎配下のオブリビオンたちの戦線が大混乱に陥っていた頃――最初に山吹が追い込まれたのと同じような沢に、一人の猟兵が誘い込まれていた。
 ――郁芽・瑞莉(陽炎の戦巫女・f00305)である。
 見目麗しき黒髪黒瞳の彼女の胸中は、今は義憤に燃えていた。
(猟書家たちの、オブリビオンの魔の手を退けた世界への侵攻……再びの大きな争いの勃発を阻止する為にも、しっかりと対処していかなければなりません!!)
 過去の記憶を一切持たず、ある時に気が付けばグリモアベースに居た瑞莉……。それでも――いや、むしろそうだからこそ、猟兵として巡る世界の美しさに魅了されていた。それを穢し、破壊しようとする猟書家たちは、彼女の逆鱗に触れた憎き敵である。
 故に、瑞莉は猟書家・真田神十郎が糸を引く今回の事件にも飛び込んだのであるが……少々気負い過ぎていたことは否めない。彼女はいつしか、守るべき山吹ばかりか他の猟兵たちからも引き離され、孤立していたのである……。
 ただ……憑装・上杉謙信にて巧みにそれを為されたせいで、瑞莉本人はその事実に気が付いていない……。
 彼女は、自分が着実に追い詰められていることを悟れず、周辺の衣蛸たちへ攻撃を続ける。
「『符より引き出されし、森羅万象の力よ……。刃を為して、魔を穿ち祓い給え!』」
 瑞莉がばら撒いた霊符が、素早い詠唱で撃発。刃の雨と化して衣蛸たちを襲った。何とか躱そうとする衣蛸たちだが、追尾の力を付与された刃は彼らに瞬く間に追い付き、軟体の身を切り刻む。
「まだ終わりではありません! 次、行きますよ――きゃあっ!?」
 再度霊符を宙に舞わせたところで――沢の中から俊敏に伸びた触手が、瑞莉の足首を捕らえた。結構な怪力で引っ張られた彼女は、沢の水の中へと墜落する。
「っ、ぷはっ……!? み、水の中にも新手が居たんですか!? この――やっ、きゃああっ!?」
 白い和装束を肌色が透けるほど濡らしながら、反撃の符を引き抜こうとする瑞莉だが……その前に服の中へと潜り込んできた触手に年頃の娘らしい悲鳴を上げた。インナーの内にまで入り込んできた触手たちは、数え切れぬほどの吸盤を彼女の柔肌へ喰い付かせる。
 ドクンッ……!
「……あっ――」
 瑞莉の指が挟んでいた符が、パラパラと水面に落ちて流れていく……。
 衣蛸の触手の吸盤には、吸い付けた相手の生気を奪って弱らせる効果があった。急速に力が抜けていく我が身に、瑞莉は目を白黒させる。
 ……最早彼女は、オブリビオンに弄ばれ、玩具にされる供物だった……。
「あっ――あぁっ……!」
 瑞莉の水を吸った装束を、蛸妖怪たちが剥ぎ取っていく。零れ落ちた重量感溢れる乳房へ、触手が這い登っていった。白い柔肉を餅のようにこね回し、先端の突起をピンピン弾き回す。
「ん、んっ、あぁっ!?」
 刺激を受けた瑞莉の胸部の双子の山の天辺は、見る見る内に長さと硬度を増す。充分にそこを成長させたのを見計らって……触手の先端に近い吸盤の一つが、それを丸呑みにした。
 強く……情熱的に吸い立てられる。
「あっ――あぅぅっ……❤」
 乳房の先っぽより全身を駆け抜けた甘い電流に、瑞莉がビクビクンッ! と打ち震えた。口を金魚のようにパクパクさせながら、己の胸を辱める触手を引っぺがそうとするものの――その為の両手にはそもそも力が入らない。触手の表面を撫でるに留まった。
 そして、女体の敏感な突起とは、何も乳房の先にしかないわけではないのである。既に瑞莉の衣類はほぼ脱がされており……守るもの無きへその下へ、さらに下へ、一本の触手が這っていった……。
 ――ピンッ……! と弾かれる。
「――くひぃっ……❤」
 ……女性にとって、最大の急所の一つとされる秘貝の上部の肉真珠。瑞莉のそれを、触手の切っ先がクリッ、クリッと転がした。
「あっ……❤ 待っ……❤ やぁっ……❤」
 瑞莉が白い喉元を曝け出して、甘々の喘ぎ声を上げた。
 胸元の二つと股間一つの敏感な粒たちを、瑞莉は触手共によって徹底的に研磨される。「あ~❤ あぁ~❤」と嬌声を上げて痙攣を繰り返す彼女の両脚の付け根からは、気が付けば熱く濃厚な蜜が零れて沢の水へと混じっていっていた。
「っ❤ っっ❤ ……っっっっ……❤」
 やがて……瑞莉は最初の絶頂を迎え、羞恥と快楽に上気した面を蕩かせて骨抜きになってしまったのである……。

「――んっ❤ んっ❤ んっ❤ んっ❤ はっ❤ はっ❤ はっ❤ はっ❤」
 ……それから、いくらか時間が経過し……沢の畔に仰向けに横たわった瑞莉は、妖艶な旋律を奏でる楽器と化していた。
 M型に開かれた瑞莉の両脚の間で、極太の触手がピストン運動を続けている。彼女の女性的中枢への入口から、内部の肉襞を絡み付かせて抜け出て……今度はそれを押し込み直すように埋没していく。
 瑞莉の太股もお尻も掻き出された蜜に塗れ、その下の岩の窪みには淫靡なる水溜まりが生じるほどであった。
「あぁっ❤ はぁっ❤ やぁっ❤ あぁぁっ……❤」
 瑞莉の淫らなシリンダーからはグチュッ、グチュチュッ……という恥ずかしい湿った音が鳴り止まず、ついには溢れ出す淫蜜さえも白く泡立ったものへと変貌を遂げていく。
 秘洞での触手の出入りに連動し、瑞莉の豊乳もたゆんっ、たゆんっと弾んだ。その頂上の痛々しいほどに腫れ上がった部分を、触手がしごき上げる。
「ふぁっ❤ ふぁっ❤ ふぁっ❤ ふぁああああっ……❤」
 自分から腰をくねらせて、触手をより深く咥え込もうとする瑞莉の黒い瞳は、とっくに焦点が合わなくなっていて……彼女はとうの昔に夢心地の世界の住人になっていることが明白であった。
 ……瑞莉は、山吹にも他の猟兵たちにも気付かれぬ内にここまで誘い出され、今の状況へと陥ってしまった身。当然、彼女の女性的窮地を察せられる者など一人たりとも居らず……結論を言えば、助けがいつ来るか、そもそも来るのかさえ解らない……。
「あっ❤ あぅぅっ❤ あんっ❤ あぁんっ❤ ひぁぁんっ❤ あぁぁんっ……❤」
 何処とも知れぬ森の奥の、場所も解らぬ水辺にて、瑞莉という娘への触手による凌辱劇は終わりの見えないまま続いていく……。
「やっ❤ やぁぁああああぁぁああああああああ~~~~~~~~~~んっっっっ❤」
 ……けれど、当の瑞莉本人は、実に幸せそうに悦びの声を上げているのだった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

魔術的パラダイムシフト(結界術)により自分に有利な世界観に転換☆この結界術の中では迷彩なんて無駄無駄、丸見えよ♡(第六感/読心術/見切り)
ま、蛸さんとは結局合体♡するんだけど♪蛸さんの触手を上下前後のお口で先端から咥えこんで合体♡エナジーを捕食してエネルギー充填しながら快楽を貪るわ♪
分霊(式神使い)を憑依(降霊)させて化術肉体改造でより気持ちよくなれる触手蛸さんに改造するわ♡破壊の衝動も情熱の炎に焚べて情欲に転換☆
山吹ちゃんはキャバリアモードのワンダーラビットが搭乗=合体という形で保護してるわ。好奇心で中のアレな玩具と自ら合体しなければ無事な筈よ。



「………………っ……!!」
 ……大体、普通乗用車の車内ほどだろうか? その程度の閉ざされた空間、そこに存在する座席の上で、亜麻色髪の妖狐の少女剣士は膝を抱えていた。
 その瞳は、まばたきも惜しむように前方を見詰めている……。
『はっ……あっ……あっ……あんっ……♡』
 ……サムライエンパイアの中のことしか知らぬ山吹には、どのような意味を持つのか全く不明な計器類が仄かに照らし上げるディスプレイには、銀髪の小柄な少女の痴態が大きく表示されていた。
『あんっ……あぁんっ……ぁはっ……あはぁっ……♡』
「……っ、っ……!?」
 15歳の山吹と同年代、見様によってはさらに数歳幼く見える美貌の少女は、それに相応しく体躯も華奢で……露わになっている胸も、山吹の豊かなそれと比べれば格段に薄い……。
 ――丘陵と呼ぶのも憚られるそれの尖るに尖り切った頂点を、先端に唇を持つ触手がしゃぶるにしゃぶっていた。
 触手に突起を吸い立てられるのに合わせ、少女の唇が実に気持ち良さそうな旋律を紡ぎ上げる……。
 ……何がどうなっているのかといえば、ことは某男の娘猟兵が、自身の眷属たる触手たちを津波の如く召喚した時まで遡らねばならない。
 衣蛸たち以上に妖しい危険性を秘めた触手群の登場に、山吹もまたその中へと呑み込まれようとしたのだが……それを救ったのが、今映像の中で甘い嬌声を上げている少女であった。
 ――アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)。
 彼女は山吹の周囲の一定の範囲の空間を結界にて切り取り、現実のサムライエンパイアと遮断したのである。それによって山吹はひとまず危機を脱したのだが――そうは問屋が卸さないとばかりに、保護色にて身を隠し、その空間へと紛れ込んでいた衣蛸たちが少なからず居たのであった。
 一難去ってまた一難。山吹と真田神十郎配下のオブリビオンの壮絶な鬼ごっこがまた始まる――かと思われた時だった。
『さぁ、1つになりましょ♡ 大丈夫、パラサイトテンタクルスはコワクナイヨ』
 異様な呪文……或いは、誘惑の言葉だったかもしれない。それを衣蛸たちへ囁いたアリスによって……今の有様だ。
 何がどういうことか?
 そもそもがアリスの混沌魔術によって形成されたこの結界内の世界は、ありとあらゆることが彼女の思いのまま。憑装・上杉謙信など意味を無くす、何処まで行ってもアリスにとって都合の良い世界なのである。
 ……この地では、衣蛸たちは保護色で身を隠すことすら不可能であった。
 そうして、自己の優位を完全に喪失した衣蛸たちは……山吹にはどのような手段をもってしてなのか推測すら出来ないが……アリスによって『改造』されてしまったのである。
 ――ある蛸は、触手の全てが男性器に似た形状に変貌し……。
 ――またある蛸は、触手の吸盤がことごとく唇へと変化した。
 ――はたまたある蛸は、それをそのまま頭部として二つに枝分かれした剛直を股間から生やした男性の巨躯へと移植されてしまったのである。
 ただでさえ淫らな存在だった衣蛸たちを余計に淫らな形へ作り変えたアリスは……そのまま彼らとの淫蕩な宴に耽り始めて――今に到るのだった。
『あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あぁんっ♡』
 ディスプレイ・モニターの向こうで、アリスが衣蛸を頭部として移植した大男を仰向けに横たわらせ、その腰の上に跨っている。そこに生えていた雄々しき肉の二又槍は、穂先をそれぞれアリスの股間とお尻の穴へと咥え込まれており……彼女が腰を上下に動かす度に、そこを生々しい音を立てて出入りしていた。
「……ふっ……っ……ふぅぅっ……!!」
 山吹の吐息が段々と荒くなる。
 子供染みた外見にそぐわず、アリスの腰使いは妖艶極まりない。蠱惑的かつ情熱的なダンスの前に、改造衣蛸は全身をビクンッ、ビクンッと踊らせる。……やがて、アリスの腰付きは残像が見えそうなほどに激しさを増した。
『あ、あ、あ、あ、は、あ、ぁ、あ……っ、っ……っはぁああああああああああああああああっっっっ……♡』
 アリスが腰を深く沈めた途端、改造衣蛸が末期のような痙攣を走らせた。アリスの方も雪のように白かった肌を薄ピンク色に上気させ、玉のような汗を無数に浮かべて身体を小刻みに震えさせる。……改造衣蛸が達し、その迸りをアリスが胎内で受け止めたことが山吹にだって解った。
 そして、次の瞬間……。
 ……サラァッ、と。改造衣蛸が灰のように細かい粒子となって崩れ去った。アリスはその細い指で名残惜しそうに衣蛸だった砂粒を掬い上げ、それを何処からか吹いた風に散らす。
「……これで、三体目……っ……」
 アリスと交わり、その果てに崩壊した衣蛸の数を山吹は数える。……アリスと性交渉をすることで、衣蛸の側は存在を保つ為の大切な何かを奪われ……葬られてしまうのだと、山吹も理解した。
 ……それなのに、まだ残る改造衣蛸たちは我先にとアリスのカラダへ殺到する。また一体がアリスと繋がり、滅びの運命へとひた走っていった。
 その狂気染みた、退廃的な世界を眺め……けれど、山吹の頬は朱を帯び、瞳は情欲の火を灯し始めている。
 アリス・セカンドカラーという媚毒的な存在にあてられた山吹は、自分が閉じ込められている空間の中で、転がっていた男性器を模した器具に気が付く。
 ……彼女は、怖々とした様子でそれを拾い上げ……下帯に覆われた己の股間の土手へとその先端を擦り付けていくのだった……。
「……あっ……❤ んっ……あっ……❤ あぁっ……あぁぁんっ……❤」
 山吹のか細い喘ぎ声は、あくまでもその空間内に閉ざされて外には漏れない……。
 ――何せ、今山吹が収められている場所こそ、アリスが誇るキャバリアモードのワンダーラビットのコクピット。ウサギ染みた威容を見せ付ける、奇跡のスーパーロボット!
 ……何か、『アレ』を思い出すな。もう、10年近く前になるのか……。『民放の白い悪魔』と謳われた、あの伝説の機体。そう、グレートありがとウサ――いえ、何でもないです。

成功 🔵​🔵​🔴​

青葉・まどか
ようやく平和を取り戻したのに、またもや世界に危機が訪れようとしている。
そんなの許さない!
猟書家の侵略を防いでみせるよ。
その為にもオブリビオンに襲われている山吹さんを助けないとね!

現場に駆けつけると絶賛修羅場中。
敵集団に『霊断光刃・散』を撃ち込む。
「タコブツの一丁上がり!」
オブリビオンたちを切り刻み、調子に乗ってしまう。
『上杉謙信』を憑装されたオブリビオンの強さを見誤ってしまう。

急激に肉体を再生した蛸が襲いかかってくる。
「危ない!」
何とか山吹さんをかばうことはできたけど、代わりに私が蛸に捕縛されてしまう。
そのまま蛸たちに好き勝手されてしまう。

※アドリブ・お色気 歓迎


ルナ・ステラ
家族を捜している…
そんな、一生懸命の人を殺すなんて許せない!

殺すというからには物騒な相手でしょうか?
えっ?蛸さん?

と、とりあえず山吹さんに魔力を込めたエオロー(守護、友情)のルーンカードを渡して、お力になりましょう!
そして、【属性攻撃】の炎魔法で蛸さんをやっつけます!

やったでしょうか?
―きゃあ!?
(再生してます!?)
うねうねヌメヌメいやです…!

ひゃんっ!
(早く脱出したいですけど…吸いつてきて詠唱に集中できないです!)
いやっ!やめてよぅ…

〈山吹の助け等で脱出できたら〉
今度は再生できないくらい、完璧に且つ迅速にやっつけますよ!
【高速詠唱】でUC発動です!

女の子に無遠慮に絡みつくなんてダメです!!



 山吹にある種最も同情的だったのは、ルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)だったかもしれない。
「家族を捜している……そんな、一生懸命な人を殺すなんて許せない!」
 青く魅力的な瞳に憤りの炎を燃やし、怒りの声を上げるルナ。……それは、彼女自身が、今は会うことが叶わない大切な誰かの面影を胸に宿しているせいなのかもしれなかった。
 現地へと到着したルナは、『ファイアボルト』の名を持つ箒に腰掛けて空を飛翔。見下ろした森の紅葉した枝葉の隙間から、狐耳が飛び出した亜麻色の髪の少女を見出す。……彼女が既に何者かに追われている様子を見て取り、ルナは小さな胸に決意の炎を燃やしてそこへと降下した。
「山吹さんは殺させません!」
 勇敢に言い、山吹と追っ手の間に割り込んだルナが見た追っ手の姿は……。
「……えっ? 蛸さん?」
 衣蛸の一見頭に見える真ん丸な胴体を見詰め、ルナは目をパチクリとさせた。
 ……実はルナ、グリモアベースで山吹の境遇を聞き、心を揺さぶられるあまり……此度の敵の話を聞きそびれてしまっていたのである。山吹を殺すことが目的=物騒で凶悪な外見のオブリビオンに違いないという先入観で戦場までやって来た為、実際に相対した敵=衣蛸のコミカルな外見に強いギャップを覚えてしまっていた。
「と、とにかく、山吹さん! わたしも増援の猟兵ですっ。このカードを……。お力になりましょう!」
「う、うんっ」
 戸惑い気味のルナから、同じく戸惑いながら一枚のカードを受け取る山吹。その表面には『守護、友情』を示す『エオロー』のルーンが刻まれていた。彼のルーン文字が表す通り、そのカードは山吹を守る助けとなるはずであるが……。
 山吹を背後に庇って仁王立ちし、ルナは手にする『ファイアボルト』を一回転。魔力を高める効果を持つ魔法の箒より、炎の渦を投射する。
 轟々と音を立て、竜巻染みた火炎の渦巻きが山吹に迫っていた衣蛸たちを呑み込んでいった……。
「……やったでしょうか?」
 紅蓮の旋風が過ぎ去った後、残されていたのは真っ黒焦げの衣蛸たち。ルナはパタパタと……警戒心薄く彼らに近付く。それに、ここまでに散々衣蛸たちの脅威を味わってきた山吹の方こそ焦った。
「駄目よ、あなた! そいつらはそのくらいじゃ死なないわよ!!」
「……えっ?」
 山吹の忠告にルナが思わず振り返った瞬間――悲劇は起きた。
 ……黒焦げの体表を剥がし、新しい皮膚へ脱皮しながら、衣蛸たちが跳ね上がってルナに殺到したのである。蛸共の触手が、ルナの13歳らしい細い腕と脚へ見る見る内に巻き付いていく……。
(さ、再生してます!?)
「――きゃあ!?」
 地面に引き倒され、白と青の魔女っ子衣装を土で汚すルナに、山吹は太刀を構えて蛸の群れへの突撃を試みるが――それより早く、彼女の後方へと保護色擬態で回り込んでいた蛸妖怪が、奇襲を仕掛ける方が早かった。
「……っ、エオロー!」
 ルナがパチンッと指を鳴らすと、山吹の懐にしまわれていたルーンカードが飛び出し、彼女を球状の結界の中へと庇護する。触手を結界で弾かれた衣蛸が、忌々しげにルナを見た……。
「……これはお前の仕業かタコ? 解くタコー!」
「い……嫌ですっ」
 オブリビオンの蛸に詰め寄られながらも、気丈に結界の解除を拒否するルナ。いきり立つ衣蛸に、仲間の衣蛸が「落ち着くタコ」と声を掛ける。
「神十郎様が殺せと命じた娘を守ってる結界は、こいつの術に違いないタコ。なら、まずはこいつを骨抜きにすれば、自然に解けるはずタコ~」
「――なるほどタコ! 『ヨガ』タコ~!!」
「……え?」
 衣蛸たちの会話に首を傾げたルナに――触手が群れを成して襲い掛かった。
「やっ――きゃああああああああっ!?」
 ルナの喉が、一際高い悲鳴を迸らせる。彼女の腕の肩口まで、脚の太股上部にまで粘液を擦り付けながら這い上がった触手群が、少女の華奢な体躯をいいように動かす。
「や、やめなさいよ! やめなさいってばっ!!」
「うねうね、ヌメヌメ……嫌です……! ――あぁっ、ぃやぁぁああああああああああああああああ~~~~~~~~!?」
 自らを防御する結界をバシバシ叩きながら制止する山吹を無視し、衣蛸たちは暴挙に出た。ルナの身体を逆様にひっくり返す。彼女の細肩を地面に押し付け、反対に腰は天へと向けさせ……挙げ句に両脚を大きく開かせて爪先を地面に突き立てた。
 ……ヨガに、確かにこういうポーズはあるのだが……別の、いわゆる成人男性向けのコンテンツでよく使われる表現の方が解り易いかもしれない。
 ――『まんぐり返し』。
 ……ルナが悲痛な声を響かせたのも仕方が無いだろう。このような姿勢を強制されては、魔女っ子衣装のスカートは膝下の長さであったとしても完璧にまくれあがってしまう。ルナの下半身は、爪先から腰まで白いタイツで覆われており、下着を晒す羽目にはなっていなかったが……脚線に、お尻に、それ以外の部分にも密着した布地は、ルナの下肢の詳細な形状をほぼ完全にトレースしていた。それを、蛸とはいえ恐らくは男性たちに観察されることになって……ルナの瞳には涙、頬には赤熱した鉄の色が浮かぶ。
「……ぐ、ぐすっ……いやっ! やめてよぅ……」
「すぐにやめてやるタコ~。――あっちの娘を守る結界を解けばな、タコ~」
「……っっ!」
 しゃくり上げるルナに、衣蛸は非情な台詞を返すのみ。
 直後――衣蛸の触手の一本が、先端でルナのお尻の割れ目をなぞった。
「ひゃんっ……!?」
 神をも恐れぬ所業に、ルナは身を震わせる。即座に身を起こし、全力で物陰に飛び込みたい衝動が彼女を急かすが……体勢が体勢の上、四肢が残らず触手に束縛されているせいで、ピクリとも動けない。
(動かせるのは……口だけですっ)
 けれど、口さえ動かせれば、魔女っ子たるルナならば魔法が使える。
「お、『お星さんたちわたしに力を!』――――ひゃぁぁんっ!?」
 生半可な魔法では再生されてしまうことを鑑み、ルナは手持ちの中でも強力な魔法を成就しようとしたが――その詠唱は、途中でルナ自身の驚愕に満ちた悲鳴に掻き消された。
「――お? やっぱりこの辺だタコー」
「よ~し、それ~、それ~、タコ~」
「……っ……そ、そんなっ……!?」
 ルナの目尻に大粒の涙が溜まる。何せ……目撃してしまったのだ。自分の、両脚がこれでもかと開かされたせいで無防備になった、とても……本当に大事な所に、衣蛸たちが触手を伸ばしているのを。そこに存在する、容易く触れられては決してならない一線を……蛸妖怪たちはタイツ越しに、その下の下着すら越えて探り当て……ほじくってきたのだ。
「……ぁ……あっ……ぃぃいやぁぁああああああああぁぁああああああああああ~~~~~~~~~~~~~~っっっっ!?」
 狂乱したように、ルナが白い髪を振り乱して泣き叫ぶ。自分の……女の子としての割れ目を、蛸の触手の先端が上へ、下へとなぞりながら往復する。幾度も、幾度も……。
「あっ……あっ……やっ……ぃやぁぁっ……!!」
 ……流石にタイツと、それに下着を間に挟んでいるせいで、劇的な刺激は感じないが……そうであっても、女の子にとって大切な亀裂を好きでもない相手……人の姿すらしていない怪物たちに弄られている事実は、ルナの心にピシ、ピシッとひびを入れた。
「お、『お星さんたち』――――お、『お星さんたち』ぃ…………『わたしに』っ……『力』……あぁああああっっ……!?」
(早く脱出したい!! ……です……けど……す、吸い付いてきて、詠唱に集中出来ないですっ……!!)
 本来禁足地たる自身のクレヴァスへ二枚の布ごと潜り込もうとしてくる触手に、ルナは魔法の発動を封じ込まれていた。
 にっちもさっちもいかなくなったルナへ、衣蛸たちから悪魔の囁きが為される……。
「……あっちの娘の結界を解けば、お前だけは助けてやるタコ?」
「所詮は他人のはずタコ? 気にすること無いタコ~」
「っっっっ……!?」
(山吹さんを見捨てれば、こんなつらくて恥ずかしい状態から解放される……? 楽に……なれる……?)
 甘美な誘惑がルナの薄い胸の内をさざ波のように走り抜けて……。
「……お――お断りですっっ!!」
 ――それでもなお、ルナは猟兵としての矜持を捨てなかった。
 ……それが、衣蛸たちにはカチンッときたようである。
「強情な娘タコー! こうなったら、邪魔な布地を取り払って直接やってやるタコ!!」
「自分の判断を後悔するがいいタコ~!」
「やぁああああっ!? ダメぇぇええええええええええええええええぇぇっっ!!」
 とうとう滂沱の涙を溢れさせたルナが見詰めるしか出来ない先で、彼女の白いタイツが衣蛸たちに乱暴に引っ張られ、ビッ……という破滅的な音を上げる……。
 ――その、真に間一髪の瞬間だった。
「……『散らせ!』」
 凛と勇ましく、声が響く。それを追い抜き、ルナを掠めるように翔け抜けていったのは、無数の光の刃。……ルナが見上げる中、衣蛸たちが触手も胴体も無惨な輪切りになって……崩れ落ちた。
「――タコブツの一丁上がり!」
 告げて、刃渡り七寸の短刀を血払いするように振ったのは、青葉・まどか(玄鳥・f06729)だった。その眼鏡越しの美貌には、安堵の表情が浮かんでいる。
「本当に、絶賛修羅場中だったね……」
 大慌てで身を起こし、乱れた魔女っ子衣装を整える泣き顔のルナに、まどかはほっとした顔で一息吐いた。
(ようやく平和を取り戻したのに、またもや世界に危機が訪れようとしている。そんなの許さない!)
 そう、強い決意をもってグリモアベースよりこの地へ転移してきたまどか。その為に、何としてもオブリビオンに狙われている山吹を助けないと……と考えて彼女を探していたのだが、山吹ではなく同じ猟兵の危機を救うことになるとは少々予想外だった。
 それでも、自分の力が誰かを守る役に立ったことを、黒髪ポニーテールのセーラー服猟兵は素直に喜ぶ。
「それにしても――上杉謙信を憑装したって割に、簡単な相手だったね。……あ、山吹さんも居る。えっと、初めまして。私は青葉・まどか……」
 自身を包む球形の結界を乱打している山吹に、「出してほしいのかな?」とまどかは自己紹介しながら近付いていった。……距離を詰めたことで、結界越しでくぐもっていた山吹の声がクリアになる。
「――まだその蛸共死んでないわ! 早くとどめを刺して!!」
「……ええっ!?」
 ――当初のルナと同様に、まどかもまた敵の力を計り違えていた。
 まどかがルナと山吹の傍へと無造作に寄った瞬間、その周りに転がっていた輪切りになった衣蛸たちが途轍もない速さで元の形に結合し、三人を包囲するように飛び掛かってきたのである。……死んだふりからの不意打ち。勝ったと思い込んだ相手の油断を突ける、上策であった。
 ルナは辱められ掛けた動揺から未だ立ち直れていないし、そんなルナが維持する山吹の結界が今も強度を保っているかは疑わしい……。二人が触手に襲われれば今度こそ危うかったかもしれないが――そうはならなかった。
「危ない……!!」
 まどかが、ルナと山吹を僅かな隙間から衣蛸たちの包囲の外へ押し出したのである。咄嗟に山吹がルナもエオローの結界の中へと引っ張り込んで……代わりに、まどかは衣蛸たちの数え切れぬ触手の中へと取り込まれた……。
「このっ、放せっ、放しなさいよっ! ――きゃああああっ!?」
「よくもやってくれたなタコー!」
「あっちの二人の前にお前を骨抜きにしてやるタコー!」
「お仕置きタコー!!」
「いやぁああああああああっっ……!?」
 ルナと山吹が見守る前で、まどかの凌辱が始まった……。

「……んぁっ❤ ぁんっ❤ くぅんっ❤ ぅくっ……❤」
 ……まどかが触手の虜囚となって一時間以上が過ぎていた。
「ふわっ❤ ふぁっ❤ ふわぁっ❤ ふあぁぁっ……❤」
 砂糖菓子のように甘い声で啼くまどかの身体から、セーラー服は完全に取り払われ、下着も辛うじて引っ掛かっているような有様……。
「んっ❤ んっ❤ んんっ❤ んぁっ❤ ふぁっ❤ ふわっ❤ ふわぁぁっっ……❤」
 同い年の山吹に負けず劣らず豊かに発育したまどかの乳房は、触手によって巻き取られてソフトクリームのような形状に歪められている。その先端は蜂に刺されたように腫れ上がって、真っ白な表面には夥しい数の赤く丸い痕……吸盤に吸い立てられた痕跡が残されていた。
 ……いや、吸盤の痕跡は、乳房に留まらずまどかの全身のありとあらゆる場所に刻まれている。それは、何よりも確実な証明だった。最早まどかの身体の何処にも、衣蛸たちに弄ばれていない箇所は存在しないという……。
 そして、それはまどかの『身体の内』も例外ではない。
「ほら、お仲間に見せてやるタコ~」
「……ひぁっ❤」
「「……っっ!?」」
 衣蛸たちがまどかの身体を持ち上げ、結界内で身を寄せ合うルナと山吹に見せ付ける。
 Vの形に御開帳されたまどかの両脚の付け根……触手に左右から引っ張られて花開かされた彼女の女陰の中心部に、太い触手が突き刺さっていた。それは己が表面を擦り付けるような動きを伴って、まどかのソコを出入りしている……。
「あっ❤ あっ❤ あっ❤ あっっ❤」
 それに連動して、まどかが艶やかな声音を鳴らす。
「……っ……ぅあっ……」
「……っっっっ!!」
 目を逸らせない山吹と、ギュッと瞼を閉じて耳を塞ぐルナ。……まどかと触手の結合部からは、ジュボッ、ジュボォッ……という湿った音が二人の許にまで届いていた。
「……この娘、お仲間に見られた途端に締め付けが強くなったタコ」
「濡れ具合も強くなったタコー」
「もっと凄い姿、見てもらうタコ!」
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あっ……❤」
 まどかを出入りする触手が加速した。彼女の肉洞の壁面を擦り上げる強さも増していき……自身の大切な穴を拡張されるような圧迫感に、まどかは腰を淫らにくねらせる。
「ん、ん、ん、んっ❤ あ、あ、あ、あっ❤ ぅあ、ぅあ、ぅあ、ぅあんっ……❤」
 己の薔薇色の洞穴を掘削される衝撃で、まどかの巨乳が上下左右に跳ね回る。残像を引く先っぽの鮮紅色から、汗の粒がいくつも宙を舞った。
 ずれた眼鏡の向こうのまどかの黒瞳は、左右とも涙の膜を張ってとろんとし、耳まで真っ赤になった顔は何かを見据えるように天を仰いでいく。上気して薄ピンク色に色付いた彼女の肌の上を、汗が幾筋も流れ落ちていって……。
 ――まどかに限界が近いことは、ルナにも山吹にも察知出来た……。
「ぁんぁんぁんぁんぁんぁんぁんぁんっ❤ あぅあぅあぅあぅあぅあぅあぅあぅっ……❤」
 さらに持ち上げられたまどかと触手の接続部から、白く泡立った蜜が零れ落ちる……。
「あっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあぁっっ――――ぅひゃぁぁああああぁぁああああああああああああああああああああっっっっ……っっ……❤」
 まるで神輿のように衣蛸たちに担がれて――まどかは臨界点を突破した。ガクガクッ、ガクンッ!! ……と震えて、盛大な艶姿をルナと山吹に披露する……。
 意識があるのかさえも定かではないまどかを……衣蛸たちは休む間も惜しんで再度責め立て始めた。
「……も……もうやめなさいよ馬鹿ぁっ!!」
 山吹が涙ながらに訴えるが、蛸のオブリビオン共は聞く耳を持たない。
「うるさいタコー!」
「その結界が解けたら今度はお前たちタコー!」
「首を洗って待ってるがいいタコー!!」
 ……山吹が悔し涙を流す中――ふと、彼女は自分の耳にまどかの嬌声でも触手が蠢く音でも体液が弾ける音でもない旋律を聞いた。

「――『お星さんたちわたしに力を! 悪しきものに降り注げ!』――『お星さんたちわたしに力を! 悪しきものに降り注げ!』――『お星さんたちわたしに力を! 悪しきものに降り注げ!』――」

「……え?」
 山吹の腕の中で、抱えられていたルナがつらつらと詠唱を紡いでいた。覗き込めば、彼女の青い双眸が涙に濡れつつも据わっており……剣呑な光が見え隠れしている。
 ……自分を助けてくれたまどかの惨状……一歩間違えれば自分もそうなっていたという危機感……そんな中で、泣いているしか出来なかった自身の無力さ……そういったものがルナの中で飽和して――プッツン! と切ったのだ……。

 限りなく優しく、温和だからこそ、滅多に切れることのない……ルナ・ステラという少女の堪忍袋の緒を。

 山吹の腕をそっと振り解き、すっくと立ったルナは、迷いの無い足取りでエオローの結界の外へ出て、腹の底から咆哮した。

「――――『シューティングスター☆』ッッッッ!!!!!!!!」

「「「「「……タコっ!?」」」」」
 まだ陽が高いはずのサムライエンパイアの空が瞬時に夜空に変わり、そこに散らばった星々がゴゴゴゴッ……! と轟音を伴いながら落ちてくる……。『ファイアボルト』にてかっ飛んだルナがまどかを掻っ攫った直後――世界の終わりのような流星雨を浴びて衣蛸たちが消し飛んだ。
「……うわぁ……」
 今度こそ衣蛸たちを辺り一面ごと消し炭に変えたルナは、大きく弧を描いてポカーンとした山吹の所にまで戻ってくる。戻ってきて……。
「ぅ……ひぐっ……うええええぇぇ……!!」
 ……座り込み、幼子のように泣き出した。
「女の子に無遠慮に絡み付くなんて……ぐすっ……それどころかもっと酷くて恥ずかしいことするなんて、絶対にダメですっっっっ……!!」
 わんわん泣くルナに、ぐったりとしたまどか。二人を前に、山吹はオロオロとするしか出来ないのであった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

彩波・流江
(アドリブ歓迎です!)
さてさて、到着して早々にUCで増やした剣の群れを叩き込んであげましょう…問答などはそれからです
迫る触手達を斬り払いつつ彼女の安否を確認、庇う様に前に出ます
…ここから先には通しませんよ!

足場の悪さを『空中浮遊』で補いつつ、躱して、払って、斬って行きますが…もう何体居るんですかこれ!?
憑装という物の仕組みは正直よく知らないですけど、憑装先がアレで、更にこんなに増やされて…ちょっと同情もしてしまいそうな…あ、やっぱりなしです吸い付いてこないでください…!?

数に押し流されそうになっても、山吹さんへの援護に向ける集中力は切らさない様に努めなければ…!



 現地に到着して早々、彩波・流江(不縛神フルエリュト・f25223)は戦線の状態に頬を引き攣らせることになった。
「数、多いです……!」
 森を抜けた川辺の戦場に、蛸、蛸、蛸、蛸、触手、触手、触手、触手……。一目では数え切れないほどの個体数の衣蛸たちに、青い瞳の女神は若干腰が引けてしまう。
 ……そのおかげで、纏う法衣のスカート越しに、量感たっぷりのヒップの丸みが浮かび上がっていた。
「……いいえ、ここで退いては元も子もありません! 頑張りましょう……!」
 髪がフワッと浮くほどに首を横に振って、流江は発奮した。表情を引き締めた彼女の身体が、フワリと宙に舞う。
「『これより披露するのは、陽の写し身達による剣舞……群れなす敵を討ちなさい、陰牙!』」
 空中浮遊する流江がスラッと引き抜いた、『神霊刀・陽牙』。それと寸分違わぬ姿をした刀が、主の命に従って次から次へとその周りに現出する。煌めく刃の数は80を超えた……。
「ユーベルコードで増やした、この剣の群れを叩き込んであげましょう……問答などはそれからです!」
 女神の戦意を宿した陰なる牙が、獰猛に蛸妖怪の群れへと喰らい付いた。
「なっ……タコ!?」
「敵の新手タコー!」
「背後からなど卑怯なり……タコ!!」
 逃げ惑う丸い軟体を斬り捨て、反撃に伸ばされてくる触手を斬り払いながら、流江は浮遊したまま戦域を突き進んでいく。
「山吹さんは……居ました!」
 グリモアベースで聞いた通りの亜麻色のポニーテール。そこから狐耳を突き出させた少女の傍に、他に猟兵は居ない。流江は急いで彼女の前に、庇うように降り立った。
「無事ですか、山吹さん!?」
「……あなたも猟兵よね? あなたの仲間のおかげで何とか……ね。少し前にはぐれちゃったけど……」
 握る太刀の切っ先をフラフラと揺らしながら、山吹はそれでも流江に強気に笑ってみせる。
(私が来る前から、ずっと戦い詰めのはずですからね……。彼女に無理はさせられません)
「……ここから先には通しませんよ!」
 数歩分、山吹より前に出て――流江は蛸オブリビオンたちへ声高に宣言した。
 自由と正義を愛する女神と、軟体生物オブリビオンたちの死闘が始まる……。
 本来なら、濡れた砂利で足を取られ易いこの場は、二本脚の流江には立ち回り難い戦場のはずであったが……。
「空中なら、足場の悪さは関係ありません!」
 風に乗るように虚空を行き来する流江は、三次元的な動きを駆使して伸ばされてくる衣蛸の触手を掻い潜っていた。すり抜け様、陰牙で触手を数本まとめて切断する。
 斬って、払って、躱して、斬って、躱して、躱して、斬って……。華麗なる戦舞を踊るに踊って――流江は、我慢し切れなくなった様子で叫んだ。
「もう、何体居るんですかこれ!?」
「あたしだって、ここに到るまでにかなりの数を倒してるはずなのよ!!」
 両手と両足の指を駆使しても足りなくなる数の衣蛸を屠って、それでも一向に数が減った気配が無いオブリビオン共に、流江はツッコミを叫んだ。それに山吹がヤケクソ気味に返答する。
 集団戦のオブリビオンは膨大な数が存在するケースが多いが――今回の衣蛸たちは、いつもよりもさらに多い印象を受けた。流江とて辟易してくる。
「……憑装というものの仕組みは正直よく知らないですけど……憑装先がアレで、さらにこんなに増やされて……ちょっと同情してしまいそうな――」
 上杉謙信に思いを馳せた流江は――その瞬間、下半身にむんずっと重みが掛かったのを感じた。見れば、油断してやや高度が下がった流江の足首に、一体の衣蛸の触手が絡み付いている。自身の迂闊さに、流江は舌打ちした。
「……やっぱり今の無しです吸い付いてこないで下さいやぁああああああああああっっ!?」
「流江っ!?」
 強靭な筋肉の塊であるという衣蛸の触手は、とんでもない怪力で流江を地上へと引っ張り下ろした。お尻から砂利の上に叩き付けられて、流江は顔を歪める。……そんな彼女を救助しようと、山吹が駆けて来ようとしていたが――流江は声を張り上げて妖狐の剣豪少女を押し留めた。
「私は大丈夫ですから! 山吹さんはどうにか他の猟兵たちと合流して下さい!!」
「でもっ――」
「早くっっ!!」
 有無を言わせぬ流江の迫力は、曲がりなりにも女神ということか。彼女の叱咤に叩かれた山吹は、狐の尻尾を揺らして川辺から駆け出していく。それを追おうとする衣蛸を、流江は最後の集中力を総動員して陰牙にて迎撃した。
「……私自身がここから脱出するのは、ちょっと無理そうかなぁ……?」
 山吹がこの場を去ったことで、川岸に溢れんばかりに詰め掛けた衣蛸が流江の方へと押し寄せてくる……。
 その数に呑まれまいと抗えるだけ抗って――流江の姿は結局、群れ成す蛸妖怪たちの中へと消えたのであった……。

 そして、流江へと科されたのは……。

「あっ……❤ あんっ……あぁ~っ……❤」
 小玉スイカのように立派な乳房をたぷんっ、たぷんっと揺らし、流江が蕩けた声を上げる。
 巨体の衣蛸の胴体の上に担がれた彼女の衣類は、既に下着一枚残さず剥ぎ取られていた。……余す所無く晒された柔肌の上には、吸盤に吸われた証である虫刺されの如き赤い痕がびっしりと刻み付けられている。
 ……吸盤のキスの雨に打たれるに打たれた流江は、もう息も絶え絶えであった。
「あっ❤ あふっ❤ あぁっ……はあぁぁ~っ❤」
 そんな彼女の大きく割り開かれた両脚の根元部分へ、一体の衣蛸の極太の触手が入り込んでいた。それが揺れ動き、女神の瑞々しい肢体へ『何か』を行っている……。
「……っあんっ❤」
 やがて、引き抜かれたその触手は……他の触手と微妙に形状が違っていた。先端近くに吸盤が無く、代わりに皺が並んでいる……。
 何らかの行為を終えた衣蛸が流江の前から退き、別の衣蛸が入れ替わった。その個体も、形状のやや違う触手を持ち上げるが――その触手に妙な物体が持たれている。
 半透明で白く細長い……一見寄生虫かと見紛う代物。だが、動きがあるわけではなく、それ自体は生き物ではないらしい。
 その謎の物体を――衣蛸は件の触手ごと流江の秘孔へと突っ込んだ。
「あぅうんっ……❤」
 背を仰け反らせた流江が、ピクッ、ピクッと震えた。
 衣蛸は、暫し流江の秘洞内で異様な触手を蠢かせ……それを終えて引き抜かれた問題の触手の上から、あの寄生虫染みた物体は無くなっている。……流江の体内に置き去りにしたらしい。
 また別の個体が、同じような触手に同じような物体を乗せて流江の前に座した。
 ……もう、説明してしまおう。蛸という生き物には八本の触手があるわけだが――オスの蛸の触手には一本だけ、先の方に吸盤が無い『交接腕』と呼ばれる触手がある。別名『生殖腕』。即ち……『繁殖の為に使われる特別な触手』だ。
 オスの蛸たちは、自分たちの生殖細胞を『精莢』と呼ばれる入れ物に収め、メスへと渡すという一際変わった繁殖方法を取るのだが、交接腕とはその為の大切な触手なのである。
 交接腕の先端の方に吸盤が無いのは、精莢を運び易くする為なのだ……。
 ……余談だが、蛸の精莢は『半透明で白く細長い寄生虫的な外観』をしている。
 もう……お解りだろう。
「あっ❤ あひっ❤ ふぁっ❤ ふぁぁっ……❤」
 今、衣蛸たちは――自分たちの子種を流江の胎へと送り込んでいる。
「うっ❤ ひぅっ❤ はぅっ❤ あぅっ❤ ……あっ、あっ、あ、あ、あ、あ、あぁっ……❤」
 切羽詰まった喘ぎ声を上げ、流江が腰をくねらせた。女洞の筋肉が収縮し、刺し込まれている衣蛸の交接腕をキュゥッ……と締め付ける。
「んぁぁああああああああああっっ……❤ …………あぁっ…………❤」
 ブルブルと打ち震え、直後に脱力した流江の深部から交接腕が引き抜かれ……また一つ、精莢が流江の体奥へ埋蔵されたことが判明する。
 山吹を逃がした後から幾度も幾度も繰り返されたこの行為に、流江は体力も精神力も限界を迎えつつあった……。
「猟兵共に減らされた仲間を、この娘を使って増やすタコー」
「いっぱい、いっぱい元気な子を産むタコー」
「……やぁぁ……」
 衣蛸たちの言葉に、流江は涙した。
 ……現実問題、蛸と人の間に子が成せるわけが無い。無い、のだが……衣蛸たちは本質的には妖怪であり、流江は人間の女性的な外見を持っているが本質的には女神だ。
 妖怪と神ならば……子供が出来る可能性は――あるか?
 真実が解らぬ疑問の解答を求めるかのように、蛸と女神の血を結び付けようとするおぞましき儀式は続いていく……。
 またも衣蛸の交接腕を挿入され、子を育む聖域へ彼らの遺伝子を納められながら、流江は弱々しい声で嘆くのだった。
「蛸の赤ちゃん……出来ちゃいますよぉ……………………あっ……❤」

成功 🔵​🔵​🔴​

霧沢・仁美
なんか色んな意味で酷いオブリビオンだね…!?
でも人の命が懸かってるのは確かなんだし、しっかり助けないと。

念心救光で山吹さんのトコまでテレポート、伴って発生させる波動で回復を試みるよ。
その後は山吹さんを守る形で戦闘。足場に気を付けつつ、主に【衝撃波】でタコを攻撃。タコが複数集まってて山吹さんを巻き込む心配がない状況なら、キネティック・バスター・ウェーブの【範囲攻撃】で一網打尽にできればと。

けど、潜伏してたタコに吸い付かれて、力が抜けちゃって…
つい気持ちいいと思っちゃって抵抗もできず、そのまま暫くされるがままに…

って、そういう場合じゃないー!?(【衝撃波】でタコ吹き飛ばす)

※アドリブ歓迎、NG無し



「何か……色んな意味で酷いオブリビオンだね……!?」
 猟書家・真田神十郎配下の衣蛸たちと猟兵たちの戦域を駆け抜けながら、霧沢・仁美(普通でありたい女子高生・f02862)は強く感想を言い切った。
 ……ここまでの間に、山吹を守って衣蛸たちの餌食となった猟兵たちの姿を、仁美は散見している。その死屍累々とした有様に、彼女はブルッと震えた。
(も、もしもあたしもあんな目に遭ったら……!?)
「……で、でも、人の命が懸かってるのは確かなんだし、しっかり助けないと」
 拳を握り締め、仁美は決意を新たにする。……だが、その肝心の救助対象である山吹を、彼女はなかなか見付けられなかった。
「見付けるのに手間取って……それで彼女を助けるのが間に合わなかったら、元も子も無いよね」
 故に、仁美は一つのユーベルコードを成就する。高まった仁美のサイキックエナジーが戦場全体へ拡散し、ごく一時的に彼女の知覚力を拡大した。
(山吹さんは………………居た!)
 感じた気配を精神の腕で掴み、自分をそこへと引き寄せるイメージ……。ポニーテールを、セーラー服のスカートをフワッと舞い上がらせ――仁美がその場から掻き消えた。
 ――直後、セーラー服の胸元を大きく弾ませて仁美が出現したのは、山吹が今まさに衣蛸の触手に引き倒された目の前である。
 瞬間移動――それを果たして山吹の危機に割り込んだ仁美は、念動力による衝撃波を放ち、妖狐の少女を襲う不埒な蛸を吹き飛ばした。
「山吹さん、大丈夫!? 間に合って良かったよ……」
 尻餅をついた山吹に駆け寄り、光の波動を放つ仁美。それは、山吹の四肢にあったすり傷を癒し、疲労すらも和らげる……。
「あ、あなたは……?」
 戸惑い気味の山吹へ、仁美はニコッと笑って手を差し伸べた。
「霧沢・仁美。あたしも猟兵だよ。『もう大丈夫だよ……! さあ、一緒にいこう!』」
 そこから、仁美と山吹の逃避行が始まった。
「えぇいっ!」
 砂利の川岸を時折危なっかしい足取りで走りつつ、仁美が裂帛の気合いを放出。同時に放出された超能力の衝撃波が、今まさに彼女へと飛び掛からんとしていた衣蛸を撥ね飛ばした。
 仁美より数歩先を進む山吹が、興味深そうに目を丸くする。
「変わった技を使うのね。陰陽術の類い?」
「ええと……」
 サムライエンパイア以外の世界を知らぬ山吹に、サイキッカーとしての力をどう説明するか悩む仁美。けれど、その間も周囲への警戒を怠らない。彼女の茶色の眼差しは、川周辺の木々の間からのそのそと現れてくる新手の蛸妖怪たちを目敏く発見した。
(数が結構多い……! なら――)
「山吹さん、ちょっと伏せて!」
「えっ? う、うんっ」
 山吹がその場にしゃがみ込んだのを確認して、仁美は全身に稲光のようなスパークが伴うほど、サイキックエナジーを昂らせた。
「はぁああああああっっ……!!」
 大気をぐにゃりとたわませ、一際大きい衝撃波が仁美を中心に辺り一面へ波紋を走らせた。『サイキック・バスター・ウェーブ』と称される、純粋な物理的破壊力に転化されたサイキックエナジーが、迫りきていた蛸型オブリビオンたちを弾き飛ばし、ズタズタに引き裂く。
「……す、凄いわね……!」
 山吹が、亜麻色のポニーテールを振って360度を見回し、絶句した。木々は倒れ、地面は抉れ、壮絶な破壊の跡が一帯に刻まれている……。
「……これで、一網打尽に出来たかな?」
 目に見える範囲から衣蛸たちが消えたことで、仁美は肩の力を抜く。
 ……それがいけなかった。
「――ふぇっ!?」
 仁美が背にしていた川の中から、滲み出るようにさらなる衣蛸たちが出現する。……見え難い水中を、保護色まで駆使して移動しての奇襲。先までの衣蛸たちが割とあからさまに姿を見せていたのは、この不意打ちの為の布石であった。
「き、きゃああああああっ!?」
「仁美!? ――ひゃああっ!?」
 今度は自分が仁美を助けようと倭刀術の構えを取った山吹も、別方向から奇襲してきた衣蛸たちに捕縛される。
「今度こそ捕まえたタコー!」
「もう逃がさないタコー!」
「絶対に骨抜きにしてやるタコー!!」
「きゃっ――いやぁああああああああっ!?」
「きゃああああああああああっ!?」
 仁美と山吹の悲鳴が、川辺にこだました……。
「やっ……駄目ぇっ!」
 蛸の触手が仁美のセーラー服の上着をまくり上げ、Pカップとタグに刻まれたブラジャーに包まれた爆乳をお目見えさせる。圧巻のサイズに暫し衣蛸たちも固まるが……気を取り直してブラを剥ぎ取り、恐るべき二つの巨山に蛸足での登頂を開始した。
「んっ……あっ……んぁんっ……!」
 ヌメヌメと乳肉に擦り付けられていく粘膜の感触に、仁美はいやいやと首を横に振る。彼女のスイカの如き乳房は、時に瓢箪のように、或いは鏡餅のように歪められていった。
「あっ……あっ……はっ……はぁっ……」
 グニグニと執拗にこねられ続けて、仁美の胸部の柔肉は薄っすらとピンク色に上気してきた。その天辺の円形の桃色も腫れてきて……そこの真ん中の突起もピンッ……! と起立する。
 ――その突起が、容赦無く触手の吸盤に吸い付かれた。
「あっ!? あっ……あぁああ~っ……❤」
 仁美の乳峰がボヨンッと弾んだ。
「あっ……あぁっ……んっ……んぁっ…………ああぁっ……❤」
 乳首を強烈に吸引され、仁美の頬が見る見ると紅潮し、瞳に涙の膜が張る。
 ……しかも、これはれっきとした衣蛸のユーベルコードであり、胸と一緒に生気も吸い立てられた仁美は、ユーベルコードすら使えぬほどに脱力してしまった。
(ち……力、抜けちゃう……)
 仁美の抵抗がほぼ無くなったのを見計らって、衣蛸たちは彼女のスカートもめくり上げた。露わになったショーツの、濡れてシミになっている部分を、触手の先端でなぞり上げる。
「あっ、くっ、うっ、ぅんっ……あっ、ひゃっ、やぁっ……❤」
 何度も、何度も往復された頃には……仁美のショーツの件の箇所は、仁美自身から分泌された液で透けるほどになっていた。触手がほじくる薔薇色の粘膜の色さえ窺えるほどである。
 仁美の腰はいつしか、淫らに、物欲しげにくねっていた……。
「あっ❤ あっ❤ あぁっ❤ やぁぁっ……❤」
(どうしよう……気持ちいい……❤)
 イヤらしい水音を奏でる自分の股間、そこから流れる甘美な痺れに、仁美は夢現になっていた。
「……そろそろ中にも欲しいかタコ?」
 耳元で衣蛸に囁かれて……仁美は思わずコクンと頷いてしまう。
 ――仁美の希望は数瞬後には叶えられた。
「あっ……❤ あっ、あっ、あっ、ぅあっ……❤」
 仁美の秘所を攻めていた触手は、そのまま彼女のショーツの内へと滑り込み……布越しではなく、寸分違わぬ部分をほじくり始めたのである。すっかり潤み、熱い蜜の湧く泉と化していたソコは、あっさりと触手を呑み込んでいく……。
「んぁっ❤ んあっ❤ ひぁっ❤ ひゃっ❤ あっ❤ あぁ~っ❤」
 己の秘泉の中で肉襞を掻き分けて泳ぐ触手の感触に、仁美の背筋が反り返る。
「んっ❤ んくっ❤ んっ❤ んっ❤ あっ❤ ぅあっ❤ ぅあぁぁ~っ❤」
 仁美は抗うこと無く触手の侵入を受け入れ……自分の深部の女性的中枢の入口にさえ触れることを許した。閉ざされたその扉を開こうと、パスワードを打ち込むようにツン❤ ツンッ❤ とする触手に、仁美の肢体はピクッ……ピクンッ……と痙攣する。
「っ……っ……っっ……❤ っっ……っ……っっ……っ……❤」
 赤ちゃんの為の部屋を宿す下腹を打ち震わせながら……仁美が声にならない喘ぎ声を上げる。滑らかな肌の上を幾筋もの汗が流れ落ちていった……。
「っ……んっ……ぁ……❤ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っっっっ❤」
 そうして一段と大きな痙攣を身体全体に走らせて――仁美は絶頂した。身体からも心からも力が抜け……涙に濡れた双眸がふと横を見る。
「――あっ❤ あっ❤ ふぁっ❤ ふわぁぁっ……❤」
 そこでは、仁美と同じように剥き出しにされた巨乳を触手の吸盤に吸い立てられ、股間の秘穴に今まさに触手の切っ先を突き立てられんとする山吹の姿があった。限界までくぱぁっ……と開かれた秘唇の内には、仁美と違ってまだ健在な純潔の証が垣間見える。
(……山吹さん、まだ何とか処女なんだね……)
 それを少々ぼーっと眺めて――仁美はハッとした。
「――って、そういう場合じゃないー!?」
 自分が猟兵であること、今回与えられた使命を思い出し、仁美は跳ね起きる。
(ユーベルコードは――っ、無理だね)
 頭はクリアになっても、そこまで回復はしていない――それを感じ取った仁美は、ユーベルコードには及ばぬものの、それに準じる力である純粋物理的破壊力に転じたサイキックエナジーを放った。
 まさかここで仁美が反撃するとは思っていなかった衣蛸たちが、台風に舞う木の葉のように吹き飛ばされる……。

「……頃合い、か」
 そう遠くない所で上がった轟音に、胸に六文銭が描かれた赤い具足の武者は、手にする十字架が飾られた本を閉じ、ゆっくりと歩み出すのだった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

才堂・紅葉
「全く、困った連中ね。謙信公への風評被害も考慮なさいな」
軽く指を鳴らし、妖狐の剣士の救出に入る

奴等の保護色は【野生の勘】とアルダワ製ゴーグルの熱源感知ガジェットの【メカニック】で察知したいわね

「コード・ハイペリア」

感知に成功したら、触手を掴み紋章の【封印を解く】事で、触手全体に重力をかけ【属性攻撃、捕縛、結界術】でその動きを封じに行くわね
これなら地形は関係ないでしょう

「性根を入れ替えなさい!!」
その隙にUCを叩き込み、奴の邪心を浄化を狙うわ
過去の存在に対してだから、一時的な物だけどね
その隙に彼女を助け出す心算よ?

「……え? 初心に返って、丁寧に入念なマッサージ?」

不味った
その発想はなかった…



 才堂・紅葉(お嬢・f08859)がその場に辿り着いた時――救助・護衛対象たる山吹は半裸で息も絶え絶えであった。不埒なオブリビオン共の魔手が、幾度となく妖狐の剣豪少女を辱めたことが解る……。
 ――けれど、当の山吹がまだ瞳に希望の光を宿し、心が折れていないことを示しているのは、最後の一線で他の猟兵たちが奮闘し、彼女を守り切ったからだとも紅葉は理解した。
 ならばこそ、その同胞たちの努力を紅葉が無にするわけにはいかない。
「全く、困った連中ね。謙信公への風評被害も考慮なさいな」
 ポキポキッと指を鳴らし――紅葉が山吹の前へ疾駆する。
「コード・ハイペリア」
 厳かに呟いた紅葉の右手の甲に、青く輝く紋章が浮かび上がる。その右手が、何も無いはずの虚空を掴んだ。……途端、その空間は朱色に染まり、保護色で迷彩して山吹を襲おうとしていた衣蛸が驚愕の視線を紅葉に向ける。
「な……何故タコ!? 保護色が見破られたタコ!?」
「お生憎様。とっても良く見えるわ……」
 自身の目元を覆うアルダワ製のゴーグルを、左手の人差し指でトントンと叩く紅葉。……衣蛸の見た目をごまかす保護色の迷彩は、ゴーグルの熱源感知機能によって丸裸にされていたのだ。
 ――だから当然、このせせらぐ川の一帯にまだまだ多くの衣蛸が身を潜めていることも、紅葉には見えている。
「行くわよ――ッッ!!」
「タコー!?」
 右手の紋章を中心に、紅葉の身体の表面を重力の力場が覆う。その重力は、紅葉が捕まえた衣蛸にも広がり、彼の蛸妖怪を四方八方からの重力負荷で拘束した。
 それを――陸上競技のハンマー投げのように回転して振り回し、未だ隠れている(つもりの)衣蛸が一際密集している地点へと紅葉は投げ込んだ。
「「「「「――っタコー!?」」」」」
 まるで落雷のような轟音を上げ、数体の衣蛸がまとめて吹っ飛んだ。……ここに到り、保護色の迷彩が全く無意味になっていると悟った残りの衣蛸たちが、一斉に姿を現して殺到してくるが、それに対して紅葉は獰猛に笑った。
 ……例えば鮫とか……或いはシャチとか。圧倒的上位の捕食者に遭遇したような感覚に囚われ、衣蛸たちに怖気が走る。
「「ターコー!!」」
 それでも果敢に伸ばされてきたオブリビオンの触手を、紅葉は両手で鷲掴みにして受け止めた。……紅葉自身の野生動物染みた勘が、敏感に敵の攻撃を察知している。間髪入れず、触手を介して重力が腕を伸ばして――衣蛸たちを押し潰した。
 動きを封じられ、どころか圧迫されていく衣蛸たちへ、紅葉が死刑宣告のように告げる。
「あなたたちは謙信公の力を借りて、地形を最大限に利用しているそうだけど――これなら地形は関係無いでしょう?」
 保護色ばかりでなく、憑装・上杉謙信の力までも対策を取られ……衣蛸たちは反撃の芽を摘まれていった。
 紅葉の背後に、炎を纏った鳥が飛翔する。
 ……それは『迦楼羅』。毒蛇を喰らう神の鳥。その羽より浄化の炎を撒き、悪しき心根を灼き滅ぼす者……。
 その迦楼羅の炎が、紅葉へと宿っていく。
「『この迦楼羅の焔でその歪んだ性根をまっすぐにしてやるわ』。――性根を入れ替えなさい!!」
「「タコォォオオオオッッ!?」」
 ……サムライエンパイアの今と良く似た、UDCアースの日本の過去の時代……。戦場で発展した素手での組み打ちの技をベースに、洗練し、体系化されて完成した古流の武技・柔術……。
 ――それの、大地を割らんばかりの踏み込みより放たれる掌底連打が、迦楼羅炎を伴って衣蛸たちへ炸裂した。赤々と燃え上がりながら大回転し、蛸妖怪たちが弾け飛ぶ。
「――次!! 行くわよっっ!!」
「「「「「うぎゃああああああタコォォッッ!!」」」」」
 紅葉の華麗なる柔術殺法が、衣蛸たちを残らず打ち据えた……。

「――無事のようですね」
「あ、はい……。その、ありがとう」
 戦闘中の鬼神の如き様相から打って変わり、柔らかい女性的佇まいで手を差し出す紅葉に、山吹は戸惑いながらもその手を取って立ち上がった。乱れていた小袖も整えて、ペコリと頭を下げる。
「……あいつらは?」
「もう大丈夫ですよ。性根は叩き直しましたから」
 警戒の色を消さない山吹へ、紅葉は微笑しながら衣蛸たちを示す。
 紅葉の迦楼羅炎を伴う柔術技・『ハイペリア重殺術・迦楼羅』は、喰らわせた対象の邪心のみを打ち砕く神秘の技だ。それを受けた衣蛸たちは、何やら憑き物が落ちたように無垢な顔になっている。
(……まあ、所詮は骸の海より甦った過去の存在たち。邪心の浄化も一時的なものだけど――)
 それでも――もうこの場で山吹を襲うことは、この衣蛸たちには無いだろう。
「……今の内にこの場から離れましょう。新手の蛸たちもいつ来るか解りませんし」
「……そうね。あたしもそれがいいと思う――」
「――ま、待ってタコ!」
 この地点からの迅速な移動を算段し始めた紅葉と山吹へ、邪心浄化状態の衣蛸が挙手した。
「……あっ?」
 睨み付ける紅葉に怯みながらも、衣蛸たちは言う。
「ここまで、いっぱい酷いことしてごめんなさいタコ!」
「せめてお詫びをさせてほしいタコ!」
「初心に帰って、丁寧に入念なマッサージをさせてほしいタコ~!!」
 ……衣蛸たちの主張に、紅葉と山吹は「……え?」と目が点になった。
「……まずった。この発想は無かった……」
 悪意無く、あくまでも善意でじりじりと迫ってくる衣蛸たち。「受けます?」と山吹に目で問い掛けた紅葉は、プルプルプルと首を激しく横に振る彼女の様子に嘆息する。……これまでに山吹が衣蛸共から受けた所業を鑑みれば、至極当然の反応だった。
(ただ……ここで全面拒否! 逃げる!! ……となれば、また面倒なことになりそうだし……)
「……身体を張って護衛対象を庇うのも、傭兵の本懐よね。――解ったわ。私が受けるから。だけど、手短にしてよ?」
「解ったタコー!」
 ……そして紅葉は――――正座の状態で、頭部のあちこちを触手によって抱えられることとなった。
「いや、あの、これ……何?」
「顔面マッサージタコー」
 困惑する紅葉に、衣蛸が朗らかに答える。
 ……顔面マッサージ。いわゆる美容系のマッサージにそのようなものがあるということは、紅葉も知っていた。ただ……。
「……頭部へのマッサージって、結構難しいんじゃなかった? 下手なことをやるとかなり酷いことになるって……?」
「大丈夫大丈夫タコ! ……やるの凄い久し振りだけど……タコー」
「……いや、ちょっと待っておいこらやめろ痛たたたたたたたたっっ!?」
「動くと却って危ないタコー! 皆、押さえてタコー!!」
「「「「「タコー!」」」」」
「おおぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっ……!?」
 ……結論から言えば、紅葉は無事に若干小顔になったという。
 ――ただし、後で衣蛸たちにことごとく拳骨を落とした。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『真田神十郎』

POW   :    不落城塞
戦場全体に、【真田家の城郭】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    神速十字斬
【両手の十字槍と妖刀による連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    侵略蔵書「真田十傑記」
自身が戦闘で瀕死になると【侵略蔵書「真田十傑記」から10人の忠臣】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:瓶底

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠蛇塚・レモンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「……あ、月……」
 山吹がふと空を見上げれば、そこは墨を流したような色に染まり、冷え冷えと光る月が浮かんでいた。……山吹と彼女を守る猟兵たちが、この河川の岸辺で衣蛸たちと一進一退の攻防を繰り広げて……相当な時間が経っていたのである。
 大分数は減ってきたとはいえ、衣蛸たちの全滅はまだ遠い……。猟兵たちが気を引き締め直した――刹那であった。
「もういい、衣蛸たち。……撤退せよ」
「タ、タコ!?」
「神十郎様!?」
 衣蛸たちの向こうに、一人の武者が立っていた。顔面に斜めに走った傷痕……。赤い両目がギョロリと猟兵たちを、彼らに庇護された山吹を睨め付ける。左手に金の装飾がされた赤い本を携え、身を包む赤き具足の胸元には、六文銭の紋。
 ――猟書家・真田神十郎が悠然と立っていたのである。
 上司の突然の登場に、衣蛸たちは焦った様子で声を上げた。
「神十郎様、俺たちはまだやれるタコ!」
「お役に立って見せるタコ~!」
「神十郎様のお手を煩わせるわけにはいかないタコー!」
「もう一度言う。――撤退せよ。其方らも我が主君・クルセイダーより預かりしあの方の戦力。ここでこれ以上減らされるわけにはいかぬ」
「「「「「タコー……」」」」」
 ……直後、潮が引くように衣蛸たちは下がっていき……姿も気配もこの戦場から消えた。――けれど、緊張感は一瞬を経るごとにますます高まっていく……。
「まずは見事だと言っておこう。あの方、上杉謙信殿を憑装した我が部下を相手に、ここまで耐え切るとは……正直猟兵の力、見誤っていた」
 右手に握った十字槍をジャキンッと鳴らし、神十郎は猟兵たちを褒め称える。……が……。
「なればこそ――ここからは我自身が相手をしよう。『蹴刀の山吹』、そして猟兵たち。全員を骸の海に沈め……我が配下として、甦らせてくれる」
 神十郎の腰に佩かれた打刀が、ドクンッと脈動して妖気を放出した。
「姓は真田、名は神十郎。侵略蔵書は『真田十傑記』! 友にして主君たるクルセイダーの大望の為――いざ、参る!!」
 月が見守る下――サムライエンパイアに血の風が吹こうとしていた……。
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

多対1か、それなら武蔵の一乗寺下り松を再現する世界観を魔術的パラダイムシフト(結界術)で展開しましょ。
更に、宮本武蔵モチーフのアニメキャラの人工未知霊体(式神使い)を憑装(降霊)するわ。
調息により体感時間を引き伸ばし己の最大限のパフォーマンスを引き出す深い集中に潜り神憑り(ドーピング/限界突破/リミッター解除/継戦能力)。現代スポーツで言うゾーンとかフロー体験と呼ばれる境地に至るわ。
「妖柱、二色・菖。過去よりの鬼を討つため、いざ参る!」
名乗りは降霊したキャラの影響うけてるけど、まぁ、問題なし。
史実において多対1を制した剣豪の御業、とくとご覧あそばせ。


備傘・剱
お、タコ焼き原材料の親玉が出てきたか
いい味してたぜ、あんたの配下
ごちそうさん、ってな

どうも、油断していい相手じゃなさそうだからな、全力で仕留めさせてもらおう
青龍撃、発動!
オーラ防御、全力展開、呪殺弾、衝撃波、誘導弾、ブレス攻撃を主軸に、結界術で敵の動きを阻害、接近戦になれば、ガントレットで攻撃を受けつつ、二回攻撃と鎧砕き、鎧無視攻撃を叩き込んでやるよ

不落要塞で閉じ込められたら、高速移動と野生の勘で脱出
十字斬は一瞬でいいから動きを妨害し、空中移動で距離をとる
召喚されたら、弾幕張って吹き飛ばしてやる

こう見えても、ガチの殺り合いは望む所なんでな
遠慮なく、やらせてもらうぜ

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



「お、タコ焼き原材料の親玉が出てきたか」
 いよいよ相対した猟書家・真田神十郎を前にして、備傘・剱(絶路・f01759)の口調はそれでも軽かった。
「いい味してたぜ、あんたの配下。ごちそうさん、ってな」
「…………」
 実際に、神十郎配下の衣蛸を刺身にして食した剱。その所業にどのような感想を抱いたのか……神十郎の紅い眼差しは、射抜くように剱を見据えている。
 もっとも、軽口を叩きつつも、剱の漆黒の双眸は神十郎の一挙手一投足をしかと観察していた。
(どうも、油断していい相手じゃなさそうだからな。全力で仕留めさせてもらおう――)
 剱は、これまでにも数々の難敵を屠ってきた自身のユーベルコード・『青龍撃』を発動する。
「『天よ、祝え! 青龍、ここに降臨せり! 踊り奏でよ』――!?」
 ――否。発動し切る前に、剱の鼻先に十字槍の切っ先が迫っていた。顔を……それどころか身体全体を斜めに傾け、剱はギリギリでそれを回避する。
 ……彼の色黒の頬に、真紅の線が走った。
「――『踊り奏でよ、爪牙、嵐の如く!』……技の発動の途中や機体の合体・変形の途中は、攻撃しないのがお約束だぜ……!?」
「知らぬ。そのような約束事」
 大気中の水分を凝縮し、青龍の力を宿した爪と牙を纏いながら、高まった敏捷性で神十郎から間合いを離す剱。……常日頃の戦いから、グリモアベースにて聞いた敵の予知、そこから導き出される敵の戦法を吟味し、自分に使われる可能性が低い敵の能力に関しても対抗策を講じている用意周到な剱である。そんな彼だからこそ、今の神十郎の槍撃も、可能性の一つとしては想定があった……。躱せたのはそれが幸いしたのである。
「本気で、油断していい相手じゃないな……!!」
 頬に滲んだ血を拭い――お返しとばかりに剱は加速する。
「こう見えても、ガチの殺り合いは望むところなんでな。遠慮なく、やらせてもらうぜ!」
 高めたオーラで全身を装甲のように覆い、剱が真空を巻き起こしながら風と化す。生じた無数の真空の刃は、死に到る呪いを帯び、それ自体が意思を持つように変幻自在な軌道を描き、神十郎へ殺到した。
「……我の身は、そのような微風で穿てるものではないと知れ」
 神十郎が侵略蔵書・『真田十傑記』を懐に収め――腰に佩く刀を左の逆手で抜き放つ。右手に十字槍、左手に紫炎の如き妖気を揺らめかせる打刀という変則的な二刀流の構えを取った武者は、次の刹那に稲妻へと変じた。
「っ!?」
 高速戦闘に定評がある剱をして、舌を巻く速さ。剱の放った死の風を危なげなく薙ぎ払った神十郎は、次いで自ら剱へと肉迫した。青き龍と紅き武者……両名が音すら置き去りにする速さで斬り結ぶ。
 剱が竜の吐息のように高圧の水弾を撃てば、その下を潜った神十郎の妖刀が牙を剥いた。紫炎をたなびかせる刃を『フォトンガントレット』で受け止めた剱は、結界術にて神十郎の足を捕らえようとする。トンッと跳躍してそれから逃れた神十郎は、地に十字槍を突き立てて軸とすると、紅の脚甲で剱の頭部を強襲。スウェーバックでそれを避けた剱は、そのままバク転しながら距離を取る。
 ――その間、1秒の半分にも満たず。
「……っっっっ!?」
 後方で見守っていた山吹には、どちらの動きも追い切れないでいたようだ。瞳がキョロキョロと、困惑した様子で虚空をなぞっている。
 ……そして、かなり危ういタイミングでのイチかバチかの回避であったが――剱のその神業的な回避は功を奏していた。神十郎の変則二刀流の連撃は速いが、その分、咄嗟に止めて行動を次に移すことが出来ない。剱と間合いが開いた今も、十字槍、妖刀、共に振り抜かれ……大きな隙を晒している。
「――がら空きだぜっっ!!」
 好機と踏んだ剱の体躯が、砲弾のように神十郎へ衝突した。左右の腕の青龍の爪が閃く。胴鎧の破片を撒き散らしながら、武者の猟書家が吹き飛び、川岸の砂利の上を転がった。
(とどめ……!!)
 神十郎の息の根を止めるまたとないチャンスとばかりに、剱は飛び掛かっていった……が。
「……我が忠臣たちよ。力を借りよう……」
 神十郎の砕けた具足から覗く十字架を飾られた魔本が、雄叫びを上げた。
「――んなっ!?」
 仰向けの神十郎の周りに、10の人影。忍の装束を纏った者が居る。僧形の巨漢も居た。鎧兜の武者装束の者も居り……年齢も背格好もバラバラながら、共通して感じられるのは神十郎に対する厚き忠誠心。
 ……周囲の誰もが敵という戦場下において、地に伏せるというのは致命的だ。四方八方からとどめを刺さんと攻撃が飛んでくるのに、回避も防御も限られてしまう。――即ち、瀕死の状態。結果、『神十郎が瀕死になる』という発動条件が満たされ、彼の侵略蔵書・『真田十傑記』が力を発揮したのだ。
 召喚された、神十郎の10名の忠臣たち。剱は、彼らに対する策も当然のことながら用意していた。青龍の爪から放つ真空刃を、牙から放つ水弾を、雨あられの如く大盤振る舞いする。
 ――が。
(吹き飛ばし切れないかっ……!)
 真田十傑……その一人一人が、主君たる神十郎と同等と言っていい強者だった。剱が荒れ狂わせた弾幕を凌ぎながら、さらに反撃を繰り出してくる。とてもではないが、剱だけでそれを突破して神十郎に再度迫ることは困難である。
 故に――剱は一旦退いた。彼と入れ替わるように、銀髪赤眼の美少女が、エプロンドレスをなびかせて前に出る。
 ――アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)であった。
「……多対一、か……」
 神十郎自身も含め、総勢11名となった敵を前に、アリスはそっと呟く。彼女の背後には他の猟兵たちも控えているはずだが……衣蛸たちとの激戦で疲弊している者も多く、すぐには動けないはずである。
 ここは、アリス一人で凌ぐしかない。
「それなら……『武蔵の一乗寺下り松』といきましょう」
 10代の小柄で華奢な少女の外見に似合わぬ妖艶な表情を浮かべ、アリスは独自の結界術を展開した。
 ――川辺であったはずの周囲の風景が、立派な松の木が鎮座する街道へと変貌する。
「世界改変の妖術……!? クルセイダーから聞いた、オウガ・オリジンの力を思わせる……」
 神十郎が感嘆の声を上げるが……アリスの策はそんな舞台装置の設置だけでは終わらなかった。
 UDCアースの日本にて、当然サムライエンパイアでも無類の剣豪とされる『宮本武蔵』。彼をモチーフにしたアニメキャラを、人工未知霊体として召喚するアリス。それを、自分自身へと降霊させる。
 ……それは、織田信長の『魔軍転生』、神十郎の『超・魔軍転生』とはシステムを異にしていたが――紛う方無く『憑装』であった。
 アリスの衣装が軍服染みた詰襟へと変わり、その手に打刀と脇差が握られる。
「妖柱、二色・菖。過去よりの鬼を討つ為、いざ参る! ……史実において多対一を制した剣豪の御業……とくとご覧あそばせ」
 ……名乗りが、興行収入200億円を突破した某アニメ映画の影響を受けている気がするが――とにかく、『憑装・宮本武蔵(?)』とでもいうべき秘術を成したアリスが、神十郎とは異なる正統派な二刀流の構えで疾駆した。
「……っ……!? 消えた、だと……?」
 神十郎の視界から……彼の10人の忠臣のいずれの視界からも、アリスの姿が消え失せる。真田十傑たちが神十郎を囲み、警戒する中――そのアリスはふっと、その神十郎の背後に現れた。
 宮本武蔵が一乗寺下り松において、吉岡一門と最後の決闘を行った際、彼の剣豪はまず、吉岡一門の大将として祭り上げられていた源次郎という12歳の少年を奇襲したという。……元服前の子供を容赦無く斬ったとされる彼の日の武蔵の如く、アリスは敵方の大将へ向けて刃を走らせた。
「『神仏降霊神憑り 妖の息吹 肆の型 濡れ女』!!」
「っっ!?」
 振り返った神十郎が、まるで神楽のようなアリスの体捌きに見惚れた一瞬――その隙を突いて彼の死角へ飛び込んだ彼女の二刀が、真紅の具足の隙間へと刺し込まれ、深々と彼の猟書家の肉体を裂いた。……元々、性格はともかく、実力的には猟兵の中でも屈指のアリスだが、今はそれに輪を掛けて神懸かっている。
 古流の武術の中には、調息によって自身の集中力を高め、体感時間の引き延ばしや己のパフォーマンスの全開放を行う技法があるという。UDCアースなどの現代スポーツの中で、『ゾーン』やら『フロー体験』とか呼ばれる境地を、意図的に引き起こすというものだ。
 それによって限界突破した今のアリスは――猟書家すらも凌駕する。
 主君・神十郎をいきなり斬り付けられ、真田十傑に少なからず動揺が走った。……大将・源次郎を初手で武蔵に斬られた吉岡一門がそうであったように。武蔵がそこで吉岡一門にそうした如く、アリスも真田十傑たちを崩しに掛かる。
「――俺も忘れてもらっちゃ困るな!」
 そこに、下がって機を狙っていた剱も参戦した。先は耐え切られた真空刃、水弾の弾幕に青龍の爪牙の斬撃も上乗せして、侵略蔵書・『真田十傑記』の化身たちを削りに掛かる。
 アリス・セカンドカラー、備傘・剱、共に猟兵でも指折りの実力者に、千載一遇の攻めの機会を与えてしまった真田勢は、本来ならこのまま押し切られる運命だっただろう……。
 ――神十郎の目的が『猟兵たちの撃破』であり、猟兵たちの目的が『神十郎の討伐』であったなら。
 この苦境の中でも酷く冷静な色を目に宿していた神十郎が、十字槍を持ち上げ――投じる。
 狙いはアリス――ではない。剱……でもなかった。
「「!?」」
 その事実に気付いた瞬間、アリスも剱も神十郎たちへの猛攻を即座に中止。全力で後方に加速する。
 ――ギィンッッ……!!
「……ひっ……!?」
「……今のは、本気で焦った……!!」
「肝が冷えたわよ……」
 山吹の喉へ今まさに突き立とうとしていた十字槍を、剱の青龍の爪とアリスの二刀が辛うじて弾き飛ばす。
 ……そう、神十郎の目的が『山吹の抹殺』であり、猟兵たちの使命が『山吹を守り抜く』ことである以上、そうは問屋が卸さなかったのだ。
 ヒュンヒュンッと宙を舞い、戻ってきた十字槍を掴み取って――神十郎が仁王立ちする。
 ……猟兵たちと、猟書家・真田神十郎の死闘は、まだ序盤に過ぎなかった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

子犬丸・陽菜
はぁはぁ、ひどい目にあったよ
口からタコ足出てくるかと思った、まだお腹に中おかしい、うえぇ…
思いっきり侵略された小腸がズキズキする…

……!?
この威圧感…!

あなた只者ではないね
本能がタコの集団より警戒してる…?

なるほど…
しかし相手を殺して配下にするのは間違ってる
そんなものは血の通わない操り人形、魂の宿らない肉体に驚異は感じない

それを教えてあげる

生半可な力じゃ対抗できないかな
宝珠を起動し力を…うぐ、うっ!

まだまだ…あ!うあ、あああ!

内臓が潰れるくらい掻き回して力を得る
ぐぶっ…

これまでにないくらい剣がオーラを発してる
でも行ける…!

生きている人間の恐ろしさを思い知って!

しかし2刀流はきつい
刀が腹に…!



「はぁ、はぁ……酷い目にあったよ……」
 お腹と口元を押さえ、子犬丸・陽菜(倒錯の聖女・f24580)がようやく戦線に復帰する。
(口からタコ足出てくるかと思った……まだ、お腹の中おかしい……)
「……うえぇ……」
 今にも嘔吐しそうな様子で、陽菜はお尻もさすっていた……。
(思いっ切り侵略された大腸と……小腸もズキズキする……)
 ……陽菜も衣蛸相手に、かなり大変な目に遭わされたらしい……。
 その衣蛸たちは、既に戦線から姿を消している。……代わりに、顔に斜めに傷痕が走った、紅い鎧の武者が鬼気を発していた。それを浴びせられた陽菜は、全身が怖気立つ感覚を止められない。
「……!? この威圧感……!」
 即座に回れ右しようとする自らの足を叱咤して、陽菜は前方、彼の武者の眼前に躍り出た。
「……あなた、只者ではないね? 本能がタコの集団より警戒してる……」
「……どうやら、先の名乗りを聞きそびれた者が居たようか。――姓は真田、名は神十郎。友にして主君たるクルセイダーの大望の為、『蹴刀の山吹』を殺しに参った」
「…………!?」
 衣蛸たちのボスである猟書家――目の前の男がそうなのだとようやく悟り、陽菜は首をもたげそうになる臆病風を胸の奥へと抑え込む。
「……なるほど……しかし、相手を殺して配下にするのは間違ってる」
 陽菜は神十郎の目的を否定して、チラリと視線を横に流した。……上手く逃がせたか心配だった山吹が、やや離れた地点に五体満足で居る。そのことに安堵して、陽菜は改めて神十郎に憤りの言葉をぶつけた。
「相手を殺して、骸の海から引き上げて配下とする……そんなものは血の通わない操り人形、魂の宿らない肉体。そんなものに脅威は感じない……!」
 獅子吼する陽菜に、神十郎は僅かに肩をすくめた
「……骸の海から引き上げられ、今、この地にある衣蛸共に散々に痛め付けられた様子だが……それで、よくもそうも吐ける」
「っ……!!」
 神十郎の揶揄に、屈辱的な羞恥心が陽菜の頬を朱色に染め上げた。奥歯をギリッと鳴らし、彼女は拷問剣・『逆恨みの刃』を抜き放つ。
「あたしの言葉の正しさを教えてあげる!!」
 陽菜の腹の底で、『依代の宝珠』が起動した。彼女の内臓が宝珠の力で捻られ、ねじられ、悲鳴を上げる。
「うぐっ――うっ!?」
「――隙だらけが過ぎる」
 腹の内からの苦痛に顔を歪めていた陽菜は、雷霆を思わせる踏み込みで間合いを詰めてきた神十郎の妖刀をどうにか回避した。……紫炎と見紛う妖気を伴った斬撃に、陽菜の黒髪が幾筋か舞い散る。
(生半可な力じゃ、対抗出来ないかな……!?)
 そう結論付け、陽菜はさらなる苦しみと痛みを腹中の宝珠に願った。優しくも残酷な宝珠は、即座にそれに応える……。
「あっ――あ、ぐっ……がっ……!!」
「……む?」
 陽菜が苦し紛れの様相で振るった黒刃の拷問剣を、神十郎は危なげなく左手の妖刀で受け止めるが――片眉を跳ね上げ、そこに右手の十字槍も加えた。両者の得物が拮抗し、火花を散らす。
「……斬撃の威力が……段々と増している……?」
「まだ、まだ……もっともっともっと……あっ! うあっ、ああああぁぁああああああああっっ……!!」
 困惑の表情を浮かべた神十郎へ、陽菜は技も無く力任せに拷問剣を押し込んだ。身長150cmの半ばにも届かない少女の剣が、歴戦の武人のはずの猟書家の足をじり……じりっ……と後退させ――ついには弾き飛ばす。
(もっと! もっともっと!! あたしの内臓なんて、ひしゃげて潰れてもいいからっ!!)
「――ぐっ、ぐぶっっ……!?」
 とうとう陽菜は吐血した。だが――漆黒の刀身の拷問剣は、陽菜の記憶に無いくらいに莫大なオーラを噴き上げ、轟々と鳴っている。その様に、神十郎も合点がいった様子で口を開いた。
「何らかの代償……恐らくは自分を痛め付けることで、力を高める類いの術と見た。……その歳で彼のような外法……よくも手を出したものだ」
「げほっ、ごぼっっ……!! ほざきなさい!」
 吐いた血で口元を紅に染めながら、陽菜は『逆恨みの刃』を振り被った。澄まし顔の猟書家目掛け、全力で振り下ろす。
「生きている人間の恐ろしさを思い知って!!」
 ――壮絶な、星が墜ちてくるかと錯覚されるような陽菜の斬り下ろしに、神十郎は手数で応じた。まさに神速……神如き速さで繰り出される十字槍が、妖刀が、陽菜の斬撃の勢いを削ぐ。
「くぅぅっ……!?」
(二刀流……きつい……!! 依代の宝珠っ、もっと、もっともっと、もっと! 力を――)
「――そこか!」
 ズブゥッッ……!!
「っっっっ……!?」
 オーラを渦巻かせる漆黒の刀身と衝突を繰り返していた妖刀が、突如狙いを変えて陽菜の腹へと突き刺さった。刃を捻られ……陽菜は、喉の奥から込み上げてきたどす黒い血を大量に口から零す。
「ちょっっ……!?」
 あまりに凄惨な陽菜の有様に、山吹から悲鳴が上がった。
 ……けれど、流した血の量以上に、陽菜は肝を冷やす。
(今……宝珠……狙って……!?)
 幸いにも数cm横にずれたが……神十郎は、明らかに陽菜の力の増幅の仕組みを見切っていた。
 猟書家のギョロリとした眼が、照魔鏡のように陽菜を見遣る。
「……見切られるわけが無いと、油断していたな?」
「――――っ!!」
(こいつは――危険だっ!!)
 神十郎に貫かれ、抉られた腹の痛みさえも『逆恨みの刃』に喰わせ――その威力をさらにさらに引き上げる陽菜。
 手加減一切抜き。全身全霊を籠めて――叩き付けた。
 ……耳をつんざく爆音を鳴り響かせて、力比べに負けた神十郎が川周りの森の木々を粉砕しながら吹き飛んでいく……。
 それを見届けて――陽菜は、地面にさらなる吐血の池を作りながら、腹部より臓物の一部まで溢れさせて膝を突いた。
(さ……流石にこれ以上は……!)
 依代の宝珠を鎮め、陽菜は治癒の光を己の腹へと押し当てるのだった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
夢ヶ枝・るこると申します、お相手致しますぅ。

この『城郭』は厄介ですねぇ。
真田さんの所在も判らず、侵入者向けの仕掛け等も有るでしょう。

まず『FBS』を四肢に嵌め飛行し『足元の罠』を無効化、山吹さんを背負って移動しますねぇ。
そして【崇卓】を使用し『超重力空間』を形成、此方は『城郭』同様戦場全体に有効ですから『城郭内全て』を対象に出来ますし『この時代の罠』はほぼ『物理的な仕掛け』、重力で落せばまず無効化出来ますぅ。
この状態で突破しつつ、真田さんを『戦場全体攻撃』で削っておきたいですねぇ。

遭遇後は『重力』で相手を抑え『飛行&砲撃』で。
後は『城郭を利用した不意打ち』に注意ですぅ。



 ――彼方へ吹き飛ばされた神十郎は、即座に戻ってきた。
 身に纏う装甲はいくらか剥がれ落ちていたが……肉体そのものにどれだけの痛痒があったか、その動きからは窺い知れない……。
 戦域たる河川の岸辺に帰還した神十郎を迎えたのは、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)である。
「夢ヶ枝・るこると申します、お相手致しますぅ」
 名乗りを上げたるこるへ神十郎は――嘆息を返した。
「……不格好な」
「ほ……ほらっ、あいつもそう言ってるし! 下ろしなさいよっ」
「駄目ですぅ」
 神十郎の弁も、まあ……一理あるだろう。るこるは、山吹をその背中におんぶしていたのだ。確かに、山吹が近くに居た方が彼女を守り易いだろうが……正直、戦場に出る体勢とは思えない。
 山吹もそう思っている様子である。……あと、やや恥ずかしそうだ。
「……じゃれ合いは、死して骸の海に沈んだ後で存分にするがいい」
 神十郎が十字槍の石突きで地面を叩けば――辺りの風景がぐにゃりと歪み、次の瞬間には和風な、極めて堅牢そうな城郭の内部へと様変わりする。
「な、なっ、なぁっ……!?」
 山吹は目を白黒とさせるが、グリモア猟兵から予めこの能力のことを聞いていたるこるは、落ち着き払った顔で思考する。
「……この城郭は厄介ですねぇ……」
 神十郎のユーベルコードで構築された、迷宮染みた城郭。相当な硬度を持ち、出口は一つしかないという……。
(真田さんの所在も解らず、侵入者向けの仕掛け等もあるでしょう……)
 それでも、まずはこれを突破しないことには話にならなかった。今のままでは敵の腹の内である。
「山吹さん、しっかり掴まっていて下さいねぇ」
「わ、わぁ……!?」
 光の戦輪・『フローティングブレイドシステム(FBS)』を四肢に嵌め、その浮力を利用してるこるは山吹と一緒に飛翔した。天井がある為、そこまで高くは飛べないものの……飛行は完全に初体験であるらしい山吹は少々怯え気味である。
「それでも、これで足元の罠は無効化出来るはずですからぁ」
 とはいえ、天井にも罠がある可能性がある以上、高度の調整は必須。壁の罠も警戒し、そちらとも距離を取らなければならない。……細心の注意を払いながら山吹を背負って飛行移動しつつ、るこるは自身のユーベルコードを活性化させた。
「『大いなる豊饒の女神を象徴せし欠片、その祭壇の理をここに』……」
「っえ?」
 るこるの祈祷の文言が結ばれた途端、城郭全体が軋みを上げた。山吹がキョロキョロと見回す。
「……上手くいったみたいですねぇ」
 るこるのユーベルコード・『崇卓』。迷宮の城郭を生み出す神十郎の『不落城塞』と同じく、戦域全体に影響を及ぼす力である。その効果は多様だが……今はるこる自身の能力の強化と、『戦場全体の敵への超重力による攻撃』が選択されていた。
 ……『不落城塞』も神十郎のユーベルコードである以上、『敵の一部』。るこるの放つ超重力の影響は受けるはずである。
(そして、サムライエンパイアのこの時代における罠は、ほぼ『物理的な仕掛け』のはずですぅ)
 故に、重力で落としてしまえば無効化出来る――それがるこるの算段であった。
 るこるの重力は、るこる自身と山吹、他の猟兵たちは影響から外すことが出来る。神十郎たちが重力の影響を受ける中、自分たちは受けないままで悠々と飛行して迷宮を突破してやろう――それがるこるの腹積もりなのであった。
「真田さんを、この戦場全体攻撃で削ることも出来たなら、御の字ですねぇ」
 策士を気取り、るこるは山吹と共に城郭内の迷路を進んでいく。……何処から不意打ちがあるかも知れない。それに、罠が本当に全て無効化出来たかも確信は出来ないのである。決してるこるは油断をしない……。
 そんなるこるにとって――『この展開』は如何なものだっただろうか?
「――あ! 光……出口じゃないの!?」
「そう、です……がぁ……!」
 迷宮の終わりが見え、歓喜を浮かべる山吹とは逆に、るこるの表情は歪んでいた。
 その、外からの逆光の中に、十字槍と打刀の変則二刀流を構えたシルエットが見えたのである。――真田神十郎。漲る闘気は、この迷宮城塞を展開する前とは比べものにならない……。
(……道理、でしたねぇ……)
 るこるは、自分が見落としていた事実に歯噛みする。
 神十郎がユーベルコードで生み出した迷路は、『非常に高い硬度を持っている』。事実、るこるの苛烈な重力に晒されながら、亀裂一つ入る気配は無かった。つまり、『壁や天井、床などを破って脱出することは不可能』のわけである。
 そして、その迷路の『出口は一つ』。……閉じ込められた者は最終的には絶対にそこを目指し、やがては辿り着くわけなのだ。
 ならば――神十郎は『最初からその出口でるこると山吹を待ち構えていればいい』。
 ……彼女たちが、迷宮の踏破で心身をすり減らして現れたところに、ずっと自らの精神を統一して高めるだけ高めた必殺の一撃を打ち込めば良いのである。
 そもそもが――『不落城塞』とは『その為の技』なのであった。
「……るこる?」
 ……ここに来て、山吹もるこるが膨大な冷や汗を掻いていることに気が付く。るこるは……この迷宮内で、最後まで決して油断はしなかった。逆を言えば、ずっと緊張感を張り巡らせて心身を削っていたということである。
 対して――神十郎は重力によって確かに消耗しているだろうが、ずっと一箇所に留まり、大樹のように、巨岩のようにそれを受け止め、受け流していたのだ。
 るこるが想定していたよりも神十郎の疲弊は少なく……逆にるこる自身の疲労は大きくなっていたのである。
(その上――くっ……!!)
 神十郎と遭遇した時の為にるこるが考えていた戦術は、彼の動きを超重力で縛った上での高空からの砲撃であった。それの実行には――まず迷路の出口に陣取る神十郎を突破し、外に出る必要がある。……その前に必ず、るこるは神十郎と交差しなければならないのだ。
 ――決して高く飛べぬ迷宮内で。……間違い無く攻撃を届かされる間合いをすり抜けねばならない……。
 ……その一度の交差に全身全霊を懸けている相手に対し、それを挑む必要があるのだ……。
「――山吹さん。今まで以上にしっかりと掴まっていて下さい。私に爪を立てて、血が出るくらいやっても問題ありません」
「る、るこるっ?」
 普段ののんびりとした雰囲気を完全に消し去って告げたるこるに、山吹は表情に危機感を滲ませつつあった。
 FBSばかりではない……『フローティングレイシステム(FRS)』も『フローティングシールドシステム(FSS)』も総動員し、眉を逆八の字に逆立てたるこるは、神十郎を睨み付ける。
(ここで私が失敗すれば――何もかもが水泡に帰します)
 それだけは回避すべく、るこるはここより自分の全てを振り絞った。
「山吹さん、いいですね? ――行きますっっっっ!!」
「っぁ――――!?」
 山吹の声にならぬ悲鳴をBGMに、るこるが流星と化した。
 ――神十郎と衝突する……。
(FRS、一斉射……!!)
 脳波に乗せた思念により、るこるは16の浮遊砲台から光の帯を照射する。その奔流を、神十郎は防御も回避もせずにその身で受けた。……が、押し流すには至らない……。
(FSS、前方に集中展開……!!)
 るこるの前に集められた8枚のビームシールドへ、神十郎の十字槍が唸りを上げた。保ったのは一瞬――FSSがガラス片のように散る……。
「FBS……全開っっ!!」
 最後の8のビーム刃の輪が、おぞましい色の妖気を噴き上げる神十郎の妖刀と交錯した……。
 ――閃光と激音の乱舞……。
 勝負を分けたのは、神十郎の腕と脚を束縛した重力の鎖と……るこるの背中に伝わる、妖狐の少女の体温……。
(絶対に……守ります!!)
 守るべき者の存在が、るこるにほんの少しだけ『限界以上』を振り絞らせた。
「何……だ、と……!?」
 神十郎の驚愕の声が聞こえた。
 FSSの全てと、両腕両脚に嵌めた以外のFBSを失いながらも……るこると山吹は不落の城塞を突破し、大空へと舞い上がる。
 眼下には、自身の渾身の攻撃を凌がれて呆然としている神十郎の姿。
 FRSは――未だ全基健在。
 るこるは、16の浮遊砲台に両腕の固定砲台も併せ、照準を神十郎へとロックした。
「これが、私の全てです――――――っっっっ!!」
 降臨した光の柱が、猟書家の全身を呑み込んだ……。

成功 🔵​🔵​🔴​

才堂・紅葉
「連中がオブリビオンでなければ、大きなシノギになりそうだったのに……」
驚きの小顔効果に、連中の才覚を惜しむ

「もっとも、貴方を何とかしてからの話か」
六尺棒を構える

掛け値なしの強敵だ
杖術を持って苛烈な攻めに対峙したい
十字槍と妖刀の連続攻撃は脅威だ。止まらない連撃をひたすら凌ごう【野生の勘、見切り、激痛耐性】

狙い目は自ら跳んで、衝撃を流して間合いが開いた一瞬
棒を捨て、銃声が一つに聞こえる神速のファニングショットの六つの銃弾を撃ち放つ【早業、体勢を崩す】

「絶ッ!!」
相手が倒れない前提で、正中線狙いで紋章による重力賦与の蹴りを敢行したい【気合、封印を解く、グラップル、怪力、重量攻撃、衝撃波、属性攻撃】



 いつもより一際小顔になっている才堂・紅葉(お嬢・f08859)は、惜しむような顔で天を仰いでいた。
「連中がオブリビオンでなければ、大きなシノギになりそうだったのに……」
 衣蛸たちのマッサージの腕前は本物だった。今の紅葉の小顔もそれの効果に他ならない。……そのオブリビオンとしての残虐性と触手としての不埒ささえどうにか出来れば、衣蛸たちは世の女性たちに大きな恩恵をもたらせたであろうと、そのことを紅葉は残念に思う……。
 とはいえ、それが実現不可能な『if』であることは、紅葉も猟兵として百も承知のわけであるが。それでも、そんな『もしも』に思いを馳せてしまうロマンチストな部分が彼女にはあった。
「……もっとも、それも貴方を何とかしてからの話か」
 手にした『六尺棒』で地面を突きつつ紅葉が睨んだ先、彼の衣蛸たちのボスが今なお健在な姿で仁王立ちしていた。
 真田神十郎――紅の鎧は所々が砕け、その肌にも真新しい焼け焦げた傷が増えていたが、戦意は未だ弱まることを知らない。
 気迫だけで自分の肌をビリビリと震わせる猟書家を前に、紅葉は六尺棒を腰だめに構える。
(……掛け値なしの強敵だ……)
 その事実は、紅葉とて相対しただけで解る。歴戦の工作員として数多の修羅場を潜り抜けてきた本能が、或いはこここそが紅葉の死地であるのではないかと警鐘を鳴らした。
(……僧侶でもやっていればここが引き際なのだろうけど――)
 紅葉は傭兵――そして猟兵。敵を、オブリビオンを前にして踵を返す選択肢は無い。
「っっっっ――!!」
 裂帛の気合いを迸らせ、紅葉は神十郎へと突貫した。――否、後の先を相手に取られる。
「っっ……!?」
 紅葉が最高速へ達する一歩前に――神十郎は彼女へと肉迫していた。
「……これ以上の無様は晒せぬ」
 先に神十郎と刃を交えた猟兵の戦果が、彼のギアを一段階上げていた。
 右手に十字槍、左手に妖刀……変則的な二刀流が、歴戦の傭兵を打ち据える驟雨と化す。
「ぐっっ……!?」
 歯を食い縛り、紅葉が六尺棒を旋回させる。
 飛燕が如き槍穂の乱舞を、杖術の捌きで受け流す紅葉。その合間に狼の如く喉笛を裂きに来た妖刀を、皮一枚の紙一重で回避した。
(思った通り……この十字槍と妖刀の連続攻撃は脅威だ……!)
 紅葉の杖術は決して拙いものではない。彼の宮本武蔵を破ったとされる神道夢想流杖術の開祖・夢想権之助も、もしも彼女の六尺棒捌きを見ればその才を絶賛していたであろう。それでも……人の研鑚、積み上げてきた技術を、嘲笑うかのように置き去りにするのがオブリビオンのユーベルコード。紅葉の杖術の守りでは、神十郎の魔技に対応出来ぬ場面が増えていき……彼女の上腕が避け、大腿部から血が流れ落ちる……。
 秋に、木々が紅葉するように――紅葉はその名の如く、我が身を紅に染め上げつつあった。
「……それでも、致命傷だけは避けるか。――見事」
 神十郎自身が賛美する。どう考えても喉元を貫くはずだった十字槍の切っ先を、紅葉が肩口を抉られながらも躱したことを。心臓に迫った妖刀の刺突を、肋骨に滑らせて逸らしたことを。
 杖術という『技術』だけではない。もっと野性的で本能的な直感力……傭兵として培われてきた『死の匂いを察知する嗅覚』を駆使して、紅葉はこの綱渡りのような戦場を生き延び続ける。
 生きて、生きて、生き抜いて――全てはこの、『刹那の勝機』に懸ける為。
「ぬっ……!?」
 神十郎の大気ごと穿つような槍撃を、紅葉は敢えて真正面から『受けた』。ただし、『止め』はせず、同じタイミングで後方に向けて地面を蹴り、衝撃を流すと共に強引に間合いを広げる。
 追撃の妖刀は、ギリギリで紅葉に届かない。殺し切れない遠心力によって振り切られ、神十郎の上体が泳ぐ。猟書家の武者が自分の前で初めて晒した明確な隙に、紅葉は迷いなく六尺棒を手から滑り落とした。
 代わりに、ある人の形見である古ぼけたリボルバーをクイックドロウ。
「『ったく……こんな古臭い武器は好みじゃないんだけどね』」
 響いた銃声は一つ。――しかし、神十郎へと喰い込んだ弾丸は、彼の掲げる文銭の紋と同じく……六つ。
「……がはっ!?」
 着弾の威力で、崩れていた神十郎の五体がさらに大きく傾いだ。その姿に、紅葉が獣のような咆哮を上げる。
「――コード・ハイペリアァァッッ!!」
 紅葉の右手の甲に、煌々と浮かぶ青き紋章。着地と同時に、地面を割るかという轟音を響かせて、傭兵のお嬢は飛んできた軌道を戻るように跳躍した。
 その様、砲弾の如く。初手とは逆、今度は自ら神十郎へと肉迫して――紅葉の右脚が暴風へと変じた。
「ったぁぁああああああああああっっ! ――絶ッ!!」
「っっっっっっっっ……!?」
 神十郎の正中線へ、彗星のような紅葉の蹴撃。神秘なる青き紋章の力で重力を付与された彼女の蹴り足は、猟書家の鳩尾へ衝撃波を引き連れて炸裂した。火山噴火並みの爆音が大気を席巻し、紅葉自身の聴覚も一瞬奪う。
 ……数秒後、何とか音のある世界へ戻ってきた紅葉の眼前には……胴部に凄絶な破壊痕を刻んだ神十郎が、それでも膝を突くことを拒むように地を踏み締めている姿があった。
「これくらいで……この程度で……我と、クルセイダーの大望は折れぬ……!!」
「――上等!」
 一度は自ら落とした六尺棒を拾い上げ、紅葉は紋章の重力をそこにも纏わせるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

青葉・まどか
真田神十郎。
今回の事件の首謀者。
あのエロ蛸と真面目にやり取りしてシリアスな場の空気を作るなんて……只者じゃないね。

深呼吸ひとつ。
色々と思うことはある。あり過ぎる!
けれど、相手は強敵。
山吹さんを守りながら戦う以上、こちらも気を引き締めてかからないとね。

相手が繰り出す超高速連続攻撃に対抗するために『神速軽妙』発動。

戦慣れした武将相手に長々と戦うのは分が悪そうだね……ここは短期決戦を狙うよ!
両手の十字槍と妖刀での攻撃を【視力】で【見切り】、【残像・フェイント】で回避。
相手は途中で攻撃を止めることが出来ない、今こそチャンス!
【早業】の斬撃で【カウンター・鎧無視攻撃】を決める!

※アドリブ・絡み歓迎


ハロ・シエラ
漸くお出ましですか。
何故上杉謙信の力をよりによってあんなオブリビオンに与えたかは知りませんが、それはもう良いでしょう。
流石の気迫……山吹さんには少し下がって隙を伺っていて頂きます。

さて、敵の攻撃は相当に速い。
ならば私もユーベルコードで加速して凌ぐとします。
【第六感】を駆使して攻撃を察知し、高速移動を行えば致命傷は避けられるでしょう。
受けた傷は【激痛耐性】で今だけは無視します。
敵も私も武器は二本。
【早業】の【武器受け】によって連続高速中の敵の武器をコントロール出来れば、その隙に山吹さんに一撃入れて貰う事も出来るでしょう。
それに合わせて【継続ダメージ】を与えるナノマシン毒を食らわせてやります。



 猟兵たちと真田神十郎の激戦は、留まるところを知らない……。
 その、生命の埒外の戦いには……剣豪として溢れんばかりの才があろうと、一般人の域を出ない山吹には介入困難なものであった。
「……次元が違い過ぎるわ……」
 狐耳をペタンと寝かし、狐尻尾もへにょっと垂れさせた山吹に、ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)がそっと耳打ちする。
「少し下がって隙を窺っていて下さい。……大丈夫です。山吹さんだって充分な戦力ですから」
 励ましも含めたハロの言葉に、表情をハッとさせた山吹がコクンッと頷き返した。
 そんなハロと一緒に、青葉・まどか(玄鳥・f06729)も前に出て神十郎と相対する。
 ……先に戦った猟兵たちの奮闘により、神十郎も少なからずダメージを負っていた。紅の具足は砕けている部分も多く、特に胸部から腹部に掛けての損傷は絶大に見える。
 それでも――彼の猟書家が纏う覇気は、ここに来てますます強さを増しているようだった。楽な戦いにはなりそうにない予感がひしひしとし、ハロもまどかも溜息を一つ吐く。
「ようやくお出ましですか。……何故上杉謙信の力を、よりにもよってあんなオブリビオンに与えたかは知りませんが――それはもう良いでしょう。流石の気迫……」
「真田神十郎――今回の事件の首謀者。あのエロ蛸と真面目にやり取りしてシリアスな場の空気を作るなんて……只者じゃないね」
 ……ハロもまどかも、何やら神十郎に対して思うところは満載のようであった。主に衣蛸たちの件で……。まあ、二人がそれぞれ彼の蛸型オブリビオンたちにされたことを鑑みれば、当然と言えば当然である。
「……色々と思うところはある――あり過ぎる! けれど、相手は強敵。山吹さんを守りながら戦う以上、こちらも気を引き締めて掛からないとね」
 深呼吸を一つして、まどかはハロと目配せをし合う。二人の漆黒の髪の少女は――そのまま双方とも最大級のスピードを体現した。
(グリモアベースで聞いた、相手が繰り出す超高速連続攻撃――それに対抗するには、これしかないよね!)
「――『速く、軽やかに!』」
(敵の攻撃は相当に速いと聞きました。ならば、私もユーベルコードで加速して凌ぐとします――)
「――『これが悪魔の力であっても……』」
「むっ……!?」
 神十郎の眉が跳ね上がる。彼の見据える前で、まどかもハロも疾風迅雷と化した。少女の姿をした颶風と雷光は、左右から猟書家の武者を挟撃する。
「この我が先の先を取られるとは……何たる不覚!」
 ……それは、彼がここまでの猟兵たちとの戦いで負った消耗の影響だったのかもしれない。――ともかく、神十郎も変則二刀流による神速の連続攻撃にて応じるが……右手側の十字槍に対するハロも、左手側の妖刀に対するまどかも、それに互角以上に付いてきた。
「……十字槍一本で、私の『リトルフォックス』と『サーペントベイン』に対抗するのは難しいですか?」
「敵からの気遣いなど不要……!」
 意地と気迫を充分に乗せた神十郎の槍撃を、ハロは狐火の霊力を宿すレイピアと蛇の血と毒で鍛え上げられた短剣で弾き、受け流す。ハロの白磁の肌を掠める一撃もあるが、彼女はその痛痒を奥歯を鳴らして噛み殺し、見た目には淡々と神十郎の連撃を捌いてみせた。
 反対側では、まどかが紫色の妖気を渦巻かせる妖刀をヒラリ、ヒラリと躱していく。
「危なっ……! ああ、もう、何処狙ってるのよっ!?」
「そのようにヒラヒラとした服を着ているせいだろう……!」
 セーラー服のスカートを大きく縦に裂かれるも、まどか自身の柔肌には妖刀の切っ先は届かなかった。下着が丸見えになってしまいそうではあったが……まどかとしてもこの極限の超速戦闘中にそこまで気にしている場合ではない。
(戦慣れした武将相手に、長々と戦うのは分が悪そうだね……ここは短期決戦を狙うよ!)
(異論はありません)
 刃の応酬の合間の、目線と手振り身振り……。それで意見をまとめたまどかとハロは、一気に勝負を決めるべくさらに体動を加速させた。
「――なっ……!?」
 流石に、その速度には神十郎も目を剥くしかない。
「その槍、貰い受けます……!」
 ほとんど第六感で神十郎の渾身の一槍を察知したハロは、紫電の速さで後退してそれから逃れる。――次いで、伸び切った十字槍へ細剣と短剣を絡め、紅き武者の右手より強引に弾き飛ばした。
「きゃああああああっ!? ――なんてねっ」
 反面、まどかの方は妖刀の猛撃を迂闊にも喰らってしまっていた――という風に見えたが、腰の辺りで上下に泣き別れしたまどかは、陽炎のように揺らめいて消える。高速移動による残像を利用した、忍者顔負けの変わり身の術だった。
 妖刀を力一杯空振りし、十字槍など手を離れて宙を舞っている……それほどまでに大きな隙。醜態とも言うべき好機を晒した神十郎へ、少女たちの猛威が今――牙を剥く。
「斬り捨てご免だよっっ!!」
 腰骨付近までスリットが入ってしまったスカートからおみ足を垣間見せ、まどかが霊断光刃・『煌駆』を一閃。神十郎の鎧の破損箇所へ滑り込ませ、そのまま彼の肉体ごと装甲をさらに断つ。……具足の破片と鮮血が、虚空に鮮やかな紅を刻み付けた。
「あたしだって――見てるばかりじゃないわっっ!!」
 まどかの向かい側では――亜麻色の旋風が戦線に乱入していた。下段から太刀を跳ね上げた山吹が、それの峰を蹴り付けて加速と同時に急激に斬撃の角度を変える。神十郎も見切り損ね、大腿部を深々と斬り裂かれた。
「――だが、目標が自ら近付いてくるなど……僥倖!」
 神十郎の眼が爛々と輝いた。猟兵ならともかく、山吹相手なら武器も不要とばかりに、貫手の形にした右手を突き出す。猟書家の指先が、妖狐の剣豪の少女の胸元へと吸い込まれた……。
「女の子の胸に手を伸ばすなど……不埒極まりないです」
 ――けれど、その貫手は横合いから割り込んだハロの毒蛇の短剣により止められる。手の甲を切られ、軌道を大きくずらされた。それでも、神十郎は右手を翻して今度は鉤突きの形にするが……その右手がビクンッ! と震える。
「……毒かっ……!」
「……正確には、そのような性質を有したナノマシンですよ」
 忌々しげに顔を歪める神十郎へ、ハロが「どうせ解らないでしょうけど」と訂正を告げた。
 まどか、山吹、ハロ……三者三様の攻撃を重ねられ、神十郎は倒れこそしなかったものの、即座に反撃には移れぬ様相である。それを見て取って――まどかもハロも山吹も目を据わらせた。
 ……彼女たちの脳裏に去来したものがある……。――主に衣蛸たちのことであるが。
(……スカートを思い切りまくり上げられて、下着越しとはいえお尻やあんな所を……)
 ハロの手に握られたレイピアが猛火を迸らせ始める……。
(脱がされて胸をこね回されて、危うくあんなのに『初めて』を奪われそうに……!)
 山吹の太刀がカタカタと震える……。
(……。いやね。『ああいう目』には何度も何度も遭ってるけど……だからって慣れるわけじゃないんだよ……!?)
 まどかのユーベルコードが、唸りを上げるほどに高まった……。
 ……これは、はっきり言って八つ当たりである。神十郎とて、衣蛸たちに『あそこまでのこと』をしでかせとは命じていなかったはずだ。
 まあ……「しでかすな」とも命じていなかったわけだが。……彼としては『山吹抹殺』という目的さえ果たせれば、そこに到る過程にまでは頓着していなかったのだろう。
 ――そんなものが、少女たちの怒りの炎を和らげる消火剤になどなるわけがなかった。
「これは、あのエロ蛸共に辱められた分!!」
「っ!?」
 まどかの音すら置き去りにする斬撃が、神十郎を幾度も撫で斬りにする。
「触手とか……一度あなた自身が襲われてみなさいよ!!」
「っ……!?」
 山吹の倭刀術が神十郎に重々しく叩き付けられた。
「何であんなオブリビオンに上杉謙信を憑装させたのですかっっ!!」
「~~~~っっ!?」
 ハロの炎を噴き上げるレイピアが、神十郎を貫通した……。
 少女たちの羞恥心を燃料とした激怒の火は、確かに神十郎に深い傷を焼き付けたのである……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

彩波・流江
(お任せ、アドリブ歓迎です!)

『余裕もありませんから、ここは数で押す事にします
分身の数だけ一人当たり弱くなりますが、あくまでサポートに徹しましょう

痺れや眠気を誘発する【呪詛】を込めた光弾による【範囲攻撃】、更に避けても着弾地点に残り続けるのはさぞ鬱陶しいでしょうね

…本体はまだ無事でしょうか…』


撤退する衣蛸の群れに連れ去られながら、私は神力を用いて体内に植え付けられた汚れの浄化を行っていました…
減った同胞を増やすためにと散々好き勝手され、今もなおそれが続いています
神力が尽きる…考えたくない事が、時間が経つに連れ現実味を帯びてきて…
猟書家との戦闘支援に向かわせた分身はうまくたどり着けたでしょうか…



 主戦力たる他の猟兵たちが人員の入れ替わりを行う最中、彩波・流江(不縛神フルエリュト・f25223)はそれの援護を買って出ていた。
「余裕もありませんから、ここは数で押すことにしましょう!」
「「「「おー!」」」」
 提案した流江に応じた『他4名の流江たち』が、散開してそれぞれ術を紡ぎ上げる。
「くっ……」
 神十郎は鬱陶しそうに戦場たる河川敷を駆けた。
 右手に十字槍、左手に妖刀を手に疾駆する猟書家に美貌の女神たちが降り注がせるのは、『誘眠』や『麻痺』の呪詛が籠められた光弾である。山なりの弾道を描いて雨のように落ちてくるそれを躱しながら、神十郎は首を巡らせていた。
 一発一発の威力は大したことはない。或いは、猟兵ではない山吹の剣撃の方がまだ威力があったかもしれなかった。……けれど、眠りや痺れをもたらす呪いは、ただでさえここまでの猟兵たちとの死闘で少なからず痛手を負っている神十郎の肉体にさらなる負担を科す。その上、流江たちの光弾は神十郎が避けて地面に着弾しても消えることなく、その場に残り続けるのだ。
「っ……煩わしい……!」
 地雷のようなトラップと化して自身の移動を制限する流江たちの呪詛光弾に、神十郎の表情は険しいものになっていた。……最初は体捌きだけで回避出来ていた女神たちの光弾に、十字槍や妖刀をぶつけて凌ぐ場面が多くなっていく……。
 おかげで猟書家の武者は、流江たちの後方で負傷・疲弊したメンバーをまだそれが少ないメンバーと入れ替えて戦線を再構築しているはずの他の猟兵たちの許へ切り込めないでいた。
 ……本来ならば、神十郎にとって絶対的な好機であったはずなのに……。
 とはいえ……ある程度の戦術眼を持っている者であれば、此度の神十郎の立ち回りのおかしさに首を捻ったであろう。
 如何に、積み重なったダメージで当初より精彩を欠いていると言っても、神十郎の動作はまだまだ鋭い。
 対して、彼を牽制している5名の流江たちは、明らかに普段の彼女と比べて動作が鈍かった。
 流江たちに肉迫し、薙ぎ払い、その後に他の猟兵たち、そして山吹へと武威を叩き付けるのは、神十郎ならば容易そうであったのだが……。
 ――『ある一点』が、神十郎にそれを実行に移すことを躊躇させていた。
「この女……本体は何処に居るのか……!?」
 ……そう。今神十郎を翻弄している5名の流江たちは、いずれも彼女の本体ではない。『偽神の分け御霊』……そのようなユーベルコードで構築された『分身』に過ぎないのである。
 神十郎への牽制を分身たちに任せ、自らは姿を現さない……余程上手く身を隠しているのか、気配すらも察知出来ない流江の本体が、そうして何を目論んでいるのか――それを警戒し、神十郎は大胆な攻勢に出られなくなっているのだ。
「……ここで迂闊に動くは、兵法の定石ではないか……」
 せめて、流江の本体の居所を暴いてから動かなければ……その考えの下、神十郎は流江の分身たちと詰め将棋のような読み合いを繰り返す……。

 ――それが、全くの的外れだと気付かずに……。

「……んっ❤ んっ❤ んん~っ……❤」
 ……その頃、本体たる流江は――一糸纏わぬ姿で、全身に汗の珠を浮かべて喘ぎ声を上げていた。
 彼女を取り囲むのは、主たる神十郎に撤退の命を下され、撤収した衣蛸たち……。
 ……実のところ、全ての衣蛸たちが神十郎の現れたあの河川敷に居たわけではなく、猟兵たちとの攻防によってそこそこ分散していたのである。
 そのような分散していた衣蛸たちにも、あの後で神十郎からの撤退命令が伝令され、やがて神十郎と猟兵たちの戦域から大きく離れたこの地にて合流を果たしたのだが――その内の一団が、流江を拘束して連れてきていたのであった。
 ……流江は、山吹を逃がして代わりに自分が衣蛸たちに捕まった後、結局逃げ出すことが叶わなかったのである。
 今、神十郎と相対している流江の分身たちは、それでも何とか山吹の、他の猟兵たちの助けになろうとした流江が、隙を見て生み出し、放ったものであった。
 だから……あちらの戦場で神十郎がいくら感覚を研ぎ澄まそうと、流江の本体が見付かることは無い。
 ――そもそもあちらには居ないのだから。
 神十郎は、自身の妄想に囚われ、自分自身から動けなくなっていただけなのである……。
 己の苦し紛れの一手が猟書家を苦しめているなど露知らず――流江は、かつてない危機に見舞われていた。
「んっ❤ あっ❤ あっ、あぁっ……❤」
 仰向けにされた流江の、大開脚によって露わになっている秘部に、衣蛸の触手が潜り込んでいる。それの蠢きに流江の腰は持ち上がり、実るに実った乳房が跳ね踊った。
 ……しばらくして、流江の蜜に塗れた触手が引き抜かれると、間髪入れずに別の衣蛸が彼女に触手を突っ込んでくる。
 その触手の先端には――白く半透明で細長い、奇怪な物体が乗せられていた。
「あっ❤ ぅあっ❤ うぁっ❤ ぅあぁぁっ……❤」
 寄生虫的な外観のそれが、触手によって流江の最奥の子を宿して育む為の部屋まで持ち込まれ……そこに置き去りにされていく。
 流江は、この場に連れて来られてから――否、連れて来られる前からずっと、この行為を繰り返されていた。
 あの寄生虫染みた物体は――衣蛸たちの『精莢』。……『生殖細胞』を収めたカプセルである。
 即ち――今流江が強いられているこれは、彼女と衣蛸たちとの『繁殖行動』に他ならなかった。
「んっ❤ んっ❤ ぅう~~んっっ……❤」
 目尻に涙を浮かべ、いやいやと首を捻る流江の胎内には、もう相当な量の衣蛸たちの精莢が入れられてしまっていた。……心なしか、彼女の下腹が膨らんで見えるほどである。
「もう、結構な量を入れたはずタコー」
「でも、まだきちんと子供がデキたか解らないタコー?」
「もっと、もっと頑張るんだタコー」
 ……衣蛸たちは、猟兵たちによって数を減らされた仲間を補う為、流江を苗床にしようとしていたのである……。
(駄目……ですっ。こんなこと……許されません……!)
 流江は、歯を食い縛って己の胎の内へ向けて自らの神力を放つ。それにより、いくらかの衣蛸たちの子種が浄化されるが……まだ、相当な数が流江の胎の中で生き残っている上に、追加がひっきりなしに送り込まれていた。
 そう、今も……。
「あっ❤ あぅっ❤ ひゃっ❤ ひゃああっ……❤」
 全身をビクン、ビクンッと痙攣させ、流江は科される生殖活動に耐えるしかない。
(……あぁ……そんな……神力が……もうっ……!)
 それでも諦めず……何事も無ければ新たな生命の礎になったかもしれないものを死滅させる所業に罪悪感を覚えつつも、自身の胎内の穢れの除去に努めてきた流江。その表情が徐々に絶望に彩られる……。
 未だ自分の胎の内には数多の衣蛸たちの遺伝子が蠢動しているのに……自分へと己が因子を埋め込もうとする蛸妖怪たちが周囲に群がっているのに――流江の神力は底を見せ始めていた。
 ……『最悪の事態』が勃発するカウントダウンが、流江の耳に聞こえ始める……。
(……嫌っ、いやぁ……!)
 ……普通に考えれば、人と蛸の遺伝子が結び付くはずなど無いのだが……困ったことに、流江は人の女性の姿をしているものの『女神』であり、衣蛸たちは正しくは蛸の形をした『妖怪』である。
 神と妖怪であれば――その血が混ざった事例は、決して無いわけではなかった。
「……うっ❤ んっ❤ うぅっ❤ ぅうぅぅんっ……❤」
 流江の赤ちゃんの為の聖なる宮殿の中で、破れた精莢から解放された小さな小さな衣蛸たちが泳ぎ回り始める。
 ……神宮の中でそっと息を潜めているはずの小さな小さな流江は、いずれ彼らに見付かってしまうかもしれなかった……。
 ――そうなった時こそ……。
「駄目ぇ……❤ あぁっ……ぃやぁぁ……❤」
 考えたくなかったことが現実味を帯びてきて、それでも自分の身も心も犯す衣蛸の交接腕が気持ち良くて、流江は甘く蕩けた声で泣いた。

 ……人と蛸、女神と妖怪、そして猟兵とオブリビオン……。
 決して交わってはならぬ遺伝子が混ざった禁断の子の誕生は、もしかしたら目の前かもしれなかった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

郁芽・瑞莉
未来を再び戦いの世に染める訳に行きません!
骸の海へと還って頂きましょう!

私が仕掛けますから続いて下さいと山吹さんに伝えつつ秘幻と合一。
敢えて相手の攻撃に身を晒しますよ。
「我、幻の如く。秘する一撃を!」
ただ、身体捌きや戦闘知識から動きを見切って。
身体のリミッターを解除して限界を突破した動きで残像を残して。
自身は迷彩でフェイントで回避。
攻撃が外れた瞬間にカウンターで溜めた力を早業の鞘走りからのなぎ払いで相手の防御を破壊し隙を作って。
「速さを武器にするなら支配してこそです」
そして山吹さんと同時攻撃で2回目の攻撃はドーピングで身体を更に加速。傷口を串刺して傷口を抉りつつ破魔の衝撃波を叩き込みますよ!



「――私が仕掛けますから続いて下さい!」
「っ、解ったわ……!」
 山吹へそう伝え、彼女の返事を背に受けて、郁芽・瑞莉(陽炎の戦巫女・f00305)は神十郎へと駆け出した。
(先に戦った皆の奮戦を感じます。ですが……)
 ……彼の猟書家、負傷多数なれど、未だ戦意は衰えるところを知らぬ様相である。叩き付けられる殺気に瑞莉の柔肌はビリビリと痺れるが、瑞莉もまたその程度のことで戦意を挫かれるような手弱女ではなかった。
「この世界の未来を再び戦いの世に染めるわけにはいきません! 骸の海へと還って頂きましょう!!」
 神十郎が右手の十字槍と左手の妖刀をジャキッと鳴らすのと同様に、瑞莉もまた愛用の霊刀・『秘幻』の鍔を雄々しく鳴らす。
「『我が盟友である秘幻に願い乞う。我が血を以って封を解き、我と合一し力の全てを与え給え!』」
 瑞莉は秘幻の鍔元の刃に手首を当て、一閃――主の血を吸った霊刀がドクンッ……! と脈動した。
『――我が主にして盟友が瑞莉の願い、承知!』
 ユーベルコードの高まりと共に、瑞莉の姿が変貌する。黒髪ポニーテールの朗らかな娘の姿から――艶やかな黒髪は同じだが、毛先を切り揃えたそれを下ろした、凛々しき雰囲気の女武者の姿へ。衣装も陣羽織を羽織った戦装束へと変化し、何より長脇差程度だったはずの秘幻の刃渡りが、大太刀並みに伸びて赤く染まった。開かれた双眸も同じ色に染まっている……。
 愛刀・秘幻と一つになった瑞莉へ、神十郎は辟易した顔で吐き捨てた。
「猟兵という輩は……本当に芸達者なものだ……!」
「ただの芸だと見くびらないでもらいましょう」
 槍と刀の変則二刀流で加速を開始した神十郎の正面に、瑞莉は敢えて我が身を晒す。
「我、幻の如く。秘する一撃を!」
 篠突く雨の如く――瑞莉の肢体目掛け、神十郎の刃が乱舞を演じた。音が後からやって来る超速連撃を、しかし瑞莉は残像が生じるほどの速さで掻い潜っていく。ただの一発も、その白い肌を掠めすらしない……。
「っっっっ……!」
 瑞莉は目を凝らし、神十郎の一挙手一投足を見据えた。彼の皮膚の内で筋線維が、関節が稼働する様さえ見切って、その攻撃を先読みする。……先読みが叶っても、その攻め手に対処出来る体動が出来なければ意味が無い。己が筋肉と骨に悲鳴を上げさせるほどの力を無理矢理に引き出して、彼女はそれを実現した。
 疾風の如く滑る瑞莉の足元から砂煙が立ち昇る。それが刹那、彼女の姿を覆い隠し……神十郎の十字槍は、妖刀は、砂塵の壁を穿ち、断つのみで瑞莉自身を見失った。
 瑞莉が待ちに待った好機の到来である。
 一旦鞘に納めた大太刀型の秘幻が、溜めた力を解き放つ如く鞘走った。赤き一条の閃光と化した霊刀は、何とか直前で気付いて受けようとした神十郎の刀を、槍を吹き飛ばし、彼の具足へと決定的な亀裂を走らせる。
 好機を突いた後に訪れた、より大きな好機……。
 そこに飛び込むのは、今度は瑞莉ばかりではない。
「っはぁぁああああああああああっっ……!!」
 狐尻尾をなびかせ、旋風のように遠心力を乗せた太刀を繰り出したのは山吹であった。刀身の峰に掌底打も叩き込んで、駄目押しの加速。弧雷と見紛う斬撃が、周囲の大気ごと神十郎の肉と骨を切断する。
 それに同調して、瑞莉もまた追撃を放った。……予め奥歯に仕込んでおいた小さな容器を噛み砕く。溢れ出た薬剤を喉の奥へ嚥下すると――腹腔内から全身に、凄まじい勢いで熱が膨張していった。
「――ぅぅぉおぁああああああああああああああああっっっっ!!」
 ドーピングにてさらなる速度と馬力を己が肉体より引っ張り出す瑞莉。猟書家という高位オブリビオンの眼力をもってしても看破出来ない超々高速の機動で、瑞莉は秘幻の切っ先を山吹が斬り裂いた箇所へと捻じ込んだ。
「……っ!? くっ……ぐぶっ……!!」
 神十郎が血を吐く……。
「これで終わりではありません! 防御の内……身体の内から地獄を味わいなさい!!」
 赤き霊刀の刀身を伝い、猟書家の体内へ破魔の霊力が浸透する。それは、物理的な衝撃すら伴う波となって、神十郎の臓腑の内にて解き放たれた。
 ――轟音が、戦場を駆け抜ける……。
「……がっ……はっ……ぐはぁっ……!?」
 己が身の内より放たれた驚異的な破壊の波により、神十郎の全身が朱に染まる。紅の具足をますます赤々とさせて……彼が、膝を突いた。
「速さを武器にするなら支配してこそです……くっ……!?」
 厳かに言って――顔を顰めた瑞莉は後ろへ跳躍した。着地点でふらついた彼女を、山吹が咄嗟に支える。……瑞莉の側も無茶をし過ぎていた。圧し掛かる消耗は彼女の方も絶大である……。
(……全身が痛いです……。眩暈も酷いですね……)
 それでも――今なお闘志を赤い双眸に漲らせ、瑞莉は剣を構えた。神十郎の方も膝を伸ばし、改めて十字槍と妖刀を握り直して構えを取る。
 ……ここまで、僅か数合のこと。そのくらいで決着、どちらかが地に伏して永久に寝るなど……猟兵とオブリビオンの戦いであり得るはずが無い。
 むしろ、ここよりが本番――激闘は余計に死と隣り合わせの領域へと足を踏み入れていく……。
 そこに背を向けること無く……向ける気など一切持たず、瑞莉と神十郎は再び、三度、交錯した……。

成功 🔵​🔵​🔴​

叢雲・黄泉
【恋華荘】
「車懸りの陣……恐ろしい技でした……」

服を直しながら、敵――真田神十郎に刀をむけます。
今度こそ、敵に遅れは取りません……!

「山吹は後ろに下がっていてください……
いざ、尋常に勝負……!」

必殺の【斬魔剣】を放ち敵を斬り裂こうとします。
いかに猟書家でもこの一撃なら……!

「なっ、これは……彩波いちごの触手っ……!?」

伸びてきた触手に剣を弾き返されて、そのまま触手に絡みつかれ……

「まっ、また、触手ですかぁっ……
にゃあああっ……!?」

そこに彩波いちごが服を脱がせてきて!?
やっ、見ないでくださいっ……!

「やっ、だめっ、彩波いちごっ……!」(涙目

そのまま無理やり貫かれて果ててしまうのでした……


織笠・アシュリン
【恋華荘】
※アドリブ歓迎っ

ん、あっ……えらい目に遭ったよ(ショートパンツ上げて服着用)
ともかく、猟書家とは真面目に戦うよ!
そっちが十字槍なら、こっちは投槍だー!

【智の聖樹は寇を穿つ】を猟書家に投擲!
全力で投げ込んで【鎧砕き】で鎧の隙間に投げ込んでやるっ!

全力投擲で大きく態勢が崩れたところに……また触手!?
「ちょっと、また制御失敗してるっ……やぁんっ!」
やだっ、前の疼きが残ってるからすぐ変な声が……
こ、こらぁっ、ダメだってばぁ……んくぅんっ!
「ダメだよぉ、おねがい、見ちゃダメぇっ……」
言葉とは裏腹に、全部を受け入れる準備はできちゃってる……


彩波・いちご
【恋華荘】
ボス戦です!
ここからは真面目に行きますよ!(フラグ

【異界の抱擁】にて触手を召喚
神十郎を拘束すべく大量召喚します!
制御を意識して手足に絡みつき締めあげ、智悠璃さんとアシュリンさんに攻撃を任せて…!

…って黄泉さんいつの間に!?
なんで巻き込まれてるんです?(汗

合流した途端酷いことになってる黄泉さんを助けるべく
触手の制御のために正気を削りながら飛び込み
手を伸ばして救助を…って服だけ?
掴んで引っ張り出そうとしたらスカートだけ…下着だけ
ようやく掴みだしたら丸見えで

そして触手に正気持っていかれて
気付いたら触手は味方ばかり襲ってて…
私は理性も途切れ、目の前の黄泉さんに無理矢理…

さらには2人まで…


詩羽・智悠璃
【恋華荘】
※アドリブ歓迎

『実体験』は骨が折れますね…
※いつの間にかメイド服の着替え済

腕白ないちごさんなら、まだ一悶着ある筈
一応覚悟はしつつも、真面目に戦いましょう
痴情を晒して死ぬのは文学で間に合います

十文字槍と妖刀の二刀流…疾さを信条と拝察します
喀血が怖いですが私もスピヰドで張り合いましょう
【幻月に儚く舞うは桜蝶】を以て凶刃を躱し跳躍
牽制の銃撃から隙を見て『桜朧閃』を確実にっ

そうして一手終えた油断か、或いは技の負荷か
私は再びいちごさんの触手に絡め取られます
アシュリンさんに、黄泉さんまで…

甘い痺れは、堪えきれるものではっ
ダメです、マジメにっ…んぅああっ!?
いちごさん、さっきより大きく、激しい…♡



 ここよりが猟書家・真田神十郎との死闘の本番――気合い充分に、新たな猟兵たちが彼のオブリビオンの前に立つ。
 ……女性猟兵専門の女子寮・恋華荘の面々であった。
「――ボス戦です! ここからは真面目に行きますよ! ……いえ、さっきのタコたちを相手にしていた時が、真面目ではなかったわけではないのですけど……」
 何処かばつが悪そうに、恋華荘の管理人にして唯一の男性の住人たる彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)が呟く。……何とも、フラグの匂いがプンプンしていた……。
 これがフラグであるのなら、きっと彼女たちもまた巻き込まれてしまうのだろう――ショートパンツのベルトを締め直している織笠・アシュリン(魔女系ネットラジオパーソナリティ・f14609)と、いつの間にか真新しい和風メイド服に着替え終わっている詩羽・智悠璃(湯煙に舞う添桜・f22638)がお疲れの顔をしている。
 二人は、揃って溜息を吐いた。
「ん、あっ……❤ ……コホンッ、えらい目に遭ったよ……」
「……『実体験』は骨が折れますね……」
 アシュリンの青い眼差しと、智悠璃の大きく丸い眼鏡越しの視線……それでツンツンと突かれているいちごは、何だかいたたまれない。
「……ともかく、猟書家とは真面目に戦うよ!」
「……腕白ないちごさんなら、まだ一悶着あるはずですが……一応覚悟はしつつも、真面目に戦いましょう」
 とりあえず、先のことは置いておいて神十郎へと真っ直ぐな戦意を叩き付けるアシュリンと、若干含むところがありそうながらスカート内より二挺の短機関銃を引き抜く智悠璃。
 こうして、恋華荘メンバーと神十郎の戦端は開かれたのであった。
 先陣を切ったのは、丸眼鏡の桜の精のお手伝いさん……。
「……痴情を晒して死ぬのは文学で間に合っています」
 そううそぶき、右手に十字槍、左手に妖刀を携えた神十郎と交差する。……刃風が渦巻き、智悠璃の漆黒の髪の一房と、頭から生えた桜の花弁数枚が宙に散った。
「……っ!? くぅっ……」
(十字槍と妖刀の二刀流……疾さを信条と拝察します)
 一瞬の分析で智悠璃は悟った。……今のままでは勝負にもならないと。
(喀血が怖いですが……私もスピヰドで張り合いましょう)
 元来、そこまで身体が丈夫ではない智悠璃。それでも、それを押して彼女はユーベルコードを成就した。
「『今宵散華しようとも、私はあなたの為ならば【夢】を叶えます……!』」
 ……『幻月に 儚く舞うは 桜蝶』――そんな一句が詠まれたように錯覚された直後、噴き上がらんばかりの幻朧桜の霊力を纏い、智悠璃の体動が加速した。音が後から付いてくるような速度で、神十郎の変則二刀流の連撃を掻い潜る。
 ……猟書家の凶刃を躱して、高々と跳躍。智悠璃は短機関銃・『ヲウジ・ルガァル丙型』より、銃撃の雨を神十郎へと降らせた。
「くっ……!?」
 連撃に集中していた分、神十郎の防御は疎かになっていた。浴びせられた銃弾の衝撃に彼の猟書家の身体は踊る。――そこに、好機とばかりにアシュリンが咆哮を上げた。
「そっちが十字槍なら、こっちは投槍だー!」
 振り被られた彼女の手に握られていたのは、樫の枝。アシュリンに流れるケルトの魔女の血が、神秘を引き起こす。
「『奪掠の輩を穿つは智慧の聖樹! てぇぇぇぇいっ!』」
 メジャーリーガー張りのオーバースローでアシュリンの手より投じられた樫の枝が、宙を飛翔する間に変容を起こした。伸び、尖り、鋭く……何処までも鋭く。まるでケルト神話の大英雄たるクー・フーリンの愛槍、その名も高きゲイ・ボルグの如く変じた樫の枝は、稲妻のように神十郎を射抜き、貫いた。
「――がはっっ……!?」
 先の戦いで他の猟兵たちに砕かれていた鎧の隙間に直撃したらしい。血反吐を吐く神十郎に、こちらも口の端から血を滴らせながら、空中の智悠璃がメイド服のスカートを大きく翻す。
「『桜朧閃』――喰らって下さい!!」
「っっがっ……!!」
 智悠璃の脚線より放たれた桜色の光輝が、神十郎を打ち据えて膝を突かせる。
 智悠璃とアシュリンは実に良く連携し、猟書家を追い詰めていっていた。それを見て、今こそ攻め時だと確信した人物が一人……。
 彼女も恋華荘の住人である、叢雲・黄泉(賞金稼ぎの邪神ハンター・f27086)。……ただ、彼女は少々訳ありで、他の恋華荘の住人たちとは一線を画している部分があるのだが……。
 黄泉は乱れていた黒のセーラー服を整え、愛用の妖刀を抜き放つ。
「……車懸りの陣……恐ろしい技でした……」
 正確には、『車懸りの陣(エロ)』。……彼女もまた、衣蛸たちに少なからずトラウマを植え付けられたクチである。
 同様に、衣蛸たちには結構なトラウマがある山吹を背後に庇いながら、黄泉は獅子吼した。
「今度こそ、敵に遅れは取りません……! 山吹は後ろに下がっていて下さい……。いざ、尋常に勝負……!!」
「――あ、ちょっと待っ……!?」
 何やら嫌な予感を覚えた山吹が呼び止めようとしたが、黄泉の足は止まらない。たちまち神十郎の眼前へと肉迫した。
「如何に猟書家でもこの一撃なら……!」
 黄泉が放つは必殺の『斬魔剣』。邪神を……ありとあらゆるものを……こんにゃくやそれっぽいもの以外なら両断する彼女の秘剣である。……衣蛸には全然通じなかったが……。
(大丈夫……! この猟書家はこんにゃくじゃない! こんにゃくみたいにヌルヌルもしてないですから――)
 よりにもよってこんにゃくと比較される猟書家・神十郎。――ともあれ、アシュリンと智悠璃からの攻撃で動きが鈍っていた彼の喉笛に、黄泉の斬魔剣が唸りを上げた。
 ……その、タイミングで。
「『ふんぐるいふんぐるい……、星海の館にて微睡む我が眷属よ!』」
 辺りの地面に、月が翳ったにしてもあまりに濃い闇が広がった。――そこより、数えるのも億劫になるような膨大な数の触手が浮上する。
「なっ、これは……彩波・いちごの触手っ……!?」
 黄泉の赤い目が見開かれる。……彼女の斬魔剣は、こんにゃくのようにヌルヌルヌメヌメした触手にニュルリンッと滑らされて……神十郎には届かなかった。
 ……弁護するなら、いちごには決して神十郎を庇う意図など無く。ただ、黄泉と同じように、智悠璃とアシュリンによって痛打を与えられた彼の猟書家を攻め立てるに今こそがベストタイミングだと思ってしまっただけである。
 自身の眷属である触手の軍勢を召喚し、神十郎を束縛してしまおう――そういう考えの下の行動だったのだが……。

 ……間が悪過ぎるよ、いちご……。

 一応、智悠璃とアシュリンは巻き込まないように、いちごも制御を意識していたのだ。
 ……だけれど、唐突に乱入する形になった黄泉にまでは、それは及んでおらず……。
 ――結果、黄泉はいちごの眷属たちに捕縛されてしまったのである。
「まっ、また、触手ですかぁっ……!? にゃあああっ……!!」
 衣蛸たちのそれより、ずっとヌメヌメしてヌルヌルしている触手に、四肢を這い登られる黄泉。……触手が苦手な彼女は、妖刀を思わず取り落としてしまう。
 そこで、いちごも黄泉の存在に気が付いた。
「……って、黄泉さんいつの間に!? 何で巻き込まれてるんです……?」
「彩波・いちごー! このぉおおおおおおおおっっ!!」
 黄泉がいちごに向ける目は、なかなかに険しい……。
 というのも、黄泉は今でこそ半吸血鬼だが、元は人間。とある邪神によって吸血鬼の因子を埋め込まれて今のようになったという経緯があるのだが……その邪神、現在はいちごの中に宿っているのである。黄泉としては、件の邪神もその依代であるいちごもイコールで結んでおり、敵意を滾らせているのだ。
 もっとも、いちごの方としては黄泉も大事な恋華荘の仲間。自身の眷属召喚に巻き込んでしまった事実に、罪悪感を抱く。
「い、今助けますからねっ!?」
 いちごは果敢に触手の群れの中に飛び込み、そこに沈んでいる黄泉を引っ張り上げようとした……。
「うひゃぁんっ!?」
「……え?」
 何をどうやったのか……いちごが引っ張り上げたのは、黄泉の着ていた黒いセーラー服だけ。……しかもそれ、ワンピースタイプの為……今黄泉がどうなっているかは推して知るべし。
「あ、彩波・いちごっ。……やっ、見ないで下さいっ……!」
「す、すみませんっ、黄泉さん!」
 今度こそ引っ張り出そうと、いちごが再度手を伸ばすが……。
「んきゃああああっ!?」
「……あれ?」
「いやぁああああっ!?」
「え? 何故にっ!?」
 いちごの手は黄泉のストッキングだけ、ショーツやブラだけという具合に引っ張り出して……やっと黄泉自身を引っ張り上げた時には……。
「ぃやぁああああっ!? 見ないで下さいぃ~~!!」
 ……黄泉は、生まれたままの全裸に剥かれていた……。
 彼女の全てを目撃し、いちごの顔面がボフンッと炎上する。それに加え、いちごは眷属の制御の為にかなりの精神力を摩耗しており……正気と狂気の狭間を揺蕩っていた。
 黄泉の艶姿に、いちごの正気はとどめを刺されてしまう。
「やっ……だめっ、彩波・いちごっ……! あぁっ……!?」
 肉付きの薄い胸元の頂点を、黄泉はいちごに噛み付くように吸われた。……彼女の目尻から涙の粒が飛ぶ。
 いちごは猛るに猛っており、黄泉の乳房を吸い立てただけで最早我慢もならないようだった。取り出した肉の棍棒を、息も荒く黄泉の秘所へと宛がう……。
「あっ……うっ……ぅ……あぁっ……!?」
 まだ湿り気の薄い黄泉の秘洞を力ずくで拡張し、いちごが彼女の内を自分で埋めた。――そのまま加減無く、いちごは腰を律動させる。
「あぁっ、あぁっ、ぅあぅっ、あぁぁっ……!?」
 ガスンッ、ガスンッと自分の奥へ叩き付けられるいちごの剛直に、黄泉は背筋を仰け反らせた。そうして強調された彼女の乳の突起を、いちごは爪を立てるようにして転がす。走ったピンク色の電流に、黄泉がビクンッ、ビクンッと震えた。
「あっ、あっ、あっ、あぅっ、あっ、あっ、あぅっ、ぁうっ……!」
 獣の交尾のような腰使いで自分を突き上げるいちごに、黄泉は苦しげに喘いだ。そんな黄泉の唇を、いちごは自分の唇で塞ぐ。
「っっ!? んっ、んんっ、んん~っ……!?」
 いちごの舌に自身の舌を絡め取られ、口の中を蹂躙される黄泉……。唾液を啜られ、逆にいちごの唾液を啜らされて……呼吸もままならないこともあって、段々と彼女の頭はぼーっとしてくる。
「っ❤ んっ❤ あっ❤ んぁっ❤」
 ……いつしか、黄泉は自分を貫いている相手が誰かも解らなくなって、甘い声を上げるようになっていた。
「んっ❤ んっ❤ ぅんっ❤ うぅんっ……❤」
 執拗な打突と摩擦を繰り返された黄泉の秘孔は、ここに到って粘つくような水音を上げるようになっており、すっかり綻んで相手の肉槍を咥え込んでいる。
「あっ、はっ、あっ、あっ❤ あんっ、あぅんっ、あんっ、はぅんっ……❤」
 黄泉は相手にすがるように両腕を、両脚を回し、段々と昇り詰めていく……。
「あ~❤ あぁ~❤ っああぁぁああああああああああああああああ~~~~~~~~っっ❤」
 ――とうとう、最も気持ちのいい場所へ到達し、黄泉は高く高く嬌声を上げた。……同時、彼女の奥底目掛けて熱い奔流が放出され、相手も達したことが理解される……。
「っ❤ っ❤ っっ……❤」
 心地好くその熱を受け止めながら、黄泉は相手へ情熱的に口付けるのであった……。

 ……いちごの眷属たちが召喚された時、智悠璃の身体はまだ空中にあった。
 そして、彼女に空を飛ぶ術など無く……為す術無しで触手の海に落下する。
「あぁっ……いやぁああああああああっ……!?」
 折角着替えた彼女の新しいメイド服は、いちごの触手たちによって残骸と化した。防具を失い……智悠璃は触手に全身をまさぐられる……。
「あぁ~っ!? ぃやぁぁ……!!」
 彼女の形の良いCカップが、触手の粘液によって照り光るまでに弄ばれる。双丘の頂点で、桜色が棘のように尖るまで弾き回されていた。
「っ……んっ……んぁああっ……!? 腰……痺れっ……❤」
 智悠璃の両脚は大きく割り開かれ、その付け根に存在する亀裂にこぶだらけの触手が擦り付けられていた。……彼の触手は細かく振動もしており、粘膜も陰核も痺れさせられた彼女はすっかり瞳が潤んでいる……。
 ――その瞳が、真打ちたる来訪者を捉えた。
「っはぁっ……❤ ……え? い、いちごさん……?」
 目を爛々と欲望に輝かせたいちごが、仰向けの智悠璃に圧し掛かってくる……。
「ダ、ダメです、いちごさんっ! マジメに……マジメにぃっ……んぅああっ……❤」
 言葉とは裏腹に……智悠璃はあっさりといちごを受け入れた。桜の精の女洞がギチギチッと軋む。
「い……いちごさんっ……❤ さっきより太くてっ、長いぃ……っ……❤」
 一段階以上大きさを増したいちごの分身に、智悠璃は早くも息が絶え絶えだ。
 ――ここからもっと絶え絶えにされた。
「あっ❤ あっ❤ あっ❤ あっ❤ やっ❤ やっ❤ あっ❤ あっ❤」
 正常位から、松葉崩しへ。
「あくっ❤ あぅっ❤ あっ❤ ひゃっ❤ ひゃっ❤ ひゃぅっ❤ ひぃっ❤ ひぃんっ❤」
 松葉崩しから、対面座位へ。
「あんっ❤ あんっ❤ あぁんっ❤ ひゃぁんっ❤ あっ❤ あっ❤ あっ❤ あくぅっ❤」
 対面座位から、種付けプレスへ。
「あっあっあっあっ❤ はっはっはっはっ❤ あぅっあぅっあぅっあぅっ……❤」
 ……体位を次々と変えられて、様々な角度、方向から突き上げられまくった智悠璃……。
「は……激しいっ……❤ あぁっ……あぁぅああああぁぁああああああああああああああああっっっっ……❤」
 ついには、意識が真っ白に焼き切れるほどに昇天させられてしまったのであった……。

 ……アシュリンは、魔槍の全力投擲で体勢が崩れ切っていたところを触手に襲われた……。
「ちょっと、また制御失敗してるっ……やぁんっ!?」
 折角着直したブラウスもショートパンツも、再び脱がされ……その上、先刻にいちごと交わった折の疼きがまだ残っていた為か、早くも艶がある声を響かせ始めていた。
「こ、こらぁっ……ダメだってばぁ……んくぅんっ!?」
 弱々しくも拒絶の声をアシュリンは上げるが、いちごの眷属たちはそれを聞いてくれるような紳士ではない……。
「……んっ❤ んっ❤ ふぁっ❤ ふわぁっ❤」
 アシュリンの乳房の頂点の突起は、それぞれが二本の触手に挟み込まれてクリクリ、コロコロと転がされる。充血を促され、硬く長くしこってしまっていた。
「ひゃん❤ ひゃぁんっ❤ 乳首っ、ダメぇっ……❤ ――あぁ、そこもぉっ……❤」
 大開脚で御開帳となってしまったアシュリンの股間では、左右から触手に引っ張られてくぱぁっ……と開かされてしまった粘膜が、舌のような形状の触手によってネトネトにされていっていた。
 レロ、レロ、レロレロ、レロ❤
「あっ❤ いぁっ❤ ぃやぁんっ❤ あっ❤ あぅぅっ❤ っ……❤」
 ……いや、ネトネトにしていっているのは、彼女自身の下のお口から溢れ出た涎のせいかもしれなかったが……。
「あっ❤ んぁっ❤ んあっ❤ はぁぁっ❤ ……んんっ❤ せ、切ないぃっ……❤」
 触手たちは、アシュリンの敏感になっている部分を攻めて、攻めて、攻めまくった。彼女の情欲を否応なく高めていっている……。――反面、肝心の挿入だけは何故だかしてくれなくて、アシュリンは切なげに腰をくねらせていた。
(っ……!? これ以上焦らされたら……変になっちゃうよぉ……!)
「んっ❤ んぁっ❤ んあっ❤ あぁっ……❤ お、お願いぃ――」
 アシュリンが決定的な言葉を言おうとした刹那――自分を凝視する人影の存在に彼女は気が付いた。
 ……いちごである。自分の、触れれば堕ちんばかりの有様を彼に見詰められていたという事実に、アシュリンの脳細胞はショートを起こしそうになった。
「……い、いちご、ダメっ、ダメだよぉ……!」
 いやいやと首を横に振るアシュリンをますます追い詰めるように、触手の群れは彼女の肌の上を這い回る。
「ダメだよぉっ……お願いぃ……見ちゃ、ダメぇっ……!!」
 言葉とは裏腹に、アシュリンのカラダはいちごに見られていることで余計に燃え上がり……何もかもを受け入れる準備は、万端に整ってしまっていた……。
 アシュリンの許可など貰うまでもなく――いちごは彼女へと押し入っていく……。
「っっひゃああぁぁああああんっっ……❤」
 待ち望んでいた刺激がもたらされて、アシュリンがガクガクと痙攣する。
「あっ❤ ぅあっ❤ うぁっ❤ うあっ❤ あっ❤ あっ❤ あっ❤ あぁっ❤」
 アシュリンの金髪が交合の反動で舞い踊り、汗の飛沫を飛び散らせる。彼女の甘い体臭が周囲を席巻した。
「いちご❤ いちごっ❤ いちごぉ❤ いちごぉっ❤」
 相手の名を呼びながら、その彼の背に爪を立てるアシュリン。……いちごの背に、彼女の爪が赤い線を引く……。
「――っああぁぁああああああああああっっ……❤」
 そうして、正面から浴びせられた一発目は、アシュリンの赤子の為の部屋の扉を綻ばせた。
「――んあぁぁああああああああああああああ~~~~~~~~っっっっ❤」
 バックから浴びせられた二発目は、大部分がその部屋の扉を貫通していく……。
「――ひゃぁぁああああああああああああああああああっっっっ❤」
 後ろから抱え上げられて浴びせられた三発目は、二発目よりもさらに多くの量をアシュリンの赤ちゃんの為の部屋へ注ぎ込む……。
「ごめっ、ちょっ……待っ……!? 今日、いつもにも増して量が多――ああぁぁやぁぁああああああああああああああああああああんっっっっ……❤」
 ……赤ちゃんの為の一室のさらに奥……その赤ちゃんを作る為の大切な細胞のある付近までいちごの子種に満たされて――アシュリンは意識を手離したのであった……。

 恋華荘の面々のそんな饗宴は、奇しくも神十郎の行く手を阻む壁となったのである。
 どうにか触手から逃れた猟書家は、山吹を追う為に大きく迂回することを余儀なくされたのであった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

霧沢・仁美
…何であんなの配下にしてたんだろう。
と、それは兎も角、これは間違いなく強敵…!気を引き締めていくよ!

引き続き山吹さんと共闘。ただ山吹さんには身を守ることを優先するように言っておくよ。
サイキック・ワイヤーロープの【投擲】と、手から放つ【衝撃波】で主に攻撃。相手の槍の間合いのギリギリ外ぐらいをキープして、少しでも回避行動を取りやすくする。
山吹さんを狙った攻撃へはワイヤーロープや念動光弾で牽制。

追い詰められたら、ギリギリまで引き付けて敵がユーベルコードを発動する瞬間を狙い、プラズマブーツの【推力移動】で急上昇し回避。
そのまま背後に回り込んで念動光弾を後頭部目掛けて撃ち込めればと。



 ――大気に風穴を開けんばかりの十字槍の一突きが、霧沢・仁美(普通でありたい女子高生・f02862)の脇を掠める。
「……っっ!?」
 セーラー服の右袖が千切れて吹き飛んでいくのを目の当たりにしながら、仁美はさらに一歩、相手から間合いを広げた。
「――仁美!」
 共闘する山吹が太刀を一閃するが、それは紫炎纏う妖刀によって受け流される。
 ……二人掛かりで、痛撃を与えるどころかむしろ押されていた。
「これが猟書家……。これが、真田神十郎……!!」
 驚愕に胸中の水面を波打たせられながら、それでも仁美はサイキックエナジーによる衝撃波で、その神十郎を数歩退かせる。
「山吹さん、大丈夫!?」
「……仁美こそ大丈夫なの……?」
 互いに互いを心配する声が、重なった。
 仁美と山吹のコンビが神十郎と戦いを開始し、どれほど時間が過ぎたか……? まだ僅か数分の気もするし、何時間も戦い続けているような気もする……。
(……いけない……)
 仁美は小さく頭を振った。戦闘中に、思考が余所へとずれている。集中力が続かなくなってきた証拠だった。
 それでも、彼女の取り留めのない思考は止まらない……。
(こんな人が……何であんなの配下にしてたんだろう……?)
 あんなの=衣蛸。それは、真に多くの猟兵たちにとっても疑問だっただろうが――今は追及すべきことではないだろう。
 仁美は、一際大きく頭を振った。
(それはともかく……! 相手は間違いなく強敵……!! 気を引き締めていくよ!)
「――山吹さん、本当に無理はしないで。自分の身を守ることを優先してね?」
「……解ってるわ。自分の実力が理解出来ないほど、馬鹿じゃないわよ……」
 仁美の忠告に、山吹が自嘲気味に答えて太刀の柄を握り締めた。
(……本当は悔しいんだろうな……)
 それが、仁美にも痛いほど伝わってくる。――けれど、ここで安っぽい慰めの言葉は、もっと山吹を傷付けるだろう。気付かなかった振りをして、仁美は神十郎を睨み付けた。
(あたし自身、あまり山吹さんのことを言えないし……)
 相性の問題もあるのだろうが――ここまで、仁美の方も山吹ほどではないが神十郎に苦戦させられていた。
「――っはあっ!!」
「くぅっ……!?」
 裂帛の気合いと共に突き出されてくる神十郎の十字槍。……それの間合いのギリギリ外の距離を仁美はキープしていたが――神十郎は腕の捻りや踏み込みの深さを調整して、絶妙に槍の間合いを伸ばしてくる。その+αが実に対応し難く……先のような危うい回避を仁美に繰り返させていた。
 ……しかも、片手ながら槍の引き戻し、再度の突き出しの間隔が短く、仁美が攻撃を差し挟む余裕が……少ない。
「それでも――やらなきゃ!」
 強引に割り込ませた『サイキック・ワイヤーロープ』で、仁美は神十郎を奇襲。その腕や脚を巻き取ろうとするが……念動力で制御された難燃素材のロープは、妖刀に弾かれて仁美の手元に帰還した。
(これは……やっぱり勝負を懸けるしかないかなぁ……?)
 集中力も落ちてきている今、これ以上戦いが長引くのも頂けない――仁美はそう判断を下した。
 ハンドサインで山吹に意図を伝え、彼女も頷き返す。
 仁美は敢えて足を止め……真正面から神十郎を迎え撃つ姿勢を見せた。山吹は彼女よりも後ろに控える……。
「……ふむ」
 神十郎は、推し量るようにすり足で移動。――直後、一気に加速して仁美の横を走り抜けようとする……が。
「『そこっ!』」
「ふっ……!?」
 ――仁美が指先より放ったサイキックエナジーの弾丸が、神十郎の足元の地面を穿った。大きく跳び退り、元の地点へと舞い戻る神十郎……。
「……あたしを突破せずして山吹さんを狙うことは、させないよ」
「……良いとも。良いだろう……」
 猟書家の武者の殺気が、仁美へと引き絞られる……。
(勝負は、この一合――)
 仁美と神十郎の戦いは、泣いても笑ってもそれで終わり――そう確信して、本当は普通でありたい女子高生は、最後の集中力をこの一瞬へと集束する……。
 ――神十郎が、動いた。
 まさに神鳴り――神速の体動。仁美を間合いに捉えれば、即座に十字槍と妖刀がその猛威を叩き込むだろう。……一瞬でも遅れれば、仁美の人生はそこで終わるかもしれない……。
 神十郎が槍の間合いへと突入し、即座に十字槍が跳ね上がった。その切っ先が、飛燕の如く仁美の眉間を狙う。
 それが喰い込む直前――仁美は踵を鳴らした。
「……なっ……!?」
 仁美が消えた――そんな風に神十郎には見えたであろう。が、彼も歴戦の武人。即刻、月明かりによる僅かな影から察し、顔を上空へ向けた。……全くのノーモーションから、ブーツより噴出したサイキックエナジーの推進力のみで舞い上がった仁美が、月を背にしている。そんな自身の姿を神十郎の紅い瞳の中に見付け、仁美は呼吸をすることも忘れた。
(……あ。見られた……)
 飛翔した拍子に、仁美のスカートは大きく翻っている。下から見上げている神十郎には、当然中身が丸見えだろうが――仁美は気にしないことにした。このサムライエンパイアの男性の感覚からしてみれば、JKのショーツを目撃したところでそれを喜ぶはずも無いだろう。
 サムライエンパイアの女性の下着は、腰巻のはずだ。
 再度、ブーツからプラズマ化させたサイキックエナジーを放出し、仁美は真っ逆様に神十郎の背後目掛けて墜ちる。神十郎は視線でそれを追いながらも――視線しか動かせない。本来なら超高速の連撃の初手であった槍突きを回避され、そこから続く二撃目に向けて身体は勝手に動き出しており……今の仁美の動きに対処出来ないのだ。
 その隙へ向けて――仁美は真っ直ぐに腕を、人差し指を伸ばす。
 逆様になった世界で、神十郎の後頭部……盆の窪が見えた。
「……貰ったよ」
 ――仁美の渾身の『念動光弾』が、神十郎の頭部を真後ろから呑み込んだ……。

成功 🔵​🔵​🔴​

リリスフィア・スターライト
引き続き強気な人格のリリスとして参加
アドリブに他の猟兵との連携可
山吹との絡みも希望

ようやくボスが出てきたわね!
あの口ぶりからしてやっぱり見ていたのかしらね…
蛸達を全滅出来なかったのは残念だけれど、
気持ちを切り替えて全力で排除してあげるわ!

真の姿となり全翼天開で飛翔して、高速で戦場を飛び回って
魔剣による一撃離脱を繰り返すわ。
迷路や忠臣を生み出そうとも1点突破あるのみね。
山吹や皆とも連携して戦い、真田神十郎が連続攻撃を仕掛けてきたら
その動きを見切って回避して、その隙を突いて一気に攻めてやるわよ!

「何よりも、女の怒りの力を見誤っていたようね!」
「悪いけれどこっちは、もう蘇らせるつもりはないわよ」


ユメ・ウツロギ
※アドリブ歓迎、NGなし

猟書家、出て来たですか。
あの蛸達とは違って、如何にも武人といった感じで真面目そうですね。

蒐集開始(【高速詠唱、情報収集】)。
無限の書、魔力解放。
ブルーム、行きますよ。

ブルームに乗り、空中を移動して距離を取りながら無限の書に記した多属性の魔術を同時展開。並行で【アルカナ】の詠唱を行いつつ、一斉斉射で攻撃(【高速詠唱、多重詠唱、全力魔法、属性攻撃、誘導弾、一斉発射、弾幕】)
敵本体及び召喚する忠臣達を纏めて攻撃。
多重・高速詠唱の呪文連射による攻撃と同時に敵の反応速度や対処、UCの情報を蒐集・解析し、敵の動きを把握次第、全力の【アルカナ】を撃ち込むです

蒐集、完了。終わりです



 引き続き強気な人格の『リリス』を表に出し、猟書家・真田神十郎との戦場に立ったリリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)。ポニーテールを揺らし、隣で同じように亜麻色のポニーテールを揺らす山吹に声を掛ける。
「山吹、行けるかしら――」
「大丈夫よ、リリス。あたしだって、出来ることを――」
 視線を交わし合って――リリスも山吹も揃って首から上を真っ赤にした。ボフンッと音まで立った気がする。……二人の脳裏には、『あの時』の光景が鮮明に映し出されていた。

『あっ……❤ んぁっ……山吹ぃっ……❤ 山吹のアソコ……❤ とっても熱いよぉっ
……❤』
『リリス……❤ んっ、リリスっ❤ リリスとアソコっ、溶け合って……❤ 一つになっちゃいそぅ……❤』

 ……衣蛸たちに強制されたとはいえ、物凄く濃厚な百合性交を演じてしまった両名である。気まずさは、相当なものであった……。
「?」
 彼女たちのそんな様子に、首を傾げるのはユメ・ウツロギ(蒐集の魔女・f30526)。リリスと山吹の情熱的な絡みのことなど露知らぬ彼女は、幼く無垢な眼差しを相対する敵の方へ向けた。
 神十郎は……凄惨な有様である。紅の具足は大部分が砕け、剥がれ、胸元に描かれていた六文銭の紋は最早判別出来ない。全身を血で朱に染め、髪も解けてざんばら……。地獄の底から這い出てきた悪鬼と見紛うほどである。
 それでも、右手に握られた十字槍、左手に握られた妖刀の鋭く冷たい輝きは健在……。
 今なお、一手間違えただけで猟兵側が喰われる力は残しているようだった。
 ユメは、淡々と感想を述べる。
「猟書家、出てきたですか。あの蛸たちとは違って、如何にも武人といった感じで真面目そうですね」
 だからこそ、衣蛸たちとのような『ああいう展開』にはならないだろうと……ユメは少々物足りないような感慨に囚われた。

『んっ❤ んっ❤ んっ❤ ……ぷはぁっ……❤ あっ❤ あぁっ❤ んぁっ❤ んぁああああっ……❤』

 ユメもまた、衣蛸たちの意味深なマッサージをその身体で堪能させられたクチだ。……年齢が二桁にも達していない未成熟な肢体は、穴という穴を触手によって侵略され、奥の奥に至るまでほじくられ尽くしている……。
 ユメとしては、その行為を介して衣蛸というオブリビオンの知識を存分に蒐集出来た為、大満足なのであるが。
「……猟書家とは、どのような知識を私にもたらしてくれるのでしょうか……?」
 知識欲の権化であるユメは、そのような期待で胸が高鳴っていた。
 ……ところで、リリスと山吹には気になっていることがある……。
「ようやくボスが出てきたわね! ……さっきの……蛸たちに撤退を命じていた時の口振りからして……やっぱり『見ていた』のかしらね……?」
「っっっっ……!?」
 リリスの推測に、山吹が目を剥く。
 自分たちが『あんな風』に絡み合う場面を見られていたかもしれない……。それは、リリスにとっても山吹にとっても乙女の存亡に関わることである。
「……。蛸たちを全滅出来なかったのは残念だけれど、気持ちを切り替えて全力で排除してあげるわ、あなたを!」
 神十郎へ魔剣の切っ先を向け、雄々しく宣言したリリスへ、山吹もコクコクコクと頷いた。
 色々な思惑が交差しながら――戦端が開かれる。
「蒐集開始。『無限の書』、魔力解放。『シルフィードブルーム』、行きますよ」
 ユメが手にした魔導書を開き、愛用の魔法の箒に横座りした。西洋妖怪としての魔女たるユメは、箒に乗って空を飛ぶのが当然。風の精霊を宿した箒は、まさに疾風の如くユメを背負って宙を翔ける。
「『ここからは私の全てをぶつける!』」
 リリスが気炎を上げ、真の姿が解放される。ユーベルコードが活火山のように高まって、周辺の大気すらもビリビリと震わせた。背中より噴出した魔力が光の翼を形取って、彼女の肢体を大空へ飛翔させる。
 魔女の猟兵と剣士の猟兵、彼女たちの高速戦法が悪鬼の猟書家へ襲い掛かった。
「くっ――ぐっ……!?」
「それっ! ――もう一撃!!」
 最高で音速の約8倍にも達する速度でリリスが飛行し、神十郎へヒット&アウェイを繰り返す。すれ違い様に叩き付けられる緋色の魔剣を、神十郎は十字槍、或いは妖刀で受け流しているが……殺し切れなかった衝撃に翻弄されていた。
 それに対し、ユメは距離を取って決して神十郎に近付いてはこない。ただ、だからといって攻めてこないわけではなく、彼女の周りには炎が、氷が、雷が風に乗って渦を巻き、猟書家へ牙を剥く瞬間を今か今かと待ち侘びている……。
「――一斉射」
「っっっっ……!?」
 ユーベルコード・『アルカナ・ブラスター』とも組み合わされたユメの魔術が、破壊の暴風となって神十郎へと着弾した。
「――舐めるなっ!!」
 我が身を削る破壊の魔力を槍の一振りで薙ぎ払い、猟書家は妖刀を地へ突き立てる。それを中心に辺りの風景がグニャグニャと歪み――いつの間にやら和風の城郭の内部へと変貌した。
「……これ、前にも見たことあるわよ!?」
「……私も、話には聞いているわ……」
 神十郎のユーベルコード・『不落城塞』。先に交戦した猟兵と共にこれを体験していた山吹の注意の声に、リリスもグリモアベースで聞いた詳細を思い返す。
(戦場全体に迷路を作り出して……その迷路の出口は一つしかないのよね。迷路の壁や床、天井はかなりの硬度を持っていて……そちらを破壊しての脱出は不可能)
「……実に興味深いユーベルコードですね」
 緑の瞳を心持ちキラキラとさせながら、ユメが迷路内を興味津々に眺めていた。
「まぁ、こういう場合――一点突破あるのみね!」
「わっ……!?」
 山吹をお姫様抱っこして、リリスは迷宮内を飛んで突き進んだ。ユメも空飛ぶ箒で後を追う。
 出口への道順など、リリスが知っているはずは無いが……地形を利用する戦術を学んでいる彼女は、漠然と『戦場に建てる迷路ならこういう構造』というのを感じ取っていた。時折行き止まりに行き着きながらも、比較的短時間で迷路の出口の付近まで到着する。
 そこには……。
「……やっぱり定石的に、『ボスは迷路の終わりに居る』ものよね……!」
 闘気を高めるに高めた神十郎が陣取っているのを見て取り、リリスは舌打ちする。……何せ、向こうは10人の忠臣すら侵略蔵書より召喚し、万全の布陣でリリスたちを待ち構えていたのだから。
 リリスとユメがどれだけ速く、変幻自在に空を飛べるとしても、上下左右が囲われた迷路の内なら、軌道は限られる。攻撃は届かせることが出来るのだ。あとは、彼女たちがいずれ必ず辿り着く出口で待ち構え、そこで全力を叩き込もうというのは、解り易くも絶対的な戦術であった。
 とはいえ――ユメに言わせれば『諸刃の剣』の戦術であったが。
「敵が全て、出口という一箇所に集まっているなら好都合です」
 そこで密集すれば、相手だって逃げ道が限られてしまうのだから……。
「多属性魔術、同時展開。多重・高速詠唱、開始――呪文連射です」
 連鎖的に生じた自然現象が、ユメの一声で撃発する。群狼の如く疾駆し、神十郎と10名の忠臣たちへ荒々しく襲い掛かった。
「この程度で真田神十郎が……真田十傑が膝を屈すると思うか……!?」
「いいえ、思っていませんが」
 槍と刀を縦横無尽に振るい、魔術を斬り捨てて吠える神十郎。同じく魔術を凌ぎ切った真田十傑に向け、ユメはあっけらかんとさえした声を返す。
「――今の攻防でそちらの反応速度や攻撃への対処方法、ユーベルコードの情報は蒐集し終わりました。解析も……今、完了。あなた方の行動パターンは完全把握・掌握です」
 遭遇したオブリビオンやユーベルコードの情報を余すところ無く記述した無限の書に、新たに『猟書家・真田神十郎』という一頁を刻んで……ユメはそれをパタンッと閉じた。
「蒐集、完了。――終わりです」
 ユメの唇から、常人には不可能なほどに加速された詠唱が紡ぎ上げられる。それが彼女の前方に膨大な白き炎を生み出し、弾けさせた。
「……まさかっ……!?」
 威力を高めるに高めたアルカナ・ブラスターの奔流が、まるでその展開を予知していたかのように真田十傑たちの回避先へと回り込み……彼らを消し炭へと変える。白炎の津波の中で驚愕する神十郎だが――それは油断であった。
 アルカナ・ブラスターの破壊の激流の中を泳ぎ……リリスが突撃してきていたのだから。
 咄嗟に神十郎は十字槍と妖刀の変則二刀流による連撃の構えを取るが――ユメの魔術の勢いに押された両刃はそこまでの加速を行えなかった。容易く見切ったリリスが、愛用の魔剣を疾走させる。
 幾度となく斬られ、刻まれ、神十郎が絶叫を上げた。
「何よりも、女の怒りの力を見誤っていたようね!」
 配下がやらかしたことは上司の責任とばかりに、衣蛸に散々弄ばれた激怒を神十郎へぶつけていくリリス。
「これは山吹の分も! 悪いけれどこっちは、もう蘇らせるつもりは無いわよ……ここで永久に骸の海の底へ沈みなさい!!」
「――――――っっっっ……!?」
 声にもならぬ声を置き去りにしながら、神十郎がリリスたちの前から吹き飛んでいった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フレミア・レイブラッド
あんな厭らしい下賤な蛸を女の子に差し向けるなんて勘弁してほしいわね。
この子を殺させるなんて絶対にさせないけど

【念動力】で自身と山吹に防御膜を纏わせ戦闘。

【ブラッディ・フォール】で「片眼鏡の凶暴紳士」の「サー・ジャバウォック」の姿(片眼鏡に服装、竜の翼と尾、侵略蔵書とヴォーパル・ソードを装備)へ変化

【プロジェクト・ジャバウォック】で戦闘力を一気に上昇。
忠臣達を【念動力】で瞬間的に拘束し、すれ違い様に黒翼で五感を奪い無力化し、本体を狙い攻撃。
竜人化のパワーと強化したヴォーパル・ソードによる攻撃で一気に仕留めるわ!

確か、おじ様は猟書家で二番目に強かったのよね。
なら、その力は貴方もよく知ってるはずね!


ルナ・ステラ
うぅ…嫌なタコさんたちでした…

今度こそ、凶悪な感じがする敵さんですね…!
山吹さんを主に狙ってくるのでしょうか?
それなら、UCで狼さんたちを呼び出して山吹さんと一緒に戦いましょう!

とりあえず、槍と妖刀の攻撃を避けきることに専念しましょうか。激しそうな攻撃をしてきそうですが、隙もできそうな気がします。

鼓舞の獣奏器で【楽器演奏】して、狼さんと山吹さんを強化します。余力があれば、星屑で【援護射撃】です!
攻撃を回避できるよう専念しましょう。

攻撃を回避できたらその隙を逃さずに、狼さん、山吹さん、わたしの星屑の【一斉発射】で一気に畳み掛けましょう!

山吹さんを殺させることなんて絶対にさせません‼



「うぅ……嫌なタコさんたちでした……」
 その綺麗な瞳を未だ潤ませて、ルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)が魔女っ子衣装のスカートをギュウッと握り締める。
 姿はコミカルだったものの、所業は不埒極まりなかった衣蛸たち。ルナの心には浅くない傷が残ってしまったのかもしれない……。
 同意するように、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)が溜息混じりに金髪を掻き上げた。
「あんな厭らしい下賤な蛸を女の子に差し向けるなんて……勘弁してほしいわね」
 二人の非難満載の視線の先に居るのは――真田神十郎。その姿は、最初に猟兵たちの前に現れた時とは似ても似つかなかった。身を包んでいた真紅の具足は大部分が粉砕され……上半身など完全にもろ肌となっている。肉体に刻まれた傷は数知れず……。流れ出た血により、彼自身が朱色に染まっていた。
 そのような有様になってなお――双眸は爛々と輝き、右手に握られた十字槍は殺気を、左手に握られた打刀は妖気を漲らせている……。
「……ここでの我が敗北は避けられまい……」
 言葉自体は潔く聞こえるが――猟書家の武者から立ち昇る剣気は、潔さとは程遠い我武者羅さを表していた。
「我が、ここで再び骸の海に沈もうと構わぬ。いずれまた甦り、クルセイダーの大望に殉じよう。けれど――『蹴刀の山吹』! 其方の命だけはせめて、貰い受ける……! それがこの真田神十郎の意地……!!」
「何をっ……!」
 冷や汗を垂らしつつ、それでも太刀を構えた山吹の前に、ルナとフレミアが彼女を庇うように立ち塞がる。
「今度こそ、凶悪な感じがする敵さんですね……! 山吹さんを主に狙ってくるでしょうか……!?」
「そうでしょうね。でも……この子を殺させるなんて絶対にさせないけど」
 白き魔女っ子と赤き吸血鬼の姫が、ユーベルコードを膨張させていく……。
 猟兵たちと猟書家の月下での死闘……その最終局面の幕が、今――開いた。
「『誇り高き銀色の狼さん、美しき月白の狼さん、わたしに協力してください!』」
 ルナの呼び掛けに応じ、銀灰色の狼と月を思わせる白狼が馳せ参じる。二頭の狼の高らかな雄叫びを聞くが早いか、神十郎が雷電の如く疾駆してきた。
「――シャアッッ!!」
 ほとんど閃光のようにしか見えない槍突き。その前にフレミアが割り込んだ。彼女の素手と十字槍が衝突し――バチバチとスパークを散らす。
「念力の鎧か……!」
「そう簡単には破れないわよ!」
 フレミアの全身には、彼女の強大な念動力が防御膜として張り巡らされていた。猟書家とはいえ、容易く突き破れるものではない。……フレミアは同様の念の鎧を山吹にも纏わせていた。ルナの狼たちも護衛に就いている。神十郎でも、山吹の命を手折ることは困難であった。
「江戸幕府転覆の困難と比べれば、物の数ではない……!」
 気炎を上げた神十郎の侵略蔵書・真田十傑記が咆哮を上げる。本の内より現出するは、猟書家武者の10名の忠臣。それぞれが神十郎に勝るとも劣らない強者である彼らが、音の速さを追い抜いた。得物こそ異なるものの……主の槍刀変則二刀流に匹敵する超高速連撃を繰り出してくる。半数がフレミアを抑え込み、残る5名が山吹とルナの方へ疾走した。
「狼さんたち……お願い」
 ルナが己の獣奏器を奏でた。魔力が籠められた旋律は、狼たちの力を底上げする。真田十傑の2名ずつを、その牙と爪で迎え撃った。――間をすり抜け、最後の真田の忠臣が山吹へと肉迫する。
 鞘走る刃は、猟兵でもそうそう避けられぬほど、速い……。
「山吹っ!」「行けぃっ!」
 フレミアの悲鳴と神十郎の鼓舞が重なった――刹那。
「こぉのぉおおおおおおおおっっ……!!」
 山吹の太刀が、十傑の刃と激突した。火花を散らし……押し込んでいく。
 ルナの獣奏器が流す曲は、山吹の能力も強化していた。……彼女が、獣の要素を持った妖狐だからこその恩恵だろうか? 何にせよ――後ろ廻し蹴りごと炸裂した山吹の倭刀術の斬撃は、彼女を襲った神十郎の忠臣を真っ二つに両断する。
 よりにもよって、猟兵ですらない山吹に仲間が討たれたことに、残る9名の真田十傑は動揺したのかもしれない……。目に見えて大振りになった彼らの一撃を、フレミアも、銀と白の狼たちも回避する。
 神十郎の忠臣9名全員が、致命的な隙を晒した。
「わたしの星屑――お願いっっ!!」
 ルナが空より呼び寄せた星の煌めきが、彼女の闘志に呼応して輝きを増した。変幻自在な軌道を描き、流星の槍穂が真田の残る九傑を貫通し、本の中へと還す。
 残るは……手負いの真田神十郎、ただ一人!
 そこで、フレミアがタンッと跳躍した……。
「『骸の海で眠るその異形、その能力……我が肉体にてその力を顕現せよ!』」
 フレミアの赤きドレスが、仕立ての良い男物の礼服に変わる。羽織られたマントが夜風を孕み、大きく舞い上がった。左目を片眼鏡で覆い隠したフレミアは、腰から青白い剛剣を引き抜いて一振り。
 ……彼女の姿に、神十郎の眼がこれ以上はないというほど見開かれた。
「その……姿! まさか……まさかっ……!?」
「確か、『おじ様』は猟書家で二番目に強かったのよね? なら、その力は貴方もよく知ってるはずね!」
 フレミアが『おじ様』と呼ぶ猟書家は『彼』しか居ない。――『サー・ジャバウォック』。神十郎の主君たるクルセイダーと同格で、戦闘力においてはクルセイダーすら上回る猛者……。
 彼の能力を骸の海より引き上げ、自身の肉体に再現したフレミアが竜の如き戦吼を上げた。
「『プロジェクト・ジャバウォック』……!」
 フレミアの背より竜の双翼が、臀部より尻尾が伸び、頭部よりも雄々しき角が生える。かつて、アリスラビリンスにて「オウガ・オリジンとブックドミネーターを除けば最強」と豪語した男の猛威が、紅き武人の猟書家へと襲い掛かった。
「――っあぁぁああああああああっっ……!?」
 すれ違い様の、ヴォーパル・ソードの一撃。それだけで、神十郎の十字槍も妖刀も折れ砕けた。掠めた黒き竜翼が彼の目を、耳を、鼻を……舌や皮膚の感覚さえも奪い去る。
 既に神十郎は……我が身がフレミアの念動力でギチギチに拘束されていることにも気付けない。
「ここで勝負を決めるわよ――一気に仕留めるわ!」
「山吹さん……!」
「いいわ、行って!!」
 先の一刀で全ての体力を使い切った風な山吹に、ルナが心配そうな顔を向けるが……妖狐の剣豪の少女は逆に星と月の魔女っ子の背中を押した。それに覚悟を決めたのか、ルナが『鼓舞の獣奏器』を一際大きく奏でる。
「銀色の狼さん、月白の狼さん……これで、終わらせて下さいっっ!!」
 星屑の光輝を引き連れて、気高き狼の王と女王が猟書家へと駆ける。フレミアも竜を斬り裂く刃を巨大化させ、神十郎へと振り下ろした。
「山吹さんを殺させることなんて、絶対にさせません!!」
「骸の海でおじ様に会ったら、宜しく伝えてよ!!」
「――――――――クル……セイ、ダー……!!」
 最後に、友にして主君の名を呼んで――真田神十郎という猟書家の五体は、粉々に砕け散ったのであった……。

「――本当に、お世話になったわね」
 夜が明けて……昇った陽が『お天道様』の異名に相応しい高さにまで至った頃、怪我の治療と休息を終えた山吹が、猟兵たちへそう告げた。
 旅装束を整え直した妖狐の剣豪の少女は、再び街道を歩き出し、旅を始めようとしている。
 ……行方知れずの家族を捜して。
「もう少しゆっくりしていけばいいのに。わたしが可愛がってあげるわよ♪」
「……気が向いたら、またの機会にね」
 意味深な流し目を送るフレミアに、苦笑気味に山吹は返した。
 フレミアは微笑を返しつつ――声音をやや真剣にする。
「……気を付けなさい。一度失敗したからといって、向こうが諦めるとは限らないのだし」
 フレミアの懸念はもっともだった。今回は失敗したとはいえ、神十郎はまた復活して、同じように剣豪殺しを狙うだろう。その標的として、再び山吹が狙われる可能性は無いとは言い切れない……。
「大丈夫よ。もし、そういうことがあっても――今度は自分の力で切り抜けてみせるわ」
 力強く言って、片目を瞑ってみせる山吹。……猟兵たち、そして猟書家の戦いぶりに間近で触れることになった彼女。それは、才ある彼女に何かしらの刺激になったのかもしれなかった。
「……まあ、無茶はしないけどね」
 同時に、身の程も知っている山吹。……案外、本当にこのサムライエンパイアで、相当な剣豪として大成するかもしれない……。
「……ご家族、早く見付かるといいですね」
「うん、そうね。……早く見付からなくても、絶対に諦めずに捜し出すわ。あたしの家族だもん。きっと何処かで元気にやってるに決まってるわ」
 慮るルナへ、山吹は笑顔で答える。輝くようなそれに、ルナの方も何だか笑顔になった。
「じゃーねー! また、何処かで会えるといいわね!!」
「今度会えたら、もっと仲良くしましょう♪」
「さようならー!」
 手を振り、街道の彼方へ去っていく山吹を見送って――フレミアもルナも顔を引き締めた。猟兵の表情へと戻る……。
 真田神十郎は、今回は撃破した。けれど、彼の上役であるクルセイダーを撃破せぬ限りは、彼の猟書家は何度でも甦って事件を起こすだろう。他のクルセイダー配下の猟書家も、動きを活発化させている……。
 それどころか、サムライエンパイア以外の世界でも猟書家たちの侵略は進行しているのだ。それに対処出来るのは、彼女たち猟兵しか居ない……。
 次の戦場を見据えて、ルナもフレミアもグリモアベースへと帰還していくのであった……。

 ――風から血の臭いは、もう消えている……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月15日
宿敵 『真田神十郎』 を撃破!


挿絵イラスト