●狂ったウサギは牙を剥く
とあるウサギ穴を、アリス御一行はひたひた歩く。
自分の扉を早く見つけたくて、それが罠とも知らずに歩く。
「は~~い! みなさん、ごちゅうも~~く!」
とある国へ足を踏み入れる前に、時計ウサギはアリス御一行に声をかける。
穴を通じて別の国に飛び込めるのもひとえに時計ウサギのおかげ。
時計ウサギ、彼はアリス御一行に向けて一言。
「この穴の先に皆さんの扉があるといいですね~! と、いっても此処でお別れになってしまうので、僕はとてもとても寂しいのですが~~!」
陽気に答える時計ウサギ。どういう意味だと首を傾げるアリス御一行。
よくわかっていない彼女達に、時計ウサギ―――猟書家、マーダー・ラビットは軽快な声で答えた。
「僕がいなくなってしまえば、みなさんは此処で虚しく骸の海へ落ちるでしょう。そうして荒波に揉まれ、愉快に、苦しく、もがいて死んでしまうでしょうねぇ」
クスクスと、曇りなく小さく笑うマーダー・ラビット。
その軽快な笑顔の裏には、時計ウサギにアリス御一行を一網打尽にしようと目論んでいたのだ。
それを知らずについてきてしまったアリス御一行は、悔しそうな顔で、憎んでいる顔で、悲しそうな顔で、彼を見つめ続ける。
しかしそのまま居残るほど、彼は優しくもないし、バカではない。
ぐにゃりと彼の姿が歪んで消えて、なんとアリス御一行をウサギ穴へと残してしまう。
時計ウサギがなければウサギ穴は維持できず、そのまま消滅を迎えて全員骸の海へ放り出される。
そんな絶望の淵に立たされた彼女たちへ最後に残された愉快な言葉は、たった一つ。
「僕は一応、穴の出口で待ってるからね~! 出てこれたら、ご褒美に殺してあげるよ!」
●音を奏でて、道を作ろう。
「人は興味を持つと、その先の悪意を見つけることが出来ない。そう思いませんか?」
陽気な声で猟兵達に声をかける男、金宮・燦斗(《奈落を好む医者》[Dr.アビス]・f29268)。興味のある予知を見たとのことで、猟兵達を集めて今回の事件の概要を説明してくれた。
ウサギ穴……それを操る時計ウサギに扮した猟書家、マーダー・ラビットがアリス御一行を一網打尽にするためにウサギ穴に一行を放置してきたのだという。それも、出口を設けた上でも殺せるように準備して。嫌なやつだ、最低なやつだと声が上がるが、燦斗は彼らの声を鎮めるように手で虚空を抑え込む。
「確かに最低ではありますが、むしろこれは好機でしょう。私が見た予知では、彼は最後に言っていましたからね。出口で待っている、と」
それならば出口で待ち構えているマーダー・ラビットを倒すために、ウサギ穴を冒険して出口を探せば良い。
……此処までは猟兵達からも声が上がったのだが、一つ燦斗から残念なお知らせが。
「ウサギ穴を放置した状態で時計ウサギがいなくなったことから、穴の中の時空が狂ってしまいましてね。音楽を奏でないと、出口が出てきてくれなくなっちゃったようで」
単純な方法で見つかる出口だが、その答えは閉じ込められたアリス御一行が知る由はない。故に、猟兵達には彼女達と協力をして音楽を奏でてほしいと伝えた。
音楽を奏でることで出口が見つかるのはもちろんだが、アリス御一行に穴の中に閉じ込められた不安を和らげさせ、猟兵達との絆を深めることも出来るのが特徴。この穴の中ではアリス御一行に協力を得ることが一番の近道なのだと、燦斗は言う。
「ああ、音楽が苦手な方でも大丈夫。アリス御一行は皆それぞれが得意楽器があるみたいですので、それに合わせて踊ってあげるのも良いかもしれませんね」
誰にでも気軽に足を運べるように、彼は猟兵達にアドバイスを送る。
果たして、この音楽祭の行方や如何に。
御影イズミ
閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
猟書家シナリオです。マーダー・ラビットみたいな愉快系ボス大好きなので、つい。
こちらのシナリオは2章構成となっております。
なおこちらのシナリオ、全章共通のプレイングボーナスがあります。
ボーナスは「アリス御一行にも手伝ってもらう」ことです。
●第一章:冒険シナリオ
ぐにゃぐにゃにねじ曲がった時空で音楽祭をやります。
最初はアリス御一行は不安げになりますが、手伝ってもらうボーナスによって皆が一緒に音楽を奏でてくれます。
なおアリス御一行、プロ並の演奏家もいるようです。
●第二章:ボス戦シナリオ
猟書家『マーダー・ラビット』との戦いです。
出口を見つけた後は出口にいる偽物ウサギとの戦いです。
なおボーナスが入るとアリス御一行は怒りの投石を行います。よくも閉じ込めてくれたなー!みたいな。
皆様の素敵な演奏もといプレイング、お待ち致しております。
第1章 冒険
『アリス・イン・ミュージックラビリンス』
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POW : パワフルな音楽で魅せつける
SPD : テクニカルな音楽で魅せつける
WIZ : パフォーマンスにこだわった音楽で魅せつける
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
大豪傑・麗刃
わたしの得意分野ではないか。
わたしのあふれ出る存在感から繰り出されるギャグの数々は、普段は敵のペースを乱すために使うのだが、皆をパフォーマンスで鼓舞し勇気づける事もできるはずなのだ。
まずはジャブで大爆笑ネタを一発。
大丈夫。出口は必ずあるはずなのだ。
なぜならここはアリスラビリンス。つまり出口は
アリっす
……
笑え~!!笑うのだぁ~!!
これで皆の緊張を緩和し(たであろうたぶん)、で音楽やらせるんだっけ?
おーけい!みゅーじっくすたーと!
我が故郷エンパイア流の剣舞をお見せしよう!
(たぶん珍妙な踊りになると思う)
盛り上がってきたところで、ここで歌を一発!
(で思いっきり版権ネタをやろうとしてツッコミが入る)
●皆を笑わす剣舞
歪みに歪んだウサギ穴へとやってきた猟兵、大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)。己のギャグを持って幾度、世界を救ってきただろうか。それは彼に聞かねばわからない。
「ほう、これならわたしの得意分野ではないか!」
そしてこれからも、同じようにギャグで世界を救う。自分の力で救われる世界があるのなら、どこへでも赴いてみせよう。そう思って、今回の任務にも駆けつけた。
光と闇が入り交じる歪みの空間に、アリス御一行は取り残されていた。皆、オロオロとどうしたらいいのかを悩むばかり。彼女達はここからどうやって出るのか、どこへ行けばよいのかと嘆く声ばかり発していた。
誰もがこの絶望の空間に取り残されるんだと思いかけた、その時。一人の男性の声が聞こえる。
「皆のもの! わたしが来たからにはもう安心だぞ!」
どどん! とアリス御一行の後ろから太鼓の音と共に、麗刃の声が聞こえた。最初、御一行は『え、誰??』と拍子抜けした顔をしたが、助けが来たと知ると麗刃を中心に輪を作って助けてと連呼する。
人数が多く、麗刃一人では対処出来ない。そこで彼は、とびっきりのネタを投げることで場を和ませようと考えたようで、一度周囲の御一行を止める。
「待て待て待て! わたしは一人しかいないのだ! 出口がないのはわかっている! だが、安心してほしい。必ず出口はあるのだ。なぜなら……」
ごくり。御一行は皆静かに麗刃の言葉を待ち……そして、彼は言った。
―――アリスラビリンスだから、出口はアリっす。
……しんと、静まり返っている。その反応は誰もが、どう反応していいのかわからない、と言った風に。
どうにも、麗刃の渾身のギャグは御一行達にはウケが悪いようだ。笑いがないとわかると麗刃はぷんすかと怒り始める。
「笑え~! アリスと有りっすをかけたギャグを笑え~~!!!」
麗刃が丁寧に説明しながら怒ると、ようやくギャグの意味を理解したのか、御一行から小さく笑いが起きる。緊張がほぐれ、味方が来てくれたことに安堵の声が上がった。
無論それでどうにかなるわけではないが、麗刃への信頼は格段に上がる。そして彼はアリス御一行に協力を得て、音楽を奏でてもらうことにした。曲は和風の曲で、一行の中にいた尺八を鳴らせる者達が尺八の音を鳴らす。
……とは言うものの、麗刃の踊りは若干珍妙だ。これで本当に大丈夫なのだろうかと、アリス御一行から声が上がっていた。
そんな心配を他所に麗刃は故郷のサムライエンパイア流の剣舞を披露しているのだが、これがなかなか、音に合わせて踊られているのもあってうまくいっている。演奏者達も、自身が奏でる音楽で踊られているのを見て少しずつテンションの上がる音楽を披露し始めた。
アリス御一行は麗刃のちょっとした剣舞をきっかけに、皆楽しげに音楽を奏でては歌って踊って、閉じ込められたという悲しげな雰囲気を吹き飛ばす。最初は些細な音楽だったが、今ではウサギ穴を練り歩く音楽団のようになっていた。
『ねえ、みて! あっちに光が見える!』
御一行の中から、誰かが指を差す。麗刃も同じようにその方向を見てみれば、うっすらとした明かりが見える。
その先に続く道はどこへ繋がっているかはわからない。もしかしたらマーダー・ラビットの罠がすぐに発動してしまうのかもしれないし、出てすぐに殺されてしまうかもしれない。様々な考えが頭に浮かんでしまう。
「ふむ、ならば盛り上がったところで、ここは一発!」
よし! と張り切って歌を歌おうとした麗刃。しかし彼が歌おうとした歌は何かに引っかかる故か、どこからともなく金ダライが落ちて彼を制した。あまり、ハメを外しすぎてはいけないというお達しなのだろう……。
ともあれ、出口は発見できた。残るは、マーダー・ラビットを探すのみ。
成功
🔵🔵🔴
御乃森・雪音
アドリブ連携歓迎
何から始めようかしら。
いきなり音楽って言っても、不安でそれどころじゃないんじゃないかしら?
でも落ち着くためにも、この後頑張ってもらうためにも気分を上げるのは良い事よねぇ。
「……ねぇ、貴女達の好きな音楽は……歌は、何?」
聞いた中でわかるものがあれば一緒に歌うし、わからないなら合わせて踊りましょ。
音楽は共通の言葉になるし、明るい曲なら少しなら不安を消すことだってできるわ。
「……歌は、音楽は力。さあ、何があっても必ず守るから先へ進みましょう」
それにしてもすごい状況よねぇ。
自力では来れない場所、覚えておいて自分の音楽に生かせそうだわ。
●歌は力で、希望となる。
ゆらりゆらりと、周囲が揺らめく空間。
時計ウサギを失ったウサギ穴が異界に繋がり、暗闇へ繋げてまた別の異界へと繋げ、再び暗闇へ繋げて……何度も繰り返す故か、ぐにゃぐにゃにねじ曲がった世界を作り出していた。
そんな中、新たな猟兵が駆けつける。音楽を支えとし、音楽を武器として戦う猟兵の御乃森・雪音(La diva della rosa blu・f17695)。彼女はアリス御一行達を見つけ、素早く彼女達を保護して慰めていた。
(……何から始めよう。いきなり音楽をやろうと言っても、不安でそれどころじゃないかも……)
御一行の不安そうな面々を眺めつつ、どれだけの人数がいるかを確認して人数を把握。まずは不安を取り除くために、普通の会話から彼女達を落ち着かせることから始めた。
彼女達はゆっくりと雪音に話してくれた。とある世界では花畑が広がっていたり、またとある世界ではたくさんのお菓子に囲まれていたりと、とても楽しそうに話す。
しかし話がマーダー・ラビットの策に嵌められていた話になると、急に不安になってしまう。もう二度とここから出られないんじゃないか。皆殺されてしまうんじゃないか。そういった不安が、急に押し寄せてきたようだ。
雪音はそっと、不安げに話す彼女達を優しく撫でた。その優しい撫で方には、妹を慰める姉のような優しさを秘めているようで、アリス御一行達は皆彼女のその優しさに、心を許した。
そして雪音は優しく撫でながらも、ここから出るためには音楽の力が必要なのだと彼女達に伝える。一人で奏でる音楽よりも、皆で奏でる音楽の方が楽しくて、大きな力になるからとしっかり伝えた上で。
「……ねぇ、貴女達の好きな音楽は……歌は、何?」
雪音の問いかけに、皆がそれぞれいろいろな答えを出した。童謡、オペラ、合唱曲と言った答えから、ロック、ジャズといった大人味の溢れるジャンル、更には演歌、アニメソングという答えも出てきた。
それぞれ人には個性があるのと同じように、好きな音楽も人それぞれなのだと実感できる瞬間。ゆるりと微笑んだ雪音は話をしっかりと聞き終えた後、聞き覚えのある曲名から曲調を思い出す。
「……なるほど、それじゃあ……これは、どうかな?」
いくつか上がった音楽の中から、雪音は軽くハミングで歌ってみる。よく知っている歌は一緒に歌って、わからない楽曲には踊りをつけてあげて、御一行と一緒に楽しんだ。
明るい曲を一緒に歌って、暗闇の中でも明るくなろう。楽しい音楽を鳴らして、不安を吹き飛ばそう。ゆらりゆらりと揺らめく世界は、いつしかアリス御一行を出口へと導いていた。
「……歌は、音楽は力。さあ、何があってもアタシが守るから、皆で一緒に進みましょう。この迷路を、ちゃんと抜け出さなくちゃね」
希望へと向かう曲を歌いながら、歪んだ世界を通り抜ける雪音とアリス御一行。その歌につられて出口が薄っすらと見えたが、マーダー・ラビットがいつ罠を仕掛けてくるかわからない。
故に、雪音は御一行と歌い続けた。然るべき時がやってくるまで、彼女達との絆を深めるために。
成功
🔵🔵🔴
月見里・美羽
音楽は好きなんだ
いつだってボクの心も励ましてくれていた
だから、奏でるよ
…とは言っても怯えている御一行に突然歌うことをお願いしても
それは聞き入れてもらえないと思うから
まずはミュージカルのように歌でご挨拶
♪はじめまして、ボクは美羽
♪お困りのことがあれば、ボクが聞くよ
面食らうだろうなあ
でもハミングをしながら御一行の反応を待って
言葉が返ってきたら畳み掛けよう
♪音楽は皆を救うんだ
♪さあ、ボクと一緒に
【ゲート・オブ・サウンド】展開
DTMでメロディ鳴らして
皆の演奏に合わせるよ
♪行こう、出口へ きっと見えるよ
♪行こう、出口へ 明るい未来が
アドリブ、絡みなど歓迎です
●アリス・イン・ミュージカル
歪にねじ曲がったウサギ穴に、また一人新たな猟兵が訪れる。音楽が大好きなシンガーソングライター、月見里・美羽(星歌い・f24139)だ。
アリス御一行が固まって動いてくれたおかげか、美羽が彼女達を見つけることは容易かった。様々な者達がいるが、美羽の登場により少々困惑した様子を見せている。マーダー・ラビットが植え付けた疑念は、新たに現れた者を味方だと認識することさえも振り払うようだ。
(ふむ、困った。音楽を奏でることで出口が出るのだけど、ボク一人では難しいよね……)
美羽はアリス御一行に何もしないと表明した上で、両手を上げた状態で考え込む。
音楽は一人でも奏でられるものだが、多人数で奏でた時の素晴らしさは言葉にできないほど。そして歌えば歌うほどに勇気づけられ、その人の心に残り続けるもの。そんな音楽をどのように彼女達と共に歌うか、どうするべきかを思案していた。
(……そうだ、アレなら……)
ふと、美羽の頭の中にミュージカルが思い浮かんだ。これなら歌を知らずともアリス御一行の皆がアドリブで一緒に歌えて、更にその曲調を周りの景色に合わせて変えて歌って楽しむことが可能だ。
そうと決まれば、美羽は両手を下げて一度胸に手を当てて深呼吸。どのような出だしから始めるか、どのように繋げるか……。猟兵となる以前、とある宇宙船の映像配信サイトでシンガーソングライターとして歌い、培ってきた経験を今ここで発揮する。
「はじめまして ボクは美羽♪ お困りのことがあれば ボクが聞こう♪」
突然歌い出した彼女に面食らっているアリス御一行。それでも、美羽はハミングしながら彼女達の反応を待っている。ミュージカルは、一人では成立しないのだから。
すると、ハミングの曲調にアリス御一行の中の一人が気づいたのか、そっと前へ出て美羽へと反応を返してくれた。もちろん、彼女と同じくミュージカルのように歌って。
「私たちは皆 迷ってます♪ 暗闇迷路の この穴で♪」
「それなら 皆で歌いましょう♪ 音楽は皆を救う♪ さあ ボクと一緒に歌いましょう♪」
美羽はミュージカル調で歌いつつ、このウサギ穴の出口が音楽を奏でることで出現することを伝えた。そのおかげでアリス御一行は美羽に協力するように歌い始め、更には手拍子や踊りで支援を行う者も。
それならばと美羽は、メガネ型端末のゲート・オブ・サウンドを用いて電脳空間を展開させ、DTM……デスクトップミュージックでメロディを流し、更にミュージカルの音楽を華やかにする。
「ゆらり 見えるは 花の道♪」
「ゆらり 見えるは 雲の道♪」
「さあ行こう 出口へ♪ きっと見えるよ 光の道が♪」
「さあ行こう 出口へ♪ きっと見えるよ 明るい未来♪」
美羽とアリス御一行の歌はウサギ穴の歪んだ世界を物ともせず、出口まで歩くための道を作り出してくれた。彼女達の歌に合わせて世界も移り変わるようになり、楽しい時間を作り出してくれた。
やがてその道は、美羽の視界に入った出口によって終わりを告げる……。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『マーダー・ラビット』
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POW : きす・おぶ・ざ・です
【なんとなく選んだ武器】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : ふぁんとむ・きらー
【糸や鋏、ナイフ等】による素早い一撃を放つ。また、【使わない武器を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : まさくーる・ぱーてぃ
自身の【殺戮への喜びによって瞳】が輝く間、【自身の全て】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
イラスト:七雨詠
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠終夜・嵐吾」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
ウサギ穴の出口、その先に広がる世界。
そこには今回の事件の元凶、猟書家『マーダー・ラビット』が静かに佇んでいた。
アリス御一行達が脱出できたと知ると、彼は柔らかに狂気の笑みを浮かべて拍手する。
「ええ、ええ、わかっていました。猟兵達が助けに来て、ここまでやってくると」
「だからこそ僕は出口で待っていたんですよ? 律儀にもね」
「だって、アリス御一行と猟兵を同時に殺せる最高の大舞台を作れますから!」
ちき、ちき、とその手に持った小さなハサミを動かして、彼は笑う。
しゅるしゅると麻糸と布を取り出して振り回しては、彼は笑う。
ギラリと歪む目を光らせて、最初に殺す獲物を狙う。
狂気のウサギは、舞台を作る。
楽しく、狂った大舞台を。
「さあ、僕と猟兵達の楽しい舞台の始まりだ」
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プレイング受付:即時
プレイングボーナス:アリス御一行にも手伝ってもらう
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月見里・美羽
…ボク一人じゃ勝てないし、皆を守れない
それは知ってる
ボクは、弱いから
でも、力を貸してって言われてすぐ貸せるほど
強い御一行じゃないと思う
だから、せめてボクの心は強くなければ
UC起動 【ゲート・オブ・サウンド】展開
【シングオーダー】で歌って精霊銃を手にするよ
紅色の精霊銃に炎の精霊を付与して
狙いを込めて、撃つ
声だって、手だって震えてる
でも、キミたちを守りたいんだ
だから、どうかキミたちもその手を振り上げて
【属性攻撃】【クイックドロウ】使用
何度だって炎の弾を撃ち続けるよ
この声が嗄れるまで
アドリブ、絡み、歓迎です
御乃森・雪音
アドリブ連携歓迎
……思い通りになる、なんて。
どうしてそんな自信が持てるのかしら、ねぇ?
折角気分も上がったのにアリス達にそんな顔を向けないで欲しいわ……歪過ぎて冷めるじゃない。
舞台から降りるのは貴方、アリス達はちゃんとお家へ帰れるんだから。
この子達には指一本、触れさせないわよ。
【Fiamma di incenso rosa】
この舞台は殺風景に過ぎるから、彩りの花を上げるわ。
(すっと手を差し伸べる)さあ、この炎はどんな形に踊るのかしら……貴方の終わりを彩って、ね。
ウサギさんは退場。時間切れ、ね。
●心強い歌に、彩りの花を添えて
合流した美羽と雪音の二人は、素早くアリス御一行をマーダー・ラビットの視線から外すように前に出る。彼の歪んだ狂気の笑顔はアリス御一行達の心を震わせ、正しい道を歩ませぬよう狂わせる。
猟兵とアリス御一行を同時に倒せるという、自信に満ち溢れたその言葉。震えるアリス御一行達を横目に、雪音は言葉を選ぶ。
「……思い通りになる、なんて。どうしてそんな自信が持てるのかしら、ねぇ?」
艷やかな笑みを浮かべて雪音はマーダー・ラビットに問いかける。その問いかけには、マーダー・ラビットは緩やかな笑みを返す。
その間にも美羽が拳を握りしめ、自分自身の心を強めろと自分に暗示をかける。自分が弱いのはわかりきっているからこそ、自分の心を強く持てば少しでも彼女達に勇気を与えることが出来るからと。
「アリス御一行は扉を見つけるために、僕と一緒にいたんですよぉ? それなら、これから起こることも全て、僕の思う通りのままに決まってるじゃぁないですか!」
チキ、チキと鋏を何度も鳴らして彼は威嚇の意志を示す。それに怯える御一行達は更に美羽と雪音の後ろで震え続け、狂気に飲まれないように必死で抗っていた。
「せっかく音楽で気分も上がったのに、アリスたちにそんな顔を向けないでほしいわ。……歪過ぎて、冷めるじゃない」
艷やかな笑みを浮かべ、マーダー・ラビットを煽り返す雪音。その間にも彼女はそっと隣にいる美羽の手に己の手を重ね、一人じゃないことを示してあげた。
手を重ねられ、隣にも仲間がいると示唆された美羽は小さく頷いた。雪音からの勇気を受け取り、強い心を更に強化することが出来た。雪音の手を握り返し、雪音がマーダー・ラビットに噛み付いている間に美羽はアリス御一行達へ言葉を向けた。
「ボクは、声も手も震えてる。でも、ボクはキミ達を守りたいんだ。だから、どうか……」
―――どうか、キミ達もその手を振り上げて。
極度の緊張で震えた唇から、上ずった声が出てきてしまう。けれど、美羽の告げるその言葉に嘘偽りは一つもなく、澄み切ったものだ。己の真意をしっかりと伝えた事によって、アリス御一行がその震えから立ち上がり始める。
「私たちに出来ることは?」
言葉で勇気をもらった。行動で勇気をもらった。それならば次は、与えてもらった勇気を返したい。その思いから、アリス御一行達は美羽と雪音に声をかけた。どんな小さなことでも手伝おうと、勇気を持って。
雪音と美羽はまず、揃って戦場を整える。アリス御一行達が勇気を出してくれたのだから、ここから先は猟兵の仕事だと、見せつけるように。
「いつか散ると知りつつも、鮮やかな花―――咲かせて、みせるの」
雪音はユーベルコード『紅一輪』で電脳世界から呼び寄せた電脳精霊銃を手に、ゲート・オブ・サウンドを展開。先程と同じように音楽を鳴らし、ヘッドセット型のマイク・シングオーダーを通して自分の歌声を周囲に響かせる。アリス御一行達の歌声も、同じようにそのマイクを通して響かせて。
「さあ、この花弁の炎はどんな形に―――踊るの、かしら?」
対する美羽は音楽で彩りを加えられた殺風景な風景を、ユーベルコード『Fiamma di incenso rosa』で色とりどりの薔薇の花弁を散らして色づける。濁った風景が美しく咲き誇り、その光景にアリス御一行達も喜びの意志を見せた。
「ああ、もう。僕が先に殺してあげたかったのに……なっ!!」
鋏と糸を投げてはまるで縫い物をするようにアリス御一行と二人へ攻撃を行うマーダー・ラビット。その速度は最初は見切れるものだったため、美羽の電脳精霊銃から放たれる炎の銃弾は彼を捉えては撃ち抜く。
だが、少しずつマーダー・ラビットの速度が上がってゆく。縫い付けが終了してまた折返し縫い込む時に、一つずつ持っている武器を捨てているのだ。奇妙なことに、間隔をあまり空けずに。
アリス御一行達は美羽と雪音を支える歌を歌う者と、マーダー・ラビットに石を投げるもので別れて手伝ってくれた。だが石を投げられても尚、狂気のウサギは周りを走って全てを縫い付けようと飛び跳ねる。
「ふふ……そう、私たちはボタンのようなものなのね」
「残念だけれど、それはすぐに外させてもらうよ!」
雪音のたおやかな笑みと美羽の力強い言葉と共に、薔薇の花弁は更に大きく広がり散りばめられる。糸の軌跡をたどるように花びらは散り散りにばらけ、そして周囲に薔薇の香りを漂わせて……大きく燃え上がる。
雪音のユーベルコード『Fiamma di incenso rosa』はただ彩りのために使われたのではない。様々な色の花弁は触れた対象を燃やし尽くす美しい炎。雪音の敵だと判断したものは全て薔薇の香りに包まれ、炎によって焼き尽くされるのだ。
更に美羽の電脳精霊銃から放たれる炎の銃弾も相まって、その延焼速度は早まる。大きく燃え広がる雪音の炎は全てを焼き尽くし、美羽の一点集中の炎は焼き残した部分を全て焼き切った。
しかし、それでもマーダー・ラビットの狂気の笑みは止まらない。
「はっ、はは、ははは! わかってた、わかっていたよ、猟兵達! 僕の攻撃を利用してくることなんて、端からお見通しさ!」
糸を燃やされたと知ると、武器を捨てるだけ捨てたマーダー・ラビットが今度は捨てた武器を適当に拾い、二人に向かって近づき振り回し、二人に傷を与え始めた。二人に傷を与えた武器は裁ち鋏だったり、カッターナイフだったり、縫い針だったりと様々に姿を変えてゆく。
それもそのはず。マーダー・ラビットは適当に捨てていたわけではなく、雪音と美羽の移動できる範囲内でなおかつ武器と武器の距離を30cmで保って捨てていたからだ。30cmという距離をユーベルコード『紅一輪』で覚えた攻撃パターンと回避パターンを見出した美羽は、素早く雪音に距離を取るように指示を出した。
「雪音さん、そこから離れて!」
「っ!?」
一気に武器のある地点から距離を取る雪音。美羽もまた、アリス御一行を引き離すように動いていたのだが、それが目的だと言わんばかりに、マーダー・ラビットの笑みが大きく浮かぶ。
「ふふっ、いいのかな。僕はキミ達だけが目当てじゃないんだよ!」
その狂気の刃は、アリス御一行達にも向けられ始めた。石を投げる者達が必死に抵抗しても、その刃は彼女達の身体を切り裂いてゆく。痛みに耐える彼女達からマーダー・ラビットを引き剥がし、美羽も雪音も再び彼女達を守るように前に立った。
拮抗する狂気のウサギと猟兵達の戦いは、まだまだ続くのだった……。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
大豪傑・麗刃
まずはアリスを攻撃されないよう、精神攻撃で敵を挑発して敵の目をわたしにひきつける。
きみの舞台でたのしいのはきみだけであろう。
そんなんじゃエンターテイナーとしてはまだまだだなハーレーダビッドソンくん。
相手はリーチが超短いが、間違いなく超足が速く確実に懐に潜られると思われ。それ前提に戦う。
右手にサムライブレイド、左手に脇差(にしては大きすぎるバスタードソード)の二刀流を構える。で突っ込んできたところを見切り、早業でカウンターの要領で相手の武器を脇差ではじき、2回攻撃で刀で本体を斬る。
アリス一行に手伝わせるとしたら……
相手がこっちに突っ込んでくる時に石投げてくれれば、多少は敵の動き制限されるかなあ。
●エンターテイナー、参る!
ウサギ穴の出口にて、二人のエンターテイナーが対峙する。
一人はアリス御一行をまとめてウサギ穴に放置して、御一行と猟兵達との最高の出会いを作り上げて最後に両者を滅ぼすエンターテイメントを提供する者、猟書家マーダー・ラビット。
もう一人は生粋のエンターテイナーであり、数々の事件をそのギャグで対応して様々な解決法を編み出してきた猟兵、大豪傑・麗刃。
アリス御一行を守るように麗刃は前へ出て、右手にサムライブレイド、左手には脇差……と呼ぶには少し大きすぎる剣の二刀流を構えてマーダー・ラビットの出方を伺っていた。未だに攻撃をしない様子に少々焦りを感じていたが、その焦りを抑えることでマーダー・ラビットの行動を読むことが出来ていた。
どうやらマーダー・ラビットは適当に選んだ武器を手に攻撃するようだが、その攻撃の届く距離はあまり大きくはない。範囲内に自分から飛び込まなければ反撃を受けることはないだろうと予測を立て、麗刃は少し距離を取りつつ挑発を開始した。
「いやはや、きみの作る舞台で楽しいのは、きみだけであろう。そんなんじゃ、エンターテイナーとしてはまだまだだなあ、ハーレーダビッドソンくん」
この挑発で少しでも麗刃に目線が向けば良いと思ったのだが、そこで挑発に乗るような者ではなさそうだ。
だが、その挑発の言葉が面白いと感じたからなのだろうか、それとも新たな舞台を作れると判断したからなのだろうか……マーダー・ラビットは麗刃に一つ、ショーの提案を挙げた。
「これから、僕とキミで一騎打ちと洒落込もうじゃないか。アリス御一行様にはそれを見届けてもらい、どちらが良かったかを判定してもらう。ほら、こういうのなんて言うんだっけ?」
「ふむ?? どっちが強いでショー?」
「そうそう! 物分りが良くて助かるよ!」
クスクスと歪に笑うマーダー・ラビット。アリス御一行は麗刃を心配する声を上げるが、麗刃はそれを受けて立った。無理に戦うことはないという声がアリス御一行から上がったが、麗刃には引くという考えはなかった。
なぜなら、彼は……。
「わたしがここで引いてしまったら、ショーが終わってしまうのだからな!」
生粋のエンターテイナー。先祖代々武人の家系に生まれたとはいえ、その変人っぷりはどんな任務でも幾度となく発揮されてきた。今回だってエンターテイメントを提供する側に回るだけだ。
アリス御一行に被害が加わらぬように少し距離を取り、彼は二つの刃をしっかりと構える。その姿はどこか、左右の剣を軽く振るだけで多大な威力をもたらす剣士の姿にも見える。マーダー・ラビットはそんな麗刃の様子にもヘラヘラと笑い続け、適当に武器を選んでその手で揺らしていた。
一歩、二歩と歩み寄るマーダー・ラビット。じわじわとすり足で距離を縮める麗刃。お互いの攻撃の範囲が重なったその瞬間、マーダー・ラビットの身体が動いた。
素早く麗刃の腕を切り落とさんと裁ち鋏を振るい、麗刃の腕に僅かな傷をつけた。一撃目はその速度に慣れきれずに見切ることは叶わなかったが、二撃目はそうさせまいと麗刃は攻撃を見切って少し大きな脇差を振るい、右手に持っていた裁ち鋏を弾き落とす。
その一撃はマーダー・ラビットにとっては予想外の大威力。彼の細腕には麗刃の振りかぶった剣の衝撃が大きく伝わっているのか、痺れて次の武器を持つことが出来ないようだ。その隙を突いて麗刃はサムライブレイドを一薙ぎ、大きな脇差をもう一薙ぎ振るった。
「ッ、やるじゃないか……!!」
マーダー・ラビットが小さく苦言を漏らし、左手に武器を構え直して麗刃へ飛びかかろうとしたところで、いくつかの石がマーダー・ラビットに向けて投げられた。それらはアリス御一行による邪魔のようで、麗刃への攻撃を止める役割を持ってくれた。
「残念だが、きみのエンターテイメントには批判の声が多かったようなのだ」
再びサムライブレイドと大きめの脇差を構え、今度は二刀流の連続攻撃を叩き込む麗刃。マーダー・ラビットの防御も虚しく、その身体は大きくウサギのように跳ねて飛んだのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ルナリリス・シュヴァリエ(サポート)
何かお困りですか? 私は旅の聖剣使いです
誰かの力になりたい、そんな思いから猟兵活動をしています
私で良ければ力になりましょう。
お人好しな性格で、並みいる敵を聖剣でなぎ払い、罠やトラブルは体当たりで乗り越えていく
そんな突撃隊長的なキャラクターです。
あとはお任せで、よろしくおねがいします。
ウォーヘッド・ラムダ(サポート)
一人称、二人称、性格等はプロフィールを参照。
■戦闘行動
敵への接近、または敵からの攻撃回避は装備『フライトブースター』『ダッシュブースター』を使用しての回避行動。
防御に関しては装備『アサルトヴェール』>『重厚シールド』>『超重装甲』の優先順位での防御行動。
攻撃に関しては『ASMー7』『LLS-3』をメインにしつつ、他装備も使用。
強襲用ってことで自分への多少の被害が承知済み。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動は無し。
また、"本目的に関係ない"NPC民間人への攻撃行動は無し。(やむを得ない牽制・威嚇射撃は有り)
あとはおまかせです。
アドリブ歓迎
●狂気のウサギは飛び跳ねる
「ああ、もう、本当に猟兵っていうのはショーの意味も理解しないんだなぁ!」
その手に持った裁ち鋏と糸を用いて二人の猟兵と交戦するマーダー・ラビット。その相手をしている二人の猟兵というのは、ルナリリス・シュヴァリエ(剣姫サキュバス・f25397)とウォーヘッド・ラムダ(強襲用試作実験機・f18372)。アリス御一行を守るために呼び出された者達だ。
ルナリリスが聖剣アストライアを振るってアリス御一行に近づけさせないようにマーダー・ラビットに切りかかり、ウォーヘッドが都度アリス御一行を守りながら自機に装備されたフライトブースターとダッシュブースターを使いヒットアンドアウェイを繰り返す。
二人の連携は事前の作戦会議がなくとも、ぴったりだった。アリス御一行に何らかの危険が迫れば、ウォーヘッドが情報処理装置ILS-4を用いて危険区域・非危険区域を分けたマッピングを行い、素早く御一行を非危険区域へ移動させる。移動の合間にはルナリリスがマーダー・ラビットを取り押さえるため、御一行には一切の怪我を負わせることがなかった。
「Ms.シュヴァリエ、こちらの準備はいつでも」
「わかりました。同時に行きましょう!!」
二人はアリス御一行を十分に引き離し、持てる限りの力を以て戦いを激化させた。
ルナリリスのユーベルコード『セレスティアル・フレア』によって聖剣アストライアの光を迸らせ、マーダー・ラビットが怯んだ隙に一気に連続攻撃を叩き込む。本来ならば見切ることが出来るであろうその剣筋は、戦いに疲れているマーダー・ラビットには見切ることさえも叶わず。
「がはっ……っ!?」
地に叩きつけられた男は、次にウォーヘッドのユーベルコード『対重装甲用サブマシンガン』を以て上空へと打ち上げられた。セーフティを解除した対重装甲用マシンガンは生身の体で受けるには強すぎる衝撃であり、如何に猟書家といえども対策がなければそのダメージは凄まじいものだ。
何度も何度も、ルナリリスとウォーヘッドの交互の攻撃にマーダー・ラビットは手も足も出なかった。だからこそ、アリス御一行を狙って何度も攻撃の手を伸ばしても、それは二人の猟兵によって阻まれる。
難しくないはずなのに、簡単なはずなのに、どんなに手を伸ばしても叩き落される。
ウサギが飛び跳ねるように宙に浮いては地に倒れ、また手を伸ばしても宙に浮いて。狂気のウサギは飛び跳ねるショーを繰り返す。
やがて、マーダー・ラビットは動きを止める。持っていた裁ち鋏が音を鳴らさなくなったことで、彼が斃れたと判断したルナリリスとウォーヘッドは、アリス御一行へと駆け寄った。
●これからのこと
アリス御一行は、猟兵達に礼を述べる。骸の海へ落とされることがなくなり、安心感を得ていた。
だがしかし、アリス御一行はウサギ穴を通じて自分達の扉を探していた。それに関しては案内役だった者がいなくなり、若干の不安を覚えている。
それでも、彼女達は前へ進むと決めた。いつしか見つかるであろう扉を探すのは、運命であるのだからと。
―――狂気ウサギの音楽祭は、これにて閉幕。
また新たな迷路が生まれるまでは、静かなアリスラビリンスへと戻ったのだった。
成功
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最終結果:成功
完成日:2020年11月18日
宿敵
『マーダー・ラビット』
を撃破!
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