ワルダーランドで鞭女を撃破!
●イッツアボンテージワールド
キマイラフューチャーの住民は今日も刺激を求めている。
ファッションや食事、SNSで映えるスポット──そうだ、街に出れば何かに出会える。
わくわくタウンの広場は今日もキマイラ達であふれていた。
カラフルな高層ビルや店の色彩、絶えず流れる最新の音楽、五感を絶えず刺激するそれらの中には既に流行の主流から外れているものもある。
見慣れないものがあればイコール最新の何かだ。わくわく。無邪気で好奇心旺盛なキマイラ達を陥れようとする極悪非道の悪の華が今、咲こうとしていた。
黒いボンテージを身に着けたモグラやカエル、ネコの着ぐるみを被った一団がキマイラ達を取り囲む。
「おじちゃんたちだーれ?」
幼いキマイラが首をかしげる。
『ハハッ! 僕たちは夢と魔法の国ワルダーランドのげぼ……仲間たちだよ』
じゃーん!と口にしながらポージング。
頭に?マークを浮かべるキマイラもいればカワイイとはしゃぐキマイラもいた。
『つい最近できたばかりの遊園地ワルダーランド。今なら先着1000000000人ご招待キャンペーン中なのさ!』
『超音速メリーゴーランドに時速1000kmコースター! プリンセス・D・ワルダー城で女王系お姫様体験!』
夢のような世界さ~~♪送迎バスはこちらだよ~~♪と歌い踊るボンテージ着ぐるみ集団にキマイラ達は目を輝かせる。
かくして黒塗りの大型バスが駐車するスペースへとキマイラ達は移動し始めた。
一方その頃。
「オーッホホホホ! 誘拐作戦は順調のようね!」
猟書家『ドーラ・ワルダー』の高笑いが響き、鞭が振り下ろされる。
『はうぅ! 最高です、ドーラ様!』
すらりと伸びた彼女の足元には四つん這いの姿勢で恍惚とした様子のボンテージ着ぐるみ、もとい下僕怪人達。
「わたくしがプリンセスという設定の遊園地を餌にここ魔城ワルドーラへと下僕候補を誘拐する」
真実と嘘が絶妙に混じり絶妙に現実味のある話を展開する、狡猾で残酷な作戦だと自画自賛の高笑いが再度響いた。
「キマイラ共を集めて集めてバスに押し込めて早く連れてきなさい!
わたくし自らが片っ端から忠誠を誓う下僕怪人にしてあげましょう!」
下僕怪人達が作成した電子チラシ(プリンセスなドレスにボンテージをあしらったスタイルのドーラがポーズをとっている)が紙吹雪のように舞い首領の悪の美に華を添える。
●グリモアベース
「猟書家が動き始めキマイラフューチャーが危機なのじゃー!」
グリモア猟兵氷長・霰(角型宝石人形、なわけないのじゃ角娘じゃ・f13150)が猟兵を集める。
「猟書家『ドーラ・ワルダー』が起こす騒動について予知したのじゃ」
ドSで自身の美貌と能力に絶対の自信を持つ女王様……ではなく悪の組織「ワルドーラ」の首領である彼女の目的はキング・ブレインの目論む悪の組織連合による世界征服の実現。大量の下僕怪人を確保するためにキマイラ達を偽の遊園地「ワルダーランド」で誘い、バスに乗せて誘拐する作戦が行われようとしているのだ。
「今から皆を転送する頃にはちょうど送迎バスにキマイラ達を乗せ終え発射寸前。誘拐を阻止できる最後のチャンス。まずはドーラの下僕として現地で誘拐を実行しているつよくてクールなアニマルズを倒してほしいのじゃ!」
下僕怪人としての証なのだろうかつよくてクールなアニマルズは全員黒いボンテージを身にまとっている。特に戦闘力が上がった様子はなく他の怪人と区別がつく程度だとグリモア猟兵は付けたし話を続ける。
「巻き込まれたキマイラ達はたまたまその場にいた一般人。猟兵のような力はないので助ける必要がある」
新しいものとかっこいいものが大好きなキマイラ達。
活躍する猟兵達の姿を見たら巻き込まれない安全な場所からエールを送ってくれるはずじゃ!とぱっと明るい顔を見せグリモア猟兵は立ち上がった。
「ボンテージ着用の怪人達と猟兵の皆が戦う!
下っ端っぽい怪人達がドーラ・ワルダーの居場所を吐く! 多分!
ドーラ・ワルダーの根城に乗り込み倒す! 完璧な作戦じゃ!」
平和になったキマイラフューチャーを恐怖に陥れようとする非道な悪の組織。
「キマイラ達声援をパワーに頑張れ猟兵! なのじゃ!」
その野望を打ち砕くのは猟兵のスーパーな活躍!
硅孔雀
硅孔雀です。
悪の組織が偽●●で市民を騙そうとする回が好きです。
そうならんやろ的なネーミングや施設もあると完璧。
●目的
猟書家『ドーラ・ワルダー』の撃破。
●構成
第1章:集団戦『つよくてクールなアニマルズ』
開けた広場に数台のバスが止まりボンテージ姿の怪人がキマイラ達を誘導しています。
丁度バスに全員を怪人が乗せ終えた直後に猟兵が転送されそのまま戦闘開始です。怪人達は真っ先に猟兵を狙います。誘拐されそうなキマイラ達は安全な場所(車内や脱出して離れた場所)から応援をしています。避難誘導等は不要です。
第2章:ボス戦『ドーラ・ワルダー』
なんやかんやあってワルダーランドに到着します。
看板キャラ兼プリンセスポジションのドーラ・ワルダーとの対決です。
キマイラ達もなんやかんやで駆けつけて猟兵の皆様を応援します。
●プレイングボーナス(全章共通)
キマイラに応援される。たまたま通りかかった集団なので戦力は全くありません。
●その他
・かっこいい猟兵の皆様の活躍がんばえー!で進む戦闘系ゆるゆるシナリオです。
・各章断章を投下後プレイング受付をいたします。その他連絡事項があれば随時MSページで更新します。
・文字数節約事項などもMSページに記載しておりますので目を通していただけますと幸いです。
第1章 集団戦
『つよくてクールなアニマルズ』
|
POW : モグラさんドリル怪人・ウェポン
【モグラさんドリル兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : カエルさん殺法怪人・ジェノサイド
【カエルさん殺法攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ネコちゃん拳法怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ネコちゃん拳法】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●vsボンテージつよくてクールなアニマルズ
猟兵達がキマイラフューチャーわくわくタウンの広場へと転送された。
カワイイものかっこいいものが溢れるその場所の駐車スペースに並ぶ黒塗りの高級そうなバスが数台。
──やたらとトゲが映えていたり、拘束具のような模様が書き込まれパンキッシュである。
『エナメルボンテージプリンセス衣装で君もプリンセス・D・ワルダー様になれるぞ!』
『手下のブーさん鞭しばき放題アドベンチャーがお勧めだ!』
キマイラ達をバスへと案内するボンテージファッションのつよくてクールなアニマルズ。
とても、異様だった。
『……! こ、この正義のオーラは!?』
アニマルズが振り返る。
『『く、くそー! 完璧な作戦だったはずなのに!』』
十文字・真
【心情(心の声)】昔のヒーロー物とかでこんなシチュエーション見たなぁ…さすがに古い気もするが…まあ、何はともあれ倒さないとな。
【口上】ふはははは!神、ここに降臨!我が名は十字神(クロスゴッド)!無垢なる子羊達を拐かす愚かな獣(ビースト)達よ…!この神(ゴッド)が相手をしてくれよう!(表でしゃべる時は常にこの厨二口調で)
【作戦】ドリルや拳法は【見切り】で回避するか【武器受け】で防御!こちらは黒き騎士(ブラックナイト)を召還し敵を蹴散らす!止めは十字斬撃波だ!
「無垢なる子羊達は…我が守護する!(ポーズ付き)」(絡み・アドリブOK)
(昔のヒーロー物とかでこんなシチュエーション見たなぁ……)
金の瞳を揺らし、目の前の光景を確認する。
観光バス(トゲ付き)の前でたむろする怪人達。
(流石に古い気がする……が、)
バスの窓際には幼いキマイラが目を輝かせて外を眺めていた。ドーラ・ワルダーの企みなど知らないであろう無邪気な存在。
(……まあ、何はともあれ倒さないとな)
十文字・真(十字神(クロス・ゴッド)・f25150)14歳。
その心は厨二病まっさかり。
「我は神(ゴッド)! 十字神(クロス・ゴッド)である!
──悪逆非道な行いを断罪しようではないか!」
わくわくタウンの広場のタイルを蹴りつけながら十文字はバスのいる方へと駆け出して行った。
カエルさん殺法怪人の一団は空気の流れが変わったことに気が付いた。
『な、なんだこの気配は!?』『ポリスでも来たのかケロ!?』
ボンテージがカエル肌に食い込む痛みも忘れきょろきょろと当たりを見回し──。
『あ! バスの上に誰か!』
一斉に目線を上げ、バスの上に立つ『それ』を指さした。
「ふはははは! 神、ここに降臨! ──我が名はクロス・ゴッド!」
それが地面へと華麗に舞う。
『くろす……ごっど……?』
「漆黒の闇夜よりその悪行。見ていたぞ!」
尊大な態度でクロス・ゴッドは怪人へと視線を向ける。
「無垢なる子羊達を拐かす愚かな獣(ビースト)達よ……! この神(ゴッド)が相手をしてくれよう!」
『正義の味方か!』
怪人の集団がゴッドを取り囲むが、彼は涼しい顔のままバスの中を確認。
興味深そうにゴッドを眺めるキマイラ達の様子に内心安堵し。
「くくく……無垢なる羊たち貴様等は黒き檻の中よりゴッドの活躍を眺め、栄光を讃えよ!」
訳:無事でよかった。安全な場所から応援してくれると嬉しい。
『させるものか! 集団でリンチだー!』
かくして、クロス・ゴッドこと十文字と怪人の死闘が始まった。
『くらえ! カエル殺法ぬめぬめ打撃!』
ボンテージにぬめぬめした体液が塗され、抵抗を減らした拳がゴッドを襲う!
「ははっとまって見えるわ!」
愛用の【十字剣(クロスブレード)】の切先で拳を受け止めそのまま体勢を崩すようにゴッドが薙ぎ払う!
ぐへっと声を上げ下がる怪人の後ろにはまだまだ仲間がいる。
(数が多い……ここは……)
『ごっどさんかっこいい!』『がんばれー!!』
「へ?」
一瞬素の十文字の声が出てしまった。バスの中からあがる歓声。
(お、おれを応援してる!)
キマイラ達はキラキラとした顔と明るい声で応援している。
「はははは! 力が高まって来たぞ! 我の力、今こそ開放の時!」
高らかに叫び、精神を集中させる。
『隙だらけだ! 今のうちに囲んでぼこれー!』
集団リンチをもくろむ怪人達。しかし次の瞬間に黒き騎士(ブラックナイト)により空へと投げ出された。
『ぐへっ!』『なんだっ!』
「これぞ我が意志、ブラックナイトの力! そして!」
「クロス・ゴッドが裁く……貴様らは……処刑だ!」
ビシッ!と怪人達の集団にゴッドハンドはかっこをつけながら指をさす。
一瞬空が黒く染まり──ユーベルコード:十字神の裁き(クロス・ジャッジメント)が発動した。
天から降り注ぐ黒の光。
『『ギャー!!!』』
爆発!四散!しかしバスは安全!
「無垢なる子羊達は……我が守護する!」
土煙の中から現れたのはクロス・ゴッド唯一人。
かっこいいポーズ付きで、地に立つ彼を迎えるのは大歓声。
「すげー! 一人で倒した!」「クロスゴッド最強!」
「くくく……ふふふ……はーはっはっは!!」
大成功
🔵🔵🔵
中小路・楓椛
(アドリブ連携歓迎)
SPD
ええと…これ(視覚の暴力ボンテージ)をどうにかしろと?
……UC【とりにたてぃす】発動、全長50m級の機械仕掛けの神様の両の肘から先のみを背後中空に召喚、マスタースレイヴ動作でデコピンを超連射して発生させた亜音速衝撃波で纏めて吹っ飛ばして無力化します。
中止できない超高速連続攻撃なら初撃回避すれば向こうも動いているだけの的ですね。【残像】【カウンター】で後の先は取れます。
こっちの世界の基準が良くわかりませんが…子供にロボット要素の受けが良い…といいですね?
それにしても…皆ボンテージ…この世界は嗜好に対し実に寛容なのですね……。
わくわくタウン広場、並ぶ黒塗りのバスとキマイラ達を誘導しているボンテージな怪人達。
「ええと……これをどうにか、しろと?」
中小路・楓椛(流しの家事手伝い狐・f29038)が小首をかしげると妖狐の尻尾も同じ方向にふわりと揺れる。
(……視覚の暴力ですね)
どうしたものかと考えを巡らせる中小路の尻尾が反対方向に揺れて。
「わ!見て、あの子カワイイ!」「もふもふの狐さんだ!」
バスに乗っているキマイラ達は愛らしい存在がいる、とはしゃいでいた。
『ん? 誰かいるのかケロ?』
カエルさん殺法怪人が中小路に気が付き、声を上げ中小路の元へ駆け寄る。
「あら」
『げ、俺たちより可愛い系!』
ボンテージを食い込ませながら動揺するカエルさんの姿をした怪人。
「かわいい……かわいい……?」
あまり馴染みのないここキマイラフューチャーの美的センスや価値観というものは実に難解だ。
『ドーラ様リスペクトの美しいボンテージも映えているだろう!』
「はあ……」
バスの様子も伺ってみるが、キマイラ達は特に気にせずボンテージ怪人と自分を交互に見てケータイらしき何かを構えている。
(わたしもボンテージの方もこの世界では一般的な存在、であると)
『可愛い対決は俺たちの勝ちだから猟兵はあっちにいけー!』
勝ち誇ったように中小路を排除しようとカエルさん殺法怪人の構えから攻撃を繰り出す。
「!」
咄嗟に回避し、中小路は彼らの動きを冷静に解析する。激しい音と共に自分が立っていた地面が大きくえぐられ、尚も攻撃が続く。
(成程。超高速での連続攻撃。ただし、中止はできない)
『狐鍋にするケロ!』
拳での打撃、足から繰り出される蹴りを残像すら残る身のこなしで避けながら中小路は考える。
(初撃を回避すれば向こうは隙だらけ。否、もはや動いているだけの的ですね)
後の先を確実にとっているのは中小路であることをまだ知らない怪人達をどう無力化するか。
「……この世界の人のお口に合うかは、わかりませんが」
狐のしっぽが揺れ、空気も揺れる。
「永久に横たわれるものは死せずして、奇異なる永劫のもとには死すら死滅せん」
中小路の立つその地の空中、ゆらりと見えないはずの境界がこじ開けられる。
『『なんかでてくるケロー!!』』
キマイラフューチャーはわくわくタウン広場の空中にゆっくりと姿を現すのは。
「こっちの世界の基準はよくわかりませんが……ロボット要素です」
巨大な蛇よりも太く、どんなビルよりも輝く。
それは全長50m級の機械仕掛けの神、それの両の肘から先。
バスの中にいるキマイラも、たまたま広場にいたキマイラも、そして怪人すらも。
『『かっこいー!!』』
『『ロボ!! ロボが動いている!!』』
黄色い歓声を上げ、神を見上げていた。
「……受け、いいみたいですね」
『なんだケロなんだケロ。かっこよすぎだケロ!』
ボンテージに着けられた棘を揺らしながら怪人達が攻撃を再開する。
「すげー! 可愛い狐さんがロボット召喚した!」「スーパーヒーローショーじゃん!」
四方八方から飛んでくる歓声とに中小路は少し戸惑うが、キマイラ達から応援されてどこか胸が暖かくなり、思わず笑みをこぼす。
「これが応援の力ですか。ならばその声にこたえましょう」
『是非そのロボを悪の組織に……ギャー!!!』
バチーーーーーン!!!
わくわくタウンに響く巨大な音。どこかに吹っ飛んでいく怪人達。
中小路の背後中空。両腕がそれぞれデコピンのポーズをとっている。
「デコピン超連射で生まれた亜音速衝撃波。纏めて吹っ飛ばすにはちょうどいい、みたいですね」
『な……バチコーン作戦だと!?』
「……そう、ですね」
どこか嬉しそうな怪人達。吹き飛んでいくたびにキマイラ達が喜びはしゃぎ。
いつしかバスの中から出てきた怪人は皆いなくなっていた。
「ちいさい狐さんがロボ召喚するとかSNSで超バズった! ありがとう!」
乗客のキマイラ達の元へ中小路が駆けつけると皆笑顔で。
「ほら、ボンテージの怪人さんのやつよりイイネめっちゃついてるよ」
「ボンテージ……この世界は嗜好に対し実に寛容なのですね……」
大成功
🔵🔵🔵
ミリィ・ライジング
【ライジング兄妹】○
キマイラの皆さんの心を掴むには、
とにかくカッコよく戦うのが一番だよね。
「確かに完璧な作戦だったよ。宣伝が派手すぎる事を除けばね」
【情報収集・偵察・目立たない・盗み】で獲得した電子チラシを片手にヒラヒラ。
UCは【ダッシュ】からの【ジャンプ】で【重量攻撃】の一撃を叩き込むよ!
「一・撃・必・殺! どーんッ!」
ビリー・ライジング
【ライジング兄妹】○
キマイラフューチャーでの戦い方はただ一つ。
それはキマイラ達が感動させる戦い方だ。
「お前達の企みは、とっくにお見通しだぜ?」
敵に余裕の表情を見せて、【挑発】。
敵にレイピアの刺突攻撃と見せ掛けた【フェイント】で、
【高速詠唱】のUCで拘束したら、ミリィに合図を送る。
「ミリィ、行け!」
ドーラ・ワルダー配下のボンテージな怪人達は猟兵の襲撃に気が付く。
『くそう! 完璧な作戦だったはずなのに!』『は、早くバスを発進させるモグ!』
慌てふためく彼らは、気が付かなかった。
「全く。あんなに派手な見た目で大掛かりな作戦をして、ばれないと思っていたのかな?」
ミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)のプラチナブロンドの長髪が風に揺れる。
「ああミリィ。キマイラフューチャーの皆がお人好しとはいえ許せないな!」
短い金髪を撫でながらビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)が答える。
二卵性双生児のライジング兄妹はボンテージな怪人達の前に躍り出た。
『誰だ貴様等!』
「キマイラ達を助けに来たヒーロー、って所?」
「お前達の企みは、とっくにお見通しだぜ?」
慌てふためく怪人達の前でミリィは見せつけるかのように紙の束をひらひらと片手に取りながら仰ぐ。
「確かに完璧な作戦だったよ。宣伝が派手すぎる事を除けばね」
『そ、それは……俺たちが配った電子チラシ!』
「ふふ。ここに駆けつける前にほんの少し探らせてもらったわ。甘かったね!」
ミリィは勢いよく電子チラシを空中に放り投げ──それが合図であった。
「ビリー、行くよ!」
「わかったミリィ!」
最小限の会話で最大限お互いの力を引き出すことができる。それがライジング兄妹の最大の強みだ。
兄妹と怪人達の衝突に、キマイラ達が気が付きヒーローショーの一環だと騒ぎ始め。
(キマイラフューチャーでの戦い方はただ一つ。)
ビリーの視線に気が付いたミリィがアイコンタクトを送る。
(うんキマイラの皆さんの心を掴むには、)
「キマイラ達を感動させる戦い方で勝つ!」
「とにかくカッコよく戦うのが一番!」
最初に怪人達の前に躍り出るのはビリー。手に持ったレイピアを深く握りなおし、カエルさん殺法怪人の群れへと突っ込む!
『ケケケ! 刺突攻撃はさせないケロ!』
必殺カエルさん殺法攻撃が槍のリーチを躱し、超高速連続攻撃が繰り出される!
ミリィをかばうように立っていたビリーの頬を拳がかすめ、鮮やかな鮮血の線が走るとキマイラ達から悲鳴が上がった!
「大丈夫! 俺はこれ位で倒れるないんだぜ!」
ニヤリとビリーは笑い尚も怪人達を引き付けるように、纏めるように身を乗り出し動き続ける。
怪人達が密集し、刺突攻撃に備え防御をしたその時をビリーは狙っていた。大きく槍を構え、怪人の壁に向かい大きく突き刺す──フリ!
「光よ、命よ、魂よ。彼の者を束縛しろ!」
次の瞬間、黄金の鎖が怪人を縛り上げ、力を吸収する。ビリーのユーベルコード:全てを拘束する鎖(チェーンゴールド)で生み出された鎖の中で怪人達はもがき、苦しむが拘束は決して取れない。
『グワッ! 体が動かせない!』
「この時を待っていたんだ! ──ミリィ、行け!」
「ええ、兄さん!」
ビリーの背後からミリィが現れた。怪人達までは数メートルの距離がある。兄と妹は一瞬目を合わせ、大きくうなずいたミリィはダッシュ!そのまま足で地面をけり大きくジャンプ!
「一・撃・必・殺! どーんッ!」
重力を乗せたユーベルコード:ヒップアタックが一気に怪人達を押しつぶす!
何故か爆発と共にカラフルな煙を噴き上げ、怪人が消えていく。
『くっ……モグラ必殺ドリル回転!』
「っ!」
ミリィのヒップアタックを避けていたモグラさんドリル怪人がミリィの死角から足元を狙い、回避を試みようとするが足に鈍い衝撃が走る。
「ひきょーものー!」「せいせいどーどー戦えー!」
それは、キマイラ達のブーイング。
そして
「おにーさんおねーちゃん頑張ってー! 負けるなー!」
ライジング兄妹へと熱い声援が送られ、ビリーとミリィは思わず顔を合わせ笑う。
「凄いね。元気が出てきた!」
「ああ! このまま一気に押し切ろう!」
お互い怪我はしているが、キマイラ達の声援を聞いていると痛みなど感じない。
「「さあ、勝負はこれから!!」」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
数宮・多喜
◎
【ボンデージ姿】
そこまでだよ!
油断させるためにボンデージ姿で、
アニマルズの間にしれっと混ざりながら
やおら隣を殴り飛ばす!
仲間割れじゃないよ、アタシは猟兵、キマイラの皆の味方さ!
だからそんな引かないでぇぇぇぇぇ!?
でもまぁ、こうして応援(?)を貰いながら戦えるなら
久々にあの感覚に目覚められそうだね。
第七感に目覚め、一気に【レイブン】と成るよ!
(でもボンデージ姿)
この感覚を研ぎ澄ませた状態なら、
カエルさん殺法がなんぼのもんさ!
変則的な一撃を『見切り』、『カウンター』の『グラップル』で
一気にボコボコにするよ!
これで運転手も居なくなって一安心、って
だから同士討ちじゃないってばぁぁぁぁぁ!?
メテオラ・エルダーナ
「はいストーップ!キャンペーン中止のお知らせでーす!
みんなを騙して改造しようなんて、この私が許しませんよ!!」
バスでの連れ去りを強行されないように、氷の【属性攻撃】でタイヤを凍結。
大声で敵の作戦をバラして、キマイラのみんなには自主的に逃げてもらいましょう!
避難誘導(?)が済んだら、あとは小細工なしの速攻勝負!
動かれる前に【範囲攻撃】全開の『円閃剣』で、
見えるだけまとめて真っ二つ、です!
中には回避が間に合う敵も居そうですけど、
よほどの数が残ってなければ、私の機動力で十分振り切れるはず。
カエルさん殺法、恐るるに足らず!
「速すぎて動画映えしないかも!けど我慢してね!」
◎○
ボンテージな怪人達は焦っていた。どうにも様子がおかしい。ドーラ様は大量のキマイラを誘拐せよと仰られていたが、猟兵達が駆けつける前に個々で偽遊園地・ワルダーランドへ向かうべきではないか。
『こちらわくわくバス10号。せ、先行してしゅっぱ……』
運転手なボンテージ怪人の一人がそう無線に向かい叫んだ。
その時であった。
「そこまでだよ!」
バスの中から声が響く。
『な! き、きさま……ギャー!!!』
『10号! 10号応答せよ!』
別のバスの怪人は慌て、咄嗟にアクセルを踏み込もうとする。
「はいストーップ!」
バスの外から声が聞こえる。
『!?』
2つの衝撃。それは、2人の猟兵が行動を開始した合図であった。
●
バスの外。ぽかぽかした空気が少し冷え込んでいた。
「よし! これでもうタイヤは固まったわね!」
猫の耳はピン!と立ち、ネコのヒゲもピん!と伸び。そして2本の猫の尻尾がピンと立つ。キマイラの少女メテオラ・エルダーナ(まほうつかいキャット・f05337)はキマフュ生まれキマフュ育ち。楽しそうなことと派手なことは友達を通り越してズッ友である。
「全く。新しくて楽しいものでキマイラの皆を騙すなんて酷いです」
だけど、と付け足しえっへんと胸を張る。金の瞳が見るのはかちこちに固まったバスのタイヤの数々。
氷の力を込めた攻撃を行いバスはもう動かない。これでバスでキマイラ達の誘拐が強制されることはないのだ。大きく息を吸いメテオラはバスの方に向かい叫んだ。
「キャンペーン中止のお知らせでーす! みんなを騙して改造しようなんて、この私が許しませんよ!!」
何が何だかわからない、といった様子でバスの窓を開けるキマイラ達。
メテオラは大きく手を振りながら説明する。
「ワルダーランドなんて嘘です! わるーい怪人が皆さんを攫おうとしているんです! ですから早く降りて避難してください!」
そこまでメテオラが声を張り上げ説明すれば、キマイラ達は動き出す。
『あ、くそアクセル効かな……お、おい! 勝手に下りないでください!』
ボンテージ怪人達は慌ててキマイラ達を止めようとするが。
『皆! 他のバスも避難を開始したよ! アタシもそこの猟兵もキマイラ達の味方さ!』
無線から響くのはボンテージな怪人達ではない声。
「嘘ついていたのかー!」「金返せー!」
『か、金はまだ払ってな……ぎゃー!』
降車するキマイラ達の波にのまれボンテージな怪人が外にはじき出される。
『くそ……何が起きているんだ!?』
●
数刻前。別のバスの中。
『もーすぐバスが発車するよー♪ シートベルトをちゃんとつけ……って』
運転手ボンテージ怪人が不意に立ち上がったボンテージを纏った影に声をかける。
『ボンテージフレンズ! お客様真似しちゃうから立ち上がるのは……ぐへっ!!』
運転手は、宙を飛ぶ。
ボンテージアニマルズの座る席に彼女はしれっと紛れ込んでいた。
「全く。この格好なら油断して乗り込めると思ったら皆気が付かないもんだねえ」
猟兵数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は苦笑する。
バスのミラーに移るその姿──ボンテージを纏う猟兵が、そこにいた。
「っと。皆、仲間割れじゃないよ。アタシは猟兵……!?」
乗客達のいる方向へと数宮は振り返り、安心させようとへらりと笑った。そこまでは良かった。
「ぼ……暴力ボンテージおねーさん?」「刺激的、だね……?」
(ま、まさか!?)
「大人っぽいヒーローショーなんだね……」
「だからそんな引かないでぇぇぇぇぇ!?」
キマイラ達はまだ、怪人同士のショーか何かだと思っているようだ。
「違うよ! キマイラの皆をここのボンテージな怪人が攫おうと……!」
慌てて数宮は弁明する。
と、同時に近くにいたバスが妙に騒がしくなっていることにキマイラ達と数宮は気が付く。バスの外には仁王立ちのシルエット。乗客たちが慌てて降り始めている。なんだなんだと皆が釘付けになる中数宮は瞬時に状況を理解していた。
(猟兵の誰かが動き始めたんだね。なら!)
備え付けの無線機に向かい数宮は叫ぶ。
『他のバスも避難を開始したよ! アタシもそこの猟兵もキマイラ達の味方さ!
大丈夫。あとは猟兵がアニマルズをぼっこぼこにするからね!』
数宮はもう一度振り返る。先程まで困惑していたキマイラ達もどうやら状況を飲み込めたようだ。
「ボンテージのお姉ちゃん! 凄いショー見せてくれるんだね! ボンテージ大戦!?」
ワーキャーと歓声が上がる。
「ボンデージお姉さんじゃないってぇぇぇぇぇ!?」
●
メテオラと数宮、二人の猟兵が偶然にも乗客のキマイラ達を動かし、彼らは安全な場所へと避難を完了させた。
残るは計画のばれたボンテージアニマルズ。
乗客達は既にバスを離れている。こうなったら!とやけくそのようにボンテージアニマルズは大集結し。
「集まり切る前に動きます!」
ここから先は小細工なしの速攻勝負、メテオラが先行して行動を開始。
『猫が動くぞ! お前ら全身全霊のカエルさん殺法だケロ!』
カエルさん殺法攻撃のための構えを怪人が見せるその刹那。
「危ないから0.1秒以内に100m離れてくださーい!」
カエル怪人達がまとめて吹き飛ぶ。綺麗に円状の範囲から外へとはじき出される。
彼らが最後に目にしたのは巨大な刀身。メテオラが握っている魔法剣がユーベルコード:円閃剣(エンセンケン)の力で巨大化!そして、一瞬の内に展開!
「見えるだけまとめて真っ二つ、です!」
『ケローーーー!?』
素早く移動しながらメテオラは次々に剣技を繰り広げ、その度にキマイラ達の黄色い歓声と怪人の悲鳴が交互に耳に入る。
「速すぎて動画映えしないかも! けど我慢してね!」
目にもとまらぬ速さで先行し、機動力で振り切る。
「……っ!」
しかし、不意に肩に痛みが走る。カエルさん殺法怪人は一度動けばそのまま攻撃を中止できない。
偶然にもメテオラの初撃を避けたまま拳が振り下ろされる。
(まずい、このままもう一度打たれたら剣を振り落とし……)
怪人がメテオラに接近しようとした時。
「ちょっと待ちな! 次はアタシの番さ!」
ボンテージを纏い猟兵、数宮が二人の間に割り込んだ。
猟兵のピンチに猟兵が割り込む。かっこいいシーンだとキマイラが叫ぶ。
(うん。応援だ。そう……アタシは今応援貰いながら戦えている)
鼓膜から脳、脳から心臓。血液を沸かす歓声は沸き、数宮は馴染みのある感覚を思い出す。
「久々にあの感覚まで……目覚められそうだね!」
人々の視線を集めることで芽生える第七感。体を、精神を、加速させる……!
『グォカカカ…ケォォォォ!!!』
ユーベルコード:レイブン(ウマレカワッタラトリニナリタイシッコクノライダー)。
暗黒空間を切り裂く羽ばたく翼、そしてどこから響くけたたましい怪鳥音が周囲を包む!
「……ありがとうございます!」
「はは、大丈夫さ。このまま一気に片付けようか。この感覚を研ぎ澄ませた状態ならカエルさん殺法がなんぼのもんさ!」
メテオラを一歩下がらせ数宮は、否、レイヴンは羽を広げカエルさんな怪人に飛び掛かる!
『くそっ! 奥義、ボンテージ正拳突き!!』
ケロー!と雄叫びをあげ突進し、繰り出すその一撃はしかし数宮は既に見切っている。
相手の勢いをそのまま鏡のように反射するカウンターになるよう体を震わせ、そして渾身の一撃を放つ!
『グギャー!!!』
吹き飛び文字通り爆発四散する怪人!思わず逃げようとする者がいれば。
「まだまだこれからです!」
剣を握りなおしたメテオラが空間事怪人を真っ二つに回転切り!
チュドドドドーーーーーンンン!!!
わくわくタウン広場に響く爆発音と煙。
しばらくした後、二人の猟兵だけがそこに立っていた。
──ボンテージつよくてクールなアニマルズ。完全撃破!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『ドーラ・ワルダー』
|
POW : わたくしにひれ伏しなさい!
【鞭】が命中した対象に対し、高威力高命中の【踏みつけ攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 下僕達、やっておしまいなさい!
戦闘用の、自身と同じ強さの【力自慢の下僕】と【テクニック自慢の下僕】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ : こうなったら奥の手よ!
自身が戦闘で瀕死になると【巨大なびっくりメカ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
イラスト:森乃ゴリラ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ガジル・コリアンダー」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●vsドーラ・ワルダー
結論から先に言うと、キマイラ達は自らバスを出してワルダーランドに向かおうと試みた。
「俺たち騙されていたんだな……ありがとう猟兵の皆さん!」
「「で、次はボス戦なんだろ!?」」
メタタァな発言も出た。
つまるところ、キマイラ達は猟兵の活躍をもっと見たいのであった。
安全な場所からバス内で応援することを条件にバスは電子チラシに書かれていた住所へと向かっていった。
ワルダーランド、と大きく看板が掲げられていたのは郊外にある遊園地。
黒とトゲと怪しい蛍光ピンクなネオンライトで飾り立てられいたが、偽遊園地という名目にしてはやけにしっかりとした作りにキマイラ達は興奮し、猟兵達の中には複雑な気持ちを抱くものもいた。であろう。
「オーッホホホホ! 猟兵とキマイラ達が来てくれるなんて、流石下僕根性の塊!」
ワルダーランドの中央。砲台や物騒なもので武装された城にスポットライトが当たる。
エナメル製のボンテージにスポットライトが幾重にもあたり、女を照らす。
「わたくしの名はドーラ・ワルダー! ようこそここワルダーランド、否魔城ワルドーラに!」
高笑いが響く。
「オーッホホホホ! 完璧にカモフラージュされていてさぞかし驚いたでしょうね。フホーッホッホッホ!」
悪逆非道、極悪非道な悪の組織 『ワルドーラ』のアジトをあえてメルヘンチックな遊園地に偽装する。
まさに悪!
「清廉潔白なプリンセスにも扮してみましたが、ああ、やっぱりわたくしの美の力が勝ってしまいましたわ」
自身の美貌に対する絶対の自信。それはワルダーランド内のスクリーンに浮かび上がる様々なコスチュームにボンテージを無理やりねじ込んだドーラ・ワルダーのコスプレスタイルから分かる。わかってしまった。
「しかし! 下僕共が自ら赴いてしまったのならもう仮装など不要!
わたくし自らがしばいて叩いてお仕置きして調教してさしあげます! オーッホホホホ!」
轟音と共に城は変形! ドーラ・ワルダーは改造されたアジトをバックに仁王立ち!
手に取った鞭をしならせ、猟兵達へとその悪の牙を向けるのであった!
●状況
ワルダーランド、プリンセスのお城前広場での戦闘です。
キマイラ達は安全な場所からドローンを飛ばしたり勝手に配信を始めて猟兵の皆様を応援しています。
中小路・楓椛
◎WIZ
昨今は見た目や性癖に関しては個人の自由を尊重する風潮なのでボンテージについてはもう指摘しませんけど…誘拐はダメですよ?監督責任はしっかり果たしていただきませんと……え?猟書家?改造は殺すの前提?
――汝、罪在り。
【ばーざい】技能全開放、【神罰】【呪詛】を併用しUC【アトラナート】起動。銀の蜘蛛の配下を集団として神威攻性顕現。
拘束からの数の暴力で制圧しつつ、元凶の体幹へ ばーざい を投擲刺突後に、此方も第五元素でフルブーストし跳躍、第五元素を纏って超狐穿孔回転キックを ばーざい に叩き込んで第五元素を解放、爆破して成敗です。
これでギャラリーの皆さんもご満足ですかね?
プリンセス・ワルダー城前広場に中小路・楓椛(流しの家事手伝い狐・f29038)は足を踏み入れる。
看板やお土産店に並ぶのはボンテージを纏う女性の姿。
(「昨今は見た目や性癖に関しては個人の自由を尊重する風潮なので……」)
「指摘することはもうありませんが、」
尻尾をピンとさせ、仁王立ちのドーラ・ワルダー本人へと口を開く。
「何も知らない方への誘拐はダメですよ?」
『オーッホホホホ! カワイイ系の狐系下僕がわたくしの作戦に口をはさむとは笑止千万!」
高笑い。
「キマイラの皆さんは困惑していましたよ。監督責任はしっかり果たしていただきませんと」
中小路の指摘にボンテージ姿のプリンセスは鼻で笑い。
『オホホ! ならワルドーラの首領兼猟書家として責任はとらないといけませんわね……生意気な下僕にお仕置きですわ!』
ドーラ・ワルダーが大きく鞭を振るう。巨大な蛇の如くうねるそれは中小路の立つ広場を破壊し。
「……っと。え? 猟書家?」
杖として持ち歩いている焜鉾「ばーざい」をで襲い掛かる鞭を薙ぎ払いながら中小路は声を上げた。
「でしたら本を持っていませんと」
『下僕怪人を作るついでに狐皮の本をわたくし自らが作りましょう。キマイラ達を殺したあと貴方は時間をかけて殺してあげますわ!』
ぴたり、と中小路の動きが止まる。改造。殺害。
「今なんと? 改造というのはもしかして攫ったキマイラ達を」
中小路の声色の、先程まで抱いていた温もりが冷えていく。
『下僕根性の染みついたキマイラ達を殺し、改造するわたくしの完璧な作戦ですけど、何か?』
「改造は殺すのを前提と?」
『オーッホホホホ! 当然。さあわたくしの配下にふさ』
「――汝、罪在り」
焜鉾「ばーざい」、片刃曲刀の銀が光る。光る。光る……!
生物を殺める事に躊躇しない存在への神罰を。呪詛を。
その武器の真の姿は大術式行使を展開する鍵。
『は!? な、なんですかそれ!?』
中小路を中心に可視出来るほどに濃縮された魔力の奔流。生み出されるのは銀の蜘蛛達。
「神威攻性顕現。術式展開完了……そぉい!」
ユーベルコード:多元霊子複合拘束術式:アトラナート(シコウノオリテ)が発動する。
「さあ、拘束を!」
『く、こ、この、放しなさい!』
魔力の奔流と、蜘蛛の巣を歩む銀の子らがドーラ・ワルダーを拘束し。
ドーラ・ワルダー、元凶の体を正確に貫く体幹へとばーざいが中小路の手から投擲され、その刃が突き刺った。
ぎゃあと悲鳴を上げることすら許さないように物理と霊的両面の拘束はぎちぎちと締め上げる。
「第五元素、フルブースト……!」
巨大なオーラを纏ったかのように中小路は光り輝き、そのまま宙へと跳躍!
足元にはばーざいが突き刺さったままのドーラ・ワルダー。
「──超狐穿孔回転キック!」
突き立てられたばーざいをそのままめり込ませる蹴りの力と、
「……解放」
凝縮された力と第五元素が爆発的に拡散。
巨大な炎と爆風と共に──ドーラ・ワルダー、大爆破!
空中を飛び交うドローンを見上げながら、中小路は穏やかな声で軽く手を振り。
「これで、ギャラリーの皆さんもご満足ですかね?」
大成功
🔵🔵🔵
十文字・真
【心情(心の声)】あいつがボンテージアニマル達の親玉か!…うおっ!美人!しかも格好エロッ!…でもちょっとケバいな…まあ何にしても倒さねえとな!
【口上】フハハハハ!そこのセクスィー漆黒の魔女(ボンテージ・ウィッチ)!謎の儀式はそこまでだ!この十字神(クロス・ゴッド)が相手となろう!行くぞ!と【挑発】するぞ!
【作戦】鞭や下僕の攻撃は【見切り】で回避するか【武器受け】で受け止める!そして基本はワルダー狙いで黒炎や十字斬で攻撃だ!巨大なメカが出てきたらこっちも天使騎乗を使ってメカの攻撃を【見切り】で回避!そしてまたワルダーを狙って黒炎だ!(絡み・アドリブOK)
「──フハハハハ! そこのセクスィー漆黒の魔女(ボンテージ・ウィッチ)!」
『!!』
ドーラ・ワルダーは空から響く声に顔を上げる。
『おのれ、どこから!』
「フーハハハハハ! ここだ!」
プリンセス・ワルダー城は天守閣。暗闇の中から響く声。
キマイラ達が用意したドローンに備え付けのライトが照らし、声の人物が現れる。
「謎の儀式はそこまでだ! この十字神(クロス・ゴッド)が相手となろう!」
十文字・真(十字神(クロス・ゴッド)・f25150、否、クロス・ゴッド!
とぉ!と勢いよく天守閣を蹴り、ドーラ・ワルダーの元へ落下!
(あれが、ボンテージアニマル達の親玉ドーラ・ワルダー……!)
(うぉっ!美人!しかも格好……エロッ!)
アニメに出てきたセクシーな女幹部、テレビ見るの恥ずかしかったな、等と思い出し。
(──でもちょっとケバいな……)
ともかく。
「さあ! 我が相手だ!」
(……まあ何にしても倒さねえとな!)
そして、轟音と共にクロス・ゴッドは悪と対峙する!
『お前たち! やっておしまい!』
ドーラ・ワルダーが鞭の先をクロス・ゴッドへと向け下僕怪人が波のように押し寄せる。
「再生怪人など一撃で沈めてくれる!」
クロス・ゴッドの愛用する【十字剣(クロスブレード】が風を切れば次の瞬間には敵を絶つ。黒い煙と化し消えていく再生怪人達を次々に薙ぎ払いながら金の瞳が捉えるは鞭を構えたドーラ・ワルダー。
『キーッ! 訳に立たない下僕どもめ!』
怒れる悪の首領が動く。黒い鞭がうねりクロス・ゴッドの喉元へ──!
「ボンテージ・ウィッチ! 貴様の攻撃は通用せぬぞ!」
鞭の先端に剣先が当たればあっというまに鞭は切り裂かれた。挑発に我を忘れたワルダーの鞭での攻撃を簡単に退けながら尚もクロス・ゴッドは前に出る。
「十字斬!」
剣から放たれる黒い衝撃波がドーラ・ワルダーを袈裟切りに払えば。
『ぐ、あ……ひゃん!』
ボンテージが更に避け、ぎりぎり光で誤魔化せる位に露出が高まり。
「ハーハッハ……ハッ!」
(「お、おれはこういうハプニングは意図的に起こさないぜ!?」)
『き、きーさーまー! 巨大ロボで踏みつぶして差し上げますわ!』
高笑いを上げることも忘れ、ドーラ・ワルダーが残りの力を振り絞り空へと舞う。
轟音、舞い上がる土煙、プリンセス・ワルダー城が震え──巨大なメカの上に首領が立っていた。
(「クライマックスの悪役巨大化か……!」)
「はは、追い詰められているみたいだな!」
文字通り空から重力と質量で十文字を押しつぶそうとする巨大メカ。
しかし、クロス・ゴッドもまた召喚した天使に騎乗し空中を舞う。
「とまって見えるぞ、ボンテージ・ウィッチ!」
『くそ……ですわ!』
「さあ、我が右手の裁きの炎に焼き尽くされろ! 貴様は焼滅する!」
クロス・ゴッドの右手から放たれるのはユーベルコード:黒炎(ダークフレイム)で生み出された漆黒の炎。ボンテージ纏いし悪の首領、そして巨大な悪のロボにあっという間に燃え移る。
『あっつ! あっつ! 消えませんわ!』
「ハーハハハハハハハハ! これが闇の炎よ!」
最後に響くのは十字神(クロス・ゴッド)の高笑い。
それは、爆発音とともに崩れていく巨大ロボの残骸からでる音より高らかに。
大成功
🔵🔵🔵
ビリー・ライジング
【ライジング兄妹】◎
動画配信するなら、過去の動画も振り返っておくんだな。
多分俺とミリィの活躍も映ってるはずだ。
「その高笑い、さっきから耳障りだ!」
【大声・挑発】で敵に対して、一喝。
ルーンレイピアとマインゴーシュを抜刀して、
炎の【属性攻撃・先制攻撃・2回攻撃・決闘】で召喚された下僕と戦闘。
敵からの攻撃は【見切り・武器受け・盾受け】で防御。
先ほどから動きが鈍い? それは【魔力溜め】してるからだ。
【視力・スナイパー】でボスに狙いを定めて、
【第六感・見切り】でタイミングを見極めて、
マインゴーシュの【力溜め・咄嗟の一撃・吹き飛ばし】でUCの剣を弾く!
ミリィ・ライジング
【ライジング兄妹】◎
真の姿を解放。
容姿は変わらないが、私に憑いてる陰陽師の亡霊が現れる。
(化身は周囲の猟兵、敵にも可視出来る。配信動画にも映る)
「天晴、行くよッ!」
五行手裏剣・五行の護符に、
五行の【属性攻撃・高速詠唱・先制攻撃】を込めて【援護射撃・投擲】。
「お兄ちゃん、サポートするよ!」
ボスの攻撃は防御や回避せず、【激痛耐性】で受ける。
「……不思議と思わないかな。私もあなたと同じUCを持ってるのよ!」
五左衛門を召喚したら、木剣に五行の【属性攻撃・2回攻撃・重量攻撃】。
リボルバーには【誘導弾・貫通攻撃・クイックドロウ】の力を込めて、
五左衛門に託す。
「行って、五左衛門!」
ドーラ・ワルダーと猟兵達の戦闘が始まりキマイラ達は安全な場所からドローンを飛ばし動画を配信し盛り上がる。
「動画配信するなら、過去の動画も振り返っておくんだな。多分俺とミリィの活躍も映ってるはずだ」
頭上にあるドローンをビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)は見上げ、武器のレイピアを掲げる。
「お兄ちゃん!」
ライジング兄妹の妹ミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)が駆け寄る。
二人の視線の先にはふらつきながらも立ち上がるドーラ・ワルダー。どこからか取り出した鞭を振るい、高らかに。
『オーホッホホホホホ! まだまだ負けるわけには』
「その高笑い、さっきから耳障りだ!」
『はひっ!』
不快な声だとビリーは一喝し、ルーンレイピアとマインゴーシュを抜刀する。
「ミリィ。今こそ敵を討つ時!」
「わかったよお兄ちゃん、サポートするよ!」
ミリィも五行手裏剣と五行の護符を構え己の魔力を込める。
「本気でいくよ!」
五行、五種の魔力の奔流、色鮮やかな光に包まれミリィは真の姿を開放!
一斉にドローンのカメラが向けられキマイラ達も固唾をのむ。
「あれ……」「なんか一人増えてない……?」
配信動画に映るビリーとミリィ、そしてぼんやりとした輪郭を持つ誰か。
「陰陽師──天晴、行くよッ!」
キマイラ達が歓声をあげ、ライジング兄妹は敵陣へと駆けていった。
『そちらが二人でくるのなら下僕達、やっておしまいなさい!』
ドーラ・ワルダーの声と共に現れるボンテージを纏った再生怪人達。黒い波の如く溢れるそれらの攻撃を文字通り得物で裂き、道を切り開くのはビリーだ。
「は、数で圧倒しようとはとはいかにもな三下、だ!」
華麗な剣技、そしてビリーの死角からの攻撃を無効化するミリィの援護。息の合ったペアの猛攻に流石のドーラ・ワルダーも顔色を悪くしたが、しかし何かを思いつきに嬉々とした顔で二人を見やる。
『なるほど、息の合った攻撃をするのであれば……そちらから崩せばいいのですわ!』
鞭がしなる、ボンテージがスポットライトを浴びて輝く、ドーラ・ワルダーが跳躍する!
「ミリィ!」
ライジング兄妹を分断するように鞭が飛び、地が割れる。
「お兄ちゃん、私は大丈夫……っ!」
『オーホッホホホホホ、コンビ殺法ここに破れたり、ですわよ!』
再生怪人達はドーラ・ワルダーの意図を理解したのかビリーとミリィの距離を広げるように立ちふさがり、その再生怪人達ごと鞭でミリィを打ちのめさんと猛攻は続く!
『ほら、ほら、ほら! わたくしにひれ伏しなさい!』
「どうしたんだミリィ!」「頑張ってミリィ!」
配信を見ているキマイラ達が悲痛なコメントを動画に残し、現地のキマイラ達も悲鳴を上げる。
『オホホホ! どうやらここまでのようね!』
満身創痍のミリィは──笑う。
「……不思議と思わないかな。私もあなたと同じUCを持ってるのよ!」
『!? ま、まさかお前!』
「痛みは心まで届かない。人も知らず、世も知らず、影となりて悪を討て! 五左衛門!」
ユーベルコード:化身招来・石川五左衛門(ケシンショウライ・イシカワゴサエモン)、ミリィの傷と引き換えに召喚されるは化身の忍者にて義賊の霊。
石川五左衛門──数々の悪代官の悪事を暴いて、盗んだ金銭を庶民に分け与えた義賊忍者だ!
「準備完了!」
ドーラ・ワルダーが圧倒されている間に木剣に五行の力を、リボルバーに悪を討つ銃弾の力をこめ、ミリィは叫んだ。
「行って、五左衛門!」「ウォォォォオオ!!」
託された力、魔力が五左衛門を包み込んだ。
次の瞬間放たれるのは数重の魔力の熱戦、光線、全て貫く白銀のレーザー!
『ぎゃ、ぎゃあああああ!!!』
漆黒に彩られたワルダーランドが光に包まれる。
「おっと……俺もいるんだぜ? ありがとうミリィ、魔力は十分に溜まった!」
『ぎゃ!』
再生怪人達の群れを一閃で消し払ったビリーは吹き飛ぶドーラ・ワルダーの姿を見逃さなかった。
(「計算通り、タイミングも正確。……ありがとう、ミリィ!」)
ビリーは一瞬視線をミリィへと向ける。傷だらけの妹がそれでも笑顔を浮かべ片手を上げ大丈夫と唇を動かせば、手にしたマインゴーシュに込めた力がより一層強まる。
「封印を解くまでもない。お前にはこの一刀で十分だ!」
今度は兄が魔力を爆発的に解放させる。
ユーベルコード:真なる怒濤の剣(グラディアスレッドソード)で作り出された魔力で造った刀剣は輝き。
「これで、終わり、だっ!!!!」
『ぐ。あ、……ぎゃああああああ!!!!』
真夏の日差しのように鮮烈な光がワルダーランドを、キマイラ達を、そしてドーラ・ワルダーを包み込み──魔力は炸裂し、爆発!
兄と妹の完璧なコンビネーションの答え。
それは爆発する悪の居城と首領の爆破であった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
数宮・多喜
◎
【ボンデージ姿】
……(じっと無言でドーラさまを凝視し)
……フッ(『挑発』するように鼻で笑う)
よし!勝った!
あーほらすっかり逆上してすぐ下僕をけしかけるー。
オバンになると堪忍袋の緒も短くなるのかねぇ?
いやぁ、アタシはまだ若くて助かったわー。
だからほら、ボンデージも着こなせてるしー?
どうだい、下僕さんたちよ。
アタシとあのオバサン、どっちが魅力的だい?
キマイラの皆ー!どっちが好きか人気投票やってみないかー!
と『誘惑』……するように見せかけて『言いくるめ』る。
ついでに快感のツボになってそうな『傷口をえぐる』感じで、
電撃の『属性攻撃』を『範囲攻撃』でぶっ放すよ。
きっと天にも昇るような夢心地だろうさ!
「………」
『このわたくしが……負けるなんて!』
「………」
『そこのボンテージ女、何か喋りなさい!』
ボンテージスタイルの数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)、沈黙。
『キーッ!』
じろり、と数宮は茶色の瞳でドーラ・ワルダーを上から下からと凝視する。
「……フッ」
数宮が、鼻で笑った。
「よし! 勝った!」
『キーッ!』
ドーラ・ワルダーは怒りで痛みを抑えたのか立ち上がり叫ぶ。
『下僕達、やっておしまいなさい!』
あふれ出す再生怪人。
「あーほらすっかり逆上してすぐ下僕をけしかけるー。オバンになると堪忍袋の緒も短くなるのかねぇ?」
ケラケラと笑い飛ばす数宮。その身にまとったボンテージのエナメルがドローンによってライトアップされる。下僕のなんだか熱い視線にさらに笑みを深める。
「いやぁ、アタシはまだ若くて助かったわー。だからほら、ボンデージも着こなせてるしー? ──どうだい、下僕さんたちよ。」
アタシとあのオバサン、どっちが魅力的だい?
「「……へ?」」
キマイラ達が、下僕達が、ドーラ・ワルダーが思わず変な声を出した。
「折角中継しているんだ。ここはイケてるキマイラ達に話を聞こうじゃないか?」
『何言ってるんですの!? わたくしの下僕即ちわたくしの美貌に絶対の忠誠を』
「キマイラの皆ー! どっちが好きか人気投票やってみないかー!」
『話を聞きやがれでございますのよ!』
手を振る数宮に答えたキマイラ達がワルダーランドのモニターをハッキング。
【キマイラフューチャーボンテージワングランプリ】と大きく文字が、続いてドーラ・ワルダーと数宮の姿が映し出された。
「準備はできた。さて皆、どちらに投票する?」
負けじとわたくしに決まっています!とドーラ・ワルダーは声を張り上げるが彼女は数宮の真意に気付いていない。
(「ふふ……この勝負、票の奪い合いは、言いくるめればなんとかなるってね!」)
「ああそうそう、ちょっと聞きたいんだけどさ? ──アタシの鞭捌き、ここで見せてもいいかい?」
『へ?』
「そちらが下僕を召喚したんだ。いい的になるだろう?」
『わたくしの行動待ちだったとは卑怯ですわ!』
「えー? なんのことでござるかー?」
ユーベルコード:罪暴く言の葉(ディテクティブ・ロイヤー)、【言いくるめ】【傷口をえぐる】の技能を超強化!
今の数宮に口で勝てる相手無し。あもりにもひきょう過ぎるかもしれないが汚い悪役相手に容赦はしない数宮であった。
「ほらっ! 若くて新鮮な女王様の鞭だよ!」
鞭代わりに雷撃で下僕怪人薙ぎ払い数宮への票が伸びていく。自らは動けないドーラ・ワルダーは目の前で寝取りならぬ鞭取りされていくそれ眺めるしかない。
『うう、わたくしにそういった素質はありません……へ?』
涙目のドーラ・ワルダーが発見したのは巨大な雷の鞭。
『なんですかそれ!?』
「ん? キマイラ達がこんなに応援してくれたんだ、鞭もパワーアップしたってな!」
『ひう!?』
「さあ、とどめだよ! 天にも昇るような夢心地で飛んでいきな!」
バチーーーーーン!!
『ぎゃー!!』
雷撃鞭、それはバットのように固く太く。
ドーラ・ワルダーは場外ホームランで吹き飛ばされた。
大成功
🔵🔵🔵
メテオラ・エルダーナ
偽物とはいえ、作りが雑だと流行に敏感なキマイラにはすぐバレますからね。
敵ながらいい仕事です!
…けど、それとこれとは別!悪役はここで退場です!
相手の得物は鞭。至近距離には対処し辛いはず。
一気に懐まで飛び込んで、一撃で決めます!
そして、どうせなら…
「宣言しましょう!今からきっかり30秒であなたを倒します!」
と堂々の宣言で無理やり見せ場を作っちゃいます!
最初の10秒は【オーラ防御】で守りを固めつつ、出力を絞った【範囲攻撃】で相手の間合いギリギリを見極めて、
次の10秒で【範囲攻撃】全開!下僕諸共切り伏せに行きます。
最後の10秒で隙を狙い、必殺の『ライトニング・スパイク』でトドメです!
ぼろぼろになりつつあるワルダーランド。
メテオラ・エルダーナ(まほうつかいキャット・f05337)は辺りを見回す。
「偽物とはいえ、作りが雑だと流行に敏感なキマイラにはすぐバレますからね」
アトラクションの種類や各施設の外観はボンテージ要素がやたら多いのを考慮してもなかなかだ。
「敵ながらいい仕事です!」
キマフュっ子は刺激いっぱいな場所だ。とメテオラは認める。
しかし。
「……けど、それとこれとは別! 悪役はここで退場です!」
悪の組織「ワルドーラ」の首領は斃さなければならない。
「猟書家ドーラ・ワルダー! ここでお終いです!」
『可愛らしい猫ちゃんの戯言など笑止千万!』
ドーラ・ワルダーの声に呼応するかのようにワルダーランドの崩壊が始まる。
『わたくしをここまでコケにしてくれた分、たっぷりとお仕置きして差し上げますわ!』
「受けて立ちます! 覚悟!」
火柱。爆音。最終対決を告げるゴングは派手に鳴った。
(「やはりドーラ・ワルダーの得物は鞭……至近距離には対処し辛いはず」)
メテオラは地に着く足に力を籠める。
「一気に懐まで飛び込んで、一撃で決めます!」
崩れた足場を蹴り無重力に駆け抜けながら、頭上を飛び交うドローンを目にし、刹那の間に考える。
(「そして、どうせなら……」)
「宣言しましょう! 今からきっかり30秒であなたを倒します!」
堂々としたメテオラの声にキマイラ達も沸き、まだ動くワルダーランドのモニターというモニターに文字を映した。
【30】
『さあ行きなさい下僕怪人!』
雄叫びをあげメテオラへと襲い掛かろうとする怪人達。
彼らとの距離を詰めようと走る、駆ける、飛ぶ!』
最小限のオーラでの防御を展開するのに0.5秒の判断。更に遠方からの範囲攻撃で怪人達との距離を測り、尚も前進する。
(もっと近づけます……もっと!)
【20】
(チャンスは一度。……ここです!)
大きく跳躍し、爆風が照らす夜空にメテオラが舞う。上空からの攻撃が来るとは考えていなかった怪人達が驚愕の顔を見せた瞬間。
『ギャー!』
空中からの斬撃による範囲攻撃、一瞬にして怪人達が黒い霧と化し消滅!
『下僕怪人を倒したくらいでいい気になって!』
悪の首領、ドーラ・ワルダー。彼女だけが地に立ち。
(やはり強い! しかし、距離は縮めました!)
【10】【9】【8】
カウントダウンを始めたキマイラ達の声が聞こえる。
ドーラ・ワルダーとの距離は30mほど。
『わたくしに……ひれ伏しなさぁい!』
息をのみ、呼吸を、精神を整える。
【7】【6】
「これで終わらせます! 必殺、」
ユーベルコード:ライトニング・スパイク。
もはや秒などどいう単位はメテオラにとって遅すぎた。
「まばたき禁止! です!!」
刹那の時間を駆け抜け、放たれる超音速の衝撃波。
零距離射撃からのそれはワルダーランドに大きな音を立てる。
『く……ぁ……』
無意識の内か、己の腹にドーラ・ワルダーは手を当て。
『わたくしが倒れても……キング・ブレイン様の野望は始まったばかり、ですわ!』
ドカーン!ゴォーン!
『キング・ブレイン様、万歳!』
ドーラ・ワルダーの台詞を遮るようにワルダーランドが崩れていく。
「わ、皆逃げてくださーい!」
キマイラ達の安全を確保するためメテオラは戦闘の余韻も早々に駆け出す。
キマイラフューチャーへの魔の手はこれからも伸びる。
しかし、猟兵がいる限り悪の組織の野望は打ち砕かれる!
キマイラ達はそう語り、英雄たちの物語をSNSに上げていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵