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肉のオーケストラ

#アルダワ魔法学園 #猟書家の侵攻 #猟書家 #マロリー・ドラッケン #ケットシー #災魔の卵

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「今日も静かでいいですねぇ……」
「ふにゃあ……」
 ここはアルダワ世界にある猫の国。その名の通りケットシーの治める国である。
 猫の治める国だけあってこの国は全体として自由奔放、気まぐれによる法律変更も当り前で、異世界の文化を元に突発的ブームも頻繁に起こるというむしろキマイラフューチャーにあった方がいいんじゃないかという感じの国である。
 ただ、そんな国だからと言って国民全員がお祭り好きというわけではない。中には静かにゆっくり眠っていたいという住人だって少なからず存在するのだ。
 そんなケットシーたちの為に尽力した人物がいた。さる人間の女性であり、彼女は何にも流されない安眠を求めるケットシーたちの為に猫の国内に『お昼寝特区』を作り上げたのだ。そこは例え流行だろうと騒ぎを起こすようなことは禁じられ、静かに過ごすかのんびり眠ることだけが許される安眠地帯。
 生涯そこで静かな子守唄を奏で続けた彼女を称える石碑を中心に、今日もそこで流行に疲れたケットシーたちが昼寝を楽しんでいた。
 そんなケットシーたちを起こさないようすり抜けながら、一人の女が石碑へと近づいていく。
「はわわ……よく寝ていらっしゃって可愛いですねぇ……なでなでして一緒に寝たいですけど、でもお仕事ですので、失礼しまして……」
 女は石碑に供え物でもするかのように何かを置いた。その瞬間、石碑から眩い光が放たれ、そしてその中から大勢の楽器を携えた女たちが現れた。
「はい、それじゃあ皆、合宿始めるよー!」
 静寂を破り、けたたましい音が鳴り響いた。


「皆さん、猟書家が各世界に侵略を始めました」
 花園・桃姫に憑依したミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)が真剣な表情でそう告げる。迷宮災厄戦にて戦った猟書家たちが、かねてからの宣言通りフォーミュラとなることを求めて他の世界へと進出し始めたのだ。
「今回向かっていただくのはアルダワ世界。と言いましても学園ではなくその外です」
 アルダワを目指した猟書家レディ・ハンプティは倒れたが、その遺志を継ぐものがアルダワへの侵攻を開始している。
「皆様に行っていただくのはケットシーの国である『猫の国』、そこでケットシーたちの恩人の記念碑が敵によって災魔召喚具に作り替えられてしまうので、その災魔と実行犯を退治してください」
 奔放なケットシーの国に静寂をもたらした恩人の碑、出てくる災魔はそれを冒涜するような行動を取るという。
「まず記念碑から出てくるのは、『『豚房流吹術士』子豚・エレナ』という胸の大きな女性です。彼女はアルダワ学園吹奏楽部を自称しており、配下の部員たちと共にここで大きな音を立てて部活動を始めます。彼女たちの楽器は吹き矢が仕込まれていて、これと胸に着けた筒から矢を放つことで攻撃してきます。またその奏でる音楽には理解者をパワーアップさせる力もあるようです。あと巨乳な人は部員に勧誘してきます」
 演奏技術そのものはともかく、曲の内容は常人には理解しがたいものらしい。静寂と安眠の場所ならなおさら理解者など本人たちしかいないだろう。
「エレナと部員たちを倒したら、今回の事件の元凶であり本好きが高じて猟書家となった『マロリー・ドラッケン』との戦いになります。彼女自身は臆病な性格ですがモンスターを召喚し恐怖の対象への自動反撃を行うほか、彼女の持つ喋る杖が勝手に魔法を使ったり、別人格の霊を召喚して攻撃させるなど、自身は全く動かなくても戦える術を身に着けています」
 攻撃は他者に任せ本体は回避と防御に専念していればいい、生存能力に長けた敵とも言えるだろう。
「ただ、彼女たちは石碑に称えられた人の嗜好に影響を受けており、鉱物を出されると動きが鈍ります。その好物はというと、『焼肉』、それも『そこそこ以上の肉』」
 唐突に出た静寂や騒音と無関係なワードに、猟兵たちは目を丸くする。
「なんでもその恩人さん元学園の生徒さんだったらしいのですが、学生故にお腹は減るけどお金がなく、たまに食べに行ってもいつも最安コースばかりだったそうで。この石碑の周りでも一日三回、肉を焼くための音だけは出してもいい時間が設けられているそうです」
 もっとコスパいいもの食えよ、というのは通じまい。適齢期の学生は時に肉欲に抗えなくなるものなのだ。
「エレナたちは見た目的にも学生っぽい年齢ですし、マロリーも本体が自由に動ける分、肉に引き寄せられる可能性も高まるのではないでしょうか。焼いた肉を持ち込んだりその場で焼いたりすると彼女たちの動きを鈍らせることができます。事前焼きよりも現地焼きがより効果的かと」
 その場で焼くとなると敵の前で大きな隙を曝すことになるが、リターンもそれ相応にある。自分の戦法や財力と相談して決めるといいだろう。
「また、この場には恩人を良く知る一般ケットシーの方がいらっしゃいます。戦中戦後に彼らに肉をあげつつ話でも聞けば、恩人についてより深く知ることができるでしょう」
 エレナ戦には間に合わないかもしれないが、これによってマロリー戦で有利となる情報をさらに引き出せるかもしれない。このあたりも自分の戦い方と応相談、という形だ。
「せっかく大魔王を倒したのです、再度フォーミュラを発生させてはいけません。どうか皆さん、よろしくお願いします」
 そう言ってミルケンはグリモアを起動し、猟兵をアルダワへと送り出した。

「焼肉……」
 そして誰もいなくなったグリモアベースで、ミルケンを外しつつ桃姫は遠い目をして呟いていた。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。猟書家の侵略開始でございます。
 今回は戦争でありながら2章構成かつ1ヶ月で終わらない長丁場となります。
 今回のプレイングボーナスはこちら。

『プレイングボーナス(全章共通)……記念碑を立てたケットシーの話す「恩人の思い出話」を、攻略に役立てる』

 差し当たって音楽系の女学生で焼肉好きという情報だけは判明しております。この場にいる一般ケットシーから話を聞くことで、より深い情報を聞き出すことができるでしょう。
 戦中に聞きたい場合は彼らを守る必要がありますが、基本話が終われば逃げるので長時間の護衛は必要ありません。
 戦後に聞く場合安全ではありますが自分ではその章で追加ボーナスは狙えなくなります(同じ章の他参加者様のリプレイを見て役立てるのはOK)。

 それでは、プレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『『豚房流吹術士』子豚・エレナと吹奏楽部員』

POW   :    豚房流吹術・マゾ豚の乳ある体格での挑戦
自身の装備武器に【込めた矢に肺と乳から限界まで搾り出した力】を搭載し、破壊力を増加する。
SPD   :    豚房流吹術・アルダワン・パイボール
レベル分の1秒で【楽器と両乳の筒に矢を大量装填、一気にそれ】を発射できる。
WIZ   :    豚房流吹術・オインク・オインク・オインク
【乳を揺らし奏でる爆乳と豚房流を称える曲】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。

イラスト:すねいる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猫の国に安眠をもたらした恩人の石碑から突如現れた少女の軍団。いずれも規格外の爆乳を持ち、服の前を開けて曝け出したそこに筒を付けている彼女たちは、リーダーらしき一際胸の大きい少女の号令で整列する。
「はい、じゃあ今年の合宿はここでやります! 期間はこれなくなっちゃったおっぱい先生の代わりの人が着任するまで!」
 どこで知ったのか新旧のオウガ・フォーミュラであるレディ・ハンプティとミスター・グースのことだろうか。
「じゃあ今日は初日だから、軽いアップと会場の掃除から! 終わったら食事にするからね!」
「部長! たまには焼肉食べたいです! 最安コースドリンク無し以外の!」
「そんな部費はない! とにかくまずは練習と掃除始めるよ! 曲はマーチの『乳中の乳』、はい構えて!」
 少女の号令と共に、部員たちは一斉に各々の楽器を奏で始めた。それは軽やかなマーチではあるが、随所に豚の鳴き声のような濁音や重いものが揺れて撥ねるような音、そこから液体が噴きあがるような音が混ざっている。吹奏楽器でこの音を出せるのはある意味凄いが、耳ざわりがいいかと言われれば間違いなくノーだろう。
 その曲に周囲のケットシーたちは耳を抑えて逃げ出していく。掃除とはつまり先住者たちを追い払う……場合によっては始末してしまうということか。
 彼女たちが碑によって呼び出された『『豚房流吹術士』子豚・エレナ』とその配下の吹奏楽部員で間違いないだろう。
 猟兵よ、まずはこの迷惑集団を静かにさせてやれ!
中小路・楓椛
(アドリブその他歓迎)
WIZ

拘束を優先してUC【アトラナート】使用、拘束が解けそうな奴にはどんどん追加射出で糸ダルマです。

過日、空飛んで火を噴くトカゲ肉(毒あり)の解毒済の肉を大量に入手する機会がありましてケットシーの皆さんに焼き肉を振る舞いながら恩人さんと石碑について御話を伺いましょう。
食中毒については経過観察で報告が無いので大丈夫でしょう。【料理】で毒抜きしたの私ですし。(背中から壺を二つ降ろしつつ)今回の肉も焼き肉用の特製ダレに漬けて来てますよ。

騒音軍団の皆さんは拘束状態でヤキニク・トーチャリングです。
反省すれば貴女達も食べられますよ…(もう一つの壺をチラ見)毒の抜いてない方ですが、ね?



 騒音に多くのケットシー達が逃げ惑う中、その発生源へと向かっていく者がいた。
「静かで良いところとお聞きしたのですが、この様な方々がいらっしゃったのでは……」
 壺を二つ背負った中小路・楓椛(流しの家事手伝い狐・f29038)は溜息交じりにそう言うと、騒音の元となっている災魔『子豚・エレナ』率いる吹奏楽部達に大型の二丁拳銃を向けた。
「部長、何か来ました!」
 その姿を認めた部員の一人が楽器から口を離し警告を発すると、エレナを始め他部員達も一斉に演奏を止め楓椛を見る。
「あれ? 今練習中だし部外者の立ち入りは遠慮して欲しいんだけどな-。まああるものは使っちゃおう。皆、的当て練習よ。手に向けて撃って!」
 自分たちこそ招かれざる乱入者であることを棚に上げたエレナの号令の元、部員達の構えた楽器から一斉に小さな矢が楓椛に向けて放たれた。楓椛は一度手を下げながらその射撃を躱し、さらにお返しとばかりに再度持ち上げながら銃を乱射する。
「あだっ!」
 乱れ飛ぶ銃弾が部員達の体をかすめ、僅かに傷を負わせていく。曲がりなりに
も銃で撃たれて痛いで済んでいるのは、やはり彼女たちが災魔であるが故だろう。
「あ、結構すばしっこいんだ。じゃあ皆、体狙いで……」
「そぉい!」
 エレナのさらなる指示出しを、楓椛の掛け声が遮った。その声と同時に、飛来する無数の糸が銃弾を受けた部員達に絡みついた。
「み、皆-!?」
 慌てるエレナの前で、次々と部員達を糸が絡め取っていく。強引に手を口を動かそうとする者もいたが、そういう者こそ目聡く見つけては楓椛はそこへと糸を追加し、糸ダルマにしていった。
 そして前にいる部員達が動けなくなったのを見計らい、楓椛は下がって避難していたケットシーの元へ歩み寄る。
「この度はご災難でしたね。過日、空飛んで火を噴くトカゲ肉(毒あり)の解毒済の肉を大量に入手する機会がありまして、お一ついかがです?」
 そう言いながら背中の壺を下ろし、蓋を開ける。中には特製タレのたっぷりついたドラゴン肉が大量だ。その肉を取り出し、ケットシーへと振る舞う楓椛。
 戦闘の最中だが、やはり珍しい肉は気になるのかケットシーもおずおずとそれを口に運んだ。その味はまさに絶品で、それまで怯え気味だった顔だ一転笑顔に変わる。
「食中毒については経過観察で報告が無いので大丈夫でしょう。毒抜きしたの私ですし。さて、お肉の代わりと行っては何ですが、あちらの石碑について詳しい話をお聞かせ願いたいのですが、何かご存じでしょうか?」
 楓椛の問いに、肉を食べながらケットシーは少し考える素振りを見せる。
「そうですねぇ……お肉が好きという事は皆さんご存じみたいですね。その中でもバラじゃない厚めの上カルビとか牛タンとか、安いコースだと出てこないお肉が特に好きだったみたいですねぇ。ただ食べる機会があまりないと嘆いていましたが……」
 バラカルビや豚タンだってもちろん美味しいが、なかなか食べられない物の方に強い憧れを抱いてしまうのもまた仕方あるまい。その話を聞き、楓椛は顎に手を当てて考える。
「これ見よがしに肉なんか食べて……皆、自分の持ってる魅力的な肉を思い出して!」
 その食事風景に苛ついたか、エレナは自身の楽器を吹き鳴らした。ジャズ調のアップテンポながらどこか田舎娘の面持ちを見いださせるようなその曲(ただし合間合間に謎の濁音入り)に鼓舞されるように、糸ダルマになっていた部員達がもぞもぞと動き始める。やがて彼女たちを纏っていた糸の一部が引きちぎれ、そこから筒のついた二つの肉玉がぶるんとこぼれだした。そしてその肉が一度収縮すると、どういう原理か筒の先端から矢が噴き出されてくる。
「おっと、あなた方を忘れておりました。さて、反省すれば貴女達も食べられますよ……?」
 攻撃からケットシーを守るように達、楓椛は蓋を開けた壺の中身を見せるようその口を騒音軍団に向けて見せた。さらにはぱたぱたと扇いでタレと肉のにおいを相手に届かせる。もちろん中身を取り出し、これ見よがしにいかにも美味しそうに食べることも忘れない。焼肉が好きだと分かっている相手を拘束し、その前でこれ以上なく肉を堪能する、無慈悲なるヤキニク・トーチャリングの前に腹減り学生達の心は一気に揺さぶられていく。
「我慢、我慢よ皆。終わったらちゃんと食事があるから……」
「メニューなんです?」
「……天かす入り焼きそば……」
 エレナが目をそらしながら答えると、部員に微妙な空気が漂う。別に焼きそばが嫌いなわけではないが、あれだけの肉を見せられた後では色あせて見えてしまうのも仕方ないことだろう。
「そうそう、そちらの壺の中にも入ってますよ。牛タンより珍しくて美味しい竜タンが」
 そんな部員に放たれる、今聞いたばかりの情報を元にした、壺をチラ見しながらの楓椛のさらなる誘惑。それによってついに部員達の心は限界を迎えた。
「ごめんなさい部長、やっぱり肉食べたい!」
 強化された力と火事場の馬鹿力で糸を引きちぎる部員達。しかし彼女たちの次の行動は、攻撃ではなく置かれた壺に群がることであった。
「うわー! ほんとに肉! でかい肉だー!」
「これが竜タン……タンなのに厚い!」
 実にうまそうに肉を貪る部員達。その姿に本来止める役目のはずのエレナもごくりと唾を飲み込む。だがその足が一歩出かけた瞬間。
「がはっ!?」
「まあ、毒の抜いてない方ですが、ね?」
 群がっていた部員達が血を吐いて倒れた。そもそもこちらは敵に食べさせるつもりで持ってきたのだ。敵に毒を抜いた肉を振る舞ってやるほど親切ではない。
「チューバ班-!」
「ごめんなさい部長……でも肉美味しかった……」
 毒入りとはいえ肉とタレは紛う事なき上物。楽器もろとも消滅していく部員達の顔は、どこか幸せそうであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

吹奏楽部に焼肉ね、ちょうど良いものがあるわ♪はい、パラサイトテンタクル♡
じっくりとと味わいながらいい音色を響かせてちょうだい♪
魔術的パラダイムシフト(結界術/瞬間思考力/多重詠唱)で薄い本みたいな世界観を展開してー、さぁ、合体しましょ♡
さて、時間を稼いでる間にケットシーから情報収集をしましょうか。聞いた話を魔術的パラダイムシフトに反映させて、その方向で認識を略奪し改竄して、存在のためのエナジーを捕食しエネルギー充填をするわ。情熱の炎でじっくりと料理してあげる♡触手肉の焼肉よ♪
あ、結界術の中は外から見えないし、音も略奪して漏らしません。



 かくして戦端開かれた騒音軍団と猟兵との戦い。次にその前に立ちふさがるのはアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)。流石に吹奏楽部員たちも敵襲は理解しているのか、演奏よりも射撃に向いた構え方をしながらアリスを迎え撃つ。
「吹奏楽部に焼肉ね、ちょうど良いものがあるわ♪はい、パラサイトテンタクル♡」
 そんな部員たちにアリスは恐れる様子もなく、不気味な触手を放り投げる。明らかに友好的な存在ではなさそうなそれに、部員たちは一斉に楽器から矢を吹きかけた。
「さぁ、1つになりましょ♡ 大丈夫、パラサイトテンタクルスはコワクナイヨ。じっくりとと味わいながらいい音色を響かせてちょうだい♪」
 その触手を中心に、アリスは世界を書き換える結界を展開、さらにその中に【不可思議な寄生触手の合体♡】を発動させることで、敵を完全にこの場から隔離した。
「え、ちょっとなにこれ……ひゃいぃぃいぃっ!?」
「こ、こないで、入ってくるなぁぁぁひぃぃぃん❤」
 結界内で何が起こっているのか、部員たちの悲鳴とも嬌声ともつかない声が聞こえてくる。アリスはさらに結界を強めその音もシャットアウトすると、遠巻きに状況を見守っていたケットシーの方へと向き直った。
「さて、今のうちに聞いとくけど、その恩人さんというのはどんな人だったのかしら?」
「えーと、そうですね、お肉を焼く時の順番とか、そう言うのにはこだわりのない人でしたね。タンをタレで食べても全然怒りません。ただ余計なものを間に挟むくらいならお肉を食べたいと、野菜とか焼かない人でした」
 それはそれで色々と問題があるというか、こだわりがある者からすれば許しがたい食べ方かもしれない。だが分かりやすい欲求に単純に向かっていくのが若さゆえの特権とも言えるだろう。そうして好きなものしか食べない虚しさに気付いたとき、人は一歩大人になるものなのである。
 その話を聞いたアリスは、目の前に聳える結界の壁に手を向ける。
「それじゃあその話を魔術的パラダイムシフトに反映させましょう。情熱の炎でじっくりと料理してあげる♡触手肉の焼肉よ♪たくさん食べて私にエネルギーを供出してね」
 アリスは結界の内部を書き換え、そこを大量の触手肉で満たした。その肉を情熱の炎で炙り、触手と中の部員たちを情欲に焦がさせる。そうして発するエネルギーを吸収することで彼女たちは完全に自分のもの……
 だが次の瞬間、結界の壁にいくつもの小さな穴が穿たれる。そしてそこから大きく日々が広がり、結界をぶち割ってエレナが強引に飛び出してきた。結界の中で一体何があったのか、その体は焼肉とは関係なさげな謎の粘液まみれである。
「ロクでもないとこに閉じ込めてくれて……おかげでパーカッション班いなくなっちゃったじゃない!」
 そう憤る彼女の後ろから、明らかに数の減った満身創痍の部員たちが這い出して来る。彼女たちの楽器や胸からは矢がのぞいており、恐らく全員で自己強化し、強引に結界の壁をたたき割って出てきたのだろう。
 いかにアリスの結界術が常識はずれの力を持っていても、流石に強化系ユーベルコードで強化された技を一か所に叩き込まれれば綻びは出る。むしろそれまでに結界のみで敵を複数体撃破できた、それだけでも驚嘆に値する戦果と言えるだろう。
「あら、情熱の焼肉はお気に召さなかった?」
「……ちょっとおいしかった」
 顔を赤らめてそう言うエレナの姿と彼女たちから奪えた精気の量から、アリスは自身の結界の効果を確信するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジェイク・リー
※アリス、エルーゼ、華澄と行動

二度も蓮獄を出し、その瘴気と毒でまともに動くことができず、肉を焼きながら英霊を呼び出す。
同心であり虐げられた者達の無念を晴らす殺し屋の顔を持つ同心、中村五郎。
ぼろ布の様になった僧衣姿に杖を持った盲目の白髪交じりの僧侶、無明。
「色事塗れの処から助けてやったのは誰だと思ってんだ」
クロタの言葉で中村とは険悪になるが無明が止める。
「今ぁやるべきことは一つですぜ」
無明は気配や音で察知して居合を繰り出し、中村は多くの剣術で対抗する。
三人を責めず、防衛と聞き役に回る。

アドリブOK


アリス・スラクシナ
※エルーゼ、華澄、ジェイクと行動

「その……無理をしなくていいんだぞ」
先日の別件で媚薬と魔力のガスで理性を失くして交わっていた所を助けられたが……酷い状態と知らずに。
(あんなになるまで……何をやっているんだ、私は)
今の状態を見ていて痛々しいジェイクとどう接すればと迷っているところに僧侶が。
自分を責めれば余計傷を負わせると説かれ、私たちなりに向き合う事にした。
「……できることはこれだけ」
近づけさせない為、華鳥封月を抜いて応戦する。
飛ばしてくれば属性攻撃で風を纏わせ、なぎ払いによる切断を狙う。
瞬間思考力で相手の攻撃に合わせて防ぐ。

アドリブOK


藤宮・華澄
※アリス、エルーゼ、ジェイクと行動

正直、どう接すればいいのか分からなくて。
理性を失って押し倒して瀕死の状態に気づいて……今思っても最低だな。
クロタの一言で怒りが湧いたけど、中村さんという人が本気で怒ってる。
まるで子を悪く言われた親みたいに……それに比べたら私たちは。
「私達、ジェイクさんを弟みたいに思ってたのに」
弱音を中村さんに話すと信じてやれと。
ヴァナディースで援護射撃を行いつつ、回復やアシストを行います。
「今度は私たちが!」

アドリブOK


エルーゼ・フーシェン
※アリス、華澄、ジェイクと行動

媚薬と魔力のガスで色々あって、そんなのは言い訳にしかならないだろうな。
クロタを呼び出して少しでも戦力を。
「なんてことを!」
クロタはジェイクを見て死にぞこないと言って……でも一番怒ってるのは中村とかいう人。
「ジェイクを……悪く言わないで」
私を好きにすればいい、それだけ言って後は迎え撃つ。
ヤヌスを持って属性攻撃で元素の光刃を形成して、地下都市でもらった本から得た技術を用いて元素を操る。
空中浮遊で機動性を上げて、鞭の様にしならせて攻撃するわ。
ダッシュで距離を詰めて妨害を狙うのもありかもしれない。
オーラ防御で防ぐのも大事よね。

アドリブOK



 さらに続く子豚・エレナ率いる吹奏楽部員たちとの戦い。だが、次に立つ猟兵たちは全体的な士気がどうにも低い。
「媚薬と魔力のガスで色々あって、そんなのは言い訳にしかならないだろうな」
「あんなになるまで……何をやっているんだ、私は」
「正直、どう接すればいいのか分からなくて」
 エルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)、アリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)、藤宮・華澄(戦医師・f17614)は最近の依頼で思わぬ醜態を晒してしまった。ただ苦戦したというだけでなく、そこでガスに狂わされ、三人ともに痴態を曝す……思い出すにも恥ずかしい有様だ。
 そしてその状態を助けたのが、ジェイク・リー(影の護り手・f24231)だ。
 彼は今この戦場において、黙々と肉を焼いていた。
 だがその様子は楽しんでいる風はもちろん、作戦行動に徹しているという冷然さすらない。まるで重労働でもしているかのように額に汗を浮かべ、覆面の奥で歯を食いしばっているのがわかる。
 彼は己に宿るいくつもの人格の中でも、とりわけ顕現に危険を伴う猛毒使い『蓮獄』を短期間に二度召喚した。その内の一回は淫毒に侵された彼女たちを助けるためである。その反動で、今の彼はとても自身で戦える状態ではなくなっていた。
「その……無理をしなくていいんだぞ」
 アリスがそう答えるが、ジェイクは答えない。それが何かの意思表示なのか、あるいはそれすらもできないほどに状態が悪いのか。
 だがそのような状況だからと言って、敵が待ってくれるはずはない。肉に気を取られ手が鈍っているとはいえ、構えは解いておらずすぐにでも攻撃してきそうだ。
「顕現せよ、クロタ」
 少しでも手を増やすべく、エルーゼは邪神クロタを召喚、戦列に加わらせた。だが呼び出されたクロタは後ろにいるジェイクを一瞥すると、馬鹿にしたような表情で呟いた。
「死にぞこないのせいで呼び出されるなんて、いい迷惑ね」
 それは照れ隠しや軽口などではない、純粋に悪意の籠った侮蔑。
「なんてことを!」
 その言葉に、召喚主であるエルーゼすら怒りを露にする。さらに普段は温厚な華澄ですら怒りの表情で彼女を睨みつけた。今にも二人が掴みかからんとするその時。
「色事塗れの処から助けてやったのは誰だと思ってんだ」
 真っ先にクロタへと詰め寄ったのは、サムライエンパイア風の恰好をした中年男。
「中村……」
 面識があるのかクロタは煩わしそうにその男を見る。さらにその二人の間に、もう一人今度はぼろをまとった僧形の男が割って入った。
「今ぁやるべきことは一つですぜ」
 男の言葉に、小さく舌打ちして二人は離れる。一連の流れに少し冷静になったか、エルーゼは小さな声でクロタに言った。
「ジェイクを……悪く言わないで」
 自分はどういわれてもいいから。その言葉に、召喚主すら制御しきれぬ邪神は答えることなく敵へと向かっていった。
 仲間割れがいったん収まった所で、僧形の男は未だ落ち着かない者へと歩み寄る。
「あっしは無明と……何かお悩みで?」
「……ジェイクとどう接すればと……」
「私達、ジェイクさんを弟みたいに思ってたのに」
 アリスと華澄がこれまでの敬意からそうこぼすと、無明は責めることなく聞き、二人の肩を軽くたたいた。
「信じてやるこってす。ありゃあそんなヤワな男じゃねぇ。曲がりなりにもうちらの『旦那』でさぁ」
 その言葉からして彼らもまたジェイクが召喚した存在なのだろう。軽く、だがしっかりと言い聞かせるようなその言葉を残し、無明もまた中村を伴い敵へと向かっていった。
「なんかどんどん増えてるけど……お肉の取り分減らないようにやっつけちゃうよ! 皆、狙って!」
 さすがにここまで敵が増えては肉どころではないのだろう。エレナは部員たちに号令を出し、一斉射撃を命じる。
 高速で連続で放たれる矢と、強化された力を乗せた矢が次々と前に出た者たちに襲い掛かった。それを中村と無明はそれぞれの剣技で、クロタは破壊の力で叩き落としていく。
「まだまだ、応援曲いくよ!」
 さらに一部の部員が、奇妙な音を混ぜ込んだ自分たちのための応援歌を奏で始めた。それによって攻撃班の攻撃力はさらに強化され、威力も連射性も上昇。流石に三人も防ぐのに手いっぱいで攻撃には移れない状況となっていた。
「今度は私たちが!」
 そこに後ろから連続で銃弾が放たれ、攻撃役の部員を打ち倒した。『ヴァナディース』を構えた華澄はそのまま後ろから援護射撃の構えを取り、相手との射撃戦に入る。
「……できることはこれだけ」
 アリスもまた、『華鳥封月』を用いての接近戦にかかる。反撃によって薄くなった弾幕を、さらに瞬間的に軌道を読んで武器に纏わせた風の力で逸らしながら近づき、射撃攻撃しか持たない部員たちをその剛刀で切り捨てていく。
「……そうね、今は」
 エルーゼも、『ヤヌス』を得意とする元素の光刃の型に形成、空中を舞いながら敵へと切りかかった。
 そこに宿すのは空中を舞うための風の力に、芯に鋼鉄化させた元素を纏い鋼……五行における金の力。元より関連性の薄い二つの力の間に火の力を挟み、風を送って火を荒ぶらせ金に柔軟性を与え、鞭の如くしならせる。以前手に入れた書物で学んだ属性合成法を活かし、エルーゼは素早く敵前衛を打ち倒した。
「あーもう、また増えてる! もっと矢を追加して!」
 苛立ったようにエレナが攻撃支持を出すが、距離を詰めたエルーゼがオーラで矢を弾いてその攻撃を後ろに届かせない。
「助かりましたぜ」
「これで攻め込める」
 無明と中村も攻勢に転じ、名前通り無明の太刀である神速の居合と、千変万化の無数の太刀筋で脇を固め敵を切り裂いた。
 さらにその後ろではクロタが不承不承と言った風ではあるが、本分とする死と破壊の力を叩きつけて残った前衛を始末していった。
「ああもう何なのよ! 肉焼きながら喧嘩してたと思ったらいきなり皆で攻めてきて!」
 最初の状況から、足並み揃わない相手を倒して肉を奪ってやろうと思っていたらしきエレナは、突然の連続攻撃に歯噛みする。
 確かに最初の状況は普通ならば戦場で晒すべきではない大きな隙であったが、その間に攻められなかったのはこの戦いに必要なものを理解し、準備している者がいたから。
 例え自身は戦列に加わらずとも、傷つく体を押してその役を果たしたのは誰あろうジェイクであった。
 攻めを仲間と英霊に任せた男は、勝利の為、仲間を支えるために黙々と、己の成すべきを成すのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ

ベテラン猟兵の財力と『私達の楽園』による91人の人手で
大量の高級肉・飲み物・調理器具を持参

メイドの霊に【料理】を任せ
残りの霊と私は豚房流への関心と【戦闘知識】で
エレナ達の曲による強化を受け
媚毒の体液【呪詛・属性攻撃】を彼女達の両乳に放ち
快楽で矢を撃てなくする

貴女達の曲は
この技を彷彿とさせるんだもの♥

メイド達が飲み物と紙皿に乗った焼肉を配膳したら
エレナ達も含む全員で飲食を楽しみ【誘惑・催眠術】で魅了

私に仕えれば毎日が幸せよ♪
邪魔な物は脱ぎ捨てて
次は性の肉欲を満たし合いましょ♥

【化術】で肉棒を生やして乳と口で奉仕させたり
駅弁体位で【串刺し】にしつつ
乳に吸い付き【慰め・生命力吸収】



 徐々にメンバーを減らされていく吹奏楽部。さらにその前に次なる相手が現れた。
「死霊術とは不変不朽の美。その真髄は永遠の愛!!」
 ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は早々に【私達の楽園】を発動、自らに宿る守護霊たちを召喚する。早速のユーベルコード発動に部員たちも武器を構えるが、その守護霊……メイドの霊たちは攻撃に移ることはなく、その場で手早く何かの準備を整え始めた。
 素早く用意される折り畳みのテーブルに網と七輪。炭には火が入れられ、テーブルの上に飲み物と皿が並べられていく。そして七輪の脇に用意されるのは、大量の高級肉だ。
 それを見て案の定部員たちの手は止まるが、ここまで肉につられて散々な目に合ってきたエレナが警告を出す。
「ほら騙されちゃダメ! どーせまた焼くだけ焼いて食べさせる気なかったり変な肉だったりするんだよ! やっつけて安全か確かめてから食べよう!」
 エレナの号令の下演奏されるのは、応援歌風のマーチ。普通に演奏すれば聞き心地良い歌だろうそれも、随所に差しはさまれる謎の音で台無しである。
 曲が盛り上がりに入る中で、エレナ含め一部のパートが演奏を止め、楽器と胸の角度を変えて矢の入っている場所をドゥルールへと向けた。そしてそのまま一斉発射しようとした、その瞬間。
「わぶっ!?」
 攻撃しようとしていた者たちの顔と胸に、突然白い液体が降りかかった。その発射元……胸を露にしたドゥルールは、妖しく笑いながらエレナたちに歩み寄る。そのドゥルールの胸は、戦闘前よりいくらか膨らんでいるようにも見えた。
「素敵な曲をありがとう。貴女達の曲はこの技を彷彿とさせるんだもの♥」
 そう言って胸から白い水を滴らせるドゥルール。その液体の正体は彼女が体内で作り上げた媚毒の水……なのだが、普段用いるそれより濃く、どこか甘い匂いさえしている。
「なにこれ……ひゃいっ!?」
 水を被った部員が思わず豊かな胸を抑えうずくまる。その顔は赤く、息も荒くなっているが、目は悦びに潤んでいるようにも見える。それこそまさにその毒の効果なのだが、時に胸の感覚すら武器にする流派たる彼女たちさえも動けなくするほどとは。
「この技って、まさか……」
「そう、あなた達の技、とっても興味があるのよ」
 豚房流を称え強化するその曲に、多くの流派と体を合わせてきたドゥルールは強い関心を示していた。それ故彼女自身もまた強化されていたのだ。
 元より単騎としての実力はドゥルールの方が彼女たちの誰よりも高い。それ故強化の割合も圧倒的に上なのだが、快感に痺れた部員たちを追撃せず、ドゥルールはメイドたちを呼び寄せる。
「さあ、これがお望みでしょ?」
 ドゥルールの号令の下、メイドたちは部員に焼けた肉を手早く配っていった。戦場で、それも敵に対する給仕という無謀極まりない行動だが、ハロウィンの国をはじめここ最近敵中で料理する機会が多かった故か、あの騒音の中でも肉の焼き方含めメイドたちの動きは全く無駄がない。それどころか妙に動きの良くなってるメイドも二人ほどいる気さえする。
 そしてドゥルールやメイドも含む全員に肉がいきわたった所で、ドゥルールはパーティの開始を告げた。
「さあ、皆で肉欲を満たしましょう」
 そう言って毒がないことを示すように、ドゥルールは真っ先に肉を口にした。
 その様子をしばらく部員たちは不安そうに見つめていたが、やがて意を決したように……あるいは肉の誘惑に負けたように一口。
「……おいしい!」
 ベテラン猟兵たるドゥルールがこれまでの戦いで望むと望まざるとに関わらず手にしてきた財力。それに物を言わせた最高級の肉は当然学生に手が出るようなものではなく、瞬く間に部員たちの顔を蕩かしていく。
「私に仕えれば毎日が幸せよ♪邪魔な物は脱ぎ捨てて、次は性の肉欲を満たし合いましょ♥」
 肉で心を掴まれた彼女たちに、ドゥルールが甘くささやく。
「いや、うちらプロってわけじゃないし……あくまで部活だから……」
 エレナは部長として一応誘いに難色は示すが、浮かれた心にその魅了術はいともたやすく浸透しており、肉を食べながらその服を脱がされても何も抵抗はしなかった。
 そんな彼女たちを抱え上げ、ドゥルールは自らの『槍』で串刺しにする。さらにその豊かな胸に吸い付き、その上下から生命力を吸い上げていった。
「きゃあうぅ……ひゃう、おいひぃ……」
 それでも彼女たちの顔は幸せそうで。上下の口から肉欲を満たさせつつ、ドゥルールは部員たちを楽器として奏でていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

イリス・アンリリンキッシュ
wiz
まずは注目を集めるために発砲を宙へ一発。
吹奏楽部の皆さん?合宿の成果や代任の方を満足させる音楽の為にはお腹を満たすのも大事だと思いますよ?

私は食費が掛からないので個人口座から…厚切りの上タンや上カルビに肩ロース炙り焼、上ロースなどを用意したので学生も満足できるかと
味に集中できるよう部長さんと吹奏楽部の皆さんは横一列に座って食べてくださいね?

直線状に離れてからケットシーの方々にもお肉を振舞いつつ恩人と石碑の思い出話を聞きましょうか?

そうそうUC発動、並んで座っている吹奏楽部の皆さんの頭を強化された弾丸で貫通させてみますね
幸せな気持ちで満たされたままなら文句はないでしょう?
(アドリブ等歓迎)



「うぅ……あれ? なんか食べたのに色々失ったような……てかまた部員減ってる!?」
 気絶から覚めたエレナは乱れた服を直しつつ、辺りを見回して叫ぶ。ようやくまともな肉を食べることができたものの、それ以上に色々吸収されてしまった吹奏楽部一同。リーダーであるエレナこそ無事だったが、彼女より力の劣る部員たちは耐え切れず消滅してしまった者もいるようだ。
 うろたえる吹奏楽部たちだが、そんな彼女たちを一喝するように、突如として銃声が鳴り響いた。
 敵襲かと構える部員たちの前で、イリス・アンリリンキッシュ(私は「いつも笑顔」です!・f21317)は天に向けて売った銃を下げながら言う。
「吹奏楽部の皆さん? 合宿の成果や代任の方を満足させる音楽の為にはお腹を満たすのも大事だと思いますよ?」
 イリスがそう言って用意するのは、厚切りの上タンや上カルビに肩ロース炙り焼、上ロースなど、分かりやすい『焼肉で出るそれなり以上の肉』たちだ。
 他の猟兵がケットシーから仕入れた情報をもとに、彼女たちの好みにちょうど会いそうな肉を用意したイリス。彼女は出自的に食費がかからない関係上、こういう時に自由に使える金は多い。それを惜しみなく使って用意した、学生向けの肉コースである。
 肉の罠に何度も引っかかっている吹奏楽部員たちはさすがにもうかからない……と思いきや、明らかに肉に心惹かれている。いくら食べても足りない年齢なのに加えて食べた分消耗させられたこと、そして何より石碑の影響下にあることから、好みの肉を出されれば危機的状況であっても引き寄せられてしまうのだろう。
「味に集中できるよう部長さんと吹奏楽部の皆さんは横一列に座って食べてくださいね?」
 イリスは横長のテーブルを出し、部長のエレナを筆頭に全員を横一直線に座らせる。そしてその前に肉を置き、全員に笑顔で告げた。
「さあ、遠慮なくお食べください」
 その言葉に、一度普通に肉を食べられたからか疑う様子もなく部員たちは食らいつく。
「タンに厚みがある!」
「カルビが丸まらない! ロースも固くない!」
 喜びの声と共に肉を食べる部員たち。イリスはそのテーブルから離れ、部員たちの列と直線状になるような場所で改めて肉を出し、ケットシーを呼び寄せた。
「さて、いろんな人が聞いたかと思いますが、恩人さんについて他にも詳しくお教え願いたいのですが」
「他にですか……そうですね、お肉以外だと音楽がお好きでしたね。笛を持ち、一人で落ち着いた曲を吹いておられました。人と合わせるより一人でゆっくり吹く方がお好きというお話でしたね。あの笛がまたよく眠れて……」
 どうやら同じ音楽系でも目の前の吹奏楽部とはだいぶ方向性が違ったらしい。石碑から呼び出された災魔は石碑の主の逆となる部分と、その嗜好に引きずられる部分がある。それが合わさった結果あのやかましい軍団が呼び出されたのかもしれない。
 その話を聞き終えたイリスは、改めて食事中の吹奏楽部員たちへと目を向ける。さすがは腹減り学生とでもいうべきか、それなりの量を用意してあった肉はもうほとんど食べ尽くされていた。
「はい、それじゃ食べ終わったら次の練習はいるよ! 人数減っちゃったんだから一人当たりの負担も増えるからね! パワーアップ曲いくよ!」
 部長の指揮の下、食器を置いてそれぞれの楽器に手をかける部員たち。その部員の列をみながら、イリスは部員たちが縦一列に重なる場所……最初に発砲した場所へと立った。
「これは心の姿、貴方への姿。弾けた焔は、夜空を凍らせる! ユーベルコード:貴方を射ち堕とす蒼い焔(フォールン・ラヴァーズ)!」
 食べ終わった瞬間を見計らい、【貴方を射ち堕とす蒼い焔(フォールン・ラヴァーズ)】の貫通弾が放たれる。それは一直線に並んだ部員たちを纏めて撃ちぬき、その多くをテーブルへと突っ伏させた。
「ぎゃっ……!」
「うあっ……」
「あ、肉のにおい……」
 倒れ込んだ部員たちは肉の乗っていた皿に顔を突っ込みながら、肉の香りに包まれて消えていく。事前に一度外した弾を撃っておくことで強化条件を満たした弾丸が、単体ではさほど強靭ではない部員たちを次々と貫いていった。
「幸せな気持ちで満たされたままなら文句はないでしょう?」
 イリスはあくまで笑顔を崩さず、好物に溺れる最期を部員たちに与えたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

稲荷・こん子
※アドリブ、絡み歓迎

同行者:るこるさん(f10980)

・行動

焼肉>攻撃

「猫さん達を困らすのは、駄目なのです!」
ちょっと煩い音に怒りながら、ケットシーさんから話しを聞くために行動

「お肉を焼くのは任せるのです!」
持ってきたお肉を焼きながら、時々ケットシーさんや自分達、場合によっては敵の人にもあげ、焼き肉を楽しみながらお話しを聞く

話しを聞き終わったら、ケットシーさんを安全な場所へ護衛

攻撃が来た場合は薙刀、または【秘技】を使用して、戦意を失わせながら焼き肉を続ける
「秘技使うと動きづらくなるから、あまり来ないで欲しいのです…」

最終的には敵を倒すことにはなるけど、出来るだけ相手も満足した状態で終わらせたい


夢ヶ枝・るこる
■方針
・同行者:稲荷さん(f06041)
・アド/絡◎

■行動
確かに、何とも騒がしいですねぇ。
対処しましょうかぁ。

[大食い]の『私の基準』をベースに人数に合わせた、様々な種類の『大量の肉』をご用意して参りますねぇ。
そして、ケットシーの皆さんをお誘いして話を聞きつつ[料理]開始、『焼肉』をしましょうかぁ。

災魔の方々が来たら【告律】を使用、『お残し厳禁』と告げた上で一緒にいただきましょう。
ええ、『私基準で十分な量』が『お残し禁止』になるわけですが。
食べている間は『吹術』は使えないでしょうし、満腹で動けなくなりましたら、対処もし易そうですぅ。

稲荷さんやケットシーの皆さんは、無理の無い量で大丈夫ですよぉ?



「うえぇ、もうほとんど部員残ってない……これじゃ吹奏楽部じゃなくてクラリネット部じゃない!」
 度重なる交戦で部員のほとんどが消滅、最早残っているのはエレナも所属するクラリネットパートのみであった。
 だがそれでも全力で演奏すればその音は大きく、周囲の者の安眠を妨害するくらいは容易い。
「猫さん達を困らすのは、駄目なのです!」
「確かに、何とも騒がしいですねぇ。対処しましょうかぁ」
 稲荷・こん子(七変化妖狐・f06041)と夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は、その騒音を完全に沈黙させるべく、戦いにかかる。
「お肉を焼くのは任せるのです!」
 そして早速戦闘……ではなく肉焼きに入るこん子。もちろんここまでで散々示されている通り、肉を焼くのも立派な作戦行動だ。大量に肉を並べて焼き、その音と臭いで吹奏楽部員たちにアピールする。
「あ、また肉が焼かれてる……」
「明らかに罠だけど! 罠なんだろうけど! でもやっぱり肉には逆らえない!」
 性懲りもなくというか、石碑に呼ばれてしまったが故の運命に従い、またしても肉につられて近寄ってくるエレナたち。その前には、今までで一番とも言えるくらいに大量の肉が積まれていた。
「はい、いい具合に焼けてますよぉ」
 るこるが迅速かつ丁寧に、ベストな焼き加減を見極めて取り上げた肉をさらにとりわけ並べていく。食べるのが好きな彼女はだからこその卓越した焼き技の肉は、無駄な焦げもなく見るだけでも旨そうだ。
「とりあえず、とりあえず食べてから考えよう!」
 学習しない……あるいは出来ても体が言うことを聞かないのか、一斉に肉を食べ始める部員たち。
 その様子を確認し、二人は焼けた肉の一部を取りケットシーへと差し出した。
「何度も同じことを聞かれてるでしょうが、何か他にお話は……」
「うーん、まあ、そんな変な人でもなかったですし、これ以上は特に……」
 肉を食べながら申し訳なさそうに言うケットシー。だが、これまでの話し方から二人は一つの疑問を抱いていた。それをこん子が彼にぶつけてみる。
「その人は一生ここにいたって話だけど、猫さんその人直接知ってるんだよね? でも出てくるのは若い時の話ばっかりだし、その人ってどれくらい前の人なの?」
 その質問に、ケットシーははっとした様子になり、そして少し寂し気な表情をした。
「ああ、そうか、そうですよね、ご存じなければそう思うでしょう。ほんの4、5年前の人ですよ。その人、病気持ちだったんです。感染る病気じゃないんですけどね、何せあのアルダワ迷宮に潜ってた人だ、変なもの拾っちゃったのかもしれません。だから学校を去ってここに流れてきて。で、残り少ない時間好きなものを食べて好きなことをしてゆっくりできる場所をここに作ったんです。自分の為に皆を利用しただけ、なんて本人は言ってましたが、私はそうは思いませんよ。そうですねぇ……30歳にはならなかったんじゃないでしょうか」
 若い時の話ばかり出てくるのとやけに刹那的で享楽的な話が多いのは、そもそも未来というものが無い人物だったから。だからやりたいことをやった、そして生きた証を残した。あえて悪し様に言うならば、後先考えず目の前の快楽を優先する生き方をせざるを得なかった。
 恩人の人物像の根底にあるものを聞いた二人は、ケットシーを下がらせ改めて吹奏楽部員たちに向かう。
 彼女たちも今目の前の嗜好に飛びついてはいるが、それは石碑に残った恩人の遺志に中てられているだけ。そもそも未来どころか現在にあることすら許されない過去の存在……オブリビオンなのだ。
 空気の変わった二人の接近に感づいたか、エレナは食べる手を止め部員に声をかける。
「皆、食べるのストップ! なんか来るみたいだよ!」
 その声に従って全員が楽器を構え、一斉に吹き鳴らす。それはクラリネット一音ながら、志半ばで力尽きた英雄がもしそれをなし得ていたら、そのもしもを感じさせる勇壮さを湛えていた。演奏難度の高いその曲によって力を搾りだした矢が、るこるとこん子を一斉に狙う。
「大いなる豊饒の女神の名に於いて、此処に新たなる令を告げん」
 だが、それに合わせるよう、るこるの【豊乳女神の加護・告律】の波動が部員たちを包み込んだ。
「命令します。『お残し厳禁』ですよぉ」
 その命令に従うものはもちろんなく、射撃の姿勢はゆるめない。だが。
「うあっ!?」
 部員たちは一斉に楽器を落としてうずくまった。【豊乳女神の加護・告律】は命令に逆らったものにダメージを与えるユーベルコード。戦闘を続ければ食事を中断することになるので当然ダメージは入る。そして彼女たちの武術は吹術……吹き矢である。食べる動作とは当然両立は不可能なはずだ。そして肉はるこる基準の大盛で用意されている。残さず食べきるのは常人には到底不可能だろう。
「いったぁ……皆、しっかりして! あたしたちの武器は楽器だけじゃないでしょ!」
 エレナの激励に、僅かに部員たちが立ちあがる。そして彼女たちは手を使って肉を食べながら、その豊かな胸を揺らして二人の方へ向けた。その胸が大きく収縮し、先端の筒から一斉にやが発射される。
「なんと!?」
「そう言えばこの人たち、この流派でしたねぇ……」
 手が使えないなら乳を使う。豚房流の面目躍如とも言える反撃に一瞬浮足立つが、そういう相手なればこそ、こん子にはうってつけの技があった。
「秘技使うと動きづらくなるから、あまり来ないで欲しいのです……」
 そう言いながらも、こん子は薙刀で敵の矢をなぎ払い、さらに踏み込んでの攻撃で食べることすら中断させる。
「きゃあっ……」
「皆……!」
 ダメージの蓄積によって、ついにエレナを残し部員は全て倒れた。だが部長としての意地か、エレナはまだ戦う構えを解こうとしない。
「こん子の秘技、喰らうのです!」
 そのエレナの胸に、こん子の手刀が叩きつけられた。それによるダメージはない。だが、それは【秘技・吸乳の術】……食らった者の乳をこん子へと移す、まさにエレナにとっては天敵とも言える効果の技であった。
 エレナの乳房はその巨大なブラがずり落ちる程に減り、代わりにこん子の胸が自身の頭よりも巨大になって服を破れんばかりに盛り上げていた。
「え……あたしの、おっぱい……いやぁぁぁぁぁっ!?」
 自身の流派を支える乳房の減少にエレナは狼狽する。その隙を、二人は逃さなかった。
「せめてお肉には満足してくれたなら良かったです」
「部活動は然るべき場所でやってくださいねぇ」
 二人の攻撃に、最後に残った部長、エレナも消滅する。
 かくして石碑より呼び出された騒音軍団は沈静化されたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『マロリー・ドラッケン』

POW   :    インテリジェンス・イービル・ワンド
【手にした「喋る杖」が勝手に魔法】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    リアライズ・パニック
自身が【恐怖】を感じると、レベル×1体の【モンスター化した書物の登場人物】が召喚される。モンスター化した書物の登場人物は恐怖を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ   :    ダブル・マロリー
【眼鏡を外した別人格のマロリー】の霊を召喚する。これは【勝手に放つ魔法】や【杖でのぶん殴り】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:ぐれしー

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠村雨・ベルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 騒音を撒き散らす吹奏楽部を撃退し、一時の静寂を取り戻した石碑周辺。だがすぐに、それを破るものが現れた。
「お肉大好きな貧乏学生の素顔は病魔に侵された哀しき少女……素晴らしい悲劇の物語ですねぇ」
 眼鏡をかけ、豊満な体を魔女のような服に詰め込んだ少女。その手には杖が握られ、周囲には口のついた本が飛び交っている。
『言ってる場合じゃねぇぞマロちゃん。あの雌豚共殺られちまってる!』
「一見明るい部活動だけどその実は命がけの殺し合い、支え合う部員たちは頑張ったけど全滅……アルダワ的にはありきたりですけど基本は大事ですねぇ」
『相変わらず人の話聞かねぇな! ほらあっちちゃんと見ろ! 敵がいるだろ!』
 杖と本が声を発し、少女を無理矢理猟兵の方へ向き直らせる。
「はわわ……皆さんどなたですか? もしかして、大魔王様やハンプティ様を倒した猟兵さん? ……怖いので私下がってますね! 皆さんの物語はお肉でも食べながらじっくり見させていただきます!」
『いやお前そんな大食いキャラじゃねぇだろ! しょうがねぇ、やるぞ侵略蔵書ども!』
『おうよ!』
 漫才のような掛け合いだが、明確に猟兵に敵意を向けてくる一同。彼女がこの事件の元凶『マロリー・ドラッケン』とその使役する魔具たちに違いあるまい。
 さあ、書を欲するばかりに道を踏み外したこの女を相応しい場所へ送ってやれ!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 第一章でケットシーの知る情報はほぼ引き出せました。よって第二章では無理にケットシーから話を聞こうとする必要はありません。
 マロリーもエレナ達ほどではありませんが、石碑の主の嗜好に引きずられています。第一章で出た情報をもとに後ろに下がるマロリーを釣りだすことでプレイングボーナスとなります。是非狙ってみてください。
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

マロちゃんと合体♡してわからせたい☆
化術神罰肉体改造の結界術で焼き肉パーティの宴会場を用意し、書を男の娘化&杖の魔法エナジーを捕食し経験と力を略奪しながらマロちゃんを誘き寄せましょ♪
マロちゃんが焼き肉を堪能し終えたところで後ろから抱きつき
「満足してくれたかしら?」
と耳元で囁き(ブレス攻撃)ながら、ちょうどいい大きさに武器改造した喋る杖をマロちゃんと合体させて疑似フタ化♪
今度は私がマロちゃんをおいしくいただく番よ、と種搾りプレスでマロちゃんと合体して捕食し快楽エナジーを捕食してエネルギー充填するわ♡
男の娘化した書はパラサイトテンタクルと合体よ♪



 ついに現れたアルダワの新たなる猟書家『マロリー・ドラッケン』。その前にまず立ったのは、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)だ。
「マロちゃんと合体♡してわからせたい☆」
 アリスの眼にあるのは闘志でも恐怖でもなく、興味と情動。そしてそのアリスの姿に、マロリーもまた強い興味を示した。
「はわぁ……あの人、聞いてた猟兵さんと随分違いますねぇ。これはどんな物語を背負ってらっしゃるのか是非とも拝見いたしたく!」
『だから! 無駄に前に出んじゃねぇっつってんだろマロちゃん!』
 まるで今にも前に出ていきそうなマロリーを、侵略蔵書たちがマントの裾を噛み懸命に抑え込んでいる。
 そんなマロリーにアリスは自ら歩み寄り、得意の結界を展開した。
「さあ、まずは召し上がれ」
 その結界の内部は焼肉会場。マロリーの前に炭火の入った七輪を真ん中に埋め込んだテーブルが現れ、そのテーブルには大量の肉が並べられている。何でも自由になる結界の中だからこそできる店舗スタイルの焼肉に、石碑の影響を受けているマロリーは大喜びだ。
「はわわ……これはすごい! 焼肉とはすなわち一つの物語! 乗せて、焼いて、食べて、飲んでの起承転結! 山あり谷ありめくるめくドラマ!」
『それ起と承しかないぞマロちゃん』
『メシに谷はいらねぇだろマロちゃん!』
 焼肉を堪能するマロリーに杖と本が突っ込むが、そんなものは聞かずにマロリーは肉を食べ続ける。
 そうしてマロリーがたっぷりと焼肉を堪能したところで、アリスはこっそり後ろから忍び寄り、マロリーへと抱き着いた。
「満足してくれたかしら?」
 その囁きと共に、アリスは結界の中身を転換、本を少女の姿をした少年……男の娘に変え、杖はマロリーの体に埋め込むよう押し付ける。杖はそのままマロリーと一体化し、あろうことか彼女の股間に本来ないはずの『器官』となって聳え立った。
『お、こりゃなかなかいいかもしれねぇぜ兄貴!』
『お前らはそりゃいいだろうよ! なんで俺様だけ!』
「はわぁ……なんですかこれはぁ……ワンドさんといっしょになっちゃいましたぁ……」
 結界の書き換えを利用した変化に戸惑うマロリー一味。その姿にアリスは自ら服を脱ぎ、マロリーの股間……変じた杖の上に大股を開けて跨った。
「さあ、今度は私がマロちゃんをおいしくいただく番よ。男の娘たちはこれで遊んでてね」
 アリスは触手を男の娘となった書に投げつけると、そのまま自ら腰を下ろし、杖……マロリーの棒をその体の中に加え込んだ。
「ひゃわぁぁぁっ!? あちゅ、な、なんですかこれは、はぁぁぁっ!?」
 未知の感覚に頬を染め嬌声を上げるマロリー。その本どころか実体験ですら到底知ることのなかった感触に、その腰は無意識に動き、すぐに何かがこみ上げてくる。
「だめ、熱い、何か、くる、きちゃいますぅぅぅぅ!!」
 絶叫と共に爆ぜる杖。そこから噴き上げられるのは強烈なエナジー。それを自身の下半身でたっぷりと味わうアリス。
 そのエナジーを吸収し恍惚感に浸り、さらに腰を振ってマロリーをプレスし追加を搾ろうとする。だが。
『ゲシシ、よっしゃ捕まえたぜ! 兄貴!』
『おう!』
 四肢と触手をフルに使い、侵略蔵書たちがアリスを戒めた。そしてそれに呼応するように、杖の変じた棒が熱を帯びていく。だがそれは肉の熱ではない。もっと危険なそれ。
『ゲヒヒ、食いたきゃたっぷり食わせてやるぜ!』
 杖の先端より放たれた衝撃が、アリスを胎内からかちあげた。上方に吹き飛んだアリスは結界の壁にぶつかり、そのまま壁を突き破って外へ転がり出る。
 たとえ結界の術で姿を変えようと、その棒は【インテリジェンス・イービル・ワンド】……自ら思考し、攻撃できる武器であり、ユーベルコードも持つ存在なのだ。それを自らの体内に咥え込むなど、自殺行為でしかなかった。
 消えていく結界の中、杖と侵略蔵書は元に戻りながらも態勢を整えるため一端下がっていく。
『ちっきしょう……殺れると思ったが、とんでもねぇ結界だ。ここまで抑え込まれちまうなんて……ガチで来られたらやばかったぜ』
『ゲシシ、この体捨てちまうのはちっと勿体ねぇがなぁ?』
「あー……はぁぁ……」
 杖の言う通り結界と吸収でその力は相当抑え込まれていた。猟書家クラスの攻撃を零距離で受けて吹き飛ばされるだけで済んでいるのは、まさにアリスの結界の凄まじさを物語っているのだろう。
 そしてその攻防など知らぬ実に、マロリーは何かを求めるように元に戻った杖を無意識に撫で続けているのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

中小路・楓椛
(アドリブ連携等歓迎)
WIZ
猟書家というのはニンゲンの価値観で言うところの「自分が悪という認識の無い悪」ですかね?
狐にとってはどうでも良い話なので気にしません。
気にしませんが皆さんと私の通行と生活の邪魔なので退去願いますね?

装備【ばーざい】全技能使用、【神罰】【呪詛】を奉じてUC【にとくりす】起動。
攻撃を相殺後、人々に謳われし神威権能を解放。

第六王朝最後のファラオ、優れた戦いの女神(ニトケルティ)の覚悟と断罪の名の下に、その鏡を門とする。
大いなる災い、不定形の黒き粘液よ、此処に来たれ、来たれ、来たれ。

ショゴスの「皆さん」、ヤッておしまいなさい。

――自衛能力の無い魔法使いに捌き切れますかしら?



「猟書家というのはニンゲンの価値観で言うところの「自分が悪という認識の無い悪」ですかね?」
 中小路・楓椛(流しの家事手伝い狐・f29038)はマロリーの言動を見てそう考える。猟書家の全てがそうとは限らないが、少なくともマロリーに関しては、その評価は当てはまると言えそうだ。本と物語を求め躊躇なく外道に落ち、その欲求の為にケットシー達の恩人を冒涜する。それでいて魔具たちからの『ワル』という表現を否定し何も考えていないと言い放つその姿勢は、まさに自覚なき悪と言ってよいものだろう。
 最も考えては見たが結局それは楓椛には関係ないこと。だから気にしない。
「気にしませんが皆さんと私の通行と生活の邪魔なので退去願いますね?」
 そう言って戦う姿勢を見せる楓椛を、態勢を整えたマロリー一味が迎え撃つ。
「気にしてないですか、そうですかぁ……私はとっても気にしてます、あなたの物語を!」
『ゲヒヒ、ああ言うのは気にしてるっていう意味なんだぜマロちゃん!』
『ゲシシ、無駄だぜ兄貴、物語モード入っちまったマロちゃんはそれこそそんなの気にしやしねぇよ! てなわけでセクシーマロちゃんよ、出番だぜ!』
 興奮するマロリーをからかうように杖と本が言うと、マロリーの眼鏡がずれ、それを契機にしたように彼女の姿がぶれる。そしてそのブレがそのまま実像と化し、眼鏡をかけていないもう一人のマロリーとしてその場に現れた。
「だからこのセクシー担当のアタシをツッコミとか場の進行役にするなって何度言えばわかるのかしら? まあいいわ。あの狐を狐うどんにでもすればいいのね? 行くわよイビワン! 蔵書どもはそいつを引っ張って下がってなさい!」
「ゲヒヒ、任せときな! おらこっちだマロちゃん!」
「ゲシシ、さすが常識派は話が早い!」
 もう一人のマロリーは本体から杖を奪い取り、侵略蔵書に引っ張られる本体と入れ替わるように前に出た。
「さーてそれじゃ狐ちゃん、さっさと細切れにでもなりなさい!」
 ダブル・マロリーの声と共に、杖の先からいくつもの魔力波が巻き起こる。それは楓椛を取り囲み、その身を切り刻み、破壊せんと襲い掛かった。
「はてさてこれはこれは……それな!」
 その魔力が放たれてから身を裂くまでの、ほんの一瞬程度の間。その僅かな間に楓椛の口は、早く、何度も、絶え間なく、力強く、一つ行うにも全力を振り絞る必要がある詠唱を、纏めていくつも紡ぎ出した。杖として使われる薙刀『ばーざい』による魔法力増幅の力が、長く複雑な詠唱を一瞬のものへと強引に圧縮したのだ。そしてそれによって呼ばれるのは、たった今自分の身を切り刻もうと放たれた魔力と全く同じもの。等質等価の魔力同士がぶつかり、それらは相殺されて宙に消えた。
「そして、まだまだ」
 その一言の中に、さらに多重の詠唱が込められる。その声に導かれるように出てきたのは眼鏡をかけぬマロリー……今楓椛の前に立つ女そのものだ。
『ゲヒヒ、これじゃダブル・マロリーじゃなくてトリプル・マロリーだな!』
「アホなこと言ってんじゃないの! 魔法でダメなら……物理で勝負よ!」
 ダブル・マロリーは持った杖を力任せにフルスイングする。それに合わせるよう召喚された三人目も手に持った杖を横に振った。そしてその杖同士が音を立ててかち合う。この手はあいこ、そう思われた瞬間。
「なっ……ばかなっ……!?」
『おいおいセクシーちゃん、まだ仕事終わってねぇぞ、どこ行く気だ!』
 ダブル・マロリーの姿が薄くなり、掻き消えた。そしてそれを道連れにしたかのように、三人目の姿も消えていく。後にはただ一つ残された元からあった杖だけが、持ち主を失い地面へと落ちた。
 【認知調律術式:にとくりす】を『ばーざい』の力で強引に早出しし、ユーベルコードを相殺する。いわば後出しであいこを出せばいいじゃんけんによって敵の技を封じた楓椛。さらに手を失った相手への追撃として、『結晶入りの透玉』を握りしめる。
「第六王朝最後のファラオ、優れた戦いの女神(ニトケルティ)の覚悟と断罪の名の下に、その鏡を門とする。大いなる災い、不定形の黒き粘液よ、此処に来たれ、来たれ、来たれ。ショゴスの「皆さん」、ヤッておしまいなさい」
 その声に応えるように、透玉に充填された神罰の力が黒い粘液となってしみ出した。それは一つの巨大な……あるいは無数の小さなスライムのように広がり、転がる杖を踏み越えマロリーへと迫る。
「はわわ……こ、これ、何ですか、色々込められすぎてて読み切れません、この私がぁ!?」
 その粘液に触れた瞬間マロリーの眼がぐるぐると回る。それはただ慌てているだけではない。体を侵し、心を狂わす狂気の神罰。その粘液に飲み込まれ、マロリーは自分を見失っていく。
「――自衛能力の無い魔法使いに捌き切れますかしら?」
『無理だろうな! ずらかるぞマロちゃん!』
 楓椛の言葉に、書の一冊が答えた。侵略蔵書たちは己が侵されるのも構わず一斉にマロリーに噛みつくと、強引に彼女を持ち上げ粘液から引きずりだした。そのまま高く飛び去り、楓椛の射程外へとマロリーを退避させていく。
『おい、このインテリジェンス・イービル・ワンド様を忘れんな!』
『おおっとすまねぇ兄貴、ついうっかり!』
 本の一冊が杖を咥え、飛び去っていく。連れていかれるマロリーの目の焦点はあっておらず、この僅かな侵食でも相当なダメージがあったことは見て取れた。
 マロリーを本から引きはがしていればより致命的なダメージも与えられたろうが、それでも十分な戦果であることは違いない。楓椛は広がり続ける粘液を、余計なものを侵さぬよう玉へと帰らせるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

稲荷・こん子
※アド、絡み◎

同行者:るこるさん(f10980)

・行動
(エレナ産バストのこん子)
「大きいの嬉しいけど、動き辛いのです…」

今の状態だと戦い辛いと思うので、るこるさんの後方で焼肉し、マロリーさんに一緒に食べようと呼掛け

一緒に食べれたら
敵だけど、本物の豊満な胸を持つマロリーさんに質問してみるのです
「何したらそんなに、育つのです?」

食事も終わり戦いが始まるタイミングで、胸のせいでバランスを崩し、手に持つ【メダル】が何処かへすぽーん…、召喚された魔物なのか、はたまたマロリーさんの谷間なのか…それは神のみぞ知る…


帰還後に桃姫さんにも、焼肉しながら胸の質問してみたい
「どうしたら、そんなに大きくなるのです?」


夢ヶ枝・るこる
■方針
・同行者:稲荷さん(f06041)
・アド/絡◎

■行動
無理矢理接近するのは難しそうですねぇ。
まずは焼肉でしょうかぁ。

様々な部位の『高級和牛』を[料理]で焼きましょう。
素材が良い分、味付けはシンプルな方が良さそうですぅ。
マロリーさんが出てくるまでは【仰域】の『波動』で魔術を吸収し防御、稲荷さんや鉄板も庇いますねぇ。

マロリーさんが出てきたら一緒に焼肉しつつお話、戦いは食べ終わってからで。
【仰域】で吸収したエネルギーを『FRS』に充填、[砲撃]しますねぇ。
ただ『猟書家級の攻撃』ですと、吸収出来ても『胸の肥大化』として影響が出る可能性が。

まだお肉は有りますし、帰還後に桃姫さんを焼肉にお誘いしても?



 ダメージを受けたマロリー本体を引きずり、一旦退却したマロリー一味。だがその先にも、猟兵たちの容赦ない追撃は及ぶ。
「大きいの嬉しいけど、動き辛いのです……」
 稲荷・こん子(七変化妖狐・f06041)は先の戦いで子豚・エレナから吸収した胸が戻らず、慣れない巨乳姿のままだ。胸が大きくなることは純粋に嬉しいが、それで戦いが有利になるかは別問題である。
「無理矢理接近するのは難しそうですねぇ。まずは焼肉でしょうかぁ」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)も大きな胸を揺らして言うが、こちらは何かの効力で大きくなっているわけではない天然物である。
 最も二人がいきなり攻めるのを躊躇しているのは胸が大きくて動き辛いからではない。意思を持った複数の存在が本体を置いて反撃できる、マロリーの自動迎撃とも呼ぶべき戦法を警戒しての事だ。
 その戦法を崩すべく、二人はエレナ戦でも使った大量の高級肉を用いた焼肉を始めた。流石に二度目ともなれば手際もさらに良くなり、瞬く間にきれいに鉄板に並んだ肉がじゅうじゅうと音を立てかぐわしい香りを立たせ始める。
「はわぁ……お肉が焼けてますねぇ……」
『ゲヒヒ、こうまであからさまな罠にかかると思われるたぁナメられたもんだぜ!』
『ゲシシ、まあ実際かかっちまうんだからしかたねぇぜ兄貴!』
 明らかに肉につられているマロリーを、侵略蔵書たちが服を噛んで押しとどめた。
「ほらほらマロリーさん、お肉ですよー! とってもおいしいですよー!」
 こん子が後方から張り上げる声に、マロリーはそちらを向いて今にも侵略蔵書たちを振り切りそうになっている。だがその手にある杖の眼の部分がギラリと光り、二人を睨みつけた。
『言って聞かねぇ子にゃお仕置きが必要だなぁ? 蔵書ども、ちっと我慢してろ!』
『ゲシシ、そりゃねぇぜ兄貴!』
 マロリーが杖を振るう……否、杖がマロリーの手の中で勝手に暴れると、その先端から巨大な魔力波が四方八方へと撒き散らされた。後方ではその魔力波から蔵書たちが懸命にマロリーをかばい、一方前方にいるるこるとこん子、そして焼肉セットにもそれは容赦なく襲い掛かる。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて供物を捧げましょう」
 その魔力波に対し、るこるは【豊乳女神の加護・仰域】を発動、乳白色の波動を纏いその攻撃を吸収しようとした。
「これは……やっぱり強いですねぇ……!」
 一度に吸える量を上回る攻撃が波動を切り裂き、るこるへとダメージを与える。だがそれでも、後方にいるこん子と肉は守らんとるこるはその場を動かなかった。そして魔力の第一波が止んだ瞬間、るこるがまだ無事に立っているのを確認したこん子は再度声を張り上げた。
「マロリーさん、丁度焼きあがりましたよ! 一緒に食べましょう!」
 その誘いに、マロリーは今度こそ本たちの戒めを振り切り、前へと釣りだされた。蔵書たちは慌てて噛みつきを強めようとするが、無差別攻撃のダメージによって反応が遅れたか、その牙は服の裾をびりびりと食いちぎるに終わった。
「おぉぉ……これはお肉……素晴らしい、カルビハラミロースタン……主役級が勢ぞろいです!」
 目を輝かせ肉を食べ始めるマロリーを、二人はあえて攻撃しない。敵とは言え、また石碑の影響によるものであれ、肉を愛する心があるなら一時食事を共にするくらいはいいはずだと、巨乳娘三人での焼肉パーティがここに始まった。
 その中で唯一、その胸が自前ではないこん子はマロリーの胸をじっと見て尋ねる。
「ところで、何したらそんなに、育つのです?」
「むむむ……私自分の事には余り興味がないので、考えたこともないのですよねぇ……勝手にこうなったとしか……」
 マロリーは申し訳なさげに言う。巨乳女性に質問するとしばしば帰ってくるその答えに、こん子は残念そうに肩を落とした。
 そのまましばらくお喋りと肉や着に興じる三人。
「それにしてもそちら様はたくさん食べますねぇ。ところで、何をなさっているのです?」
 自分の肉が徐々に少なくなっていく中、マロリーはるこるが肉を食べながら何か別の者も近くで動かしているのを見て取った。
「ええ、これはまぁ、食べ終わったら使おうかと……」
 そう言って動かしているのは、宙に浮いている筒のようなもの。そこに何かが徐々に溜め込まれているようだ。これが何に使われるのかと考え、マロリーはすぐに思い至る。
「もしかしてそれ……武器とかですか?」
「そうなんですよぉ、ごめんなさい」
 マロリーの皿から肉がなくなると同時に、【仰域】で吸収した力を充填された浮遊砲台『FRS』が、その砲身を一斉にマロリーへと向けた。その光景にマロリーは顔を引きつらせる。
「や、やっぱり最後はこうなるんですかぁ~!」
『ゲシシ、言わんこっちゃねぇなマロちゃん! こんなにビビりやがって!』
 マロリーが涙目で言うと同時に、侵略蔵書の口から何匹ものモンスターが吐き出された。それは如何な物語が元となっているのか、燃える真っ黒な体を持つ木の人形や筋骨隆々の直立した牛、黒く香り高い液体性のスライムなどの異形のモンスターだ。
 マロリーの恐怖をトリガーに呼び出されたそれらは、まっすぐるこるへ向けて襲い掛かっていく。るこるは複数あるFRSのうち何台かをそちらに差し向け迎撃に当たるが、その分包囲の緩んだマロリーはスキをついて逃げ出してしまった。
「あ、ちょっと待って……うわわっ!?」
 それをこん子が追おうとするも、慣れない巨乳、しかも自分の頭より大きなエレナ基準のサイズの重量に引っ張られ、バランスを崩し倒れてしまった。そしてその表紙に、こん子の持っていた妖怪メダルがすっぽ抜けて宙を舞う。その行きつく先は……
「はわぁ、何か挟まりましたぁ~!」
 まるで狙ったかのように、マロリーの豊かな胸の谷間にジャストイン。そしてメダル命中が条件となるこん子のユーベルコード、【特技・狐憑きメダル】が発動。こん子の姿が掻き消え、メダルを媒体としてそのままマロリーの豊かなバストに憑依してしまった。
「こ、これが本物の巨乳の感覚……じゃない、今の内だ、やっちゃってるこるさん!」
 マロリーの乳となったこん子は、その体を強引に引っ張りモンスターたちと並ぶようにマロリーを引きずっていく。そしてマロリーとモンスターがまとめてFRSの射程に入ったところで、るこる吸収した力を一気に解放した。
「さすがは猟書家クラスの力、すごいパワーで……えぇ、こっちにもですかぁ!?」
 砲撃としての放出だけでは足りなかったか、反動としてその力はるこるの胸を肥大化させてしまった。もともと豊かだったるこるの胸が一気に体を覆う程まで膨れ上がり、砲撃でふらついていたモンスターとマロリーを纏めて弾き飛ばした。
「はわわぁ~……おっぱい怖いですぅ~!」
 その勢いで憑依が溶けたこん子を置き去りに、マロリーは傷ついた体を杖で支えながら逃げ出していった。こん子をはもちろんるこるもさすがに子の胸では俊敏に動くことは出来ず、追撃は諦める。
「仕留め切れませんでしたが……まだお肉は有りますし、帰還後に桃姫さんを焼肉にお誘いしても?」
「あ、それいいね! 桃姫さんにも聞いてみたいんだ。どうしたら、そんなに大きくなるのです? って」
 戦後グリモア猟兵を誘い焼肉二次会を企画する二人。なんだかんだ押しと誘惑に弱い彼女は恐らく承諾するだろうが、こん子の問いにいかに答えるのか、それはまだ分からなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ
前の依頼のミートフルーツってお肉そっくり果実に邪神式ゴッド・クリエイション(筋力強化)を掛けたイーヴィル・ミートフルーツ(ヴァー…と鳴いて歩く骨付肉型謎生物)をUCで創って【ペインプレジャー】を仕込んで毒使いドーピング〜♪

ほらほらマロちゃん〜♪全世界でぴゅあにしか創れない特別なお肉だよ〜♪恍惚の表情のまま気を失っちゃう味だよ〜♪
催眠術
誘惑
おびき寄せ
存在感

マロちゃんが釣れたらぴゅあの髪で纏めて拘束だよ♪
鋭刃で服を切り裂いて、あ♪パンツとブラは貰うね♪
マロちゃんに化術肉体改造♪
触手で搾乳、UC(繁殖力強化)で生やして咥えて挟んで跨って【幼淫魔姫の体液】で濡れたぴゅあの中での暴力的捕食で神罰だよっ♡



 さらに傷を負い逃げたマロリーに、次なる猟兵の手が迫る。
 純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ(永遠に無垢なる幼く淫らな魔貌の邪神姫・f30297)は肉のような謎の物体をもってマロリーを待ち受けていた。
「ほらほらマロちゃん〜♪全世界でぴゅあにしか創れない特別なお肉だよ〜♪恍惚の表情のまま気を失っちゃう味だよ〜♪」
 そういうピュアニカの前にあるのは、ヴァー…と鳴いて歩く骨付肉型謎生物ことイーヴィル・ミートフルーツ。確かに肉の形をしてはいるが、鳴いて歩いている姿はさすがに食欲を減退させる……
「はわわ、なんですかあれは! お肉なんですか? 肉型の何かなのですか? これは興味が尽きません!」
 なんてことはなく、その肉っぽい何かにあっさり引き寄せられているマロリー。どちらかというと食欲より好奇心の方を刺激されているような気もするが、そちらはマロリーが本来持っている欲求だ。石碑の影響で発生している食欲より根源的には強いのかもしれない。
『ゲヒヒ、マロちゃんあれはさすがに食ったら腹壊すだろ!』
『ゲシシ、今のマロちゃんは肉っぽけりゃ何でも食いついちまうからなぁ!』
 杖と本が口々に言って止めるが、マロリーはそれに構わずミートフルーツへと飛びついていく。そしてそのまま奇声を上げる肉を持ち上げると、躊躇なくその体(?)へとかぶりついた。
「ほぉぉ……これは、これは……え、これは……!」
 何やら言葉を失うマロリーと、それをにやにやと見つめるピュアニカ。程なくしてマロリーの体は奇妙に火照り始める。
「はれれ、これは……」
「それはお肉の中に入れたと~っても気持ちよくなれるお薬だよ。さあマロちゃん、気持ちいことしようね~」
 ピュアニカは自身が肉の中に入れた性的興奮と苦痛の快楽への変換を行う秘薬『ペインプレジャー』が効いているのを確認すると、自身の髪をマロリーに絡ませつつ、その体を弄んだ。
 豊かな胸を掴んで搾るように揉み、スカートの中に手を差し入れそこをかき回す。
「ふあ、あ、またこれぇ……」
 何か覚えのある感覚に中てられているのか、マロリーは頬を染めながら腰を揺らして喘いでいる。
『ゲヒヒ、こりゃそろそろ助けてやらねぇとな。おい蔵書ども、準備はいいか?』
『ゲシシ、準備は出来てるぜ! 出来てるんだがよぉ……トリガーが来やがらねぇんだよなこれが!』
 そんなマロリーの様子に、置き去りにされた杖と本がそう会話していた。侵略蔵書たちの技である【リアライズ・パニック】は、唯一発動が自動ではなくマロリーの恐怖が必要となる。故に薬に侵されマロリーが正気を失っている今、たとえ蔵書側の準備が完了だろうとその発動条件を満たすことができない。変わらない口調からは分かりづらいが、どうやら彼らも相当焦っているようだ。
 敵の攻撃が来ないのをいいことに、ピュアニカはマロリーの体をまさぐり続ける。特に股間を弄る手の動きが艶めかしくも何かを形作るようで、その手の位置がスカートの中で徐々に前に動いているのは何故ゆえか。そしてそれが一定の場所まで達した時、マロリーは体を震わせピュアニカはスカートから引き出した手を一なめした。
「じゃあこれからも~っと激しいことを……」
 そこからさらに、ピュアニカはマロリーの服を切り刻み下着を強奪せんとする。その手にあるのは、ぎらついた鋭い刃。
 その刃がマロリーの胸元を切り、たっぷりしたカップのブラを露にさせる。
「……ひっ」
『よっしゃ、来たぜトリガー! おらいけ化物ども!』
 そのブラにピュアニカが手を伸ばした瞬間、マロリーが一瞬詰まった声を出し、同時に蔵書の歓喜の声が響いた。そしてそれに呼ばれるように、大量の足の生えたブロック肉のモンスターが一斉にピュアニカへと襲い掛かる。
 いくら薬と快楽に染められていようと、さすがに刃物を向けられれば反射的に恐怖を覚えるのは当然だ。マロリーのように自分で直接戦うことをしないタイプならなおさらである。
「ああ、もう、なんなの! 邪魔しないでよ!」
 その化物にお呼びでない、とばかりにピュアニカは触手と刃物を向ける。ユーベルコードをこれから行うマロリーへの凌辱に用いようとしていた関係で武器だけでの応戦になるが、元より興味のないものへの容赦を持たないピュアニカの事、それだけでも十分な攻撃となり、モンスターたちを押し返していく。
「ひゃうぅ、結局さっきのお肉はなんだったんですかぁ~!」
 涙目で蔵書と杖の下へと駆け戻っていくマロリー。
「ざーんねん、もっと咥えて挟んで跨って幼淫魔姫の体液】で濡れたぴゅあの中での暴力的捕食で神罰したかったのに。こいつらのせいだね……まあこれはお土産にもらってくよっ♡」
 ピュアニカはマロリーからはぎ取ったブラを片手に持ちつつ、登場したモンスターたちを触手で貫き破壊するが、その間にマロリーははるか後方へと対比してしまっていた。ユーベルコードへの対応を手持ち武器でのとっさの対処に頼っている以上、これ以上の追撃は難しいだろう。
「はわぁ……で、結局これは何なんですかぁ~」
『ゲヒヒ、今日はツイてんなぁマロちゃん。ま、そのうち戻るだろ』
「そんなぁ~!」
 一方退避したマロリーは、ピュアニカに埋め込まれた快楽を治るまで一人搾りだす羽目に陥るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ

物語が好きなら
とっておきの物語を見せてアゲル♥

『快楽の檻』で先程のエレナやメイド達を始めとする
数多のオブリビオンと絡み合った直径91mの群体淫魔と化し
455倍の戦闘力と【オーラ防御・激痛耐性】で攻撃を物ともせず
【料理・早業】で高級焼肉を振舞い【誘惑・催眠術】を籠めた
ミュージカル【楽器演奏・歌唱・戦闘知識・世界知識】で
私達の愛の想い出を披露し
マロリー達の食欲、愛欲、知的好奇心を刺激

マロリーちゃんにマロリーお姉様。
喋る杖と書も、この物語の主人公よ。
共に愛の物語を紡ぎましょ♥

全員【念動力・マヒ攻撃】で金縛りにしつつ引き寄せ
媚毒の【呪詛】に塗れた裸体の檻に取り込み【慰め・生命力吸収】



 ようやく体が落ち着き、服も着替えたマロリー。何しろ普段から蔵書に噛まれてすぐ破れるのだ、服の替えだけはいくらでも用意してある。
 しかし体が整えば起こるのは次なる戦い。ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)がマロリーの前に立ち、彼女に誘いの言葉をかけた。
「物語が好きならとっておきの物語を見せてアゲル♥」
 物語、の言葉に性懲りもなくマロリーが目を輝かせるが、さすがに何度もひどい目にあっているのを理解している杖と本は彼女を止めようとする。
『ゲヒヒ、どーせまたちょっと食ったところでなんかされちまうだけだぜ!』
『ゲシシ、殺られちまったら本も読めないし肉も食えないぜ!』
 両者のその忠告にマロリーの動きが一瞬鈍るが、ドゥルールはそんな彼らの言葉を否定するかのように、一言告げる。
「愛は全てを包み込むの」
 その言葉と共に発動するのは、ユーベルコード【快楽の檻】。これで傷つける意思はないとでもいう風に投げ捨てた短剣『悲愴の剣』が消えていくとともに、ドゥルールの周囲に無数の女の姿が現れる。そして彼女たちはドゥルールを中心に互いに繋がり、絡み合い、まるで直径91メートルの肉の球体のような様相へと変じていった。
「こ、これは……いったいどれほどの物語を重ねればこんなにいっぱいの……!」
『ほら言わんこっちゃねぇ、集団リンチのお時間だぜ!』
『よっしゃ数には数で対抗だ。出番だぜセクシーちゃんよ!』
 見とれるようなマロリーの声にかぶせるよう、杖の呼び声が響く。それに応えるように眼鏡をかけないマロリーが現れた。
「いや、あれがどんだけいるのか分かんないけど一人増えたところで足しになると思う?」
『出てきて速攻のツッコミさすがだぜ! まあ実際動かしてんのは真ん中のアレだろ、やっちまおうぜ!』
 規格外の召喚人数だが、ユーベルコードであるなら使用者は一人。ならばそれを狙えばいいと、ダブル・マロリーは集団の最も目立つところにいるドゥルールに向けて魔力波を放った。
 強烈な衝撃がドゥルールに叩きつけられ、その周囲にいた女たちが吹き飛ばされる。さらにダブル・マロリーは間髪入れずに踏み込み杖をフルスイング、ドゥルールの顔面を思い切り横殴りにした。
「そう焦らないで。すぐに全て用意するわ」
 だが、杖の当たったドゥルールは何事もないかのようにそう言って、絡み合う女たちに指で指示を出した。
 女たちは球体から分かれ各々の仕事を高速で始めた。メイドたちは手早く肉を焼いて並べ、楽器を持ったものは並んでそれを構える。それは先の戦いで争い合った者同士が肩を並べ同じ者に仕える平和な、あるいは敵対者としては恐ろしい光景であった。
「お肉を焼いて、笛をもって……はわぁ……こちらの石碑の人を深くお読みになられたのでしょうか。何故そんなことをなさるのか……是非とも聞かせていただきたく!」
「バカ、そんなもん気にしてる場合じゃないだろ!」
 マロリーをマロリーが止める、そんな光景の前で、笛を持った吹奏楽団は一斉に演奏を始める。その演奏をバックに始まるのは、魔法使いや和装の女、獣人に半機械のサイボーグなど様々な姿のオブリビオン達と、ドゥルールの愛を語るミュージカル。ドゥルールのユーベルコードによって召喚された部員たちは強化術の恩恵にあずかり、先の戦いより明らかに演奏技術が向上している。
 そしてそれを見るマロリーの前にメイドによっていくつもの肉の乗った皿が供された。さらにそれはダブル・マロリーや杖、本の分まで用意されていく。
「おぉぉ……演劇を見るより演劇の本を読むほうが好きなのですけど……でも。たまには音楽もいいですね、お肉もありますし!」
『こんなもんを出されても俺様たちは食えねぇよ!』
「同感だよ、さっさと戦うよ!」
 そう言ってダブル・マロリーと杖は舞台に乱入しようとする。だが、その前にドゥルールが進み出て彼女たちを遮った。
「マロリーちゃんにマロリーお姉様。喋る杖と書も、この物語の主人公よ。共に愛の物語を紡ぎましょ♥」
 そう言ってドゥルールはマロリー二人の手を取り、自ら彼女たちを演劇の中へいざなった。
 その中で浴びせられるのは455倍という驚異の数値で強化された相手を縛る呪詛。万一打ち消されるようなことがあれば武器をただなくしただけという不利を被る危険のある強化だが、反撃のための攻撃技しか持たないマロリーにはこの上なく効果的だ。そして今その力で演じられる物語は、ドゥルールの愛の物語。その登場人物になるということは。
「さあ、これから語られるのは貴方との愛の物語」
 肉の群れに引き込まれ、二人のマロリーと杖、そして本から一気に生命力が吸い上げられる。
「はわわわわ……この数、読んでも食べても終わりません……!」
 ドゥルールに唇を吸われ、生命力と引き換えに彼女の物語を体で聞かされるマロリー。舌に肉、耳に笛、そして体に物語。自身と石碑の好物をこの上なく与えられ恍惚とする彼女には、自分の分身や魔具たちの忠告や悪態など当面届くことはないのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

完全邪神夢魔としての真の姿を解放。
あー流石にユべコまでは呑み込みきれなかったかー。まぁ、いいや。一回繋がったことでパスゲーット♡
なんのパスかってーと、精神世界へのパスでございます☆
まずは喋る杖ちゃんの夢に指定UCでお邪魔して内側から捕食して略奪するわ。完全邪神第1形態としての分体(式神使い/集団戦術)で杖ちゃんの精神を上書きして骨抜きにしてあげるわ♪
無事に杖ちゃんの魂を略奪できたらそれを手土産にマロちゃんの夢の中へ。ふふ、だいぶハマちゃったようだしこの杖ちゃんの魂をプレゼントしたらきっと悦んでくれるわね♪
さ、邪魔の入らない世界でめくるめく夢の一時を♡



 好きなものを多く供されて珍しくご機嫌なマロリー。次にその前に立ったのは意外な人物であった。
「あー流石にユべコまでは呑み込みきれなかったかー。まぁ、いいや。一回繋がったことでパスゲーット♡」
 まるでなんでもないことのようにそう言うのは、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)。一度不覚を取ってなお、怖じた様子はまるでない。
『ゲヒヒ、誰かと思えばさっきの結界女じゃねぇか。せっかく助かったってのにわざわざ殺られに来たってか!』
『ゲシシ、兄貴の棒が恋しくてきちまったんだよ! 言わせんな恥ずかしい!』
「はわわ、そ、そう言うトークはもうちょっと小声で……」
 一度下した相手だからか、余裕の会話をするマロリー一味。アリスはそれでも笑顔を崩さず、マロリー……とりわけその中でも杖を見つめていた。
『さてまた訳の分かんねぇこと言ってるけど、お得意の結界はもう効かねぇぜ!』
「一度読んだ物語を読み直すのもいいですけど、今は新しい物語が読みたい気分でして……」
『ところでさっきからじっと俺様のこと見てやがるが、まさか本当に俺様目当てってか? それじゃ遠慮なくぶち喰らえや!』
『あ、兄貴、それ撃つ前は何か言えっての!』
 自身に視線が注がれていることに気づいた杖が、望みの通りとばかりに八方に魔法を乱れ打ちした。その無差別攻撃に侵略蔵書たちは慌ててマロリーをかばうが、アリスはそれとは逆に、無防備にその魔力を受け止めた。
 このまま前回の二の舞に……そう見えた瞬間、アリスの前で魔力がまるで水が壁にでもあたったかのように弾け、そのまま消える。
 散った魔力の残滓を超え、アリスはゆっくりとマロリー……正確には杖の方へ近づいた。近くに来られて一味はようやく気付く。アリスの胸や背……そして何より威圧感が先ほどとは比べ物にならないほど大きくなっていることを。先の戦いでのダメージにより、アリスの真の姿が引き出されていたのだ。それによって元より高い力がさらに引き上げられ、最早ただ撃っただけの魔法を払うことなど造作もない。
『な、て、テメェ何してやが……』
「なんのパスかってーと、精神世界へのパスでございます☆ さあ杖ちゃん、ステキな夢を見ましょう」
 そのままアリスはがしっと杖の先端……頭部に当たり部分を鷲掴みにする。そしてその手から【不可思議なる邯鄲乃夢♡】を放ち、杖の精神世界にハッキングを仕掛けた。
『やめろ、テメェ……俺様の中を見るんじゃねぇ!』
 いつも人を馬鹿にしたような口調で喋る杖が、本気で拒絶するような言葉を吐く。だがアリスはそれを聞き入れることなく、杖の精神を内部から閲覧、捕食を続けていった。そして食らった分の精神は自身の分体で埋め、杖を一時的にでも己の精神の一部に書き換えていく。
「さすが喋る杖なんて変なモノね、人とは全然違う精神構造してるわ。ま、おかげで言い手土産ができたし……さて、次ね」
 アリスはそう言って杖から手を放し、今度はマロリーの頭部へ手を伸ばした。
「はわわ……な、なにするんですか!? ワンドさん、ワンドさーん!?」
『オイオイどうしちまったんだよ兄貴! いつもの威勢はどうしたよ!?』
 こういう時に真っ先に動いて攻撃してくれる杖がまるで動かない。その状況に困惑するマロリーは、そのまま無防備にアリスに頭を掴まれた。そしてそこから始まるマロリーへの精神汚染。
「ふふ、だいぶハマちゃったようだしこの杖ちゃんの魂をプレゼントしたらきっと悦んでくれるわね♪」
 つながった精神の中で、今度はマロリーの世界が書き換えられはじめた。案の定彼女の精神の中は書物で埋め尽くされていたが、その内容が次々と淫らで背徳的なものへ書き換えられていく。そしてその精神世界の中にたたずみマロリーの体にも変化が。
「はわわ……こ、これ、まさかワンドさんの……」
 マロリーの体に、先刻結界の中で一体化させられた形となって『杖』が生やされる。しかも今度は先に精神を書き換えられ、まさにその為の存在とされた杖だ。
 先の戦いで杖に意思と力があることを失念しアリスは不覚を取った。だが今度は、その意思があるが故の精神を奪うことで攻撃を封じるのみならず自身の武器にすら変えた。一度苦戦したが故に、対応策は今度こそ万全に整えられていたのだ。
 そして、その先にある『お楽しみ』も。
「さ、邪魔の入らない世界でめくるめく夢の一時を♡」
 敗因を勝因に変え、アリスは優しく激しい手つきで、マロリーと杖を愛でるのであった。
「あひゃ、またこれ、あっ、あぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 そしてすぐに爆発するマロリーの快感と熱い迸り。さっきよりはるかに多量のそれを体に浴びながら、アリスはマロリーの夢と精神を侵し続けていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イリス・アンリリンキッシュ
spd
先程の方々程とは行かないでしょうが、新しく高級な肉を焼き…白米も付けます。相性が良いらしいので一人でゆっくりお食べください。

「こんにちは、いい天気ですね」
お肉に食いついたらUCを発動、迷彩だけ解除して…急に現れた(表情の変わらない)私に「恐怖」を覚えてもらいます。

「書物の登場人物」が私に何人も攻撃しようと全てマロリーさんにお返ししますね?
お読みになった書籍の中にそんな存在…不死身に近い怪物はいませんでしたか?

折角なのでもう一度姿を消して話しかけてみましょうか。
「姿が見えないのに自分に痛みが入る…貴女が好きな本にありそうな素晴らしい物語の状況ですよ?喜んでください」

(アドリブ・共闘歓迎)



「ワンドさん、大丈夫ですかぁ……?」
『ゲヒヒ、まさかまず俺様を潰しにかかられるたぁなぁ……』
『ゲシシ、モテる男は辛いなぁ兄貴?』
 さすがにここまで戦闘続きでは石碑をどうこうしている余裕などないと、ようやく元に戻った杖と共にしばしの休息をとるマロリー一味。
 そんなマロリーの鼻を、今日になって突然好きになったにおいがくすぐる。
「おや、あれは……」
 そのにおいの元をたどると、そこにあるのは今まさに肉の乗せられた焼肉セット。もちろんテーブルや食器類も完備だ。
 さらにテーブルの上には、今までありそうでなかった白米まで置いてある。
「はわわわ……お肉です! しかも、ご飯つき!」
『学習しろやマロちゃん!』
 そんなわちゃわちゃな様子を、すぐ近くで見つめるものがあった。
(先程の方々程とは行かないでしょうが、新しく高級な肉を焼き……白米も付けました。相性が良いらしいので一人でゆっくりお食べください)
 イリス・アンリリンキッシュ(私は「いつも笑顔」です!・f21317)は、そのすぐ傍で姿を消したままじっとマロリーたちの様子を窺っていた。ユーベルコード【貴方を帰さぬ幻影の城】の力で姿を消し、誘い込む罠としての肉の効果をそのすぐ傍で見守っているのだ。
 やはりマロリーはその肉につられ、杖を置き去りにしてその肉に飛びついていた。良く焼けた肉を米に乗せ、口いっぱいに頬張る姿は実に幸せそうである。
「こんにちは、いい天気ですね」
 そのマロリーの前に、イリスは電磁迷彩のみを解除し突然現れいつもと変わらぬ笑顔で挨拶をした。食事中にいきなり目の前に現れた笑顔にマロリーはこの上なく驚愕し、口に入れていた米と肉を思い切りのどに詰まらせる。
「んぐ……むぐぐぐぐぐ!!」
『あーほら言わんこっちゃねぇ! テメェも飯食ってる人間脅かすなんてマナー違反だぜ! お仕置きだオラァ!』
 目を白黒させるマロリーに代わり、周囲に浮く侵略蔵書たちが一斉に自らのページを高速でめくっていく。それに呼び出されるように、何人もの人型の魔物が姿を現した。
 その人型たちはある者は肉に対する蘊蓄を語り、ある者は焼肉の食べ方についての講釈を垂れ、そしてある者はただ黙って、イリスへと襲い掛かった。
 恐らく焼肉を食べることに主眼を置いた、グルメ本やエッセイの人物を魔物化させたものだろう。彼らは箸やトングを模した武器や、あるいは素手でイリスを一斉に責め立てていく。だがイリスは決して笑顔を崩すことなく、その攻撃を全てその身で無抵抗に受け止めた。
『おいおいおい、もしかして脅かしてのどに詰まらせてぽっくり逝くの狙いだったか? あいにくだがマロちゃんはそこまでババアじゃねぇよ! ま、そう言っても……』
「蔵書さん、ストップ、すとーっぷ!!」
 猟書家の中にも原初のクリスタリアンであるプリンセス・エメラルドがいるように、オブリビオンにはしばしばとんでもない年齢の者がいる。それと関係があるのかどうかは定かではないが必死に止めるマロリーの前で、呼び出されたモンスターがイリスに加える嵐のような攻撃がまずは一度収まった。
「ありがとうございます。お礼をお返ししましょう。これは心の姿、あなたの姿。映さぬ鏡、などは無く!ユーベルコード:貴方を帰さぬ幻影の城(ホワイト・イリュージョン)!」
 その打撃の中、傷一つつかず笑顔のまま現れたイリスは、高らかに己のユーベルコードを詠唱した。それに呼ばれるように彼女を中心に起こる衝撃が、モンスターたち、そして蔵書とマロリーを一気になぎ払う。
「きゃあああっ!?」
『ゲゲっ……てめぇ、ダメージ無効化して全反射とか使用禁モンだろが!』
 うずくまるマロリーと文句を言う侵略蔵書たちの前で、イリスは黙って再び姿を消した。そしてそのままマロリーの耳元に回り込み、そっと小声で囁く。
「姿が見えないのに自分に痛みが入る……貴女が好きな本にありそうな素晴らしい物語の状況ですよ?喜んでください」
「ひぃぃぃぃぃぃっ!?」
 不可視の相手からの言葉に、マロリーは顔を引きつらせ悲鳴を上げる。それに呼応するように蔵書たちは再びモンスターを呼び出すが、そうなればイリスもまた姿を現し、その猛攻に身を曝す。
「より恐れてくださったようですね。先ほどより魔物の攻撃が激しく感じられます」
 しかしそう言うイリスに傷は一切ついておらず、やがてそのダメージはまたマロリーに代えることになるだろう。
 透明と無敵と反射。強力極まりないこれらの効果を持つ技を、当然無制限に使えるはずはない。イリスの寿命はこの技を発動中、毎秒ごとに削られ続けていた。その命を削られる反動はイリスの体を蝕み、体の不調、動きの鈍化として実の所効果を見せ始めていた。
 だが、イリスの表情は崩れない。例え力と引き換えに命が音を立てて削り取られていようと、イリスはいつも笑顔なのだ。
 その笑顔のまま、再度攻撃を反射して魔物たちを一掃するイリス。その一見圧倒的な、その実命がけな反撃を笑顔で行う様に、マロリーはさらなる恐怖に追い込まれて行くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・スラクシナ
※エルーゼ、華澄、ジェイクと行動
真の姿:白い毛皮のレオタードに魔力の結晶が填った籠手や具足

エルーゼと二人で奇襲組をする事になった。
「なにを……んッ」
クロタにいきなりキスを受けたかと思えば身体が熱くなって。
真の姿に変わるのは二度目だが、まだ意図的には無理か。
誘い込めれば挟み込む形で奇襲し、逃げ場を封じる。
あの杖を破壊できれば、少しはなんとかなるか。
華鳥封月を抜き、ダッシュで攻め込む。
第六感を働かせながら危険予知で攻撃の回避。
リミッター解除で限界まで能力を引き出し、あれより速く攻撃を繰り出す。
(もっと強い力……それがあれば)

アドリブOK


エルーゼ・フーシェン
※アリス、華澄、ジェイクと行動
真の姿で対処

アリスと一緒に奇襲に回るわね。
クロタを呼び出しておいて、奇襲に備えないと。
とか思ったらいきなりアリスにキスして!
「なにしてるの!?」
聞けば魔力を流し込んで覚醒を促したと。
なんか見せつけられたようでいい気はしないけど、仕方ないわね。
誘い込めたら真の姿になって挟撃開始ね。
ヤヌスを持って属性攻撃による炎と風と雷の元素の刃で攻める。
空中浮遊で機動性を増して様子を見ながら攻撃を繰り出す。
数押しで攻めてくる様子なら鞭状にして範囲攻撃を繰り出すわね。

アドリブOK


藤宮・華澄
※アリス、エルーゼ、ジェイクと行動

ジェイクさんと共に誘い込む役で。
肉を焼いてその匂いで本体を誘いこみをやります。
誘い込めれば挟撃、そこからそれぞれ攻撃を仕掛けますね。
ヴァナディースで援護射撃を行いつつ、回復や強化を行います。
狙われたらすぐに逃げるように見せかけて誘い込みます。
転倒するふりをして隠していた桜華一文字を使って騙し討ちを狙います。
(今のままだと……ダメ。もっと強力な武器や術があれば)

アドリブOK


ジェイク・リー
※アリス、エルーゼ、華澄と行動

本と杖の誘い込みを行う。
呼び出すのはフェンリア、グリムニル、ドゥームの三者。
ドゥームに射撃させ、フェンリアは氷の鎌を投擲させる。
誘い込めたら挟撃、グリムニルが氷壁を作り逃げ場を封じ、複数の刃を持つ槍の様な氷の杖を形成しリミッター解除と魔力溜め、全力魔法による極低温の属性攻撃で動きを封じる。
ドゥームが水平二連装ショットガンやヘビーマシンガン、ガトリング等を使う。
フェンリアは魔刀を振いつつ、氷のナイフを投げる。
ダッシュで移動しつつ双刀にした八邉鬼衆で二回攻撃や鬼神の覇気を纏わせ範囲攻撃を繰り出す。

アドリブOK



 度重なる戦いで、マロリーは確実に消耗していた。そしてその重なる戦いでの敗因の多くは、石碑に引きずられて得てしまった肉への欲求。元より好きなものに関しては周りが見えなくなるほど熱中するマロリーの性格からして、好物を増やされると言うのは致命的な弱点増加とも言えた。
 だからこそ、この瀕死の状態でも肉のにおいをかげば罠とわかっていてもそちらへ引き寄せられてしまう。
「来ましたね」
 藤宮・華澄(戦医師・f17614)は肉を焼きながら、マロリーが杖と蔵書のしつこいまでの制止も聞かずに自身の方へ向かってくるのを確認する。
 その隣ではジェイク・リー(影の護り手・f24231)が彼女を護るかのように堂々と仁王立ちしていた。
 そんな二人の正体など気にすることなく、マロリーは華澄の焼く肉に飛びつき、それを食べ始める。
「おお……やっぱり疲れた時はお肉でパワー補充ですよ! 例え何度騙されようとも、お肉の美味しさだけは裏切らないのです!」
『補充する端からパワーが抜けてるのを忘れるなよマロちゃん!』
『肉は裏切らなくても肉を焼いてるやつは確実に裏切るぜマロちゃん!』
 杖と書の忠告をそのまま当てるかのように、ジェイクは軽く手を上げる。
「来い!」
 場を揺るがすほどのジェイクの声。それに呼応するように、三人の人間が彼の陰から飛び出した。
「俺とも遊んでくれるよなぁ?」
「ひとりでに動く魔術道具か……」
「…………」
 白狼の毛皮を被り、帯状の布で目のラインだけを出し顔を隠し寒冷地の民族衣装の様な恰好のフェンリア、紅いルーン文字の入った黒いローブに黒いバイザー付きの鳥の上顎を付けたフルフェイス姿のグリムニル、筋肉質な体躯にダークグリーンのアーマーとフェイス姿のドゥーム。三人の人格を同時に呼び出し、彼らを一斉にマロリーへと差し向けるジェイク。
『おいおい、仲間呼びやがったぞこいつら!』
『大勢なんて卑怯じゃねぇかオイ!?』
「はわぁ……なんか人が増えてますぅ……」
 ツッコミ不在のマロリー一味が口々にそう言うが、それに構わず華澄は肉を焼きながらも銃を取り、自身も戦いの構えを取った。
 そして今にも戦闘が始まらんとしている焼肉会場柄少し離れた場所で。
「よし……始まったようだな」
 白い毛皮のレオタードに魔力の結晶が填った籠手や具足という真の姿を現したアリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)が、焼肉組とマロリーたちとの戦いが始まることを確認した。
 彼女とエルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)は一旦二人から離れ、戦闘が始まった所でタイミングをずらして奇襲するため離れた場所に伏せていたのだ。
 エルーゼの姿もまた赤と青二色の大きな翼を生やした真の姿であり、奇襲と共に一気に仕留め切ってしまおうという気概が見て取れる。
「顕現せよ、クロタ」
 さらに勝利を盤石にすべく、エルーゼは【破滅と死を齎す邪神クロタ】を呼び出す。性格には難があり色々秘密も多そうだが、その実力は確かだ。それは分かっているから今この場に戦力として召喚したのだ。だがクロタは呼び出されて早々、エルーゼを無視してアリスに歩み寄っていく。
「なにを……んッ」
 クロタはそのままアリスの顔を引き寄せ、強引に唇を重ねてしまった。
「なにしてるの!?」
 エルーゼが怒りの声を上げるが、その前で急激にアリスの様子が変わっていく。
 元より真の姿で力がみなぎっていたが、体が熱くなり、さらなる力が湧き上がってくる。
「まだ自分では無理だが……」
 なるのも二度目であり、自分で自在に変化できるわけでもない真の姿の力が高まっていくのをアリスは感じていた。
 そのことをクロタはエルーゼに説明し、エルーゼも完全に承服は出来ないが戦力増強のためならとそれ以上問い詰めることはしない。
「なんか見せつけられたようでいい気はしないけど、仕方ないわね」
 それでも一言だけ文句を言ってから、三人で呼吸を合わせながら状況を確認する。
『オラオラ、何人いても変わんねぇぜ!』
 杖は無差別に魔力波を撒き散らし、ジェイクと華澄、さらに召喚された三人をまとめて攻撃ていた。それをグリムニルが氷壁を作って防ぐが、魔力波は強力ですぐに氷にひびが入っていく。
『だから警告なしでそれ使うなってんだよ!』
 悪態をつきながらも蔵書はページをめくり、そこから魔物を吐き出した。その魔物は、その多くが胸の大きな……そうでない者も僅かにいるが、女性の姿をしていた。彼女たちは外見も手に持った武器も様々で一見如何な物語の登場人物か分かりづらいが、ここまで戦局を見てきた者ならそれはすぐに理解できた。彼女たちは全て、たった今までマロリーと交戦してきた猟兵の姿であった。ただしその外見は極端にデフォルメがきかされていたり表情がひどくゆがんでいたりと、悪意を持って歪曲させられていた。
 その偽猟兵たちは本物に似た技を本物にははるかに劣る……あるいは侮辱の意図の籠った動きで繰り出し、ジェイクたちを襲う。
「それではこっちに……」
 華澄が『ヴァナディース』を撃ち、それらを迎え撃つ。そして一瞬彼女たちの足が止まったその瞬間。
「私たちも混ぜてね」
「出来損ないと言えど邪神の力は侮れんぞ」
 エルーゼとアリス、クロタが一斉にその場になだれ込んだ。
『ゲヒヒ、また増えやがったぜ!』
『ゲシシ、こうなりゃもう総力戦だなぁ? おらお前もこい、皆でやるぜ!』
「だーかーら! 収集つかなくなってからアタシを呼ぶんじゃないよ!」
 蔵書の呼びかけに答え、眼鏡をかけないダブル・マロリーも戦列に加わる。敵味方の多くが召喚技を駆使する大乱戦がここに始まった。
「はわわ、め、目が回りますぅ~」
 騒乱の中心からマロリーは逃げ出そうとするが、前にはジェイクと華澄、後ろにはエルーゼとアリスと退路を塞ぐように囲まれて逃げ場はない。そしてそう彼女が戸惑っているうちに、アリスがその手元に向けて『華鳥封月』を抜きダッシュで切りかかった。
「あの杖を破壊すれば……」
 アリスの攻撃から自分が狙われていると察した杖も、魔法を撒き散らしてそれを迎え撃つ。しかしアリスも迎え撃たれるのは予感しており、素早く身をかわして無傷に抑え込んだ。
『ゲヒヒ、モテてもいいことなんざねぇって今日はよーくわかったぜ!』
 杖のそんな言葉の横、さらにエルーゼが呼び出された偽猟兵たちを『ヤヌス』を変化させた属性攻撃による炎と風と雷の元素の刃で次々切り裂いていく。
「数押しで来るなら……」
 雷が火を起こし、その火を風が煽って拡大させる。属性を用いた攻撃が、本物への侮辱を許さぬかのように偽猟兵たちを倒していった。
「アタシはとりあえずあんたかね。あんたは距離詰めた方がよさそうだ!」
 ダブル・マロリーは華澄へと杖を振り上げて殴り掛かった。銃を持つ華澄を接近戦で封殺する腹積もりだろう。勢いよく振られる杖が華澄を掠め、それはギリギリで避けられこそしたが、華澄はバランスを崩して転倒してしまう。
 華澄はそのまま這いずって逃げようとするが、さすがにその体制よりは普通に歩くダブル・マロリーの方が早い。
「一人へりゃ楽になるだろうね。ほら、くたばんな!」
 華澄の頭に向け、杖が勢いよく振り下ろされた。
「がっ……」
 だが次に呻き声をあげたのはダブル・マロリー。その腹には、華澄が隠し持っていた刀『桜華一文字』が深々と突き刺さっていた。
 転倒し、逃げるふりをしてからのだまし討ち。よくある手ではあるが、混迷する戦場では単純な手ほどよく決まりやすい。
 そうして瀕死となったダブル・マロリーに、背中側から氷でできたナイフがいくつも突き刺さった。さらに刀で切り裂かれ、ダブル・マロリーは消滅していく。
「確かに、一人へりゃ楽になりそうだ」
 フェンリアは彼女の言ったことをそのまま返し、戦局が一つ傾いたことを告げた。
 (今のままだと……ダメ。もっと強力な武器や術があれば)
 その前で華澄は、奇襲してようやく止める程度の攻撃であった自身の刀技について思いを巡らせるのであった。
『おいおい、セクシーちゃん退場はええな!』
 蔵書がそう叫ぶが、彼らとて状況は芳しくない。エルーゼが次々と偽猟兵を呼ばれる端から仕留めていくのだ。
 だがエルーゼ側とてこのいたちごっこが続けば、いずれは息切れしてしまうだろう。そうなる前にケリを付けなければならない。
「一つくらい持って帰りたいが……我が儘は言うまい」
 その意を察したか、グリムニルが巨大な氷壁を作り上げ、その中に蔵書諸共偽猟兵たちを閉じ込めた。ウォーロックとしての全力を込めた氷結魔法だが、それでも大量の侵略蔵書を止めておけるのは短い時間。すぐに本のある所から氷壁にひびが入りだした。
「ありがと。数押しで攻めてくるならまとめて、お別れの時間よ」
 だが、一瞬止まればそれで十分。エルーゼはヤヌスを鞭に変え、宙に舞って蔵書目がけて広範囲になぎ払った。止まっていれば偽猟兵の相手をせず蔵書だけを狙える。鋭く振るわれた鞭が蔵書たちのページをばらばらに引き裂き、紙くずへ変えていった。
『マロちゃん、兄貴……すまねぇ……!』
『蔵書ども! ちきしょう……逃げらんねぇかなこれ!?』
 必死にアリスと打ち合いながら、杖が歯噛みする。だが乱戦が解けつつあることで、彼は様々な距離から狙えるようになった。
 雨のように降り注ぐ無数の弾丸が杖に叩きつけられ、その衝撃にマロリーは思わず杖を手から離してしまう。宙を舞うその杖を、ドゥームの水平二連装ショットガンやヘビーマシンガン、ガトリングガン等がさらに滅多打ちにした。
『が、が……』
 そうして杖が舞ってくるのはアリスの眼前。アリスは華鳥封月を構え、それをきっと見つめる。
 そうしてギリギリまで力を溜め、そしてジャストの一瞬が来たその瞬間。
「ふっ!」
 一瞬だけ限界を超えた力を乗せた振り下ろしが、杖を真っ二つに切り裂いた。
(もっと強い力……それがあれば)
 そう思うアリスの前で、杖が地面に転がる。
『すまねぇ……逃げろ、マロちゃ……』
 言い切れぬまま杖の眼からは光が消え、そのまま物言わぬただの杖へと成り果てた。
「ワンドさん! 蔵書さん! もう一人の私!」
 マロリーが次々と倒されていった仲間たちの名を叫ぶ。元より勝手に戦ってくれる仲間がいて、その後ろで『物語』を観察するのが役目の彼女だ。行動の核にこそなれ、実働を伴う戦闘は得手とは言えない。退路を断たれ丸腰に前線に引きずりだされた彼女に、最早成す術はなかった。
「あ、はは、は、これ、凄い物語ですよ。まな板の上のコイというか網の上のお肉的な。ねぇ、猟兵と猟書家が呼んで呼ばれて大乱戦で、それで友達お仲間みーんな殺されちゃって、戦えない魔法使いが一人ぼっちで残って最後はめちゃくちゃぐちゃぐちゃめったうちで! こんな物語どこ探したってありません! 感謝しますよ猟兵さん! 最高の物語です!」
 マロリーが目を見開いて早口でまくし立てる。恐怖で気でも触れたか。否、彼女は猟兵対猟書家の物語、そのクライマックスを心底楽しんでいた。彼女にとって大切なのはその物語がどれほど価値があるか。結末が何であるかは関係ない。丸裸で孤立して曝け出される、これこそがマロリー・ドラッケンの根底にある本性なのだ。
「……ここではお静かに、だ」
 ジェイクの静かな一言を契機に、無数の武器と攻撃がマロリーの物語に幕を下ろした。

 こうして、猫の国のお昼寝特区に静寂が戻った。今日もケットシー達はここで一日三度肉を焼きつつ、優しい音色だけを耳に静かに眠り続けるだろう。肉と笛を愛した恩人の魂と共に……

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月14日


挿絵イラスト