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アズマさんちのメイドラスネーク

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #猟書家 #『アズマ』 #神

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●主は硬派な格闘家
「アズマ様ぁ💓 こんな素敵な力を授けていただきありがとうございますぅ💓」
「……うむ」
 かなり際どく露出したメイド服の掃除屋、レイヤーヒーロー・スイーパーズ達はきゃぴきゃぴしながら幹部のアズマへと感謝を述べる。
 しかしアズマは格闘家の道に全てを捧げた男。並みの男なら鼻の下を伸ばしてデレデレするところを、ただ一言静かに返すだけ。
 その拳は血に塗れていた。今し方、番人を一人殺したところだ。
 そして開放された不死の怪物の一部は、今こうしてレイヤーヒーロー・スイーパーズの体に融合されている。
 彼女達はもう何度も街に溢れては猟兵達に討伐されていたオブリビオンだが、今回は一味違う。
 バイオレットの尾の上にもう一本伸びた尾――いや、それは頭だ。世界を呑み込む蛇が尾のようににゅっと伸びており、レイヤーヒーロー・スイーパーズは二尾の怪物となっていた。
 これがスナーク化。猟書家アズマが目論むものだ。
「では、行ってまいりま~す!」
「……うむ」
 物静かなアズマを尻目にレイヤーヒーロー・スイーパーズ達が繰り出していく。
 スナーク化で得たこの力で、神々を恐怖のどん底に落とすのだ。

●ヒーローズアース・1stラウンド
「皆さん、なんだか大変なことになりました!」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は少し上気気味に話し始めた。
 これまでに戦争が繰り広げられ、そして一旦は平和が訪れた世界を、今度は猟書家なる者達が襲い始めたのだ。
「『ヒーローズアース』にて、猟書家『アズマ』が動き出す悪夢を見ました。アズマは神々の時代に討伐された『不死の怪物』を配下のオブリビオンに融合し、神々を襲わせようとしているんです」
 ヒーローズアース世界の「地球の中心」、センターオブジアース。アズマはそこに辿り着き、不死の怪物達を見張る番人を殺害。怪物を開放し配下のオブリビオンを超強化しているのだ。
 神々は強い。しかし、それを軽く凌駕し神々へ恐怖を植え付けうるほどに、アズマの配下は力を得ていた。
「神様でも相手にできないような敵が出てくるのは少し驚きもありますが……そんなことを言っている場合ではないですね。とにかく倒さなければならないんですが……『スナーク化』と呼ばれる変化を遂げたアズマの配下、『レイヤーヒーロー・スイーパーズ』は凄まじく強いです。多分、そのまま立ち向かうだけでは1体すら倒せるかどうか、というところでしょう」
 件の敵は集団でやってくる。1体ですら倒せない相手を集団で、となるといよいよ勝ち目がないように見えるが。
「でも、さすがに神様ですね。対処法……弱点はすでにわかっているようです。後はその実行役……猟兵の皆さんが駆けつけ、弱点を突いて倒せばよい、という感じになるでしょうか」
 弱点は現場にいる神々から聞くことができる。また、神々も相応に強く、協力して戦えばより早く敵を倒すことができるかもしれない。
 なお、猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員であると名乗ることも有効らしい、とのことだ。
「今回の作戦は例を見ないほどに大掛かりな作戦になる気がしています……なので、こういった事件を一つ一つ解決していくことが大切になりますね。皆さん、宜しくお願いします!」
 ロザリアは気合を入れつつ、猟兵達をヒーローズアースの世界へと導くのだった。


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 戦争に代わりこんなシナリオ形式が出てくるとは。
 ぼちぼちやっていく予定です。よろしくお願いします。

●フラグメント詳細
 第1章:集団戦『レイヤーヒーロー・スイーパーズ』
 場所はセンターオブジアース。
 森っぽく木がうねうね生えているけど森ほど密集はしていないところです。
 自然のジャングルジムみたいなものでしょうか。
 地面はちょっとデコボコしていたり、空中に幹が張り出していたりとアスレチック感が割とあります。
 攻撃の際の参考などにどうぞ。

 【弱点】について。
 現場で神々から聞き出せます。プレイングで聞き出す行動を取ってもいいですし、聞き出した体でプレイングを書いてもいいです。妨害はされません。
 弱点は『蛇の胴体の一部(縞模様の中にドクロのマークのようなものがある)』/『融合している付け根部分(背中側から見ると腰の辺りにあります)』/『スイーパーズのお腹(融合部分の丁度反対側)』になります。

 第2章:ボス戦『『アズマ』』
 アズマはその身一つで戦いを挑んできます。
 1章に比べて特に言うことないですかね。普通に対処して普通に倒しましょう。

●プレイングボーナス
 1.神々と共に戦う。
 2.猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員であると名乗る(『スナーク』という名が『恐怖の代名詞』として固定化されるのを妨害できるようです)
 これらは『全章共通』のプレイングボーナスとなります。

●MSのキャパシティ
 合わせプレイングはお受けできません。申し訳ないです。
 ゆったりペースで進行予定です。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『レイヤーヒーロー・スイーパーズ』

POW   :    お掃除(スイープ)します💓
技能名「【怪力/衝撃波/なぎ払い/範囲攻撃/力溜め】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
SPD   :    なりきりアクション、お魅せしますね💓
技能名「【空中戦/地形の利用/パフォーマンス/早業】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    ハニートラップだってお手の物です💓
技能名「【罠使い/誘惑/催眠術/盗み攻撃/騎乗】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。

イラスト:ちーと

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

佐伯・晶
秘密結社スナークの一員と名乗り
神々に協力をお願いして弱点を聞き出そうか

それにしても際どい格好だね
それも武器の一つなんだろうけど
自信があるなら利用させて貰おうか

女神降臨を使用して
近付きにくいようにガトリングガンで攻撃
わざとに見えない程度に突破させ
組み伏せられたふりをするよ

…演技も頑張ってみようか
後で思い返すと死にたくなるかもしれないけど
必要と割り切ろう

思い通りにいって油断している所に
石から創った使い魔の石化攻撃で動きを停めて
尻尾の付け根をワイヤーで切断しよう

木の陰や地面の凹みを利用して
他の個体にネタがばれないように立ち回るよ
石像も茂みとかに隠しておこうか

搦手でないと倒せないくらい強いのは厄介だね



●最後にトラップにかかるのは
「ふふふっ、お掃除お掃除♪」
 くるんとターンして尻尾を叩きつけると、地面は抉れ、生じた突風は神々を紙くずのように吹き飛ばしていく。
 スナーク化したスイーパーズ達がセンターオブジアースで猛威を振るっていた。
「あれが、もしや……」
 スナーク――覚えのある言葉が喉から出かかった、その時だ。
「いいや、僕がスナークだよ」
 圧倒される神々の後ろに。佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は堂々と宣言する。
「正確には『秘密結社スナーク』――僕はその秘密結社の一員さ」
 虚ろなる邪悪を払拭するため、猟兵達は組織として「秘密結社スナーク」を結成した。そしてその名を遍く知らしめるため、晶はその一員であると名乗り出ていた。
「では、スナークとは……」
「ああ、君達の味方ということだよ」
 おお、と神々の間に感嘆の声が上がった。スナークとは恐れ忌むべきものではなく、自分達を明るく照らすもの――。
「さて、あいつらの弱点を教えてくれないかな?」
 尋ねると、近くの男が答えた。
「奴らに融合している蛇の頭が見えるだろう? その融合部分……付け根はまだ完全に癒着していないはずだ。攻撃を加えれば、大きなダメージになるだろう」
「なるほど、ありがとう。君達は少し離れていてくれ」
 晶は神々へ退避を促す。神々がすんなり従って離れる傍らでは、スイーパーズ達が晶の存在に気付き始めていた。
「え~!? ちょっと、信じられないんですけど~!?」
 晶が来たことで神々のムードが変化したことにご立腹のスイーパーズ達。恐怖を与えようとしていたというのに、これではやり直しではないか。
「新しく来たあなた、ちょっと邪魔ですから~……おしおきしちゃいます♪」
 晶を敵と認めると、スイーパーズ達は翼を広げて地を滑空してきた。
 神々に安堵をもたらしたことは、スイーパーズ達の引き付けにも効果があったようだ。続々と集まってくる。
 神々が離れたのを見届けた晶は静かに力を解放した。
「小っ恥ずかしいけど、我慢我慢……」
 内から外へ光が溢れ、晶の全身が包み込まれる。そしてぱっと光が弾けると、宵闇の衣を纏った可憐なドレス姿へと変身していた。
 姿の変化に反応されると余計に恥ずかしくなってしまう。神々を遠ざけたのにはそんな意味も少しだけあった。
「これでも……食らえっ!」
 携行型ガトリングガンをじゃきっと構えると、スイーパーズのお株を奪うような掃射を見舞った。威力の上がったガトリングガンは群がってくるスイーパーズ達を釘付けにする。
 スイーパーズ達は始め、翼や尾で身を包み守りに入っていたが、
「でもこんな攻撃……甘いです💓」
 全体へ掃射したが故に釘付けの密度が薄くなった部分があったか、弾丸の雨を抜け出す者が出てきた。
「……!! 来るなっ!」
「ざーんねんでしたっ💓」
 スイーパーズ達の接近に気づいた晶は慌てたように銃口を翻したが、一瞬早くスイーパーズ達は飛び、弾丸を越えて晶の頭上へ――。
 視界がぐるんと回転した。肩から叩きつけるように押し倒され、晶はスイーパーズ達に組み伏せられていた。両手に両足とがっちり地面に固定されて、歯噛みする晶を愉悦の表情で見下ろすスイーパーズ達。
「は、離してっ!」
「あらあら、怖気づいちゃいましたか? あ、その表情、凄く大好物です💓」
 晶を捕らえ、きゃいきゃいとはしゃぐスイーパーズ達。眉をハの字に曲げてみせた晶の顔を喜んで覗き込んでいた。
 ――ああ、喜んでもらえたなら何よりだ。そのためにわざわざ「あんな声」まで出したのだから。
 顔を合わせまいと首を振る、ように見せかけて晶はある木陰へと視線を送った。
 そこは晶がこの場に姿を見せる前に細工をしておいた場所だ。
 地面の窪みへ押し込んで、わざわざ枝葉も盛ったのだ。おかげで気づかれずに済んだ。
「かかったねっ!」
 晶の声に合わせて枝葉を盛大に散らし、使い魔が飛び出した。石から創られた使い魔はスイーパーズ達の油断に乗じて背後から突進攻撃を浴びせていく。
「きゃあっ! ……なにこれ!?」
 重くのしかかるような衝撃に襲われたかと思うと、そこからピキピキと腕や胴が石化していくではないか。
「際どい格好で『誘う』のも武器の一つなんだろうけど……逆に『誘わせて』もらったよ」
 全てが布石だった。ガトリングで掃射しつつ、「あえて」隙を作り近づけさせたことも。マウントを取らせ、怯えた様子を見せたのも。
 敵に背後などそう易々と見せるものではない。ならば思うままに行動させ、生まれた油断に付け込めばよい。
 腕の束縛が解かれたところで素早くワイヤーガンを抜いた。ぱしゅんと飛び出したワイヤーがぐるんとスイーパーズの蛇頭の尾、その付け根に巻き付く。力任せにぐいっと引っ張ると、付け根がずぱっと綺麗な輪切りになった。
「いやあああぁぁぁ!! 力があああぁぁぁ!!」
 そこかしこで悲鳴が上がっていく。蛇頭の尾を切断されたスイーパーズはあっと言う間に石化の侵食を受け、全身石になってばらばらと砕け崩れていく。
 そうしてできた石山は、まさに彼女達の墓だ。
「まったく、搦手でないと倒せないくらい強いのは厄介だね……」
 殺到していたスイーパーズ達を片付けた晶は、ため息を漏らしながらドレスの汚れを払うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月影・このは
ふむ、折角平和を取り戻したこの世界にまた侵攻とは
神が許そうとこの対ヴィラン用量産型戦闘ロボ518号が見逃しません!
ということで猟兵組織「秘密結社スナーク」が戦闘員これより出撃です


相手が神々を狙うなら囮になって頂き木の上より奇襲!
まずは一体弱点を狙い一撃を【重量攻撃】

そして土煙が晴れると共に名乗りを

はい、では敵ヴィランの排除(お掃除)と参ります!
敵攻撃はバトルホイール、またはブラストブーツで回避【ダッシュ】
ブーストナックルにて、その弱点を撃ち貫きます!



●鉄拳のヒーロー
「そらっ、こっちだ!」
「追いかけっこですかぁ? 面白そうですね♪」
 逃げる神々に追うスイーパーズ達。後方を執拗にチラチラ確認する神々を、スイーパーズ達は曲がりくねった木の幹から幹へ、ターザンのように飛んで渡りながら追っていた。
 神々は必死だ。捕まってはならないのだから。対し、スイーパーズ達は余裕たっぷりにクスクス笑う。
「そろそろー……捕まえちゃいます💓」
 ばさりと翼を一度はばたかせ、1体のスイーパーズが幹から神々目掛けて流星のように飛んできた。首を締め上げようと両手を伸ばす――そこへ。
 深緑に混じりほとんど垂直に落ちてきた影がスイーパーズと衝突した。その一瞬で繰り出されたのは自重に飛び出しの勢いを乗せた重い鉄拳の一撃。スイーパーズの弱点となる蛇頭の尾の付け根へと突き刺さり叩き落とした。
 悲鳴は地裂音にかき消された。撃破されたスイーパーズが墜落して盛り上がった土煙の中に件の影も落ち、そして晴れると現れたのは、
「平和を乱す不届き者は、神が許そうとこの対ヴィラン用量産型戦闘ロボ518号が見逃しません! 『秘密結社スナーク』が一人、月影このは、これより出撃です!」
 そう、猟兵の月影・このは(自分をウォーマシーンと思いこんでいる一般ヤドリガミ・f19303)その人であった。
 現場に駆け付けていた神々と結託しての奇襲にはスイーパーズ達も目を見張る。1体とは言え軽々と叩き伏せてみせる相手に警戒の色を表していた。
「新しいのが出てきましたけどー……秘密結社スナークなんて、すごーく邪魔ですねえ」
 派手な登場と秘密結社スナークの名乗りで、スイーパーズ達の注意は神々からこのはへと移っていた。実に好都合だ。
「はい、では敵ヴィランの『排除(おそうじ)』と参ります!」
 ブラストブーツが火を噴いて、このはは猛然とダッシュしスイーパーズの群れへと突っ込んでいく。猪も目を丸くしそうな加速だ。
「速さには速さでお魅せします💓」
 スイーパーズ達も今度は本気の飛行を見せる。翼の一扇ぎで風に乗ったスイーパーズ達が密集するようにこのはの元へと迫ってきた。
 伸びる腕。背の低いこのはを組み伏せようと上からかぶさってくるところへ、逆に自ら潜り込んで右手のバトルホイールを唸らせた。
「はっ!」
 縮めた体をバネのように伸ばして放ったアッパーがスイーパーズの腹部に打ち込まれた。ぐぼんと鈍い音で打ち上げられたスイーパーズはそのまま花火のように散っていく。
「こっちも本気で――いきますよっ♪」
 飛行姿勢からスイーパーズがスピンを見せた。そうして飛んでくる二つの尾での高速薙ぎ払い。空を裂く一撃――いや二撃がこのはの眼前に迫っていた。
 だが、動きは見切っている。即座に身を屈めながらブラストブーツを最大出力。最高速のダッシュで尾を潜り抜けると、さらに回転して尾が戻ってくるところへ、
『穿て正義の鉄拳! ブーストナックルッ!』
 鉄拳が火を噴いて飛ぶ。そして一直線に、残像が残る蛇の胴体、そこに浮かぶドクロの模様を撃ち抜いた。
 まるで風船が割れるような破裂音で蛇の尾が吹き飛ぶ。
「きゃあ!! ち、力が……!!」
 スナーク化の象徴たる蛇を失ったスイーパーズはそのまま身を崩していく。
「まだまだ、これからです!」
 このはは後ろを振り向かない。ただ立ちはだかる敵を倒すのみ。
 黒いヒールが槍のように飛んできた。だがブラストブーツの逆噴射による急停止からのスウェーで見送ると、溜めた力を一気に放出してストレートの鉄拳制裁で相手の腹を打ち砕く。
 身を投げて飛び込んでくる相手には跳び上がって尾の融合部を蹴り飛ばした。着地から振り向き様の立ち蹴りで背後へ迫った次の脅威を排除する。
 周囲から迫ってくるスイーパーズ達を百人組手が如く千切り飛ばした。
「このぉっ!!」
 最後には余裕のなくなったスイーパーズが鬼のような形相で迫ってきたが。
「これにて――」
 このはは両腕を水平に伸ばす。ブーストナックルの構えだ。
「『排除』完了です!」
 ぼぼん、と連続して発射された両腕は力任せに掴みかかろうとするスイーパーズの腹と蛇を同時に殴り飛ばして。
 歪んだスイーパーズの体がブラックホールに吸い込まれるかのように捻じれて消滅していく。
 そうしてこのははスイーパーズの一部隊を打ち倒したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユェン・ウェイ
平和になった世界で悪事を企むなんて良い根性してるよね
困ってる神様達のためにも頑張らないと!

敵の弱点はしっかり教えてもらおう
神様、あの子達の弱点は?
ふむふむなるほどありがとう
あとはまっかせて!

戦場は凸凹してたりうねうねしてるみたい
それなら『スカイステッパー』で縦横無尽に飛び回りながら戦おう
【ダッシュ】や【ジャンプ】で敵を撹乱しつつ動いていくよ
敵も空中戦には強そうだし、油断しないでいこう

そして隙を見つけて【フェイント】で迫る
弱点部位に接近したら瑞風で【なぎ払い】したり【串刺し】にするね
キミにはそんなに素敵な尻尾があるのに、余計な尻尾がついてちゃバランス取れないんじゃない?
ボクが切り落としてあげる!



●その一振りが神を救う
「神様、あの子達の弱点は?」
「蛇の胴体にあるドクロ模様、そして付け根、そして奴の腹だ!」
 尋ねられ、神はユェン・ウェイ(M.Y.W・f00349)に早口で伝えた。
「ふむふむなるほどありがとう。あとはまっかせて!」
 礼を言うと、ユェンは神を置き去りにするように高く跳んでいく。
 それは、スイーパーズへの抵抗に苦心する神々を助けたいという気持ちの表れでもあった。

 宙にうねる太い枝を足場にしながらユェンは瑞風を手にした。普段は龍だが、今は青龍刀のような槍へと姿を変えている。
 風を切る感触が頬を抜けていく。空中でさらに跳び、空から神々を狙うスイーパーズ達を目指す。
「新手っ――行きますね!」
 枝葉の間を突っ切ったところでユェンはスイーパーズ達との邂逅を果たした。翼を全開に広げて飛び込んでくる相手にユェンはぎゅんと方向転換して地上まで逃れる。勢い余ったスイーパーズ達は枝をバキバキと折りながら向き直る。
「空中戦に強そうだし……こういうのも使わないとね!」
 ユェンがスイーパーズ達を引き込んだ戦場は木々が障害物となる。その中を縦横無尽に飛び回るユェンの姿は隠れ現れを繰り返し、スイーパーズ達を攪乱していた。
「もうっ! ちゃんと出てきて――」
 スイーパーズが言い切る前にユェンは風となって現れた。槍の穂先を相手の腹部目掛けて伸ばす。
 スイーパーズは弱点を守るべく融合した蛇の頭で応戦するが、槍の像がふっと揺らいで消えた。ガチンと蛇は空を咬む。
 手元で細かく操作し、ユェンは槍の軌道を変えていた。腹部狙いはフェイント、そう易々と貫かせてくれるわけもない。だからこそ呼び出したもう一つの弱点――蛇の胴体を薙ぎ払った。
 ドクロ模様が真っ二つ。片割れが宙に散る。
「あぐぅ、そ、んな……」
 力を失ったスイーパーズはユェンの横顔を尻目に墜ちていった。
「危険……気をつけて!」
 ユェンはあらゆる方向から飛び掛かってくる可能性を秘めている。スイーパーズ達は一塊になってその出現を警戒するが、纏まれば一気に狩られる獲物にもなり得る。
「集まってくれると助かるよ!」
 木の幹を蹴り、ユェンは集団に襲い掛かる。真一文字に薙ぐような突きを放った。
 速い。スイーパーズ達もユェンの出現に気づき空へ逃れようとしたが、腹にざくりと槍が刺さり、纏めて標本のような串刺しになった。
 先頭のスイーパーズがユェンへと手を伸ばそうとしていたが、それを振り払うように地面に叩きつけて槍を抜く。
「このっ!」
 地上に戻ったユェンの頭上で唸るのは二本の尾だ。空中で回転し叩きつけるように振るわれた尾を、ユェンは野生の勘で飛び退いてかわした。
 空を切った尾が地面を砕く。衝撃で飛ばされた破片を一つ槍で叩き落とした。
「キミにはそんなに素敵な尻尾があるのに、余計な尻尾がついてちゃバランス取れないんじゃない?」
「そうでも……ないですよっ!」
「ふーん……でも、片方は頭だよね? 見た目のバランスも良くないし……ボクが切り落としてあげる!」
 ユェンは地面の盛り上がりをスターティングブロックにして駆け出した。これまでとは一転、真正面から突っ込んでいく。
「そんなこと……させません!」
 残ったスイーパーズは蛇を守りながら、もう一本の本来の尾を振り回した。しなる尾がユェンを斜に狙い、ユェンはその尾の真上、蛇頭の融合部を捉えんとした。
 ぎりぎりまで尾を呼び込み、そして跳んだ。邪魔な片翼も奪い、宙で逆さまになったユェンは穂先を弧に薙いで融合された尾を断ち切る。
「ああっ! あ、あぁ……」
 抱えていた蛇は、もう彼女の物ではなくなっていた。
 力を失ったスイーパーズが膝を折り、うつ伏せに倒れ込むのと同時に、宙のユェンはすたっと着地した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィロメーラ・アステール
「秘密結社スナークただいま参上!」
ん? 既に色々なスナークが来てた?
まあいいさ、スナークはどこにでもいるからな!

敵はアクション重視な戦法をしてくるっぽい?
【空中戦】で迎え撃つ!
『星装《えあろ》』で【吹き飛ばし】【属性攻撃】の【衝撃波】を放てば、アクションしにくいはず!
敵は地形に掴まったり、地形を盾にしたりして攻撃をしのぐことを考えると思う!

そこで【オファー・ジ・アース】を発動!
【第六感】なテレパシーで、自然界の意志や自然を司る神様とかに協力を仰ぐぞ!
地形利用しようとした敵に、地形から【カウンター】して、植物で絡めとったり、殴ったりしてもらう!
動きを封じた後や、不意打ちなら弱点を狙うのも楽だろ?



●自然パワーを操るべし
「秘密結社スナークただいま参上!」
「おぉ! こちらにもスナークが!」
 フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)の登場に神々が沸く。もはやスナークの名は神々の味方と認識されているようだ。
「ん? 既に色々なスナークが来てた? まあいいさ、スナークはどこにでもいるからな!」
 フィロメーラはまんざらでもない表情を見せながら、えへん、と胸を張る。
「むぅ、こっちにもとうとう来てしまいましたか……」
 猟兵の登場はスイーパーズ達の中でも伝わってきていた。そして、猟兵が自分達の仲間を次々と撃破していることも。
「ここだけでも……倒してみせます!」
 意気込むスイーパーズ達は木の枝を乗り継いで空中から迫ってきた。まるでサーカス団のような連中だ。
「おぉ、空中アクションだな!? ならあたしも空中で迎え撃つ!」
 フィロメーラは魔力を体の中心に集め、風船を膨らませるように一気に前方へ放出した。層になった衝撃波が木々をしならせ、スイーパーズ達の翼をびりびりと震わせていく。
「くっ……ううっ」
 推進力が全て衝撃波に押し返されてしまう。スイーパーズ達は枝や幹に掴まり、尻尾を絡ませ耐えていた。
「よーし、ここで……みんなの力を貸しておくれー!」
 世界の中心でフィロメーラは呼び掛けた。それを聞き届けるのは果たして猟兵なのか。
 いや違う。木々が、大地が。広がる自然がフィロメーラの声を聞き届けた。
「また何か……なら、地形の力を……!」
 スイーパーズ達は地面や周囲の木々に働きかけようとした。しかし、意志を持つかのように動き出した木々は太い枝をぐぐっと曲げてスイーパーズ達を逆に絡め捕り、大地は持ち上がって地上のスイーパーズ達の細い足を呑み込んでいく。
「なっ……ちょっと、離して!」
 スイーパーズ達の声は届かない。同じ地形利用の力だが、フィロメーラのエネルギーのほうが圧倒的に強かった。
「よし、動けなくなったなー!」
 スイーパーズ達はまるで射的の的のようだった。ならば、弾となるのはフィロメーラ自身。
「いくぞー! おりゃあー!!」
 びゅんと飛び出したフィロメーラは動けなくなったスイーパーズのお腹にドーンと全身ダイブ。つまり体当たりだ。
「が……はぁっ……」
 体当たりを受けたスイーパーズは体をくの字に折り曲げながら、涙声を漏らしてぐったりと動かなくなる。
 続けてドーン、もひとつドーン、と動けない相手に体当たりを次々かます。一直線に的から的へ飛んでいく様はピンボールのようでもあった。
 フィロメーラと飛んでいく先々で悲鳴が上がり、そしてスイーパーズ達が倒れていく。いかに強くとも弱点を突かれてはひとたまりもない。
「お前で最後だー!」
 最後の一体は景気よく。フィロメーラは空中でひゅるりと一回転して勢いをつけた。逆さまに落下しながらべちーんと蛇の胴体にあるドクロマーク状の模様を叩くと、きゃひぃ、と甲高い断末魔を上げて前のめりに倒れていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『アズマ』』

POW   :    決別拳
【拳】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    瞬断脚
【神速の蹴り】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    捨身投
【自身に近接攻撃】を向けた対象に、【投げ技によるカウンター】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:箱ノ山かすむ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ナイアルテ・ブーゾヴァです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●拳は猟兵を貫くか?
 先程までの喧騒が嘘のように静かだった。
 スナーク化したスイーパーズ達は猟兵達の活躍により撃破された。そこへ現れた次なる者は。
「お前達は……猟兵……」
 白い胴着を纏った男。名はアズマ。盛り上がった筋肉が、その者の力の全てを表している。
「ならば……殺す」
 神を屠った拳を一層固く握る。猟兵達を一撃の元に葬るために。
ワズラ・ウルスラグナ(サポート)
生粋の戦闘狂
全ては戦いに通ずと説き、全てを肯定している
殺し合いを含む戦闘を好み、最高の戦いの為に最善を尽くす
下準備や策を練るのも厭わず、長所を活かした派手な戦いだけでなく戦闘知識・経験による複雑な戦術も用いる
どんな敵であろうと討つのに躊躇いは無いが、敵を善悪や強弱で見下す事も無い。曰く「敵は全て愛しき友」
『決して誰かや何かを否定しない』

戦いならば得手不得手を問わず好む
一対一を最も好むが仲間と協力するのも好む
持てる全てを投じて挑む

拘るのは、挑発としてさえ敵を否定しない事、武器には自身と戦獄と愛剣以外使わない事の二点のみ
欲望のままに殴り掛かる狂戦士ではなく、常に最善と最上を追求する戦闘狂として戦う



●黒と白の交差
「己が信念のみを掲げ多くは語らずか……ククク、ならばその信念、果たしてみせろ!」
 ワズラ・ウルスラグナ(戦獄龍・f00245)が吼える。鉄塊剣、暴風龍サルヴァを手にワズラは黒き嵐となった。
 疾駆する巨体が鉄塊剣を振るう。そこへアズマは拳を合わせた。極限まで鍛え上げられた肉体は鋼となり刃を正面から受け止める。
 衝突の反動で互いの体が反発するように後ずさった。互角か――しかしワズラはまだ底を見せていない。
『障害の名を持つ悪龍共よ、守るべきを守り、万事万物を阻め』
 ワズラの周囲にその体から染み出たかのような黒龍が数多召喚されていく。闇に塗り込められていくかのようにワズラの姿が隠されていた。
 信念が本物なら無敵の守護力を誇る黒龍を破ってみせよと、ワズラは暗に語り掛ける。戦場ならば、互いに交わすべきは言葉ではない。力だ。
 アズマはその肉体のみが武器だ。黒き龍の壁に白き道着の男が立ち向かう。
「……殺す!」
 ずん、と黒龍へ拳の突きが刺さった。気を吐いたアズマだが、一撃ではその壁を打ち破るには至らない。
「……殺す、殺す、殺す!!」
 力を溜め、体重を乗せながら全力の突きをアズマは放ち続けた。衝撃は黒龍を伝わり地を震わせる。
 しかしそれでも絶対の壁は崩れない。神をも屠る力を前にしてなお己が勝るという確信が黒龍の力を支えていた。
「果たせんか……底が見えたな」
 アズマは愚直に突きを繰り出す。故に、突きの周期がワズラには見えていた。黒龍の壁がまた一つアズマの拳を防いだ瞬間に壁の脇へと飛び出した。
 次の突きの体勢に入っていたアズマを鉄塊剣で薙いだ。嵐と言うに相応しき薙ぎが鋼の肉体を斬り裂く。
 辛うじてわずか飛び退いて衝撃をいくらか殺したか――それでもアズマの二の腕から肩にかけて、くっきりと斬撃の跡が刻まれていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

月影・このは
さぁ、現れましたね猟書家
この平和を取り戻した世界に再び騒乱を持ち込むなら
猟兵組織「秘密結社スナーク」、対ヴィラン用量産型戦闘ロボ518号が相手となりましょう!

ブラストブーツの炸薬による『ダッシュ』で距離を詰め格闘戦を!
投げ技によるカウンター…なら更なる…カウンターを
バトルホイールを全力回転…オーラエンジン、フルドライブ

プラズマ…サンダーーーーーー!!!!

身体から放つ稲妻、これで敵を麻痺させ投げから抜け出し
拳の一撃で決めます!【怪力・鎧砕き】



●鋼を砕く正義の鉄拳
 このはは再び名乗りを上げる。
「さぁ、現れましたね猟書家。この平和を取り戻した世界に再び騒乱を持ち込むなら、猟兵組織『秘密結社スナーク』、対ヴィラン用量産型戦闘ロボ518号が相手となりましょう!」
「スナーク……」
 アズマは何かを確かめるように呟いていた。
 一瞬、静かな時が流れた。対峙する二人。先に動いたのはこのはだった。
 ブラストブーツが火を噴くのはもう何度目だろうか。炸薬が発火しこのはの体は超加速した。地面との摩擦で火花が散る。
 ダッシュからの格闘戦だ。このはは接近からの蹴りをアズマに見舞う。
 スナークという言葉に一瞬気を取られたか、アズマの反応がわずかに遅れた。蹴りに対して伸ばした腕はこのはの足首を掴んだが、その先の狙いまでは見抜けていなかった。
 アズマは見た目通りの敵だ。近接攻撃がただでは通らないことなど百も承知。
 ならば、相手の技を更に返す。カウンターにはカウンターだ。
 アズマがまだ自分を掴んでいるうちに――バトルホイールが唸りを上げた。
「オーラエンジン、フルドライブ……プラズマ……サンダーーーーーー!!!!」
 雷が打ったようにこのはの体に高圧電流が流れ、掴まれた足を伝ってアズマの体へも流れ込んだ。眩い光の中でアズマの体が硬直する。
「……!!」
 そこでこのはは掴まれた足を蹴り上げた。麻痺したアズマの手から抜け出すと、がつんと地を踏み締める。
 鋼の肉体を砕く一撃を――。ぎゅうと握られた拳に溜め込まれた力が解放された。
 体格差故に打ち上げるような形となったこのはの拳がアズマの古傷を抉り、アズマは鉄球でもぶつけられたかのように仰け反りながら吹き飛んでいく。
 地面を転がりうつ伏せに倒れるアズマ。
「ぬ……ぐ……」
 体を起こすがダメージは確実に入っているようで、歯を食いしばるように口元を歪めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユェン・ウェイ
ボクは秘密結社スナークの一員!
お前を倒しに猟兵組織からやってきた猟兵だー!
……と名乗りつつ参上
相手はかなりの手練だ、油断せずに行くよ

とにかく相手の蹴りに気をつけよう
注目すべきは足元だ
でも足に注目しすぎてぶん殴られるのも嫌だな
気をつけて戦おう

基本的には【ダッシュ・ジャンプ】で相手を翻弄
瑞風のリーチを活かして、射程距離ギリギリで戦う
槍で【なぎ払い】したり【串刺し】を狙いつつ様子見だ

ある程度相手の速度に慣れてきたら一気に行こう
相手の頭上に飛び込んでそこから下へ槍を投げ込む!
けれどこれは【フェイント】さ
相手が槍に気を取られた瞬間、ボクも一気に降下
足を起点にガチキマイラ!
ボクも武器は槍だけじゃないのさ!


フィロメーラ・アステール
「真のスナークの力をとくと見よー!」
神様を倒すほどの格闘家か……!
たぶん単なる遠距離攻撃だけでは倒せないな!

ここは敢えて【スーパー流れ星キック】で挑むか!
【空中浮遊】から【ダッシュ】して【残像】の尾を引き、【気合い】の【踏みつけ】キックで突撃ー!
敵は投げ技で反撃を狙うようだけど、普通の投げ技はサイズ差的に難しい!
投げるなら攻撃を受ける形で捕まえる必要があるはず!

でもこの技はキック自体より、その衝撃で攻撃する技!
受けるなら、衝撃を受けざるを得ないんじゃない?

そこで【全力魔法】を込めて衝撃増幅!
そのままやっつけられればいいけど、倒せなくても受けに専念させれば、スキを作れて仲間の支援に繋がるかな?


佐伯・晶
秘密結社スナークの一員として戦いを挑もう
只者じゃなさそうだし十分に警戒しながら戦うよ

使い魔のマヒ攻撃や窒息攻撃で
攻撃や回避の邪魔しつつ
本命と牽制を織り交ぜてガトリングガンで攻撃

接近されたら神気で防御しつつ
ワイヤーガンによる移動で距離を取り
相手の間合いの外にいる事を心掛けながら戦うよ
格闘戦でどうにかできる相手では無さそうだからね

それにしてもアズマの目的は何なんだろう
強敵と戦う事が喜びって感じでもないし
世の中に対して何か強い思いがある感じでもないし

相手が勝負をかけてきたら
渾身の一撃を封印の縛めで体を石に変えて受けるよ
これは瓦割りの様にはいかないよ

拳を痛めた隙にガトリングガンの斉射で
一気に攻撃しよう



●我ら秘密結社スナークなり
 手負いのアズマの前に、さらに三人の猟兵が並ぶ。
「ボクは秘密結社スナークの一員! お前を倒しに猟兵組織からやってきた猟兵だー!」
 とユェンが叫べば、
「真のスナークの力をとくと見よー!」
 と、フィロメーラは小さい体ながらくるくる飛び回って存在感をアピールし、
「そういうわけだから、僕達が相手になるよ」
 晶がしっかり締め括る。
 全ては猟兵に託された。神々は今や見守るのみだ。秘密結社スナークの活躍を信じ、祈りを捧げる。
 神の祈りだ。力にならないわけがない。場の雰囲気が彼女達の背中を後押しする。
「神様を倒すほどの格闘家か……! たぶん単なる遠距離攻撃だけでは倒せないな!」
「多少ダメージはあるようだけど只者じゃなさそうだし、十分に警戒していこう」
「そうだね、油断せずに」
 見据える先。アズマは多少道着を崩し負傷も見られるが、なお強大な敵と認識し三人は気を引き締めた。
「後ろは任せたよ!」
「了解」
「うおー! やってやるぞー!!」
 戦いの幕が開く。ユェン、フィロメーラの二人が飛び出し、晶は後方でガトリングガンを手に取った。
(とにかく、相手の蹴りには気を付けないとね)
 瑞風を握り締め、ユェンはアズマの足に注目していた。ここまでの戦いでアズマは主に手を使った攻撃を繰り出していたが、当然蹴り技も脅威となる。かと言って足ばかりに注目し過ぎるのも、今度は上への注意が疎かになる。バランスが大切だ。
 そしてユェンが一つ優位に立っているのは攻撃の射程だ。如何に強靭な肉体であろうと手足が伸びるわけではない。その射程はせいぜい1メートル前後。
 得物のリーチを生かせる間合いを保てば、そう易々と攻撃をうけることはなさそうだ。
「やっ!」
 ダッシュで素早く自分の間合いに踏み込み槍を突き入れる。アズマは目を覆っているが、見えているかのように体を引いて回避する。穂先は空気を含んで膨らんだ道着を掠めるに留まった。
 槍がそれ以上伸びてこないと感じ取ったアズマはやはり蹴りを繰り出してきた。直線的に飛んでくる蹴りは刃のようだ。もはやその軌道は残像でしか捉えることができない。
 踏み込みが強い。槍を掻い潜るようにぐんと迫ってきた足がユェンに突き刺さろうかというところ――身軽さを生かし槍を引き上げながらジャンプで逃れる。
「スゥゥパァァ……流れ星!!」
 その蹴りを狙っていたのがフィロメーラだった。翅を持つフィロメーラは文字通りに宙を駆ける。残像は自身の髪色も相まって金色の尾を引いていた。
「キーーーック!!!」
 しっかりと蹴りの形を作り飛び込んでいく。アズマの手ならフィロメーラを丸ごと握りつぶせるほどの体格差だが、フィロメーラの飛び蹴りは見た目以上の体積を持っていた。
「ぬ、ぐぅっ」
 蹴りを引き今度はフィロメーラを掴みにかかろうとしたアズマだったが、急激に膨れ上がった衝撃波が逆にアズマへ襲い掛かり、その手を弾く。
 スーパー流れ星キックはキックと名がつくものの、その真価はキックの際に生じる衝撃波にあった。全力の魔力を籠め、もはや流星というより隕石に近くなった衝撃の重さはさすがのアズマも予想外だったようで、ずどんと地上まで落下するフィロメーラに肉体を削られ仰け反った。
 大きく伸びた的へガトリングガンから銃弾が雪崩のように撃ち込まれた。アズマの巨体が銃弾に押され、そこへ使い魔が殺到する。元にした物質に応じて会得する状態異常魔法を放ち、晶の射撃を援護していた。
 麻痺がアズマの肉体を縛り、窒息が体力を奪っていく。魔法という無形の力を肉体のみで打ち破るのは困難だった。
 拳を固めようにも指がうまく利かない。しかし肉体は酸素を欲し、意識が掻き乱される。
「ぐ……おぉぉ……!!」
「おっと、そうはいかないよ」
 指をピキピキ鳴らして使い魔の力に抗おうとしていたところへガトリングガンの追い撃ちが刺さる。体幹から遠い末端を撃ち抜けば膂力によって耐えるのは難しく、全身に力が入りきらないアズマはまるで磔になったかのように銃弾で留められていた。
「よし、一気に行くよ!」
 体の自由が利いていないアズマには初動ほどの速度は無い。ここは攻め時とばかりにユェンが声を上げ、高々と跳躍した。槍を片手に、全身をバネにして眼下のアズマへと投げ下ろす。
「……!!」
 首をわずか動かして察知の気配を示した。腕を無理矢理動かし筋肉を固めて弾くつもりのようだったが、アズマへと向かっていたのは槍だけではない。
 ユェン自身が槍と共に一気の降下を見せていた。
 槍はフェイント。真の狙いはアズマのお株を奪う蹴り技――いや、その足がライオンの頭へと変わり、アズマへ牙を剥く。
「食らえっ!」
 アズマの肩口から入った牙が肉体を食い破る。白い胴着は無残に散らされ、消耗しきった体に残された体力は牙が根こそぎもっていき、
「うぉ……ぉ……」
 アズマは最期まで寡黙だった。大した断末魔も上げることなく大の字に倒れたかと思うと、その体は溶けて地面に染み込むように消えていった。


「アズマの目的……一体何なんだろうね」
 戦いが終わり、晶はふと浮かんだ疑問を口にする。配下のスナーク化。しかしその先に、まだ何かしらの意図を秘めているような。そんな漠然とした思いを抱いていた。
「んんー……難しいぞー!」
「そうだね……事件を解決しながら、少しずつ調べていくしかないんじゃないかな?」
 頭を悩ませることはわからん、とばかりにフィロメーラはお手上げポーズ。ユェンが言うように、今後も発生するであろうこの世界の事件を、まずは一つずつ対処していくしかなさそうだ。


 何はともあれ、ヒーローズアースでの此度の事件は、猟兵の大活躍により無事、解決されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月12日
宿敵 『『アズマ』』 を撃破!


挿絵イラスト