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もふもふ、ふわふわ、湯けむり温泉。

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 ――ピィピィ、ピヨピヨ。

 温泉宿にほど近い原っぱで。
 のんびりと日向ぼっこ。
 大きな菓子盆に団子のように重なって。
 大きな湯飲みから顔だけ出して。
 まっしろでもふもふの鳥さんは、のんびりと休憩中。

 ――でもちょっと、お腹がすいてきちゃったかも……。


「みんなはもふもふとかふわふわした物体は好き?」
 集まった猟兵にレコ・ジェヒ(ケットシーのビーストマスター・f00191)が尋ねる。
「サムライエンパイアにそういう妖怪が現れたんだ」
 これがまた凄まじく可愛らしく愛らしい鳥さんなんだとか。
「ふわふわでね、もっこもこでね! あの中に埋まったら絶対気持ちいいと思……」
 ――話が逸れた。
 こほん、と咳払いをしてレコが続ける。
「えっと、可愛いけど妖怪だから、お腹がすくと人間を襲っちゃうんだよね……だから、行って退治してほしいんだ」
 近くには有名な温泉旅籠もある。放っておけば、お腹をすかせた鳥さんたちがそこを襲いかねない。
「退治の方法なんだけど……この鳥さんたち、甘いものが大好きなんだよね」
 人間を襲うのも、甘味を求めてのことだったり。
「甘いものを食べると満足してそこで休憩するんだ。その性質を利用して……」
 そこで言葉を切り、レコは猟兵たちに視線を送る。
「目一杯構い倒したりもふり倒したりした後に倒したらいいんじゃないかな!」
 せっかくのもふもふ鳥さんである。しかも猟兵なら攻撃一発で倒せてしまうほど弱い。もふもふを満喫するチャンスである。
「あと、鳥さんたち倒したら『ケセランパサラン』っていうのが出てくるからそっちも倒してほしいんだ」
 こちらも真っ白ふわふわの謎生物――鳥さんたちいる間は姿を見せず、鳥さんが全て消えると現れるんだとか。
「ちなみに『ケセランパサランを倒すとその場所に幸せが訪れる』なんて言い伝えがあるらしいよ。本当に幸せがやってくるといいね」

 説明を終えると、レコは改めて猟兵たちを見回した。
「全部終わったら、温泉でゆっくりしてきたらどうかな?」
 事件が起きる原っぱ近くの温泉旅籠には、竹製の仕切りで男湯と女湯に区切られた大きな露天風呂があるらしい。
 冬枯れの中にも山茶花や早咲きの白梅が咲き、遠くには雪化粧をした山々を望むなかなかの景観だとか。
「裸に抵抗のある人には湯着の貸し出しもやってるみたい。あったまるし、疲れも取れると思うんだ」
 そう言うと、レコは猟兵たちの前にグリモアを差し出した。
「それじゃあ、いってらっしゃい。気を付けてね」


乾ねこ
 乾ねこです。
 サムライエンパイアの温泉旅籠近くに真っ白な妖怪さんたちが現れました。
 このままだと妖怪さんたちが温泉旅籠を襲ってしまうので、退治してください。

 第一章の相手は『まっしろピヨすけ』です。
 甘いものが大好きで、甘いものが欲しくて人を襲います。
 甘いものを食べると大人しくなるので、もふり放題です。
 構い倒した後は残念ですがさっくり倒してあげてください。

 第二章ではボス『ケセランパサラン』と戦います。
 こちらも真っ白ふわふわな謎生物です。
 あまり強くはありませんので、戦闘中に色々遊んでも大丈夫です。

 第三章では露天風呂を楽しんでください。
 一人湯につかってのんびりするもよし、友人たちと楽しく過ごすもよし。
 行動例のように、誰かと覗きの攻防戦をするもよし……。
 (行き過ぎた行為はマスタリング対象となります)
 裸はちょっと、という方向けに「袖がなく丈が短い白い浴衣」のような湯着が用意されています。

●以下、注意事項
 ご友人等、同行者がいらっしゃる場合はその旨をプレイングにご記入ください。お相手のIDやグループ名等が書かれていると確実です。
 また、プレイングの投稿時期が大きくズレますと同行の描写が叶わずプレイングをお返しする可能性があります。
 完全なる「単独行動」をご希望の場合にもプレイング内にてその旨をご指定ください。
 記入がない場合、単独参加でも他の参加者の方と行動を共にしていただくことがあります(特に探索、戦闘ではその傾向が強いです)。

 それでは、皆様のご参加お待ちしております。
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第1章 集団戦 『まっしろピヨすけ』

POW   :    超もふもふもーど
全身を【膨らませてめちゃくちゃモフモフな状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    もふもふあたっく
【もふもふ体当たり】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    もふもふソルジャーズ
レベル×1体の、【額】に1と刻印された戦闘用【ミニまっしろピヨすけ】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

弥久・銀花
ふむふむ、甘い物が好きな鳥さんですか。

では砂糖を持って行ってみましょう。


パァッと撒いたら啄ばんでる隙に、愛刀の白嵐玉椿で首を切断します。

今日は若鶏のから揚げですね。


仇死原・アンナ
も…もふもふだ…
でも…オブリビオンだから倒さないといけないよね、うん…
しぶしぶ武器を構えながら戦闘態勢に入る

とりあえず道中で買った金平糖をばら撒いて敵の目を引いて置こう
そして敵を触って…
「うわぁ…ふわふわ…こんな毛布があったら心地よく眠れるんだろうね…」
もふもふな敵に抱きついて顔を埋めたりしたり匂いを嗅いでみたり…

「さてと…申し訳ないけど焼き鳥になってもらうよ」
ある程度満喫したら【ブレイズフレイム】を使用
こんがり敵を焼いてしまおう

敵からの攻撃は[見切り][武器受け]で防御回避予定

こんな敵でも倒さないといけないからね…うん…
燃える敵を見つつしぶしぶ納得させつつ

アドリブ・絡みOKです


エルカ・エーネ
もっふもっふだぁー!!
あ、プリムラ(連れている猫)も「負けてない」って?
……う、ううんちょっと勝負を張るには毛が足りな……
あぁごめんよう! きみは毛並みが素敵でしょやめて爪立てないであーっ!

甘味っていうとあまいものだよねぇ
なんか似合うしようかんを持ってきたけど食べてくれるかなぁーって
どきどきしながら手に持ったようかんを……

まってまっていっぱい来ないでもふもふに埋もれちゃーーーーー!!!
こ、こうなったら鈴蘭の嵐を飛ばして数を減らそうーっ

ちっちゃいミニ鳥さんじゃなくておおきいもふもふ鳥さんー!
お菓子あげるからおいでー!
……あげた後はちょっと小突きに行ったりしてさっくり倒しちゃうんだけど


月藤・紫衣
こんな可愛らしい生き物が妖怪とは…。

甘いもの甘いもの…金平糖などいかがですか?
飴もポン菓子もありますよ。
可愛い小鳥でも食べやすいサイズ感でしょう?

動きのとれない彼らを心置きなく存分に触らせていただきます。
ああ、ふわふわとして…害さえなければ、愛玩動物として飼育したいくらいなのですが。
超もふもふもーどとなった個体がいれば、おもいっきりその身体をもふもふしたいです。
白くふわふわとした大きな生き物…なんとかわいいのでしょう。
ふわふわもふもふを堪能してから、非常に残念ですが、退治させていただきます。
せめてなるべく痛くないように一思いに退治します。


アネット・レインフォール
◆行動
ここ最近、戦いばかりの日々だったからなぁ…。
休日を利用して温泉でもと思っていたんだが、妙なのに出くわしたものだ。

(件の鳥を鷲掴みして見つめつつ)
しかし何だ。焼き鳥が食べたくなってきたな。
…オブリビオンって食えたっけ?

いや、冗談だ。折角の機会だし少し可能性の一つを探ってみようか。
この手のモノを使役することが出来たら他の猟兵も心強いだろうしな。
とりあえず…あんこで餌付けしたり、仮の名前でも付けて躾や意思疎通が取れないか試してみよう。
まあ、皆の様子も見てダメそうなら【流水戟】で一閃してしまえばいいしな。

…まあ、服に紛れていたら気付かないかもしれないが。

◆他
連携、アドリブ歓迎




 冬枯れの原っぱで、もふーんと寛ぐ『まっしろピヨすけ』。
 白く輝くその体はお日様の光を浴びてより一層ふかふかと――。


「も……もふもふだ……」
 真っ白でふわふわなその姿に、仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)が思わず呟く。
 見るからに柔らかく触り心地の良さそうなもふもふ具合、あのもふもふに埋もれたらどんなにか……。
(「でも……オブリビオンだから倒さないといけないのよね」)
 しぶしぶと、本当にしぶしぶと武器を構えるアンナ。
『ピィ!』
 それに気づいたピヨすけが、甲高く鳴いた。敵意(?)を向けたアンナに向かい、ピヨすけは体当たりを敢行し……鉄塊とも見紛うような巨大剣にぽふんと当たって跳ね返され、地面をコロコロと転がった。
『ピィ……』
 なんだかしょんぼりしているように見えるピヨすけ。同情を誘うその姿にアンナが口元を押さえる。
(「かっ、かわっ……」)
 顔を背け、プルプルと体を震わせるアンナ。ふと見れば、他のピヨすけたちもアンナを攻撃せんと体当たりの姿勢に。
 ――このままではいけない。ピヨすけのもふもふあたっくでやられてしまう……違う意味で。
 危機を感じたアンナは道中で購入した金平糖をばら撒く。すると先程までの勢いはどこへやら、ピヨすけたちは我先にと金平糖を啄み始めた。
 金平糖に夢中のピヨすけに近づき、そっと手を伸ばすアンナ。
 ……ぽふん。
 ……もふん。
「うわぁ……ふわふわ……こんな毛布があったら心地よく眠れるんだろうね……」
 触れた手に伝わる柔らかな感触。ウトウトし始めたピヨすけに抱き着いてみれば、全身を包み込むかのようななんとも言えないもふもふ感がアンナを襲う。
 ふわふわの毛に顔を埋め大きく息を吸えば、ほのかに香るお日様の匂い……。
「さてと……申し訳ないけど焼き鳥になってもらうよ」
 名残惜しいがいつまでもこうしているわけにはいかない。存分にもふもふを楽しんだ後、アンナはピヨすけに触れたままの自身の腕に刃を走らせた。
 その切り口から地獄の炎が噴き出し、ピヨすけに燃え広がる。
『ピイィ!?』
 炎に撒かれたピヨすけが鳴き声を上げた。
(「こんな敵でも倒さないといけないからね……うん……」)
 どんなに弱い敵でも可愛い敵でもオブリビオンはオブリビオン。放置するわけにはいかない……いかないのだ、うん。


「もっふもっふだぁー!!」
 ピヨすけを見るなりエルカ・エーネ(草原の家主・f01204)はその瞳をキラキラと輝かせた。
「甘味っていうと甘いものだよねぇ」
 言いながらエルカがいそいそと取り出したのは、羊羹。ちょっぴりどきどきしながら羊羹をピヨすけたちに向けて差し出す。
(「なんか似合うと思ったから持ってきたけど食べてく……」)

『ピィ!』
『ピィピィ!!』
『ピヨピヨピ!』

 もふもふ。
 もふもふもふもふ。
 もふもふもふもふもふも……。
「まってまっていっぱい来ないでもふもふに埋もれちゃーーーー!!!」
 あっという間にピヨすけまみれになるエルカ。胸に背中に腕に足に、そして顔に。もふもふの毛がぎゅうぎゅうと押し付けられる。
 柔らかくふわふわな感触はそれはそれは気持ちよかったが、顔面までも塞がれ窒息しそうとあってはそうも言っていられない。
(「こ、こうなったら数を減らそうーっ」)
 エルカを中心に鈴蘭の花弁が舞い上がった。無数の花弁がエルカを取り囲むピヨすけたちに襲い掛かり、彼らを一気に消滅させる。
「あ、危なかったぁ……」
 エルカがガックリと地面に膝をつく。しかしすぐさま気を取り直して立ち上がり、再び羊羹を手に残るピヨすけたちに声をかける。
「おおきいもふもふ鳥さんー! お菓子あげるからおいでー!」
 もっとも、お菓子を上げた後はちょっぴり小突いたりして最終的にはさくっと倒してしまうのだけれど……。

「にゃーん」
 夢中でピヨすけに呼びかけるエルカの耳に、猫の鳴き声が響いた。抗議するかのようなその声の主は、エルカの相棒「プリムラ」。
「え、じぶんも『負けてない』って?」
 相棒の不満を的確に読み取って、エルカはそう問い返す。
 確かにプリムラはとても素敵な毛並みをしているけれど、ピヨすけと張り合えるほどもふもふしているかというと……?
「う、ううんちょっと勝負を張るには毛が足りな……」
 その返事がよほど気に入らなかったのか、プリムラはエルカに思い切り爪を立てた。
「あぁごめんよう! やめて爪立てないであーっ!!」

 冬の原っぱに、相棒に責められるエルカの悲鳴が響き渡った。


「また妙なのに出くわしたものだな」
 頭を掻きつつアネット・レインフォール(剣の教育者・f01254)が呟いた。
「こんな可愛らしい生き物が妖怪とは……」
 月藤・紫衣(羅刹の旅人・f03940)は頬に手を当て、はあ、と残念そうに息を吐いた。
「ふむふむ、甘い物が好きな鳥さんですか」
 弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)は顎に手を当てマジマジとピヨすけを観察し……。
「ほーら甘いものですよー」
 持参した砂糖を地面に撒いた。しかし、ピヨすけの反応はイマイチ。
「……む?」
 銀花が小さく唸る。
「もしかして甘味だと認識していないのではありませんか?」
 そう言うと、紫衣は懐から菓子の入った布袋を取り出した。菓子を包んだ懐紙を広げつつ、紫衣はピヨすけに声をかける。
「そうですね……金平糖などいかがです? 飴もポン菓子もありますよ?」
『ピィ』
『ピヨピヨ』
 懐紙の上に置かれた色とりどりの金平糖や飴、ポン菓子に引き寄せられ、それを啄み始めるピヨすけたち。
「なるほど、砂糖のままだったから甘味だとわからなかった、と」
 納得したようにそう言って、銀花は愛刀をスラリと抜いた。
「ではさくっとやっちゃいましょうか」
「え」
「大丈夫です。苦しまないようにスパッと一息に……」
「いやいやそれは」
 慌てて銀花を止める紫衣。確かに最終的には倒さなければならないし、その時は苦しまぬようにとは思うけれども!
 銀花の愛刀に驚いてか、数体のピヨすけがぼん! とその毛を大きく膨らませた。
「まあ待て」
 アネットが銀花の肩をポンポンと叩く。
「他の連中がふわふわしたのを堪能してからでもいいだろ?」
「それは……まあ」
 アネットの言葉に同意して、一旦愛刀を鞘に納める銀花。そんな彼女に頷いて、アネットは近くで金平糖を啄んでいたピヨすけをむんずと掴み上げた。
 そしてそのまま自分の顔の前へ。ピヨすけとアネットの視線が交差する。
『ピ?』
「しかし何だ。焼き鳥が食べたくなってきたな」
 アネットの呟きに、銀花が返す。
「若鶏のから揚げなんかもいいですよね」
『!!!』
「……オブリビオンって食えたっけ?」
『ピィィイ……』
 怯えた目で二人を見つめるピヨすけ。意味が分かっているのだろうか?
「お二人ともやめてください!」
 たまらず紫衣が声を上げる。
「いや冗談だ」
 つい、と目をそらすアネット。
(「私は割と本気なのですが……」)
 とは言えず、銀花は無言を貫いた。

「そうだな、折角の機会だし少し可能性の一つを探ってみようか」
 掴んでいたピヨすけを放し、アネットはあんこを取り出す。
「ほら」
 アネットの掌に乗ったあんこを見たピヨすけは、全てを忘れて速攻であんこに食いついた。
「美味いか? シロピヨ」
 なんとなく名前を付けて呼んでみるが、夢中であんこをつつくピヨすけからは反応がない。
(「この手のモノを使役することが出来たらいいんだがな」)
 紫衣もそうだが、可愛らしいオブリビオンをできれば倒したくないと思っている猟兵は多い。少なくともここに来ている猟兵の多くはそうだろう。
 倒さず使役できるとなれば、そういう猟兵たちも喜ぶだろうし単純に戦力増強にもなるのだが――。
(「意思疎通は……無理っぽいかな……」)
 思うままあんこを食べまくった挙句ウトウトし始めたピヨすけに視線を送り、アネットは小さく息を吐いた。

「驚かせましたね、大丈夫ですよ」
 柔らかく微笑んで、紫衣がピヨすけに触れる。ちなみに紫衣の周りはポン菓子を食べておねむになっているピヨすけに先程驚いて膨らんだままのピヨすけにとピヨすけがたくさん。
 ――ぽふん。
「ああ……」
 超もふもふもーど中のピヨすけに顔を埋め、その想像以上のもふもふっぷりに表情を緩める紫衣。
(「白くてふわふわとした大きな生き物……なんとかわいいのでしょう」)
 できればこのまま、愛玩動物として飼育したい。
 しかしそれが叶わぬのがオブリビオン。ここで見逃せば、この子たちはいずれ人々に害をなすことに。
(「非常に残念ですが、退治させていただきます」)
 けれどもう少しの間だけ……このふわふわを堪能させてもらいましょう――。

 どれくらい時間が経ったのか。ついにピヨすけたちとのお別れの時が来た。
「せめて痛くないように――『花を散らすは風の棘』」
 紫衣が鋭い棘を放つ。
「弐式・流水戟」
 アネットが流れるような剣戟を披露し、銀花は改めて愛刀「白嵐玉椿」を抜く。
「研ぎ澄まされた刃に斬れぬ物無し! 鋭刃線閃!」
 見る間に消滅し、その数を減らすピヨすけたち。
「あ……消滅しちゃうんですか……」
 残念そうな銀花の呟きが、聞こえたとか聞こえなかったとか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

五條・桜花
雪月(f03400)と同行
関係性のイメージは祖父と孫

ふわもこふわもこ
ふわふわは正義です!!!
あああ、可愛い可愛い可愛い!!!

甘いものが好きなんてお仲間です
あれです山のように甘味を雪月と一緒にもっていってもふるのです
私はクッキーとかキャンディーとかです
どうぞ召し上がれ

可愛いもふもふこのまま眠りにつきたい
でも、でも、ダメなのですよね
幸せでも終わらせないと

ごめんなさい、貴方たちが悪いわけではないかもしれないけど
私たちは貴方たちを倒します

どうか我が桜よ、このものたちを切り刻め!!!

ううう、もふもふ名残惜しいです
……雪月の手はあったかいのです
でも柔らかさが足りませんよ


叶・雪月
桜花(f03321)と同行
関係性のイメージは祖父と孫

庇護欲をそそる外見をして敵から身を守るというのは賢い生存方法だよな
そうそこの桜花のような奴には覿面だな

俺は金平糖と饅頭だな
ほらお前たち食べろよ
……確かにこの手触りはいい
うん一匹くらい手元に置いておきたいくらいだな
まあ無理なんだけどさ

まあ襲われるから倒すっていうのは仕方がないってことではあるが
なかなかにきついな

だがここで変に手心を加えて逃せばだれかが犠牲になる
なら、この痛みは俺たちが背負おう

悪いな、俺の刃の前に沈んでくれ

まあふわふわじゃなくて悪いが、桜花を慰めるとするか
柔らかさは……さすがに無理だろ?


マリン・ルベライト
可愛くてもふもふな鳥さん!
すごくぎゅーってしてもふもふしたい!
甘いものが好きなんだね
温泉で有名な場所なら温泉饅頭とか売ってるかな?
それを買っていってあげればもふもふできるかも!
まず【クリスタライズ】で姿を消してお饅頭だけこっそり置くよ
食べておとなしくなったらいっぱいもふもふするんだ~
でも最後はちゃんと倒さないといけないんだよね
すこしかわいそうだけど…
なるべく苦しまないように攻撃して倒すよ
ほかの人を襲っちゃったら大変だもんね


月宮・ユイ
アドリブ・絡み歓迎

あら、もふもふして温泉なんてこの任務はご褒美かしら
まずは甘い物、ご用意しましょうか

世界観に合わせ、羊羹、まんじゅう、お団子等和菓子を中心にお菓子を準備。なぜか飲みやすいようミニ湯飲みや、腰を落ち着ける座席等まで用意し、まるで即席の茶会の如き状態に。
本人は【人形劇団】による給仕用人形の補佐、”礼儀作法”まで駆使して給仕として働いていたり。

生まれゆえか、やはり人の為に働いていると落ち着く様子
ただ、手がすくと満足した鳥さんを撫でていたり、抱っこしてもふもふしており、人前で愛でた姿を見せるのが恥ずかしいのもあるよう


春霞・遙
温泉地にもふもふ、なんてうらやま…じゃなかった。現地の方々が危ないですね!
急いで愛で…じゃなくて倒さないと!

前回行った温泉で買った黒糖温泉まんじゅうとうちの地元のラスクを餌付け用に持参しましょう。
そのまま餌をついばんでるところも、罠を仕掛けてそこにかかってるところも可愛いんだろうなあ。
大きな籠を伏せて、木の棒で落ちないようつっかえ棒した古典的な罠にお菓子を置いて捕獲してみる。
捕獲された様子とか餌食べてるところとか大量に群れてるところとかをスマホで「撮影」したり、なでぽふしたり。

最後はかわいそうですけど触手たちの餌になってくれると、ありがたいかな。

アドリブ連携喜んで


リィン・エンペリウス
すごくかわもふな子だね!ビーストマスターとしては是非会いいかないと。

むむ~、こんなかわいいのに倒さないといけないなんて、すっごく辛いことだね。もふもふ好きとして、ここは心行くまでもふもふしないと。
戦闘が開始したら、効果があるか分からないけど、獣奏器の【楽器演奏】を使ってまっしろピヨすけを多く集めてみようか。
集まったまっしろピヨすけに、近くの温泉宿で買った温泉饅頭をプレゼントしてあげよう。
温泉饅頭を食べている間にとことんもふもふしてあげよう。なでる、抱き着く、枕にする!
堪能したら…残念だけど、包丁でさくっと攻撃するよ…本当に残念だけど。
もし甘い物を持ってき忘れた人いたら温泉饅頭分けてあげようか。




(「庇護欲をそそる外見をして敵から身を守るというのは賢い生存方法だよな」)
 ふわっふわもっふもふのピヨすけを眺めながら、叶・雪月(六花舞う夜に煌めく月の刃・f03400)は思う。
(「そう……そこの桜花のような奴には覿面だな」)
 ちらりと横目で隣を見遣れば、「ふわもこ、ふわもこ!」とはしゃぐ五條・桜花(六花の元に咲く桜・f03321)の姿が。
「ふわふわは正義です!!! あああ、可愛い可愛い可愛い!!!」
 超ハイテンションの桜花の様子に、雪月ははあ、とため息一つ。
「甘いものが好きなんてお仲間です。どうぞ召し上がれ」
 そう言うと、桜花はクッキーやキャンディーをピヨすけに差し出す。
「俺は金平糖と饅頭だな。ほらお前たち食べろよ」
 雪月がピヨすけの前に広げるのは和菓子。
 二人で(主に桜花の希望により)山のような甘味を用意し、ピヨすけをもふる準備は万端である。
『ピィピィ♪』
『ピヨ♪』
『ピピピピ……』
 二人が用意したお菓子を美味しそうに食べるピヨすけたち。ちなみに一番人気はクッキー。サムライエンパイアでは見慣れないお菓子のはずだが、もしや新しいモノ好きなのだろうか?
 雪月が用意したお菓子よりも自分が用意したお菓子のほうが人気だったことで、桜花はますます上機嫌。
 満腹になって満足そうに目を細めるピヨすけに、ご機嫌なままでギュッと抱き着く。

 ――もふふふーん。

(「ああっ、可愛いうえにこんなにもふもふで……!!」)
 このまま眠りについてしまいたい――恍惚とした表情の桜花の隣では、雪月が金平糖を啄むピヨすけの頭を撫でていた。

 ――ぽふんぽふん。

「……確かにこの手触りはいい」
 全力でもふもふに埋もれる桜花の気持ちも理解できる。
「一匹くらい手元に置いておきたいくらいだな」
 そう呟いて、雪月は本日二度目のため息をついた。
「……まあ無理なんだけどさ」
「ダメなのですよね……」
 もふもふに埋もれていた桜花も顔を上げ、心底無念そうに呟く。
 真っ白でもふもふの、可愛らしい妖怪。それでもここで手心を加えて見逃せば、誰かが犠牲になる――。
「ごめんなさい、貴方たちが悪いわけではないかもしれないけれど」
 そっと立ち上がり、桜花は魔導書をその手に取る。
「私たちは貴方たちを倒します」
 宣言し、魔導書を開く桜花。
「どうか我が桜よ、このものたちを切り刻め! 『咲き誇れ、我が分身よ』!!」
 魔導書が桜の花びらと化し、ピヨすけたちを覆いつくす。
「悪いな、俺の刃の前に沈んでくれ。『我が刃に斬れぬものなし』」
 言葉と共に、自らの半身をふるう雪月。
「この痛みは俺たちが背負おう――」

「ううう、もふもふ……」
 名残惜しさやら何やらでがっくりと落ち込む桜花。ピヨすけとの邂逅からずっとハイテンションだった分、余計に反動が大きい様子。
 表情だけは面倒くさそうにしながらも、雪月はそっと桜花の手を握る。
「雪月の手はあったかいのです」
 少しだけ俯いたまま、桜花が呟く。
「……でも」
 そこで言葉を切って、桜花は雪月をじっと見つめた。
「――柔らかさが足りませんよ?」
「いや柔らかさは……さすがに無理だろ?」
「やっぱりあのもふもふには敵わないのです」
「いやアレと比べられても」
 言い合う二人。けれど、その手はしっかりと繋がれたままだった。


 マリン・ルベライト(禁忌に生み出されし姉妹・f08954)は自身の姿を消してピヨすけに接近していた。
(「可愛くてもふもふな鳥さん! ぎゅーってしてもふもふしたい!」)
 だんだん近づいてくるもふもふのその体――触り心地を想像しただけで表情が緩む。
 甘いものが好きなピヨすけのため、マリンが用意したのは温泉饅頭。わざわざ旅籠の近くまで行って買ってきた、この地域ではそこそこ有名なお店の品である。
 姿を消したままピヨすけの前まで行き、そのまま飛びつきたい衝動を抑えて温泉饅頭を置く。マリンが手を放せば透明化が解け、ピヨすけの目の前に突然温泉饅頭が現れる、という寸法だ。
『ピ?!』
 不意に現れた温泉饅頭に首を傾げるピヨすけ。またその様子の愛らしいことといったら……。
 何かを懸命に堪えるマリンの前で、ピヨすけは温泉饅頭を啄みだす。

 つんつん。
 つんつんつんつん……。

 ピヨすけの食事風景を姿を消したまま眺めるマリン。甘いものを啄む様もまた、愛らしい。
 温泉饅頭を食べ尽くすと、ピヨすけは大きなあくびを一つ。その場にしゃがみ込み、目を細め――心地良さげに日向ぼっこを始める。
 すっかり大人しくなったピヨすけをもふり倒すべく、マリンは満を持して姿を現した。
『……ピ……?』
 半分閉じた目でマリンを見つめるピヨすけ。完全にリラックスモードである。
(「よし! もふもふするよ!」)
 ちょっと大きめのピヨすけに体当たりするかのような勢いで抱きつく。両腕をピヨすけの体に回しギューッと抱きしめれば、マリンの身体はもふもふの毛にすっかり飲まれてしまった。

 ――もふもふ。
 ――ふかふか。
 ――ふわふわ。

「気持ちいい~」
 もふもふに包まれて満足そうに呟くマリン。
(「でもちゃんと倒さないといけないんだよね」)
 もふもふを堪能しながら、チラリと考える。
(「少しかわいそうだけど……ほかの人を襲っちゃったら大変だもんね」)

 ――もふもふ、もふもふ。

(「でも今は、もう少しだけ……」)
 心の中で呟いて、マリンはピヨすけの体に顔を埋めた。


(「もふもふの後に温泉なんてこの任務はご褒美かしら」)
 なんとなく弾む心を押さえ、月宮・ユイ(死ヲ喰ラウモノ・f02933)は甘味の準備を始める。
 サムライエンパイアという世界に合わせ、ユイが用意した甘味は羊羹や饅頭、お団子といった和菓子が中心。
「……これだけでは味気ないですわね」
 お盆に盛った和菓子たちに視線を落とし、呟く。
 甘いものだけだと喉が渇くかもしれないし、飲み物も用意しましょうか。
 地面にそのままというのもちょっと……そうだ、敷物を敷いておこうかしら。
 猟兵の皆さんもいることだし、腰を落ち着けられるように縁台みたいなものがあればいいんだけれど……。
 ユーベルコードまで使って給紙用人形を召喚し、全力で奉仕精神を発揮した結果。
「なんかお茶会会場ができてる!」
「あら、すごい」
 リィン・エンペリウス(もふもふ大好きグルメ妖狐・f01308)が声を出して驚き、春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)も目を丸くした。
「やりすぎたでしょうか……」
 申し訳なさげに尋ねるユイに、遥が手をヒラヒラさせて答える。
「別に構わないんじゃない? 座ってゆっくりできるから楽ちんで助かるよ」
「ボクも座る~」
 早速簡易の縁台に腰かけるリィン。その様子を微笑まし気に見つめながら遥が口を開く。
「温泉地にもふもふってさ、うらやま……」
 ……危うく本音が漏れかけた。
「現地の人たちが危ないから急いで愛で」
 …………。
「急いで倒さないとね!」
 いつの間に用意したのやら、温かいお茶が入った湯飲みをリィンと遥の脇に置きながらユイが遥に声をかける。
「あまりご無理はされないほうが」
「あはは……」
 困ったように笑う遥に、リィンが訴える。
「その気持ちよくわかるよ! ボクもそうだもの! ビーストマスターとしては是非会いに行かないと、って思ったんだ」
「そっかー、みんな同じなんだね」
 そう言うと、遥は大きな籠を持ち出した。
 何を始めるんだろう? 興味津々のリィンとユイの視線をよそに、遥は大きな籠を地面に伏せる。籠の片方を持ち上げて紐を括り付けた木の棒でつっかえ棒をし、持参したお菓子をその下に。
「よし、できた」
 ぱんぱん、と手を軽くはたきながら立ち上がる。
 完成したのは獲物が餌に夢中になっている間に棒に括り付けた糸を引っ張って籠を落とすという、古典的な動物捕獲用の罠である。
 ……果たして上手く捕獲できるだろうか?
「じゃあ、ボクまっしろピヨすけを集めてみるね」
 そう言うと、リィンは獣奏器を取り出した。
(「ボクの演奏で集まってきてくれるといいんだけど」)
 リィンが獣奏器を奏で始める。ユイと遥はしばらくその演奏に聞き入っていたが、ふと気が付くと。

『ピヨピヨ』
『ピィ?』
『ピヨピヨピー♪』
『ピイピイピ♪』

 三人はピヨすけに囲まれていた。
「わあ、すごい! すごくかわもふな子だね!」
 その瞳をキラッキラさせて身を乗り出さんばかりの勢いでピヨすけを見つめるリィン。
「これは反則でしょう……」
 つぶらな瞳でじっと見つめられ、口元を覆う遥。
 たくさん集まったピヨすけたち。ユイが用意したお菓子だけでは間に合わず、遥もリィンもいそいそと持参した『甘いもの』を広げて見せる。
 遥は黒糖温泉饅頭や地元のラスクを。
 リィンは近くの温泉宿で買ってきた温泉饅頭を。
『ピー♪』
 差し出されたお菓子にピヨすけたちは大喜び、早速とばかりに啄み始めた。

(「こんなにかわいいのに倒さないといけないなんて、すっごく辛いことだね」)
 お菓子を啄む愛らしい姿に、リィンの心が痛む。しかし、それはそれとして。
(「もふもふ好きとして、ここは心行くまでもふもふしないと!」)
 心の中でグッと握りこぶしを作り、リィンはピヨすけの頭に触れた。ちなみにピヨすけは温泉饅頭に夢中で気づいていない。
 そっと手を動かし撫でてみる。

 ――ふんわり。

「おお~」
 なにこれすごく気持ちいい。
 今度はギュッと抱き着いてみた。

 ――もっふり。

「おおお~」
 身体が埋もれるほどのもふもふ――そして驚きの肌触り。
 次はお腹いっぱいになったピヨすけがウトウトと眠り始めるのを見計らって。
(「枕にしちゃうよ!」)

 ――ぱふん!!

 もふもふに乗せた頭に伝わる適度な柔らかさと、ほのかな温かさ。
 高級枕もびっくりの寝心地に、ついついユイもウトウトと――。

(「可愛いなぁ」)
 ラスクや饅頭を啄むピヨすけたち。遥はスマホ片手にそれを眺め、ニコニコニヨニヨ。
 もふもふがたくさん群れて餌を啄む様はそれはそれは可愛らしく、その姿を撮影しながらたまにピヨすけの体に手を伸ばす。

 ……ぽふぽふ。

 ナデナデしつつぽふぽふと叩いてみる。

 ――ふわんふわん。

 もふもふの毛から伝わる、極上の手触り。ふにゃんと相好を崩した遥の指先に、何かが引っかかるような感覚が。
 なんだっけ? と視線を落とせば、ピヨすけ捕獲用の罠に繋がる糸がちょいちょいと引っ張られている。
 そこで罠の存在を思い出し、そちらに視線を向けてみれば。
(「ぶっ!?」)
 他のピヨすけより一回り大きなピヨすけが、籠を頭から被ってちょこんと座り込んでいた。
『ピィ……』
 困ったように鳴くピヨすけ。
(「ちょっ、これは想定外……」)
 肩を震わせながら、遥はピヨすけの救助(?)に向かう。

 給仕の間の小休止――ユイは小さく息を吐く。本当はこんなことをする必要はないのだが、ついついあれこれと動いてしまう。

 ――じーっ。

 どこかからの視線を感じ、きょろきょろとあたりを見回すユイ。すると、縁台の上にちょこんと座ったピヨすけと目が合った。

 ――じーっ。

 黒い小さな瞳がユイを見つめる。キョロキョロとあたりを確認しピヨすけの頭を撫でると、ピヨすけは小さな目を心地よさそうに細めて見せた。
「…………」
 ピヨすけをじっと見つめるユイ。

 ……もふりたい。
 ……抱っこして、思いっきりもふもふしたい。
 だがしかし、そんな姿を他人に見られるのは恥ずかしい。

 しばしの葛藤の後、ユイは再びあたりを見回した。ここにいるのは猟兵だけ、そしてみんなもふもふに夢中……。
 意を決して手を伸ばし、ユイはピヨすけを抱き上げる。
『ピ?』
 首を傾げるピヨすけに頬を埋め、しばしそのもふもふを堪能するユイであった。

「さて、と」
 どれくらい時間が経ったのだろうか、縁台に腰かけていた遥が立ち上がった。
「かわいそうだけど、お別れの時間だよ」
「うん……本当に残念だけど」
 リィンが抱えていたピヨすけを地面に降ろす。
「できるだけ苦しまないようにしてあげるから――」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ロネッサ・リーヴァニティ
妖怪さん、悪さはいけませんね…。
微力ながら、おちからになれればとおもいます。

【WIZ】
ピヨすけさんは、甘いものが好きとのことなので、クッキーとチョコを持っていこうと思います。
どれくらいいるのかわからないので、少し多めにもっていきましょう。
「これで、大人しくなってくれますか?」

大人しくなってくれたら、お膝にのっけて撫でてあげます。
「ふふ、いい触り心地ですね」

でも、かわいくてもふもふしていても倒さないと、なんですよね。
最後は【お手伝いさん召喚】でお掃除ロボットを召喚して、攻撃します。
「やっぱり悪い事はいけないから…ごめんね」




 お菓子をもらい損ねたピヨすけが、ゆっくりと歩き出す。
 向かう先は、甘いものがたくさんあるところ。
 よちよち、よちよち。
 数メートル歩いたところで、ピヨすけはぱふん! と何かにぶつかった。

 ころころころころ……。

 ぶつかった反動で、元いた場所まで転がるピヨすけ。
『ピ?』
 不思議そうに鳴いて、きょろきょろとあたりを見回す。するとそこには、ロネッサ・リーヴァニティ(優しき儚花・f00363)が立っていた。
「妖怪さん、悪さはいけませんね……」
 ロネッサがピヨすけに話しかける。ピヨすけがぶつかったのは、ロネッサだったのだ。
『ピィ!』
 お腹がすいて少々気が立っているのか、ピヨすけはボン! と体を大きく膨らませてロネッサと対峙する。
 どこまでも可愛らしい臨戦態勢を取るピヨすけに、ロネッサは持参したクッキーとチョコレートを取り出した。
「これで、大人しくなってくれますか?」
『ピー♪』
 秒で警戒態勢を解きロネッサのお菓子を啄み始めるピヨすけ。
(「少し多めに持ってきたんですが、正解だったみたいです」)
 クッキーとチョコレートをあっという間に完食し、ピヨすけは満足げに目を細める。
『ピィ……♪』
 ロネッサはすっかり大人しくなったピヨすけの隣に座り、そのもふもふの体を抱え上げた。
『ピ……』
 されるがままのピヨすけを、自分の膝の上に。
 ……もふもふが凄い分、ちょっぴりサイズは大きいけれど。
「ふふ、いい触り心地ですね」

 ――もふもふもふもふ。

 撫でる手に、極上のもふもふ感が伝わってくる。
(「でも、かわいくてもふもふしていても倒さないと、なんですよね」)
 放っておけば人を襲ってしまう。さっき移動していたのも……。
「やっぱり悪い事はいけないから……ごめんね」

 目一杯ピヨすけと戯れた後、ロネッサは「お掃除ロボット」を召喚した。
「私の代わりに……お願いしますね」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ケセランパサラン』

POW   :    分裂
【分裂し、もう1体のケセランパサラン】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    恍惚
【10秒間、ふわふわ浮いている事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【戦意を喪失させるウェーブ】で攻撃する。
WIZ   :    幸福
【可愛い】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【ケセランパサラン】から、高命中力の【敵を庇いたくなる気持ちにさせる光線】を飛ばす。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠犬憑・転助です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



『ピィ……』
 微かな鳴き声を残し、最後のピヨすけが消滅する。
 名残を惜しんだりちょっぴり罪悪感に駆られたり、様々な感情を抱く猟兵たち。しかし、そんな余韻に浸る間もなく新たな敵が姿を現す。

 ふわふわ、ふわふわ。

 真っ白な体……体? で宙をふわふわと漂う謎生物、ケセランパサラン。
 猟兵たちの存在に気付いているのかいないのか、幾つもの白い固まりが連なってあっちへふわふわ、こっちへふわふわ。
 積極的に人を襲おうとはしていないようだけれど、彼らもまたオブリビオン。
 猟兵とした、自分たちがきちんと対処しなければ――。
アネット・レインフォール
◆行動
ふむ…先ほどのピヨすけよりも幾分かオブリビオンっぽいか?
俺も今まで色々な敵と対峙してきたが、これは何というか謎だな。

毛の塊なのか、生物なのか、又はそれ以外の怪異か…敵意がなく可能そうなら、
先ほどと同様にむんずと鷲掴みして確認させてもらおう。
…もしかしてピヨすけが成長するとこの姿になるのだろうか?

それは兎も角、仕事はしっかりこなしておくか。
仲間の様子を見つつ【雷帝ノ太刀】で一閃し堅実に数を減らしていこう。

これが終われば漸く温泉に入れるというものだ。

◆他
連携、アドリブ歓迎


マリン・ルベライト
今度はふわふわがいっぱい…
あまり敵意はなさそうだけど何があるかわからないしちゃんと倒さないとだめだよね
ひとまず【千里眼射ち】と【誘導弾】で撃ち落としていくよ
【2回攻撃】も使って動きを【見切り】で見切って確実に
そういえば倒したら幸せが訪れるなんて本当なのかな?
もし本当ならここにいるみんなに幸せが訪れるんだよね
なんだか素敵だね!
そう考えたら少しは倒しやすいかも


弥久・銀花
私なら、そうですね……、毛を毟ってみましょう。

積極的に襲ってこないのならちょうど良いです、生態研究の良い機会ですね。


先ずは怒らせてどんな攻撃をしてくるのか見てみます、ここで危ない様なら即殺処分。
危なくなければ毛を全部毟って正体を暴きます、牙とか生えているかも知れませんしね。



(負傷、アドリブオッケーです)




 ふわふわ、ふんわり。
 猟兵たちの前をふよふよと漂うケセランパサラン。

「今度はふわふわがいっぱい……」
 彼らが連なるその様子に、マリン・ルベライト(禁忌に生み出されし姉妹・f08954)が呟く。
「ふむ……先ほどのピヨすけよりも幾分かオブリビオンぽいか?」
 顎に手を当てマジマジとケセランパサランを観察するアネット・レインフォール(剣の教育者・f01254)。
「うーん、俺も色々な敵と対峙してきたがこれは何というか……謎だな」
 腕組みして唸るアネット。
「そもそもアレ、生物なのか?」
 アネットが指さす先で、ケセランパサランは宙を漂い続けている。
「あまり敵意はなさそうな……でも、何があるかわからないしちゃんと倒さないとダメですよね」
「まあ、オブリビオンだからな」
 アネットがマリンに同意すると彼女は早速、とばかりにルベライトが装飾された弓を取り出した。
 矢を番えるマリンを前にしても、ケセランパサランはふよふよと漂ったまま。
「……攻撃する前にちょっと確認してもいいか?」
 欠片もやる気を見せないケセランパサランに何か考えるところがあったのか、アネットがマリンに話しかける。
「構わないですよ」
 マリンの返事を確認し、アネットがつかつかと一体のケセランパサランに歩み寄る。そしてそのままそれをガシッと鷲掴み。
『!!!』
 一応驚いたのだろうか、ケセランパサランの大きな目が更に大きくなる。
(「もしかしてピヨすけが成長するとこの姿になるのだろうか?」)
 チラリとそんなことを考えるアネットだったが、それにしては見た目が違いすぎる。ピヨすけたちよりもふわふわ感が増した手触り……というか。
「もしかしてこいつら、『毛』の塊か?」
 掴むその手に力を込めてみても、『体』らしきものに触れる様子はない。毛をかき分けてみても、それらしきものには行きあたらない。
「ならば毛を毟って確認してみればいいんですよ」
 言いながら、弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)がふよふよと漂う別の一体を捕まえた。
「え、でもそんなことしたら怒って攻撃してくるかもしれないよ? 大丈夫?」
 心配そうに声をかけるマリンに銀花が答える。
「どんな攻撃をしてくるかも見てみようと思うの。それで危ないようなら即殺処分」
 そう言って、銀花はケセランパサランの毛を掴んだ。

 ――むしりっ。

『!?!!!?』
 大きな目を白黒させるケセランパサラン。そして――。
 ポン! と二体に分裂し、銀花に捕まっていないほうのケセランパサランが銀花に向かってぽふぽふと体当たりを始めた。
「これは一応攻撃……でしょうか」
 分裂元のケセランパサランを掴んだまま銀花が呟く。懸命に銀花に挑む分裂後に現れたケセランパサランだが、『ふわふわの毛が心地よくて当たる場所によってはくすぐったい』という攻撃としてはちょっと残念な効果しかなかった。

 ――むしっむしっむしりっっ。

 体当たりを続けるケセランパサランに構うことなく毛を毟り続ける銀花。
 しかしいつまで経っても本体らしきものが出て来ない。
 というか、そもそも毛が減っていないような……?
「やっぱり『毛』そのものが本体なんじゃないか?」
「これだけ毛を毟っても本体が出て来ないとなると、そうかもしれませんね」
 アネットと銀花が意見を交わす。
 ちなみに出てきた結論はやはり『少なくともこの場に現れたケセランパサランは毛の塊あり、猟兵にとっての危険はない』というものだったらしい。

「さて、仕事は仕事としてしっかりこなすか。待たせて悪かったな」
 マリンに謝るアネット。
「大丈夫です。ふわふわも可愛かったですし……やっぱりちょっと気になりますよね」
 ニコっと笑うマリンに釣られるように、アネットもほんの僅かに口角を上げる。
「じゃあ、改めていきますね!」
 矢を番え、十秒間の精神集中。その直後に放たれた矢はそのまま一体のケセランパサランを貫いて消滅させた。
『!!!!』
 仲間が消滅させられたことでようやく慌て始めるケセランパサラン。
 ちょっぴり動きが早くなったケセランパサランに向けて、アネットが居合の構えを見せる。
「――参式・雷帝ノ太刀」
 稲妻を纏った居合切りが、白い毛玉を両断する。
 マリンが放つ矢は逃げるケセランパサランを追撃し、次々とケセランパサランを消滅させていく。
「これが終われば漸く温泉に入れるな」
 アネットの呟きを聞きながら、マリンは心の中で考える。
(「ケセランパサランを倒したら幸せが訪れるなんて本当なのかな?」)
 それはサムライエンパイアに伝わるという言い伝え。もし本当なら、この戦いの後にはたくさんの幸せがやってくるに違いない。
(「うん、そう考えたらなんだか素敵だね!」)
 マリンが弓を弾き絞る。

 幸せがたくさん訪れるというのなら、可愛らしいふわふわも少しは倒しやすいかも――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月宮・ユイ
あら、今度の子達はさらに害意や敵意が乏しそうですね
また凄くふわふわしていて柔らかそう。本当にオブリビオンでなければ連れて帰りたい子達ね

下手に攻撃したら飛んで行ってしまいそう
様子見も兼ねて先に召喚した給仕型人形に’道具袋や電脳デバイス’から取り出した白い大きな布袋を渡して"お掃除"、ケセランパサランを捕獲し袋詰めにさせてみます

捕縛成功したら
苦しまないよう【捕喰形態】で腕を狼風の頭に変え”範囲攻撃”一瞬で丸呑みに
この子達なら後で喚んでも安全かも…死霊術士として捕喰した存在を'ウロボロス'に収集
でも、集めた袋、クッションやお布団みたい…
ちょっと倒す前に寝転んでみても良いかしら?

アドリブ・絡み協力歓迎


春霞・遙
わぁ、これは凶悪なふわふわ。ピヨすけに続いて倒しにくいオブリビオンですね。
でもピヨすけでもふもふは十分堪能したし、温泉の方が楽しみなので可愛いの誘惑には負けない、はず?

銃で撃つのも可愛そうだし、木の杖でケサランパサランを「なぎ払い」「吹き飛ばし」て散らす。
手元に落ちてきたものくらいはひとなでしてから倒すのもありかな。
ケサランパサランを倒したところに幸せが訪れるなら、この土地の幸せを「祈って」【悪霊祓いのまじない】。ハシバミの枝からケサランパサランに火をつけてかがり火の火種にしてしまうのも手かな。


リィン・エンペリウス
ケセランパサランだ!おばあちゃんから、おしろいをあげると増える縁起のいい妖怪だって聞いたことあるけど…オブリビオンには変わりないんだね。退治しないといけないのかぁ…ぐぬぬ~。

数も多そうだし、周囲の動物達に手伝ってもらおうかな。
「アララギ」の【楽器演奏】で呼び寄せるよ。どんな子達が来てくれるか分からないけど、手数重視で攻撃する予定だからいっぱい呼び寄せるよ。
呼び寄せた【動物と話す】で作戦を伝えて、『ライオットアニマル』で敵を攻撃するよ!
敵を上手く攻撃した子達にはなでなで、もふもふ!いっぱい褒めてあげないとね。

一緒に戦ってくれる同行者も大歓迎だよ!




「ケセランパサランだ!」
 またしても目を輝かせ、リィン・エンペリウス(もふもふ大好きグルメ妖狐・f01308)が叫ぶ。
「わぁ、これはまた凶悪なふわふわ」
 ピヨすけに続いてまたしても――春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)の言葉に月宮・ユイ(死ヲ喰ラウモノ・f02933)が付け加える。
「今度の子たちは一段と害意や敵意が乏しそうですね。凄くふわふわしていて柔らかそう」
「おばあちゃんから、ケセランパサランはおしろいをあげると増える縁起のいい妖怪だって聞いたことあるけど……」
 むぅ、と唇を尖らせるリィン。
「やっぱりオブリビオンには変わりないんだよね」
「ピヨすけに続いて倒しにくいオブリビオンだねぇ」
 遥が肩を竦める。
「本当に、オブリビオンでなければ連れて帰りたいくらいなんですが」
 ユイの言葉を「だよね!」と肯定するリィン。
「うーん、退治しなきゃならないのかぁ……ぐぬぬ」
 残念そうに唸るが、リィンだってすべきことはきちんとわかっている。
「数も多いし、動物たちに手伝ってもらおうかな」
「銃で撃つのも可愛そうよね」
 攻撃の準備を始めるリィンと遥に、ユイが声をかける。
「様子見も兼ねてこの人形にケセランパサランを捕獲させてみようと思うんですが構いませんか?」
 なにせすぐにでもどこかに飛んで行ってしまいそうな外見である。
「確かにいきなり攻撃するよりはいいかも?」
「あー。どっかに飛んで行かれると面倒だしね」
 顎に人差し指を当てつつリィンが言えば、遥も納得したように呟く。
「お願いしていいかな?」
 遥の言葉に頷いて、ユイは自分の脇に待機していた給仕型人形に指示を出す。
「では『お掃除』してきてください」
 指示に従いケセランパサランに近づいた給仕型人形は、手にした白い大きな布袋を大きく広げ……そのままバッと一体のケセランパサランにかぶせた。
「「…………」」
 ケセランパサランたちの反応を見守る三人。しかし、驚くほどに反応がない。
 相変わらずふよふよと宙を漂い、捕獲された一体も暴れる様子もなく。
 そのまま次々と布袋にケセランパサランを詰め込んでいく給仕用人形。どうも袋の大きさと詰め込まれるケセランパサランの数が合っていない気が。
「なんか、袋に入る量がおかしくない?」
「ね、なんかものすごく一杯詰め込んでるよ? あの袋、どうなってるの?」
 遥とリィンに尋ねられ、ユイは少し困ったように口を開いた。
「袋は普通の布袋なの。とっくに満杯になっていいはず……」
 首を傾げる三人の前に、給仕用人形が帰ってくる。ようやく袋が一杯になったらしい。
 給仕人形が差し出す袋をユイが受け取る。
「……軽い」
 思わず呟いてしまうほど、袋には重みを感じなかった。中に詰まっているはずのケセランパサランに逃げられないよう注意しつつ、袋の中を覗いてみる三人。
「あ」
「わっ」
「すごーい」

 ――ギュウギュウ。

 そこには圧縮されたケセランパサランが詰まっていた。
 とりあえず袋の口をしっかり閉じ、改めてケセランパサランでパンパンになった袋を見遣る三人。
(「なんだかクッションやお布団みたい……」)
 白の布袋、というのがより一層そんな雰囲気を醸し出す。
「ちょっと寝転んでみても良いかしら?」
 ユイが言えば、リィンもハイハイと手を上げた。
「ボクも寝てみたい!!」
「他の子たちにも変化ないし、ちょっとくらいならいいんじゃないかな?」
 ほんの少しだけ苦笑しつつ遥が言えば、ユイとリィンは早速とばかりに白い布袋の上に頭を乗せて転がった。

 ――ふんわり。

「なにこれすっごく気持ちいい!!」
「羽毛布団もびっくりのふわふわ感ですね」
 ふわふわなだけでなく適度な弾力もあり、それはそれは寝心地がいい。
(「本当に、オブリビオンでなければ」)
 改めてそう思うユイ。
「じゃあ、その袋の処理はお任せするよ」
「お任せください」
 袋の中身をユイに任せ、まだまだ残るケセランパサランへの対処に向う遥とリィン。
 それを見送り、ユイはケセランパサランが詰まった袋に視線を落とした。
「内蔵因子励起……」
 ユイの腕が、「全てを喰らい取り込む捕食者」の頭部に変わっていく。
(「せめて苦しまないように」)
 捕食者の頭部はケセランパサランが詰まった袋を一息に呑み込み、その存在を消滅させる。
 死を溜め込むという宝珠を手に、ユイはぽつりと呟いた。
「この子たちなら、後で喚んでも安全でしょうか……」

 かつて伝染病患者の診察に使われたという木の枝を手にした遥は、ケセランパサランの群れの前でそれを一薙ぎ。
 木の枝が直接当たったケセランパサラン数体があっさりと消滅し、風圧で飛ばされた別の数体が地面に落ちてコロコロと転がる。
 そこまでされてようやく敵認定をしたのか、遥の目の前に突然小さなケセランパサランが現れた。
 カッと光線を出す小さなケセランパサラン。光線を浴びた遥は足元に転がってきたケセランパサランに手を伸ばす。
(「ああ、やっぱりふわふわ……」)
 ちょっぴり汚れた毛玉の表面を払いながらナデナデし、そのまま抱え上げようとして……。
(「いや違うから!」)
 プルプルと頭を振り、慌てて手を引っ込める。
 危なかった。ピヨすけでもふもふを目一杯堪能していなかったら、この後に温泉が待っていなかったら……誘惑に負けるところだった。
 気を取り直し立ち上がり、遥は目を閉じ言葉を紡ぐ。
 ケセランパサランを倒したところに幸せが訪れるなら、この土地の幸せを「祈って」――。
「夏至の夜を汚す悪しきものを追い払え、聖なる炎を消す水の流れを探し出せ」
 紡がれた言葉が炎を纏ったハシバミの枝となり、ケセランパサランを焼き尽くす。
 空中で燃える炎は、まるでかがり火のようだった。

 原っぱにホイッスルによる演奏が響き渡る。
 音の源はリィンの口元にあるイチイの木を素材にしたホイッスル。演奏に惹かれて、動物たちが一匹二匹、三匹とリィンの周囲に集まってくる。
「集まってくれてありがとね。ボクたち、あの白いふわふわしたのを倒さないといけないんだ」
 集まった動物たちに話しかけるリィン。
「手伝ってくれるかな?」
 リィンの問いかけに様々な鳴き声が『わかった』とでもいうかのように返事をし、鳴かない動物たちも頭を上下に振って見せる。
「よ~し、みんな! 敵を攻撃だ~!」
 リィンの号令で一斉にケセランパサランに飛び掛かる動物たち。パクっと噛みつく子、鋭い爪で引っ掻く子、突進して体当たりする子にくちばしで突っつく子……。
「すごいすごい! みんな上手だね~」
 ケセランパサランを消滅させて戻ってくる動物たちを、全力で撫でまわし褒め称えるリィン。
 ケセランパサランとはまた別のもふもふ交流が、ここにはあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

藤野・いろは
・心情
最近サムライエンパイアでは可愛らしい相手が多いですね……。
思わず刃を向けるのはためらいますが、相手はオブリビオン。
容赦も油断もしてがいけませんね!
・攻撃
動きをよく観察し【見切り】を狙っていきます
相手の大技に合わせてユーベルコード【先の先】、【カウンター】を叩き込みましょう
【破魔】の力を込めた刀で【なぎ払い】です
好機と見れば【2回攻撃】で攻めの手を緩めずいきましょう
・防御
相手の攻撃には【勇気】をもってギリギリまで見定め【残像】を残すような速さで最小限な回避を試みます
回避が困難な攻撃には狙いに合わせて【オーラ防御】で対応し、ダメージを可能な限り軽減
・その他
アドリブ、猟兵の絡み歓迎




(「最近サムライエンパイアでは可愛らしい相手が多いですね」)
 藤野・いろは(天舞万紅・f01372)の真剣な眼差しの先にいるのは、ふわふわ漂う真っ白毛玉――ケセランパサラン。
 たとえどんな相手でも、オブリビオンはオブリビオン。ここは油断せず敵の動きを観察して……。

 ――ふよふよ。

 しっかり敵の動きを観察して……。

 ――ふよふよふよ。

 動きを観察……。

 ――ふよふよふよふよ……。

「…………」
 逃げるでもなく攻撃を仕掛けるでもなくただ宙を漂うだけのケセランパサランに、思わずジト目になるいろは。
 とりあえず、このままでは埒が明かない。いろはは意を決してケセランパサランに攻撃を仕掛ける。
 近場のケセランパサランに走り寄り、構えた得物を横一閃。その見た目故かほとんど手ごたえはなかったが、斬られた毛玉はそのままパッと消滅した。
 仲間の消滅でようやくケセランパサランの動きが忙しなくなる。
 ふわふわと空高く浮かびいろはの戦意を削ごうとする個体、いろはの誘惑を試みる個体。しかし元々そう強くも素早くもないケセランパサラン、その効果が発動する前にいろはの刃の餌食となっていく。

 ――あなたの一撃、太刀に映せぬ前に終わらせます――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月藤・紫衣
また、こんな、ふわふわの、かわいいやつ…!
見目が可愛らしいオブリビオンはいったい何種いるのですか…猟兵をもふもふにするつもりですか。

可愛らしい姿で人を惑わすのもこのオブリビオンの性質なのでしょう。
先ほどの小鳥たちよりもふわふわで風に流されやすそうな雰囲気ですね。
早く倒してしまいましょう。
一部の猟兵の心の傷が浅い内に。

塊でいると不便です、宵華嵐舞でいくらかまとめて倒してしまいましょう。
渦のように吸い寄せられてくれると、楽でいいのですが。


ロネッサ・リーヴァニティ
はわ…、せっかくピヨすけさんを倒したのにまたふわふわな敵さんがきてしまいました。
この白いふわふわさんも、やっぱり人間さんを襲ってしまうのでしょうか…。
もしそうなら、倒さないとです。

【WIZ】

いちおう、今回もお手伝いさんを呼ぶ準備をして警戒をしておきますが…ふわふわしてて気持ちよさそうです…。
さわっても、大丈夫かな…?
危なそうなら、やめておきましょう。

白いふわふわさんは一見無害そうですが、旅館のみなさんの為にもやっぱり倒さないとですし…。お手伝いさんに攻撃してもらいますね。


仇死原・アンナ
こいつらがケセランパサラン…
見てるだけで幸福感に包まれそうになる…
でも、倒さなきゃダメだよね

「ふわふわ浮いてるところ申し訳ないけどここで倒させてもらうよ」
大剣を振るって[なぎ払い][怪力]で攻撃
【火車八つ裂きの刑】を使用して、敵本体も分裂体もまるごと焼き裂くつもり

敵の攻撃を[呪詛耐性][オーラ防御]で防御予定

もし味方が恍惚や幸福で骨抜きにされたら
[存在感]を出して[殺気]を飛ばして[恐怖を与え]て目を覚まさせてあげようかな

「幸福が訪れるか…こいつらを倒せたことが幸福なのかもしれないね…」


アドリブ絡みOKです




(「はわ……、せっかくピヨすけさんを倒したのにまたふわふわな敵さんがきてしまいました」)
 ロネッサ・リーヴァニティ(優しき儚花・f00363)の目の前で、ケセランパサランはふわふわと宙を漂っていた。
(「この白いふわふわさんも、やっぱり人間さんを襲ってしまうでしょうか」)
 のんびりと宙を漂うその姿からは、あまり想像できないけれど。
(「もしそうなら、やっぱりちゃんと倒さないとです」)
 意を決し、ケセランパサランと向き合うものの。
(「ふわふわしてて気持ちよさそうです……」)
 その見た目に、ちょっぴり好奇心が湧く。
 ……触っても、大丈夫だろうか?
 ふよふよと浮くケセランパサランからは欠片も敵意を感じない。
 少しだけ思案した後、ロネッサは意を決してケセランパサランに手を伸ばした。

 ――ふわん。

「わ……」
 ピヨすけよりも柔らかい、ふわふわした感触が伝わってくる。
 手触りの良さに、思わずぽむぽむと軽く叩いてみたり撫でてみたり。ケセランパサランはその大きな瞳をちらりとロネッサに向けたものの、それ以外はほぼ無反応。
(「一見無害そうですが」)
 さわさわとケセランパサランに触れながら、ロネッサは考える。
 彼らは妖怪――つまりはオブリビオンである。仮に本人たちに自覚がなくとも、結果として人に害をなす可能性は高い。
(「旅館のみなさんの為にもやっぱり倒さないとですよね」)
 被害が出ては宿の評判にも関わる、放置はできない。
「私の代わりに……お願いしますね」
 ロネッサの言葉に応え、「お掃除ロボット」と「お料理ロボット」が現れる。
「あの白いふわふわさんたちを……倒してください」


「こいつらがケセランパサラン……」
 仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)が呟く。
「なんか、見ているだけで幸福感に包まれそうになる……」
 少しだけぼんやりした雰囲気のアンナとは対照的に、月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)は握りしめた拳をプルプルと震わせていた。
「また、こんな、ふわふわの、かわいいやつ……!」
 見目が愛らしいオブリビオンがまだいたというのか。こんな不届きなオブリビオンが他にもいるというのか。
「いったい何種いるのですか……」

 サムライエンパイアだけでもまだ結構います。

「猟兵をもふもふにするつもりですか!」
 誰にともなく突っ込んで、紫衣はフルフルと頭を左右に振った。
(「可愛らしい姿で人を惑わすのもこのオブリビオンの性質なのでしょう」)
 惑わされてはいけない。相手は妖怪、オブリビオンなのだから。
「……倒さなきゃダメだよね」
 アンナの言葉に紫衣が力強く頷く。
 そう……たとえどんなにふわふわで、ふよふよで、やる気が全くなさそうだったとしても、一刻も早く倒さなければならない。

 ――もふもふ大好きな一部の猟兵の心の傷が浅いうちに!!

(「……にしても」)
 のんびりと宙に浮くケセランパサランに視線を送り、紫衣は改めて思う。
「ずいぶんとふわふわで風に流されやすそうな子たちですね」
 先ほどのピヨすけもふわふわだったが、あちらには確かに質量があった。しかしこのふわふわ宙を漂う毛玉には、それがまったく感じられない。
「とりあえず、塊でいられると不便です」
 呟いて、紫衣は刀身にルーンが刻まれた剣の剣先をケセランパサランたちに向ける。
「宵咲きの華は嵐に舞う――」
 囁くような声が、ケセランパサランたちの中心に月下美人の花弁の竜巻を巻き起こす。『!!!!!!』
 突如起こった竜巻に巻き込まれるケセランパサラン。そのふわふわの毛を、白い花弁が切り裂いていく。
 残ったケセランパサランたちは慌てて戦闘態勢に。分裂し紫衣に襲い掛かるモノ、ふわりと高く浮き上がり猟兵の戦意を喪失させようとするモノ――。
「ふわふわ浮いてるところを申し訳ないけど倒させてもらうよ」
 アンナは拷問具「鉄の乙女」を模した巨大剣をその怪力でもって軽々と振り回す。
「地獄の炎は焼くだけでなく、お前の身体を切り刻む……!」
 巨大剣が薙ぎ払われると同時に放たれた地獄の炎が、高く浮き上がったケセランパサランを焼却する。
「――お見事」
 控えめな紫衣の称賛に、アンナの口元がほんの僅かに綻ぶ。
「討ち漏らしは任せて。ついでにケセランパサランの誘惑に負けた時の対処も」
 こんな感じで目を覚まさせてあげるから――と、処刑執行人としての存在感やら殺気やらを最大限に発揮して見せるアンナ。
 二人とは関係ない所で誘惑されかけていた猟兵たちと、多くのケセランパサランたちがビックゥ! と体を震わせる。
「これは心強い」
 ふふ、と微かに微笑んで、紫衣は再び花弁の竜巻を引き起こす。それに合わせてアンナが巨大剣を振るい、竜巻から逃れたケセランパサランを仕留めていく。
 白い毛玉を消していく、白い花弁と地獄の炎。
「幸福が訪れるか……こいつらを倒せたことが幸福なのかもしれないね……」
 アンナがぽつりとつぶやいた。

 それもまた、幸福には違いない。
 少なくとも誰かがこの白いふわふわに襲われるのを、防げるのだから――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『温泉旅籠で露天風呂を楽しもう!』

POW   :    竹でできた築地を登って隣の湯を覗くor覗き魔へ桶や石鹸を投げて撃退だ!

SPD   :    気づかれる前にササッと覗いて退散するorどこかから視線を感じるので俊敏さを活かして迎撃する

WIZ   :    自らの叡智を結集した完璧な覗き作戦を決行するor覗き魔の行動を先読みして罠をかける

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――引き戸を開ければ、そこには岩畳の洗い場。
 身を清め向かうのは、湯けむり煙る広い広い岩の露天風呂。
 遠くには雪化粧した山々。
 近くには赤や白、桃色の山茶花や早咲きの白梅が咲く。
 男湯と女湯を分けるのは、竹製の間仕切り――。

 湯けむりの中、一人のんびり過ごすもよし。
 みんなで語りながら過ごすもよし。
 温泉を堪能しながら疲れを癒し、明日への英気を養おう。

『当旅籠では、湯着の貸し出しをしております。
 ご要望の方はお気軽に従業員にお申し付けください。
 【注意!】
 覗きをしてはいけません!
 覗きを企む不届き者が如何様な目に遭いましても、当旅籠では責任を負いかねます』

 ――覗きは、いけないことだと思います。
 (行動例はあくまでも例です、普通に温泉を楽しんでいただいて構いません)
マリン・ルベライト
温泉だ〜!
確か露天風呂っていうんだよね?
入るのは初めてなんだ〜
ちょっと恥ずかしいから湯着を着ようかな
【早着替え】で湯着に着替えてっと
髪や身体を洗ってから入るって聞いたからそうするよ
宝石の部分は特に丁寧に…
肩まで浸かってまったりした後は甘いものが食べたいな!
お姉ちゃんにお土産も買わないとね!




「温泉だ~!」
 初めての露天風呂に、マリン・ルベライト(禁忌に生み出されし姉妹・f08954)のテンションが上がる。
 しかし、初めてだけに裸で入るのは恥ずかしい。
 あたりをキョロキョロと見回して、人目のないうちに素早く湯着に着替えるマリン。
(「えっと、確か髪や身体を洗ってから入るんだよね」)
 石畳の洗い場へ行き、檜の椅子に腰かける。
「この桶でお湯を流すんだよね……お湯ってこれ?」
 洗い場の目の前には檜製の長い水路が横たわり、たっぷりのお湯が湛らえている。少しずつ溢れているあたり、この水路の湯もかけ流しであるらしい。

 後に聞いたところによると、この露天風呂わざわざ体を洗うためだけに別口で湯を確保しているんだとか……贅沢な話である。

 ひとまず洗い桶に湯を汲み、頭から湯をかける。
 髪を洗って腕や足、身体――宝石部分は特に念入りに。
 一日の汚れを落としさっぱりした後、ついに初の露天風呂へ。
 湯の中でふわりと浮き上がる湯着の裾を気にしながら、ゆっくりと湯の中に体を沈める。
「ふあぁ……」
 肩まで湯に浸かったマリンの表情がへにょんと緩む。
「気持ちいい~」
 体の外側からだけでなく、芯から温まっていくような感覚。綺麗な景色も相まって、まるで疲れが抜けていくような……。
「ふぅ……」
 再び大きく息をして、大きな岩に寄り掛かる。
(「そうだ、お風呂から上がったら甘いもの食べよ!」)
 併設されていた売店を思い出し、マリンは一人うんうんと頷く。

 ――お姉ちゃんへのお土産も、忘れないように買わなくちゃ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

リィン・エンペリウス
おお!すっごくひろ~い温泉だ!雪の積もった山も綺麗だし…すっごく良い感じだね♪

さっそく露天風呂にだ~いぶ!…ってやりたいけど、お風呂に入る前にまずは体を洗わないとだね。
体を綺麗に洗ったら、出来る限りで、迷惑がかからないように温泉へだ~いぶ!もし誰かに迷惑が掛かっちゃったら…うん、ごめんね♪

温泉に入ったらまったり過ごそうか~。もふもふとかふわふわとか、すっごく楽しい依頼だったなぁ、もし依頼についてとかもふもふについてとかお話したそうな人がいたら、お話しするのも楽しそうだね。誰かいるかな?
温泉を上がったら、ビンの牛乳を腰に手を当て1本飲んで、明日からの依頼も頑張っていこう!

同行者の絡み大歓迎だよ!


仇死原・アンナ
風呂か…
何日か前に入浴したきりだったような…
うぅん…やっぱり臭うのかな…
体臭を気にしつつ手の甲を嗅いだり…

「広い風呂場だね…こんな清々しい景色は見たことないよ…」
肩まで浸かって近くや遠くの景色をぼぉっと眺めたりしてのんびり過ごす

「覗きを働くなんて物好きな奴だね…あとでその目を潰してあげようか?」
もしも覗きを働くような輩がいたら【咎力封じ】を使用して
[殺気]と[恐怖を与える]等で縛り上げよう

そんな奴はまさかいるとは思わないけど、念の為ね…

アドリブ等絡みOKです


月宮・ユイ
休息時の、のんびり脱力系状態
服装:太腿丈のミニ浴衣風湯着(白く、濡れればたやすく透ける程薄手)
体の紋のこともありますからね。湯着を着るのがマナーでしょう。まぁ男女別れていますし、なるべく薄手の物を着ます

景色を楽しみつつ温まれば縁や岩の上で涼み、また浸かる…と露天風呂をのんびり座り、もたれ満喫中。
『たまにはこんな依頼も良いですね…』
覗き…?んー、見られたく人もいるでしょうし”挑発・誘惑”するように視線を集め、隙を作りましょうか
『見るのに夢中になってると……油断大敵、天罰覿面ですよー』

アドリブ・絡み歓迎




「おお! すっごくひろ~い温泉だ!」
 引き戸を開けて露天風呂に足を踏み入れるなり、リィン・エンペリウス(もふもふ大好きグルメ妖狐・f01308)は楽し気に声を上げた。
(「雪の積もった山も綺麗だし……うんうん、すっごくよい感じだね♪」)
 さっそく湯船にダイブ! ……したいところだけども。
 ――お風呂に入る前にまずは体を洗いましょう。
 洗い桶を手にしたリィンの視界の端に、仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)の姿が映った。彼女は何故か露天風呂の入り口近くに立ち、自分の手の甲を鼻先に近づけたり肩口に鼻を近づけてみたりを繰り返し、何かを気にしている様子。
「どうしたの?」
 ととと、とアンナに歩み寄りリィンが尋ねる。
「あ、いや……ちょっと自分の臭いが気になって……」
 綺麗な金の瞳に見上げられ、少ししどろもどろにアンナが答えた。
 なにせきちんと入浴したのは数日前。一応、人に不快感を与えないようにとは思っているけれど……。
「ふぅん?」
 アンナの顔を見上げたまま、リィンが少しだけ首を傾げる。
「あの……?」
 戸惑うアンナ。そんな彼女に二パッと笑いかけ、リィンは彼女の手を取った。アンナの手を引き、リィンはそのまま洗い場へ。
「気にしなくても大丈夫だよ! どうせ湯船に入る前に身体洗っちゃうんだから♪」
「……それもそうか」
 鼻歌でも歌いそうなくらいに上機嫌なリィンと、リラックスモードで少しぼんやりしたアンナ。対照的な二人は、並んで身体を洗い始めた。

(「本当にいい湯加減ですね。でもそろそろ一度あがりましょうか」)
 ゆるゆると立ち上がり、湯船の縁に腰かける。水気を含んだ薄い湯着が、月宮・ユイ(死ヲ喰ラウモノ・f02933)の体に張り付いた。
 冷たい空気が、温まった体に心地よい。
「今度こそだ~いぶ!」
 膝に手を置きぼんやりと遠くを眺めていたユイの耳に、リィンの元気な声が届いたのはそのしばらく後のこと。
 ――ざっぶーん!!!
 言葉通り、湯船へと飛び込むリィン。
 それと同時に上がる湯しぶき、波しぶき……。
「きゃっ」
「?!」
 しぶきを浴びてユイが声を上げる。リィンの後ろを歩いていたアンナもとばっちりを受けたのか、目を白黒させていた。
「……えへへ、ごめんね♪」
 少しはしゃぎすぎただろうか。てへ、と誤魔化すようにリィンが笑う。
「いや、私は構わないけれど」
 言いながら、アンナは湯船へ。
「私も大丈夫だけど……他の人がいるかもしれないから、ね?」
「あ、そっか」
 ユイに軽く窘められて、リィンは改めて謝罪の言葉を口にする。
「ごめんなさい」
 ぺこりと頭を下げるリィンに、ユイは優しげに目を細めた。
「次から気をつけましょうね」
「はーい」

「広い風呂場だね……こんな清々しい景色は見たことないよ……」
 とぷん、と肩まで湯船に浸かり、気持ちよさげに目を細めるアンナ。その視線の先には、雪化粧をした山々が。
「本当にいい景色よね。いつまでも見ていられそう」
 アンナの呟きに、ユイも同意する。
 疲れた体を温泉で癒しながら、雄大な自然の風景までも楽しめる。露天風呂の醍醐味だ。
「たまにはこんな依頼も良いですね」
 十分に涼んだのだろう、再びゆっくりと湯船に身を沈めながらユイが微かに微笑む。
「もふもふとか、ふわふわとか、すっごく楽しかったよね!」
「そうね。戦い難い相手ではあったけれど」
 どこまでも楽しそうなリィンにほんの少しだけ苦笑して答えるユイ。しかしまあ、依頼自体はそう大変なものではなかったし、最後に露天風呂のオマケつき。緩い気持ちで挑める依頼であったには違いない。
 リィンやアンナと話しながら、ユイはさり気なく湯の中で踊る湯着の裾を抑える。
(「体の紋のこともありますからね」)
 見られたからどうこうということはないが、もしかしたら驚く人や不快に思う人がいるかもしれない。隠しておくのがこういう場所でのマナーだろう。
(「といっても女性だけだから薄い湯着でも……と、思っていたんですが」)
 男湯と女湯を仕切る竹柵に視線を送り、ユイは小さく息を吐く。自分の向かいに視線を移せばアンナも殺気を発しており、どうやら自分の勘違いではないらしい。
「リィンさん、ちょっとここで待っててくれるかしら?」
 ユイとアンナは互いに目配せし、さり気なく竹柵の近くへ。
「ふぅ……」
 少しのぼせた様な演技をしながら、竹柵近くの岩に腰かけるユイ。全裸ではないものの、短い湯着の裾から見える太腿や湯着が張り付き体の線が露になったその姿はなかなかに艶めかしい。
 視線が自分に集中しているのを感じ、ユイはうっすら笑って呟いた。
「見るのに夢中になってると……油断大敵、天罰覿面ですよー」
 それとほぼ同時、アンナの普段より一段低いドスの利いた声が露天風呂に響く。
「覗きを働くなんて物好きな奴だね……後でその目を潰してあげようか?」
「ひっ……ひいいぃい!!」
 アンナの殺気に当てられて、柵の向こうで誰かが悲鳴を上げた。そしてそのままものすごい水音を残して走り去っていく。
 あの尋常ではない怯え方からすると、相手はただの一般人だったのだろうか。
(「猟兵なら容赦しなかったのに」)
 チラリとそんなことを考えるアンナだった。

 風呂上がりの脱衣所にて。
「お風呂上りはやっぱりこれだよね!」
 露天風呂を堪能したリィンが取り出したのは、ビン入り牛乳だった。
「……用意してきたの?」
 思わず訪ねてしまったユイは間違っていないはずだ。ここはサムライエンパイア……売店はあったが、流石にビン入りの牛乳は売っていなかったと思う。
 ユイの疑問をよそに、リィンは腰に手を当て牛乳を一気飲み。
「ぷはあ! よーし、明日からも依頼も頑張っていこう!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロネッサ・リーヴァニティ
ぶじにお仕事終わりましたし、温泉でゆっくりしても大丈夫なのでしょうか?
せっかくなので、ゆっくりさせてもらいますね。

あまりこういう自然の中でのおふろは入ったことがないのですが、景色を見ながらお湯に浸かれるのはいいきぶん?というやつですね。

…ところで、まわりが少し騒がしいみたいなのですが気のせいでしょうか?
にぎやかなのは良い事ですが、こころなしかバタバタしてるような…。
「ふふ、ゆっくりするのもいいですけどにぎやかなのもいいですね」

【アドリブ歓迎】
湯浴みの着用はなく、ほっそりした体つきです。


弥久・銀花
私はちょっと覗き対策をする余裕は無いので、全力でのんびりしています。

湯着は着ないです。


ふぅ、最近に限らず段々と傷が増えて来ました。

勲章とも思っていますが、流石にこの間、腕を食い千切られたのにはビックリしましたね……。

偶々近くに治療できる方がいて事無きを得ましたが、もうちょっと精進しないと……。

ぐぅ……。 (温泉で寝てしまいました、覗きが居ても対応できません。)






ブクブクブクブク……。 (そして温泉に沈んでいきます。)




(「……なんだかまわりが騒がしいみたいなのですが気のせいでしょうか?」)
 大きな露天風呂の端っこで首を傾げるロネッサ。
 特に男湯と女湯を仕切る竹柵近くがバタバタしているようだけれど、一体何があったのだろう――?
「ふふ、ゆっくりするのもいいですけどにぎやかなのもいいですね」
 喧噪の原因を知らぬが故に、ロネッサはそう呟く。
「そうね」
 答える弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)もまた、喧噪の理由に気付いていない。完全にリラックスモードである。
 湯船の縁に置かれた岩の上でほっそりとした腕を組み、その上に顎を乗せて半ば岩に寄り掛かるようにして風景を眺めるロネッサ。
 銀花は湯船を取り囲む岩に寄り掛かりながらお湯の上に片手を伸ばし、その手にもう片方の手で湯をかける。
(「……段々と傷が増えてきましたね」)
 自らの腕を眺めながら、銀花は思う。同じ年でありながら、隣で風景を楽しむロネッサの肌とは大違いだ。
 だからといって隠す気も恥じる気もないが。戦いにおいて受けた傷は銀花にしてみれば勲章とも思えるものだった。
(「でもまあ、流石に腕を食い千切られたのにはビックリしましたが」)
 その時はたまたま治療できる人物がいて事なきを得た。しかし、常に治療可能な誰かがいるとは限らない。
(「もうちょっと精進しないと……」)
 のんびりとしつつも考えるのは戦いのこと。
「…………」
 銀花は口元辺りまで湯船に沈み、思考の海に沈みこむ……。

(「こういう自然の中でのおふろはあまり入ったことがないのですが」)
 視線を遠くへやれば、冬の空に良く映える白い山々。近くを見れば、綺麗な花を咲かせる山茶花や白梅。
 ふふっとまたしても楽しそうに笑って、ロネッサはゆっくりと目を閉じた。
(「景色を見ながらお湯に浸かれるのはいいきぶん? というやつですね」)
 最初は本当に温泉でゆっくりしていて大丈夫かと心配したが、依頼自体は恙なく終了している。
 他の猟兵たちもそれぞれ思い思いに露天風呂を楽しんでいるようだし、折角の機会なのだから。
(「ゆっくりと楽しませてもらいましょう」)
 ロネッサが改めてそう思った時、隣から何やらブクブクと不思議な音が聞こえてきた。
「??? どうかしまし――」
 首を傾げながら音のほうに視線を向けたロネッサが見たのは、目を閉じたまま湯船に沈む銀花の姿。
「銀花さん?! 大丈夫ですか、起きてください銀花さんーー?!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アネット・レインフォール
◆行動
ふむ…終わってみれば貴重な経験をしたのかもしれないな。
ともあれ、今は戦い詰めだった疲れを癒すとしよう。
考え事にも都合がいいしな。

遥か遠い銀河系の彼方の戦争や手強い敵達、
教育者として相応しい行動を取れているのか、
自身の剣術の課題など…挙げたらキリがない。
湯を肩まで浸かりつつ考えるが優先すべきは剣術を研ぎ澄ます事だろうか。

もし覗く者がいるなら「ほどほどにな」とでも言って見送る。

…しかしこの世界の温泉は大したものだな?
何か記念になるものを購入出来ればいいんだが…帰り際に売店でも覗いてみるか。
売店の人がいれば今回の敵の饅頭とかは売らないのか?とか雑談でも

◆他
連携、アドリブ歓迎
覗きはせずまったりと


月藤・紫衣
ふふ、温泉ですか、いいですね。

遠くに雪化粧、近くに紅、そして温かな湯…疲れが流されていくようです。
ああ、私はこうしたお風呂には慣れていますから、湯着は必要ありません。

雪見と花見を露天で、など贅沢ですね。
しかし、今回はそれもよしとしましょう。
漆塗りの配膳に白地のとっくりとぐい飲み…中は甘口の冷酒がいいですね。
おつまみはいらないです…この景色こそが最高のおつまみですから。

私としては、のんびりと温泉を楽しみたいものですが、もしお隣の女性方の風呂を覗こうとする方がいれば、やんわり止めましょう。
いないのなら、こういった機会も少ないですし、お酒片手に話に花を咲かせるのもいいかもしれませんね。




「ほどほどにな」
 アネット・レインフォール(剣の教育者・f01254)はそう言って見送った。
「お止めになったほうがよろしいですよ」
 白地のぐい飲みを手にした月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)は、やんわりと引き留めた。
 二人の視線の先には、果敢にも覗きに挑もうという一般人男性の姿が。紫衣の忠告にも関わらず、彼らは覗きを敢行し……。
「ひぃぃいぃ!!」
「うわあ!」
 情けない悲鳴を上げて、一目散に逃げ去るという実に情けない姿を衆目に晒すこととなった。
「だから言いましたのに……」
 紫衣がはあ、とため息をつく。
「あの手の連中に何言っても無駄さ。一回痛い目を見たほうがいい」
 軽く肩を竦めつつそういうアネット。その言い分に、紫衣は困ったように笑って見せる。

「一献いかがです?」
 手ごろな岩に片腕をかけ遠くを見遣るアネットに、紫衣が声をかけた。湯に浸かる紫衣の脇、湯の縁に置かれた漆塗りの配膳には白いとっくりとぐい飲みが。
「ああ、すまない」
「ふふ、綺麗な景色ですね」
「そうだな。この世界の温泉は大したものだ」
 紫衣の言葉に返すアネット。
「……何か考え事ですか?」
 柔らかな表情で尋ねる紫衣に、アネットが軽く息を吐く。
「まあ、色々とな」
 別の世界では大規模な戦争が起き、多くの猟兵が強敵と戦っていると聞く。
 自身を顧みるだけでも「教育者として相応しいか」「己の剣術の課題」等々、考え事にはきりがない。
 ふぅ、ともう一度息を吐き肩までしっかり湯に浸かりつつ、アネットは考える。
(「やはり優先すべきは己の剣術を更に研ぎ澄ますことだろうか」)
 そんなアネットの内心を知ってか知らずか、紫衣はそれ以上何も言わずぐい飲みを静かに傾ける。
「……月見と花見と露天とは、贅沢ですね」
 暫くの間の後、紫衣がぽつりと呟いた。雪化粧の山々も、冬枯れに咲く花々も、冬の澄んだ空に良く映える。
 露天風呂で、最高の景色をつまみに酒を飲む。少々贅沢すぎはしまいか――チラリとそう考えて、紫衣はほんの僅かに口元を緩めた。
「まあ、今回はそれもよしとしましょう。依頼の本題自体も……普段とは少し違う雰囲気でしたし」
 そう言って、酒を一口。程よく温まった体に、甘口の冷酒が沁み渡る。
「確かに少し変わってはいたな」
 紫衣の呟きに、アネットが釣られるように同意した。
 オブリビオンの討伐という目的自体は他の依頼と変わらない。しかしその対象がまともな戦闘能力もやる気もない、ただふわふわもこもこした妖怪だったというのは……。
「ふむ……もしかしたら貴重な体験をしたのかもしれないな」
「かもしれませんね。たまにはこういうのも悪くないと思いますよ」
 言いながら紫衣が小さく笑う。
「確かにここのところ戦い詰めだったしな……今はそうだな、じっくり疲れを癒すとしよう」
 アネットの言葉に笑みを浮かべたまま頷いて、紫衣は殻になったぐい飲みに冷酒を注ぐ。
「それがよろしいかと。せっかくの温泉と景色なのですから――」

 その後、風呂上がりの売店で。
(「何か記念になるものを購入出来ればいいんだが」)
 品物を見て回り店員と談笑するアネットと、それを楽し気に眺める紫衣の姿があったとかなかったとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

白雪・小夜
【SPD】交流お任せ
『覗きはいけません!』なんて貼り紙をして
果たしてしない男はいるのかしら?…まぁいるでしょうけれど。

ただ私、単純に露天風呂を楽しみたくてきているの。
ここは邪魔されたくないし、『殺気』立てていれば誰も覗かないと思いたいところね。
それでも覗くようなお馬鹿な子は…ちょっと懲らしめなきゃダメかしら?
大丈夫、死なない程度ならいいでしょ?…なんて。

それにしても
私の身体を見たところで何の得もないと思うのだけれど、何なのかしら。
(これまで言われた事がない為、自分の容姿が何たるかわかっていない美人)


春霞・遙
ふわふわもふもふも良かったけど、コレを楽しみに来たんですよー。
汚れるような依頼ではなかったけどマナーとして掛け湯して、髪はアップでまとめて湯着着ていざ温泉!

冬の空気と熱い露天風呂っていいですよね。肩まで浸かって熱くなってきたら半身浴にして少し涼んでみたり、冷えてきたら肩にお湯を掛けて調節したり。
火照ってきたら途中で冷たいお水飲むのも、中から染み込む感じがして好きです。
ほんと、雪景色見ながらの露天風呂、幸せ〜v

(以下もし覗く人がいるなら)
お風呂に猟兵の人しかいないなら桶に温泉のお湯汲んで、依頼を手伝ってくれた触手にも温泉おすそ分け。居ないだろうけど万が一覗きするような方がいたら撃退よろしくね。




 白い湯着を着た身体にしっかりと掛け湯をする。
(「今日は汚れるような依頼ではなかったけどマナーとして、ね」)
 アップにした髪が落ちていないか改めて確認し、岩畳を抜けて念願の温泉へ。
「ふわふわもふもふも良かったけど、コレを楽しみに来たんですよー」
 肩までとっぷりと湯に浸かった春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)が、へらりとその表情を緩ませる。
(「冬の空気と熱い露天風呂っていいですよね」)
 湯に浸かって熱くなったら湯の縁に腰かけて半身浴で涼んでみたり。
 冷えてくれば肩や腕にお湯をかけて温めたり。
 身体の熱が完全に落ち着いたら、また肩まで浸かってじっくりと温まって……。
「ふう……」
 心地よさげに目を細め、遥は顎近くまでがっつりと湯に沈み込む。
 じわじわじんわり。芯まで温まり、身体が火照ってきたところで湯飲みに注いだ冷水を一杯。
(「くぅ~! やっぱりいいね!」)
 熱く火照った体に冷たい水が内側から沁みるようなこの感覚がたまらない。
 遠くに視線をやれば、まだ青い空にくっきりと浮かび上がる白く染まった山々の稜線。近くに視線を戻せば、白い山と青い空をバックに咲き誇る色鮮やかな山茶花の花。
(「ほんと、雪景色見ながらの露天風呂、幸せ~♪」)

 ご機嫌の遥のすぐ近く、湯船の縁の岩の上。
 洗い桶の中で温泉を楽しむ触手たち。
「万が一覗きするような人がいたら撃退よろしくね」
 遥の言葉を受けて、触手たちは了承するかのように蠢いた。

 覗き対策はこれで万全(?)。
 くすっといたずらっ子のような笑みを浮かべて、心置きなく露天風呂を満喫する遥だった。


 白く煙る湯けむりの向こう、男湯と女湯を仕切る竹柵が見える。
「『覗きはいけません!』なんて張り紙をして、果たしてしない男はいるのかしら?」
 ややジト目になりながら、白雪・小夜(雪は狂い斬る・f14079)は呟いた。
 いやまぁ、いるにはいるだろうが……あの程度の張り紙で諦める程度ならそもそも覗こうとすら考えないのではないだろうか。
 腕を動かしゆっくりと肩に湯をかけながら、小夜は思う。
(「私は単純に温泉を楽しみたくて来ているのに」)
 覗きなど企てる下衆な輩に邪魔などされたくはない。
「こちらが殺気立っていれば誰も覗こうとしないんじゃないかしら……」
 完全に寛ぐことは難しくなるかもしれないが、この時間を邪魔されるよりはマシだ。
 さり気なく……当たり前のように殺気を放てば、竹柵の向こうで人の気配が遠のいた。どうやら誰かが覗きをしようとしていたらしい。今回は殺気に当てられ諦めたようだが――。
(「殺気を放っていても覗くようなお馬鹿な子は……ちょっと懲らしめなきゃダメかしら?」)
 小夜が眉間に皺を寄せる。
(「大丈夫、やるとしても死なない程度で留めておくから。……なんて、ね」)
 ゆるゆると頭を振って、小夜は山茶花に目をやった。
 赤に白、ピンク。色の少ない冬の季節を彩る、可愛らしくも綺麗な花々。
「やっぱり露天風呂はいいわね」
 言いながら、火照った体を冷やすべく湯船の縁に腰かける。
(「……それにしても」)
 自らの白い腕や足を眺めながら、小夜は不思議そうに首を傾げた。
「私の身体を見たところで何の得もないと思うのだけれど、何なのかしら」

 ……自覚がないって、恐ろしい。


 日が沈み、思い思いに露天風呂を楽しんでいた猟兵たちは温泉旅籠を後にする。
 疲れを癒し、英気を養い――明日からまた、頑張ろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月14日


挿絵イラスト