#ダークセイヴァー
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猟兵たちがグリモアベースに入ると、自身の手を見る金髪の少女がいた。手にはグリモアがあり、それを見つめていた少女は猟兵に気付いたのだろう、ぱっと顔をあげる。
「こんにちは、猟兵の皆さん。
私はグリモア猟兵の、ポノ・エトランゼ。エルフのアーチャーよ。どうぞ、よろしくね!」
ポノ・エトランゼ(エルフのアーチャー・f00385)から続く猟兵たちの名乗り。一人一人に目を、耳を傾けるポノはそれらが終わると「早速だけど」と声をかけた。
「依頼よ。猟兵の皆さんには、ダークセイヴァー世界へと向かってもらいたいの」
闇と夜に覆われた世界、ダークセイヴァー。
人類は、百年ほど前に蘇ったヴァンパイア——オブリビオン——に敗北し、今は彼らの完全な支配下にあるという。
「皆さんには、とある街の領主館に赴き、そこに住む領主の撃破をお願いしたいの」
領主はオブリビオンでね、普段は厳重に警護されているのだけど、今回、警護が薄くなる時があるみたい」
このタイミングに猟兵が強襲し、領主のオブリビオンを撃破する作戦が可能となったようだ。
警護の薄くなる理由。
それは、領主が護衛役である異端の騎士たちを周囲の村々へ強奪に向かわせたからである。
「領主を護りは「暗闇の獣」の群れのみとなったわ。この好機、活かすべきだと思うのよ」
高い戦闘力を持つが、知性は低く、ごく単純な命令に従って行動する配下の獣型オブリビオン。
館門から本館まで広がる庭、そして本館内にも獣は放たれている。
まずは、領主オブリビオンの元へ到達するために、獣たちを倒し進んでいかねばならない。
猟兵は頷く。
「了解した。ところで、その街の様子はどうなっているのだろうか」
「街の様子はね、」
異様な空気に常と晒され敏感になった人々は騎士が出向した際に家の扉を硬く閉ざしている。がらんとした街並みは一見空っぽにも見えるだろう。
猟兵の存在を知らぬ人々故、その扉が開かれることは、難しい。
この辺りは戦いの後、どうにか呼びかけるなりしたいところではある。
「共に、闇に覆われるこの世界を、少しずつ、一つ一つ、確かな一手で、解放していきましょう」
そう言ってグリモアを手に、そして猟兵たちを見まわしたのち、ポノは笑顔を向けた。
「——猟兵の皆さんなら、きっと大丈夫! それじゃ、行くわよ」
ねこあじ
猟兵の皆さん。こんにちは、そして初めまして。
ねこあじと申します。
どうぞよろしくお願いします。
初手から戦闘となるシナリオとなります。
まずは第一章。
領主館は容易く突入できますが、庭には番犬の様に暗闇の獣がいます。
本館の中には、数体程度ですが、やはり暗闇の獣がいます。
それらを倒しながら、領主館最上階である三階にいるオブリビオンを目指しましょう。
敵を惹きつける動きをするもよし、そんな人をサポートするもよし、進む道を切り開いて行って下さい。
第二章は領主オブリビオンとの戦いです。
第三章では、硬く扉を閉ざしていた街の人々に声をかけるなり、アクションを起こして、最終的にはささやかな宴などが開ければ良いな、と考えてはいます。
それではプレイングお待ちしております。
第1章 集団戦
『暗闇の獣』
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POW : 魔獣の一撃
単純で重い【血塗られた爪】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 暗闇の咆哮
【血に餓えた叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 見えざる狩猟者
自身と自身の装備、【自身と接触している】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
イラスト:飴屋
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フランチェスカ・メリジオ
まったく……このダークセイヴァーってところ、こういう輩ばかりだね。
まずは3階への到達が目的なんだね。
では、ボクはサポートに回ろうか。
このパラライズ・ブレンドを投げて戦闘メンバーを助ける、もしくは戦闘開始前に数匹に投げて痺れさせておくようにしよう。
その辺りはメンバーと連携を取って効率が良い方の動きを選ぶよ。
ンッフフ、天才として臨機応変な動きをしてみせよう。
さて、この世界の闇を晴らす為に、ひとつ頑張ろうか!
アイシア・オブリオン
まずは庭にロジャーで突入するよ。
さあさあお立合い、圧政と強奪を繰り返す暴虐の領主の終わりの始まりだよ!
一通り見栄をきったら、ロジャーに乗って大暴れするよ。
パンチだロジャー、チョップだロジャー!
私もバズーカで支援しつつ、ここというタイミングでフルパワー・ロジャーパンチ!
ブッ飛ばして大暴れ。他の仲間が突入できるような状況を造りながら本館へと向かうよ!
ユウヤ・シュバルツ
よし、派手に暴れて注意を惹きつけるか。
御門・結華(色褪せた精霊人形・f01731)へ向かって先制攻撃を頼む。
「まず派手な魔法でぶっ放してくれ。その後は俺が斬り込む」
【風霊召喚】を使用。
「結華のサポートを頼む」
呼び出したシルフの頭を撫でながら
「デカいの撃った後は、俺と一緒に突っ込んで大暴れと行こうぜ?」
結華の攻撃後、一番近く魔獣に突撃する。
敵が息を吸い込み【暗闇の咆哮】を撃とうとしたら、首元か口内を狙ってダガーを【投擲】する。
「いまだ!」
それと同時に【ダッシュ】を使用し、懐に飛び込み【2回攻撃】を使用したダガーで斬り裂いてから【見切り】と【逃げ足】を使用し、後ろに距離を取る。
「よし、まずは上々」
御門・結華
ユウヤ・シュバルツ(f01546)からの指示に頷き、【エレメンタル・ファンタジア】を撃つための準備を行います。
「来てください、サラマンダー」
マスターに呼び出された元契約精霊のシルフを見て、複雑そうなジト目を向けながら、魔獣がいる場所に【属性攻撃】【全力魔法】を乗せた炎の竜巻を発生させ【2回攻撃】で連続攻撃を行う。
「火と風の精霊よ、我が敵を滅ぼしなさい」
攻撃後、すぐさま敵陣に突っ込む猪突猛進コンビを尻目にサラマンダーを『エレメンタルロッド』に変化させ、次の魔法攻撃の準備に専念します。
また、隣に居るミーナ・ヴァンスタイン(f00319)に話しかけます。
「すみません。マスターの回復はお任せします」
ミーナ・ヴァンスタイン
ユウヤと結華のやりとりを微笑ましく見ながら『アサルトウェポン』を展開し戦闘に備えます。
「ふふっ♪二人とも、そろそろ時間よ?」
結華の範囲攻撃にあわせて【2回攻撃】による連続射撃を行う。
「さぁ、その醜い顔吹っ飛ばしてあげるわ♪」
敵陣に突っ込んだユウヤを見て心配そうな結華に微笑み、ダメージを受けたらすぐ【生まれながらの光】で回復すると伝える。
「大丈夫。フォローは任せて頂戴♪」
回復以外は射撃を行い、敵が姿を消した場合はユウヤ達にすぐ下がるように伝え、アサルトウェポンを横薙ぎに連射する。
「すぐ私の後ろに下がって頂戴」
「姿が見えなくても、実態があれば当たるでしょう?」
「ふふっ♪弾はまだまだあるわよ?」
●
猟兵たちが一見堅牢にも見える門を前に集まる。
鍵のかからぬ門は容易くは入れるもの――だが一歩踏み込めば、獣の餌食となるであろう。
息を潜めた彼らに届くのは常時から威嚇していると思われる獣の唸り声だ。
足並みを揃えねば、初撃の段階で返り討ちに合うであろう。
数多の敵の攻撃を払い、倒し、まずは館へ。
壁を背に突入の合図を待つ者、そして戦闘前の準備をする者。
「まず派手な魔法でぶっ放してくれ。その後は俺が斬り込む」
ユウヤ・シュバルツ(人間のシーフ・f01546)の言葉に頷く御門・結華(色褪せた精霊人形・f01731)。
次にユウヤは召喚したシルフの頭を撫でながら、告げる。
「結華のサポートを頼む。
デカいの撃った後は、俺と一緒に突っ込んで大暴れと行こうぜ?」
「ふふっ♪ 二人とも、そろそろ時間よ?」
彼らのやり取りを微笑ましく見ながら、アサルトウェポンを展開させたミーナ・ヴァンスタイン(ダンピールの聖者・f00319)が言う。
「来てください、サラマンダー」
結華が言えば炎が舞い、象られていく。サラマンダーはユウヤに召喚されたシルフを複雑そうに見る仕種をとった。
告げる、結華。
「火と風の精霊よ、我が敵を滅ぼしなさい」
開かれた門に突風となったシルフ、風に乗り灼熱の空気と炎の残滓を撒きながらサラマンダーが突入していく。
一度大きく弧を描いた風は瞬時にして竜巻へと変異し、炎もまたそれに呼応した。
炎の竜巻が内部の獣を攻撃する。
「さぁ、その醜い顔吹っ飛ばしてあげるわ♪」
初撃に右往左往しているようにも見える暗闇の獣を狙い、ミーナが撃つ。
各種銃火器で二度の射撃を披露した。
灼熱の空気を感じながら、足を踏み入れたユウヤはまず目に付いた一番近くの魔獣へと突撃した。
それに対する獣の反応は速く――しかし、『それ』を目に捉えたユウヤは彼我の距離駆足六分のところで身を屈め様に投擲する。
下段から中段に向かい放たれたそれは、魔獣の首元へと突き刺さった。
「いまだ!」
駆けるユウヤと彼に添うシルフを見て、思わず「マスター……」と呟く結華は、隣のミーナへと言葉を続けた。
「すみません。マスターの回復はお願いします」
「大丈夫。フォローは任せて頂戴♪」
そう言って微笑んでみせたミーナも、ユウヤを追っていく。時には敵の動きを阻むように、時には猟兵の動きを助けるように、獣を撃つ。
「サラマンダー」
結華が告げれば、サラマンダーはエレメンタルロッドへと変化し、彼女は次の魔法攻撃への準備へと移行した。
「初撃は成功、と」
門壁に降り立ったフランチェスカ・メリジオ(ノイジィブライト・f05329)は、ポーションベルトから素早く引き抜いたヤバい色のポーションを放ち、神経毒を撒く。
暗闇の獣を飼い、民を虐げる騎士と領主。フランチェスカは館へと目を向ける。
「まったく……このダークセイヴァーってところ、こういう輩ばかりだね」
フランチェスカの眼下では駆け抜ける機装。
猟兵たちが駆ける庭は征野と化していた――否、ずっと前から、この世界は希望の光を失くした征野なのだ。
何と戦っているのか――問うて問うて問うて、心は折れた――だが本当に折れてしまったのか?
「さて、この世界の闇を晴らす為に、ひとつ頑張ろうか!」
呼応するような猟兵たちの声と攻撃。
ロジャーで突入したアイシア・オブリオン(メタライズ・f05786)は彼らの前の魔獣を弾き飛ばした。
「さあさあお立合い、圧政と強奪を繰り返す暴虐の領主の終わりの始まりだよ!」
声を張ったアイシアは、ロジャーに乗って大暴れ。
「パンチだロジャー! チョップだロジャー! アイツをブン殴れ!」
超高速で遠心を利かすロジャーの一撃は大威力で、狼の魔獣は殴り飛ばされ、着地の瞬間他の猟兵の攻撃に晒された。
熊の魔獣が眼前に現れ、取っ組み合いのような形になるロジャー。
「うん、出番かなっ」
アイシアは多機能支援バズーカを放ち、仰け反った熊をロジャーが殴る。
そして館へと駆ける猟兵と並走し、道を作って行く。
敵懐へ飛びこんだユウヤは逆手にもつダガーで魔狼の首を斬り上げ、続け様に順手へと切り替えて渾身の一撃を振り下ろした。
『グ、オオオッ』
体液を撒き散らし、痛みを咆哮する獣の間合いから抜けるべく飛び退くユウヤ。
「よし、まずは上々」
オオオオオオオン!
何体かの獣が叫び、その姿は視認できなくなった。
「すぐ私の後ろに下がって頂戴」
ミーナが猟兵たちに声を掛ける。
そしてアサルトウェポンを構える身体の重心をずらし――連射する。横へと薙げば、近くから獣の悲鳴が聞こえた。
「姿が見えなくても、実態があれば当たるでしょう?」
姿を消す魔獣に猟兵たちは、それぞれの対処法を披露していく。
刹那、あちこちから獣の血に餓えた叫びが放たれ、水面に落ちた幾つかの雫の如く、波紋のように攻撃が広がっていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
リーヴァルディ・カーライル
…うん、単純明快。私好みの作戦
村の人には悪いけど、ヴァンパイアを滅ぼす好機、逃す訳にはいかない…
暗闇の獣の透明化が厄介…常に物音や気配には注意
なるべく他の猟兵と一緒に行動して奇襲を受けないようにしておく
私は庭にいる暗闇の獣の群れを相手をする
屋敷内より広い場所の方が影獣を展開しやすいし…
暗闇の獣の知性は低いようだから、攻撃目標を分散する意味でも有用だと思う
…まぁ、咆哮一発で影獣は全滅するだろうから、
息を大きく吸い込む仕草をしたら見逃さずに黒剣で攻撃、
生命力を吸収して止められないか試す
影獣の数が少なくなってきたら『魔獣禍の影』を再使用
…少しでも攻撃が影獣にいくように、敵をひきつけるわ
霧城・ちさ
三階のオブリビオンを倒しに向かう方々を援護しますわね。まず庭にいる獣を引きつけますの。正面から侵入して音や気配のするほうに武器を振って透明になってる獣を探しますわっ
獣は囲まれないように壁を背にしたり他の猟兵の方と死角がないように、また3階を目指す方に邪魔させないようにお相手しますの。私を含む猟兵が攻撃を受けたら回復をしていきますわね。勝ち目がなければ足止めをこころがけますの
エウトティア・ナトゥア
WIZを使います
敵は姿を隠すようじゃな。
妹のスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)と背中合わせになり死角を消しながら戦うとするかの。
全力魔法5、属性攻撃6の《エレメンタル・ファンタジア》で二人の周囲の地面を可能な限り広く【氷結の冠水】で覆うのじゃ!
いくら透明になろうとも水面の乱れや音までは消せまいて。
水面の乱れを野生の勘5や聞き耳5で察知して、暗闇の獣を氷結で絡め取るのがよいじゃろう。
動けぬ相手なら妹の攻撃も当てやすかろう。
スピレイル!今じゃ!
スピレイル・ナトゥア
WIZを使います
エウトディアお姉様(f04161)と背中合わせで戦います
精霊印の突撃銃による【援護射撃】をばらまくことで、暗闇の獣の動きを制限して、足を絡めとろうとするお姉様を援護します
「見えない敵とは厄介ですね。ですが、私の誘導に従わないと弾丸を受けて怪我しちゃいますよ。さあ、お姉様のほうに向かいなさい」
お姉様が暗闇の獣の動きを止めたら、私の見せ場です
炎の精霊を召喚して、動きを止めた暗闇の獣に対して一斉に放ちます
もちろん、精霊銃の連射も忘れません
「さすがに血までは透明にはできないでしょう? それほどの怪我をしてしまっては、もう透明になって逃げられませんよ」
お姉様と私の絆を見せてあげましょう!
アルバ・アルフライラ
ジジ(f00995)と連携
ふふん、偶には狩りも悪くない
狩られる側は御免だがな
…後で美味い物でも馳走してやるから我慢しろ?
ジジの軽口には微笑で返し
砕けて欲しくなくば、死ぬ気で守るが良い
然し、まさか弟子に囮にされようとはな
闇を照らす光はさぞや眩い事だろう
敵が集まれば集まるほど好都合
仕込み杖で魔方陣を描きつつ
【ウィザード・ミサイル】に範囲攻撃を重ねていこう
2回攻撃や全力魔法も用いて獣の殲滅を図る
相手は透明になる術を持てど存在自体が消えた訳ではない
油断した見えざる狩猟者ごと丸焼きにしてくれる
そう簡単に首をやると思ったか、馬鹿者
舞い散る火の粉はまるで花弁のよう
美しい花を見ながら逝ける事を光栄に思うが良い
ジャハル・アルムリフ
師父、アルバと合流し連携を図る
多い…が狩り放題とも言えるな
夕餉も調達しておきたいが、あまり美味くはなさそうだ
砕かれるなよ、師父
言われる迄も無いが、承知
宝石である師父の髪ごしに洋燈を掲げ、殊更に眩く目立たせる
こちらに気付かせられた後は師が攻撃を受けぬよう壁となろう
埋もれそうであれば肩にでも乗せてやるとしようか
敵に囲まれるか密度が増せば【まつろわぬ黒】を放ち、同時に広範囲攻撃を重ねる
見えようが見えまいが関係無い
最後に花火のひとつも目にして逝くがいい
彼の目では少々眩しすぎるやもしれんがな
道が拓ければ斬り払いながら前へ
煩いぞ師父
河原崎・修羅雪姫
仲間たちの中衛に位置し、暗闇の獣の頭を
愛用の武器「20mm口径リボルバー・フリークスハンター」で撃ち抜いていく。
「ターゲットロック、ファイアファイアファイアぁ!」
サイバーアイ(眼球に装着する、視覚情報を様々に分析する高度演算デバイス)に次々映し出される敵を効率よく狩っていく。
庭の獣にケリがついたら、サイボーグ用・内蔵ロケットワイヤーアンカーを壁に打ち込み、
ターザン飛びで本館に突入。
中の獣はヴァリアブル・ウェポンで撃って回る。
表情は二ッと笑い、「撃ち甲斐があるわねぇん」と笑顔で。
ハリウッドアクション映画のように。
幻武・極
ここに悪い領主がいるんだね。
さすがにボク達でも護衛に守られている中を攻め込む無茶はできないね。
武術においても攻撃の時に守りが薄くなるからね、そこに見事なカウンターを打ちこめばバッチリだね。
とはいっても、完全に守りが無くなるはずはないよね。
まずはこの番犬じゃなくて番獣の群れを倒さなくちゃだね。
まずはトリニティ・エンハンスで守りを強化し、敵の攻撃を防いだ所にカウンターの一撃を撃ちこむよ。
「ふふん、偶には狩りも悪くない。狩られる側は御免だがな」
「多い……が、狩り放題とも言えるな。夕餉も調達しておきたいが、あまり美味くはなさそうだ」
「……後で美味い物でも馳走してやるから我慢しろ?」
自身の声に応じた弟子、ジャハル・アルムリフ(凶星・f00995)を横目に見てアルバ・アルフライラ(双星の魔術師・f00123)が言う。
「砕かれるなよ、師父」
そう言ったジャハルが宝石であるアルバの髪越しに洋燈を掲げた。
「砕けて欲しくなくば、死ぬ気で守るが良い」
「言われる迄も無いが、承知」
アルバの言葉に応えるジャハル。
宝石は光を取り込み、内部で反射し、外部へ煌々とした輝きをもたらす。
アルバが動けば、揺らめくシャンデリアのよう様々な光度を放った。
「然し、まさか弟子に囮にされようとはな。闇を照らす光はさぞや眩い事だろう」
アルバは輝く侵入者を排除すべく集ってくる魔獣たちを目に、仕込み杖で魔方陣を描く。
煌とした陣に呼応し顕現するは炎の矢。
数十本という量、かつ描き足すアルバの指定した範囲に拡がろうとするそれは最早炎の壁の如し、だ。
魔獣の肉に、地に突き刺さる豪雨の様な矢の衝撃はまさに苛烈。
「相手は透明になる術を持てど、存在自体が消えた訳ではない。油断した見えざる狩猟者ごと丸焼きにしてくれる――そう簡単に首をやると思ったか、馬鹿者」
「そら、これをくれてやる」
魔獣に向かって言ったジャハルが剣を薙げば、無数の黒刃が放たれ、魔獣を刈り取っていく。
黒の軌道に舞い散るは炎の残滓。
火の粉はまるで花弁のようであり、さながら吹雪く花舞台。
「美しい花を見ながら逝ける事を光栄に思うが良い」
「最後に花火のひとつも目にして逝くがいい。彼の目では少々眩しすぎるやもしれんがな」
アルバとジャハルは言を紡ぎ、敵を斬り払い、倒していく。
「見えない敵とは厄介ですね。ですが、私の誘導に従わないと弾丸を受けて怪我しちゃいますよ。さあ、お姉様のほうに向かいなさい」
スピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)は援護射撃を続け、敵の誘導につとめた。
見える一体を撃てば、近くには姿見えぬ獣の気配も生じる。
エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は手を掲げた。
呼びかければ、応じる力。
姉妹を中心に雪の如き大きな結晶が現われた瞬間、凍える息吹が周囲に吹き荒れた。
「いくら透明になろうとも水面の乱れや音までは消せまいて」
顕わになる暗闇の獣の気配、そして動きで起こる飛沫。
それを捉えたエウトティアは更に属性と自然現象を重ね、氷結で敵を絡めとっていく。
「スピレイル! 今じゃ!」
「炎の精霊さん。助けてくれない?」
スピレイルが掲げる手の動きは、巫女としての動きのもの。軌道に顕現するはゆらりとした炎。
だがそれは一気に苛烈ともいえるべき勢いで舞い起こり、敵へと突撃していった。
即座に射撃の構えに入るスピレイル。
獣を撃てば、飛沫した体液が透明の獣にかかったらしく、赤の歪な模様が目に見える。
「さすがに血までは直ぐに透明にはできないでしょう? それほどの怪我をしてしまっては、もう透明になって逃げられませんよ」
姿消しは敵も疲労するもの――長くは保てない力に根負けしたのか、あるいは息も絶え絶えなのか――倒されゆく獣が多くなってきた。
暗闇の獣に襲いかかる、影。魔獣へと喰らいつく。
(「ヴァンパイアを滅ぼす好機、逃す訳にはいかない……」)
影獣を繰るのはリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)だ。
広い庭は魔獣禍の影が扱いやすい。
集ってくる暗闇の獣たちの攻撃目標を分散する、というリーヴァルディの動きは利なるものであり、暗闇と影の攻防が展開された。
しかし、
「やはりね」
暗闇の獣が放った咆哮に掻き消えた影を目に、そしてやや減ってきた自陣の影を視認したリーヴァルディは魔獣禍の影を再度放った。
彼女もまた黒剣を手に駆ける。
息を大きく吸い込む仕草をした獣めがけて斬撃を放つ。
攻撃により暗闇の獣から失われるはずの生命力はリーヴァルディへと吸収されていった。
その時、内部へ突入と上がる声。
暗闇の獣の数は明らかに減っており、屋敷の入り口へ到達した猟兵たちが入っていく。
「さて、ここからね」
駆逐すべき対象はまだ多くいる。
庭に面したテラス付きの大きな窓を見やるリーヴァルディ――恐らくは、あそこが領主の部屋なのだ。
武器を振るいながら辿り着いた屋敷の壁に背をつけ、霧城・ちさ(夢見るお嬢様・f05540)は開かれる屋敷の扉を見た。
入って行こうとする猟兵へ、
「回復しますわね」
言って聖なる光を放つ、ちさ。
聖なる光を放てばちさもまた疲労が募る。――だが、それは光の範囲や密度もまた比例して大きくなり、複数人の回復を可能とした。
追って来る獣の唸り声――姿は見えず、振り向き様に迎え撃とうとした猟兵に、ちさは声をかける。
彼女が発する声は凛としたもの。
「ここはお任せくださいませ」
「ありがとうっ」
礼を述べ、猟兵たちが入っていく。
最適ともいえる侵入の射線は当然暗闇の獣も辿るのだから、リーヴァルディの魔獣禍の影とともに迎え撃つ形となった。
屋敷内に入れば、吹き抜けのホール。
前進すれば左右に分かれる階段を行く形となり、さらにぐるりとホールを囲う廊下の途中に三階へ続く階段があった。
『ガルルルルルルルッ!!』
虚空から降ってくる威嚇する声――否、暗闇の獣の巨体が共に降ってくる。
咄嗟に散開した猟兵たちが重低音をたて着地した獣を見る――外のものより、一回り大きい。
『オオオオオンッ!』
腕を振り上げた魔獣の一撃は、幸か不幸か、幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)へと向けられたもの。
「さあ、こいっ」
自身よりも大きな魔獣の体躯に極は堂々と立ち向かった。
トリニティ・エンハンスで守りを強化していた極は敵腕の振り下ろしに対し、上空で自身の腕をクロスさせた。
「……ッ」
衝撃の瞬間を歯を食いしばって耐え、援護する猟兵の攻撃が放たれたと同時に、弾くように腕を振るう。
その結果、大きく敵の懐が隙となって開かれ、極は攻撃を繰りだした。
「隙ありだね」
カウンターとなった一撃は敵の真胴に入り、硬質ともいえる魔獣の肉体を穿つ。
屋敷内ではより緻密な攻撃方法が良いだろう。
その時、突風の様に飛びこんできた女がいた。漆黒の髪をなびかせ、黒のサイボーグ装備。
20mm口径リボルバーを仕舞い、内蔵兵器のヴァリアブル・ウェポンで河原崎・修羅雪姫(スノーブラッド・f00298)が敵の巨躯を下から頭までを撃ち抜いていく。
「撃ち甲斐があるわねぇん」
ニッと笑いそう言った、修羅雪姫は笑顔。
「次もご到着みたいよぉ」
ドン! と虚空へ一発撃ち抜く修羅雪姫。その攻撃と共に片腕を振り払った彼女は、突入の際に使用したワイヤーを完全に内蔵する。
耳を劈く獣の悲鳴と共に、再びずしんと床への衝撃が起こるも、まだまだ元気な魔獣は跳ね起きるように体勢を整えた。
二体。
されど一体は倒される寸前であり、間断なく攻撃を重ねる猟兵たち。
攻撃と追いついたちさが回復を重ねつつ、巨躯二体を足止めする者、促され階段をのぼる者と分かれる。
「ハイ、もう一体ねぇん」
と修羅雪姫が二階手すりへと射撃した。
射角は最適であった。
難無く腕を披露する彼女の狙撃はサイバーアイによって、自身が適宜高度修正する。
手すりを走り撃ち落とされた魔獣は、すかさず極が捉え、敵を縫い止めるような一撃を垂直に落とした。
小型の魔獣は大ネズミほどの大きさであったが、撃ち落とされたあとの気性は獰猛。俊敏に動く魔獣を逃がさぬよう動く猟兵たち。
即座に残る二体となった魔獣を囲う。ここまでくれば、容易に魔獣を倒すことができるだろう。
と、判断した先を行く猟兵は三階への階段を駆け上がった。
領主の部屋と思わしき場所は直ぐに見つかった。
重厚な扉は不気味な程に静まり返っており、駆け抜けてきた戦場とは違った静謐さを醸し出している。
扉向こうから殺気が感じ取れない――それこそが、まさに不気味。
領主への初手は、どう取るべきか。
猟兵たちは刹那の逡巡ののち、決める。
大成功
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第2章 ボス戦
『ヴァンパイア』
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POW : クルーエルオーダー
【血で書いた誓約書】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : マサクゥルブレイド
自身が装備する【豪奢な刀剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : サモンシャドウバット
【影の蝙蝠】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
イラスト:伊藤あいはち
👑17
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
白波・柾
真打ち登場か
未熟者の俺でもわかる、強大な覇気だ
だが、ただで帰るつもりはない
無論、奴も俺たちをただで帰らせてはくれないだろうが
さあ、尋常に―――勝負だ
基本は可能ならヒットアンドアウェイ
正剣一閃で攻撃
猟兵仲間とは敵の行動の特徴、負傷状態等を含めて声かけ等で情報共有
連携がなければ勝てない敵であることは明白だ
俺は俺の役目を果たすべく、前衛としてアタッカーの役割をこなそう
ただし無理はせず、危険と判断したら退き、いけると判断すれば畳み掛ける
臨機応変に、柔軟に対応していこう
どの技もそうだが、クルーエルオーダーが特に厄介そうだ
注意して、気を引き締めていこう
河原崎・修羅雪姫
「ここがヴァンパイアの巣ってわけぇ?」
殺気が無いのが不気味……だけど私の首筋が危険を感じてチリチリする。
進むか、退くか。
……
迷ったら、進めぇ!
仲間とタイミングを合わせ、扉を破ってダイナミックエントリー。
罠に注意。
【ジャンプ】飛び込み回転しながら、【サイバーアイ】で部屋の中を素早くサーチ。
ヴァンパイアを見つけたら【20mm口径リボルバー・フリークスハンター】を【2回攻撃2】で叩き込む!
それでダメなら【鉄塊剣】で接近戦よ。
敵の攻撃に対しては、【脳内インプラント戦闘支援AI:コードALICE】を起動。
マサクゥルブレイドの攻撃を先読みしてかわす。
「見える見える見えるっ!」
●
「ここがヴァンパイアの巣ってわけぇ?」
語尾は微かにのんびりと、しかし修羅雪姫の金の瞳は油断なく。
(「殺気が無いのが不気味……だけど私の首筋が危険を感じてチリチリする」)
進むか、退くか。後方には回復を任せられる猟兵もいる。
ならば、
「迷ったら、進めぇ!」
仲間とタイミングを合わせ、開かれた両扉へ乗り込む修羅雪姫――否、開ききる前に。
前のめりに駆ける一脚。
修羅雪姫のサイバーアイが十数と既に滞空している剣を捉えた。同時に脳内インプラント戦闘支援AI:コードALICEが起動する。
警戒していた修羅雪姫のそれは、一秒と経たず。
判断は一弾指。
「避けて!」
常人の耳ならかろうじて聞き取れる程度の、素早い発声。
そして彼女は着地に使い踏みこみの軸とするはずだった左脚をバネにし、回避のための跳躍。
猟兵たちへと十の剣が放たれ、対岸の壁へと突き刺さった。
「……ッ」
咄嗟に躱すも掠めた剣は複数。息を呑む猟兵を鼓舞するように癒しの光がもたらされた。
跳躍回転しサイバーアイで敵を捉えた修羅雪姫が着地する。艶やかな髪が一房、切られていた。
キ、と空を切る音のようなものが立つ。
それは研ぎ澄まされた殺気、そして圧のような強大な覇気によるものだ、と白波・柾(正剣一刀・f05809)は判断した。
(「だが、ただで帰るつもりはない。無論、奴も俺たちをただで帰らせてはくれないだろうが」)
残る刃先は既に彼ら猟兵たちに向けられている。
「躱したか――汝ら、何者だ」
虚空の剣をひとつ、その手におさめたヴァンパイアが問う。
戦いの音や状況を見ていたのだろう、ヴァンパイアは侵入者を串刺しにするべく備えていた。
しかし警戒の一つが、不利となるであっただろうパワーバランスを好転させた。
だがここで長口上となっては折角の場が無駄になる。
柾は摺り足から跳躍するように駆けた。間合いに入るまで二足。
その時、修羅雪姫の巨大な20mm口径リボルバー・フリークスハンターから弾丸が放たれた。
前と後、双方に気を取られたヴァンパイアの逡巡の判断は、柾にとって大きな隙に見える。
「さあ、尋常に――勝負だ」
正剣一閃。
「俺の一刀――受けてみろ!」
極限まで研ぎ澄ました精神集中による刀線刃筋は、重厚な敵の覇気を断ち切り、逆袈裟に斬り上げられた。
肉は硬く、しかしより加速させてこその技。
振り抜き掛かる遠心にその身を乗せ、斜めへの後退で間合いを抜く柾。
更に二発目の弾丸がヴァンパイアを撃ち抜いた。
領主への初手、それは猟兵たちをやや優位な立場へといざなった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
霧城・ちさ
私は支援に回りますわね。敵が武器やコウモリを出した時ヴァンパイアを狙う猟兵の皆様に向かわないように食い止めますわね。蝙蝠を見つけるのは難しそうですが敵の動きを見ながら予測いきますの。皆さまの疲労や傷が多くなりましたら私の疲労は考えずに回復していきますの。ここで止めがさせるように全力でいきますわっ
幻武・極
ついに、領主の部屋にたどり着いたね。
護衛の騎士達が戻ってくる前に領主を倒しちゃおう。
トリニティ・エンハンスを攻撃の型に切り替えて、いざ勝負だ。
くっ、なんだこの紙切れは?
こんなものでボクを止められるとな思わ・・・、これは呪い!?
条件付きの呪いなら、そのルールを守ればいいってことだね。
制限プレイだって、ボクにかかればおちゃのこさいさいさ。
ジャハル・アルムリフ
師父アルバと組み
師父の喚んだ死霊と隙を補い合いながら相手取る
背にした師の所へは決して通さぬよう
誓約書は死霊を盾や足場として跳躍し可能な限り避ける
師以外に命令されるなど御免被る
ブレイド/バット対策として範囲攻撃の【まつろわぬ黒】
あわよくば相殺、撃墜してやりたい所だが
こそこそと気に食わん奴だ
防御と吸収、怪力を活かしながら前進を阻む
隙あらば【竜墜】を打ち込み、足元と共に体制を崩し死霊に隙を突いてもらうか
苦痛に耐えることで
こちらが負傷しているとみて油断したなら、捨て身の一撃をもって竜墜を
――御満足いただけたか、師よ
アルバ・アルフライラ
お初にお目に掛かる、吸血鬼殿
――我々が貴公を狩る猟兵だ
後方にて仕込み杖鳴らし、魔方陣描き
<全力魔法>で召喚するは死霊蛇竜
身に罅が走る小さな音を聞くも
決して顔には出さず
…さあジジと共に駆けよ、死霊
ジジの隙を埋めるよう逐一行動を指示
我々に死角等ない事を彼奴に知らしめようぞ
敵の誓約書は出来る限り死霊に受けさせる
此奴は私だけの従者だ
故に――私以外の奴に従わせるなぞ許す訳がなかろう
私が攻撃の対象となった際は極力<見切り>で回避
攻撃出来ずとも誘導弾が使用可ならば蝙蝠を討ち落とす
それが叶わずともジジが何とかするさ
何せ我が従者だ
奴以外に守られる等有り得ぬよ
ふふん、及第点をくれてやろう
――大義であった、ジャハル
階段を駆け上がった極が躊躇ない足取りで部屋へ突入する。
「護衛の騎士達が戻ってくる前に領主を倒しちゃおう」
彼女が傍らを通り過ぎる際、ちさが息を呑み振り向く。
「幻武様はこのまま歩みを止めずに――お願いしますわね」
魔法のピコピコハンマーを構えたちさは、おもむろに虚空へと振り上げた。
瞬間、弾けるような音と共に影が散る。
「私はこのまま影の蝙蝠たちを食い止めますの」
その言葉を背に、身を屈めた極は弾丸の様に敵へと突っ込んだ。
トリニティ・エンハンスは既に攻撃の型へ切り替わっている。
「見切る」
ヴァンパイアが豪奢の剣をかざし、一刀。
「っ」
迷いない極の武術は素直で、それ故に読まれやすい。だが猟兵は彼女一人ではない。
一手二手の攻防。
他方からの攻撃をいなしたヴァンパイアの懐へ死角から入った極の攻撃。
アルバの杖に擬した流麗なる一振りが描き鳴りて成されるは魔方陣。
「お初にお目に掛かる、吸血鬼殿。――我々が貴公を狩る猟兵だ」
告げたアルバが召喚するは死霊蛇竜。出で禍つうねりがアルバを中心に弧を描き、頭部をヴァンパイアへと向けた。
身に罅が走る小さな音を聞くも、アルバは表情には出さずただただ敵を見据えている。
「……さあジジと共に駆けよ、『死霊』」
言葉と共に駆ける死霊蛇竜とジャハル。
「――クルーエル、オーダー」
ヴァンパイアが言紡ぐと同時、出現した数枚の誓約書に赤が走る。翼を広げ、少し後退したヴァンパイアは猟兵たちの射線を乱し、誓約書を放った。
下されたルールは簡単なもの。しかし、簡単であるからこそ破った時の衝撃は大きい。
ちさの聖なる光が猟兵たちを癒していく。
「くっ、なんだこの紙切れは?
こんなものでボクを止められるとな思わ――これは呪い!?」
『足を止めよ』
そう書かれた誓約書に、極は笑んでみせた。
「条件付きの呪いなら、そのルールを守ればいいってことだね」
刹那、素早く身を屈めた極はその手で床を打つ。
ばん!!
強く叩く音が立った時、彼女の身は虚空に在った。身を捻り体勢を整えた極が降下の勢いそのままに、拳をヴァンパイアへと叩きつける。
『死霊』
アルバの声は先とは違う命を含む色。
ズォと下方から上方へ向かう死霊はジャハルに放たれた誓約書を封じにかかる。
「此奴は私だけの従者だ。故に――私以外の奴に従わせるなぞ許す訳がなかろう」
「師以外に命令されるなど御免被る」
死霊を盾に駆けるジャハルは向けられた剣を、自身のオーラで弾く。
剣の軌道を掻い潜り、抜けた先はヴァンパイア。
「汝ら……猟兵と言ったか、この暴虐は如何なる事よ」
嘆くように、ヴァンパイアが言う。
敵にとっては多勢に無勢といった状況。
されど敵もまた猟兵の攻撃をいなしつつ、多方へと剣を繰っていた。
手にした剣を窓へ向かい投擲するヴァンパイア。耳を劈く音が響き、湿った外の空気が流れ込んでくる。
その意図を読み取った猟兵たちは、一刀を、一射を、ヴァンパイアへ向かって放った。
「墜ちろ」
ジャハルが竜化し呪詛を纏った拳をヴァンパイアに叩きつけると爆風の如き圧が周囲にかかった。
死霊蛇竜が敵に喰らいついた時には、部屋全体に亀裂が入っていくのが見て取れた。
そこで炙りだされるように出現する影の蝙蝠。
流すように見遣ったアルバが仕込み杖を鳴らせば、僅かに魔方陣が動いた。死霊蛇竜の伸びた尾が蝙蝠を叩き落とす。
ちさもまた蝙蝠を見つけ、瞬時に叩く。
亀裂の入った部屋が一部、とうとう瓦解した。
「!」
ジャハルの足元が崩れる。フォローするように動くは死霊。
再び手にした剣を投擲したヴァンパイアへと、崩れた瓦礫を蹴り飛ばしジャハルは踏み出した。
剣が彼の身を斬り裂く。
だが怯むことなく二度目の竜墜を、中段に真っ直ぐ穿つ。
「ぐうっ」
殴り飛ばされるヴァンパイアが翼を広げ、室内にはビシリと強い音が走った。
次の瞬間、領主の部屋は崩れ、闇夜に覆われた空が彼らの頭上に広がる――ちさの聖なる光が星のように瞬き、猟兵たちを癒していった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
御門・結華
【三精憑依】で状態異常力を重視した水の精霊を体に宿す。
「力を貸して、ウンディーネ!」
髪や瞳が青く染まり、ドレスに水流をイメージした模様や装飾が入る。
「マスター、私も共に戦います」
ユウヤと2人で前衛で戦います。
アクアブレードを【武器改造】により、水の【属性攻撃】を持つ槍に変化させ、流れるような【2回攻撃】を行う。
「闇に覆われた世界を、解放するために!」
敵の血で書いた誓約書を【怪力】で操る槍で【武器受け】し、そのまま水の【属性攻撃】で【なぎ払い】ます。
「この水には浄化能力があります。そのような呪いや状態異常の類は効きません」
ユウヤがピンチになったら、ウィンドセイバーを投げ渡します。
「マスター!」
ユウヤ・シュバルツ
【風精憑依】を使用。
「いくぜ、シルフ!」
結華の言葉に頷き、二刀のダガーを構えて敵へ挑む。
「あぁ、一気に行くぜ!」
両手のダガーで素早く【2回攻撃】を繰り出す。
「これでどうだ!」
敵が剣を飛ばして来たら【見切り】って【残像】を伴う【ダッシュ】で回避する。
「遅ぇんだよ!」
敵が遠いなら両手のダガーを振るい、【時間稼ぎ】に風の斬撃を【2回攻撃】で放つ。
「まずは動きを止めねぇとな」
味方が危ない時は、敵に片手のダガーを【目潰し】狙いで【投擲】しながら【2回攻撃】でもう片方のダガーで風の斬撃を【援護射撃】で放つ。
「どこみてやがる!」
結華からウィンドセイバーを受け取り、【力溜め】して振り下ろす。
「これが全力だ!」
ミーナ・ヴァンスタイン
真の姿により光の翼を展開して、常に消耗しているユウヤや前線でダメージを受けるであろう結華のサポートを行う。
「私にできることをしましょうか」
【祈り】を込めた【生まれながらの光】で二人の回復を行う。
「癒しの光をここに」
蝙蝠を飛ばして来たら【アサルトウェポン】を連射したり【聖痕】から放たれる浄化の光で敵を牽制する。
「退け、魔よ。私の力で消し飛ばしてあげるわ」
敵が倒れた後に静かに祈るように呟く
「主よ、永遠の安息を――せめて、これからは安らかに」
これはヴァンパイアにではなく、今まで犠牲になった人たちへ捧げる鎮魂歌。
河原崎・修羅雪姫
「どお? 自分が追い詰められていく気持ちわぁ?」
仲間と共にヴァンパイアを攻撃。
【20mm口径リボルバー・フリークスハンター】を【2回攻撃2】で着実に叩き込んでいく。
「銀製の弾丸でもあれば、もっとダメージを与えられるのかしらぁ?」
もしそんなものがあれば、それは「銃弾」ではなく「砲弾」だろう。
相手が接近戦を挑んできたら、【鉄塊剣】で応戦。
「あなたヴァンパイアなんでしょお。ほらぁ、私の首筋でも狙ってみるぅ?」
(だがそれは罠!)
本当に噛みつけば、ブレイズフレイムの地獄の炎がヴァンパイアを焼き尽くす!
「忌々しい光よな――光など、この世において最も不要なものであるというに」
先は嘆きのものであった敵の声が、苛立ちによって震えている。
猟兵は一人ではない。
「癒しの光をここに」
ミーナもまた祈りをこめた光を瞬かせ、仲間を癒す。
闇夜に覆われた世界において、光とは、恵みの陽であり、家を護る灯であり、そして生物を温めてくれる火。
暗闇の獣をあらかた駆逐し、ヴァンパイアへ向かい駆けようとする猟兵がいた。
「いくぜ、シルフ!」
風の精霊を纏うユウヤだ。
「力を貸して、ウンディーネ!」
結華が声を力あるものにして呼びかける。
応じた精霊は、彼女の髪を、瞳を、灰のものから青く染め上げていく。ドレスに入るは水流のような、輝く水面のような、模様と装飾を施すウンディーネ。
ドレスの裾を翻し、結華もまた駆けた。
「マスター、私も共に戦います」
彼女の声に頷くユウヤ。
「あぁ、一気に行くぜ!」
そう言って速度をあげるユウヤは、まさに疾風の如し、だ。
ヴァンパイアの瞳が彼を捉えた時には既に一刀がその体に刻みこまれている。
「これでどうだ!」
振った腕の遠心に身を任せその場で一回転したユウヤが、逆手に持ったもう片方のダガーを振り向き様に敵へと突き立てる。
そのまま切り開くように振り抜いた。
「……ッ」
歯を食いしばるヴァンパイアのそれは赤い。
自らの流血に、そして身を喰らうような猟兵の立て続けの攻撃に、表情は怒りに染めあがっていた。
「下等な種め……ッ!!
何を目的に此処へきた!」
行使する力も削がれているのだろう、敵が顕現させた剣はかなり少ない。
穂先を前に据え、正眼中段に構えた結華がその長柄を繰りだした。
「闇に覆われた世界を、解放するために!」
水の属性となった槍を一突きののちに振りかざせば、冷えた奔流が軌道をなぞる。
流れるような二回攻撃が敵へと綺麗に撃ちこまれた。
しかし押し戻すように、対角から放たれた剣が二人に突き刺さっていく。
光で癒しを与えていたミーナが、その命中精度に異様さに気付いた。
「退け、魔よ。私の力で消し飛ばしてあげるわ」
イレイザーの銃口を影の蝙蝠に向け、撃つ。
畳みかける修羅雪姫が撃つ20mm口径が多大なる衝撃を与える。
「どお? 自分が追い詰められていく気持ちわぁ?」
紅色の口が、くすりと弧を作る。
「銀製の弾丸でもあれば、もっとダメージを与えられるのかしらぁ?」
もしそんなものがあれば、それは「銃弾」ではなく「砲弾」となるであろう。
忌々し気に、ヴァンパイアは剣を、ミーナを起点に大きく弧を薙ぎ描く。そして自身は駆けるのだ、煽る修羅雪姫の元へ。
「あなたヴァンパイアなんでしょお。ほらぁ、私の首筋でも狙ってみるぅ?」
「ハ。生憎、私は美食家で、ねッ!!!!」
強い剣戟が響いた。
彼女が鉄塊剣を振るえば、いとも簡単に敵の剣が払われヴァンパイアが飛び退いた。
払われた剣は上空に――くるり、と回った剣が、ユウヤに刃先を据えた瞬間、撃ち放たれる。
「マスター!」
結華が声と共に投げたウィンドセイバー。
それは風の精霊の加護故か普通ではない軌道を描き、そこに在るべきもののように、振りあげたユウヤの手へとおさまった。
「これが全力だ!」
力溜めした剣を振り下ろすユウヤ。威力はその速度で決まる。
肉にかかった刀身へ、断つ力を自身の体の加重に任せ、腕は全力加速。
「なん……だと」
袈裟懸けに裂かれたヴァンパイアが、ぐ、と呻き、仰け反った姿勢のまま後ろへと倒れた。
同時に虚空に在った剣が一斉に地に落ち、甲高い音を立てる。
『オオオオオオオオオオオンンンッ――……ギャンッ!!』
眼下では暗闇の獣が大きく吠え、悲鳴をあげた。
最後の一体が倒された瞬間であり、刹那、唐突な静寂の訪れが猟兵たちの元へやってくるのであった。
陽のあたらぬ冷たい空気。そのなかで、
「主よ、永遠の安息を――せめて、これからは安らかに」
ミーナが祈る。
紡いだ言は、ヴァンパイアにではなく、今まで犠牲になった人たちへ捧げる鎮魂歌。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
第3章 日常
『人々の笑顔の為に』
|
POW : 食料の運搬、建物の修理など力仕事をする
SPD : 村々を巡って困っている人を探す
WIZ : 明るい歌や踊りで元気づける
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
領主・ヴァンパイアは猟兵たちの働きによって、倒された。
その戦闘音は近隣にまで届き、ますますと言っていいほどに、静まり返っている。
彼らの心境を慮る猟兵たちであったが、まずは身体の癒しをと、回復につとめていた。
癒しの光が集う。
その光景は不思議なものであった――そんなに時間は経っていない、けれど、住人の一人が伺う様に、そろりと姿を見せた。
酷く怯え、身体が震えている、中年の男だ。
気付いた猟兵が慎重に、これ以上怖がらせないようにと、少しずつ歩み寄った。
男は踏ん張っているのだと、気付く。
その震えは懸命に、死を覚悟したものであることに、気付く。
「あ、……ッ、あ、あなた、がた、は……」
声は、かろうじて言葉になるといった程度。
ゆっくりと、猟兵は子へ言い聞かせるように柔らかな声色で、領主を討伐した旨を伝えた。
「そう、です、か」
中年の男は、自分は北をまとめている区長なのだと伝えてくる。
戦いの跡を見て、区長は何を思っているのだろうか。
領主が死んだ少し安堵、けれど、猟兵に対する警戒の色と死の覚悟は抜けない。
――上が変わっただけだ。
虐げられる日々は変わらないのだ――。
そんな世界の声が、聞こえた気がした。
声を掛けよう。
働きかけよう。
ようやく光巡ってきたであろう、この世界に。
いきとしいけるものは、光宿していることを。
光ある日を迎えて欲しいのだと。
伝えよう。
フィリオ・グラースラム
むむ、戦いには遅れていましたか…
けれど、人々の絶望を退治するのも騎士の務め!
このフィオにお任せくださいにゃのです!…なのです
足の早さには自信があります
お菓子を配りながら、困っていることがないか、聴いてまわりましょう
直ぐに解決できることなら、力になりますが
そうでなくても、他の猟兵さんたちと分担したり
いづれは町の人達同士で助け合えるように、内容をまとめるのです!
大丈夫
たとえまた酷い領主が来ても、何度でも追い払ってみせるのです
今すぐじゃなくても、今日よりも素敵な明日が必ずきます
……まだ、元気がでないのです?
仕方ありません、特別に肉球に触ることを許してあげるのです
ぷにぷにして、元気をだすのですにょ
ミーナ・ヴァンスタイン
体調を崩した人やケガ人など【生まれながらの光】を使用し癒していきます。
「まだ怪我した方がいるなら、私が治療するわ」
また、人々の悩みを聞いたり質問に出来る限り真摯に応えます。
治療が一段落したら、一息つきながらつぶやく
「私にできるのはこれくらい。あとは自分たちで立ち上がるしかない」
ユウヤと結華、仲間の猟兵たちと仲良くしている村人たちを見て微笑み
「この様子なら大丈夫、きっと良くなっていくわ」
「また、この日常が奪われるようとするのならこの手で守る。私達はその為にいるのだから」
ユウヤ・シュバルツ
結華、ミーナ、仲間と一緒に村の修理や困った人の手助けに奔走する。
「人手が欲しいな。よし、頼むぜ。シルフ!」
【風霊召喚】で呼び出したシルフの頭を撫でながら
「一緒に手伝ってほしんだけど、いいか?」
笑顔を返すシルフの少女に笑い
「よし、いっちょ頑張るぜ!」
村を回りながら自分は荷物を手で持ち運び、シルフは風を操り瓦礫を浮かせて運んだり、物資を運搬を行う。
「いい感じだな。この調子ならすぐ片付きそうだぜ」
村人たちには明るく振る舞う。
ジャハル・アルムリフ
師父アルバ(f00123)に同行
肩や腕に肉質の良い獣や果物、穀物
そしてもう片方の肩に師父を乗せ村へ
食料を下ろしたら主を手伝うとしよう
…人を鼓舞するのも良いが己を省みろ
先程の戦で罅の入った師父の背へと【生まれながらの光】を
俺のそれは師専用であるが、今宵は少し拡げんでもない
罅も傷も、長年の恐怖も
宝石を透かせた光明に薄れればいい
嘗ては村人と同じ側
だがそれ故に、漸く見得た導きの目映さは覚えている
旋律に遠い幻を重ねながら
俺は説ける唄など持たんが
長く、耐えてきたのだな
――美しいものを美しいと想えたなら
何れ、世界は変わってゆくだろう
双眸は輝きに注いだままで、それだけを
アルバ・アルフライラ
ジジ(f00995)と共に
鬼を倒したとは云え、心が痛むな
こうならざるを得ぬ程に地獄を見ていたという事か
…ふふん、お前は本当に心配性だな
背に受けた聖者の光が宝石の髪に、瞳に拡散する
耀る光彩の中、徐にルチルのアウレオラを背に抱く
真の姿を解放して祖国の民謡を舌に乗せよう
幼き頃の従者にも歌い聞かせた旋律
母なる大地へ――父なる空へ
感謝と喜びを伝える大いなる調べ
辛く苦しい冬を迎えた後は
必ず花々咲う春が訪れるのだと
歌に【賢者の提言】を重ねながら
かつて従者の光を取り戻せた様に
少しでも彼等に深く根付いた絶望を希望に変えられる様に
――ふ、禁呪に魅入られた私でも
暗闇進む人々の洋燈位にはなれよう
…ジジと共に在れば、な
霧城・ちさ
私は街のみなさまの様子を見て回りますわね。もう平和だという事を説明していきますの。困ってる方がいましたらお手伝いしたり手当てをしたりしますわね
食料が運搬されたら上手ではありませんがお料理の準備もしますの
お子様もいましたら一緒に作ったり遊んだりして楽しい時間にしていければいいですわね
今はなかなか解放されたという実感はわかないかもしれませんが今この時間は本物ですの
みなさまがもうこのような傷を残さないように私たちはまた頑張っていきますわね
いつか再び訪れる時に笑顔が見れるようにこの場所を守れるようにしていきますわっ
河原崎・修羅雪姫
全世界サイボーグ連盟(旅団)の仲間とPOWで参加。
あのうね、悪いヴァンパイアを倒したけれど。
住人はまだ恐怖のくびきから解放されていないの。
それをどうにかしようってお話。
それでね、私は【村人と一緒に、ヴァンパイアの住んでいた領主館を崩して、お花畑にしたらどうかな】って考えてるのぉ。
館は恐怖と圧制の象徴だし、放っておいたらまた別の悪者が住むかもしれないし。
館の石垣を崩してできた岩石で村を守る柵にできるかも。
あと、お花は綺麗だしぃ?
絵本や童話の終わり方みたいで良いと思わない?
ちょっと突飛な案かも知れないけど。
「猟兵は戦闘しかできない訳じゃない」って私は示したいのよねぇ。
どおかしらぁ?
幻武・極
さあ、悪い領主はボクたちが退治したよ。
次はおじさん達が頑張る番だね。
これからこの街が良くなるか、悪くなるかはおじさん達の頑張り次第だね。
えっ、ボクが新しい領主になるの?
ボクが新しい領主になったら、ここを武術の街にしちゃうけどいいの?
それにボクは猟兵だから、ここに滞在はできないし、政治とかは全然分からないよ。
だから、この街を守り続けるのはおじさん達の仕事。
ボクたちは時々来て困り事の解決をするだけだよ。
御門・結華
建物の修理ならノーム、回復魔法はウンディーネに手伝ってもらった方が良いですね。
「お願いします。ウンディーネ!ノーム!」
【同時召喚Ⅱ】を使用し、呼び出した2体の精霊に復興を手伝ってもらいます。
「二人とも村人たちのお手伝いを頼みますね」
ユウヤが呼び出したシルフと楽しそうに手伝っているのを、ジト目で見ながら
「……」
自分のマスターと自分の元契約精霊に対して複雑な感情を抱いています。
それを見たノームはやれやれといった表情を浮かべたり、ウンディーネは楽しそうに微笑んだりするのに気づき、そっぽを向いて。
「二人とも、仕事に集中して下さい」
佐之上・権左衛門
POW】(全世界サイボーグ連盟の面々と参加) なーにを言ってるんだ、おまえさん達は!とおどおどしている村人達に一喝。 お前さん達がやる気を出して結果を出さなきゃいつまでたっても同じ事だぞ。 お前さん達は自分の子供達にまで同じ辛さを味合わせる気か!? と珍しく根性論(コミュ力)で説き伏せる。 そもそもこんな陰気臭い空気漂わせてるから気分も憂鬱になるんだ。ならこの館ぶっこわそうぜ。そして新たに整地して俺達もやれば出来るんだって行動しなきゃ。 俺も手伝うからさ、一緒に頑張ろうぜ? (それでも動く人いなかったらどうしよう、と思いつつ) 無人になった館に思い切りグラウンドクラッシャーを叩き込んでぶっ壊す
レクイエム・アビス
(全世界サイボーグ連盟の面々と参加)(レクイエムは言葉を話せず歌声でしか表現できません。なのである程度ジェスチャー、困ったら筆談になります)
今回の件から考えると猟兵という事は伝えているが一般人から見たら自分の姿はあまり良いものではないはず、不気味だし。というわけで修羅雪姫と佐之上に村人説得は任せてこちらは実際の働きで貢献しよう。サイボーグだし力はある。自然は好きだからここが花畑になると想像すれば力も湧く。頑張ろう、人々が怨嗟を吐かずに当たり前のように希望と夢を口に出来る優しい世界に変える為
日照時間はあれど短く、ヴァンパイアなどのオブリビオン達による虐遇の世は陰鬱としていた。
過去が跋扈し尽きゆこうとする世界の一つ、ダークセイヴァー。
行商人はおり、日によっては町などで市もたつが、ひっそりとしたものだ。
区長は猟兵に付き添っているが、窺う様子は崩れない。
――領主が変わるだけ。虐げられる日々は変わらない――。
そのような言葉が町人や、臨時の市にやってきた村人の間で行き交う。
思見るはアルバ。
(「鬼を倒したとは云え、心が痛むな。こうならざるを得ぬ程に地獄を見ていたという事か」)
このような思想では前に進まないのは明らかだ。
どうするべきか、と考え始める猟兵たちのなかで佐之上・権左衛門(おっさんは蛮族傭兵・f00239)が、立つ。
「なーにを言ってるんだ、おまえさん達は!」
ボサボサ頭に仁王立ちの男に一喝され、ぎょっとするダークセイヴァーの住民。
権左衛門は黒の瞳を、一人一人へと向けた。
「お前さん達がやる気を出して結果を出さなきゃ、いつまでたっても同じ事だぞ。 お前さん達は自分の子供達にまで同じ辛さを味合わせる気か!?」
彼の言葉、立ち居振る舞いは、住民たちの心に容易く入ったようで、何人かがハッとした表情になる。
「そもそもこんな陰気臭い空気漂わせてるから気分も憂鬱になるんだ。――ならあの館ぶっこわそうぜ」
権左衛門の言葉後半は、区長に向かったもの。
「は、はい??」
かなり驚愕したのだろう、区長は目を丸くしている。一部崩れている領主館の方を思わず見た。
空気が変わった――事の成り行きをどこか楽し気に愉快そうに眺めるアルバと、そんな師父に気付いたジャハルは息を吐く。
区長と一緒に、目を丸くしたフィリオ・グラースラム(煌氷の刃・f10324)へ修羅雪姫がこそっと声を掛けた。
「悪いヴァンパイアを倒したけれどぉ、住人はまだ恐怖のくびきから解放されていないの。
それをどうにかしようって思ってぇ」
「にゃ、にゃる……なるほどなのです。
人々の絶望を退治するのも騎士の務め! このフィオにお任せくださいにゃのです! ……なのです」
そんなやり取りをしている間にも、権左衛門の声は続く。
「そして新たに整地して俺達もやれば出来るんだって行動しなきゃ」
ぐ、と拳を作り、再び彼は住民たちを見回す。
「俺も手伝うからさ、一緒に頑張ろうぜ?」
と言いつつ、内心は動く人いなかったらどうしよう、と思っている権左衛門。しかし言動は活き活きと。
ざわざわとしていたが、決して後ろ向きではない様子だった。おや、という表情になる区長。
「はぁい」
提案、と修羅雪姫。
「ヴァンパイアの住んでいた領主館を崩してぇ、お花畑にしたらどうかなって思うわぁ。
館は恐怖と圧制の象徴だしぃ、放っておいたらまた別の悪者が住むかもしれないしぃ」
別の、というところで、青褪める者、首を振る者。
館の石垣を崩してできた岩石で、防柵を作ったりできるかも、と案を出した彼女は片目を瞑り言うのだ。
「あと、お花は綺麗だしぃ?」
ふ、と区長は笑んだ。
猟兵たちがここに訪れて初めて見た、心からの穏やかな笑みである。そこに警戒の色は無い。
「――『お花畑』は良いですね。
……皆、私はこの案に乗りたいと思うのですが、如何でしょうか」
「い、いいと思う!」
「でも、何も知らない騎士が戻ってきたら……」
震える声で賛同する者、これからを懸念する者。
大丈夫! と声を上げたのは極とフィリオ。
「悪い領主を退治できたボクたちだからね。あいつの護衛騎士も、すぐにやっつけられるよ」
「たとえまた酷い領主が来ても、何度でも追い払ってみせるのです。今すぐじゃなくても、今日よりも素敵な明日が必ずきます」
明日のために。
ならば、とアルバは他方を向く。
「闇払うため、歩もうではないか。ゆくぞ、ジジ」
ささやかながら、ダークセイヴァーに生きる者のための手助けを――それが猟兵の職分であった。
要るものを確保・搬出し、単純だからこそ重量級の一撃を館一角に叩きこんだ権左衛門。直撃地点の周辺地形を破壊する攻撃を何度か撃ちこめば、館は崩れていく。
このあとのことは、一人でできることではないし、すぐに場を整えられることでもない。
だが、この地の人間や猟兵たちは力を合わせて様々な作業をしていった。
やや郊外ともいえる部分――アルバとジャハルが侵入経路の要となりそうな場を予測し指定する。
瓦礫の撤去には、
「人手が欲しいな。よし、頼むぜシルフ!」
風霊召喚で呼びだしたシルフの頭を、ユウヤは撫でる。
「一緒に手伝ってほしんだけど、いいか?」
ユウヤの言葉に笑顔を返すシルフ。そんな少女にユウヤは笑み、
「よし、いっちょ頑張るぜ!」
風を繰り瓦礫を浮かせたシルフと、直に運ぶユウヤ。
結華は同時召喚を行う。
「お願いします。ウンディーネ! ノーム!」
呼びだされた二体の精霊は結華、そしてユウヤを一度目に。
「二人とも住民たちのお手伝いを頼みますね」
無表情に告げる結華に頷き、それぞれが役割を果たしに赴く。
「laaa」
サイボーグだし力はある、と張り切るレクイエム・アビス(呪われた人形・f09861)は住民にあまり近付かないように、という気遣いを見せ、瓦礫の山へ少しずつ対処していく。
その隣には修羅雪姫。
力のある住民たちが荷車に積み運んでいく。
ゴトゴトゴト。
舗装の荒い道で立つ音は何だか活気があって、なんだなんだとまだ仔細知らぬ住民たちが顔を出す。
領主館から離れた場所には、虐遇の末、朽ちた区が在った。
否、朽ちたように見えるだけであった。
その場へ入っていけば、孤児たちの住む建物があったり、治療院のようなものがあったり。
薬も貴重で、清潔な場を保つのも難しい治療院をミーナが慰問する。
「怪我した方がいるなら、私が治療するわ」
生まれながらの光で住民を癒すミーナ。
一体何が起こっているのだろう、と彼らは不思議そうな顔をしている。
そんな人々に丁寧に説明するミーナへ、自然と質問や悩みの言葉が寄せられた。
「そうね、けれど建物の修復もしていかないと。
朽ちた場に見えるという事は、侵略経路にされやすいという事。
防柵は私の仲間と、元気な住民が今から造っていくけれど」
と話をしていれば、働き手の声が届きはじめた。怪我が治った者は、興味深げに飛び出していった。
場の治療が一段落したところで、ミーナは一息をつきながら呟く。
「私にできるのはこれくらい。あとは自分たちで立ち上がるしかない」
治療院を出ようとすると、ケットシーのフィリオが横切った。
困っていることがないか、菓子を配りながら聴いて回っていたフィリオは、子供たちから孤児院の情報を聞き向かっていた。
子供には、甘いものを食べる権利がある。
「グラースラムさん、こっち」
「はいなのです」
十代半ばのお姉さんと一緒に、ちょっと早足のフィリオ。『困ったこと』の内容をまとめ、いずれは町の人達でも助け合えるように、という彼女の案。
孤児院へ向かいながら猟兵とともに歩く人々を目にするミーナは、ユウヤと結華そして精霊たちを見つけた。
「いい感じだな。この調子ならすぐ片付きそうだぜ」
ユウヤは自身が呼びだしたシルフと楽しそうに手伝っていて、この光景を結華はジト目で見ているようだ。
「……」
そんな結華にやれやれといった表情を浮かべるノーム、ウンディーネは楽しそうに微笑んだ。
「――」
精霊たちの様子に気付いた結華は、ぱっとそっぽを向き、素っ気なく告げる。
「二人とも、仕事に集中して下さい」
はいはいといった表情のノーム、ウンディーネはやっぱり楽しそうに片目を瞑る。周辺の朽ちたように見える建物修復の手伝いへ。
「この様子なら大丈夫、きっと良くなっていくわ」
と、ミーナは微笑む。
孤児院では早速人気者となりつつあるフィリオが子供に揉まれていた。
「これが肉球?」
「特別に肉球に触ることを許してあげるのです。ぷにぷにして、元気をだすのですにょ」
「ぷにぷにだ~」
何とも明るく和やかな光景だ。
ミーナは孤児院から出た。ここはフィリオに任せておけば良いだろう。
(「また、この日常が奪われようとするのならこの手で守る。私達はその為にいるのだから」)
肩や腕には肉質の良い獣や果物、穀物を乗せ。
もう片方の肩に師父を乗せ、ジャハルは村へ。
辿り着いた村では、ジャハルが明日へ繋ぐ糧を下ろす間、アルバが賢者の提言を行い人々を鼓舞している。
既に領主は倒れ、新たな悪い領主が入り込まぬように。
「………人を鼓舞するのも良いが己を省みろ」
師父の背へ生まれながらの光をジャハルは送った。
助言するアルバは今だ先の戦いで入った罅を内包している。放置しておけば、削り合った果てに拡がる罅。
「……ふふん、お前は本当に心配性だな」
背に受けた聖なる光がアルバの髪に、瞳に拡散していく。
闇に覆われた世界では眩く輝く光。
ジャハルの光は師専用でもあったが、
(「今宵は少し拡げんでもない」)
罅も傷も、長年の恐怖も、宝石を透かせた光明に薄れればいい、とジャハル。
嘗ては村人と同じ側――彼はふと目を閉じる――だがそれ故に、漸く見得た導きの目映さは覚えている。
目開いた世界は、朧な絢爛。
耀る光彩のなか、アルバが背に抱くはルチルのアウレオラ。
真の姿を解放したアルバは祖国の民謡を舌に乗せる。それは幼き頃の従者にも歌い聞かせた旋律。
母なる大地へ――父なる空へ。
感謝と喜びを伝える大いなる調べ。
辛く苦しい冬を迎えた後は、必ず花々咲う春が訪れるのだ、と。
かつて従者の光を取り戻せた様に。
少しでも彼等に深く根付いた絶望を、希望に変えられる様に。
――ふ、とアルバは笑む。
(「禁呪に魅入られた私でも、暗闇進む人々の洋燈位にはなれよう」)
ジャハルと共に在れば。
ジャハルは黒曜の双眸を輝きに注いだまま、言う。
「長く、耐えてきたのだな。――美しいものを美しいと想えたなら、何れ、世界は変わってゆくだろう」
紡がれた言を現実とするために。
瓦礫の撤去が済んだ場所から、土を整え、ならし、とレクイエムは黙々と働く。
「大分進んだわねぇ」
「laa」
修羅雪姫の声に、こくりと頷くレクイエム。
ここが花畑になると想像すれば力も湧くのだ、と自然が好きなレクイエムは伝えようとする。
言葉と感情は歌声に。
(「頑張ろう、人々が怨嗟を吐かずに当たり前のように希望と夢を口に出来る優しい世界に変える為」)
種を蒔くのだ。
レクイエムの願いは、花開くであろう世界そのもの。
猟兵は戦闘しかできない訳じゃない――と行動で示す修羅雪姫たち。
もう平和だということを説明しながら街を回っていたちさは、雑貨を営む女に声を掛けられた。
解体されゆく領主館への届け物を持ち、ちさは早足。
「お届け物ですわ。お花の種をいただきましたの」
それは、蒔かれないまま、長く眠っていた種であった。
「どんなお花が咲くのか、楽しみですわね」
そう言って微笑むちさに、食糧の運搬をしていた猟兵が声を掛けた。
「あ、私、お料理のお手伝いをしてきますの。今宵は、みなさま一緒にお食事をされるようですわ」
ちょっとした宴みたいなものだろうか。
ダークセイヴァーの住民に、活力が宿ってきたようにも思える。
それが、ちさは嬉しくてたまらない。
その時、フィリオが子供たちと一緒にお手伝いへとやってきた。
わいわいと、子供たちの話題は甘い菓子について。
「この世界の甘いものはどのようなものか、分かりませんの。
よろしければ、みなさま、私に教えてくださいませ」
ちさが問えば、子供たちは色々と口にしたが、すぐに作る物ならと果物の入ったプティングに落ち着いた。蒸し料理でありながら材料を変えればデザートにもなる。
「料理は上手ではありませんが、作ってみますの。みなさまにも、お手伝いいただけますこと?」
フィリオ含め、子供たちが良い返事をする。
ちさも笑顔で応じる。
(「今はなかなか解放されたという実感はわかないかもしれませんが、今この時間は本物ですの」)
ちょっとした宴で元気付けるような、明るい笑顔をみせるのは極だ。
「次はおじさん達が頑張る番だね。これからこの街が良くなるか、悪くなるかはおじさん達の頑張り次第だと思うよ」
「然しながら、リーダーは必要です」
領内の立て直しは勿論の事、他領土が今どうなっているか――情報は主に行商人から仕入れるものである、が。
「まあ、まずは生活をちゃんとすることだよね。他の領土は――」
異端の神々と呼ばれる超常存在や、恐るべき魔獣の領土と化しているダークセイヴァー。
猟兵が多くの地を圧政から救い、正常な地を作っていけば、点もまた面となり、闇に傾く天秤もまた動く。
そのために、彼らが希望を維持できるよう、働きかけたいと思う猟兵たち。
で、あるが。
「えっ、ボクたちが新しい領主になるの?」
キョトンとした顔をする極。彼女はちょっと考えて、
「ボクが新しい領主になったら、ここを武術の街にしちゃうけどいいの?
それにボクは猟兵だから、ここに滞在はできないし、政治とかは全然分からないよ」
「そうですか……こうやって助力頂けたこと、本当に感謝しております」
あっけらかんと断る極に対し、笑みを深める区長。
表裏なき言動に、猟兵たちの気付かぬところで兆しは好転する。
「この街を守り続けるのはおじさん達の仕事。
ボクたちは時々来て困り事の解決をするだけだよ」
極はにっこりとして、言った。
種を蒔いた。
元領主館の一角では元々咲いていた花を植えたり、精霊の力や魔法を使って咲かせたり。
一区画の花畑。
普通に蒔いた種の方はやがて芽吹き、新たな花が咲き誇ることだろう。
ふふふ、とアンニュイに笑む修羅雪姫。
「とぉっても綺麗ねぇ」
「いつかまた、花畑を見にいらしてください」
区長は静かに言った。
花畑を見て笑顔の住民に、ちさは言う。
「みなさまが、もうあのような傷を残さないように、私たちはまた頑張っていきますわね」
こうしてまた、猟兵は世界を、地を巡る。
大成功
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