3
フォートレスキリング

#クロムキャバリア

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#クロムキャバリア


0




「早速で悪いが、ミッションの説明だ」

 電脳空間を展開し、複数の画像を投影するのはワン・イーナ(シンギュラリティ・f30274)。少々の焦りを表情に滲ませ、集まった猟兵たちへ説明を開始する。

「今回のミッションはオブリビオンマシン率いるキャバリア軍団の殲滅となる」

 複数の画像が拡大される。それぞれ別方向から撮ったもので、そこに写るのは、山脈に囲まれた広大な大地を埋め尽くす、数えきれないほどのキャバリアだ。

「大雑把に背後関係を話すとだな、今キャバリア軍団が集結してるここは、もともと複数の小国家が争ってる土地なのさ。この土地を中心にだいたい円状に小国家が存在して、長々と戦争してんだよ。理由? さぁな、領土、プライド、宗教……上げればキリがないだろーよ」

 そんなことはどうでもいい、と切ると、さきほどの画像をさらに拡大し、同時に別の画像を持ってくる。

「まあそうやって兵器と血が積み重なって……だからかもな、オブリビオンマシンと化したのさ。こいつだ、この中心の要塞型キャバリアがボスだ」

 巨大。周囲にいるキャバリアと比べればわかるが、明らかに巨大。要塞型の名の通り、多数のキャバリアの運用と、大火力の投射を可能にした規格外の機体である。

「この要塞型は突如オブリビオンマシンに変貌すると、中にいる人間を洗脳し周りを殲滅。異常を感じて調べに来た味方、ぶっ壊すために派遣された各国軍隊を叩き伏せると、戦場に埋まったり壊れて破棄されたりしたものも含め、とにかく手当たり次第にキャバリアを集めて、てめぇの軍団を作った」

 画像には、恐竜のようなキャバリア、重厚なキャバリアが写っている。いずれもかなりの数が存在し、要塞型に付き従っている。

「んで、この軍団を率いて周辺の小国家を全部、ぶっ壊しちまう魂胆ってわけさ。小国家側にはどうにもできんっつーか、すでに派遣した軍が潰されてマトモに動けるのはいない。このままじゃ周辺の国は全滅、プラントや新しい兵器を手に入れて強大化した軍団とオブリビオンマシンが、さらに進軍と闘争を続けちまう」

 そうなれば、止めるのはもはや困難だ。軍団を作り終え、進軍を始めんとする今こそが、悲劇を止める好機。

「ざっと理解したな? 次は個々の敵だ。幸いデータはある。傭兵として交渉して、ぶつかった国の軍からもらったからな」

 楽な仕事だったぜ、と得意げに笑いつつ、入手したデータを表示する。最初は恐竜型だ。

「もっとも数が多いのがこいつらだ。パイロットは乗ってねぇ無人機で、とにかく機動力と火力に尖ってて、敵味方お構いなく破壊しに来る。自壊すら構わずってんだから恐ろしいが、連携はとらねぇし、攻撃しか考えない単純な思考だ。やりようはある」

 次に表示されるのは重厚なキャバリアだ。

「親衛隊ってやつかね。要塞型の周りを守ってる。盾を並べて隙間なくな。こいつらも無人機。キャノン砲をぶっ放したり、盾で突進したりするし、意外と高速移動もできるって話だ。手強い連中だが、動きは受け身。隙はある」

 最後に表示されるのは、首魁たるオブリビオンマシン。

「ボスのこいつはもともと軍の指揮官機であり、要塞として製造されたキャバリアだ。多数のミサイル、主砲、近接防御機銃、グレネードランチャーとハリネズミみてーなもんだ。難攻不落ってやつだぜ」

 数の差をものともしない、圧倒的火力、弾幕、破壊力!
 鈍足をものともしない、圧倒的装甲、迎撃、防御力!

「だが無敵じゃない。機械みてーに正確に動くが、人間ほどの柔軟さは無い。そこに勝機があるはずだ。あと、パイロットに関しては、機体の頑丈さが幸いしてどれだけ激しく攻撃しても傷つかないから心配すんな。壊した後回収できる」

 投影された画像を消すと、ワンは手にグリモアであるキューブを出現させる。

「戦場は山脈に囲まれてることを除けば、平らな荒野。キャバリアや装備は貸してもらえるから心配はいらねぇ。修理や補給も面倒見させるし、国同士の政治も気にすんな。ただ敵をぶっ壊して、猟兵の力を示してやりゃぁいい! さぁ暴れてこい!」

 グットラック、良き闘争を。


松六
 初めましての方は初めまして、松六と申します。
 2作目のシナリオとなります。

 今作もバトルものとなりますが、こちらは闘争を求める方向けとなっております。
 全編バトルしかないので、難しいこと考えずにどうぞ。
 キャバリアなしで生身でやれるんだよ! って方でも大丈夫です。
 オープニングにありますが、人が乗ってるのは最後のオブリビオンマシンだけですし、特に対策とかなくても無事に助かりますのでご安心を。

 それでは、皆さまの冒険の一助となりますように。
23




第1章 集団戦 『機動殲龍『戦火』』

POW   :    ジェノサイドストーム
自身に【戦場の闘気】をまとい、高速移動と【口から防御を貫く長距離レーザーを全方位へ】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    エクスターミネイター
自身の【命】が輝く間、【遠近問わず猟兵へ】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    オーバーキルマシン
【全武装】で攻撃する。[全武装]に施された【生存者が居なくなるまで続く無尽殺戮】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

地籠・凌牙
【アドリブ連携歓迎】
まさしくただの破壊兵器って奴だなこいつは……見境なしとか溜まったもんじゃねえよ、全く。
だが好都合だ……俺の能力と最高に"相性がいい"!

キャバリア?んなもん乗ったら即大破だから乗らねえよ。
その代わりにこのキャバリア用パイルバンカーを持ってきたがな。

ターゲットを見つけたら即攻撃してくるっていう感じかな……
ならまずは【指定UC】を使ってから【ダッシュ】で敵の射程圏内に入り込み認識させ、敵の攻撃を【おびき寄せ】るぜ。
攻撃は【第六感】で回避、それでも無理なら【激痛耐性】で無理やり耐えるか【武器受け】で凌ぎつつ、【フェイント】【スライディング】も使って駆けずり回って同士討ちさせてやる!



●進軍せよ

 荒野を埋め尽くす黒。大地を揺らしまっすぐに進む、鋼の津波。足並みは揃わず、ただ並ぶだけの隊列とも言えぬ群れ。しかし、それは立ち塞がる全てに破壊を降り注ぐ、恐ろしき機械の恐竜たち。感情無き殺戮兵器は、国を命を破壊すべく進軍していく。
 そして、その進路上に立つ、一人の青年。

「まさしくただの破壊兵器って奴だなこいつは……見境なしとか溜まったもんじゃねえよ、全く」

 地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)。すぐに壊すからとキャバリアに乗らず、生身で挑むドラゴニアン。ただの人なら自殺以外のなにものでもないが、超常存在たる猟兵ならば、戦術として成り立つ。

「だが好都合だ……俺の能力と最高に"相性がいい"!」

 眼光鋭く敵を見据え、通してなるか、奪わせてなるかと気勢強く。キャバリア用パイルバンカーの、ブラスティングリボルブパイルバンカーを持ち前の怪力で構えると、自身の超常、ユーベルコードを発動。
 そして、疾走。周囲に満ちる、黒く澱んだ何かを翼の如く引き連れながら、一人の竜人と、無数の機械竜が激突する!
 機動殲龍『戦火』たちの赤く輝く双眸が凌牙を認識した瞬間、咆哮にも似た唸りを機関が叫ぶ。それは波の如く波及し、数多の『戦火』が凌牙へ視線を向け、破壊すべき目標へと、後先考えないオーバーキル以上の攻撃を撃ち込まんと命ともいえる機関が輝き。

「その身に過ぎた穢れを纏えば、ただ存在するだけで不幸を引き起こす――今ここにいるのは俺じゃねえ、"災厄そのもの"だ」

 攻撃するために踏み込んだ脚部が、地面に沈んだ。

「ッ!?!?」

 局地的な地盤沈下。足が沈み、体勢が崩れた『戦火』が放った九連続攻撃は周囲にいる同型機たちを撃ち抜き破壊する。その同型機たちも、局地的な災害によって狙いも攻撃もバラバラになり、自軍へとさらなる被害の拡大をもたらす。
 ユーベルコード【喰穢】禁呪《不幸の呼び水》。周囲の穢れを喰らい、視認した対象へ局地的な災害で攻撃する。長らく戦乱の地であるこの戦場は、濃い穢れに満ちている。
 そして、敵は数は多く、思考は単純、配慮も無用とあれば。懐に飛び込み、巻き込むことさえできれば。あとは、自壊自滅の同士討ちである。
 しかし、機械竜たちは止まらない。真っ当に狙えないなら、どうするか。

「っと、滅茶苦茶だな!」

 構わない、当たるまで撃ち続けるだけである。出鱈目に攻撃を続ける敵の軍は、味方も構わず破壊し、砕き、暴れまわる。
 凌牙は飛んでくる破片や砲弾等を直感で避け、パイルバンカーで受け止め、爆風で転がされても痛みに耐えて立ち上がり走る。
 懐へと飛び込めば、攻撃はさらに苛烈になる。踏みつけ、噛みつき、尻尾を振り回し叩き潰そうとする攻撃をスライディングで避ければ、外れた攻撃が隣の『戦火』を砕く。右に走る、と見せかけ左へと走るフェイントを行えば、たやすく引っかかり見当違いの方向へ攻撃し味方を破壊する。
 群れは乱れ、爆風が吹き荒れ、破壊が踊り、戦場は闘争へと狂っていく。
 同士討ちにより多くの機械竜が破砕したが、それは氷山の一角に過ぎない。敵を求め、新たな『戦火』が続々と集まりつつあった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーゼロッテ・エアクラフト
デカい龍だな…まぁ倒すんだが
キャバリアあるけど出すのもなぁ…ってのはあるし
あんだけデカいなら攻撃も当たるだろうからここは

焼くか。まぁ相手も敵を発見し大攻撃してきそうだから遠距離から燃やし尽くしていくとして攻撃が当たり次第一旦全力退避して様子見していこう

相手を倒しきれそうならそのまま続行、無理そうならば弱るまで逃げる。
キャバリアじゃない生身での戦闘なら遮蔽物は大量にあるから直撃は防げるだろうし地の利を生かしていこう


ホワイト・キャスター
恐竜だったか?いまいち私にはわからねぇセンスだな。

無人機らしく自壊を恐れないし仲間を意識も無いね…ハッ、それは都合が良いじゃねぇか
つまりは混戦に持ち込めば味方が居ようとレーザーやらミサイルやらドカドカと射って同士討ち誘えるってことじゃねぇか。弾代が浮いてラッキー♪

アルジャーノンエフェクトを使って攻撃を避けながら混戦に持ち込み同士討ちを狙う
味方も関係なしってことだったがジャミングを使って敵の識別信号を描き乱してやろう

死にかけの機体は質量剣で止め刺して
片付いたらアルジャーノンを解除、昏睡しちまうが、スクラップに紛れてれば大丈夫だろう
なぁに、次の戦闘までには起きるさ

【アドリブや絡みOK】


ルイン・トゥーガン
へぇ、恐竜型無人キャバリアねぇ?
なかなか面白いじゃないかい
だが、アタシにとっては好都合だねぇ?
無人かつ場所は複数国家の係争地、いっそ綺麗に均して汚染した方が平和になってものだろうさね
さて、アマランサス・マリーネ。ルイン出るよ!

ふん、所詮は無人兵器さね。狙いはいいが、それだけに予測しやすいもんさ
スラスター吹かして地表を滑るように機動して、翻弄してみせるよ
敵陣強襲なんて強襲型のマリーネとアタシには慣れたもんさね
敵陣中央に向かって肩の二連装中型ミサイルポッドに装填してある【禁止兵器(ニュークリア・バイオ・ケミカル・ウェポン)】のN弾頭、核弾頭ミサイルをぶっ放すさね!
ハハッ!特務隊時代を思い出すねぇ!


メアリーズ・エリゴス
アドリブ絡み歓迎

無人キャバリアですか、詰まりせんね
いえ、わざわざパイロットを生かす必要もないのなら
うふふ、思う存分に壊(アイ)せますね!
では存分に楽しみに逝きましょう、ロートガル

機械制御というのは無機質で殺気が読みづらいですね
まぁロートガルの機動性ならロックオンから振り切れるでしょうし、多少の被弾も問題はないとは思いますが……
でも、許せないですね。ただ私に快楽(アイ)を与えるだけの玩具の分際でぇ!
地表を高速で滑りながら撃ちまくりますよぉ!
きひっ、ひひっ……くひっ、うふふっ!あはは!
さぁ!私の破壊(アイ)を受け取ってくださいねぇ!
ぐっちゃぐちゃのバッラバラにしてあげますからねぇぇぇ!アハハハハ!


大豪傑・麗刃(サポート)
基本右手サムライブレイド(固定)、左手フライングシャドウか脇差(にしては大きすぎるバスタードソード)の二刀流。スーパー変態人時は右サムライブレイド+フライングシャドウ、左バスタード+ヒーローソードの四刀流。なんらかの原因でそれらを持っていなければ適当に。
大軍を前にいろいろ考えるが結論は「全員やっつければ(斬れば)いいのだ!」

ユーベルコードは基本MS様にお任せしたいが、決まらなければ下記参照

ネタ可なら
最優先はネタキャラとしての矜持
精神攻撃より直接ダメージというなら鬼殺しか変態的衝動
変化球ならギャグ世界の住人か爆発オチか自爆スイッチ

ネタ不可なら剣刃一閃
それが集団戦に適さないと判断ならスーパー変態人



 荒れる戦場に響くは爆炎、砲口からは絶えず砲弾とビームが吐き出され、空をミサイルが飛び交う。闘争に満ちた荒野に、新たな猟兵たちが参戦する。

「デカい龍だな……まぁ倒すんだが」

 キャバリアあるけど出すのもなぁ……と遠方より敵軍を見渡すのはリーゼロッテ・エアクラフト(混ざりものの『アリス』・f30314)。

「恐竜だったか? いまいち私にはわからねぇセンスだな」

 型落ちした量産型キャバリアに現地改修を繰り返し施した機体ブルーフォッグを駆るホワイト・キャスター(バイク乗りの掃除屋・f24702)。

「へぇ、恐竜型無人キャバリアねぇ?」

 なかなか面白いじゃないかい、とアマランサス・マリーネのコックピットで獰猛に笑うのはルイン・トゥーガン(B級戦犯指定逃亡者・f29918)。

「無人キャバリアですか、詰まりせんね。いえ、わざわざパイロットを生かす必要もないのなら……」

 うふふ、思う存分に壊(アイ)せますね! と紅のキャバリア、ロートガルに乗る少女、メアリーズ・エリゴス(生体CPU・f30579)。

「全員やっつければ(斬れば)いいのだ!」

 単純にして最適解を叫ぶ二刀流の大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)。
 キャバリア三機と二人。戦場に現れた敵へ、『戦火』の群れが無機質な殺意を向ける。
 だが猟兵たちは怯むことなく、各々突入していった。

「あんだけデカいなら攻撃も当たるだろうからここは、焼くか」

 まず先手をとったのはリーゼロッテだ。遠方より杖を敵に向け、唱える。

「心火を燃やし燃え盛れ、灯火。揺らぎ、焦がし、焼き尽くし、広がり、喰らい尽くせ、小さき炎よ」

 戦意で高ぶる心のまま、唱える言葉でさらに激しく熱を増し、それは67の炎として顕現する。
 ユーベルコード燃え盛る心火。感情、心の昂ぶりを炎に変えて放つ力。術者たるリーゼロッテの意のままに動く炎の群れは、瞬く間に機械竜たちへ襲い掛かった。
 ただの炎ならばどうということも無いが、超常によって生まれた炎は、金属の胴、腕、足を溶かし、武器を飴細工の如く融解していく。

「倒しきれ、なさそうだな……けど、そのまま続行だ」

 どれほど燃え、溶け、焼かれようとも機械竜はものともしない。むしろ自壊しようとも破壊し殺戮せんとより凶暴に、全武装の封印を解き放ち暴れまわる。
 本来は倒しきれるなら続行し、無理そうなら弱るまで逃げるなり様子見するつもりだったが、今は他の猟兵がいる。彼ら彼女らの行動を見たリーゼロッテは、このまま攻撃を続行することを選択した。
 残骸はそこら中にあるため遮蔽物には困らない。逃げるも隠れるもたやすいだろう。
 そして、また新たな炎を生み出し、指揮者のように杖を振って敵へと放ち。
 融解した『戦火』が全武装を解き放とうとして、その首を叩き潰される。

「無人機らしく自壊を恐れないし仲間を意識も無いね…ハッ、それは都合が良いじゃねぇか」

 煙狼でジャミングし、識別信号を乱して接近したブルーフォッグは、炎で弱った敵をrusty swordで叩き潰し切っていく。

「つまりは混戦に持ち込めば味方が居ようとレーザーやらミサイルやらドカドカと射って同士討ち誘えるってことじゃねぇか。弾代が浮いてラッキー♪」

 上機嫌にタバコを咥えたホワイト。懐に飛び込まれていたことに遅まきながら気付いた『戦火』は周囲に構わず全武装を放つ。ジャミングで視界も敵味方識別も効かないが気にもしない。
 攻撃を受けて生き残った機体もまた、同様に無茶苦茶な攻撃を繰り出す。一気に連鎖していく同士討ちの中を、ブルーフォッグが駆ける。
 脳の演算速度を増強し、10秒間全能力を六倍にしたホワイトの驚異的な操縦が、弾幕の嵐を駆け抜けることを可能にする。
 型落ちとは思えない、ブルーフォッグの機動と的確な回避が同士討ちを拡大し、死にかけの敵を質量剣で叩き潰す。
 今だ死なず動く猟兵を、生存者を殺し尽くすまで止まらない機械竜は狙い、撃ち、攻める。
 そのすべてが、ただ味方を破壊するだけとなる。
 最後にジャミング効果のある濃霧を展開し、爆炎に紛れ戦場をすばやく離脱。もはや数える気も起きない数のスクラップに紛れる。単騎ならば一帯ごと破壊されかねないが、他の猟兵が暴れている現状、そちらへ矛先が向く。

「なぁに、次の戦闘までには起きるさ」

 アルジャーノンエフェクトが解除され、ホワイトは昏睡した。次に起きるのは1分後。その時には、機械竜は殲滅されているだろう、と予想して。

「では存分に楽しみに逝きましょう、ロートガル」

 紅の重キャバリアが、モノアイを輝かせ戦場を滑るように飛ぶ。別世界スペースシップワールドの技術を投入した試作キャバリアは、その性能を存分に発揮する。
 見た目からは想像もできない速度で動き、BSロングビームライフルを連射して『戦火』たちを鉄屑に変えていく。

「機械制御というのは無機質で殺気が読みづらいですね」

 圧倒的な機動性でロックオンを振り切ってはいるが、なにせ数が多い。敵は多く攻撃も九倍になって放たれればいくら避けれても被弾は発生する。重装甲ゆえに大したダメージにはならないが……。

「でも、許せないですね」

 メアリーズが呟いた時、彼女の雰囲気がどろりとした重く、澱んだものに変わっていく。いや、露になっていく。

「ただ私に快楽(アイ)を与えるだけの玩具の分際でぇ!」

 狂気を孕んだ叫びとともに、ロートガルが空気の壁をぶち抜き高速を超えて飛ぶ。スラスターが爆発したかのように炎を吹き、地表を滑りながら全身の火器を撃つ。
 出鱈目に見える動きは、しかし確実に機械竜を壊し、砕き、破り。反撃を避け、撃たせず、撃ち落す。

「きひっ、ひひっ……くひっ、うふふっ! あはは! さぁ! 私の破壊(アイ)を受け取ってくださいねぇ! ぐっちゃぐちゃのバッラバラにしてあげますからねぇぇぇ! アハハハハ!」

 無機質な破壊を、狂気の暴力がねじ伏せる。戦場を翔けるは彗星の如く。爆風の尾を引き、閃光が敵の群れを囲っていく。

「無人かつ場所は複数国家の係争地、いっそ綺麗に均して汚染した方が平和になってものだろうさね。さて、アマランサス・マリーネ。ルイン出るよ!」

 スラスターを吹かせ、メアリーズとは別方向から突入したルイン。こちら側はまだ被害が少ないのか、多数の『戦火』がいる。
 機械竜たちはルインとアマランサス・マリーネを認識すると、戦場の闘気を纏い、口から長距離レーザーを放つ。砲口が溶け、自壊しかけるほどの出力は当たればどんな防御も貫くだろう。

「ふん、所詮は無人兵器さね。狙いはいいが、それだけに予測しやすいもんさ」

 的確な操縦、スラスターを吹かし、地表を滑るように動き、回避。機械ゆえに精密だが、熟練のパイロットであるルインにとってはむしろ、狙いがわかりやすく避けやすい。
 何発撃とうが当たりはしない。むしろ翻弄され、ただ自壊を早めるだけだ。
 
「敵陣強襲なんて強襲型のマリーネとアタシには慣れたもんさね」

 各種武装を使い分け、撃墜スコアを稼ぎ、追い込んでいく。獲物を囲み、誘導する獅子か狼の如く、機械竜たちは気づくこともなく誘われる。
 いや、例え気づいていたとしても、何もできることはなかっただろう。
 そうして敵を纏め上げ、さらに他の猟兵が離脱した瞬間を逃すことなく、アマランサス・マリーネはわずかに飛び上がりながら肩に装備しているRS-S二連装中型ミサイルポッドからミサイルを、敵の群れの中心へと放つ。
 一方、麗刃は『戦火』を切り捨てながら陣の中央に到達していた。
 そして、刀を納めると、スイッチを取り出し、迫るミサイルを見つめる。
 そして、直撃の瞬間。

「ポチっとな――」

 自爆スイッチを押す。その顔は穏やかだった。
 同時、ミサイル着弾。閃光、爆発、衝撃。視界を埋め尽くし、凄まじい熱が吹き荒れ、戦場を焼き払い、過剰にもほどがある爆発、爆風、爆炎の大連鎖。真上に飛んで行く麗刃。
 放たれたのは【禁止兵器(ニュークリア・バイオ・ケミカル・ウェポン)】のN弾頭、核弾頭ミサイルである。通常の戦争で使うのはよろしいものではないが、今回相手は無人機のうえ、文句は言わせない許可はとってあるので問題ない。

「ハハッ! 特務隊時代を思い出すねぇ!」

 ルインは笑う。すべてが収まったとき、戦場に『戦火』の姿は無く、機械恐竜は絶滅となっていた。
 だが、闘争は終わりではない。戦場の奥には、重厚なキャバリア軍が盾を並べて横一列に隊を作り、その後方には巨大な要塞型キャバリアが鎮座しているのだから。
 なお、麗刃は「殲禍炎剣ホーリー・グレイル」によって撃ち落され、地面に突き刺さっていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『ドッグ』

POW   :    突撃
【盾を利用した加速】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【斜面や狭所など地形】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    D2エンジン起動
自身に【動力炉のオーバーロードによる熱気】をまとい、高速移動と【エネルギー屑】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    マイナーチェンジ
【更なる装備を重ねたキャノンモード】に変形し、自身の【移動能力】を代償に、自身の【攻撃力と射程距離】を強化する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●破壊せよ

 横一列に隊を組み、盾を構え、脚の履帯による無限軌道にて全身する重厚なキャバリア『ドッグ』。
 先のと同じ無人機だが、こちらは統率がとれている。親衛隊なのだろうか、性能は恐竜型とは異なり、防御を重視した設計になっていて、知能も上のようだ。
 だが、積極的に攻めてくる様子は無い。戦線をゆっくりと押し上げながらも、受け身の姿勢である。そこに、つけ入る隙があるはずだ。
メアリーズ・エリゴス
アドリブ絡み歓迎

また無人キャバリアですか
つまり、また好きなように破壊(アイ)していいということですね!
そして今度は先の恐竜型より頑丈なようで、本当に破壊(アイ)し甲斐がありそうですね!
ふふ、うふふっ!……あぁ、我慢できません!
生体CPU用薬物を投与して【オーバードーズ】状態になります!
くひっ!……きひひっ、いひっ!あっ、あああぁぁぁぁ~!キキますねぇぇぇぇっ!!
うふふ、ひひっ!今なら、思う存分に破壊(アイ)し尽くせますねぇぇぇぇぇぇ!!
強化された超感覚による機動と、強化された念動力の影響で不可解なパワーアップしたビームで、破壊(アイ)して蹂躙(アイ)してあげて、快楽(アイ)を頂きますよぉぉぉ!



「また無人キャバリアですか」

 迫りくる『ドッグ』を見つめ、メアリーズ・エリゴス(生体CPU・f30579)は喜色の笑みを浮かべる。

「つまり、また好きなように破壊(アイ)していいということですね!」

 誕生日プレゼントをもらった少女のように、声は軽やかに跳ねる。

「そして今度は先の恐竜型より頑丈なようで、本当に破壊(アイ)し甲斐がありそうですね!」

 ロートガルは地面を滑るように飛び、その単眼はパイロットの意思を受け忙しく動く。

「ふふ、うふふっ!……あぁ、我慢できません!」

 ショッピングでどれを買うか迷い、結局すべて手に取るように、メアリーズは溢れる気持ちのまま薬物を己に投与した。
 専用の危険薬物を過剰ともいえるほどに使用し、サイキッカーの超感覚と念動の過剰強化状態に瞬く間に至る。それは明らかな【オーバードーズ】。すべてはただアイするために。
 EPサイコ・コントロール・システムがメアリーズの意思を受けとり、ロートガルを動かす。
 爆発音にも似た轟音が空気を叩き、跳ね上がった推力が機体を飛ばす。

「くひっ!……きひひっ、いひっ!あっ、あああぁぁぁぁ~!キキますねぇぇぇぇっ!!」

 伸し掛かるGすらものともせず、艶やかな狂笑でコックピットを満たし、けれど操縦は正確。
 その異常さを感知したかは定かではないが、『ドッグ』もまた自身の動力炉を自壊を厭わずオーバーロードさせ熱気を纏い、見た目からは想像もできない高速移動を開始した。
 あっという間に縮まる彼我の距離。

「うふふ、ひひっ!今なら、思う存分に破壊(アイ)し尽くせますねぇぇぇぇぇぇ!!」

 『ドッグ』が火器を構え、撃ち。エネルギー屑を放射して、道を阻まんとする。
 よりも、速く。BSロングビームライフルの引き金は引かれ、強化された念動力の影響で不可解なパワーアップしたビームで『ドッグ』を撃破した。
 火器や関節を狙った正確無比な一撃。堅牢なはずの『ドッグ』が紙を破るように分解される。
 纏まったところをBS-B大型ビーム砲が蹂躙する。高速で動く先を狙いすました偏差射撃。反撃されても強化された超感覚による機動により回避され掠りもしない。
 いかなる状況、状態でさえ精密な操縦を可能にするのは、まさに生体CPUとしてのメアリーズの性能に他ならない。

「破壊(アイ)して蹂躙(アイ)してあげて、快楽(アイ)を頂きますよぉぉぉ!」

 恋に恋する少女のように、熱に浮かされたメアリーズとロートガルにより『ドッグ』はアイされることとなった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーゼロッテ・エアクラフト
ふむ…相手はゆっくりと進軍してくるなら多少なりとこっちも時間稼ぎしてアドバンテージを確保するか

とりあえずガラスのラビリンス起動して否応なしに迷宮突破しないと戦闘開始できないように手回ししてから

どうやって攻撃するか考えるとして…まぁ味方戦力がある程度そろってるから各個撃破でいいだろうが

後々のことを踏まえてこの間にキャバリア取りに行くか



 リーゼロッテ・エアクラフト(混ざりものの『アリス』・f30314)は戦場を見渡し、ゆっくりと進軍する『ドッグ』たちを観察していた。

「ふむ…相手はゆっくりと進軍してくるなら多少なりとこっちも時間稼ぎしてアドバンテージを確保するか」

 『ドッグ』の行軍速度は遅い。重厚で、隊列を維持し、主であるオブリビオンマシンの速度に合わせているためだ。だからゆっくりとしか進めない。
 それを見抜いたリーゼロッテは、撃破ではなく時間稼ぎを選ぶ。
 
「とりあえずガラスのラビリンス起動して、否応なしに迷宮突破しないと戦闘開始できないように手回しして」

 フレイムハーツを地面に突き刺すと、『ドッグ』たちを分断するように出現するガラスの壁。広大な戦場を迷宮が飲み込む。
 迷路に閉じ込められた『ドッグ』は、当初は若干の混乱が見られたものの、無人機ゆえにかすぐに行動を再開、迷路を突破せんとする。
 その方法は、単純明快。迷路の破壊だ。
 足を止め、変形、更なる装備を纏い、キャノン砲を展開する。それぞれの場所で、分断された部隊が近場の数機で隊列を組み、ガラスの壁に向かって苛烈な砲撃を加え始める。
 迷宮全体を揺るがす衝撃と振動。ガラスが見えなくなる爆炎と煙。過剰ではないかと思える火力は、しかしガラスのラビリンスを破壊するには至らなかった。

「どうやって攻撃するか考えるとして…まぁ味方戦力がある程度そろってるから各個撃破でいいだろうが」

 そして、それを当然だと言わんばかりに気にも留めないリーゼロッテ。考えるのはこの後のことだ。

「後々のことを踏まえてこの間にキャバリア取りに行くか」

 そう呟くと、自分のキャバリアを取りに歩みだす。
 迷宮では、破壊不可能と理解した『ドッグ』たちが、出口を求めてさまよい始めていた。
 迷宮全体に散らばり、数は多いためすぐに出口は見つかるだろう。だが、そうして稼がれた時間は短くなく、猟兵たちが準備を整えるには十分なものであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

大豪傑・麗刃
死んだらどーする!!

サポートに拾ってもらったと思ったらいきなりひどい目にあったのだッッッ。まあ、これも何かの縁。いましばらくお付き合いさせていただくのだ。

とりあえず第1章でひどい目にあったストレスを、目の前の敵にエイトヒットアタックさせてもらうとしよう。

わたしは怒ったのだー!!!!!!

(スーパー変態人発動!)

さて敵の足は遅く、わたしが接敵するまでに時間があると。ならばその間、わたしは存分に気合をためさせていただくのだ。そして十分に戦闘力が上がった(?)ところで。

右手に刀2本!
左手に脇差(と呼ぶには大きすぎるバスタード・ヒーローソード)2本!
計4刀構え突撃し片端から全力叩きつけるだけなのだ!



 大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は悪戦苦闘していた。それはたやすく突破することがなかなかできない、困難であった。

「死んだらどーする!!」

 そして、やっと突き刺さっていた地面から体を引き抜いた彼は、虚空へと叫んだ。誰も聞いていなかった。

「いきなりひどい目にあったのだッッッ」

 サポートに呼ばれいざ戦場、と意気揚々と行った先での自爆。その鬱憤を込めて吠えた。

「まあ、これも何かの縁。いましばらくお付き合いさせていただくのだ」

 パンパン、と服や頭についた埃と土を払い、とりあえずさっきの戦いでひどい目にあったストレスを、目の前の敵にエイトヒットアタックさせてもらうとしよう、と決意。
 髪を逆立て、息を吸い、気合を入れて。

「わたしは怒ったのだー!!!!!!」

 ユーベルコード『スーパー変態人』発動! 麗刃の全身が金色に染まり、超常の力を纏う。気合が、怒りが、彼の戦闘力を増強していく。
 今回の相手は鈍足。隙をついて撃ってくることもないので、存分に気合をためることができる。
 そして、そろそろ喉とか姿勢が辛くなって十分に戦闘力が上がったかな? というところで。

「右手に刀2本!」

 右手の指に挟むようにして刀を2本構える。

「左手に脇差2本!」

 左手の指に挟むようにして脇差? を2本構える。果たしてこのバスタード・ヒーローソードを脇差と呼んでいいかは疑問だが。

「計4刀構え突撃し片端から全力叩きつけるだけなのだ!」

 どう形容すべきかわからない雰囲気を、地面を砕く踏み込みで一蹴し突撃。
 盾を構え、加速突撃してカウンターを図る『ドッグ』。
 衝突する両者は、呆気ないほど簡単に『ドッグ』が破壊される形で決着がついた。金色の輝きを宿したまま、滅茶苦茶に見えてものすごい剣技でもって敵軍を切り捨てていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルイン・トゥーガン
おっと、同じ無人機なのに今度のやつは動きがいいようだねぇ?
しかも重キャバリアのドッグ部隊とは面倒だねぇ
しくじったね、核ミサイルとはこっちに使うべきだったかもね
流石に二発目は放射能汚染が酷いことになるからやりたくないんだがねぇ
第一、もう1発は予備で使うつもりもなかったんだが……
本命の要塞型が動き出す前に、さっさと片付けたいし仕方ないね
まっ、この土地狙ってる小国家群にはオブリビオンマシンを恨んでもらうさね。此処が放射能汚染されるのはね
無限軌道とは機動力が違うよ、特に旋回性がね!
射撃しながら動き回って、連中が密集するように仕向けるよ
密集したらさっきとは逆のミサイルポッドから核ミサイルを撃ち込むよ!


清水寺・大牙
「どうにも戦場からは逃げられんな…それにこの空気、良く馴染む…」

「では行こうか『雪風』。お前との初陣だ、派手に行こう」
敵の射程外でキャバリアを召喚、そのまま機動力と防御力を信じて正面からの白兵戦を挑もう。
統率の取れた重量級が相手では下手な搦手は効果が薄いだろうからな

『鬼火』で周囲の敵を牽制しつつ狙った敵機にUC『斬鉄』を叩き込もう。攻撃回数を減らす代わりに攻撃力を上げてな。
敵陣に穴を開けるのが目標だ



 『ドッグ』は数を減らしながらも残存機体を集結させ再編成し、進軍を再開する。その圧力は最初より減ったとはいえ、十分に厚いものだ。

「おっと、同じ無人機なのに今度のやつは動きがいいようだねぇ?」

 それを遠方から観て呟くのはルイン・トゥーガン(B級戦犯指定逃亡者・f29918)。アマランサス・マリーネの望遠カメラを最大にして観察する。

「しかも重キャバリアのドッグ部隊とは面倒だねぇ。しくじったね、核ミサイルとはこっちに使うべきだったかもね」

 流石に二発目は放射能汚染が酷いことになるからやりたくないんだがねぇ、と難色を示す。第一、もう一発は予備であり使うつもりはなかった。しかし、本命の要塞型が動き出す前に、さっさと片付けたいのも本音だった。
 要塞型は『ドッグ』たちの奥に鎮座している影が見えている。だが、火力支援も行わず、遅々と進むばかりであり、その理由はわからない。

「どうにも戦場からは逃げられんな…それにこの空気、良く馴染む…」

 その時、横から声が聞こえる。視線を向けると、そこには紳士的なスーツを着た猟兵、清水寺・大牙(人食い虎・f06778)がいた。
 彼も気づいたのだろう、こちらを見る。お互いの視線がぶつかり、数秒の静止。
 そして、ふいに前を向く。そこに迷いはもはやない。それは、戦い馴れた者同士の意思疎通だった。

「仕方ないね。まっ、この土地狙ってる小国家群にはオブリビオンマシンを恨んでもらうさね。此処が放射能汚染されるのはね」

 ルインは肩をすくめ、アマランサス・マリーネを前進させる。

「では行こうか『雪風』。お前との初陣だ、派手に行こう」

 大牙もサイキックキャバリア、巨大甲冑『逸刀斎雪風』を召喚すると乗り込み、前進を開始する。
 二機のキャバリアが進み、もうすぐ敵の射程に入るところで二手に分かれた。アマランサス・マリーネは側面へと移動し、逸刀斎雪風はそのまま正面へ。
 大牙は乗機の機動力と防御力を信じて、正面からの白兵戦を挑む。

「統率の取れた重量級が相手では下手な搦手は効果が薄いだろうからな」

 盾を構える『ドッグ』。巨大甲冑用野太刀『零閃』を構える逸刀斎雪風。
 先手は逸刀斎雪風の自立型誘導兵装『鬼火』。名の示す通り、青白い鬼火のような浮遊砲台が周囲の敵を牽制するため攻撃開始。盾を掲げて防ぐ敵。そのうちの一機に、狙いを定め。

「斬れるかどうかではない…斬る、それが答えだ」

 刀技『斬鉄』を叩き込む。要るのは数ではなく一刀の鋭さ。袈裟に断ち切られた『ドッグ』の断面は、揺らぐことのない水面のよう。
 さらに闘気を吸い推力に変換し、闘気変換型推進力増幅装置『寿光』により急加速、踏み込み。逆袈裟に二機目を切断。
 陣に穴を開けていく逸刀斎雪風と大牙に、『ドッグ』は脅威を感知し囲んで圧殺せんとする。盾を向け、加速しようとした時。

「無限軌道とは機動力が違うよ、特に旋回性がね!」

 アマランサス・マリーネの構える、BSビームアサルトライフルの射撃がスラスターを直撃。いくら重厚とはいえ装甲できない部分に攻撃を受ければ、大ダメージは免れない。
 正面に捉えようと旋回する『ドッグ』だが、アマランサス・マリーネの方が速い。ルインは背部のサブアームにRSダブルサブマシンガンを持たせ、さらに弾幕を濃くする。
 中央を切り進む大牙と、外周から削り進むルイン。両者からの攻撃に『ドッグ』はすぐさま対応する。中央側は大牙を囲み、外周側はルインへと対するべく、行動を開始。
 徐々に、陣形が動き、誘導されていく。

「そろそろだねぇ」
「そろそろだな」

 奇しくも大牙とルインの呟きが重なる。
 そして、逸刀斎雪風が中央を突破しまっすぐ駆け抜け、アマランサス・マリーネと合流する。後ろに視線だけ向ければ、『ドッグ』たちは密集していた。
 ルインはにやり、と笑い。罠に嵌った獲物へと、最初とは逆のミサイルポッドから核ミサイルを発射、着弾。
 閃光、衝撃、爆風。熱、炎。いかな『ドッグ』とはいえ、核に耐えれるようなものではなく。煙が晴れた時には、跡形もなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『Fortress』

POW   :    要塞からの火力支援
【背部に背負った多連装ミサイル】が命中した対象に対し、高威力高命中の【同じく背部に背負った主砲】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    要塞への接近阻止
【足の間】から【重機関銃の乱射】を放ち、【弾幕】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    要塞による掃討
【両腕のグレネードランチャー】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠フォルティナ・シエロです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●勝利せよ
 ついに辿り着いた要塞型キャバリア『Fortress』。
 それはキャバリアに乗ってなお見上げる巨体。通常の倍近いサイズを誇り、武装も装甲も相応に強力。
 一歩踏み出すたびに、兵器の残骸を踏み潰し、大地を揺らがせる。『Fortress』は頭部を猟兵たちへと向ける。

『進軍せよ』

 スピーカーから繰り返し漏れ出る声は、オブリビオンマシンに洗脳されたパイロットのものだ。

『破壊せよ』

 込められているのは闘争と戦争を求める狂気と執念。

『勝利せよ』

 全身の火器を猟兵へと向け、最後の戦いが始まる。
地籠・凌牙
【アドリブ連携歓迎】
ジャイアントキャバリアやスーパーロボットの何倍でかいんだコレ!?
ンなもんで国が襲われちゃひとたまりもなさすぎんだろ、最初の奴といいトンデモな奴ばっかだな……
さっさとぶっ壊して終わらせねえと!

ミサイルがぶつかったらそのまま主砲まで飛んでくるとなるとそうだな……【指定UC】で黒竜を召喚して乗って戦うぜ。
最初の戦闘で既にもう全身穢れで真っ黒だからな、攻撃は自然とこのデカブツに【おびき寄せ】られるハズ。
【ダッシュ】と【第六感】で攻撃を回避しながら周回、黒竜の力で"相手にとっての災厄"を呼び寄せる!
てめえ自身のミサイルと主砲で自爆しやがれ!



「ジャイアントキャバリアやスーパーロボットの何倍でかいんだコレ!?」

 地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)の叫びが空へと消えていく。直に目にしてわかる、距離感の狂いそうになるほどの巨体。目測で測っても、通常のキャバリアの倍以上は確実。まして、人間とのサイズ差はゾウとアリだ。

「ンなもんで国が襲われちゃひとたまりもなさすぎんだろ、最初の奴といいトンデモな奴ばっかだな……」

 もしも『Fortress』が国に到達すれば、瞬く間に国は火の海と化すのは想像に難くない。

「さっさとぶっ壊して終わらせねえと!」

 気を吐き、力を込めて地面を蹴り、疾走。接近する凌牙を『Fortress』が見る。動き出すミサイルハッチと主砲。
 攻撃まではもう間が無いが、彼我の距離は遠い。

「ミサイルがぶつかったらそのまま主砲まで飛んでくるとなるとそうだな……」

 地を走っては敵の砲が先に火を噴くならば。

「さあ、来いッ!」

 空を飛び、より速く翔け抜けるまで。
 凌牙のユーベルコード【喰穢】黙示録の黒き竜が発動。穢れを喰らう黒き竜性が、凌牙の約1年分の幸せに生きることができる時間を代償に黒竜の形となって実体化し、その背へと乗る。ブラックジャケットを風に靡かせ、『Fortress』へとさらに接近する。

『破壊せよ……!』

 だが『Fortress』も見てるばかりではない。空を行く黒竜と凌牙へと照準を修正すると、背中の多連装ミサイルを一斉発射する。空気の抜けるような音とともに射出されたミサイルは、煙の尾を引き無数の魚群の如く目標へと殺到する。
 さらに続けて主砲も発射され、空気を切り裂き砲弾が迫る。

(最初の戦闘で既にもう全身穢れで真っ黒だからな)

 黒竜は翼を羽ばたかせ攻撃を左右へ回避。追尾してくるミサイルをロールしながら急降下してやり過ごし、上昇気流に乗って高度を稼ぐ。

(攻撃は自然とこのデカブツにおびき寄せられるハズ)

 『Fortress』を中心に周囲を飛びながら集中する。一歩間違えれば巻き添え、最悪は撃墜だ。
 修正された偏差砲撃が凌牙を襲う。力強く羽ばたき、急加速して回避、滑るように横へ。数発のミサイルが通り過ぎ、風が頭のバンダナを震わせる。
 そして、その時は来た。凌牙の勘が告げている。
 今だ、と。
 
「てめえ自身の!」

 黒竜は大きくターン、『Fortress』へと突っ込む軌道をとった。
 後ろに多くのミサイルを引き連れ、まっすぐに向かってくる目標へ、『Fortress』は冷静に主砲を放つ。
 それを体を傾け翼を折り畳むことで紙一重で回避しつつ加速。凌牙の鋭い眼光が敵を睨む。牙を剥く。ミサイルが追いつく。装甲が迫る。
 そして、『Fortress』の頭部の横、ギリギリの隙間を潜り抜けた。

「ミサイルと主砲で自爆しやがれ!」
『勝利、せ!?」

 無数のミサイルが『Fortress』を直撃し、雨音のように連続して爆発が響く。さらに“運の悪いこと”に真上から砲弾が人型部分の背中へと落下、着弾。一際大きな爆発が起こった。それを背中で聞きながら黒竜は上昇する。
 黒竜の"相手にとっての災厄"を呼び寄せる力。それにより、『Fortress』にとっては不運にも攻撃が当たらず、自身へと返ってくる結果を招いた。
 距離をとった凌牙は相手を見る。
 煙が晴れた時、装甲のあちこちが焦げ、ダメージを受けつつも健在の『Fortress』がいた。兵器は、自分の攻撃に耐えられることを基準に製造されるという。ゆえに『Fortress』が健在なのはおかしいことではない。だが、ダメージはある。

『進軍、せよ』

 事実、音声には若干のノイズが混じっていた。敵は堅牢強固なれど完全無敵に非ず。攻撃し続ければ破壊できるのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーゼロッテ・エアクラフト
…でかいな。いやこれキャバリアである必要性あるのかってくらいだ。
恐らくキャバリア部分つけてこれはキャバリアですと他国に対してアピールした感じか

さて…どうするかね?
まぁ攻撃しないと始まらないだろうが物凄く嫌な予感もするんだよなこれが。
弾幕が飛んできそうだからUCを使ってとりあえずミサイルを後退させようか
多分あのミサイルが当たった相手に向かってとんでもない威力の攻撃が飛んできそうだしな…まぁそれでも後手に回るだけでじり貧になるからどこかで突破口開いて敵の武装破壊に持ち込めればいいが…

いざとなったら相打ち覚悟でゼロ距離からぶち込むか…?


清水寺・大牙
(アドリブ、絡みは歓迎です)

「良いじゃないか、あれ位のデカブツの方が切り伏せ甲斐がある、ってものだ」

古来孤立した要塞、護衛の無い戦艦は崩れ去るものだ…改めて証明しよう

「行くぞ、『雪風』。大将首だ。俺達で貰い受けよう」

あれだけの図体だ、小回りは利くまい。その為の護衛であり、武装なのだからな。
故に此方も出し惜しみはしない。
各種装備全力稼働して一気に間合いを詰め、UC『斬鉄』を食らわせるのみ…だ
『寿光』の【ダッシュ・残像】で撹乱しつつ接近
躱せない時は『金剛』の【オーラ防御・武器受け・カウンター】で耐え
近づいたらUC『斬鉄』で回数を減らして攻撃力を上げて切り伏せる



「…でかいな。いやこれキャバリアである必要性あるのかってくらいだ」

 キャバリアに搭乗して戻ってきたリーゼロッテ・エアクラフト(混ざりものの『アリス』・f30314)は、要塞型を見て呆れる。

「恐らくキャバリア部分つけてこれはキャバリアですと他国に対してアピールした感じか」

 この土地で巻き起こる戦乱の長さと激しさの一端。政治的事情はともかく、問題は攻略法だ。下手につつくと物凄く嫌な予感がするものの、攻撃しなければ始まらないのも事実。

「さて…どうするかね?」

 いざとなったら相打ち覚悟でゼロ距離からぶち込むか…? と考えだしたところで、後方から一機のキャバリアが飛翔し、並び立つ。

「良いじゃないか、あれ位のデカブツの方が切り伏せ甲斐がある、ってものだ」

 清水寺・大牙(人食い虎・f06778)と彼のキャバリア巨大甲冑『逸刀斎雪風』である。
 
「では、任せよう」

 告げると、リーゼロッテはキャバリアを前進させる。
 それを聞き、大牙は虎の如き笑みを浮かべ、闘気が高まる。

「行くぞ、『雪風』。大将首だ。俺達で貰い受けよう」

 闘気変換型推進力増幅装置『寿光』に闘気が注がれ、推進力に変換される。大牙の呼びかけに応え、逸刀斎雪風は一息に地を駆け空を飛ぶ。

『進軍、せよ』

 残像を残しながら接近する機体へと『Fortress』は多連装ミサイルを放つ。射出されたミサイル群は白煙を描きながら逸刀斎雪風へと降り注ぐ。
 
「これより放つは戦いを強いられた獣達による勝利のための四重奏、とくと聞け。そして怯えろ」

 リーゼロッテの詠唱に応え、鶏、猫、犬、ロバの四匹の獣が召喚される。獣たちはミサイルへ同時に強烈な音波を放つ。
 四獣の音楽祭による音の突進はミサイルを後退させる。押し戻されたミサイルは失速し、後方のミサイルと接触し起爆。さらに五本のビームが残ったミサイルを撃ち、誘爆を繰り返し、一発も目的を果たさず空中で塵となった。

「まぁこんなものだろう」

 キャバリアの指からBS-A5連装粒子ビーム砲を放ったリーゼロッテは、後は任せたとばかりに大牙を見送る。
 道が開けた大牙は、礼とばかりに一つ頷き、まっすぐに全力で走り抜ける。

「古来孤立した要塞、護衛の無い戦艦は崩れ去るものだ…改めて証明しよう」
『破壊、せよ』

 距離を詰めつつある逸刀斎雪風に、『Fortress』は危機感を覚え、近接防御用の重機関銃を放ち弾幕を張る。

「あれだけの図体だ、小回りは利くまい。その為の護衛であり、武装なのだからな」

 巨大であることは重くなることと同義だ。重くなれば移動は遅くなり、旋回性を始め小回りは悪化する。すなわち、死角が増え、不意を受けやすくなる。
 それを防ぐための護衛と重武装。だが護衛はすでに全滅し、武装類も懐に飛び込まれれば活かすことはできない。
 闘気変換型防御障壁発生装置『金剛』により弾幕を防ぎながら突き進む逸刀斎雪風。

「故に此方も出し惜しみはしない」

 『Fortress』にもはや止める術無し。
 巨大甲冑用野太刀『零閃』を構え、逸刀斎雪風は大牙から闘気を存分に吸い上げ出力へと変換。
 これまでの推力と加速を、強烈な踏み込みにより斬撃に乗せる。
 
「切り伏せる」

 刀技『斬鉄』。零閃を振り抜いた逸刀斎雪風はすばやく離脱。振り返ることはない。
 追撃しようとした『Fortress』は、しかしそれは叶わなかった。

『!?』

 次の瞬間、右の前脚が膝から切断され、右の腕、右のミサイルポッドが滑らかな断面をさらしながら地へと落ちる。
 まさに一刀両断。バランスを崩しかけた『Fortress』はすばやく復帰し、三本になった脚部で立つ。
 着実に重なるダメージ。要塞は揺らぎつつあり、崩落までもはや遠くないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メアリーズ・エリゴス
くふ、くふふ!
これは規格外なキャバリアですね!あぁ!破壊(アイ)しがいがあります!
あぁ、流石に主砲を受けたらロートガルでも持ちそうにありませんね
うふふ、ひひっ!あぁ!あぁ!このひりつくような興奮と快楽(アイ)!玩具相手では感じられない殺意!たまりません!
アナタの殺意(アイ)には、私もとびっきりの殺意(アイ)で答えなければ!
さぁ!私の殺意(アイ)を形にして表現しましょう、ロートガル!
殺意(アイ)の念が、赤い光となって立ち昇り敵を拘束します!
受け取ってください、これが私の愛。そう、私が、壊(アイ)してあげますよぉぉぉ!!
私の念で異常強化されたBS-B大型ビーム砲を収束して放ちますよぉぉぉ!


大豪傑・麗刃
第1章で殲禍炎剣とやらにやられてひどい目にあったわけだけど。今からやる行動も、もしかしたら撃ち落されちゃうかもしれないという。
まあ、そんときゃそんときつーことで。

さて。
先刻スーパー変態人を使ったわけだから、当然次に来るのは、こうなると。

わたしは超怒ったのだー!!!!!

(スーパー変態人2発動!!)

敵さんはミサイル撃ってくるらしい。だがわたしの飛行速度からすれば止まっているも同然、簡単によけられると思いたい頼むそうあってくれ。
ミサイル回避したらそのまま光の矢と化して真正面……無理そうなら背後から全力で敵に突っ込み思い切り貫く!それまでの間は殲禍炎剣とやらも昼寝しててくれるだろう頼むそうあってくれ。


ルイン・トゥーガン
デカブツだねぇ、これで本当にキャバリアに分類されるのかい?
チッ、こんなデカブツだとコクピットを殺るのが一番なんだろうが、パイロット生きて引き摺り出さなきゃいけないのが面倒だねぇ

見たところ武装配置に偏りがあるねぇ、それに運動性は無いも同然に見えるねぇ
なら、単純だけど後ろに回るのが良さそうだねぇ
アサルトスラスターの機動性を生かして、後ろに回り込むさね
重機関銃での弾幕やグレネードの掃射があるだろうがジグザグに機動して避けるさね
ビームアサルトライフルとサブアームのサブマシンガンの合計3門での射撃でグレネードを空中で撃ち落とし、機銃も一つずつ潰していくよ
後ろに回り込めたら関節や武器を狙い撃っていくさね!



 脚部を一本失い、右側面の武装を喪失した『Fortress』だが、偏った重心を再計算、修正し立ち直る。要塞型というだけあって、ダメージコントロールもよくできてるらしい。

「くふ、くふふ! これは規格外なキャバリアですね! あぁ! 破壊(アイ)しがいがあります!」

 メアリーズ・エリゴス(生体CPU・f30579)は恍惚の表情で敵を見つめる。

「殲禍炎剣とやらにやられてひどい目にあったわけだけど。今からやる行動も、もしかしたら撃ち落されちゃうかもしれないという。まあ、そんときゃそんときつーことで」

 楽観的かつ気楽に言ってのけるのは、キャバリアに乗っていない大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)。

「デカブツだねぇ、これで本当にキャバリアに分類されるのかい?」

 コックピットを殺るのが一番なんだが、パイロットを生かす必要があるため面倒だと舌打ちする、ルイン・トゥーガン(B級戦犯指定逃亡者・f29918)。
 三者三様の反応をしながらも、やるべきことは心得ている。
 
『進軍せよ……!』

 『Fortress』の主砲が放たれ、それを三方に散って猟兵たちは行動を開始する。

「あぁ、流石に主砲を受けたらロートガルでも持ちそうにありませんね」

 キャバリアとして重装甲ゆえに頑丈なロートガルでも、主砲が直撃すれば大破は確実。大出力ゆえの高機動でまず当たることはないだろうが、相手の武装は主砲だけではない。
 独特の音を残し、無数のミサイルが空を飛ぶ。半分に減ってなお、戦場を面制圧可能な数。
 BSロングビームライフルを連射して一部を撃ち落し、滑るように移動して回避し、爆炎で炙られながら駆け抜けていく。装甲の上から熱を感じる錯覚、ひりつく死線、凍るような殺意。

「うふふ、ひひっ! あぁ! あぁ! このひりつくような興奮と快楽(アイ)! 玩具相手では感じられない殺意! たまりません!」

 そのすべてがメアリーズにとっての快感にして悦楽。艶やかに声を荒げ、だが操縦は正確無比。

「アナタの殺意(アイ)には、私もとびっきりの殺意(アイ)で答えなければ! さぁ! 私の殺意(アイ)を形にして表現しましょう、ロートガル!」

 彼女の感応にロートガルがより機敏に動く。ミサイルの爆発をBGMに、紅が舞い踊り、魅入られ惹きつけられるように攻撃が集中する。
 その隙を逃さず、一機のキャバリアが駆ける。

「単純だけど後ろに回るのが良さそうだねぇ」

 ルインとアマランサス・マリーネだ。これまでの戦闘から武装の偏りと、運動性が無く鈍重なのを見切った彼女は、EPアサルトスラスターを噴かし『Fortress』の背後へと回り込もうとする。

『破壊せよ!』

 だが『Fortress』もやすやすと許しはしない。残った脚部の近接防御機銃が稼働し、左腕のグレネードランチャーも狙いをつける。
 
「甘いんだよ!」

 アマランサス・マリーネが加速する。強襲こそルインとアマランサス・マリーネの本領。ジグザグな機動で弾幕掃射を回避し同時に反撃。
 手に持ったBSビームアサルトライフルと、サブアームで構えたRSダブルサブマシンガンの三門の銃が一斉に発射。銃口を向けた一瞬でグレネードを空中で撃ち落し、機銃を破壊すると次の機銃へ。三門がまるで別の生き物のように動き、狙い、撃ち抜くスナイプ・ショット。

「はん、この程度は軽いもんさね」

 次々と武装を剥ぎ取られていく『Fortress』。その正面に侍(?)が一人。

「わたしは超怒ったのだー!!!!!」

 麗刃の纏う金色のオーラが青白いスパークを放ちながら増大。そろそろシリアス限界だなぁの精神がスーパー変態人2を発動し、さらなる力を生み出して飛翔。
 真正面から向かってくる高エネルギーに危機を感じたのか『Fortress』はミサイルを発射。

「だがわたしの飛行速度からすれば止まっているも同然、簡単によけられると思いたい頼むそうあってくれ」

 威勢がいいのか悪いのか。若干情けない祈りを口走りながら麗刃は急旋回、ミサイルを引き連れサーカスのような空中機動を行う。
 距離が離れたことを『Fortress』が確認し、次の目標へ向かおうとして、止まる。
 いや、動けなくなる。

「受け取ってください、これが私の愛」

 恍惚と悦楽に満ちた声を告げるメアリーズ。ミサイルが途切れた隙に、彼女のユーベルコード、デットエンドラヴが発動。殺意(アイ)の念が、赤い光となって立ち昇り『Fortress』を拘束する。
 
「そう、私が、壊(アイ)してあげますよぉぉぉ!!」

 溢れ零れるほどの狂えるアイを込めて、念で異常強化されたBS-B大型ビーム砲が収束して放たれる。

『!?!?』

 空気を震わすほどの一撃は『Fortress』の左腕を融解し残っていた多連装ミサイルポッドをも破壊。『Fortress』の声も苦しげなものになる。
 それでも、最後に残った主砲で一矢報いようとするが。

「殲禍炎剣とやらも昼寝しててくれるだろう頼むそうあってくれー!」

 ミサイルを回避したちょっと煤けてる麗刃が光の矢と化して、真正面から砲身へと突っ込み突き抜け貫き通し殲禍炎剣に撃墜された。
 もはや武装はなく、呻くしかなくなった『Fortress』は、まだ進もうとする。

『勝……利』
「いいや」

 人型部分の後ろに立ち、声をかけるのはルイン。

「勝ったのはアタシらだよ」

 コックピットを避け、頭部と腰の関節部をライフルとマシンガンの連射で破壊。『Fortress』は機能を停止。コックピットを掴んだアマランサス・マリーネが跳び降りると、ゆっくりと『Fortress』は崩れ、倒れた。この土地に眠る、無数の残骸と、死者たちと同じように。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年11月11日


挿絵イラスト