あるばーと。
こんにちは。あるばーと。と申します。
今回はアリスラビリンスのお仕事となります。
第1章のみやや心情に寄ったシナリオとなります。
●第1章:冒険
アリス適合者が裁判官と陪審員達によって裁かれようとしています。
罪状はともかく、彼女を助ける為に働きかける必要があります。
●第2章:集団戦
処刑人に扮した暗殺者集団との戦闘です。
●第3章:ボス戦
アリス適合者の裁判、処刑を企てた元凶のオウガとの対決です。
撃破しましょう。
第1章 冒険
『アリス裁判』
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POW | 無理矢理力づくでアリス適合者を助ける |
SPD | 論理的に容疑の矛盾を突き無罪に持ち込む |
WIZ | 陪審員の心象に訴えかけて無罪を勝ち取る |
👑7 |
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴 |
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●アリス裁判
――カン、カン。
それは乾いた、低い音である。
それまで騒ついていた民衆は話を止め、音の主に注視する
「これよりアリス、『ハジメ』の裁判を開廷します」
裁判官と見られる男は座に付き、巻物を伸ばす。
「本法廷はアリス・ハジメを被告人として立て、審理します。……被告人」
裁判官が目をやる先に、ボロ布にような衣類を纏う黒髪の少女が居た。
裁判官は少女、ハジメに声を掛ける。
「何か言う事はありますか?」
ハジメは俯いたまま。
顔を上げる事もしない。……できない。
「……よろしい。では検事」
「ハッ。……検察側は被告人が被害者、弟のナオを間接的に殺害した罪を主張、告発するものであります」
――ハジメの髪が、密かに揺れる。
「面を上がらぬ無様さ、装いの如き賤しい性根。その罪を白日の下に曝す事で、検察側は必ず被害者の無念を晴らすでしょう!」
冒頭弁論としてはあまりに乱暴で挑発的な内容。
しかし、それに異議を唱える者は現れなかった。
「……よろしい。それでは審理を進めます」
裁判官ですら、飽くまで『そういうもの』であるかのように振る舞う。
興味も疑問もなく、巻物を眺めるのであった。
弟であるナオは、姉であるハジメが同級生や不良達の私刑の対象になる事がないように奔走していた。
その結果として、私刑の対象はナオへと移り、激しい暴行の末にナオはこの世を去った。
……ハジメはどこか、ナオが動いている事は察知していた。
であるというのに、ハジメはナオを止める事ができなかった。
後悔は罪として、ハジメにのしかかる。
彼女の罪に、寄り添う者は現れるのか。
それは、猟兵達次第である。
サンディ・ノックス
「何言ってるの?」
乱入してとりあえずオウガに一言
お前達は彼女の罪を裁いてなんかいないよ
食べるのに都合がいいから適当なこと言ってるだけだろ?
裁判なんて馬鹿馬鹿しい
登場人物全員が彼女を食べるという結論ありきな飯事なんてくだらない
くだらないから壊す
UC伴星・傲慢な飛輪を発動
肉体を魔法物質に変換し武器を構成、会場を物理的に滅茶苦茶に壊してやる
会場を壊すために変換する身体の量は相当必要だけど、自分を維持できる限界までは使う
……俺は
ヒトの絆がわからない
生まれつき理解できなくて、身近なヒトを悲しませていた存在だ
だからハジメさんにどう言えばいいのかわからない
でも一番彼女を裁いているのは彼女自身
それだけはわかる
●後悔
――変わり果てた弟の姿を見た。
殴られ、焼かれ、折られ……死因が何なのか、素人には判別もつかない状態。
遺留品の眼鏡とか、他にも身体的特徴が一致していた為に弟とわかったそうな。
その話を……聞いては、いられなかった。
正義感の強い弟なら、行動に出てしまう事くらい想像できた筈なのに。
弟の死も、身内の涙も、混ざり合って泥のように胸の奥へ。
泥は感覚を麻痺させ、光を抑え込む。
(……これが)
これが『罪』なのか。
ハジメはこの暗黒を、そう理解した。
であれば、責められて裁かれるのも当然か。
いっそ、その方が楽かもしれない。
弟には会えないかもしれないが、それもまた罰か。
「何言ってるの?」
それは、カーテンを開けた時に差すような、強烈な光だった。
●闖入者
「……傍聴人は発言を控えるように」
突然の傍聴席からの声に、審理は中断。場は静まり返った。
不快感を滲ませた面持ちでその青年、サンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)は傍聴席を立った。
「お前達は彼女の罪を裁いてなんかいないよ。食べるのに都合がいいから適当なこと言ってるだけだろ?」
裁判官の静止も構わず、サンディは悪態を吐き続ける。
他の傍聴人は騒ついてその場を見守る。
「……おい、奴をつまみ出せ!」
痺れを切らした検察官は声を荒げ、その周囲の男達はサンディを取り囲んでいく。
「…… 登場人物全員が彼女を食べるという結論ありきな飯事なんてくだらない」
サンディが手をかざす。
手に集まる魔力……魔法物質は形を得て、武器となる。
その手の物質はやがて、漆黒のチャクラムに姿を変える。
その名を【伴星・傲慢な飛輪】。サンディが持つ、数ある武器のひとつである。
そう、くだらないから。
「くだらないから壊す。……さぁ、身体も心も刻んであげる」
そう呟くと、チャクラムがサンディの手から放たれる。
まずはサンディを取り押さえようとしていた男達がチャクラムによって刻まれる。
「き……凶器だ! あの男、凶器を持っているぞ!」
「逃げろ!」
サンディが次のチャクラムを用意すると、またそれをばら撒いていく。
(……やっぱり、結構消耗するな)
サンディのユーベルコード、【伴星・傲慢な飛輪】とは魔法物質をチャクラムの形に構成して攻撃するもの。
その魔法物質とは、サンディの持つ『悪意』……さらにもとを辿れば『肉体』そのものであるという。
対象を絞るのであれば、何ら不安の無いコスト。
しかし、サンディはあえて裁判所の『会場』を相手取って行動を起こしている。
それならば、コスト……即ち変換する『身体』の量は、相当なものとなる。
(関係ない。滅茶苦茶に壊してやる)
この茶番を潰すために、身体を維持できる限界まで使う。
この不愉快な裁判を終わらせるために、サンディは前進する。
先ほどまで、この場の誰もが責める視線を向けていた。
しかし今、顔をあげると……今は誰も『こちら』を見ていない。
あるのは縦横無尽に飛び回る飛輪に、逃げ惑う人々。阿鼻叫喚の現場。
そして……前に立つのは、茶色の髪の青年。
「……俺は、ヒトの絆がわからない」
彼は背中越しに、辿々しく言葉を紡ぐ。
おそらく背後に居る『こちら』に語りかけてきているのであろう事は、何となくわかる。
「生まれつき理解できなくて、身近なヒトを悲しませていた存在だ。……だからハジメさんにどう言えばいいのかわからない」
彼は今まで饒舌に、静止を振り切ってこの裁判自体を糾弾してきた。
であるのに……今の彼は、持てる数少ない言葉を、さらに選んで話しているような。そんな慎重さを感じる話し方だった。
「だけど、これだけは言える。……裁判なんて馬鹿馬鹿しい」
それは吐き捨てるような言葉。『邪悪』を自負する青年の本音。
「だって……一番ハジメさんを裁いているのはハジメさん自身だ」
目の前の『敵』を前に、それでも背後の『こちら』に対しては努めて穏やかだった。
「それだけはわかる。……見てられないんだ」
敵には悪意、味方には優しさをもって接する。
それこそは青年、サンディ・ノックスの在り方だった。
彼の背は、ハジメの心に僅かに光を差した。
成功
🔵🔵🔴
ビビ・クロンプトン
…簡単に【情報収集】したけれど
そんなの、めちゃくちゃだと、思う
悪くない
ハジメさんは、何も悪くないよ
何もしなかったハジメが罪人だというのなら、ナオさんを殺した人たちは、どうなの?
罪人は、そっちの方じゃ、ないの?
…それでも、ハジメさんが間違ってるって言うのなら…力ずくで、なんとかする
どのみち、オウガは倒すのだから
UC【シンクノダンガン】で、焼き尽くすよ…オウガを
…ハジメさん
私には、家族がいない
私には、心がよくわからない
だから、私にはあなたの心は救えない
だから、私にはオウガを倒すことしかできない
だから、これから先のことは…あなた次第
私はあなたは悪くないと思うけど、そう思うのは、私だけかもしれないから
●視線の先に
弟は聡明だった。
家族を立てる事を第一に考えていた弟はその実、頭もよく働き、それは『贔屓目』で見てもよく出来たものだった。
家族を立てるあまり、自らに向く視線に疎いのは困りものではあったが、それを含めても可愛い弟であった。
……妙なところで不器用で要領が良くない事は家族みんな知っていたし、弟自身も自覚していた。
思うに、会話するだけでも良かったのだ。
コミュニケーションを取るだけで、弟を止めるための取っ掛かりを得られたのではないか。やはり、やれる事をやらなかった自分が悪いのではないか。
――後悔は泥のように沈殿して溜まっていく。
「――悪くない」
その声は、責める声よりも近く。
ハジメよりも幼い、少女の声だった。
「ハジメさんは、何も悪くないよ」
顔を上げると、ハジメと向き合う声の主がそこに居た。
目線を合わせて語り掛ける、少女の姿をしていた。
●火事の修羅場
「……そんなの、めちゃくちゃだと、思う」
その銀髪の少女、ビビ・クロンプトン(感情希薄なサイボーグ・f06666)は会場に向き直る。
彼女もまた、アリスであるハジメの処刑を阻止するべく降り立った猟兵のひとりである。
「何もしなかったハジメさんが罪人だというのなら、ナオさんを殺した人たちは、どうなの? 罪人は、そっちの方じゃ、ないの?」
裁判官や検察官を見据えて、率直に言葉を投げかける。
騒ぎの中、一部の冷静な傍聴人はその言葉にざわつき始める。
ビビは検察官の舌打ちを聞いた気がした。
「……彼らももちろん『こちら』に流れ着き次第お縄を頂戴しますよ。こちら側の法に則ってね。しかし」
検察官が指を鳴らすと、一際体躯の大きい男がビビの前に立ち塞がる。
「その者達と、この審理は無関係です。ここは、そこに居るアリスの裁判なのですからね!」
検察官の合図で大男はビビを取り押さえようと飛び掛かる。
……幼い少女にとって、この大男はまさに壁のような圧があった筈。
「……どのみち、オウガは倒すのだから」
それが迫ってくる状況。そんな中、ビビの表情は『無かった』。
「ハジメさんが間違ってるって言うのなら……力ずくで、なんとかする」
その表情に大男は違和感を……抱く寸前、その胸を熱線が貫く。
貫かれた胸は熱を帯び、痛みと同時に大男を襲う。
大男を貫いた熱線銃を持つ手を下ろし、ビビはうずくまる大男を見下ろす。
「……焼き尽くすよ」
次の瞬間、大男の熱線痕から真紅の炎が噴き出す。
ビビの熱線銃は、ただの熱線銃ではない。
使用者に合わせて調整された特別製。『特注ブラスター』。
それに内蔵された【シンクノダンガン】による炎は、包んだ者を捕らえて放さない。
「……ハジメさん」
苦しみ悲鳴をあげる大男に背を向け、ビビは再びハジメと向き合った。
今度は明確にハジメを呼ぶ声だ。
ここに来る前に、ビビはハジメ周りの情報をあらってきている。
かける言葉は、まとまっているわけではない。それでも、言いたい事はあった。
銀色の少女が主張する。
「私には、家族がいない」
最後の家族は、病に没した。
「私には、心がよくわからない」
自身が今、なぜこうして居るのか。その記憶にすら靄がかかる。
無表情だった銀色の少女の、唇がきっと結ばれる。
「私はあなたは悪くないと思うけど……私にはあなたの心は救えない。そう思うのは、私だけかもしれないから」
背後で燃える大男に対しても崩れない表情が、ハジメの前では少し哀しげで。
「私にはオウガを倒すことしかできない」
熱線銃を持っていない、空いている左手を差し出し、銀色の少女、ビビはハジメの顔を覗き込む。
「だから、これから先のことは……あなた次第」
それは、ただの慰めかもしれない。
いっそ、気休めなのかもしれない。
それでも、そのどちらであったとしても。
きっとこの銀色の少女は、命をすり減らして手を差し伸べてくるのだろう。
ハジメは、この強くも危い少女が差し伸べてきた手に……自らの手を、伸ばそうとしていた。
成功
🔵🔵🔴
朱鷺透・小枝子
彼女の心の内は自分にはわかりません。
自分の兄弟達の多くは戦場で良く死んでいきました故。
ただ自分に分かる事は、ナオ殿はハジメ殿を救おうとした。
敵を前にハジメ殿の為に戦った…!
それはきっと、ハジメ殿に生きて欲しかったからでしょう!
この裁判は、ハジメ殿の為、敵と戦ったナオ殿の行いを侮辱し、穢す行為だ!
貴女がナオ殿を殺したと思うのなら、ナオ殿の為にも、生きねばなりません!
生きて幸せになって、ナオ殿へ感謝する事が、貴女の為に戦ったナオ殿への贖罪でありましょう!
邪魔をするなら、『来い』ディスポーザブル!
ディスポーザブル01を召喚、遠隔操縦で暴れさせ撹乱。
自分は迷彩外套で姿を隠し、ハジメ殿の確保に走ります!
●贖罪
時が経つにつれ、騒がしくなっていく裁判。
その中で、いつの間にか手を引いてくる存在があった。
その人影は決して大柄ではなかった。
しかし、握る手と引かれる腕は、何故だか力強さを感じさせられる。
自身と同じか、あるいは小さいのではないか。そんな体躯の少女を、ハジメは訳も分からず、見つめていた。
「――貴女は生きねばなりません!」
そんなハジメの視線に気付いた彼女は、まずはそれだけを告げた。
●外套の兵士
時は数分前に遡る。
猟兵が現れ始めた事に焦りを隠せない裁判所は、猟兵から逃げるように法廷を移しては早くハジメに判決を下そうとしていた。
そこへ、新たな猟兵は現れる。
「この裁判、待った!」
轟音を上げ、開け放たれた扉に視線が集中する。
そこには、やや小柄な少女……アンサーヒューマンの朱鷺透・小枝子(ディスポーザブル・f29924)が立っていた。
「くっ、またか」
何度目かになる闖入者に、警備の者が悪態を吐いて小枝子に近付いていった。
「彼女の心の内は自分にはわかりません……自分の兄弟達の多くは戦場で良く死んでいきました故」
しかし、そんな接近など意に介さず、小枝子は語りだす。
「ただ自分に分かる事は、ナオ殿はハジメ殿を救おうとした。敵を前にハジメ殿の為に戦った……!」
ここに至るまでに確認していたハジメとナオの境遇。それらに対して、かつて祖国の為に戦い、死ぬ筈だった己の姿が、小枝子の中ではどこか重なって見えた。
侮蔑され、痛めつけられ、恥辱に塗れる。それでも、ナオは戦った。
かつての兵士たる小枝子には、そのナオの姿が目に浮かぶようであった。
「……それはきっと、ハジメ殿に生きて欲しかったからでしょう!」
それは目を覚まさせる、平手打ちのような言葉。
言葉に殴られたかのように、ハジメは顔を上げた。
「この裁判は……ハジメ殿の為、敵と戦ったナオ殿の行いを侮辱し、穢すものだ!」
口上の最中、取り囲まれた小枝子は拳を振り上げる。
言いたい事は言った。あとは、この場をなんとかする。
「――来い、ディスポーザブル!」
閉じたままの扉から虚空が切り裂き、現れる。
これこそは小枝子の乗機、量産型キャバリア『重装甲ディスポーザブル01』。
「な、なんだあの鉄塊は!?」
「あ、暴れるぞ!」
突然現れたそのキャバリアに怯えた傍聴人は、我先にと出口へ向かう。
キャバリア自体は猟兵に周知されて久しいが、ここはアリスラビリンス。不思議の国に、キャバリアが馴染もう筈がない。
コックピットに操縦手を乗せないまま、ディスポーザブルは動き出す。
小枝子の【オペレート】……遠隔操作によって、ディスポーザブルは持てる武装を駆使して、狭き裁判所を暴れ回る。
傍聴席は『拳』が衝撃波を乗せて吹き飛ばし、裁判官や検察官の席は肩のレーザーが焼いていく。
その様は、蹂躙と言ってよかった。
そのような状況で、正しく現場を見られる者は居らず。
つまり、消えた被告人の事など、その時ばかりは誰も彼もが忘れていたのである。
法廷という空間の隅、比較的安全な場所へ、ハジメの手を引き移動して、小枝子は外套を脱いだ。
UCである【オペレート】の迷彩効果を持つ外套である。
その性質上、暴れているディスポーザブルに目が行く関係で、しっかり気にしておかなければ誰も気付かないほどに目立たない。
その裁判所に居る者、全ての目を奪い、小枝子は上手くハジメとの合流を果たしていた。
「……貴女がナオ殿を殺したと思うのなら、生きねばなりません」
特別大きくはないその背中は、手だけを握る。
罪の意識は、否定しない。
「生きて幸せになって、ナオ殿へ感謝する事が、貴女の為に戦ったナオ殿への贖罪でありましょう!」
しかし、だからと言って死なせはしない。
見た目よりも強く握りしめたその手には、意思があった。
「――貴女は生きねばなりません!」
投げかけられたその言葉は、先ほどの言葉と同じで。
ハジメの意識を、鮮烈にした。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『影縫い・シャッテンドルヒ』
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POW |
●これは君を飲み込む影の群れ
【紐付きのナイフ】が命中した対象に対し、高威力高命中の【レベル×1の自身の影】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
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SPD |
●僕らは影、君の命を刈り取る影
【漆黒の影】に変形し、自身の【意思や心情】を代償に、自身の【攻撃力と影に溶け込み影伝に移動する能力】を強化する。
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WIZ |
●僕らの狩場、君の墓場
戦場全体に、【影に覆われた暗い街】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
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👑11 |
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴 |
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●引き渡し時間
「――おい、裁判にいつまでかかっている!」
裁判所の扉が乱暴に開け放たれ、入ってくるのは黒いローブの者達。
それぞれが怒りを滲ませて、ぞろぞろと法廷に流れ込んでくる。
「な、貴様らは……そうか、それで判決が下りなかったのか!」
猟兵達を見た奴らは、敵意を包み隠す事もせずにナイフを手に取る。
……ローブの色に目立たないが、この者達は密かに血の臭いを漂わせている。
それはこの者ひとりひとりが、先ほどの裁判所に居た者よりも断然、人を殺し慣れている事を物語っていた。
「予定変更だ! 貴様ら全員切り刻んで、それで絶望したアリスを処刑するとしよう!」
その者達、処刑人は得物を持ち出し、ハジメや猟兵達に襲い掛かっていった。
ビビ・クロンプトン
サンディ(f03274)と共闘
ハジメさんを、私の仲間を、傷一つつけさせはしない…私が、みんなを守る
あなたたちは私が、倒す
…サンディさん?いつもと、様子が違う…すごい、怒りを感じる
私の知っているサンディさんじゃ、ない
すごく残酷な戦い方…
…サンディさん、落ち着いて
オウガを許せないのは私も同じ。けど…そんな戦い方、よくないと思う
そうして"喰らう"姿は、まるで…オウガみたいだから
…私は、サンディさんがとても心優しい人って、知っている、から
前衛はサンディさんに任せて、私はハジメさんをかばいつつ、後方から特注ブラスターで【援護射撃】
敵の動きを【見切り】、隙を見せたら【シンクノダンガン】を撃ちこむよ…
サンディ・ノックス
血の香り…
ああ、こいつらはたくさんのヒトを殺し喰らってきたんだろうね
俺達を切り刻む?
馬鹿言うなよ、切り刻まれるのはお前達だ
黒剣を抜き真の姿開放
赤き竜人と化し大地を蹴って敵の中に身を躍らせる
UC解放・宵を発動、攻撃力を重視し敵もその攻撃も斬り捨てる
喰らった者への裁きは喰われること
お前達の魂はひとつ残らず喰ってやる
ビビ(f06666)の言葉には
俺の戦い方は以前から変わってないし
オウガみたいとの指摘は事実その通りだとしか思わない
ただ、俺の考えは口に出さず
俺の行動を見てそう感じるほど成長したビビに
そうだねと微笑むことができる程度には落ち着く
ハジメさんやビビに攻撃が極力行かないように
前で淡々と敵を葬ろう
●コロシアイ
目の前には黒衣を纏った人影。
先ほどまでの裁判ですら向けられた事のない、純然たる殺意を、そのひとりひとりが向けてくる。
その変化は『死んでしまえ』から『殺してやる』へ。彼ら自身が、こちらを手にかけようと凶器を取る。
その時、ようやく感じた事がある。
あれを……彼らを『怖い』と。
その恐怖を自覚した時、呼び水のようにして恐怖は流れ込む。
自分は殺されても仕方がないと思っていたのに。死んでも仕方がないと思っていたのに。
「……ひっ」
気が付けば、声が漏れていた。
足がすくみ、後ずさる。
その背中を……小さな手が、受け止めた。
アリスであるハジメが、初めて声を漏らした。
その事実に、ビビ・クロンプトン(感情希薄なサイボーグ・f06666)はむしろ安堵していた。
先の法廷での戦いで彼女を守った時、ハジメはほとんど気力を失っていた。
肉親を失った罪悪感と喪失感に苛まれていた彼女だが、自我を取り戻す程度にはそれらから解放されている。
その状態のハジメを見たビビは、先の法廷で彼女を守った事は間違っていなかったと改めて感じていた。
そう、彼女は『悪くない』。しかし最終的にそれを決めるのはハジメ自身のはず。
であれば、その判断のためにはハジメ自身が罪と向き合う時間が必要なのだ。
「――あなたたちは私が、倒す」
熱線銃……ビビに合わせて調整された『特注ブラスター』を構え、ビビはハジメを庇うように前に出た。
「……ふんっ、ならば貴様から切り刻むまでよ!」
敵の黒いローブの処刑人こと『影縫い・シャッテンドルヒ』のひとりがビビとハジメに切りかかる。
ハジメを庇って前に居る以上、ビビ自身がどう避けるかは重要だ。
残念ながら、ビビは防御に向いた武装は持っていない。となると、最善は回避一択だ。
ハジメの手を取り、どちらに避けるかを一瞬考えた。
「――切り刻む?」
その時、ハジメの前に居るビビの、さらに前に躍り出る者が居た。
ビビの回避行動より先に、シャッテンドルヒの刃が黒い剣に弾かれる。
「……馬鹿言うなよ、切り刻まれるのはお前達だ」
「な、何ィ……?」
思わぬ力に刃を弾かれたシャッテンドルヒは衝撃に震える腕を抑えている。
黒い剣とそれを振るう姿に、ビビは見覚えがあった。
「……サンディさん?」
「やぁ、ビビ」
横顔のみでチラリと後方のビビに微笑みかけるのは茶髪に青い瞳の少年、サンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)。
サンディもまた先の裁判の妨害で活躍した猟兵のひとりで、ビビとは見知った仲である。
変わらぬ顔に、いつもの声。
であるのに。
「血の香り……ああ、ビビ。こいつらはたくさんのヒトを殺し喰らってきたんだろうね」
ビビは言いようのない違和感を覚えていた。
(すごい、怒りを感じる。私の知っているサンディさんじゃ、ない)
ビビがうすら寒さすら感じる怒りと殺気は、サンディの周りを取り巻く。
「さぁ、宴の時間だよ。お前達の魂はひとつ残らず」
それらを纏うかの如く、サンディの姿は変容する。
「――喰ってやる」
そこに現れたのは、黒剣を携えた、赤き竜人・サンディであった。
「――殺れぇ!!」
誰かがひとり声を上げると、シャッテンドルヒは一斉にナイフを投げ始める。
標的はサンディただひとり。急に現れたのと、攻撃を防いだ事で警戒度が上がったがゆえの結果だろう。
サンディにとって、それは実に都合が良かった。
(ふたりに……ハジメさんやビビに、手は出させない)
黒剣で投擲されたナイフを振り払い、そのままサンディは駆け出す。
ナイフを落としたばかりの黒剣を、往復するかの如く振り下ろす。
「……ぁ……ッ」
反撃というには短く速い動作。それに反応できず、シャッテンドルヒのひとりが黒剣に胴を斜めに両断される。
そして、斬ったという事実のみを確認し、構えなおさずに走り出し、今度は黒剣を振り上げる。
「……うッ」
横なぎに振るわれた黒剣に、またひとり倒れていく。
ふたり倒されたところで、シャッテンドルヒはようやく状況を把握し、サンディを取り囲み始めた。
(すごく残酷な戦い方……)
ひと振りひと振りが確実に敵を屠るサンディのその様を見て、サイボーグたるビビもそう感じずにはいられなかった。
それはサンディが【解放・宵】を使用した荒々しく、喰らうような剣戟。確かに、敵は減っている。
それでも。
(……私は、サンディさんがとても心優しい人って、知っている、から)
だからこそ、ビビは彼にこのままやらせるわけにはいかなかった。
少なくとも、サンディに負担が集中するこの状況が、良いはずはない。
(ハジメさんも、私の仲間も、傷一つつけさせはしない)
戦う意思を再び固め、ビビは熱線銃を握りしめた。
「――焼き尽くす……!」
「――ぐわ!」
「……おっと」
サンディが、背後に気配を感じた瞬間だった。
敵陣に突っ込むのだから、後ろから攻撃を受ける事もサンディはもちろん考えていた。
振り向きざまに斬り付ければ十分に間に合う、そう考えていた。
しかし、黒剣が振るわれる前に、シャッテンドルヒは【シンクノダンガン】に貫かれ、燃えていた。
「……サンディさん、落ち着いて」
熱線を放った張本人、ビビは熱線銃の銃口をシャッテンドルヒに向けながら、サンディに視線と言葉を投げかけてきていた。
「……ビビ?」
自身の戦法や戦術に不備があっただろうか。サンディはそのように一瞬考えた。
「オウガを許せないのは私も同じ。けど……そんな戦い方、よくないと思う」
「――」
思わず、呆気にとられる。
そんなサンディがシャッテンドルヒに攻撃されないよう、ビビは熱線銃で牽制する。
「その姿は、まるで……オウガみたいだから」
悲しい声色と、その銀色の目が、サンディに訴えていた。
それは、純粋な指摘だった。
大多数の猟兵は耳にしたくないし、言われたくもない言葉。もちろん、サンディも実際の戦い方はどうあれ耳の痛い指摘ではある。
(……そうか)
サンディ自身は以前よりこの戦い方を変えたつもりはまったくなく、もちろんビビと出会ってから変えたという事もない。
今ビビから受けた『オウガみたい』という指摘はサンディ自身も否定する気は毛頭ない。
だが、それよりも。サンディにとって、このビビの言葉は無視できなかった。
(成長したね、ビビ)
改めて自身の戦い方を見て、以前とは違う感想を述べられるようになったビビに、サンディは内心驚きながら、しかし喜んでいた。
「……そうだね」
返す言葉は思い浮かばず。しかし、ビビの言葉に偽る事もできない。
その肯定の言葉と微笑みだけが、サンディの本心だった。
立ち上がり、目を開ける。
銃と剣。それらが、処刑人を撃って、斬って、血の池に沈めていく。
思わず目を背けたくなるその光景は、しかし否が応でも目に焼き付く。
銃を撃つ銀髪の少女がこちらに気が付いた。
「ッ……あまり、見ない方がいいよ」
処刑人を撃ちながらも、その少女はこちらを気遣ってくれていた。
さらに前に居る茶髪の少年も、口にはしないが気にしてくれているようだった。
その気持ちは、今だけでなく、先ほどからずっと向けられているものだと、ようやく気付く。
「……だい、じょうぶ……」
そうだ。『私』のためにしてくれているのに、目は背けられない。
ふたりの猟兵の戦いに、アリス・ハジメは光を指した瞳で向き合い始めた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
朱鷺透・小枝子
ハジメ殿を安全な場所へ…安全な場所…
ディスポーザブル01の元へ
機体のコックピットに乗せます。
操縦しなくていい、シートベルトを付けて、ジッとしていて!
……よし、『 戦え 』
壊れぬ躯体を得た01で、敵の刃を防ぐ。
あまり動かなくて良い。まず守れ。そして戦え!
代償の流血は継戦能力で無視。キャバリアの頭上へ上がり、刃の軌道を動体視力で捉え、弾き、騎兵刀を投擲。
同時にホーミングレーザー射撃で援護。今だ。
敵へ向かってジャンプ。騎兵刀を手に、推力移動で更に加速。
ああああッ!
上段から騎兵刀を振り下ろし、叩き斬る。
瞬間思考力、状況把握、即座に別の敵へ向かって切り込み、戦闘を継続する!オブリビオンは敵だ!壊せ!!
●護る兵士
「ハジメ殿を安全な場所へ……」
呟きながら、ハジメの手を引く女の兵士が居た。
朱鷺透・小枝子(ディスポーザブル・f29924)だ。
一所にハジメを置くよりは猟兵全体で身柄を渡すように場所を移して守る方が良いらしく、今度は小枝子の番というわけである。
小枝子の戦い方は兵士としての色が強い。それならば、戦術的にハジメを護衛しやすい場所をと、小枝子はひた走る。
「安全な場所……」
結論としては、その『安全な場所』は身近に存在した。
量産型キャバリア『重装甲ディスポーザブル01』。このコックピット内であれば、下手な場所より安全な筈だ。
「これに!」
ディスポーザブル01を跪かせ、コックピットを開け、促す。
「操縦しなくていい、シートベルトを付けて、ジッとしていて!」
「……は、はい」
見慣れない乗り物に乗るという行動に戸惑いつつ、ハジメは言われた通りにシートに座る。
小枝子はシートベルトを付けるのを手伝い、コックピットを閉じた。
「……よし」
ディスポーザブル01と少し距離を取り、小枝子は振り向く。
準備は整った。
「 戦え 」
言霊。
それを小枝子が口にした時、ハジメが乗っているディスポーザブル01のモノアイが強く灯る。
「――死ねぇ!」
行動後、シャッテンドルヒ数体が一斉に小枝子に襲い掛かる。
追いついた、と考えているのだろうが、当の小枝子にしてみれば護衛対象は自らのキャバリア、ディスポーザブル01の中。気兼ねなく戦う準備はすでにできている。
小枝子の背後に居るディスポーザブル01が腕を伸ばし、マニピュレータがシャッテンドルヒの刃から小枝子を守る。
「あまり動かなくて良い。まず守れ……そして戦え!」
ディスポーザブル01の腕を伝い、そのまま頭部まで駆け上がる。
「逃がすな!」
シャッテンドルヒのひとりがそう叫び、小枝子に目掛けて紐付きのナイフを投げつけてくる。
(これは……UCだな)
一本程度ならば喰らっても行動可能ではあるが、敵のUCである事を鑑みると後の展開に良くない。仕方なく、一瞬足を止める。
「狙いは悪くない……だが!」
左右の腰に二振りずつ指す鞘から騎兵刀を引き抜き、まずナイフを弾く。
さらに、弾いた後はそのまま振りかぶり、今度は小枝子が騎兵刀を投擲する。仕込んだワイヤーで微調整し、正確にシャッテンドルヒひとりの肩に騎兵刀が沈む。
「ぐあッ……」
怯むシャッテンドルヒ。そこへ空かさずディスポーザブル01が肩部の砲台からホーミングレーザーを照射。周囲の敵を散らす。
「今だ」
投げた分の騎兵刀を『亡国の騎兵刀鞘』が生成したのを確認し、小枝子はこれを引き抜く。
突撃するなら、今。小枝子は今にも駆け出すところだった。
足元のディスポーザブル01のコックピット内部から、何か叩く音が聞こえる。
「……ん?」
コックピットの中にはハジメを乗せている。搭乗員は他にいない。ということは、この音はハジメが出しているものか。
「……が……出てる……!」
次いで、声も聞こえる。内部のマイクがわからないのか、内部からかすかに聞こえる声。
「血が……大丈夫……!?」
ようやく聞き取れた声は、小枝子を案ずる言葉だった。
(……ああ)
一瞬何の事か考えたが、小枝子はすぐにその理由を理解する。
小枝子のUC【狂わし機】の代償、流血。どうやら、ハジメはこれを心配しているようだった。
(それが貴女の『素』でありますか)
手を差し伸べなければそのまま殺されていた彼女。手を引かれるがまま、キャバリアに乗せられて。
そこでようやく、ハジメ本人の意思を見た小枝子は感慨深いものを感じていた。
それと同時により一層、小枝子の『戦意』は燃え始める。
血が流れるのは別に良いが、血が流れるのを見せすぎるのは良くない。
頭から流れる血のみを腕で拭い払い、小枝子は騎兵刀を手に跳躍する。
「――ああああッ!」
地を蹴るように、足の『メガスラスター』を点火。急降下し、そのまま上段から騎兵刀を振り下ろす。
「が……ぁ……!」
斬り付けられたシャッテンドルヒひとりが血しぶきを上げ、倒れ伏す。
まだだ。戦闘は終わっていない。
「……戦闘を継続する!」
ハジメは正気に戻りつつある。このような戦闘を、見せ続けるべきではない。
「――オブリビオンは敵だ! 壊せ!!」
叫ぶような言葉で、小枝子は追従するディスポーザブル01と共に戦場をひた走る。
一刻も早く、この戦いを決着させるために。
駄目な姉だった。
優秀だなんだと持て囃してくれたが、それを言う弟の方が断然出来が良かったように思う。
そんな弟の行動の意図を汲み取れず、彼は死んでしまった。
それだけでも苦しかったのに……今また、目の前で同じ年代の少女が血を流して戦っている。
「……どうして」
わからなかった。自身にそこまでの価値があるのか。
しかし、彼女は言った。『貴女は生きねばなりません』と。
あんなに血を流しておいて、お前は生きろだなんて。
そう嘯く彼女の手を……ハジメには、振り払える筈もなかった。
成功
🔵🔵🔴
サンディ・ノックス
真の姿継続
ビビ(f06666)の言葉を受け戦闘以外にも考えが及ぶ状態に変化
数は減ってきてるけど一匹でもハジメさんの命を脅かすことはできる、油断できない
あぁ、彼女は戦いを見てるのか
狙いは彼女だ、見えてしまうかぁ
でもこの状況で同業者を気遣うって…恐怖よりその心が勝るなんてね
ヒトを害する者への怒りと魂喰いである己の本能のせいで意識の外に行っていたけど
そもそも俺はわからないなりに彼女へ手を差し伸べたくてここに来たんだ
ただ戦うだけじゃいけない
迷路が展開されても動じず
敵の存在を把握次第、斬ったりUC解放・夜陰で貫く
戦闘しながらハジメさんに声をかける
大丈夫
必ず貴方の命を守って弟さんが作った未来に送り届けるよ
ビビ・クロンプトン
サンディ(f03274)さんと引き続き共闘
大丈夫。ハジメさんは、私が守ってみせるから
そう言って、真の姿(パワードスーツを纏った姿)になるよ
【ミライヲミルメ】で相手の行動を予測して【見切り】
特注ブラスターによる【クイックドロウ】【援護射撃】で攻撃…
貴方たちには、ハジメさんに指一本だって触れさせない…
…ハジメさん
私たちは貴方の意思に関係なく、オウガを倒す
貴方が罪だと考えているものを裁く者を、倒す
そしてこの戦いの後、それにどう向き合うかは…さっき言った通り、貴方次第
少なくとも私には、貴方を裁く権利なんてない、から
だけど、これは私の憶測に過ぎないけれど…
弟さんは、ハジメさんの死を望んではいない筈、だよ
●護る戦いへ
(しまった、俺とした事が)
赤き竜人の姿を取るサンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)は、ふと周囲を観察する。
同行するビビ・クロンプトン(感情希薄なサイボーグ・f06666)の言葉を受け、ひたすら振るわれていた剣を一度下ろした。
前の猟兵からの引継ぎにより、現在ハジメの身柄は後方でビビが預かっている。
一方、敵であるシャッテンドルヒはサンディやビビ、他猟兵の活躍により順調に数を減らしてはいる。が、相手はひとりひとりが暗殺者。
(一匹でもハジメさんの命を脅かすことはできる、油断できない)
サンディの静止した精神は、状況の分析を終える。
……そういった分析とは別に、サンディは後方に居るハジメに視線を向けていた。
(あぁ、彼女は戦いを見てるのか)
先ほどのサンディやビビの戦いを、目をそらさずに見続けていたハジメを思う。
暗殺者集団・シャッテンドルヒの狙いはアリス……他ならぬハジメ自身である。見る見ない以前に、見えてしまうのが実際のところか。
ヒトを害する者への怒りと魂喰いの本能。戦いを駆り立てるそれらにより、見失いかけた目的を見つめなおす。
サンディは、ヒトの絆がわからない。それでも。
(わからないなりに彼女へ手を差し伸べたくてここに来たんだ)
ただ戦うだけじゃいけない。
ハジメの姿やビビの言葉に、サンディは冷静さを取り戻していた。
後方にて、ハジメの傍で彼女の身を守っていたビビは、サンディの姿勢が変化している事にいち早く気付いていた。
自身の言葉が届いていた事に安堵すると同時に、状況が変わる事を察知したビビは、ここで一歩前に出る。
「……大丈夫。ハジメさんは、私が守ってみせるから」
ビビは前に出て背を向けたまま、その姿を変えていく。
装甲、機械関節。……サイボーグたるビビの、真の姿。
パワードスーツへの換装を終え、ビビはその手で熱線銃……『特注ブラスター』を構えた。
「――全て、見通す……!」
眼を開き、戦場を見る。
まずはサンディの援護だ。
依然として前線に居るサンディをシャッテンドルヒが取り囲まない理由はない。孤立させるわけにはいかない。
サンディの死角から近づこうとするシャッテンドルヒを優先し、熱線銃で射撃する。
そして……『こちら』の方も気を付けなければならない。
それを『視た』ビビは、唐突に伸びる影に熱線銃を撃つ。
「ぐ、がぁ!?」
熱線が貫いた影は姿を変え、そこからシャッテンドルヒが姿を現した。
影に姿を変え、別の影に潜み、攻撃する。シャッテンドルヒのUCの効果だ。
これに対し、ビビが使用したのが【ミライヲミルメ】。10秒先の未来を見通したかのような回避を可能にするUC。
これにより、シャッテンドルヒの不意打ちはほぼ無効化された。
「くそ……こうなったら、別の手だ!」
そう言い放ったシャッテンドルヒのひとりが手を突き出すと、ビビやハジメ、サンディの周囲の様相が目まぐるしく変化していく。
その影に覆われた暗い街のような景色、入り組む壁。シャッテンドルヒの作り出した迷路である。
「……こ、これは……!?」
急に変わった光景に、ハジメは動揺を隠せない。このような不気味なものなら、それは尚更だろう。
その様子のハジメに、ビビは駆け寄っていく。
「……ハジメさん」
パワードスーツに身を包んだビビは、そのままハジメの手を取る。
「私たちは貴方の意思に関係なく、オウガを倒す。貴方が罪だと考えているものを裁く者を、倒す」
両手で手を包む。銃を持つ手としては、存外なほどに柔らかい。
「この戦いの後、それにどう向き合うかは……さっき言った通り、貴方次第。少なくとも私には、貴方を裁く権利なんてない、から」
それでも、ビビは言わずにはいられない。
ビビはハジメの手を引いて、迷路を走り出す。
「だけど、これは私の憶測に過ぎないけれど……弟さんは、ハジメさんの死を望んではいない筈、だよ」
「――ああ、その通りだよ」
ビビの言葉に同意を寄せたのは、サンディだった。
迷路の岐路で、手に『漆黒の水晶』を踊らせている。
不意に、サンディの目が左に向く。
「――あぁ、見えちゃったんだ?」
漆黒の水晶は、サンディの向いた方向に、無数に分かれて突き進む。
「気付かず“俺”に染まっていれば幸せだったのにねぇ」
それはサンディの秘めた悪意の欠片の具現。
同化を渇望する悪意の弾の、ひとつひとつが獲物を求める。
「なっ……うわぁぁあ!?」
であれば、当然進んだ先には獲物が居る。
その悲鳴を聞いたサンディは、別の方向に向けて歩き出す。
「……大丈夫」
ヒトを安心させるのは、難しい。
先ほどまでの戦いをハジメが見ていたなら、尚の事。
それでも、サンディは努めて穏やかに声を絞る。
ビビが引いてきた手を、今度はサンディも膝を折って手に取る。
「必ず貴方の命を守って……弟さんが作った未来に送り届けるよ」
つい先ほどまで剣を握って放さなかったサンディ。
その手は今度こそ、救いたい者へと差し伸べられる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
対し、紅い影は撃った散弾銃の反動を推進力にして身を伏せて槍を回避。空いている手で脇の鞘から騎兵刀を抜き、突き出し……それを『希望を摘み取る者』は返す槍で受け流す。
それでも先の暗殺者集団なら避け続けられなかったであろうその猛攻を、あの『希望を摘み取る者』は捌いている。たまに小枝子自身も騎兵刀で攻撃するが、それも寸でで回避して見せる。
思っていたよりビビの援護射撃が来ないのもそのためだろう。誤射対策もあるが。何より闇雲に撃っていると、そのうち熱線銃自体が通用しなくなってしまうかもしれない。
好戦的な態度とは裏腹にこの『希望を摘み取る者』という奴は無理には攻め入ってこない。おそらく、こちらにハジメが居るためにそのうち息切れすると踏んでいるのであろう。