3
正義の残骸

#UDCアース

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース


0




 山奥にある、人々から忘れ去られた遺跡。その奥で、赤い凶眼が輝く。
「G…RrrrrRRRrrrrr……。」
 言葉ですらない、只の唸り声。それでも、その四肢を縛り付ける封印が罅割れ、砕けていく。
 如何ほどの年月を経たのかもわからないその封印はもうとうにその役目を全うし、それでも尚役目を果たさんとしていた。
 それももう終わる。その存在が無意識の内に生み出した眷属によって弱められ続けた封印は、今日この時を以って無へと還るのだ。
 渾身の力を籠め、邪神が両腕を抱き寄せる。不可視の巨大な大木が圧し折れるような轟音を立て、周囲が煙に包まれる。
 その中で、赤い輝きが凶事を告げた。

「…ああ、よく来てくれた。」
 グリモアベースに集った猟兵達に、叢雲・秋星(悪を削ぐ太刀・f02120)が話しかける。
「今回、予知されたのはUDCアースでの邪神の活動が確認されたからだ。」
 そう言って皆に見せたのは、山奥にある遺跡のようなものだった。現地のUDCのエージェントからの報告も併せると、この近辺には人里はなく人的被害を考慮する必要は皆無だという。その点において、やりやすいといえるだろう。
 地形を見るに、昔は人が住んでいた形跡は見受けられるが現代になるに従って農村の高齢化、過疎化などが加速していった結果近隣から村がなくなっていったらしい。
「邪神の活動は、人々の活動と割と密接に関係している事が多い。今回はどうも、現代ではなく過去の人々と関係しているようだ。」
 かつて、猟兵達がUDCアースでの活動を本格化するよりも遥かに以前。邪神の脅威から人々を守る手段として一部で行われたのが、邪神を受け入れた人間が人々を守るという方法だった。
「UDCエージェントのそれのように洗練などされていない。浸食や汚染とでもいえるような手法で、当然それを行なった…言い方は悪いが人柱になった人間は皆死んでいったらしい。」
 だが、何事にも例外が存在する。この遺跡に封じられていたのは、そうやって人々を守るために邪神と一体になった人間の末路だという。
 最早、かつて力なき人々を守りたいと願った高潔な心は残されてはいない。ただ、破壊と騒乱をまき散らすだけの暴虐の化身と成り果ててしまったそれに、せめて終わりを与えて欲しい。
 邪神の下へとたどり着くためにも、遺跡の調査はしておいたほうがいいだろう。遺跡の奥部へと向かう道は崩れているので、力尽くで道を切り拓くことも必要になるかも知れない。
「ソレが、今何を思っているのかを知る術は無いが…せめて、終わりを刻んでくれ。」
 最後に秋星はそう締めくくった。


宗嗣
 はじめましての方ははじめまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。マスターをさせていただいております宗嗣です。
 今回の依頼では、冒険パートとして遺跡の探索、二章で集団戦、そして三章でボス戦の構成となっております。
 冒険パートでは力尽くだけで道を作るだけでも探索でなにか情報を集めても構いません。情報を探せば、ちょっとドラマチックになるかも?出来るように頑張ります!

 それでは宜しくお願いします。
35




第1章 冒険 『禁忌の遺跡』

POW   :    力任せに完膚なきまでに破壊する。

SPD   :    仲間たちが破壊作業をしている間、周囲で眷属を警戒する。

WIZ   :    破壊する前にちょっと調査をもしておきたい。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フローライト・ルチレイテッド
はいはーい。
【聞き耳】【野生の勘】【視力】、暗いなら【暗視】も駆使し周囲を警戒する。
「なにか来るかなー?」
ワクワクしながら警戒する。

何か事が置きた場合は、【楽器演奏】【歌唱】【パフォーマンス】【おびき寄せ】【催眠術】【マヒ攻撃】【存在感】を駆使し、UC【Cross the sky~スピード狂の愛天使】を使用。
音楽で敵をおびき寄せつつ、味方に存在を知らせる。

「お客さんがきたよ!おもてなししなきゃね!」

攻撃された場合は【野生の勘】【見切り】を駆使して見極め、【パフォーマンス】で飛んだり跳ねたりして回避に務める。

また、来たのが動物系の眷属であれば【動物と話す】で言っていることを聞いてみる


エン・ジャッカル
私も破壊作業をしたいところですが、アヌビス号の攻撃手段は光波射撃やシールドで殴るぐらいで破壊工作には向いていませんので、哨戒にあたりましょう。幸い、Aマシンヘルムの危険察知機能がありますので不意打ちを受ける可能性は低いかと思います。

とはいえ、こうやって哨戒すると言ってもただ棒立ちするのもどうかと思いますし、遺跡の周りを警戒しながら歩き回ってみることにします。何か見つかるかもしれませんしね。

それにしても…人柱ですか。確かに抗う方法が無ければ人柱にならざるを得ないでしょうね。私もアヌビス号と出会っていなければ死んでたであろう場面がありましたので、人柱になった人々の気持ちは何となく想像できますね…。



「何か来るかなー。何も来ないかなー?」
 愛用のギター、『蛍灯』を軽く鳴らしてビートを刻みながら、フローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)は遺跡を探索、或いは破壊して道を作っている猟兵達の為に不意の事態が起きないよう哨戒を行っていた。
「何も来ないに越したことはないんですけどねぇ。」
 宇宙バイクのアヌビス号と共に、フローライトと共に哨戒についているエン・ジャッカル(風来の旅人・f04461)が答える。
 勿論、この先に眷属や邪神が控えていることは確実なので絶対に何も起きないという確信は無いし、少なくとも先に進めば何かがあることは間違いない。
 それでも無駄な交戦は避けるに越したことはないと血気盛んな少年に先達として話す。
「そりゃあ解かるけどさー。でも何もないってのも暇じゃないか?」
 ギターの音に鼻歌を合わせ、周囲を見回す。カタリ。
 ほんの僅か聞こえた小さな物音。小さな石片が転げ落ちるような、微かな音にも関わらず。
 二人の猟兵は瞬時に戦闘態勢へと移る。
「……何か、いますか?」
「……どうだろうなー…。」
 ゆっくりと、慎重に。何があっても対処できる心構えと体捌きを持ち、少しずつ物音のあったところを見る。
 ころりと落ちた小さな石の欠片。そこには何の形跡もなく、ただ偶然に、二人の歩く振動やギターの音や話し声の空気の振動で風化した遺跡の一部が崩れただけだという事が理解できる。
 そこに、ふと何気なく見た遺跡の柱には、何か文字が刻まれていた。
「ん、なんか書いてあるぜこれ。」
「ふむ…なんでしょうかね。」
 フローライトにそういわれ、エンも同じようにその文字を見てみる。あちこちを放浪してきた彼らの【情報収集】力や【世界知識】を紐解き、その言葉が何だったのかを解読を試みてみる。
「あー…なんかどっかで見たことあるなこれ。確かこれは…。」
「ふむ…ちょっと調べてみますか。」
 【支給スマートフォン】を起動し、二人で小さな画面を覗き込む。あーでもないこーでもないと頭を突き合わせて相談する。
 勿論、二人は哨戒中だ。何かあってはならないし、哨戒に出て奇襲でもされたら笑えない。周囲への警戒は一切怠らない。

 暫くの時間を置いて、二人が解読した遺跡の文字は邪神の力を受け入れた人物へ向けた言葉だった。
 UDCアースにおいても古く、今は失われた言葉で書かれたものであったため解読は簡単ではなかった。UDCで支給されたスマートフォンにはそれらの遺失した言語に関する情報も含まれている。
 それが無ければ、そう簡単に解読することは出来なかっただろう。
 それは、自分の身を捧げてまで人々を護った英雄に向けた感謝の言葉。
 ではなく。その人物へ向けた、謝罪の言葉だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジョン・グッドマン
WIZ
【破壊する前にちょっと調査をもしておきたい。】
UDCエージェントとして一個人として興味がある
調べて纏めておこう、忘れ去られない様に

遺跡の材質や石碑等調べる、どれくらい昔の物かどのように封印されているかできうる限りの時間で調べよう。【世界知識】を使用し知識のかさ増し、事前に遺跡のある地域の風習等を調べておく


リステル・クローズエデン
【WIZ】
すみません。壊す前に情報をとっておきたいんです……
(なにか…そう、なにかが、ひっかかるのです)

『暗視2、視力3、報収集9、撮影3、世界知識3』
謎の携帯端末で撮影しつつ周囲を調べます。

ただ、優先事項は忘れません。
必要なら『鍵開け1、第六感5、怪力2、封印を解く2』あたりで
他の方のサポートも行います。


シャルロット・クリスティア
人柱……ですか。
全員を救うことなどできないが故の、致し方ない犠牲だったのでしょうか……。
この遺跡は、封印されている者が外に出ないためのもの。
『近寄らせない』よりは『逃がさない』ためのものでしょうから、侵入者を阻む罠があるとは考えにくいですが……念のため、警戒はしておきましょう。その力を狙うような不届き者がいなかったとも限りませんしね。
仮にも『罠使い』の端くれ。その手のトラップがあれば、解除もお手の物です。
道を塞ぐ瓦礫は、刻印弾で吹き飛ばしてしまいましょう。
お目覚めの挨拶には荒っぽいですけど……ご容赦くださいね。



●道を切り開く
 人柱……ですか。全員を救うことなどできないが故の、致し方ない犠牲だったのでしょうか……。
 シャルロット・クリスティア(マージガンナー・f00330)は道を塞ぐ瓦礫をどかしながら、内心で呟く。
 華奢な両腕では巨大な瓦礫を動かすことは叶わない故、それらは後にユーベルコードを駆使して破壊することにして。まずはそれらへの術の干渉の邪魔になるような瓦礫をどかしていく。
 周囲への警戒をせずに済むのは、哨戒をしっかりとしてくれる猟兵がいてくれるからだ。
 勿論彼女とて、完全に油断したわけではない。が、こうして遺跡の瓦礫に触れるように道を作っていく彼女が最も注意を払っているのは罠の有無だ。
 とはいえ、だ。
「この遺跡は、封印されている者が外に出ないためのもの。『近寄らせない』よりは『逃がさない』ためのものでしょうから、侵入者を阻む罠があるとは考えにくいですが……。」
 その彼女の予想に違う事無く、罠と思えるものはまるでない。瓦礫も、奥に封じた存在を外に出さない為に無理矢理に崩したようにしか見えないものだ。
 その事実に思い至り、表情を暗くする。
 この奥にいる存在は、一体どんな思いで人々の為に戦い、この奥で眠りにつくことになったのだろう。
 その試案を振り払う。今すべきは、猟兵達の路を作り上げ、その奥にいる存在に本当の眠りを与えることだ。
 大きな瓦礫を前に、膝を付いて狙撃態勢を取る。銃床を肩に当てがい、スコープを覗き込み十字の中心に狙いを付ける。
 弾丸を送り出した銃身を支えるように持ち、静かに祈るように、標的を見つめる。
「【術式刻印弾・炎爆】…吹き飛んで下さい。」
 すとんと、引鉄を落とす。引くという動作すら超えたスムーズな挙動によって放たれた一撃はその静けさと対称に、瓦礫の山へと炸裂し道を阻むものを砕き尽くした。

●正義の為に
 シャルロットが遺跡の路を作り上げるよりも暫し前、残された情報を求めて二人の猟兵が遺跡を探索していた。ジョン・グッドマン(人間のグールドライバー・f00131)とリステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)の二人だ。
(なにか…そう、なにかが、ひっかかるのです。)
 その何かがまるで分らない。靄の向こうにあるなにかをこそ求めてリステルは黙々と探索を進める。気になる物があれば、手にした【謎の携帯端末】により写真を撮り検索を行い、謎を晴らしていく。
「ふむ…この遺跡の材質や構造からすると100年やそこらではなさそうだな。」
 拾い上げた壁材だった石を見て、自身の【世界知識】からジョンが導き出す。
「…この遺跡に封じられてた奴は、どんな奴だったのかね。」
 ふと、彼が口にしたのは疑問というよりもただ思いついた言葉が口の端に上っただけのような、そんな何気ないものだった。
「人々を邪神の魔の手から守るために、同類の邪神を受け入れてその力で戦ったという話でしたね。でしたら、正義の為に立ち上がる高潔な方だったのではないでしょうか。」
 暗闇を見通す【暗視】であたりを確認していたリステルが答える。ふと、隠し扉のようになっている場所を見つける。
 す、と目で合図をするとそれだけで理解したジョンは、足元にあったまるでここにあったのだろう扉を外から締めていたような痕跡を見て顔を顰める。それに気づきながらも、リステルが言及することはなく。警戒を高めて二人、その部屋へと入った。

 助けて。助けて助けて助けて出して助けて助ケてたすけて助けて出して出シて助けて助けテ助けて助けて助けてタスけてダして出シテ助けテ助けて助けて出して出シて助けて助けテタすけて助けてタスけてダして出シテ助けテ助けて助けて助けて助けてタスけてダして出シテ助けテ助けて助けて出して出シて助けて助けテタすけて助けてタスけてダして出シテ助けテ助けて嫌だいやだいやダいやいやいやいやいやいやいや嫌いや…………。アレになりたくない。

 光一つ指さない部屋には、壁一面に救いを求める言葉が、書かれていた。
 それは人を護るために人であることを捨てた者の、捨てさせられた者の、願いの言葉だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『マガツアリス』

POW   :    古き神々の意志
【邪神「第零の蟻」】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
SPD   :    呪われし鉤爪
【異様に膨れた両腕の鉤爪】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    軍隊蟻の行進
いま戦っている対象に有効な【悍ましき妖虫】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。

イラスト:鋼鉄ヤロウ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リステル・クローズエデン
望んで得た力ではなかった……

いけにえとなった存在ですか……

ですが……

今は、目の前の敵を倒すのみです。


『見切り4、暗視3、視力3』で敵の動きを見極め
『先制攻撃4』を行う
【穿刃天舞】『投擲14+鎧無視攻撃7、毒使い4+マヒ攻撃4』で範囲攻撃
さらに『2回攻撃7』で追撃する
「先の先。迅速に優位に立ちましょう。」


相手の攻撃は
『見切り4+残像2』で回避。
『オーラ防御8+激痛耐性3』で耐える


ジョン・グッドマン
敵か、邪神はこの奥か?まぁいい、押し通らせてもらおうか

甲殻に覆われているのなら腕や首を【グラップル】で関節をへし折る、取れなければ【怪力】【鎧砕き】で砕こう。数がいる場合は【二回攻撃】【なぎ払い】で吹き飛ばし、【クイックドロウ】で【マヒ攻撃】【恐怖を与える】【呪詛】で遠距離攻撃に移行しながら確実に数を減らしていく


フローライト・ルチレイテッド
ゾロゾロ出てきたー。
なかなかキマイラ的な見た目でなくもないね!
何はともあれ、歓迎しよう、盛大にね!

【歌唱】【楽器演奏】【パフォーマンス】【範囲攻撃】【援護射撃】【マヒ攻撃】【催眠術】を駆使して、ギターを鳴らして歌い踊り、UC【Snow Light】を発動。
範囲内の標的を着火していきます。
一応標的以外が燃えたらそこは沈火させる方向で。

攻撃には【第六感】【野生の勘】で動きを見極め、【パフォーマンス】で飛んだりはねたりして対応します。



あ、尚UCの詠唱は歌詞なので、本人の口調とは関係ないです、あしからずー


エン・ジャッカル
さっき柱に刻まれていた謝罪の言葉が気になって仕方がありませんが、早速眷属がお出ましですね。集団戦だと私自身だけで戦おうとするとすぐにやられるのが目に見えてるので、すぐにアヌビス号と合体することにしましょう。

さて、相手はマガツアリス。見てわかるように鉤爪を武器に攻撃してくることが推測できますので、シールドガンで防いだり、ブースターで躱すなどをしてから反撃をするカウンター戦法で行くことにしましょう。

ただし集団戦である以上、積極的にカウンター戦法を取ろうとすると背後側からの攻撃に対処できないので、囲まれたらブースターで加速しながら攻撃していくようにしたほうが良さそうですね。



 崩れた瓦礫の向こう側。暗く、見通すことの出来ない闇の先へと、猟兵達が足を向ける。集った猟兵が各々、それぞれの胸中に抱くものを持ちながらも、優先すべき周囲への警戒を怠る事無く先へと進む。
(望んで得た力ではなかった……いけにえとなった存在ですか……ですが……。)
 リステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)が周囲を見ながらも、内心にて思いを馳せる。邪神へとその身を変えられた人物は、一体何を思って、それでも人々の為に戦ったのか。それを理解出来ないのは、今の自分に記憶が無いからか、それとも…。
「…気になるのは解かりますが、意識を切り替えましょう。」
 自分が思っている以上に思案に耽っていたリステルに、見かねてエン・ジャッカル(風来の旅人・f04461)が声を掛けた。自分もまた、見つけた言葉が胸に棘のように刺さっている。それでも、今すべきことはそうではないだろうと己に言い聞かせ探索を進めていく。
「そう、ですね。すみません、ありがとうございます。」
 揺らぎの消えた彼女の瞳に、エンもふっと微笑む。その時だ。フローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)が楽しそうに声を上げた。
「なんかゾロゾロ出てきたー。なかなかキマイラ的な見た目でなくもないね!何はともあれ、歓迎しよう、盛大にね!」
 猟兵達の進む先から、ぞろぞろと進み出てくる人型の異形。人の顔と、人型の上半身。両手は鋏となり、下半身は形容しがたい黒色の何かへと変じた半人半虫の怪物。ここに出てきたという事は、即ち邪神の眷属であるということだ。
「こうやって敵が出てきたってことは、邪神はこの奥か?まぁいい、押し通らせてもらおうか。」
 ジョン・グッドマン(人間のグールドライバー・f00131)が異形の群れを前に、不敵に笑みを浮かべる。猟兵達が各々、手にする武器を構えて。一拍、戦闘が始まった。

「早速行きますか、モードチェンジ!」
「やるか…トライバルッ!」
 口火を切ったのはエンとジョンだ。【モードチェンジ・アーマー】により愛車である『アヌビス号』が掛け声と共に分解、それがエンの全身に武装と装甲として合体する。それによって向上した戦闘能力を最大に活かすべく、カウンター狙いで敵の群れへと飛び込もうとする。ジョンもキレート剤を口に放り込むことで、【トライ・バル】を発動。UDCとの融合体へとその姿を変異させ、その能力を全開にする。近接にて敵の群れを駆逐すべく、虫人の中へと駆け出そうとする。が、二人は敢えてそれを一歩遅らせた。
「先の先。迅速に優位に立ちましょう。天ノ舞は、刃ノ風を呼ぶ!」
 【先制攻撃】を旨とするリステルが手にした手裏剣と苦無を構える。それを手に、腕を、身体を弓のようにしならせる。ギシギシと引き絞られた弦を解き放つ幻視。弾丸の如く疾駆した投擲武器は、それぞれが敵の頭部を最初から決まっていたかのように貫き射抜く。
 一拍置いて噴出した敵の血。第一波をそれで防いだ先、血の影の向こうにそれ以上の虫人の姿が映る。そこに、もう一度。【2回攻撃】で放たれた手裏剣は、塗布された毒による【マヒ攻撃】を付与された。
 深々と刺さったそれが当たった対象の動きが鈍る。
「砕けろ…。」
 待っていましたとばかりに飛び込んだジョンとエン。自分から仕掛けていくスタイルのジョンは、甲殻に覆われていない関節部を狙う。【グラップル】による関節技、半分人型をしているのが関節を極めるには都合がいい。
 腕を逆に極めながら、背負い投げ。ボキリと枝が折れるような音がして腕が引き千切れる。倒れた敵の頭部を踏み砕く。融合による【怪力】に【鎧砕き】の技が合わされば、甲殻に覆われた部位とはいえブチ抜くには十分だ。そのまま後ろ回し蹴りで背後から迫る敵の胸郭を貫通。その敵がまだ動くのを見やれば、『プリエール』の銃口を向けて引鉄を引く。
「囲まれるのは厄介ですね。」
 シールドガンで虫人の鋏を受け流し、銃口を押し当てエンが接射。一撃、二撃。確実に仕留める為のダブルタップ。命を失った敵を更に迫る相手に押し付けるように突き飛ばし、その逆から迫る敵へ腕をクロスさせて射撃。更にクロスした腕を広げて射撃。二体を同時に倒し、背部のブースターを起動。地面を滑るように動き、迫る敵の背後へと回り込んでいく。
「皆やるねぇ!それじゃ僕も、燃えて行くよ!」
 戦場には似つかわしくないギターの音が響き渡る。ニッと快活に笑ったフローライト、ツインネックギターの弦の上で指が躍る。音は繋がる事で音楽となり、口から紡がれる言葉は音楽と繋がる事で歌となる。ユーベルコード、あるいは楽曲【Snow Light】。雪の降って散りゆく様を歌った彼の歌。
 その歌声と共に、戦場に雪が降る。深々と、津々と。白の光は敵へと触れるや光から炎へと変わる。白ではなく、赤でもない。それは玉虫色に色を変えていく炎。様々な色へと一秒ごとに変じる炎は敵を巻き込み、世界を照らしていく。
 炎に追われる虫人を、リステルの放った苦無が穿つ。心臓、人であればそこにその臓器があるであろう位置を貫き、舞うようにリステルは苦無を手裏剣を投擲していく。
 苦無が命へと届かない敵へは、ジョンの四肢が打ち砕く。エンの銃が撃ち抜く。瞬く間に減っていく敵を背に、フローライトのライブは最後の一小節を歌い上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『黒装の破壊者』

POW   :    砕け散れ
単純で重い【拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    贄となれ
自身の身体部位ひとつを【異形の大蛇】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    磔になれ
レベル×5本の【物理】属性の【邪神の肉で作った杭】を放つ。

イラスト:FMI

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は麻生・大地です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 壁に添えた手が、岩盤を握りつぶす。ふらりと、踏み出した足は彼を縛り付けていた不可視の封印式の残りを踏み砕いた。
 漆黒の鎧に身を包んだその身は、その瞳を憎悪に染める。自身をこのようなところに閉じ込めた憎悪。世界全てを焼き尽くしてしまいたいという果て無く湧き出る衝動。
「秩序の飼い犬共…この身の最初の報復を受けてもらう…。」
 邪神に肉も精神も侵された。思考の奥深く、靄が掛かったようにある何か。それは、その身の抱いた原初の願い。
 身近な誰かを守りたいと。別に、世界を救いたいなどと大それたものはなかった。ただ、大切な誰かを守れるだけで良かった。
 そう、だから自分は―――。

 ぷつん。

 その思考は、この身に不要だ。ブラックアウトした『彼』は奥底へと追いやられ、世界を侵す願いを抱き、邪神へと堕ちた青年は解き放たれた。
ジョン・グッドマン
アレがそうか、理性はなさそうだな。
相手をしよう全力で、守りたかった人たちが繋いだモノを壊させないために!

 【トライ・バル】【怪力】で戦闘力を上げ敵に肉薄し【二回攻撃】【捨て身の一撃】【鎧砕き】で相手にダメージを与える。
 最初に【先制攻撃】【フェイント】で相手の先をとる、この時【戦闘知識】で戦闘を有利にできるようにし戦い続ける。
 【第六感】【見切り】で回避、【武器受け】【オーラ防御】でダメージを軽減し【生命力吸収】【激痛耐性】で戦闘時間を伸ばし、粘り敵のダメージを蓄積させよう


リステル・クローズエデン
理不尽に翻弄された者……
同情は、しません。

僕にできることは、あなたを倒すことのみです。


『見切り4、暗視3+視力3、戦闘知識4』で行動予測。
『投擲15、毒使い6+マヒ攻撃6』の手裏剣投擲の牽制から、

『ダッシュ5+ジャンプ6』で間合いをつめて

【呪炎武装】『属性攻撃6+鎧無視攻撃8+2回攻撃7+フェイント2』で
赤きオーラを纏った刀による、炎属性斬撃を行う。

相手の攻撃に対しては
『見切り4+第六感7』で察知
『残像2+ダッシュ5』で回避
あるいは『武器受け6+オーラ防御10』にて鞘で受け止める
無理ならば『オーラ防御10+激痛耐性3』で耐える。



「やはり……なにか……思い出せそうです……」


フローライト・ルチレイテッド
ではあなたに歌を。

…もう思い出せないかもしれない、祈りの歌を!
平和を望んでいたであろう、あなたへの歌を!

UC【Crasy Wonder Wonderland】を使って、先程の眷属達をバックバンドとして復活。

【地形の利用】【野生の勘】【視力】【見切り】【第六感】【激痛耐性】などで攻撃に対応しながら、

【存在感】とマイクパフォーマンスで自己主張し、【歌唱】【楽器演奏】【パフォーマンス】【鼓舞】【援護射撃】【マヒ攻撃】【催眠術】を駆使してUC【Peace】を発動。コーラス隊を引き連れ攻撃。
更に彼であった誰か用へ【優しさ】【封印を解く】も上乗せして撃ちます。

そう、争いの無い日を夢見ていたであろう誰かへ。



 遺跡の床を踏み砕き、俯き歩く漆黒の誰かがふと、歩みを止める。その「正当な」報復を妨げる邪魔者が、立ちはだかる。
 ジャン、と。ギターの音が耳を揺るがす。自身が生きた時代にはこの国には無かった音。だが、鼓膜ではなくその奥底に響くような、奇妙で、不快(心地良い)音。
「…では、あなたに歌を。…もう思い出せないかもしれない、祈りの歌を!平和を望んでいたであろう、あなたへの歌を!」
 【優しさ】に彩られた音色を奏でるのは、フローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)。銀の髪を輝かせるその瞳、その言葉。それが、無性にささくれ立つ。
「…その不快な音を止めろ、秩序の飼い犬…。」
 ギシリと音を立て、漆黒の破壊者の拳が握り込められる。一足で二人の間にあった距離が皆無となり、振り被られたそれが落ちるように叩き込まれる。そこに込められた破壊の意志、それを正面からぶつけられ、少年が思わず歯噛みする。
 それに、立ち塞がる者がいる。
「君は、君の歌を。私も、彼の相手をしよう。全力で、守りたかった人たちが繋いだモノを壊させないためにっ。」
 【トライバル】によってその身は人であるUDCでもある姿へと変貌させて、尚も胸に誇る自身の思いを以て。破壊の拳を受け止めたのは、ジョン・グッドマン(人間のグールドライバー・f00131)だ。ギシギシと拮抗する力と力。奇しくもそれは、同じような力を源とする者同士が相対する光景。
 あるいは、もし何かが異なればその光景は真逆になっていたかもしれない二人。故に、自身の限界すら超えて【怪力】を引き出したジョンは、黒衣の邪神人へと拳を突き出す。
 腹部へと突き刺さるジョンの拳。体をくの字に圧し折った彼に、『無銘の刀』と『紫紺の刃』の二刀が襲う。半瞬の間を開けての連撃、不利な体勢でありながら初撃を肘と膝で挟んで受け止める反応速度に脅威を抱きつつ、『紫紺の刃』の一太刀を腕で受けて邪神人が下がる。
 赤い血を滴らせて後退したその姿を鋭く見据えるリステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)が、双刀を油断なく構える。
「同情は、しません。僕にできることは、あなたを倒すことのみです。」
 静かに告げた言葉に、揺らぎはない。胸に掲げた覚悟は、その程度で覆るものではないのだから。

「僕の歌を届けます…ッ!お二人は…。」
「任せて、僕たちで行くよっ。」
 フローライトの頼みを快く引き受け、リステルが疾駆する。双刀を紅蓮に染め上げ、怨念の赤いオーラに包まれる。
「紅き呪い。切り裂く炎となれ。」
 【呪炎武装】によって威力を跳ね上げた剣戟。十字に構えた刃が、黒い装甲へと襲い掛かる。
「舐めるなよ…その程度の浅い呪いで…ッ。」
 甲殻に包まれたとは言え無手でありながら、リステルの二刀と相対する。横薙ぎの右の太刀を左手の甲で下から跳ね上げる。間も置かず放たれる冗談からの左の刃は体を滑らせるように回避、そのまま流れるような蹴りが彼女を弾き飛ばす。
「あの動き…武術を知っている奴か…っ!」
 その隙を伺っていたのは、ジョンだ。彼女の影から一息に踏み込む。全力の踏み込みは足元を踏み砕き、その力の全てを左拳へと伝える。
 唸りを上げて奔る腕。それが防御に掲げた腕に阻まれる、刹那。
 死角から放たれた右拳が脇腹に叩き込まれる。
「ぐっ…っ。」
 【フェイント】による【2回攻撃】。それを彼が理解した時には、邪神人は壁に叩き付けられていた。
 だが同時に、ジョンもまた片膝を付くことになる。
「…あのタイミングでカウンターを合わせてくるか…。」
 鏡のように、受けた傷は自身が拳を叩き込んだ場所と同じ。深く、ぼたぼたと血を流す傷痕。斬り裂かれたようなそれは、正しく拳撃によって裂かれた痕。どれ程の技量と身体性能があれば、そんな真似が可能というのか。
 そんな思考すら許さず、彼が追撃を仕掛けてくる。振り翳した拳にある力は、先の比ではない。受ければ骨はおろか、身体が残るのかも怪しいソレ。
「させないっ!」
「【砕け散れ】ッ!!」
 その前に飛び出した小柄な影。リステルが双刀を翳し、邪神人の拳を迎え撃つ。渾身の一撃同士のぶつかり合い。
 遺跡全体を揺らすような一撃。フローライトが思わず大きく下がる事となる。衝撃に押され、ジョンが転がり出るように下がる。
 その腕には、血に塗れぐったりとしたリステルが抱えられていた。
 閉ざされることなく、しっかりと敵を見据える瞳からは強い意志が見え、戦意は未だ消えていない。だが、受けた傷を見ればそれがどれ程の深手であるかも容易くわかる。
 砂煙が去り月明りに照らされると、拳を振り抜いた邪神人の姿が見える。ぶつけ合った右拳は確かに、深々と斬り裂かれまともに動くかも怪しい。
 それでも、床となっていた場所は粉々に砕け散り小規模なクレーターが作り上げられていた。ミサイルの激突すら彷彿とさせる威力に、背筋が冷える。
「…有り難うございます。行きます、僕の歌をあなたに…。そう、争いの無い日を夢見ていたであろう誰かへ。」
 猟兵を金の瞳で見据える彼が次の一歩を踏み出そうとした瞬間、これまでギターを鳴らし場を整えていたフローライトが言葉を紡ぐ。細い指がギターの弦を滑る。
 紡ぐ歌は激しく、それでいて穏やかな歌。
「もう一度君に、会えるなら。今度は、上手に笑うから。憎しみの火が、消えたなら。平和はきっと、叶うから――。」
 ザ、ザ――。思考にノイズが走る。この猟兵達を、秩序の飼い犬共をこの世から消し去る。その上で世界に復讐を、全てを炎に包んで無に――。その思いが、上書きされる。否、下から滲み出てくる。

 別に、世界を救いたいなんて思ったことは無かった。どうせ守るなら、身近な人だけで十分だった。
 でも、皆が望んだのはもっと多くを、もっと広くを守る力だった。
 断りたくても、そんなことは出来なかった。そうすれば、そんなことをしている間にもっと多くの、もっと広くの物が、人が、無くなってしまうから。
 選択なんて、そんな余裕はなかった。どんなに嫌でも、逃げたくても、助けてほしくても、選ばれた以上自分しかいなかった。
 助けてほしかった。沢山祈って、沢山頼んで、勿論無理だった。
 本当に欲しかったのは、ただ、皆が迎える何の変哲もない明日だった。
 でも、それは与えられなくて。最期に見たのは、綺麗な、本当に綺麗な、この世界。この場所から見える世界が、自分が自分でいる間に見ることが出来た最後のモノだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

エン・ジャッカル
誰かのために人柱になることがどれだけ辛いのかは私ごときでは分かりません。ですが、これだけは分かります。皆のために、そして明日のために非力ながらも戦ったのですね。だからこそ、この悲しみは、この苦しみは今ここで終わりにしなければなりません。

アヌビス号、非力な私に力を貸してください。どうか、目の前にいる相手に終止符を。

いつもならアヌビス号のブースターの噴射力を私自身がブラックアウト(気絶)しない程度までに調整して加速させていましたが、今回はそんな余裕はありませんので覚悟を決めて、最初から全力全開で行かせていただきます。

ーどうか安らかに眠れ。笑って生きていられる時が来るその時まで。


フローライト・ルチレイテッド
光よ、あの人に届けッ!!
かつて見た夢の場所に、あの人が行けるように!

【見切り】【第六感】【野生の勘】【激痛耐性】【地形の利用】などで攻撃へ対処しつつ、

【歌唱】【楽器演奏】【封印を解く】【パフォーマンス】【催眠術】【マヒ攻撃】【優しさ】【鼓舞】【早業】を駆使し、
彼の中に眠る誰かを想いながら、ギターをかき鳴らしてUC【アカツキノユメ】を発動。

光と風と音であの人を攻撃します。

優しい人よ。どうか思い出して。あなたが本当に願ったものを。
あなたが護ったものを。


アレクシア・アークライト
「邪神がいなくなったら、私も貴方みたいに何処かに閉じ込められるのかもしれないわね」
「ま、そのときのことはそのときに考えるわ。今は世界を守ることの方が大事だもの」
「じゃ、行くわよ、先輩」

・空を蹴って接近 [空中戦]
・相手の攻撃は障壁で防御 [念動力]
・疲れ、又は仲間の攻撃による隙が見られたら反撃 [情報収集、グラップル、捨て身の一撃]【全力の一撃】

「貴方が独りだったことには、同情するわ」
「今は、力を高めてくれる人がいる、傷を癒してくれる人がいる、足りないものを補ってくれる人がいる」
「でも、私達がこうして戦えるのも、かつて貴方が世界を守って戦ってくれたおかげよ」
「だから、言わせてね」

「ありがとう」


田抜・ユウナ
「手伝いがいるかと思って来てみたけれど……ふむ」
我が流派が培った《戦闘知識》でもって、《目立たない》ようにそっと敵に歩み寄り【賢者の影】
放つ問いかけは「あんたの本当の望み、言ってみなさいな」
シンプルだから、真実を答えなければ大ダメージであるはず。

伸ばした影の形状は、四肢を縛る鎖。
彼を封印してたのと同じ形。

回答が真実なら「そう」と一つ頷いて
ちゃんと答えなければ無言の仏頂面で
嘘なら「……嘘つき」と気に入らない様子で
ポケットに手つっこんで立ち去る。

※アドリブ等々、ご自由に料理して頂ければ


ジョン・グッドマン
まだだ!腸が裂けようが!
せめて人として終わらせてやる!
悪意も憎悪も纏めて砕け散れ!

【捨て身の一撃】【怪力】で力を、【空中戦】で飛び天井を蹴って蹴りの威力を高めた後【鎧砕き】で外装ごと蹴り砕く
多少のダメージは【激痛耐性】で何とかする
融合率を最大まで上げ相手に肉薄し仕留める


リステル・クローズエデン
(戦いを続けるのなら……倒すしかないのなら……)

必要であるならば
『激痛耐性3』で痛みに耐え
その言葉を紡ぎます

記憶の『封印を解く2』
「この身は刃……凍てつく青き呪いの刃……」
【呪力解放・瞬撃斬空形態】【真の姿になります】
「呪力……解放……アクセルモード……」

深手で動くことはできませんが……
『属性攻撃6+呪詛4+恐怖を与える2+マヒ攻撃6』で
【刀の切っ先を向けた方向に、氷結呪縛の吹雪】を放ち。
援護を行います。

「なんのために戦うのか……僕は知らない……ですが……」
「お前を止めなくてはいけないという事だけは、わかる……」

(攻撃後、元の姿に戻ります(UCは継続))
「あとは……まかせ……ます………」



「忌々しい…まだこの身に口を出すか…。秩序の飼い犬共の影響か…。」
 ギロリと、怨念の籠った瞳で邪神人が猟兵を見やる。頭を振り、脳裏に過った映像を振り払う。
 その瞬間、踏み込んだ者が二人いる。
 (邪神がいなくなったら、私も貴方みたいに何処かに閉じ込められるのかもしれないわね。ま、そのときのことはそのときに考えるわ。今は世界を守ることの方が大事だもの。)
「じゃ、行くわよ、先輩。」
 内心で思う事は多々あれど、今はそれは脇に置いておくべきことだ。そう判断し、アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)は【空中戦】の技量を最大に活かし全身を包む念動力を拳に集わせる。
「まだだ!腸が裂けようが!せめて人として終わらせてやる!悪意も憎悪も纏めて砕け散れ!」
 そう咆哮し、脇腹から零れる血を止めようともせずに疾駆するのはジョン・グッドマン(人間のグールドライバー・f00131)だ。アレクシアと同じように【空中戦】を駆使し天井を蹴り、吠えた思いの丈全てを拳に込めて、刻印を起動する。
「私の全力を込めた一撃っ!」
「砕け散れッ!」
 左右ではなく、横と上。真逆ではないずらした方向から放たれた二つの拳。それに込められた力は、並大抵の相手に防げるものではないという自負に違うものではない。
 そう、並大抵の相手なら、の話だ。
「舐めるなッ!」
 寸分の狂いもない同時攻撃にも関わらず、アレクシアの一撃を傷ついた腕で防御しその勢いで後退、ジョンの一撃の軸をずらし左目に当たったとはいえ直撃を避ける。
 反撃に飛んできたのは、邪神の肉で編まれた杭。三桁に近い数の肉杭は二人の肉を射抜き吹き飛ばす。それぞれ【激痛耐性】や【念動力】で行動不能になるほどのダメージは避けるが、血が帯を引いて二人が飛んで行く。
「モードチェンジアヌビス号っ、私に力を!ぐっ…うぅぅゥッ!」
 その二人が壁に叩き付けられる寸前、全開のブースターで最大加速したエン・ジャッカル(風来の旅人・f04461)がアレクシアとジョンを受け止めた。
 ブラックアウト寸前までの強烈なGに晒されたエンの視界は半ば赤く染まり、頭が痛みで包まれる。
 それでも、倒れる訳には、足を止める訳にはいかない。
 (あなたも皆のために、そして明日のために非力ながらも戦ったのですね。だからこそ、この悲しみは、この苦しみは今ここで終わりにしなければなりません。)
「二人をお願いします。」
 意地で持って意識を保つエンが、フローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)に二人を委ねる。ジョンとアレクシアが立ち上がり戦意を見せるが、【激痛耐性】すら貫く痛みは戦えるまで僅かな間が出来た。
「オーケー、少しでも癒すよ。皆も、あの人も!」
 ギターをかき鳴らしたフローライトが癒しの歌を叫ぶ。蛍火が舞い、それを受けた猟兵達の傷を少しずつ、だが確かに癒していく。
「あなたは、まだ…っ!」
「当たり、前だろうよ!この飼い犬共が…ッ!」
 その間、最大速度での戦闘で時間を稼ぐエンも徐々に押されていく。吐き捨てるように言ってのけた邪神人が、ジョンに、アレクシアに受けた傷から血を流しながらもエンを迎撃する。速度で上回りながらも、反応速度で押されるエンが少しずつ、血を流し傷を負う。
「戦いを続けるのなら……倒すしかないのなら……。この身は刃……凍てつく青き呪いの刃……呪力……解放……アクセルモード……。」
 フローライトの蛍火によって動けるようになったのは、先の交錯で大きな傷を負ったリステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)だ。忘れていた、失ったはずの何かを手繰り寄せた彼女の姿が変容する。青い怨念のオーラを纏った彼女が、刃の切っ先を黒き邪神人に向ける。【呪力解放・瞬撃斬空形態】により、氷結呪縛を与える吹雪が放たれる。
「貴様ら…っ。」
 視線による合図を受けて咄嗟に離脱したエンは吹雪の暴虐を受けることなく、それが遅れた邪神人はその直撃を受けて氷結の呪いを受ける。
「僕はお前が何のために戦うのか知らない…ですが。お前を止めなくてはいけないという事だけは、わかる…。…あとは……まかせます…。」
 それは間違いなく、リステルの全力であり、死力だった。解き放った真の姿を継続する事も叶わず、元の姿へと戻る。それでもと、ユーベルコードだけは解かない。せめて皆の一助になればと、どれほど微力でもと、その力を使い続ける。

「あんたの本当の望み、言ってみなさいな。」
 邪神人の背後、背中合わせで立つ人影。果たしていつからいたのか、それは恐らく、田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)にしかわからないだろう。
 彼女の問い掛けと共に、影の鎖が四肢を拘束する。氷結の鎖と合わせ、それは彼を拘束するに足るもので。
「ほら、何なの?あんたの望みってさ。」
 促す彼女に、口を開く。
「そんなもの、当然貴様ら秩序の飼い犬共を滅ぼしてこの身をこんなところに追いやった奴らへの報復…「違う…」。」
 その言葉は、同じ口から出た異なる言葉。邪神人のものではない、ソレとなる前の彼の言葉。
「俺はただ…誰にでも訪れる明日が欲しかっただけだ…。」
 甲高い音を立て、鎖が砕ける。同時、初撃を受けた左目の部分の甲殻が割れる。
 露わになるのは、邪神ではなく人としての瞳。甲殻部分と生体的に融合しているのが見て取れ、その身がもう決して、ただの人へと戻る事も、誰にでも訪れる明日を手に出来る者でもないことを嫌が応にも理解させる。
「……そう。」
 それは理解なのか、納得なのか。そう答えを聞いたユウナは、十分だとばかりに戦場を去る。あとは他の猟兵達に任せる、と。

「…思い出したんだね、あなたが本当に願ったこと。」
 フローライトの問いに、『彼』が頷く。エンが、ジョンが、アレクシアが、渾身の力を以て立ち塞がる。
 理解しているのだ。猟兵達にも、彼を止める方法がもう一つしか残されていない事を。
 体も魂も邪神に浸食された彼の、今のソレは奇跡ともいえる意地。
「…悪いけど、付き合ってもらうよ。俺の、八つ当たりにね。」
 罅割れた魂に鞭を打ち、彼が構える。フローライトの奏でる【アカツキノユメ】を背後に、最期の激突を開始した。
「くっ…。」
 初撃、黒蛇へと変異した彼の腕が伸び、アレクシアに喰らい付く。咄嗟、片腕を差し出す様に翳してそれを受ける。
 それを受けても、深手へと届かないのは彼の力が削がれているからだろう。フローライトの奏でる歌が作り出す光と風は、彼の使う力を削ぎ落とし、戦う皆のサポートをしていた。
 エンのアヌビス号がブースターを最大稼働。滑るように背後へと回り込み、シールドガンが光波を放射する。
「助かるっ!」
 そのエンに掴まる事で高速で背後へと移動したジョンが握りしめた拳。振り被ったそれを、【捨て身の一撃】で叩き込む。
「まだだっ、猟兵!」
 振り返り様、額で拳を受ける。まるで岩へと叩き込まれたような轟音を響かせる拳圧。それでも彼を止めるには至らない。光波を蛇から腕へと戻った様で切り払う。ジョンの拳を掴むと、背負い投げ。
 エンと纏めて吹き飛ばし――その腕が、氷結する。
「そう、僕も…まだだよ…っ。」
 向けられた切っ先。リステルの瞳は、まだ終わってはいないのだから。負ける訳にはいかないと、その力の全てを賭けてユーベルコードを放つ。
 吹雪によって氷結の檻へと囚われた。それでもと、力尽くで赤く染まった血を砕き、振り返る彼に突き刺さったのは、それまでで最大の一撃だった。
 胸を貫き、魂を砕く拳。血が体から抜けていくそれは冷たいはずなのに、暖かく感じる矛盾。
「貴方が独りだったことには、同情するわ。今は、力を高めてくれる人がいる、傷を癒してくれる人がいる、足りないものを補ってくれる人がいる。私達がこうして戦えるのも、かつて貴方が世界を守って戦ってくれたおかげよ。だから、言わせてね。」
「ありがとう。」
 アレクシアの【全力の一撃】が、彼の戦いに終わりを告げた。

 夜が明ける。昇った朝日が、山々を照らし出す。常緑樹が光を反射して輝き、そよぐ風の音が土の香りを運んでくる。それは、彼が最後に見た光景と同じ光景。幾度もの年月を経ても変わらない、彼が最期に見る光景。
 彼が、護ってきたものだ。
「…ねぇ、猟兵の皆…。これが…俺が護ったものだよ…。」
 その誇りを胸に、一人の戦士が旅立っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月07日


挿絵イラスト