●
「トリック&トリート♪」
楽しそうな声が響く不思議な国がありました。
長い長い道。その脇には瞳がオレンジに輝くジャックオランタンが並ぶ。
緑のカボチャ、白いカボチャ、黄色いカボチャ…いろんな色のカボチャの生る畑が広がり、長い長い道の先には大きな大きな家が建つ。
不思議な国の入り口には、カボチャの蔦で飾られたアーチ。
そこには看板がたっていました。
『ようこそ、コスプレパーティーへ』
●
「もう秋ねぇ…秋と言えば、何だと思う?」
リディー・プレヴェール(夢見る乙女のプリン(セ)ス・f27338)は集まった猟兵達へ問う。
しかし、その返事を待たずして彼は叫んだ。
「そう!!!ハロウィン!よ!!!」
ぽかんとする猟兵達を後目にリディーは続けた。
「実は、ハロウィンの季節にぴったりの不思議の国が見つかったのよ。
…とはいっても、オウガ・オリジンによって作られた国、みたいよ。
だから、平和にハロウィンパーティー…とはいかないわ」
はぁ…と残念そうにため息をつくリディー。
要約すると今回の任務はこうだ。
オウガ・オリジンの「現実改変ユーベルコード」によって作り出された国でオウガを討伐しあわよくば仮装パーティーを楽しんでしまえ、と。
用意された書類には、目を引く項目が幾つもあったが、中でも一際興味を引くものがあった。
リディーにもそれは分かっていたようで、補足する。
「そのハロウィンの国には、木や草むらからコスプレ衣装が飛び出してくる不思議な森が広がっているみたいよ。
パーティー会場に行くにはどうしても通ることになるわ。
ちなみにこの衣装、ランダムだから何が出るかは分からないけれど、無差別に超強化する力があるみたいだわ。
好みだろうが、嫌だろうが、着ることをお勧めするわよ」
ま、好みの衣装が出るように祈る事ね、と付け加えた。
何せ仮装パーティーなのだ。会場となる屋外キッチンへと続く長い長い道に屯するオウガ達もコスプレ衣装に身を包んでいるだろう。
仮装しないのであれば、まずこのオウガ達には勝てないと思っていい。
屯するオウガ達を倒し続ければ、騒ぎを聞きつけボスオウガが顔を出す。
楽しいパーティーを邪魔されたからか、はたまた別の理由からかかなりイライラしている様子だ。
コスプレ衣装を纏っているのはこのオウガも例外ではない。
むしろ元より強力故に、実質無敵とも言えるかもしれない。
「ハロウィンの国の不思議な力はかなり厄介よ。
けれど、きっとうまく利用する方法はあるはずだわ。
そこは現地に向かう貴方達任せにはなるけれど…頑張って。いってらっしゃい」
リディーはそういうと、集まった猟兵達を送り出した。
楔之 祈
楔之 祈です。
今回の舞台はハロウィンの国。
オウガ・オリジンの力によって生み出されたこの国で、仮装パーティーを楽しみましょう。
今回のシナリオでは本邦初公開の「2章構成のシナリオフレーム」となっております。
また、10/31までに成功したシナリオの本数に応じて、ハロウィンパーティ当日、そしてやがて始まるであろう「アリスラビリンスでの猟書家戦」に、何らかの影響があるかもしれません。
●第一章
集団戦です。草むらを漁ったり、木を叩けばコスプレ衣装が飛び出してきます。
ランダムですが、祈ればもしかしたら…。ただし「本当は嫌だけど!着てやるよ!」という方にはプレイングボーナスがあります。
コスプレ衣装で強化されたオウガ達は、同じく衣装を身に纏わなければ相手できません。
着ない、という選択肢はないと思ってください。
●第二章
ボス戦です。ハロウィンの国の特殊な力で実質無敵です。
ですが、どうやら会場にはお菓子はない様子。皆で料理を作りましょう。
ボスオウガはこれまた特殊な力により料理の存在には抗えません。
ただし、大人しく料理ができるのを待っている程いい子でもありません。
第二章で出来る行動は、「料理を作る」「攻撃を耐え忍ぶ」の二つです。
こちらも衣装を身に纏っておかなければ耐え忍ぶことはできないでしょう。
●その他
各章に断章を挟みます。断章の公開をプレイング受付開始とします。
プレイング募集期間等に関しましては、マスターページ等で告知致します。
その都度ご確認いただければ幸いです。
第1章 集団戦
『『偽アリス』アリーチェ』
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POW : ミルクセーキはいかが?
【怪しげな薬瓶】が命中した対象に対し、高威力高命中の【腐った卵と牛乳で作ったミルクセーキ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 甘いおねだり
レベル×1tまでの対象の【胸ぐら】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
WIZ : お茶を楽しみましょ?
【頑丈なティーポット】から【強酸性の煮え滾る熱湯】を放ち、【水膨れするような火傷】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
「楽しい楽しいハローウィーン♪
トリック・オア・トリート!トリート・オア・トリート!
おっかしをくれなきゃ~、いたずらするぞ~」
陽気な歌が聞こえてきます。
歌っているのは道に沿っておかれているカボチャたち。
ギザギザのお口を大きく広げ、横に伸ばし、大合唱している。
そんな中で、数多のオウガが屯しています。
愛らしい、アリスのような彼女達。
様々なコスプレ衣装に身を包み、いざ、パーティーの始まりです。
泉・星流
…だから僕は何でまた…この依頼に参加しているんだ?
星流君曰く…『僕がこういう依頼に参加するときは、大抵『何者かの意思』によりろくな目には合わない』
ハロウィン以降に有利な展開に持ち込める…と、予知が出ている為…手が空いているから←状況と内容的に断れなかった奴
行動
衣装:ゴスロリ・アリス風衣装
しかも…妙に似合ってるので、完全に敵さんには女性扱い(何でこんなに強いんだ?…的に)
…僕は男だああぁぁぁぁ!!!!
指定UC(無属性)【全力魔法・念動力】を使用して、創造した箒の半数で飛来してくる『怪しげな薬瓶』を防ぎ・叩き落とす【視力・見切り・掃除・拠点防御】
残りの箒で反撃…箒を突撃させたり、引っ叩かせたりする
●
「…また、また、そうなのかまたなのか」
何かを察したように、泉・星流(人間のマジックナイト・f11303)はため息をつく。
目の前には歌う不思議なカボチャたち。
そして愛らしいコスプレに身を包んだアリス達。
否、それがアリス出ないのは彼には分かっていることだった。
彼女達はオウガ。そう、猟兵である自身の討伐すべき対象なのだ。
しかし、そんなことが問題なのではなかった。
…ここに、自分が立っている事が問題なのだ。
彼は分かっていた。
ここに立っている以上、『何者かの意思』によって碌な目に合わない事に。
「とはいえ、僕が受けた依頼である事には変わりない…か」
意を決して、一歩踏み出す。
ハロウィンの今後に関わる事、そして、自身が手すきであったこと。
断る理由がなかったとはいえ、断らず引き受けたのは彼自身なのだ。
受けたからには、無責任にはできないよな。
星流は一本の木へと近づき、ノックをするように小突いて見せた。
コンコン…。
その瞬間、ポンっと音が鳴り、ぱぁっと一つの光に目を奪われる。
光は中心へと収縮し、そして消えていった。
消えた場所には、愛らしい、赤色を基調としたゴシックロリータの衣装が着せられたトルソーが佇んでいた。
僕に、これを着ろ…ということか。
星流はしぶしぶ衣装を手に取る。
衣装はハロウィンをイメージしてか、コウモリの装飾が施されていた。
明らかに女性物の衣装であることには変わりなかったが、幸いにも彼の好みであるゴシック調のワンピースであることに妥協する。
「くっそ…いいだろう、着てあげるよ」
確かに、際どい衣装ではないし、女の子らしいワンピースという点以外では許せなくもない。
そう、まだマシ…もしかしたら、もっと恥ずかしい衣装だって出たかもしれないし…。
そんなことを考えながらぎゅっと握りしめると、星流はその衣装に身を包む。
赤を基調とした、フリルたくさんのワンピース。
胸元には赤と黒のボーダーのネクタイに黒いダイヤのネクタイピン。
ハイソックスはアシンメトリーで、右足はネクタイと同じデザイン。
長い髪はいつの間にやら結い上げられ、くるりと回ればあらかわいいアリスそのものだった。
「あらあら、可愛いアリスが何の用かしら」
一人目の『偽アリス』アリーチェは、ウサギのコスプレ。
白い、ほわほわのお洋服に、ぴょこんと生えた耳は揺らしている。
そんなアリーチェは、星流の姿に気づき声をかけてきたのだ。
しかし、そんな声掛けに、星流はムッとする。
『可愛いアリス』とは、僕のことを言っているのか?
「もしかして、トリックオアトリートかしら。嬉しいわ、お菓子(アリス)の方から来てくれるなんて♪」
返事のない星流。そんな彼に、アリーチェは続けた。
星流はふつふつと、感じる違和感を探る。
確かに、この衣装はゴシックロリータで、アリス風の衣装であることに間違いはない。
彼女の言う「アリス」は、コスプレのことを指しているのか、もしかして。
そんな思考が巡る。
「でもね、トリックオアトリートなの。お菓子をくれなきゃいたずらするぞなの。
私は貴女を貰うのだから、その前に私からのトリートを渡さなきゃ不公平よね?」
ハロウィンだもの♪と笑うアリーチェ。
そしてアリーチェは、ポンポンっと宙に小さな薬瓶を浮かばせる。
「さぁ、受け取って!」
そう言いながら浮かせた薬瓶を操り星流へと突撃させた。
「そんなものはいらないよ」
少しイラついたような声色で話す星流。
気になっていることが分からない苛立ちと、なんとなく察してしまった事による苛立ち。
その苛立ちを力に、より強固な想像を創造する。
【Freedom・Element・Broom(フリーダム・エレメント・ブルーム)】。
創造された箒を操り、放たれた薬瓶を撃ち落していった。
その様子をわなわなと見ているアリーチェ。
茫然としながらも、すぐに我に返り追撃を行う。
新たに浮かび上がった、先程よりも多い数の薬瓶。
それを一斉にかつタイミングをずらしながら、撹乱するように放つ。
しかし、そんな撹乱も星流には効かない。
全て的確に撃ち落し、ここぞとばかりに残った箒をアリーチェへと飛ばした。
直撃こそしなかったものの、たくさんのかすり傷をつける箒。
アリーチェは、目の前のアリスの強さに驚いた。
「な、なんでこんな強いアリスに当たっちゃうのよぉ…」
ふるふると、悔しそうな泣きそうな声を絞り出す。
「アリスアリスアリスアリス、一体僕は何に見えてるんだ!」
思わず声を荒げる星流。
そんな星流に、おずおずと「え…アリスじゃない、の?女の子じゃ、ないの…?」と答える。
一瞬きょとんとする星流だが、次第に拳を握りふるふると震えだす。
「僕は、男だよ」
それでも、優しく言う。
しかし。
「え…ほんと?だって、アリスにしか見えない…え…」
困惑と疑念の表情で、じっとアリーチェは星流を見る。
何度も上から下、下から上とまじまじと見つめる。
「だから、男だってば」
少し強い口調で言う。
それでも信じられないと言った表情のアリーチェ。
「……僕は、男だぁぁあああああ!!!」
ついに声を荒げる星流。
そして、たくさんの箒と共にアリーチェを追いかける。
「ご、ご、ごめんなさぁぁぁあああい!?」
思わず謝るアリーチェ。その後たくさんの箒に、おしりを叩かれたとかいないとか。
「なんだってんだ…」
ぴらりとスカートの裾をつまみ、衣装をじっくり見る星流。
鏡がないため、自分の姿が確認できないのが悔しい。
そんなに似合っているのか…?そんなに女の子っぽいかな…?
一人悶々とする中で、次のアリーチェと出会う。
彼にとって一番の問題は、この衣装のせいなのかなんなのか、女の子にしか見てもらえない事なのかもしれない。
「だから、僕は男だぁぁあああああ!!!」
大成功
🔵🔵🔵
サブリナ・カッツェン
●POW
ハロウィンな…おい、MK
ハロウィンって何なんだよ
『何だサブ知らないのか?ハロウィンとは、子供らが仮装して家々を周り「お菓子を出さなければ死あるのみ」と脅し取るイベントだ』
…お前、あたしを騙そうとしてるな?
『む、バレたか。それはそうと、そこに衣装が落ちてるぞ』
おい、話を逸らすなっての…ったく
で、何かい
あたしにちんどん屋みたいな格好をしろって?
『状況的にはそうなる。安心しろ、サブの姿は俺がきっちり録画して…』
やらんでいいわい、ポンコツタマロイドが!
はぁ~…まぁ、着てやるよ
早く親玉を懲らしめてやらねぇとな
相手の投げてくる瓶は金貨を弾いた『指弾』で撃ち落とし、手に持った瓶も金貨で砕いてやるよ
●
「ハロウィン…な。おい、MK」
MKと呼ばれた小型の猫型ロボット。
球体の身体を揺らし、サブリナ・カッツェン(ドラ猫トランスポーター・f30248)の問いに答える。
「なんだ、サブ。ハロウィンを知らないのか?
ハロウィンとは、子供らがお化けに扮して各家を周り『お菓子を出さねば死あるのみ』と菓子を脅し取るイベントのことだ」
「…お前、あたしを騙そうとしているな?」
MKの言葉に、サブリナの耳がぴょこぴょこと反応する。
ばれたか…と面白くなさそうにMKはツーンとそっぽを向いた。
あながち嘘ではないのだが…何も言わないで置いた。
「それはそうと、そこに衣装が落ちているぞ」
「あ、おい、話を逸らすなっての!」
MKの視線の先には、仮装用の衣装が藪にかかっていた。
近寄ってみると、それは愛らしいマーチング衣装だった。
サブリナの瞳の色と同じ青基調のマーチング衣装。
スカート部分はふわふわとしたもので、女の子らしい雰囲気が増す。
小物には、楽器が落ちている。小さい太鼓や、小さいトランペット。
タンバリンのようなものもある。
「…で、何かい?
あたしにこんな、ちんどん屋みたいな恰好しろって?」
しゃがみ、まじまじと衣装を見つめるサブリナ。
ぴらりとスカートをつまみ、眉間をしかめている。
「状況的にはそうなるな」
MKはサブリナの言葉を肯定する。
それが面白くないようで、サブリナはそれを否定した。
「別に着なくてもいいんじゃない?
ほら、もうコスプレみたいなもんだし?」
耳をぴこぴこさせ、半獣人型であることをアピールする。
しかし、MKはばっさり一言、言い捨てた。
「お前、依頼を受ける時に聞いた話を忘れたのか」
うっ…。
MKの言葉に息を詰まらせるサブリナ。
そう、この国では、仮装したもの勝ちなのだ。
「はぁ~……わかったよ、着てやるよ」
大きな深いため息をついて、諦めたように認めるサブリナ。
そんな姿に、MKはどことなく満足気であった。
「安心しろ。サブの姿は俺がきっちり録画して…」
「やらんでいいわい!このポンコツタマロイドが!!!」
●
「トリックオアトリートよ、素敵な衣装ね」
ふふふ、と愛らしく笑う『偽アリス』アリーチェ。
一方、聞いたことがあるような言葉に首を傾げるサブリナ。
「ハロウィンの合言葉みたいなものだ。お菓子を出さないと…」
MKの言葉に納得するサブリナ。
あぁ、あれか。お菓子を出さねば死あるのみ…その意味のある言葉か。
「って、そんなわけあるか!」
MKを小突くサブリナ。
二人の会話は聞こえていないのか、それでもMKが話せる事はアリーチェも気づいた様子だった。
「あら、そのロボットは喋るのかしら?使い魔の代わり?力の入ったコスプレね」
また楽しそうにふふっと笑う。
しかし、穏やかな雰囲気もここまでだった。
「まぁいいわ、そろそろお菓子、頂戴な」
アリーチェはポン、と薬瓶を浮かばせる。
そして勢いよくそれをサブリナへと突撃させた。
凄いスピードで迫りくる薬瓶の群れ。
サブリナはそれを避けることなく、佇んでいる。
パリン。
突如として破裂した薬瓶。
それを皮切りに、次々と破裂していく。
やがて薬瓶の群れは消滅してしまった。
「え、え?」
何が起こったのか分からず、困惑するアリーチェ。
再び薬瓶を作り出し攻撃に移った。
サブリナは真っ直ぐ拳を突き出している。
拳の上にはコインが一枚乗っていた。
薬瓶の群れが動き出した瞬間、再び薬瓶は破裂する。
拳からコインが消えていた。
コインを指ではじいて飛ばし、薬瓶に当てていたのだ。
【指弾(スータン)】。
再びすべての薬瓶を弾き飛ばし、さらには投げようと手にする薬瓶すらも弾く。
ぽかんとするアリーチェに目掛けて、最後のコインを弾き飛ばした。
「申し訳ないが菓子は持ってないんでね。釣りはいらねぇ、これで勘弁しとくれよ」
大成功
🔵🔵🔵
フェリーネ・フォルス
ある意味、仮装パーティーなのだにゃー
なのてー、しっかり着るのですにゃよ~
とか言ってたら早速のお出ましー
ええと……、バニー衣装、かにゃ?
着てみるとふわもこであったか~♡
え?バニーガールじゃないのかって?
違うよ、兎のふわもこ着ぐるみだよ
そんな恰好のままでオウガをやっつけるですにゃ!
向こうの薬瓶を見切りで避けて
お返しに銛を投擲!
突き刺して捕縛したら
銛に繋いだ罠を持ってぶんぶん振り回してやるですにゃー!
……可愛らしいうさぐるみが相手に銛ぶっ刺して
力任せに振り回すなんていう異様な光景が……
●
「うんにゃぁ、これは……バニー衣装かにゃ?」
フェリーネ・フォルス(にゃん狐・f26982)はこてん、と首を傾げながら衣装を手に取る。
そして、ごそごそと着替えを始めた。
可愛い長い耳に、丸くふわふわの尻尾。
シルエットの協調が激しい、あの衣装。
「にゃぁ…あったか~♪」
ほわわんと温かさに頬が緩むフェリーネ。
そう、可愛い長い耳に、丸くふわふわの尻尾のついたまるこいシルエットがウサギそのままのふわもこ着ぐるみである。
うさ耳は可動式で、首元につながる紐先の手を握るとぴこぴこと動く。
それが楽しくて、ぴこぴこと動かしながら道を歩いた。
しばらく歩くと、目の前に『偽アリス』アリーチェを見つけた。
バニーガールの衣装を身に纏い、ちょっと色っぽいアリーチェ。
「あら、あなたはウサギさんなの?」
アリーチェは、フェリーネを見つけるとにこにこと近づいてきた。
お揃いね♪と笑いかけるアリーチェに、フェリーネは同じく笑って答える。
ふつうにみれば、可愛い二人の女の子の可愛い可愛い対面。
ただ、二人の違う所は敵同士という事だ。
「あ~!トリックオアトリートにゃ!お菓子をくれなきゃいたずらするにゃ~!」
フェリーネからの言葉。
その言葉に、にぃっとアリーチェは笑う。
「なら、お菓子を差し上げるわ♪」
怪しい薬瓶を手に取り、フェリーネへと投げつける。
それを筆頭に、数多もの薬瓶がフェリーネへと飛んでいく。
フェリーネはいとも簡単に躱して見せた。
身軽に、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、その姿はウサギそのまま。
着ぐるみの力なのか、いつもより動きやすいように思う。
「むぅ、甘くておいしいお菓子がいいにゃぁ…」
不満げなフェリーネ。
そして薬瓶の勢いが弱まったタイミングで、銛をアリーチェへむけて投擲した。
真っ直ぐ飛んでいく銛は、そのままアリーチェへと突き刺さる。
捕縛に成功したフェリーネ。
「おいしいお菓子、もってないのですかにゃ?」
再度聞く。
それともいたずらがいいのかと。
アリーチェは答えない。なぜなら、まだお菓子は用意されていないから。
「むむー、もってないなら、いたずらしてやるですにゃー!」
銛につながる紐をぐっと握り、そのまま思いっきり引っ張る。
銛は抜けることなく、そのままアリーチェを連れていく。
アリーチェを振り回し、ぐるぐると力任せにぶん回す。
それも涼しい顔で。
フェリーネは見かけによらず恐ろしい怪力に、アリーチェは成す術がなかったのだった。
愛らしいウサギが、女の子に銛を刺し挙句ぶん回すこの異様な光景。
こんなハロウィンがあってもいい…?のかもしれない。
大成功
🔵🔵🔵
梅力岩・じぇしか
……どこからどう見ても、園児服よねえ、これ。本当に、これを。俺が着ると?
キツイ通り越してエッグイな絵面。しょんなかで片づけられるほど俺、大人じゃなかよー……
……はあー、さっさとどげんとしましょうかねっ \プピー/ 待って
\ピプピッ/ ……待て、何の音や。待って嫌な予感しかせん。足、靴……!
笛入り靴はいかんてえ!!!!!! もう歩けんやろうが俺!!!!!!!
……あ!? なんね!? 誰や薬瓶投げたんは危ないやろ。お前か!! \ピプー!/ ……笛入り靴の主張やめたい!
あっ念動力で体浮かせばいけるか!? そーしよ!! その念動力で目撃者も消す!! せめて記憶だけでも吹っ飛ばす!!
●
「ふん、ふん、ふ~ん♪」
鼻歌を歌いながら道を行くのは梅力岩・じぇしか(ラストポリフェノール・f27845)。
お祭り事は嫌いではない彼は、この国でも楽しもうと努力する。
しばらく歩くと、大きな木が一本立っている。
そして、そこには一人の「偽アリス」アリーチェ。
まだコスプレ衣装を手に入れていないじぇしかは、近くの茂みに身を隠し様子を見ることにする。
(ばってん、奴さんもコスプレしてないみたいやし…今ならいけそうとも…)
思考を巡らせる。
アリーチェは一本の木に向かって、こんこん、とノックをする。
その瞬間、辺りをとてつもない光が包んでいく。
あまりの眩しさに目が眩んでしまう。
やがて光は収束し消えてしまった。
「なっ…!」
そこにいたアリーチェは、まったく別の姿になっていた。
魔女そのものの姿に変わったアリーチェ。
じぇしかに気づくことなく去っていった。
いなくなったのを見届けると、そっと茂みから抜け木へを向かう。
見たことが夢でないのなら、この木をノックすることで仮装することができる。
そして、仮装しなければ仕事の遂行が難しくなることを考えれば悩むことはなかった。
すー、はー。
大きく深呼吸をし、じぇしかは小さくノックした。
こんこん。
再び辺りを光が包む。
そして、その光が晴れた時。
そこには、コスプレ衣装に身を包むじぇしかが立っていた。
そこまではよかったのだが。
「……」
思わず口ごもる。
それもそのはず、選ばれた衣装は幼稚園児用の割烹着だったからだ。
(えぇ…これどう見ても幼稚園児の服よねぇこれ?流石にこれはキツイちゅうかもうエッグイ絵面よ?)
試しにもう一度ノックをしてみる。
が、もう何も起こらなかった。こうなるともう不思議な力の匙加減である。
サーッと血の気が引いていくのが分かる。
きっと、今自分の顔は真っ青だろう。
割烹着だけならまだいい。下はもちろん短パンなのだ。
あぁ…もう…なんか……。泣きたい。
「こうなったら早くどげんかせんと」
早足で先程のアリーチェを追いかける。
一刻も早く…。
ブピー。
この姿から……。
ブッ、ブピッ。
元に戻る為にも………。
ブピーッ!!!
「あああああもうなんね!?」
先程から思考を妨げる謎の音。
それがあまりにも気になり、足を止める。
辺りを見渡してみるも、音の原因になるようなものは見つからない。
再び歩き出すじぇしか。
しかし、その瞬間また音が鳴り始める。
耳障りなこの音。また足を止める。音は止む。
じぇしかは考えたくはなかった。
あえて視界から外していた。しかし、ここまで状況的証拠が残されてしまっては無視もできなかった。
ゆっくりを自分の足元を見る。
そして、右足を上げ、地に下ろした。
プピー。
綺麗な音が、静かな森の中に響いていた。
「ああああ……笛入りの靴はいかんてぇ…こんなん、もう俺あるけんじゃん…」
うわぁああ…と項垂れるじぇしか。
幸いなことは、今この場に自分以外がいない事。
だったらよかった。
パリンッ。
すぐ近くで、小瓶の割れる音がする。
「あー、おっしぃ。もう少しで当たってたのに―」
「なんね!薬瓶投げるとか、危ないやろが!」
ブピー!!!
「あぁ!主張はやめんしゃい!!!」
そうだそうだ!とでもいう様に返事をする笛入りの靴に思わず怒鳴る。
じぇしかはいい大人なのだ。その分、靴に仕込まれている笛もなりやすかったりするのかもしれない。
動くたびに、ブピブピと音を鳴らしてくる靴。
そんな様子に、アリーチェはくすくすと笑いだした。
よく見ると、自分より先に衣装を貰っていたアリーチェだ。
「あら、とっても可愛らしい衣装ね?」
吹き出しそうなほど笑いをこらえているのが目に見える。
恥ずかしさからか、じぇしかはとてつもない速さでアリーチェへと飛びかかり距離を詰めた。
走るより、飛ぶ方が早い。
彼はサイキッカーなのだ。不思議な力によって強化された彼の持つ力は、大人一人を自在に飛ばすことぐらい容易かった。
「みぃいいいいたぁあああああなぁあああああ??????」
その目からは狂気すら感じ取れる程だった。
おそらく、今の彼には目の前にいる目撃者を消すという思考しか廻っていない。
力いっぱいの【サイコキネシス】でアリーチェは成す術なく遠くへと飛ばされてしまった。
あまりに遠く飛んで行ってしまった為、帰ってくることはできないだろう。
キラーンと音が聞こえた気がする。
「くそ……こんなんじゃあ、人と会えんとよ…」
ふらふらと歩くじぇしかを慰めるように、笛入りの靴はまた鳴くのだった。
プピー…。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『ネガ・アリス』
|
POW : 裏返ったお姫さま(リバースド・プリンセス)
【黒く染まったプリンセスドレス】に変身し、武器「【悪夢童話(ナイトメア・テイル)】」の威力増強と、【歪んだ童話の能力・人物】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
SPD : 歪:茨姫(バロック:スリーピング・ビューティー)
全身を【黒いイバラのツタ】で覆い、自身が敵から受けた【苛立ち】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
WIZ : 歪:親指姫(バロック:サンベリーナ)
【全身を覆うツタ】から【花のつぼみに潜んだ親指大の分身】を放ち、【その可憐な姿で魅了すること】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ヘイヤ・ウェントワース」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
「あーもー、煩い煩いうるさーい!」
ぷくっと頬を膨らませる愛らしい一人のアリス。
黒いドレスに身を包み、真っ黒のツタを飾った彼女はアリスにしてはかなり歪に見える。
ドレスのスカート部分はカボチャのように丸みを帯び、似つかわしくない厳つい顔がついている。
何かのコスプレ…という訳ではないが、ジャックオランタンをイメージしたアリス風ドレスという事だろう。
長い長い道での騒動に、そしてお菓子の用意されていない現状にしびれを切らして動き出したようだ。
苛立ちからなのか、彼女のドレスが特殊なのか。
大幅に強化されたアリスを討つべく猟兵達は集うのだった。
泉・星流
えっ!?…この格好のままで戦うの!?
不思議な力?で守られる為、コスプレ衣装のままか否かでは差が歴然なので諦める
行動
料理は出来ないので、攻撃を耐え忍ぶ役
指定UCで敵の足止め、本体&親指大の分身あいてに装備『BR』を構えて戦闘
【全力魔法・制圧射撃・範囲攻撃・弾幕・捕縛・継戦闘能力】
敵の動きをしっかり見て狙い撃ちます
【視力・情報収集・見切り】
装備『GWB』も星流に追従しつつ、星流と同じように粘着魔力弾を放ちます
【操縦・念動力】
そして例によって…『可愛いお嬢さん』扱いされますw
…僕は男だああぁぁぁぁ!!!!
言いつつも、なんかゴスロリスカートとかをはためかせて魔力弾を撃つ姿が妙にはまってたりするw
●
泉・星流(人間のマジックナイト・f11303)は可愛らしいドレスのスカートをはためかせアリスの前へとたどり着く。
アリスは星流に気が付くと、苛立ちからか声を荒げた。
「ちょっと貴方!お菓子がもらえるって言うから来たのに、お菓子も置いていないし一体どうなってるのよ!」
お腹すいてるの!とまたぷくーっと頬を膨らませるアリス。
「それを僕に聞かれたって困るよ。お菓子だって持ってないし…」
とはいえ、確かにお腹は空くように思う。
それが不思議な力のせいなのかは分からないが。
「そこにキッチンはあるのに、お菓子は置いてないし!
お腹は空くしイライラしちゃう!貴方、もってないの?」
アリスは星流にぐいっと詰め寄る。
それだけで凄まじい圧を感じてしまう。先程出会ったやつらとは格が違う。
瞬時に距離を取る。その様子が気に入らなかったのか、アリスはまた不機嫌になった。
「なによぅ、持ってないの?
つまんないつまんないつまんない!」
アリスの苛立ちは限界を超えたらしい。
ズズズっと禍々しく黒い茨がアリスを覆う。
そして茨のツタから幾つもの蕾が現れた。その蕾が花を咲かすと、中から小さな親指程の大きさの女の子たちが舞い出てくる。
花弁のように可憐に舞う小さなアリス達は、星流を魅了していった。
愛らしさと美しさに思わず見惚れてしまう星流を後目に、アリスはキッチンへと向かう。
「あーもうむしゃくしゃする!キッチンがあっても料理がないなら意味ないじゃない!!」
キッチンへと攻撃しようとするアリス。
しかし、突如後ろから飛んできた謎の魔法によって阻まれた。
向けば星流が武器を構えアリスを睨んでいる。
アリスのドレスはべっとりとした粘液がついており、身動きがとりづらいようだった。
「料理がないなら、作ればいいだろ?そのためのキッチンを壊しちゃそれもできないよ?」
説得を試みる星流。
しかし、アリスは不貞腐れたようだった。
「私、料理できないもん。それなら、貴方が作ればいいじゃない!」
むすっとし、ふんと顔を背ける。
しかし、その返答には星流も困ってしまう。
「……いや、僕も料理はちょっと」
かっこいい事を言った手前、情けないようにも思えた。
が、事実料理はできないのだ。仕方ない。
「なによ!女の子なのにできないの!?」
また暴れようとするアリス。
押さえつけられるように、再び【拘束魔力弾(略称:BMM…通称:ベトベト弾)(バインド・マジックミサイル)】を放つため構える。
「僕は!男だ!!!」
心からの叫びと共に放たれた魔法は、再びアリスを捉える。
そして、自分の姿を思い出した。
……そうだった、ゴスロリワンピースに身を包んでいたんだ。
しかし、なんだろう。
さっき魔法を放った時の、スカートの揺れが心地よく感じたのは気のせいだっただろうか。
大成功
🔵🔵🔵
フェリーネ・フォルス
ウサぐるみから替わって今度はマミー
でも布地が極端に少ない
普段的な恰好に近い……けどなんか際どそうな気がするにゃ…?
え~、お菓子?
なにかあったかにゃあ……?
(懐ごそごそ)
あ、釣りをしてる時用の飴玉があったにゃ、これでいいなら食べる?
舐めてる間は大人しくなってるかにゃあ?
ともかく、調理だにゃ!
飴以外にもお魚取りだすのだにゃー
シンプルに塩焼き!
弱くもなく、強くもない火力でじっくりとお魚を焼く
焼いていって、お魚のエラから水分が吹きださなくなったタイミングで
焼き上がりだにゃ~!
お菓子じゃなくて申し訳ないけど、焼き魚をどうぞですにゃよ
所で、料理を出すだけでよかったのかにゃ?
●
「ふにゃぁ、なんだか騒がしいにゃあ」
フェリーネ・フォルス(にゃん狐・f26982)は大きな音のする方へとふらふら向かっていく。
ゴツン。
音に気を取られていたのか、思わず木に頭をぶつけてしまう。
と、その瞬間。
ふわっと光が辺りを包み、やがてフェリーネへと収束していく。
その中心にいたのは、愛らしいマミーの姿をしたフェリーネだった。
しかし、肌面積は非常に多く目のやり場に困る。
もはや大事な部分以外は露出されているような状態だ。
が、本人は気にしていない様子だった。
そもそも、彼女の身に着けるものが露出度の高いものが多いせいだろう。
「うーん…なんだか、ひらひらして…」
何かの拍子にはらりと見えてしまいそうな際どさ。
少し体を大きく動かし、状態を確認する。
どうやらあくまでひらひらとしているのは重なっている部分のみで、不思議な力ではだけてしまうことはないようだ。
「にゃあ、これなら平気そうにゃ」
ぐっと両手でガッツポーズをし、急いで騒がしい方へと急いだ。
●
目の前には立派なキッチン。
そして、戦闘を繰り広げる二つの影。
急いで駆け寄るフェリーネ。それに気づいた星流は、状況を説明した。
お腹を空かせたオウガが暴れているのだという。
残念ながら、フェリーネはお菓子を持ち合わせてはいない。
「あ!飴玉ならあったにゃ!ころころ、イチゴ味!」
いつも釣りの待ち時間中の口寂しさを埋めるために持ち合わせている飴玉。
これはどうかと差し出してみる。
ネガ・アリスはその声に反応する。
ふん、とそっぽを向きながら、アリスは答える。
「これが舐め終わるまでは、大人しくしてあげるわ。
その代わり、終わったら破壊しつくしてやるんだから!」
よこしなさい、と手を差し出してくるアリスに、にっこり笑いながら飴玉を渡すフェリーネ。
ひとまずは大人しくなり、一安心する。
が、飴玉一つ程度ではどうすることもできない。
他に何か対策をたてなければ。
「お魚…でもいいかにゃ…」
むう…と考えながらキッチンへと向かう。
お魚はシンプルに塩焼きに。これがやっぱり一番。
塩をふりかけ、金網へと乗せる。
火は強くもなく弱くもない火加減で。
じっくり時間をかけて焼き上げる。ふっくらと焼き上げる術は熟知していた。
えらから水が吹かなくなれば完成。
「ちょっと心配だけど、これでどうかにゃ?」
美味しそうな匂いを漂わせた魚の塩焼き。
飴玉をゆっくり舐めるアリスは、どうやら目を奪われている様子だった。
とりあえず、これで大丈夫かな?
フェリーネはじっと、その様子を見つめるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
梅力岩・じぇしか
そやろー、うるさかろー? こん靴。俺はもう一周回って面白くなってきたところよ
俺は子供や。そう、もう子供やから難しいこと考えられんのや
子供は子供らしくホットケーキ作るよお。邪魔したら卵ん殻混入したもんばできるけん、美味しいの食べたいならせんといてね
そーだ、カボチャ。ハロウィンやしね、カボチャパウダー入れたろ
どうせならドーナツにするのもええねえ……一口サイズの丸っこいやつなら型抜かんでええし、やっぱドーナツチャレンジするかな
あっちょ、油使ってる時に邪魔するんはまずいって!? あかん素直に焼くべきやった!!
次飛んできたらメスとか薬とか投擲して撃墜しちゃろ
痛い目見たくないなら、大人しくしときなさいよ!
●
遠くから、ぴぷーと音を鳴らしながら歩いてくる影。
その音に、キッチンにいた皆は一斉に梅力岩・じぇしか(ラストポリフェノール・f27845)へと視線を向けた。
その視線に気づいたじぇしかは、一瞬ぽかんとするがすぐにへらと笑った。
「そやろー、うるさかろー?
わかる、わかるよー、わかっとーよー」
もう一周まわって笑えてきたところよーとじぇしかは笑う。
が、その目が虚ろで笑っていないことは、その場の誰もが気づくのだった。
「もうなーんも考えらん。難しい事は分からん。子供やからなー」
もはや現実逃避とも思える言葉に、皆は凍り付く。
当の本人は、ふわりと漂う美味しそうな匂いにつられキッチンへと入っていく。
そして話を聞くと、じぇしかはパンケーキミックスを取り出すのだった。
子供は子供らしくホットケーキ。
なんて鼻歌を歌いながら生地を混ぜる。
「ハロウィンと言えばカボチャやんね。カボチャパウダーいれたろ」
丁度その場にあったカボチャをペーストにし、共に練り込む。
生地はどんどん黄色くオレンジになり、ふんわりとカボチャの香りが漂ってくる。
アリスは依然として暴れまわっているが、何とか仲間が止めてくれている様子。
じぇしかはアリスの様子を見つつ、着々と生地を作っていく。
ドーナツもいいな。
まるっこい、あんドーナツみたいな。
コロコロ丸めて、一口で食べられて、分けやすい。
うん、そうしよう。じぇしかはどうやらドーナツを作るらしい。
油を温めて、ドーナツをいざ揚げていこうとしたその時。
「あっ!!」
アリスを抑えていた仲間の声で、ハッとする。
アリスは真っ直ぐキッチンへと向かってきていた。
数々の猛攻にすり抜けてしまったらしい。
「ちょっ、油使うてる時はあかんって!!」
咄嗟にメスを投げ牽制する。
アリスは立ち止まり、ぷくーっと膨れている。
そこを先程まで抑えてくれていた仲間が再び攻撃を始め、キッチンから離していく。
その様子を後目に、ドーナツを揚げ始めた。
「美味しいドーナツ食べたかったら、ちょっと大人しくしとってよ」
じぇしかの言葉に、だってお腹!と駄々こねているアリス。
ふと、先程の美味しそうな匂いを思い出す。
ほかほかに焼かれた焼き魚。
これでも食べて待ってて!
フェリーネは自分の作ったそれをアリスへ持っていき、差し出す。
アリスはがばっと焼き魚へと食いつき、もくもくと食べ始める。
食べている間は大人しい。この間にじぇしかはドーナツを作り上げるのだった。
「できよったよー!」
全てのドーナツを揚げ切り、やまになったドーナツを横に誇らしげにしているじぇしか。
一口サイズのドーナツを、味見にと一つつまみ口へ放り投げる。
ぱくっと食べたじぇしかは、にまぁっと笑う。
それは先程とは違った満面の笑みだった。
大成功
🔵🔵🔵
チヒローズ・イッシー(サポート)
自由都市を故郷に持ち、本人も自由を愛する女性です。
戦闘では指定したユーベルコードを状況に応じて使い、人々の自由を取り戻す為に皆さんと力を合わせて戦います。
オラトリオの聖者×プリンセスということで、もしよければキラキラっとした華やかな戦闘演出を描写していただけると嬉しいです。
口調はステータスシートの通り、「なの、よ、なのね、なのよね?」という感じの優しく人当たりのいい女の子といった感じの喋り方です。
一人称は「私」、二人称は基本的に年齢や男女を問わず「さん」付けの呼び方です。
あとはマスターさんにお任せします。よろしくお願いします!
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チヒローズ・イッシー(オラトリオの聖者・f20852)は、山のようなドーナツに目を奪われていた。
綺麗なきつね色の一口サイズのドーナツ。
ふんわりと甘い、美味しそうな匂いに釣られたのはチヒローズだけではなかった。
先程まで焼き魚を食べていたアリスは、食べ終わったのか急いでドーナツへと食いつく。
彼女の食欲は、このハロウィンの国の不思議な力によって起こっているもののようだ。
「食後のデザート!ちゃんと用意しているのね!!」
アリスは目を輝かせて、くるくると舞い踊っていた。
その姿は先程までの狂暴な姿とは違い、愛らしい少女そのものだった。
「私も少し…」
チヒローズもじゅるりとよだれを垂らす。
食欲の効果は、どうやら猟兵達にも少しは影響しているようだった。
アリスはそんなチヒローズの姿にも眼もくれず、ぱくぱくと口へと放り込んでいく。
その味は好ましかったようで、笑顔で食べていた。
やがて、アリスはうとうととしだす。
うつらうつらと首を揺らし、眠気に耐えている様子だった。
どうやらお腹がいっぱいになって眠くなって来たらしい。
こてん、と首を傾げてしまう。眠気に耐えられなかったらしい。
優しく寝息を立てているアリス。
「これも美味しそう…」と寝言を呟く辺り、夢でも美味しいものを食べているのだろう。
チヒローズは、そんなアリスに向けて、花弁を飛ばす。
鈴蘭の美しい花弁が、アリスを包み、そしてその姿を隠す。
「素敵な夢から覚めない様に。せめて素敵な夢の中で…」
チヒローズの細やかな気遣い。
せめて、その素敵な夢にまどろんでいる間に。
花弁はやがてそのまま空へと舞い上がる。
その中心にいたはずのアリスの姿は、どこにもなかった。
オウガのボスを討伐し、任務を終えた猟兵達。
しかし、山のように作ったお菓子はまだ残っている。
『とりっくおあとりーとぉ!!!』
このまま残しておくのももったいない。
皆でこれを食べてしまおう。
お菓子を全て食べるまで、ハロウィンなのだ。
成功
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最終結果:成功
完成日:2020年11月23日
宿敵
『ネガ・アリス』
を撃破!
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