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反逆の弾丸

#クロムキャバリア

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#クロムキャバリア


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 その街の郊外には、有刺鉄線つきの背の高いフェンスとコンクリートの壁で囲まれた、高さ15メートルほどの物々しい建造物がそびえ立っている。その屋上に灯る照明と同じ真紅の双眸で、軍服の男は眼前に揃った機甲兵団を見渡していた。
『キクチ隊より入電。市街北部、異常ありません』
「そうか」
 その軍服姿の男は、名を氷雨(ヒサメ)といった。かつてこの国で政変が起きたときも、最前線で戦っていた歴戦のキャバリア乗りだ。国の体制が変わってからも、彼は長年に渡り軍人として忠実に任務をこなしていた。しかし、今の彼は――。
「政府軍のキャバリア部隊がこの街に到着するのも、時間の問題だろう。今のうちに、迎撃の準備を整えるのだ。母なる器であるプラントを守るために、諸君の力を私に見せて欲しい」
『無論です、隊長殿!』
『氷雨隊総員、この命に代えてもプラントを守り抜きます!』
 氷雨の想いに応えるように、巨大な銃を携えたキャバリア部隊が彼に向き直る。その最前列で、神秘的な黄金のボディを持つキャバリアが、じっと彼を見下ろしていた。
「何人たりとも、聖域に近づくことは許さない。頼んだぞ、我が相棒よ――」



「みんな、お疲れ様。早速だが、新世界で事件が起きるのを予知できたぞ」
 ある日のグリモアベース。招集に応じた猟兵達の前で、ガーネット・グレイローズは輝くグリモアを片手に作戦の概要を語り始めた。
「すまないが、これからクロムキャバリア世界の小国家、龍腕(りゅうわん)に向かって欲しい。軍の将校が突然暴走し、部隊を率いて地方都市のプラントを制圧してしまったんだ。……おそらく、オブリビオンマシンに操られている」
 クロムキャバリアは、数千もの小国家群が資源や食料を生産する施設『プラント』の所有権を巡って争い続けている、戦乱の世界。オブリビオンマシンとは、過去の戦争で破壊されたり、廃棄されていた人型機動兵器『キャバリア』がオブリビオン化して蘇ったものだ。
「オブリビオンマシンは搭乗したパイロットの精神を汚染し、破滅的な思想を刷り込むことで自身の都合よく操ることが出来る。だが、オブリビオンマシンさえ破壊すればパイロットの救出は可能だ。君たちには、首謀者の将校を生け捕りにしてもらいたい」
 ガーネットが操るグリモアが映し出したのは、一人の男の画像。かっちりした軍服に身を包んだ、実直そうな男性である。
「事件を起こした将校は、氷雨(ヒサメ)という軍人だ。かつて龍腕を揺るがした動乱において、維新派として戦った英雄だそうだ」
 この氷雨という男、卓越したキャバリアの操縦技術もさることながら、優れた統率能力でも知られており、部下からの信頼も厚い。
「国家への強い忠誠心を持っている。理想的な軍人だ。そんな彼が何故……と思うだろう。実は、彼の正体は人間ではない。レプリカントだ」
 レプリカントとは、プラントから稀に生まれてくる知的生命体である。容姿は一見人間に似ているが、体の大部分が機械で構成されている。
「今や彼はプラントを『母なる器』と呼び、その防衛に心を囚われている。彼なりに、自分の出自に色々と思うところがあったのかもしれない。だが、このままでは近隣の都市は機能不全に陥ってしまうだろう。何としてもオブリビオンマシンを破壊し、彼を救ってくれ。君たちなら、必ず成功できると信じているぞ!」
 そう言ってガーネットはグリモアのエネルギーを増幅させ、世界転移の準備に取りかかるのだった。


弥句
 こんにちは、弥句です。今回はクロムキャバリアの小国家で発生した、プラント立てこもり事件の解決に向かっていただきます。
 小国家の名は『龍腕(りゅうわん)』。近未来の日本のような都市群が密集して出来た国家で、東京と神奈川を合わせた程度の面積に200万人程度の民が暮らしています。そんな龍腕西部の地方都市にあるプラントの一つが、政府軍の将校『氷雨(ひさめ)』によって占拠されてしまいました。プラントからのエネルギー供給、物資の流通が途絶えてしまい、近隣の街の住民は不便な生活を強いられています。

●龍腕について
 今から80年ほど前、『龍の生まれ変わり』を名乗る一人の男が現れ、独裁国家として龍腕を建国しました。大統領自らキャバリア部隊を率いて東の国へ侵攻、プラントの獲得により経済成長が促進されましたが、やがて地域間の経済格差が社会問題となり、国を二分する激しい動乱が起きました。
 当時の独裁政権を倒した維新派(地方都市の首長ら)が中心となり、新政府を樹立して民主主義体制に移行したのが20年前のことです。
 国内で生産されるキャバリアのほとんどがビークルアンダーフレームを採用しており、戦車や自動車に瞬時に変形することが可能。高い機動力と地形適応能力を有しています。

●シナリオの流れ
 第一章は冒険パート。東西に跨がる巨大な高速道路を使って、西部にある目的地のプラントまで移動します。道中で無人キャバリアが道路を逆走して襲撃してくるため、それを退けながら進軍してください。
 第二章は集団戦。市街地に入ると、氷雨配下のキャバリア部隊との戦闘に突入します。有人機ですが、キャバリアを破壊して行動不能にさせることでパイロットを救出することができます。住民は既にシェルターに避難しているため、被害を気にする必要はありません。
 第三章はボス戦。オブリビオンマシンに操られ、正常な状態でなくなった氷雨がプラントを防衛するため猟兵に襲いかかります。
 キャバリアをジョブやアイテムで持っていないキャラクターでも、軍のキャバリアを借りて乗ることができます。また、キャバリアに乗らない猟兵でもユーベルコードや技能を駆使することで、敵キャバリアと対等に渡り合うことができます。
 ここまで読んでいただきありがとうございました。それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『爆走アンダーフレーム!!』

POW   :    力付くで脚をぶっ壊せ!!

SPD   :    素早く関節を破壊するんだ!!

WIZ   :    ハッキングや罠を使うんだ!!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。




 龍腕政府の要請を受けた猟兵一行は、制圧されたプラントが存在する西部の都市『祭嶺(さいれい)』に向けて高速道路を走行していた。ある者は自身のキャバリアを駆り、またある者は軍のキャバリアに乗り込み、それぞれの武装をチェックするなど戦闘準備に余念がない。
 だが、彼らは程なくして敵の妨害を受けることとなった。高速道路に進入してから、30分が経過したときのことであった。
「な、なんだアレは!?」
 トレーラーの運転手が、目の前の光景に絶句した。トンネルの奥から現れた謎の車両が、道路を逆走してきたのである。咄嗟にクラクションを鳴らす運転手だが、停止する様子は見られない。
「あれは量産型キャバリアのアンダーフレーム……!」
 キャバリアは通常、上半身のオーバーフレームと下半身のアンダーフレームによって構成されている。そのアンダーフレームだけが、自動車形態に変形してこちらに迫ってきているのだ。
「あのタイプは、オーバーフレームにコックピットがあった筈だ……無人機による特攻かよ!」
 激しく動揺し、額に冷や汗を浮かべる運転手。このままでは、大惨事だ――彼がそう思ったとき、猟兵の駆るキャバリアが加速し、トレーラーの前へと進み出た。
支倉・錫華
傭兵としては、依頼自体は複雑な感じではないけど、
ビークル変形型のキャバリアは初体験だね。
せっかくだから、ビークルモードで走ってみることにしよう。

初めて乗るけど、陸上での機動性だと二足より安定しているかも。
ただやっぱり、キャバリアっていうより戦車っぽいかなぁ。

借りたキャバリアは【脈動臨界チューニング】で、
移動力を5倍、装甲を半分にして、高速仕様でいこうかな。

慣れない機体だし、
アミシアには走行時のルート選択とバランスのフォローをお願いしよう。

アミシア、指示、3秒前にもらえるとうれしい。

武器は【CMPR-X3】を散弾弾頭で使っていこうかな。
相手は無人機みたいだから、遠慮なく吹っ飛ばして大丈夫だよね。





 その少女猟兵の手にかかれば、きっとあらゆるキャバリアが意のままに操られることだろう。
「傭兵としては、依頼自体は複雑な感じではないけど、ビークル変形型のキャバリアは初体験だね」
 量産型キャバリアのシートに座っているのは、フリーの騎士にして諜報員である支倉・錫華(Gambenero・f29951)。錫華は借り受けたキャバリアをビークル形態にチェンジさせ、高速道路を巡航させていた。
「うん。初めて乗るけど、陸上での機動性だと二足より安定しているかも」
 やや背の低い装甲車じみた外見のキャバリアは、力強いトルクで路面を突き進んでいく。すると程なくして、前方より所属不明のキャバリアが近づいてきた。高速道路を逆走してくるなど、オブリビオンマシンに支配された氷雨一派以外にありえない。
「暴走するアンダーフレーム……あれが標的で間違いないね! アミシア、フォローをお願い!」
 錫華のボイスコマンドに反応し、ワイズマンユニット『アミシア・プロフェット』が起動する。
「アミシア、この子の全力を引き出して」
 作戦前に予めキャバリアのCPUに接続してあったアミシアが、機体のシステムを瞬時に書き換えていく。これこそがユーベルコード【脈動臨界チューニング】。これにより装甲耐久力を半減させる代わりに、移動力を5倍に跳ね上げることに成功したのだ。
 この一瞬でだ。
「相手は無人機みたいだから、遠慮なく吹っ飛ばして大丈夫だよね」
 ビークルからキャバリア形態に戻り、鋼鉄の人型が地を駆ける。
「無人機の特攻で充分だと思った? 甘く見られたものね」
 前傾姿勢となった錫華機が、エンジンを吹かして急加速する。回避タイミングをアミシアに委ね、錫華は静かにカウントダウンを開始する。
「2、1、……0!」
 接触の瞬間、ホイールをスピンさせた錫華機がフィギュアスケーターのような動きで敵機の真横をすり抜けた。そしてすれ違いざまにウェポンラックから顔を覗かせた銃のグリップを掴み、真っ直ぐに構えて銃口をターゲットに向ける。
「ドンピシャね!」
 錫華専用の多目的キャバリアライフル『FdP CMPR-X3』が、砲声と共に散弾を撃ち出した。元から自爆特攻前提で出撃した機体が、至近距離からの射撃に耐えられる筈もなく。装甲をボコボコに撃ち抜かれ、無惨な鉄塊へ変わった敵機を尻目に、錫華が駆るキャバリアは悠々と走り抜けていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シル・ウィンディア
トレーラーの運転手さんの為にも頑張らないとね
でも、なんでだろうね?このアンダーフレーム…
大きな自動車??

まぁいいか
シル・ウィンディア、行きまーすっ!

ブルー・リーゼのブラースクで動力部や駆動部を【スナイパー】で狙撃っ!
一つずつ狙撃するけど手数が足りないかもしれないから
【高速詠唱】でUCを行使
スフィア、手伝ってねっ!!

スフィアは自機の狙っている物とは別の対象を撃つよ
ブラースクでの狙撃が追い付かない場合は
さらに、ミトラ・ユーズで【弾幕】を張って少しでも接近速度を落とす
というか、駆動部を破壊していく

トレーラーの方にはいかせないからっ!
接近されたら、エトワールで一閃っ!

ふぅ、しかし、疲れるなぁ…。





「さぁっ、トレーラーの運転手さんの為にも頑張らないとね」
 キャバリアのコックピット内で元気な声を張り上げるのは、くりっとしたマリンブルーの目と同色の短髪が印象的な女の子だった。名はシル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)、エルフの猟兵である。
「でも、なんでだろうね? このアンダーフレーム……大きな自動車?? まぁいいか。シル・ウィンディア、行きまーすっ!」
 路上で炎上する敵機の残骸をふわりと躱し、青と白を基調とした『精霊機ブルー・リーゼ』が優雅に空中を翔ける。
『お嬢ちゃん、気を付けてなー!』
 運転手のおっちゃんが心配そうに見守る中、シルは愛機を加速させつつBSビームランチャー『ブラースク』を構え、敵機に照準を合わせた。
「当たってっ!」
 尾を引く鋭い砲声と共に、立て続けにビームが射出された。それらは迫りくるビークルアンダーフレームの駆動部や機関部へ的確にヒットし、機体を走行不能に陥らせていく。
「わ、なんかトンネルから沢山出てきた! スフィア、手伝ってねっ!!」
 トンネルの奥から、敵の新手が続々と現れたのだ。シルの呼びかけに応じ、浮遊する魔力の球体【エレメンタル・スフィア】がブルー・リーゼの周囲に発生した。それらはやがて空中でばらばらに散開すると、上空から地上の敵へ目掛けて四元素の魔力砲によるレーザー射撃を次々に浴びせた。
「この調子で、どんどん破壊していこう! トレーラーの方にはいかせないからっ!」
 シルの愛機ブルー・リーゼは、魔力で稼働するサイキックタイプのキャバリア。シルの膨大な魔力を全身に隈なく伝達させた機体は、まさに水を得た魚だ。俊敏な動きで低空を疾駆して敵機の突撃をやり過ごすと、左手に携えたBXビームセイバー『エトワール』で次々と斬りつけ、刺し貫いていった。
「ふぅ、しかし、疲れるなぁ……っと、いけない!」
 敵はなおも、新手を次々と送り込んでくる。迫りくる敵の一団に向かって、腕部に装着された三連装型マシンキャノン『ミトラ・ユーズ』が猛然と火を吹いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

バーン・マーディ
(襲来する機神マーズ
ふむ
此処か
マーズよ
此処に貴様が求める者がいるのだな?

良い
我もまた叛逆を在り方とする者
正義を
聖を信奉するのであれば
悪を以て粉砕するのみ

【戦闘知識】で接近するキャバリアの陣形の把握
UC発動
但し地上ぎりぎりを飛翔する
一気に駆け抜けるぞマーズよ
【オーラ防御】展開
接近する無人キャバリアは軍神の剣を振るい【武器受け・カウンター・怪力・二回攻撃・吹き飛ばし・鎧砕き・鎧無視攻撃】により容赦なく蹴散らし
粉砕し目標の地まで突き進む
場合によっては投げ飛ばす

【運転】により悪路や邪魔な障害は破壊するか回避するかで突破

我らを阻む者は須らく粉砕する

何…今迄もそうしてきた
是からも我はそう在るだろう





「ふむ、此処かマーズよ。此処に貴様が求める者がいるのだな?」
 不意に戦場の空間が歪み、そこから出現したのは一機の武骨なキャバリア。大剣を携えたその人型兵器は、地面からやや浮かび上がった状態で悠然とハイウェイを疾走し始める。キャバリアの名は『破城神機マーズ』。そして、その操縦席に座る甲冑を纏った男こそが、この兵器の操り手。
 バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)は、かつてヒーローズアースでヴィランとして剣を振るっていたダークヒーローである。その彼の愛機、マーズが導く宿敵が、この道の先で待ち受けている。
「良い。我もまた叛逆を在り方とする者。正義を、聖を信奉するのであれば、悪を以て粉砕するのみ」
 鋭い眼光で迫り来る敵影を見据えると、バーンは機体を一気に加速させた。【ヴィランズ・ジャスティス】によって全身に禍々しい紅いオーラを纏い、破壊の力を司るというスーパーロボットは大剣『RX軍神の剣』を振りかぶる。
「一気に駆け抜けるぞマーズよ」
 剛剣一閃! エネルギーを纏った必殺の斬撃が、ビークル型量産機をいとも容易く両断する。その弾みで発生した衝撃波が路面を駆け抜けて、後続の車両までも激しく打ち据える。
「我らを阻む者は須らく粉砕する!」
 バーンが駆る鋼の巨神は、撃破したキャバリアの残骸を踏み台にして飛び越え、高速道路を力強く突き進んでいく。
「何……今迄もそうしてきた、是からも我はそう在るだろう。待っているがいい、我が宿敵よ」
 戦いの賽は投げられた。運命に導かれ、神に至りし男は次なる戦場を目指す

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノイン・フィーバー
心情:
ボトムアタックというワケですネ
コストパフォーマンスを無視すれば有効な手段なのかもしれませン
ですガ、「道路を走る機能」というのはソレだけで弱点ですヨ?

行動:
キャバリアに乗る前にガジェットショータイム発動。
トランクから、明らかにトランクに収まらないキャバリアサイズのポリタンク(灯油とかいれるやつ)を取り出し、改めてキャバリアに乗る。

キャバリアに乗ると、ホバー移動でトレーラーに並走しながら、味方に警告した後にポリタンクの中身をぶちまける。特別製の滑りやすい可燃オイルである。

・敵が滑って横転したら
「ホラ、ちゃんと人が乗ってないと大変でショウ?」
グレネードを一発叩き込む


上記以外は援護行動等おまかせ


アイオライト・セプテンバー
氷雨の想いはまだ分からないけど、国は民、民こそ国
インフラが止まり民が飢えれば、国は根腐れしていく……そんなの見過ごせるわけないじゃない
迅速に解決したいところね

自前のキャバリア【ブルーテイル】に乗って出撃するわ
こちらの機体は軽量高機動型
大出力メガスラスターによる【推力移動】が売りの機体……チェイスは得意の土俵ってね!
そうそうスピードで負けるつもりはないっての!

ユーベルコード【ハイスピード・アサルト】による高速機動で
敵機の間を縫いながら関節を狙ってプラズマサーベルで切断
可能な限り広い範囲の敵機を処理しましょう
【操縦】技術を生かし、できるだけトレーラーの進行路を塞がないように処理ね

アドリブ等歓迎よ!





 軍用トレーラーの前を肩を並べて走行する、二体のクロムキャバリア。片や軽量、高機動をコンセプトに開発されたアイオライト・セプテンバー(〝ブルーテイル″・f29954)の愛機『ブルーテイル』。そして、片やスペースシップワールドの銀河帝国の技術が組み込まれたノイン・フィーバー(テレビ顔のメカ野郎・f03434)の『クロムダイザー』である。
「氷雨の想いはまだ分からないけど、国は民、民こそ国。インフラが止まり民が飢えれば、国は根腐れしていく……そんなの見過ごせるわけないじゃない? 迅速に解決したいところね」
「人工生命故の苦悩デスか。それを言うなら、割と正体不明のワタシはどうなんでしょうネエ?」
 そんな二人が雑談に興じていると、前方から派手な破壊音が聞こえてきた。どうやら、先行していた猟兵が敵と交戦しているらしい。それから程なくして、アンダーフレームのみをビークルモードに変えた無人キャバリアが高速で逆走してきた。
「ボトムアタックというワケですネ。コストパフォーマンスを無視すれば有効な手段なのかもしれませン」
「無人兵器で時間を稼ぎつつ、本隊は拠点の守りを固める。そういう魂胆なんでしょ? ハイスピードで片付けて、時間稼ぎにもならないってコトを教えてあげるわ!」
 さらさらの青い髪にほっそりした体つきのアイオライトは、素人目にはどう見ても美少女である。しかし、真の性別はれっきとした男子(♂)。そんな雄々しきアイオライトはブルーテイルのスラスターを猛然と噴かせ、持ち前の機動力を遺憾なく発揮させる。近距離戦で無類の強さを発揮するプラズマブレード『BX-A〝スラッシュ〟』を抜くと、電光石火の速さで敵群に斬り込んだ。
「――そうそうスピードで負けるつもりはないっての!」
 すれ違いざまに敵機の関節部を居合い斬りで断ち切ると、敵機はふらふらと道路上を蛇行し始める。そこを狙い、ノインのクロムダイザーが背負っていた巨大ポリタンクを開栓した。これは、彼が予め用意していたガジェット兵器である。中に入っているのは、ヌルヌルと滑るオイル。それを、躊躇うこと無く路上に垂れ流していく。
「『道路を走る機能』というのはソレだけで弱点ですヨ? 例えばホラ、このように」
 オイルに足を取られた車両は独楽のようにスピンし、ガードレールに激突してようやく停止する。そこへ、
「ホラ、ちゃんと人が乗ってないと大変でショウ?」
「よし、イイ感じね!」
 仕上げにグレネードランチャーを一発叩き込めば、作業完了だ。爆炎の中から姿を現すと、ブルーテイルとクロムダイザーは颯爽と走り去っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

叢雲・源次
【白鈴】
※サギリと共に白鈴号搭乗。操縦担当
(コクピット内、自身の首筋に接続された神経プラグを介し情報が脳内へ流れ込み網膜にコンソールめいて投影されていく…暴走する危険性を孕んだ当機をよく此処まで安定させられるものだ。後部、制御手のサギリへ意識を向ける)…制御は安定している。この調子で頼む。

『後は、俺の操縦次第か…神経接続でシンクロしているが自身の身体とは勝手が違う。だが』(大太刀を抜き払い構える)

勝手など、実戦で覚えれば良い。行くぞサギリ。俺とお前と白鈴の初陣だ。
(地を蹴り、ブースターが吠える。疾駆、然る後、切断。爆風に対するフィールド制御はサギリに任せる)

次だ。有象無象を蹂躙する。


サギリ・スズノネ
【白鈴】
※源次お兄さんと共に白鈴号搭乗。制御担当。
源次お兄さん、ばっちりなのです!
わーい!制御はお任せ下さいなのですよ、お兄さん!

あのキャバリアがあちこちぶつかったら大変なのですよ。でも無人機なのが幸いですね。
実践は初めてですけれど、猟兵は度胸なのです。
お兄さん、ドカンとやっちゃって下さいなのです!

サギリは白鈴号の制御をサポートするのです。
白鈴号に暴走の兆候が見られたら破魔と浄化で抑えるのですよ!
白鈴号に触れていれば、サギリの狂気耐性も伝って効くと思うのです。

お兄さんが倒したキャバリアの爆風は、
火ノ神楽で出した炎の鈴にオーラ防御を乗せて、複数並べて壁を作り防ぎます!





「源次お兄さん、ばっちりなのです!」
 薄暗いコックピットの中に、元気のいい少女の声が響く。絹糸のごとき白い髪をおかっぱに切りそろえたその少女――サギリ・スズノネ(鈴を鳴らして願いましょう・f14676)は、前の座席にいるスーツ姿の青年に語り掛けた。
「……制御は安定している。この調子で頼む」
 今、叢雲・源次(DEAD SET・f14403)の神経は首筋に接続された特殊なプラグを介して、搭乗したジャイアントキャバリアとリンクしている。乗機の名は『白鈴号』。黒色の表皮をもつ素体『ユミルの子』に、武者鎧のような白銀の装甲を纏わせた機体だ。左腰部にマウントされた大小拵えの太刀型キャバリアソードが、白鈴号が近接戦闘タイプのキャバリアであることを物語っていた。
「わーい!制御はお任せ下さいなのですよ、お兄さん!」
(暴走する危険性を孕んだ当機を、よく此処まで安定させられるものだ)
 絶大な戦闘能力を秘めたジャイアントキャバリアは、常に暴走の危険と隣り合わせだ。それを見事に御することができるサギリは、高水準で機体と同調する力があるのかもしれない。
「後は、俺の操縦次第か……神経接続でシンクロしているが自身の身体とは勝手が違う。だが」
 筋張った源次の右手が、コントロールレバーを掴んで前方にスライドさせる。それに応じて、銀の甲冑を纏った巨人が大太刀をぎらりと抜き放った。
「勝手など、実戦で覚えれば良い」
 タイトなブラックスーツで覆った機械の躰。その心臓部に封じ込めていた地獄の炎を全身に駆け巡らせ、赤眼のサイボーグが戦場に躍り出る。
「実践は初めてですけれど、猟兵は度胸なのです! お兄さん、ドカンとやっちゃって下さいなのです!」
「行くぞサギリ。俺とお前と白鈴の初陣だ」
 背後に座る少女に視線を返すこともなく、源次は白鈴号の操縦に全神経を集中させる。神経プラグを介し、キャバリアが視認した映像がダイレクトに源次の網膜に投影されていく。前方から逆走してくるのは、ビークルモードの量産機。装甲車めいたアンダーフレームのみが、一切減速することなく此方へ向かってくる。
「加減をするつもりは無い」
 太刀を構えた白鈴号が強く地を蹴り、疾走する。ブースターの噴射と共に機体はみるみるうちに加速し、振りかざした刃にユーベルコードの蒼き炎が宿った。柄を握った両掌に、ミシミシと力が込められる。
 ジャイアントキャバリアが受けた外的要因は、乗り手にも影響を与える。
 そして、乗り手の操る技とユーベルコードもまた然り。そういう関係にあるのだ。
 蒼炎一刀――源次の体内で荒ぶる蒼い地獄の炎を纏った斬閃を、電磁加速を乗せて目の前の敵に叩き込む。
「悪く思え」
 自爆特攻前提の、不完全な機体に耐えられる斬撃ではない。それに、たとえ機体が万全の状態だとしても、同じことだ。
 跡形もなく爆散した敵機の破片が、そこら中に飛び散る。爆風と共に後続の僚機に当たれば、損傷を与える可能性もあり得るだろう。
「鈴を鳴らして舞いましょう」
 コックピットの暗がりの中で、サギリの金の双眸がぼうと輝いた。ユーベルコード、【火ノ神楽】――彼女の意志に呼応するように、白鈴号の周囲に鈴の形をした炎が生み出される。80を超える金色の炎は整然と列をなし、後続の車両と猟兵達を護る壁となった。
「次だ。有象無象を蹂躙する」
 揺らめく炎の壁を潜って姿を現した巨人は、次なる標的を求めて力強く前進を続ける。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

蓮・紅雪
同行者:アイビス(f06280)
UCDアースともまた違う、あまり馴染みのない風景ね(アイビスの量産機の肩に乗って)
高速道路は退屈だわ。

変形するの?それなら私は助手席に座らせて貰いましょうか。
車には詳しくないけれど、これはUDCアースのイタリアで作られたF50に似ているわね。さすがにV12エンジンということはないと思うけれど……どうしたのアイビス?

アイビスは運転が上手よね。
私は機械音痴だからきっと無理(シートに深く沈み込む)
フルバケは座り心地が良いわ……このまま、寝られそうね……(寝た)

ろかくした、くるま……?
ううーん、オブリビオンマシン……(やっぱり寝た)

アレンジアドリブ大歓迎!


アイビス・ライブラリアン
同行者: 紅雪(f04969)
この国は車に変形するキャバリアが主流なのですね
以前は通常の量産型でしたので、新鮮ですね
また乗ってましょうか

さて、道中で厄介事のようですね
折角ですので変形をさせましょう
(スポーツカーのような形に変形)
……これはスピードが出せそうな形ですね
おや、これは何でしょう?
(ボタンを押すと両側にブレードが展開。スピードを上げ、すれ違いざまに攻撃していく)
……なるほど、こう使うのですね
ついでに雷属性の魔法球を浮かべて、
触れたらハッキングのちに停止する罠でも仕掛けてみましょうか

……ところで紅雪
以前に鹵獲した機体は乗らないのですか?

アドリブ歓迎





 高速道路を疾走する、ダークグレーのキャバリア。龍腕軍の主力として採用され、国内の至る所に配備されている量産機である。
 龍腕で生産されているキャバリアは、ほとんどがビークルアンダーフレーム式。つまり、自動車や戦車などの乗り物形態に素早く変形できる機構を備えているのだ。
「UCDアースともまた違う、あまり馴染みのない風景ね……高速道路は退屈だわ」
 鋼の巨兵の角張った肩に腰かけているのは、長い黒髪の少女猟兵。蓮・紅雪(新雪・f04969)は高層ビルが林立する、龍腕市街地の風景をぼんやりと眺めていた。確かにUDCアースのアジア圏の都市と似ているが、建物のデザインやビルの看板に用いられている言語はやはり微妙に異なる。
「この国は車に変形するキャバリアが主流なのですね。以前は通常の量産型でしたので、新鮮ですね」
 コックピットを覆っていたハッチが開かれ、白い髪の娘の姿が露わになる。アイビス・ライブラリアン(新米司書人形・f06280)、紅雪と共に旅をする美しきミレナリィドールである。
「変形するの? それなら私は助手席に座らせて貰いましょうか」
「ずっとそこに座っているよりは快適かと。どうぞ、紅雪」
 アイビスに促され、紅雪はキャバリアの操縦席にもぞもぞと体を潜り込ませる。アイビスがハッチを閉じると、コックピットは再び闇に包まれた。手元の液晶ディスプレイやスイッチ類からは、淡い光が漏れている。
「アイビスは運転が上手よね。私は機械音痴だからきっと無理」
 シートに深くもたれ、体の力を抜いてリラックスしはじめる紅雪。アイビスはというと、いつものポーカーフェイスで運転に集中している。
「フルバケは座り心地が良いわ……このまま、寝られそうね……」
 流石は軍用車両、強い衝撃や振動に耐えられるようにシートは厚く、ホールド感がある。目を閉じると、紅雪の意識は徐々に眠りに落ちていった。

「――どうやら厄介事のようですね」
「うぅーん……」
 コックピット内部に、甲高いアラートが響き渡る。モニターに映し出されたのは、道路を逆走してくる装甲車のような物体。敵が特攻兵器として用意した、無人のアンダーフレームである。
「折角ですので、変形をさせましょう」
 アイビスがスイッチを操作すると、機体は滑らかな動きで変形シークエンスを始めた。キャバリアは機動兵器でありながら、欧州製のクーペのようなスタイリッシュなシルエットへと瞬時に姿を変える。
「車には詳しくないけれど、これはUDCアースのイタリアで作られた車に似ているわね。さすがにV12エンジンということはないと思うけれど……どうしたのアイビス?」
「ブイジュウニ、というのは何の単位かよく分かりませんが……これはスピードが出せそうな形ですね。紅雪、敵が現れましたよ」
「戦いはアイビスに任せるわ……」
 それならばと、アイビスはモニターに映し出された武装のアイコンをタップする。すると、車体の側面から鋭利な実体ブレイドが二枚出現した。
「おや、これは何でしょう?」
 機体を素早く加速させ、すれ違いざまに突進しながら斬りつける! 居合いの要領だ。
「……なるほど、こう使うのですね」
 電脳魔術士のアイビスは、機動兵器を用いた戦闘にも適性があるのだろう。すぐに自身の電脳魔術を応用し、機体の周囲に雷属性の魔法球を浮かべる。敵が近づけば、ハッキングを仕掛けて強制停止させるトラップとして利用するのだ。
「……ところで紅雪、以前に鹵獲した機体は乗らないのですか?」
「ろかくした、くるま……? ううーん、オブリビオンマシン……」
 寝起きの状態で記憶が混濁し、再び眠りに落ちていく紅雪。実は、以前クロムキャバリアの作戦で敵機を鹵獲したことがあったのだ。もしも今回導入していれば、戦闘で役立つことがあっただろう。二人が乗りこんだ量産キャバリアは、道中で襲い来る敵機を着実に排除しつつ、目的地を目指す。 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『ナイトゴースト』

POW   :    パラライズバレット
命中した【RSキャバリアライフル】の【特殊弾】が【エネルギー伝達阻害装置】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD   :    ゴーストミラー
【両肩のシールド】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、両肩のシールドから何度でも発動できる。
WIZ   :    装甲破砕杭
対象の攻撃を軽減する【電磁装甲モード】に変身しつつ、【手持ち式パイルバンカー】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。




 高速道路での襲撃を切り抜け、猟兵達は龍腕西部の都市『祭嶺(さいれい)』に辿り着いた。だが、既に祭嶺市内には氷雨配下のキャバリア部隊が展開していた。
『こちらマツモト隊……市内東部、157号線方面より接近する、敵のキャバリア部隊を確認しました!』
『了解――シラカワ隊、これより迎撃行動を開始する! 総員、配置に付け!』
 量産キャバリア、ナイトゴースト部隊は都市の風景に溶け込み、静かに猟兵達を狙ってくる。機体表面に施された電磁装甲と肩の大型シールドにより、高いステルス性能と生存能力をもつこの機体は、戦場の死神とも形容される。どこからともなく現れ、人知れず敵の命を刈り取っていく、言わば暗殺部隊なのだ。
 地獄の戦場と化した祭嶺市街に、猟兵達は足を踏み入れていく。街には戒厳令が敷かれ、通行人の姿は見られない。人々が争いに怯えなくても安全な生活ができるように、一刻も早く街を解放しなければならないのだ。
シル・ウィンディア
ふぅ、たどり着いたけど
何もないなぁ…
でも、敵地だから警戒はしないとね

慎重に機体を進ませるけど
【第六感】を信じつつ索敵を行っていくよ

敵意と攻撃を感知したら
【瞬間思考力】と【推力移動】で緊急離脱しつつ
その方向に『ミトラ・ユーズ』で【弾幕】を張るよ

陸戦でゲリラ戦は、向うの土俵なら…
こっちは押し通させてもらうっ!!

【空中戦】で高度の注意して飛んで
戦場を見渡してっと…
センサーが効かないなら目視だね

【第六感】をフル活用して、敵機の殺気を感じたら
そちらへビームランチャーを撃つよ

複数ロックされたら【残像】を生み出しつつ高速離脱
攻撃の来た方向に向かって
【高速詠唱】した
エレメンタル・シューターで撃ち抜いていくよ





「ふぅ、たどり着いたけど何もないなぁ……でも、敵地だから警戒はしないとね」
 戒厳令下の祭嶺市街地は、白昼にも関わらず不気味に静まりかえっている。メインストリートには通行人の影も無く、がらがらになった道路には信号機だけが虚しく点滅を繰り返すのみだ。
「索敵は慎重に……と」
 知らない街のビル群は、シルにとってはさながらコンクリートのジャングルだ。ゆっくりと愛機を浮上させ、慎重に移動を開始する。
「……いる。あそこのビルの向こう側!」
 肌がひりつく感覚。猟兵としての彼女の直感が、本能的危険を告げた。敵意の源へと視線を向ける。ファッションブランドが店舗を構えるビルの裏から、くすんだ灰色のキャバリア部隊が突如姿を現した。と同時に、大型のキャバリアライフルを一斉に構える。
「!」
 乾いた銃声が規則的に炸裂する。ライフルによる牽制射撃の後、敵は手持ち式のパイルバンカーを構えてシルへと突っ込んできた。咄嗟にブースターを吹かして距離を取りつつ、腕部に備えた三連装マシンキャノン『ミトラ・ユーズ』を連射して弾幕を張る。
『甘いな……!』
 電磁装甲で耐久力を強化したナイトゴーストは、多少の被弾も厭わず強引に接近してくる。シルは武器をビームランチャー『ブラースク』に切り替え、圧縮した魔力の光弾を躊躇わず敵群へと叩き込んだ。
「陸戦でゲリラ戦は、向こうの土俵なら……こっちは押し通させてもらうっ!!」
 光弾が炸裂し、その内の一発がクリーンヒットしたのを見計らって、シルは機体の高度を徐々に上げていった。
 殲禍炎剣に捕捉されないギリギリの高度から、地上を一望する――そうやって敢えて高所に姿を晒したことで、敵がやって来る方角を大体把握することができた。
『いたぞ! 狙い撃て!』
「半径90メートル範囲内は、もうわたしの間合いだよ!」
 残像を生み出すほどの速度でキャバリアライフルの連射を躱しながら、シルはブルー・リーゼから火水風土の魔法弾を一気にばら撒いた。
「精霊達よ、我が声に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!」
 空中を泳ぐように優雅に飛び回り、色とりどりの魔弾を操る精霊機。【エレメンタル・シューター】によって形作られた900もの弾丸は複雑で美しい幾何学模様を描き、不用意に射程圏内に入ったナイトゴースト部隊を瞬く間に呑み込んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイオライト・セプテンバー
お相手さんは集団で、それもステルス機か……。
厄介極まりないわねこいつは。

ミサイルや射撃をコピーさせたら味方や街に被害が出てしまう……。
ここは近接戦で、スピードと技能勝負といきますか。

シールドで受け止めて来るなら……あえて一度受けさせる。
敵機を発見したら、ユーベルコード、【ライトニング・パイル】を使用。

ビームを纏ったパンチを受けさせ、敵がコピーしてきた攻撃を【見切り】と【操縦】技能で回避。
ヒット&アウェイから、一段階機体のリミッターを解除し、敵よりも強力なビームパンチでシールドを【貫通攻撃】。

こいつで一機ずつ、なんとか潰していくしかないでしょう。
私への反動はキツそうだけどね!


ノイン・フィーバー
「ではたこサメサン、ダイザ―は任せましたヨ」

たこサメサンに操縦をキャバリアの操縦を任せ、コクピットから降り、別行動を。
アームドフォートに徹甲弾を装備させてきたので装甲への対応も可能だが基本は関節を狙う。

実は接近戦ならノインより操縦が上手いたこサメ。まるで竜巻のよう!
派手に動き回ってもらい、それを囮に影から「暗殺者」を狙い撃つ。

味方のUCがゴーストミラーされそうになったら、そのシールドを支えるアームを狙撃して援護。

装甲破砕杭を使われたなら、アームドフォートのライフルユニットを切り離し、電磁装甲へライフルを突っ込みその内側から膝を撃ち抜く。
多少ビリビリするのは必要経費デス(アフロになってる)





「お相手は集団で、それもステルス機か……。厄介極まりないわねこいつは」
 愛機ブルーテイルの操縦席でぼやきつつ、じわりと肌に汗をにじませるアイオライト。ここは敵地。さらに敵はステルス能力を有しているため、常に襲撃に備えている必要がある。とはいえ、プラントに向けて少しでも早く歩みを進めなければならない。
『――敵機を発見!』
「遅いわよ!!」
 敵と遭遇したらすぐにダッシュで距離を詰め、銃弾を掻い潜って最速で先制攻撃を叩き込む。ブルーテイルの機動力と、アイオライトの操縦スキルの為せる業だ。
「とっておきよ! 有難く食らいなさいッ!」
 ブルーテイルの腕部に装着されたビーム発生装置『ハウリングホーク』が起動し、バチバチと弾ける閃光が放たれた。拳全体をビームバリアで覆い、必殺の【ライトニング・パイル】を叩き込む!
『……舐めるなよ!』
 対するナイトゴーストは、肩部シールドを前面に押し出して拳打をガードする。【ゴーストミラー】の効果により、相対した敵の能力を盗み取ることができるのだ。鮮烈なスパークが迸った後、攻撃をガードしたナイトゴーストの腕部は、ブルーテイルと同色の光のフィールドに包まれていた。
『ふっ、キサマの能力いただいたぞ!』
「いただいたから何よ? もう一段階、ギアを上げられるのよ!」
 ワンツー連打を驚異の動体視力で見切り、痛烈な左フックを側頭部に打ち込む。封印を解除したことにより、敵パイロットはブルーテイルが瞬間移動したように錯覚したことだろう。
『居たぞ! 取り囲め!』
 ショートレンジの攻防を制し、一機を行動不能に追い込む。しかし、程なくして敵の新手が後ろから追いついてきた。
「ここらが踏ん張りどころね……こいつで一機ずつ、なんとか潰していくしかないでしょう。私への反動はキツそうだけどね!」
 ライトニングパイルは、封印を解除することで強化されていくユーベルコード。ただし、解放する段階に応じて寿命を削るというリスクを伴っている。
『相手は一機だ、包囲して仕留める!』
「ここまでおいで……!」
 アイオライトは一時後退し、メインストリートから外れた細い路地に敵を誘い込んで一体ずつ相手取ろうとしていた。すると、突如ブルーテイルの頭上から一体のキャバリアが『飛んできた』。
「!?」
 否、これは飛び蹴りだ。勢いの乗ったカンフーキックに、一機のナイトゴーストが大きく蹴り飛ばされる。
『がごっ!?』
「あれは、クロムダイザー!?」
 乱入してきたのは、ノインのキャバリア『クロムダイザー』。クロムダイザーはカンフー映画さながらのキレキレの動きで一機のナイトゴーストを叩き伏せ、たちまち戦闘不能に追い込んでしまった。
「あら、結構イイ動きするじゃないの」
 僚機と合流したブルーテイルは、クロムダイザーと即興のコンビネーションを組んで攻撃を再開。持ち味のスピードを活かしたラッシュでガードを揺さぶり、迅雷の如きアッパーカットで敵機を大きく吹き飛ばす!
『くっ……もう一度あの技を盗めば!』
 シールドを前面にかざし、ナイトゴーストが防御体勢を取った。ガードに成功すれば、またユーベルコードをコピーされるだろう。
 しかし、その目論見は失敗に終わる。足を止めたところに一発の砲弾が飛来し、膝の関節を撃ち抜いたのだ。
『ぐッ! しまった、伏兵か……!』
 その徹甲弾は、立体交差点の上から放たれたものだった。弾道の先に立っていたのは、アームドフォートの砲門を構えたテレビ頭の男であった。
「あそこにいるのは、ノイン? じゃあ、あのクロムダイザーに乗っているのは誰なの!?」
「紹介しまショウ! わがエースパイロット、たこサメサンを!」
 ブルーテイルのモニターに映し出されたのは、ビー玉のような無機質な目でコンソールを操作する、謎のサメだった。
「サメっ!?」 
 大型の魚類が何食わぬ顔でキャバリアを操縦し、オブリビオンマシンを格闘術でぶちのめしたのだ。アイオライトが驚くのも無理はない。
『…………』
 たこサメ。ノインがグリードオーシャンで発見し、なぜか付いてきた海の生き物である。サメの上半身とタコの下半身を併せ持つが、カテゴリーとしては一応化け物系サメに分類される。
 たこサメは8本のタコ足と二枚のヒレで操作系統を同時に操り、人間には真似できない芸当で格闘戦をやってのけたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

支倉・錫華
市街戦か。
戒厳令下とはいえ、避難したわけではないから、建物の中には人がいるってことだよね。
そうなるとあんまり派手なことはできないかな。

アミシアには【索敵】かけて相手の位置を把握したら、
【追跡】でトレースかけて、こっちに情報もらえるかな。

キャバリアは【アーマー・パージ】してさらに機動力をあげて、
こっちの位置は【ジャミング】で隠して、逆に【暗殺】していってあげよう。
とはいっても、コクピットは狙わずに足とか手を切り落として、
擱座させていく方向でいくけどね。

なるべく建物にもダメージ与えないように、
倒れる方向も計算できたらいいんだけど、さすがに全部は無理かも?

努力目標ってことにしておこうかな。





「ここからは、市街戦か。今のところ、人影は見られないけど」
 キャバリアを駆り、錫華は祭嶺市街地へ足を踏み入れた。情報によると敵部隊はステルス能力に優れており、通常のキャバリアに搭載されているレーダーでは捕捉することが困難になっているようだ。
 知らぬ間に敵の接近を許し、奇襲を受けたならばたとえベテランのキャバリア乗りといえどひとたまりもないだろう。
「アミシア、索敵をお願い」
 だが、錫華には心強い相棒がいる。彼女の声に応じてワイズマンユニットのアミシア・プロフェットが起動し、戦場のデータを収集、解析し始めた。
「戒厳令下とはいえ、避難したわけではないから、建物の中には人がいるってことだよね。そうなるとあんまり派手なことはできないかな」
 ミサイルやキャノン砲を撃ちまくれば、建物や道路が大きく損傷して民間人に危害が及ぶ可能性が高い。何より、大きな音で敵が集まって来る危険があるのだ。しかし、火力の低い武器でも戦い抜く方法は確かにある。
「こちらも気配を消そう。アミシア、暗殺戦法だよ」
 やがてアミシアの解析が完了し、戦場一帯を描画したマップにエネミーを意味するマーカーが点々と表示された。それらのマーカーはゆっくりと、だが着実に錫華の元に向かいつつあった。この状況を切り抜けるには、包囲される前に逆にこちらから打って出る必要がある。
「アミシア、4番から8番装甲をパージ! 身軽にしていくよ」
 出撃前に、錫華は予め機体にある仕掛けを施していた。彼女の命令と共に、キャバリアがその外部装甲の一部をパージした。出来る限り機体の重量を削ぎ落とすことで、より俊敏な機動を可能とするのだ。
 錫華は敵機への最短の道筋を把握すると機体を加速させ、手近な機体へ攻撃に向かった。キャバリア用の刀剣『歌仙』を構えると、一機のナイトゴーストに背後から斬りかかった。
『なにっ、後ろからだと!?』
 アミシアがジャミングシステムを起動させていたお陰で、錫華は敵に先んじて奇襲に成功した。接近を悟った敵がシールドを構えたときには、既に間合いを詰めていた。
「まずはあなたから。めいっぱいいくよ」
 研ぎ澄まされた刃による横薙ぎの斬閃が奔り、敵機の膝関節部を叩き斬る。さらに返す刀で刃を撥ね上げ、右腕も瞬時に斬り落とした。
『と、投降する……なんてヤツだ』
 大きく体勢を崩し、力なくその場に沈み込むナイトゴースト。機体が擱座し戦闘不能に陥った敵パイロットが、投降を宣言した。パイロットの命まで奪う必要はない。
「それが賢明な判断だね。まぁ、コピー出来たとしてもわたしのようにはいかないだろうけど」
 その場しのぎの複製技術では、自分の剣技は到底真似できない――そんな自負が錫華にはあった。錫華は機体を勢いよく加速させ、錫華はすぐさま次なる標的へと襲い掛かった。

成功 🔵​🔵​🔴​

蓮・紅雪
同行者:アイビス(f06280)
あら、随分な歓迎ね。
(嘆息)そうね……姿は見えないけれど、殺気で存在感をアピールされても困るわ。
もう少し楽しめるかと思ったのだけれど、貴方たちでは……
いいわ、相手してあげる。

UC発動。そのまま戦場をゆっくり歩いて行くわ。
敵が私をマークして撃ってきたら、氷属性の衝撃波を四方へ解放。
銃弾は吹雪の壁に阻まれて私には届かないでしょう。
生身の人間ひとり倒せないのかしら?
暗殺部隊の名が聞いて呆れるわね。
アイビス、敵の居場所わかったわよね?
後は任せるわ。


アイビス・ライブラリアン
敵の兵装が厄介ですね…
しかしやるべきことをやりましょう

キャバリアは人型
アサルトライフル、ブレードを装備
自身の周囲には結界術と雷属性魔法による電磁の盾を構築
これで突然の奇襲には対処できるでしょうか

紅雪が囮になってくれるのですか?
助かりますが、気をつけてくださいね?
(魔力溜め、多重詠唱、高速詠唱による3重結界を紅雪に)

紅雪にあぶり出された敵に銃なり剣なりで攻撃
マーカー用の魔力を込めて、逃しても気付けるよう対処

敵UCはこちらもUCで
本棚と結界があれば耐えることが可能でしょう
止まったところを本棚で攻撃

……紅雪、大丈夫でしたか?
大丈夫なら何よりです





「これは、敵の残骸……?」
「どうやら、先行した味方が撃破したようですね。気を付けてください紅雪、既に戦闘が始まっています」
 キャバリアのカメラが映し出したのは、猟兵に撃破されたと思われるナイトゴーストの残骸であった。アイビスと紅雪は人型モードのキャバリアを駆り、慎重に探索を続ける。
「武装はアサルトライフルと、近接用の実体剣ですか。これだけで対応できるか……。しかし、やるべきことをやりましょう」
 アイビスはコックピットに座ったまま呪文を詠唱し、機体の周囲に雷魔法による電磁盾を構築。さらに結界術を応用して術の効果を引き上げた。これで、敵の奇襲を受けたとしても耐えられるだろう。

 プラントに至る道へ通じるストリートに差し掛かったとき、キャバリアは不意にライフルによる襲撃を受けた。展開した結界防壁が作動し、弾丸を弾いてバチバチと紫電を散らす。
「あら、随分な歓迎ね」
「結界を張っておいて正解でした。敵の居場所を割り出す猶予は……ないですね」
 切れ目なく撃ち込まれる弾丸から身を隠そうと、アイビスは機体を旋回させて建物の陰に逃れる。
「そうね……姿は見えないけれど、殺気で存在感をアピールされても困るわ」
 はぁ、とため息をひとつ零して、紅雪はおもむろに座席から立ち上がる。
「どうしたのですか、紅雪?」
「ずっと座っているのにも飽きたわ。少し体を動かしたいの」
 紅雪はそう言ってハッチを開けると、キャバリアからするりと降りてしまった。
「紅雪が囮になってくれるのですか? 助かりますが、気をつけてくださいね?」
 アイビスは念のため古魔術による多重結界を施し、紅雪を見送る。そんなアイビスの心配をよそに、紅雪は妖刀の呪詛を解放し、吹雪に変えて自身の周囲に纏わせた。
『あの女は何者なんだ?』
『猟兵の仲間だろう。だが刀一本で何ができる! 構わん、撃て!』
 隠れ潜んでいたナイトゴーストが、ライフル弾を次々に発射する。しかし人間が受ければ体が粉々に飛び散るであろう攻撃は、紅雪が放つ呪詛の吹雪に阻まれ届かない。
『手応えがない……だと!?』
「あら……生身の人間ひとり倒せないのかしら? 暗殺部隊の名が聞いて呆れるわね」
 紅雪が挑発しながら敵の攻撃を引きつけている間に、アイビスは弾道を読んで戦場に展開している敵の配置を割り出していく。ライフルをオート射撃に設定し、速射を叩き込んで反撃に転じる。
『ええい、怯むな。電磁装甲モードで突撃だ!』
 手持ちのパイルバンカーを腕部に装着し、敵機がアイビス機へと突撃する。数と防御力にモノをいわせ、強引に一撃をねじ込む算段だ。しかし、アイビスはまだ自身の切り札を隠していた。
『なんだこれは……!?』
『……本棚だと!? そんな馬鹿な!』
 突如として虚空から大量の書棚が次々と降り注ぎ、何層にも積み上げられていくではないか。市街地は、一瞬にして巨大な図書館と化した。
「当館は移動図書館。是非ご利用くださいませ」
 これこそが、アイビスのユーベルコード。城壁のごとく築かれた本棚は、彼女の意のままに動かすことができる。進行方向を妨害され、敵部隊は思うように接近できずにいる。強引に突破しようにも、倒壊した書棚は逆に足場を不安定にさせるからだ。
『システムダウン……くそっ、ここまでか!』
「大事な本を傷つけたくありませんから、投降していただくとありがたいのですが」
 機体の寿命を削るリスキーな技を使い過ぎると、それだけ稼働限界時間が早まることになる。アイビスの見事な読み勝ちだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

叢雲・源次
【白鈴】
(白鈴号が市街地へ踏み込む。歩行停止。索敵…情報を精査。敵影ゼロ。レーダー類の反応、無し)……相手はステルス機か。サギリ…『鈴』を頼む。最大数展開。網を張る。(サギリへ『火ノ神楽』の使用を申請。設置位置はこちらが奇襲を仕掛けるのならばどの位置がベストか。ビルの死角。十字砲火に打ってつけの十字路。84の炎の鈴をデコイ及びトラップに、敵の位置を割り出さんとする)

「…網に掛かった。吶喊する。」
(火ノ神楽で当たりを付けた地点へ戦闘機動。当機が持つ優位性は『猟兵の動きを完全に再現出来る事』…地を蹴り、壁を蹴り、跳躍、敵機へ強襲をかける)
「市井に陣取った時点で、貴様らに大義は無い。只散れ。」


サギリ・スズノネ
【白鈴】

合点なのです、源次お兄さん!
お兄さんの作戦通りに、火ノ神楽で炎の鈴を出せるだけ出し、バラバラに操って設置します。
狙うのはステルス機のみ、ぶつかったらそのまま延焼させるですよ!
二度目にステルスされても炎まではステルスできないでしょう

お兄さんの攻撃が始まったら、サギリは防御に徹します
トラップに使う意外に炎の鈴を幾つかは機体周囲に漂わせ
敵の攻撃に対してオーラ防御を乗せて盾を作ってガードします

白鈴号に暴走の兆候が見られたら破魔と浄化の力、それからサギリの狂気耐性を白鈴号へ込めるのです
大丈夫ですよ白鈴号、サギリがついているのです
だから安心してお兄さんに力を貸してくださいですよ!





 平時ならば市民の生活が営まれる祭嶺の街も、戒厳令下では墓場のごとき静けさ。二人の猟兵を乗せたジャイアントキャバリア『白鈴号』は、慎重に進めていた歩みを止めて周囲の状況を再確認する。
「敵影ゼロ。レーダー類の反応、無し」
 レーダーで捉えられる情報はない。だが、アナライザーを介して源次の視界に映り込んだのは、破壊された敵機と思しきキャバリアの腕パーツだった。猟兵との戦闘の痕跡が確かに残っている。ということは、
「……相手はステルス機か。サギリ……『鈴』を頼む。最大数展開。網を張る」
 獲物を探しに行くよりは、罠を仕掛けておびき出すほうがいい。源次の求めに対して、サギリははきはきと明るい口調で応える。
「合点なのです、源次お兄さん!」
 ハイウェイの戦闘でも使用した金色の鈴のごとき炎を84個出現させると、サギリはそれらを念動力で操って戦場の四方八方へと散らばらせていく。炎は時折その場に留まったり、分かれ道で二手に分かれるなど、人間のような動きを再現することを意識して操作している。
「およそ100メートル先、スクランブル交差点か。あそこなら派手に動けそうだ」
 対装甲大太刀を抜き、来るその瞬間に備えて精神を集中。――やがて動き回る熱源に招かれ、ステルス機能を有するキャバリア部隊が現れた。だが、狩られるのは彼らの方だ。
「……網に掛かった。吶喊する」
 目標を補足したならば、後は狩るのみ。ビルの陰から死霊のごとく姿を現した、白亜の巨人が疾走を始めた。
『空を飛ぶ火の玉だと!? 畜生、嵌められた!』
『まんまとおびき出されたってわけか、クソッ!』
 ナイトゴースト部隊の周囲に、サギリが操る火球が出現した。そして、後方に現れたのは白き異形の生体決戦兵器。
 挟み撃ちだ。姿を現した敵機を前に、源次の血と混じり合った獄炎が猛る。
「市井に陣取った時点で、貴様らに大義は無い。只散れ」
 源次と神経をリンクさせた異形のキャバリアは、彼の身体能力、剣技を忠実に再現する。
 そして全身を駆け巡る、蒼い炎までも。
『ぐわああああっ!』
 蒼炎一刀、一切の迷いなき斬閃が敵キャバリアを瞬時に斬り捨てる。爆炎を背にしてすぐさま路面を蹴り、建物の壁を蹴り、跳躍。全長5メートルに及ぶ巨体が跳ねる。
「逝け」
 空中で体を捻り、弧を描くように繰り出す薙ぎ払い。二機目の頭部が切り飛ばされ、蒼い炎塊となって地面を転がる。
『ちぃっ……!』
 動揺を見せた残存のナイトゴーストが、キャバリアライフルを発砲する。刈り落とした首を追うように、白鈴号は側転して弾丸をやり過ごす。浮遊する火球が盾の代わりとなって白鈴号の周囲に集まると、弾丸から機体を護る役割を果たした。
「……サギリ」
「任せてください! なのです!」
 だが、白鈴号に僅かながら異変が生じたのを二人は敏感に感じ取っていた。炎を纏い、ユラリと起き上がった白鈴号。その兜の奥の眼には、秘めたる狂気を覗かせていた。
「……大丈夫ですよ白鈴号、サギリがついているのです。だから安心してお兄さんに力を貸してくださいですよ!」
 サギリは白鈴号に優しく語り掛けるように、破魔と浄化の力を発現させる。
 白鈴号を始め、ジャイアントキャバリアは常に暴走のリスクと隣り合わせにある。この危険極まりない人型兵器の制御を任されているのが、このヤドリガミの少女なのだ。
「……すまん、サギリ」
 サギリの助けを得たことで、源次は再び機体を安定させることに成功した。己が内なる地獄の炎に呑まれぬよう、息を吐いて精神統一を図る源次。
 そして尚も迫り来る敵機に向かって、白鈴号は神速の突きを放った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『輝光神機『ロクシアス』』

POW   :    BSプラズマライフル『黄金の矢』
【プラズマライフルのレーザーサイト 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【プラズマ化した超高熱熱線】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    高速戦闘演算機構『予言の神』
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【BSプラズマライフル 】から【相手の回避行動を読み切った超連続射撃攻撃】を放つ。
WIZ   :    対人虐殺機構『疫病の矢』
自身の【機体全身 】から【疫病ウィルス型ナノマシン】を放出し、戦場内全ての【キャバリアに乗らない生身での戦闘行動】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はテラ・ウィンディアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。




 ナイトゴースト部隊からの通信が途絶えた。定時連絡の時間を過ぎたが、まだ報告は入ってこない。
「……既に、倒されたか」
 氷雨はプラントの地下格納庫に安置されていた黄金色のキャバリアに乗り込み、機体を起動させた。そのままエレベーターで地上に上がり、ヘリポートへと向かう。決戦の場は、十分な広さが確保されるここが相応しい。
 人工生命体レプリカントである氷雨は、誕生後すぐに軍によって特別な施設に移された。そこで同じような境遇のレプリカント達と共に、キャバリアを操縦する訓練を受けて育った。戦闘訓練だけではない。国家の為に全てを捧げて戦うという、思想教育もだ。――以来、氷雨はヒトを、龍腕という国を守るために前線で戦い続けていた。
 だが、ある日国境のパトロール中に黄金のキャバリアを発見したとき、何か不思議な運命を感じたのだ。
『コイツも、どこかのプラントで生み出されたのだろうか……。国の為に戦い続けて、傷ついて、古くなったら処分される。俺も、そうなってしまうのか? 俺の一生は、本当にそれでいいのか?』
 自問自答するうち、人類への疑念が次第に高まっていった。軍人としての自分を支えてきた、忠誠心や使命感さえ、他人に植え付けられたものだったのだ。ちっぽけな国同士、なぜ数少ない領土と資源を奪い合う? 決着の着かない、無意味な戦いを何年繰り返せば気が済む?
「過ちを繰り返す人類に、最早プラントは任せられない。母なる器から生まれ出でたこの私の手によって、管理し続けよう……この『輝光神機』ロクシアスとともに!」
 だが、導き出した筈である答えはオブリビオンマシンによって歪められたものであることを、この機人は知らない。
「このプラントに近づく者は、すべて抹殺する。ロクシアス、出るぞ!」
 悪意に満ちた揺り籠の中で、機械の申し子は戦いの時を待つ。
アイオライト・セプテンバー
こいつは……病をばらまくのね

私は傭兵であると同時に、学園国家に所属する学生
その美化委員長、アイオライト・セプテンバー……

人間だけを殺すナノマシン、ウイルスによる汚染なんて……見逃すわけにはいかないわね
美化委員としては!

装甲を開き、本機の【真の姿】を解放
動力のとして組み込まれた【偽神兵器】、【エアドライブ】に封印されたオブリビオン・ストームを放出……【真の姿】で出力アップ
『疫病の矢』によるウイルスを吹き飛ばしながら分解、戦場を浄化する
そのままロクシアスも、オブリビオン・ストームの巻き起こす竜巻の中に閉じ込めてあげるわ

戦場とはいえ、私の目の前であたりを汚すなんて真似、させないんだからっ……!!


支倉・錫華
この国のあり方やレプリカントとの接し方が正しいとは言わないけど、
それならあなたは、このプラントを占拠してなにをするつもりなのかな?

レプリカントとはいえ、あなた達には意志も思いもある。
それはあなたがひとりの人として在る証。
そしてそんなあなたは、プラントを占拠してなにをしたいのかな?

あなたの意志ですることなら、否定はしない。
自分で国を作りたいなら、それもいい。
けれど、操られているだけなら、ただ騒ぎを起こすだけなら、
全力を持って、止めさせてもらおう。

【モーターブーム】でヒットアンドアウェイを繰り返して、削らせてもらうよ。
倒しちゃうわけにはいかないけど、引きずり出すくらいはしないといけないからね。





 日が傾き、ヘリポートに立ったキャバリアの足元から、長い影が伸びてゆく。駆けつけた猟兵達と敵指揮官・氷雨の対決は、熾烈な銃撃戦によって幕を開けた。
「この国のあり方やレプリカントとの接し方が正しいとは言わないけど、それならあなたは、このプラントを占拠してなにをするつもりなのかな?」
 錫華機は試作型ライフル『FdP XFAM-50』を。アイオライト機は『ERT-D105ウッドペッカー』を構え、氷雨の駆る『ロクシアス』へと弾丸を放つ。
『まずはこのプラントを足がかりに、国内のプラントの所有権を私の財団に一元化させる。この国を腐敗させた金の亡者達からプラントを取り戻し、私の手で管理するのだ!』
 小さな国家とはいえ、様々な企業や団体が所有権を主張するプラントを、すべて自分の手で管理しようというのだ。もちろんそのためには莫大な資金と組織力が必要であり、氷雨個人の力で今すぐ何とかなるというものではない。だが、妄執に取り憑かれた今の彼は本気である。そのために、オブリビオンマシンを集めて武力で掌握するつもりでいるのだろう。
「すべてのプラントを力尽くで手に入れるつもり? 理想は立派だけど、エネルギーの供給を断たれた市民は今苦しんでるのよ!」
「レプリカントとはいえ、あなた達には意志も思いもある。それはあなたがひとりの人として在る証。あなたの意志ですることなら、否定はしない」
 プラズマライフルのレーザーサイトを掻い潜って敵機に肉迫し、二機は連携して近接兵装による斬撃を浴びせる。舞うような動きでそれらを回避し、中空へ浮かび上がったロクシアスは大きく両腕を広げた。
「自分で国を作りたいなら、それもいい。けれど、操られているだけなら、ただ騒ぎを起こすだけなら、全力を持って、止めさせてもらおう」
『私は操られてなどいない! プラントからもたらされる恩恵をさも当然のように受け止め、欲望を貪る人類など、朽ち果てればいいのだ』
 氷雨の叫びに呼応するように、ロクシアスの頭部、背部、腕部、腰部、爪先……機体のあらゆる部位に仕込まれたていた、疫病ウイルス型ナノマシンが一斉に放出された。人類を虐殺する無慈悲な兵器だ。風に乗って周囲の都市へ飛散したなら、大惨事になるだろう。
『さあ、止められるものなら止めてみろ!』
「疫病ウイルス! こいつは……病をばらまくのね。人間だけを殺すナノマシン、ウイルスによる汚染なんて……見逃すわけにはいかないわね。美化委員としては!」
 アイオライトの声色が、怒りと緊迫を帯びた。彼はキャバリア乗りであると同時に、学園都市国家の『美化委員』。自分の目の前で大気が汚染されていくのを、黙って見ている訳にはいかなかった。
「戦場とはいえ、私の目の前であたりを汚すなんて真似、させないんだからっ……!!」
 ブルーテイルの装甲が変形し、真の姿を現す。そして内部から、偽神兵器を改良した大出力エンジン『エアドライブ』が露わになった。アイオライトはその中に封じられていた荒ぶる風の力――黒い竜巻『オブリビオンストーム』を解き放つ!
『ンンッ! 何だ……この黒い嵐は!?』
 異世界アポカリプスヘルでは、世界中の文明を消し去ったという忌まわしい嵐だ。その力を応用し、敵のユーベルコードに直接ぶつけて相殺する兵器へと改良させたのがこの【クリーン・アップ】という機能である。暗黒の竜巻は瞬く間にナノマシンを巻き込み、粉砕してゆく。
「足止め、感謝するよ。後はわたしに任せて」
 キャバリア刀『歌仙』を構え、錫華のキャバリアが地を蹴った。そのまま機体を急加速させ、オブリビオンストームの中に足止めされたロクシアスへと果敢に斬りかかる。
「千載一遇のチャンス、リスクを冒してでも活かしてみせる」
 黒い狂風に激しく軋む機体を突き動かし、錫華は歯を食いしばりながら斬撃を放つ。【モーターブーム】による渾身の一刀は、ロクシアスの装甲へ深い傷を刻み込んだ。
「私を、ヒトだというのか? 母親の胎を経て産まれなかったというのに……ぐっ! 頭が、痛い……」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ノイン・フィーバー
心情:確か二人類は愚かなのかもしれませン。過ちを繰り返しているのかも知れマせん。ですが。
彼らの生き様ハ、アナタの心に何も残しませんでしたカ?

戦闘:
黄金の矢→装備ヒートプレート・ソードでレーザーサイトをわざと受け、それを投げ捨てて直撃を回避

予言の神→UC発動。攻撃回数を増やし装甲を下げる。
相手のプラズマライフルをビーム兵器の弾幕で相殺、可能なら飽和攻撃で押し返す
「射撃の腕ハそちらが上のようデすガ、そもそも弾幕が薄いようデ?」
キャバリのバイザー型カメラに「Fire」の文字が走る。


「ヒトへ立ち向かうというならバ、せめて己の言葉で立ちなさい。受けて立ちますヨ。人類っぽい一人としテ」
……人類?


シル・ウィンディア
わたしは、軍人さんじゃないからそのあたりはわからないよ
でも、わたしは自分を信じて突き進んできた
だから、ここは止めるよ
自分を取り戻してもらうためにもっ!

高度に注意して【空中戦】で機動するよ
【フェイント】を駆使して機動を読ませないのと
【残像】を生み出しての撹乱も仕掛けるね

基本は射撃戦
マシンキャノンで牽制しつつ
回避したら【第六感】も駆使してビームランチャーで撃ち抜くっ!

本命叩きこむためには…
高速接近してビームセイバーで敵機ライフルを【切断】
そのまま離脱して旋回だね

本命は
【多重詠唱】で裏でずっと詠唱していたこの魔法
【全力魔法】でビームランチャーを両手持ちにしての
指定UC

悪夢ごと、撃ち抜かせてもらうっ!


バーン・マーディ
(対峙する『破城神機』マーズ

奇妙な物だ
ロクシアス
そしてマーズよ
貴様らを見て少しばかり引っ掛かっていたが
…そうか…少しばかりウルカヌスを思い出させるのか(実に奇妙な感覚

…氷雨であったか

叛逆は疑念より生まれる

故に…我は祝福しよう
その機神の影響であろうとも
その疑問を忘れるな

そして…救おう
その叛逆はまだ始まったばかり故

【戦闘知識】
今迄のロクシアスとの交戦記録から戦い方とそのシステムを解析

【オーラ防御】展開
UC起動
敵の超連続射撃は回避「しない」
【武器受け】も駆使してダメージの軽減と共に致命を避け
【切り込み・二回攻撃・怪力・鎧破壊・鎧貫通】
軍神の剣を以て距離を詰め猛攻

この後尚叛逆を続けるかは
貴様が選べ!





『多くの仲間が戦いで散っていった。まだ若かった部下や同僚たち……愚かなことをしていると分かっていても、割り切るしかなかったが……作戦を終えるたび、いつも私の胸には後悔が残った」
 操縦桿を握る男の手に、強い力が込められる。氷雨の軍人としての人生は、苦悩と後悔の連続だった。戦いに勝利し、戦果を挙げても彼の心は晴れなかった。戦争とは、勝っても負けても不幸な犠牲者を生むのだから。
「確か二人類は愚かなのかもしれませン。過ちを繰り返しているのかも知れマせん。ですが。彼らの生き様ハ、アナタの心に何も残しませんでしたカ?」
 放熱板を改造した長剣『ヒートプレートソード』を振りかざし、ノインのクロムダイザーがロクシアスへと斬りかかった。剣を振るいながら、ノインは氷雨に問いかける。たとえ仕組まれた運命だったとしても、彼が戦友と結んだ絆は本物だったのではないか、と。
「わたしは、軍人さんじゃないからそのあたりのことはわからないよ……。でも、わたしは自分を信じて突き進んできた!」
 三連装マシンキャノンが唸る。『ミトラ・ユーズ』を中間距離から連射し、シルのブルー・リーゼはロクシアスの動きを牽制していく。持ち前の高速機動によって残像を生み出し氷雨を攪乱し、さらにスラスターの操作にフェイントを交え、敢えて減速することで攻撃を誘う。
「だから、ここは止めるよ。貴方に自分を取り戻してもらうためにもっ!」
『下がっていろ……その若さで、早死にしたくなければ!』
 プラズマライフルの弾道を直感的に読み取って回避し、シルはビームランチャーの『ブラースク』の引き鉄を引いた。空中で二色のビームがぶつかり合うと、激しい爆発を引き起こして互いを相殺した。
『銃を手にして出て来るなら、殺すしかなかろう!』
 ノインのクロムダイザーに狙いをつけたのは、プラズマライフルのレーザーサイト。それに捕捉されたが最後、大火力の熱線『黄金の矢』に貫かれる運命が待っている。
「来なさイ、ブーストスライガー!」
 インカムに叫びつつ、ノインはヒートプレートソードを咄嗟に頭上に放り投げた。高熱の光線が、クロムダイザーの真横を掠めていく。するとすぐさま、ノインのコールに応じた機影が飛来してきた。それこそがノイン愛用の宇宙バイク、『ブーストスライガー』である。
「クロムダイザ―、改めクロムスライガーとデモ言いましょうカ!」
 降下してきたブーストスライガーが素早く変形し、クロムダイザーとドッキングを果たした。宇宙バイクと合体したことにより、ノインのクロムダイザーは一回り逞しい、シャープなシルエットへと変貌した。これが【モードコネクトスライガー】、勿論パワーアップしたのは見た目だけではない。射撃の連射性能が大幅に強化されているのだ。クロムスライガーは宇宙バイクに備え付けていた砲塔を両手に装備し、ビームキャノンを矢継ぎ早に乱れ撃つ。
『支援機と合体しただと! やってくれるな……!』
「ヒトへ立ち向かうというならバ、せめて己の言葉で立ちなさい。受けて立ちますヨ。人類っぽい一人としテ」
 激しい撃ちあいの最中、ノインはコックピットで笑みをこぼした(モニターに笑顔の文字を浮かべて)。剣を失いはしたが、これで時間稼ぎは成功した。
「……氷雨であったか」
 戦いが過熱する中、不意に空間が強く歪んだ。そして虚空にポッカリと空いた孔から、屈強なるスーパーロボットがその巨体を現した。
 両腕を組んで威圧感を放つそのキャバリアの名は、破城神機マーズ。操縦席に座るのは、神に至りし叛逆の黒騎士バーンだ。
「叛逆は疑念より生まれる……。故に……我は祝福しよう。その機神の影響であろうとも、その疑問を忘れるな」
『新手か……! ならば、こちらもギアを上げていかねばな! 纏めて葬り去ってくれる!』
 高速戦闘演算機構『予言の神』が起動し、ロクシアスがそのスピードを更に引き上げた。残像を描き、目にも留まらぬ速さで撃ち出される回避困難なプラズマ弾を、マーズは避けようともしない。機体に十字の障壁によるバリアを展開させると、軍神の剣を手にロクシアスを猛追していく。
「そして……貴様を救おう。その叛逆はまだ始まったばかり故!」
 撃ち込まれるプラズマ弾を大剣で切り払い、マーズはロクシアスへと肉薄する。驟雨の如く叩きつけられる光弾が時折バリアを貫き、マーズの装甲を徐々に削り取っていくが、バーンは些かも怯むことはない。軍神の剣を盾代わりにして、マーズは前へ前へと進み出る。
「奇妙な物だ、ロクシアス……そしてマーズよ。貴様らを見て少しばかり引っ掛かっていたが……そうか……少しばかりウルカヌスを思い出させるのか」
 バーンは剣を振るいながらも、かつてヒーローズアースで剣を交えた原初の神を思い起こしていた。激しい戦いの記憶を蘇らせた、バーンの胸に去来するものは何か?
「射撃の腕ハそちらが上のようデすガ、そもそも弾幕が薄いようデ?」
 頭部のバイザー型カメラアイに「FIRE」の文字を表示させながら、クロムスライガーが両腕からビームを連射する。その援護射撃を受け、ブルー・リーゼとマーズは二面から同時に仕掛けた。
「この後尚叛逆を続けるかは、貴様が選べ!」
『くっ……!』
 被弾しながらも、マーズは尚も攻撃の手を緩めない。勢いに任せた捨て身の斬撃だ。ロクシアスは寸でのところで躱したが、そこに僅かな隙が生じた。その好機を逃すことなく、ブルー・リーゼが『ブラースク』の砲身を構えた。
「悪夢ごと、撃ち抜かせてもらうっ!」
 戦闘中に並行して詠唱し続けていた、『ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト』による魔砲弾を放つ。ブラースクから、世界を構成する『六つの属性』を複合した強力な魔力弾が放たれた。虚空に美しき魔方陣を描き、一直線に放たれる凄まじいエネルギーの奔流がロクシアスを襲う。
『これが、キャバリアの火力だというのか……!』
 氷雨は咄嗟に疫病ウイルスのナノマシンを散布し、なんとか直撃を免れようとした。だが、シルの渾身の一撃は生半可な防御では防げる筈もなく。ロクシアスの周囲に撒かれたナノマシンを瞬時に霧散させ、かの黄金の機兵の装甲を削り取っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

叢雲・源次
【白鈴】
討滅対象、輝光神機ロクシアスを確認。
作戦行動、フェーズ3へ移行…対象を破壊する。

「サギリ、先程とは比較にならん戦力が相手だ。こちらも性能を引き出さなければ勝ち目は無いだろう……頼む。」
(機体性能をフルに発揮する為、ギリギリの制御が必要になるだろうが…彼女ならやれると信じ)
…怖がるな、白鈴号。此処には、俺とサギリとお前がいる。
(大太刀を鞘に納めたまま最大稼働開始。機体から蒼と金が綯交ぜになった碧色の炎が溢れる。熱線防御はサギリの制御に任せ吶喊。ばら撒かれるナノマシンを焼き尽くしながら肉薄し)
「俺はお前を殺さない。その呪縛を断つ。」
(自身が使う無明抜刀を完全再現した斬撃を見舞う)


サギリ・スズノネ
【白鈴】
合点です、お兄さん!全力でやっちゃって下さいなのです!
白鈴号の制御はおまかせなのですよ!

引き続き白鈴号の暴走に対しては破魔と浄化の力(+狂気耐性)を叩き込んで制御します。
サギリ白鈴号好きですよ。こういう元気があるって事は、生きているって事ですから!
頑張ろうってまとめて鼓舞するのです!

さて、お兄さんが攻撃ならサギリは防御担当なのです!
火ノ神楽で炎の鈴(火炎耐性を付与し)をたくさん召喚しておくのです。
相手の攻撃がきつそうなので幾つかを合体させ、敵の攻撃起動を見切りその方向に集中して固めて盾代わりにします。

厄介な攻撃(疫病の矢)に対しては炎の鈴をぶつけて延焼させて浄化するですよ!





「………………!!!」
 西の空には、やがて沈みゆく太陽が輝いている。そして、相対するは白と黄金の機兵。これまでにない程の強敵を前に、ジャイアントキャバリア『白鈴号』の戦闘本能は際限なく高まりつつあった。暴走の危険が、すぐ傍に迫っている。
「討滅対象、輝光神機ロクシアスを確認。作戦行動、フェーズ3へ移行……対象を破壊する」
 源次のアナライザーに映るロクシアスは、損傷を負っているものの未だ戦場に健在。暴走寸前の不安定な状態で勝てる相手ではないだろう。
「サギリ、先程とは比較にならん戦力が相手だ。こちらも性能を引き出さなければ勝ち目は無いだろう……頼む」
「合点です、お兄さん!全力でやっちゃって下さいなのです! 白鈴号の制御はおまかせなのですよ!」
 キャバリアの暴走制御をいつものようにサギリに一任し、源次は心静かに目の前の敵を攻撃することにのみ注力する。
『どうした。仕掛けてこないのか? ならばこちらから行くぞ……!』
 氷雨が手元のコントロールスイッチに触れると、ロクシアスの全身に備わった機構から人間を殺傷する疫病ウイルスナノマシンが散布された。竜巻と化したウイルスが、肩を上下させて唸りを上げる白鈴号へと殺到する。
「……怖がるな、白鈴号。此処には、俺とサギリとお前がいる」
「サギリ白鈴号好きですよ。こういう元気があるって事は、生きているって事ですから! 頑張ろうってまとめて鼓舞するのです!」
 サギリは、小鳥と鈴の絵が描かれた『鈴ノ小鳥符』を取り出し、破魔と浄化の祈りを込めながらコックピットの壁面に貼り付けていく。
「鈴を鳴らして舞いましょう」
 そして【火ノ神楽】を発動させると、白鈴号の周囲に84もの鈴型の炎が生み出された。燃え盛る黄金色の炎はナノマシンの進行を阻むように浮遊すると、合体を始めて次第に大きさを増していく。
「そう、その調子だ白鈴号。あの黄金の敵を斬るぞ」
 源次と意識を同調させ、姿勢を正した白鈴号が地を蹴って駆けだした。源次はコントロールレバーを介して、左腰に帯びた太刀の感触を確かめていた。繰り出す技は既に決まっている。
「俺はお前を殺さない。その呪縛を断つ」
 源次の闘志に呼応し、白鈴号の体からゆらりと炎が立ち上った。それは、源次の蒼き地獄の炎と、サギリの黄金の炎が混ざり合わさって、鮮やかな碧色に染まっていた。
『炎の障壁だと……!』
 襲い来る死のウイルスを焼き捨てながら、白亜の甲冑巨人が大地を疾走する。超至近距離での、電磁加速による抜刀術――その一閃に源次は賭ける。
『愚かなり……血迷ったか、猟兵っ!』
 無謀にも正面から突っ込んでくる白鈴号に怒号を飛ばし、ロクシアスがライフルの銃口を真っ直ぐに向けた。銃撃に合わせて『疫病の矢』を飛ばして波状攻撃をかけるが、サギリの生み出した炎の塊に阻まれ、ウイルスも銃弾も白鈴号に届かない。
「奥の手だ……容易く見切れると思うな」
 白鈴号が、源次の極めし奥義を再現する。無明抜刀――左手で逆手に掴んだ太刀が鞘走り、神機殺しの一撃が放たれる。
「……!」
 その太刀筋の速さに、氷雨は一瞬斬られたことを認識できなかった。碧の炎を纏ったキャバリアが陽炎と共に駆け抜けたあと、ロクシアスはボディの装甲下から大量のオイルを噴き出していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アイビス・ライブラリアン
同行者: 紅雪(f04969)
私も人形の身でありますが、喩え何がどうあれ、
私自身の信念は貫いております
氷雨様、貴方の信念は貫けておりますでしょうか?

と言って少しは揺らいでくれると助かるのですが
さて、キャバリアは人型ではアサルトライフル(AR)で牽制しつつ、
時折変形して両側にあるブレードで脚を狙います
また移動しながら魔法による機雷を
空中や地面に仕掛けられたらと思います

敵UCは危険ですね。こちらもUCを使用
本棚を動かす、風属性の魔法を使って
ナノマシンを誘導しましょう
また外に出ている紅雪に結界術をかけて軽減させます

……また無茶しましたね
ともあれ……今はおやすみなさい、紅雪

アドリブ歓迎


蓮・紅雪
同行者:アイビス(f06280)
猟兵たちと戦ってもまだ、目が覚めないのかしら。
ならば私から言えることは何もない。刀で、語りましょう。

UC解放(姿がブレる。ここ最近鬼の呪いで暴発気味)
……?酷い頭痛ね……まあいいわ。
アイビスと挟撃出来る位置へ。
基本はヒット&アウェイで立ち回るわ。アイビスが設置した機雷をわざと攻撃して囮にするのも有りよね。

ああ、頭痛が……。
疫病……?そんなもの……呪詛を乗せた衝撃波で……吹き飛ばす!

……くだらない戦争、ね。
ねえ、アイビス。ひとは何故、奪い合うのかしらね。
私は――ああ、ごめんなさい……何だか凄く眠いの。

アドリブ歓迎





「私も人形の身でありますが、喩え何がどうあれ、私自身の信念は貫いております。氷雨様、貴方の信念は貫けておりますでしょうか?」
 信念。己が正しいと信じ、誇りに賭けてそれを貫こうとする意志だ。ヒトは程度の差こそあれ、基本的に自分が正しいと感じたことに基づいて行動する。しかしヒトは、時に正しいと思えないことでも実行しなければならない場合がある。その矛盾に直面し、多くのヒトが苦悩を抱えながら生きていく。
 氷雨の根底にも彼なりの信念があるのなら。彼は今も矛盾に苦しんでいるに違いない。
『わが母なるプラントを……守るため、全てを捧げる……それが、私の信念だ……』
 否。それはオブリビオンマシンによって植え付けられた、偽りの意志にすぎない。今や機体の大部分に傷を負ったロクシアスは、氷雨の命尽きるまで己を操縦させようとするだろう。
「猟兵たちと戦ってもまだ、目が覚めないのかしら。ならば私から言えることは何もない」
 自分よりも遥かに大きい、黄金の機兵を見上げながら紅雪が嘆息する。アイビスの声は、氷雨に届いている筈だ。彼がまだ戦闘を続行するつもりであるなら――。
「刀で、語りましょう」
 全力を引き出して、この機体を破壊するしかない。紅雪の姿が、封じられていた『災厄の紅鬼』へと変わっていく。艶やかな黒髪は絹糸のごとき銀髪に。周囲に満ちていく鬼の妖気は、薔薇の花弁のような血の結晶を形作っていく。
「紅雪、その姿に……なるのですね」
 紅雪の切り札である【紅鬼招来】は、解除するまで生命力を削っていく危険なユーベルコードだ。しかし、リスクを冒すのは氷雨も同様である。
『ハァ……ハァ……くっ、まだ終わらんぞ……!』
 ロクシアスが疫病ナノマシンを散布し続けるにつれて、氷雨は着実に疲弊していく。強い殺傷力を秘めているが、一日に決まった時間を越えて使用すると、やがて命を落とすことになるだろう。
「……? 酷い頭痛ね……まあいいわ」
 紅雪を苛む頭痛はナノマシンか、それともユーベルコードの代償か。しかし彼女は自身を奮い立たせ、刃に紅を引いた愛刀を手に機兵へと斬りかかった。一撃、また一撃と斬閃を走らせ、装甲を削り、固い守りを崩していく。
「紅雪の役に立つために力を尽くすことが、私の信念です」
 アイビスは紅雪の負担を少しでも和らげようと、彼女に古式魔法の結界術を施した。そしてアサルトライフルの引き鉄を引き、ロクシアスへと牽制射撃を放つ。
 図書館司書人形のアイビス。その力は、常に利用者候補のために行使される。彼女が【知識の迷宮】を展開すると、ヘリポートは見る間に書物と本棚で構成される奇妙な迷路と化した。その迷路の中へ風の魔術による空気を送り込み、アイビスはウイルスナノマシンを押し流していく。
『厄介な力だな……キャバリアの貴様から片付ける!』
 後退するアイビス機を追って、ロクシアスが射撃の体勢を維持したまま迷宮の奥へと踏み入る。しかし既に精密な射撃能力が低下し始めたのか、氷雨がライフルの引き鉄を引くも、アイビスは複雑な回避運動をするまでもなくそれをやり過ごす。
「投降してくださいませ、氷雨様」
 アイビスが誘い込んだのは、空間魔術よって機雷が設置された領域だ。大柄なキャバリアならば、それを避けて通るのは至難の業。不可視の機雷に接触し、ロクシアスの機体が爆発と共に大きく揺れ動いた。
『罠か……!』
 ロクシアスがたたらを踏んだ隙に、アイビスはキャバリアをビークル形態へと変化させた。車体側面から、長く鋭いブレードが出現する。そして、その屋根に立っているのは銀髪の紅雪。
「これで終わらせるわ……疫病……?そんなもの……呪詛を乗せた衝撃波で……吹き飛ばす!」
 大きく跳躍し、紅雪は衝撃波を伴った斬撃をロクシアスへと振り下ろす。疾走するビークルの鋭刃が脚部を斬りつけたと同時に、紅雪の刀は黄金のボディ装甲を深々と切り裂いていた。
『…………!』
 足元から崩れゆくロクシアスが両手をかざし、最後の攻撃を放とうとしていた――しかし、それが二人に届くことは遂になかった。

 全てが終わり、投降した氷雨一派を護送する軍用車両が到着したのは日没後だった。氷雨は別れ際、如何なる処罰も受けると猟兵達に告げていった。関係者からの事情聴取と証拠物品の回収で得た情報が纏まり、今回の事件の全容が見えたならば、軍法会議を経て彼の最終的な処分が決定することだろう。
 龍腕国内に、オブリビオンマシンがどれだけ存在するか定かではない。そちらの調査も、並行して行わなければならないだろう。問題は山積みだ。
「……くだらない戦争、ね。ねえ、アイビス。ひとは何故、奪い合うのかしらね。私は――ああ、ごめんなさい……何だか凄く眠いの」
 ユーベルコードの反動か。戦い終えた紅雪はキャバリアのシートに深く沈み込み、瞑目する。色々と考えてしまうことがあったが、今はただ、眠っていたい。
「……また無茶しましたね。ともあれ……今はおやすみなさい、紅雪」
 薄暗いキャバリアのコックピットに、程なくして沈黙が訪れた。静かに眠る紅雪の寝息を聞きながら、アイビスはビークルを走らせ続けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年11月07日


挿絵イラスト