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ハロウィンといえば、もちろんアレ!!

#アックス&ウィザーズ #戦後 #"無敵の"ガラット

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#アックス&ウィザーズ
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#戦後
#"無敵の"ガラット


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●そう、雑煮だね
『『『ジングッベー、ジングッベー!』』』
 あきらかに鳥ではない鳴き声をあげながら列をなす、クリスマスカラーの丸い鳥。
 鳥のくせに、その手に持っているのは同族が調理されたフライドチキンである。
 奴らの名は『ケキリキターキー』。なんと、本体も食えるという完璧な魔物だ。

 さて、こんな連中が闊歩しているのは、A&Wにある寒い寒い雪原。
 周りは肥沃な丘陵地帯なのだが、なぜかこの一体だけが雪まみれになっている。
 春夏秋冬いつでも寒いという、さながら雪原地帯の王……。
 てなわけで、地元住民からは"王冠のツンドラ"と呼ばれていた。
 なんとなくだが、ポケットに入る魔物がたくさん採れそうである。

『『『ジングッベー、ジングッベー!』』』
「な、なんということじゃ……!」
 そんな"王冠のツンドラ"に調査にやってきていたのは、ヒゲが素敵なドワーフの戦士。
 彼女の名は"無敵の"ガラット・ナティビアード。
 猟兵たちと交流したことで刺激され、冒険者になったドワーフの女である。
 といってもその顔は、ヘルムと付け髭のせいで見えないのだが。
「この地方では毎年10月になると、盛大な宴「オクトパス・フェスタ」をやっておる!
 そんなところに奴らが紛れ込んだら……呑みすぎでみんな大変になってしまう!!」
 なにせ、フライドチキンである。ビールに合うのは言うまでもない。
 街の若い男たちの肝臓はぶっ壊れて、大変だ! なんてこった!
「こうしちゃおれん、なんとしてでも独占……もとい、退治せねば……! じゅるり」
 寒さを紛らわすためのウォッカを呷りつつ、ギルドへ戻るガラットであった。

●グリモアベース:予知者、ムルヘルベル・アーキロギア
「と、いうわけでだ」
 何がとういうわけでなのかはわからないが、賢者はキリッとした顔になった。
「以前ワガハイの予知にも関わった、ガラットというドワーフからの依頼である。
 曰く、"王冠のツンドラ"という雪原地帯に、妙なオブリビオンどもが現れたらしい」
 ムルヘルベルの背後、グリモアに投影されるクリスマスな野郎ども。
 なぜか無駄に、ジュージューパチパチとフライドチキンの焼ける音付きだ。
「……うむ、見てるだけで呑みたくなってくるな。なんと罪な連中か。
 彼奴らはこのままだと、フェス真っ最中の街に乗り込んでくるらしい。
 そんなことになれば天国……もとい、γ-GTPが大変なことになってしまう」
 どうもこうもねえよ! つまみを食ったら! 酒を飲む!
 ……みたいなことになると、街の皆さんの肝臓が心配だ。
 そんなわけでガラットは、酒場で調r……もとい、討伐の依頼を出したのだとか。

「まずはこの雪原地帯を踏破し、街に移動中のオブリビオンどもを見つけてほしい。
 雪原地帯には環境に適応した魔獣などがおるし、そもそもが過酷な環境である。
 どういう原因かはわからぬが、この地帯はかなり不安定な状態になっているようだ。
 雪原地帯ではありえない現象も起きかねない。注意してもらいたい」
 いきなり吹雪いたり、
 雪かと思ったら砂漠地帯に出たり、
 なんかポケットに入りそうな魔獣が出てきたり、
 半裸でスケートしながら酒飲んでる妖精みたいなおっさんが出没したり、
 不思議な話には枚挙にいとまがないらしい。なんともワイルドなエリアである。
「ちなみにこのオブリビオンどもは、戦闘能力自体はそれほどでもない……が、
 ただでさえ寒くなって疲れておるところに、こんな飯テロであるからなあ……」
 ジュージュー、パチパチ。美味しそうに焼けるフライドチキンの音。
 肉体的ダメージはさておき、精神的ダメージはかなりのものがありそうだ。
「ま、こやつらも調理の具材にはなりそうゆえ、うまく〆てもよいかもしれん。
 首尾よく仕事が終われば、現地で開催されている酒宴に混ぜてもらえるだろう」
 そう、付近の街では「オクトパス・フェスタ」が開催真っ最中なのだ。
 ビールをはじめとして、各地から様々な酒類やご馳走が集まるんだとか。
「ガラットも、もともとは部族で作った酒を卸しに来たようであるな。
 ドワーフどもの酒は美味いぞ。ワガハイも呑んだからわかる。うむ、呑みたい」
 完全にキョダイな欲望がマックスしているムルヘルベルであった。
 猟兵たちの視線に気づいて咳払いすると、シリアスな顔で本を閉じる。
「……そもそもこやつら、なぜハロウィンの時期に出てきたんであろうな。
 ま、なんでもよい。ちゃちゃっと解決して、グビグビ呑むのがよかろう」
 ともあれ、その言葉が転移の合図となった。


唐揚げ
 日本酒は冷が好き、七面鳥です。酒盛りシナリオですよ!
 ワイルドな雪原エリアを冒険して、クリスマスな連中をぶっ倒し、
 オクトーバーならぬオクトパスなフェスタで楽しく騒ぎましょう!

●プレイング受付期間
 2020/10/23 12:59前後まで。
 できるだけ採用できるように頑張ります。よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『変異した地形の調査』

POW   :    力業で活路を開く

SPD   :    地形の影響を受けにくいルートで移動する

WIZ   :    魔法やテクノロジーで一時的に地形の影響を沈静化させる

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



『『『ラァァァァァプ…………ラスゥウウウウ……』』』
『『『ジュラルミィイイイイン……』』』
『『『カメェェェエーーッ!!』』』
 ここは"王冠のツンドラ"。一年中雪が降り続けるワイルドなエリアだ。
 どうやらこの異常気象は、なんらかの魔力の影響によるものらしい。
 そのおかげで、見て! あちこちにキョダイな魔物たちがそびえている!
「おお、よく来てくれたな冒険者たちよ! さあつまみの調達……ではなく」
 出迎え役のガラットはおほん、と咳払いした。
「魔物どもをゲットなんやぜ! ……でもなく、冒険開始じゃー!!」
 マックスな大きさになった魔物の他にも、ここには脅威がたくさんだ。
 突然の吹雪、明らかに発泡スチロールな大岩、半裸でスケートをしながら酒をがぶ飲みしてるおっさんの精霊、わかさぎ釣りをしている盗人ども、etc,etc……。
 はたして猟兵たちは、無事にオブリビオンを探し出せるのか!?
 ここはなんでもある! 具体的に言うとプレイングされた災害はだいたい存在することになる!!
 砂漠になってもおかしくないので、つまり自由ということだ!
秋山・軍犬
🥗【スノーアルラウネの氷冠キャベツ】

王冠のツンドラに生息する強力な魔物である
スノーアルラウネの頭部で育つ氷の結晶の様な
美しい野菜

スノーアルラウネの幼生に
好物の王冠のツンドラで採れる食材を使った
お菓子を食べさせ成体まで育ててあげると
お礼に貰えるという特殊〇理食材

お菓子の質や込めた愛情によって
高位のスノープリンセス種やクイーン種にまで
育つことがあり、それらから貰える野菜は
別名、氷の菜宝とも呼ばれる


…はい、という訳で野菜成分が足りないので
今回狙うのはこの食材でっす

まあ、食材集めや料理は自分がやるんで
その間のアルラウネの足止め(お世話&遊び相手)は
グルメ姫の担当な、ちゃんと面倒見ろよ~


※アドリブ歓迎



●氷の菜宝
 王冠のツンドラには、その独特の気候と豊富な魔力から多くの魔物が住む。
 ほとんどはオブリビオンではない(といっても無害ではない)生物だ。
 その中に、スノーアルラウネという魔物がいる。
 姿形は幾分人間の女性に似たスノーアルラウネの生態は特に奇妙なものだ。

 というのもスノーアルラウネは、菓子類に代表される甘味によって高い栄養を得ることが出来る。これには、スノーアルラウネの体内の構造が関わっているらしい。
 しかもスノーアルラウネは人間に対して(こちらから攻撃しない限りは)まあまあ友好的な魔物たちであり、現地住民と一種の需要供給関係を結ぶこともある。
 ……てなわけで秋山・軍犬は、さっそく食材集めに励んでいた。
『ケキケキ! 一体何を作るケキ? 私が試食してやるケキ!』
「いやいや、あんたはスノーアルラウネたちの相手をしてやってほしいっす」
『ケキッ!? 食べる役で喚び出したんじゃないケキ!?』
「そんなわけないっすよ。ほらほら、行った行った」
『ケキィ……』
 グルメ姫は名残惜しげに軍犬を横目で睨みつつ、興味深そうにこちらを見守るアルラウネたちのもとへ。
 見た目は幾分人間に似ているとはいえ、スノーアルラウネは魔物である。
 それらの「じゃれる」はイエネコや柴犬のような生易しいものではない。
 というかそうしたペットも、人間に慣れているだけで危険は危険である。
 グルメ姫はスノーアルラウネたちにしゅるしゅると蔦で絡め取られ、なんだかもみくちゃにされていた!
『ケキィ!? ちょ、こいつらもうちょっと知能とかないケキ!?』
「クイーン種まで育つともう少し頭よくなるみたいなんすけどね~」
『他人事みたいに言ってるんじゃねぇケキ~! あいだだだだ!!』
 グルメ姫のコミカルな悲鳴をよそに、軍犬は調理を続ける。
「スノーアルラウネの氷冠キャベツ……必ず美味しく頂くっすよ!」
 その意識は、完全にスノーアルラウネたちの頭部で育つ不思議な野菜にしか向いていなかった。
『ケキィ~~~~!!』
 飯は食べられないわ当て馬にされるわ、散々のグルメ姫の悲鳴がこだました。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェルト・フィルファーデン
フライド、チキン……
お酒は飲める歳じゃないしどうでもいいのだけれど……フライドチキン……
テイクアウト、出来るのかしら?出来るわよね?いえ、出来ないと言われてもしてみせるけれど!

……いえ、わたしは別にそうフライドチキン大好きってわけじゃないのよ?普通に好きなくらいで……でも大好きな殿方がね?あっいえ大好きっていうのはフライドチキンの話であってわたしが好きかどうかの話じゃなくてね?

そうよこれで持って帰ったフライドチキンを食べさせて『こんなウメェ🍗をくれるとはな』なんて言ってそのまま色々あって……いえ気が早すぎるわよわたし!でももしかしたらそんなことも……!

……ところでここ、どこ?(遭難しました)



●うんまああのお名前だとそりゃ好きそうですよね
「フライド、チキン……」
 ごびゅうう、と吹雪荒ぶツンドラに降り立った、フェルト・フィルファーデン。
 その意識はさっそく、例のオブリビオンどもが持つという美味しい美味しいチキンにさまよっているようだった。
「お、どうしたんじゃ? お前さん酒が飲めるような歳には見えんが……」
「あ、ううん。わたしが食べたいわけではないのよ、ガラット様?」
 案内役として同行するドワーフの女戦士に、フェルトは微笑みかけた。
「でも、必要なのよ。チキンが。できるだけ美味しいチキンが」
「……??? でもお前さんが喰うわけではないんじゃろ?」
「ええ。けれど、必ず持ち帰らないといけないのよ。必ず」
 フェルトの目はやや据わっていた。ガラットはちょっとヒいている。
「なんじゃ、家で腹をすかせたきょうだいが待ってるとか……」
「違うの! わたしはフライドチキンなんて……いえ、まあ好きだけれど。
 それよりもね、大好きな殿方がね? フライドチキンを必要としてるのよ」
「大好き」
「あっ」
 フェルトは顔を赤らめ手をぱたぱた振ると、急にまくし立てた。
「いえ違うの大好きっていうのはあくまでその殿方がフライドチキンを大好きっていう話であってわたしがその殿方を好いているとかどうかの話じゃなくていえそれじゃあ嫌いなのかっていうとまあそういうわけでもないこともないっていうかどちらかというならそりゃまあ好きのほうに多少いえそこそこまあまあ普通にちょっぴり幾分針が振れるかなって感じなんだけどでも彼乱暴だし肝心なところで変に不器用だし鈍感だし本当そういうところが困っちゃうのよねいつもいつもわたしの気も知らないでなのにわたしのことはちゃんと見ていてくれて優しい言葉をかけてくれるのが本当にずるいっていうかあれはもはや罪に問えるのはないかとわたしは思うのガラット様はどう考えるかしら?」
「えっ? ごめんワシ一割も聞き取れんかった」
「そう……じゃあ最初から」
「いやよい。わかった。おまえさんのこだわりはよく分かった!」
 ガラットが手を突き出して止めると、フェルトはなんだか残念そうだった。
 誰がどう見ても恋する乙女であった。普段ならガラットもからかったろう。
 しかしなんだいまの圧。怖っ!! やっぱ冒険者怖っ!! と彼女は思った。
「……とにかく、その殿方に、わたしが持ち帰ったフライドチキンを食べさせて『(気持ちイケ声で)こんなウメェ🍗をくれるとはな……やるじゃねェかフェルト、こんなウメェもんをもらったなら、俺も少しくらいはしねェとな……』みたいなことを言われて、そしたらわたしは「えっ? お、お返しって、その、ケン、様……?」って答えて、そこでケン様はきっと『わかってンだろ? ずっとこうしてやりたかったんだよ』とか言っちゃったりなんかして! それでそれでケン様は優しくわたしの手を取ってくれて思わずわたしは潤んだ瞳で見上げてしまうのああなんてロマンチックなのかしらガラット様もそう思うでしょう!?」
「えっ? ごめんワシ一割も聞き取れんかった」
「そう……じゃあ最初から」
「いやよい。わかった。おまえさんのこだわりはよく分かった!」
 天丼であった。そしてフェルトはやっぱりがっかりした顔をしていた。
「でもそれってちょっと気が早いっていうか展開が早いと思わなくもないのよね。ほら、なんていうか人間関係って急いだらいけないし、いえわたしフェアリーなのだけれど、でも熱情っていうのは時を置き去りにもしてしまうもので、も、もしかしたらあんなことやこんなことも」
「おいお前さんどこ行くんじゃ? おい! おーい! ワシと会話してくれー!!」
 完全に自分の世界にトリップしたままふわふわ飛んでいくフェルト。
 その姿は吹雪に消えた……ガラットはしばし立ち尽くす。
「……うーん、ま、ええか! あれぐらいタフなら生き残るじゃろ!」
 これ信頼っていうのかな? 嫌気さしてるだけじゃねえ?

「……はっ! こ、ここはどこ!? わたしの手を優しく取ってくださるケン様は一体どこに!?」
 そして案の定、しっかり遭難したという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

はぁいガラットちゃんはいほー、お久しぶりぃ。お手伝いに来たわよぉ。
さぁて、それじゃあ素材確保…じゃなくて調査、始めましょうかぁ。


…で。いやまあ過酷とか災害ってのは聞いてはいたけれど。




・・・・・
平地で雪崩とか予想できるわけないでしょぉ!?
ふっざけんじゃないわよ不安定にも限度ってものがあるでしょサボってんじゃないわよ物理法則ちゃんと仕事しなさいよぉ!!
(非常に珍しい余裕皆無のガチ焦りである)
●轢殺・適応起動攻撃力半減移動力強化ガラットちゃん引っ掴んで即フルスロットルテイクオフ上空に離脱ーっ!

(ぜーぜー)あ゛ー、死ぬかと思った…
うっわあなにこれもう雪の津波じゃないのよぉ…



●久しぶりの再会
「おお、お前さんは!」
「はぁいガラットちゃん、はいほー」
 転移してきたティオレンシア・シーディアと再会したガラットは、嬉しそうに手を挙げ「はいほー!」と氏族の挨拶をした。
「今回も手伝いに来てくれたのか? 嬉しいのう!」
「まぁ縁は大事にしないとだものぉ。それにお酒、飲めるんでしょお?」
「うむ! 氏族からもたんまり美味い酒を持ってきたわい。まあお前さんは水みたいに飲んでしまうんじゃろうがな……肝臓大丈夫じゃろうな? 検査とか受け取る?」
「あいにくγ-GTPは完全正常値よぉ」
「よくわからんが健康なのはわかった! それじゃあ出発するとしようかのう!」
 てな具合に、酒飲みどもはウキウキとツンドラに繰り出した。

 ……の、だが。
「ねえガラットちゃん。あたしね、色々聞いてたから覚悟はしてたのよぉ?」
「うん、わかる。おまえさんの気持ちよーくわかるんじゃ。でもな」
 ガラットは後ろを振り返った。轟音、振動……そして、襲い来る雪崩!
 だがここは斜面ではない。平地で、雪崩が起きているのである!
「いいから走るんじゃよォーッ!! 呑まれたら死ぬぞォー!!!」
「ふっざけんじゃないわよ不安定にも限度ってものがあるでしょサボってんじゃないわよ物理法則ちゃんと仕事しなさいよぉ!! あとお酒に呑まれないからってこんなところで呑まれるなんて絶対イヤよぉ!!!」
「上手いこと言っとる場合かァーッ!!!」
 てなわけで、酒飲みどものは珍しくガチ焦りしながらスプリントしていた。
 だが、ドワーフは小さい! つまり足が短い! いやガラットは(ドワーフ的には)スタイルがいいんだども!
「あっこれ無理、ワシ無理じゃさらばじゃワシを置いてお前さんは先に」
「はいはいテイクオフするわよ!!」
「グエーッ!!」
 ティオレンシアはミッドナイトレースを喚び出し、ガラットを掴むと即浮上。
 だが雪崩はさらに勢いをあげ、フルスロットルする機体を追いかける!
「なんじゃーっ!? 飛んでおるぞ! 魔術かこれはーっ!?」
「喋ったら舌噛むわよガラットちゃん! ああもうなんで雪崩とスピードレースしなきゃいけないのよぉ!」
 結局マシン性能が勝ったとは言え、逃げ延びたふたりはほうぼうの体であったという。
 だが彼女らは諦めない……そう、美味いつまみと酒が待っているから……!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

三咲・織愛
ヨハンくん(f05367)と

美味しいチキン、楽しみですねー♪
がんばってオブリビオンを探しましょ!

ってすごく寒くないですか!?
このままだと凍えちゃいますっ
ヨハンくん、魔法で火を出せたりしませんか!?

そうですね、早く見付けなくちゃ……あーっ!
見てください、わかさぎ釣りしてます!私もしたい!(ぴゅーっ)

わかさぎの天ぷらって美味しいんですよ
一先ず美味しい物を食べて暖をとるという寸法です!えっへん!

とりゃー!釣れましたー!
……なんだかすっっごく大きいです!
ひゃああーっ、ヨハンくん助けてくださいー!

え、えへへ
ヨハンのお口に持ってきたクッキーを突っ込んで黙らせつつ
身体もあったまりましたし敵さんを探しましょー


ヨハン・グレイン
織愛さん/f01585 と

……食べ物に目が眩んだ罰じゃないですかね
俺だってこんな寒いところに来たくありませんでしたよ
火を出せないことはないですが、
こんな吹雪の中で多少の火があってもどうにもならないでしょう

さっさと敵を探し出せば帰れる
今ばかりは利害も一致してますから早急に敵を探しましょう

言ったばかりで何故釣りをしようとする??
チキンはどうした。食べられればなんでもいいのか
胸を張って言うようなことではないと思うが

……どうしてこう、おとなしくしていられないのか……
俺に助けを求めなくとも殴ればなんとかなるだろう!
色々面倒なのでさっさと助け出します
――で、敵を探していないんですが……?



●何度目でしょうねこのおなじみの光景は
「帰りたい」
 ヨハン・グレインは、もはや「帰っていいですか」すら言わなくなった。
 だってそう言ったところで、彼を連れてきた張本人である三咲・織愛は了承してくれないからだ。というか、会話が通じてるのか怪しい時の方が多い。
 そんなわけで、少年の台詞は自然願望になる。英語で言うと i wantである。ヨハンとしては大変に不服であった。少年は願望を口にするようなタイプではないのだ。そんなこと言ったって仕方ねえんだし。
「……帰りたい。俺はいま、純粋にそう感じています」
 なのでせめてヨハンは、それを願望ではなく意思表明とした。
 どうかこれぐらいは伝わってくれ、そして願わくば考え直せと思いながら。
「えっ、なんでですかヨハンくん! まだわかさぎ釣れてないんですよ!?」
「せめてそこは「敵が見つかってない」とかにしてくれませんか。
 というか、なんであんな胡乱な連中に自然に混ざって釣りしてるんですかね」
「ヨハンくん釣りやったことないんですか???」
「会話のドッジボールをするな(真顔)」
 ドッジボールっつーか、もはや砲丸投げレベルの大暴投である。
「まあまあお兄さん、今日はねこの釣ったわかさぎで天ぷら作りますからね。
 ほらね、今日は山賊の方もお招きしてますから。たくさん食べてくださいね」
「ウハハハ~!!(なぜか釣り竿を握ってるバラクラバを被った山賊)」
「いやお前らは誰だよ(真顔)」
 吹雪がびゅうびゅう荒ぶツンドラになぜかいた、シェフと山賊。
 あとなんか黄色いぬいぐるみ……魔物? 丸いやつもいる。まんだあれ。
 そいつらがなぜか酒をガブガブ呑みながらワカサギ釣りをしていて、
 織愛は一瞬で興味を惹かれて勝手に仲間入りしたのである。デパートに来た子供かな?

「あのですね、織愛さん。今回の俺達の目的は、オブリビオンを探すことです」
「はい、もちろんです! ヨハンくん、忘れちゃったんですか?」
「俺がトンチキみたいな言い方はやめろ。……いえ、それはともかく。
 俺はさっさと仕事を済ませて帰りたいし、あなたもチキンが食べたいんでしょう」
「はい!」
「じゃあなんで釣りをしてるんですか???」
「わかさぎの天ぷら食べたことないですか? 美味しいんですよ!」
「だから会話の砲丸投げをやめろ」
 ヨハンは脱力した。いっそこれがブリザードの見せた夢であってほしいとすら思った。
「……あ! わかりました!」
「何がですか」
「ヨハンくんったら、私が食いしん坊か何かだと思ってるんですね?」
「むしろそれ以下だと思っているのは間違いないですね」
「も~、違いますよ! こんな寒いんだから食べて暖をとらないとですよ!
 それにほら、調理用の簡易キッチンがあればあったかいですし。ね?」
「…………まあ、あのまま雪原地帯をふらふらしているよりはマシですが」
「でしょう? ふふふ、今日は私の勝ちですね!」
「ものすごくイラつく勝利宣言やめてもらえますか???」
 なぜか織愛はドヤ顔であった。こ、こいつ、無敵か……!?
「ってお客さん、かかってますよ釣り竿!」
「えっ? あっ!!」
 その時である。シェフの言葉通り、織愛の釣り竿がぐんぐん引いていた。
 これはワカサギどころではない。織愛は釣り竿を掴んでおもいきり引く!
 織愛の馬鹿力ですら拮抗しかねないほどだ。何がかかったというのか!?
「とりゃーっ!!」
「ちょっあなたここが氷上だってこと忘れてませんかせめて避難させろ!!」
 ばきばきばきぃ! と氷をぶち砕きながらフィーッシュ! する織愛と、慌てて避難するヨハン。巻き込まれて吹っ飛ぶ謎のシェフと山賊。
 はたして海の中から飛び出したのは……ん? なんだこれ?
 なんかものすげえ棘がついてて、あと色がゲーミングレインボーって感じで、目が16個ぐらいあって名状しがたい! なんだこれ!?
「う、うわーっ! ジャイアントデスキリンググレートデーモンフィッシュだ!!」
「ジャイアントデスキリンググレートデーモンフィッシュ!?」
「小学生どころか幼稚園児が考えた名前かよ」
 思わず素でツッコミつつ、ヨハンは魔法を行使。怪物魚の息の根を止めた。
「ふーっ、身体があったまりましたねーヨハンくん! お見事です!」
「あんたがそもそも寄り道してなければこんなことにはならなむぐっ」
 ヨハン、口にクッキーを突っ込まれ倒れた。こんな傍若無人ある??
「さ、今度こそ敵さんを探しましょー! 行きますよヨハンくん……ヨハンくん?」
 織愛は倒れたヨハンの様子を確かめた。
「し、死んでる……!!」
(勝手に殺すな……)
 呼吸困難で朦朧とする意識のなか、ヨハンは心底帰りたくてたまらなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

茜崎・トヲル
じゅーがつーは依ー頼ーで酒がのめるぞー♪
バケツいっぱいくらいなら一晩で消えるよね。おれはけんこーなので胃もたれしない! 胸焼けも!
ドーモ、ガラット=サン。トヲルです。冒険ヤッター!
よーし! じゃああそこに見えるいまにも噴火しそうな火山行こうぜ!
こんなさみーとこだし、オブリビオンもあそこで暖とってるってきっと!
むしろもうローストチキンになってっかも!
ともぐいフツーにしてんのこわない?(まがお)
わーいまにも噴火しそうだし、急いで行かねーと!
あれっ、そーいやなんでツンドラなエリアに生きてる火山が…………ふしぎだな!(オチをちきゅうなげ)



●お酒はいつだって美味しい
「じゅーがつーはー依ー頼ーで酒が呑めるぞー♪」
 ご機嫌に歌いながらやってきた茜崎・トヲルは、おもむろに手を合わせた。
「ドーモ、ガラット=サン。トヲルです!」
「お、おう……? なんじゃそのアイサツは、異郷のしきたりなのかのう……?」
「そーだよー、アイサツは大事だって古事記にも書いてあるからなー!」
「うーむ、よくわからぬがなんとなく奥ゆかしさを感じる言葉じゃ!」
 妙な納得をして、ガラットも同じようにオジギした。ユウジョウ!
「っと、それはさておき。もしかしてあんたもお酒が好きなのかー?」
「その口ぶりだとお前さんは相当のうわばみのようじゃな。ワシも言わずもがなよ!
 ドワーフたるもの、酒をがぶ飲みしてヒゲを濡らしてこそというわけじゃ!」
「うんうん、いーよなーお酒! おれさー、けんこーだから胃もたれとかしないんだー。胸焼けとかふつかよいもしたことないなー」
「それは普通に羨ましいのう……」
 ガラットの声には、けっこうマジな感じの感情が籠もっていた。

 さて、この王冠のツンドラは、その名の通り大部分が凍土である。
 しかしその中には、自然的にはありえないような地形も存在する。
 ふたりがやってきた、どう見ても活火山な山も、そのひとつである。
「あっれー? っかしーなー、オブリビオンも暖とってるとおもったのになー!」
「っておまえさん、危ないぞ! そんなところに立っておったら!」
 グツグツ煮えたぎるマグマが見え隠れする火口……の、縁に立つトヲル。
 ガラットはひいこら言いながらついてきており、別の意味でヒヤヒヤしていた。
「お前さん冒険者とは思えんくらい不用心なんじゃよ、雪積もってる斜面で大声出したがるのはなんなんじゃ、自殺志願者かなんかなのか……?」
「いやー、大声出したら雪崩みれるかなーっておもってさ!」
「起きたら死ぬっつってるんじゃが!?」
「それもそーか、あはははー!」
「だからお前さん、そんな不安定なところでふらふらしてると あっ」
「あっ」
 がらがら、と足元が崩れ……ALAS! トヲルは火口へ!
「あーーーーーーーーーー」
「ト、トヲルーッ!?」
 ガラットは慌てて駆け出し手をのばすが……ああ、時既に遅し。
 トヲルはマグマに呑まれ……じゅっ、と小さな煙があがった。
「な、なんということじゃ、あんな物分りのいい酒飲みを亡くしてしまうとは!!」
 ガラットはへたりこみ嘆いた。冒険の過酷さをナメていたと言わざるを得ない。
「うっうっ、せめて屍を回収して弔ってやることが出来ればよいのに……」
「どーしたんだよガラットー、どーせならしあわせそーにしてたほうがいいぜー」
「冒険仲間を喪ったのに幸せな顔など……えっ」
「え?」
 ガラット、ふつーに後ろから出てきたトヲルを二度見した。
「アイエエエ! ユーレイ!? ユーレイナンデ!?」
「いや、おれ生きてっから! マグマ熱かったけどちょうどそこに繋がっててさー。せっかくだし泳いで出てきたんだよ!」
「ワッザ……?」
 ガラットはTRS(トヲル・リアリティ・ショック)で茫然自失としていた。
 ……そうか、これは夢。マグマに落ちた人間が生きているわけがない。
「わ、ワシとしたことが呑みすぎておったようだな! うむ!」
「??? よくわかんねーけど、今度こそ魔物を探しに行こうぜ―!」
「そうじゃな、うむ。夢を見ている場合ではない! うむ!!」
 何もかもがツッコミ不在で進んでいた。
「ところでさ、鳥がフライドチキン持ってるってともぐいじゃね。こわくね?」
「そのぐらい美味いってことじゃろ?」
「ガラット=サンって妙なトコで細かいこと気にしないんだなー!」
 とかなんとか会話しながら、ふたりの冒険者は山を下っていく。

 ……ん? どうしてこんなとこに活火山があんのかって?
 ワイルドなエリアには何があってもおかしくないんだよ。勉強になったね!
 オチをドわすれしたわけじゃないよ! ほんとだよ!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

カイム・クローバー
フライドチキンに酒飲み放題なんだって?そんな言葉通りに美味しい依頼、出なきゃ損だろ。問題は…クソ寒い事だな。

ワカサギ釣りをしてるおっさんに話を聞くぜ。…釣れるかい?なんて声を掛けつつ、その…なんだ……フライドチキンの魔物?ターキー?を見なかったかを聞くぜ。
此処は寒いし、異常気象らしい。吹雪だらけで前も見えねぇから、UCで情報収集も兼ねて、俺もワカサギ釣りするか。
んな事してる場合じゃねぇって?いーの、いーの。その内、天候も変わるだろ。吹雪の中、おっさんと二人?でワカサギ釣り。
情報を得て、吹雪が止んだら【追跡】するか。釣ったワカサギは、貰ったクーラーボックス入れて持ち運ぶ。酒に合うかも知れねぇし。



●風情が最高のつまみとはよく言ったもので
「……クソ寒いな! まあ当然だが!!」
 現地に到着したカイム・クローバーは、白い息を吐きながら言った。
 しかしこんなに寒々しい場所をうろついたあとに頬張る肉と酒!
 その旨さたるや、想像するだけでよだれが出てしまいそうになるぐらいだ。
「しかたねえ、これも酒を美味くするための下準備ってことにしとくか」
 しっかりと防寒用の装備を着込んだ上で、カイムはツンドラへと挑む。
 便利屋たるものフィールドワークも出来てこそ、というのはカイムの持論で、
 この手のサバイバルな状況にも対応できるよう知識と技術を持っているのだ。

 というわけで探索自体は非常に上手く……というか安全に進んでいた。
 そこでカイムが目の当たりにしたのは、びゅうびゅう寒波が吹いているなかワカサギ釣りをしている妙な連中であった。
「ようおっさん、釣れるかい?」
「いやあ全然釣れないよぉ、もう身体も懐も素寒貧だねぇ」
「ま、こんなに吹雪いてるトコじゃあな」
 カイムは見通せない遠くに目をやり、あー、とか、その、とか、何やら言葉を出すのを悩んでいる様子だった。
「どうしたんだぁい? 探しものでもしてんのかい君はぁ」
「いや、その、なんだ……フライドチキンの魔物を、探しててな」
「フライドチキンの、魔物」
「そう、あとターキーも持ってるらしい。で、クリスマスみたいな格好してんだ」
「君寒さで幻覚でも見たんじゃないのかぁい?」
「正直俺もそう思うんだがな、これがマジな魔物なんだよ……」
 あらためて口に出すと、遭難して幻覚症状を起こした死にかけの人間と間違えられてもおかしくないな、とカイムは嘆息した。
「んー、でもまあこのツンドラにはいろーんな魔物がいるからねぇ。そういうのもいるかもしれないねぇ」
「マジかよ。逆にどうなってんだよこの土地」
「たまにワカサギ以外にサメとかも釣れるからねぇ」
「異常気象どこの話じゃねえな……むやみに奥に立ち入るのは命取りか」
 カイムは持参してきたキャンプ用の椅子を、その場で組み立てた。
「おやぁ? 君もすんのかい、ワカサギ釣り。探しものはいいの?」
「いーの、いーの。山の天気みたいなもんで、そのうち変わるだろ」
「利口だねぇ。このへんじゃ不用意に踏み込みすぎて遭難するのも少なくないから。
 ここの魚は美味しいよぉ。脂が乗ってるからね。まあたまに殺人魚も出るけど」
「だから物騒すぎんだろ……」
 呆れつつ、カイムもまた氷の穴に釣り糸を垂らすのであった。
 なんやかや釣果には優れ、酒のつまみになりそうな魚がたくさん手に入った。
 妙な釣り人と別れを告げて立ち上がった頃には、荒んでいた吹雪もすっかり去っていたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミルラ・フラン
サギリ(f14676)と!

びぇっくしょい!
(薔薇女と鈴娘、ワイルドなエリアへ華麗に降り立t……草・毒にこの天候は堪えたらしい)
ハロウィン以前にボージョレの解禁すらまだまだ先じゃないかい

持ってきたよ毛皮のコート!
サギリもはい。冷やしちゃダメだからね。あと雪の照り返しは目に悪いからサングラスね

(既視感ダイマックスのゴージャス姉妹っぽくなる)
サギリさん、おチキンさんを探しに参りますわよ
物凄くでかい雪玉が道を塞いでいたら、ジャッジメント・クルセイドしますわね

(ふと湖に目を向けると、半裸のおっさんや赤フン一丁で激しく踊るジジイの精霊が目に入る。サギリが見ないようそっと遮った)
サギリさん、急ぎますわよ!


サギリ・スズノネ
ミルラお姉さんと!(f01082)

ハロウィ……ジングルベル!
クリスマスはまだちょっと早いのです!もうちょっとお待ちくださいなのです!

それにしても変わった場所なのですよー面白いのです!
サギリ、ある程度の環境は何とかなりますけど、温度差が激しいのは体によくないのです(※氷結耐性、地形耐性)
わあ!ありがとうなのです、お姉さん!おそろいなのです!えへへ。

はいなのです!
お姉さんと一緒にチキンを探……じゃなくてオブリビオンを探すのですよ!

寒い場所では火ノ神楽で炎の鈴をたくさん出して、サギリとミルラお姉さんの周りをふよふよさせるのですよ!
これであったかなのです。チキンもキチンと美味しく焼けるかもなのです!



●四倍弱点? ちょっと何言ってるかわかんないですね
「びぇっくしょい!!!!!!」
 吹雪荒ぶカンムリ雪……ではなく王冠のツンドラに響き渡る大きなくしゃみ。
 その当人であるミルラ・フランは、鼻をこすりつつブルブル震えた。
「さすがに、いつもの格好じゃあ堪えるね……!」
「大丈夫ですかお姉さん! これから楽しい楽しいクリスマ……じゃなくて、ハロウィンが待っているのですよ! こんなところで風邪を引いたら大変なのです!」
 サギリ・スズノネは、寒そうなミルラを気遣った。めちゃめちゃ元気である。
「めちゃめちゃ元気だねサギリは……まあいつも通りだけどさ。
 やっぱり、アレかい? ヤドリガミはある程度寒さもなんとかなるとか?」
「それはもちろん! でもそれはそれとして寒いことは寒いのです!!!」
「寒いんじゃないか! テンションが変わらないから平気なのかと思ったよ」
「これは……これは! 気合を入れることで誤魔化してるのです!!」
「もうヤドリガミとか一切関係ないただのやせ我慢じゃないか……」
 これではどっちが無理をしているんだかわかりゃしない。
 ミルラはごそごそと荷物を漁り、あったかそうなコートを二着取り出した。
「ミルラお姉さん、それはっ!?」
「こんなこともあろうかと用意しておいた毛皮のコートだよ!
 はい、こっちがサギリのね。我慢できても冷やしちゃダメでしょ?」
「実を言うと割と身体によくないのです! ありがとうなのです、お姉さん!」
 サギリとミルラはそれぞれ毛皮のコートを着込む。ようやく寒さが和らいだ。
 外はふわふわ、中はもこもこ。熱を逃がしにくいヒートなんとか仕様である。
「あったかいのです! それにお姉さんとおそろいなのです、えへへ」
「ふふ、喜んでくれてなによりだね。それにしても……」
 ミルラは手をすり合わせつつ、あたりを見渡した。
「まったくワイルドなエリアだね。あたしには弱点四倍って感じだよ」
「??? よくわからないのですけど、危なさそうっていうことはわかるのです!」
「サギリが割と平気そうだったのは、やっぱりヤドリガミってことではがねだからかな?」
「ミルラお姉さん?」
「いやでもヤドリガミってくらいだしむしろゴーストなのかな……」
「ミルラお姉さん! よくわからないのですがそれ以上は危ない気がするのです!」
 なぜだかわからない、なぜだかわからないがやめさせたほうがいい気がした。
 サギリはその直感に従った。さもなくばなんかこう……ヤバい気がした!
「あ、うん、気にしないで。それよりもだ」
 スチャッ。ミルラが懐から取り出したのは、ふたりぶんのサングラスである。
「ミルラお姉さん、それも冒険用に用意したのですか!?」
「そうだよ。雪ってね、白いから陽の光を照り返して肌を焼いちゃうんだ。
 もちろん目にも悪いから、このサングラスでシャットアウトするんだよ。はい」
「ありがとうなのです!!」
 カチャッ。ふたりは意気揚々とサングラスを装着した!

 ……毛皮のコートに、サングラス。
 なんかこうはたから見ると、雪原を探検するというよりも、ファビュラスでゴージャスな姉妹っぽいというか、グッドルッキングなガイを引き連れていそうなデジャヴがダイマックスであった。
「サギリさん?」
「えっ、なんですかミルラお姉さん!」
「おチキンさんを、探しに参りますわよ。準備はよろしくて?」
「ミルラお姉さん!? それはいいのですがそのキャラはなんなのですか!?」
「サギリさんももっとファビュラスでなければいけませんわよ。ウフフフ」
「もしかして寒さでアレになってしまったのでしょうか……お、恐ろしいです!」
 サギリは別の意味で震えた。ミルラはさっぱり聴いちゃいなかった。
「でもそれはそれとして、チキン……じゃなくて、オブリビオンは探さねば!
 早くあったかい街に戻ってご馳走を……じゃなくて、街の平和のために!」
「サギリさん、どうせ他の方々も同じような煩悩まみれだと思いますわ」
「ミルラお姉さんは時々言うことがざっくばらんすぎるのです!!」
 さっぱりファビュラスでもゴージャスでもねえ姉妹であった。

 で、このワイルドなエリアでは、様々な障害が冒険者たちを待ち受ける。
 転がってくる雪玉があれば、ミルラがゴージャスな足取りで前に出て、
「ソーラービームですわ!!」
「ミルラお姉さん!? それはジャッジメントクルセイドなのでは!?」
「光を撃ってるので実質ソーラービームですわ」
「なんとなくその名前は避けたほうがいい気がするのです!」
 と、ミルラが華麗(?)に障害物を吹き飛ばし、

「びぇっくしょい!!!!!!! ……あらいけませんわわたくしったら」
「ブリザードのせいでコートがあっても寒いのですねミルラお姉さん!
 そういうときはサギリの火ノ神楽で暖を取るのです! さあどうぞ!」
「ありがとうサギリさん、あったかいわ……って待って毛皮! 毛皮焦げていますわこれ! サギリさん!?」
「そのぐらいが一番あったかいのではないかと!」
「いや熱いですわサギリさん! ていうかこれけっこう高いのですわあっつ!!」
 ……と、ほんの少しだけ毛皮が焦げてしまったり。

「あんなところに湖があるのですよミルラお姉さ」
「サギリさん、急ぎますわよ」
「ミルラお姉さん? どうしてサギリの視界を覆うのです?」
「世の中にはサギリさんのようにピュアな方が見なくてもいいものがありますわ」
「そう言われると逆に気になるのです!」
 シャーッ! シャーッ!(半裸になぜかクリスマスの帽子を被ったおっさんが、氷上をスケートしている音)
「ウィッウィッ(なぜかウォッカをグビグビ飲んでいるおっさんの精霊)」
「なんか聞こえるのですミルラお姉さん! 一体なにが!」
「気にしてはいけませんわサギリさん! さあ急ぎますわよ!」
「ミルラお姉さん! サギリは興味津々なのです!! ミルラお姉さん!!!」
 謎の生命体……生命体なのかこれ? とのファーストコンタクトもあった。
 ワイルドなエリア……実に恐ろしい。これが、冒険なのだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

銀山・昭平
酒も飯も大好きなおらが来れば百人力だべ!
こんな寒いところじゃ確かに酒がなきゃやってられねぇべさ(芋焼酎とおつまみになりそうな乾物の保存食を持ち込みながら 勿論ビールや七面鳥も目当て)

冠の雪げふんげふん、王冠のツンドラというだけあって、ほんとに雪がひどいべ。というわけで【銀山流即席絡繰術・弐式】を利用して自走式のストーブを作って、適度にあったまりながら凍っちまわないように進んでいくべな。

大雪で行く先の道がわからねぇが、【地形の利用】と【トンネル掘り】で目立つ目印もつくっていくべ。なんかポケットに入りそうな魔物がでっかくなって出てきそうな形になったが気にしないべ。



●マックスな大アドベンチャー!
「うーん、寒いべさ……こんな寒いときは!」
 銀山・昭平が懐から取り出したのは……火酒の入ったスキットルだ!
「おらが持ってきた芋焼酎はまだ取っとかないといかんべ、けどこんな寒いところで過ごすなら酒を持ち込まなきゃやってられねぇべさ、つまりちょっと呑んでも問題ないべ」
 とかなんとか自分に言い訳しながら、ぐいっとスキットルを呷る。
 胃に染み入るアルコールの味。ああ、身体があたたまる!
「……つまみも欲しくなるからさっさと進まなきゃダメだべなこれ!」
 一気飲みしかけたところで気を取り直し、出発する昭平だった。

 しかしあいにくと、昭平が出発してすぐにブリザードが発生!
 大量の雪が降り積もり、寒いどころか進むのも困難になってしまった。
「こんなときこそ、銀山流即席絡繰術の出番だべ!」
 ずしん! と鎮座しまつるは、巨大なキャタピラがついた……ストーブ!
 さらに昭平は雪かき用の巨大なショベル型ガジェットを取り出し、その体力にものを言わせてぐんぐんと大雪をかき分けていく。なんたる体力か。
 ちびちび呑んでる火酒とストーブのおかげで、身体もぽかぽかぬくぬくだ。
「しかしこのカンムリ……じゃねぇべさ、王冠のツンドラは不思議なとこだべなあ。
 なぜだか妙にカセキが出てくるし、なんで雪原に真珠があるんだべ……?」
 他にもキノコ、太い長ネギ、なぜか虫がかじったリンゴ、プロテクター、なんか不思議な味がしそうなアメ……などなど、妙ちくりんなお宝がたくさん出てくる。
「なんだか楽しくなってきたべ! いっちょお宝探しといくべか!!」
 昭平は酒をぐびりと呷ると、腕まくりをしてさらなる掘削作業を進めた。
 王冠のツンドラ……ここはまさしくワイルドなエリアである。
 だとすると昭平が掘り進めた穴は、まさしくすごいお宝が出てくる穴……いうなれば、ウルトラなホールということではないだろうか!?
「夢がマックスな感じになってきたべ、さあ~気合い入れていくべさ!!」
 すっかりやる気になった昭平が当初の目的を思い出したのは、汗だくになってからのことだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ケキリキターキー』

POW   :    フェニックス・リボーン
自身が戦闘で瀕死になると【別のケキリキターキー】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    パーフェクト・ディナー
【パチパチと油のはぜる音】【香辛料の胃を刺激する香り】【鮮やかな彩り】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    フライド・チキンorローストターキーアタック
【武器に超高温の油・衣、または水飴をまぶす】事で【熱々出来立てモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●あっ! やせいのオブリビオンがとびだしてきた!
『『『ジングッベー! ジングッベー!』』』
 気の早いコンビニ店よりも早すぎる鳴き声をあげながら行進する魔物たち。
 そのカラーリング、装飾、そして手に持った……うまそうな、鶏肉!
 誰がどう見ても、ハロウィンではなくクリスマスにお似合いな連中であった。
 あれが『ケキリキターキー』、もう遠くに居ても美味そうな匂いがしてくる!
 ……ん? ていうかあいつら、なんかバーベキューセット取り出してない?
 いやA&Wの技術力でそんなん出来るのかって話だけど、まあオブリビオンだからなんとかなったんだろう。それか古代帝国のなんか、そういう遺物だ。
「なんという奴らじゃ、パチパチ肉が焼ける音だの香辛料の香りで胃袋を直接攻撃するとは……うらやま、いや許せ、いやうらやま……い、いや許せん!!」
 ガラットはヒゲに垂れてきたよだれを拭い、猟兵たちに言った。
「あいつら全員かっさばいて街にお持ち帰りじゃあ! やってしまうのじゃー!!」
 ガラットもまた斧を振り上げやる気だ! そしてお腹の虫もぐぅ~と鳴った!
 王冠のツンドラでいま、血戦の火蓋が切って落とされる……!(シリアスに思えなくもないアオリ)

●プレイング受付期間
 2020/10/28 21:59前後まで。
秋山・軍犬
ジングッベー!ジングッベー!

グルメ姫「はっろう~いん~♪」

という訳で、お前らケーキやお菓子も寄こすでケキ!

OPからさんざんクリスマスやらハロウィンやら
雑煮やら煽ってきたんだから
当然チキンだけとは言わねぇでケキ!

おら! 身体検査だ! モフモフさせろ!
一章で弄ばれた鬱憤をお前等でモフモフっと
晴らしてやるでケキ!


軍犬「…」

あ、何かびっくりさせてすんません
普段はもう少し大人しい子なんすよ?
所で、あんたが依頼を出したガラットさん?

フェスにお酒を卸しに来たんでしょ
ドワーフの銘酒、楽しみにしてます

自分もね良い食材が手に入ったからフェスで
料理でもと…(世間話開始)

グルメ姫「チキン! お菓子! もっふもふ~♪」



●グルメ姫怒りのジェノサイド
『『『ジングッベー! ジングッベー!』』』
「は~ろう~いん~♪ ハッピ~ハ~ロウウィン~~~~!!」
『『『!?』』』
 そのとき、ケリチキターキーたちは猛烈な殺意を感じて振り返った。
 そこに、"獣"が一匹居た……満面の笑顔を浮かべる、美少女の姿をした獣が。
「お前ら、持ってるのチキンだけじゃないケキねぇ~?」
『ジ、ジングッベ……』
「オラァアアアさっさとケーキもお菓子もその肉もよこすケキ~~~!!」
『『『ジングッベーッ!?』』』
「こっちは蔦で絡まれるわ味見させてもらえないわ腹減って仕方ないわで鬱憤が溜まってるんだケキ! 身体検査だ! もふもふさせろ! そして肉を食わせるケキ~~~!!」
『『『アイエエエ!!』』』
 ああ、もはや獣は逃さない……哀れな獲物たちのことを……!!

「……いやなんじゃあれ」
 斧を振り上げて戦闘意欲満々だったガラットも、なんかあっけにとられていた。
「あ、すいません。普段はもっとおとなしい子なんすけど」
「え、お前さんの連れなんかのうあれ???」
「うーんまあそんなとこっす。ところであんたが依頼者のガラットさんすよね?」
「お、おう……まあそうじゃけど」
 秋山・軍犬はガラットの顔を見ると、なにやら頷いた。
「フェスにお酒を卸しに来たんでしょ? 自分、それも楽しみなんすよ。
 ドワーフの銘酒、期待してるっす。つまみなら自分も用意しますんで」
「いやあそこで残虐ファイトしとるあやつのことは」
「それが聞いてくださいよいい食材が手に入ったんすよ~」
「いやだからあの鳥の羽むしりまくりの」
「だからフェスで料理でもしようと思ってんすよね~楽しみにしててくださいっす」
『ケキキキーッ!!』
『『『ジ、ジングッベ……』』』
 悪魔超人みてえな笑い声と、無残な断末魔がこだました。

大成功 🔵​🔵​🔵​

銀山・昭平
クリスマスまであと二ヶ月……もないべか。さながら収穫祭という感じだべな。

見てるだけで腹が減ってくるが、鳥をシメる前にまず撃ち落とす必要もありそうだべ。
【即席絡繰強化術】で、鮫マシンガンを鳥撃ち用の銃に改造、同じく鳥や小型獣を撃つために威力を抑え気味にした岩塩弾を装填して一匹一匹撃っていくべな。
ガラットさんみたいに刃物でその場で首を落とすのも良いかもしれねぇが、動き回る鳥を追い回すと余計に腹が減っちまいそうだべ。
というかこれ以上腹が減ったら正気を失っちまうかもしれねぇべ……
(あまりの空腹に少し真の姿が出かけてるが青丸しかないのでまだ完全には真の姿は出てない)

※共闘・アドリブ大歓迎です。



●お腹すくと頭働かなくなりますよね
 銀山・昭平は飢えていた。
 なんなら転移前から腹が減っていた……にもかかわらず、長時間の行軍。
 さらに雪を掘り続ける重労働……誰だって空腹になって当然だ。
 そこに、あの飯テロである。視覚的にも聴覚的にも嗅覚的にも暴力!!
 ……よく考えると、なんで喰われる側の魔物があんなことやってんだろうか。
 しかも持ってるのは調理済みのターキーである。慈善団体かなんかかな?
「おらをこんなに腹ペコにさせるとは、許せねえべ!!」
 こころなしか、ゴーグルの下からぎらついた眼光が見え隠れしたような気がする。
 ともあれ昭平はサメマシンガンを即席の鳥撃ち銃に変形させ、じゃきっと構えた。
 陽炎めいて揺らめくのは、真の姿である恐るべき暴食の獣のオーラだ!
「うおっ、なんじゃお前さんの気迫! まるでドラゴンじゃぞ!?」
「……はっ」
 そこで昭平は、ガラットの声を聞いて我に返った。
 どうやら空腹のあまり、少々真の姿が出かけていたらしい。
 恐るべし空腹。だが昭平は気を取り直すと、頭を振った。
 もしもここで真の姿を解き放ったら、調理するどころの話ではない。
 なんならすべての魔物を食らい尽くしてしまいかねないだろう。
 それはよくない。まあ、めちゃめちゃ数がいるように見えるがそこはそれ。
「いやなんべもねえべさ、それよりガラットさん」
「んぉ? どうしたんじゃ」
「斧で首を〆るのもいいかもしれねぇが、動き回ると腹が減るべ」
「……むむ、たしかに」
「そこでこれだべ!」
 昭平は意気揚々と鳥撃ち銃を構え、引き金を引いた! BLAMN!!
『ジングッベー!!(断末魔)』
「おお……! なんじゃそれは、見事なもんじゃな!」
 銃は、このA&Wではいまだオーバーテックである。
 ガラットは兜の下の目を輝かせた。ドワーフの習性だろうか。
「クロスボウよりも遠くに届き、しかも正確! ううむ、これはすごいのじゃ!」
「あの小憎たらしい鳥どもをまとめて狙い撃ちするべ!(BLAMN!!)」
『ジングッベー!!(断末魔)』
 昭平は邪悪な笑みを浮かべる。おお、そして狩りが始まるのだ。
 空腹を刺激されたドワーフどもによる、恐るべき狩りが……!(ホラー映画の予告風オチ)

大成功 🔵​🔵​🔵​

カイム・クローバー
スゲェな。あの鳥、どう見ても猟兵を誘ってるとしか思えねぇ。
肉の焼ける音に香辛料をまぶした…ありゃ、もも肉か?
ヤベ、焼ける匂いが風に乗って此処まで流されて来やがった。
…っと。俺も急ぐか。あの極寒を抜けて来たんだ。俺だけチキン抜きは勘弁だぜ。

UCで銃撃。纏めて数体焼き払うんだが…ふと気付いた。コイツら、瀕死になると別の新しいチキンが召喚されやがる。
銃撃→瀕死→召喚→銃撃…で無限ループでチキン、食えるんじゃねーか?
銃弾には限りがあるが、余った分は街で売りつければ小遣い稼ぎにもなるし、街を巻き込んでのドンチャン騒ぎにしても良いんじゃねぇか?
折角のハロウィンだ。…転移してくれる賢者にもお裾分けしてやるか



●カンのいい猟兵は……
 突然だが、ロールプレイングゲームのザコ敵を思い浮かべてほしい。
 連中のなかには、「戦っているとザコ敵を召喚する」奴らがいる。
 普通であれば、敵がどんどん増えて戦いが長期化するとてもいやらしい能力だ。
 ……しかし、逆に言えば、「経験値やお金の元が増える」ということでもある。
 悪いプレイヤーほど、そういう能力をうまいこと利用してしまうものだ。
 なので最近のゲームでは、色々制限がかかっていたりするものだが……。

「……待てよ」
 カイム・クローバーは、気付いてしまった。
『ジングッベー!』
『ジングッベー!』
 お前ら二ヶ月ほど早いだろ的な鳴き声をあげて逃げ回るあの、鳥ども。
 倒すのは非常に簡単なのだが……そこで、気付いてしまったのだ。
「こいつら……瀕死になると、新しいチキンを召喚しやがるのか」
 そう。追い詰められたケリチキターキーは、別の仲間を召喚する。
 そいつは高い戦闘力を持つ(当社比)のだが、まあ鳥なのでお察しだ。
 倒すのは難しいことではない。っつーか食欲にかられた今だと超楽である。
 つまり、簡単に増やして、簡単に倒せる。チキンと、チキンの元をだ。
「お前ら……」
『ジングッベー……?』
「お前ら、気遣いの達人か何かか? つまりチキン食い放題じゃねえか!」
『ジングッベ!?』
「たんまり銃弾を持ってきてよかったぜ。こりゃおかずに事欠かなさそうだ!」
『ジ、ジングッベ……』
 ケリチキターキーたちは震え上がった。カイムがニコニコ笑っているからだ。
 向こうからすると、それは賽の河原で石山を崩す鬼の笑みも同然である。
「街の人たちとどんちゃん騒ぎをするためなんだ、気張ってくれよな」
『ジ、ジ、ジング……』
「さあどうした? 次を召喚していいんだぜ。それともまだ足りないか?
 だったら……もっともっと、召喚したくなるように炙ってやらないとなあ」
 コワイ! カイムが満面の笑みを浮かべているのがなおさら怖い!
 歴史上人類はしょうもない理由で様々な生物を乱獲して絶滅させたが、
 サーベルタイガーとか色々狩り尽くした連中もこうだったに違いない!
『『『ジ、ジングッベー!!』』』
 ケリチキターキーたちは震え上がった。これから待つ壮絶な地獄の可能性に。
 もはや召喚されてくるターキーたちも、かなり泣きそうであったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェルト・フィルファーデン
ふう、酷い目にあったわ……猟兵じゃなかったら危なかったわ。
でもついに見つけたわよフライドチキン!早速いっぱいお土産を持って帰りましょう!!

そういうわけでUC発動。さあ、わたしの言う通りに動きなさい!
(某フライドチキンチェーン店特有のバケツ型容器を取り出して)
それじゃあここにどんどん入ってちょうだいな!
容器はまだまだあるからね?ふふっ、自分から調理済みになってくれるなんて助かるわ!わたしお料理だけは全然ダメだから……

(山のように積み上げられていくバケツ型容器)
(フェアリーにはチキン一本でも充分な量)
(想い人は大食いでもフードファイターでもない)

ちょっと量が多いかしら……?まあ、何とかなるわよね!



●はりきりすぎな王女様
「ふう、ひどい目に遭ったわ……」
 なんやかや語られざる大冒険を経て、ついに雪原を抜けたフェルト・フィルファーデン。
 しかし彼女はへこたれていなかった、いやむしろ意欲は高まっていた。
 そう……すべては、胸に宿したこの想いを叶えるため。
 愛しい彼に、ぎゃふんと言わせ……もとい、喜んでもらうためなのだ!
「ついに見つけたわよ、フライドチキン! さっそくお土産になってもらうわ!」
『ジングッベ!?』
 いやせめてオブリビオン扱いしてよ!? みたいな声が聞こえた気がする。
 だが、フェルトの目にはチキンにしか映っていなかった。
 実際連中もチキンを焼いているし、完全に誘っているから、それでいいと思う。
『ジングッ……ベェーッ!!』
 するとケリチキターキーは、なんか自分で自分に粉をまぶし始めた。
 さらに闘志の炎で燃え上がる! あれ? これ事実的な自殺行為じゃね?
「そんな美味しそうな見た目になって、どこまでもお人好しなオブリビオンね!
 けれどわたしは容赦しないわ……さあ、わたしの言うとおりに動きなさい!」
『ジングッベ!?』
 どんっ! とフェルトが地面に置いたのは、なにやら赤いパーティバレル。
 なんとなくだが、表面には白いヒゲのおじいさんが書いてありそうだ。
 実際に描いてあるかどうかは突き詰めるとなんだかヤバそうなので触れないが、
 それはそれとして、ケリチキターキーたちは妙にそのバケツに心惹かれた。
 ああ、あの中に入りたい。カラッと焼き上がった上で、飛び込みたい!
「ふふふ、もう逃れられないわよ、アナタたちはわたしの術中なんだから……!」
『ジ、ジングッベ……!!』
 そう、ケリチキターキーどもは、すでにユーベルコードにかかっていた。
 見えないウィルスに感染したことで、フェルトの傀儡になってしまっているのだ。
 ……まあ電脳魔術なんで広義のウィルスとはまた違うと思うんですけど、
 鳥をウィルスに感染させて操るってこう、かなり……危ないね!
「自分から調理済みになってくれるなんて助かるわ! 本当にいいこたちね!」
『ジングッベー……』
 カラッといい感じに焼き上がったターキーたちは、列をなしてバケツに入っていく。
 実に肉肉しく、まるまると太った美味しそうなチキンばかりだ。
 ……冷静に考えると、フェアリーにこの量はちょっとキツいんじゃないか?
「…………まあ、なんとかなるわよね!」
 フェルトは考えないようにした。恋は盲目って言うしね。

大成功 🔵​🔵​🔵​

三咲・織愛
ヨハンくん(f05367)と

んんんん!
なんておいしそうな音と香りなんでしょう……!
たくさん持って帰りたいですね!

ふふふ。実は私、さっき釣り人さん達から網をもらっていたのです!じゃじゃーん!
これをですね、おもいっきり投げまして~
かかった鳥さん達をずるずる~っとまとめまして~
ばたばた暴れちゃってると持って帰れないので~……

こうして(びったん)こうして(びったん)こうー!!!(叩き付け-地面-)
どうですか!? 効率いいでしょうっ!
……あら? ヨハンくーん。どこですかー?

もうーっ、そんなところに座り込んでないで手伝ってください!
ほらほら、立って! 駄々こねないの!
あと5倍くらいはとっていきましょうねー


ヨハン・グレイン
織愛さん/f01585 と

よかったですね。目的のチキンですよ
完全に食べ物としてしか見えていないのがある意味感心するというか……

俺がいる必要ありますか、これ
横で意気揚々と投網を打つエルフを眺める
いつでも楽しそうにしているのは悪いことではないが、
もう少し落ち着いてもよくないか?
そう、せめて周りを巻き込むことのないくらいには、
落ち着いてくれ、頼むから

あんた人が横にいる事を考えてやってるか??
効率もくそもあるか
命を危険を感じるので出来るだけ距離を取ります
蠢闇黒から呪詛と全力魔法で障壁を張りつつ退避する、全力でだ

帰りたい、……いや、帰ろう
手を離してください。帰ります。帰る。離せ
人の話を聞け……!



●ものすごく(敵味方にとって)痛いこと
『ジングッベー!』
『ジングッベー!』
「んんんん……なんておいしそうな音と香りなんでしょう……!」
『『『ジングッベ!?』』』
 ケリチキターキーの群れは、純然たる"殺意"を感じて震え上がった。
 その殺気の出元は、ニコニコと満面の笑みを浮かべる三咲・織愛である。
 こう、あの、漫画とかで禍々しい雰囲気を意味するトーンあるじゃないですか。
 あれが織愛の周りに出ていた。ケリチキターキーの目にはそう見えた。
「たくさん持って帰りたいですね、ヨハンくん!」
「……いや、一応我々はあれを倒しに来たんですが……?」
 倒す、ではなく「持って帰る」と言い出すあたりに、ヨハン・グレインは呆れた。
 つまり織愛は、あれらをオブリビオンとしてすら見ていない。恐ろしい。
 でもまあ、あいつらもあいつらで鳥なのに鶏肉焼いたりしてるし、
 しかもWIZで攻撃するとなぜか自分からフライドチキンになりにいくので、
 完全に狙ってやってるとしか思えないし、仕方ないか……とも思った。
 それはそれとして、こいつはこいつで恐ろしいだろとも思っていたが。
「完全に食べ物としか見えていないですよね。ある意味感心しますよ」
「もー、私のこと食いしん坊か何かだと思ってませんか? ひどいですっ」
「食いしん坊というか聞かん坊であることは間違いないですね」
「ヨハンくん!」
「別に俺は根拠もなしにそんなことを言っているわけではないんですが……???」
 ごもっともである。散々引きずり回され困らされたヨハンだから言えることだ。
 多分だけど、どこぞの賢者をはじめ引きずり回されてきた方々が同意すると思う。
 まあでも、ほら、ね! 女は愛嬌って言うし、いいじゃん!(雑なフォロー)

 それはさておき、ケリチキターキーたちは必死で仲間を呼び寄せた。
 別にダメージを受けたわけでもないし、なんならまだ戦ってすらいないのだが、
 あまりにも強い捕食者の恐怖……そう、いわば蛇に睨まれた蛙の心地になったことで、殺らなければ殺られる!! という本能的危険を感じたのだ。
 つまり、事実上瀕死と言っていい。実際死には瀕してるし(精神的な意味で)
「ってヨハンくん、なんだかどんどんチキンの数が増えてますよ!?」
「せめて敵の数って言いませんか。オブリビオンの肩を持つつもりはないですが」
「細かいことは気にしちゃだめですよ! ここで秘密兵器の登場ですっ!」
 呆れた顔のヨハンをさておいて、織愛が取り出したのは…………投網??
「どこで手に入れたんですかそんなの」
「さっきの釣り人さんたちにもらったんです!」
「俺が気付かない間に……って待ってくださいそれで一体何を」
「つまりですねー、こうするんです! えーい!」
 織愛は、錘付きの投網を勢いよく投げ……ターキーたちをキャッチした!
『『『ジングッベー!?』』』
「ふふふ、大量です! 数が増えたおかげでたくさん手に入りましたねー!」
「……流石にその程度の投網は、引き裂かれてしまうのでは?」
「それもちゃんと考えてありますよ。だからこーするんですっ!」
「えっいや」
「えーい!!」
 織愛、いきなり投網ごとケリチキターキーを持ち上げ……SLAM!!
『『『ジングワーッ!?』』』
「うわあ……」
「もういっちょー!」
 SMAAAASH!!
『『『ジングッアバーッ!?』』』
「…………」
 ヨハンは目をそらした。
「せーのっ!」
 ビターン!!
『『『アバババーッ!!』』』
「よいしょー!」
『『『アバ……ッ』』』
 もはや悲鳴すら途絶える。そして響き渡る、びたんびたんという音。
 狩猟? 否、もはやこれは処刑とすら言っていいかもしれない。
「なんだか楽しくなってきました! ヨハンくんもいかがですかー?」
「俺にそんなこと出来るわけないじゃないですか、というか周りを見ろ」
「えー?(びたーん)何がですかー?(びたーん)」
「命の危険を感じるから少し落ち着けって言ってるんですよおいやめろ当たる」
 ヨハンは全力で距離をとった。織愛はきょとんとした顔をした。
 実に可愛らしい顔をしているが、片手には鉄球みたいに投網を持っている。
「ヨハンくーん、待ってくださーい(投網を振り回しながら)」
「俺はもう帰ります」
「待ってくださいよー(投網を地面にバウンドさせながら)」
「その格好で近づいてこないでください処刑人かなんかかあなたは帰ります帰る帰せ」
「ヨハンくーん!(びったんびったんびったんびったん)」
「人の話を聞け……!!」
 命がけの鬼ごっこが、此処に始まった。何もかも目的が違っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミルラ・フラン
サギリ(f14676)と!
(ホワイトボードに『私は密入国してきた鈴ではありません』と決断的ショドー。サギリに渡す)

どう見ても炎・飛行じゃねえかテメー!!不利じゃねえか!
でもあたしらにゃサブウェポンもあるんでな。ここはクールに、だが肉はホットに行こう

サギリ!等倍で受けれるエスパーのあんたが頼みの綱だよ!
あたしは咎力封じであの肉たちを抑えるから!
(前章でかけたサングラスをかけつつ、ヒマワリめいて派手な眼鏡をサギリに)

撃ち漏らしは鉄の処女に変化させたSignorina Torturaにしまっちゃおうねー
え?鋼じゃないか?半減じゃないかって?悪だから等倍なんだよ

赤ワインとブドウジュースで一杯やろうか!


サギリ・スズノネ
ミルラお姉さんと!(f01082)

(ホワイトボードを受け取り)

お姉さん!チキンがチキン食べようとしているですよ!
やべー奴らなのです!チキンにするのはサギリ達なのです!

お任せくださいなのですお姉さん!
エスパーが何なのか良く分からないのですが、チキンを倒してチキンをゲットだぜするのです!

というわけで火ノ神楽で、炎の鈴をたくさん出すのです。
あいつら良く焼けそうなのです。
鈴ノ小鳥符を投げつけて、そこを目掛けて炎の鈴をぶつけます。

出した炎の鈴の内、幾つかは地面に落として、そこを延焼させてそのままにしておくのです。
チキンが上に落ちたら、そのまま焼きます。

サギリ、お腹がすいてきたのです、お姉さん!



●飯テロしてるからあく・ひこうの可能性もある(雪原だけに)
 ジュー、パチパチパチ……。
 即席バーベキュー会場のそこかしこから、胃を刺激するいい音がしてくる。
 そして匂い立つ、香り。香ばしさと食欲をそそるあの匂い……!
「お姉さん、チキンがチキン食べようとしているですよ! やべー奴らなのです!」
「どう見てもほのお・ひこうじゃねえか、あいつら……! 許せないね!!」
「ほのお・ひこうってなんのことなのですお姉さん!?」
「これじゃああたしは不利じゃないか、おのれタイプ相性……!」
「お姉さん、ミルラお姉さん! なんとなくヤバさが加速してる気がするのです!」
「はっ!!」
 ミルラ・フランは、サギリ・スズノネの声にようやく我に返った。
「い、いけないね……ありがとうサギリ、冷静になったよ」
「よかったのです。あのままいくと危険がヤバ……お姉さん??」
「ちゃんとこれをサギリに持たせておかないとね……」
 なにやらミルラはホワイトボードを取り出し、キュッキュと書き込んだ。
『私は、密入国してきた鈴ではありません』。はてこれは一体?
 よくわからないが、なんとなく滅びの歌とかを歌いそうな気がする!
「はい、サギリ。これを首から提げておくんだ」
「ミルラお姉さん??? これは一体???」
「改造とか思われたらイヤだろう? ちゃんと証明しておかないとね」
「ミルラお姉さん! ヤバさが特に去っていない気がするのです!!」
 この件は掘り下げたらまずい。サギリは直感的にそう思った。

「と、とにかく、チキンを倒してチキンをゲットだぜ! なのです!」
「そうだよサギリ! ここはクールに、だが肉はホットに行こうじゃないか!
 あたしは不利だけど、サギリ、アンタはエスパーで等倍だからね……!」
 なお妙にトレーナーっぽいことを言っているふたりは、いまだファビュラスだ。
 意味がわからない? あのゴージャスな格好そのまんまってことだね。
「あ、あとこれかけといてね」
「ミルラお姉さん、なんなのですこのヒマワリめいた派手な眼鏡は」
「気にしちゃいけないよ。どうぐは使いこなしてこそだからね」
「相変わらずヤバい気がするのですお姉さん! とにかく、えーいっ!」
 サギリ の ひのかぐら! きゅうしょにあたった!
 炎の鈴がりーしゃんちりーんと涼やかな音を鳴らしながら現れると、
 ケリチキターキーの群れをジリジリと炙っていく!(胃に)効果はばつぐんだ!
『『『ジングッベー!?』』』
「この調子で一網打尽にしてやるのです! ていっ!」
 さらにサギリは符を投げつけ、そこに炎の鈴を集中させた。
 ケリチキターキーどもは身の危険を感じ、恐ろしい形態に変身する!
 自分に粉をまぶしてー、美味しそうな油を纏ってー……。
「って自分からフライドチキンになってるのですー!?」
「ふっ、敵ながらあっぱれ……まあそれはそれとして逃さないけどね」
 ガシャコン、とミルラの背後にそびえ立つ巨大な鉄の処女。
 ……鉄の処女? なんかパーティバレルって感じの形してない?
「やっぱりチキンを放り込むならこの形が一番だよね! オラッさっさと入れ」
『『『ジングッベー!!』』』
 がっしゃーん。返しつきのはがねパーティバレルに入っていく鶏肉たち。
 なお、バーベキューセットでじりじり焼いてあったチキンもきちんと回収だ。
 チキンだけにキチンと回収! チキンだけに! チキンだけに!!
「はがねと見せてあくなこともある……タイプ相性を怠ったアンタたちの負けだよ」
「ミルラお姉さん! なんかヤバげなことよりサギリお腹がすいたのです!」
「そうだね、赤ワイン……と、ぶどうジュースで一杯やろうか」
「あくと言いつつ法律は守れるお姉さん素敵なのです!」
「いやあたしはくさ・どくだからね?」
「さすがはあく・どくのミルラお姉さんなのです!」
「サギリ???」
 この会話はヤバいので、そろそろ〆ておこう!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

…ひっっっどい目にあったわぁ…
ひっさびさに本気で命の危機を感じたわねぇ…
…よぉし、切り替えましょ。これだけ派手に飯テロかましてくれてるからには、美味しく食べられたいってことでいいのよねぇ?

…え?こいつら瀕死になると別のが出てくるの?実質無限湧きの獲り放題?何それボーナスステージ?
よぉし、そ-と決まれば即死しない程度に加減して片っ端から●鏖殺の○乱れ撃ちぶちかますわぁ。ガラットちゃんと協力してじゃんじゃん回収してきましょ。
唐揚げ・焼き鳥・カチャトーラ、調理法はいくらでもあるもの。どれだけあったって足りるわけないのよねぇ。
大人しくご飯とおつまみの素になりなさいな。



●飯テロには死を!
「……ひっっっどい目に遭ったわぁ……」
 さしものティオレンシア・シーディアも、雪崩には命の危機を感じたようだ。
 雪崩は恐ろしい……まさしく天変地異、人には抗いようのない災害なのだ。
 山はああした事故が頻繁に起きる。いやここ山じゃねえんだけど。
 だからみんな、山に登るときは決して油断せず、安全第一で登ろうね!
 いやここ、山じゃねえんだけど。雪原なんだけども。
「ひっさびさに本気でピンチだったわぁ……ある意味オブリビオンよりも。
 まあとにかく、切り替えていきましょ。なんだか美味しそうな連中もいるしぃ?」
 ティオレンシアも酒飲みの端くれだ。つまみの美味しさは重々理解している。
 にもかかわらず、あのターキーどもはじゅうじゅう美味しそうな音を鳴らす。
 いや別にかけてるわけではないけども、それはそれとして飯テロである。
「あなたたち、飯テロするってことはテロ(物理)される覚悟はあるのよねぇ?」
『『『ジングッベ!?』』』
 ケリチキターキーどもは、ティオレンシアの殺意にブルった。
 チキンがチキン調理しといていまさら何を怯えてんだって話ではあるが、
 連中だってオブリビオンなのだ。猟兵相手に舐められるわけにはいかぬ!
『ジン!』
『グッ!』
『ベーッ!!』
 命の危機を感じたケリチキターキーどもは、なにやらフォーメーションを組んだ。
 すると! 新たなチキン……もといケリチキターキーの群れがぞろぞろ出現!
 なんとなくレトロなゲーム風に言うと、なかまをよんだ1 というやつだ。
「え? 何こいつら、自分から増えてくれるとか、ボーナスステージなのかしら?」
「ええところに気付いたのうティオレンシアよ! そうと決まれば……」
「「即死しない程度に手加減して取り放題ねぇ(じゃー)!!」」
『『『ジングッベー!?』』』
 BLAMBLAMBLAM!! SLAAAASH!! ジュウウウウ……(肉が焼けるいい音)
 こうなればもはや女たちは容赦しない。かくして殺戮の宴が始まった。
 いや厳密に言うと瀕死で済ませているので決して殺してはいないのだが、
 命を奪っていないからと言って人道的になるとは限らない、いい例だね!
『ジングッベー! ジングッベグワーッ!?』
「さあ、新しい獲物(なかま)を呼びなさぁい……?」
 涙目で見上げるケリチキターキー……を、見下ろす逆光の狩人。
 こう、顔が黒くなって、笑っている笑顔のラインだけが白く浮かぶやつ。
『ジングッベーーーーーー!!(悲鳴)』
 飯テロをしたばっかりに、この惨劇は始まってしまったのだ……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

茜崎・トヲル
メシーー!!(鬨の声)(以後、テンション限界突破でお送りします)
めーっちゃたべてーってしてくるし、これは食べていいやつだよな!
いただきます!(ターキーのひとのチキン貰って食べる)うめえー!
えーこっちは武器? 料理はこっち? わーわーごめんて、わるかったってえ。ほら、こっち焼けてっからさ。はいアーン!(口につっこむ)
うわ暴れてる。どったの? ……あー、熱かったのか!そっかーごめんな、おれわかんねーから。
これで冷やして!(なんでかあったクリスマスにコンビニで並んでそーなシャンパンを口につっこむ)
ふふは、たーのしー! あっガラット=サン! これおみやげ!たべよー!(皿ごともぎとってきたチキン片手に)



●(鶏肉を)食ってる……!
「メシーーーーーーー!!!」
 茜崎・トヲルは普段からテンションの高い男だが、今日は人一倍だった。
 なにせ空腹である。しかもあのめでたそうな色合いときたら!
 いくら食べなくても生存できる不死身のトヲルとはいい、そこはそれ。
「なーなー、そんなにたべてーってしてくるなら、食べていいやつなんだよなー!
 なーこれ食べていいんだよなー? ってわけて、いっただっきまーす!!」
『グベッ!?』
 じゅーじゅーといい感じに焼けていたチキンを奪い取るトヲル。
 そして熱いのも気にせずに頬張る。口の中をやけどするが気にしない。
 だって痛みとかわかんないし。わかるのは……そう、味!!
 スパイスで味付けされたジューシーな鶏肉が、口の中に広がる……!
「うめえー! こっちもいい感じじゃーん! はぐっもぐっ……んめー!!」
『ジ、ジングッベ……』
「むしゃむしゃ……んお? どしたの?」
 なにやら涙目でプルプル震えているケリチキターキー。
 いましがたトヲルに奪われたチキン……の骨を羽根で指して、ジタバタする。
「え、何、これもしかして武器だったの?」
『グベッ!(肯定)』
「じゃー食べていいのは……こっち?」
『グベ……(肩? を落とす)』
「わーわー、ごめんて! わるかったってえ。ほら、こっち焼けてっから!」
『ジングベ?』
「はいあーん!」
『グベーッ!?』
 暴れるケリチキターキーの口んなかにアツアツのチキンをシュウウウウ!!
 めっちゃ熱い! 超! 火傷!!!! 拷問かな?
「あ、なんかめっちゃ暴れてる。どったの? ねえ?」
『ぐ、グ……ベ……』
「とりにく? なーとりにく! とり……し、死んでる……!!」
 チーン。ケリチキターキーはおなくなりになっていた。
『ジングベーッ!!』
「あっ、いいとこに来た! ちょっとこれ食べてみてくれよ!(ずぼっ)」
『グベーッ!?』
「あ、また苦しんでる。もしかしてあっちーのかな……?」
 じたばたもがいているケリチキターキーの様子を見て察したトヲル。
「ごめんなーおれあついとかわかんねーからさー、これで冷やして!(ずぼっ)」
『グボボボボ……ボボ……グッ(ちーん)』
「あれっ、シャンパンで冷やしてやったのに死んじゃった。あっれー?」
「お前さん何やっておるのじゃ……ジェノサイドかなんかか?」
「あっ、ガラット=サン! これおみやげ! たべよーぜー!」
「お前さんあの死屍累々は一体」
「気にすんなって! あ、お酒もあっけど呑む?」
「それどっから出したんじゃ!?」
 あとに残るのは、無残な(酒で味付けされた)チキンたちの屍のみ……。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『とある町での一幕』

POW   :    賑やかな場所に行ってみる

SPD   :    穴場を探してみる

WIZ   :    商店や市場を見て回る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●A&W:オクトパスタウン
 11月になってしまっているとか、そんなことは気にしてはいけない。

 それはさておき、無事(?)大量のチキンを採取した猟兵たち。
 オブリビオンの脅威も排除されたことで、ここオクトパスタウンには活気が戻っていた。
 ガラットのいたドワーフの氏族、ナティビアード氏族を始め、各地から様々なお酒やおつまみ、その他美味しい料理などが集められる日なのだ!
「いやー大漁大漁。酒も無事に届いて言うことなしじゃ!
 お前さんたちもよく働いてくれた。さあたっぷり飲んで騒ぐとしようぞ!」
 と、ガラットはすでにジョッキを手にしてごきげんだ。
「乾杯の音頭はワシらの氏族ではこうじゃ! ハイホー!!」
 料理を食べ歩くもよし、酒を飲み比べてみるもよし、街を見て回るもよし。
 街中がお祭り騒ぎの今日くらいは、乱痴気騒ぎだって許されるだろう。
 もちろんターキーやらフライドチキンやら、主な料理は鶏肉ばかりである。

 ちなみに、例のグリモア猟兵ことムルヘルベルもやってきている。
 プレイングで指定してもらえれば、出てきたりするそうだぞ!(メタな話)

●プレイング受付期間
 2020/11/03 13:59前後まで。
秋山・軍犬
各地から美味しい物が集まるので
それらを使った串カツ屋をやります

設備をいつ用意した?
…考えてはいけませんネタ依頼ですよ

使用する食材は鶏を中心に、豚や野菜
A&Wらしく謎スライム、謎触手、謎…何やこれ?…など

そして、今回のメイン食材
胸焼け二日酔いを防ぎ健康、美容にも極めて高い
効能を持つ氷冠キャベツを間、間に食べる事で
より美味しく揚げ物や酒をキメる作戦です

お酒はガラットさんの提供です、あざっす!

そして、特別ゲストのムルヘルベルさんは
良い感じに知性溢れる食レポをおなしっゃす
お勧めは鶏と謎…いやマジで何だこれ?

…という訳で、乾杯!

グルメ姫(はジュース)「みんな、ソースの二度漬けは
やめるでケキ!ハイホー!」



●ネタシナリオはルール無用
 じゅー……と、景気のいい焼き音が通りに響いた。
 食欲をそそるいい匂いだ。ムルヘルベルはふと興味を惹かれる。
「一体どんな店が……ってぇ!?」
 しかし彼は驚いた。なにせそこに鎮座していたのは……!
「らっしゃいらっしゃーいっす、安いっすよー」
 秋山・軍犬の出店……ただし串カツ屋である。
 しかも明らかに、A&Wには似つかわしくない設備まで整えられていた。
「お、オヌシ! いつの間にこんな大それた設備を用意したのだ!?」
「おやムルヘルベルさんじゃないっすか。まあそんなことは気にせず」
「いや気にするが!? ワガハイそんな設備持ち込むの見てないのであるが!?」
「まあまあまあまあ」
 世の中には触れないほうがいいこともある。たとえばネタシナリオ全般だ。
 ネタ空間だから許される、そういうことってギャグ漫画でよくあるよね!
「そんなことより、ムルヘルベルさんお腹空いてるんじゃないっすか?」
「あ、ああうむ……たしかに腹は減っておるが……」
 ちらり。ムルヘルベルは、店の周囲で食事を楽しむ人たちを伺った。
 チキンをはじめとして豚肉、野菜、さらにスライム……スライム!?
「ちょっと待て!? スライムの串焼きなど聞いたことがないのであるが!?」
「まあまあまあまあ」
「オヌシそれで通すつもりか今回!?」
「大丈夫ですよほら謎触手もありますし」
「だから謎触手ってうわー揚げられたままうねってるーッ!?」
 コワイ! こんなのが王冠のツンドラに潜んでいたというのか!?
「あ、わかりましたよムルヘルベルさん。もうお酒けっこういってるっすね?」
「なんでワガハイが酔っ払って幻覚見た方向でまとめようとするのだ???」
「そういうときははい、これ! 特製の氷冠キャベツ焼きっす~!」
「なんであるかこのテレビショッピングみたいな無理しかない流れは……」
 と言いつつムルヘルベル、ぐぅ~とお腹を鳴らして赤面した。
「お酒もあるっすよ。ガラットさんが提供してくれたドワーフのエールっす!
 さあムルヘルベルさん、どんどんいっちゃってくださいどんどんと! ね!」
「いやあの」
「はいムルヘルベルさんの!」
「えっ」
『ちょっといいとこ見てみたい! ケキ!』
「オヌシどこから湧いてきた!?」
「あっイッキ!」
『イッキ!」
「『イッキ! イッキ! イッキ! イッキ!』」
 グルメ姫と軍犬が煽りまくる。ムルヘルベルはひたすら困惑していたが、
「……ええい、ままよ!!」
 ぐいっとエールを一杯! そして手に取った串焼きを食べる!」
「むむ! こ、これはなかなか……! 身が締まっていて美味いではないか!」
「でしょ~? じゃあこっちもどうぞっす」
「うむうむ、ではそちらも……え? いやなんであるかこれ」
「さあ……」
「調理人がわかんないってどういうことであるか!?」
「まあまあまあまあ」
「だからオヌシそれでごまかせると思うなー!?」
「『あっイッキ! イッキ! イッキ! イッキ!』」
「いやだから」
「『イッキ! イッキ! イッキ! イッキ!』」
「…………え、ええい、ままよ!!」
 謎のなんかを食べるムルヘルベル。そして。
「ぐえー!?」
 ビターン! 仰向けに倒れた。
「大丈夫っすかムルヘルベルさん!? ムルヘルベルさん、ム……し、死んでる!」
 結局一命はとりとめたそうです。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェルト・フィルファーデン
◆ケン様と
これで後は持って帰るだけ。でもその間に冷めちゃうかも、というわけで連れて来たのだけれど……
(あー!もう!!緊張して上手く喋れないし色々プランあったのに頭真っ白!!)

あっ、みんなお酒のおつまみにチキン食べてるから……その匂いが充満してるのね。
……と、とりあえず食べましょうか?


……えっ、どうしたの?いきなりそんなに褒めたりして……
えっ!?ちょっと待ってケン様!様子がおかしいわよ!!
というかいい匂いとか柔らかいとかこんなところで言わないで!?
もしかして、お酒の匂いだけで酔っちゃったの!?

ふぇっ?か、可愛い?
(ぎゅってされる)えっ?
(更に追撃)えっ???
い、今、口、口が、頬に……!?(限界)


ケンタッキー・マクドナルド
◆フェルトと

(事情はよくわからないが呼び出された訳である。)

やたら浮かれたトンチキ騒ぎだな
何かの祭りか?しかも酒の匂いが強ェ……

ン チキン?……そりゃもちろん好きだ。くれんのか?

……サンキュ。

(食いつく。)旨ェ。上出来じゃねーか。(夢中で食う。)

……こォして好物くれるし気が効くし お前は良い奴だなホントによ
ダチ想いだし いやダチだけじゃなくて色んな奴想いやってるよないい事だ(ヒック)
強ェし
良い匂いするし柔らかいし……

は???酔ってねェが???(ヒック)
全然酔ってねェがお前いつもに増して可愛いな ギュッてしていいか??(した)

……ン お前……

頬に弁当ついてンぞ
勿体無ェ
(チュ)

ご馳走サン。



●こいつらイチャイチャしたんだ!!
 ケンタッキー・マクドナルドは、かなり困惑していた。
 フェルト・フィルファーデンからいきなり呼び出しを受けたわけだが、
 何の目的も伝えられていない。しかも、事件はとっくに解決しているようだ。
「やたら浮かれたトンチキ騒ぎだな……何かの祭りか??」
 オクトパスタウンにやってきたケンタッキーを出迎えたのは、強い酒の匂い。
 そこかしこではジョッキを打ち鳴らす音。人々の笑い声をどんちゃん騒ぎ。
 ケンタッキーはアルコール臭に顔をしかめる。まだ、彼は呑めない年齢だ。
「……で、どうして急に呼んだンだよ?」
「え、えっと、それは、その……」
 そして一番不思議なのが、何やら顔を赤くしてもじもじするフェルトだ。
 なにやらえらく重たそうな荷物を抱えているが、はて……?

(あー、もう!! 緊張して上手く喋れない!! 色々プランあったのに!!)
 一方のフェルトは、完全にテンパッていた。
 この時に備えて徹夜でプランを練っていたのに、頭はもう真っ白だ。
 自分のどうしようもなさに顔が赤くなる。言葉が出ない恥ずかしさで倍増しだ。
「え、えっと……あっ、み、みんなお酒のおつまみにチキン食べてるわね~!」
「おいどうしたえらい棒読みだぞ」
「そ、その匂いが充満して、とっても美味しそうだわ~!」
「マジでどうした演技にでも目覚めたのか全然出来てねェぞ???」
「ほ、ほうっておいてちょうだい! 演技じゃないわよ!!!」
「えぇ……」
 思ったことをそのまま言ったら、なぜか逆ギレされて困惑顔のケンタッキー。
 ムードも何もあったものではない。フェルトは自己嫌悪に陥りかけた。
(ダメ、ダメよフェルト! せっかく彼を誘ったんだもの、諦めてはダメ!)
 弱気な自分を鼓舞する。ドラゴンに挑むよりもよっぽど勇気が要った。
「…………と、とりあえず食べましょう、か?」
「……おう」
「そ、それでね!!!!」
「おう。なンだよ急に大声出して」
「こ、これ! なん、だけど……」
「あぁ……?」
 そしてフェルトがおずおずと差し出した荷物は……出来たてのチキンだった。
 それがオブリビオンの成れの果てだとは、ケンタッキーは知る由もない。
 どうやら食べてほしいようなので、ケンタッキーはそれをむんずと掴んだ。
 そしてもしゃもしゃと食べる。スパイスが効いていて……美味い。
「ど、どうかし、ら……?」
「…………」
「……ケン様?」
「……旨ェ。上出来じゃねーか、これフェルトが作ったのか? ほかもくれ」
「えっ? え、ええと……は、はいこれ!」
 矢継ぎ早に質問されて、フェルトは目を白黒させていた。
 そんな彼女をよそに、ケンタッキーはもしゃもしゃと次々チキンを食べる。
 ちょうど飯時だったせいか、人形の制作作業で食事を抜いていたのもあってか、
 空腹という最高のスパイスを得たチキンは、想像以上に旨かった。

 ……そうして、ケンタッキーが夢中でチキンを平らげたあと。
「お前はよ」
「ふぇっ!? な、何?」
 ふと、ケンタッキーが口を開いた。
「こォして好物くれるし、気が利くし、イイやつだよな。ホントによ」
「えっ」
「ダチ想いだし……いやダチだけじゃなくて色んな奴を思いやってるよなァ」
「あの、ケン、様……? ど、どどどどうしたの? いえ嬉しいのだけれど」
「それによォ」
「ひゃいっ!?」
 フェルト、ケンタッキーに壁ドンされる! 顔と顔が近い!
「強ェし頼りンなるし、いい匂いもするし柔らかいし……いいヤツだよホント」
「ちょ、ケン様!? まさか……お、お酒の匂いだけで酔って……!?」
「は??? 酔ってねェが? ヒック」
「いましゃっくりしたわよね!?」
「だァから酔ってねェつってンだろうが! ヒック」
「それは酔っ払いのセリフよ!?」
 フェルトは困惑した。まさかケンタッキーがこれほどの下戸とは。
 この超近距離はそれだけで頭がフット―しそうになるし褒め言葉は嬉しいし、
 でもこんな酔いに任せて関係を進めてしまうだなんてふしだらな真似は……!
「全然酔ってねェよ。酔ってねェけど、お前いつにも増して可愛いな」
「だから完全に酔ってるわ!?」
「ギュッとしていいか? するわ」
「ひゃあああああっ!?」
 フェルトはケンタッキーに抱きしめられた。もう肩まで真っ赤だ!
 ケンタッキーはとろんとした目で、そんな彼女の赤面顔をじっと見つめた。
「………ン、お前……」
「こ、今度は何!? こ、ここここれ以上は」
「頬に弁当ついてンぞ、勿体ねェ」
「――えっ」
 柔らかい感触が、フェルトの頬に束の間触れた。
「え?」
「ご馳走サン。そのうち礼するわ」
「えっ?」
「しかし腹減ったな……ちと他の店も見てみるか」
「えっ???」
 ふらふらと飛んでいくケンタッキー。フェルトは頬を抑えてふらふらへたりこむ。
「い、いま、ほ、ほっぺ、ほっぺに、や、やわら……き、キキキ、キ……!?」
 もはやゆでダコ状態のフェルト! 目を回して……ばたり。
「おいフェルト、お前も店……フェルト? フェル…………し、死ンでる……!!」
 一命はとりとめたそうです。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

三咲・織愛
ヨハンくん(f05367)と

チッキン~チッキン~!楽しみですねー♪
あっ、いいですね。ムーくんを探しましょう!
一緒に食べた方がおいしいですもん
ヨハンくんから誰かを探しに行くって珍しいですねぇ

ムーくん、ハイホー!飲んでますか?
私達はこれからですよ。おススメの飲み物を教えてください!
いやですねぇ酔ってないですよぉ。まだ飲んでないんですからぁー!
でもたのしーーー!!
チキンのお皿いーっぱい持ってきてくださーい!

そうそう!私、もうすぐお酒が飲めるようになるんですよ!
その時はまた一緒にご飯を食べましょー!
……それにしても二人とも少食ですねぇ
もっといっぱい食べないと大きくなれませんよ?(口にぐいぐい詰め詰め)


ヨハン・グレイン
織愛さん/f01585 と

ムルヘルベルさんを探しましょう

見掛けたらすぐにエルフとの間に入ってもらいます
よかった……あなたに会えて
被害が無くなるとは思えないが多少は分散される筈
されるよな……? 酔っ払って騒ぎ立てて加害側に回るなんて事はない筈だ
俺は盾にしたいので本当にそこは頼みます

とりあえず席につきましょうか。座る場所は言わずもがな
いつにも増してテンションが高いな……まだ飲んでないも何も酒は飲まないでくださいよ

この人は永遠に酒を飲まない方がいいのでは……
ご飯だけならまぁ付き合わないこともないですが
……いや、前言撤回だ。食事くらい自分のペースでとらせて欲しい

俺は
一歩引いて見ますよ



●はたして賢者が緩衝材になるのは何度目でしょうか
「チッキン~チッキン! 楽しみですねーヨハンく……あれ?」
 上機嫌で街を歩いていた三咲・織愛は、後ろを振り向いて首をかしげた。
 さっきまでちょっと暗い顔で(注:これは織愛ヴィジョンによる補正がかかっており、実際はこの世の終わりみたいな顔をしていた)歩いていたはずのヨハン・グレインがどこにも居ない。
 一体どこへ行ったのだろうか? チキンが楽しみすぎて迷子になったとか?
「さすがにヨハンくんに限ってそんなことはないですよね~!
 よーし、いまのうちにヨハンくんのぶんも、たくさんチキンを確保しましょう!」
 織愛は持ち前のポジティブシンキングを発動し、店という店を巡ることに。
 居ても居なくてもプレッシャーを与える美少女エルフ、なんと恐ろしい……!

 で、そのヨハンがその頃どうしていたかというと。
「見つけましたよ、ムルヘルベルさん」
「おおヨハン、どうしたのだオヌシ。こんなところに来るなど珍……」
 鬼気迫る表情のヨハンの表情を見て、何かを察したムルヘルベル。
「……そうか、そういえばオヌシ、織愛に引きずられてここに来たのだったな」
「そうです。というか転移させたグリモア猟兵が忘れているとは」
「いやなんというか、いつものことすぎてスルーしておったというか……」
「では、俺がここに来た理由もわかりますよね」
 ヨハンは問いかけていたが、回答は有無を言わさぬ気迫があった。
 ムルヘルベルの肩をがっしりと掴み、どうあっても逃さない構えだ。
「オヌシまたひどい目に遭ったのだな……いやあやつも悪い者では」
「それは俺もわかっています。だからこそたちが悪いということも」
「そうであるなー、ワガハイもまったく同意見であるなそれは」
 ふたりは色々諦めた表情になった。決して、織愛が嫌いなわけではないのだ。
 むしろ彼女の天真爛漫さ、そして純真さはふたりにとってある種の光でもある。
 戦いでは(いろいろな意味で)頼りにもなる、邪険にしてはいない。
 ただ、そう……ただちょっと、話を聞いてくれないだけなのだ……!!
「俺はあなたを盾にしたいので、よろしくお願いします。本当に」
「オヌシいよいよ歯に衣着せぬようになったな!? いやまあよいが!」
「ヨハンくーん! あ、それにムーくんも~!!」
((来た……!!))
 ボソボソ話していたふたりは、織愛のほうを見た。覚悟を決めた表情である。
「あ、ヨハンくんはムーくんを探してたんですね? 珍しいですねぇ」
「……こういうときは察しが良いんですね、無駄に」
「まあまあ。やあ織愛よ、オヌシは楽しんでおるか? いや楽しんでおるなその顔」
「それはもちろんです! ムーくん、ハイホー! ですよー、呑んでますかー?」
「いきなり酔っ払いみたいな絡みしてきおったなこやつ……まあそこそこにな」
 ムルヘルベルはナティビアード氏族印のエール入りグラスを手に持っていた。
 織愛はチキンの山を手にふわふわと笑っている。ふたりは顔を見合わせた。
「「まさか……もう酔っているのでは??」」
「何言ってるんですかふたりともぉ~、私まだ19歳ですよぉ~~?
 お酒なんて飲んでないですからぁ、酔っ払うわけないですよぉ~~!」
「「酔っぱらいのセリフであるぞ(ですよ)それは」」
「だぁから~~、酔ってなんてないですぅ~~~」
 織愛は明らかに酔っ払った顔でへらへら笑いながら、ふたりの肩を掴む。
 す、すごい握力だ! 逃げるつもりははなから諦めていたが逃れられない!
「おい待て織愛、掴まんでよいから! 逃げたりせぬから!」
「ムルヘルベルさんなんとかしてもらえませんかあなた最年長でしょう」
「さあみんなでチキンを食べましょう~~~」
「オヌシも無茶を言うなヨハン!? あああもう引っ張るなあああー!!!」
「やっぱりこうなるのか……」
 この世の終わりみたいな顔で空を見上げるヨハンであった。

 で、そのあとどうなったかというと。
「そういえば私、もう少しでお酒が呑めるようになるんですよ~!」
「「……」」
「そしたらみんなで一緒に呑みましょうね~! ヨハンくんもそうですよね?」
「「……………」」
「あれれ? おふたりともどうしたんですか? ……あ、わかりました!
 チキンが足りないんですね! よーし、どんどん食べましょうね~!!」
「「モガガーッ!!」」
 口に山盛りのチキンを詰め込まれていたふたりは反抗した。
 だが織愛は笑顔で詰め込みまくる。あれっこういう拷問なかった?
(恨みますよムルヘルベルさん、盾になってくれるはずだったでしょうに……)
(えっこの状況でワガハイ恨まれるの? ナンデ???)
 ふたりはアイコンタクトで啀み合い、そして諦めた顔で遠くを見つめるのだった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミルラ・フラン
サギリ(f14676)と!

あたしは!しょうきに!もどった!!

さーてサギリ……飲むよ!!イェーイ!!
(ファビュラスから普通の派手ギャルに戻る)
チキンの山だ!これは大仕事だよ!ネギ塩レモンは酒の友!焼き鳥は塩!
いやー、これはあたしも別腹を用意せざるを得ないよ

あたしは肉に合わせて赤ワイン!
サギリ、これノンアルのお子様向けカクテルね。シャーリーテンプルってやつ
それじゃ、ハイホー!!
(軽く乾杯)
チキンが沢山確保できたってことは、あるんだよね!?肩小肉とかせせりみたいなレア部位も!
鶏肉を思う存分堪能して、ここぞとばかりに酒も飲んでくよ。
ははは、赤ワインは聖者の血液だからね。飲むと徳が高くなるんだよ


サギリ・スズノネ
ミルラお姉さんと!(f01082)

お仕事の後にはお腹がすくのです。宴大歓迎なのですよ!
ミルラお姉さん、チキンがいっぱいなのです。美味しそうなのですよ!
空腹のサギリには効果は抜群なのです!

お酒もおつまみもいっぱいありますねぇ。
サギリ、お酒はまだ飲めないですけどー、乾杯はしたいのです!

ミルラお姉さんはどのお酒を飲むです?
サギリ、ジュースどこかにないか探してみるのです。
一緒に、お姉さんと食べるチキンとかおつまみも、お皿を借りてひょいひょい取ってくるのですよ!
用意が出来たらお姉さんと「ハイホー!」って乾杯するのです!

ワインにそんな効果が……!?
すげぇのです、サギリも早く飲めるようになりたいのです!



●楽しい楽しいチキンパーティ(前半はなかったことになる)
「あたしは! しょうきに!! もどった!!!」
 街に戻ってくるなり、ミルラ・フランはドバーンと衣装を投げ捨てた。
 もうファビュラスでポケットなモンスターぶるのはここまでだ。
 いやそもそもアレは何か悪い霊が憑いていたんだ。ほら咎人殺しだし(要素拾い)
「ミルラお姉さん、やっと元に戻ったのですか!?」
「ええ、もう大丈夫だよサギリ。心配かけたね」
「大丈夫なのです! 割と正気のままだった気もするのですがそれは」
「あれは悪い霊の仕業だったんだよ。そういうことにしておいて」
「わかったのです! サギリは大人の事情も汲むいい子なので!!」
 サギリ・スズノネは全力で同意した。その時点で汲めていない気がする。
 まあともあれ、サギリもあのゴージャスな衣装を丁寧に畳むとミルラに返した。

「そんなことよりパーティだよパーティ! このために頑張ったんだ!」
「そうなのです! お仕事のあとにはお腹が空くのです……!!」
 サギリの目はギラギラしていた。なんなら口からよだれも出ているかもしれない。
 彼女はまがりなりにも美少女ヤドリガミなのでそのへんがご想像にお任せするが、
 とにかくそんな顔になっていそうなぐらい空腹だったのである。
「「宴だー!!」」
 ふたりはぴゅーんと街を駆け抜ける。そして一番盛り上がるチキン系の出店に!
 猟兵たちが狩ったケリチキターキーは、ここで調理されているのである。
 そこかしこからジュージューいい音がして、食欲をそそる香りがたちこめる!
「ミルラお姉さん、チキンが……チキンがいっぱいなのですよ!」
「そうだね、いやーこれはなかなか……」
「これはサギリのお腹にこうかばつぐんなのです!」
「サギリ?」
「いやむしろ効果四倍なのです!」
「サギリ! もうそれは終わったんだよ! ほらチキン!!」
「んがんぐ」
 手近なフライドチキンを口に突っ込まれ、サギリはおとなしくなった。
 ミルラはふうと額の汗を拭いつつ、お酒の出店もチェックしていく。
「もがもが……ごくん! ミルラお姉さん、これとても美味しいです!!
 ……って、もしかしてお酒を見ているのですか? どれも綺麗なのです!」
「うん、まずはこの赤ワインで乾杯しようかな。あ、サギリはこれね」
「? これは……お酒のようですが、お酒臭くないのです! お姉さん!!」
 サギリは赤いカクテルをくんくんと嗅いで首を傾げた。
「サギリはまだ子供だろう? ヤドリガミといっても体のほうがね。
 だからノンアルコールのお子様用カクテルだよ。シャーリーテンプルっていうの」
「へえー……これならサギリも飲めるのですね! やったー!」
 はしゃぐサギリの様子を見て、ミルラは口元に笑みをほころばせた。
「よし、それじゃあ何はともあれ」
「はいなのです! せーの――」
「「ハイホー!!」」
 ふたりは勢いよく、がちゃーん! とグラスを打ち鳴らした。
 そしてチキンを頬張り、くぴくぴと呑む。……旨い! 酸味と旨味の調和!
「ああ、このために生きていると言っても過言ではない……お酒、サイコー!!
 ねぎ塩レモンは酒の友! 焼き鳥には塩!! いやあたしワインだけど」
「このシャーリーテンプルも美味しいのです! 他にもジュースがたくさん!」
「じゃあお肉をあちこちで拝借しつつ、色々飲み比べてみよっか」
「はいなのです!」
 ふたりはお皿とグラスを手に持って、のんびり街を歩き始めた。

 ケリチキターキーは、全身ほぼすべてが余すところなく旨い貴重な鳥だ。
 肩小肉やせせりなど、貴重な部位もたっぷり旨味が詰まっている。
「ああ~……心がぴょんぴょんするなあ~」
「サギリはお酒は呑めませんが、どれもこれもドリンクによく合うのです!」
「うん、ちゃんとお肉に合うように爽やかな味付けのが多いねえ」
 ミルラはドワーフ印のエールやウィスキーなどもちょいちょいつまんでいたが、
 おもに呑むのは赤ワイン。彼女のその赤い髪にマッチしていた。
「そういえばミルラお姉さんは赤ワインが好きなのですか?」
「ははは、実はここだけの話だけどね」
 ミルラは周囲をわざとらしく伺うと、サギリにそっと耳打ちした。
「赤ワインは聖者の血液だからね。呑むと徳が高くなるんだよ」
「!!!」
「秘密だよ? これは重大なシークレットだからね」
「すげぇのです、サギリも疾く飲めるようになりたいのです……!!」
 嘘である。だが、サギリは色んな意味で純粋無垢な女の子であった。
 目をキラキラさせるサギリを肴に、ワインを楽しむダメな大人ミルラ。
「ふふふ、このあたしみたいにワインの似合う大人の女性になれるといいね」
「はいなのです! そのためにもタイプ相性を理解してバッジを集め」
「サギリ! それはもう終わったんだよ! サギリ!! めっ!!」
 狂気は、色濃く残っていた……!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カイム・クローバー
大量の鶏肉を小遣い稼ぎで仕入れたつもりだったが……ヤメだ。必要分だけ残して残りは街中に全部奢ってやる。必要なだけ持ってけ。遠慮は要らねぇ。残さず食えよ!

身も軽くなったトコでムルヘルベルを誘ってフライドチキンと様々な酒で祝杯と行こうぜ。
転移は結構頼んでるんだが、こうやって飲む機会ってのは山賊退治の頃以来か?そーいや、あの時も大宴会の最中だっけな。
話す内容は他愛ない話だ。調子はどうだい?とか猟書家の話とかな。仕事としてじゃなく酒のツマミの与太話さ。
お?そーいや、そろそろ魚も恋しくなる頃かと思ってよ。ワカサギ料理を街に頼んでたんだ。
そろそろ来る頃だ。さて、ワカサギに合う酒はどれになるんだ?賢者先生?



●伊達男の酒の楽しみ方
 戦いを終えたカイム・クローバーは、調達した肉をあっさりと寄付してしまった。
「よ、よろしいのですか? お代を……」
「ああ、最初は小遣い稼ぎのつもりだったけどな。気が変わった、ヤメだ」
 金貨袋を差し出そうとする商人を制し、カイムはひらひら手を振った。
「必要なぶんはちゃんと残してあるからよ。あとは奢りってことで楽しんでくれ。
 ただし、残さず食えよ? 遠慮して残したりしたらもったいねえからな!」
「おお……なんと気前のいい冒険者でしょうか。ありがとうございます!」
「いいっていいって、それじゃあな」
 カイムは苦笑して歩き出す。商人はその気っ風のよさに感服した。
 気分次第で宵越しの銭も放り捨てる。実に、気持ちいい伊達男ぶりであった。

 そうして荷物を減らしたカイムは、のんびりと街を散策していた。
 ちょうど出店が一番集まる広場に来たところで、彼は賢者を見つける。
「お。見つけたぜムルヘルベル、楽しんでるか?」
「……む。カイムではないか。うむ、楽しませてもらっておるよ」
 グラスを手にしたムルヘルベルは、カイムに手を挙げて挨拶する。
「なんだか懐かしいなあ。こうやって呑むのはあの山賊騒ぎの時以来か?」
「たしかにそうであるなあ。あれも、ガラットの絡みであった」
「何かと宴に縁があるねえあのドワーフは。ドワーフらしくていいこった」
 ふたりは軽く拳を打ち付け、そして互いのグラスを鳴らし乾杯とした。
 ドワーフ印のエールは心地よく喉を通り抜け、肉の脂身を取り除いてくれる。
「色々話したいことがあってな。ほら……最近は色々きな臭いだろ」
「猟書家のことであるな。この世界もじきに脅威に見舞われるであろう」
 ふたりが話している頃は、まだ予兆が見いだされていなかった頃だ。
 この宴会からほどなくして連中が姿を表すことを、まだふたりは知らない。
 だがグリモア猟兵として、ただならぬ気配を感じてはいたようだ。
「今回のように、オヌシらの力を借りるときもあろう。その時は――」
「よせよムルヘルベル。話を振っておいてなんだが、仕事の話がしたいんじゃない」
「? というと?」
「もっと気楽に、酒のつまみ代わりの話がしたいのさ。だって宴会だぜ?
 グリモア猟兵としてじゃなく、ひとりの猟兵として聞かせてくれよ。なあ?」
「……なるほど」
 ムルヘルベルは何やら頷くと、持っていたグラスを一気に呷った。
「連中なあ、気に入らんことこの上なし! なにせ猟書家、であるぞ?
 このワガハイを前にして、書を使い悪事をなすとは言語道断である!」
「っはは、そんなこったろうと思った」
「そりゃ当然である。全員さっさと滅ぼしたくて仕方ない」
 ぐびぐび酒を呷るムルヘルベルの本音に、カイムは肩を揺らして笑う。
 書を封じ書を力とする魔術師として、思うところがあるだろう。
 ……と、カイムはなんとなく察し、リラックスさせてやったのだ。
「まあ安心しろよ。あんたが予知をするなら、俺が代わりに力になってやる。
 この便利屋Black Jackの力が必要なら、いつでも依頼してくれて構わないしさ」
「ああ。連中も震え上がるであろうな。オヌシの力を目の当たりにしたら」
「お世辞は嬉しいが、俺は依頼料のサービスはしない主義だぜ?」
「ワガハイも世辞は言わぬよ。心からの本音だ。酒の席、であろう?」
「……こりゃ一本取られたな」
 カイムは苦笑して肩をすくめる。そこで、ちょうど鶏肉が尽きた。
「あー、そうだ、そろそろ河岸を変えないか? 実はワカサギも調達しててな」
「ほう、魚か! それもよい。肉ばかりだと口が変わらぬからなあ」
「せっかくだ、ワカサギに合う酒を教えてくれよ? 賢者先生」
「おいおい、意地悪の仕返しであるか? 食えない男め」
 運ばれてきた料理をつまみつつ、酒飲みたちは笑いあった。
 男同士の、リラックスした他愛ない一時。戦いの合間の、休息の時間である。

大成功 🔵​🔵​🔵​

茜崎・トヲル
はいほー!(ごっきゅごっきゅ)うめえー!
お酒もいーけど料理もねえ、ぜんぶ味みたいからぜんぶ食うぜー!
そのまえにガラットさんとのみくらべしよっと。
ジョッキじゃちょっとしか飲めないしタルでいこーぜ!
(ごっごっごっごっごっ……)あれ、ガラットさんねちゃった?
つかれてたんだねえ。ゆっくりやすんでいってね!
んーと(きょろきょろ)あー! 賢者のひと! おーい!
こんにちは! こんにちは! いつもすごい依頼とかヘンな依頼とかありがとう!
お礼っていったらなんだけど、これどーぞ!(山盛りチキン)(酒樽)
いっぱい食べておっきくなってね!(あんたがおとなだっておれは知らないから。こども相手みたいな態度でごめんね!)



●うわばみどころの話でなく
「「はいほー!!」」
 がちゃーん! と、上機嫌で乾杯する茜崎・トヲルとガラット。
 そしてお互いぐびぐびとエールを呷り、ぶはー! と酒臭い息を吐いた。
「うめえー! お酒もいーけど料理もねえ、ジューシーでうまいなー!」
「いやまったくじゃ! 空腹は最高のスパイスとよく言ったもんじゃのう!」
 山盛りのチキン、そして酒瓶。完全にご機嫌な宴会である。
「ぜんぶ味みたいからなー、ぜんぶ食うぜー! お酒ものむぞー!」
「このワシを前によくぞ言った! 飲み比べでもしようではないか!」
「おー! しょーぶだガラットさん! あ、でもそれだとちょっとサイズがなー」
「は? サイズ???」
 ジョッキに二杯目を注いでいたガラットは、兜の下できょとんとした。
 トヲルはなにやら席を離れると……とんでもないものを持ってきた!
「よいしょっと! よーし、これで準備おっけーだ!」
「って待てぃ!? お前さん、まさか樽で呑むつもりか!?」
「? そーだけど? ガラットさんのぶんもあるよ?」
「えっ」
「のみくらべだもんな! それじゃあよーいどんでのもーぜ!」
「え、いや樽はさすがに」
「よーい、どん!!」
 ぐびぐびぐびぐび。トヲルは樽を傾けて恐ろしい速度で酒を飲んでいく。
 ポンプめいてうごめく喉。一体どうやって体に詰め込んでいるのか。
「……え、ええい! ワシから売った勝負じゃ、やってくれるわー!!」
 やめておけばいいものを、負けず嫌いなガラットはもうひとつの樽を掴んだ。
 ドワーフの怪力で樽を傾け、目を白黒させながら飲み比べに挑む……。

 ……しばらくあと。
「……ぷはー!! これで五樽目ー! ってあれ、ガラットさん?」
 空っぽの樽をずしんと脇においたトヲル、ガラットはぶっ倒れていた。
 周りにはこぼれた酒が散っており、盛大にいびきをかいている。
「んごごごご……ぐがー……」
「あれぇ? ねちゃったかー。つかれてたんだねえ、ゆっくりやすんでいってね!」
 誰がどう見ても酒で酔い潰れたのだが、トヲルは気付いていない。
「……おいオヌシ、一体何をやっておるのだ」
「あ、賢者のひと! のみくらべしてたんだー!」
「飲み比べ? 酒を限界まで呑ませる拷問か何かではないのか……?」
 やってきたムルヘルベルは、樽まみれの周囲を見渡し怪訝な顔をした。
「え? そんなことしてないよ? それよりさー、おれさー!」
「お、おう……?」
「賢者のひとにお礼したかったんだ! いつもいろんな依頼くれるからさー!」
「そうであるな、ワガハイもオヌシの力を何度も」
「ヘンな依頼もあるよなー! エロ本とか!」
「その話はよせ(真顔)」
「アッハイ」
 さしものトヲルも、賢者のオーラには若干気圧された。
「とにかくさー! 賢者のひとには、はい! これ!!」
 どん!! 気を取り直してテーブルに置かれたのは山盛りのチキン。
 もちろん、用意した樽も一緒である。ムルヘルベルは思わず交互に二度見した。
「え? これワガハイに食え&呑めと?」
「うん! いっぱい食べておっきくなってね!」
「いやワガハイもう成長期は過ぎておるというかそもそも量がだな」
「え! おとなだったの!? じゃあもうちょっと量ひつよーかなー!」
「ワガハイの話を聞けー!?」
 結局、ふたりでもりもり食べることになったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎・ムルヘルベル登場お任せ

はぁい、はいほー。
前回はカニとお魚、今回は鳥料理の食べ放題に飲み放題。
うふふ、ガラットちゃんの依頼は役得多いからいいわよねぇ。

(見た目に似合わぬ健啖と蟒蛇を全開に、るんたかと大量の料理と種々雑多な酒で店開き状態。
そして当然のように抱えられている「悪魔殺し」。もはや代わりどころか完全にチェイサーとして飲んでいる。もう酒気だけで人殺せるんじゃないかなこれ)
え?大丈夫なのかって?癖ないから口の中すっきりしてリセットにちょうどいいのよぉ?
あたし酔わないから水と大差ないし…なにより水より美味しいもの。こっちのがいいわぁ。
…呑んでみる?美味しいわよぉ?


銀山・昭平
食べ物がいっぱい食べられるお祭りはやっぱり最高だべ!
いろんな地方の料理に、お酒、そしてみんなでわいわい騒ぎながら食べるのは最高だべ!

おらもサムライエンパイアから持ち込んだ焼酎に、酒によく合うするめやら干し貝柱に魚の干物やら、或いは枝豆も茹でたりして、色々と他の参加者たちにも勧めたり、ドワーフたちの酒も色々飲み比べたり、竜田揚げやら唐揚げやら焼き鳥やら、鶏肉料理に舌鼓を打ったりして楽しむべ、ハイホー!!

(最終的にドワーフたちと飲み比べして他のドワーフが酔いつぶれてる中、豪快に樽ごと酒を飲んでガハハ笑いのおやっさん)


グラース・アムレット
●プレイング
連携アドリブ歓迎

ハイホー!(乾杯!)(ガラットさんの音頭に合わせて)
なんだか楽しそうな祭りの様子にふらふらり
いきなりご相伴に与っても大丈夫です?

寒い場所に、あったかいターキーとお酒🎵 うんうん、至福の時間ですねぇ
ドワーフの方たちに地方料理や地酒といったオススメのモノをいただきたいなぁ
もちろんタダでとはいいません~
ドワーフの人たちの似顔絵や、お祭りの様子を描き留めたりして……お礼になるかは分かりませんが、どうぞ~
楽しそうな、嬉しそうな、ちょっとした表情が描写できていたらいいな
ムルヘルベルさんや猟兵さんたちも描いて大丈夫です?
ふふ、綺麗な、穏やかで優しい色合いをなさっていますね



●そして宴は続いていく
「「「「「はいほー!」」」」」
 がっちゃーん、と小気味いい乾杯の音。そしてぐびりと一杯。
 ひとしきり飲んでぷはーっ! と溜息を漏らす。酒飲みの至福の時である。
「いやはや、今回もお前さんたちに助けられてしまったのう。感謝感謝じゃ!」
「ふふ、こっちこそ役得をまた味わわせてもらっちゃってるからいいのよぉ。
 前回はカニとお魚、今回は鳥料理の食べ放題に飲み放題、最高よねぇ」
 ドワーフの戦士ガラットの感謝に、ティオレンシア・シーディアは笑った。
 ガラットが絡んだ冒険はこれで三度目、そしてすべてが宴会尽くしである。
 もはや顔なじみとなったティオレンシアは、ご満悦な顔で酒を呷っている。
「そうだべそうだべ、お祭りに水臭いことはいいっこなしだべよ!
 旨い飯に旨い酒、そしてみんな楽しく騒いでればそれでオッケーだべさ!」
 ガラットと同じドワーフの銀山・昭平も、ヒゲを濡らしてご機嫌だった。
 彼の周囲にはすでに何本も空き瓶が転がっているが、顔色は平気なままである。
 さすがはドワーフというべきか、彼が人一倍ザルというべきか。
「私はなんだか楽しそうな空気につられてふらふらりと来ちゃいましたけど」
「なに、それこそ言いっこなしであろう。ワガハイも似たようなものである」
「うふふ、そう言ってもらえると嬉しいです。乾杯までご相伴に与ってしまって」
 樽型のジョッキを両手で持ち、グラース・アムレットがにこにこと笑った。
 そんな彼女の隣では、グリモア猟兵のムルヘルベルも酒を飲んでいる。
 少年めいた賢者と少女めいた絵師が並ぶと一瞬ぎょっとしてしまうものだが、
 もちろんふたりとも大人である。この平和な酒盛りを心から楽しんでいた。
「そう、祭りはよいことである。よいことなのだが……なあ、オヌシら」
「あらぁ、あたしたちがどうかしたかしらぁ?」
「なんか変なとこあったべさ? あ、ひょっとして焼酎が呑みたいべか!」
 と、怪訝な様子のムルヘルベルに対し、首を傾げるティオレンシアと昭平。
「いや~、ムルヘルベルさんが言いたいのはそういうことではなくてー……」
「そうじゃな。……お前さんたち! どんだけ呑むんじゃ!? しかも、それ!
 ティオレンシア、前のときもそうだったが、お前さんの呑んでる"それ"な!
 悪魔殺しじゃぞ!? ナティビアード氏族の酒で一番キツいやつなんじゃぞ!?」
 あはは、と苦笑いするグラースの言葉を、ガラットが次いだ。
 そして昭平の周りに転がる無数の酒瓶と、ティオレンシアのジョッキを示す。
 悪魔殺し――仰々しいその名の通り、ほぼアルコールという超やべー酒である。
 現実で言うと、スピリタス的な、まあそういう感じの酒飲み殺しの劇物だ。
 ティオレンシアはいつものにこにこ笑顔で、それをるんたか呑んでいる。
「え? 大丈夫なのかって心配してるのかしらぁ?」
「みんな心配性だべなあ、このぐらいの量はまだ朝飯前だべ」
「そうよぉ。それにこのお酒、口の中さっぱりするからちょうどいいしぃ」
 ねー? みたいな感じで顔を見合わせて頷くウルトラ酒飲み二名。
「いやさっぱりというか、それアルコール消毒してるようなものではないか……?」
「つ、強い人はとことん強いですからね、恐ろしいです……」
 さしものムルヘルベルとグラースも、だいぶ圧倒されていた。
「ほしいのかしらぁ? だったらちょっと分けてあげるわよぉ?」
「おらの持ってきた焼酎も自慢の品だべ! 混ぜてみるとかどうだべ?」
「おいやめろ気軽に人を殺そうとするなである」
「こんなところで殺人事件起こすつもりかお前さんたちは!?」
「えっ、そ、そんなに強いんですかあのお酒」
「この匂い立つひときわ強い酒気でわかるじゃろ?」
「……うーん、たしかに……ほんとに恐ろしいですね」
 やめろやめろと必死で制するムルヘルベルを見つつ、ガラットの言葉にぞぞっと震えるグラースであった。

 とまあ、そんな騒ぎはさておき。
 次から次へと美味しい料理が続々届く、楽しいパーティ会場。
 そこにナティビアード氏族のドワーフたちも合流して、いよいよどんちゃん騒ぎの様相を呈してきた。
「枝豆茹でたべよー! 魚の干物もあるべさー!」
「あらぁ豪勢ねぇ、鶏肉もいいけど他のおつまみも欲しいところだったわぁ」
「ふーむ、食い物もよいが、ここは何か芸の一つでもほしいところじゃな!」
 とかなんとか、ガラットが言い出したからさあ大変。
 ドワーフたちはそうだそうだと大合唱を始める始末である。
「え? なんだべ、おらが裸踊りでも」
「オヌシなんでいちいちテロの方向に走ろうとするんであるか???」
「酒盛りといったら定番だべ!?」
「だからやめろっつってんであるよもう!!」
 ふっつーに脱ごうとした昭平を慌てて止めるムルヘルベル。
 そんな騒ぎの中、何やらグラースはじっと黙っていた……かと思ったら。
「はい、出来ました! どうでしょうか~」
「「「「おおっ?」」」」
 と、グラースが見せたのは、まさに今この瞬間描きあげた一枚の絵。
 ドワーフたちが、街の人々が、ムルヘルベルやティオレンシア、昭平が楽しく飲んで食べて騒いでいる、ありふれた酒宴の、しかし生き生きとした絵だ。
「ほう、オヌシやるではないか! この速度でなんという見事な絵を!」
「ふふ、ついつい描いちゃいました。大丈夫でしたか~?」
「当然よぉ、むしろ嬉しいわぁ。ガラットちゃんもよく賭けてるわねぇ」
「え、これワシ!? いやワシはもっとこうムキムキで最強っぽくじゃな!」
「うーんと、こんな感じでしょうか?」
 シャッシャッと、ガラット(の妄想する最強の本人)を描いてみせるグラース。
「こ、これじゃ! これこそ"無敵の"ガラットにふさわしい! ひゃっほーう!」
「無敵と聞いては黙ってられないべ! ドワーフ同士飲み比べで勝負だべさ!」
「よかろう! いまのワシは阿修羅をも凌駕するぞい覚悟せえー!!」
 で、そのままハイテンションに昭平と飲み比べ対決なんぞ始めたりした。
「ムルヘルベルさんやティオレンシアさんも、似顔絵描かせてもらえませんか?
 私、こうやって楽しい風景を書き留めるのが好きなんです」
「大歓迎であるとも!」
「なんだかもらってばっかりねぇ、今日は本当に役得だわぁ」
 ぽやぽや嬉しそうなティオレンシアやムルヘルベルを見て微笑むグラース。
「ムルヘルベルさんの色は、きれいで、穏やかで優しい色合いですね。
 ……それにこの風景も、みんな笑顔で、平和で。描くのがとても楽しいです」
「そうであるなあ。これもまた、勝利の報酬といったところか」
「ムルヘルベルは戦ってないでしょお?」
「それは禁句であろうが。オヌシ時々グサリとすること言うのであるな……」
「……ふふふっ」
 宴の騒ぎをBGMに、グラースは思うまま筆を走らせた。
 穏やかでありふれた、けれども大事な平和な一時を、少しでも形にして残せるようにと。
 酒宴はまだまだ続く。それが、何よりの報酬であり喜びなのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月07日


挿絵イラスト