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THE LOSER

#クロムキャバリア #グラン=ルベレア戦争

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#クロムキャバリア
#グラン=ルベレア戦争


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●敗北者
「……ここは……」
「目覚めたかい。フリス君」
 白い天井、白い壁。何本ものチューブと、様々なデータを取る機械がその青年に繋がれている。
 青年の隣に座る白衣の男は、主治医といったところだろう。優しい言葉をかけるが、どこか無表情にも感じられた。
 ここはクロムキャバリアの小国『グランドール』の軍基地。その内部に併設された医療施設であった。
 青年『フリス』は、先日の国境防衛戦において、国境警備隊として国境線の監視任務にあたっていた。
 その日、隣国ルベレアの勇将、ロアルーム大佐率いる軍勢により国境警備隊は崩壊、フリスもその際に意識を失う程の重傷を負って、基地へと送還されたのだ。
「……あぁ……あ……」
 フリスの脳裏に、あの時の光景がよぎる。
 突然の砲撃に、成す術もなかった。仲間の機体が爆発してゆく中、逃げることも進むことも出来ず、気が付けばコックピットから投げ出され。辺りは火の海に染まっていた。
「……ラング、ハーディ……あいつらはどうなりました?」
 何かを覚悟しているかのように、恐る恐るフリスは医者に問う。医者はまっすぐフリスを見つめながら返す。
「……残念ながら。あの時キャバリアに乗っていた隊員は君を除いて全員……」
「……あぁ、そう、ですか」
 フリスはそう一言呟いて、目を閉じた。

●復讐者
 国境線の戦いは『猟兵』という存在によって勝利を収めたのだという。
 侵略戦争を仕掛けたロアルームを始め、その配下の多くは生存し、現在は捕虜収容所に収監されているとも聞いた。
 ……俺の友は皆死んだのに、何故敵国のあいつらは今ものうのうと生きていられるんだ?
 俺達は一体何なんだ?
「驚異的な回復力だ。君になら……あれを任せても良いだろう」
 そんな疑問を持っていることなど知りもしないで、医者は無表情に笑う。包帯の下の火傷痕はまだ残っているのに、医者に伴って歩く軍人が、俺をキャバリアのハンガーへと歩かせた。
「……これは」
「最近調達した最新のキャバリアだ。君にテストパイロットを行ってもらいたい」
 細身のボディに、分離型のビットが背面に収納されている。スマートでスピードタイプのような形状だが、その癖、マニュピレーターには巨大な剣を携えていて少々不釣り合いだ。
「テスト期間に満足な結果が出せれば、そのまま正式パイロットとしても良い」
 この機体を俺が?
 しがない警備隊員の死に損ないが、最新鋭機だなんて、軍はいよいよどうかしている。
 だが、これはチャンスだと思った。
「どうだ? この任務を受けてくれるかな?」
「えぇ、勿論。その任務、受けさせて頂きます」

●そして、狂気へ
「クロムキャバリアの小国『グランドール』にて再び事件が起こりましたわ」
 猟兵達を集め、エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)が静かに告げた。
「グランドールは先日、オブリビオンマシンに侵された一団に国境線を襲われ、隊員に少なくない被害を被りましたわ。そのうちの生き残りが、今度はオブリビオンマシンの狂気に侵されてしまったんですの」
 クロムキャバリアでは数千にも及ぶ小国同士が、プラントの奪い合いを行っている。グランドールと隣国ルベレアもまた、過去にプラントを奪い合っており、現在は一旦の決着がついた状態であったはずだった。
「けれど、先日の『グランドール国境防衛線』の結果、両国はいまや一触即発。互いに牽制をしあいながらも、国内で密かに軍備を整えはじめたと言われていますわ」
 そうしてグランドールが調達したキャバリアがオブリビオンマシンとなってしまった……というわけだ。
「搭乗者は国境警備隊員であったフリス、という青年ですわ。キャバリアの腕は正直言って良いとは言えないけれど、今回最新鋭機のテストパイロット、ひいては正式パイロットとなるよう抜擢されたようですわ」
 何かしらの意図を感じなくもない采配だ。だが、猟兵達にとっての問題はあくまでオブリビオンマシンだ。エリルは搭乗者の抜擢理由などは省略した上で、オブリビオンマシンの状況を説明する。
「オブリビオンマシンの名は『セラフィム・リッパー』。天使の輪、光の翼を携えたサイキックキャバリアですわ。セラフィム・リッパーはどうやら、国内の捕虜収容所を目指していると予知しましたの」
 捕虜収容所には、国境防衛線の首謀者『ロアルーム』をはじめとした、多くのルベレア兵が収監されている。狂気に囚われたフリスは、彼らを狙っていると考えてよいだろう。
「ですから、皆様にはセラフィム・リッパーが収容所に到達する前に彼と戦い、止めて頂けるかしら?」
 そう言って、エリルは猟兵達に向き直る。
「……けれど、それで終わりと油断してはいけませんわ。どうやらこのオブリビオンマシン……何か機能を隠しているようですわ」
 それが何かは、予知では判明しなかった。だが、ただ撃破するだけでは済まなさそうだと猟兵達は気を引き締めるのであった。
「さぁ、行きますわよ。再びのクロムキャバリア。このような戦いがいつか、この世界に平和を取り戻すのだと信じて!」
 そう言って、エリルのグリモアが輝き始めるのであった。


G.Y.
 こんにちは。G.Y.です。
 クロムキャバリア、グランドールを舞台にした物語の第2幕が始まります。
 こちらのシナリオは前作『吹き荒ぶ悪夢(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=28878)』の続編となりますが、今回必要な要素はオープニングに記載しておりますので、読んでいただく必要はありません。
 勿論読んで頂ければどのような物語となっているか深くご理解いただく一助となると思いますので、お手すきであれば是非お読みいただければ思います。

 第1章では『セラフィム・リッパー』との対決です。
 元国境警備隊員フリスは、キャバリアのテスト搭乗の折にオブリビオンマシン化した機体の狂気に晒されてしまいました。
 結果として、軍部の命令を無視してキャバリアを起動させ、暴走。捕虜収容所に収監された人物に対し復讐を遂げようとしています。
 搭乗者に呼びかけを行えば、何らかの効果があるかもしれません。

 第2章以降は各章毎に説明いたします。

 それでは、再びのクロムキャバリア。皆様のプレイングをお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『セラフィム・リッパー』

POW   :    断罪の剣
【無敵斬艦刀】が命中した対象を切断する。
SPD   :    エンジェルビット
自身が装備する【BS-Fクリスタルビット】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    フォールンウイング
【光の翼】を向けた対象に、【プラズマビーム】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セフィリカ・ランブレイ
意味のない復讐だけはさせられない
止めなきゃね

『同型とやりあった時には牽制が限度だったわね』
シェル姉……相棒の魔剣が記憶を反芻する
操縦者次第だけど、強敵なのは確かだね

なら、切り札だ

『初手から?』
高速を生み出す軽量級ボディと、機体を自壊させる程の高出力
そんな機体全体を魔力で保護し無理やり稼働させる私専用機
操縦中は繊細な出力調整と全力の魔力放出が必要で、稼働時間整備性諸々無視し、戦闘力を追求した機体
魔力調整をシェル姉と分担し動かせる暴れ馬だ

『5分以上戦うと私もセリカも魔力切れ。機体もオシャカよ、わかってるわね』

こいつの加速力なら、ビットの動きにもついていける
【月詠ノ祓】で、纏めて切り落として反撃だ!



 小国グランドール。冬は激しい雪に覆われる北国でありながらも、豊富なプラント資源のおかげで人々は飢えることも凍えることもなく、人々は豊かに暮らしていた。
 だが、街中はどこか閑散としていて、うすら寒い空気が漂う。舗装されきっていない道路には、ところどころに深い車の轍があり、そこに溜まった雨水――もうじき氷が張るだろう――を、キャバリアの脚が踏み抜き、泥のしぶきをあげた。
「どこだ、どこだ、どこにいる……!」
 オブリビオンマシン『セラフィム・リッパー』を駆る青年、フリスは、そのキャバリアの脚にこびりついた泥など気にする様子もなく、まっすぐに街中を走らせていた。
 目指すは捕虜収容所。そこに、彼の『目的』がある。
「どこに――!?」
 レーダーに小さな影が映った。彼の正面に、立ちふさがる者がいる。
 5メートルのオブリビオンマシンにしてみれば、ちっぽけな『人間』であった。
「意味のない復讐だけはさせられない。……止めなきゃね」
 赤の華やかな礼装に、無垢な白色の鎧。真紅のマントと長い金の髪を風に躍らせ、その少女セフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)はオブリビオンマシンを見上げながら呟いた。
『同型とやりあった時には牽制が限度だったわね。セリカ』
 その周囲でセフィリカは違う女性の声が響く。セフィリカを愛称のセリカと呼ぶその声の主は、セフィリカの腰に下げた蒼い剣。
「シェル姉……」
 セフィリカが蒼い剣をそう呼んで頷いた。『彼女』は意志を持つ魔剣シェルファ。二人の中で苦々しい記憶が蘇る。操縦者が違えど強敵であることに、間違いはない。だが、それで怯むような二人でもない。
「なら、切り札だ」
『初手から?』
 シェルファの問いに、セフィリカが頷く。一切迷いのない表情だ。その表情に、シェルファも覚悟を決めたようであった。
 戦場に魔力が渦巻く。そして呼び出されたキャバリアは、セラフィム・リッパーにも勝るとも劣らない細身の機体であった。
「高速を生み出す軽量級ボディ、機体を自壊させるほどの高出力……」
 セフィリカは機体のコックピットに身を預けながら、自身の機体を評価する。彼女の言う通りであれば、欠陥も甚だしいが、彼女はそれを自身の魔力で保護し『無理矢理』稼働させる。
「そこを……どけぇ!」
 フリスがエンジェルビットを無数に射出する。
 ビットはセフィリカの機体を包囲すると、一斉にビームを発射した。
「……!?」
 だが、そこに既にキャバリアの姿は無かった。直後、無数のビットがすべて真っ二つに斬り裂かれ、小さい爆発が起こる。
「……うしろっ!?」
 レーダーの警告に、フリスが振り返る。正面にいたはずのセフィリカの機体の姿がそこにあった。
『5分以上戦うと私もセリカも魔力切れ。機体もオシャカよ、わかってるわね』
「わかってるって」
 それは繊細な魔力調整と、全力の魔力放出。相反するような二つの魔法技術の賜物であったと言える。
 そうまでして戦闘力のみを追求したその機体は、セフィリカとシェルファの二人がいるからこそ稼働が実現する、まさに暴れ馬なのだ。
「このおおっ!!」
 フリスが再びビットを射出する。だが、究極の速度を誇るセフィリカの機体の前では、狙うことすら許されない。
「こいつの加速力なら、ビットの動きにもついていける……!」
 一閃! 携えた剣が、ビットごとフリスのセラフィム・リッパーを切り裂いた。
「くううっ!! 邪魔をするな! くそぉ!!」
 その速度に翻弄されるフリス。しかし、装甲に深い傷を刻まれながらも、狂気はまだ彼を蝕んでいる。戦いは、まだ始まったばかりだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・フォーサイス
今度はグランドール側か。どこにもオブリビオンは現れるんだね。そして、猟兵はオブリビオンの敵ってわけだ。

ブライダルベールの花びらと共に登場するよ。
「キミに幸福を届けに来たよ。」

クリスタルビットを全然使いこなせてないね。そんな拙い操作じゃあ、ぼくを捕まえられないよ。

ビットや大鎌を使って、逆にクリスタルビットを落としていくよ。

そしてコックピットを傷つけないように、機体を切りにいくよ。


バーン・マーディ
……鉄騎を駆り戦う世界か
どの世界でも我が在り方は変わらぬ
我はバーン・マーディ
ヴィラン…悪である

…?マーズよ…貴様…何を感じておる…?

UC発動

正面から激突
【戦闘知識】
観察しながらコックピットの位置の把握
【武器受け・オーラ防御】でダメージ軽減

呼びかけ
我は復讐を否定しない
復讐もまた悪故に
貴様が悪を貫くならそれも良い
今貴様は正気か?
(正気でないと叫ぶなら
それと同じものをロアヌームは駆りああなった
貴様は貴様の仲間を殺したものと同じものを駆っているのだ
(己から言う事はここまで

【切り込み・カウンター・二回攻撃・怪力】
距離を詰め攻撃には反撃で高まる力のまま切りかかる
コックピットは避けてフリスの安全確保



 オブリビオンマシンと猟兵がぶつかり合う。傷を受けたフリスのセラフィム・リッパーであったが、その勢いはまだ衰えていない。
 そんな戦場に黒い鎧を身に纏った男が現れた。血のように真っ赤なマントをなびかせる男、バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)はセラフィム・リッパーを見上げて呟く。
「……鉄騎を駆り戦う世界か」
 だが、とバーンは顔色を変えずに言葉を続ける。
「どの世界でも、我が在り方は変わらぬ」
 その言葉と共に、バーンが一歩前に出ると、強い覇気が放たれた。ビリビリと戦場に空気が張り詰め、空間が歪み始める。
 そして、虚空よりバーンの駆る神機『マーズ』が姿を現した。
「キャバリア……? なんだよ、なんなんだよ!!」
 フリスは苛立ちを隠さずに叫ぶ。マーズに搭乗したバーンは、静かに告げた。
「我はバーン・マーディ。ヴィラン……悪である」

「悪だと……ふざけんな!!」
 フリスが斬艦刀を振り上げる。それをいなしながら、バーンはある違和感を覚えていた。
「……?」
 マーズの様子がなにかおかしい。バーンはコックピットの中でマーズへと問いかけた。
「マーズよ、貴様……何を感じておる?」
 フリスの斬艦刀を、同じく巨大な剣で受ける。だが、その正体は掴めないまま、フリスは続けざまに攻撃を繰り出してくる。
「……仕方あるまい」
 バーンは、違和感の正体を掴めないまま敵へと向く。コックピットの位置を避けるように刃を振り上げた。
「悪とされたる者達よ。正義という暴力に蹂躙されし者達よ。我はバーン・マーディ。我は今ここに宣言しよう。悪には悪の…正義があると!」
 マーズが禍々しいオーラを纏う。それに伴い、圧倒されるほどの強いエネルギーをフリスは感じ取った。そのオーラに怯みながらも、フリスは叫ぶ。
「やらせるかよぉ!!」
 フリスビットを射出した。無数のビットはマーズを取り囲むように展開し、避ける場所すら失わせる。
 しかし、その瞬間。ふわりと花びらが舞った。花びらは高速で回転すると、次々ビットを切り裂き、落としてゆく。
「今度はグランドール側か。どこにもオブリビオンは現れるんだね」
 どこからともなく、声が響く。
「そして、猟兵はオブリビオンの敵ってわけだ」
 それは空から舞い降りるかのようで、最初からその場にいたかのようで。
 妖精のような羽根を背負い、花びらが舞う白い女性のようなフォルムのキャバリアが、突如戦場に現れ、こう告げた。
「ブライダルベール。キミに幸福を届けに来たよ」
 そしてキャバリア『ブライダルベール』を駆るアリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)は、にこやかに笑うのであった。

「たかが一体増えたところでぇっ!!」
 フリスが再びビットを飛ばす。狙うはアリスのブライダルベール。だが、花びらのビットはそれを軽々と牽制しながら、アリスの思ったように誘導させられる。そしてビットが集まったところでアリスは大鎌を振い、一気に斬り落とす。
「クリスタルビットを全然使いこなせてないね。そんな拙い操作じゃあ、ぼくを捕まえられないよ」
「ち、畜生!!」
 ふふんと得意げに笑うアリス。その言葉に、フリスが激昂する。
 事実、フリスの操縦技術は特段優れたものではない。それでも猟兵達と渡り合うことが出来ているのはオブリビオンマシンのマシン性能に由来するところが大きい。それ故に、技量が試される技や武器は、猟兵によって容易に見切られてしまうのだ。
「畜生! 畜生! 畜生!!」
 ガンとコンソールを叩くフリスに、通信が入る。それは、バーンからによるものであった。
「我は復讐を否定しない。復讐もまた『悪』故に」
「……?」
 その言葉の意味を推し量るフリスに、バーンは言葉を続ける。
「貴様が悪を貫くならそれも良い……が」
 バーンの言葉が歪み、何重にも重なって聞こえるような気がした。まるで核心を突かれたかのように、フリスの心を揺れ動かす。
「今、貴様は正気か?」

 言葉に詰まった。自分は正気である。あるはずだ。なのに、何故、その『当然』が揺らぐのだ。
 言葉を詰まらせるフリスに、バーンは言葉を続ける。
「それと同じものをロアルームは駆り、ああなった」
 ロアルーム。それはフリスにとって憎い相手の名だ。
「貴様は貴様の仲間を殺したものと同じものを駆っているのだ」
 そこまで言って、ぶつりと通信が途切れる。
 一人になったフリスは、絞り出すように言葉を紡ぎ、叫んだ。
「……だから、だからなんだっていうんだ!!」
 クリスタルビットが射出される。まるで無秩序で、駄々をこねる子供のように暴れまわる。
「軌道が読めないね。けど、やっぱり雑だよ」
 アリスが再びビットを落としてゆく。そして、そうして生まれた隙間をバーンが踏み込んだ。
「ふぅうん!!」
 マーズの刃が振り下ろされる。コックピットを狙わない一撃は、セラフィム・リッパーを致命傷にまでは至らせなかったものの、十分な深手を負わせたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シル・ウィンディア
やられたらやり返す
憎しみの連鎖を止めるため…
そして、無力な人を助けるため

ブルー・リーゼ、行くよっ!!

敵機も高機動型かな?
でも、機動力ならブルー・リーゼも負けはしないよっ!

【空中戦】で高度に注意しながら空戦!
【フェイント】でジグザグ動き【残像】も生み出しての撹乱機動

接近しビームセイバーで敵機のウイングの【切断】を狙うよ

敵機の攻撃は【第六感】を信じて
動きを【見切り】
上記機動を行って【瞬間思考力】で効率のいい回避を行うよ

敵機を包囲する様にしてホーミングビーム砲で相手の移動範囲を制限してから
ビームランチャーで脚部を狙って狙撃っ!

敵がUCを使用したら
【高速詠唱】で隙を減らした指定UC

させるかーっ!


カシム・ディーン
僕もああいう巨兵には実に心躍らされます
やっぱり巨大ゴーレムは浪漫ですね

っと奪えるキャバリアはありませんか

UC即起動(現れる八つの首を持つ竜

【情報収集・視力】でコックピットの位置の把握
傷つけないように努め
更に彼の狂気を増幅させてるユニットの存在の捕捉を狙

とりあえず一般人は助けないといけませんよね

【属性攻撃】
闇属性を全身に
敵の攻撃へのダメージ軽減と己の攻撃強化

【武器受け・捕食】
八つ首で受け止めクリスタルビットに喰らい付いて破壊
【力溜め・盗み攻撃・二回攻撃・盗み】
八属性ブレスによる蹂躙
斬艦刀の強奪
奪った刀でも連続攻撃
コックピット以外を狙い喰らい付いて破壊

説得は他の人に任せますね



 グランドール軍基地は、キャバリアの突然の暴走事故によって大騒ぎになっていた。
「現在暴走キャバリアは南下中!!」
「……その方角には捕虜収容所か」
 指令室で報告を聞きながら、司令官はどっしりとシートに腰掛けながら呟いた。
「フリス・フローゼ。その男の顔を良く知る者はいるのか?」
「は? ……いえ、確か家族は皆死亡しているとの情報です」
 司令官は何かを悟ったように「ふむ」、と頷いた。
「……! 司令官! 暴走キャバリアのもとに『猟兵』が出現、基地の使用許可も求めてきています!」
「そうか。では我が軍は待機。整備は手厚くやってやれ。そして、暴走キャバリアは猟兵に任せ、我々は対ルベレアの防備を強化しろ」
「はっ」

 司令室でそんなやり取りを繰り広げている中、シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)は基地の格納庫で精霊機『ブルー・リーゼ』の出撃準備を行っていた。どの国でも戦力として歓迎される猟兵達に、基地の者達はその腕を惜しまない。ブルー・リーゼも万全の状態で格納庫を出、翼を広げる。
「やられたらやり返す、そんな憎しみの連鎖を止める為……そして、無力な人を助ける為」
 シルがフリスの方角を見つめる。
「ブルー・リーゼ、行くよっ!!」
 そう叫び、シルは戦場へと飛び立ってゆく。整備員たちがそれを見守っていると、突如背後から焦りを含んだ怒鳴り声が飛び込んできた。
「ダメだ! おい、そいつを止めろ!」
 格納庫に保管されていたキャバリアが一機、勝手に動き出したのだ。
「やっぱり巨大ゴーレムは浪漫ですね。これは借りていきますよ」
 その声の主はカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)。整備員達の制止も聞かぬまま、シルの後を追うように飛び立つのであった。

「くそっ、どいつもこいつも邪魔をしやがって……!!」
 フリスが苛立ちを隠せないまま、斬艦刀を振り回す。その動きは精細さに欠けるが、常に全力で振り回される勢いには、近付き難いものがある。
「敵機も高機動型かな?」
 戦場へと到着したシルは、空からセラフィム・リッパーをそう評する。細身のフォルムに、光の翼をたたえた姿はいかにも素早そうだ。しかし、それならばシルにだって自信がある。
「また新しい奴が来た!!」
 フリスがブルー・リーゼに目を向けた。光の翼がブルー・リーゼへと向けられる。
「でも、機動力ならブルー・リーゼも負けはしないよっ!」
 そうシルが叫ぶとともに、ブルー・リーゼが急加速する。幾何学的な動きで激しく機体を揺さぶれば、その姿がフリスに何体にも移り、彼を惑わす。
「万物の根源よ……帝竜眼よ……竜の中の竜……世界を蹂躙せしめた竜の王の力を示せ……!」
 その様子に気を取られている間に、背後にはカシムのキャバリアが迫っていた。八つの竜の首を思わせるバリアがキャバリアを包むように渦を巻き、機体性能を飛躍的に上昇させる。
「な、なにっ……!」
 背後から迫る竜に気付き、咄嗟にビットを飛ばすフリスであったが、それらは竜の首によってあえなく破壊されてしまう。
「とりあえず、一般人は助けないといけませんよね」
 カシムはそう言って、キャバリアを注意深く観察する。コックピットは通常のキャバリアと変わらずオーバーフレームに覆われ、アンダーフレームによって支えられているようだ。
「……狂気を増幅させるユニットは……ありませんか」
 カシムはキャバリアの情報端末を操作しながら、残念そうに呟いた。それもそのはず。このキャバリアそのものが『オブリビオンマシン』と化したのだ。言うなれば機体そのものが狂気を増幅させている。機体を破壊しない限りはフリスを止めることは難しいだろう。
「であれば、コックピットを狙わないように」
「何をぶつぶつ呟いてる!」
 フリスが斬艦刀を振り上げる。だが、その刃はカシムのキャバリアへは届かず、竜のバリアによって止められてしまう。
「今だ!!」
 そう叫ぶのは、上空から接近したシルだ。ビームセイバーを抜き、敵機の翼を一刀のもとに切り裂く。
「しまった……っ、このぉおっ!」
 シルへの牽制というように、ビットからビームが放たれる。シルはそれを回避しながら再び距離を取り、フリスを中心に据えながら旋回する。
「ホーミングビーム砲、いけぇっ!!」
 ブルー・リーゼから何本ものビームが放たれる。それはフリスの動きを制限し、カシムにも攻撃の隙を与える。
「使わせてもらいますよ」
 カシムが、竜の首がくわえた斬艦刀を強奪したのだ。そしてそのまま、斬艦刀を振り下ろす。
「うわあああっ!!」
 激しい衝撃がフリスを襲う。さらに追い打ちのように、シルの放ったビームランチャーが脚部を貫くと、セラフィム・リッパーはがくりと膝をついた。
「まだ、まだだあああっ!!」
 フリスが叫び、再び光の翼が複数展開される。その翼から強いエネルギーが生まれ、それらはシルへと狙いを定める。
「させるかーっ!!」
 シルも、ブルー・リーゼの手にしたキャノン砲をセラフィム・リッパーへと向ける。そして、地・水・火・風の属性を宿した魔力が収束し、放たれた。
 そのエネルギーは光の翼に集まったエネルギーを霧散させ、翼ごと飲み込んでゆく。
「やりましたか?」
 エネルギーに巻き込まれ、吹き飛ばされるセラフィム・リッパー。しかし、機体はボロボロだというのに、再び立ち上がる。
 オブリビオンマシンとはかくも執念深いものなのか。猟兵達は完全に機能を停止させるべく、再び武器をとるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リーンハルト・ハイデルバッハ
ふむ、泣きっ面に蜂とはまさにこのことでございますね
彼の機体は救えませんが、搭乗者の彼は救えましょう。
ええ、救ってみせましょうとも。

自前の機体「ガイストリヒェ」に搭乗し参戦
「最新機とは得てしてピーキーなものでございますが、こうあっては機体の新旧など問題ではありませんからね!」
遠距離から『救済』を発動、広範囲に展開させ敵機の行動範囲を制限いたします
そのうち数本でも当てられればよし、コックピットは外すように調整いたしましょう

タイミングを図りながら敵機の搭乗者に声をかけます
「貴方様の望みは、散っていった戦友の後を追うことではありますまい! 破壊を齎し破滅する前に、思い留まるのです!」

アドリブ・連携歓迎



「あぁ、なんでだよ……なんでお前達はさぁ!」
 猟兵達の度重なる攻撃で、フリスのセラフィム・リッパーは既に満身創痍であった。
 ところどころから煙りが上がり、装甲は剥がれ、穴が空き、内部パーツがショートして火花を放つ。それでも動いているのはこれがオブリビオンマシンであるからか。
「ふむ、泣きっ面に蜂とはまさにこのことでございますね」
 リーンハルト・ハイデルバッハ(黒翼のガイストリヒェ・f29919)は愛機『ガイストリヒェ』のコックピットからそれを見る。
 現在は敵機の射程外。おそらく捕捉もされていない。望遠カメラで捉えた映像ですら、セラフィム・リッパーがもはや限界であることは明白であった。
「彼の機体は救えませんが、搭乗者の彼は救えましょう」
 ぐっとガイストリヒェのコントロールレバーを握り、セラフィム・リッパーを画面の正面に据える。
「……ええ、救ってみせましょうとも」
 そうして、黒の機械翼を大きく広げ、ガイストリヒェが飛び立った。

「まだ来るのかよ!」
 レーダーにガイストリヒェの反応をキャッチしたフリスは、ビットを射出する。高速で迫るそれを迎え撃つべく展開すると、コックピットの画面からは黒い影としてしか映らないそれを睨みつける。
「……飛べっ!!」
 ビットが散開する。その中央を突破するように、ガイストリヒェは速度を上げた。
「最新機とは得てしてピーキーなものでございますが、こうあっては機体の新旧など問題ではありませんからね!」
 ビットを躱しながら、黒翼にエネルギーが収束する。そしてガイストリヒェはきりもみ回転をしながらビットの包囲を突き抜けた。
 直後、周囲に散ったビットが次々と爆発する。翼から全方位に放たれた光線が、ビットを撃ち落としたのだ。
「嘘だろ……!」
「私のガイストリヒェは民を救い、魂を救い、悪を救う!」
 光線は勢いを衰えさせないまま、セラフィム・リッパーへと向かってゆく。
「くそぉおっ!!」
 必死の形相で、フリスはそれを避けてゆく。だが、100本もの光線を全てさばききれるものではない。周囲を飛び交う光線に、徐々にセラフィム・リッパーは追い詰められてゆく。
「数本でも当てられれば……!」
 その狙い通り、光線がコックピットを外しながらセラフィム・リッパーの四肢を貫いた。
 小さな衝撃と共に、ブツンと糸が切れたように、セラフィム・リッパーが停止する。フリスのコックピットを照らす証明も、わずかな画面の灯りだけを残して、暗闇に包まれてゆく。
「な、なに……! 動かない!?」
 乱暴にレバーを動かすフリスに、突如通信が割り込んだ。
「貴方様の望みは、散っていった戦友の後を追うことではありますまい!」
 それは上空。リーンハルトからのものであった。
「何を、言って……」
 後を追う……?
 フリスには言葉の意味が理解できなかった。
 フリスにあるのは、何故あの『黒いヤツ』は俺の邪魔をするのだろう、ということだけだ。
「破壊を齎し破滅する前に、思い留まるのです!」
「破壊……、オレ、が?」
 その言葉と共に、セラフィム・リッパーのカメラが回復する。気が付けば、戦場には炎が舞い、黒煙が立ち上っていた。それは猟兵達との戦いによって、フリスがもたらした『破壊』であった。
「うぁ……うあぁあっ!」
 フリスの慟哭が通信越しにリーンハルトの耳へと届く。この苦しみを救ってやらねば、そう、一層リーンハルトは思う。
「さぁ、その機体から降りるのです!」
 リーンハルトがフリスに促す。フリスも、ふらふらと震える手で、コックピットハッチを開こうとして……レバーを再び握りしめた。
「マダ……マダダ……!! ハカイ、ソウ。破壊コソガ我ニ必要ナコト!」
「……様子がおかしい! いけません!」
 突如、セラフィム・リッパーが発光する。激しい光とエネルギーに、思わずリーンハルトは圧倒されてしまう。
「……しまった!」
 直後。リーンハルトはレーダーに無数の反応をキャッチする。
「……これは、一体!?」

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『戦闘ヘリ部隊を倒せ』

POW   :    性能差で物量に対抗する

SPD   :    技量で物量に対抗する

WIZ   :    作戦で物量に対抗する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達がセラフィム・リッパーを倒したかに思えたその瞬間。
 突如フリスの態度に異変が起こる。それと同時に、セラフィム・リッパーは激しく発光を始め、周囲に無数の熱源をキャッチした。
 バラバラとけたたましい音とともに風が巻き起こり、気が付けば猟兵達を無数の戦闘ヘリが包囲していた。
 どうやらヘリは無人のようだ。近くの基地に格納されていたヘリを、セラフィム・リッパーのサイキックエネルギーで操っているのだろう。
「オ前ハ、ソイツラノ相手デモシテイルガイイ!」
 豹変したフリスがそう告げた。発光を続けるセラフィム・リッパーはバーニアを噴かし、高速で戦場から離脱してゆく。
 どうやら、この戦闘ヘリを片付けなければ、フリスを追うことは難しそうだ。
 猟兵達はレーダー表示される無数のヘリに向かって、武器を向けた。
アリス・フォーサイス
無人機なら加減はいらいね。一気に殲滅だよ。

引き続きブライダルベールに乗りながら複数のビットを平行で操作してヘリを撃ち落とすよ。

さらに、戦闘機型エレクトロレギオンも召喚!辺りの無人ヘリを次々と撃ち落としていくよ。

早くクリスくんを追わなきゃ。これを悲劇にはさせないからね!



 ブライダルベールに乗り込むアリスは、視界いっぱいの戦闘ヘリを前にしても余裕の笑みを浮かべていた。
 いくら無数のヘリとはいえ、キャバリア相手には力不足。乗り込む者が猟兵とあらばなおさらだ。
 さらに幸運なことは、その戦闘ヘリが全て無人であることだ。
「無人機なら加減はいらないね」
 アリスはビットを展開し、大鎌を構える。
「いくよっ!」
 花びらのビットが戦場へと舞い散るように散開した。
 同時に前方で飛ぶ戦闘ヘリから次々とミサイルが発射された。ミサイルはビットを無視してブライダルベールを目指すが、当然、ビットはそれを許さない。
「対キャバリア用の武装かぁ。当たればちょっと痛そうだね」
 にこにことアリスが言う。彼女の言う通り、当たってしまえばキャバリアといえどただでは済まないだろう。
「当たれば、だけど」
 その言葉に従うようにビットが急に角度を変え、ミサイルにビームを放った。
 腹に大穴を開けたミサイルは、その場で爆発し、周囲のミサイルを巻き込んで連鎖的に弾け飛ぶ。
 黒煙の中から無傷で現れたビットは、引き続き戦闘ヘリの間を縫うように駆け抜け、花弁から放つビームでヘリを次々と撃墜してゆく。
「さらに、こっちも!」
 ブライダルベールの周囲に、多数のエレクトロレギオンが出現した。ビットと同じように広く展開し、武装をヘリへと向ける。
「さぁ、遠慮はいらないよ。みんな、やっちゃえー!」
 その号令に従い、エレクトロレギオンの一斉攻撃が開始された。

 やはり戦闘ヘリ一機一機はキャバリアの敵ではなかった。キャバリアの持つ武装の一撃で撃墜可能なほど脆弱である。
 とはいえ、大量に集められたその数が馬鹿にならない。アリスもそれを見越し数で対抗したのだが、ヘリが簡単に落とされるのと同様に、エレクトロレギオンたちもたった一撃で消滅してしまう。
「けどね……こんなところでずっと足止めはしていられないんだよ」
 減ってゆくエレクトロレギオン。しかしそれ以上にヘリの数は減っている。そうして出来たその隙間を、アリスは見逃さなかった。
「そこだね」
 アリスが大鎌を横薙ぎに払う。
 大鎌はヘリを真っ二つに切り裂き、数秒遅れて、まるで今自身が破壊されたのだと気付いたように爆発する。その炎の間に、突破口が開かれた。
 すかさずアリスはヘリの間を突き抜ける。そしてそのまま加速し、フリスの向かった方角を目指す。
「早くフリス君を追わなきゃ。これを悲劇にはさせないからね!」

成功 🔵​🔵​🔴​

リーンハルト・ハイデルバッハ
ほう、戦闘ヘリを召喚……いえ、召集いたしましたか。
無人機とあれば遠慮は無用、ということも事実。しかしこれもまた、どこかの会社様、または組織様の備品でございますれば。
撃墜は少々申し訳ない、なんとかいたしましょう。

引き続き「ガイストリヒェ」に搭乗
敵のヘリに接近しつつ、【サイキック・ロード】を発動いたします
「なるたけ、傷をつけることなくお帰り願いたいものです故に!」
「棲み処への帰還」……戦闘ヘリなら、その棲み処は格納されていた基地と申せましょう
無人機ならば抵抗も出来ますまい、私の「ガイストリヒェ」の魔法を以て、元の基地にお返しいたします

連携・アドリブ歓迎



「ほう、戦闘ヘリを召喚……いえ、召集いたしましたか」
 激しく風を切る音とともに戦闘ヘリが猟兵達を包囲する。
 しかしガイストリヒェに乗り込んだリーンハルトは、涼しい顔でその状況を俯瞰する。
 無人機であるこれらに遠慮は無用であろう。破壊をしたところで、軍から何かを言われることも無い。
「しかしこれもまた、どこかの会社様、または組織様の備品でございますれば……」
 ガイストリヒェの周囲に、サイキックエネルギーが渦巻き始めた。
「撃墜は少々申し訳ない。なんとかいたしましょう」
 リーンハルトの言葉とともに、ガイストリヒェを中心に渦巻く力はさらに強く、そして大きく広がり、竜巻のように天へと伸び始めた。
「なるたけ、傷をつけることなくお帰り願いたいものです故に!」
 竜巻が天を貫き、次元を割った。次元の裂け目は、周囲の戦闘ヘリを吸い上げ始める。
 これはサイキックキャバリアの持つ力、サイキック・ロード。転移を拒否する者を除き、対象全てを棲家へと返す力を持つ『道』を開く力であった。
「無人であれば、抵抗も出来ますまい」
 リーンハルトの言葉通り、戦闘ヘリは竜巻の渦に飲まれながら、天の裂け目へと昇ってゆく。こうなってはもはや攻撃もままならない。装備されていた対キャバリアミサイルや機関銃も、全てが戦闘ヘリの一部とみなされ、吸い上げられてゆく。
「戦闘ヘリならば、その棲家は基地の格納庫と申せましょう。私のガイストリヒェの魔法を以て、元の基地へとお返しいたします」
 ガイストリヒェを中心に、半径54メートルにも及ぶ竜巻が唸りを上げた。そして、竜巻に巻き込まれた戦闘ヘリが全て消え去ると、天の裂け目は閉じ、戦場はまるで戦闘があったとは思えない程に、穏やかに静まり返っていた。
「さて、私も追うと致しましょう」
 リーンハルトを狙う戦闘ヘリは消え去った。それを確認して、ガイストリヒェは大きく翼を広げるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シル・ウィンディア
逃がさないって言いたいけど
まずはこれの対処か…

うーん、まずは包囲を崩してだね
ホーミングビーム砲を全周囲に撃ち放つよ
そしたら回避するはずだから
敵機の薄い場所を狙って【空中戦】で飛んで
すれ違いざまにビームセイバーで切りつけるね

一旦飛べばこっちのもの
そのまま高度に注意して機動を行って…

ホーミングビーム砲とビームランチャーのコンビネーションで
片っ端から撃ち抜いていくよ

敵機の攻撃は【残像】とジグザグ機動の【フェイント】で対処
当たってあげないっ!

しかし多いね…
それならここは!

【高速詠唱】で隙を減らして
エレメンタル・シューターっ!
全砲門開いての、対複数戦用精霊魔法でお相手だよ

さぁ、乱れ撃つよっ!


カシム・ディーン
さて…壊したら弁償になりそうですし…まぁ終わったら逃げるとしますか

それに…あの巨人はぴかぴかしてて高級そうですしねぇ
盗んでみますか(くっくっくっ

【情報収集・視力】
周辺のヘリの動きと突破の為のルートの確認
更に逃げた機体の方向と痕跡も確認

【属性攻撃】
UC強化のための複合属性展開

巨人に乗ったままで出来るか試しますか
UC起動
防御力強化

よし問題なさそうですね

壊さないように意識しておきましょう
敵から奪えば割と乗り捨てられるんですけどね

【二回攻撃・盗み攻撃】で即座に武装を強奪しつつヘリは無力化しながら時にバリアの範囲を広げて殲滅

流石に竜の王の秘術ですね
中々に便利です

さて…金ぴかなお宝巨人
待ってなさいね


バーン・マーディ
む…?
マーズの反応が高まっているな
あの機体に何かを感じているのか…?

…「神機」…?

まぁ良い
何方にせよ奴はあのままにはしておくわけにもいくまい

UC継続使用

【オーラ防御】展開
攻撃には容赦なく【武器受け・カウンター・二回攻撃】による迎撃で粉砕し

逃げたフリスを追いかける
どうやら奴も機体にでも乗っ取られたか
復讐の想いさえ潰すとは業の深い機体だな

我は復讐を否定はせぬ
何方にせよあれでは復讐もままならぬだろう

ならば…まずはこの邪魔者を粉砕するのみだ

【切り込み】によりまさに流星の如く突き進み
邪魔をするヘリは容赦なく粉砕・爆破・木っ端微塵に

我が道を阻むでない

何より
「破壊」はこのマーズも我も得意ではあるぞ…?



 輝きを増しながら戦場を離れてゆく『セラフィム・リッパー』。
 立ちふさがるのは、無人の戦闘ヘリ。
「逃がさない……って言いたいけど……」
 シルはセラフィム・リッパーを見据えながらも、その前の戦闘ヘリ達へと注意を向ける。
「まずはこれの対処か……!」
「壊したら弁償になりそうですねぇ。まぁ、終わったら逃げるとしますか」
 カシムは小さく黒い笑みを浮かべながら戦闘ヘリを見渡す。それにしても、カシムの興味を引くのはその先に輝くあのキャバリアだ。
「あの巨人はぴかぴかしてて高級そうですねぇ……」
 意味深に笑いながら、カシムは戦場の状況を収集する。周囲のヘリは無人であり、あのオブリビオンマシンが操っているという。動きに癖や統一性があるはずだと情報を分析しながら、キャバリアを護るようにバリアを展開する。
 そんな中、バーンは一人、異変を感じていた。
「む……?」
 彼の乗る『マーズ』が、いつも以上に強く反応を示している。それは、特にあの輝くセラフィム・リッパーに対して、バーンに呼びかけているようであった。
「あの機体に何かを感じているのか?」

 ――神機……。

「……?」
 バーンの感じたその言葉は、あれを指しているのだろうか。
 であれば、何をマーズはバーンに教えようとしているのか?
「……まぁ、良い」
 考えても仕方がない、と、バーンは向き直る。
「何方にせよ、奴はあのままにしておくわけにもいくまい」
 そしてバーンとマーズは、強引に戦闘ヘリを押しのけ、セラフィム・リッパーを追うのであった。

「……よし、問題なさそうですね」
 カシムが3つのバリアを張り巡らせながら調子を確かめる。キャバリアを包み込むほどに広げても、どうやら問題はないようだ。
 だが悠長に状態を確かめている暇は無い。大きな動きを見せないカシムに対し、戦闘ヘリがミサイルを撃ち込んできたのだ。
 だが、ミサイルを避けずカシムがにこりと笑う。周囲に張り巡らせたバリアがミサイルを燃やし、そして凍結させてゆく。
「このキャバリアは壊さないように意識しておきませんと」
 バリアで守りを固めたキャバリアは、まったくの無傷であった。
「敵から奪えば割と乗り捨てられるんですけどね」
 しかし相手はオブリビオンマシンですらない。苦笑しながら、毒を与えて推進力を失ったミサイルを拾い上げ、戦闘ヘリへ投げ飛ばすのであった。

「ホーミングビーム!」
 シルは戦闘ヘリに向けて何本ものビームを放つ。狙いはそこそこ。何故ならこの攻撃によって相手がどう動くかが重要だからだ。
「よし、避けた!」
 戦闘ヘリが、狙いの甘いホーミングビーム砲をかわす。だが、その瞬間こそ一番に隙が出来るのだ。
「いくよ、ブルー・リーゼ!」
 シルはバーニアを噴かすと、一気に空へと飛ぶ。殲禍炎剣にだけは気を付けながら、ビームセイバーを構え、すれ違いざまに薙ぎ払う。
 一太刀で何体もの戦闘ヘリが真っ二つに分解した。シルはそれを得意げに見ながら、続けてホーミングビーム砲を構える。
 しかし、刃から逃れた戦闘ヘリがシルを狙っていた。無数のミサイルをロックし、躊躇なく全弾発射される。
「一旦飛べばこっちのもの……当たってあげない!」
 だが、シルの速度がそれを上回った。残像すら起こる速度でブルー・リーゼは空を駆け、ミサイルを惑わす。軌道が定まらなくなったミサイルを撃ち落とすのは容易であった。
「さぁて……」
 シルが眼下の戦闘ヘリを見下ろす。クロムキャバリアは殲禍炎剣の影響を受け、際限なく飛ぶことの許されない世界。だからこそ「許容できる最高高度」を取ることが出来れば、それは絶対的な優位性となる。
「片っ端から撃ち抜くよ!」
 ホーミングビームとビームランチャーが戦闘ヘリを次々と落としてゆく。
 その弾幕から外れた者は、カシムのバリアが捕えて燃やし尽くされる。殲滅は時間の問題、そう思えた時、上空のシルが戦闘ヘリの異常に気付いた。
「……バーンさん、そっちへ!」
 強引に突破したかに見えたバーンの行く手を阻もうと、戦闘ヘリが集結を始めたのだ。
「どうやら奴も機体にでも乗っ取られたか」
 だが、バーンは気にする様子もなく、セラフィム・リッパーを捉え続ける。
「復讐の想いさえ潰すとは業の深い機体だな」
 フリスは確かに、捕虜収容所へと向かっていたはずだ。だが、今のセラフィム・リッパーの進行方向は違う。バーンは静かに息を吐き、呟く。
「我は復讐を否定はせぬ。だが、あれでは復讐もままならぬだろう」
 前方に無数の戦闘ヘリがバーンを迎え撃つべく展開した。しかし、バーンは顔色一つ変えずに告げた。
「ならば、まずはこの邪魔者を粉砕するのみだ」
 禍々しいオーラと共に、マーズが戦闘ヘリ群を突き抜ける。
 紅きオーラが戦闘ヘリとすれ違い、そして連鎖的に大爆発を引き起こす。
「我が道を阻むでない」
 そう言い残し、バーンはセラフィム・リッパーを引き続き追い始めた。
「よし、わたし達も……って」
 バーンが射程圏外になったとみるや、戦闘ヘリ達は残る猟兵達に再び集結を始めていた。
「やれやれ、忙しいですね」
 機関砲を受けとめ、撃ち返しながらカシムが言う。
「それならここは!」
 ブルー・リーゼの全砲門が開く。それに伴い、シルが精霊達に呼びかける。
「精霊達よ……我が声に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!」
 ブルー・リーゼが幾何学模様を描き飛翔する。そして、様々な属性の魔法弾が戦場に放たれた。
「エレメンタル・シューターっ! さぁ、乱れ撃つよっ!」
 戦場を覆い尽くさんばかりの魔法弾が、戦闘ヘリへと炸裂する。魔法弾を受けたヘリは墜落、周囲に無数の火柱を立てる。
「道が開いた!」
 そして、撃ち落とされた戦闘ヘリ達の陣形に隙間が出来たことを、シルは直感した。
「では、行きましょうか」
 カシムが言う。もうもうと上がる炎の中で、戦闘ヘリが猟兵達を見失っている。今こそ突破の時。
「さて……金ぴかなお宝巨人。待っていなさいね」
 くくっとカシムは笑い、セラフィム・リッパーの後を追うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セフィリカ・ランブレイ
はあー……もうスプレンディア1分換算位の魔力しか残ってないってのに!
『札切ったのはセリカよ、そういうものって理解してたでしょ』

シェル姉……相棒の魔剣の声も心なしか疲れ気味

これ以降愛機の活躍は難しい
今の自分でできることをやろう!

ヘリも数は多いけどセラフィム・リッパーに比べれば!
魔力こそヘロヘロだけど、体力まで尽きたわけじゃない

生身の身軽さを武器に遮蔽物もうまく使いながら、ヘリの攻撃を引き付けていくよ

攻撃を回避して、攻撃に転じよう
【火雷ノ禊】で、羽を狙い撃つ
超高速の剣圧による遠当てだ。
威力は大きくないけれど、ピンポイントで何かを壊すには十分
剣だけでもヘリは落とせるんだよ、鍛えればね!


ミスト・ペルメオス
【WIZ】

あの時の生き残りが、因果なものだ…。
…ともかく、今はあれに対処する。

キャバリアの貸与は受けず、愛機たる機械鎧(人型機動兵器)を駆って参戦。
デバイス等を介して念動力を活用、機体をフルコントロール。
殲禍炎剣の介入を受けない程度に制限を設けつつも、スラスターを駆使しての機動戦を仕掛ける。

無人ヘリ部隊からの攻撃は回避機動によって躱し、或いは対空射撃によってミサイル等を撃ち落とし、時にはビームシールドで凌ぐ。
速度を落とさぬままオブリビオンマシンを追跡しつつ【サイキック・プレッシャー】。
霊的のみならず物理的な威圧による干渉、無人ヘリ部隊を機能不全に陥らせて突破する…!

※他の方との共闘等、歓迎です



 群がる戦闘ヘリを見上げて、セフィリカは重い重い溜息をついた。
「はぁー……もう、スプレンディア1分換算くらいの魔力しか残ってないってのに!」
 溜息ばかりではない。身体も重く、全身がだるい。それもそのはず、セフィリカは先ほどの戦いで、かなりの魔力を使ってしまったのだ。
『札切ったのはセリカよ。そういうものって理解してたでしょ』
 魔剣シェルファも疲れ気味の声で、たしなめるように言う。
「はぁー……これ以上この子での活躍は難しいね。……よし、今の自分で出来ることをやろう!」
 ぱんぱんと頬を叩き、セフィリカがコックピットを開く。
 強い風が吹いた。戦闘ヘリのローターブレードが放つ激しい音が響き、自身が狙われていると強く自覚する。
 けれど、セフィリカはシェルファを構えて不敵に笑うのだ。
「数は多いけど……セラフィム・リッパーに比べれば!」

「あの時の生き残りが……因果なものだ」
 戦場に黒い影が迫る。それはミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)の駆る機械鎧『ブラックバード改』である。
 ブラックバード改は殲禍炎剣の影響を受けない程度の高度を保ちながら戦場を俯瞰する。
 遠方に、輝くオブリビオンマシン。あれが今回追うべき敵である。
 しかし、その行く手を阻むように、戦闘ヘリが展開する。このまま突破しても、背後から狙われてしまうだろう。 
「ともかく、今はあれに対処する!」
 サイキックエナジーに満ち満ちた、キャバリアをも凌駕する巨体が唸りを上げた。全身に巡るサイキックエナジーはプレッシャー波となって、戦闘ヘリへと迫る。
 ぼん、ぼんと無人のヘリ内部の計器類が炎を上げる。針が滅茶苦茶に振れて、ヘリが墜落してゆく。
「シェル姉、凄い! 大きいよあのゴーレム!」
 コックピットから降りたセフィリカが興味津々でブラックバードを見上げる。そんな様子に、シェルファは呆れたように言った。
『セリカ、そんなことより』
「……わかってるって!」
 セフィリカはシェルファを構えると、呼吸を整える。その闘気に引かれたか、戦闘ヘリはセフィリカへと向きを変え、機関銃を構える。
「……今っ!」
 セフィリカが駆ける。それと同時に、彼女が立っていた地面が弾け飛んだ。剣を構え、ヘリのローターを見据える。そして。
「三式っ」
 刀身が見えない程の速度で、剣が振り抜かれた。鋭く激しい剣圧が、戦闘ヘリへと放たれる。
 剣圧がローターの駆動部を切り裂いた、宙に浮いたブレードが制御を失い、くるくると回転しながら天に舞う。そのまま隣のヘリに突き刺されば、一振りで複数のヘリが墜落してゆく。
「威力は大きくなくても、ピンポイントで何かを壊すには十分」
 地面に落ち、爆炎を上げるヘリを指さして、セフィリカが告げた。
「剣だけでもヘリは落とせるんだよ、鍛えればね!」

「凄まじい剣圧……あちらは任せましょう」
 ミストはレーダーで一気に複数の反応が消失したことを確かめると、再びモニターに目を向ける。
 周囲にはいまだにブラックバードを包囲するヘリの数々。そのうち数機に搭載された対キャバリアミサイルが、四方八方から連続で発射される。
「いくぞ、ブラックバード……フルコントロール!」
 ミストからサイキックエナジーが溢れ出す。巨体が反転し、構えたライフルでミサイルを狙う。ライフルはまるでスローモーションでも起きたかのようにピタリとミサイルの胴を撃ち抜くと、ミサイルは爆発して周囲を誘爆させてゆく。そこに出来た穴に、ミストはブラックバードを突っ込ませる。
「包囲を……突破する!!」
 半ば強引に突っ込んだ風圧で、戦闘ヘリが煽られる。機体同士がぶつかり激しく爆発させながらも、残る無人ヘリは執拗にミサイルを放つ。
「シールド!」
 ビームシールドを拡げ、ミストがそれを凌ぐ。直後、再びライフルを構えて撃ち抜くと、一際大きな爆発が空を焦がした。
「残り、1機!」
 叫ぶミスト。その視線の先には、セフィリカがいた。
「魔力こそヘロヘロだけど、体力まで……尽きたわけじゃないよ!」
 再び剣を構え、振り抜く。鋭い剣圧が空を斬り裂き、ヘリのテールローターを分断した。
「さぁ、セラフィム・リッパーを追いましょう!」
 ミストが、輝くオブリビオンマシンをレーダーで確認する。
 激しく輝き始めたオブリビオンマシン、そして、まるで人が変わったかのように豹変したフリス。
 全ての決着は、首都の南。オブリビオンマシンが行く先でつけられるであろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『輝光神機『ロクシアス』』

POW   :    BSプラズマライフル『黄金の矢』
【プラズマライフルのレーザーサイト 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【プラズマ化した超高熱熱線】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    高速戦闘演算機構『予言の神』
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【BSプラズマライフル 】から【相手の回避行動を読み切った超連続射撃攻撃】を放つ。
WIZ   :    対人虐殺機構『疫病の矢』
自身の【機体全身 】から【疫病ウィルス型ナノマシン】を放出し、戦場内全ての【キャバリアに乗らない生身での戦闘行動】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はテラ・ウィンディアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 グランドール南部から少々西。捕虜収容所を通り抜け、オブリビオンマシンが辿り着いたのは、、まるで大地がくりぬかれたかのように円を描く湾岸線であった。
 オブリビオンマシンは砂浜に降り立ち、波のさざめきを聞き入るように直立する。
『……美シイ……』
 夕日が沈もうとしていた。見据える先の水平線は途中で少し盛り上がり、陸地があることを示している。あの土地は、ルベレアの領地であるはずだ。
『コノヨウニ美シキ世界。ダノニ、人ハ下ラヌ線引キデ争ウ』
 ルベレアとグランドール。ただ人が決めた境界線の両脇で命を奪い合い、資源を奪い合うのだと、そのオブリビオンマシンは言った。
『破壊……破壊ダ。破壊コソ、必要ナモノナノダ』
 輝くオブリビオンマシンの形状が、まるでモンタージュのように変わってゆく。
『サスレバ、コノ男ノ願望モ満タサレル』
 追いついた猟兵達に振り向いたのは、セラフィム・リッパーとは似ても似つかない黄金のキャバリアであった。

 その名も――輝光神機『ロクシアス』。
バーン・マーディ
…やはり因縁があるようだな(対峙する神機

マーズ
(バーンや猟兵や搭乗者にも聞こえずロクシアスにのみ聞こえる声)
「破壊とは片腹痛いですなロクシアス。芸術や医術担当であったそなたが破壊を語るとは。これも躯の海の歪みですか。宜しい…真の破壊を私とバーン殿が示しましょうぞ」

美しさを語りながらその破壊を望むか
どうやら正気を失っているのは搭乗者だけではないようだな

良い
我は唯突き進み粉砕するのみ
UC起動

【戦闘知識】
動きと周囲の状況見据え
【オーラ防御】展開
【武器受け】
あえて敵の攻撃の回避はせず
ダメージの軽減と致命を避ける事だけに集中

【切り込み・二回攻撃・鎧破壊・鎧貫通】で距離を詰めて蹂躙の限りを尽くす



「……やはり、因縁があるようだな」
 バーンはマーズの状態を確認しながら呟いた。
 あのロクシアスと対峙してからというもの、マーズの反応はさらに強くなった。機神と呼ばれるマーズと神機ロクシアス。その間には浅からぬ因縁があるのだろう。
 その因縁はさておいて、バーンはロクシアス、そしてその中に囚われたフリスを見据える。
「美しさを語りながらその破壊を望むか……どうやら正気を失っているのは搭乗者だけではないようだな」
 それがオブリビオンマシンによって歪められた意志というものなのだろう。
「良い。我は唯突き進み粉砕するのみ」
 バーンはマーズの剣を抜き、天へと掲げ、叫んだ。
「マーズよ、破壊の神としての力を見せるが良い。今ここに叛逆の刃を突き立てん!!」
 その言葉とともに、マーズの身体がふわりと宙に浮いた。そして、超高速でロクシアスへと突進する。
「フン」
 ロクシアスは臆さず、マーズ同様一気に加速する。こうして、超高速同士の攻防が幕を開けた。

 ロクシアスのプラズマライフルがマーズを捉える。
「予測ハ出来テイル」
 言い終わる前に、プラズマライフルが火を噴いた。超連続の射撃攻撃はすべてマーズの進行方向を正確に見抜き、回避の隙間を与えない。
「ならば」
 そうバーンは言うと、さらにマーズを加速させる。
「何ッ!?」
 あえて、避けない。回避行動は接敵を遅らせ、それだけ敵から攻撃を受ける危険性を孕む。前方に展開したオーラの障壁とともに、剣の腹を器用に銃撃へと向け、受け流してゆく。
「ぐぅうっ……!!」
 それでも衝撃は相当なものだ。バーンは歯を食いしばり、ビームの雨を突き抜ける。
「ぬおおおおっ!!」
 前方にロクシアス。その距離は、既にバーンの射程内だ。
「……クッ!!」
 振り上げられた、破壊のオーラを纏った刃がロクシアスを襲う。それをすんでのところで回避し、二機はすれ違うように位置を交換する。
 その瞬間。
『片腹痛いですなロクシアス。芸術や医術担当であったそなたが破壊を語るとは』
 声がどこからか響く。だが、その声を聞きとれたものはいない。
 ただ一機、ロクシアスを除いて。
 ロクシアスは答えず、プラズマライフルを向ける。その様子に、マーズはやれやれ、という具合で語り掛けた。
『これも躯の海の歪みですか。宜しい……真の破壊を私とバーン殿が示しましょうぞ』
「黙レ!!」
 再び銃撃がマーズを襲う。だが、バーンと共に纏ったマーズのオーラはそれをいなしてゆく。
「次は外さん……これが破壊である!!」
 マーズがロクシアスに肉薄した。そして、刃が振り下ろされた。
「グァアッ……アアアアッ!!」
 ロクシアスの装甲に、深々とした傷が刻まれる。バーンはさらに剣を振い、再びロクシアスの装甲を抉ってゆく。
「蹂躙の限りを尽くさん……!」
 その言葉の通り、バーンとマーズの破壊の力は、ロクシアスを終始圧倒するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・フォーサイス
おお!これが最終形態か!
じゃあ、こっちも全力でいくよ。

ブライダルベールに搭乗したまま、魔法やユーベルコードも併用して戦うよ。

火の雨を避けても、追随したビットが狙い打つって寸法だ。

ちなみに、ウィルス型ナノマシンは火の矢で消毒しちゃうからね。


シル・ウィンディア
みんな、明日を見据えて生きているの
それを壊そうだなんて、そんなことはさせないっ!

高度に注意して【空中戦】で機動するよ
【フェイント】を駆使して機動を読ませないのと
【残像】を生み出しての撹乱も仕掛けるね

敵UCは…
上記機動で回避しつつ
被弾時は…

…キャバリア乗ってたら問題ないよね?

そのまま戦闘継続っ!

攻撃は
ホーミングビーム砲を時間差で敵機に放ち
避けたところをビームランチャーで撃ち抜くよ

基本は上記行動で
接敵時はビームセイバーで対応

本命は…
操縦中も【多重詠唱】でずっと詠唱していたこの魔法
ビームランチャーを両手で構えて出力最大っ!
【全力魔法】での
ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラストっ!

遠慮せず持ってけーっ


ミスト・ペルメオス
【SPD】

――なるほど。「面白い」ことを言うものだ。

引き続き、愛機たる機械鎧を駆って作戦に従事。
デバイス等を介しての念動力の活用、機体のフルコントロールも継続。
スラスターを駆使した立体的な戦闘機動を取り、高速戦闘に対応。

敵機の超高速機動からの苛烈な射撃は回避機動で凌ぐ。
避けきれない攻撃はシールドで、念動フィールドで、装甲で耐える。
だがやられっ放しなど赦さない。如何に速く飛ぼうとも、光よりは遅い!
速度、機動パターン――耐え凌ぎながらそれらを見切っていく。
機を見てヘルファイア・デバイス展開。弾幕を「置いて」捉える、穿つ、叩き落とす!

【“黒い鳥”】、その所以を教えてやる。

※他の方との共闘等、歓迎です


リーンハルト・ハイデルバッハ
ほう、なるほど。
貴方はかの方が破壊を求めていると仰る?
愚の骨頂と言うものです。かの青年の想いを歪めることは許しません!

引き続き「ガイストリヒェ」に搭乗
敵機との距離を測りつつ、敵機のプラズマライフルからの射撃を見定めます
射撃を確認したら『救済』を発動、こちらも高速飛翔しつつ光線を放ちます
「私のガイストリヒェは救済する。人を、キャバリアを、悪を!」
敵機の速度以上を出せるかはわからない、しかし静止しているよりかは有効なはず
無論、コックピットは狙いから外します。何とかしてかの方の命は救わねば

連携・アドリブ歓迎


カシム・ディーン
共闘希望
僕は盗賊ですしね

うん
実にぴかぴかしてますね
お高そうです

美しいねぇ
僕は美女が好きですがね

【属性攻撃・迷彩】
光属性を付与して光学迷彩を全身に施し攻撃も行わずずっとロクシアスを観察し続ける

【情報収集・視力】
常にその動きと状態を観察し続け
その癖
その戦い方
コックピットの位置
致命的な隙

それらを根気よく観察し
満身創痍になり…
その防御が薄まり切った瞬間が訪れるのを冷徹に見据え

お前が復讐を望むなら
こんな機体なんぞに流されては叶いません
だから
これで尚復讐を望むなら好きにしなさい

わたぬき発動!
狙うはロクシアス内のフリス!
代わりに乗り込んで操作!
ロクシアス
お前は醜い欲望の犠牲になるのが相応しい
そのまま離脱!!


セフィリカ・ランブレイ
変形なんて話じゃない!
機体を再構築なんて、なんでもありじゃん!
パイロットも心配だ、早い決着がいる

『で、リソースの少ない中どうするの?』
シェル姉、相棒の魔剣の声は静かだ

最初に派手にリソースを使ったせいでスプレンディアの稼働時間はもはや1分にも満たない
こんな隠し球があるのは想定外だった
『見極めが甘いのよ』
お叱りは後でね!
生身でアイツの相手をするのは生物兵器もあって遠慮したい

なら…
一分を一瞬で使い尽くす、全力の一撃
スプレンディアに搭乗。多少壊れても良い、
動ける程度に装甲が持てば良い、回避行動すら最小限で力を貯める
最短距離を突っ切って、剣での勝負を挑む

【月詠ノ祓・隠神】
一瞬に、残りの全てを込める!



 金色のオブリビオンマシン。輝光神機『ロクシアス』。
『全テヲ破壊シ……清浄ナル世界ヲ取リ戻ス……』
 そのオブリビオンマシンとともにフリスが語るのは、ある一つの視点においては正しいのかもしれない。
 しかしその方法はひどく強引で、そしてひどく傲慢であった。
「――なるほど。『面白い』ことを言うものだ」
 だから、ブラックバード改に乗り込むミストはそう言い捨て、シルも叫ぶ。
「みんな、明日を見据えて生きているの……それを壊そうだなんて、そんなことはさせない!」
 ブルー・リーゼのスラスターを全開に、シルがロクシアスの頭上を飛翔する。それに続くように、仲間の猟兵達も次々と戦場へ駆けつけた。
「破壊――ほう、なるほど。貴方はかの方が破壊を求めていると仰る?」
 そう問いかけたのはリーンハルトだ。ガイストリヒェから通信を送りつつ、敵機との距離を測る。プラズマライフルの射撃が始まれば、戦場は一層苛烈なものとなる。その瞬間を見定めつつ、ロクシアスを挑発するかのように言う。
「愚の骨頂というものです。かの青年の想いを歪めることは許しません!」
『愚カナルハ……ソノ憎マレ口ヨ!』
 ロクシアスがスラスターを開く。瞬時に音速を越える程の速度へと到達すると、その高速飛行の中で猟兵達を狙う。
 直後、リーンハルトも飛び上がった。射線からわずかに逸れるように機体制御をかけながら、黒翼を開く。
「私のガイストリヒェは救済する。人を、キャバリアを、悪を!」
 ガイストリヒェの黒翼から光線が放たれた。光と光が交差し、戦場を眩しく照らす。
「シールドッ! 念動フィールド……展開!!」
 猟兵達を狙うプラズマビームを受け流しながら、ブラックバード改が飛翔する。
「まだ……まだだっ! “黒い鳥”、その所以を教えてやる」
 避けられる攻撃は避け、決定打を狙う。如何に速く飛ぼうとも、光よりは遅いはずだと、ミストはさらに加速をかける。
『行動予測』
 ロクシアスの銃口がブラックバード改の進行方向へ向く。予測演算による偏差射撃。だが、ミストも急激な逆噴射で軌道を逸らし、流れるようにヘルファイア・デバイスを展開する。
「……弾幕ッ!」
『!!』
 ミストが圧縮エネルギー散弾を放つ。弾幕の展開により、ロクシアスの追撃をかわしながらの反撃を『置いて』ゆく。
 あまりの数に、動くだけで被弾は不可避だ。だがそれでも、ロクシアスは全力の回避行動を取る。
「ホーミングビーム!!」
 そこにシルが援護射撃を放つ。そのどれもが誘導弾であり、行動範囲を狭められたロクシアスへと追いすがり、全てが混ざって空中で爆発を起こした。
「うん、実にぴかぴかしてますね……お高そうです」
 その様子をカシムはにこにこしながら観察していた。キャバリアに光学迷彩を用い、周囲の空間に溶け込ませながら、敵の動作を観察する。だが。
「……!」
 突如カシムのキャバリアが警告音を発した。爆炎の中から、ロクシアスのレーザーサイトが伸び、カシムのキャバリアの位置にピタリと止まっていたのだ。
『ソコニモイタカ』
「おやおや」
 カシムが急速転回し、場を離れる。直後、その周囲を焼き焦がす超高熱の熱線が着弾する。光学迷彩が揺らめきながらも、再び周囲に溶け込んでゆく。
『逃ガサン』
 だが、敵を認識したロクシアスはそれを許さない。しかしそれは、猟兵達も同様であった。
『! 炎熱反応!』
 対峙するガイストリヒェとは違う、炎の矢がロクシアスへと飛来する。それを高速機動のままかわすと、ロクシアスは射線の先へと意識を向ける。
「おお! これが最終形態か!」
 それはアリスのブライダルベールの放ったウィザード・ミサイルであった。炎の矢が外れたことに感心しながら、アリスはふんすと笑う。
「じゃあ、こっちも全力でいくよ」
 その言葉に合わせ、花びら型のビットが展開した。
「これなら避けられるかな?」
 再び炎の力が収束してゆく。アリスは再び、ロクシアスへと火の矢を放った。

「ふぅ……」
 カシムはロクシアスが自機のコンソールを開き、損傷を確認する。
「問題なし……しかし」
 夕日に照らされ、反射したロクシアスを眺める。
「美しい……ねぇ」
 カシムは再び光学迷彩でキャバリアの身を隠しながら呟いた。
「僕は美女が好きですがね」

「あぁもう、変形なんて話じゃない! 機体を再構築なんて、なんでもありじゃん!」
 再びキャバリア『スプレンディア』に乗り込み、戦場に立つセフィリカは有り得ないと叫ぶ。
「パイロットも心配だ。早い決着がいる」
『……で、リソースの少ない中、どうするの?』
 魔剣、シェルファが問う。スプレンディアは先の戦いでエネルギーの殆どを使い果たしていた。かといって……。
『疾病の矢、発動』
 敵機に搭載された対人兵器のウィルス型ナノマシン。それが散布され、既にコックピットから降りることは許されない状況となった。
「キャバリアに乗ってるなら問題ないよね? ……けど」
 シルは状況を確認したが、セフィリカのスプレンディアを見やる。スプレンディアの消耗状態は猟兵の目から見ても痛々しい程であった。
 通常稼働はまだ可能だろう。だが、、戦闘行為を取れば、残り稼働時間はおそらく1分も持たない。
「……こんな隠し玉があるのは想定外だった」
『見極めが甘いのよね』
 呆れたようにシェルファは言う。しかしそれを嘆いている暇など無い。
「お叱りは後でね!」
 セフィリカがそう流すと、ロクシアスを見据える。ロクシアスは鼻で笑うように告げた。
『満身創痍デハナイカ。ソノヨウナ機体デ我ヲ滅ボソウナド片腹痛イ』
 その通信に、セフィリカがふてぶてしく笑って告げた。
「一分しかないなら……一分を一瞬で使い尽くす!」
 スプレンディアの全身に魔力が巡る。ビリビリと機体が悲鳴を上げ、コックピット内も激しく揺れる。
「ぐぅうっ……!!」
『自壊寸前トハ……速ヤカニ引導ヲ渡シテヤロウ』
 ロクシアスの機体が浮き上がり、急加速を始めた。銃口を向け、急速な連射をスプレンディアへと浴びせかける。
「危ない!」
 リーンハルトが光線を放ち、牽制する。高速戦闘ではロクシアスに及ばないかもしれない。しかし、追い、食らいつき、そして仲間を『救済』することは出来る。
『邪魔ダッ!』
「ダメだよ、邪魔しちゃうのがぼくらの仕事なんだから」
 続けてアリスの火の矢が周囲を焦がし、ロクシアスの狙いがブレる。だがアリスの狙いはその後だ。
『熱源……何ッ!』
 火の矢の熱に隠れ、ビットが接近していたのだ。不意打ちのビットから放たれるビームにロクシアスが怯む。しかし、ロクシアスは即座に体勢を立て直し、猟兵達の包囲から逃れるように動く。
「そこだっ!」
『……!!』
 その先にはミストのヘルファイア・デバイスが『敷かれて』いた。図らずもロクシアスはエネルギーの原野に突き進み、自ら傷をつけてゆく。
『クッ……コバエ共ガ。ダガ、届イタゾ!』
 ほんのわずかな隙だった。しかしその隙を縫い、プラズマ砲がスプレンディアへ放たれてしまった。
「くっ……!!」
 砲撃を受けるセフィリカのスプレンディアはかろうじて致命傷を避けていた。しかし装甲が弾けるたびに響く激しい衝撃にセフィリカは顔を歪め、自身を奮い立たせるように言う。
「動けるっ……程度に持てばいいっ……!!!
 一瞬でいい。最短距離の一瞬を狙う。だが、その一瞬に賭ける為、回避は最小限に力を溜め続ける。
『コレデトドメダ』
 ロクシアスがスプレンディア目掛け一気に直進する。
「今!!」
 叫び、セフィリカも駆けた。
「……一瞬に、残りの全てを込める!」
 魔力を剣に籠め、一気に抜刀。神速の如き一閃が放たれた。
『……何処二、ソンナ力ガ……ッ!!』
 ロクシアスの装甲が小さく爆発する。セフィリカの放った全力の剣戟が、ロクシアスの装甲を深々と抉っていた。だが同時に、セフィリカのスプレンディアも機能停止をしてしまう。
「あとは、お願い」
 想いを委ねられ、シルが叫ぶ。
「任せてっ!!」
 シルのブルー・リーゼの魔力が大きく膨らんでゆく。戦闘中、援護攻撃を重ねていたことには理由があった。彼女には本命が用意されていたからだ。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ……。六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!」
 シルの最後の詠唱が完了する。そして、魔力の砲撃が今放たれた。
「ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラストっ! 遠慮せずもってけー!!」
『グゥウウウウッ!!』
 ロクシアスが魔力の奔流に呑み込まれる。全身から爆発が起こり、もはやロクシアスの力はほとんど残されていない。
「さて、何とかしてかの方の命は救わねば」
 リーンハルトが光線で四肢を貫きながら、思索を巡らせる。外にはウィルスが撒かれている。戦闘の無力化だけではなく、有害である可能性が高い。
「それなら、ぼくの火の矢で消毒しちゃったよ」
 そこに、アリスが得意げに言う。ロクシアスに放たれていた火の矢は、ビットの為の牽制だけでなく、周囲の消毒も兼ねていたのだ。
「であれば、あとは……」
 その時、ジジ……と空間が歪んだ。現れたのはカシムだ。ロクシアスにまっすぐ直進してゆく。
「! まだ敵は完全には……」
 リーンハルトの制止を聞かず、前へ進む。それはこれまでの観察で得た自信によるものだ。
「御前が復讐を望むなら、こんな機体なんぞに流されては叶いません」
 ずず、とカシムのキャバリアの腕がコックピットを狙う。
「だから、これで尚復讐を望むなら好きにしなさい」
 コックピットにキャバリアの貫き手が深々と突き刺さった。
『……ナ、ニ……!!』
 キャバリアの腕が引き抜かれると、その掌には意識を失った状態でうずくまる、フリスの姿があった。
「生命反応ありだよ。フリス君、よかったね」
 アリスがにこやかに言う。
 そして、主を失ったオブリビオンマシンは物言わぬキャバリアへと戻り、そして。
 激しい爆発と共に、ロクシアスは炎の中へと消えてゆくのであった。
「おっと、これでは無理か……」
 その様子を、カシムは残念そうに呟くのであった。

 空はすっかりと闇に溢れ、夜が来ていた。
 燃え盛るオブリビオンマシンを前にして、フリスは目を覚ます。
「……これは……俺、どうして復讐なんか」
 それは燻っていた憎悪がオブリビオンマシンによって増幅された突き動かされた結果であった。
 しかし操縦者を正気に戻し、グランドールも、ルベレアも救ったことは、今後の両国の関係にも少なからず影響を与えることだろう。
 それでもいまだ緊張状態の続く二国間の関係は、まだ終着点を見いだせていない――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年11月04日


挿絵イラスト