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絢爛たる輝きの影に

#UDCアース

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#UDCアース


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●とあるパーティー会場にて
「ははは、ようこそ御出でくださいました、議員」
「これは会長。本日は盛大な場に呼んで戴き有難うございます」
 それは何の変哲もないありふれた一幕。
 〇〇県××市のパーティー会場にて行われているやり取りだった。

「そう言えば小耳に挟みましたが、会長。何やら多大な財を払って手に入れたものがあるとか」
「これはお耳の速い。えぇ。どうもそう言ったものに目がありませんで。
 なんでも、かつて東アジアで実際に使われていた祭具だとか。
 これがまた与太とは思えませんで、つい買ってしまいました」
 そう、相好を崩す会長に内心呆れつつ、議員と呼ばれた男はにこやかに笑いかけ。
 口を開こうとした刹那、会場の電気が落ちる。
 何か始まるのかとステージの方を向くも、そこには何もなく。
 響くのは雷鳴。今日の天気は快晴だった筈なのに、窓の外さえ日の光はなく。

「これは一体……」
「な、何事だ……!?」
 そして、天から降り注いだ一条の雷霆が、パーティー会場を飲み込んだ。
 彼らが最後に見た光景は白く染まる視界。
 閃光の後に訪れたのは、電熱によって膨張した空気の破裂。
 パーティー会場は跡形もなく吹き飛び、後には何も残らない。
 その様を、上空を優雅に舞うオブリビオンは睥睨していた。
 しかし、それは始まりに過ぎない。一つ、二つ。
 天から降り注ぐ真白の光条が地表を焼いていく。
 オブリビオンの名は雷穹龍グローレール。
 古代東アジアで雷神として崇拝されていた神格級UDCが、遂に召喚されたのだった。
 そして、世界は雷雲に包まれる。ありとあらゆるものを焼き払う雷霆の閃光を残して。

●グリモアベースにて。
「これが、私の見た予知です」
 瞳から白い壁に投影した映像を消し、深々と下げた頭を上げ、猟兵達を見据えてスキエンティア・スフィアソフィア(電脳知性天体・f01158)はそう、口を開いた。

「皆様、ようこそおいでくださいました。皆様を召集する事態。即ち、オブリビオンによる事件。
 舞台はUDCアース。UDC、アンディファインド・クリーチャーと呼ばれる、太古から蘇った邪神とその眷属達に脅かされる世界です。
 邪神たちは完全なる復活を目論見、眷属に命じて様々な儀式を執り行わせています。
 とは言え、今回の邪神は少々勝手が異なり、邪神そのものの意思で復活が行われようとしているわけではありません。
 邪神、雷穹龍グローレールを崇拝する眷属が、邪神を召喚する祭具の所在を掴み、その場所へ襲撃を仕掛けようとしています。
 勿論、祭具が眷属の手に渡れば最後、召喚された邪神によってUDCアースは混沌の只中に叩き込まれるでしょう」
 スキエンティアは、そこで一度言葉を区切る。
 表情筋など存在しないのではないかと思わせる程にピクリともしない表情でありながら、強い意思を込めた眼差しで猟兵達を見回して。

「ここまでお伝えすれば、聡明な皆様の事ですから何をすべきかは分かって戴けたものと思います。
 えぇ。オブリビオンをメッタメタのギタギタに叩きのめし、邪神を撃退する……のは最終目的。その為にもまず皆様には、このパーティの行われている場所に乗り込み、その祭具の在る場所を探って戴きたいのです。」
 表情は相変わらず変わりなく、ただ声音と視線にとても冗談とは思えないような真剣さを込めながらも、スキエンティアは続けた。

「まず皆様にお願いしたいことは三つ。
 一つはパーティー会場のバックヤードを探索する事で、祭具の在る場所を捜索すること。手あたり次第では少々時間のかかる手段ですし、あまり荒っぽくすればパーティーのスタッフに見咎められるかもしれません。その辺りの工夫が必要かもしれませんね。
 一つはパーティー会場に潜入し、招待客や従業員の話を立ち聞きする事で、祭具の在る場所の情報を入手すること。猟兵の皆様はどこでも言葉が通じ、どんな姿形でどんな世界に行こうとも、住民に違和感を与えませんが、パーティーの参加者に扮するならば相応しい格好、態度というものが要求されるかもしれませんね。
 そして最後の一つは直接パーティーの主催者にコンタクトを取り、会話・交渉し情報を聞き出すこと。ここで注意して戴きたいのは、パーティーの主催者はオブリビオンの眷属ではありません。祭具の事は知っていますが、それはあくまでも美術品、骨董品として。あまり強い口調で詰問すれば、裏目に出る可能性が高いと思われます」
 そこで言葉を区切り、スキエンティアは再度猟兵達を見回す。

「パーティー会場にて祭具の場所を確定したのち、皆様にはその祭具の回収に向かって戴きます。しかし、眷属たちも血眼となってその祭具を探しているはず。
 これはどちらが先に祭具に辿り着くかのスピード勝負。
 もし眷属に先を越されてしまえば、完全開放された邪神と眷属との戦闘となり、およそ勝ち目はないと思われます。その場合は即時撤退を。
 しかし、少々厄介な事に。長年眷属の思念を受け続けた祭具は、ほんの少しの切っ掛けで邪神を召喚してしまいかねません。
 そこで、皆様が先に祭具に到達し、意図的に不完全な解放を行ってください。
 そうすれば、不完全に復活した邪神と戦い、撃破する事が出来るでしょう。
 どうぞ、よろしくお願いいたします」
 そう告げて、スキエンティアは再度、深々と頭を下げた。


氷川 仁
 雷の日は妙にテンションが上がる。あると思います。氷川 仁(ひかわ じん)です。
 さて、今回の舞台はUDCアース。世界観としては現代日本に限りなく近いですが、大きな違いが一つ。
 UDC、邪神と呼ばれる存在は自身の眷属に命じて儀式を執り行い、完全なる復活を目論んでいます。
 過去に君臨したUDCが完全復活してしまえばUDCアースは混沌に包まれてしまう事でしょう。皆様にはその阻止を行い、不完全に復活した邪神と戦って戴きます。
 皆様の多彩なプレイング、お待ちしております。

●祭具に付いて
 古代から存在する貴重な物品ですが、確保した後は破壊することも可能です。
 が、勿論所有権はパーティーの主催者が持っていますので、しらばっくれるなりする必要があるでしょう。
 ちなみに、形状は独鈷杵に近いもので、およそ三十センチ程の大きさです。

●邪神との戦闘について
 邪神は中空を舞い、地表に降りてくることはありませんが、飛行できない、遠距離攻撃が出来ない、などによってマイナスの状況になる事はありません。
 近接のみであっても邪神に攻撃する事は可能です。
 逆に、飛行できるからと言って、プレイングボーナスが付くと言う事もありません。ご了承ください。
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第1章 冒険 『光輝の下にある闇』

POW   :    会場のバックヤードを捜索する

SPD   :    招待客や従業員の話を立ち聞きする

WIZ   :    会話・交渉し情報を聞き出す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アレクシス・アルトマイア
大きなドラゴンさんですかぁ。これは何ともワクワクしますね。
手早く開放して、手早く還っていただかなければいけませんね。

変装は得意ですので、従業員として侵入して祭具の管理について調べましょうか。従者的なお仕事ならお任せを。
会長さんの話を立ち聞きしたり、従業員さんの信頼を得て色々聞いてしまいましょう。会長さんが従業員とも気さくに話す方でしたら、興味津々に祭具のお話を促しますよー。
誘惑だって得意技かもです!……たぶん!

祭具ですか…心惹かれてしまいますね
実は私、そういうロマン溢れるものに弱くて…
近くで見てみたいですけど……無理でしょうね。

アドリブとか絡みとか大歓迎です!


月山・カムイ


邪神召喚用の祭具を入手してしまうとはまた、運がないとしか
出来れば召喚に使用される前に、祭具を殺してしまうのが一番穏当な手段、でしょうかね?

運送会社の作業員の扮装でバックヤードを捜索する
台車を持って行動、荷物の回収に伺ったのですが……というのが言い訳ですか
目立たないで行動するのは得意ですので、人の流れからどこに大事なものが隠されているのか、推察していくとしましょう

恐らくですが、祭具を収めた部屋にはきっちり警備員が立哨しているでしょうし
下手すると荒事専門の人かもしれませんが
その場合はまぁ、腕力に訴える必要もあるかもしれませんね
その辺りは臨機応変に、淡々と目的を達成するとしましょう


トルメンタ・アンゲルス
ふーむ、「神」ですか。
面白いですねぇ、俺の世界ではそんなもの、とうにいないようなものでしたからねぇ。
ともあれ、先ずは調査から行きましょうか。

【SPD】
……とはいえ、このサングラスは外せませんからねぇ。
変装の技術はないですが……まあ、スーツを着てSPとか、給仕(not女給)の格好なら、サングラスをかけたままでも大丈夫でしょう。
パーティ会場の内外を動き回っても、違和感もそうそうないでしょうし。

耳と足を生かして「情報収集」し、もし可能なら「コミュ力」を生かして話を聞きだしましょう。
もしかしたら、始まる前に従業員から聞き出せたら、先の先を取れるかもしれません。
他の方とも、情報は共有しましょう。



●求めしは
「あぁ、そこの。適当に何か飲み物を貰えるかな」
「はい! かしこまりました」
 少々横柄な主催者の声にも明るく答えたのは、パーテー会場の給仕服に変装したアレクシス・アルトマイア(夜天煌路・f02039)。
 元々従者であるアレクシスにとっては、変装でありながら変装でないその姿は板につき。
 周囲から全く疑われる事無くパーティー会場に溶け込んでいた。
 目標の周囲に張り付きながらも、その気配はパーティー主催者にのみ判別できる程度に抑え。
 影に従う従者の在り方そのままに、アレクシスは二人の会話に聞き耳を立てる。
 そして、その更に少し離れた所では黒スーツを着込み、SPに扮したトルメンタ・アンゲルス(流星ライダー・f02253)が周囲に目を光らせ、他の会場の参加者の口元を見る事で情報収集を行っていた。

 『神』ですか。
面白いですねぇ、俺の世界ではそんなもの、とうにいないようなものでしたからねぇ。
 そう考えながらパーティー会場を見回していたトルメンタの視界に、気になる単語が飛び込んで来る。
 きいたかしら、かいちょうがてにいれたおたから。
 それは、会長、パーティー主催者の手に入れたお宝という情報。そのままトルメンタはその女性の元へさりげなく移動し、情報を手に入れようとする。
 すると、会長はそのお宝を大層気に入り、万が一破損が無い様に海路で輸送させた、という。
 これは祭具の事だと確信したトルメンタは、その情報を他の猟兵と共有し、他の情報が無いかと引き続き情報収集を続け。

「誰だ、ここは立ち入り禁止だぞ」
「すみません、荷物の回収に伺ったのですが。どうも迷ってしまったようで。どちらに向かえばいいでしょうか?」
 一方。誰何の声に予め決めていた答えを淀みなく返すのは、運送業者の作業員に扮した月山・カムイ(絶影・f01363)。
 祭具そのものがバックヤードにあるのではないか、と考えたカムイは、目立たないようにしながら、見つかっても先の答えを返す事でバックヤードの隅々まで探していた。
 しかし、人の流れは精々が厨房と会場とを結ぶ通路をウェイターが引っ切り無しに通る事が分かる程度。
 警備員が立っているのは主に、出入り口と主催者の控室程度。
 その控室にも祭具そのものは見当たらなかった。勿論、むき出しのまま置いてあるわけもないので、それを仕舞っているようなものが見当たらなかった、ということだが。
 しかし、逆説的にこのバックヤードに祭具は存在しないという情報を入手したカムイは、それを先ほどトルメンタから共有された情報をもとに、港が怪しいのではないか、と推察。
 その推理をトルメンタへと返し、万が一に備えて再びバックヤードへと戻っていった。

「いやしかし、それ程のものであれば、さぞ大事にされているのでしょうな」
「えぇ、勿論ですとも。最高の警備を置いて管理していますよ」
 カムイの推理をそっと見ていたアレクシスの耳に、そんな会話が飛び込んで来る。
 目を上げれば、パーティー主催者と、招待客が件の祭具について会話していたようだ。
 それも、どうやら核心に近い内容を。
 大きいドラゴンさんにワクワクしていたアレクシスだったが、ここを聞き逃してはならないと、むん、と小さく両手でガッツポーズ。
 すすす、と傍へ寄って聞き耳を立てる。

「ほほぅ、というとやはりご自宅に?」
「いえいえ。場所は明かせませんがね。信頼できる業者が保有する倉庫で保管させていますよ」
 ビンゴ。しかし、それでもまだ情報は出きっていない。そこでアレクシスは意を決して会長へと近寄って。

「先ほどからお話を聞いてしまっていたのですが……
 お宝ですか…心惹かれてしまいますね。
 実は私、そういうロマン溢れるものに弱くて…
 近くで見てみたいですけど……無理でしょうね」
 本来であればウェイターが声を掛けて来るという不躾。しかしながら声を掛けて来たのが自分の趣味に理解のある美女ともあれば話は別だ。
 ついつい口の滑った会長は、その倉庫の所在地を明かしてしまう。それはこの〇〇県にあるという。
 流石にそれ以上は防犯上の問題があるから、と教えてはくれなかったが、そのお宝の写真を見せて貰う事にアレクシスは成功した。
 勿論、そのお宝とは三十センチ程の独鈷杵。探していた祭具であることを確認し、猟兵たちは今までの情報をもとに更に位置を絞り込もうと、最後の一ピースを求めて情報収集を続けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・イングランギニョル

【SPD】

さてさて、邪神、ね
よくある物語なら主催者が糸を引いていたりするものだけれど、どうやら今回はそうじゃないらしい
高いお金を払っただろうに、ご愁傷様
ま、ボクには関係ないけれどね?

荒事や聞きこみなんてのは専門外だし、客に扮して会場で噂話に耳を傾けよう
ドレスでも来て、しおらしく振る舞えば淑女にくらい見えるだろうさ
ひとつの話から得られるものは少なくても、たくさんのそれを組み合わせれば浮かびあがるものもあるんじゃないかな
もう一人のボクを呼び出したら、それぞれ会場のない離れた位置で話を仕入れて回るよ
同じ顔が二人居るなんてバレないように化粧と髪形は弄ろうかな?

【他の方との絡みは歓迎】




「大人たちの隠した残酷な物語を語ろう。すべての童話を悲劇という色に染めてしまおう」
 ドレスを纏ったアリス・イングランギニョル(グランギニョルの書き手・f03145)は、ヒールの踵を高く鳴らしながらパーティー会場へと歩を進め。
 ハンドバッグから取り出した、古びた黒い装丁をした本の頁を一枚千切る。
 すると、歩みを進めるアリスの横に、もう一人のアリスが並び歩き。
 と言っても、顔のつくりこそ同じだが、怪しまれないよう意図的に変えた化粧と髪型によって、一卵性の双子だと言い張れば通りそうなくらいではあった。
 ちらり、ともう一人の自分に目くばせを送り、アリスは二手に分かれてパーティー会場へと入場する。

 邪神、ね
よくある物語なら主催者が糸を引いていたりするものだけれど、どうやら今回はそうじゃないらしい。
 高いお金を払っただろうに、ご愁傷様。
 様々な人々が賑々しく会話する中で、有用な事を話して居そうな参加者を物色しながら、内心アリスはそう思い。
 ふと、もう一人の自分の耳に、数人の参加者たちが話していた内容が飛び込む。
 曰く、主催者である会長は、この会場に来る前に何処かに寄っていたらしく、パーティーの開始ギリギリに現れた。
 それも、随分とスーツに潮の香りが染みついていた、と。
 その内容を思案していたアリスは、この会場の傍に港に隣接した倉庫街がある事を思い出し、その内容を他の猟兵へと知らせようとしていたところ、周囲の警戒が少し遅れ。

「お嬢さん、私の記憶違いでなければ、初めてお会いいたしますな」
「えぇと……急ぎ帰るところですので、失礼」
 突然、アリスに見知らぬ参加者から声が掛かる。
 疑われないだけの礼儀作法も、身元を保証する手段も、言いくるめるだけの弁舌も持たないアリスは、その場をどうにか誤魔化しつつ、そそくさと立ち去る。
 再度パーティー会場に潜り込む事は難しいだろうが、既にその必要はなくなった。
 猟兵たちが集めた情報と、アリスが手に入れた情報。
 それらを統合する事で浮かび上がったのは、この〇〇県の港にある倉庫。
 幾らかの現地での再調査は必要となるだろうが、十分に絞り込めたと言っていい。
 猟兵たちはパーティー会場を後にし、港に沿って立ち並ぶ倉庫街へと移動を開始した。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『祭具を確保せよ』

POW   :    力を生かして祭具を奪い取る、または敵対者を排除する。

SPD   :    技を生かして祭具を掠め取る、または敵対者を排除する。

WIZ   :    知恵を生かして祭具を騙し取る、または敵対者を排除する。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●港近くの倉庫街
 パーティー会場で集めた情報を元に、倉庫街へと向かった猟兵たち。
 しかし、そこは並みの倉庫街に似つかわしくはない厳重な警備が敷かれていた。
 無論、歩哨を始めとした人の目、監視カメラやセンサーといった機材類。
 あからさまに見てとれるもの以外にも、多くの防犯機能が設置されているだろう。

 騒ぎになる事を承知で強行突入するも良し、防犯設備を掻い潜り祭具の在る場所を目指すも良し、歩哨に扮して祭具に近づくも良し。
 猟兵たちは各々の得意とする分野で祭具の回収へと向かった。
霑国・永一
こんな場所まで確保してるとか邪教は相変わらずロクでもないなぁ

【SPD】
それじゃ、遠巻きに【視力】活用で歩哨の服装確認、似たのを用意してこよう。
【変装】活用しつつ歩哨に化けて潜入しよう。といっても堂々と潜入するためとかじゃなく、見つかった時の保険かな。
【迷彩】【忍び足】を使って静かに潜入、【視力】で防犯機器や歩哨の位置の確認しつつ、躱すように祭具の場所へ。
盗むのにどうしても邪魔な歩哨が居れば変装姿で「此方妙なものが」と【おびき寄せ】活用で呼んで防犯機器に映らない場所で【だまし討ち】【暗殺】にて始末しよう
祭具は【盗み】にて奪い、即退散。見つかるなら【逃げ足】【ダッシュ】で人少ないところ逃げようかな


アリス・イングランギニョル


さてさて、ようやく本丸だ
警備は厳重みたいだけど……それならそれでやりようはあるってものさ
とは言ってもボクは忍びこんだりなんだりなんてのは苦手なんだ
他の人たちが仕事を終えるのを、本でも読みながら待ってるさ
ボクなりにお手伝いしながら、ね

親愛なる狼さんに猟師さん
少しばかり大暴れしてきてくれないかい?
あそこで警備をしてる人たちをたーくさん引きつけるようにさ
見張りの目の気が逸れれば、動きやすくなるだろう?

【他の方との絡みは歓迎】


アレクシス・アルトマイア

カムイくん(f01363)と連携して祭具を奪取と参りましょうか。

厳重な警備と言ってもあくまで一般人相手
こっそり忍び入って祭器を頂いていきましょう。
変装に、忍び足に。クライミングにジャンプも得意ですよ。

カムイくんが正面から騒ぎを起こしている間に、こっそりと行きますよ
もし一般人以外の眷属や信者などいたら、ささっと撃ち抜いて無力化しましょう。

一般の警備の方には
堂々と歩み寄ったりしーっ、とジェスチャーしたりで
戸惑ったところを意識を狩りましょうか。

はい、こんにちは。そしてさようなら。
おやすみなさいませ。

独鈷杵……破壊するのは会長さんが悲しむかもしれませんが……
背に腹は代えられないというものですね。


月山・カムイ

アレクシス(f02039)さんと連携する

この手の状態の場合、私は荒事専門で行くのが良さそうですね
アレクシスさんと携帯で連絡を取り合い、タイミングを合わせる

こちらは重力圏内モードに変形した宇宙バイクで正面突破を試みる
ただし、殺人等は犯す必要はない案件なので、歩哨などは峰打ちで叩き伏せる
監視カメラは壊すがセンサーには引っかかる感じで、騒ぎを大きくしてこちらへ警備の目を集める方向で動く

警備がもしも銃器や重機を持ち出すようなら、ユーベルコードを発動して武器や弾丸だけを切り刻む
乱暴ではありますが、流血の事態はなんとか避けましょう
……アレクシスさん、頼みましたよ



●埠頭の倉庫街
「さぁ、ボクの頭巾を紅く、朱く。真っ赤に染め上げて頂戴な?」
 埠頭の潮風に乗って、謡うような声が響く。
 アリス・イングランギニョル(グランギニョルの書き手・f03145)の声に招かれて現れたのは、狼と猟師が、一頭と一人。

「はい、こちらの準備は終わりました」
 それを見て、月山・カムイ(絶影・f01363)は携帯端末でアレクシス・アルトマイア(夜天煌路・f02039)に連絡を送り。
 潜入するアレクシスや他の猟兵の援護として、自身に向いていると判断した揚動を買って出た二人、と一頭と一人。

「じゃ、ボクはここで本でも読んでるからさ」
 訂正。一人と一頭と一人。
 よろしくね? と言わんばかりに微笑むアリスから顔を背け、溜息を一つ吐いたカムイは、跨った宇宙バイクのエンジンを吹かし。

「さて、では行きますか」
 アクセルを一気に回し、エンジンの回転を加速。
 カムイを乗せた宇宙バイクは鉄柵で作られた扉を撥ね破って、真正面から倉庫街へと突入した。

「な、なんだ! 何事だ!」
「事故か!? 止まりなさい!」
 当然響いた音に、警備員たちが浮足立って制止してくる。が、ここで止まっては意味が無い。すれ違いざまに小太刀の峰で警備員の肩口を殴りつけ、その勢いのままに詰所へと詰め寄って。

「おい、そこの……猟師の方! 監視カメラを撃て!」
 アリスの召喚した猟師へと指示を飛ばし、カムイは監視カメラを壊させ、より耳目をこちらに集め、警備員たちをおびき寄せようと。

「うわっうわあああああ」
 そう、揚動を行っているのはカムイだけではない。
 狼と猟師の一頭と一人もまた、寄って来る警備員たちを咥えては高々と放り投げ、それを猟銃で打ち抜いていた。
 とはいえ、急所は外したうえ、防弾チョッキに身を包んだ警備員たちは精々骨折と言った所。
 それでも職業意識からか、警備員たちは次々と現れ、銃で撃たれ、峰で打たれ、それでも数は減らない。一体元々どれだけの数の警備員が居たというのか。
 しかし、それがこちらに寄ってきているという事は、他の警備が薄くなっているという事でもある。

 ……アレクシスさん、頼みましたよ。
 そう、内心で思いつつ、十人は疾うに超えた警備員を峰で打ち据えながら、カムイは警備員たちへと向き直った。

「お任せを!」
 時は少し遡り。歩哨の服に変装し、突入前のカムイから連絡を受けたアレクシスは、そう答えて通話を切って、倉庫街を囲む鉄柵へと向かい。
 一息に跳躍。
 有刺鉄線の返しもなんのその。その身に纏った服の裾も引っ掛けさえせず、そして物音も立てずに着地。
 見る人が居れば10.0を連発していただろう華麗な着地も、当然観客は無し。
 否、一人だけ居た。その姿を見ていたのは同じく潜入しようとしていた霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)。
 アレクシスと同じく変装によって歩哨の服装となっていた永一は、同じく柵を越えて忍び足で潜入。
 それと同時、正面の咆哮から派手な激突音が響く。
 揚動となったカムイ達に釣られて、周囲にいた警備員たちは次々と正面へと応援に向かい。
 やりやすくなった、と。内心思いつつ永一は明らかに正面へと向かって行った警備員が多い方へと向かって行く。
 警備員が多い、それはすなわち守るべきものがあるという事。
 周囲に仕掛けられたセンサーや監視カメラを見抜き迂回しつつ、それでいて素早くその場所を目指す。
 そして、どうやら目当ての場所に辿り着いたらしい。
 これだけの騒ぎが起こっているにも拘らず、未だに扉の前から離れない警備員が二人立っている。
 これじゃ、ここになにかありますよ、と宣伝しているようなものだね。
 そう思いつつ、永一は警備員たちの前に姿を現す。

「ちょっと来てください! 此方に妙なものが!」
 その声に混じった焦りに、警備員たちは一度顔を見合わせるも、その内の一人が永一へと近づき。

「こっちです!」
 おびき寄せた警備員を、予め監視カメラの無い場所へと誘いこみ、その後ろへ回り込んで「駄目ですよ?」
 更にその背後からした声に一瞬、警備員へと突き立てようとしたダガーが止まる。
 背後へ振り向けば、声の主の姿はどこにも見えない。
 したのは、顎を掠めるように殴打され、脳震盪で気絶した警備員の崩れ落ちる音。
 改めて警備員へと向き直れば、そこに立っていたのは、ぷんぷんと軽く頬を膨らませたアレクシスだった。

「いけませんよ? この人たちは眷属じゃなくて、ただの警備員さんなんですから。間違えちゃいました?」
「……どっちでも一緒だろう?」
 へらり、と笑った永一に、むーっとした顔を向けるアレクシス。
 一瞬、ピリッと空気が張り詰めるも、両手を軽く上げた永一が、目当ての方へと歩き出す。
 その背を見つつ、崩れ落ちた警備員を寝違えないようにきちんと並べたアレクシスは、扉の前に立つもう一人の警備員の事を思い出し、急いで倉庫へと向かった。

 そして、警備員の持っていた鍵で倉庫に侵入したアレクシスと永一の目に、ガラスケースに収められた独鈷杵が飛び込んで来る。
 特に隠されることも無く、ただ置かれただけ、といった風情のそれにアレクシスが近寄ると、その眼前にダガーが翳された。
 それは、永一が抜き放ったもの。驚くアレクシスだったが、自身の足元を良く見れば、今立っている場所と一歩先の地面の材質が異なっている。
 こういった場所での仕掛けに一日の長がある永一は、その技術と経験からケース周りに仕掛けられたセンサー類に掛からないよう、まるで手品のようにガラスケースから独鈷杵を取り出してみせた。

「おぉーーー」
 ぱちぱちぱち、と小さく拍手するアレクシスを鼻で笑いつつ、独鈷杵を手に永一は不完全召喚を行う予定の場所へと足早に向かう。
 それを見つつ、アレクシスはカムイへと奪取成功、撤収の知らせを送るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『雷穹龍グローレール』

POW   :    雷霆光輪
【超高熱のプラズマリング】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    撃ち砕く紫電
レベル×5本の【雷】属性の【破壊光線】を放つ。
WIZ   :    ドラゴニック・サンダーボルト
【口から吐き出す電撃のブレス】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神楽火・皇士朗です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●逆巻く稲妻
 そして、祭具は猟兵たちの手に渡った。
 猟兵たちが不完全召喚の場所に選んだのは、周囲に被害の及ばない、祭具の保管されていた倉庫街から程近い廃倉庫街。
 その一角、五十メートル四方の広場。
 猟兵の一人がその中心に祭具を置くと、突如。独鈷杵が雷を帯びたように、断続的な青色の閃光を放ち始める。
 そして、浮かび上がった独鈷杵は高く高く空を突き上げ天へと上り。
 俄かに掻き曇った空。黒い黒い雷雲が猟兵たちの頭上を覆い。
 その中から、閃光が迸る。そして、その後には腹の底に響くような雷鳴。
 一人の猟兵が空を指さした。それに釣られた猟兵たちの目に映ったのは、雷雲の中を悠々と泳ぐ影。
 そして、地表に雷が落ちる。コンクリートの地面を焼き、廃墟となった倉庫を薙ぎ払い。それは天から舞い降りる。
 オブリビオン:雷穹龍グローレール。
 古代東アジアで雷神として崇拝されていた神格級UDC、邪神が猟兵たちの前に現れた。
秋稲・霖
…ほへー、こんな邪神もいるんだなあ
もっと見た目グロいようなヤツばっかかと思ってた
けど、出てきちまったからには俺ら猟兵に倒されて貰わねえとな

…ま、俺が攻撃するってわけじゃねえけど!
口から雷吐こうが当たんなきゃ意味無いっしょ、俺は遠くで見物させてもらうぜ
そん代わり皆のサポートは任せとけってな、とっておきの歌、届けてやるぜ!
こいつを倒したいって思いにノってくれんならどうぞ御喝采を、ってな




アリス・イングランギニョル


おお、これが件の邪神なんだね
聞いてた通りに中々の大物だ
やっぱり知識だけでなく、直で触れると違うモノだねぇ……とはいえ、出てきて早速ご退場願うわけなのだけれど

さぁさ、今度の出番はこの娘
たっぷりと燃やしてあげるといいよ

マッチ売りの少女を呼び出して、プラズマリングに合わせて炎をぶつけるよ
ああ、当然ボクはそそくさと物陰にでも逃げ込むよ? 危ないからね
この娘の炎は幻惑を見せるんだ
火力で勝つのは難しいだろうけど、他の皆の隙を作るくらいはできるだろう?

【他の方との絡みは歓迎】


月山・カムイ

アレクシスさん(f02039)や他の猟兵と連携して戦いに挑む

雷の龍……大きいですねぇ
些か厄介な相手ではありますが、まずはこちらの土俵へ撃ち落としましょう

上空の敵へ無空跳躍にて攻撃を見切りで回避しながら近づく
幸いにして空中戦には心得有り
正面から攻撃する、と見せかけて敵背後に現れたアレクシスさんとタイミングを合わせて
雷穹龍にブラッドガイストで殺戮捕食態となった絶影で喰らいつき、地上へ縫い付ける

地上で雷の攻撃を受けた場合は地面で、空中では敵の身体に絶影を突き立てて避雷針とする
致命的なダメージさえ回避出来れば、痛みは無視する
最後には倒れて動けなくなるでしょうが、回収はアレクシスさんに任せましょう


アレクシス・アルトマイア

引き続きカムイくん(f01363)や他の方と連携して参りましょう。

おおーこれは大変に大きいですねぇ。
ぴかぴかと眩しくて、まるでテーマパークのよう。
わくわくがとまりません!

それでは、アトラクションを楽しんでいきましょうか
注意をひきつけていただいているところで、【閨への囁き】での背後から急所への一撃をお見舞いいたしましょう。

雷属性の攻撃はダガーとか地面に突き立てたりでなんとかなればいいのですけれど。
皆さんで協力すればきっと何とかなりますよ、はい。

戦闘後に倒れた人がいましたら手当して差し上げましょう

この祭具は、壊したほうが良いのでしょうね
会長さんは、少し可愛そうですが……。



●地を焼く雷霆
 それは宙に在った。
 電光を纏った体を蜷局に巻き、眼下に居並ぶ者どもを見下ろす。
 それが何かは知らない。だが、それがなんであるかは̪識っていた。
 敵だ。遥か太古の時代より、己に平伏せぬ者は須らく敵である。
 高ぶる戦意と比例するように、その体に纏った雷光が激しさを増し。
 うず高く巻きあがる上昇気流が生み出した積乱雲に遮られた日光の代わりに、戦場を煌々と照らし出した。
 轟く雷鳴。しかし、その音にも負けず。地を割くかのような咆哮を雷穹龍グローレールは放つ。
 それが、開戦の号砲だった。

「…ほへー、こんな邪神もいるんだなぁ。
 もっと見た目グロいようなヤツばっかかと思ってた。
 けど、出てきちまったからには、俺ら猟兵に倒されて貰わねえとな」
 その威容を目にして尚、飄々と言ってのけたのは秋稲・霖(ペトリコール・f00119)。
 虚勢でなく、自然体のままに懐から取り出したのは、歯車などが誂えられた一本のマイク。
 それは戦う為ではない。戦う人の背を押す為に。
 そして、雷鳴を旋律として勇気の賛歌が響く。その旋律が絶えるまで、歌もまた続くだろう。

「ふふ、いい歌だ。では、こちらも始めよう。
 少女の灯火は。空から降る流星のように。燃え尽きてしまいましたとさ」
 歌声を背に、アリス・イングランギニョル(グランギニョルの書き手・f03145)は手にした古びた黒い装丁をした本の一節を謡うように読み上げる。
 すると、アリスの傍らに一本のマッチが転がり落ちた。
 それは独りでに着火され、その揺らめく炎の内に一人の少女を映し出す。

「さぁさ、今度の出番はこの娘。たっぷりと燃やしてあげるといいよ」
 そして、現れたのはマッチ箱の詰まった籠を手にした少女。
 うつむいたままの少女は、手にした籠からマッチ箱を取り出し、その中身を宙へぶち撒けて。
 そして、マッチの一本一本が火球へと変じ、雷穹龍グローレールへと飛翔する。
 怪しく揺らめく火球は一直線に雷穹龍グローレールへと殺到し。

「ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
 だが、近づいた端から、火球は放たれた超高熱のプラズマリングに飲み込まれ、消えていく。
 そして、次の瞬間。放たれた雷穹龍グローレールの雷霆光輪は、グローレルを中心に半径三十メートルの範囲を襲い。
 そこに立つ猟兵たちを一瞬に消し炭と変えた。
 その結果に満足し、喉を鳴らす雷穹龍グローレール。

「お休みなさい、良い夢を」
 そんな、囁き声が聞こえた気がした。
 次に感じたのは、今まで受けた事の無いほどの衝撃。
 訳も分からず身を起こそうとすれば、何かに縫い留められたかのように身が起き上がる事はなく。
 怒りのままに周囲へ紫電を放つも、それはあらぬ方向へと飛び、何かに当たって土を跳ね上げるだけの結果に終わった。

「ふふふ。ぴかぴかと眩しくて、まるでテーマパークのよう。
 わくわくがとまりません!」
 紫電が大気を焼き、あたかも遊園地の電飾のようであると微笑むのはアレクシス・アルトマイア(夜天煌路・f02039)。
 アリスの召喚した少女の放った炎は確かに超高熱のプラズマリングへと呑み込まれた。
 しかし、事実はそこまで。超高熱のプラズマリング自体が雷穹龍グローレールへと向かい、その身を焼いたのだ。
 そして、幻影に囚われたグローレルは、その場の猟兵たちを倒したと錯覚。
 意識の隅へと追いやった事で、アレクシスの認識外からの一撃を急所に受け、地に墜ちた。

「厄介な相手ですからね。同じ土俵へ叩き落させてもらいましたよ」
 そして、地を蹴り、空を蹴り、叩き落されたグローレルを、殺戮捕食態へ変えた小太刀、絶影で喰らいつき、地上へ縫い付けたのは月山・カムイ(絶影・f01363)。
 急所へ上下前後からの挟撃を受けては、グローレルも只では済まされず。
 それでもと、全身からは紫電が、口からは電撃のブレスが辺りを薙ぎ払う。
 しかし、それらはアレクシスが予め地に突き立てたダガーが避雷針となり。
 かつて神と呼ばれた存在も、地に墜ちればその見る影もなく。

「音も無く――――その身に刻め」
 そして、カムイの放った幾千万の斬撃が、グローレルを磨り潰す。
 鱗を、肉を、骨を。斬り抉られてはグローレルもその命を散らす他はなく。
 そして、喉笛を一際鋭い一閃が切り裂いた。そこにあった逆鱗は両断され。

「お見事!仕留められましたね!」
 ぱちぱちぱち、とアレクシスが拍手。その袖口に、漆黒のナイフが仕舞われた事に気付いた猟兵は、誰一人として居なかった。

 そして、猟兵たちの間で祭具についての処遇が話し合われ。
 会長には気の毒だが、ここで破壊しなければ眷属に狙われ、次は真の邪神が復活するかもしれない。
 そして、祭具は砕かれた。雷穹龍グローレールを召喚する祭具はこれが唯一ではない。
 それでも、邪神がこの世に落とした芽の一つは、こうして摘まれたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月04日


挿絵イラスト