【Q】気分屋お嬢とモフモフお兄さんのハロウィンナイト?
●
グリモアベースにて。
「先輩がた、アリスラビリンスでハロウィンだってさ」
雷マークのグリモアを掌に浮かべた蜥蜴竜の青年、ベルゼルガ・グランツ(不殺の蜥蜴竜騎士・f21703)が言った。
ハロウィン。それは仮装してお菓子をおねだりしたり開催される祭りを楽しんだりする、10月末に行われるとされる世催し物だそうで。
元々は悪魔などを崇拝し生贄を捧げる宗教的な意味合いのある行事であったが、UDCアースでは民間行事として定着しているとか。
「ま、ハロウィンに関しては特に説明する必要はないよね?今更だし」
くすくすと楽しそうに笑みを浮かべながら、ベルゼルガは語り始める。
「先輩がたが知ってる通り、『オウガ・オリジン』は持ち前の凄まじい『現実改変ユーベルコード』で幾つもの不思議の国を生み出したり改変したりしてたんだけど……」
今回、オウガ・オリジンによって『ハロウィンの国』に改変された国が幾つも見つかったそうだ。
「見つかった世界の一つで、ハロウィンのイベントをやるそうなんだよね」
しゃべる南瓜ランタンや、コスプレ衣装の飛び出す森、食材が完備されたキッチン、なんかめちゃくちゃ長い行列をするためだけに作られた道など、そこはまさにハロウィンパーティにうってつけの国だったとか。
いいなーおもしろそうだねーとか言いながら、蜥蜴竜の青年は続ける。
「それで…先輩がたに『仮装しながら戦ってほしい』んだ」
なんか戦闘中に仮装用のコスチュームが飛んできたりするらしい。それを装備して戦闘すれば良い…とのこと。
「やってくるオウガの軍勢は、森から飛び出してきた『コスプレ衣装』でパワーアップしてるって話だよ?』
オウガ側もノリノリである。
「森から飛び出してきたコスプレ衣装を身につければパワーアップするみたいでね。先輩がたもノリノリに楽しんで戦闘すればいいと思う。どんな服が飛んでくるかはボクはわかんないけど」
蜥蜴竜の青年曰く、森から飛んでくるコスプレ衣装の種類は「ランダム」なので、ひょっとしたら『本人が全く望まないコスプレ衣装』が飛んでくるかも知れない。
ここはまぁ…運が悪かったとしか言えないだろう。
「ボスのケモノお兄さん…?は『「ハロウィンの国』の法則によって『ほぼ無敵』となってるらしいんだ」
え?という猟兵からの声に…蜥蜴竜の青年は。
「方法がないわけじゃないよ。倒す方法はただひとつ…『美味しい料理を食べさせること』なんだ」
ボスのオウガが放ってくる攻撃を耐えつつ、美味しい料理を作って食わせてやろう。
「食べさせた料理のおいしさについて事細かに批評、称賛した上で、段々眠くなってくるらしんだよね。だから料理を食べさせ続けて完全に眠らせられれば無敵状態は解除されるから、一撃で倒せるようになるとおもう」
つまりは君たち猟兵はボスの攻撃を耐えるか、料理を拵えて食わせるかのどちらかになるだろう。
「戦争をやり切ってる先輩がたなら問題ないでしょ? …それじゃ、頑張ってきてね!」
ふわりと雷のグリモアが浮いて輝きだすと。
君たちはアリスラビリンスへ飛び込んだ───!!
不知火有希哉
おはこんばんにちわーうるふ!
お久しぶりな不知火有希哉です♪
気分屋なお嬢さんとモフモフなお兄さんを食い止めて、ハロウィンのイベントを楽しみつつ世界を取り返してください!
●このシナリオについて
・このシナリオは特別な2章構成のシナリオになります。
・第一章の集団戦にて、『嫌々でも仮装するとプレイングボーナス』が発生します!
皆さんの仮装コスチューム…どんな風になるんでしょうか!
・10/31までに成功したシナリオの本数に応じて『ハロウィンパーティ当日』、そして始まるであろう『アリスラビリンスでの猟書家戦』に、何らかの影響があるかも?
以上になります!
それでは、よろしくお願いします♪
第1章 集団戦
『ジョーカー』
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POW : ブラックレディ
【死神の大鎌】が命中した対象を切断する。
SPD : ドッペルコップ
自身が【食欲や怒り】を感じると、レベル×1体の【自身の魂を分割した分身体】が召喚される。自身の魂を分割した分身体は食欲や怒りを与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ : レッドドッグ
【バラまかれたトランプから噴き出す灼熱の炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【灼熱の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
グリモアの転送光から放たれた君たち猟兵が真っ先に目にしたもの。
……それは、グリモア猟兵の予知通りに『仮装したオウガ』である大鎌を携えた少女たち。
楽しそうな笑い声が響くが、彼女たちはオブリビオンである。
「ふふふ…」
「あははは……」
着ぐるみパジャマだったり、吸血鬼の姿をした少女など、色々いるけど敵である。
さぁ、君たちも仮装してオウガたちとの戦闘に参加するのだ!!
●戦闘に際しての補足
・シナリオのOPに描写があったように『コスプレするプレイングボーナス』が発生します!ぜひ狙ってみてください♪
みなさまのご参加をお待ちしております★
*正しくは『コスプレするとプレイングボーナスが発生します』です。
ヤコ・ナゴ
【SPD】ええと、私の知ってるハロウィンと違うんですが?
なんでこうよく斬れる大鎌用意したり、燃料を仕込んだ発火トランプを使ったりしてるんですか?
バカですか?もしくはアホですか?
…ってちょっと待ってください、なんで美味しそうな鶏肉を見るような眼でこっちを見てうわ増えたあああああああああ!?
(ヤコは逃げ出した!)
無理無理無理無理ぜったいあんなの喰われる無理無理無理無理うわなんか森から飛び出してきうわっ!?
(ヤコは ゾンビのコスプレを 装備させられた!)
ああもうなんでこんな目に遭わなきゃいけないんですかあああああ!!
(ヤコはキレてアサルトライフルを乱射した!)
ふざけんな死ねええええええええええ!
●
召喚の光から解き放たれて、広がった風景を目にして。鶏(コカトリス)型のキマイラお兄さん。
その名をヤコ・ナゴ(チキンレッグ・f29509)と言った。
「ええと……?あの…私の知ってるハロウィンと違うんですが」
初依頼のようだけれど、こんなんで良いんですかお兄さん?ぽかーんと思わず嘴を開けたまま放心すること数秒を要するとかしないとか。
まぁそれはともかく。
「あははは」
「うふふふふ」
一見かわいらしい少女が仮装しながらお茶会している様子は、ぱっと見和やかなのだけれど。
……少女らの得物がハロウィンだとしても物騒過ぎる。中には血を滴らせた鎌を担ぐ少女がいたり。何を屠ったのだろう?
「なんでこうよく斬れる大鎌用意したり、燃料を仕込んだ発火トランプを使ったりしてるんですか?」
スプラッターな惨状一直線であろう得物と、いろんなところトランプらしきアイテムが爆発している。
「バカですか?もしくはアホですか?」
こんな光景を目の当たりにして真っ先に出たのは罵声である。
そんなヤコの罵声に反応したのか、血に塗れた大鎌を担ぐ少女が鶏お兄さんを視線で射抜いた。
ぞくり、と背筋に走る寒気は…食欲か、それとも?
「…ってちょっと待ってください、なんで美味しそうな鶏肉を見るような眼でこっちを見てうわ増えたあああああああああ!?」
ぞろぞろと武装した少女がヤコを追い始めたではないか。
「美味しそうな鶏さん…♪」
「一緒に遊びましょ……♪」
少女たちの台詞は穏やかだが殺気がばんばん漏れているわけで。
「無理無理無理無理ぜったいあんなの喰われる無理無理無理無理!?!?」
戦うどころじゃなくなって半ば錯乱状態になりながら、ばたばたと情けなく逃げ出すヤコ。
「いやぁぁぁぁぁまだ死にたくないぃぃぃぃぃ!!!!」
ぶわぁ!!とギャグマンガよろしく滝のような涙をコミカルに流しながら必死の逃亡を続けること5分間。
「ん……?」
ふと違和感を感じた。猟兵の勘か、森の茂みからがさごそ音がして。振りむくと…
「なんか森から飛び出してき…うわっ!?」
事故の如く何かとぶつかった途端に装着、がしーん。頭の中で『ぱっぱらー♪』みたいなファンファーレが鳴る幻聴。改めて自分の姿を見直してみると……。
なんとまぁびっくり。ヤコはゾンビのコスプレを装備させられていた。
もう一着飛んできていたのは『フライドチキンの衣風の服』。こちらじゃなくてよかった、うん。
「ああもうなんでこんな目に遭わなきゃいけないんですかあああああ!!」
錯乱通り越して狂乱状態に陥ったヤコは装備していたアサルトライフルで弾幕をまき散らす。
「ふざけんなぁぁぁぁぁ死ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
オウガの少女らに一斉掃射をお見舞いして、追ってきた娘たちをなんとか追い払った(退治したともいう)のだった。
大成功
🔵🔵🔵
バロン・ゴウト
コスプレしての戦闘なら去年もあったし、どんな衣装が飛び出しても着こなして見せるのにゃ!……けど、出来れば動きやすい衣装が良いのにゃ。
出てきた衣装は忍者。えへへ、一度忍者の格好してみたかったのにゃ!
【WIZ】
敵のトランプから出る炎に対抗して、水遁の術!……じゃなくてトリニティ・エンハンスの水の魔力で攻撃にゃ!
【全力魔法】で敵に水の魔力をぶつけて、炎のトランプごと敵を押し流すのにゃ!
絡み、アドリブ大歓迎にゃ。
●
鶏お兄さんのあれこれが済んだ少し後、召喚の光から現れたのは、黒猫の姿をした可愛らしい少年。
彼の名前はバロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)だ。
「コスプレしての戦闘なら去年もあったし、どんな衣装が飛び出しても着こなして見せるのにゃ!」
キリリと表情を引き締めて、気持ちを新たにするバロンは。
戦闘があったであろう周囲をきょろきょろと見まわして情報収集してみることに。
「うーん、爆発物注意って感じがするにゃ?」
蜥蜴竜のグリモア猟兵が説明時に見せていた映像を思い出す。確かオウガの少女たちは仮装することで地震の能力を上げているとか。
無論、こちらもコスプレすることで能力が上がるのだが。
「出来れば動きやすい衣装が良いのにゃ…にゃ?」
森のどこからか、ぽーんと小さな宝箱がバロンの目の前に放り投げられた。
「うにゃにゃ?この中に衣装があるのにゃ?」
恐る恐る開けてみれば、忍者装束がでてくるではないか。
「えへへ、一度忍者の格好してみたかったのにゃっ」
すぐさま着替えてきめポーズ。シャキーン!と効果音がどこからか聞こえた気がして、振り向いてみるけど何もない。
「……にゃ? と、とにかくオブリビオンをやっつけるのにゃー!」
着ていた衣装は片づけて、バロンはぞろぞろとやってくる仮装少女たちと相対する!
●
「可愛い猫さん、遊びましょ…?」
くすくす笑いながらトランプを投擲するオウガたちは、バロンの足元を狙うように火を放ってくる。
「喰らうわけにはいかないにゃっ!」
バロンはユーベルコード『トリニティ・エンハンス』の水の魔力を全力で撃ち放つ。
しかしバロンの魔法はオウガたちを押し流すには至らなかった。
「折角の仮装が台無しになっちゃった…」
ぐっしょりと濡れた仮装したオウガは不服そうである。そんな隙を見逃すバロンではない。
「にゃぁぁぁぁっ!!」
バロンの剣戟がいい音を立てながらオウガへ攻撃を見舞うものの、身長差が邪魔をして大鎌に弾かれてしまう。
「威勢がいいけれど、そんな調子はいつまでもつかしら?」
だが、少女の声は一瞬の油断で掻き消された。
タンッ!と高く飛び上がるバロンは猫であることを活かした跳躍で視線を切る。
「!」
目の前にいる少女の視線を逸らすことに成功したバロンは、木の幹を臨時の足場にして飛び跳ねるように懐へ飛び込んだ!
「にゃっ!!」
どつん!とオウガの胸を刺突して見せた。赤い薔薇の花びらが少女の傷口から溢れ出て舞うと、黒い霧へと還っていった。
「……!」
装備した忍者装束のおかげで、いつもより身軽に感じられるからか。
「忍者猟兵バロン・ゴウト!これより悪鬼を成敗致すにゃ!」
即行で考え付いた台詞と決めポーズを披露すると、バロンの体に力が満ちていくのを感じ取る。やる気に溢れた黒猫少年はその勢いのまま、オウガの少女らを持ち得るユーベルコードを巧みに扱い減らしていったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
牙国・蒼志
ハロウィンのコスプレ、か。
…よく考えたら十之型はコスプレに近いな。
「気づいてなかったのか」
ん、そうだな。
「ではどうする?コックピット内ではわかるまい」
なに、方法はあるさ。
「…なんだ」
お前がコスプレすればいい、『創』。
とはいえ、キャバリアサイズの衣類なんてさすがにここでも…。
(キャバリアスケールの衣類がどこからともなく)
あった。
「なぜだ」
海賊、か。ならばこれを着用するぞ『創』!
「あ、ああ…」
(マントにドクロがあしらわれた帽子、フェイスカバーにフックのように見える手袋を着用)
牙の陣四之型『卯月』!海賊らしく武力を奪うぞ!
「ああ!」
(全身を赤く染めて大型クローも…)
「おいなにを考えている蒼志」
●
転送の光から解き放たれた人影が、もう1つ。
その姿は機械龍の風貌をしていて。
「ハロウィンのコスプレ、か。…よく考えたら十之型はコスプレに近いな」
その声の主は顔の傷と茶の毛皮が特徴的な人狼の男性、牙国・蒼志(蒼穹の龍・f15465)からだ。
『気づいてなかったのか』
コクピットの中に響くのは電子音声。それは搭乗しているスーパーロボット『ハジマリノ龍『創』』のモノだろう。
「ん、そうだな…」
思案する蒼志は、目の前にいるオウガの少女らを睨みつけながら。
『ではどうする?コックピット内ではわかるまい』
「なに、方法はあるさ」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべる蒼志に。
『…なんだ』
嫌な予感をひしひしと感じながら、『創』は問う。
「それならお前が衣装を着ればいいだろう、『創』?」
『…は?』
コクピットの電子音声が、困惑の声を上げていた。
『無茶ぶり過ぎないか』
キャバリアサイズの衣類なんてさすがにこんな所にはないだろう。
そう考えていた『創』だが、彼?へ向けて大きな木々の間からどこからともなくコンテナが飛んでくる。
『!!』
反射的にそのコンテナを撃墜すると、そこから現れるのはキャバリアサイズの海賊衣装。どことなくドクロマークのアクセントが効いたビームを弾きそうなマントや、アンカーが射出されそうな装備と……眼帯?
『なぜだ』
ありえないことの連続に、再び『創』からの困惑した声が浮かぶ。
「海賊モチーフ……か。ならばこれを着用するぞ『創』!」
この狼オジサン、かなりノリノリである。
『あ、あぁ…』
言われるままに、コンテナに収容されていたコスプレ装備…マントにドクロがあしらわれた帽子、フェイスカバーにフックのように見える手袋を着用して準備完了である。
「牙の陣四之型『卯月』!海賊らしく武力を奪うぞ!」
装備を変更して戦闘準備ができたことを確認してから蒼志が叫ぶ。
『ああ!』
その呼びかけに応えた『創』は、その巨大な体躯を活かし、ユーベルコードを発動させて、オウガの少女らを無効化していく。武力を奪いつつも、抵抗してくるオブリビオンはしっかりとなぎ倒していくのであった。
●
オウガとの戦闘中。
相棒の活躍を眺めながら1つ考える蒼志。
(ふむ、これなら全身を赤く染めて大型クローを用意するのもありか……?)
『おい。なにを考えている蒼志』
思考を読まれたのか、自分の考える【カッコイイ】を相棒に要素として付与したかったのだろうが…全力で『創』に止められたんだとか。
大成功
🔵🔵🔵
ヤコ・ナゴ
はー…正直死ぬかと思いまし………ええと。
なんかこの辺りやたらとトランプがばら撒かれて―――発火トランプだああああああああ!?
(ゾンビコスプレに引火した!)
熱っ!?確かにアンデッドは火に弱いけどこちとらただの鳥類なんですがあああ!!
(引火したまま狂乱状態で走り出した!)
うわあああああ焼き鳥になるのは嫌あああああああああ!
(そしてまたなんか飛び出してきt………フライドチキンの衣風の服だ!)
…あのですね。
焼き鳥になるのは嫌って言いましたけどだからといってフライドチキンがいいとかそういう訳じゃ…ねえんですよ畜生めええええええ!
(ヤコは眼鏡を外してレーザーを放った!)
●
他の猟兵たちが仮装したオウガ連中の戦力を削り討伐しを繰り返している中。
鶏(コカトリスのキマイラ)お兄さんのヤコ・ナゴは逃げ惑いながらも戦闘を続けていた。
「はー…正直死ぬかと思いました………」
仮装した少女らはオブリビオンであり敵である。一見はハロウィンを楽しんでいるからか可愛らしいものの、手にしている物が非常に物騒であったりしてて。
「ええと。なんか…この辺りやたらとトランプがばら撒かれてるような……?」
確かこのトランプってオブリビオンガールズの得物の一つだったような……。
瞬間、めらり。トランプの1枚が火だるまになって…樹がメラメラと燃え上がっていく。
「やっぱり発火トランプだああああああああ!?」
飛び退くものの、ヤコが身に包んでいたゾンビの仮装にもちゃっかり日が燃え移っているではないか。
「熱っ!?確かにアンデッドは火に弱いけどこちとらただの鳥類なんですがぁぁぁぁ!?」
鶏お兄さん、焼き鳥になってしまう危機到来である。そんな雰囲気を察してきたのか、食欲を刺激されたか仮装少女らがヤゴへ向かってくるではないか。
「いやいや待って待って私なんか食っても美味くないから!?」
「美味しそうなアリスね?」
「そうね、みんなで食べちゃいましょうか?」
ぞわり。背筋に寒気は食い気というか、殺気を感じ取ったのか、一目散に逃げ出すムーブ。
「うわあああああ焼き鳥になるのは嫌ぁぁぁぁぁぁっぁぁぁあぁぁぁぁ!!!?」
また追われる身になってしまうのであった。
「もう嫌だこんなとこぉぉぉぉぉぉ!!!」
ギャグ漫画よろしくぶわわと滝のような涙を流しながら逃げ回る。
●
走り回り逃げ惑う中、ふと宝箱が燃え盛る森から飛んできた。
「…嫌な予感しかしないんですが」
予感的中。中にあったのは…フライドチキン風の衣装。しかもなんかほこほこと湯気立っているようにも見えて。
しかもなんか揚げたてほやほやなのか美味しそうな匂いまでする。
「…あのですね?」
着ていた衣装は焦げ付いてボロボロ。これでは力を発揮するのは難しいだろう。
「焼き鳥になるのは嫌って言いましたけど……」
このまま匂いに釣られたオウガ連中をおびき寄せて一網打尽にするには…これしかないだろう。
頭の中に過ぎった手段を講じるしかあるまいと、腹をくくったヤコはフライドチキンに成りきってみる。あくまで仕方なく。
「だからといってフライドチキンがいいとかそういう訳じゃ…」
掛けていた眼鏡を外し、目線をオウガ連中を向けると…キラリと一瞬瞬く。ユーベルコード『アイ・オブ・バグベア』を発動させたのだ。
「ねえんですよ畜生めぇぇぇぇぇぇぇ!!」
正直泣きたい。いや泣いてる。なので八つ当たり混じりに眼から出るレーザーでオウガを逆に焼き払っていった。
「はぁ…はぁっ……」
焼け野原と化した仮装会場。他の猟兵たちと合流しようと歩き始めた途端、尻尾の蛇がフライドチキン風衣装にあぐあぐと噛み付いている。なんでこんなにこいつはこんなに元気なんだ。
「……どうして?」
もうヤダ早く帰りたい。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『オウガブラッド・レックレス』
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POW : ライオネル・バイト
自身の身体部位ひとつを【真紅のライオン】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD : ライオネル・クロウ
【両手の爪】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ : ライオネル・ゴースト
自身の【肉1ポンド(約450g)】を代償に、【自身を飲み込んだオウガ】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【燃え盛る両腕と牙】で戦う。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ロスティスラーフ・ブーニン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
「なんだなんだ!?みーんなやっつけられちゃってるじゃないか!!」
猟兵たちがオウガの少女らをやっつけたその中で、見慣れない姿のオウガがもう一体。燃え盛る腕を見せつけるような、獅子の様な姿の青年?がいた。
「お前ら猟兵のせいだな!せっかく楽しいハロウィンパーティにしようと思ってたのに!!」
ぷんぷんと子供っぽく怒っているのか地団駄を踏む『オウガブラッド・レックレス』。見かけに反して子供っぽい性格なのだろうか。
「オイラがみーんなやっつけてやる!覚悟しろー!!」
腕をメラリと燃やして、獅子お兄さん?は君たちに襲いかかってきた!!
●
第二章も『コスプレで戦闘するとプレイングボーナスが発生』します!
よろしくおねがいします★
バロン・ゴウト
わあ、オウガが襲い掛かって来たのにゃ!こんな状況でお料理なんてできないのにゃ~。
(再びどこからかコスプレ衣装が飛んできた。今度はコックさんの衣装のようだ)わぁ、コックさんの服なのにゃ!よーし、コックさんの衣装を着たなら、お料理できないなんて泣き言は言ってられないのにゃ!
トリニティ・エンハンスの風の魔力と【オーラ防御】を合わせてキッチンにシールドを作り、お料理に集中できるようにするのにゃ。
作るお料理は栗のポタージュ。栗の濃厚なうまみが味わえる一皿なのにゃ!
敵が眠ったら、トリニティ・エンハンスを今度はレイピアに纏わせて攻撃にゃ!
絡み、アドリブ大歓迎にゃ。
ヤコ・ナゴ
あのですね(マガジン交換)楽しいハロウィンパーティーってなんですか(構える)私は…(軽く狙いを定める)調理されようとしてたんですよふざけ………あれ、そういえば今攻撃にめっちゃ耐性あったんでしたっけ…(銃を降ろす)
ああもう、「ハロウィンの国』の法則とかなんですかあ…
(料理準備。流石にフライドチキン一式は料理の邪魔になるので脱ぎ………あっここで流浪のシェフコスプレ一式が飛んできた)
(スタンダードなゆで卵)(卵スープ)(スパニッシュオムレツ)(厚焼き卵)
はぁ…私が食べたい…
(ふわとろ親子丼)(カルボナーラ)(かきたま汁)(スクランブルエッグ)
走り回ったせいでお腹減った…
牙国・蒼志
(『創』は引き続き海賊コス)
おや、なんだか子供っぽいな。ふふ。
『笑っている場合か』
ああ、すまん。つい、な。
『く、予想以上に強い…!』
だな。たしか料理を振舞えばおとなしくなるはず、だったか…。
『だが、そんな暇は…』
創、一人で少し時間を稼いでくれ。その間に何とかする。
『長くは持たんぞ…!』
コックピットから出て【神無月】で学ランコスになり、料理を作る。
すぐに用意できそうなのは、パンケーキあたりか。
三段重ね…メープルシロップ…生クリームにさくらんぼ…。
よし、出来た!
オウガ、腹が減っただろう?甘いものはどうだ?
『こんな短時間でよくできたな…』(破損はしてないがそこそこボロボロ)
…あとで修理しないとな
●
「おぉっと!オイラも仮装しないとだっけな!さーて何着ようかな~♪」
猟兵たちに飛びかかる一瞬、ハッと我に返ったように獅子のオウガは木々の間を物色し始めて。
もそもそと毛玉姿は動いてしばらくすると……?
「へっへーん!オイラも仮装したんだぜ!!」
ドヤ顔の獅子青年はにゃんこのきぐるみパジャマを装備?していた。傍から見る分には可愛らしいのだが…彼もオウガなのである。以降獅子にゃんことさせていただこう。
そんな彼の命運や如何に?
●
「おや、なんだか子供っぽいな。ふふ」
自機の『創』の海賊風装備を改めて眺めている人狼が一人。
父親の視線を『創』へ向けている人狼の男性は牙国・蒼志だ。
『笑っている場合か』
「ああ、すまん。つい、な」
コックピットの中で響く男性の声に対して蒼志は微笑む。
「俺たちはオウガの気を引こう。行けるな『創』?」
『無論だ』
返答を聴きとり、オウガへ戦闘を仕掛ける!!
「あのですね?」
オウガ娘を一掃して空になったマガジンを交換し。
「楽しいハロウィンパーティーってなんですか?」
チャっと弾丸を装填したライフルを構え。
「私は…」
獅子にゃんこなお兄さんに対して軽く狙いを定め。
「調理されようとしてたんですよ!! ふざk……あ、そういえば今攻撃にめっちゃ耐性あったんでしたっけ…」
おとなしく銃を降ろしたのは鶏キマイラ(コカトリスである)のヤコ・ナゴ。
「そういえば、オウガのお兄さん?にはお料理をご馳走すれば弱体化するって言ってた気がするにゃ?」
黒猫妖精のバロン・ゴウト少年は口元の白髭模様をいじりながら思案する。グリモア猟兵曰く『お腹いっぱいにしてしまえば倒しやすくなる』……とは言っていたけど。
「でもこんな状況でお料理なんてできないのにゃー…」
きょろきょろとバロン少年がオウガの獅子にゃんこの周囲を調べてみると。
と…おとぎの国らしくキッチンなら具材などなど準備万端ではないか。
オウガはアリスを食らう。おそらく彼もなんだろうけれど。
●
戦闘開始した猟兵たち。
先に仕掛けた蒼志たちは、オウガ相手に攻撃が通らないことに苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。
「へっへーん!そんな攻撃効かないぜー」
『く、予想以上に強い…!』
こちらが放つ攻撃は、着弾させてもハロウィンルールによって無効化されてしまっている。
「だな。たしか料理を振舞えばおとなしくなるはず、だったか…?」
そんなとき、地上で仲間の話している内容を傍受した蒼志は…1つ考えて。
『だが、そんな暇は…』
「ふむ。『創』、悪いが少し時間を稼いでくれ。その間に何とかする」
『長くは持たんぞ…!?』
攻撃が通らないことに『創』の感じた焦燥感、果たして無事に解決できるのか…?
「ああもう、「ハロウィンの国』の法則とかなんですかぁ……」
ヤゴがため息をつく。そんな中、仲間の猟兵たちと共に料理準備。
流石にフライドチキン一式の衣装は料理の邪魔になるので脱ぐと……ここで流浪のシェフコスプレ一式が都合よく飛んでくる。
「うわぁ如何にもご都合主義って感じ。でもこういうときにありがたかったりするんですよね」
気を取り直して衣装を着替えると、フライドチキン風の衣装は蛇の尻尾が平らげていた。その衣って食べられたんだ……??
敵であるはずの獅子にゃんこの様に同じように木々の間をもそもそと探してみると、足元にキレイに畳まれたコックさん衣装が落っこちてきた。
「わぁ、コックさんの服なのにゃ!よーし!」
ぱぱっと早着替えしたその姿は普通に愛らしい。ケットシー用に最適化しているようで、見栄えも良い。
「コックさんの衣装を着たなら、お料理できないなんて泣き言は言ってられないのにゃ!」
キリリと表情を引き締めて、バロン少年はキッチンの前に立つ。
「襲って来るかもしれないし…ここは防御用のオーラシールドを用意すれば襲ってこれなくなるにゃ」
ユーベルコード『トリニティ・エンハンス』の風の魔力をオーラ防御の技能で安全領域を生成。それに気付いた獅子にゃんこ、『創』からターゲットを切り替えて壁を破壊しようと動いてきたのだが無事に防御。
「うぐぐ……小さいにゃんこめ、なかなかやるな!」
べしべしと音を立てながら燃える拳による攻撃を防ぐ。
あれ、もしかしてこのお兄さんあまり頭が良くない?それとも本当に戦闘する気がないのか?
攻撃が通らないと判断した獅子にゃんこの攻撃対象が再び『創』に戻ると、別のところで爆発音が響いていく。
「うぅむ…『創』には悪いことをしてしまったな」
ダメージを受けているし、後で修理してやらないとな…と蒼志はつぶやきながらパンケーキの製作。
ハロウィンの時期は秋。それならとバロン少年は懐から大きな栗を取り出して。
玉ねぎをしぱぱっとみじん切りにして栗と水を入れくつくつ煮込む。柔らかくなったら潰して牛乳、コンソメをいれて味を整えて……?
慣れた手付きで拵えたのは料理は栗のポタージュ。栗の濃厚なうまみが味わえる一皿である。
ヤゴが拵えるのはスタンダードなゆで卵、卵スープにスパニッシュオムレツ、厚焼き卵。
「はぁ…むしろ私が食べたいくらいですね……」
蒼志は手際よく三枚焼き上げると、メープルシロップや生クリームにさくらんぼを飾り付けて。
「よし、出来た!」
流石一児の父親、お菓子作り手際も良い。
きゅるる~~……と腹が鳴る。少しくらいつまみ食いしてもバチ当たらない…か?
うーん、さっき走り回ったせいか無性にお腹減った。ヤゴはこっそりとを作った自前の料理を少しばかりいただくのだった。
もぐもぐと頬張っている中、ヤゴの作った卵料理に目を奪われたのか、バロンも興味を示した様子で。
「…少しだけもらってもいいにゃ?」
「……少しだけですよ」
二人のやり取りにこっそり秘密にゃ!とバロン少年はどことなく嬉しそうで。
「ふたりとも。疲れているのはわかるが…つまみ食いも程々にな?」
蒼志は息子を見るような優しい目を二人に向けていたとか。
●
「む、いい匂いがするな!オイラによこせー!」
戦闘に疲れたのか、獅子にゃんこによるじゃれつくレベルの襲撃。
「そんなことしなくてもちゃんとあげるのにゃ、席に座って待ってるにゃー」
バロン少年が嗜めると「む、そうか」と小さく言って、おとなしく席につく獅子にゃんこお兄さん。
「おぉ!!どれもこれも美味そうだな!!猟兵もなかなかやるな!!」
もぐもぐ咀嚼してる中にこの食材があまり美味しくないだの、肉の火通りが甘いなど細かい苦言もあったが、基本的な仕上がりにはべた褒めであった。
「さらにおかわりですよー」
出された料理がなくなった頃にヤゴによるご飯のおかわり。なぜか卵料理だらけなのはヤゴが鶏の鳥人だからだろうか?
ふわとろ親子丼、カルボナーラにかきたま汁、スクランブルエッグ。
「オウガ、腹が減っただろう。甘いものはどうだ?」
獅子にゃんこの目の前に三段パンケーキ。よだれを垂らしながらまじまじと眺めるその姿は少年のようである。
『こんな短時間でよくできたな……』
「ヘイト稼ぎお疲れ様。あとで修理してやるからな」
破損はしてないが、そこそこボロボロになっている『創』の装甲を軽くなでてやって。
「ま、まだ眠るわけにはぁぁ…も、もっと美味しいものを持ってくるんだぜ!!」
あ、この獅子にゃんこお兄さん…戦闘するよりも食欲が勝ったらしい。
「うにゃぁ…んぅ、むぐむぐ…美味い」
眠気もあるようでうとうとしてはいるみたいだからあと少し…なのかな?
大成功
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栗原・獅子丸
(仮装は狼男。狼の耳と尻尾と狼脚を模した手袋とブーツ)
わん。わふ、だっけ?
お菓子が食べれると聞いて来たんだけど、違うの?
オウガをお腹いっぱいにすればいいの?でも、けっこう食べてる…。
んー、それなら、温かい飲み物はどう?
あれ、作れるかな…。(材料確認。チョコレートに牛乳、あとはトッピングとしてマシュマロやミントにシナモン)…あ、できそう。
モーラット達にも手伝わせて…。あ、チョコかじっちゃダメ。溶かすから。
…うん、出来た。ホットチョコミルク。これ、兄貴と一緒に飲んだんだ。
あったかくて甘くておいしいよ。
この後どうすればいい?倒す?…そっか、そう、だよね。
気が引けるけど…わかった。なるべく優しくする。
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猟兵たちの活躍(?)でオウガにゃんこに眠気を誘い始めた頃合い。
「うーん……まだ食べたりないんだぜ…むにゃ」
うとうとしてはいるけれど、あと一押し足りないんだろう。
…そんな中、グリモアの転送から解き放たれた影が一つ。
ぴっちりとしたパンクな衣装から覗くしっかりと鍛えられた体躯を晒した青年、栗原・獅子丸(片割れフランケン・f16684)だ。
「えーっと…仮装しないと、いけないんだっけ」
視線を向けて見つけた箱を物色してみると、狼モチーフなのかモフモフな耳カチューシャ、外付け尻尾と手袋、ブーツ。
それらを装備し、準備万端になったところで。見てくれはよくある擬人化した狼男だろう。強いて言うなら全身モフモフじゃないくらい。
「わん。…あれ、わふ、だっけ?」
どことなくワンコな雰囲気になってしまっているのはご愛嬌ということで。
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「お菓子が食べれると聞いて来たんだけど、違うの?」
ハロウィンといえば、仮装していない人物にとあるワードを投げかけるとお菓子がもらえる…というのを聞いたことがある。
グリモア猟兵の話では、『オウガを腹一杯にすれば攻撃できるようになる』とか。
「ん?でもけっこう食べてる…ような?」
それなら、と。キッチン周りを探索して材料確認してみる。チョコレートに牛乳、あとはトッピングにマシュマロやミント、シナモンを添えてみるのはどうだろう。
「あれ、作れるかな…。…あ、素材も揃ってるしできそう」
それから、とユーベルコード『モーラット達の応援活動』でお手伝いしてもらおう。
『もきゅ?』
『もっきゅう』
召喚されたモーラットと称される白い毛玉たちは、獅子丸のお手伝いをするべく周囲を走り回る。中には材料を食べようとしたりする子もいて。
「あ、チョコはかじっちゃダメ。溶かさないといけないから」
チョコは細かく割って切って湯煎して。温めた牛乳に素早く溶かし込んだら撹拌。沸騰しない程度に加熱してからソーサーにトッピングを添えて。
「…うん、上手に出来た」
ごきげんな様子に尻尾が揺れた気がした。
獅子丸が作り上げた一品はホットチョコミルク。彼曰く兄と一緒に飲んだ思い入れのあるレシピだそうだ。
「はい、どうぞ。あったかくて甘くておいしいよ」
「うにゃー…甘い香り…いただきます」
眠気に負けかけている獅子にゃんこにマグカップを手渡して、それを味わってもらう。
「猫舌対策にぬるめになっているのも高ポイント…味も申し分なし…にゃん……Zzz」
綺麗に飲み干したところで眠気が来たのか、獅子にゃんこはそのまま夢の中へ落ちていった。
「気持ちよさそうに寝てるなぁ……。でも、この子も倒さなきゃなんだよね?」
顎に手を当てて少し考えて。
なるべく苦しまない様に気絶させてやればいいとおもった獅子丸は、そっとオウガにゃんこの首へ手刀を入れた。トスっと、なるべく軽く。
「ごめん、ね」
無抵抗の相手に手を下すことに胸を痛めながら小さくつぶやく。
力なくその場に崩れると、獅子にゃんこは静かに黒い霧となって姿を消したのだった。
大成功
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