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アスファルトタイヤを少し切りつけながらクリアマインド

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●君だけが守れるものがどこかにあるさ。
「はいはーい! こちら意識調査に関するアンケートになりまーす! 出発の前にぜひご記入おねがいしまっすー♪」
 そんなことをいいながら小澄・彩(Dear my master・f12718)は暗闇を駆け抜ける頻度を聞いてきたり、どんなスリルに身を任せたいかなどの項目があるアンケート用紙を配っていく。
「あ、そんなにまじめに答えなくても大丈夫だよ! だって雰囲気作りだからね! じゃっ今回の事件の概要いってみよぅ!」
 のりのり、歌うようにあーやは説明しだす。
「今回ぶっ飛ばしてもらうのはこいつ! シーディーメーカー! クソエンタメやろーになっちゃったこいつに格の違いを思い知らせてやること!」
 ぶぉん、とターゲットの3D映像を写しながら彼女は続ける。
「どうやら今回はクレイジィ! なバイクの運転とエンタメ! なカードゲームにはまっちゃったみたいで、その二つと賭け事をあわせた『賭け騎乗カードバトル』で各地を暴れまわってるみたい。被害が広がる前に私たちで摘み取っちゃおーね!」
 簡単な説明を終えてじゃあ次だ! と出していた映像を消して今回の流れを説明していく。
「どうやら相手はある程度のドライブ・テクニックを持ってる相手を優先して戦いを挑んでるみたい。だからまずはテクニックを見せ付けて相手に敵だと認めさせて! そしたら相手はカードを取り出すと思うからそしたらデュエルスタート! あらゆる手を使って最終的にカードゲームでぼこぼこにする! そしたらキレて番外戦術――つまるところ戦闘を仕掛けてくると思うからボコッて終了! になるよ!」
 私はあまり詳しくないけど、と前おいて新しい映像を出す。そこに映し出されるのは敵の使うデッキの概要だ。
「アイツは見るものを魅了するエンタメデッキ……なんていってるけどその実、使ってるのは独りよがりのソリティアデッキ。自分のターンにキーカードを使って特殊召喚を繰り返してユニットを大量に並べて、物量でのビートダウンを狙うデッキだよ。攻撃性能に特化してて耐性はあんまりないから崩すのはそんなに難しくない……はず」
 うん、たぶん。と目をそらす。自信はないからがんばって考えて! と表情に出してひとつ咳払い。
「そうそう、乗り物に関してはバイクの速度に追いつければなんでもいいからね! 馬でも車でもチャリでも。こっちでも可能な限り用意するし、向こうでレンタルしてもおっけ! もちろん自前のものがあればそれを使ってもだいじょうヴい!」
 それとそれと! と彼女は楽しそうにある物品たちを取り出す。
「これ! カードのユニットや効果を立体映像にする機械! 盛り上がるだろうからもってってね! どうぞお好きなかたちなのをお選び給え!」
 がんばってそろえました、とない胸を張って自慢する。

 そんなこんなでやり取りが終わればあーやは改めて猟兵たちに向き直る。これから戦いに向かう皆に、笑顔を向けて。
「――では、活躍期待してますね! いってらっしゃい、でぃあ・まい・ますたー!」


しゅみる
 アスファルトタイヤを切りつけるような激しいドライブテクニックとクリアマインドな境地に至ったカードバトルを期待しています。ネタ依頼です。ゆえ氏です。
 よい子はまねしないでね、なドライビングもカードバトルもここでは思いのまま。全力で情熱をぶつけていただければと思います!
 割と軽率に叫ばせたりアドリブ入れようとも思っているので「それはあんまり……」という方はマスターページを参照に記号を入れていただければと思います。

 できるだけ自分も皆さんもはっちゃけて、それぞれ楽しめればと思います。それでは、よろしくお願いします……!
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第1章 冒険 『Racing Khimaira』

POW   :    力強いdrivingでrivalを圧倒する

SPD   :    巧みなhandle technicでrivalを翻弄する

WIZ   :    危険な運転は交通事故の元なので、法定速度を守り安全運転を心がける

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

デイヴィー・ファイアダンプ
通常の『賭け騎乗カードバトル』では事故は一切起こらないことになっているが、この後に行われるのは怪人とのバトルだ。
まったくどんな危険があるかわかったものじゃないね。

とはいえそんな危険と紙一重の世界を楽しむのは嫌いじゃない。
コースのギリギリのラインを攻めつつ巧みなアクセルワークやブレーキングを駆使して、その生と死の狭間をクレバーに駆け抜けるだけさ。

現れたライバルに対してはユーベルコードを使いマシントラブルを起こしてご退場願おうか。
なにせ運転するのは実は今日が初めてだからね。

しかしこの風の中を駆け抜ける“フィール”、なかなか悪くないものだね。



「くっくっく……はーはっはは! 弱い弱いぞ! 次だ、俺を楽しませて見せるがいい!!」
 海に程近いハイウェイ。そこでバイクに跨ったシーディーメーカーまた一人と自らに挑んでくるカードゲーマーを打ち倒していた。
「ならば次は俺が――」
「やめといたほうがいいんじゃない? おそらくキミたちにはその怪人に勝てないだろうから」
 また新たな挑戦者として立候補しようとしていたところに後ろから声が響く。シーディーメーカーとその怪人に挑んでいたキマイラはいぶしかむように声の主へ視線を向けるだろう。
「てめぇ……誰だ!?」
「そう聞かれれば答えるしかないね! 僕はデイヴィー。通りすがりの猟兵さ! 覚えておくといい!」
 名乗ると同時にデイヴィー・ファイアダンプ(灯火の惑い・f04833)は愛機の速度を上げる。コースのギリギリのラインを攻めつつ巧みなアクセルワークやブレーキングを駆使して迫るその様には誰もが見とれることだろう。
 そんなデイヴィー本人は危険と紙一重の世界を楽しみながら笑っていた。
「ふん、やるじゃねぇか。だが順番は守らなくちゃぁならねぇ。俺の番が終わるまでおとなしくして――」
「だからそういうわけにはいかないんだよね。というわけでお帰りはあちらでーす」
 次の瞬間、怪人のバイク以外が何らかの不調の声を上げる。それは、彼のユーベルコード呪言使い(アナテマンサー)によって起こった不運だった。追従していたキマイラたちは一人、また一人と脱落していくだろう。
「危険は少しでも少ないほうがいいからね。なにせ運転するのは実は今日が初めてだし」
 そうこぼしながらキマイラたちを見送る。そして、また自らの運転に集中していくだろう。
「しかしこの風の中を駆け抜ける“フィール”、なかなか悪くないものだね――!」
 そう言って、笑みをこぼしながら。

成功 🔵​🔵​🔴​

永倉・虎蔵
サンディ(f03274)と同行。

はっ!いいねぇ、面白そうじゃねえか。こういう滅茶苦茶なことは大好きだぜ。

愛用の黒い大型バイクを持ち込むぜ(イメージはハーレーダビッドソン)
この日?のために改造してちょっとエンジン音が大き目。うるさい方が目立つだろ?

ーーいくぜ、サンディ!付いて来いよ!あいつを一瞬で抜き去ってやる。遅れるなよ?(ニヤッと笑ってスタートを切る

走行中は相手を挑発しつつアクセル全開。
…あいつもやるじゃねーか、だがな!バイクは!気合で!飛べるんだよ!!!!!(スタントマンがやるような大ジャンプを見せつける)

はっはー!!楽しいな、サンディ!そっちはどうだ?

アドリブ大歓迎です。


サンディ・ノックス
トラゾウ(f02812)と参加

暗闇を駆け抜ける頻度…ほぼ毎日
好きなスリル…敵を煽
あれっ、真面目に書かなくていいの?

いわゆる青の普通自動二輪車を借りて参加

出発前にマシンの様子を万全にチェック
メンテが行き届いているかは勿論、マシンの癖も把握しておく

「ちょっとトラゾウ!…ノリノリだなぁ」
ちょっぴり苦笑してトラゾウに続いて走り出す

運転は丁寧に細かく操作をしてスピードに乗る
見た目は地味だけどその分速度は圧倒してみせる
無駄な動きはエネルギーも無駄になるんだよ

走りつつライバルをひたすら煽る
「あれ、そっちの速度は大したことないね?」
「動きが大袈裟なだけなんだねぇ」
とかね

ふふ、楽しいよ
たまにはバイクも悪くないね



「はっ!いいねぇ、面白そうじゃねえか。こういう滅茶苦茶なことは大好きだぜ」
 マシントラブルで次々と脱落していくバイクの合間を縫いながら永倉・虎蔵(花鳥風月・f02812)と黒い大型二輪は笑い声を上げるかのようなエンジン音をあたりに響かせて疾走していた。
「ーーいくぜ、サンディ!付いて来いよ!あいつを一瞬で抜き去ってやる。遅れるなよ?」
 ニヤッと笑いかける先には一緒に依頼に参加していたサンディ・ノックス(飲まれた陽だまり・f03274)があわてて速度を上げながら追従していた。
「ちょっとトラゾウ! ……ノリノリだなぁ」
 共に声を掛け合いながらも速度を上げる。二人は見る見るうちにシーディーメーカーに追いついていくだろう。だが後一歩、怪人の意地によって前に出ることができなかった。
「……あいつもやるじゃねーか、だがな!バイクは!気合で!飛べるんだよ!!!!!」
 叫びと共に虎蔵はフィールを上げる。感情の高ぶりにバイクが答えるように声を上げ一直線、道路にできた傾斜へと向かっていく。
「いいいいいいいいいいいいヤッフゥゥゥゥゥ!!!!」
 バイクが地面を離れ宙を舞う。重力に逆らいつつトリックを決める様には誰もが釘付けになるだろう。――そう、それが怪人であっても。
「止まっていればたいしたことない……動きが大袈裟なだけなんだねぇ」
 その隙をサンディは見逃さない。搭乗したバイクのすべてを知り尽くしたからこそできる最小限の動きで動きの止まった怪人を抜いていく。
「あれれ? そっちの速度は大したことないね????」
 抜きながらもしっかり煽っていく事は忘れない。挑発的な笑みを浮かべながら悠々と前に出る彼の行動は怪人にとってとても屈辱的に映るだろう。
「「おっけーい!」」
 前に出た二人は合流して域のあった動作でハイタッチ。軽快な音が当たりに響く。
「はっはー!! 楽しいな、サンディ! そっちはどうだ?」
「ふふ、楽しいよ。たまにはバイクも悪くないね」
「じゃ、このままガンガンいくか!」
「もちろん!」
 怪人より前を保ちながら激しいチェイス。時々煽り倒しながらも二人はハイウェイを進んでいく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

石上・麻琴
★はてさて、あいにく僕自身はドライブテクニックとやらを持ってはいません。そもそもそういった機械に乗ったこともないですしね。だから逆に考えました。乗るもの自体が己の判断を重視し、それをサポートできれば立派なテクニックではないかと……という訳で、自前の式神・白虎でバイクとやらと競いますね。速さはまぁ……頑張ってくれるでしょう♪その間に、このエンタメ!なカードゲームの知識やら何やらを理解しておくとしましょう。ようは式神を大量に召喚することに長けているという訳で、大量召喚の始動には鍵となる術があると……なるほど、自分の身に置き換えてみるとわかりやすい。ならば、そのための対策を仕込んでいきましょうか。



「はてさて、あいにく僕自身はドライブテクニックとやらを持ってはいません」
 そもそも乗ったことがない。これではいけないと手を考え始める。
「乗るもの自体が己の判断を重視し、それをサポートできればライダー立派なテクニックではないかと……」
 ぶつぶつとつぶやきながらも何か思いついたようで顔を上げる。
「――速さはまぁ……頑張ってくれるでしょう♪」
 いい案だ、と笑うその顔がブラックな環境を生み出すことを、そのときは誰も知らなかった。

 ●Ride on……
「な、何だってんだあれは!?」
 それが走り抜ける姿に周囲は驚くだろう。明らかな異形――いや、偉業とも取れるものでこのハイウェイを走っていたのだから。それは力強く道路を蹴る。一般車両の間をすり抜けていく。派手なチェイスを繰り広げる猟兵と怪人へと見る見ると迫っていくその影は――

 ――紛れもない、虎であった。

「どういうことだってばよ!?」
 すれ違うたびに驚きの声があげられる中、白虎――厳密にはユーベルコードによって召喚された式神とその召喚者たる石上・麻琴(虹の彼方の空の星・f01420)はまったく気にせずに通り抜ける。白虎のほうは気にする余裕がないのかもしれない。
「……ふむ。ようは式神を大量に召喚することに長けているという訳で、大量召喚の始動には鍵となる術があると……なるほど、自分の身に置き換えてみるとわかりやすい。ならば、そのための対策を仕込んでいきましょうか」
 麻琴は気にしないどころか騎乗する虎の上で今回の対策を立てている余裕っぷりだった。最低限の式神へのサポートをしながら、教本を開いてカードを並べ、あーだこーだとつぶやきながらデッキを作っていく。なんともフリーダムな姿に怪人も目を見開くだろう。
「ちょ、おま、なにして――アッハイスミマセン」
 集中している麻琴に話しかけようとしたシーディーメーカーだったがぎろりと白虎ににらみを利かされて押し黙る。これだけ走らされようとも忠誠心に揺らぎなどないのだ。主人を守り戦いに勝利するため、虎はまだ走り続ける……

大成功 🔵​🔵​🔵​

アレクシス・アルトマイア
★ドライビングテクニックも従者には必須の技能。
つまり私の出番ということですね。
それでは大型バイクを駆って巧みなhandle technicを魅せつけてしまいましょう。

ふふ、クレイジィなバイクの運転など、ただコントロールを放棄しているだけなのではありませんか?
真のテクニックは機体の全てを御するもの。
安全、安心の先にこそ、燃え上がるようなdrivingがあるのだということ。
貴方に教えて差し上げましょう

いえ、怖いのでしたら、無理にとは言いませんが…
もう少し、貴方がdrivingに慣れてからにいたしましょうか

ノリノリで本気かどうかわからないことを言って挑発したりします
要は敵と思わせればよいのですからね



「すげぇよあのバイク! 完璧なドリフトだ!」
「立ち上がりも上手ぇ! ガードレールぎりぎりだ!」
 また、新たに現れた一台に周囲のキマイラ達は沸いていた。
「ふふふ、ドライビングテクニックも従者には必須の技能――大型バイクを駆って巧みなhandle technicを魅せつけますよ!」
 彼女、アレクシス・アルトマイア(夜天煌路・f02039)がなでやかに、踊るように進んでいく。怪人とは比べ物にならない技巧に周囲の視線を釘付けにしていた。
「ふふ、クレイジィなバイクの運転など、ただコントロールを放棄しているだけなのではありませんか?」
 あっという間にシーディーメーカーの横に付いたアレクシスは嘲る様に小さく笑いながら煽り始める。目隠ししてるお前が言うな! なんて野暮な突っ込みはきっと聞こえない。
「真のテクニックは機体の全てを御するもの。安全、安心の先にこそ、燃え上がるようなdrivingがあるのだということ。貴方に教えて差し上げましょう」
 そういいながらも彼女は怪人の周りを華麗にぐーるぐると回っていく。高速で駆けているにも拘らずそのコントロールは完璧。明らかに自らを上回っているテクニックにシーディーメーカーは唖然とするしかないだろう。
「いえ、怖いのでしたら、無理にとは言いませんが……もう少し、貴方がdrivingに慣れてからにいたしましょうか」
 くすくすと妖艶に笑ってその場を離れていくアレクシス。そんな姿に怒りの火をつけられない怪人ではなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『遊戯決闘』

POW   :    とにかく正攻法!力強いプレイングで勝負!

SPD   :    経験に基づいた熟練のプレイヤースキルで勝負!

WIZ   :    重要なのは心理戦!常に優位を取ってゲームを支配して勝負!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ふざけやがってぇ! やろうぶっころっしゃー!!」
 シーディメーカーは猟兵たちの思惑道理、賭け騎乗カードバトルを始めようと腕に立体映像を出現させるための機械をつける。
「猟兵は勝負をしようと挑発し、その挑発に怪人は乗った……合意と見てよろしいですね!!!」
 そんな殺る気満々なシーディーメーカーの横をすり抜けて、人を二人乗せた一台のオープンカーが前に出る。一人は運転に集中しているようだったがもう一人はシートベルともせずに体を乗り出して仕切り始める。
「失敬、私賭け騎乗カードバトル公式審判員を務めます『ストーキングマン』と申します。このたび熱い勝負の気配に惹かれてここまでやってこさせていただきましたァ!!!」
「ふっ、公式審判員が出てくるとは……ずいぶんと俺も有名になったものだな!! それで? レギュレーションは?」
 そんないきなり出てきたバトルストーカーに動揺もせず、シーディーメーカーは満足げそうに言い放ちながらも必要なことを質問していく。
「公式審判員が出てきたといえどもこれは野良試合、禁止カードは無しとさせていただきます。それ以外は公式基本マスタールールに準じる形でやらせていただきます!」
 暑っ苦しくストーキングマンの説明は続く。ただしこれが普通のようで怪人は大人しく聞いていた。
「賭けるものについては双方同意があれば何でもいいこととします。もちろんなしでも。ただし継続して試合を行うために「デッキ」と「騎乗物」に関しては賭けることを禁止とさせていただきますッ!」
 うむ、とシーディーメーカーは満足げに頷く。わかったかと猟兵たちに一度にらみを利かせれば戦いを始めるために叫ぶだろう。
「ではストーキングマン! デュエル開始の宣言をしろ!!」
「かしこまりました! ――あ、なおこちらの様子はカメラを通して中継させていただきます」
 んんッ!! とストーキングマンは咳払いをして声を整える。次の瞬間にはどこからともなく取り出したマイクを使って叫ぶ。
「賭け騎乗カードバトル!!!! レディィィィィ……ゴォォォォォォォ!!!!!!!」

 ――今ここに、猟兵と怪人の戦いの火蓋が切って落とされた。
デイヴィー・ファイアダンプ
野良試合といえど、一人のエンターテイナーとして禁止カードを使う訳にはいかない。僕が賭けるのはそのプレイヤーとしてのプライドさ。

と、カメラにアピールして禁止カードを使いにくい雰囲気を出していこう。
使いにくい雰囲気を出すことで相手の手札に不要牌として残させ展開を遅らせるのが目的だね。

試合はこの使い慣れている気がするゴーストデッキを。
幽霊らしく“破壊された場合に”デッキ手札墓地から別の幽霊の特殊召喚を繰り返して戦線を維持していくよ。
相手が焦れて禁止カードを含め手札を吐いてきたら全体“破壊”罠の出番だ。
特化したものは何であれ一度崩れると立て直しが大変だろう。
その立て直している間に決着を狙うよ。



「それじゃあまずは僕の相手をしてもらおうか」
 そう言って前に出てきたのはデイヴィー・ファイアダンプ(灯火の惑い・f04833)だ。
「野良試合といえど、一人のエンターテイナーとして禁止カードを使う訳にはいかない。僕が賭けるのはそのプレイヤーとしてのプライドさ」
 彼はデッキを準備しながらもカメラに向かってアピールする。正々堂々、そんな雰囲気を身にまといながら後は先攻後攻の決定を待つばかりだ。
「フン! ルールの中で勝てばそりゃ正々堂々さ。お前のそれはなめてる様にしか見えないね」
 シーディーメーカーも準備ができたといわんばかりに言い返す。その様子を見たストーキングマンは火花散る二人の間に割って入っていく。
「では先攻後攻決定のコイントスです。チャレンジャー、どちらに?」
「……表で」
 デイヴィーの言葉と共にコインが宙を舞う。そしてストーキングマンの手の中に納まったコインは確かに表であった。
「先攻はもらうよ、僕のターン」
 デイヴィーの手の中には五枚のカード。使い慣れている気がするゴーストデッキに思いをめぐらせながら戦術を組み立てていく。
「僕は【幽霊を信じる少女リリック】を召喚。そして魔法カード【下層での埋葬】を発動しデッキの下から三枚を墓地へと送る。最後にカードを二枚伏せてターンエンドだ」
 配布された機械によって立体映像が映し出される。それを確認しながら怪人へとターンが移っていく。
「俺のターン、ドロー! ……俺は【エンタメヒーローソルティピエロ】を召喚! 効果を発動し相手のライフを800回復させることでデッキからレベル三以下のユニットを特殊召喚する! いでよ、【エンタメドックポーチー】!」
 それからも怪人のターンは続く。特殊召喚を駆使しながらあるときは数を増やし、あるときは上級ユニットを召喚していく。結果的に何体もの上級ユニットがシーディーメーカーの場へと残される結果となる。
「いくぜ、【エンタメソルジャーホゥリ】でリリックにアタック!」
「その瞬間リリックの効果発動! 墓地に『ファミリーゴースト』と名のついたモンスターがいるとき、そのカードを特殊召喚し、リリックを手札に戻す。いでよ【ファミリーゴースト・マザーリガティ】」
 待っていた、といわんばかりに効果を発動する。そして、その連鎖は終わらない。
「リガティの効果を発動! このカードが特殊召喚された際、デッキまたは手札より【ファミリーゴースト・ファザードム】を特殊召喚できる! 僕はデッキから召喚する。そしてドムの効果でこのターンすべてのモンスター効果は無効化されるよ」
「ちっ厄介なユニットを……だが関係ない。数と攻撃力で押し切ってやる」
「それはどうかな」
 ふふふ、と笑いながらデイヴィーは伏せていたカードの一枚をオープンする。
「罠カード【死者のいざない】を発動! 手札のゴーストと名のついたカードを墓地に送ることで敵ユニットをすべて破壊する!」
「な、なにぃ!?」
 あわてて手札を見るシーディーメーカーだったがそこにカードはない。絶好調なソリティアでカードを使い切ってしまい、何も握ってない手があるだけだ。
「ユニット効果も封じられてるクソッ! ターンエンドだ!」
 空っぽの場を残してターンエンドその表情はゆがんでいた。
「立て直す前に決めさせてもらうよ。僕のターンドロー」
 引いたカードを一瞥――にっと勝利を確信して笑って、カードを切り始める。
「僕は手札から【ファミリーゴースト・シスターミリア】を召喚! 特殊効果によってデッキから【ファミリーゴースト・ブラザーガルム】を召喚する」
 次々と召喚されていくユニット。だが、ここで勢いは止まらない。
「僕は魔法カード【ゴーストナイトの誓い】を発動! ファザードムとブラザーガルムを墓地に送り【キングダムゴーストナイト・ドミニオン】を召喚する!」
 そこに降り立つのは銀に輝く甲冑を着込む騎士がいた。聖なる気配をまといながらも、守るためのものに契約を結んだ騎士の姿がそこにあった。
「シスターミリア、マザーリガティでダイレクトアタック! そしてドミニオンは効果発動! 手札に【幽霊を信じる少女リリック】がある場合、それを開示することによって攻撃力を1000上昇させる! ドミニオンでもアタックだ」
「クソッ……だが俺のライフはまだ残ってる。次のターン、あのカードさえ引ければ……」
「僕のターンはまだ終わっていない!」
 その言葉に表情が固まるシーディーメーカー。そんな怪人をよそにデイヴィーは続ける。
「僕は手札より速攻魔法【ゴーストクリーナー三号機プル】を発動! 場の『ゴースト』と名のついたカードをこのカードの下に重ねて魔法罠ゾーンへと置く!」
「貴様……いったい何を!?」
「伏せカードをオープン! 罠カード【破壊の大竜巻】を発動。僕は【ゴーストクリーナー三号機プル】を破壊する! そしてプルが破壊されたとき重ねてあったモンスターカードは『再召喚』される!」
「何だと!? まさかッ!」
「そのまさかだよ。僕のユニットたちは『もう一度攻撃できる』! 決める、総攻撃だ!」
 カードが一枚もないシーディーメーカーにその手を防ぐ手段はない。ライフが減っていき、ゼロになる音が当たりに響く。今確かに、誇りを侮ったプレイヤーが負け、プライドを持ったプレイヤーが勝利を手にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アレクシス・アルトマイア

ふふ…。私、実はこのカードゲームをするのは初めてですが重要なのは明鏡止水の心持ちと聞きます
特に理由はありませんが余裕たっぷりに対戦いたしましょう

そうですね…かけるものは、カードゲームに掛けるプライド……
それで、いかがですか
いえ、本当に
先程も申しましたが……無理にとは申しませんよ
戦いが怖いのは、自然なことです。それが負け戦と分かっているなら、なおさらです

などと心理戦で優位に立ち回りましょう
デッキは特殊勝利なデッキとか
さっき行ったカードショップの店員さんに教えてもらったデッキとかで楽しくがんばります

カードを始めたときの心を忘れてしまった
それが、貴方の敗因です

楽しめたら勝ちなので私の完全勝利です!



「クソがッ! 次だ次!! 次のやつはぼっこぼこにしてやる!」
 完敗を喫したシーディーメーカーは声を荒げて次の勝負を要求する。
「では僭越ながら私が」
 そう言って前に出たのはアレクシス・アルトマイア(夜天煌路・f02039)だ。すでにデッキの準備の万端、あとは開始を待つだけといった風貌でシーディーメーカーと相対する。
「そうですね……かけるものは、カードゲームに掛けるプライド……それで、いかがですか」
 そういえば不思議そうにシーディーメーカーは眉をひそめるであろう。それはさっきやったのではないか、と。
「いえ、あくまで言い出したのはこちらだけ。あなたの口からプライドを賭けるとは聞けていないので。いえ、本当に先程も申しましたが……無理にとは申しませんよ。戦いが怖いのは、自然なことです。それが負け戦と分かっているなら、なおさらです」
 アレクシスの煽りに、それこそシーディーメーカーのプライドはは刺激されるだろう。顔を真っ赤にして戦いに望む様はアレクシスの思う道理でしかないだろう。
「では先攻後攻決定のコイントスです。チャレンジャー、どちらに?」
「表でお願いします!」
 その言葉と共に再びコインは宙に舞う――結果は裏。
「では俺の先攻だ! 大口たたいたこと、後悔させてやる!」
 そうして先ほど道理、手札をふんだんに使って場を展開していく。ただ、手札がなく反撃できなかった悔しさを覚えていたのかその手の中には一枚のカードが握られていた。
「――ターンエンド。さぁ、貴様にこの盤面がひっくり返せるかな?」
 自信満々にシーディーメーカーは言う。ここまで展開して返されることは早々ないと活力に満ちた顔でアレクシスを見つめていた。
「ふふ……。私、実はこのカードゲームをするのは初めてですが重要なのは明鏡止水の心持ちと聞きます。さっき行ったカードショップで教えてもらった楽しさ。それさえ忘れなければ私の完全勝利です!」
「はっ! いまさらいい訳か! いいご身分だなァ!!」
「これが言い訳かどうかは、デュエルが終わった後にわかるものですよ? 私のターン、ドロー!」
 そう、楽しんでいたあのころさえ忘れなければなんだってできる。そうフィールを高めながら展開を始めていく
「私は【天界の施し】を発動! カードを三枚ドローし、手札から二枚のカードを捨てます!」
「初手禁止カード、だとっ!?」
 楽しんでいきたい。猟兵として勝たなければいけない。そして猟兵としてほぼ無限の財力がある――そう伝えたアレクシスが構築してもらったデッキは本来であれば使えない、コレクションカードとは名ばかりの禁止カードをも盛り込まれたデッキであった。
「さらに【強欲な瓶】によりカードを二枚ドロー! おっと、このカードが手札に来たなら【手札開放】を利用して手札をすべて捨てて、先ほどの手札と同じ枚数ドローしますよ」
 手札をまわしていく様をシーディーメーカーは見ているしかない。彼が握っているのはあくまでユニット効果を止めるもの。魔法を連発しているアレクシスを止めることはできない。
「私はここで【死者光臨】を発動! 墓地より【翼神化身・ラー】を召喚します!」
「! コノシュンカンヲマッテイタンダー!! 俺は手札誘発によりそのユニットの効果を無効、破壊すr――」
「何を言っているんですか? これはモンスターではありません、神です!!!」
 シーディーメーカーの宣言はむなしくもさえぎられる。神にかなうものは神のみ。そして怪人のエンタメなデッキの中そんなカードは一枚も入っていなかった。
「私は【魔法誘発】を発動! 両プレイヤーは墓地のカードの中で最も上にある魔法カードを1000ライフ減らすことによって使用できます! 私は【死者光臨】をもう一度利用し【破壊の巨神兵・オベリスク】を召喚します!」
 出来上がりつつある盤面はすでに相手にとっては絶望。だがしかし、ここで止まるようなプレイングをアレクシスは教えられていない。
「残念ですけど墓地からの蘇生カードはまだあります。私は【禁忌の墓荒らし】を発動! ライフを800払って【天空の覇神・オシリス】を召喚!!」
 そのとき、誰もが感づいた。まさか、と。あのカードがくるのか、と。
「【天空の施し】を発動! 両プレイヤー手札が七枚になるようにドロー! ――おっと、やっと来てくれましたね?」
 にやり、引いたカードを見てアレクシスは笑う。
「ま、まさか……お前がやろうとしていることはっ!?」
「ふふふふ……そのまさかというやつです」
 自信満々、アレクシスは口上を始める。
「【翼神化身・ラー】【破壊の巨神兵・オベリスク】【天空の覇神・オシリス】――そして今猟兵の名の下に、神々を束ねる! いでよ【創造神竜・ホルアクティ】!!!!!!」
「う、ウソダドンドコドーン!?!?!!?」
 伝説のカードを前にシーディーメーカーは震える。前の三体ならどうにかなったかもしれない。だがこれはだめだ。なぜなら――
「【創造神竜・ホルアクティ】が場に出た瞬間私の勝利になります! 闇よ、消えうせろ!!! ジ ュ セ ル !!!!」
 無常にも浄化の光がシーディーメーカーへと下る。勝利のファンファーレは初心を忘れなかったアレクシスに降り注いでいくだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

永倉・虎蔵
サンディ(f03274)と参加。

賭けるものは金!!俺の全財産を賭けるぜ!!大型バイクが二台買えるくらいの額だ!

サーカスがモチーフのデッキを使うぜ。可愛い象や玉乗りアシカなんかを召喚して様子見。

たいしたことねえな、だと?
これは前座だよ。いきなりメインディッシュ出てきたら腹一杯になっちまうだろ。

って、まずい!あいつなんかやべーの出して来そ…(サンディが罠で潰してくれたのを確認)やるじゃんサンディ!助かったぜ!!

よし、今だ行くぜ!!見やがれ!!
俺は可愛いサーカス団員(象とか)を全て生贄に捧げて!!狂ったピエロを召喚!!!
ヒャッハーーー!!!切り裂いてやんぜ!!!
本当は恐ろしいサーカス団の開演だ!


サンディ・ノックス
引き続きトラゾウ(f02812)と参加

わぁ、中継しちゃうんだ
それなら盛り上がる賭けもするよ
蒼玉の指輪…銀製で親指サイズだからいい値段するし、これを賭けよう

モンスターが爬虫類族中心のデッキ
地道にモンスターを展開しつつ罠カードを伏せていく
特殊召喚で若干強いドラゴンも召喚できるけどなんとか防戦できるくらい
ふふ、怪人にも魅せ場があったほうがいいでしょ

相手がユニットを召喚しきってテンション全開になったところで罠カードオープン!
重コスト払うけど怪人の場のモンスターを一掃
さあトラゾウ、ここからは俺たちが魅せる番だよ!

怪人が俺に攻撃してきたらモロに受ける…なーんてね
直接攻撃を無効にする罠だって当然準備済みだよ



 三台のバイクが併走するその戦いは大いに盛り上がっていた。二つのデッキを巧みに操るシーディーメーカー。それに対して永倉・虎蔵(花鳥風月・f02812)とサンディ・ノックス(飲まれた陽だまり・f03274)はコンビを組み、激闘を繰り広げていた。
「そうだ。俺がしたかったのはこういうバトルだったんだ!」
 シーディーメーカーのテンションも高い。これまでのように即殺されなかったことも大きいが、彼の動力源となっているのは賭けられているものだ。虎蔵とサンディが賭けたのはそれぞれ現金と蒼玉の指輪。言い換えればお金と金目のものであった。
「やっぱり賭けデュエルはこうでないとなァ!! 俺は【エンタメソルジャーホゥリ】で【霧竜・カザメ】をアタック!」
 プライドをずたずたにされた反動からか、『らしさ』にこだわり始めた怪人の攻撃は鬼気迫るものがある。それゆえの激戦が今ここでキマイラフューチャーを沸かせていた。
「くっ【霧竜・カザメ】の効果発動! 手札を一枚捨ててカザメを除外、このバトルを無効にするよ」
「いいね、サンディ! ここから俺が決めて――」
 相棒のナイスブロックを見て、自らも技を振るおうとデッキに手をかけた瞬間、さえぎるようにシーディーメーカーの声が響く。
「フン! まだ俺のターンは終わっていない! 俺はエンドフェイズ時罠カード【エンタメ・サモン・マジック】を発動! フィールド上に『エンタメ』の名のつく星7以上のユニットがおり、なおかつ自分のターンでバトルが発生しなかった場合、エクストラデッキから【エンタメ】と名のついたユニットを特殊召喚する!」
「って、まずい!あいつなんかやべーの出して来そ……」
「こい! 【クロスエンタメ・フェアリーアイズドラゴン】!」
 エンタメを冠する大型エースモンスター。その召喚を――そして召喚できたという慢心をサンディは見逃さない。
「罠カード発動! 【大覇災】を発動! 墓地、または手札に存在するドラゴン族、爬虫類族を合計五枚除外することによってフィールド上のすべてのユニットを破壊する。――そして、この効果は無効化されない!」
 無慈悲な宣言に、シーディーメーカーの表情は固まる。
「ここまで計算道理か。やるじゃんサンディ!助かったぜ!!」
 無慈悲なまでに破壊されていくユニットたち。サンディたちは攻めいれられていたこともあり場にユニットはいない。対して大きく展開をしていたシーディーメーカーはエースユニットを二人も失い、場ががら空きなまま相手に出番を回してしまう。ここに、大きなアドバンテージの差が確かにできた。
「くっ……だがまあいい。たいしたことのないやつらに渡す一手だ。ハンデにもならん」
「たいしたことねえな、だと?」
 怪人の発言を虎蔵は笑い飛ばす。
「ここまでは前座だよ。いきなりメインディッシュ出てきたら腹一杯になっちまうだろ?」
「ああ、そうだね――準備はできた。さあトラゾウ、ここからは俺たちが魅せる番だよ!」
 サンディの声に答えながら虎蔵はカードをドローする。
「この瞬間、除外された【霧竜・カザメ】は効果により再召喚される!」
 すかさず呼応するようにサンディが特殊召喚。息の合ったデュオのように、次々と場を展開していく。
「俺は【エリートサーカス・パオーム】を召喚!」
「伏せカードオープン! 【ツイン・サモン】! このターンもう一度通常召喚ができる!」
「おうよ! それじゃ【エリートサーカス・ウッキキー】を召喚だ!」
「トラゾウ、場が開いてきたから――」
「わかってるって。俺は手札から装備魔法カード【フォーチュンジャグボール】を使用! ウッキキーに装備して効果発動だ! デッキの一番上のモンスターが『エリートサーカス』ユニットなら特殊召喚する!」
 放つ言葉と共に裏返されるカード。そこにはしっかりと『エリートサーカス』の記載があった。
「よっしゃぁ! 俺は【エリートサーカス・タイガーライナー】を召喚だ!」
「よし、仕上げていこう! 俺は伏せカード【聖魔反転】を発動! 【霧竜・カザメ】は光属性から闇属性へ変わる!」
 サンディの援護ですべての準備が整った。そう笑う虎蔵はデッキの芯になる一枚のカードを発動する。
「そして俺は【エキストラ・フュージョン】を発動! 属性が変換されたカザメと『エリートサーカス』三体で合体だ!」
「くッ……数を捨てて融合だと!? いったい何を考えている!?」
 圧倒されて唖然としていた怪人がようやく言葉を発する。そんな疑問に答えるかのように虎蔵は続けるだろう。
「本当は恐ろしいサーカス団の開演だ! いくぜ!【デリートサーカス・ハットマッドピエロ】を召喚!」
「高コストモンスター……確かに注意は必要だがその攻撃力ではこのターン俺を倒せまい!」
 次の俺のターンがくれば、と連呼する怪人にサンディはひとつ息をつく。
「最後まで効果を聞いたほうが良いんじゃないかな? ねぇ、トラゾウ?」
「ああ! このカードは融合に利用したユニットカードの枚数分だけ連続して攻撃できる! 今回は四回だ」
 は? と怪人の口が大きく開く。だがそれだけでないと虎蔵の説明は止まらない。
「そして生け贄にした『エリートサーカス』の数に比例して魔法、トラップ、ユニット高価に耐性を持つ。今回は全部だ」
 物言いたげな表情で怪人の表情が固まる。
「てめぇのユニットはいない! よって全部ダイレクトアタックだ! ヒャッハーーー!!! 切り裂いてやんぜ!!!」
「俺は……俺はまた負けるのか!? うわああああああああああああ」
 連続攻撃によってシーディーメーカーのライフをそこを付く。あたりに満ちたのはそんな怪人の悲鳴と二人を勝利に対する喝采。そしてその中に、相棒をたたえるハイタッチの軽快な音が響いていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

石上・麻琴
★(某遊○王を参考にしています)あぁ、『賭け事』なのを忘れていましたね。では僕はこの刀を賭けましょう。これもある意味、僕の魂というものですから……あなたにはそのプライドを、賭けてもらいましょう。先行は、僕がもらいます!(相手が後攻でないと攻撃を凌いでからの反撃が演出できないので)■戦術は基本的に3つ。1:相手のキーカードを手札誘発のモンスター効果で無効にします。2:それでも相手が展開してきた場合、手札からバトルフェイズを終了する効果を持つモンスターを特殊召喚します。3:返しのターンで相手の伏せカードを全て破壊し、相手のモンスター全てに攻撃できるエースモンスターを特殊召喚し、強化して攻撃します。



「では次は僕の相手をしてもらいますね?」
 魂が抜けたかのような怪人、シーディーメーカーに近づくのは白虎に跨る石上・麻琴(虹の彼方の空の星・f01420)だ。
「僕はこの刀を賭けましょう。これもある意味、僕の魂というものですから……あなたにはそのプライドを、賭けてもらいましょう」
 だがその言葉に返答はない。もういろいろだめかな? と様子を伺おうと覗き込めばいきなりシーディーメーカーは叫びだす。
「くくくく……ははははは!! いらん! そんなものいらねぇ!! ただお前は……お前は!! 俺に負けりゃぁいいんだよぉ!! デュエル!!」
「自暴自棄ですか。良いでしょう――僕が引導を渡してあげます!」
 併走する二人。今、最後の戦いが始まっていく。

「僕の先攻。……カードを二枚伏せ、ターンエンド」
「おうおう手札事故か? だがまぁこっちは遠慮しないぜ。ドロー!」
 今まで相手にしてきた中で一番少ない動きにほくそえむシーディーメーカー。勝利に飢えた瞳をカクつかせながらねっとりとカードを引いていく。
「場にユニットがいないため、【エンタメメカニックミニドラコ】を特殊召喚! そしてドラコの効果により――」
「待った。僕は手札から【式神妖精・リアリア】の効果を発動! 墓地に送ることによってユニット効果を無効にする!」
「ならば! 俺は【エンタメヒロイン・クラックガーリー】を召喚! クラックガーリーの効果により手札を一枚捨てて【エンタメヒーローソルティピエロ】を特殊召喚! 効果を発動し相手のライフを800回復させることでデッキからレベル三以下のユニットを特殊召喚する! いでよ、【エンタメドックポーチー】!」
 妨害は刺さらず、徐々にシーディーメーカーの場が整っていく。出来上がるのはこれまでの中で最強。五体の上級ユニットが並んだ布陣だった。
「バトルだ! 俺のユニットで総攻撃!」
「させません! トラップ発動【コマンドサイレント】! バトルフェイズ強制終了します!」
「ちぃ、命拾いしたな……だが次のターン必ずしとめてやる!!」
 自分のターンを終了していくシーディーメーカーは吼える。この布陣が突破されることはないと、勝利は自分のものだと確信して笑う。
「いいえ、その布陣だからこそ負けるんです」
 だがしかし、麻琴は揺らがない。むしろ想定道理の展開であると言い渡す。
「なにぃ? あらゆる破壊耐性をもつこのユニット群を突破できると! そう貴様は抜かすのか!!」
「ええ、そうです。僕の今の手札。そしてあなたが五体ものユニットを展開したことで僕の勝利は決まった! ファイナルターン、ドロー!」
 麻琴の宣言に周囲はどよめく。――ファイナルターン。それはこのターンでデュエルを終わらせるという勝利の宣言。
「僕は手札から魔法【召喚式・北法】を発動! ライフを半分にすることによって【北方守亀・玄武凶将】を特殊召喚!」
「効果なしのユニット? そんなものでどうやって――」
「あわてなくても大丈夫ですよ。すぐに教えて差し上げます」
 シーディーメーカーの疑問にくすりと笑いながら麻琴は答え、プレイングを続けていく。
「僕は伏せカードオープン。【式神暴走】を発動します! これによって玄武凶将の攻撃力は二倍になります。そして――」
 最後のキーカードとなる一枚を、麻琴は相手へと掲げる。
「魔法カード【大・激・震】を発動。このカードの効果により【北方守亀・玄武凶将】は相手のすべてのユニットとバトルします!」
「ばかな……効果なしカードがここまで強大に……」
「自分の力を過信し、弱者を貶めた自らを悔いるがいい!! 名就けしは十二天将が一つ、後三玄武水神家在子主亡遺盗賊凶将! 鉄槌下せ! 『玄武凶将・急急如律令』!!!」
 巨大な玄武の足が地に振り下ろされる。そこから発生するは衝撃と地割れ。シーディーメーカーの五体のユニットは飲み込まれ。地に落ちていく。そしてユニットたちが受け切れなかった攻撃は怪人の元へと迫っていく。
「馬鹿な――俺のプレイングは完璧だった。勝てるはずだったのにぃぃぃぃぃぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
 悲痛な叫び、再びライフのゼロになる音。一瞬の静寂の後に、あたりは逆境を跳ね除けた猟兵への賞賛で満ちていく――

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『シーディーメーカー』

POW   :    人生一発逆転!
レベル×1体の、【背負った負債】に1と刻印された戦闘用【ヴァーチャルキャラクター】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
SPD   :    レディースアンドジェントルマン!
予め【聴衆を盛り上げる司会進行を行う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
WIZ   :    ジャックポット!!
【大量のカジノコイン】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を覆う程の紙幣が舞い飛び】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ネミ・ミミーニーズです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちが勝利に沸き立つ中、シーディーメーカーはゆっくりと顔を上げる。
 誇りは、奪われた。
 金は、奪われた。
 ――そして勝利も、奪われた。
 あの時はあんなに楽しかったのに。あの時はあんなに裕福だったのに。あの時はあんなに裕福だったのに。
 そう反芻して考えるうちに、シーディーメーカーの中の何かが切れた。
「――ぶっ潰してやる」
 ざわり、鳥肌が立つような殺気であたりが静まり返る。
「プライドなんて必要ねぇ、へへへ……金にももう用はねぇ! へへへへ……ルールも必要ねぇや。へへへへ、誰がテメェらなんか……テメェらなんか恐かねぇ!!野郎、ぶっ潰してやらぁ!!」
 カードを撒き散らし激昂する。そこにかつての勝負士の影はない。ただ子供のようにわがままを叫び、暴力を振るわんとする姿がそこにあった。
デイヴィー・ファイアダンプ
猟兵とオブリビオンという相反する存在だとしても、僕たちがデュエルを通して繋いだ絆は決して偽物なんかじゃないはずだ。
思い出すんだ、あの頃を。
このキマイラフューチャーで稼いだ金でどデカイことをやって、満足しようとしていたあの頃を。
その頃のお前はそんな偽物の財産で満足するような男じゃなかった筈だ。
だから来いよシーディーメーカー、そんな偽物の金なんか捨ててかかってこい!!

とかなんとか言って激昂している彼の精神に呼びかけてみよう。
冷静さを取り戻す必要はない。ただ、戸惑ってくれればそれでいい。
その瞬間に真の姿(肉体のない亡霊)に変えて、そのユーベルコードすら奪わせてもらうよ。

正々堂々? 知らない言葉だね。



 激昂するシーディーメーカーに近づく影がひとつ――デイヴィー・ファイアダンプ(灯火の惑い・f04833)はバイクで駆け抜けながらも怪人に語りかける。
「シーディーメーカー……!」
 無駄に熱く、怪人の名を。無駄に熱く怪人の精神に語りかける。
「猟兵とオブリビオンという相反する存在だとしても、僕たちがデュエルを通して繋いだ絆は決して偽物なんかじゃないはずだ」
 対するシーディーメーカーは困惑気味。すでに先ほどまでの怒りはどこへやら。わけのわからない演説に飲み込まれつつあった。
「思い出すんだ、あの頃を――このキマイラフューチャーで稼いだ金でどデカイことをやって、満足しようとしていたあの頃を!」
 デュエルを通して結んだ絆。やってやられてやり返して。それをきっかけにつるんでつるまれて馬鹿をして――そんな日々を思い出すようにデイヴィーは語る。もちろんそんなものはない。
「お前は満足か? こんな世界で……今の自分で満足か? 俺は……嫌だね」
 その詭弁は止まらない。そうだろう? とシーでーぃーメーカーに手を差し伸べる。
「ああ、そうだ――」
 シーディーメーカーの心はふらりと揺れる。ディヴィーのいっている思い出はまったく記憶にないが、確かに俺がしたかったことはこんなことじゃなかったはずだ。そう思い始める。
「その頃のお前はそんな偽物の財産で満足するような男じゃなかった筈だ」
 その思いをトレースするかのような一言に、シーディーメーカーは、今確かに力強くうなづいた。
「こんなはした金じゃなく真の富を手に入れる……ずっとバカにされて足蹴にされていいように扱われてばかりだった俺がキマイラフューチャーの王になる。地位も名誉も全部手に入れるんだ――それが、求めていたこれ以上ない俺の上がりだったはずだ!!」
 怪人も熱く語りだす。その様子にデイヴィーはほほえましそうに笑いながら言うだろう。
「そうだろう? ……だから来いよシーディーメーカー、そんな偽物の金なんか捨ててかかってこい!!」
「ああ、やってやる……やってやるさぁぁぁぁぁ――」
 そんな叫びの隙を、静かにデイヴィーは突く。真の姿に形を変え、死霊の腕によって相手の体を絡めとりその反撃すらつぶしていく。
「なっお前――裏切ったのか!?」
「裏切ったもなにも、そもそも敵同士だろう」
 困惑する様子の怪人にため息をつきながらもユーベルコードの発動を阻害する束縛を解くつもりはない、と言わんばかりに首を横に振る。
「正々堂々? すまない、知らない言葉だね。――じゃあ続けようか」
 ――策略による開戦の狼煙が、今上がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

永倉・虎蔵
サンディ(f03274)と参加。

おいおい、カードで負けたからってそれはねーだろ。カッコよくないぜ?

変身したサンディを見て、軽く口笛を鳴らす。
へえ、サンディ殺る気満々じゃん。ーーいいねえ。

UCはサモニング・ガイスト使用。UC発動に合わせて、サンディがくれたレトロなデザインのトランプ(装備アイテム)を取り出し、まるでマジックのように古代の兵士を召喚。
盛り上げるならこういう演出もいいだろ?

っと、相手もなかなかやるじゃねえか。
かばってくれたサンディに礼を言い、にやりと笑う。
まだ観客はいるんだろ?じゃあなおさら、ここで終わるわけにはいかねえよな!
ーーthe show must go on.
なんてな?


サンディ・ノックス
トラゾウ(f02812)と参加

あーあ、場を凍らせてどうするのさ
仕方ないなあ
盛り上げる戦闘は初経験だけど、こんな空気はこの世界に似合わない、頑張るよ

「ぶっ潰すの?その挑戦、受けて立つよ」
と答え武具と一体化
黒基調、赤いラインが入った全身甲冑姿へ変身
主武器は大剣へ変形

「馬鹿だなあ。暴力でも負けたら本当に全て無くなっちゃうのに」
等と煽って【おびき寄せ】、攻撃を引きつけ
ワイヤーを絡めて召喚された【敵を盾に】したり
【フェイント】をかけ回避
「逆上相手の攻撃って怖くないね」
トラゾウへの攻撃は【かばう】

隙をついて小刀を【投擲】
命中したら招集・紫を使用
大型犬サイズの幻影をけしかける
「ヴァイオレット、遊んでおいで」



「おいおい、カードで負けたからってそれはねーだろ。カッコよくないぜ?」
「中継もされてるのに……あーあ、場を凍らせてどうするのさ。仕方ないなあ」
 シーディーメーカーの突然の激昂に残念だといわんばかりの表情の二人、永倉・虎蔵(花鳥風月・f02812)とサンディ・ノックス(飲まれた陽だまり・f03274)はそんなことをぼやきながら怪人の追従を続けていた。乗り物が入り乱れる高速戦闘、その中にコンビネーションをたたきつけられるだけの隙と空間を探して。

「――畜生。畜生畜生畜生っ!? これじゃぁぶっ潰せねぇじゃねぇか!?」
 ユーベルコードによる拘束を受けてシーディーメーカーは困惑の色を隠せない。必死に死霊の腕を払いのけながら何とか走行を続けるので精一杯であるのが現状だった。
「サンディ!」
 虎蔵の呼びかけにサンディは大きく前に出ながら答える。
「OK。中継もされてるのにこんな空気はこの世界に似合わない。盛り上げる戦闘は初経験だけど、頑張るよ」
 答えと共に武具と一体化。サンディは黒基調、赤いラインが入った全身甲冑姿へ変身していく。その片手には主武器として大剣を手にしてハイウェイを駆ける。
「ひゅーぅ、サンディ殺る気満々じゃん。ーーいいねえ」
 今度は追従する立場になった虎蔵も戦闘の準備は万端。こくりとうなづいてサンディに合図を送ればその戦端はすぐに開かれていく。
「さぁ、いこうか――!」
 バイクの加速に合わせて、身悶えるシーディーメーカーにサンディは小刀を投擲する。それはあくまで軽度な被害しかもたらさないだろう。――あくまで、それ単体ならば。
「ぐっなんじゃこりゃ!? 何か、刃物が――」
「ヴァイオレット、遊んでおいで」
 シーディーメーカーの声を合図に、サンディは追撃する。繰り出すは黒い獣の幻影。投擲した小刀を座標に、永遠と追いかける大型犬サイズのそれを嗾ける。
「畜生、こいつ来るなァ!?」
 ユーベルコードが封じられてしまっているシーディーメーカーはただただ荒い運転を繰り返しながらしっしっと追い払う。傍から見ればそれは実に滑稽だろう。
「きみはじつにばかだな。暴力でも負けたら本当に全て無くなっちゃうのに」
 必死で逃げ惑うシーディーメーカーの前に出てサンディはこれでもかと煽りに出る。
「ふざけんな! 俺は! スペシャルで! 2000回で!」
 叫びながらも己のユーベルコードを縛るものをやっとすべて引き剥がしていく――が、一手遅い。
「おいおい、忘れてくれるなよ。こっちはチームなんだぜ?」
 前方へと視線を誘導されたシーディーメーカーの死角、背後でチャンスをうかがっていた虎蔵が、トランプを舞わせてあたかもそこから兵を出現させるかのように、ユーベルコード 【サモニング・ガイスト】を発動していく。彼の操っていたデッキの、サーカスのように多彩に動き回るそれは、確実にシーディーメーカーに攻撃を加えていく。
「模擬戦なんだよぉ!? 畜生黙ってみてるばっかりだと思うなよ! こっから一発逆転だぁ!!」
 やっとのことで死霊を振り払い召喚するのは怪人が操れるヴァーチャルキャラクター。負債の数だけ強くなるそれを複数展開し、虎蔵へと襲わせていく。
「逆上相手の攻撃って怖くないね。最後に攻撃した相手にしか攻撃しないのは少し単調すぎるんじゃないかな?」
 怪人の視界の外にいたサンディはもちろん備えていた。剣を構えて備えながらも、片手でワイヤーを操り敵を絡め取って虎蔵の盾となるように移動させていく。
「っと、相手もなかなかやるじゃねえか」
 サンキューな、と声をかけながらも虎蔵はアイコンタクトでサンディへと合図を送る。わかってるといわんばかりにサンディも動き始めていくだろう。
「まだ観客はいるんだろ?じゃあなおさら、ここで終わるわけにはいかねえよな!」
 虎蔵の言葉と古代の戦士の援護と共に二人はフィールを高めていく。
 高くあたりに響く音シンクする二つのバイクと乗り手――そして、それらが最高潮に達したときに二人のバイクの軌跡は怪人の目の前で交差する。変化させた大剣で、変化させた腕で、それぞれシーディーメーカーを引き裂いていく。
「――the show must go on. なんてな?」
「ふふっ、そうだね。まだ終わらない。終わらせないよ……!」
 戦況を傾かせる強力な一撃を二人は放った。だがしかし倒しきれたわけではない。だけども、とつぶやく怪人との戦いは続いていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

石上・麻琴
★ふっ……ついに勝負師としての誇りも捨てましたか。ならばなおのこと、滅するのみですね!相手がユーベルコードで聴衆を盛り上げる司会進行を行うのなら、それを逆手に取ってこちらも曲芸めいた動きで白虎と共に攻撃を行います。相手の動きが見破りやすいので、その程度は容易いと思います。せめて、エンターテイナーとして華々しく散らせてあげましょう。



「俺の夢は、終わらねぇ!! 猟兵が何だ、テレビが何だ!! だったら俺はそれを利用してやるってんだよ!!」
 荒い息を整えつつもシーディーメーカーはマイクを取り出す。かの怪人の得意技。マイクで場を盛り上げて己の戦闘力に変える必殺技。
「さぁ初めてやるぜ逆転劇! ここにいるのは稀代の賭博士シーディーメーカー! 負債があろうと負けようと何度だって立ち上がる超える力を持つものさ! 正義が何だ、強さが何だ! そんなものは思いで超えてやるさ!」
 マイクで周囲に呼びかけてあれやこれや、手を変え品を変え周囲を盛り上げていく。
「さあ飛び出してきた影! こんなハイウェイには似つかない異様なしなやかな動きとsilhouette!! ……んっ? あの独特なsilhouetteは――」
 跳ねるようにシーディーメーカーの前に躍り出たモノ。それは明らかに生物だった独特のしなやかさと、バイクと同等以上に走るそれは――。
「虎じゃねーか!?」
 それはまぎれもなく、石上・麻琴(虹の彼方の空の星・f01420)が召喚した白虎だった。
「さあどうぞ僕のことも実況してください。きっと盛り上げて魅せますから」
「ほざけ! 誰がお前を目立たせるか! 俺に殴られてとっとと後ろに下がってろよ!」
 言葉と共にシーディーメーカーは速度を上げて距離をつめる――が、そんなわかりやすい動きはお見通しといわんばかりに麻琴と白虎は宙を舞う。
 ――その美麗さはなんと表現したらいいものだろうか。空に弧を描くように白虎は翻る。彼の世界は一瞬、反転するだろう。
 そしてその一瞬、シーディーメーカーとのすれ違う一瞬でもあるそのタイミングで彼は薙刀を振るう。相手の勢いと白虎の翻る勢いを利用した一撃を、怪人へと叩き込む。
「白虎は翻り月のように――!?」
 自分がどれだけ傷つこうと観客が盛り上がるためなら致し方ない犠牲とシーディーメーカーは実況を続ける。
「いい、いいですよ。そのままいきましょう――せめて、エンターテイナーとして華々しく散らせてあげます」
 そんな実況を力に変えている麻琴もノリノリだ。華々しい曲芸、観衆を沸かせる実況は、まだ続いていく――

大成功 🔵​🔵​🔵​

アレクシス・アルトマイア
★あんなに楽しかった一時ももうおしまいなのですね……

せめて最後に、踊って頂けませんか

【宵の華】でせめて最後の時は楽しく過ごしていただきたく思います
いえ、まあ、攻撃なのですけれど。

【閨への誘い】とか他の攻撃もできそうだったら使いましょう。

召喚された敵の四肢を撃ち抜いて差し上げたり
お仲間のサポートの援護射撃に、二回攻撃と二丁拳銃で戦うのも良いですし、
ダガーですぱっとやってしまうのも良いですね。

盛り上がる司会進行でしたら、私も拍手で盛り上げて差し上げましょう。
その動きに合わせてさくっとスパッとやったりしましょうか。

楽しいひと時でしたね。ありがとうございます。
と微笑んで差し上げましょう。



「おや、なにやら盛り上がっている様子。私も入れてもらってよろしいですか?」
 シーディーメーカーの実況が始まり、白虎が舞う中アレクシス・アルトマイア(夜天煌路・f02039)も前へと出る。
「おーっとここで新たなチャレンジャー! だがそんな余裕はないのでご退場願いませう!!」
 取り付くしまもなく引いてもらおうと叫ぶシーディーメーカー。無数のヴァーチャルキャラクターを召喚しけしかけていく。
 ――だが、にべもなくあしらわれたのはシーディーメーカーの行動のほうだった。
「ああ、失敬。あなた達には用はないのでご退場願えますか?」
 瞬間、アレクシスは二丁拳銃を抜く。そこから繰り出されるのは目にも留まらぬ早撃ち。迫り来るヴァーチャルキャラクターの手足を打ち抜き、次々と追い抜いていく。
「おぉーっと早い!? そして正確だ! これじゃあ雑魚は相手にならない。ならば真打が行かねばならない!」
 無理やりに接近していくシーディーメーカー。今戦っている猟兵のから何とかはなれ、アレクシスへ向き直る――が、すでにそこにはアレクシスはいない。無人になったバイクがゆっくりと速度を落としていく姿があるだけ。
「な!? アイツいったいドコに……」
「前方不注意とはまさにこのことですね?」
 その言葉は進行方向からかけられる。あわててシーディーメーカーが声の人物を探せば己が乗っているバイクを足蹴ににぺこりと優雅にお辞儀する彼女の姿が見えるだろう。
「あんなに楽しかった一時ももうおしまいなのですね……せめて最後に、踊って頂けませんか?」
 その所作は優雅であり、美麗でもあり、そしてこれまでの何よりも冷たい。抜き身の短剣をかざしながらその覚悟を怪人に問う。
「まってちょっとまってください助けて――」
 助けを請うばかりのエンターテイナーは要らない。懇願に答えるように無慈悲にアレクシスは刃を振るう。急所への連撃によってシーディーメーカーを引き裂かれていく。それは、疲弊した怪人を打ち倒すのに十分な威力だったことは言うまでもない。
「楽しいひと時でしたね。ありがとうございます」
 礼を尽くしながらも、エンターテーナーとして優雅に自らのバイクに戻る。最後の最後まで自己中心な迷惑なやつだったかもしれない――それでも、アレクシスは敬意を持って過去に帰り行く怪人へと微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月17日


挿絵イラスト