3
ビフォアー・サウィンに跳ねる

#アリスラビリンス #【Q】 #お祭り2020 #ハロウィン

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アリスラビリンス
🔒
#【Q】
🔒
#お祭り2020
🔒
#ハロウィン


0




●現実改変ユーベルコード
 オウガ・オリジンの持つ『現実改変ユーベルコード』の力は凄まじいの一言に尽きる。
 それは少世界が集まって出来上がったアリスラビリンスの不思議の国を生み出し、改変することさえ可能であった。
 そんなオウガ・オリジンが迷宮災厄戦が引き起こされる前に彼女の手によって改変されていた国……『ハロウィンの国』に改変された国が見つかったのだ。
 それはグリモア猟兵に寄る儀式魔術【Q】によって発見されたのだが……それは、あまりにもおかしな国であると言わざるをえなかった。

 喋る南瓜ランタンはまだいい。いや、よくはないのだが、コスプレ衣装が飛び出す森や商材が完備されたキッチン、『なんかめちゃくちゃ長い行列をするためだけに作られた道』など、誰がどう見ても『ハロウィンパーティをするにうってつけの国』であった。
「救いようがない患者は刈り取りましょうぴょん。もはや手遅れであるからぴょん」
 そんな『ハロウィンの国』にオリジンより力を与えられていたオウガたちが蠢く。
 いや、跳ねるようにして森の中を巨大な大鎌を振るいながら周囲を伺っている。
 一見すると看護婦のような姿をしたオウガ『ハーベスター』たちは皆、頭にうさ耳をつけ森の中でアリスを探している。

 彼女たちによってアリスとは救いようのない患者である。
 だからこそ、長く続く苦しみを味合わせることを良しとせず、その生命を刈り取り喰らう。その動きは機会的である。まるで収穫するようにアリスの生命を奪うことから『ハーベスター』と呼ばれている。
「力がみなぎるぴょん。これがオリジンより授けられし力……ぴょん」
 先程から彼女たちの語尾がなんだかおかしい。
 ぴょん……?

 そう、彼女たちの普段の姿とは違う部分、ウサギのつけ耳にしっぽ。それはこの『ハロウィンの国』においてコスプレ衣装が飛び出す森から飛び出した衣装をみにつけることによってパワーアップした姿なのである。
 本来の彼女たちでは、どうにも属性過多……いや、拒絶したいものであるのだが、いやいやでも身につけることによって能力の向上が起こっているのだ。
「これでアリスたちを、救いようのない患者を、疾く狩り尽くすことができるぴょん」
 無表情でウサギ耳としっぽ、それに語尾に『ぴょん』を付ける『ハーベスター』たちの姿はいっそ異様であった……。

●ハロウィンの国の法則
 食材の完備されたキッチンの中で『ピーター・ハッタ』はため息を付いた。
 別に何が嫌というわけでもないのだけれど、この『ハロウィンの国』において法則とは絶対だ。
「この私が『ほぼ無敵』だなんて、誰が思ったこっとだろう。完全無欠に無敵ではなくて『ほぼ無敵』。なんでこんなに中途半端なことになってしまったのだろう。嫌ではないけれど、嫌よ嫌よも好きのうちという言葉があるから逆に好ましいとさえ思えるのだけれども」
 そんなふうに呟く『ピーター・ハッタ』は帽子のつばに手をかけて頭上で防止をくるりと回す。
 目を回したように『ピータ・ハッタ』の奇妙な帽子から舌が飛び出し、目を回したような模様が浮かび上がる。

「その上、『提供された料理を抵抗できずに食べてしまう』だなんて。お茶会がしたいだけなのに。スコーンばっかり食べたってお腹が膨れるだけで心まで膨れることなんてないだろうに。それだっていうのに眠たくなってしまうのは仕方のないことなんて言われたら、私にはもうどうしようもないよ。まな板の上の鯉だってもう少し跳ねたりするものだろうさ」
 けれど、それがこの『ハロウィンの国』の法則。
 現実改変ユーベルコードによって改変された不思議の国においての絶対のちからを持つ。

「しかし、猟兵たちが来なければ―――といって居たら来てしまうんだろうね。そういう生き物だものね、猟兵というものは。ならば、料理を作らせなければいいんだ。何もかも料理をするための食材に機材、あらゆるものが揃っているこの場所ではあるけれど、そう、彼らの調理を妨害しつづければいい。完成しない料理なら食べないといけないこともないだろう。だったら、私はお茶会のために彼らの尽くを妨害するとしよう―――……ああ、だからこの『ほぼ無敵』の力なんだね。頭いいね」
 そういって『ピーター・ハッタ』は面白そうに帽子を放り投げて、空を舞う。すっぽり頭で帽子を受けて迫りくる猟兵達をあの手この手で妨害してやろうと考えた末に……。

「私にできることはお茶会だけさ。さあ、楽しい楽しいお茶会にご招待しよう。きっと猟兵も私もみんな楽しいって思ってくれるさ。マッド・ティーパーティーの開催だ」

●ハロウィンの国の戦い
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(フラスコチャイルドのゴッドハンド・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。皆さんはもうすでにご存知かと思われますが、今回の事件はアリスラビリンス。不思議の国がつながって出来上がった複合世界です。『ハロウィンの国』が多数見つかっているのです」
 そんな彼女の様子がおかしい。
 いや、おかしいというか、最初からおかしかった。
 彼女の格好。今の彼女は常日頃身につけて衣服ではなく、バニーガールの格好をしていた。だというのに、彼女は大真面目な顔をして説明してくるので猟兵達の何人かは困惑したかもしれない。

「オウガ・オリジンの持つ現実改変ユーベルコードの力は絶大です。『ハロウィンの国』もまた法則によってオウガが力を得ているのです。まずは『ハーベスター』と呼ばれるオウガたちが存在する『コスプレ衣装が飛び出す森』です」
 この森はどこからともなくコスプレ衣装が飛び出してくるのだという。
 この飛び出してきたコスプレ衣装を身に纏うことによってオウガは力を増している。だが、この法則は不思議の国に訪れた者全てに適応される。
 つまり猟兵もまた飛び出してきたコスプレ衣装を身にまとい戦うことによって力を得ることができるのだ。
 ああ、なるほど、と一人の猟兵が頷く。
 そのためにナイアルテはバニーガールの格好をしていたのかと。いや、説明にはなにも必要なくない? とだれもが心のなかでツッコんだやもしれない。

「いえ、中には望まぬコスプレ衣装に着替えねばならない方もいらっしゃるかと思いまして……そんな方だけに恥ずかしい思いをさせるわけには参りません……」
 今更恥ずかしくなったのか耳を赤くしてナイアルテは瞳を伏せた。
「あ、あの……あまり、見ないでください……」
 そんな彼女に猟兵達は送り出されていく。
 コスプレ衣装、今の彼女ならきっと頼めばなんでも着てくれたかもしれない。だが、ハロウィンまで時間がない!
 猟兵達は急ぎ事件を解決するため、転移していくのだった―――!


海鶴
 マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回は『ハロウィンの国』へと改変された不思議の国のあるアリスラビリンスにおける事件です。

 ※このシナリオは『2章構成のシナリオ』です。
 通常の3章まであるシナリオではありませんのでご注意ください。また、10/31までに成功したシナリオの本数に応じてハロウィンパーティ当日、そして始まるであろう『アリスラビリンスでの猟書家戦』に何らかの影響があるかもしれません。

●第一章
 集団戦です。
 オウガの軍勢は森から飛び出してきた『コスプレ衣装』、バニーガールの衣装を着てパワーアップを果てしています。
 これは皆さんにも適応されるものでありますが、飛び出してくる『コスプレ衣装』は『ランダム』です。
 もしかしたら『本人が望まない衣装』が飛んでくる可能性があるかもしれませんが、本人が嫌で仕方がないコスプレ衣装であればあるほど力が増す(プレングボーナス)がつきます。

●第二章
 ボス戦です。
 オウガである『ピーター・ハッタ』は『ハロウィンの国』の法則によって『ほぼ無敵』になっています。
 倒す方法は唯一。
『美味しい料理を食べさせる事』です。
 皆さんはオウガの苛烈な攻撃に耐えながら完備されているキッチンで美味しい料理を作り、オウガに食べさせなければなりません。

 この国の法則により、オウガは抵抗できずに必ず料理を食べます。
 食べれば食べるほどに眠くなっていき、完全に眠った瞬間『ほぼ無敵』状態は解除され、一撃の下に倒すことがでいます。

 そのためプレイングは基本的に『料理を作る』か『攻撃を耐え忍ぶ』かになることでしょう。

 それでは来るハロウィンパーティと猟書家との戦いにそなえてアリスラビリンスにおける『ハロウィンの国』に巣食うオウガを打倒しましょう。
 バニーガールなのは単純に趣味です。意味は特にないです。
 皆さんが面白おかしく戦う物語の一片となれますように、いっぱいがんばります!
273




第1章 集団戦 『ハーベスター』

POW   :    収穫の時
【大鎌】が命中した対象を切断する。
SPD   :    瞬時の首狩り
【大鎌】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    収穫の舞
【大鎌を振り回し、衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。

イラスト:時丸 佳久

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『ハロウィンの国』の一角にオウガの集団が潜んでいる。
『ハーベスター』と呼ばれた彼女たちはウサギのつけ耳としっぽ、そして……
「哀れな終末患者を救おうとする猟兵たちがいるのなら、その尽くを狩り尽くす、ぴょん」
 謎の語尾。
 そう、この『ハロウィンの国』の一角、コスプレ衣装が飛び出す森において飛び出してきたコスプレ衣装を着ることは力を増す。
 それが絶対なる法則である。
 オウガ・オリジンの現実改変ユーベルコードの凄まじさは言うまでもない。

「この力があれば猟兵など恐る足らないぴょん。その首をすべてもらう受けて、すべて飲みこみましょうぴょん」
 微妙に締まらない。
 けれど、これがこの国における法則。

 様々なコスプレ衣装が飛び交う森において、そのコスプレ衣装を身にまとい猟兵達は『ハーベスター』たちと戦わなければならない。
 それがどんなに当人にとって嫌だと感じるものであっても、皮肉にも本人が嫌だと感じるコスプレ衣装であればあるほどに力が増していくのだ―――!
黒髪・名捨
●心境
(ナイアルテのバニー見た瞬間寧々に目潰し喰らった)

●望まないコスプレ
1.女装
2.獣耳(ヘアバンド)
3.眼鏡

結論…全て。
オレは死ぬッ(血涙)人間~~~五十年~~、下天の内にぃ…


●行動
結論…貴様らが悪いシネ!!

スティンガーの『封印解除』
悪食でハーベスターの首元を『捕食』『生命力吸収』まじぃ…
『盗み攻撃』で奪った大鎌をスティンガーを仕込んだ口に咥えて、残りのオブビリオンに襲い掛かる。貴様らのお仲間のユーベルコードでなぁ~ッ!!

ひゃっはっはっはっは~
『恐怖を与える』?
何言ってるんだ。戦いは非常だ。現実も非常だーッ

寧々「なるほど、ハロウィンは収穫祭。悪魔を狩る収穫の姿か…どっちが悪魔か知れぬな。」



 グリモアベースに鈍い音と呻く声が聞こえたのは、少し前の出来事であった。
 黒髪・名捨(記憶を探して三千大千世界・f27254)は喋る蛙『寧々』が人間の姿に変じた二本の指にて強烈なる目潰しを喰らい、うめいた。
 何故?
 それはグリモア猟兵のバニーガール姿を見たからという割と本当に理不尽極まりない乙女の心的なサムシングなやつであった。多分理由を問うても答えは返ってこないことを名捨はこれまでの経験から知っていたかもしれない。

 とは言え、転移したアリスラビリンス『ハロウィンの国』におけるやることは変わらない。
 オウガを倒し、『ハロウィンの国』を開放する。
 ただし、今回はただ倒せばいいというわけではないのだ。森の一角にはコスプレ衣装が飛び交い、着用者に力を与える。
 だが、やっかいな法則がある。
 それは―――。

「……確かに望まないと思ったけどよ。ここまでピンポイントか」
 そう! 今の名捨はただの名捨ではない! らぶりーなメイド服に猫耳、そして眼鏡!
 言うなれば猫耳眼鏡メイド!
 だいじょうぶか。属性過多すぎやしやせんか。
「……オレは死ぬッ! 人間~~~五十年~~、天下の内にぃ……」
 と辞世の句を読んでる場合じゃあない! 望まぬコスプレ衣装に身を包んだ名捨が烈火の如き煌めく瞳の残光を残して森を駆け抜ける。
 彼の怒りは頂点に達していた。
 こんな冗談みたいなコスプレ衣装を着ることになったのも、オウガ・オリジンの現実改変ユーベルコードのせいではあるのだが、もはやオウガ・オリジン無き後である。怒りをぶつける相手すらいない。

 だからこそ、これは八つ当たりだ。
「猟兵。中々レベルの高いコスプレ衣装だぴょん。末期だなぴょん」
 ぴょんぴょんと語尾が飛び跳ねるオウガ『ハーベスター』に迫る名捨。末期とまで言われた名捨は、確かにうなずける者もあったかもしれない。
 けれど、今は些細なことだ。
「結論……貴様らが悪いシネ!!」
 大口を開けた中にある魔術装置『スティンガー』。それはオブリビオンを捕食し、融合する謎多き装置である。
 悪喰(アクジキ)の象徴たる装置の潜む口腔。
 凄まじき速度で駆け抜けた後、名捨の背後で『ハーベスター』の一人の首元から噴出する血飛沫。
 一瞬の交錯の間に首筋を噛みちぎり、その肉を飲み込む。封印の解除されたスティンガーが口内で捕食したオブリビオンのユーベルコードを解きほぐし、己のものへとかえる。

「まじぃ……だが、これで遠慮なくお前たちのユーベルコードを使うことができる」
 そう、それこそが名捨の口内に存在する魔術装置『スティンガー』の封印を解かれし力。
 得たユーベルコード、切断の力を奪い取った『ハーベスター』の大鎌を手に洗浄となった森を駆け抜ける。
「ひゃっはっはっはっは~! 怯えろ竦め! 戦いは非情だ。現実も非情だーッ!」
 その戦いぶりは悪鬼以上のものであったかもしれない。
『ハーベスター』たちをして、恐ろしいと思う非情なる鬼。その姿は血飛沫に塗れた猫耳眼鏡メイド!
 もう非日常と非現実の体現者とも言うべき姿のまま名捨は次々と『ハーベスター』たちに襲いかかる。

「貴様らのお仲間のユーベルコードを味わえ! 後ついでに望まぬコスプレ衣装をさせられ女装までさせられたオレの気持ちも味わえッ!!」
 最後のは思いっきり個人的なことであり、八つ当たりもいいところであったが、それでもこの『ハロウィンの国』においては絶対なる法則である。
 本人が嫌で嫌で仕方ないけれど、仕方なく着るコスプレ衣装。それこそが着用者に絶大なる力を齎すのだ。
 今の名捨を止められる者などいようはずもない。『ハーベスター』の首が切断され血飛沫舞う中、猫耳眼鏡メイド・名捨あが華麗に着地する。

『なるほど、ハロウィンは収穫祭。悪魔を狩る収穫の姿か……どっちが悪魔か知れぬな』
 ごくりんこ。
 喋る蛙『寧々』がそう締めくくるが、なんとなく閉まらないのは何故だろうか……。

「女装させられてるからだよッ!!」
 そんな名捨の叫びが響いたとか響かなかったとか―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マグダレナ・クールー
む。……むむむ! 肌寒いですが、頭の装飾品を触る限りは獣の類……リィー、わたくしはいったい何ガールでしょうか?
《ンニーーーーーーーー!!? ホワイカ!? ワッツカ!! マゴニモイショウ!!》
あら?! ……蟹にも衣裳ですね!? わたくしとお揃いの気配がします
《……フタゴノマオマオニ》
キャットガールでしたか。ならば語尾はにゃんですねにゃん

リィーにゃん。お互い不格好ではありますが、オウガは美味しいですねにゃん?
《オイシイニャンカ》
そうですにゃん。やることは変わらないのですにゃん!
衝撃波を薙ぎ払い、装飾が飛ばされないように気を付けながら進軍しますにゃん! 捕食範囲内に入ったら、兎の踊り食いですにゃん!



 コスプレ。コスチュームプレイ。
 それは様々なコスチュームを身にまとい遊ぶこと。日常の中にあって非日常を楽しむ非現実的な現実のお遊戯。
 それがコスプレであるのならば、人は何者かに変身したいという願望を抱えて生きているものであるからして、その願望が叶えられる機会を伺っているのやも知れない。
 それこそが『ハロウィンの国』の一角、コスプレ衣装が飛び出す森の法則である。
 オウガ、『ハーベスター』たちは看護婦の衣装を身にまとっているが、その手にした大鎌はまるで似つかわしい獲物であることは言うまでもない。
「すべて狩り尽くしましょうぴょん。一切合財を狩り捨てて、あらゆる病理を尽く終わらせましょうぴょん。終末患者はすべて私達の腹の中に。そういう決まりであるわけですからぴょん」
 語尾がぴょんぴょん跳ね回っているのは、別に法則とは無関係なものであろうが、それでも彼女たちの頭につけられた兎耳としっぽは、それほどまでに力への影響を与えるものであったことだろう。

 コスプレ衣装を身にまとった者の力が増す。
 それがこの森の一角の法則である。ならば、それはオウガだけではなく、彼らを排除し『ハロウィンの国』を取り戻さんとする猟兵たちにも同じ様に法則が適用される。
「む。……むむむ! 肌寒いですが、頭の装飾品を触る限りは……」
 さわさわとマグダレナ・クールー(マジカルメンタルルサンチマン・f21320)は自身の頭に花が咲くようにして装着された猫耳を触る。
 彼女自身は見えないが故に触って確かめるしかないのだ。
「獣の類……リィー、わたくしはいったい何ガールでしょうか?」
 マグダレナは彼女と共生関係にあるオウガと共に戦場たる森に立っていた。
 飛び交うコスプレ衣装はいつのまにかマグダレナの体に装着されるように彼女の姿を変える。そう、今の彼女は―――。

『ンニーーーーーーーー!!? ホワイカ!? ワッツカ!! マゴニモイショウ!!』
 冥冥デカダンス(シーミンフゥーディエ)によって召喚されている自身の視覚を支配するオウガ、リィー・アルもまた同じ様に猫耳をすっぽり被ったような衣装に身を包んでいる。
「あら?! ……蟹にも衣装ですね!? わたくしとおそろいの気配がします」
 そう、彼女たちは互いに視線を交わす。
 蟹ではなく馬子ではないのかというツッコミは不在のため、そのままである。きっとグリモア猟兵がいたのならツッコンでくれて、これがツッコミ……! とよくわからない感動をしたかもしれないが。
 そんな彼女たちであるが、普段は視界を明け渡したり共有しているがために互いの姿を見るということはあまりないであろう。
 けれど、ユーベルコードによって召喚されたリィー・アルの姿は、マグダレナの姿は、まごうことなき。
『……フタゴのマオマオニ』
「キャットガールでしか。ならば語尾はにゃんですねにゃん」

 何に習ったのであろうかと言われたら、森に徘徊するオウガ『ハーベスター』であろう。彼女たちはウサギ耳と尻尾をつけて、語尾にぴょんをつけて喋っている。
 あまりにも場違いというよりも、気の引き締まらない思いに囚われてしまいそうなものであるが、これで増強された力のアドバンテージはないに等しい。
 なぜなら、マグダレナは今、キャットガールだからである!
「リィーにゃん。お互い不格好ではありますが、オウガは美味しいですねにゃん?」
『オイシイニャンカ』
 互いに妙な語尾をつけているせいで、妙な笑いが生まれそうな気配がしている。

「猫ガール。ならば私達うさぎガールたちには天敵ぴょん。これ以上は進ませないぴょん」
 互いに互いが大真面目で視線を交わすマグダレナと『ハーベスター』たち。
 猫はうさぎを捕食する。
 当たり前の大自然であるが、マグダレナにとってはオウガ以外の何物でもない。大鎌から放たれる衝撃波を旗杖を翻してキャットガール、マグダレナが躱す。

「そうですにゃん。やることは変わらないのですにゃん!」
 凄まじい衝撃波が戦場となった森に放たれ、大地をえぐる。けれど、力がましているのはマグダレナも同様である。
 ひらりと躱した衝撃波など意にも介さず、彼女の旗杖が振るわれると同じく衝撃波が飛び、召喚されたリィー・アルが『ハーベスター』たちを囲い込んで逃さない。
『マワリコミ、カコイコミ、カチコミニャンカニ!』
「ええ、リィーにゃん。ここからは兎の踊り食いですにゃん!」
 勢いよく振るわれる旗杖が『ハーベスター』たちをふきとばし、空に舞い上げる。
 リィー・アルの姿が大顎へと変貌し、一息に飲み込むのは、まさしく踊り食いである。

「美味しいですかにゃん? あら、いつもと同じ味にゃんです? なるほど、うさうさぎの格好をしていても味に変化なしとは、それは僥倖ですにゃんね! たらふく食べてまいりましょう!にゃん!」
 マグダレナの宣言が響く。
 それは少し早い『ハロウィンの国』で行われるであろう、ハロウィンパーティーの行軍の予行練習のようでもあった―――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

サージェ・ライト
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、世に潜み…胸が目立ちすぎて潜めないとかそんなことないもん!!(お約束

ところで見ないでって言われると見たくなりますよねナイアルテさん?(じー…満足)
ではいってきまーす!

コスプレ…変装ならクノイチ的にお手の物です
って何故に露出限界のサンバ衣装なんでしょうか!!
これコスプレじゃなくないですか?!

えーこれ着て戦うのー?(涙目)
しくしくしく、仕方ありませんね

とりあえずひとりでサンバのカーニバルしてやるぅ!
【かげぶんしんの術】でいっぱい増えますよ!
そして首刈りバニーの群れに雪崩れ込みます
鎌でやられてもいっぱいいるもーん
お返しは漆黒竜ノ牙で一閃!

※アドリブ連携OK



 世の中にはやるなと言われるとやりたくなるというのが常である。
 人間であれ、他の生命であれ、禁忌を犯す快感というものは一定あるものであろう。バニーガールの魅力は、それほどまでに人々を狂わすものであったのかもしれない。それは過言ではないはずだ。いや、過言であるが。
「お呼びとあらば参じましょう。私はクノイチ、世に潜み……旨が目立ちすぎて潜めないとかそんなことないもん!!」
 とお約束を果たしつつも、じぃっとバニーガールを見つめてから転移したのは、サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)その人であった。
 彼女の瞳はバニーガール衣装に釘付けである。
 わりと眼福な様子でサージェはバニーガールを堪能している。視線が痛い気がするのであるが、そこはそこ。
「見ないでって言われると見たくなりますよね? では、いってきまーす!」

 ひとしきり満足したサージェは早速アリスラビリンス、『ハロウィンの国』の『コスプレ衣装が飛び出す森』へと降り立つ。
 すでにオウガ『ハーベスター』との戦いは他の猟兵も繰り広げている。
 看護婦姿に兎耳に尻尾という属性の悪魔合体みたいなノリの姿になってしまった『ハーベスター』たちであるが、彼女たちはオウガ・オリジンの齎した『現実改変ユーベルコード』の力が齎す法則によって、コスプレ衣装を身に纏うことによって強化されているのだ。
 その戦闘力に対抗するにはコスプレ衣装が飛び交う森において、彼女へと飛び出したコスプレ衣装を身に纏うこと!

「おっと、これですね。コスプレ……変装ならクノイチ的にお手の物です」
 ふんふーん、と得意満面でサージェが手にしたのは……衣装? と首を傾げたく為るほどに紐と綺羅びやかにデコレイトされた水着……? と呼ぶにはあまりにも……。
「って何故に露出限界のサンバ衣装なんでしょうか!! これコスプレじゃなくないですか?!」
 煌めくゴールド。輝くルビーやエメラルドの模様。
 そう、情熱のサンバ衣装である! 彼女が嘆くのも無理なからぬことである。露出というにはあまりにも布面積が少ないのである。
 いっそここまできてしまうと潔いとしか言いようがない。人々を魅せる。その一点においてのみ作られたサンバ衣装を手にサージェは怪訝な顔のまま立ち尽くす。

「隙ありぴょん!」
 兎耳、うさ尻尾の『ハーベスター』が振るう大鎌から衝撃波が離れるも、サージェは空に舞うようにして躱し空中でうんうん唸る。
 これを着て戦うのかと若干涙目になってしまっている。それほどまでに彼女の忍ぶというクノイチとしての性分とはかけ離れている衣装に羞恥が勝るのであろう。

 だが、考えて見て欲しい。
 クノイチとは言わずもがな、女性の忍び。
 つまるところ、その魅力で持って籠絡する術もまたあろう。ならば、人を魅了するサンバ衣装であれ、それは変わらぬことである。否。それを着こなしてこそ、真のクノイチといえよう!
「しくしくしく、仕方ありませんね……」
 この間約一秒くらいである。
 瞬間的に早着替えを終え、サージェはサンバ衣装を身にまとい、大地に着地する。しゃらんとサンバ衣装の飾りが揺れ、彼女のユーベルコードが輝く。

「とりあえず、一人でサンバのカーニバルしてやるぅ!」
 かげぶんしんの術(イッパイフエルクノイチ)―――それは、一瞬にして彼女の分身を増やすユーベルコードである。
 その数は圧倒的であり、まさに雪崩にしてカーニバル。サンバ衣装の陽気で妖艶なる姿となったサージェが『ハーベスター』たちの群れを蹂躙するように押し返す。
 大鎌の衝撃波が分身達を吹き飛ばしたとしても、無意味である。
「いっぱいいますからね! 鎌でどれだけやられようと、数の暴力の前には無意味ですからね!」
 漆黒の竜の如き光沢をもつクナイを一斉に投げ放つサージェの分身たち。
 その漆黒の雨の如きクナイの投擲と共に彼女たちは手に携えたクナイを『ハーベスター』達に振るい、一閃する。

「首刈りバニー、成敗です! ってあー!?」
 ちょっとピンクな悲鳴が上がった気がしたが、カメラは何も捉えていない。
 幸いというか残念というか。音声のみでお伝えしないといけないことを視聴者にお詫びしなければならない。
「えへへ……ドジってしまいましたが、一瞬でしたからね、だいじょうぶだもんね?」
 何事もなかったようにサージェはサンバ衣装の居住まいを正して、再び『ハロウィンの国』を疾走するのだった―――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
バニーガール……なるほど、スタイリッシュで格好いいですね

森から飛び出してきたバニーガールの衣装を手に取る
夏に着ていた水着と布面積的にはそう変わりないのであまり気にしていない
武器(槍)はそのままなので、戦闘はどうとでもなりますね

長柄武器の扱いには慣れているので、強化された【視力】で大鎌の太刀筋を【見切り】、【学習】する
構造的に重心が刃に著しく偏っていて、同じ長柄武器でも槍とは扱いが違いますね……興味深いです

槍で刃の側面を叩いて軌道を逸らし、受け流す(武器受け)
【体勢を崩し】たところへ、炎の魔力を纏った(属性攻撃)脚で【熾天流星脚】を叩き込む
ウサギと言えば――脚力ですね!



 オウガ・オリジンの生み出した『ハロウィンの国』。それは『現実改変ユーベルコード』の力によって法則に満ちた世界へと変えられている。
 この『ハロウィンの国』の一角にある森もその一つである。
 飛び交うのは様々なコスプレ衣装。
 この森に座すオウガたちは皆、兎のつけ耳と尻尾を身に着けた看護婦のような姿をした『ハーベスター』と呼ばれる者たちである。
 手にした大鎌によって終末患者と呼ぶアリスたちを惨殺し喰らうオウガにほかならず、この森に置いてコスプレ衣装に身を包んでいるからこそ、絶大なる力を手に入れているのだ。
「やってきた哀れなる猟兵達も皆、首を刈り取って食べて差し上げましょうぴょん。美味しく美味しく食べて差し上げますぴょん」
 語尾が微妙に締まらない感じにアレであるのもまたコスプレ衣装の影響であろうか。

 そんなオウガ『ハーベスター』たちと対峙するのは、オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)である。
 柔和な微笑みを浮かべ、手にした黄金の穂先と白銀の柄を持つ破邪の聖槍を大地に突き立てると、飛び交うバニーガールの衣装を掴む。
「バニーガール……なるほど、スタイリッシュで格好いいですね」
 一般的な女性の目線から見てもバニーガールの姿はかなり肌の露出があるのだが、オリヴィアにとってみれば夏に来ていた水着の布面積的にはそう変わりのないものであるので、あまり気にならなかったようである。
 確かにそう言われてみれば、その通りなのであるが……。なるほど競泳水着。そういうのもあるのか。

 くるりとその場で一回転すれば、鮮やかな早着替えによってその姿をシスターからバニーガールへと変ずるオリヴィア。
 コスプレ衣装を身に着けた瞬間から溢れる力。
 これこそが『ハロウィンの国』における法則の力であり『現実改変ユーベルコード』の効果であるのだろう。
「オウガ・オリジン亡き後でも尚残る現実改変ユーベルコードの力は凄まじいですね……ですが、武器はそのまま。ならば戦闘はどうとでもなりますね」
 襲いかかる『ハーベスター』たちの大鎌の軌跡すら、ゆっくりと見える。
 強化された視力が完璧に斬撃の軌道を読み切り、既のところで躱しては線上に舞うバニーガール、オリヴィア。
 その動きはまるで雑多な人々で混雑するホールを華麗にすり抜けていくかのような所作であった。

「構造的に重心が刃に著しく偏っていて、同じ長柄武器でも槍とは扱いが違いますね……興味深いです」
 槍と大鎌。
 どちらも長い柄を持つリーチの長い武器である。その扱いは敵よりも速く攻撃を届かせるという点に置いては同じであるが、扱いは違う。
 曲線的な動きと直線の動き。
 柄の先に備えられたものが違うだけでこうも戦い方が違うのかとオリヴィアはつぶさに敵の動きを学ぶ。

 戦いの最中にあってなお学習し、成長していくオリヴィア。
「この……当たらないぴょん!」
 大鎌が大ぶりになっている。こちらに攻撃が当たらないことには、あの大鎌の鋭い刃による切断も意味がない。
 故に焦り始めたのだろう。数で囲いこんでもなお、オリヴィアには刃が届かない。それが同じ様にコスプレ衣装に身を包んでいるからであるが、そこには戦いに対する天賦の才能、センスが段違いであることを如実に示していた。

「武器の特性を知らず、ただいたずらに振りますだけでは力とは言い難いですよ」
 オリヴィアの聖槍の穂先が大釜の刃の側面を叩いて軌道をずらし、受け流す。
 次の瞬間、オリヴィアの身体が槍の柄を使ってポールダンスのように空へと舞い上がる。
 見上げる『ハーベスター』たちを尻目にオリヴィアの瞳がユーベルコードの輝きを放つ。
「猛き炎よ、我が脚に集い、破邪の流星となれ――!」
 彼女の足に聖なる炎がまとわり付き、熾天流星脚(ブレイズ・ストライク)が炸裂する。
 その一撃のもとに『ハーベスター』は霧散し、骸の海へと還っていく。そのまま再び月面で舞うようにオリヴィアの身体が空中へと飛び上がり、聖なる炎を撒き散らしながら蹴撃が繰り返される。

「ウサギと言えば―――脚力ですね!」
 次々と『ハーベスター』たちを、その強化された飛び蹴りで霧散させていく。
 その華麗な舞のような飛び蹴りの応酬をだれも見る者がいなかったことが残念でならないが、オリヴィアは構うこと無く己の力をふるい続けるのだった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鞍馬・景正
望まぬ仮装をすれば力の増す戦場――。

私の場合は女性物の衣装などでしょうか。

なんの、数多くの名将や豪傑とて時には女装して難を逃れたり敵を欺いたという伝承もあります。その程度は厭いませんぞ。

さて、飛び出て来た衣装は……

・『大一大万大吉』と紋が打たれた甲冑
・鹿角付き兜の赤備え甲冑
・お任せ衣装+『徳川キラー村正♡』と鞘に綴られた刀
(※いずれかお任せ)

◆戦闘
なるべく顔隠しつつ、敵を視認次第、全速力で駆け寄りその勢いのまま飛び蹴り。

即座に抜刀し【天暁不露】にて切り捨て。

申し訳ないが迅速に片付けさせて頂く。

徳川の旗本がこんな格好や刀を帯びているなど万一にも漏れたら! どんな沙汰が下るか分かりませんからな!?



「望まぬ仮装をすれば力の増す戦場―――」
 それを考えた時、鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)の脳裏に去来していたのは、いくつかの好まぬ装束であった。
 具体的に言えば3つ。
『大一大万大吉』と紋が打たれた甲冑。鹿角付き兜の赤備え甲冑。『徳川キラー村正♡』と鞘に綴られた刀。
 どれもこれも彼が忠誠を誓う徳川の家に対する仇敵のものであるがゆえに、これを来ている自分というのは心底嫌だなと感じるものばかりであった。
 むしろ、このような姿を誰かに見られていようものならば、景正は己の身にどのような災が齎されるか考えるだけでも嫌だなぁというよりも、恐ろしいという思いに囚われるのであった。

「私の場合は女性物の衣装なども嫌なのですが……いいえ、なんの。数多くの名将や豪傑とて時には女装して難を逃れたり敵を欺いたという伝承もあります。その程度は厭いませんぞ」
 ふるふると頭を振って後ろ向きになりそうになるのを景正は振り切る。
 この程度の難問難題、如何ように突破してみせるのが己の忠義の証であるのだとすれば、ここで立ち止まっている時間など少しもないのである。
『ハロウィンの国』、その一角に在る『コスプレ衣装の飛び出す森』へと足を踏み出す。
 様々なコスプレ衣装が飛び交い、入り込んだ者に着てもらおうとウキウキしているような様子すら見て取れる。

「コスプレ衣装を着ていない猟兵など恐るに足るものではないぴょん。その素っ首、刈り取って、お腹の中に収めてさしあげましょうぴょん」
 オウガ『ハーベスター』もまたコスプレ衣装を身にまとった存在である。ウサギ耳に尻尾、看護婦姿は……いつもどおりであるのだが、語尾が微妙に締まらないのは木のせいではないかも知れない。
「そうはさせぬ―――此方も覚悟を決めてきたがゆえ。女装など厭うことなどあろうはずもなし―――……!」
 そして景正の手に飛び込んできた衣装は!

「こ、これは……!」
 まさかの全部のせである。
 鹿角付き兜の赤備えの甲冑に『大一大万大吉』と紋が打たれている。さらに『徳川キラー村正♡』と鞘に綴られた刀。
 景正が嫌だと感じたものすべてが全部盛られている上に、甲冑は最小限。つまるところ、さらにこの布……メイド服を着ろということなのだろう。
 現実改変ユーベルコードの凄まじさ、このような形で体感したくなかったと景正は思ったかも知れない。
 むしろ、このような衣装が森を飛び交うこと事態悪夢以外の何物でもない。なにせ景正ピンポイントで狙いすましたような衣装があっていいのか。いやない!

「……着るぴょん?」
『ハーベスター』の声が響く一瞬の内に景正はコスプレ衣装を身に纏う。
 躊躇っていてはやられるのは自分である。
 戦いにおいて時には躊躇いも迷いも生まれるものであろう。だが、それを切り捨てる度量が景正にはあったのだ。
 ここに爆誕したのは武者甲冑メイド・景正である! メイドカチューシャがふるりと揺れるが、ふせられた顔が如何なる表情を浮かべているかまではわからない。
 いや、後生だから見るのはやめてあげたほうがいい。

 しかし、その嫌で嫌で仕方のない格好であるからこそ、現実改変ユーベルコードによって産み出された法則性は絶大なる力を景正に与える。
 彼の持つ全速力、全力を持ってユーベルコードが輝く。天暁不露(テンギョウフロ)と名付けられたユーベルコードは、その大上段から振りかぶった一撃によってあらゆるものを破壊する一撃である。
「散れ、天暁の前の露が如く」
 放たれた斬撃の一撃は景正の武者甲冑メイドの姿を一瞬でも視界に入れた瞬間に振るわれた。
 唐竹を割るような一撃。
 天と地が切り結ばれたような凄まじき剣速は、一瞬の内にして『ハーベスター』を霧散させ骸の海へと還すのだ。

「申し訳ないが迅速に片付けさせて頂く―――」
 それは尋常ならざる決意であった。
 もしも、もしもだ。仮にこの姿を忠誠を誓った徳川家の方々並びに将軍にでも見られでもしたら。誰かの口伝てにこれが漏れたら! どんな沙汰が下るかわからない。
 ならば、だれにも見られること無く、雷鳴の如き神速でもって事をなし、早々にこのコスプレ衣装を脱ぎ去らねばならない。
 今此処に着て景正の速度は稲妻を超えるほどの速度を叩き出し、一瞬の明滅の間に『ハーベスター』たちと次々と刃の露へと変えていく。

 もしも、見るものがいたとすれば、武者甲冑メイド、その姿はまさに電光石火そのものであったと言わざるを得なかったことであろう。
 だが、まだ安心するに早い。
 この後に控える食材の完備されたキッチンにおいて未だオウガの脅威は消えていないのだから―――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
(うさ耳、ハイレグスーツ、兎の尻尾。森によって偽装甲冑装甲の上から無理矢理装着されたバニーガール(ボーイ?)姿の地獄絵図)

(うさ耳は飾りなれど衣装パワーでセンサー感度は更に高まり敵を捉え、脚部スラスター活かしたジャンプは兎のよう。敵中飛び込み、『ハロウィンパーティー会場はこちら(ハート)』と書かれたその辺に刺さっていた看板を武器としてなぎ払い、敵集団の首飛ばし)

(バニーガールと言いかけた敵に脚部スラスタのパイル…ヒールの一撃で黙らせ、生き残りに)

見ましたね…
聖なる杯求める騎士達の首を数多刎ねてきた伝説の怪物…ボーパルバニーとなったこの私を!

安全なるハロウィンの為、騎士として恥を忍び…殲滅します



『コスプレ衣装が飛び交う森』の一角にオウガ『ハーベスター』たちが宙に舞うように吹き飛ばされていた。
 彼女たちはこの森における法則によって強化されたオウガである。猟兵達と言えど、強化された彼女たちを倒すのには同じ土俵に立たねば歯が立たぬほどであったが、それでも『ハーベスター』たちを吹き飛ばす力は凄まじいものであったことだろう。
「―――この、力……まさか伝説の……!」
 そんな捨て台詞を吐きながら霧散し骸の海へと還るしかない『ハーベスター』たち。
 彼女たちとて、そうたやすく打ち破られるオウガではないはずだ。
 だというのにまるでボールを叩き飛ばすようにぽんぽんと宙に打ち上げられ続けている。その中心にあったのは―――。

「見ましたね……」
 それは電子音によって構成された機会的な声であったが、その声の主を私たちは知っている。
 この背! この脚部! この偽装甲冑装甲!
 そう、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)である。彼は今、『コスプレ衣装が飛び出す森』において、飛び出してきたうさ耳、ハイレグスーツ、兎の尻尾をウォーマシンたる機械の体に無理やり装着させられたバニーガールの姿となってオウガである『ハーベスター』たちを蹂躙するかのごとく凄まじき力によって吹き飛ばし続けていたのだ。

 その手にした『ハロウィンパーティー会場はこちら♡』と書かれたそのへんに刺さっていた看板を鈍器のようにして薙ぎ払い、『ハーベスター』たちを吹き飛ばしていたのだ。
 戦場の騎士(ナグレリャナンデモイイ)の得物はいつでも剣や槍というわけにもいかないものだ。
 そこにあったものを得物として振るうことに躊躇いなどない。
 例えそれが、どうしようもないほどにトリテレイアの持つ雰囲気とそぐわない立て看板であったとしても!
「うさ耳は飾りなれど衣装パワーによってセンサー感度が上がっていますね……さらにこの脚部スラスターは兎の脚力をそのまま再現!」
 いつも以上の力が発揮されているのは、このオウガ・オリジン亡き後であっても効果を発揮し続ける『現実改変ユーベルコード』の法則によってである。
 この力の凄まじさは言うまでもない。
『ハーベスター』たちもまた、この法則の力によって強化されているはずなのに、それでもトリテレイアの圧倒的な武力の前には為す術もない。

「ば、ばにーが……」
 鈍い音がしてトリテレイアの脚部スラスターのパイルバ……いや、ヒールの一撃が炸裂し、『ハーベスター』はあえなく最後まで言えずじまいで骸の海へと還っていく。
 トリテレイアの徹底した守秘義務行動は、彼の今の姿を他のだれにも漏らさせまいとしていた。
「聖なる杯を求める騎士たちの首を数多刎ねてきた伝説の怪物……ボーパルバニーとなったこの私の姿を!」
 だれにも見せるわけにはいかないのだ。激しく動いたせいでバニースーツがギチギチと嫌な音を立てている。
 それもそうだろう。明らかにサイズがあっていない感じがすごい。このままではいつか引きちぎれてもおかしくない。

 けれど、トリテレイアは止まらない。
 彼の騎士道が言うのだ。このような人の羞恥に付け込むような法則性を生み出した現実改変ユーベルコード。それに翻弄される者がいていいはずがないのだと。
 その義憤に駆られたトリテレイアの力は羞恥すらも凌駕するのだ。
「安全なるハロウィンの為、騎士として恥を忍び……殲滅します」
 アイセンサーが輝き、その決意を表すようにトリテレイアはスラスターを噴かせ、立て看板をふるい、『ハーベスター』たちを吹き飛ばし続ける。

 ハロウィンパーティは目前である。
 かのイベントは皆、楽しみにしているものだ。この戦いが、この一戦が、ハロウィンパーティに影響を与えるのであれば、トリテレイアは奮起するのだ。
 それが真なる騎士道であろうから―――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐伯・晶
ナイアルテさんのもハーベスターのも
バニー姿は眼福だけどさ

こっちもかよ…
しかもフリル満載の可愛らしいの

あら、とっても似合ってますの
折角ですからここで鑑賞させて貰いますの

冷やかしにきただけかよ
というか、これ着たまま戦うのか
スカートっぽくなってる分
マシ…、なのかなぁ…

適度に距離を取りつつ
ガトリングガンで攻撃するよ

スカートがミニ過ぎて気になる
見られて困る訳じゃないけど
気が散るから神気で上手く固定して
鉄壁スカートになるよう操作しよう

…邪神の権能を何に使ってるんだろうね

接近されたら自分を石像に変えて防御
鎌が弾かれて体勢を崩した隙に
使い魔に石化させるよ

兎に角戦闘に集中しよう
落ち着いて考えたら負けな気がするよ



 グリモア猟兵は言った。
 望まぬコスプレ衣装を身に纏う猟兵だけに恥ずかしい思いをさせてはならぬと。
 その結果、見ることの出来たバニーガール姿は眼福であったと佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)と思いを馳せる。
 晶の目に前には今、『ハロウィンの国』の一角、『コスプレ衣装の飛び出す森』にて対峙するオウガ『ハーベスター』もまた兎耳と兎尻尾を身につけた姿となっている。
 オウガ・オリジン亡き後でも『現実改変ユーベルコード』の力は凄まじく、その法則は圧倒的な力となってオウガたちを強化している。
 だからこそ、晶は眼福だと思ったのだ。
 バニーガールいいよね。……いい。
 そんな通の間でしか通じない会話が行われていたとかいないとかそんなことは今の所どうでもいい話なのである。

 晶の今の最も関心事のあることは、自分の姿である。
「確かに眼福って言ったけどさ。こちもかよ……しかもフリル満載の可愛らしいの」
 今の晶もまたバニーガールであるのだが、その趣はどちらかというとアダルティーなものというよりは少女趣味が全開になったようなデザインであった。
「あら、とっても似合ってますの。せっかくですからここで鑑賞させてもらいますの」
 邪神の分霊が呼んでも居ないのに冷やかしにくる。しかも助けてくれるとかそんなことはまったくないのだから晶としては頭を抱えたくなるものである。
 布面積的に言えば水着と大差ないものである。
 けれど、バニーガールである。
 色んな意味でアダルティーな象徴であるのだ。そういう格好を自分がしているという羞恥心。それすらもこの国の法則は力に変えていく。

「冷やかしに来ただけかよ……というか、これ来たまま戦うのか。スカートっぽくなっている分、マシ……なのかなぁ……」
 ふんわりとフリルが揺れる。
 可愛らしい雰囲気のバニーガールとなった晶に刺さる邪神の分霊の視線。
 なんだかすごく嫌な予感しかしない。
「ええい、なるようになるさ!」
 封印の縛め(シールド・スタチュー)によってスカートを鉄壁スカートに変える。

 だって、見られて困るわけでじゃないけれど、気が散るのだ。見えてしまわないかというドキドキハラハラは戦いにおいては邪魔でしかない。
 ユーベルコードを戦うためではなくて、スカートの鉄壁具合に使うというのは、なんというか、こう……。
「邪神の権能を何に使ってるんだろうね……」
 考えたら負けである! 考えるな! 感じろ! その鉄壁スカートの奥にある桃源郷の如き見果てぬ理想郷をイメージするために……!
 邪神の分霊が「ずっこいですのー」とか言っているが気にしない。
 コスプレ衣装を来たことによる強化で放たれるガトリングガンの弾丸が一気に『ハーベスター』たちを殲滅する。

 接近されても自身の体を石像に変えて防御をし、使い魔たちを使って石化させて砕いていく。
「うう、うるさいなぁ……とにかく戦闘に集中しよう……!」
 オウガとの戦闘なのにふんわりバニーガール姿になって戦う。
 本来であれば、ふざけているのかな? と思えるような光景であるが、冷静になってしまってはいけない。
 こういうイベント事は頭を空っぽにして楽しまなければ、楽しむことは愚か、逆に羞恥心が足かせとなって自らの足元を掬いかねないからだ。

「落ち着いて考えたら負けな気がするよ……」
「あー! もっとフリルを贅沢に使って、ちらっと見えたりするのがいいですのー!」
 固定された鉄壁スカートにぶーぶーブーイングを飛ばす邪神の分霊の存在。
 未だに理解しきれぬところのある邪神の趣味というかセンスというか感性であるが、そのブーイングのおかげで冷静に考える時間を作らせてもらえないのが晶にとっては、不幸中の幸いであった。
 理性的になったら負けな格好をしている以上、今はスカートの鉄壁さを維持することに集中しなければならないのだ。

 そう、絶対に見えないとわかっているからこそ、追い求めてしまう。
 そんな性を存分に力に変え、晶はガトリングガンを噴かすのだった―――!

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ピーター・ハッタ』

POW   :    「おめでたい日 万歳!」
【飲んでいる紅茶】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【帽子を殺戮捕食態】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    「砂糖は2杯だ ありがとう!」
【紅茶】を給仕している間、戦場にいる紅茶を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ   :    「なぜカラスは机に似ているのか?」
自身が【疑問】を感じると、レベル×1体の【ティーセット】が召喚される。ティーセットは疑問を与えた対象を追跡し、攻撃する。

イラスト:月村遊吹

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はスミンテウス・マウスドールです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『コスプレ衣装が飛び出す森』を飛び出した猟兵たちが至るのは、食材が完備されたキッチンであった。
 其処に座すオウガ『ピーター・ハッタ』は慇懃無礼に一礼して猟兵達を出迎えた。
「やあやあ。いらっしゃい猟兵。さあ、お茶をしよう。お茶会をしよう。攻撃は無意味だよ。私は今『ほぼ無敵』であるからね」
 帽子をくい、と上げて一礼する姿。
 その姿は隙だらけであるが、『ハロウィンの国』において現実改変ユーベルコードの力は絶対的である。
 その法則を打ち破るには、法則をぶつけなければならない。

 即ち、『美味しい料理を作る』こと。
 そうすれば『ピーター・ハッタ』は『ほぼ無敵』という力と法則により、強制的に料理を食べなければならない。
 全部食べた上で料理に対するコメントを述べなければならないのだ。
 お腹がいっぱいに成れば眠くなって、『ほぼ無敵』の力は喪われ、眠ってしまう。そうなれば、一撃で倒すことができるのだ。
「そう、わかっているよ。君達が料理を作るってことはね。だから、私は徹底的に邪魔をしよう。さあ、お茶会だ。料理大会なんて開かせてやらないよ」
 紅茶の芳しい香りが広がる。
 キッチンには食材、調理器具、あらゆるものが揃っている。

 さあ、猟兵たちよ。
『ピーター・ハッタ』の妨害を乗り越え、料理を完成させ、『ピーター・ハッタ』を満腹にして眠らせて『ほぼ無敵』状態を解除してオウガを撃滅せよ―――!
黒髪・名捨
●心境
酷い目にあった。この怒り晴らさずにおくべきかぁ~

●行動

…料理かぁ…寧々任せた(食えれば良しの味覚方向音痴)
それまで時間稼ぐわ。
寧々への攻撃を『かばい』つつ
『盗み攻撃』で紅茶に入れる茶葉を取ったり、パンチで殴って『吹き飛ばし』。陸断のジャンプキックしたりで寧々に接近させねー

●寧々
では、妾が料理するかの。
旦那様相手以外に作るのは業腹じゃがの。
『化術』で人化すると、『料理』開始じゃの。
ああ、『結界術』でキッチンの防衛完備じゃ(名捨「あれー」)
作るのは…。和食いつもの朝食めにゅーじゃ。
味が染み染みとっくりことことな肉じゃが
ほっくらほこほこなあったか白飯じゃ。

旦那様のようにドンブリにするでないぞ。



『ハロウィンの国』はもはや何でもアリの状態であった。
 コスプレ衣装が飛び交う森もそうであったが、食材や調理器具が完備されたキッチンもまた、現実改変ユーベルコードの為せる業である。
「ひどい目にあった。この怒りはらさずにおくべきかぁ~!」
 黒髪・名捨(記憶を探して三千大千世界・f27254)は猫耳と眼鏡をかなぐり捨て、メイド服をも脱ぎ去った。
 ああ、もったいない!
 という喋る蛙『寧々』の言葉が哀愁を漂わせていたのは如何なることか。そこら辺を後で問い詰めることにして名捨はすかさず、オウガ『ピーター・ハッタ』に殴りかかる。
 だが、このキッチンにおいてオウガ『ピーター・ハッタ』は『ほぼ無敵』である。

「『ほぼ無敵』の私に拳を届かせようとすることは、とても難しいことだよ。料理が完成してしまえば、食するほかないけれど、それは作らせなければいいことだからね」
 名捨の拳を受け止め、手にしていたティーカップから紅茶を地面にこぼす。次の瞬間、『ピーター・ハッタ』の帽子が殺戮形態へと変貌し、凄まじい勢いで名捨を飲み込もうと襲いかかるのだ。
「……なるほど。料理かぁ……寧々、任せた」
 名捨は殺戮形態へと変じた帽子と格闘しながら、喋る蛙『寧々』をキッチンに降ろす。
「こいつに喰らわす料理を作ってくれ。それまで時間稼ぐわ」
 寧々が化術によって人の姿へと変身し、キッチンに降りたつ。

「では、妾が料理するかの」
 普段から寧々が名捨に料理を振る舞っているのだが、味覚方向音痴とも言われる名捨にとって料理とは食べられれば善いものであるというたぐいのものである。
 そんな彼に手料理を振る舞うのは寧々にとって、妻として当然の責務である。
 どこからか、俺はまだ認めてねーぞ! という声が聞こえてきそうだが、それはおいておくものとする。
「旦那様相手以外に作るのは業腹じゃがの―――『料理』開始じゃの」
 腕まくりし、割烹着スタイルの寧々がキッチンに立つ。

「そうはさせないよ!」
 料理を完成されては、それを食べる他なくなる『ピーター・ハッタ』としては調理をしようとする寧々を狙うは定石である。
 だが、それをさせぬと名捨がかばうのだが……。
「させるかよっ! ……ってあれー!?」
 ばいん、とキッチンを包み込む結界術に名捨と『ピーター・ハッタ』が阻まれ、外に押し出される。
 寧々が張り巡らせた結界術。
 それは名捨がかばうまでもなく、強力な結界であり、名捨がどうこうする必要もなかったのかもしれない。

 それならさぁ、最初からそう言ってくれてもさぁ、とかいいたく為るのをぐっと堪えて名捨は引き続き『ピーター・ハッタ』の殺戮形態となった帽子との格闘を続ける。
「作るのは……ふむ。和食。いつもの朝食メニューじゃ」
 和食。それは良妻賢母の証。
 じっくりことこと煮込んだ肉じゃがは甘みと旨味の凝縮した旦那の胃袋をぎゅっと掴む一品。
 さらにほっくらほこほこな白米。
 これぞ朝のメニュー。名捨も毎朝食べているにっこり印の寧々の特製朝ごはん!

「旦那様のようにドンブリにするでないぞ」
 完成した朝食メニューをキッチンに起き、結界術を解くと、『ピーター・ハッタ』は吸い寄せられるようにしてキッチンへと降り立ち、食膳の前で手を合わせて頂きますしてから手を付ける。
 以外に礼儀正しい。
「ふむ……お米がつやつや立っているね。ちょうどよい火加減。土鍋を使ったんだね。今は電気炊飯ジャーもあるけれど、やはり柔らかい火で加減よく炊いたお米というのは別格であるよ。さらにこの肉じゃが。面取りをしっかりしているから煮崩れしないし味もしっかりと染み込んでいる。うん、ご飯に合うわけだ。むしろ、合わないっていう人を連れてきてほしいね。お出汁もいいよね……これぞ和風。日本の朝ってやつだ……!」

 一息に『ピーター・ハッタ』が告げてから、わずかに眠そうな顔になっていく。
 これが『ほぼ無敵』状態であるオウガの強化を解く唯一の手段!
「……いや、俺だってそんなにドンブリって言われるほどかっこんでるわけじゃねーし」
 名捨は複雑な顔をしながら、取越苦労に肩を落とす。
 そんな名捨の頭に变化を説いた寧々が飛び乗り、ペチンと頭を叩く。
「なに、旦那様にはもっと愛情を込めるでの」
 いや、そういうことじゃ、と言い訳しようとする名捨と寧々の仲睦まじい様子は、ある意味でこの『ハロウィンの国』における最大の勝者の光景であったのかもしれない―――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
出された料理を拒むことが出来ない
不利がわかっていようと制約に縛られる境遇には些かの同情を覚えますが…

無敵の怪物打ち破るは武力でないのは御伽噺の常道
此度はその弱点、容赦なく突かせて頂きます

UCの妖精ロボを●操縦し精密作業能力を活かして調理に当たらせます
レシピは●世界知識を解凍して得たはちみつビスケット
材料の分量や正確な手順が肝要な化学反応活かしたお菓子は機械種族の得手

敵の厨房への侵入に機械故のマルチタスクで対抗
●武器受け盾受けで攻撃防ぎ●怪力で後退させ妖精ロボ達●かばい

護衛は疲労も無い私の得手
生地を寝かせてオーブンで焼き上がるまでお待ちいただきましょう
紅茶のお供に如何ですか?



 猟兵達の戦いは続く。
 『ほぼ無敵』状態と言わしめるほどに強化された『ピーター・ハッタ』の身に纏う現実改変ユーベルコードが猟兵の料理によって徐々に解除されていく。
 だが、まだ完全に解除するには至らない。
 ともかくオウガ『ピーター・ハッタ』を満腹にしなければ、強化を解除できないのだ。それにはさらなる料理でもって『ピーター・ハッタ』へと振る舞わなければならない。
「む……私の食欲ではない……でも料理を提供されれば食べなければならない。これが現実改変ユーベルコードの強制力というやつか……まいったな。ただ単純に『無敵』にしてくれればいいものを」
 そんな風に嘯くけれど、それでも未だ『ピーター・ハッタ』に施された強化の力は凄まじい。

「出された料理を拒む事ができない。不利がわかっていようと制約に縛られる境遇には些かの同情を覚えますが……」
 トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)はキッチンへと降り立つ。
 この戦場に座すオウガ、『ピーター・ハッタ』は『ほぼ無敵』であるが、それ故に法則性に縛られているのだ。
「何、まだまだ私は無敵。たやすく倒せるとは思わないことであるし、それ以上に君達に料理をさせなければいいのさ。おめでたい日 万歳! そういうことさ!」
 飲んでいた紅茶をこぼし、頭に被った帽子を殺戮形態へと変貌させる。
 トリテレイアであっても飲み込もうとするように大きく口を開けて広がる帽子を前にトリテレイアは一歩も引かなかった。

「無敵の怪物を打ち破るは武力ではないのは御伽噺の常道。此度はその弱点、容赦なく突かせて頂きます」
 すでに『ほぼ無敵』の『ピーター・ハッタ』の攻略法は分かっている。
 トリテレイアには勝算もあったし、それを実行できるだけの手段も講じていたのだ。
 彼の周囲に飛ぶのは、自律式妖精型ロボ 遠隔操作攻撃モード(スティールフェアリーズ・アタックモード)である。
 複数の偵察用妖精型ロボがトリテレイアを守るのではなく、妖精型ロボが調理を担当し、トリテレイアをそれを守護するのだ。
「心強い味方というわけです。……動かしているのは私なのですが。これならば調理と攻撃に耐えること、それを同時に処理するマルチタスクを実行できるというわけです」

 キッチンの中に妖精型ロボットたちが乱舞する。
 すでに電脳より解凍されダウンロードされたはちみつビスケットのレシピは妖精型ロボたちの中に役割を分担して実行されている。
「おかしかい! お茶会にぴったりではあるけれど、それを私がさせると思っているのかい」
 変形した殺戮形態の帽子がキッチンに入り込み、妖精型ロボたちを一呑みにしようとした瞬間、トリテレイアが大盾を構え割って入る。
「ぬん―――! ここは邪魔をさせるわけにはまいりません。護衛は疲労もない私の得手」
 大盾でもって受け止めた帽子を押し返し、トリテレイアと『ピーター・ハッタ』がキッチンの外で一進一退の攻防を繰り広げる。

 キッチンの中では妖精ロボたちが機械ゆえの正確な動作で次々と生地を生み出していく。
「生地を寝かせてオーブンで灼き上がるまでお待ち頂きましょう」
「それをさせないと言っている―――!」
 だが、護衛用のウォーマシンであるトリテレイアと『ほぼ無敵』の『ピーター・ハッタ』の戦いは互角以上であった。
 トリテレイアは『ピーター・ハッタ』を倒す必要がない。守備に専念していればいいのだから、どれだけ『ピーター・ハッタ』の攻撃が苛烈であっても耐えることができる。
 片や、『ピーター・ハッタ』はキッチンに妨害に入らないといけないのだが、トリテレイアの守備を中々抜けないのだ。
 そうしている内にキッチンでオーブンがビスケットの灼き上がる音を告げる。

「ああ! また料理が完成してしまった!」
 のけぞるように『ピーター・ハッタ』が現実改変ユーベルコードの法則性に抵抗しようとするが、無意味であった。
「紅茶のお供にいかがですか?」
 慇懃無礼にトリテレイアが焼き上がったばかりにビスケットを皿に載せて優雅に歩む。その姿はまさに執事然としていたが、今の『ピーター・ハッタ』にとってはまるで断頭台があちらからやってくるようでもあった。
 だが、どうしても抵抗できない。
 差し出されたビスケットに手を伸ばし、つまみ上げて口の中へ―――。

「はちみつの甘い香り! 小麦粉の芳醇な香り! それらが奏でるはハーモニー! これはいうなれば大地とミツバチのマリアージュであるといえよう! さくりと噛み、紅茶を―――失礼」
 ごくんと飲み込む。
 紅茶で流し込めば、香りと香りが引き立ち、その上品な甘みをさらなる高みへ引き上げていく。
「美味しい……! これこそ紅茶に良く合うと言われるビスケット! ああ、なんて甘美なる味わいだろう! 言うまでもなく、これは至高のビス! ケッ! ト!」
 盛大にビスケットを食べた感想を述べ、さらなる眠りへと誘われる『ピーター・ハッタ』。

 こればかりはどうしようもない。
 トリテレイアは、お粗末さまでしたと一礼し、優雅に立ち去る。
「ああ、残ったビスケットはどうぞご自由に。少々手土産に私も持ち帰らせていただきますが―――」
 そんなふうにトリテレイアは戦いの戦果という名のビスケットを手土産に戦場を後にするのだった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サージェ・ライト
シリカ(猫)を召喚(?)して一緒に参加

レッツ、くっきーんぐっ!
はーい、シリカもビニールの手袋(食用)しましょうねー
作るのはー、パンケーキっ!

シリカ、ちょっとボウルの中でこねこねしててください

攻撃は【VR忍術】防御の巻、畳返しの術で攻撃を防ぎましょう!
ついでに直接当てて吹っ飛ばします
しばらく帰ってこなくていいですよー?
さて今がチャンス
パンケーキつくろっパンケーキつくろっ♪

できました! 白猫パンケーキ!

ちなみに材料は既製品
変なこだわりは味がおかしくなっちゃいますからね
その代わり、じゃじゃーん!クリムゾンメープルシロップー!
ちょっと変わった品で攻めてみますね
さあ召し上がれ!


※アドリブ連携OK



「レッツ、くっきーんぐっ!」
 それは『ハロウィンの国』に完備されたキッチンに高らかに響き渡るサージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)の明るい声だった。
 彼女は今、キャバリアに宿る魂のアバターである白猫又のシリカとともにキッチンに立っている。
 猫のシリカにはビニールの手袋させて助手として何か別の番組がはじまってしまったかのような雰囲気を醸し出す。
「作るのはー、パンケーキっ!」
 高らかに宣言する。
 すでにもう視聴者(?)は軽く置いてけぼりであるが、これには理由がある。

「パンケーキと言えば紅茶だろう。そうに定番が決まっているんだ。私はちょっとパンケーキにはうるさいからね。そう簡単に……」
 紅茶をこぼして帽子を殺戮形態へと変貌させたオウガ『ピーター・ハッタ』がサージェたちに襲いかかろうとキッチンを強襲する。
 今のオウガ『ピーター・ハッタ』は『ハロウィンの国』の法則性によって『ほぼ無敵』となっている。
 これを打ち破るために猟兵たちがしなければならないことは攻撃ではなく、料理を作ることなのだ。
 オウガ・オリジンの亡き後でも現実改変ユーベルコードの力と法則性は残っている。かの『ピーター・ハッタ』は現実改変ユーベルコードの力によって『ほぼ無敵」となっている。
 料理さえ完成してしまえば、『ピーター・ハッタ』は法則性によって必ず料理を食さなければならない。

 満腹になってしまえばこちらのものである。
「メモリセット! チェックOK! 参ります! ―――って、今は邪魔しないでくださーい!」
 VR忍術(イメージスルノハカッコイイワタシ)によって畳敷きでもないキッチンから突如として畳が浮かび上がり、『ピーター・ハッタ』の繰り出す殺戮形態となった帽子を弾き返し、次々と跳ね上がる畳によって『ピーター・ハッタ』ははるか遠くまで吹き飛ばされてしまう。
「しばらく帰ってこなくていいですよー? さて今がチャンス。パンケーキつくろっ、パンケーキつくろっ♪」
 みゃん!
 と白猫又のシリカが軽快に鳴く。

「ちなみに材料は既製品です! 変なこだわりは味がおかしくなっちゃいますからね!」
 混ぜて混ぜて混ぜるだけ!
 あとはフライパンの粗熱を取ってから生地を流し込んで焼くだけである。お手軽であるがきちんとした作業の工程を踏むことが大切である。
 こうした基礎の積み重ねが美しいパンケーキを作り上げることができるのだ。
 シリカとしては、普段からこういう基礎を積み上げてくれていれば、機体を壊さなくても済むのではという言葉を飲み込んだ。
 だって水を差すところじゃないからね!

「ふんふんー。でも、その代わりにぃ……じゃじゃーん! クリムゾンメープルシロップー!」
 テテテン。そんな効果音が聞こえてきそうなサージェの手には謎の赤いメープルシロップが。
 変なこだわりはしないんじゃなかったんです!?
 クリムゾンという言葉の響きに何か不穏な気配が漂う。とろりとした赤いメープルシロップが焼き上がって積み上げられたパンケーキの上にたらされていく。
「さあ、召し上がれ!」
 そこへちょうど戻ってきた『ピーター・ハッタ』が現れる。
 ぜえぜえ言っているのは、吹き飛ばされてから漸く戻ってきたからだろう。料理が完成してしまえば、必ず食さなければならないという法則性によって、無理やり全力疾走をしてきたのだ。

「……はぁ、はぁ……ああ、それでは実食!」
 ぱぁん! と柏手が打たれる。いや、それ食べ終わった後。
 ナイフとフォークで切り分けお上品に口に運ぶ『ピーター・ハッタ』。彼女の口元に運ばれたパンケーキは柔らかそうでありながら、しっかりとした焼き加減で絶妙な甘さを醸し出す。
「うん、これはパンケーキ。まごうことなきパンケーキ。けれど甘さの中にこう、あれだね……クリムゾンって感じがするね!」
 クリムゾンとは。
 そう、赤色とはいろいろなものを連想させられる。熱いものであったり、辛いものであったり……。
 今回のクリムゾンとは一体どれであっただろうか。
 フルーティーないちごとかベリーとかローズとかであったらよかっただろうなぁ、とシリカはなんとなしに思う。

「……お姉ちゃん、まずはその変わったことしようっていう意気込み、今度は捨てようね」
 ばたーん! と勢いよく『ピーター・ハッタ』が倒れ込む。
 果たしてお味は……きっとコメントできないたぐいのアレであったことだろう―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鞍馬・景正
これほど命と尊厳の危機を感じた事はあったでしょうか……。

ですが甲冑の造形は中々に凝っていますし、メイド服も中々に機能的でした。

――これは中々に悪くないのでは?

さておき、次は料理――そして無敵の相手を凌げと。
いいでしょう、そちらの方がまだやり易いというものです。

◆戦闘
まず鯛を一尾掴み出し、それを宙に放りつつ二刀抜刀。

攻撃を刀で防ぎつつ、脇差で鯛を捌き、切身を刀の平面で受け止め。

敵の追撃は【風鬼来】で呼び出した忍び達の投網や投げ縄、火縄での牽制射撃で妨害させている内に調理を。

そして鯛の洗いを完成させたら煎り酒と共に提供。
酒肴には最高の一品、召し上がられよ。

トドメが必要ならばそのまま一閃を。



 武者甲冑メイド。
 その姿は神速の如き抜刀と剣戟によって見ることのできぬ夢幻の如き存在であった。
 見たものは一瞬の内に斬り捨てられ、例えそれを眼に映したのだとしても次の瞬間には骸の海へと変える定め。
 であるのならば、その姿は存在しないことと同義であったが、唯一の観測者である武者甲冑メイド自身―――つまるところ、鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)の記憶の中にはしっかりと存在しているのである。
「これほど生命と尊厳の危機を感じたことはあったでしょうか……」
 思い出しても顔から火が出そうな気がする。
 それほどまでに封印したい記憶になってしまいそうな戦いであったが、景正は武者甲冑メイドのコスプレ衣装を割と高く評価していた。
「甲冑の造形は中々に凝っていますし、メイド服も中々に機能的でした……」
 総合的に評価するのであれば、そう。

 ―――これは中々に悪くないのでは?

 新たな扉が開くのか、はたまた、ばったんと閉じたのかは景正のみが知ることである。
「さておき、次料理―――そして無敵の相手を凌げとのことでしたが……」
 そう呟いた瞬間景正を襲うオウガ『ピーター・ハッタ』の帽子が変貌した凶悪なる一撃。
 その一撃を刀で受け止め、ぎりぎりと押し込まれる力に『ほぼ無敵』と呼ばれたオウガ・オリジンの現実改変ユーベルコードのちからの凄まじさを感じる。
「料理を完成させて私に食べさせようたって、そうは帽子問屋が降ろさないさ。これまでは色々食べさせられてしまったけれど、それでもまだ私の『ほぼ無敵』の力は残っているからね!」
 刀で弾き飛ばし、距離を取る景正。
 なるほど、と相手の力量を一合の間に理解する。これが『ほぼ無敵』の力。なれば正攻法ではなく、法則性に則った戦いをするべきであると景正は瞬時に判断した。
「いいでしょう、そちらの方がまだやりやすいというものです」
 そう、武者甲冑メイドになった再び戦えと言われるよりは、余程心の臓に対する負担が少ない。

 食材をも完備されたキッチンにはありとあらゆる食材が存在する。
 そう、それこそ鯛であれなんであれだ。景正が豪快に手にしたのは鯛の一尾。それを宙に放り投げれば濤景一文字と鬼包丁のニ刀を抜き払い、襲い来る帽子の一撃を刀で受け止めながら、脇差である鬼包丁をその名の通り鯛を一瞬の内に捌き斬る。
「脇差と言えど、剛力によりて放つものであれば繊細な太刀筋ができぬとお思いか。否。これぞ我が剣技」
 裁かれた鯛の切り身が鬼包丁の等身の上に見事に受け止められる。
「曲芸! パフォーマンスってやつだね! だが、それも帽子の猛攻を前にしてどれだけ保てるかな!」
 オウガ『ピーター・ハッタ』の帽子が次々と連撃を繰り出す。
 だが、景正は慌てることはない。
 なぜなら、彼の瞳に輝くのはユーベルコードの輝きである。
「およそ戦は、正を以て合い奇を以て勝つ――そして決するは千里の外に」

 ユーベルコード、風鬼来(フウマ・ケンザン)によって召喚された風魔忍者たちが次々と『ピーター・ハッタ』を投網や投げ縄、火縄の牽制射撃によってキッチンから遠ざけていく。
「このような小細工がいつまでも『ほぼ無敵』の私に通用すると―――」
 確かに『ほぼ無敵』状態の『ピーター・ハッタ』を風魔忍者たちがいつまでも妨害できるわけがない。
 けれど、景正にとって時は数瞬でよかったのだ。たったそれだけ稼ぐだけで景正の調理は完成する。

「酒肴には最高の一品、召し上がられよ」
 そう提供されるのは鯛の洗い。
 煎り酒まで常備されているなんて! 紅茶派の『ピーター・ハッタ』であるが『ハロウィンの国』に置いて法則は絶対である。
 その法則の前にはどれだけの主義主張があろうとも、紅茶にはブランデーって決めていたとしても、それでも提供された料理を共にする煎り酒があるのならば、食さねばならない。呑まねばならない。

「鯛は脂っぽさもあれど、こりこりとした食感が歯に楽しいね。ああ、でもそうか。お湯で洗って水で締めるから、脂っぽさは消えて鯛の鮮度だけが、味を引き立たせてくれる……! そして、この煎り酒。くぅ~っていいたく為る気持ちもわかるよね!」
 ご満悦である。
 紅茶派であるという主義主張はどこに消えたのか。
 それは見事な鯛の洗と煎酒の香り高い酒精が、凝り固まった主義主張を溶かして喉の奥に流し込んだからに他ならないのだった―――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

マグダレナ・クールー
りょ、料理ですかぴょん。……いえ。わたくしはムースとゼリーは作れたのですぴょん。つまりその二つは大得意料理なのですぴょん!
わたくしはもう台所を破壊することがないのです!ぴょおん!!
……あら、もう衣装は脱いでもよかったのですかぴょん?いけません語尾が残っています

作り方は覚えています!混ぜて……混ぜ、て?
《ハジメアタタメニ、サイゴヒヤスカ》
……確かゼラチンを、ジュースに
《グツグツノマエニハチンニ!》
リィー、手順は覚えていますね?!
《ウマシカ!!》
し、仕方ない事なのです!料理は難しいものなのです!

ああー!?やめてください!美味しいですから!!美味しいの一撃を口に叩きつけますから!調理させてください!



 人には得手不得手というものがある。
 誰だってそうだ。何事も万全にこなせるということは、凡庸ということに他ならない。ならば、一芸に秀でたものこそが突出した技量を発揮するのはいうまでもなく、そして突出したからには谷間の如く深き欠落があるのもまた道理であろう。
 ならば、マグダレナ・クールー(マジカルメンタルルサンチマン・f21320)があらゆる食材、調理器具が完備されたキッチンにおいて動揺しているのまた無理なからなぬことであったのかもしれない。
「りょ、料理ですかぴょん。……いえ。わたくしはムースとゼリーは作れたのですぴょん。つまり、その2つは大得意料理なのですぴょん!」
 あまりの動揺の深さに語尾がおかしなことになっている。しかも、先程までキャットガールであったのだが、多分その語尾ではバニーガールであるようにも思えたのだが、此処にそれを突っ込む者は居なかった。

 ムースとゼリー。どちらもかき混ぜるものである。
 ならば、その膂力でもって為すものであろうが、彼女の動揺から察するに、さてはこれは相当な家事音痴であるなということがわかる。
「わたくしはもう台所を破壊することがないのです! ぴょおん!! ……あら、もう衣装は脱いでもよかったのですかぴょん? いけません語尾が残っています……」
 かなりのダイナミックな家事音痴であったようであるが、いそいそとキャットガールの衣装を脱いでエプロンを手に取る所がまたいじらしいではないか。

 すでにオウガである『ピーター・ハッタ』は多くの猟兵達の料理を食べてグロッキー状態である。
 このまま料理を食べさせ続ければ、眠ってしまって『ほぼ無敵』状態は解除されることだろう。
「作り方は覚えています! 混ぜて……混ぜ、て?」
 何故そこで首を傾げるのか。
『ハジメアタタメニ、サイゴヒヤスカ』
 見かねたようにリィー・アルが助言をくれるのだが、微妙にマグダレナは要領を得ない。というか、今何をしていらっしゃる?
 とてもよくない予感しかしないのだが、徐々にマグダレナの片鱗が姿を表す。
 これは家事音痴という類ではない……壊滅的な何か別のモノ……!

「……確かゼラチンを、ジュースに」
 まさかの力技!
 チンして! チンを! 電子レンジも当然のように用意されているから! 後生だからどうか! レンジを使ってください!
 そんな叫びが通じたのかどうかはわからないが、リィー・アルが再び助言をくれる。ちゃんとマグダレナの行動を遮ること無く彼女がやろうとしていることの意を汲んでくれているのだ。
 お母さんかな?
 そんな風に思えるやり取り。
『グツグツノマエニハチンニ!』
 よかった。電子レンジの存在に気がついてくれた。なんとか形になろうとしているのだが、マグダレナははたと動きを止める。
 何か問題があったのだろうか。

「リィー、手順は覚えていますね?!」
 ここにきてマグダレナは自分が調理するよりも、『ピーター・ハッタ』の妨害を止める役割をこなしたほうがいいのではと思い立ったのだ。
 もう少し早ければ、こう……何事もなく終わったのだろうが、そこはそれ。チャレンジ精神というのは大事である。
『ウマシカ!!』
「し、仕方ない事なのです! 料理は難しいものなのです!」
 そんな風なやり取りが行われている最中、『ピーター・ハッタ』が猟兵達の料理を食したダメージ(?)から復帰し、殺戮形態へと変貌した帽子と共にキッチンに来襲する。

「ふふん、これならば美味しい料理とは言えないね! 流石に私もこれには勝ったね! さあ、覚悟してもらお―――ッ!?」
 せっかく混ぜ終わって後は冷やすだけとなったゼリー。
 それをひっくり返そうとした『ピーター・ハッタ』に掴みかかるマグダレナ。
 それは別に攻撃の意志があったわけではない。彼女の心のなかに在ったのは―――。

「ああー!? やめてください! おいしいですから!! 美味しいの一撃を口に叩きつけますから! 調理させてください!」
 すごく物騒なことを言いながら、ユーベルコード、グラウンドクラッシャーが炸裂する。
 単純で重たい一撃が『ほぼ無敵』であるはずの『ピーター・ハッタ』を押さえつける。爆心地の如き地面で『ピーター・ハッタ』が倒れ伏し、そこにボウルにタプタプになったゼリー?のような物をマグダレナが手にしている。
「だいじょうぶです。固まればゼリーでありますから、この状態でもゼリーになる前の何かではありますが、お腹の中に入ってしまえば美味しいに違いありません。さあ! さあ! さあ!」
 ぐいぐいと凄まじい勢いで迫るマグダレナ。
 その気迫に押されるようにしてたじろぐ『ピーター・ハッタ』。もはや現場は何がどうなっているのかわからない。

 ……何処か遠くで『ピーター・ハッタ』がやけどに苦しむ叫び声が聞こえたようであったが、それを聞くものはいないだろう。
『ニニニ。アワレニカ。オソロシイニ』
 リィー・アルは目の前の惨劇にぶるぶる震える。
 きっとこの先、マグダレナはキッチンからで出禁になってしまうだろうけれど、それでも『ピーター・ハッタ』のお腹の中にゼリーの前段階の何かを流し込み、戦いに貢献するのであった―――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐伯・晶
さて、ノリと勢いで来てしまったけど
もうこの恰好している必要はないよね

…ここで着替える訳にもいかないし
女神降臨でドレスをカッコいい寄りに生成しようか

なんか頭に違和感が…うさ耳?
そして何かドレスがやたら可愛らしいような
ゴスロリっぽい時計ウサギ?

とっても良く似合ってますの
この世界にぴったりですわ

お、ま、え、の、せ、い、か
なんだその「パーフェクトだ」と言わんばかりの笑顔は

あらあら、怒ると可愛い顔が台無しですの
かわりに料理している間は守って差し上げますの

キャンプ料理くらいしか作れないし
スキレットを使ってパンケーキを作るよ
果物を入れたりしてみようか

神気のおかげでドレスも汚れないしね
…深く考えるのはやめよう



 ふんわり鉄壁スカートを翻し、佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)が『ハロウィンの国』のキッチンに舞い降りる。
 フリル満載のバニーガール姿であったが、その法則はすでに森を抜けたことで必要ないと判断し晶はユーベルコード、女神降臨(ドレスアップ・ガッデス)によって宵闇のドレスをかっこいい寄りに生成する。
「さて、ノリと勢いで来てしまったけど、もうこの格好している必要はないからね。でも流石に……此処で着替えるわけにはいかないから」
 ユーベルコードの輝きと共に晶の身体がドレスアップされていく。
 これであのフリルバニーガール姿とはおさらばである。

 だが、晶の意に反して、ユーベルコードの輝きの中から現れたのは、晶が想像したかっこいい宵闇のドレスではなかった。
「……なんか、頭に違和感が……うさ耳?」
 ぴょんこ、と頭の上で揺れる兎耳。
 そして、宵闇のドレスもまた何かいつもと違う。ふんわりとやたら可愛らしいデザインの……いうなればゴシックロリータ。いわゆるゴスロリ姿になった晶が顕現する。
 今の晶は黒兎であり時計うさぎそのもの。
『とっても良く似合ってますの。この世界にぴったりですわ』
 邪神の分霊の声が聞こえる。
 ひょっこり顔を出してにんまりしている表情がまた晶の神経を逆なでする。
「お、ま、え、の、せ、い、か。なんだその『パーフェクトだ』と言わんばかりの笑顔は!」

 もはやコスプレ衣装をする理由などないのだが、それでも今の姿は晶にとっては羞恥を煽るには十分過ぎるものであった。
『あらあら、怒ると可愛い顔が台無しですの。代わりに料理をしている間は守って差し上げますの』
 そう言って分霊がオウガ『ピーター・ハッタ』がキッチンでの調理を邪魔しようとするのを防ぐ。
 それはありがたいのだが、時計うさぎをモチーフにしたゴスロリ姿の晶は途方にくれてしまう。
「料理って言ってもキャンプ料理くらいしか作れないし……スキレットを使ってパンケーキ、できるかな……」
 このキッチンに入った以上、現実改変ユーベルコードの法則性の影響を受ける。

『ほぼ無敵』状態であるオウガ『ピーター・ハッタ』を倒すには、力押しではだめであることは言うまでもない。
 だからこそ、その法則性に則って『ほぼ無敵』状態を解除する必要がある。そのための料理なのだ。
「完成させないために妨害してくるってことだったけど、あっちは任せて、こっちはこっちの仕事をしておこう。神気のおかげでドレスも汚れないしね」
 料理をするのは百歩譲ってもいいのだが、ドレスが汚れないかを気にし始めた精神性は、邪神の思うつぼのような気がしてきてしまう。
 色々と考えることは増えたような気がするが、深く考えるのはやめておいた方がいいだろう。
 宇宙のことを考えている方が余程有意義であったかもしれない。

「何事も火加減だしね。スキレットは使い慣れているし、パンケーキくらいならなんとかなるでしょ。あ、そうだ。果物を入れてみたりしようかな」
 生地に果物を混ぜ込むというアイデアは面白いかもしれんが、どこか遠くで邪神の分霊が『女子力がたりませんわー』とかなんとか言っていたとしても気にしない。
 だって、元々は男性だし。
 オウガととの戦いという逼迫した事態ではあるけれど、それでもスキレットをもって調理をしているとキャンプの思い出が蘇ってくるようだった。
「あー……久しぶりにキャンプを楽しみたいなぁ。火の粉が散って服に穴があいちゃうかもだけど、こんな格好じゃあ無理だしね」
 くるっとパンケーキが一回転してきれいな焼き目がついたのを確認し、晶はホイップクリームを取り出す。

「うん、こんな感じかな?後は適当に……と。はい、できあがり」
 邪神の分霊が戻ると同時にパンケーキが出来上がる。
 その仕上がりはスキレットというキャンプ道具であっても十分な出来栄えであった。
「うんうん、キャンプ飯ならぬキャンプスイーツってわけだ。悪くないよね。大自然の中では場違いかもしれないパンケーキだけれど、それでも女子に需要があるって点で言わせてもらえれば及第点というか、むしろ喜ばれるんじゃないかな? あ、それ」
 ぱくんと『ピーター・ハッタ』がパンケーキを口の中に放り込む。
 この『ハロウィンの国』の法則性の前には食べてしまえば眠くなって強化が解けてしまうのだとしても、必ず作られた料理は食べないといけないのだ。
「いや、味はどうかなって……」
 おずおずといった雰囲気で晶がいう。自信があるわけではないけれど、自分からしたら上手にできたのだ。
 やっぱり感想とか聞きたい。そんな仕草は下手な女子より女子していた!

「……100億点!!」
 ぱぁん! と軽快な柏手が響き渡り、『ピーター・ハッタ』はさらに弱体化していくのだった―――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
腕力や魔力よりも、法則に即している方が強い……弱者や強者という物差しがアテにならないですね

【天軍戦士の召喚】でサンダルフォンを召喚、ただし衣装は召喚主と同じくバニーに変じている
言葉を発さずとも抗議の視線を感じる
ここではこの姿の方が力を発揮できるようですし、我慢してくださいね

サンダルフォンに【時間稼ぎ】して貰っている間に【料理】
限られた時間でなるべく大量に……お菓子?
お茶会に出そうなものは食べなれていそうなので……ここはジャンクなポップコーンを
食べ始めたら更に追加でポップコーンを炒る炒る炒る
塩味にバター醤油味、チーズ味もどうぞ
物量で圧して食べ終わって攻撃に転じる暇を与えない



 現実改変ユーベルコードは法則性を強いる。
 それは凄まじき力の代償であったのかもしれないが、それでもその力は脅威である。『ほぼ無敵』状態となったオウガ『ピーター・ハッタ』は、多くの猟兵達の作り出す料理の前に満腹寸前であった。
 言ってしまえばお腹が膨れて寝落ちしそうであった。
「くっ……ここまで眠くなってしまうとは……料理の妨害をしようにも尽く防がれてしまう……! こういう時に私の帽子は全く役に立たないから嫌になってしまう」
『ピーター・ハッタ』の帽子が項垂れるようにへんにゃりと折れ曲がってしまうのも無理なからぬことであった。
 猟兵達は妨害を防ぎ、料理を完成させる。
 完成された料理である以上、『ピーター・ハッタ』は必ず食さねばならないのだ。
 そして、腹が膨れれば膨れるほどに眠気が襲い、眠ってしまった瞬間に『ほぼ無敵』状態は解除されてしまう。

 そんな無防備な状態を猟兵に狙われでもしたら一撃で倒されてしまうのだ。
「腕力や魔力よりも、法則に即している方が強い……弱者や強者という物差しがアテにならないですね」
 オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は、改めてアリスラビリンス、もとい、オウガ・オリジンの現実改変ユーベルコードの凄まじさに納得する。
 ならばこそ、ここで『ハロウィンの国』は開放しなければならない。
 いつまでもオウガたちにこの国を占拠させていては、後に訪れるであろう猟書家たちとの戦いに支障をきたすであろうから。

「天来せよ、我が守護天使。王国を守護する無敵の戦士よ。御魂の剣を抜き翳し、勝利の歌を奏で賜え――!」
 ユーベルコードが輝き、天軍戦士の召喚(サモン・サンダルフォン)が行われ、武装天使『サンダルフォン』が降臨する。
『ピーター・ハッタ』が『ほぼ無敵』であるのだとすれば、こちらも『無敵』の武装天使を呼び出すのが筋というものであろう。
 だが、その姿はオリヴィアもそうであるが、バニーガール姿なのである。
 サンダルフォンは言葉を発するわけではないけれど、視線だけで抗議しているのだとオリヴィアも気がつく。

「ここではこの姿の方が力を発揮できるようですし、我慢してくださいね」
 さらりとそう言って、『ピーター・ハッタ』の妨害をサンダルフォンに命じてオリヴィアはキッチンに向き直る。
 時間は限られている。
 それに材料と調理器具が万全の状態で用意されているとは言え、短い時間で大量に食べさせなければならないとなるとオリヴィアが選ぶ食材が限定されてくる。
「オウガ『ピーター・ハッタ』は紅茶、お茶会に由来するオウガであるとするならば……お茶会に出そうなものは食べ慣れていそうですね……ならば、ここはジャンクな方面からせめてみましょう。そう、食材は、これです!」

 そう言ってオリヴィアが手にしているのは黄金色の小さな粒。
 そう、それはポップコーンである。フライパンにバターを溶かしてしいたら、投げ込むだけでいい。
「ただの塩味だけでは空きてしまいますからね」
 手にしているのは塩にバター醤油、チーズ、チョコレートコーティングに様々な調味料。
 飽きさせずにすべて食べさせようとするオリヴィアの鋼鉄の意志が感じられる。
 次々と蓋を落としたフライパンの中でポップコーンが弾けていくのが聞こえる。その量は尋常ではない。
 まるで噴水のように次から次へとポップコーンが弾けていくのだ。
「さあ、出来上がっていますよ。たんとお食べになってくださいな!」

 そして、法則に則るのであれば、完成した料理は必ず食べねばならない。
 身体が勝手にポップコーンへと動く『ピータ・ハッタ』。
「絶妙な塩加減! 軽いからいくらでも食べれるけれど、少し飽きてくるよね。けど、だいじょうぶ。バター醤油もいいよね。ソイソースって合うのかなぁって心配していたけど、杞憂だったよ!」
「チーズ味もどうぞ。まだまだありますからね」
 オリヴィアが次々とポップコーンの味を進めていく。
 食べていく端からポップコーンが追加されていき、キッチンは遂にはポップコーンだらけになってしまう。
「食べきれないとは言わせません。さあ!」

 物量で圧する作戦はオリヴィアの思惑通りであった。これだけの量を押し込めば、例え食べ終わってから攻撃に転じようとしても、追加で用意されたポップコーンを食べ終わるまで行動はできない。
 ましてや、これだけの量だ。
 必ず満腹になって眠りに落ちてしまう。
「も、もうむり……―――」
 ぐぅ、とポップコーンの海に『ピータ・ハッタ』が沈む。どうやら満腹になってしまったようだ。

「満腹になって眠ってしまうと『ほぼ無敵』のちからも喪われてしまう。法則とは言え、あっけないものですね」
 手にした黄金の穂先の槍がまるで風船のように膨れ上がった『ピータ・ハッタ』のお腹を軽く小突く。
 それだけで空気の抜けた風船のように空へと舞い上がり、空中で弾けて霧散する。
 まるでポップコーンが弾けるように消えた『ピータ・ハッタ』を尻目にオリヴィアは目の前の惨状に軽く頷く。

「……流石に私一人でこれは無理ですね……」
 誰か食べてくれる者はいないだろうか。旅団へのお土産にしてもいいし、しばらくは日持ちするかもしれない。
 オリヴィアはしばらくの間、食事はポップコーンだけになってしまうかもしれない可能性に、オウガを倒す以上に頭を悩ませるのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月21日
宿敵 『ピーター・ハッタ』 を撃破!


挿絵イラスト