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【Q】明るい廃墟に眠る封印

#UDCアース #【Q】 #竜神

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●グリモアベース
「皆さん、お集まりいただきありがとうございます。今回の予知はUDCアースに関するものです」
 クロノ・ライム(お菓子に目がないクレリック・f15759)が、集まった猟兵たちに話を始めた。

「UDCアースの邪神を竜神たちはかつて『邪神山脈』等世界各地に封じたとされています。ところが、竜神たちの話をもとに調査を進めてみると、彼等が記憶する場所のほとんどに『封印が存在しない』事が分かりました」
 既に封印が解かれたのか、超自然的な何者かによって移動されたのか、それはまだわからない……。
「大事なのはこの先です。更に調査を進めたところ、これまで発見されていなかった『新たな封印』が発見されました。
 それが『竜脈封印』……竜脈あるいはレイラインと呼ばれる『大地に流れるエネルギー』を利用した封印です」
 封印は数万年前のものであるが、現地の遺跡や伝承などにわずかにその痕跡が残っている可能性がある。それを元に封印を発見し、眠る邪神を撃破しようというのだ。

「今回皆さんに行っていただきたいのは、牛田(うした)町という所です」
 牛田町は北関東のとある町で、牧場や田畑の広がるのどかな場所である。
 町の中でもいくつかの集落はそこそこ人口があり、昔は各集落に様々な商店があり商業活動が行われていたという。ところが、現在では高齢化の影響を受けて閉店してしまった店も多い。
「そんなわけで牛田町の人々はもっぱら買い物などは週末に隣町のCモールというショッピングモールに行く事が多いそうです。ですが、実はこの牛田町にもSマートというショッピングモールがありまして、今回行ってほしいのはこのSマートなんです」
 クロノの説明を聞いていた猟兵のうち何人かは不思議そうな顔をする。
 なぜ牛田町の人々は自分の町のSマートより、わざわざ隣町のショッピングモールへ行くのだろうか?
 当然の疑問だ。クロノはそれについても説明する。
「SマートはCモールができる十年以上前にできたのですが、各集落からの交通の便はあまり良くなかったんです。その後Cモールができて、そちらの方が行きやすいのと、大手のショッピングモールでお店の種類も多かったのでSマートへ行く人は次第に減っていってしまったようです」

 Sマートは数年前から閉店の噂が時々流れるが、現在も経営は続いている。
 ただし、2箇所あったフードコートは片方が封鎖され、テナントの入っていない場所も多い。
 場所によってはほとんど人の影が見えず、「まるで明るい廃墟のようだ」と時折ネットで話題になるとか。
「このSマートの敷地のどこかに封印があるはずです。Sマートに今も来るのは牛田町の人がほとんどだと思うので、そこで聞き込みなどをして封印の場所を特定してほしいのです」
 封印の場所が見つかったら、その後は人のいない時間帯にその場所へ向かい、邪神を倒すことになるだろう。

「それでは、まずはSマートでの聞き込み調査からですね。どうかよろしくお願いいたします」
 説明を終えたクロノは、猟兵たちを牛田町のSマートへと送り届けるのであった。


青猫格子
 こんにちは、青猫格子です。
 こちらは「【Q】UDCアースで竜神の痕跡を探したい」の結果見つかった竜脈封印に関するシナリオです。

 第1章は【冒険】で、田舎町のショッピングモール「Sマート」を探索して封印を探すことになります。
 Sマートは大まかに「東館」「西館」に分かれている、3階建てのショッピングモールです。
 東館は半数くらいのお店が開いていますが、西館はほとんどのテナントが撤退しており、客の姿がほとんど見えません。
 お客の数は少ないですが、ほぼ東館にいると思って良いでしょう。西館にいる人は僅かですが警備員はいるようです。
 建物の周りは駐車場が大半ですが、調整池に接している箇所の一部が公園のようになっており、ベンチや遊具が置いてあります。
「大まかにこの辺を中心に調査しよう」「全体を回ってみよう」など、調査の方法はおまかせします。敷地全部を回ってもそれほど時間はかからない規模です。

 第2章は【集団戦】、そして第3章は【ボス戦】となりますが、こちらの詳細は各章に進んだときに冒頭で解説したいと思います。

 第1章はOP公開後に導入部を公開します。その後プレイング受付を開始いたします。
 以降のシナリオ進行についてはマスターページをご覧いただければと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『竜脈封印の伝承』

POW   :    巨石を動かしたり、沼の底に潜るなどして、竜神信仰の痕跡を探索する

SPD   :    探索範囲内全域をくまなく歩いてまわるなど、足を使って竜神信仰の痕跡を探し出す

WIZ   :    村に伝わる昔話や童歌の調査、村の古老との会話などから、竜神信仰の痕跡を探ります

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●牛田町
 牛田町は北関東にある、農家や酪農家の多い町だ。
 町の南には日石川という大きな川が流れている。

 その日石川から少し離れたあたりSマートというショッピングモールがある。
 日石川は昔は台風などでよく洪水を起こしていた。それを防ぐための調整池を建造するとき、周辺の再開発計画として一緒に建造された商業施設である。
 しかし近年では訪れる人は少なくなり、今日も休日であるというのに駐車場の空きは多い。
 今日もSマートではいつもと同じような1日が始まろうとしていた。
黒木・摩那
竜脈というといかにもすごいパワーがありそうです。
それを使えばさしもの邪神も今度は楽に倒せそうです。
封印の場所探しですね。

しかし、本当に人が少ないです。明るい廃墟とはよく言ったものです。

まずは上空にドローン『マリオネット』を滞空して、データを集めます。
その上でショッピングセンターに入ります。
目星としては、パワーあふれる竜脈の封印ですから、今でも石や祠、泉などの形で痕跡があるのでは、と考えます。パワースポット的な。

フードコートで買い食いしながら、噂でそんな場所が店内にある、またはあったと聞いたんですけど、と店員さんに尋ねてみます。



 秋の晴れ空には雲ひとつない。
 その空にぽつんと浮かぶのは一台のドローンだけだったが、それに気付いている者はいない。
「これで周辺のデータは解析できそうですね。次は現地の人に聞き込みしましょう」
 黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は、スマートグラス『ガリレオ』に表示されたドローンのデータを確認し、他の猟兵やUDC組織の者たちと共有するために送信した。
 空に浮かんでいたのは彼女のドローン『マリオネット』であった。

 東館の入口から入る。
 人影は少ない。主に見かけるのはスーパーの買物客、そして通路のベンチで休憩や雑談をする老人たち。若者の姿はあまり見かけない。
 平日の商業施設ならこのくらいの人数でもおかしくないだろう。しかし今日は休日である。

 摩那は話しかけられそうな人を探しながら2階へ上がる。
 2階はフードコートとゲームコーナー、それから文具や玩具のコーナーがある。フードコートは軽食の店とうどんの店があった。
 元々はもっと店があったのだろうが、いまは2店しかないようだ。

 摩那はどちらの店にしようか悩んだが、軽食店の店員が比較的年齢の近い女性だったので、そちらに話しかけてみることにした。
「すみません、ちょっといいですか?」
 ポテトとドリンクを頼みながら、店員に話しかける。
「この近くにいわゆるパワースポット的な場所があったという話はありませんか?」
 店員は少し驚いたような顔をしながら考える。
「そうですね……私はそういうのに詳しくないですが、文具コーナーの秋津さんなら知ってるかも」
 と、文具コーナーを指す。秋津とは文具コーナーの担当だろうか。

 摩那はポテトを食べた後、文具コーナーのレジへ行き、秋津という者がいるか尋ねた。
「ああ、秋津は私です。この辺りの伝承に興味がおありですか?」
 レジにいた初老の男性が答える。
 摩那はこの地域についての伝承などがないか質問などをした。
「……と言う感じでね。この辺は昔は『牛沼』って地名だったんだ」
 特に客もいないので、しばらく秋津はこの地域の開発される前の様子についてなど話してくれた。
「なるほど、ずいぶんお詳しいんですね」
「ああ、ここの店員になるまでは、近くの集落で文具店をやってたからね」

 彼の話によると、このショッピングモールの敷地は昔「牛沼遺跡公園」だった場所の一部らしい。
 遺跡は縄文時代の集落のものらしいが、もしかしたら封印に関係するものがあるかもしれない。
 摩那は秋津に礼を言うと、他の場所も調査しようと移動することにした。

成功 🔵​🔵​🔴​

本屋・ししみ
WIZ

 
 とりあえず、怪しまれないよう「課題として各地の伝承について調査している大学生」とでも騙ろうか。
 叶うならUDCに相応しい身分証を用意してもらいたいね。

 騙す側の台詞じゃないけど、信用は大事だからね。

 さ、【コミュ力】を駆使して村民から聞き取りといこう。
 基本的に正攻法。落ち着いて、根気強く、丁寧に。
 さてしかし、強固に非協力的な相手が現れたなら。
 逆に好機だ。
 僕自身は潔く離れて、【影の追跡者の召喚】(蟲型の使い魔だ)でその人を監視。

 隠し事を探られれば不安に思うもの。
 秘密の共有者と相談したり、何なら秘密そのものを確認に向かうかもしれない。

 情報獲得後は他猟兵と共有を忘れずに、ね。



 一方こちらはSマートの西館である。
 殆どのテナントが撤退しており、人の姿が見当たらない。1階には少しばかりの店があるので、完全な封鎖はされていないが、寂しい光景だ。
 本屋・ししみ(魔導書使いの探索者・f30374)は、その西館の中を一人で歩いていた。

「あの、どこかのお店を探しているのですか? こちらから先にはもうお店はありませんよ」
 警備員が話しかける。先ほどから彼のことを気にしていたようだが、店のない方向へ歩いていくのを見かねて話しかけたようだ。
「ああ、心配させてすみません。僕はこういうもので、この地域の調査に来ています」
 ししみは学生証を見せる。
 UDC組織に頼んであらかじめ用意していた身分証だ。これによると、彼はこの近くの大学生ということになっていた。
「へえ、伝承について調査しているんですか。それだったら調整池へ行ってみてはどうでしょうか?」
 警備員が言う調整池はSマートの外、駐車場の向かい側にある。
 ごく普通の人工的な調整池で、伝承があるようには思えない。
(それでも勧めてくれるということは、きっとなにかがあるのだろう)
 ししみはそう考え、調整池の方へと向かった。

 調整池の岸辺は公園のような作りになっており、ベンチや遊具が備え付けられいる。
 そのベンチの一つに老人が座って、眠そうにしながら池を眺めていた。
「いい眺めですね。……ここが『牛沼』なのかな?」
 落ち着いた感じの声で、突然耳に入った単語により老人は急に目を開けた。
「いーや、これは牛沼じゃあない。牛沼って言うのはこの辺り一帯が湿地帯だった頃の名前じゃよ」
 老人がそう言いながら振り返ると、立っていたのはししみであった。
「僕は大学で各地の伝承について調査しています。詳しくお聞かせ願えませんか?」
 彼は隣のベンチに座って老人に質問をする。

 しばらく二人で色々な話をした。
 この調整池が近くの日石川の増水を抑えるために建造されたこと。その前はここには遺跡公園があったということ。すでに知っている情報もあったが、ししみは根気強く、老人の話を聞き続けた。
「『竜』や、『竜脈』に関する伝承というのはありませんか?」
 違う切り口で質問してみよう、とししみは尋ねてみる。
「そうじゃの……日石川が氾濫することを『暴れ竜』って言うことはあったようじゃな。でも、もう滅多にそういうことはなさそうだがのう」
 老人は複雑そうな思いで調整池を眺める。これが建造されて、たしかにこの地は暮らしやすくなった。
 しかし消えていく伝承もあるのだろう。
(竜脈は日石川と関係があるのだろうか?)
 もう少し調査が必要そうだとししみは考えながら、老人と話を続けるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリステル・ブルー
得た情報は積極的に共有して皆と協力するよ
出会う人には友好的に対応するね
身分はまぁなんとかなるでしょう

暴れ竜ねぇ…川を竜に例えるのは良くあるようだけど、この場合は比喩じゃない、か
川沿いをユールに偵察してもらうね、可能な範囲でいい
得た情報は僕と随時共有、頼んだよ
よく氾濫した川なら慰霊や教訓、治水の証に石碑ないかな?なければ川の様子でも

僕は川にまつわる事実と伝承聞ける人を探したい…!何人かに聞く事になってもいいよ、地道に調査していこう!
知りたいのは
調整池が作られた時期や前後の出来事とか、特に暴れ竜についてかな?
竜がこの地にもたらしたものについて…聞いてみたい

氾濫の犠牲者に対しては安らかな眠りを祈るね


レーヴァ・アークルージュ
こういう地道な情報収集が大事な任務の際にはそういうのに特化したUCやアイテムを見繕わないとなぁ……

まぁ、炎魔術に特化した私でもこんな使い方があってね?
炎は物理的な現象を操るだけじゃないんだよ。『炎』や『熱』などに関する『概念』を操って炎と関係ない現象を引き出すのも私は得意!
【焔晶の聖杖】を使用、ショッピングモールのお客さんの老人さんから『心の熱』を操作して会話で情報を引き出す。

後は、Sマートが今回の予知に映ったという事はここが最も封印に近づくところ。情報収集で引き出した情報から推測できる重要な場所を割り出してみるよ。



 Sマートの屋上は駐車場になっている。駐車している車の数は少ない。
「こんなところでいいかな」
 レーヴァ・アークルージュ(超学園級の烈焔魔導士・f29627)が一人で何かの用意をしていた。
 どうやら魔術の儀式のようだ。
「炎を灯すのは現世だけにあらず、心の炎に呼びかける……」
「焔晶の聖杖」を掲げ、呼びかけに反応する者が現れるのをじっと待つ。
 しばらくして。
「あれ、どうしてこんな所に……? いや、丁度いい。お嬢さん、もしよかったら話を聞いてくれませんか?」
 ふらりと店員らしき初老の男性が一人屋上に現れた。
「はい、私でよければよろこんで」

 男性は秋津という名前の店員で、このSマートで店員になる前は近くの集落で文具店を営んでいたという。
 先ほどこの地域のことについて聞いてきた者がいて少し話したのだが、それがきっかけでいろいろ懐かしい昔話を思い出して誰かに話したくなったのだという。
(おそらく訪れたのは猟兵ね) 
 偶然ではない。魔術によってこのような運命になったのだろう。

 一方、こちらはSマート西館を出てすぐの地上駐車場。
 アリステル・ブルー(果てなき青を望む・f27826)は自分や仲間の猟兵たちの、これまでの調査結果を元にUDC組織にある調査を依頼していた。
 その結果が出たらしく、駐車場に止まった一台の車からUDC職員が現れた。
「こちらがこの地域についての資料です」
 職員はアリステルに何枚かの紙が綴じられた資料を手渡す。データではないのは、町役場などの資料をコピーして集めたものが多いためらしい。

 資料の1枚目には、この辺りが開発される前にあった遺跡について記述されている。
 縄文時代の集落だったらしい。遺物などは昔は公園に展示されていたが、今は県の博物館に移設されているという。
 2枚目の資料は、この地域の川にまつわる伝承であった。
「へえ、川の氾濫は『暴れ竜』と言われて恐れられていた一方で、竜が暴れるとその後の作物が豊作になるなどの良い言い伝えもあったんだね」
 エジプトのナイル川みたいな話だが、ここは日本なので気候の条件が随分違う。作物を育てている最中に台風が来たらむしろ不作になるはずだが、それでも「暴れ竜」を神聖なものと考える理由があったのだろうか?
「この伝承に関する石碑が、ここの駐車場の敷地内にあるそうです」
 UDC職員の案内でアリステルは石碑を見に行くことにした。

 石碑は駐車場の敷地の外れに人々から忘れられたようにひっそり建っていた。
「石碑と、これは看板かな?」
「これは、ここが遺跡公園だったときの案内板らしいよ」
 いつの間にか屋上にいたレーヴァがアリステルたちの元にやってきていた。
 案内板には遺跡の紹介が書いてある。縄文時代のものであるとされるが、一部の列石などはもっと昔からあったのではないか、という説もあると書かれていた。
「なにしろ昔のことだから測定間違いもあるかもしれない、と片付けられてしまったみたいだね」
 レーヴァは秋津がそのような話をしていたことを思い出しながら、アリステルたちに伝えた。

「遺跡と『暴れ竜』はなにか関係があったのかな?」
 アリステルは石碑と案内板を見比べながら不思議そうに首を傾げる。
「……そうか! ここにあった遺跡が封印の名残だとしたら、川の氾濫によって竜脈の力を定期的に与えることで封印が解けないような仕組みだったのかもしれないよ」
 レーヴァがひらめいたように言う。
「なるほど、それならこの地域の人が『暴れ竜』を神聖なものと考えていた理由にもなるね」
 アリステルが腑に落ちたような顔をした。
 長い年月により、川の氾濫がなぜ必要なことなのかは忘れ去られてしまったが、大事であるということだけが残ったのだろう。
「その結果、氾濫の犠牲になった人もいるのだろうけど……」
 氾濫の危険が少なくなった今は、安らかに眠っていてほしい。と、アリステルは思うのであった。

 そのとき、空から青い鳥がアリステルの肩に降り立った。彼の使い魔、ユールだ。
 使い魔と感覚を共有することで、この地域を上空から観た様子の情報を得ていたのだ。
「遺跡があったのは地形的にこの辺りかな」
 アリステルは駐車場の一角を指す。案内板の手前辺りだ。
「そうですね、こちらで得た地形データでもこの辺りは少し違和感がありました。おそらく一度大きく掘り返してからまた埋めたのでしょう」
 と、地形データを参照しながらUDC職員が言う。

 おそらくここに封印があったのだろう。
 そして、氾濫で竜脈のエネルギーを与えられなくなった封印は、徐々に力を弱めているのかもしれない。
 猟兵たちとUDC職員は、深夜に再びこの場所を訪れることにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『嘆き続けるモノ』

POW   :    何故俺は救われなかった?
質問と共に【多数の視線】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
SPD   :    誰も私を助けてくれない
自身と自身の装備、【自身と同じ感情を抱く】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
WIZ   :    僕を傷つけないで!
【悲しみに満ちた声】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●蔓延る黒い影
 深夜。Sマートは閉店している。
 通常なら敷地に侵入すれば警備システムが作動して警備員が来てしまう。
 しかし、UDC組織が用意したカードキーで警備は解除され、猟兵たちは敷地内に入ることが出来た。
 防犯カメラなども気にする必要はなさそうだ。

 ところが敷地の駐車場は、昼間は見かけなかった奇妙な黒い影のようなもので溢れかえっている。
 おそらく封印の力が弱まっているため、封印から漏れる力に惹かれたオブリビオンたちが集まってきてしまうのだろう。
「悲しい……苦しい……」
 影たちは様々な嘆きの声を上げながら、駐車場を徘徊している。
 このままでは封印に近づけないため、影を排除する必要があるだろう。

■マスターより
 第二章は集団戦です。
「嘆き続けるモノ」を撃破し、封印の地点にたどり着く必要があります。
 プレイングは10/23(金)8:30 から受付開始します。
 よろしくお願いいたします。
レーヴァ・アークルージュ
「実体無きUDCか……だけど、その性質が攻略のねらい目だね」
UC起動。白炎が展開され、『嘆き続けるモノ』を包み込む。
無論、抵抗するだろうから相手もUCを起動するだろうけど問題ない。
「これは浄化の炎。貴方に苦しみを与える存在じゃないよ」
そう、物質界に存在するモノを浄滅する浄化の炎が慈悲の形で現れて怨嗟を癒し、浄化していく。

更に言えばこのUDC自体は霊的存在かもしれないけど、それでも「UDCアースという物質界に存在するモノ」である。
故にその存在が放つUCそのものも「物質界の存在」という枠組みに当てはまるため、浄化の対象となる。



 深夜の駐車場を徘徊する影たちは、それぞれ違う嘆きの声を上げていた。
「置いていかないで……置いていかないで……」
 ある影は、置き去りにされた子供のような声で猟兵たちにむかって囁き続ける。
 その声に囚われてしまえば、本当に子供を置き去りにした親のように後悔の念で支配されてしまうであろう。
 しかし、レーヴァ・アークルージュは冷静であった。
「実体無きUDCか……だけど、その性質が攻略のねらい目だね」
 魔法について学んできた彼女は、影の声が呪いのようなものであり、まともに聞いてはいけないと理解していたのだ。
「おそらく『置いていくな』というルールを相手に課し、その上でルールを破ったらダメージを与える。そういう術だね」
 レーヴァは相手の行動をそのように分析していた。
「我が白き大炎を恐れよ……!」
 彼女は聖杖を影に向け、白炎を放つ。
 駐車場に広がった白い炎は、黒い影を包んで燃え上がった。

「置いていかないで……」
 白炎に包まれた黒い影が、再び悲しみの声を上げる。
「これは浄化の炎。貴方に苦しみを与える存在じゃないよ」
 レーヴァは影に語りかける。
 白炎は「物質界に存在するモノを浄滅する浄化の炎」であった。
 このUDCはいわゆる霊や怨念のようなものかもしれない。それでも「UDCアースという物質界に存在するモノ」である。
「貴方も、貴方の嘆きもここに存在している。
 故に『物質界の存在』として、浄化の対象になるんだよ」
「ありがとう……ありがとう……」
 浄化の炎が怨嗟を癒やしたからだろうか。それとも、レーヴァが影の嘆きを認めてくれたからだろうか。
 嘆きの声は次第に穏やかなものに変わっていき、黒い影は姿を消していく。
 白炎はそのまま駐車場に広がり続け、周りの黒い影たちも次々に浄化していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
うわー、厄介なのがいっぱいいますね。
これは封印への道を切り開くのも大変です。
さて、どうしたものでしょうか。

ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
UC【蒼鷹烈風】でワイヤーの範囲を広げると共に、ヨーヨーの回転を上げていきます。
ヨーヨーの外周から刃を出し入れしながら、UDC達を【なぎ払い】して、道を切り開いていきます。

UDCが透明化しても、スマートグラスの前では熱センサーで丸見えです。
どんなにUDCが嘆き悲しんでも、それは呪詛でしかありません。
聞く耳持たずです。


アリステル・ブルー
必要なら他の猟兵さんと協力するよ

ずっと苦しんでいたのかな…?
でもここで嘆き続けても君たちが救われる事はないんだ

経緯はわからないけど同情はする、だけど声に囚われる真似はしない
だって僕は月の狂気にだって抗えるんだから!

僕に出来る事はそう多くはない
だから左手の聖痕に祈りを込めるよ、敵だけど彼らが安らかに眠れるように、その魂が癒され浄化されることを
その願いをUCに乗せて可能な限り巻き込んでいくね
取りこぼしちゃったのが反撃してくるようなら、浄化の力を込めて黒の細剣で応戦しよう

他に何かいい方法があればいいけど、ごめんね僕が出来る精一杯がこれなんだ
それに封印を見過ごすわけにはいかない、道を開けてもらうよ



 黒い影はまだ駐車場の中に溢れかえっている。
「これは、封印への道を切り開くのも大変です」
 黒木・摩那は、大勢の黒い影を目の前にしてどうしたものかと考える。
「決めました。点ではなく面で攻めていきましょう」
 ヨーヨー『エクリプス』を手にし、回転させる。意思で質量を変え、刃物を出すこともできる武器だ。
 そのままでは自分の近くの相手しか攻撃できないが……。
「励起。昇圧、目標を確認……加速開始」
 エクリプスの回転速度が上がっていく。すると、ワイヤーが元の長さより伸びはじめ、ヨーヨーの射程が広がっていく。
「誰も助けてくれない……」
 影の近くにエクリプスの回転する刃が近づいてくる。しかし、影が呪いの言葉を吐くと一帯の影たちが透明になっていく。
「透明化しても、熱センサーで丸見えです!」
 摩那は影の言葉にも透明化にも動じなかった。そのまま、透明な影たちの位置をスマートグラスで捉えると、ヨーヨーを大きく回転させて影たちにぶつける。
「あああ……!」
 ヨーヨーの刃に当たった影たちはバラバラに切り裂かれた状態で姿を現すと、そのまま姿を消していった。
 今度は透明化ではなく、消滅したのだ。
 摩那はそのままエクリプスを振り回し続け、周りの影たちを次々に切り裂いていく。

「苦しんでいたのかな……? でも、ここで嘆き続けても君たちが救われる事はないんだ」
 アリステル・ブルーが摩那の切り裂いていく影の嘆きを聞いて小さく呟く。
 そこへ別の方向から影の一段がアリステルに近づいてくるのに気付いた。
「アリステルさん……!」
 摩那が戦いながら声を上げる。
 アリステルは大丈夫、と口にはしなかったが彼女を心配させないよう頷き、影たちに立ち向かう。
「一緒に帰ろう……一緒に……」
 影がアリステルに向かって呪いの言葉を吐く。その声にとらわれてしまえば、意識が連れ去られるであろう、とアリステルは直感で感じていた。
「同情しても、声に囚われる真似はしない」
 月の狂気にも抗えるアリステルは、影の言葉を耐えて左手を突き出す。
 手の聖痕に祈りを込めて、せめて影たちが安らかに眠れるようにと願う。

「舞い上がれ、小鳥たち」
 アリステルの周囲の影たちが動きを止めた瞬間、彼の周りに何本もの鳥を模した剣が現れ、周りの影を切り裂いていった。
「ごめんね、僕が出来る精一杯がこれなんだ」
 アリステルが消えていく影たちに向かって言う。
 影たちはどのような思いを抱えて嘆くのか、答えることも出来ない。
 だが、竜脈の封印に近づくためには放置することは出来なかった。

 アリステルと摩那、二人で何体かの影を倒したため、駐車場の奥へ続く道が一瞬だが開かれた。
「今のうちに行きましょう、アリステルさん」
「ああ、わかった」
 二人は急いで封印の元へと駆け出すのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPDの方がクリアしやすいと判断したら、そちらを使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使う形です。
主に銃撃UCやヴァリアブル~を使う雰囲気です。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
他人の事は気にしない素振りを見せますが、基本、不器用なので、どう接したらいいのかわからない感じです。
ですが、合せるところは合せたり、守ってあげたりしています。
特に女性は家族の事もあり、守ってあげたい意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。



 猟兵たちの手により、次々倒されていく影だが、まだ駐車場には大勢いる。
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
 そこに現れたのは、アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)。
 二丁の銃『ブルーブラスター』を手にした彼は、迫ってくる黒い影たちを次々と撃ち抜いていく。

「何故救ってくれなかった……あの時……」
 黒い影たちが呪いの言葉をアスに浴びせる。
「生憎、おまえたちがどういう理由で苦しんでいるのか俺は分からないし、知るつもりもない」
 アスは黒い影の言葉に囚われることはなかった。
 黒い影の中に浮かぶ多数の目がアスに向かって光線を放ったが、アスの答えは本心からのものであったので、彼を傷つけることはなかった。
 だが、彼は冷酷無比なわけではない。単に影たちのことをこれ以上知りようがないので、深く接しないようにしているだけなのである。
 それがかえって、嘆きつづける影たちとの戦いには有利に働いていた。

「隙を見せるとは……そこだ!」
 背後からゆっくり黒い影が近づいてくる。しかしアスは影の動きに気づいていたため、攻撃の瞬間に念動力を込めたフォースセイバーで一刀両断にした。
「おおお……!」
 青白く輝く剣が真っ二つにした影は嘆きの言葉を上げながら、次第に姿を消していった。
 アスの周りの黒い影は確実に数を減らしていた。
「ここからなら封印に辿り着けそうだ」
 サイバーアイが封印への最適な道を指し示す。
 アスは残りの影たちを片付けながら、駐車場の奥へと進んで行く。

成功 🔵​🔵​🔴​

本屋・ししみ
SPD

……滅入るね、どうも。
でも、悪いね――割り切るよ。
僕は――出来る限りを、するだけだ。

敵UCの透明化に対して〈聞き耳〉で物音を頼りに索敵することと〈2回攻撃〉で手数を増やすことにより対策として、
UC発動。
「封印開放――必要経費だ、惜しみはしないよ」
寿命を削って、無数に複製した魔導書の頁を射出、弾雨を構築。
敵対象を無造作な軌道で薙ぎ払う。

攻撃しつつ、言葉を放る〈言いくるめ〉。
「恨んでいいよ。呪ってくれて構わない。
 ああいっそ、君が嘆くその全てを僕のせいにすればいい。
 鬱屈を吐き出して、怨念をぶちまけて――そうやって、悪いモノは全部置いて捨てていけ」
そうすれば――少しは清々して逝けるだろうさ。



「……滅入るね、どうも」
 本屋・ししみは、倒しても倒しても湧いてくる勢いの影たちを見て言った。
 影たちの声に必要以上に耳を傾けないようにしているとはいえ、数が多いと気分が良いものではない。
「でも、僕は――出来る限りを、するだけだ」
 魔導書『呪蟲全書写本』を開き、影たちを攻撃する態勢に入る。

「誰も助けてくれないんだ……」
 影が自らを呪うような言葉を吐く。すると、ししみの周りの影たちがその姿を消していく。
(姿が消えただけだ。まだ近くにいるはず……)
 ししみは目を閉じ、周りの物音を探ることに集中する。
 黒い影たちの蠢く音が聞こえるのがわかった。

「封印開放――必要経費だ、惜しみはしないよ」
 ししみの見計らったタイミングで、魔導書の頁が風に捲られながら離れ、彼の周囲に舞い上がる。
 それぞれの頁に別々のおぞましき蟲が記された魔導書は、それ自体が力を持つ。
 舞い上がった頁はもとの数より増えているが、これも魔導書の力である。
 ただし、使うほどに所有者の寿命を削る類のものであるが。

 今回は敵の数が多いため、一気に倒してしまったほうが良い、とししみは考えたのだ。
 魔導書の頁は無造作な軌道で彼の周りの影たちを薙ぎ払っていく。
「あああ……っ!」
 魔導書に切り裂かれた影たちは姿を表すと、悲鳴を上げながらまた姿を消していった。
 攻撃を続けながら、ししみは言葉を放つ。
「恨んでいいよ。呪ってくれて構わない。
 ああいっそ、君が嘆くその全てを僕のせいにすればいい。
 鬱屈を吐き出して、怨念をぶちまけて――そうやって、悪いモノは全部置いて捨てていけ」

 やがて、周囲にいた影たちの姿が完全に消えた。
 ししみは再び耳を澄ませるが、気配を感じることはなかった。
「行こう、封印の場所へ」
 そして奥の封印の地へと歩き始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『碑文の断片』

POW   :    災の章
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
SPD   :    妖の章
【猟兵以外のあらゆる存在が醜悪な怪物】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    神の章
【召喚した邪神の一部が、動く物に連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は桑崎・恭介です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●起動
 駐車場に溢れる影たちを退け、猟兵たちの視界に封印の場所が見えてきた。
 昼間となんら様子が変わりないように見えたが、しかし次の瞬間、地面のアスファルトに大きな亀裂が入る。
 今まさに封印の力が破られ、眠っていた存在が目を覚まそうとしていた。

 亀裂から現れたそれは、空中に浮かぶ複数本の石の柱のように見えた。
 UDC組織からの資料で見た、遺跡公園にあったという列石に似た面影がある。
 しかし、これは展示されていた遺跡そのものではない。

「おそらく列石は、封印されていた存在を警告するために建てられたのでしょう」
 と、後から到着したUDC職員が空中に浮かぶ石の柱を見て言う。
 遺跡の列石との大きな違いは、表面に理解できない文字で書かれた文が刻み込まれている点だ。
 誰もその文字を理解できなかったが、読むだけで危険な存在であろうと猟兵たちには直感で感じられた。
 ここで破壊しなければ多くの人を危険に晒すだろう。

 石の柱は猟兵たちの敵意を感じ取ったのだろう。
 表面の碑文が発する光を明滅させ、回転を始める。
 すると、地響きが起こり、石の柱の下にある亀裂が呼応するように光り始めた。
「何か……邪神やその眷属を呼び寄せようとしているのかもしれません。これは超古代の魔導書のようなものなのでしょう。召喚が終わる前に柱を破壊してください」
 召喚された存在によっては、ここにいる猟兵だけでは倒せないかもしれない。
 その前に、石の柱を倒すしかない。

■マスターより
 ボス戦です。石の柱を破壊してください。
 補足ですが、UDC職員はボスのUC「妖の章」の効果の影響はないのでその対策などは不要です(UDC戦闘服のような装備で無効化しているようです)

 プレイングは11/1(日) 8:30より受付します。少し期間が空きますが、どうぞよろしくお願いいたします。
黒木・摩那
石の柱はこれ自体が邪神ではなく、さらなる邪神を呼ぶための装置というわけですか。
しかし、召喚装置でこれだけのパワーがあるのですから、呼ぼうとしている邪神は大物です。踏まれたら潰されるレベルです。これはまずいです。

石の柱ということは、まずは碑文を削るのがよさそうです。

ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
UC【獅子剛力】で石柱を捕まえて、それで碑文を削り取るようにぶつけていきます。
石柱は氷や炎も吐くようですが、それも生かして【属性攻撃】に役立てていきます。

防御は【第六感】とスマートグラスのAIで対応し、【念動力】で軌道を逸らします。


本屋・ししみ
POW

なるほど、分かりやすく厄ネタだね。
コレ以上は勘弁だよ。
叶う限りの早さでケリをつけにいこう。

恐慌を冷静に抑え込み、敵の攻勢を狙いを読んでの先読みと土に汚れるを厭わない回避起動でやり過ごす。
そして、僅かでも隙を見出したのなら迷わずに反撃に移行。
〈狂気耐性/読心術/逃げ足/覚悟/咄嗟の一撃〉

悪いね。性格はあまりよろしくないんだ。
故に狙うは暴走の誘発。

呪蟲全書写本を翳しUC発動。
不可視の魔力による乱打で撹乱。加えて、
――僕の魔術はタチが悪い。込められた魔力は恐怖を誘い、精神を蝕む。
君に心があるかは知らないけれど……ま、少しぐらいは煩わしいだろうさ。
〈体勢を崩す/2回攻撃/精神攻撃/恐怖を与える〉



「なるほど、分かりやすく厄ネタだね」
 本屋・ししみは目の前の柱を見上げた。
 柱は回転を続けている。柱の発する力は『呪蟲全書写本』のものとはまた違う禍々しさを感じさせる。
「召喚装置でこれだけのパワーがあるのですから、呼ぼうとしている邪神は大物です」
 黒木・摩那が石の柱と呼応するように光る亀裂を見てまずい、と思った。
「何か」を呼び出す前に破壊しなくてはならないが、石であるためそう簡単には行かないだろう。
「それでも、碑文だけでも削らなければ……そうだ!」
 摩那はヨーヨー『エクリプス』を再度手にして回転させる。
 今度はそのままぶつけるのではなく、おおきく振りかざすと回転する柱の一つにワイヤーを巻き付ける。
 ギギギィッ! と、火花を散らしながら、ワイヤーは柱の一つを捕らえた。
「捕まえた!」
 摩那はヨーヨーで捕らえた石の柱を振り回し、別の回転する柱にぶつける。
 石と石とがぶつかり、両方の柱の一部が砕かれた。

「そうか、柱の一部なら硬さも十分だ」
 石の柱の状況を観察していたししみが摩那の行動を分析する。
 そして自分も柱に攻撃するため、魔導書を広げようとするが……
「雨? いや、これは……」
 本の敵といえば水分もその一つ。石の柱の碑文が水色に変化し、この地一帯に雨を呼び起こしていた。
 まずいことに、駐車場のため隠れる場所があまりない。
 ししみは魔導書をコートに隠し、急いで雨や石の攻撃の及ばない場所を探して駆け出す。
「属性攻撃には、属性攻撃で対抗です」
 摩那がヨーヨーで捕らえた石の柱を振りかざして水色の柱にぶつける。
 何度もぶつけると捕らえていた石の色が変わり、赤く輝く。たぶん太陽とか炎のような属性に変わったのだろう。
 赤い石の柱を何度もぶつけられた水色の柱はだんだん光が弱くなり、同時に降ってくる雨も少なくなってくる。

「このくらいの小降りならなんとかなるだろう」
 ししみは勝負に出ようと、意を決して魔導書を開き、石の柱に向かって掲げる。
 魔導書に見えない魔力が集まり、石の柱に向かって放たれる。
 圧縮された魔力が石の柱に何発もぶつかる。見えないがため柱が独りでに衝撃を受けたように揺れた後、回転が少し鈍ってきた。
「――僕の魔術はタチが悪い。込められた魔力は恐怖を誘い、精神を蝕む」
 柱に蝕まれる精神があるのか不明だったが、その回転に乱れが見えてきた。
 それと同時に、地面の亀裂の光も次第に弱くなってくる。
「どうやら召喚の妨害は出来ているようです」
 摩那は石の柱と亀裂に生じた変化をそのように見ていた。
「そうみたいだね。でも壊すまでは油断できない」
 ししみは早く勝負をつけたかったが、冷静に状況を見ようとしていた。
 強大な敵の予感に、恐怖しないわけではないがその感情を必死に抑えていた。
「その通りです。ししみさん、次は氷の攻撃が来るかもしれません。気をつけてください」
 摩那のスマートグラスが、白く光る石の柱の攻撃を分析していた。
 予想通り、空から氷の柱が降ってくる。
 ししみは素早くそれを避け、摩那は念動力で氷をそらして伏せくことが出来た。
 そして今度こそ柱を破壊するため、二人は次の攻撃を繰り出していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レーヴァ・アークルージュ
成程成程、超古代の魔術の碑石か、興味深いけど……無辜の民に災を与えるなら是非もないね。

各神話から断罪の炎を招来、聖書からウリエルとミカエルの炎を、インド神話からアグニの炎を、ギリシャからアポロン、ローマからユピテルの炎を招来、これで『古代魔術文明』という一つの魔術より多くの神話の炎が将来され、私の回比率を含めた基礎能力が上昇していくよ。

私の魂魄に灯を灯し、霊力を増強し身体に流し込んでその回比率をさらに上げながら炎の神話魔術を叩き込む。

「これで終わり!」
そう言って大量の炎剣を作り出してガトリングガンの如く放射する。



 レーヴァ・アークルージュは回転し続ける石の柱を興味深そうに眺めていた。
「成程成程、超古代の魔術の碑石か、興味深いけど……無辜の民に災を与えるなら是非もないね」
 ウィザードとしての彼女は柱の魔術に興味があるのは確かだったが、それでも今は多くの人を危険から救うことが最優先だ。

「その深紅は槍であり剣、聖にして神なる焔……」
 レーヴァが詠唱すると、彼女の周りにいくつかの焔が現れる。それは、聖書からウリエルとミカエルの炎、インド神話からアグニの炎、ギリシャからアポロン、ローマからユピテルの炎……などの「様々な神話の断罪の炎」であった。
 石の柱も炎を操ることはできる。しかし、これほど多種多様な炎を呼び出すことは困難だろう。
 柱は炎で対抗するのではなく、低く重い振動を発する。
 すると、亀裂から細長い光る触手のようなものが現れ、レーヴァと周りの焔に襲いかかる。
 レーヴァは咄嗟に触手の攻撃を回避した。
「おっと、呼び出している邪神の一部かなこれは」
 一部でもその力は強大だ。回避された触手はその力を地面に叩きつけ、新たな亀裂を発生させた。
 そして更に次の触手の攻撃が彼女に向かってくる。

 レーヴァは柱と触手に対抗するため、更に多くの焔を呼び出しながら、自信の魂魄も燃え上がらせる。
 霊力が強化された彼女は触手の攻撃も難なく回避していく。
「これで終わり!」
 焔が炎剣の形に変わり、柱と触手に向かって次々に射出される。
 炎剣で触手は切り裂かれ、柱はその表面が大きく砕け散った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神楽坂・神楽
すまぬ、遅れたようだの。

お主の見立て通り、あれらの石柱が邪神の召喚装置だとすると、あの力もただの防衛装置に過ぎぬということか。
一体どんな邪神が眠っておるのか興味もあるが、そうも言っておられぬな。
あれらは一片残さず消滅させねばなるまい。
いずれ文字の分析が必要となるなら、今の内に記録しておくがよいぞ。

まずは《氣》を開放し、UCで[索敵]を使用。
地中に他の石柱が存在しないかなど、欠片も含めて敵の位置を正確に把握。

敵の攻撃は《氣》で弾き、又は《刻印》で吸収しながら接近。
《氣》を拳や脚に集束し、敵を粉砕しよう。

敵を倒せたならば、[索敵]でもって残骸を把握。
《刻印》で一片残さず、分解・吸収する。


火土金水・明
「残った部分を攻撃となると、全体を巻き込めるように範囲攻撃にした方がよさそうですね。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃方法は、【高速詠唱】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『碑文の断片』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「この攻撃で全てを破壊できるように全力を尽くしましょう。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



 表面の碑文を大きく削られた柱は、不安定にまだ浮かんでいた。
 そこへ後からやってきたのが、神楽坂・神楽(UDCトレーナー・f21330)と、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)であった。
 UDC職員は神楽のことを知っていたのですぐ気がついた。
「報告は読ませてもらったぞ」
 職員の見立て通り、あの石の柱が邪神の召喚装置だとすると、防御機能だけでもこの攻撃力である。本体の邪神は一体どんな存在なのだろう。
「興味もあるが、そうも言っておられぬな。あれらは一片残さず消滅させねばなるまい」
 神楽の言葉に明も頷いた。
「跡形もなく吹き飛ばせばいいのですね。そういうことなら任せてください」

 攻撃の態勢に入る二人に対し、石の柱は雷をまとった竜巻を起こし、妨害しようとする。
「危ない!」
 神楽は明と竜巻の間に割って入り、両手を突き出す。《刻印》が竜巻を吸収し、無力化していった。
「ありがとうございます」
 明が礼を言い終わらないうちに柱は次の攻撃を繰り出してくる。亀裂から蛸のような触手が現れ、明を拘束しようと飛びかかってくる。
 触手は彼女を捕らえたように思われたが、掴んだのは虚空だった。
「残念、それは残像です」
 明は触手の動きを見切って回避し、安全な場所まで移動していた。

「まずは敵の位置の把握だ……」
 神楽は地中や亀裂の中に他の石柱が存在しないかなど、敵の位置を正確に把握することにした。
 彼女のまとう10層の《氣》が周囲の状況を完全に把握する。
「いつでも攻撃できます」
 明はその間に高速詠唱で何本もの氷の矢を作り、柱に向かって発射する準備を完了していた。
「そこだ!」
 敵を見極めた神楽が《氣》を拳に集中し、柱に向かって飛びかかる。
 柱の一番脆い部分を正確に撃ち抜いた。
 明もそれに合わせて氷の矢を一斉に発射する。
「この攻撃で全てを破壊できるように全力を尽くしましょう!」
 神楽の攻撃で大きくひび割れた柱は、明の矢によって次々と粉砕される。
「一片も残してはならぬ!」
 空中で粉々になった石の柱は、神楽の《刻印》に吸収されていき、跡形もなく消えた。
 同時に、今まで響いていた地響きのような音が消えていく。
 亀裂の奥で光っていた光も消滅し、ただの地面の亀裂が残るだけだった。

 翌日。
 Sマートに朝早くにやってきた店員たちは、警察が駐車場に囲いを作っていることに気がつく。
「昨日の夜中に雷が落ちて木が倒れ、地面にひびが入ったんですよ。危ないから近寄らないでくださいね」
 店員たちは昨夜そんな雷が起こるような天候だったろうか? と不思議に思ったが、そこまで気になる出来事ではなかったようだ。
 そのうちそれぞれの業務へと戻っていった。
「これでもう、ここに邪神が召喚されることもなさそうだの」
 神楽と明は、警察から離れた場所で隠れて様子を見ていた。
 警察に見える彼らは、実際はUDC組織が変装した証拠隠滅のためのチームであった。
 そのため別に隠れる必要はなかったのだが、店員に見つかって説明が必要になっては困るからこのようにしていた。
「無事に倒せてよかったです」
 明が安心したように言う。石の柱は完全に消滅したため、今後この地で復活することはないだろう。
 Sマートは何もなかったように、いつもの一日がはじまる。
 そこに長い間封印されていた存在が、いなくなったことに気付く者はいないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月08日


挿絵イラスト