【Q】ジェントルメン南瓜マナー
●
「ふむ、遅い」
その狐はパイプから煙を吐いて、そう呟いた。
もうそろそろ頃合いだというのに。宴の食材たるアリスも、宴の主オウガ・オリジンも現れない。
「仕方ない。パーティは始めなければならない。パーティとはそういうものだからな」
その狐は、お茶の入っていないティーポットを傾ける。本来ならこれはアリスの血と心臓で満たされていたはずだった。それがティーポットは空。それどころか、そもそもティーポットさえ用意されていない。
それでも、狐はお茶を入れる。定刻になってパーティが始まったなら、この国ではそうしなければならないからだ。
オウガたちは静かに、悲劇のパーティを始めていた――。
●
「みんな! ハロウィンの国で仮装パーティのご案内よ!」
フェアリーのグリモア傭兵、ネミ・ミミーニーズ(f00595)は、いつもの服で仮装パーティのお知らせを運んできた。
先日『迷宮災厄戦』があった『アリスラビリンス』。
『オウガ・オリジン』を討ち果たすことには成功した。
だが、奴は『現実改変ユーベルコード』により、いくつもの『ハロウィンの国』を造り出していた。
オウガ・オリジンとハロウィンの国の目的は不明。でももちろん放置しておけばなんらかの悲劇を産み出すことは確実。
「と、いうわけでみんなに仮装パーティしながら乗り込んでもらうわけよ!」
いつもの服のネミは、『みんなに』のところを強調していた気がする。
「不思議な力は働いているから普通に乗り込んでもダメで、ハロウィンの国のルールに則って戦うことになるわ」
ネミは説明用の資料を広げる。
オウガを倒すにはコスプレ衣装の飛び出してくる森を通り抜ける必要がある。
この森に現れるのは『ミミクリープラント』。擬態を得意とするこのオウガはハロウィン衣装を完璧に着こなし森の各地に潜んでいる。
「相手はハロウィンの力で大幅に強化されてるわ。完璧な擬態により先に発見することは非常に困難。まー最初にトリックオアトリートって言うから奇襲されることはないと思うけど」
完璧な擬態は完璧なハロウィンでなければならない。妥協は許されない。
「このオウガに対抗するためには、森から勝手に飛び出してくる衣装を身に着け、ハロウィンの力を利用しなければならないんですって」
衣装の装着は強制かつ一瞬。自らの意志で選ぶことは出来ない。『本人が全く望まないコスプレ衣装』が飛んできてしまって、『本当はイヤだけど、勝つためにしょうがなく着る』感じになると最大の力を発揮できるらしい。
Q:ランダムなのに望まない衣装がピンポイントで飛んでくることなんてあるの?
A:望まない衣装は飛んできません。
A:望まない衣装は飛んできません。
A:望まない衣装はゼッタイに飛んできません。
3回念を押しておけば大丈夫だと思う。ま、ちょっとは覚悟しておけ。
ちなみに、この森で飛んでくる衣装は主に動物の着ぐるみ。子、丑、寅を始め十二支にちなんだもの。着ぐるみが恥ずかしくない人にはバニーガールとか際どいトラビキニとか飛んでくるかもしれないのでパワーアップには困らないのだという。
森を抜けた先。やけに設備の整った食堂で『わるい狐さん』が待っている。
この紳士はハロウィンの国の力でほぼ『無敵』。この『無敵』を解除するには、彼の周りにある食材や調理器具を使って『美味しい料理を食べさせる』必要がある。
「美味しい料理を食べれば弱体化するらしいから、こいつの好きなものを食べさせたいところなんだけど。特に好きな物とか食べたい物とかあるわけじゃないみたいね」
特段有効な食材などはないという。紳士は何でも食べてくれる。
その代わり。食べ方、食事のマナーなどについては非常に拘りがあるらしい。
「なんかあるじゃない? お茶は高いところから淹れろとか湯のみを回せとかそういう?」
食事の前に何かしろとか、こういう順番で食べろとか。嘘でも本当でも、そういう指示を出すとこの紳士にはよく効くらしい。
うまく料理を食べ続けさせることが相手は眠ってしまい、労せず倒せるようになる。
「そういうわけなのよ! ハロウィンになる覚悟の決まった猟兵から前へ!」
ネミはいつもの服のまま、めっちゃ気合を入れていた。
背腹かえる
●特殊ルール:ハロウィンの国
シナリオルールにより、ハロウィン衣装での戦闘があります。
(キャラクターの流儀に合わない衣装の着用を望まない場合はプレイングに【無難な衣装】とご明記ください)
●ご挨拶
背腹かえるです、よろしくお願いします。
こちらのシナリオは「【Q】アリスラビリンスでハロウィンパーティ!」のシナリオとなります。
2フラグメントで完結し、「アリスラビリンスでの猟書家戦」に、影響があるかもしれないらしいです。
フラグメントは集団戦、ボス戦。
第1章、集団戦『ミミクリープラント』。
コスプレしての戦闘となります。
衣装は基本的にランダムですが、何らかの運命の力が働くとピンポイントに恥ずかしい衣装が飛んでくるかもしれません。
特に明記がない場合は、12面ダイスが転がります。
第2章、ボス戦『わるい狐さん』。
ハロウィンの国の力で無敵となっています。
料理を食べさせることにより弱体化させることが出来ます。
それでは、よろしくお願いします。
第1章 集団戦
『ミミクリープラント』
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POW : 噛み付く
【球根部分に存在する大きな顎】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【習性と味】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD : 突撃捕食
【根を高速で動かして、突進攻撃を放つ。それ】が命中した対象に対し、高威力高命中の【噛みつき攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : 振り回す
【根や舌を伸ばして振り回しての攻撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
……ネズミプリントの割烹着……いえ、割烹着少女はむしろ大好物だけど自分で着るのは、ああ、でもこの後は料理が待ってるし着るしかないのよね。
で、出てきたのはミミクリープラント?OK、完璧に理解した。コイツラを料理して悪いきつねさんに食べさせればいいのね。
魔術的パラダイムシフト(結界術/瞬間思考力/多重詠唱)で適した世界観に転換し構築。化術神罰で萌え擬人化させて女体盛りにしてあげるわ。
あ、暴れないように魂を略奪してマヒ攻撃で動けなくしておきましょう。
ま、ダメならダメで私が”スタッフがおいしくいただきました”と捕食すればいいしね。
「割烹着少女はむしろ大好物だけど自分で着るのは……」
アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)は、自身の今の姿を見てぼやく。
可愛らしいネズミがプリントされた、女児のおままごと用割烹着。大好物であっても自分で着るとなると、ちょっとキツイ。
そもそも、割烹着少女を愛でるのと自分で着るのとではまったく意味が違う。場合によっては戦争が起こる。こんな仕掛けを造った奴――、とはもう戦争したしものすごい勢いで討伐していた。おのれオウガ・オリジン。
「ああ、でもこの後は料理が待ってるし着るしかないのよね」
これも猟兵の仕事。アリスは覚悟を決める。ネズミの耳のついたカチューシャで髪を整えれば、不思議の国のネズミの完成だ。
覚悟を決めたアリスの前に、仮装したミミクリープラントが飛び出してきた。と、思ったら出会って3秒でまな板の上に載せられていた。
「OK、完璧に理解した。コイツラを料理して悪いきつねさんに食べさせればいいのね」
覚悟を決めた女の手の中で、ユーベルコードが妖しく輝く。
「さて、女体盛りね。女体盛りになりなさい」
植物を掴んでも女体にはならんやろ?
「今でこそオウガだけど、元はかわいいアリスちゃんだった。そうでしょう?」
自分、生まれも育ちも――。
「UDCアースの大都会。不思議の国でウサギ穴を使い――」
待って。
「オウガに堕ちてしまった美少女はわたしの力で元の姿に戻って、女体盛りになる」
そうはならんやろ?
「あらゆることは真実であり可能である☆ つまり女体盛りになる」
おーい。
ユーベルコードによる不可思議な攻防の末。
ミミクリープラントとなっていた少女が人間の姿に戻った。そう、オウガになっていた元アリスが救われたのだ。これは萌え擬人化ではない。ユーベルコードが起こした奇跡である。
救われた気がするが、まな板の上に寝かされている。引き続き乙女のピンチであることは疑いようがない。
「よし、これで下ごしらえは完了ね。さ、まずはこの南瓜を持って♡」
この南瓜で体を隠したりするわけですね?
「いや、両手で持たないといけないから。手の自由が奪える」
しまった罠だ。
「次は服を脱いでああ手が塞がって仕方ないわたしが脱がせてあげるから♡」
待って!
ネズミのシェフは、慣れた手つきで少女を『料理』する。
ハロウィンの国は、夢と妄想の宴で満ちてゆく――。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
一品だけというのもアレね。
『アリス』がいたなら時計うさぎも食材系モン娘な愉快な仲間もいたに違いない。実際にいなかったとしても魔術的パラダイムシフトで世界観を転換しちゃえばいたことにできるわ♪化術神罰で姿変えしちゃえばどうとでもなるしね☆
て、あら?コスプレ衣装がまた飛んできたわ。今度はエプロン型の愉快な仲間?百合に挟まりたいから裸エプロンでおなしゃすだと?おのれ、ハロウィンの国でなければ百合に挟まりたいなどびりびりに引き裂いてヤルものを!(早着替え)
やぁん♡時計うさぎちゃんとモン娘ちゃんが舌を伸ばしてprprと振り回してきて料理されちゃう♪なーんてね♡
「一品だけというのもアレね。『アリス』がいたなら時計うさぎも食材系モン娘な愉快な仲間もいたに違いない」
アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)は、この後に控えるパーティに備え、さらなる料理を求めて森の中を彷徨う。
ちらりと森の影へと視線を向ける。ミミクリープラントと目が合う。そいつは一旦身を隠すと、時計ウサギの衣装を身に着けて出てくる。
「トリックオアトリート!」
「……違う」
アリスは首を振る。あれはただのオウガだ。流石にそんなに都合のいい奇跡は何度も起きたりはしないらしい。やむを得ない、ここは擬態と魔術的パラダイムシフトで手を打とう。
アリスは、【混沌魔術WIZ】でミミクリープラントを変換してしまう。
こうして出来上がったのは、時計ウサギの姿をした可愛らしい男の子。
「百合に挟まりたい」
何か言い出した。ショタであることを差し引いても百合に挟まりたいなどと妄言を吐く男が許されるはずもない。
「百合に挟まれたい。百合を直に感じたいから何もつけていないのが理想だけどTPOは守らないといけないのでエプロンだけつけてください」
だめだ。これは完全に妄想の力で歪んでしまっている。配慮しているつもりかもしれないが配慮すべきところが違う。これはもう滅ぼすしかない。
「しかしハロウィンの力で強化されたところにユーベルコードの力で更に強化された存在を滅ぼすには通常の方法では不可能そこにいるオウガ・オリジンの邪悪な意思によって集められて料理されるのを待つしかなかった可哀想な食材系愉快な仲間のお嬢さんあのオウガを倒すためにわたしと百合prprしてくれ」
変な説明台詞きた。お断りします。
「ハロウィンの国でなければ百合に挟まりたいなどびりびりに引き裂いてヤルんだけど今回は指定の裸エプロンで相手しなければならないすまな早着替え」
もう少しすまなそうにしてくださツッコミ終わる前に着替えないで。
「こんな恥ずかしいことはお断りだけど私は私の欲する事を為すでしょう♡」
本音出てる本音出てる。何だこの絶望の国。
「やぁん♡時計うさぎちゃんとモン娘ちゃんが舌を伸ばしてprprと振り回してきて料理されちゃう♪なーんてね♡」
なーんてね♡じゃないです! 巻き込まないでくださーい!
この絶望の国は平和そうですね?
大成功
🔵🔵🔵
エウトティア・ナトゥア
コハル殿(Uf11004)と参加
うーむ、仮装が動物という部分はよいのじゃが厚着は慣れぬな。
耳や尻尾が着ぐるみに隠れて落ち着かぬし動きにくいのじゃ。
はよ敵を倒して解放されたいのう。
さて、まずはあの変な球根が相手じゃな。
何やら根や舌を景気よく振り回しておるようじゃが、近づかなければ問題あるまい。
丁度、コハル殿が攻撃をしてくれておるし、わしも便乗するとするか。
【精霊石】の力を借りて風の精霊を呼び出し【疾風の凱歌】を歌ってコハル殿の攻撃を強化するのじゃ。
ついでじゃ、【技能:属性攻撃】で炎の弾に炎の精霊を宿らせて火力を増しつつ敵を【追尾】して貰うかの。 きっとよく焼けてくれるじゃろう。
二條・心春
アドリブ・連携歓迎 エウトティアさん(f04161)と参加します。
仮装、ですか。露出が高い衣装は恥ずかしいのであまり着たくはありませんが、まあ着ぐるみとかなら大丈夫でしょう。……大丈夫ですよね?エウトティアさんの着ぐるみは可愛いと思いますが、私も他の人にあまり見られたくないので早く倒してしまいましょう!
敵には【強化UDC弾】を使った拳銃で攻撃します。不意打ちはされないし、敵が突進してくるならこちらが遠距離から先に攻撃できるはず。ウコバクさんに力を借りた炎の弾で「属性攻撃」しますよ。エウトティアさんの援護もあってとても心強いです。こんな危ない植物は焼いてしまいましょう。
賑やかな飾りが目に付く森。
妙に静かなハロウィンの国の入り口に、2人の猟兵の姿があった。
「うーむ、仮装が動物という部分はよいのじゃが厚着は慣れぬな」
エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は耳や尻尾どころか、手も足も出せない蛇の着ぐるみの中でもごもごしていた。
文字通り手も足も出せない状態だ。何とか蛇の口から顔を出して立ち上がる。慣れれば意外と何とかなる、かな? いや、耳が押さえつけられている形なので全然落ち着かない。すごくむずむずする、けど今の状態では耳に手が届かない。うーむ……。
「はよ敵を倒して解放されたいのう」
すごく動きにくいはずなのに、それでいて力が湧いてくる。これがハロウィンの力だろうか?
一方、相方の二條・心春(UDC召喚士・f11004)はというと――。
「仮装、ですか。露出が高い衣装は恥ずかしいのであまり着たくはありませんが……」
心春は寅の着ぐるみの中で自分の様子を確認する。視界を確保するための目の穴以外に露出らしい露出はない、ように外からは見えているはず。だが着ぐるみの中はというと、なかなかどうして――。
「まあ着ぐるみだから大丈夫でしょう。……大丈夫ですよね?」
心春は小さな声で自分に問いかける。『着ぐるみだから大丈夫』と『露出が高い衣装は着たくない』が同時に襲ってきている。これが邪悪なハロウィンの力か。
「どうしたコハル殿? 上手く動けんか?」
そんな心春の様子に、エウトティアは首をかしげる。足が出せないエウトティアは、着ぐるみの中で跳んだりちょこちょこ歩いたりと頑張りながら、心春の顔を覗き込む。
「だ、大丈夫です! エウトティアさんの着ぐるみは可愛いと思います! 早く倒してしまいましょう!」
その時の心春の声は、やけに力強かったという。
仮装のせいでやや不安定な足取りで、2人は南瓜のランタンや布のお化けが並ぶ森の小道を進む。
木々の間に僅かな気配を感じ、エウトティアが足を止めた。足を止めた、のだが足の出ていない着ぐるみのせいで転びそうになる。
蛇の着ぐるみの中で慌てるエウトティアさん。可愛い。
「トリックオアトリート!!」
そんなところへ。猿っぽい着ぐるみを身に着けたミミクリープラントが躍り出る。不意打ち気味ではあったが、挨拶が先ならば恐れることはない。心春の拳銃が冷静に敵を撃ち落とす。
「まず1体」
「だが、まだまだいるようじゃな」
今のが開戦の合図。森のあちこちから殺気が集まってくる。ここからが本番だ。
心春は着ぐるみの中で深く息を吸う。【強化UDC弾】の力で、構えた特殊拳銃の力を高める。もこもこの着ぐるみの隙間から、鋭い眼光でオウガたちを睨む。一瞬、心春の脳裏に『自分の姿がどう見えているのだろう』という疑問が浮かんだ。
……、……。他の人にあまり見られたくない。早く倒してしまいましょう!
「丁度、コハル殿が攻撃をしてくれておるし、もわしも便乗するとするか」
エウトティアは【疾風の凱歌】で心春を援護する。
「風よ、勝利の歌を!」
蛇の着ぐるみを着たエウトティアさんが、歌いながら器用にぴょんぴょんしている。可愛い。蛇の尻尾の先まで器用に揺れているのは、風精霊の力なのかな?
「これがハロウィンの力! エウトティアさんの援護もあってとても心強いです!」
心春の拳銃に、力が集まるのを感じる。心春自身のユーベルコードに、精霊の力、そして何だか可愛いハロウィンの力。
「ついでじゃ、炎の精霊よ!」
エウトティアの蛇の尻尾の先に炎が灯る。その炎に反応して、周囲の南瓜ランタンの中の炎が勢いを増す。
「この辺りの炎の精霊は元気じゃな。コハル殿!」
「こんな危ない植物は焼いてしまいましょう!」
心春の弾丸が、南瓜とミミクリープラントを撃ち抜く。南瓜が次々に弾け、精霊の炎が植物のオウガを包み込む。身に纏う衣装、ハロウィンの力を失い、ミミクリープラントが消し炭へと成り果ててゆく。
敵の一団を退け、2人は一息つく。
「よく焼けてくれるのう、おかげで暑いのじゃ。着ぐるみはもう脱いでいいかの?」
「ま、まだオウガはいますしもうちょっと着ていた方がいいですよ!?」
「う、うむ……?」
森の奥のオウガの気配と、慌てる心春の顔を交互に見て。
エウトティアは着ぐるみの中で窮屈そうにしていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『わるい狐さん』
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POW : おいしそうだなあ
【恐ろしく尖った爪や牙で 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : なにもしないさ
【嘘を吐く 】事で【親切そうな紳士のふりをした姿】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 大人しくしたまえ
【魔法の力を持つ不思議なパイプの煙 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ジャム・ドラドス」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
森の奥のこじんまりとした広場に、椅子とテーブルを並べ。
『わるい狐さん』が、自分1人きりのパーティを開催していた。
「お茶がマズイときは文句を言わねばならんのだが、文句を言う相手がいない。由々しき事態だ。いやしかしまだお茶を飲んでいないので――」
空っぽのティーカップでお茶を飲む仕草を繰り返しつつ、1人ぶつぶつと何か難しいことを囁いている。
猟兵たちが様子を伺っていると。狐さんもこちらに気付いて声をかけてくる。
「む、ようやく来たかね。パーティの参加者ならまずは名を名乗って席につきなさい」
放置しても無害そうに見えなくもない。だが、オウガ・オリジンの残した邪悪なユーベルコードの影響は、目に見える形だけとは限らない。このまま時が過ぎれば、猟兵たちの想像も出来ないような残酷な悲劇が起きてしまうことだろう。
今の狐さんはハロウィンの国の力で『無敵』になっている。
その無敵を解除しあの狐さんを倒す方法は、ただひとつ。『美味しい料理を食べさせること』。
口うるさい彼に何とかして食事をさせないことには、討ち取ることは不可能。
食材や調理器具は、彼のすぐ後ろにいくらでもある様子。
さて、どうするべきか――?
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
裸エプロンコス。
魔術的パラダイムシフト(結界術/化術/多重詠唱)で薄い本みたいな世界観を構築して展開。化術で萌え擬人化料理なモン娘に変身☆
1章で料理した娘達と一緒にさぁ召し上がれ♡
構築した世界観ではこれが『美味しい料理』で、指定UCの合体=『食べさせること』になるので何ら問題はありませぬ。
感応能力(第六感/読心術/情報収集)でキツネさんの好みを読み取り合わせることも可能だから、キツネさんはきっとおいしく食べて合体してくれることでしょう♡
リミッター解除して限界突破した継戦能力での耐久力&持久力&回復力で長時間の食事に付き合うことも可能よ♪
蕩けた蜜は如何♡
「ふむ。ようやく到着したかね」
狐さんは空のティーカップを置く。料理も参加者も犠牲者もない空虚なパーティが、ようやく動き出す。
狐さんの前にやってきたのは、大きな皿に載せられた、料理。3人の娘たちが重なる『女体盛り』であった。
「さぁ、汝が為したいように為すがよい」
丁重に盛り付けられた裸エプロンの1人、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)が、狐さんを誘う。
「これは……」
狐さんは待ちに待った料理を前に、戸惑う。
これは、料理か?
料理であればハロウィンの国の法則により食さねばならない。だが、これは本当に料理か?
オウガ・オリジンが用意したハロウィンは、死と残虐性を混ぜ合わせたもの。しかしこの料理からは逆に、生命と温もりを感じる。
この料理の先にあるのは身の毛のよだつ地獄ではなく。あえて言うならそう、天国。
おかしい。そんなはずはない。これは――。
「間違いない。この世界は『書き換え』られているッ! 吾輩は既に『ユーベルコードによる攻撃』を受けているッ!」
アリスの攻撃に気付いた狐さんは席を立つ。
「あら、食事中に席を立つのはマナー違反でしてよ?」
「む、それもそうだ」
狐さんは再び席に着く。そういう法則なので仕方ない。ハロウィンの国の法則と書き換えられた薄い本の世界で揺れる。
「さあ、席に着いて落ち着いたら『美味しい料理』を召し上げれ♡」
落ち着く? そうだ、落ち着こう。落ち着くには南瓜を数えて――。
南瓜が1つ 南瓜が2つ おっぱいがいっぱい
「――ッハ!?」
一瞬。手に触れた感触を忘れるように狐さんは首を振る。
「キツネさんの好みはどんな子かしら?」
素直に答えてはならない。ここにあるべき料理の姿は――。
「アリスの柔らかい肉と熱い血を」
「ダメです。もっとイヤらしく」
絶望のハロウィンが、桃色に染まってゆく。
「いやしかしオウガ・オリジンの定めたハロウィンの――」
「ここにいない女より、目の前のわたしでしょう?」
言語化不可能な何かによって、世界が崩れる。
「据え膳を食わないのはマナー違反。いやいやいや……」
『料理を出されたら断れない』。従わなければ残酷な破滅。従えば甘美な破滅。
「蕩けた蜜は如何♡」
狐さんはぎりぎりまで抵抗し。最後に押し切られ、意識を手放し――。
頭から煙を立てて、寝ってしまった。
大成功
🔵🔵🔵
ミロ・バンドール(サポート)
大人向けな依頼は不採用にしてください
口調はステシの基本通り
強がって一匹狼を気取った態度ですが、連携にはきちんと応え
最善の結果のために努力します
いわゆるツンデレ
基本的な戦闘スタイルは敵の力を削ぎ、次の味方の行動へ繋げるサポート役で
次いで重視する行動が敵の押さえです
技能の各種耐性(これは先制攻撃ボスにも適用)や
武具改造を活かし、戦場の状況に合わせたスタイルを模索します
保護対象には耐性技能を利用して盾になり
UCは誰かが望まない犠牲になるときは差し控える傾向
*備考
・精神攻撃にはとても弱い(ヘタレると寝言時の口調)
・ギャグ展開に巻き込まれやすい、弄られOK
※キャラぶれ気にしないので、お気軽に弄って下さい
「ここがハロウィンの国……」
ミロ・バンドール(ダンピールの咎人殺し・f10015)は、やんちゃな時計ウサギになっていた。
ハロウィンの森から飛んできた衣装は、オーソドックスな時計ウサギのもの。あまりに普通だったのでそこに鎖やら眼帯やら、自前のアイテムもつけてかっこよくしたのだ。
「ふむ。パーティを楽しむ。という態度ではないな?」
かっこいい猟兵の態度に、狐さんは身構える。
「お前の『無敵』を破るのにパーティは必要ない」
眼帯から一筋の眼光。
「ほう」
狐さんはティーカップを置き、代わりにパイプを口にする。
両者とも戦闘態勢。賑やかなハロウィンの空気が消える。
戦闘開始。といっても、まずはあの狐さんに料理を振舞わないことには始まらない。
食材を載せるための木製の籠を片手に、ミロは地獄の炎でキッチンを包み込む。その炎を目くらましと見破った狐さんはミロへと一直線に迫る。
「こっちだ」
揺らぐ炎で身を隠し、ミロは狐さんの脇をすり抜け。無防備になった食材に手を伸ばす。
「食材は取られたか。だが、料理する隙は与えん!」
すぐさま反転する狐さんに、ミロは手にした食材を籠に載せてそのまま投げつける。
「ぬ!?」
籠を受け取ってしまった狐さんに、ミロは宣言する。
「フルーツの盛り合わせだ」
「……、……」
……、……。
戦闘しつつ用意出来る、ミロの渾身の一品。籠に載せただけの、『みかん』。
狐さんはフルールの載った籠を持ったまま沈黙している。流石に、載せただけでは料理と認められなかったか?
見守るミロの前で。狐さんはみかんの皮を剥いて食べ始める。
「……、こたつが欲しい」
「え?」
狐さんはみかんで手を黄色くしながらそう言った。冬でみかんと言ったらこたつという理論らしい。
「みかんを食べながらこたつで寝たい」
こたつで寝たら風邪ひくんじゃないかな? でも本人が言うんだからいいんだよね。とりあえず探してみよう。
あらゆる料理に対応しているらしいキッチンでも流石にこたつは――。あ、裏に物置がある。あるんだ、こたつ。
寒空の下に、ミロはせっせとこたつを設置する。
「うむ。やはりこうでなくてはな」
狐さんはこたつに潜り込んで満足そうにしている。それからまたみかんを食べ始め――。
いつのまにか眠ってしまっていた。
成功
🔵🔵🔴
エウトティア・ナトゥア
アドリブ・連携歓迎
コハル殿と(f11004)参加するのじゃ。
わしはエウトティアじゃよ、まずは【ルビーチョコレート詰合せ】でも食べながら暫し待つがよいパーティーに相応しい料理を用意するでな。
今回作るのは、かぼちゃのパイとプリンじゃよ。
【料理】は(精霊が)得意じゃから任せるがよい。
手順も分量も(風の精霊の手際で)完璧、(水の精霊が)美味しい水も用意したし(火の精霊の炎で)火加減もばっちりじゃ。
最後にプリンを(氷の精霊が)冷やして完成じゃ!
うん?わしは何もしていないじゃと? 蛇の着ぐるみで文字通り手も足もでないからのう。
その辺りでぴょこぴょこと跳ねながらコハル殿の応援をしておくのじゃ。
二條・心春
アドリブ・連携歓迎 エウトティアさん(f04161)と参加です。
私は心春です。まずは料理を作りますので、少し待っていただけますか? そして、えーと……騒がず静かに料理を待つのが美味しい料理を食べる時のマナーです。こんな感じで言いくるめれば攻撃されないかな。
料理はエウトティアさんにも手伝ってもらって、かぼちゃのパイとプリンの2品を作ります。エウトティアさんはその着ぐるみで大丈夫……そうですね。(そしてかわいいです)
お菓子作りは分量をきちんと量ったり、材料をしっかり混ぜるのが重要なんです。プリンはしっかり冷やして、パイは焼き加減をよく見てオーブンで焼いたら、ハロウィンお菓子セットの完成ですよ。
狐さんが目を覚ました。なんだか身体がだるい気がする。今、どういう状況であったか?
確か猟兵がやってきて……。
覚醒してきた狐さんの視界に、着ぐるみを着て何やら忙しそうにしている2人の猟兵、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)と二條・心春(UDC召喚士・f11004)が見える。
「む、お前たちは?」
「私は心春です。まずは料理を作りますので、少し待っていただけますか?」
「わしはエウトティアじゃよ、暫し待つがよい。パーティーに相応しい料理を用意するでな」
そうだった。パーティの開始を待っていたのだ。それに間に合わず、今になって料理などと!
「料理を出すべき時間をとうに過ぎている。こういう場合は、まず料理人の心臓を抉り出すことになっている」
狐さんはパイプを咥えつつ、ハロウィンの国の難題を突きつける。
「心臓か? ほれ」
エウトティアが着ぐるみの口から『ルビーチョコレート詰合せ』を差し出す。食べ物を差し出されてしまったので、受け取ってしまう狐さん。
「む、ただのチョコではないか?」
「ちゃんとハート型じゃろう? 心臓じゃよ」
「心臓なのに血が流れていないようだが?」
「えーと……。血を流すのはルールにないですからね。騒がず静かに料理を待つのが美味しい料理を食べる時のマナーです」
心春も狐さんを言いくるめる。
「ふむ……」
狐さんはあまり納得していないようだが。ひとまず席に着いてチョコレートを齧っている。
これで、チョコがなくなるまでは料理に専念出来そうだ。
「足止め成功じゃな。では料理を始めるとしよう」
エウトティアは蛇の着ぐるみの中で気合を入れる。先程の衣装を着たままなので相変わらず手や足は出ていない。
「エウトティアさんはその着ぐるみで?」
「料理は得意じゃから任せるがよい」
エウトティアがかわいらしいドヤ顔を蛇の口から覗かせている横で。精霊たちが、がちゃがちゃと料理器具を集めている。
「大丈夫……そうですね」
大丈夫には見えなかったけど、かわいいので納得することにした。
「では、ハロウィンなので南瓜のパイとプリンにしますか」
「うむ。まずは材料を混ぜる感じじゃな」
エウトティアさんの蛇の尻尾が、ピーンと伸びる。かわいい。そして風の精霊さんが大きなボールに材料を流し込む。
「お菓子作りは分量をきちんと量ったり、材料をしっかり混ぜるのが重要な――」
どばどば。
「どばどば!? すごい荒唐無稽な感じに!?」
心春は慌てる。大丈夫まだ間に合う。なくなった材料からあの中の分量を逆算してなんやかんや!
「精霊の力でおいしい水を」
お水!? 待って!? パイとプリンってお水入れたっけ!?
「精霊さんすとーっぷ! チョコが甘すぎて狐さんがお茶を欲しがってるのでお水はあっちに!?」
心春が狐さんを指さす。ティーカップとチョコを手に、狐さんが何か言いたげにしていた。
「お茶か? 水と火の精霊の手にかかればばっちりじゃ」
ティーポットに水と火の玉が入り込んで、ポンッっと破裂音がする。
「ふむ、気が利くではないか」
狐さんがエウトティアの淹れたお茶を受け取って、大人しく帰ってゆく。
ただのお湯を受け取ったように見えましたが、ばっちりでしたかね?
受け取った料理は断らないから大丈夫でしょう、きっと。
前門の蛇と後門の狐は撃退した。料理の寅、心春の戦いは続く。
「で、どこまでいったんだったかの?」
「今の隙に材料をしっかり混ぜておきましたので……、あとは冷やしたり焼いたり」
「ほほう、それなら氷と火の精霊でいけるぞ。任せておくのじゃ」
「い、一度にやろうとするとタイヘンですから! 私がパイを焼くのでエウトティアさんはプリンの方をお願いします!」
今にも2つの精霊が大爆発を起こしそうな気配! 油断も隙も無い!
それから。
しばし静かな時間が流れる。
狐さんはお湯を飲んだ後に「お茶の後の昼寝だ」と言って大人しく寝ている。お湯でよかったんだ……。
エウトティアさんは「コハル殿を応援するのじゃ」と、冷えるプリンとパイ焼き窯の周りでぴょこぴょこしている。かわいい。
静かなキッチンに、タイマーの音が鳴り響く。パイの焼き上がり時間だ。真剣な表情の心春が、オーブンを開ける。
「……、……よし」
南瓜のパイが焼けた甘い香りが広がる。これは自信を持って言える。おいしい南瓜パイだ。
「こっちも完成じゃぞ!」
かわいらしい蛇さんが、頭の上にプリンを乗せて跳ねている。かわいい。でも大丈夫?
「ようやく出来たかね」
料理の完成を待っていた狐さんがやってくる。
「うむ、待たせたの。精霊の南瓜プリンじゃ、心して食すがよい」
エウトティアが頭の上からプリンをトスする。
「投げた!? 何と!!」
驚きつつも、狐さんはプリンに飛びつく。柔らかいプリンが崩れぬよう、流れるような動作で優雅に受け止め。そのまま席に着くと、揺れるプリンをさっと一口。
「これは……」
口の中に広がるのはカラメルと精霊の霜が降りた大地。スプーンで掘り進めばそこは甘い南瓜の楽園。
狐さんの纏っていた邪悪なハロウィンの力が霧散してゆくのがわかる。お腹を空かせていた1匹のオウガはそのまま深い眠りにつき、幸せな夢の国へと消えてしまう――。
オウガの消失を見届け、エウトティアが心春をつつく。
「コハル殿コハル殿」
着ぐるみのせいで手が出せないから南瓜のパイ食べさせて。という趣旨のぴょんぴょん。
「仕方ないですね。はい、あーん」
「あーん」
フォークで一口。心春はエウトティアに南瓜のパイを御馳走する。
「うまいの! もう着ぐるみは脱いでも大丈夫じゃろ? お腹ぺこぺこなのじゃ!」
エウトティアは満を持して、自らの手でフォークを構える。
めでたしめでたし。
大成功
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