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【Q】ハロウィン仮装とお料理と

#アリスラビリンス #【Q】 #お祭り2020 #ハロウィン

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「みんな~集まってくれてありがと~♪」
 グリモアベースの片隅、君達に声をかけたレティエル・フォルクエイン(オラトリオのサウンドソルジャー・f15293)は礼の言葉を口にするとみんなにはアリスラビリンスの世界に行ってほしいんだよと言った。
「実はアリスラビリンスの世界では、オウガ・オリジンさんが現実改変ユーベルコードでいくつもの不思議の国を生み出したり改変したりしちゃってたらしいんだけど――」
 今回、ハロウィンの国にそうして改変されてしまった場所がいくつも見つかったのだという。
「『しゃべる南瓜ランタンや、コスプレ衣装の飛び出す森』とか、『食材が完備されたキッチン』とか、『なんかめちゃくちゃ長い行列をするためだけに作られた道』とか。いろんなところがあるみたいなんだけど」
 まさにハロウィンパーティにうってつけの国へと変えられているわけだが、オウガ・オリジンが善意で国を改変した筈もない。悲劇を作るために用意されたこの国には、オリジンから直接力を与えられた凶悪なオウガが潜んでいるのだとか。
「オウガさん達はハロウィンの国の力を利用して襲いかかってくるみたい」
 だが、オリジンから直接力を与えられたオウガが襲ってくるとは言っても、その力が敵のみを利するとは限らない。
「最初に襲ってくるグローブをはめた時計ウサギな集団のオウガさん達は森から飛んでくるコスプレ衣装を着ることでパワーアップしちゃってるんだけど、この衣装を着てパワーアップができるのはオウガさん達だけに限らないんだよ」
 種類こそランダムでどんな衣装が飛び出してくるかわからないが、着こんでしまえば君達もパワーアップできるので五分の条件で戦えるという訳だ。逆に言うと、着ないと不利になってしまうので似合わない衣装が出てきてしまっても、戦いに勝つことを考えるなら着ないと厳しい戦いを強いられてしまうのだけれども。
「それで、集団のオウガさん達をやっつけたら、四体のオウガさんが合体したオウガさんが襲ってきちゃうんだけど」
 このは、ハロウィンの国の法則によってほぼ無敵となってしまっているという。
「ただ、ちゃんと倒す方法は存在してるんだよ。倒す方法はただひとつ……美味しい料理を食べさせること」
 なんでも、ボスはこの国の法則によりキッチンで調理され完成した料理は抵抗できずに食べてしまい、おいしさについて事細かに批評、称賛した上で、段々眠くなってゆくのだとか。
「最終的にはオウガさんは無敵の力を失った上にぐっすり寝ちゃうから、無防備なところを攻撃しちゃえば一撃でやっつけられちゃうんだよ」
 故にこのオウガとの戦いは、基本的に攻撃を堪え凌ぐか料理を作るかということになるらしい。
「こういう国になった理由が良くない理由だからって、悲劇を作るための国にしておいていい理由なんてないよね? だから」
 みんなでオウガさん達をやっつけて、この国をみんなのものにしちゃおうよとレティエルは言う。
「レティちゃんもしっかりサポートするから、どうかよろしくね」
 ぺこりと頭を下げると、グリモア猟兵の少女はそのまま君たちを送り出すのであった。


聖山 葵
 そろそろハロウィンですね。

 という訳で、今回はハロウィンの国で国のルールによって強化されているオウガ達を倒していただくお話となっております。

 尚、このシナリオは2章構成のシナリオとなっておりますのでご注意下さい。
 また、10/31までに成功したハロウィンの国のシナリオの本数に応じて、ハロウィンパーティ当日、そしてやがて始まるであろう「アリスラビリンスでの猟書家戦」に何らかの影響があるかもしれないのだとか。

 では、ご参加お待ちしておりますね。
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第1章 集団戦 『ボクサーバニー』

POW   :    サンドバッグコンボ
攻撃が命中した対象に【ウサギ型の痣】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【次々と現れる仲間達のパンチ】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    ダーティサプライズブロー
レベルm半径内の、自分に気づいていない敵を【異空間からの奇襲によるパンチ】で攻撃する際、ほぼ必ず狙った部位に命中する。
WIZ   :    ハニートラップカウンター
【挑発】を披露した指定の全対象に【無防備にこちらへ近づきたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

泉・星流
…分かってる…こういう依頼に参加した場合、大抵はろくな目には合わないという事を…

そして出てくるコスプレ衣装は『黒うさ耳&しっぽ・ゴスロリメイド服』
(しかも普通によく似合ってる…そして良く似合ってる…と敵に笑われる)

戦闘
お前ら全員掃除してくれるっ!!!!(盛大な八つ当たり)

指定UCを使用…無数の箒でサンドバックコンボの初撃を防御【全力魔法・念動力・拠点防御・視力】

そして反撃に箒に【魔力溜め】してフルスイングで殴り飛ばしてボクサーバニー達がその場にいなくなるまで【掃除】し続ける

『箒好き』に『メイド服』…と、相性がいいのか?
得意の射撃・砲撃攻撃ではなく、攻守に渡ってひたすら箒で戦い続ける【継戦能力】



「……分かってる……こういう依頼に参加した場合、大抵はろくな目には合わないという事を……」
 何かを隠すかのようにうっそうと木々が茂った森に転送された泉・星流(人間のマジックナイト・f11303)は、遠くを見た。達観したようにも諦念を抱いたようにも見えたかもしれないそんな星流の前方には、茂みをガサガサ鳴らし、着こんでとばかりに飛び出してきた、野生の黒うさ耳&しっぽとゴスロリメイド服が存在するのだ。
「どうして、こう……」
 グリモア猟兵の説明もあり、着こまなければ襲撃してくる敵のみがパワーアップした状況での戦いを強いられることが解かっているからこそ、プルプル震えつつも星流は飛び出してきた衣装に腕を通し、つけ耳と付け尻尾を装着するより他なく。
「居たウサー!」
「猟兵ウサー!」
 着替えの時間、空気を読んで待っていてくれたのか、それとも言葉通り今ちょうど星流を見つけたところなのか。ふわもこな着ぐるみパジャマだとか、顔付きの真っ白なシーツを被ってるもののスタイルの良さを隠しきれていないおそらくはお化けの仮装だのと割と無難な格好な時計ウサギのオウガことボクサーバニー達はグローブをはめた両こぶしで拳闘の構えをとりつつ現れて。
「あれ? なんか普通に似合ってるウサー」
「ぷぷっ、確かにすっごくよく似合ってるウサー」
 自身に視線を向けるボクサーバニーの口がそんな風に動いた気がした星流は。
「想像より僕の魔力を得て形を成せ……」
 若干低く感情を抑え込むように詠唱を始め、無数の箒を作りだし。
「それでも条件は五分ウサー!」
「サンドバックにしてやるウサー!」
「駆け巡れ……僕の変幻自在の箒達……」
 殴りかかっていったボクサーバニー達の拳は、嗾けられた箒が悉く受け止めた。
「ウサ?!」
「こいつ、どういう動体視力を――」
「それよりも、この箒ッ」
 念動力で箒を操る星流の視力驚愕しつつも、マーキングをしてしまったが故に追加攻撃さえも放棄にせざるを得なくなったボクサーバニー達は、箒の頑強さで更に驚愕する。だが、オウガ達が察すべきはそれだけではなかった。
「お前ら全員掃除してくれるっ!!!!」
 視力だけではなく、箒の一本を振りかぶり魔力を溜めている星流にも注意を払っておくべきだったのだ。
「ウサ―ッ!」
 箒のフルスウィングによって驚きに動きを止めていたボクサーバニーの一体が悲鳴の尾を引いて星空へと吹っ飛び。
「ちょ、待つウサ! 落ち着いて話し合゛べっ」
 慌てて制止しようとしたシーツお化け風のボクサーバニーが脳天に箒を振り下ろされて倒れ伏し。
「助げっ」
「ばっ」
 背を見せて逃げ出そうとしたボクサーバニーは先ほどまでパンチを防いでいた箒の一本にぶっ飛ばされて他の仲間にぶつかり、巻き込み。
「え゛」
「ひょっとして」
 星流の手にした箒だけが自分達に危害を加えてくるわけではないと無数の箒に包囲されつつようやく察したオウガ達が硬直するも、足を止めたのは、ただ隙をさらしただけに過ぎなかった。
「『箒好き』に『メイド服』……と、相性がいいのか?」
 戦いは続き、箒の手ごたえにやたら動きがしっくりくる気がして星流は首を傾げたが、これまで屠ったオウガ達へと盛大にぶつけた憤りが消え去ったわけではなく。
「まぁ、調子が良いのにこしたことはないよね」
 その後ももう少し続いた八つ当たりによってボクサーバニー達は更に何体かを討ち取られることとなったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

奇亜求・清和
【セプテントリオン】で参加
「久々に皆で依頼に来たわけでありますがコスプレでありますな」
しかし着なければ不利な以上着るであります
「視界の暴力にならずサイズが合う物だといいでありますな」
「皆コスプレは大丈夫でありますかな?」
女性陣は似合ってそうだし褒めるであります
着替え終わったら進軍開始
「敵はあのバニーでありますがバニーのコスプレでありますかな?」
そして集団には集団であります
「北斗七星軍隊、出撃!」
ハニートラップには【気合い】で対処
「他の女性陣の前で無様はさらさないであります!」
【二回攻撃】【怪力】も合わせて召喚した軍隊と共に攻撃するであります

※コスプレ内容、他の人共闘やアドリブなどお任せ歓迎


フェイラ・ノースウィンド
【セプテントリオン】で参加
「グリモア猟兵の方々は相変わらず忙しそうですね」
その分こちらも頑張ってオウガを倒しましょう
「コスプレは何がでるでしょうか?」
それなりにスタイルには自信がありますが(B96(I)/W55/H82)これってサイズとか大丈夫なのかも気になりますね。
全員コスプレを終えたら敵を倒しに行きます
「スタイルの良いバニーの集団ですね、さらにコスプレをしているのでしょうか?」
相手の攻撃にはオーラ防御や結界術、攻撃は異空間に逃げられないように全力魔法を乗せた鈴蘭の嵐や誘導弾で攻撃します
「ハニートラップできるほどスタイルに自信はあるようですが負けませんよ」

コスプレ及びアドリブなどお任せします


櫻井・クロ
「フェリクスちゃん達とハロウィンを楽しむ前にオウガ退治にゃね♪」
コスプレも何がでるか楽しみにゃね♪
「着替えたにゃけど似合ってるかにゃ?」
軽くポーズして写真も【撮影】しておくにゃ
「あとでフェリクスちゃん達に見せてあげるのにゃ♪」

戦闘はバニーに負けずに【ダッシュ】で近づいて【野生の勘】を生かして【早業】で攻撃するのにゃ!
「クロの新しいUCを見せてあげるにゃ!」
大量の黒猫で攻撃しつつ有利に立ち回るにゃ
攻撃は【オーラ防御】【第六感】で回避したり防ぐにゃ
集団線なので数を減らすことを優先にゃ
「兎さんにはコスプレもスタイルもそう簡単には負けないにゃよ!」

※コスプレやアドリブや他の人の連携などはお任せにゃ


グレア・レイスター
「わしのようなおばあちゃんに合うのがあるかのう?」
なお精神的に余裕があるのでなんでも躊躇鳴く着れる模様
「ちょっと胸回りがキツイがこんな感じじゃな、若いもんにもまだまだ負けんじゃろ」
このコスプレすると力でも沸くんじゃろうか?

戦闘ではバトルキャラクターズを召喚し3体になるように合体強化させるのじゃ(バニーに押されるようなら1体にまとめる)
「コスプレバニーじゃな、男性陣が喜びそうな組み合わせじゃな」
今回の敵もわしらとコスプレはしてるし体型は似てるが敵じゃからのう
「皆の援護をしつつバニーを減らしていくかのう」
皆やUCと連携しつつバニーを倒していくのじゃ

アドリブやコスプレ内容、他の人との連携は歓迎じゃ



「グリモア猟兵の方々は相変わらず忙しそうですね」
 グリモア猟兵の少女はそんなフェイラ・ノースウィンド(白にして十字架・f02134)の言葉に悲劇を作るだけの国を放置はできないしと答え。気づけば、フェイラを含む【セプテントリオン】の面々は森の中へと転送されていた。
「ここが衣装の飛び出してくるという森ですか」
「久々に皆で依頼に来たわけでありますがコスプレでありますな」
 飛び出してくる衣装を身につけねば、相手方だけパワーアップした状態での戦いを強いられることは奇亜求・清和(七星軍曹・f01844)も聞いてはいたが、現状でどんな衣装が飛び出してくるかは全く読めず。
「みんなでハロウィンを楽しむ前にオウガ退治にゃね♪」
 この後に待っている戦いの光景が未知数ながらも、楽しみな未来があるからこそ櫻井・クロ(トラベルキャット・f12090)の戦意は高く。
「コスプレは何がでるでしょうか?」
「視界の暴力にならずサイズが合う物だといいでありますな」
「わしのようなおばあちゃんに合うのがあるかのう?」
 衣装が飛び出してくるのを待ち受けつつフェイラが再び口を開けば、一つの懸念とともに清和は衣装が無難であることを希望し、グレア・レイスター(オールドゲーマー・f12088)が首を傾げた直後。
「にゃ?」
 がさがさと茂みが鳴って飛び出してきたのは、とんがり帽子とローブに箒だった。
「魔女の衣装でありますな」
「魔女ですね」
「魔女にゃね」
 何人かの視線が交差し、一人に集まる前にまた茂みが蠢き。
「黒いタキシードとマント、吸血鬼かのう?」
「こっちは狼の着ぐるみにゃ?」
「服も着てるし狼男かもしれないでありますよ」
 次々出てくる衣装にそれが何であるかを推測しつつ【セプテントリオン】の面々は衣装を着こんでゆく。
「普通にホラーものが続いて最後だけ鳥の着ぐるみでありましたが、皆コスプレは大丈夫でありますかな?」
 最後の二つが着ぐるみつながりだった可能性も否めないが、狼男の着ぐるみを着こんだ清和は女性陣の着替えが終わるのを待ちつつ空を仰ぐ。
「それなりにスタイルには自信がありますが、これってサイズとか大丈夫なのかも気になりますね」
 というフェイラの呟きは聞こえなかったのか、敢えて聞かなかったふりをしたのか。
「ちょっと胸回りがキツイがこんな感じじゃな、若いもんにもまだまだ負けんじゃろ」
 やがて魔女の衣装に着替え終えたグレアがくるっと回ってポーズをとり。
「着替えたにゃけど似合ってるかにゃ?」
 鳥の着ぐるみに着替え終えたクロも器用にスマホを使ってポーズをとった自分を撮影する。
「あとで――」
 誰かに見せるような旨のことを口にしようとしたのだろう。だが、最後まで言い終えるより早く茂みが揺れ。
「ここにも居るウサ―」
「覚悟ウサ―」
 現れたのは衣装ではなく、時計ウサギのオウガ達であった。
「スタイルの良いバニーの集団ですね、さらにコスプレをしているのでしょうか?」
 よく見ればオウガ達はそれぞれ違った衣装を身にまとっており。
「敵はあのバニーでありますがバニーのコスプレでありますかな?」
「コスプレバニーじゃな、男性陣が喜びそうな組み合わせじゃな」
 清和の仮定を断定にして、グレアは唯一の男性である清和をちらりと見てから、それを喚ぶ。
「力が湧き上がってくるが、条件はあちらも同じじゃろうからな。合体強化じゃ」
 召喚した戦闘用ゲームキャラクター達へ即座に命じたのは衣装を身に着けたことで強化されたのを実感したこともあるのだろう。主の命に従い、六十近い数だったゲームキャラクター達は額に19か20の刻印をした三体のゲームキャラクターへと変わり。
「集団には集団であります! 北斗七星軍隊、出撃!」
 清和も屈強な軍隊の幽霊達を乗せた武装装甲車を召喚するや発進させ。
「増えたウサー」
「返り討ちウサ―」
 敵戦力の目に見える増加に一部のオウガことボクサーバニーが浮足立つも怯まぬボクサーバニーの何体かは姿を消し。
「そんなところに居ないでこっちに来るウサ―」
 挑発するようにお尻を振ってボクサーバニーの一部が誘惑をするも乾いた音を立てて清和は自分の頬をひっ叩き。
「他の女性陣の前で無様はさらさないであります!」
「なっ、なんてや」
「ハニートラップできるほどスタイルに自信はあるようですが負けませんよ」
 気合で耐えた清和の姿に怯んだオウガが聞いたのは、結界とオーラで自身を覆い、手にしたメイスを鈴蘭の花びらへ変えてゆくフェイラの声。
「せめて、こいつらだけでもウサッ!」
 ただでは終われないとばかりに異空間から姿を現したボクサーバニー達が武装装甲車へ奇襲をかけようとするも。
「ぎゃっ」
「ウサ―ッ」
 花の嵐に切り裂かれ、再び異空間へ逃げる暇もなく倒れ伏してゆく。
「そん、あっ」
 ただ、花の嵐は奇襲を試みたオウガ達を倒すだけでは終わらなかった。勢いのまま押し寄せてくる花の嵐に声をあげたボクサーバニーは立ち尽くしたまま花嵐に呑まれて仲間の後を追い。
「さ、散開ウサ」
 慌てて逃げ出そうとするオウガはまだ気づかない。他の三人と連携する形で駆け出していたクロが肉薄してきていることに。
「クロの新しいUCを見せてあげるにゃ!」
「え」
「みんなー! よろしくなのにゃ!」
 ぽかんと口を開けたボクサーバニーが最期に見たのは、視界を埋め尽くすほどの黒猫の集団。
「にゃー」
「にゃああああ!」
「にゃっ!」
「なぁ~ん!」
 殺到する猫の鳴き声に悲鳴や断末魔さえ飲み込まれ。
「兎さんにはコスプレもスタイルもそう簡単には負けないにゃよ!」
「いや、コスプレとかスタイルとか関係なくあれは反そ」
 微視っとクロに指を突き付けられ、顔を引きつらせ後ずさろうとしたオウガが次の犠牲者だった。
「おぶっ」
 ただし地に伏せさせたのは、グレアの喚び出したゲームキャラクターの方であり。
「皆の援護をしつつこの調子でバニーを減らしていくかのう」
「そうでありますな」
「そうはいかないウサ―! 術者を倒せば召喚ざ」
 グレアへ同意する清和を襲おうとしたボクサーバニーは武装装甲車にのった幽霊達の銃撃を受けて崩れ落ちる。
「な、逃げ」
 更に装甲車に背を向けて逃げようとしたもう一体も銃弾に倒れ。
「ひぃぃっ、地獄ウサ―ッ」
「にゃー」
「にゃにゃー」
 前方をクロの黒猫集団、後方をグレアのゲームキャラクターに挟まれたボクサーバニーが絶望の表情を浮かべる。
「どんな地獄なんだとツッコムのは無粋でありますか?」
「どうじゃろうなぁ」
 結局のところなすすべなく挟み撃ちにあったオウガは倒され。戦況を覆せぬまま、続く戦いでボクサーバニーは狩られ続け。
「せめて一発だけでもウサ―ッ」
 うち減らさされて最後の一体になったオウガは破れかぶれにクロへ殴りかかろうと跳躍する。
「そうはいきませんよ」
「え」
 声を聞いて振り返ったボクサーバニーの目に移ったのは、自身を完全に捉えた一発の誘導弾。撃ち抜かれたからだが仰向けに倒れれば、もはや動くボクサーバニーはどこにもいなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『王牙合体ブレイメン4』

POW   :    王牙剣ブレイ討ち
【手にした大剣(王牙剣)による必殺の一太刀】が命中した対象を切断する。
SPD   :    ブレイオルグス・フォーメーション
【鶏オウガ、犬オウガ、猫オウガ、ロバオウガ】【の4体に分離し、それぞれ破壊音波、噛付き】【、爪で切り裂き、踏みつけによる連携攻撃】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    ブレイブラスター
【胸部の発光部分】を向けた対象に、【そこから放射される破壊光線】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアリルティリア・アリルアノンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「王牙合体、ブレイメン4!!」
 食材が完備されたキッチンの出口でほぼ無敵となったロボっぽいオウガがポーズを決める。しゃべる南瓜ランタンや、コスプレ衣装の飛び出す森を制圧し、猟兵達が進んだ先に待ち受けていた光景がまさにそれだった。グリモア猟兵によるこのオウガを倒すにはキッチンで作った料理を食べさせ、無敵の力を失い眠ったところを倒すより他ないという話だ。
櫻井・クロ
【セプテントリオン】で参加
「オウガ退治の為にお料理にゃね♪」
クロはデザートを作るのにゃ!
「ハロウィンだし南瓜にゃね」
ペースト状にした蒸し南瓜を裏ごししてクリームチーズや卵黄と黒糖を混ぜてクッキーボトムをひいた容器に入れてオーブンで焼き上げるのにゃ!
「美味しそうな匂いがしてきたにゃね」
焼いてる間に蒸し南瓜と上新粉で作った南瓜団子も作るのにゃ
「切り分けたチーズケーキに海苔でつくった顔をお団子に貼り付けて添えたら完成にゃ♪」
ジャック・オ・ランタン風南瓜団子付南瓜のチーズケーキにゃ♪
「フェリクスちゃんにも振る舞う予定の自信作にゃし召し上がれなのにゃ♪」

※コスプレやアドリブや他の人の連携などはお任せにゃ


フェイラ・ノースウィンド
【セプテントリオン】で参加
「ブレイメン4・・・完全にロボですね」
気にせず料理に映りましょうか(少し胸元を開けた吸血鬼コスのまま腕まくり)
「カレーがメインだと副菜はサラダ系ですね」
ベビーリーフやルッコラにレタスを合わせ、フライパンでベーコンを香ばしく炒めます
摺り下ろしたチーズと炒めたベーコンを焼いて出てきた油と共にサラダにかけたら軽く混ぜます
最後にレモン汁と黒こしょうを効かせたチーズドレッシングをかけて完成です
「シーザーサラダの完成ですね、ベーコンの脂の旨味とレモンでさっぱりしたドレッシングが美味しいですよ」
3人の作った物と一緒に出して反応を伺いましょうか

コスプレ詳細及びアドリブなどお任せします


グレア・レイスター
【セプテントリオン】で参加
「それじゃ飲み物でも用意するかのう」
魔女姿のまま調理開始じゃな
「カレーがメインじゃからラッシーでも作るかのう」
作り方は簡単じゃな。牛乳とヨーグルト共に1カップを大さじ2の砂糖と混ぜてレモン汁をちょい足しじゃな。
せっかくじゃし半量をわけてマンゴーピューレを足してマンゴーラッシーも作るかのう
「あれだけ大きいし2杯分でも大丈夫じゃろ」
飲み物が準備し終えたら他の人の手伝いじゃな
「カレーは手間がかかるしクロ殿(猫の手)ではないが手伝いは必要かのう?」
上手く食べさせて弱体化したらトドメじゃな
「旨そうじゃったし満足したようじゃな」

アドリブや他の人との連携は歓迎じゃ


奇亜求・清和
【セプテントリオン】で参加
「ロボみたいでありますがちゃんと食事できるでありますかな?」
作るのはビーフカレーであります
1玉葱の摺り下ろしやハーブで下味をつけた牛肉、オリーブオイルを絡めた馬鈴薯、人参、玉葱をオーブンでじっくり焼きあげていく
2トマト缶を入れたコンソメスープに焼き上げた具材を入れ、一煮立ちしたら桃ジュースを加えてさらに煮込む
3最後にカレースパイス(ルーではなく趣味の手作り)を加えてとろみがついたら完成!
「サフランライスの横にたっぷりとよそって完成であります!」
自分が良く作るレシピなので自信はあるであります あとは皆が作った物と一緒に出せばいいでありますな
※アドリブなどお任せ歓迎



「ブレイメン4……完全にロボですね」
 相変わらずポーズを決めたままのオウガの様子を窺い、フェイラがポツリと呟く。
「ロボみたいでありますがちゃんと食事できるでありますかな?」
 同じオウガに視線をやって清和も首を傾げるが、グリモア猟兵の少女が料理を食べさせるのが唯一の撃破方法だと言ったのだから、そこはきっと大丈夫なのだろう。
「気にせず料理に移りましょうか」
「オウガ退治の為にお料理にゃね♪」
 相変わらず吸血鬼の衣装のまま、それでも調理がしやすいように胸元を開けたり腕まくりをしたりしながらフェイラは調理器具の準備をしながら、クロの言葉にええと頷く。
「作るのはビーフカレーであります」
「カレーがメインだと副菜はサラダ系ですね」
 同じ【セプテントリオン】の仲間の視線を受けた清和が作り上げる料理の名を挙げれば、少し考えたフェイラが食材に手を伸ばす。
「それじゃ飲み物でも用意するかのう」
 二人の言に自身の方針を定めてグレアも魔女姿のまま歩き出し。
「カレーがメインじゃからラッシーでも作るかのう」
 手にしたのは、牛乳とヨーグルト。
「ハロウィンだし南瓜にゃね」
 一方で、デザートを作るのにゃと宣言したクロは食材の中から選んだカボチャをいくつかに切り、蒸し始め。
「――大さじ2の砂糖と混ぜてレモン汁をちょい足しじゃな」
 カップで測った牛乳とヨーグルトに他の材料を加え、完成に近づけながらグレアは出口に居るオウガをちらりと一瞥し。
「あれだけ大きいし2杯分でも大丈夫じゃろ」
 量を定めてグラスに注ぐと、仲間達へと視線をやり。よく洗って千切られた野菜の入ったボウルを傍らに、フライパンでベーコンを炒めるフェイラをまず見、続いてペースト状にしたカボチャを裏ごしするクロを見る。
「どちらも順調のようじゃが」
 最後にちらりと見たのは、オーブンに下味をつけた牛肉、オリーブオイルを絡めた馬鈴薯、人参、玉葱を押し込む清和の背中。
「カレーは手間がかかるしクロ殿ではないが手伝いは必要かのう?」
 一番手間がかかると見て、そう声をかけるべきかとも思ったグレアであったが、オーブンに材料を入れたなら、必要なのは火力の調整くらいであり。
「そうでありますな、しいて言うなら」
 あちらをと示した先では、ロボみたいと言われたオウガが動き始めたところだった。
「そういえば、オウガは襲ってくるんじゃったな」
 自身から無敵の力を奪い取り眠らせてしまうような料理が完成するのをただ待っていてくれるはずもなく。
「料理の邪魔をさせないであります」
「王牙剣ブレイ討ちッ!」
「おっと」
 行く手を遮った清和へ手にした大剣が落ちかかるも斬撃はあっさり避けられてキッチンの床を真っ二つにする。
「巨体とそれに見合う武器、物の多いキッチンではそういった武器が振るえる場所も向きと角度も限られるでありますからな」
 戦闘知識から回避のための最適解を導き出した清和だが、ならばとオウガが声を発したかと思えば、巨体は四体のオウガへと分離する。
「「これが俺達の絆と連携の゛ッ」」
 大振りが当たらないと見るや分離して数で押す、もしくは何体かに清和を任せて調理の邪魔をしに向かったのであろうオウガ達は突然崩れた床に呑み込まれた。
「ふぅ、こんな床の下を掘るのは腰に来るんじゃがのう」
 清和に気を取られている間にグレアがトンネルを掘っていたのだろう。
「ここはわしに任せてカレー作りに戻るのじゃ。時間稼ぎは得意じゃからな」
 無敵であるが故に可能なのは、攻撃をしのぎ時間を稼ぐことのみ。そういった意味でもグレアは適役なのだろう。
「それに完成した料理は抵抗せず食べるようじゃし」
「なるほど」
 料理を食べている間攻撃の手が止まるなら、作り上げた料理を供するだけでも時間稼ぎにはなる。
「ここはお願いするであります」
 料理が完成していないこともあって清和がオーブンの元へと引き返し。
「美味しそうな匂いがしてきたにゃね」
 目にしたのは隣のオーブンの前に立つクロの姿。自身のデザートを作りつつ清和のオーブンの火加減調整もしていてくれたのだろう、隣のオーブンからも焦げ臭いニオイはしておらず。
「お帰りにゃ」
 清和に気づいて出迎えたクロに礼を言いつつ火の番を交代することを申し出れば、じゃあお願いするにゃねと言ってクロはオーブンのそばを離れる。
「時間が空いたから、蒸し南瓜と上新粉で南瓜団子も作るのにゃ」
 幸いにも材料は豊富であり追加の品を作る余裕は十分にある。
「シーザーサラダの完成ですね
 フェイラが調理を終えたのは、ちょうどこのタイミング。
「さて、こっちは次の工程でありますな」
 オーブンの前では具の焼き上がった清和がスープの中へとトマト缶を入れたコンソメスープを投入してから桃の果実を絞り。
「チーズケーキは焼けてるかにゃ?」
 そこにオーブンの様子を確認しに来たクロが現れ、中を覗き込み。焼けてるにゃとクッキーボトムの上でおいしそうに焼けた生地の色を見て、ミトンをはめた手で器を取り出す。
「あちらはもう少しでありますな」
 仕上げを残すのみとなったクロのチーズケーキを一瞥すると、清和は手作りのカレールーを準備し始める。
「切り分けたチーズケーキに海苔でつくった顔をお団子に貼り付けて添えたら完成にゃ♪」
 やがておまけの一品を含めてクロのデザートは完成し。
「おお、完成したでありますか」
「そういう訳だから、クロも行ってくるにゃ」
 清和へ頷きを返すとカボチャのお団子だけ持ってクロが向かった先は、フェイラが加わったことで二人がかりでオウガを足止めするキッチン端の戦場。
「はむっ。こ、これは……カボチャの優しい甘みとモチモチした食感が何とも言えぬハーモニーを、ぐっ、力が、抜けて」
「本当におとなしく食べるにゃね」
「うむ。しかし、助かったのじゃ」
 美味しそうに食べて賞賛しつつも急に傾いだ敵の姿を眺めて呟くクロへグレアが礼を言い。
「今度はクロが時間を稼ぐのにゃ」
 お団子の残り個数を確認したクロの言わんとすることに頷きを返したグレアがラッシーを取りに引き返し。
「サフランライスの横にたっぷりとよそって完成であります!」
「おお、完成したのじゃな」
 ビーフカレーを完成させた場面に立ち会って歓声を上げる。料理さえ完成させてしまえばこちらのものであった。
「さぁ、存分に食べるといいであります」
「なん、しまった?!」
 クロの作ったお団子に舌鼓をうち時間を浪費していたオウガ、ブレイメン4は清和達の持ってきた料理を見て失敗を悟った。だが、この国の法則に従って無敵の強さを発揮しているオウガに出された料理を口にしないことは許されず。
「ベーコンの脂の旨味とレモンでさっぱりしたドレッシングが美味しいですよ」
「シャキシャキとした歯ごたえの野菜とベーコンがドレッシングによって一つになっているッ」
 言われるがままにフェイラの勧めるサラダを口にして戦慄する。それはサラダ、そうサラダなのだ。メインディッシュはまだ後に控えており。
「あ、あぁ……このスパイシーな香り。市販品ではなくルーも手作りか。具材はあらかじめ別に火を入れているのだな。具材に火が通っていないなどということはなく。ほんのり感じるこのフルーツの風味は、桃、桃か?」
 やって来たメイン料理。匙を口に運ぶたびに眠気が濃くなり、力が抜けて行ってもオウガに匙は止められず。無理でも匙を止めたとしてもラッシーを勧められるだけのこと。
「乳製品は辛みを和らげる。カレーと言えば飲み物は水を主張する者も居るだろうが、この甘酸っぱい味は、なんともッ」
 半分以上空になったグラスを震えながら置くと、ブレイメン4は再びビーフカレーに匙を伸ばす。この時点でサラダは殆ど空になっており、カレーも半分は平らげられている。
「まだだ、まだ」
 負けてたまるかと残りのカレーを平らげ、再びカレーの評価をオウガは口にする。達成感と満足感そして今にもベッドに沈みたいほどの眠気を感じながら。
「――にも振る舞う予定の自信作にゃし召し上がれなのにゃ♪」
 だからであろうか、冒頭の部分を聞き取りそこなったブレイメン4の前にへクロが切り分けたチーズケーキを置く。
「カボチャの甘みとチーズケーキのクリーミィ、んん、むにゃ、むにゃ」
「旨そうじゃったし満足したようじゃな」
 流石に耐えきれず轟沈して半ば寝言の様にチーズケーキについてコメントするオウガへグレアは近寄ると、振り返り。
「終わらせましょう」
「にゃ」
「でありますな」
 頷き合った【セプテントリオン】の面々の一斉攻撃が無敵の力を失ったオウガをあっさり打ち倒す。
「これで、ここはみんにゃのものにゃね」
 こうして猟兵達は戦いへ勝利し、ハロウィンの国の一部を手に入れたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月25日


挿絵イラスト