【Q】悪霊退散!不思議なハロウィン国
ハロウィン、それは元々悪霊退散関連の祭りであったが、いつの間にかお菓子を貰う楽しいものへと変わっている。
そんなハロウィンの原点らしいことを、今回はしなければならないようだ。
「初めましてやな猟兵のみなはん!」
そういって、快活に猟兵たちの前に出てくるのは、新しいクロムキャバリアにてグリモア猟兵であることが判明した火之夜藝速・継火。今回初めての予知ということで、アシストにクトゥルティア・ドラグノフが入っている。
「ほんじゃま、状況を説明するで」
彼女の説明はこうだ。
アリスラビリンスのオブリビオンフォーミュラーであったオウガ・オリジンは、その強力な【現実改変ユーベルコード】によって、いくつもの不思議の国を生み出していた。
その中の一つとして、今回幾つものハロウィンをするのにうってつけとでも言わんばかりな不思議の国が見つかったのだ。
しかしそれらはオウガ・オリジンが改変した悲劇の国。アリスを苦しめるように作られていることには変わらない。なぜか今もやってくるアリスたちを食せんと、その国にいるオウガたちは暴れている。それを殲滅するのが猟兵の仕事である。
「といっても、この国の法則の性で、普通に戦っても勝てへんちゅー理不尽があるんやよな。郷に入れば郷に従えという言葉に乗っ取って、この国の法に従って戦う必要があるねん。それは、コスプレや!」
一瞬、猟兵間に沈黙が走ったが、これは大真面目な話なのだ。
「ハロウィンつったら仮装やろ? この国やと、森から飛び出してくる仮装をすることでパワーアップ出来るさかい、オウガもそうしてパワーアップしちょる。なら、猟兵もそうしてパワーアップすりゃ勝てるちゅー訳やがな。簡単な話やろ?」
なお、出てくる仮装はランダムなので、どんなものが飛んでくるかは未知数だそうだ。
そうして集団を打ち破ればボスの元にたどり着くわけだが、ボスもまたこの国によって守られており、普通では倒せない。
「たらふく気持ちのこもった料理、それをオウガに奢る、それが勝利の方程式や。この国の法則によって、オウガは料理を食べなければいけん。無防備に食ってくれるさかい、たらふく食べたら寝てまうんでな、その状態なら一撃で倒せるんや。嫌かもしれんけど、大切な人にメシ奢る気持ちで、作ってくれへんか?」
料理をするキッチンは、既に国にあるようなので、食材や食器や機器の持ち運びは気にしなくて良いとの事だ。
それだけ伝えると、継火はたどたどしい手付きでテレポートを開いた。
「……ほんまに開くんやな……と、失礼! そんじゃ、頼むで猟兵! かっちょええ活躍、期待しとるわ!」
しじる
初めての方は初めて。そうでない方はいつもお世話になっております。しじるです。
ハロウィンといえば仮装と料理。今回はそんなハロウィン要素てんこ盛りな【Q】シナリオとなります。
また、今シナリオは本邦初公開の「2章構成のシナリオフレーム」となっております。
二章で完結いたしますので、ご了承くださいませ。
それでは、皆様の素敵なプレイング、お待ちしております!
第1章 集団戦
『恐怖心に宿る影』
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POW : オウガ様、食事の準備が整いました
【恐怖に支配されたアリス】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現(テレポート)する。
SPD : あなたも人を殺してみる?
自身の【存在】を代償に、【自身が憑依するアリス】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【感触を増大させた影の刃】で戦う。
WIZ : ねえ、アリス。その先はどんな恐怖が待っているの?
戦場全体に、【アリスの恐怖心が具現化する影】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ハロウィンの国では、早速仮装したオウガたちが出迎えてくる。見た目からして死神のコスプレだろうか?
しかし、本格的なというより可愛らしいキュートな物だ。(もっとも、彼女らの武器は本物であるが)
対抗するにはコスプレをするしかないわけであるが……はてさて、どのようなコスプレが飛び出してくるのやら……
家綿・衣更着
トリックオアトリート!いたずらの時間っす!
(衣装指定可なら幼稚園服。ガチランダムならアドリブ大歓迎。ネタや女装OK)
ちょ!さすがにそれは尊厳が!?せめて真の姿で着たいっす!
いきなりひどい目に…しかしどんな衣装でも衣更着の名に懸けて見合った【演技】を着るっす(死んだ目で)
「おうが、ちね(死ね)ーっす☆」
気持ちキラキラした目でユベコ発動
見たやつ全員死ね☆といわんばかりにストール布槍で【ダッシュ】【ランスチャージ】【なぎ払い】な火葬パレード
アリスが救助可能なら【化術】で楽しいほうに【おどろかし】て宿るべき恐怖心を一時麻痺、オウガのみを【見切っ】て攻撃。
戦闘後は【救助活動】
大事な何かを失ったっす…
トリックオアトリートの時間である。出迎えるオウガたちにいたずらを仕掛けんと現れたのは【家綿・衣更着】である。どろんバケラーである彼なら、如何なる衣装でも完璧に着こなすことができるだろう。そのメンタルさえすり減らせば。
なんでもどんとこいと、自信満々な様子だったが、森から飛び出してきたそれに驚愕せざるを得なくなった。
「よ、幼稚園児服!? ちょ、さすがにそれは尊厳が!? せめて真の姿で着たいっす!」
真の姿ならば、確かに見た目と相まってとても似合うだろうが、残念ながら真の姿になれるほどのエネルギーはこの場にはない。出てしまった以上、着るしかない。
「や、やってやるっす!」
半ば死んだ目で覚悟を決めた衣更着は、躊躇なく幼稚園児服を身にまとう。年齢21歳の彼が着るには……あまりにもキツい。敵であるオウガからも、つい憐みの視線が刺さっている気がした。
「おうが、ちね(死ね)ーっす☆」
一度着てしまえば後はやけくそである。ストール布槍を片手にユーベルコード【綿ストール・本気モード(コレガオイラノホンキッス)】を発動させる。
対するオウガは感触を増大させた影の刃で、自分の憑依するアリスに暴れさせようとしたが、素早い衣更着の動きをとらえられない。突き抜かれていく。
その合間合間に、化術によるたのしい驚かしをすることで、アリスたちの恐怖心を払しょくさせていく。これによりアリスたちも救出して見せる大立ち回りをする衣更着であった。
が、彼は、失ってはいけない大切な何かを捨てた、そんな気がしてならないのであった。
大成功
🔵🔵🔵
富井・亮平
【心情】
なんだこの衣装はッ!?
このイェーガーレッドにこんな衣装をッ!?
だがオブリビオンを倒すためなら仕方ないッ!
【行動】
戦隊モノのイエローの衣装を着て突撃ッ!
レッドなのにイエローッ!
すでに自己崩壊の危機ッ!
ええい、ならばロボを召喚だッ!
乗り物に乗ってしまえば衣装など関係ないッ!
「発進せよッ! イェェェエガァァァッッッ!! ロボッッッッッ!!!」
しかしッ!
ロボも気を利かせてイエローにお似合いなドスコイ型で登場ッ!
そんな専用装備はいらないッ!
オマケに苦戦しても活躍してもドスコイ方面でパワーアップッ!
どうあがいてもイエローッ!
でも頼もしさだけは盤石ッ!
圧倒的ドスコイパワーで恐怖も迷路も打ち破るッ!
この国の事情のせいで、コスプレしたくなくともせざるを得ない。そういう猟兵が大半だろう。特に着たくない物を出されたのなら。
【富井・亮平】も、着たくないものを引き当ててしまった。
「なんだこの衣装はッ!? このイェーガーレッドにこんな衣装をッ!?」
それは、イエロー。イエローの戦隊服である。彼はレッドなのにイエローの服を着れと指示されているのだ。なんと屈辱的なことだろうか。
だが世界の平和のため、オブリビオンを倒すためなら仕方ないと着、いざ出撃する。
既にアイデンティティにダメージを負っているが仕方がない。
「あ、イエローの戦隊ヒーローだぁ。完成度高いわね」
そう、悪意なきオブリビオンの誉め言葉が刺さる。冗談ではない。
「ええい、ならばロボを召喚だッ! 乗り物に乗ってしまえば衣装など関係ないッ! 発進せよッ! イェェェエガァァァッッッ!! ロボッッッッッ!!!」
亮平の言葉に反応して、ユーベルコード【発進! 超巨大イェーガーロボ!(ハッシン・チョウキョダイ・イェーガーロボ)】が発動し、専用装備を持つ巨大ロボが現れた。
が、困ったことに親切にも装備はドスコイ型。戦隊もの謎のお約束、イエローはカレー好き&大食いというイメージからだろう。
「どうあがいてもイエローッ!」
強化されてもドスコイ。実にイエロー、レッドの要素が全くなく泣けてきそうであるが、耐えるしかないのだ。
だがユーベルコード自体の性能は優秀。ドスコイパワーは伊達ではなく、かなりの硬度があるはずの壁を粉砕して亮平は進む。オブリビオンなぞなんのその、コスプレ強化もあって、苦も無くオブリビオンを粉砕するのであった。
「私はレッド……レッド……」
ただし、亮平のメンタルは大きく傷ついてしまうのであった。
大成功
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リカルド・マスケラス
「なんとも悪趣味な敵っすねー。アリス、今助けるっすよ!」
飛んでくる衣装は何でも着る
「軍人は軍服に体系を合わせるって言うっすけど、こんな感じっすかね」
【霧影分身術】を何体か出し、衣装に合った見た目に変身する。スーツでも制服でも着ぐるみでもなんでも来いっすよ!
後は分身の数に合わせて衣装が何着か飛んできた場合、他の猟兵(サポプレ参加者とか)の衣装と差がなさそうなコスプレ衣装が飛んできたら、それを譲っとくっす
「アリスの身体、返してもらうっすよ」
鎖分銅などを【ロープワーク】で操り、憑依しているアリスを拘束。そのまま【破魔】の術式を流し込むなりしてオウガだけを攻撃
「サムエンで習得してきててよかったっす」
「なんとも悪趣味な敵っすねー。アリス、今助けるっすよ!」
自身の存在を他者に憑依させ、操る。実に悪辣な戦法に【リカルド・マスケラス】は怒り、アリスを助け出すためコスプレを行う。
「軍人は軍服に体系を合わせるって言うっすけど、こんな感じっすかね」
ユーベルコード【忍法・霧影分身術(ムエイブンシンジュツ)】を早々に発動させ、多くの分身を生み出す。それ言わば着れるコスプレの数も増えるというもの。飛んでくるコスプレ自体はランダムでも、こちらの分身に合うものは必ず一つは出るはずである。
数撃てば当たる。その持論は間違うことなくあたり、数多くの分身それぞれが合うコスプレを装着する。
「軍人は軍服に体系を合わせるって言うっすけど、こんな感じっすかね」
戦闘力が増強された分身と共に攻撃を始める。オブリビオンも反撃を試みて、影の刃を振るうが、如何せん数が多く捌き切れない。
「サムエンで習得してきててよかったっす。さあ、アリスの身体、返してもらうっすよ」
「おのれ猟兵ぃ! うきゃあああ!!」
自在に伸びる鎖分銅が複数オブリビオンの体に巻き付き、それに合わせて破魔の力が流される。猟兵のそれは邪悪を払う強力な物。オブリビオンはアリスから引きはがされ、自身の存在を代償にしたがために、引きはがされたその時点で消滅するのであった。
大成功
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家綿・衣更着
実は真の姿にならずとも、化狸なら化術で変化すればいいということに気が付いた衣更着は自分の姿を【化術】で(戦闘に支障が生じない程度)に若返った姿に変化することで対応したのだ!っす。
…変化したとしても年齢は変わらないだろう?
気がついてはいけないことに気が付いてしまったオウガは『綿ストール・本気モード』のストール布槍や手裏剣で【串刺し】【暗殺】しちゃおうね…っす。
もちろんアリスは助けるから【化術】で楽しく【おどろかす】して恐怖心を薄れさせて【見切り】でオウガだけを倒すのは変わらないっす。
…【催眠術】でアリスさんは憶えてない。っす。いいね?
仕事ならどんな変装もこなすけど、羞恥心がないわけではないんす…
真の姿にならなくとも、化狸なら化術で変化すればよいのでは。そのことに気づいた【家綿・衣更着】は、早速化術で己の体を変えていく。
煙が一瞬視界を隠すよう舞い上がり、衣更着の姿がその刹那で変わる。戦闘に支障が出ないように、しかし幼児服に違和感が出ないような若さへと。
「どうっすか! どんなもんだって奴っすよ!」
羞恥心がないわけではないが、先に比べれば。そんな様子で胸を張る衣更着だったが、オブリビオンの無慈悲な言葉が向けられた。
「でも、年齢は変わらないわよね? ね?」
「……気がついてはいけないことに、気が付いてしまったっすね!」
暫しの沈黙の後にそう呟きつつ、衣更着はユーベルコード【綿ストール・本気モード(コレガオイラノホンキッス)】を発動させた。
それはまさに一瞬。打綿狸の綿ストールが伸び、槍のようになって死角へと移動しオブリビオンを刺し貫いた。刹那の暗殺技、コスプレも相まって強化されたそれは。オブリビオンを一撃で仕留めたのであった。
「さて、アリスさん……あんたは何も覚えてない! い・い・っす・ね?」
その後、助け出したアリスにちゃっかり催眠を掛けて、自身の黒歴史(コスプレ)記憶を忘却させるのであった。
大成功
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第2章 ボス戦
『マリア・デスランタン』
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POW : パンプキン・オン・パレード!
自身の【戦場に存在する全てのカボチャ】を代償に、【代償と同数の子供ジャックランタン】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【強制カボチャ化光線】と【自己増殖】で戦う。
SPD : 小粋なジョークですこと!
対象のユーベルコードに対し【それを悪戯グッズに変える魔法】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ : SOUL CONFUSION
【戦場にいる全員の魂をシャッフルする魔法】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ポーラリア・ベル」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
コスプレの森を抜けた先にある町、そこで強化されたオブリビオンがいる。既にその情報を得ている猟兵たちが向かえば、オブリビオンのマリア・デスランタンがジャックランタンを量産して町を襲っていた。
しかし強化された彼女と真面に戦えば敗北は必至。
都合がいいことにこの町は料理街。いくらでも食材と機材はある。
「あら、貴方たちも悪戯をされに来たのかしら? それとも、美味しい料理をふるまってくれるのかしら?」
トリックオアトリート、猟兵たちのお菓子ならぬ料理の時間がやってくるのであった。
家綿・衣更着
「トリックオアトリート!いたずらなら任せろーっす!」
初手『必殺武装召喚』巨大手裏剣!と見せて、敵UCで迎撃させ悪戯グッズゲット
「まずはトリックの時間っす!」
妖怪煙で煙幕を張り【迷彩】、その状態で悪戯グッズと【化術】で【おどろかす】
煙に含まれる妖力を【化術】で【残像】に変化させさらに敵を攪乱。【罠使い】も利用し時間稼ぎ
その隙にキッチンで【優しさ】込めて手早く【料理】
水と砂糖を混ぜながら弱火で加熱してカラメルソースを作成
卵と砂糖をよく混ぜたら、牛乳を加えて混ぜ、バニラエッセンスを加えて濾し、弱火で加熱
冷ました後にカラメルをかけて完成!
「トリートの時間っす!プリンをどうぞ!」
沢山食べてもらうっす!
「トリックオアトリート!いたずらなら任せろーっす!」
トリート、即ちイタズラ。どろんバケラーの本領発揮の時間である。【家綿・衣更着】は早速マリアが何かをするよりも速くユーベルコード【必殺武装召喚(ヒッサツブキショウカン)】を発動。生み出された巨大手裏剣をそのまま投げた。
もちろん強化されたマリアにそれでは通用せず、いとも容易く迎撃されて、小気味よい破裂音の後、手裏剣は悪戯グッズにも使える大型クラッカーに変えられてしまった。
しかしこれが衣更着の狙いである。
「つまらないわね。そんな単純な攻撃じゃぁ……あら?」
分かりやすい攻撃が来たことで油断したマリアは、気が付くと自身が煙幕で包まれていたことに気づかなかった。視界を奪われたことに少々焦り、何処に猟兵がいると警戒し始めた瞬間である。
背後で耳が裂けんばかりになる爆音。これにはオブリビオンであるとはいえマリアは盛大に驚き尻もちをついてしまった。
「まずはトリックの時間っす!」
流石は悪戯が得意などろんバケラーである。それは衣更着の仕掛けた巧妙かつシンプルで故に強く引っかかりやすいイタズラ。この不意打ちで完全にペースを崩したマリアは怒り、見えぬ煙の中で攻撃を行うも、やっと見えたと思った衣更着はすべて残像で、残像に攻撃をするといつの間にか増やしていたのかまたもクラッカーの炸裂音が響き渡る始末。
「し、心臓が持ちませんわ……キィー!」
こうしてマリアが惑わされているうちに、衣更着はてきぱきとクッキングタイムに入っていた。
優しさを込め、仲の良い友人たちに振舞うような、素晴らしくも魅了的なプリンを量産していく。
「次はトリートの時間っす!」
一通り作り終え、冷やしも十分。カラメルの量も足りている。いざマリアのもとへ。
良い甘き匂いに気づいて、マリアの怒りが収まり、代わりによだれが出始める。間違いなく美味しい料理の匂いであると。
「プリンをどうぞ!」
無言でマリアは衣更着のプリンを受け取った。そしてそのまま上品な手つきで口に運び、叫んだ。
「ト・レビアーン!! 絶妙な火加減で作られたほろ苦いカラメルにマッチングする卵の優しい味とほんのりのこるバニラエッセンスの香り。柔らかな口当たりとさっと溶けるような食感は絶品の一言。んん! お代わり!」
全くよどみなく詰まることなく、詠唱かとでもいうほどの早口で感想を述べ、マリアは残りのプリンも一斉に食べ始めるのであった。
「トリックもトリートも、大成功っす!」
勝利へ一歩近づいたことを確信した衣更着は、マリアが食べ終えて暴れる前に姿をくらますのであった。
大成功
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リカルド・マスケラス
戦闘は他の猟兵(サポート参加者とか)にまかせて【料理】
「お嬢さんは何か食べたいものはないっすかね?」
マリアのリクエストがあればそれを作るし、なければカボチャ料理のオンパレードっすかね
「パンプキンスープにパンプキングラタン、パンプキンピザにパンプキンプリン。もう、なんでもござれっすよ!」
分身術で人手を増やしてたくさん料理を作るっすよ~。まあ、悪戯グッズに変えられたら、【念動力】で調理道具を並行して動かしてのワンオペっすけど
「さあ、ご賞味あれっすよ~」
戦闘を他の猟兵に任せて料理に専念する。それも今回ならば正解である。【リカルド・マスケラス】は衣更着がイタズラでマリアを引っかきまわしているうちに、早々に料理へ専念することを選択した。
「お嬢さんは何か食べたいものはないっすかね?」
と、手は止めることなく聞いてみようとする。が、煙幕の中にいて全く姿が見えず悲鳴のみが上がっているため、仕方なくカボチャ料理のオンパレードを選択することにした。
「パンプキンスープにパンプキングラタン、パンプキンピザにパンプキンプリン。もう、なんでもござれっすよ!」
言葉に偽りなし。ユーベルコード【忍法・霧影分身術(ムエイブンシンジュツ)】によって増えたリカルドは、いくつもの料理をどんどん作っていく。
プリンを食べて満足げなマリアに追い打つように、その大量に作った料理を提示する。
「さあ、ご賞味あれっすよ~」
「あら、気が利いていますね。では……ト・レビアーン!!」
お代わりをするのにほぼ時間はなかった。爆速というにふさわしい速度で料理が消えていく。だが、まだマリアの胃には食事が入りそうだ。
大成功
🔵🔵🔵
城田・紗希
えっと…料理で満腹にすれば自滅しちゃう感じ?アリスオリジンみたいな感じ??
(オブリビオンの取説がないか周囲を確認、ついでに食材集め)
んー…カボチャが多い、かなぁ。
とりあえずパンプキンパイとー…運回しに、パンプキンとナンキン(西洋と東洋)の天ぷら?
「私に斬れない食材は、たぶんない!」
うん、あってよかった、狙いすました斬撃。
普通は包丁で斬れないもんね、カボチャ。(真っ二つのまな板は見ない事にした)
あとはこうやって、こうやって……。
できた、南瓜の煮物…と、天ぷらとかカボチャそうめんとか。(しれっと金糸瓜も拾ってた)
でもそうめんは、1つぐらいは自分で食べてもいいよね(隠してあとで食べようと)
オブリビオンの取説があればいいのにと思う猟兵は多いかもしれない。【城田・紗希】も、現在それを欲していた。
「えっと…料理で満腹にすれば自滅しちゃう感じ? アリスオリジンみたいな感じ??」
実に意味が分からないといった様子である。実際、満腹になったら眠って一撃で倒せるというのは意味が分からない。が、そういう不思議の国故に致し方ないところがある。それがアリスラビリンスという世界だ。
「んー……カボチャが多い、かなぁ」
とりあえず食材の確保に向かいだした紗希。やはりハロウィンの国というだけあって、カボチャが無駄に多い。パンプキン、ナンキン両方ともあるようだ。
そこで紗希の頭にある料理が浮かんだ。それを実行するため刃を抜く。
「私に斬れない食材は、たぶんない!」
紅時雨が綺麗に二種類のカボチャを両断する。包丁では切断に苦労するこれも楽々である。本来の使い方では決してないが。まな板も真っ二つになってはいるが。
とにかく済んだそれは放置し、さっそく調理を開始。マリアが他の猟兵の食事を堪能している間に作り上げ、出来上がったものはカボチャの煮物、天ぷら、そうめん。カボチャのフルコースであった。
「でもそうめんは、1つぐらいは自分で食べてもいいよね」
一つは隠しつつ、残りをマリアに提出。これまたト・レビアーンと叫んで豪快に食べていた。
それを確認しつつ、自分の分を隠れて食べようとする紗希であったが……。
「あれ? ……やられた!?」
いつの間にかちゃっかり取られてしまっていたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
大神・狼煙
常連客に呼ばれたと思ったら、戦場に叩き込まれていた……
爆撃機を召喚
上空から焼夷弾ばら撒こう
あの高度なら魔法が届くか怪しいし、届いても視線を空に固定できる
その隙に作るのはスイートポテト
一度じっくり焼き上げた焼き芋をすり潰してバニラエッセンス、生クリームと合わせて練り上げた物をタルト生地に注ぎ、オーブンへ
焼き上げている間に別の焼き芋を濾して、ホットミルクに溶かし合わせたら削ったチョコレートを浮かべてサツマラテ
カボチャは食べ慣れているようですし、さぁさお食べください
五十人前程ご用意させていただきました……
もちろん、一人で、全部食べてくれるんですよね?(にっこり)
寝たらオーブンにぶち込んでおきますか
常連客に呼ばれたと思ったら、いつの間にか戦場にいた。そんなことになれば誰だって困惑するだろう。だが、なんだかんだで適応するのが猟兵である。
【大神・狼煙】は即座にユーベルコード【逃封殺葬(トウホンセイソウ)】を発動させ、焼夷弾をばら撒く爆撃機を召喚する。
勿論これで倒そうとは最初から考えていない。この爆撃機で気を引いている間に料理を作ろうという魂胆だ。
実際企みは上手くいき、マリアは爆撃機へ攻撃を狙うが高度が高くて当たっていない。だが爆撃機の攻撃は続いているため、注意せざるを得ない状態である。
その隙に狼煙はスイートポテトを作り出した。寂れているとはいえ、喫茶店Glasses cafeの店長の腕前は伊達ではない。
一度じっくり焼き上げた焼き芋をすり潰してバニラエッセンス、生クリームと合わせて練り上げた物を、タルト生地に丁寧に注いでいく。
それをオーブンで焼いている間に、別の焼き芋を濾してホットミルクに溶かし合わせる。さらにそこへ削ったチョコレートを浮かべ、サツマラテへと仕上げた。
そうこうしてスイートポテトが仕上がってみれば、ちょうどマリアも攻撃を爆撃機に向けるのを諦め、こちらへ向かっている途中であった。
「おや、この香りは……」
「五十人前程ご用意させていただきました……カボチャは食べ慣れているようですし、さぁさお食べください」
その言葉に返すことなく、颯爽とマリアが食事を行う。やはり喫茶店の店長の腕は素晴らしく、マリアの下を唸らせるのは充分であった。そして今まで猟兵たちから食べてきた料理によって、ようやくマリアは満腹となったのか、乾燥すら述べずに眠りについた。
「やれやれ……とりあえずオーブンにぶち込んでおきますか」
狼煙はそういって、食べに食べて重くなったマリアを起こさないように引きずり、ゴミをゴミ箱に投げ捨てる感覚で放りこみ、そのままスイッチを入れて火葬した。
こうして、ハロウィンの国に平和が訪れるのであった。
猟兵たちは、今度は国に住むゆかいな仲間たちに料理を送られ、戦いで空いた腹を従前に満たすのであった。
大成功
🔵🔵🔵