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鉄騎海域

#グリードオーシャン #七大海嘯

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#グリードオーシャン
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#七大海嘯


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●災禍を呼ぶ鉄騎
「フック、かかりました!」
「よぉーし引き揚げろ!」

 船長の号令と共に、ウインチが巻き上げられる。
 波しぶきとともに、「それ」が海上に姿を現した。

 近海に沈む「とんでもないお宝」の噂は、グリードオーシャンのとある島を根城に活動する海賊船団「黄金の蜂蜜団」の耳にも入ってきた。
 大海賊「スズメバチのスティング」率いる黄金の蜂蜜団は、近海を荒らす他の海賊から島を守る自警団のような存在だ。島民の信頼も厚く、他所の島に隠された宝を見つけては持ち帰り、島の経済を潤わせることから、島を治める自治政府からは一種の私掠船のような待遇を受けている。
 最近活動を活発化し始めた「七大海嘯」と呼ばれるコンキスタドールの大集団の情報は黄金の蜂蜜団も知るところとなっていた。質・量共に多く、被害にあった島をいくつも見てきた。現在の状況で直接事を構えるわけには行かない。スティングは対抗できるだけの力がほしいと考えていた。
 そんな時、耳にした「とんでもないお宝」の噂。メガリスであれば自分が使おうという覚悟を決めていた。もしも自分がコンキスタドールになってしまったとしても、七大海嘯の軍門にだけは下るまい、そう覚悟を決めている。

 引き上げられたものは、その場にいた黄金の蜂蜜団の全員の予想を覆すものだった。

「こいつは……巨人、ですかね」
「巨人用の鎧か? いや、違うな。鎧なら空洞があるがこいつはそれがない。機械仕掛けの巨人だな」

 それは5m程の巨大な人型。鋼鉄の四肢を備えたその巨躯は、不思議なことに錆の類が一切なかった。そこそこの重さがあり、海賊団の旗艦であるガレオン船「セント・ビーハイブ」の上に横たえると、その重みでセント・ビーハイブの喫水が深くなる。

「とんでもねぇ重さだ……ただの巨像じゃなさそうだな」

 あまりの威容に戦慄しながらも、ウインチを使って船の上に立たせようと試みる。と、一人の船員が胸の部分が扉のようになっていることを見つけた。

「お頭、この中に何か入ってるんじゃないんですかい」
「もしそうだとしたら随分とゴツいピニャータじゃねぇか、えぇ?」

 スティングのジョークに一同がどっと沸き、なんとかして胸部をこじ開けようとあちこちを触るが、なかなか上手く行かない。しかしその時、どこかのスイッチを偶然押したらしく、突然胸部が開いた。中に宝はなく、代わりに座席といくつかのレバーやスイッチが用意されている。

「……なんだ、これは」

 驚く海賊たち。だが、スティングは持ち前のカンでこの座席の正体、ひいてはこの巨人の正体を見抜いた。

「この巨人、乗り込んで操れってことか」

 スティングは座席に飛び乗る。すると、海賊たちは本日二度目の驚きを味わった。扉がひとりでに閉まり、巨人が立ち上がったのだ。

『我は──試練を与えるものなり』

 巨人から声が放たれ、一条の光が放たれる。近くにいた船団を構成する船の一隻が光に貫かれたかと思うと、沈んでしまったのだ。

「……お前らっ、今すぐ逃げろ! 俺のことはいい……今すぐ、逃げろっ……!」

 巨人は翼も無いのに空へと飛び立つ。恐慌状態に陥る海賊たちに、スティングの声が届いた。

「お頭……! くそっ、面舵いっぱい! 全速力で離脱するぞ……!」

 頭目を巨人に囚われてしまった黄金の蜜蜂団の船は、セント・ビーハイブを先頭に全力で逃げ出した。

●海に現れたオブリビオンマシン
「ミッションを説明しましょう」

 グリモアベースに集まった猟兵たちを前に、ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵・f29697)がプロジェクターを用意しながら話し始めた。

「今回、皆さんにはグリードオーシャンに向かっていただきます。ターゲットはオブリビオンマシン『ヴィーキング』です」

 プロジェクターに表示された巨大な鉄騎に驚愕する猟兵達。クロムキャバリアではなく、グリードオーシャンでオブリビオンマシンが現れたという知らせは誰もが耳を疑った。

「このオブリビオンマシンが何故グリードオーシャンに現れたのかは不明です。クロムキャバリア由来の島がグリードオーシャンに存在していたのか、オブリビオンマシンのみがイレギュラーな経緯でグリードオーシャンに流れ着いたのか。しかし、現に予知ではこのオブリビオンマシンはグリードオーシャンに出現し、自身をサルベージした海賊団に痛撃を与えました」

 ヴィーキングは海賊団「黄金の蜜蜂団」の頭目・スティングをコクピットに捕らえている。スティングは強靭な精神力でオブリビオンマシンの洗脳に耐えているが、長くは持たないだろう。黄金の蜜蜂団は頭目を失うもほうほうの体で撤退に成功したが、頭目を失った現在、副長を代理に立ててなんとか統制を取り戻すのに精一杯である。

「さらに悪いことに、ヴィーキングはグリードオーシャンで活動を活発化させたコンキスタドールの集団、七大海嘯の一員・邪剣の配下を名乗りました。さらに、近隣に同様に沈んでいた配下の機動兵器が続々と出現。こちらはスペースシップワールド由来の機動兵器と思われますが、オブリビオンマシンの集団としてグリードオーシャンの海域に展開しています」

 グリードオーシャンの海図がスクリーン上に映し出され、続々とオブリビオンを表す赤い三角印が海図を埋め尽くし始める。スペースシップワールドの機械兵士と思しき機体概要が表示された。

「このままヴィーキングの蹂躙を許せば、最悪の場合グリードオーシャンはクロムキャバリア同様に戦乱の世界に姿を変えてしまうでしょう。早急に撃破を行う必要があります。猟兵の皆さんは黄金の蜜蜂団と共同で出撃、ヴィーキングを撃破してください」

 ジェイミィから提示されたミッションプランはこうだ。まず、黄金の蜜蜂団の船に搭乗し、オブリビオンマシンが展開する海域を強襲。配下の機動兵器を撃退しながら中央突破を行い、ヴィーキングを撃破する。

「ヴィーキングの推定スペックはかなりの高性能で、クロムキャバリアで運用されている最新鋭機と互角以上であることが予想されます。真正面から戦っても勝ち目は薄いでしょう。キャバリアをお持ちの方はキャバリアでの出撃を推奨します。また、全帯域無線で呼びかけることで、囚われている海賊団の頭目とコンタクトが取れる可能性があります。彼から敵の情報を入手すれば、戦闘を有利に進められるはずです」

 もちろん、海賊団の頭目を救出するのは作戦成功の最低条件です、とジェイミィは付け加えた。

「黄金の蜜蜂団は、近隣の島の政府からも私掠許可を得ており、島の自警団として活動する善良な海賊団です。海域の情勢を安定させるためにも、彼らの力が必要であることをくれぐれもお忘れなきように」

 よろしくお願いします、とジェイミィは一礼し、ブリーフィングは締めくくられる。
 猟兵たちは出撃準備を整え、グリモアが放つ光の中へと飛び込んだ。


バートレット
 皆さんどうもバートレットです。
 さぁ大変な事になりました。オブリビオンマシンがまさかのグリードオーシャンに出現です。現地の海賊団と力を合わせて撃破してください。

 第1章では大規模海戦が展開されます。襲い来る機動兵器群を撃退し、海賊団と共に中央突破を図ってください。海賊船の中には大型のガレオン船が数隻存在するため、キャバリアを搭載することが可能です。キャバリアを持っている方は洋上でのロボットバトルを繰り広げても良いでしょう。船団からは援護射撃も可能です。船団への被害を抑える戦い方でプレイングボーナスが入ります。

 第2章ではオブリビオンマシン「ヴィーキング」と戦います。敵のスペックは高いため、まともに戦っても勝ち目がありません。コクピットに囚われているスティングとコミュニケーションを取り、弱点を聞き出したり、第1章同様に船団を守るように戦うことでプレイングボーナスを得られます。

 第3章では、残敵を掃討し、海域に平穏をもたらす冒険シナリオです。ヴィーキングが用意した兵器プラントを探し出し、破壊しましょう。プレイングボーナスは「海賊船団と共闘する」です。

 第1章から第3章まで、それぞれ断章が入ります。プレイングの受付開始は断章が公開されてからになりますので、それ以前のプレイング提出はご遠慮ください。その他注意事項や締切はMSページをご確認ください。

 それでは、皆さんのアツいプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『マシンハンターズ』

POW   :    スパークウィップアーム
自身の装備武器に【Lv×1万ボルトの雷撃発生装置】を搭載し、破壊力を増加する。
SPD   :    ハイスピード・ソロチャージ
【脚部が、高速格闘戦形態】に変形し、自身の【仲間と、連携攻撃がとれなくなること】を代償に、自身の【機動力と突撃力】を強化する。
WIZ   :    ヘイトリッド・マシーナリー
戦闘力のない、レベル×1体の【ジャミングドローン】を召喚する。応援や助言、技能「【メカニック】【ハッキング】【破壊工作】」を使った支援をしてくれる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●反抗の旗を掲げよ
 猟兵たちが転移したのは、「黄金の蜂蜜団」の船団が停泊する港だった。

「あんたらが『援軍』ってやつか。話は聞いてるぜ」

 海賊団の副長である男、「アシナガバチのランス」が猟兵たちを出迎え、船へと案内する。

「時間が惜しい、俺たちのお頭は今もあのデカブツの中だ。俺たちはお頭についてここまで来たんだ、こんなところで理不尽にお頭をみすみす失いたくねぇ」

 港には、黄金の蜂蜜団の大艦隊が揃って錨を下ろしている。コルベット艦やフリゲート艦が並ぶ中、目を引くのは巨大なガレオン船を改造した戦列艦だ。旗艦である「セント・ビーハイブ」をはじめとして、「セント・ホーネット」「セント・ワスプ」「グロリアス・クイーンビー」「グロリアス・ファイアビー」の5隻が、その巨躯を休めている。

「あんたらの中にも、あのデカブツと同じようなのを使うやつがいるんだってな。デカブツにはこっちもデカブツをぶつけるってわけか、面白ぇ」

 ランスは不敵に笑うと、不意に沖合を睨みつけた。

「あの機械の化け物、あいつがお頭を攫ってったばかりか、仲間の機械を続々と呼び出しやがったんだ。七大海嘯の邪剣とかほざいてやがるが、俺たちのお頭と、俺たちの海を奴らの好きにさせるわけにはいかねぇ」

 吐き捨てるように言うと、ランスは猟兵たちに向き直り、頭を下げる。

「頼む。俺たちの海を、そしてお頭を、取り戻すために力を貸してくれ……!」

 出港の準備はすでに出来ている。猟兵たちはそれぞれ海賊船に乗り込み、艦長代理のランスの号令と共に、船団は一斉に岸を離れた。

●燃ゆる海に群れなす鉄騎
「見えた! 機械の化け物共だ!」
「くそっ、どれだけいやがる……!」

 洋上で、見張り台の海賊が敵の存在を告げる。戦闘準備を告げる鐘が打ち鳴らされ、海賊たちは一斉に持ち場についた。

『接近中の艦艇に告ぐ』
『現在この海域は七大海嘯の邪剣配下、ヴィーキングの勢力下である』
『直ちに停船し、帰還せよ』

 展開する機動兵器の外部スピーカーから合成音声による警告が放たれた。襲い来る機動兵器を前に、猟兵たちはそれぞれ身構え、戦闘開始に備える。

「野郎どもォ! 俺たちの相手は機械の化け物共だ! 俺たち黄金の蜂蜜団は絶対に負けない! この海賊旗に誓ってな!」

 ランスは皆に叫びながら、セント・ビーハイブのマスト上に掲げられた海賊旗を指し示す。黒地にドクロと交差して飛ぶハチの軌跡が描かれた旗こそが、黄金の蜂蜜団の誇りを示す海賊旗だ。
 その海賊旗の下に集った海賊たちは鬨の声を上げる。戦いへの高揚と、海と長を奪われた怒りが綯い交ぜになった叫びが、船を、海を揺るがした。

「行くぞ、黄金の蜂蜜団! 両舷前進一杯ッ、機械野郎どもをぶっ潰せェ!!」

 大艦隊は海を切り裂かんが如く機動兵器の群れに向かって突っ込んでいく。猟兵達もまた、己の武器を取り、戦いの只中に飛び込んでいくのだった。
エル・カザマ
アドリブと絡み歓迎だよ

うーん、別の世界でキャバリア戦だなんて考えもしなかったよ
まぁあたしたちの世界の所為で余所の世界に迷惑なんてかけたくないから、全力で頑張ろう!

というわけで、エル・カ・ザマ……じゃない、妖精戦士エル・カザマ、シルヴァインで出るよ!
この世界だと殲禍炎剣がないからいいね!シルヴァインの空戦能力を存分に発揮出るよ!
敵が海賊船団を射程に捉える前に、単身突出して高空から急降下して敵機動兵器群に上空から突撃だよ!
昆虫染みた複雑な軌道で高速飛行しながら急降下突撃!これで剣の間合いまで突っ込むよ!敵の射撃なんか避けるか切り払う!
そして剣が届いたら、これが必殺の【サイキック斬り】だぁぁ!


栢山・源治
此処が異世界…すげーな俺
異世界転移しちまったよ
こんなん故郷の娯楽アニメの話と思ってたぜ

しかし海もいいもんだな

こうした船ってのも悪くねぇし…何より珍しい物もいっぱいあるな(ちょっと商売人の意識が高まる

UC即起動
海上すれすれを飛ぶ(故郷の世界の癖

今回は遠慮は無しか
ならば…
【瞬間思考力】で敵の布陣を把握
【限界突破】で更に加速し
【範囲攻撃・重量攻撃・体勢を崩す】
ブラックホールキャノンとコインによる総攻撃で体勢を乱しながら広範囲を蹂躙
破壊しつつ重力で海の底へと沈めてやる

此奴らはどうやらいい商売相手にもなりそうだ
一つここはうちの兵器もしっかりと魅せるとするぜ!

紅月よぉ…キャバリアの威力…見せてやろうぜ!



●異界の鉄騎を駆る(狩る)者たち
「此処が異世界……すげーな俺! 異世界転移しちまったよ。こんなん故郷の娯楽アニメの話と思ってたぜ!」

 初めてのクロムキャバリア以外の世界に足を踏み入れた栢山・源治(自称鬼畜皇帝・f30114)。大海原を帆船が行き交い、海魔が現れ、海賊が大手を振って闊歩する世界、グリードオーシャンは、まさに鉄騎による果てなき戦いの世界であるクロムキャバリア出身の彼にとってはおとぎ話のような世界であった。源治は愛機の紅月を飛ばしながら、周囲を見回して目を輝かせている。帆船やクロムキャバリアではなかなかお目にかかれない海洋資源は源治の商売人魂を疼かせるに足るものだった。

「うーん、別の世界でキャバリア戦だなんて考えもしなかったよ」

 同じく幼い頃からクロムキャバリアで育ち、キャバリア乗りとして活動していたエル・カザマ(妖精戦士・f30078)も、乗機であるサイキックキャバリア「シルヴァイン」で飛行しながら感慨深げに呟く。今回のターゲットであるオブリビオンマシンがクロムキャバリアから如何なる形で流れ着いたのかはわからないが、結果として彼女は今、異界の空を愛機とともに飛ぶ。

「まぁあたしたちの世界の所為で余所の世界に迷惑なんてかけたくないから、全力で頑張ろうか!」
「そうだな、それに此奴らはどうやらいい商売相手にもなりそうだ。オイタをした奴にはお灸を据えるとして、一つここはうちの兵器もしっかりと魅せるとするぜ」

 クロムキャバリア出身の2人には、自分たちの世界の存在が他世界の平和を乱すことに対する責任をしっかりと取らなければ、と考えていた。故に、今回の依頼に対するモチベーションは人一倍高い。

「よぉ! 今回のドンパチはあんたらが切り札だ! 頼んだぜー!」

 セント・ビーハイブの甲板から、副長のランスが大声で呼びかける。2人はそれぞれのキャバリアに手を振るジェスチャーをさせることでその声に応えた。

「切り札と言われちゃあ、滾るってもんだ! 紅月よぉ……キャバリアの威力、見せてやろうぜ!」
「エル・カ・ザマ……じゃない、妖精戦士エル・カザマ、シルヴァインで出るよ!」

 紅月とシルヴァインは低空飛行を続けて機動兵器「マシンハンターズ」が展開する空域の近くまでにじり寄る。次の瞬間、低空飛行を維持する紅月と、急上昇するシルヴァインの二手に分かれた。この世界には高高度を高速飛行する物体を撃ち落とす衛星兵器の存在がない。だからこそ、シルヴァインは高度を一気に取った。

 源治はアンサーヒューマンの得意技である瞬間思考力で敵の布陣を把握する。どこに敵が多く集まっているのかを把握すると、ユーベルコード「オーバーブースト・マキシマイザー」を発動。機体が出力の限界を超えて加速し、ついにはマッハ7の速度で敵が展開する空域に突っ込んでいく。一方高高度へとその身を躍らせたエルは、そのまま一気に急降下してマシンハンターズの只中へと飛び込むと、昆虫を思わせる複雑な軌道のマニューバを披露しながら飛び回る。マシンハンターズは突然の乱入者に即座に反応し、高速機動形態へと変形して追いかけることを試みるが、目にも留まらぬ速さで動く2機のキャバリアを捕捉できない。

 マシンハンターズはドッグファイトを早々に諦め、飽和射撃でシルヴァインを追い詰めようとする。しかしシルヴァインは巧みな機動でこれを避けつつ、卓越した剣術で自機に当たりそうな弾を次々と切り払う。そこへ紅月の機体に随伴するクリーピングコインが次々とマシンハンターズに襲いかかり、徐々にマシンハンターズ側は統制を乱されつつあった。

「さーて、潰れろ!」

 源治の鋭い叫びとともに、紅月のブラックホールキャノンが火を吹き、マシンハンターを1機圧潰させる。それと同時に、シルヴァインは剣を大上段に構えながら、別の個体に向かって突っ込んでいった。

「これが必殺……サイキック斬りだぁぁぁ!!」

 すれ違いざまに袈裟懸けに振り下ろした剣は、敵を一刀両断する。真っ二つになったマシンハンターは、海の上でその骸を爆炎とともに散らすのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。内陸部出身。

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし/わしら 豪快古風
対応武器:黒燭炎(一応)

この世界に来るのは、確か二度目だの。夏休み以来か。
馴染みのない海での戦ではあるが、好ましいと思う海賊団に手を貸すのに問題はない。
もとより『助けられる者を助ける』戦は、『わしら』の誓いであるのでな。

【それは雷のように】で低空飛行しつつ、敵の機動兵器に攻撃を。
弱い雷といえど、機械に雷はご法度と聞いた。少しでも動きが鈍れば上々。
それに、これは敵だけを攻撃する雷でな。味方たちに損害は与えぬ。


マイエ・ヴァナディース
※絡み・アドリブ歓迎

噂の魔神(マシン)が此方にも、とは驚きですわね
ですが青空を思う存分翔けられるこの海ならば
天からの迎撃もなく存分に戦えるというモノ!(ぐっ)
その為にも海賊の皆さんを必ずお頭さんの元へ導きますわ

まずは砲台役として旗艦の前方に陣取る
愛車『シルフェリオン二世』の精鎧形態に飛び乗り
【セイクリッド・トルネード】を起動
展開する【オーラ防御】用結界は全力で広範囲維持
【拠点防御】の要領で船体前方を防護しますのよ

そして雲霞の如き敵機はミサイル・機銃・ドローン…
全ての自律攻撃を逐次開放して迎撃しますわ
代償として暫く攻撃を受け続けますが、女は度胸っ
皆様の奮闘を信じ、限界寸前まで護ってみせましょう!


シルヴィア・スティビウム
まったく、手の込んだ人攫いだこと
リーダーが囚われてしまったのは痛いところだけど、コクピットがあるなら、ひとまずは安心ね
まあ、ひとまずは前哨戦といったところかしら。
足場が心許ないところではあるけど、海上戦闘というのなら、私も友人に頼りましょう
セドナ、私を乗せて。船団に被害が出ないよう、引き付けるわ
相手は格闘戦を挑んでくるようだけれど、それに付き合うのはほどほどにしましょう
格闘は得意じゃないもの。凌げるものは武器受けでお茶を濁しましょう
敢えて飛沫を上げて飛んで頂戴
それを属性攻撃で凍らして、霜と凍結を植え付けていく
そして周囲に展開した【輝ける剣の暴風】なら、鋼の装甲も切り裂けるはずだわ



●二条の風と一筋の雷
「まったく、手の込んだ人攫いだこと」

 此度の事件を、シルヴィア・スティビウム(鈍色の魔術師・f25715)はそう評した。オブリビオンマシンはコクピットに海賊の頭目を捕らえたまま、海域を封鎖し勢力を拡大している。強大な統率者が囚われてしまったのはとても痛い。だが、まだ助けられる余地はあるのだ。

「噂の魔神(マシン)が此方にも、とは驚きですわね」

 一方、マイエ・ヴァナディース(メテオールフロイライン・f24821)は予想外の敵との邂逅に、そんな感想を抱く。クロムキャバリアで繰り広げられている激闘について聞き及んでいた。骸の海の力を得て戦乱を引き起こすオブリビオンマシンと直接見えるのはこれが初めてだ。

「この世界に来るのは、確か二度目だの。夏休み以来か」

 感慨深げに呟くのは馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)。多重人格者である彼だが、現在主導権を握っているのは第三人格の『侵す者』。豪放磊落にして老獪な男だ。義透は夏休みのひとときを過ごす目的で一度グリードオーシャンを訪れていたが、今回は打って変わって本格的な戦闘となる。しかしそこに気負う様子は全く見られない。

「まあ、ひとまずは前哨戦といったところかしら。ここを突破して海賊の頭目を必ず助け出しましょう」
「好ましいと思う海賊団に手を貸すのに問題はない。もとより『助けられる者を助ける』戦は、『わしら』の誓いであるのでな」
「えぇ、その為にも海賊の皆さんを必ずお頭さんの元へ導きますわ」

 3人は言葉を交わして決意を確かめるように頷き合い、それぞれの手段で戦線に赴く。義透はユーベルコードの力で自らの姿を翼の生えた虎に変え、マイエは愛車の魔導バイク「シルフェリオン二世」を聖鎧形態に変形させて乗り込む。シルヴィアは友としている深海の魔物「セドナ」を呼び出し、その上に乗った。

「船団はわたくしが守りますわ」
「うむ、頼むぞマイエ。わしとシルヴィアで前線に出るとするか」
「はい、2人で撹乱しましょう。格闘は得意ではないので、サポートをしてくださるとありがたいです」
「承知した、マイエもそれでよろしいか?」
「えぇ、援護射撃はお任せくださいな。では、参りましょう」

 作戦はここに決まり、シルヴィアと義透は低空飛行でマシンハンターズの只中へと突っ込んでいく。一方、マイエはシルフェリオン二世を船団の前方まで飛行させて、結界を広範囲に展開する。船団本体への攻撃をしっかりと食い止めつつ、固定砲台として突入する2人のサポートをする構えだ。

 シルヴィアはセドナに命じて水飛沫が上がるほどの低空を飛ぶ。そこへ氷の魔術を行使、水飛沫はたちまち凍り始め、あたりには冷気と霜が立ち込める。追いかけようとしたマシンハンターズは凍った飛沫に足を取られて動けなくなる。しかし何機かは氷から逃れて接近戦を仕掛けてきた。この猛攻をシルヴィアは手持ちの光線剣「シェオルの光輝」を使ってなんとか弾く。

「シルヴィア、接近戦は苦手か」
「えぇ、格闘戦は不得手で……」

 見かねた義透が声をかけると、シルヴィアは頷いた。

「ふむ……あちらもかなり厳しそうだ」

 義透は船団を守るシルフェリオン二世に視線を向ける。マイエはミサイルや機銃、ドローンといった自律兵装を続々と展開して援護射撃を始めていたが、流れ弾が徐々にシルフェリオン二世目掛けて飛んでくる。

「女は度胸っ、皆様の奮闘を信じ、限界寸前まで護ってみせましょう!」

 防御結界を維持するために一切動けず被弾を余儀なくされる状況でも、マイエは一人気炎を吐く。シルヴィアとマイエの苦戦ぶりを見て、義透はならば、とその身を躍らせる。

「弱い雷といえど、機械に雷はご法度と聞いた。ならばこれで動きを鈍らせてやろう」

 義透が変じた翼持つ虎は、弱い雷を放つ力を持つ。義透の雷は周囲のマシンハンターズ目掛けて奔り、駆動系や電子回路を続々とショートさせていった。たちまち機能不全に陥り、動きを鈍らせる。

「攻撃の手が鈍った? ……なるほど、義透さんですわね!」

 義透のファインプレーに感謝したマイエは、この機を逃さないとばかりに自律兵装の一斉射を始める。雷で動きの鈍ったマシンハンターズは、シルフェリオン二世の飽和攻撃の前に続々と海中に叩き落されていく。

「義透さんには感謝ですね。これで……鋼の装甲を存分に切り裂ける!」

 シルヴィアは周囲に展開したシェオルの光輝を遠隔操作し、氷や雷で動きを止めたマシンハンターズを次々となで斬りにしていく。
 3人の猟兵の連携は、マシンハンターズの戦力を切り崩し、船団の突破口を作ることに成功したのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ミスタリア・ミスタニア
ほぉ、新世界の主力兵器キャバリアか
最近よく耳にはしてたが初めて実機を見るのがクロムキャバリアって新世界以外になるとはな
まぁ悪くはないんだろうが、やっぱオレには鎧装の方がいい。慣れもあるが、こっちのが小回り効くしな

こいつらは、オレらの故郷由来の兵器か?
ハッ、なら負けてられねぇな!
レトロすぎる船団を先頭に巻き込まないよう、プラズマジェット吹かしてメガビームランチャー撃ちながら突撃だ!
大気圏内だろうが鎧装騎兵舐めんな!宙間戦闘の主力はオレら鎧装騎兵だ、大気圏内だろうがソラでオレらがそう簡単に堕ちるかよ!
敵陣中央に突っ込んで全ビット展開して【アームドビット・アタック】だ!墜ちろやぁぁぁ!



●鎧装騎兵のプライド
「ほぉ、新世界の主力兵器キャバリアか。最近よく耳にはしてたが初めて実機を見るのがクロムキャバリアって新世界以外になるとはな」

 海賊船団の旗艦「セント・ビーハイブ」の甲板上に立つミスタリア・ミスタニア(宇宙を駆ける翠の疾風・f06878)は、今回のターゲットであるオブリビオンマシンについてそんな感慨を抱いた。確かに良い兵器だろうが、自分には合わないな、と思う。鎧装騎兵としては小回りが効く鎧装が身体に馴染んでしまっているからだ。

 目の前には、ミスタリアの出身世界を由来とする兵器である「マシンハンターズ」が展開している。すでに他の猟兵たちが戦端を開いているが、まだまだ数は多い。

「ハッ、なら負けてられねぇな!」

 船団を巻き込むわけにはいかない。ミスタリアは甲板を蹴って飛び立つと、プラズマジェットをを吹かして戦闘空域に積極的に飛び込んでいく。注意を自分に引きつけるためだ。メガビームランチャーを乱射し、次々とマシンハンターをビームに巻き込んで撃墜していく。マシンハンターズも負けじと射撃で応戦するが、ミスタリアは巧みに射撃を掻い潜りながら空域中央を目指して飛び続ける。

「大気圏内だろうが鎧装騎兵舐めんな! 宙間戦闘の主力はオレら鎧装騎兵だ、大気圏内だろうがソラでオレらがそう簡単に堕ちるかよ!」

 それは鎧装騎兵としてのプライドだった。キャバリアや無人の機動兵器がいくら強力と言われようと、宙間戦闘の主力として鎧装騎兵が負けるわけにはいかない。

 やがて空域の中心部に到達すると、自律兵装のアームドビットやダガービット、レーダービットを続々と展開する。

「捉えた、いけっ! アームドビットっ!! 墜ちろやぁぁぁぁぁっ!」

 展開されたビットは空中で複雑なダンスを描きながら、ビームを連射して広範囲のマシンハンターたちを撃墜していく。空中はたちまち、無数のビームと爆風で次々と彩られるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティー・アラベリア
水上戦闘とは、いつもとはまた違った戦闘が楽しめそうで、とっても楽しみです。
しかも人名救助任務とは、博愛と闘争の双方を満たせる素晴らしい依頼です。
精一杯、ご奉公させていただきますね。

・戦闘
戦闘機動機構で空中機動を行い、用途と有効射程の異なる90式、92式、95式、97式魔杖を周囲に浮遊させる形で展開。
前衛は皆様にお任せし、艦隊直掩として行動。
魔導波探信儀で取得した敵位置情報を基に、92式を使用した火力支援を実施。
偵察の邪魔となるドローンは、92式の範囲攻撃と、95式の誘導弾での撃墜を試みます。
前衛を突破した敵については、UCを発動し97式の散弾と零式短魔杖を用いた白兵戦によって排除いたします。


火土金水・明
「相手の数を減らす為に、全力で協力しましょうか。」「海賊船に攻撃が向かわないように、少し離れた所で囮役も兼ねましょう。」
魔法の箒に跨って【空中戦】の技能を使用します。
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【高速詠唱】で【破魔】と【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【サンダーランス】を【範囲攻撃】にして、『マシンハンターズ』達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。


安里・真優
【心境】
クロムキャバリアの兵器ですか。
しかし、アレですね。
クロムキャバリアでは殲禍炎剣があって、グリードオーシャンでは異常気象と自由に飛べない鉄の巨人というのもなんかわびさびを感じます。
気のせいです?気のせいですか…。

【行動】
では、生身の巨人として頑張ります。
行きましょうダコタン、マンボン。
あ、リクガメのカメゴンは船上で留守番ですよ。

私は海上を蒼穹の剣号で『サーフィン』して参戦します。


ダコタンは触腕で『捕獲』してください。
マンボンは火炎放射で『焼却』してください。

私はスターライトの杖先から『魔力溜め』した『全力魔法』で攻撃です。
そう、今必殺のUCの『砲撃』でオブビリオンを押し流します。


幾花・三
海賊団かぁ、ああいう仲の良いのを見ちゃうとやっぱりあたしの居た傭兵団を思い出しちゃうなぁ…
おっと、気持ちを切り替えて仕事しないといけないや。

目標は海上、あたしのこの戦闘機で高速で近づいてユーベルコードのミサイルで攻撃しようっと。
ミサイルも海面スレスレに飛んでいくからあたしも戦闘機で海面スレスレで、海賊船の陰を死角に飛んでみよう。

海賊さん達の被害を抑えるには、海賊さん達に近い目標から破壊することでがんばってみようかな。



●Dogfight
ティー・アラベリア(ご家庭用ミレナリィドール・f30348)、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)の2人は甲板上で離陸の準備を整えていた。幾花・Ξ(最後に笑え・f30562)はジェット戦闘機のパイロットであり、海賊船からの発艦は危険と判断して予め港の道路を野戦滑走路代わりに離陸しており、現在は海賊船の上空に陣取っている。

「水上戦闘とは、いつもとはまた違った戦闘が楽しめそうで、とっても楽しみです。しかも人名救助任務とは、博愛と闘争の双方を満たせる素晴らしい依頼です」

 ティーは今回の依頼に臨むにあたって、今回の依頼をそう評した。

「そ、そうなのね……ともかく、海賊船に被害が行かないように気をつけましょうね。私はΞさんと敵を引きつけるので、艦隊直掩をお願いできます?」
「はい、精一杯ご奉仕させていただきますね」

 一方、Ξは通信越しに安里・真優(巨人の冒険商人・f26177)と雑談に興じている。

「しかし、アレですね。クロムキャバリアでは殲禍炎剣があって、グリードオーシャンでは異常気象と自由に飛べない鉄の巨人というのもなんかわびさびを感じます」
「その割にはキャバリア組の猟兵がすっごく元気だよ」
「もしかして私の気のせいですか……」

 グリードオーシャンの場合、異常気象で空中での遠距離移動が封じられているに過ぎない。高高度の高速戦闘も封じられているクロムキャバリアよりも飛行に関する制限は緩いため、Ξが指し示す先ではキャバリアに乗った猟兵が凄まじい高さからの急降下攻撃を披露していた。
 Ξがふと視線を移すと、後方で猟兵たちの支援をしながら、キャバリアの活躍に時折声援を送る海賊たちが視界に入る。

「海賊団かぁ、ああいう仲の良いのを見ちゃうとやっぱりあたしの居た傭兵団を思い出しちゃうなぁ……」

 寂しげにぽつりと呟く。元々UDCアースにてPMSCsのフィールドオペレーターを勤めていた彼女は、所属していたPMSCsが邪神の手によって全滅した過去を持つ。慕われるリーダーや賑やかな同僚は、かつて自分が失ってしまった日常の象徴だった。

「猟兵だって似たようなものだと思いますよ。皆仲間です」
「……そうだね、ありがとう。さて、気持ちを切り替えて仕事しないといけないや」

 真優に慰められ、Ξは気持ちを切り替えた。今は目の前の敵の殲滅だ。

「私も生身の巨人として頑張りますよ。行きましょうダコタン、マンボン」

 海賊船の横に、真優の仲間である大ダコのダコタンと戦闘マンボウのマンボンが姿を現す。なお、真優にはこの他にリクガメのカメゴンがいるが、海を泳げないため海賊船上で留守番を余儀なくされた。

「おまたせしました」

 離陸を終えたティーと明が合流し、いよいよ彼らも戦端を開く。

 ティーは海上で直掩を担当している。90式、92式、95式、97式魔杖を周囲に浮遊させる形で展開し、防衛姿勢を整えた。彼が展開する魔杖は、それぞれ用途や射程が異なり、幅広い状況に対応可能なのだ。

 一方、明は高度を取り、Ξは低空をそれぞれ飛行する。この分担になったのにはΞの攻撃手段の特性にあった。Ξの愛機XFA-14に搭載されたミサイル「Sea Skimmer」は、対空ミサイルでありながらも目標までを低空で飛ぶという特性があるのだ。

 その横を波に乗って進んでいくのが巨人の真優である。ダコタンとマンボンの2匹を引き連れて、自慢のサーフボード「蒼穹の剣号」でサーフィンをしているのだ。

「間もなく会敵します、戦闘の用意を」

 ティーが魔導波探信儀で取得した敵位置情報を3人に伝達する。

「了解、こちらΞ、エンゲージ」
「ありがとうございます、私も始めましょうか」
「行きますよ、ダコタン、マンボン」

 Ξは出会い頭にSea Skimmerを発射。ミサイルは海面すれすれを飛行したかと思うと突如上昇し目標のマシンハンターズを撃墜する。

「スプラッシュ1」
「ナイスキル。私も負けてられません」

 明はΞの手際の良さを称賛しつつ、自身は箒で複雑なマニューバを描く。対応しようとマシンハンターズたちが動くも、フェイントを織り交ぜた軌道が残像を生み、マシンハンターズは幻惑されていた。

「さて、少しでもダメージを与えて他の皆さんに貢献しませんと」

 明は術式「サンダーランス」を広範囲に放つ。雷の槍の直撃を受けたマシンハンターズは続々と機能を停止して海面に叩きつけられる。

 さらに、海上からは触腕や火炎放射が浴びせられる。ダコタンがマシンハンターズを捕らえて海中に引きずり込み、マンボンが海中から顔を出して火を吹いているのだ。

「どうやらいい感じに集まってきたようですねぇ」

 真優はサーフボード上で上手く身体のバランスを取りながら、自身が用意する術式の狙いを定めている。と、その横を2機のマシンハンターが抜けていった。

「しまった! ティーさん、お願い!」
「お任せください」

 ティーは97式魔杖で散弾を発射しつつ、手に持った零式短魔杖で素早く接近戦を仕掛け、2機をあっという間に片付けてしまう。彼のユーベルコード「奉仕人形式鋭剣術」の特性こそ、相手よりも魔杖を多く展開することで、白兵戦での戦闘能力が向上するというものだった。

 ティーの奮戦により敵は海賊船に近寄れず、Ξのミサイルや明の雷の槍の前に次々と散っていく。そして、真優の術式の準備が整った。

「海よりも深きモノ……水よりもなお尊きモノ……深海の悪夢となりて、敵を討たん。その力は深海の鼓動。かの力は深淵の使者。その力を解き放て」

 真優の持つ短杖、スターライトから放たれたのはサメの形をした魔力弾の群れである。サメ型魔力弾は次々と残ったマシンハンターズに襲いかかり、マシンハンターズは食い破られるように空中でその身を散華させていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『オブリビオンマシン『ヴィーキング』』

POW   :    試練を与えよう。その勇気は如何ほどか。
対象への質問と共に、【自身の体】から【相手と同等の背丈を持つ自身の似姿】を召喚する。満足な答えを得るまで、相手と同等の背丈を持つ自身の似姿は対象を【ヴィーキングが持っていた超高熱の斧】で攻撃する。
SPD   :    試練を与えよう。搭乗者としての適正は如何ほどか。
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【似姿を召喚し、その似姿】から【光学迷彩を使用した特攻技】を放つ。
WIZ   :    試練を与えよう。その実力は如何ほどか。
【超高熱の斧と遠距離攻撃をはじき返す装甲】で武装した【自身の似姿】の幽霊をレベル×5体乗せた【キャヴァリア専用整備工場】を召喚する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はクリスタル・ファイアヘッズです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●立ちはだかる海賊鉄騎
『我が名はヴィーキング。七大海嘯「邪剣」の配下にして試練を与える者なり』

 中央突破を図った先、ヴィーキングは待ち構えていた。

『我は乗り手に試練を与え、対峙する敵に試練を与える。この試練を通して我に相応しい闘争が繰り広げられることを期待する』
「うるせぇ! 俺たちのお頭を返しやがれ、このメカ野郎が!」

 ヴィーキングの声に大音声で言い返すランス。その時、猟兵たちが通信手段として使用している無線の回線に、割り込む音声があった。

「……ザ、ザ……こえるか……ランス……いつの弱点……」

 この声は、パイロットのものだろうか? まともに戦っても勝ち目は薄いヴィーキングだが、パイロットとして取り込まれてしまっているスティングに話を聞くことができれば、弱点を突いてこのオブリビオンマシンを攻略することができるかもしれない。

 猟兵たちはそれぞれ作戦を立て始めた。
エル・カザマ
アドリブと絡み歓迎だよ

こいつがこの世界に墜ちたキャバリアかぁ
これ、乗り手……パイロットというか、単なる生体ユニット……動く為に必要な部品ぐらいの扱いしかしてないよね?
悪質なオブリビオンマシンだなぁ!
とにかく、お頭さんの話を聞く為にも一度動きを止めないとね!

分身したぁ!?
あたしの勇気は如何ほどって、お前に背を向けて本体に突っ込めるぐらいかな!
シルヴァインの飛行速度を舐めるなぁ!と分身体を振り切る勢いで本物を目指すよ
それでも追いつかれた剣で斧と切り結ぶけど
あぁ!もう!勇気は如何ほどって繰り返して!なら【ハイパー化】するのも恐れないぐらいだよ!
何倍にも巨大化してヴィーキングを掴んで動けなくするよ!



●鉄騎の試練
「こいつがこの世界に墜ちたキャバリアかぁ」

 エルは目の前に現れたオブリビオンマシン、ヴィーキングを観察していた。パイロットの意思とは無関係に言葉を発する機体、その口調や言動に嫌悪感を覚える。

「これ、乗り手……パイロットというか、単なる生体ユニット……動く為に必要な部品ぐらいの扱いしかしてないよね? 悪質なオブリビオンマシンだなぁ!」

 パイロットとして取り込まれている海賊は必死の抵抗を続けている。ともかく、まずは目の前のオブリビオンマシンの動きを止めることを考えよう、と行動方針を決定した矢先、ヴィーキングは想定外の行動に出た。

『試練を与えよう。汝の勇気は如何ほどか』
「ぶ、分身したぁ!?」

 なんと、問いかけの言葉を発すると同時にヴィーキングの分身が現れたのだ。グリモア猟兵の言っていた「まともに戦えば勝ち目が薄い」とはこういうことか、と冷や汗を流す。分身体は両手の斧を構えてエルの搭乗機であるシルヴァインを両断しようと急接近を始める。

「あたしの勇気は如何ほどって、お前に背を向けて本体に突っ込めるぐらいかな!
シルヴァインの飛行速度を舐めるなぁ!」

 シルヴァインは斧の連撃を掻い潜り、分身体ヴィーキングを振り切る勢いで本体のヴィーキングを目指す。

『我が問いに答えよ、汝の勇気は如何ほどか』
「あぁ! もう! 勇気は如何ほどって繰り返して! 速度で突っ込むだけじゃ不十分ってこと!? ならハイパー化するのも恐れないぐらいだよ!」

 エルはなおもしつこく追いすがってくる分身体を煩わしく思い、手早く片付けて本体を抑えるべくサイキック力を過剰にシルヴァインに供給する。許容量を超えたサイキック力を受けたシルヴァインはその体躯を一気に巨大化させた。シルヴァインが備える奥の手、ハイパー化だ。代償としてシルヴァインのフレームの劣化が早まる危険な技だが、今のエルにとって背に腹は代えられない。

『見事な勇気、天晴な力。それでこそ我が闘争相手に相応しい』
「うるっさい! いいから大人しくしなさい!」

 分身体を払い除けつつ、本体をその手で捕らえにかかる。ヴィーキングもただではやられまいと斧を手に斬りかかる。

 鉄騎の巨躯がぶつかり合う様は、まるで神話に描かれる神々の戦いのようであり、目撃したものはその光景に奇妙な神々しさを垣間見るほどであった。こうして、後に「鉄騎海域の戦い」と近海の海賊たちに口伝される、オブリビオンマシンと猟兵の戦いが幕を開けたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

幾花・三
おお~っ、こんどはなんだか強そうなキャバリアが現れましたね~。
それに通信が…? これは中に乗っているっていう海賊団長さんでしょうか、何かこのキャバリアについて知っていることも多そうですしぃ、通信によく耳を傾けてあのキャバリアの弱点を教えていただきましょ~。
もちろんただ情報を聞き出すのを待つだけだと危ないんでえ、動きを止めるためにユーベルコードの近接信管式の航空爆弾を投下してあのキャバリアの上空で爆発させて、乗っている海賊団長さんにあまり被害を与えないように爆風の衝撃で動きを止めてみようっかな~。と思いま~す。


ティー・アラベリア
海賊らしく白兵戦をご所望ですか?
素晴らしい!艦隊の護衛で些か殺意を浴び足りていないのです☆
適度に敵と切り結んで欲求不満を解消しつつ、囚われの頭目様に配下の皆様の勇姿と声を届けて差し上げましょう。
ボク達猟兵や部下の皆さんだけで闘争を楽しむのは不公平と言うものです。
是非頭目様もご招待して差し上げましょう♪

・戦闘
零式鋭剣型短魔杖と97式魔杖を使用した白兵戦を演じつつ、躯体内蔵型指揮通信機構を使用してオブリビオンマシン内と海賊船との間に通信を確立させます。
部下達が戦う様子や声を頭目に共有しつつ、奮起を促します。
その後は敵機体の弱点を聞き出し、最適な魔杖を使用してオブリビオンマシンの無力化を実施します。



●頭目からの通信
「おお~っ、こんどはなんだか強そうなキャバリアが現れましたね~」

 Ξは目の前に現れたヴィーキングを見てぱちくりと眼を瞬かせる。武装という点では両手に斧を持つだけだが、オブリビオンマシンは予想外の攻撃を仕掛けることもあり、油断はできない。

「素晴らしい!艦隊の護衛で些か殺意を浴び足りていないのです☆」

 一方、護衛戦闘で欲求不満気味だったティーはヴィーキングの威容と言動に満足げな笑みを見せる。まずは零式鋭剣型短魔杖と97式魔杖を駆使した白兵戦を仕掛け、斧と魔杖で切り結ぶが、次の瞬間ヴィーキングはティーに向けて問を投げる。

『試練を与えよう。その実力は如何ほどか』

 次の瞬間、ヴィーキングの似姿をもつ幽霊が大量に出現し、ティーは一瞬で取り囲まれてしまう。

「……!? 油断しましたかっ!?」

 驚きのあまり忙しなく周囲を見回すティー。だが、その時ティーが使用する回線からΞの声が聞こえてきた。

「こちらΞ(クシ―)、これより目標に曳下射撃を行う。衝撃に注意されたし」

 幾ばくかの間を置いて爆発が巻き起こる。近接信管式の航空爆弾がΞの乗る戦闘機から投下されたのだ。Ξの攻撃で間一髪逃れつつ、射撃戦を繰り返して距離を取る。

「……やはり弱点が必要でしょうか」
「待って……周波数を調整すればあるいは……」

 Ξが無線機のダイヤルを回すと、雑音混じりの頭目の声がはっきりと聞こえ始めた。

『聞こえるか、ランス……いや、誰でもいい! 聞いてくれ! こちらはスティングだ! こいつの弱点がわかったんだ!』
「スティング、聞こえますか、こちらはΞです。黄金の蜂蜜団の頭目、スティングで間違いありませんね」

 慌てて無線に向かって呼びかけるΞ。応答したことで、スティングが息を呑む音が聞こえる。

『……応答? あぁ、そうだ! これからこいつの弱点を教える! とは言ってもそんなに難しいことじゃないがな』
「……どういうことですか? そう言えばこの機体、さっきから試練と称して問いかけを続けていますけど」
『そう、その問いかけ1つにつき、こちらからも問いかけを1つ返してやるんだ。そうすればこいつは問いに応えるために動きが一瞬止まる……つまりスキが出来る。俺はこいつを利用してこのメカ野郎が仕掛けてくる洗脳に耐えてるってわけさ』
「なるほど……」

 この話はすぐさま他の猟兵たちに伝えられた。問いかけに応えるのではなく、こちらから問いかけを返してしまえば、隙ができる。そこを突いて戦うのだ。

 一方、ティーは躯体内蔵型指揮通信機構を使用してオブリビオンマシン内と海賊船との間に通信を確立させる。これで頭目と部下たちの間で会話ができるようになった。

『お頭! 俺です、ランスです!』
『ランス! すまねぇな、俺が不甲斐ねぇばっかりに』
『もうすぐの辛抱です、必ず助け出しますから!』
『わかった、俺だって海賊の端くれだ、もう少しだけ耐えてみせるぜ!』

 部下たちの声を聞いて、スティングも奮起したようだ。難攻不落の巨人、ヴィーキング。その突破口はここに開いたのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

安里・真優
う~ん。どーしましょう。

とりあえず、『釣り』の要領で糸を巻き付け、ダコタンの触腕で『捕縛』して動きを封じた隙にコックピットのランスさんに大声で呼びかけてみます。
『取引』の要領で手早く要点を絞って『情報収集』です

えーっと、たぶんこれでいいかな。
ダコタンありがとう。
あとはカメゴンと一緒に船団の護衛に……腕…再生するといいね。

では、船団を守る意味でも全力で行きます。

本邦初公開も海象魔法を使います。
安全のため60秒の短時間ですが防御力を抜けるはず…
『属性攻撃』『全力魔法』『スナイパー』『砲撃』=魔法ライジングダイブレイカー。
先ほど聞きつけた弱点と思われる部位を狙い打ちます。



アドリブや連携歓迎です。


シルヴィア・スティビウム
さて、この状況でどうやって戦ってみようかしらね
あれを破壊するよりも、中のお頭さんを救出が優先だけれど……単純な体格差をどう攻略すべきかしら……かしらだけに。

話を聞こうにも、少々通信状況が悪いみたいね
……障害があるなら、排除するだけだわ
身体の負担が大きいけれど、銀色の闇を展開する……
私の領域の中で、全ての障壁は無意味になる
これでパイロットブロックも破れればいいけれど、さすがにそこまで無防備ではないでしょう
あとは……身体が、動く限り……砲剣に魔術を込めて、戦うのみ……
誰かが通信を聞いて、活路を開いてくれればいい……私が捨て石になろうとも。



●反撃開始
『試練を与えよう。その実力は如何ほどか』
「分身体はダコタンに対するものですか?」

 情報を聞いた真優は問いかけに対して即座に問いかけを返す。すると一瞬ヴィーキングの動きが止まってしまった。

「おぉー。確かに止まりました。ダコタン、よろしく」

 隙を突いたダコタンが繰り出した触腕による拘束攻撃がヴィーキングに襲いかかる。ヴィーキングはもがいて拘束を脱出しようとするが、ギギ、と軋む音を立てるだけであった。結局、手の斧で触手の一部を切り裂いて脱出には成功したものの、フレーム構造にかなりのダメージが与えられた。

「意外と問いかけは何でもありなんですかね」
「何でもありでしょうね……次は私が」

 ダコタンが傷を癒やすべく海賊船に戻っていく中、入れ替わるように現れたのはシルヴィアである。

『試練を与えよう。その実力は如何ほどか』
「貴方と戦ってお頭さんを助ける上で、単純な体格差をどう攻略すべきかしら? ……かしらだけに」

 海の上に一陣の風が吹き、敵も味方もしばしシルヴィアを見つめて沈黙した。コホン、とシルヴィアは咳払いをする。

「とは言え、まずは大ダメージを与えないといけないわね。私が障壁を無力化させるから、強烈な一撃をお願いできるかしら」
「あ、でしたら本邦初公開の海象魔法を使いますよ。この合わせ技で骨抜きに出来ますから、そこを一気に撃ち抜きます」
「お願いね。コックピットブロックの摘出まで持っていきましょう」

 真優の海象魔法「サルガッソウ」とシルヴィアの影から飛び出す「狂える銀色の闇」の同時展開で、ヴィーキングは防御手段をすべて失う。その間に真優が短杖から放つ必殺の砲撃、魔法ライジングダイブレイカーの連射がヴィーキングに襲いかかり、コクピットブロックの周囲を綺麗にくり抜く。

「これが限界かしらね」

 しかし、撃破までは至らない。コクピットブロックをシルヴィアがキャッチした所で、2人の術式は解除された。これ以上の展開は命に関わるため、シルヴィアと真優は一度撤退してコクピットブロックを船団に運び込む。しかし、ヴィーキングはコクピットを失ってなお動いていた。戦いは大詰めへともつれ込む。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。
引き続き『侵す者』で、虎のまま。

ははは、よう言うたわ。まことに好ましい。
ふむ、弱点を聞き出して突くには…撹乱も必要であろう。ゆえに、わしは高速飛行での撹乱に入る。
…あれよな、真夏の蚊みたいなもんじゃ。
打撃と雷撃が必要なら、それにも加わるか。

勇気は人によって違う。わしにとっては敵の間合いに踏み込むことかの。
その斧の間合いに立ち入ることの、なんと勇気のいることか。
だがの、必要であればわしはそうする。…ああ、他の三人の同意もとれた、これは『四人の総意』である。


マイエ・ヴァナディース
※絡み・アドリブ歓迎

噂の魔神、まさに鋼の海賊ですわ
ただ推進機も少ない為か声は結構届く様で
でも矢弾は…なら、おいでなさい、アム!

「はい。不肖アム、此方に」

専属メイドのアムが魔導巨人姿で発艦
更に精鎧形態の愛車と合体
擬似キャバリア【アム・パラディンワーカー】構築!

些か小兵ですが却って好都合ですの
【空中戦】から急降下、魔神の懐に飛び込み
四肢の『聖剣』で斧を凌ぎつつ強く叫びます

「ランスさん、お頭さんが弱点を抑えた様ですわ!もっと呼びかけを!」

無線も使いますが
声が届くなら間近で【聞き耳】を併用すれば確実
更に海賊さんの呼びかけも【鼓舞】し易い筈

お頭さん発の弱点は直ちに共有
わたくしも光の巨槍で一点を攻めます!


ミスタリア・ミスタニア
アドリブ・絡み歓迎

ハッ!こいつがキャバリア、オブリビオンマシンってやつか!
帝国軍にもこういう人型兵器はあったな。ふん、兵器の本分を逸脱してるコイツに比べりゃ、まだ帝国の兵器群のがマシだな
まぁいいさ、オレのやることは変わりゃしねぇ。テメェをスクラップにして中のパイロットを助けるだけだ!

オレら鎧装騎兵を舐めんじゃねぇ!
光学迷彩だぁ!?んなもん、せめてレーダー無効にしてからやるんだな!宙間戦前提の鎧装の索敵能力侮るんじゃねぇぞ
プラズマジェット吹かして【高速狙撃戦闘】だ!
高速戦闘中に似姿も本体も正確に手足撃ち抜いてダルマにしてやる!
オレがテメェなんぞの搭乗者になるものかよ、オレは鎧装騎兵なんだぞ!



●鉄騎の最期
『試練を与えよう、その勇気は如何ほどか』

 コクピットブロックを失い、バチバチと各所からアーク電流や火花を散らして痛々しい姿を晒すヴィーキング。それでもまだ、執念深く動き続けている。

「ははは、よう言うたわ。まことに好ましい」

 ヴィーキングを前に、翼持つ虎──義透は豪快に笑う。ヴィーキングが迫る中、義透は余裕たっぷりといった様子だ。

「勇気は人によって違う。わしにとっては敵の間合いに踏み込むことかの。その斧の間合いに立ち入ることの、なんと勇気のいることか」

 だが、と義透は続ける。

「だがの、必要であればわしはそうする。……ああ、他の三人の同意もとれた、これは『四人の総意』である──そして、その勇気を持つものはわしだけではないようだ」

 義透がふと上を見れば、そこには翠の輝き。

「おいでなさい、アム!」
「はい。不肖アム、此方に」

 マイエの専属メイドであるアムが魔導巨人姿で海賊船から飛び立ち、精鎧形態の愛車シルフェリオンと合体。この形態こそ、マイエ・ヴァナディースが誇る擬似キャバリア【アム・パラディンワーカー】。マイエは翠の巨神を操り、空中からヴィーキング目掛けて飛び込んでいく。

『下半身、具体的には腰のあたりを狙え! そこがこいつの心臓部だ!』

 明瞭になった無線でスティングが呼びかける。

「じゃあオレもトドメと行くかぁ! 兵器の本分を逸脱してるコイツに比べりゃ、まだ帝国の兵器群のがマシだな!」

 その言葉を聞いて飛び出す鎧装騎兵ミスタリア。ヴィーキングは上下からの挟み撃ちから逃れようと、光学迷彩を起動する。だが、それも無駄な足掻きであった。

「オレら鎧装騎兵を舐めんじゃねぇ! 光学迷彩だぁ!? んなもん、せめてレーダー無効にしてからやるんだな! 宙間戦前提の鎧装の索敵能力侮るんじゃねぇぞ!」

 すでにミスタリアは見切っていた。加えて、義透が電撃を浴びせることで、動きを封じてしまっている。もはや、逃れるすべはない。光の槍を展開するアムに、ビームランチャーを構えてヴィーキングを狙うミスタリア。すでにヴィーキングは詰んでいた。

『見事なり。見事我が試練を突破した。だが最終試練はまだ残っている。島に無人の工場を設置している。我はそこから再び蘇るであろう。我を止めたくば邪剣の海賊旗のメガリスが力を与えた無人工場を破壊せよ。それこそが最終試練なり』

 ヴィーキングはノイズ混じりの声で、その場にいる全ての者へと「最終試練」の内容を届けた。次の瞬間、ミスタリアのビームランチャーが四肢を吹き飛ばし、マイエが操る翠の巨神アムが光の槍で腰部を貫いた。ヴィーキングは空中で大爆発を起こし、その身を散らして骸の海へと還る。

 ここに、鉄騎海域の戦いは一応の終わりを見た。しかし、まだ油断はできない。無人工場が島のどこかに存在し、メガリスの力で稼働し続けているというのだ。これを放置すれば第二第三のヴィーキングが現れかねない。

 最終試練が、幕を開ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 冒険 『戦渦の島で』

POW   :    敵の拠点を正面から叩き潰す

SPD   :    ゲリラ戦で敵を恐怖させる

WIZ   :    難民の救助に回る

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●スティングの依頼
 オブリビオンマシン、ヴィーキングは撃破され、黄金の蜂蜜団の頭目・スズメバチのスティングは救出された。しかし、無人兵器のプラントが黄金の蜂蜜団が根城にしている島のどこかに残されている。付近を航行する船は無人兵器によって被害を受けており、商船や他の小規模な海賊船が攻撃を受け、生き残りが島に漂着するケースも増えているというのだ。

「どうにも変だと思ったんだ。ここ最近難破する船が多くなってきている。ご丁寧にもあのメカ野郎、その原因について教えてくれたところだ。おそらく、邪剣の海賊旗ってやつもそこに残されてるな」

 コクピットブロックから助け出されたスティングは当初こそ消耗していた様子だったが、島へと戻る頃にはすっかり回復していた。
 そんなスティングは集まった猟兵たちに「もうひとつ頼みがあるんだ」と語る。

「無人兵器を生み出す工場を見つけ出してぶっ潰す……これをしない限り、このあたりの海に平穏は訪れねぇ。頼む、工場探しを手伝ってくれねぇか……あんたらには迷惑かけっぱなしで本当に申し訳ないがな」

 スティングは猟兵たちに頭を下げる。頭目のその様子を見て、ランスを始めとする部下たちも一斉に頭を下げた。

 島の平穏のためにも、工場を探し出して破壊しなければならない。また、残存する無人兵器も叩く必要があるだろう。島の地理に詳しい海賊と協力して工場を探し、海賊旗のメガリスもろとも破壊する。それが鉄騎海域の戦いを終わらせる條件だった。
マイエ・ヴァナディース
※絡み・アドリブ歓迎
※他者のタンデム同乗可

お頭さんが無事で何よりですわ
依頼には引き続きメイドのアムも帯同します

尤も今のわたくし達は【アム・シルフィードランナー】で
気ままに大洋の蒼空を翔ける機動武器庫形態です
ふふっ、やはり自由な空は最高ですわぁ♪

『お嬢様、楽しんでおられませんか…?』

い、いえっ?上空の利を活かして、
被害者の救助や工場・残敵を探る役目、
決して忘れてはおりませんわよ?

『…不肖アム、承知しました』

と、いうわけでっ!基本的には斥候役ですのっ!
海賊さんの情報を元に工場を見つけ出し皆さんと情報を共有
誘導ビームやミサイルで強襲【爆撃】もしますが
万一被害者がいれば降下して【救助活動】を試みますわ


エル・カザマ
アドリブと絡み歓迎だよ

最終試練で無人工場?
え、まさかプラントじゃないよね!?
い、いやいや、まさか……邪剣の海賊旗っていうメガリスによって疑似プラントになってるだけだよね?
……本当にプラントならクロムキャバリアに持って帰りたいぐらいだし

とにかく、あたしはシルヴァインで上空から工場とメガリスを探すよ
工場設営できそうな場所を海賊さん達に聞いておいて、その辺りを重点的にね
工場なら上から見れば分かるはずだし……分かるよね?地下工場とかじゃないよね?
ま、まぁ工場近くにはきっと残存戦力も集まってるだろうし、それを目印にしても……
無人兵器を見つけたら、必殺の【サイキック斬り】で斬り捨てていくよ!


ティー・アラベリア
敵の首魁は無事討伐できたようで、喜ばしゅうございます。
とはいえ、まだ災厄の種は残っているご様子。
島のお掃除と参りましょうか。

地形情報とプラントの反応は、魔導波探信儀によってある程度把握できるかと存じます。
ただ、プラントが地下にあった場合、そこに続く水路や洞穴の情報などは現地の方々に頼ったほうがよろしいでしょうね。
斥候妖精を前方に放って警戒させ、中近距離に対応可能な95式魔杖と近接防御妖精を展開して皆様を護衛しつつ、プラント探しと参りましょう。

ご要望とあらば、ハイキングのお供に軽食もご用意させていただきます。
なにしろ、ボクはご家庭用人形ですので。


シルヴィア・スティビウム
工場探しね……敵機の残骸が残っていれば、出所を探れるかもしれない……
残骸は海の中……セドナ、少し探ってきてくれるかしら。
セドナはもともと深海の生物。いくらか手がかりを持ってきてくれるかもしれない
徒労に終わってもいいように、コクピットブロックからも情報を洗ってみましょう。
【世界知識】私のマウレファから情報を参照。
物質に残留する記憶を辿る探知魔法を使用して、出所を探りましょう
まあ気休めに過ぎないでしょうから道案内は海賊さんに手助け願いましょうか
さて、無人兵器とやらも指をくわえて迎えるわけではないはず
攻撃の準備は探索中から行っておきましょう


安里・真優
ふう、オブリビオンマシン…強敵でしたね。


ずっと船の上で留守番だったので暇だったでしょう、一緒に行きましょうカメゴン。
ダコタン達は…あれ?マンボンが戦闘で千切れたダコタンの触腕を焼いて…ああ、島の人たちへの『救助活動』の食料提供ですか…。

……
………逃げてー。ダコタン。超逃げてー。


はぁはぁ…えーっととりあえず工場の破壊行きましょう。
念入りに『偵察』して『情報収集』。工場の位置は既に分かってます。たぶんココです。
カメゴンは『ブレス攻撃』で援護を
私は<原初の巨人>を使用します。じょわッ!!

工場地に向かって巨大エネルギーボルト(魔力溜め+全力魔法)です。
こんなものなくても、人はいけていますから!!


馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。
引き続き『侵す者』
武器持ち替え:灰遠雷

(海賊団に対する好感度が高い)
はは、頼れ頼れ。頼れるものには頼れ!
もとより最後まで付き合うつもりだからの。

島内探索ということは、小回りきいた方がよい。
だが、雷も使えた方がよいならこれ(武器とUC)なのよな。
ふむ…今まで気づかれていなかった、ということは…あまり島民が近づかんところか?
そのような場所はあるだろうか?

無人兵器を見かけたら、早業での先制雷属性攻撃を。機械に雷はご法度であろ?
数を揃えても、四天境地・雷で対処できるしの。
数がある、ということはその工場も近そうだしの。


幾花・三
むむむ、最後まであのキャバリアの試練に振り回されるのはシャクですけど、放っておくわけにもいけませんね~。

探しものなら空から探すのも有効でしょう。木々や山に隠されて直接は発見できないかもしれませんが、島の全景を確認できるだけでも他の猟兵の皆さんの捜索の助けにはきっとなるはずでしょ~。

飛んで、島の全景を確認して、工場があれば他の猟兵さんに連絡。
工場が見つからなければ、島のどこに森があるとか山があるとか景色を伝えます。


ミスタリア・ミスタニア
無人兵器を生産する自動で工場か、そりゃぶっ潰すしかねぇな
さて島の地理を聞いたら、場所を割り出さねぇとな
キャバリアを生産できるってんなら、工場の規模はそれなりだろ
まさか小屋みてぇな工場でキャバリア生産できるとも思えねぇしな
地上じゃなく地下とかにあったら面倒だが、まぁなんとかするか
レーダービットも飛ばして上空から探すぜ
工場が稼働してるなら電波や熱源、音に振動等が手掛かりになるだろ、鎧装の能力生かして探すぜ
おそらく護衛の無人兵器もいるだろうから、そっちから探してもいいしな
工場が見つかれば上空から【メガビームランチャー・オーバードライブ】をぶっ放して工場を消し飛ばしてやるよ。例え地下工場だろうが一発だ



「はは、頼れ頼れ。頼れるものには頼れ! もとより最後まで付き合うつもりだからの」

 義透は豪快に笑って協力要請を快諾する。

「そう言ってくれると本当に嬉しいぜ、義透のオジキ。全力で頼らせてもらう」
「うむ、そうと決まれば早速捜索を始めるとしよう!」

 副長のランスと義透はいつの間にやらすっかり意気投合しており、「義透のオジキ」「ランスの坊主」と呼び合う間柄になっていた。

「で、だ。どこから手を付ける?」

 スティングは島の地図を広げた。現在船団は港へと戻っている。この港は島の南端にあり、そこそこ大きな港町を形成していた。港町の真ん中には川が流れており、この川を遡れば港町の北に広がる田園地帯を抜け、森林で覆われた山間部の水源に至る。この山は島の中央に聳え立っており、森林地帯は山の中腹までを覆っている。山の頂上付近には万年雪が降り積もっている。この島は山を中心として地形が形成されており、島の南部の港町のほか、東部には島を統治する政府の行政機関や議会と言った施設があり、西部には森林地帯で狩りを行う猟師たちの集落がある。北部には人は住んでいないが、かつてこの島が他世界から落下してきた痕跡として市街地の残骸が残されていた。

「ふむ……今まで気づかれていなかった、ということは……あまり島民が近づかんところか? そのような場所はあるだろうか」

 義透は地図を見て考え込む。その視線は森林地帯や北部の市街地の残骸に向けられていた。

「お察しの通り、島の北の残骸……俺たちは『遺跡』と呼んでるが、ここに何かがあるかもしれない。普段は特に用もないから島民も近寄ることすらないしな。森林地帯も西部に住む猟師以外はあまり立ち入ることがない。後は山だな……頂上まで登ったやつというのは聞いたことがない」

 スティングは地図上の3点を指差した。北部の遺跡、山腹から裾野にかけて広がる森林地帯、そして山頂付近。この3つの地点を重点的に調べれば何か出てくるだろう、というのがスティングの見解だ。

「探しものなら空から探すのが有効でしょう。地下に埋まっていたらお手上げですけど、正確な地形を把握したり、何か妙なものが見つかれば皆さんにお伝えできますし」
「工場近くにはきっと残存戦力も集まってるだろうし、それを目印にしてもいいよね」

 Ξとエルは空からの探索を提案。Ξには戦闘機XFA-14が、エルにはシルヴァインがある。空からの探索はお手の物だった。

「あ、それならわたくしも空からの斥候役を担当いたしますわ」
「よっし、オレも空から探す。工場の規模はそれなりだろ? まさか小屋みてぇな工場でキャバリア生産できるとも思えねぇしな地上じゃなく地下とかにあったら面倒だが、まぁなんとかするか。レーダービットも飛ばしておくぜ」

 マイエとミスタリアも空からの探索に同意。空中の探索はこの4人に任せることとなった。とりわけ、キャバリア乗りのエルとミスタリア、歩行戦車を操るマイエは地上に降りて探索することも可能だ。基本的にΞが空からの探索を行い、何か怪しいものを見つけたらマイエとエル、ミスタリアがそれぞれ地上に降りて精査する、ということで話がまとまる。

 一方、地下に埋まっていることを鑑みて、海賊たちと共に義透とティーが地上を探索。ティーが持つ魔導波探信儀で大まかな位置を特定し、無人機の襲撃があれば義透が中心になって対応することになる。

「敵機の残骸が残っていれば、出所を探れるかもしれない……」
「派手に爆散してたけど残ってるかなぁ」

 シルヴィアは残骸のサルベージを提案する。残骸に残っている情報を読み取って手がかりを得るというものだ。現状、手元にあるのはコクピットブロックで、残りの部位は先の戦闘で爆散して海の藻屑となっている。撃破時の様子を見ていたエルは残骸が残っているかどうかの指摘をする。

「うーん、真優のマンボンとダコタンに海中探索をお願いするかなぁ」
「あー、それがですね」

 エルが真優に話を振るが、真優は首を振った。近くの海上では先の戦闘で切れてしまったマンボンの足をダコタンが火を吹いて炙り、食料にしているところだった。当のダコタン本人はそんなマンボンを怯えたような目で見ている。

「ダコタンは負傷してしまったのでお休み、マンボンは機動兵器の被害を受けた船の乗組員や島の人達に食料提供をしたいとのことで」

 真優はダコタン逃げて、と心のなかで祈りつつ、ごめんなさい、と頭を下げる。

「そんなわけで、海中の探索にはお力になれそうにもないです。その代わり、カメゴンと陸上の探索にお供しますね。工場を見つけたら私達で破壊できますし」

 巨大な亀のカメゴンと、巨人である自分ならば工場を破壊することもたやすい、と真優は請け負う。

「あぁ、大丈夫よ。セドナも水中活動はできるから。残骸探索はセドナに任せて頂戴」
「それなら残骸はおまかせしますわね」

 ひとまず、割り振りはこれで固まり、捜索活動が開始された。

●空中組
「島の全景はこうなっているのか……」

 Ξは上空から島を見下ろす。中央の山から裾野にかけて広がる森林地帯に、北部の遺跡群。一見するとUDCアースやヒーローズアースのものにも見えるが、どこか未来的な意匠からキマイラフューチャーやスペースシップワールド、クロムキャバリアなどの都市にも見える。

「森の方はざっと調べたが、特に何も見当たらないな」
「山も特に怪しいのは見当たらなかったなぁ」

 ミスタリアとエルはそれぞれ低空を飛び回りながら、手分けして探すがとくに成果は挙げられなかった。

 一方、島の北側をビルの間を縫うようにして探索していたのはマイエだ。

「ふふっ、やはり自由な空は最高ですわぁ♪」
『お嬢様、楽しんでおられませんか……?』

 すいすいと空を上機嫌で飛ぶマイエに、メイドの人格を持つゴーレムのアムが鋭く指摘する。

「い、いえ! もちろん探索はきっちりしますわ! ……あら?」

 ぶんぶん、と頭を振った所でマイエはふと気づいた。

『どうされました?』
「アム、あのビルの奥側に何か見えませんこと?」

 アムと2人で目を凝らすと、廃墟となったビルの奥側に巨大な敷地を持つ工場のような建物が目に入った。

「あれかしら……?」

 すぐさま他の空中探索組に報告すると、3人が飛んでくる。

「確かに怪しいですねぇ。この都市がもともとどこの世界のものかはわからないけど、ビル街のど真ん中に工場を建てるなんてよっぽどカオスな都市計画ですよぉ」
「あぁ。見た所この都市の残骸、なんかオフィス街っぽかったしな。そんなところに工場を建てるなんて普通はありえない。この工場、後から建てられたものじゃねぇか……?」
「地上組に連絡しましょう!」

 北部の廃墟に佇む工場の情報は、地上組に即座に伝えられた。

●分析班
 一方、シルヴィアは深海の魔物であるセドナが持ち帰った残骸を何名かの海賊とともに調査していた。基本的には海賊が残骸を検めて何か奇妙な点がないかを見つつ、シルヴィアが物体の記憶を読み取る能力で出どころを探る。データベースと言えるほどの星の情報が詰まった銀の石マウレファから必要に応じて情報を引き出すことにした。

「……この斧、他と材質違うっすね。他はなんか妙な合金使ってますけど、これだけ鉄っぽいです」
「鉄?」

 シルヴィアはマウレファの助けを受けながら、斧とそれ以外の残骸の材質を確認した。本体と思われる残骸はチタン合金が使われていたが、斧に関しては紛れもなくただの鉄だったのだ。そして、この鉄の出どころについてシルヴィアが記憶の読み取り調査をすると、興味深いことがわかった。なんと、北の廃墟群が出どころだという。
 シルヴィアは口の中でビンゴ、と呟いた。北のビル群に使用されている鉄骨や鉄筋コンクリートなどから鉄を持ってきて、この斧の材料にしたのだ。

 シルヴィアは連絡用の無線機を掴むと、皆に連絡を取る。

「シルヴィアよ。皆聞いて。兵器生産プラントは空中組が見つけた北部の廃墟にある工場で間違いないわ。兵器の材料の出どころが北の廃墟群から持ってきていることが判明したの。島の北側の廃墟に向かって頂戴」

●地上組
 シルヴィアの連絡を受けて、地上を探索する義透、ティー、真優は海賊たちの道案内で島の北部にある廃墟へと急行する。

「確かに理に適っていますね。島の北側には兵器の材料になるものが多いですから」
「鉄を始めとした金属はそこから持ってきたもの、か……」
「あ、多分アレじゃないですか」

 義透とティーが兵器の材料の出どころについて会話を交わしている中、真優が工場を見つける。確かに、ビルの中に場違いなほどの敷地を持つ工場があった。そこから残存していたマシンハンターズが数機、飛び出してくる。

「機械野郎が来やがったぞ!」
「頼むぜ義透のオジキ!」

 スティングが警戒を促し、ランスが義透に声をかける。

「よし、任された。真優、ティー、やるぞ!」
「はい! カメゴン、行きますよー。変身!」
「95式魔杖と近接防御妖精で援護します!」

 義透が雷の矢を、ティーが魔杖と妖精を展開する中、真優は変身してさらに巨大な原初の巨人の姿になる。義透の雷の矢が飛ぶと、マシンハンターズはたちまち動きを止め、接近しようとしていた機体もティーの魔杖で手痛いダメージを受ける。そこへ襲いかかるのはカメゴンのブレス攻撃だ。たちまち炎に包まれ、ばたばたと落ちていくマシンハンターズ。加えて真優は質量に任せて踏みつけや腕の薙ぎ払いで残る敵を鉄屑に変えていく。

「よーし、オレ達も来たぞ!」
「援護します!」
「近接航空支援はおまかせください! Ξ、エンゲージ!」
「さぁ、総仕上げですわ!」

 空中組も合流し、残敵の掃討に時間はかからなかった。戦いの中、工場の屋根には確かに剣を模した紋章を持つ旗が翻っていたのを皆が確認する。

「海賊旗があるわ。ここで正解ね。一気に破壊してしまいましょう」

 遅れて合流したシルヴィアの言葉に応えたのは真優とミスタリアだ。

「メガビームランチャー・オーバードライブっ!これで、いっちまえよやぁぁぁぁぁぁ!」
「こんなものなくても、人はいけていますから!! 巨大エネルギーボルト、発射!」

 高出力のビームとエネルギーボルトを受けた工場は大爆発を起こして、海賊旗のメガリスや中で生産され続けていた兵器諸共焼き尽くされてしまうのであった。

 戦闘が終わり、ようやく島に平和が戻る。海賊の一人が宴にしよう、と酒瓶を持ち出すと、ティーがおもむろにバスケットを取り出した。

「本格的な宴は夜になるでしょうけど……皆さんお昼はまだですよね? 軽食をご用意させていただきましたので、まずはピクニックと参りませんか?」

 賛成の声が上がり、一同は森林地帯に引き返すとそこでピクニックを始める。戦いが終わった後のひとときを、自然の中でゆったりと過ごす猟兵と海賊たちであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月13日


挿絵イラスト