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アリス・グラス・ハロウィン!

#アリスラビリンス #【Q】 #お祭り2020 #ハロウィン #グラスランナー

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「ハロウィンの国……これがまた、仰山あってな」
 ポリポリと頬を掻きながら、プリズムボールのようなグリモアを見詰める各務・瞳子(七彩の聴き手・f02599)。
 しゃべる南瓜ランタンや、コスプレ衣装の飛び出す森、食材が完備されたキッチン、なんかめちゃくちゃ長い行列をするためだけに作られた道等々、正にハロウィンパーティにうってつけの国が、アリスラビリンスで幾つも見付かったという。
「作者は、あのオウガ・オリジンや」
 オウガ・オリジンは、その凄まじい「現実改変ユーベルコード」によって、幾つもの不思議の国を生み出し、或いは改変してきた。
「けど、オウガ・オリジンの国造りの理由ってのがな、『悲劇を作る』為ってゆう、ロクでもないもんやったさかい。ハロウィンの国にも、まあ、ロクでもないオウガがおるんよね」
 オリジンから直接力を与えられた「凶悪なオウガ」達は、ハロウィンの国の力を利用して、襲い掛かって来るだろう。
「連中を返り討ちにして、ハロウィンの国をゲットする――それが、今回の依頼やね」
 瞳子が案内するハロウィンの国は、「グラス・ハロウィンの国」。
「オウガは……まあ、典型的な『アリス』の姿なんやけどね。集団で襲って来る『墜ちたアリス』達は、森から飛び出してきた『コスプレ衣装』でパワーアップしとるんよ」
 勿論、猟兵達も森から飛び出してきたコスプレ衣装を身に着ければ、パワーアップする寸法だ。
「グラス・ハロウィンの国なだけにな、飛んでくるコスプレは共通して『眼鏡』付なんやて」
 例えば、眼鏡メイドに眼鏡教師、眼鏡ナースに眼鏡巫女、眼鏡白衣に眼鏡シャーマンズゴーストetc.etc……。
「それに加えて! 森から飛んでくるコスプレ衣装は『ランダム』なんで、ひょっとしたら『当人が全く望まないコスプレ衣装』が飛んでくるかもしれへんね」
 オウガなアリス達に勝つ為には、涙を呑んで頑張らないといけない場合もあるだろう。
「でな、アリスの団体さんを倒したら、お次はアリスに擬態したオウガ『ミミック・アリス』の登場やねんけど。厄介な事に、『ハロウィンの国』の法則で『ほぼ無敵』状態なんや」
 倒す方法はただひとつ、「美味しい料理を食べさせること」。
「キッチンには食材も器具も食器も完備しとるさかい、ミミック・アリスの強烈な攻撃に耐えながら、美味しい料理を作ったってな」
 ちなみに、食器は全て「ガラス製のコップ」なので、作る料理と盛り付けには一工夫が必要だろう――グラス・ハロウィンの国なだけに。
「コップゆうたらアレやけど、ロックグラスとかカクテルグラスとか、ピルスナーとかタンブラーとか、ショットグラスとかジョッキとか……そりゃもう、仰山種類が揃っとるさかい、グラスを上手い事使った料理を宜しゅうな!」
 ちなみに、喩え味がイマイチでも、気持ちがこもった料理でも大丈夫のようだ。
「料理が完成するとな、ミミック・アリスは国の法則で、抵抗できずに食べてしまうんやて。で、料理について事細かに批評、称賛していく内に、段々眠なってくるようや」
 料理を食べさせ続けて完全に眠らせれば、無敵状態は解除される。一撃で倒せるようになるだろう。
「そやさかい、ミミック・アリスの攻撃を耐え忍ぶ人がおる間に、料理をどんどん作っていく、感じになるかなぁ」
 墜ちたアリスの集団とミミック・アリスを、相次いで撃破出来れば、グラス・ハロウィンの国は平和になるだろう。
「準備出来た猟兵さんから転移していくさかい、宜しゅう頑張ってな!」


柊透胡
 こんにちは、柊透胡です。
 「【Q】アリスラビリンスでハロウィンパーティ!」の成功により、今年のハロウィンはアリスラビリンスのようです。
 オウガ・オリジンが幾つも造った「ハロウィンの国」の1つ、「グラス・ハロウィンの国」を奪還して下さい。

 本シナリオは、本邦初公開「2章構成のシナリオ」です。第1章の集団戦、第2章のボス戦で完結します。
 又、10/31までに成功したシナリオの本数に応じて、ハロウィンパーティ当日、そしてやがて始まるであろう「アリスラビリンスでの猟書家戦」に、何らかの影響があるかもしれません。

 第1章は集団戦『墜ちたアリス』。「自分の扉」に辿り着けず「オウガ」の餌となったアリス達は、今日も『永遠』のハロウィンを共にする仲間を求め続けています。
 敵は森から飛び出してきた『コスプレ衣装』でパワーアップしているので、猟兵の方も森から飛び出してきたコスプレ衣装を着て、パワーアップしましょう。
 尚、「グラス・ハロウィンの国」なので、飛んでくるコスプレは漏れなく『眼鏡』が付いています。更に、飛んでくるコスプレ衣装は全く『ランダム』なので、『当人が全く望まないコスプレ衣装』が飛んでくるかもしれませんね。
 プレイング冒頭に、必ず「飛んできたコスプレ衣装」について明記をお願いします。お任せでも構いませんが……「本当はイヤだけど、勝つためにしょうがなく着るんだからねっ!」みたいなプレイングには、沢山プレイングボーナスが付くでしょう。

 第2章はボス戦『ミミック・アリス』。
 単純に戦っても、オウガのボスはほぼ無敵です。倒す方法はただひとつ、「美味しい料理を食べさせること」。
 ボスの苛烈な攻撃に耐えながら、キッチンで美味しい料理を作って下さい。心が籠っていれば、味がイマイチでも大丈夫です。
 但し、キッチンに並ぶ食器は、全て「ガラス製のコップ」です。「グラス・ハロウィンの国」なだけに。
 グラスの種類は沢山あるので、料理や盛り付けをひと工夫して、上手く活用して下さいね。
 オウガのボスに料理を食べさせ続けて、完全に眠らせれば無敵状態は解除されます。一撃で倒せるようになりますので、頑張って下さいね!

 戦闘続きではありますが、ハロウィンらしく、楽しいリプレイになれば良いなと思います。皆さんの熱いプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『墜ちたアリス』

POW   :    アリスラビリンス
戦場全体に、【過去のアリス達の「自分の扉」】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    永遠のお茶会
【アリス達が手づから注いだ紅茶】を給仕している間、戦場にいるアリス達が手づから注いだ紅茶を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ   :    地獄の国のアリス
自身の【記憶と身体】を代償に、【自身を喰べたオウガ】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【鋭い爪や牙】で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――鬱蒼と茂る森の中、木々の間にひょこひょこ見えるのは、艶やかな金髪、水色のワンピースに真っ白なフリルエプロン。
 数多のアリス達の姿が、木々の枝葉がガサリと鳴るや、次々と色彩が鮮やかに変わっていく。
 例えば……楚々としたビクトリアンメイドに、狐耳ヒョコヒョコ動かす巫女さん。ピンクの制服がセクシーなナースに、ミニスカートが眩しい婦警さん。
 あらゆるコスプレ衣装が森を彩る中、1つの例外もなく共通するのは「眼鏡を掛けている事」。
 何せ、此処は「グラス・ハロウィンの国」。
 眼鏡(グラス)とガラスのコップ(グラス)が、ハロウィンを彩る国なのだから。

 さあ、トリックオアトリート! お茶してくれなきゃ、殺しちゃうぞ☆
クロノ・ライム
本当にオウガたちが皆メガネを掛けてます!
不思議な光景ですね…

眼鏡の似合う職業というと、やっぱり教師でしょうか。
アルダワ魔法学園の研究者とか、そんなイメージだとかっこいいですね。
えっ、女教師ですか? それはちょっと抵抗がありますね…
ですが、勝つために必要だというのなら性別の違いなどとやかく言っていられません。
どんな衣装でも着こなしてみせます。

堕ちたアリスがお茶を給仕するより先に「高速詠唱」でUCを発動、
逆に僕が皆さんにお菓子を給仕し、その隙に魔法で敵を攻撃して倒します。
「生徒の皆さん、お菓子の時間も礼儀作法を疎かにしてはいけません!」
(女装しても口調は変わりません)



「本当に、オウガたちが皆メガネを掛けてます!」
 何とも不思議な光景だと、黒の双眸を瞬かせるクロノ・ライム(お菓子に目がないクレリック・f15759)。
「仮装も眼鏡付き、と……」
 眼鏡の似合う職業といえば、やっぱり教師だろうか。
(「アルダワ魔法学園の研究者とか、そんなイメージだとかっこいいですね」)
 アルダワ育ちらしい期待を胸に、クロノが仮装の森へ足を踏み入れれば――。
「……え? ドレス?」
 飛んできたのは、襟の詰まったクラシカルなドレス。問答無用に着せ付けられる。
「もしかして……女教師、ですか?」
 正確にはガヴァネス(女家庭教師)だろう。露出を抑えたヴィクトリアンドレスに、眼鏡のフレームは両端が吊り上がったフォックス型。謂わば、口うるさいザマス系?
「うぅ……流石に、ちょっと抵抗がありますね……」
 中世的な顔立ちとは言え、クロノはれっきとした男の子なのだ。
(「ですが……勝つために必要だというのなら、性別の違いなどとやかく言っていられません」)
 決意の面持ちで、背筋を伸ばすクロノ。墜ちたアリス達が永遠のお茶会を始める前に、その仕度をも遮るように声を張る。
「皆さん! こちらに集めたのはどれも有名なお店のスイーツばかりです。さあ召し上がれ!」
 お菓子の時間発動――愛用の黒のコヲトの裾と同じ要領で、ドレスの裾も品よく捌き、墜ちたアリス達にお菓子を給仕していく。
 敵の数も少なからず。大喜びで食べ始めるアリスもいれば、警戒も露に菓子を押しやるアリスもいる。お菓子を厭う墜ちたアリスを認めるや、クロノは素早く歩み寄る。
「生徒の皆さん、お菓子の時間も礼儀作法を疎かにしてはいけません!」
 あくまでも教師の口調で諭すように。けれど、教鞭の代わりにエレメンタルロッドを掲げ、クロノは動き鈍るオウガアリスから魔法で引導を渡していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラモート・アンゲルス
【ダッチマン】
お姉さんの姿で戦います。
着たくない服装 露出の多い服
「対……見てないですよね?……」
 左手にアリスティアーさん、右手にレーザーサイト付き短機関銃に変えた白剣でUCを発動した状態で立ち回ります。
アリスティアーさんで彼女のUCによる呪いをばら撒きつつ、短機関銃の三点バーストで呪いの針を進めていきます。
近くにいるものを中心に攻撃しますが、UCを発動しようとする敵が発見次第短機関銃を発砲して牽制します。
UCで敵味方問わず視界を見ることで死角からの反撃や味方のフォローをします。


マリア・フォルトゥナーテ
【ダッチマン】

服装はSMチックな女王様!

「船員の宿敵は私の宿敵も同義!今こそ我らダッチマンの結束の力を見せる時!!」

幽霊船のないこの状況では、私はほぼ無力なので、ここは私の船長としての偉大な指揮により、勝利へと導きます!

「頑張れー!!フレ!フレ!ファイト!!乳酸菌とってるー!!?……あー!なんか皆の船長への敬意が大暴落してる気がする!でも、応援やめない!頑張れ!頑張れ!」

船員達の後ろから、特に意味のないありがたいエールを送り、皆の底力を引き出します!

もしも、直接私を狙う輩がいた時は、得意の中国拳法を、ぶち込んでさしあげます!


アリスティアー・ツーハンドソード
【ダッチマン】の皆と行動
さて、ようやく出会えそうだね
猟書家とやらの横槍が入る前にエンドマークをつけようか、僕とオウガとアリス……三人の日記に!

まずは集団戦だが、もしかすると僕が殺してしまったアリス達も混ざっているのかもしれないね
真の姿を解放し、王子の姿で飛んできたモノクルと純白の紳士服を装着
ハッピーハロウィン、アリス
数十年ほど遅れてしまったが……君達を助ける王子様の登場だ

選択UCを発動
僕を装備するラモートの攻撃に合わせて刻印を巻きつつ僕自身も【アリスランス・クリエイション】の『援護射撃』で針を進め即死に到らせる
倒す順番は必ずオウガ→召喚したアリス
アリスが再び眠る前に、悪夢にはご退場願おうか


シャノン・ヴァールハイト
【ダッチマン】の皆と行動。アドリブ、連携お任せ。
知人の宿敵ならば、協力せぬわけにもいかない。

コスプレ:眼鏡紳士(眼鏡+スーツ姿)

戦闘時:スーツの上着を脱いで、カッターシャツ+ベスト+ネクタイ姿に両手に手甲を装備して参戦

POW:怪力の『技能値』900以上を利用して全力で殴る。壁が壊れなければ、壁沿いに走って出口を探す
SPD:気にせず、UCを使用して点では無く面で攻撃を放つ
WIZ:正面からオウガと戦闘をします

さて、別段剣が無くとも当方は戦えるので何も問題は無い
同時に、当方に出来る事など簡単だ。
全力で突き進み、戦う…それ以外に出来る事など無いのだからな。


トレーズ・ヘマタイト
※アドリブ自由
【ダッチマン】

衣装:目の部分が眼鏡状のバイザーになったSSWの帝国騎士

他なら気にせず戦えたが、流石にこれはな

仇討ち済とは言え、宿敵とも言える帝国騎士姿に苛立ちながらも、選択UCで強化した黒剣と白剣で戦う

迷路は黒剣の●鎧砕きから白剣の崩壊●属性攻撃の●二回攻撃を●怪力で叩き込み破壊を試みる

敵の茶会は●念動力でティーセットを破壊や移動させ妨害し、●呪詛で味覚や精神を狂わせ楽しめなくする

召喚したオウガは攻撃を●オーラ防御と●武器受けで防ぎ●カウンターで斬り、タールの触手を●傷口を抉りながら突き刺し内部から●捕食する

自分の戦い方の基本は帝国騎士と大差なく違和感が少ないのも腹が立つな

以上



「さて、ようやく出会えそうだね」
 感慨深い呟きは、地面に刺さった両手剣から。その名を、アリスティアー・ツーハンドソード(王子気取りの両手剣・f19551)。
 彼女の目的は、グラス・ハロウィンの国の解放より、寧ろ国を牛耳るオウガ、ミミック・アリスそのもの。
 既にアリスティアーの傍らには、真の姿である王子様がモノクルと純白の装いで佇んでいる。尤も、基本、真の姿の解放は危機に陥らねば儘ならない。今も姿を象っているのみで、コスプレのパワーアップの恩恵には与れていないようだ。
「猟書家とやらの横槍が入る前にエンドマークをつけようか、僕とオウガとアリス……3人の日記に!」
 それでも、朗々と芝居がかった口調のアリスティアーの周りに、「幽霊船 フライングダッチマン号」のクルー達が集っている。やはり、コスプレの森に足を踏み入れた時から、問答無用の仮装状態だ。
「知人の宿敵ならば、協力せぬわけにもいかない」
 眼鏡が似合う紳士姿のシャノン・ヴァールハイト(怪力乱神・f10610)は、請け合う言葉も男前。その表情こそ乏しいが、今日も人を救うべく戦い続ける意気で戦場に起つ。
「船員の宿敵は私の宿敵も同義! 今こそ我らダッチマンの結束の力を見せる時!!」
 何だかノリノリなマリア・フォルトゥナーテ(何かを包んだ聖躯・f18077)は船長の扮装、ではなくSMチックな女王様! パピヨンマスクのようなフォックスフレームの眼鏡は、如何にも高笑いが似合いそう。
「あ、でも、幽霊船のない状況だと、私はほぼ無力なので。ここは、船長としての偉大な指揮により、勝利へと導きます!」
 一斉に、視線が突き刺さった気もするが、当人は何処吹く風だ。
「……まあ、期待しておこう」
 ボソリと返したトレーズ・ヘマタイト(骸喰らい・f05071)の姿は、緑滴る森では異質にも見えようか。
 形容するならば、目の部分が眼鏡上のバイザーになった未来の騎士。
(「他なら気にせず戦えたが、流石にこれはな」)
 不機嫌なのは、既に敵討ちは完遂したとはいえ、不倶戴天の銀河帝国騎士の姿によく似ているからだ。此処はスペースシップワールドではなくアリスラビリンスというのに、何たる巡り合わせ。
「行くぞ」
 さっさと終わらせるべく、トレーズが森の奥へと向かおうとした瞬間。
 ――――!!
 音を立てて、迷路が顕れる。ずらりと並ぶ鎖された扉は、きっと墜ちる前のアリス達の『扉』。今は只、永遠のハロウィンを続ける為だけに。
「みんな頑張れー!! フレ! フレ! ファイト!! 乳酸菌とってるー!!?」
 早速、クルー達の後ろから、応援するマリア。ありがたいけど意味のないエールに、クルー達の視線がまた更に痛い。
「……あー! なんか皆の船長への敬意が大暴落してる気がする! でも、応援やめない! 頑張れ! 頑張れ!」
 だって、幽霊船の誓いは、本当にクルー達の戦力を底上げするし……だから、本当に本当だって。
「……」
 ちょっと脱力系のエールを背に、黒剣改と白剣を構えるトレーズ。自らの血液を代償に武器の封印を解くや、殺戮捕食態の殺気が荒ぶ。
 ドゴォッ!
 何も馬鹿正直に、迷路の走破に付き合う心算はない。まず黒剣改で迷路の表面を斬り裂き、『崩壊』の属性を乗せた白剣を力任せに叩き付ける。
「……」
 その実、自分の戦い方は基本、帝国騎士と大差ない自覚はある。仮装とも違和感が小さい事すら腹立たしい。
「さっさと、砕けろ!」
 バキィッ!
 人1人通れる間隙さえ出来れば、それで十分。トレーズを先頭に、迷路を駆けていく。
「いた……!」
 直線距離を抜けた先、出くわした墜ちたアリス達は既にお茶会の真っ最中。構わずシャノンはスーツの上着を脱ぎ捨てる。カッターシャツとベスト、更にネクタイを着けた上半身で、手甲を着けた両手をガチリと打ち鳴らした。
「さて、別段剣が無くとも、当方は戦える。何も問題は無い」
 シャノンが出来る事は単純だ――全力で突き進み、戦う。それだけ。
 だが、突き詰めた怪力こそ、シャノンの唯一にして最大の武器であれば。
「手数を増やして対抗させて貰うぞ!」
 光速衝撃――文字通り光速の衝撃波が、喩え5分の1の速度になった所で、怒涛の攻撃であるのに変わりはない。
 お茶会の光景にも頓着せず、左の剛腕を振い続けるシャノン。
「ハッピーハロウィン、アリス。数十年ほど遅れてしまったが……君達を助ける王子様の登場だ」
 そうして、満を持して、墜ちたアリス達へ声を掛ける白衣の王子様――アリスティアーの本体である両手剣を、ラモート・アンゲルス(生きた概念・f18548)はしっかと構える。
(「対……見てないですよね……?」)
 今日のラモートは、年頃の女の子の姿。いつもスカート丈は短い方だけれど、露出が多い扮装を、無理矢理着せられるのは本意ではない。
 だから、早く終わらせる――左手にアリスティアー、右手に短機関銃を構えるラモート。果たして、銃器が聖騎士らしい武器かと問われれば疑問符も付きそうだが、一応、白剣の変化であるらしい。
(「もしかすると、僕が殺してしまったアリス達も混ざっているのかもしれないね」)
 感傷も束の間。シャノンの豪快な露払いにすかさず、体勢整わぬ墜ちたアリス達へ、浴びせられるラモートの弾幕とアリスティアーの時計を模した刻印。
「悪趣味な技だろう、否定はしない」
 アリスティアーの涙刃滅刻印は、刻まれた時計の針が攻撃命中の度に進み、1周すると即死を齎す凶悪な技。
 凶悪故に成功率はさして高くないが、今回は眼鏡越しに『あらゆる視界』を盗み見るユーベルコードを発動したラモートと共闘している。
「さぁ、アリスが再び眠る前に、悪夢にはご退場願おうか」
 中には、己が記憶と身体を代償に、生前の自身を喰べたオウガを解き放つアリスもいたが……そこは、歴戦の猟兵達だ。冷静に、オウガを葬る優先順位を徹底。アリスティアーの斬撃にラモートの銃撃を重ね、着実に呪いの時計針を進めていった。

 ――斯くて、墜ちたアリス達を蹴散らした猟兵達は、コスプレの森を駆け抜ける。
 見えて来たのは、鬱蒼たる緑の先。ぽっかりと開けた空間に、まるでテレビ番組のセットのような、広々とした青空キッチンが在った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『ミミック・アリス』

POW   :    邪魔だよー!どっか行っちゃえ!
【手にした大剣 】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD   :    私がオウガだって、本当に言えるかしら?
【腰に下げた日記 】を披露した指定の全対象に【この人物はオウガではないという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
WIZ   :    悪い人は皆で捕まえちゃおう!
【味方として取り入ったアリス達 】【茨のロープ】【自身の怪力】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アリスティアー・ツーハンドソードです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 其処は、謂わばキッチンコロシアム。一通りの設備が揃ったキッチンが4つ。山のように積まれた食材を中心に、ぐるりと取り囲んでいる。
 目を引くのは、美しく磨き上げられたグラスの数々。ロックグラスにカクテルグラス、ピルスナーやタンブラー、ショットグラスにジョッキ等々……サイズも種類も豊富に取り揃えられているが、食器の類はグラスのみ。幸い、カトラリーと箸はきちんと用意されているので、盛り付けはこれらグラスを活かせという事なのだろう。グラス・ハロウィンの国だけに。
「いらっしゃーい!!」
 キッチンコロシアムを背景に、待ち構えていたのはあどけない少女。
 ごつい巨大剣こそ抱えているが、金髪碧眼の容貌は愛くるしく、日記帳を大切そうに腰に下げている。
「ようこそ、グラス・ハロウィンの国へ! 私は、アリス。一緒にハロウィンを愉しみましょ!」
 その正体は、既に知れている――ミミック・アリス。少女の姿をしたオウガ。
 猟兵達は、この国のルールに則って、オウガを斃さなければならない。
フクス・クルーガー(サポート)
ボス戦でも基本的にトラックに乗り込んで戦います。合体するUCで巨大ロボになって殴りかかったり、トラックのまま突進して攻撃するなども出来ます。組み付いて相手の行動の阻害なども。

乗り込めない場合はUCで腕を出して盾替わりや援護射撃などします。

後は、トラック自身が頑丈に出来てますので相手の攻撃からの盾や避けるための他の猟兵のための足場として使ってもらってもOK


トレーズ・ヘマタイト
※アドリブ自由
【ダッチマン】
料理は他に任せ足止めに専念するか

黒魔導鎧、黒剣と白剣を合体させた大剣、杭打ち機を装備
料理仕様のAI・ドゥーズには調理組の補佐と、口直しや他の料理の間を繋ぐような軽めの品を●援護射撃のように適時出させて敵の行動も妨害させる
自分は●武器受けや●オーラ防御等で攻撃を防ぎ●時間稼ぎをする

敵UCはこちらもUCを起動
横凪ぎを地面に打ち込み固定した杭で受け止め
逆回転の二撃目を大剣で受け、●念動力と●怪力で上に弾く
必然振り下ろしになる三撃目を、勢いがつく前に飛翔し切っ先にタール体を貼り付かせ
UCの飛翔能力を使い、無理矢理安全そうな場所に振り下ろさせる

以上



「よし、料理は他に任せて、足止めに専念するか」
 速やかに銀河帝国騎士風コスプレを脱ぎ捨て、黒魔導鎧・ヌフを装着するトレーズ・ヘマタイト。
 ハロウィンの国のオウガは、美味しい料理無くして撃破出来ない。だが、料理を作るには、大なり小なり時間が掛かる。
 料理の方は、機体換装式多目的女性型AI・ドゥーズに同胞の補佐を任せている。自らは黒剣・改を白剣と合体した大剣と大型パイルバンカー・カトルも構え、完全武装のトレーズだが、果たして単身でどこまでやれるだろうか……。
「むぅ……邪魔だよー! どっか行っちゃえ!」
 唇を尖らせたミミック・アリスの大剣が、見る見る巨大化する。ぶんぶん勢いよく振り回す様は、寧ろに巨大剣に振り回されているように見えるが、このままでは、キッチン諸共巻き込みかねない。
(「無差別攻撃になるが、手段を選ぶ余裕はない、か……」)
 パイルバンカーを地面に打ち込み、オウガの一撃目に備えてトレーズが身構えたその時。
「こんにちはー! クルーガー運送でーす!」
 一触即発のトレーズとミミック・アリスの間に、突進するように割り込む大型トラック。
「ハロウィンの食材をお届けに……あれ、住所違う?」
 伝票片手に運転席から顔を出したフクス・クルーガー(何処でもお届け! 安心のクルーガー運送!・f22299)は、ミミック・アリスの巨大剣に目を丸くするが、そこは彼女も猟兵だ。
 ――クーちゃん、エンジン全開!
 本領発揮とばかり、大型トラックは唸り上げて叩き付けられた巨大剣を弾く。
 フルドライブで、自らの本体でもある大型トラックを強化したフクスは、快活にトレーズへ声を掛ける。
「ワタシのトラックは頑丈だから、盾にしても足場としてもOKだよ!」
「う、うむ……」
 すかさず、二撃目を大剣で弾いて軌道を変え、頷き返したトレーズは、自身を緋色の霧で覆う。
「緋色の霧に蝕まれ、悉く灰と化せ」
 三撃目――振り下ろされるタイミングで飛び掛かる。その切っ先に己がタールの身体を纏いつかせるや、飛翔の勢いも借りて、強引に地面を抉らせた。
「……もう! 何するのよ!」
 三連撃全てを凌がれ、アリス・ミミックは甚くご立腹。その実、トレーズが纏う緋色の霧は触れたものの心身を焼き尽くすが、まだほぼ無敵状態である彼女には、然したる痛痒も与えていないようだ。
 ともあれ、突発的とはいえ、大型トラックという盾も得られた幸い。フクス自身、トラックの戦車ガトリング砲を展開して、援護射撃の構えだ。
 元より、時間稼ぎの立ち回りも得手とする所だ。ちらとキッチンの方を一瞥するトレーズ。次なるミミック・アリスの攻撃を阻むべく、身構えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ラモート・アンゲルス
【ダッチマン】
お姉さんの姿で闘います。
先手でUCを発動し、味方全員が安心して調理に専念できる場を形成します。
各々が何かを作る間、自分はケーキでも作りましょうか。並行してシャノンさんの餅の餅米を蒸しておきます。
「こういうのは滅多にないですから張り切って作りすぎてしまいました……」
そうして出来上がるのはウエディングケーキと思えるほどの巨大なもの。
まあ反省はします。

対(ラモート・レーパー)の存在に気づいたら作業を中断して即座に対に対し斬りにかかります。
「……見てましたか?」


シャノン・ヴァールハイト
【ダッチマン】メンバーと参加+アドリブお任せ
(紳士のエチケットとしてウェットティッシュと除菌用アルコールを持っています)
心情:料理と言われても、当方は干し肉程度しか作れないのだがな

他の【ダッチマン】メンバーにお餅の作り方を教わり、作ります。
可能なら、蒸す工程をラモートに頼み、蒸せるまでは手甲を装備して、トレーズと一緒に足止めと、他メンバーに向かう攻撃をUCで防ぐ蒸せたら餅を作りに戻る

調理
ウェットティッシュで手を拭き、アルコール消毒をしてから杵の代わりに拳で餅付きをし、自分で捏ねてと言う感じで餅を作ります。
最初はゆっくりで、少しずつ速く強くする
餅が完成後、アリスティアーに渡しお菓子に使って貰う



(「トレーズさん達は頑張っていますが……戦闘の巻添えは、困ります」)
 だからこそ、ラモート・アンゲルスは、ケーキ作りに専念する事にする。
 この地を浄め払う。今よりここは穢れなき浄土なりて――。
 ラモートが非戦闘行為に没頭している間、其処は浄土の楽園と化す。巡らせた城壁は、彼女のみならず、同じく料理に勤しむ同胞を護るだろう。
 特に料理が得意という訳でもないが、大食いの自覚はほんの少し。猟兵はやはり戦う事が主であり、「依頼」としてお菓子を作るケースは確かに珍しかろう。
「だから、張り切って作りすぎてしまいました……」
 気が付けば、大小様々なスポンジケーキの土台が幾つも、テーブルを埋め尽くさんばかり。
 ラモートが反省の面持ちで頬を掻いていると、シャノン・ヴァールハイトが戻ってきた。
「餅米、そろそろ出来ているだろうか?」
「あ、はい……そこの蒸し器がそうです」
 料理と言われても干し肉くらいしか作れないシャノンだが、今回は「幽霊船 フライングダッチマン号」のクルー達から、お餅の作り方を教わっている。
 ラモートに頼んで餅米を蒸して貰っている間、ミミック・アリスの防戦も援護していたが、頃合いを見計らい一時離脱してきたのだ。
「では……」
 ウェットティッシュと除菌用アルコールは紳士のエチケット。手甲を外した両手をきちんと消毒して、餅米を入れた臼の前で身構える。
 ――――!!
 深呼吸ひとつ。カッと赤茶の双眸を見開くや、一心不乱に餅米を突く突く突く!!
 最初はゆっくり、少しずつ速く強く――まあ、確かに、シャノン程の怪力ならば、正拳突きの餅つきは可能ではあるだろう。
(「……熱い」)
 合いの手も自らで捏ねながら、密かに歯を食い縛るシャノン。そりゃあ、蒸し立て熱々の餅米だからして。ラモートの城壁が防ぐのは「外部からの攻撃」だけだし。ユーベルコード「無敵城塞」だって、発動すると全く動けなくなる。ユーベルコードは便利だが、万能でないのが辛い所だ。
 それでも、これが、シャノンにとって心のこもった作り方であるならば。出来上がったお餅は、きっとミミック・アリスの『ほぼ無敵』を剥がす一品となるだろう。
(「もし、『対』だったら……」)
 シャノンの正拳餅つきを横目に、ラモートはぼんやり思う。
 オウガを倒す方法はただひとつ、「美味しい料理を食べさせること」。喩え美味しくなくても、気持ちのこもった料理であれば大丈夫と聞いた。
(「……オウガを怒らせて、色々駄目にしてしまいそうです」)
 『対』が作りそうな料理を想像して、思わずブンブンと頭を振るラモート。
「どうした……?」
「……いえ、何でもありません」
 危うく城壁も消えてしまいそうになって、ラモートは改めて、ウェディングケーキ級段重ねケーキのデコレーションに集中した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

有州院・こりす
めがねっこパーラーメイドで参戦や
まん丸ロイド眼鏡
二本おさげ
エプロン袴にブーツ履き

敵UC以降オウガはミミちゃん呼び
ミミちゃんをアリスだと思えば思うほど料理にこもる優しさも情熱もてんこ盛り

直接攻撃はオーラ防御と激痛耐性で我慢&料理かばう
UCダミー量産で時間稼ぎ
バネのおもちゃ飛び出す仕掛け罠

黄桃缶と煮出した紅茶のゼリー&レモンジュレ
加熱も冷却も属性攻撃でマジカル時短
ゼリーの上へハロウィン南瓜っぽく細工した黄桃
クラッシュしたレモンジュレで飾りつけ
てっぺんにミント葉
シャンパングラスと銀盆(コスプレ小道具)で
きらきらハロウィンゼリー召し上がれ☆

魔法のかぼちゃがきっとミミちゃんをシンデレラにしてくれるんやで



「もう! 私がオウガだって、本当に言えるかしら?」
 ミミック・アリスはパッと広げて見せたのは、腰に下げていた日記帳。其処には、オウガブラッドであった『アリス』の想いが切々と綴られている――。
「あぁ、ミミちゃん、可哀想に……」
 ミミック・アリスのユーベルコードに当てられて、遅れて来ためがねっこパーラーメイドは、まん丸ロイド眼鏡の奥の緑の瞳を潤ませる。
「ミミちゃんの為に、こりすちゃんが美味しいお菓子作ったるわ!!」
「……え、ちょっと待って!?」
 何かオウガの意図する方向と真逆にヤル気を振り切り、二本おさげを揺らしてキッチンへ駆け込む有州院・こりす(まいごのまいごの・f24077)。
 幸い、キッチンはユーベルコード製の城壁で護られている。仕掛け罠を量産せずとも、お菓子作りに専念出来そうだ。
 エプロンに袴、ブーツを履いた女給さんは、くるくると甲斐甲斐しく。まずは、黄桃缶と煮出した紅茶のゼリー&レモンジュレ作り――加熱も冷却も、属性魔法でマジカル時短だ。
 選んだグラスは、細長いフルート型のシャンパングラス。
 紅茶ゼリーの上へハロウィンの南瓜っぽく細工した黄桃とクラッシュしたレモンジュレ、てっぺんにミントの葉を飾り付ける――名付けて、きらきらハロウィンゼリー。
 ミミック・アリスを『アリス』だと思えば思う程、お菓子に込める優しさも情熱もてんこ盛り。
「魔法のかぼちゃが、きっとミミちゃんをシンデレラにしてくれるんやで」
 銀盆にグラスを丁寧に乗せて、こりすはにっこり笑顔。美味しくなぁれとおまじないを掛けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロノ・ライム
(連携、アドリブ歓迎)
グラスに映える料理といえば、パフェなんてどうでしょうか?
というわけで僕はパフェを作ってみようと思います。
パフェを作ったことはないので不安ですが、よく食べるので
美味しかったお店のパフェを思い出して一生懸命再現しようとします。
いろいろな果物を載せてきれいに飾り付けたいですね。

敵の攻撃はUCで「氷の竜巻」を起こして弾いて凌ぐつもりです。
他にスイーツ系を作る人がいれば一緒に協力したいですね。
完成したら即ボスのところへ持っていき、食べてもらいます。
「この国のグラスにぴったりのスイーツを作りました。ぜひ食べてください」



 グラスに映える料理と言えば……。
「パフェなんてどうでしょうか?」
 幸い、パフェグラスも、サイズも形も様々な種類が揃っている。
 ズラリと並ぶパフェグラスを前に、クロノ・ライムは考え込む事暫し。
「いろいろな果物を載せて、きれいに飾り付けたいですね」
 パフェ作りは初めてで、不安はあるけれど。スイーツは好きだし、よく食べる。
(「他の皆さんは……」)
 周りを見回せば、やはりスイーツ系が多いようだが、パフェを作るのはクロノだけの模様。
 ミミック・アリスの扇動で、アリスやら茨のロープやらが押し寄せるの前に、キッチンに城壁が巡らせられた幸い、クロノは美味しかったお店のパフェを思い出しては、再現しようと懸命に試行錯誤する。
 さあ、どうしよう――お手軽パフェなら、小振りなコップに数品を少しずつ。素朴で可愛らしいパフェになるが、流石にシンプル過ぎて物足りない。
 大容量の浅めで広いパフェグラスなら、ボリュームたっぷりで見た目もゴージャス。全体が混ざり易いので、シロップとフルーツを好きなだけ絡めたり、ホイップクリームとアイスクリームをミックスしたり、全てを好きなように混ぜて味わえる。
(「でも、盛り付けのバランスが、難しいです……」)
 それで結局、最もスタンダードな縦長で細いタイプのパフェグラスを選んだ。上から下に向かって、次々と色々な味が楽しめるのが魅力的。盛り付けも、コーンフレークを敷き詰め、ムースにゼリー、アイスクリーム、フルーツと、綺麗な層を作り易い。
「それに、長いパフェスプーンで食べるのは、楽しくてワクワクします」
 精緻な意匠のカトラリーを手に、思わず微笑みを浮かべるクロノ。
 もう少しフルーツを増やして綺麗に仕上がったら、すぐに食べて貰おう――この国のグラスにぴったりのスイーツを。

大成功 🔵​🔵​🔵​


 まずは、様々なお餅を。
 冷やし餅善哉、きなこ餅、みたらし餅、づんだ餅、草餅、からみ餅、くるみ餅などなど。
 それぞれ、底の浅いソーサー型シャンパングラスに入っているのがご愛敬。
「お餅ってこんなにあるの!?」
 少しずつ、だけどバラエティーに富んだお餅の食べ方に、ミミック・アリスの手が伸びる。
「あまーい、おいしー!! でも、飽きないー♪」
 もぐもぐごっくん。ふにゃりとオウガの表情が緩む。
「モチモチ食感さいこー!!」
 お次は、巨大なウェディングケーキがドーン!!
 流石に巨大なケーキを盛り付けられるグラスはなく、1番下のスポンジケーキをマジパンで固めて台座代わりにした荒業だ。
「……うん、美味しい、よ?」
 ミミック・アリスも、味はお気に召した様子。ケーキをホールごとなんて、乙女の夢の1つだろうし。
「でも、グラスに映えるプチケーキ沢山の方が、もっと良かった、かなぁ」
 此処は、グラス・ハロウィンの国、だからして。
「わぁ、キラキラかわいい!!」
 きらきらハロウィンゼリーには、ミミック・アリスも碧眼をキラキラと輝かせる。
「シンデレラ? 私はアリスだよー」
 そんな事を言いながら、南瓜のような黄桃をパクリ。キラキラのレモンジュレと紅茶ゼリーを口に運ぶ。
「……あ、一緒に食べると、レモンティーのゼリーになるね♪」
 1つで何度も美味しいお得感に、上機嫌の様子……ふわーっと欠伸をしながら、それでも全部平らげた。
「パフェ!? もちろん、食べる食べる!!」
 身を乗り出したミミック・アリスは、大剣すら手放してフルーツパフェに手を伸ばす。
 瑞々しいフルーツが、パフェグラスから溢れんばかりにてんこ盛り。果物だけ摘まんでも良し、クリームやアイスクリームと一緒に味わっても良し。
「…………」
 本来、ハロウィンの国のオウガが料理を食べる時、美味しさについて事細かに批評、称賛するものだけど。パフェをパクパク頬張るミミック・アリスは、時々うんうんと頷きながら、あっという間にグラスを空にする。
「ごちそうさまぁ……おかわりないの?」
 半眼ながら真顔の言葉が、本音と知れた。
マリア・フォルトゥナーテ
アドリブ連携歓迎

「グラスがあればバーテンダーでもある私の独壇場!アリスティアーさんの願いにより、このカクテルを作りましょう!」

グラスを冷やし、ジン、パルフェタムール、レモンをシェイク!氷を溶かさないよう、慎重に材料を混ぜ合わせ、最後に三日月を象ったレモンピールを沈めて完成!

そしてカクテルにはアリスの涙と名付けられた剣からメッセージを

「僕を王子にしてくれた友とアリス、百年ぶりの再会と別れにこの一杯を捧げよう」

グラスを置き、その傍らにアリスティアーさんの想いのこもったメッセージカードを添えます。



「グラスがあればバーテンダーでもある私の独壇場! アリスティアーさんの願いにより、このカクテルを作りましょう!」
 鮮やかな手腕で、シェイカーを操るマリア・フォルトゥナーテ。
 グラスを冷やす間に、ジン、パルフェタムール、レモンジュースをシェイク。
 ちなみに、パルフェタムールは、柑橘系果実をベースにニオイスミレで香りづけされた紫色のリキュール。或いは、クレーム・ド・ヴァイオレットとも呼称される。
 氷を溶かさないよう、慎重に材料を混ぜ合わせ、最後に三日月を象ったレモンピールを沈めれば完成だ。
「さあさあ! 全ての生き物を等しく幸せにするのが、このアクアヴィーテですとも! 存分に酔いしれて下さいませ!」
 数多のグラスを背景に、琥珀色の時間を発動するマリア・フォルトゥナーテ。
 静々と進み出ると、小首を傾げるミミック・アリスにカクテル・グラスを饗する。
 そのカクテルの名は、ブルームーン――紫のリキュールを使っているので、透明感のある青紫色だ。
「これは……スミレの香り?」
 口当たりの良さに目を細めながら、ミミック・アリスはじっくり味わっている。その様相は少女ながら、仕草にはカクテルに負けぬ大人の女性の風格が漂う。
「……繊細、本当に繊細な味わいね」
 柑橘系の風味にまろやかな甘さが加わり、更にはレモンの酸味でフルーティに仕上がっている。そして、その華やかな香りと色合いこそが、ブルームーンが飲む宝石とまで称される所以だ。
 グラスが空になるのを見計らい、マリアは静かにカードを差し出す。アリスの涙と名付けられた剣からのメッセージを。
 ――僕を王子にしてくれた友とアリス、百年ぶりの再会と別れにこの一杯を捧げよう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリスティアー・ツーハンドソード
【ダッチマン】の皆と行動
久しぶりだね
雫を象った宝石を付けた身の丈を越える両手剣、日記に書かれてることだけで上手く作ったじゃないか僕の贋作を
それともオウガではなく彼女の姿をしている辺り、存外キミも思い入れのがあったのかな……アリスと僕とキミの、輝かしい三人の旅路を

仲間に防御と迎撃を任せ調理に専念
【ハートスイーツ・パティシエイション】により刹那に調理と盛り付け
懐かしいね、これは僕がアリスのために作った最初の魔法
僕が王子として始めて誰かを笑顔にした力…キミもよく食べたろう?
UCを使い語りかけながら次々とお菓子を提供し続け、眠る直前にシスターマリアに一杯出してもらう

そして最後は僕の刃で終わらせよう



「久しぶりだね」
 サクリ、と地面に突き立った両手剣――アリスティアー・ツーハンドソードは、皮肉混じりにクスリと笑う。
「雫を象った宝石を付けた身の丈を越える両手剣、日記に書かれてることだけで、上手く作ったじゃないか……僕の贋作を」
「……っ!」
 慌てて、手放していた大剣を構え直すミミック・アリス。雫を象った宝石を付けた身の丈を越える両手剣――確かに、その言葉通りの大剣だが、アリスティアーとは似ても似つかない。
 ――かつて、『彼女』はオウガブラッドであった。アサイラムからオウガに取り憑かれた状態で召喚された『彼女』は、正気を繋ぎ止める為に日記を書き続けたのだろう。だが、内に巣食うオウガに肉体を乗っ取られた結果、新たな人食い鬼が生まれてしまった。
「オウガではなく『彼女』の姿をしている辺り、存外キミも思い入れのがあったのかな……アリスと僕とキミの、輝かしい三人の旅路を」
「うるさいうるさいうるさい!!」
 苛立たしげに叫びながら、ミミック・アリスは大剣を巨大化しようとして――もんどりうって倒れる。効いている、これまで食べさせてきたスイーツとカクテルが。
 それでも、頭を振って起き上ったミミック・アリスへ、アリスティアーはパンプキンパイを差し出す。
 ハートスイーツ・パティシエイション――アリスティアーの心に刻まれた魔法は、栄養満点で心落ち着かせる美味しいお菓子を作り出す。
「懐かしいね、これは僕がアリスのために作った最初の魔法。僕が王子として、初めて誰かを笑顔にした力……キミもよく食べたろう?」
「知ら、ない……そんな、お菓子、なんか、いらな……」
「うん。でも、実はね。最初に食べて貰ったお餅も、僕の魔法で盛り付けたんだよ」
 材料は、シャノンの正拳突きの賜物だけれど。愕然と目を見開いたミミック・アリスを前に、アリスティアーはゆっくりと刀身を揺らす。
 誘われるように手を伸ばしたミミック・アリスは、パイを一切れ、口に運ぶ。
「……王子様の、パイ。懐かしい……」
 それだけ呟いて、カクリと崩れ落ちた彼女は、安らかな寝息を立てて深い深い眠りに落ちる。
「おやすみ、懐かしいキミ……そして最後は、僕の刃で終わらせよう」
 それは、宣告。剣の王子の言葉は、アリスを装うオウガの魂そのものを切り裂く。
 その呼吸が静かに止まり、骸すら忽ち消え失せたのは、真に骸の海へと還ったからか。
「……」
 傍らに顕れた王子の姿象るアリスティアーの真の姿は、両手剣を地面から引き抜くと、静かに剣礼した。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月31日
宿敵 『ミミック・アリス』 を撃破!


挿絵イラスト