#クロムキャバリア
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街中に木霊するアラート。負けじと響くのは人々の怒号、あるいは悲鳴。そして、それ等をひとまとめに爆音が塗り潰す。
逃げ惑う人々が皆一様に振り向いた先、音の出どころは背中をビルに打ち付けたまま機能を停止した国軍の新型キャバリア。つい先日、軍の広報が自慢げに喧伝していた機体だ。この新型キャバリアさえあれば、近隣諸国の敵勢に恐れることはないのだと。そのはずの新型機が無様を晒している。
────それでも、人々がその性能を疑うことはなかった。件の新型を物言わぬ鉄屑に変えたのもまた、目の前に立ちはだかる同型機であったのだから。
オブリビオンマシン『モノアイ・ゴースト』。妖しく光る無機質な単眼が、足を止めて己を見上げる民衆に眼差しを注いだ。
☆
「作戦の概要を説明する」
グリモアベースの一角にて。此度のブリーフィングは、柚野・詩遥(仮初のキャバリアパイロット・f30300)のそんな第一声から始められた。
「雇い主は南東の小国。んで、目標はその国軍の物だった新型キャバリア、モノアイ・ゴースト。もちろん、オブリビオンだ」
何が愉しいのやら、そこで区切った詩遥の顔に悪童めいた笑みが形作られた。
「お披露目もしたばかりだそうでな。ご自慢の新鋭機が暴走して赤っ恥掻かされたってんだから、軍のお偉いさん方はカンカンでね。オブリビオン化の原因は不明。軍用機の更新を主導したヤツも、コイツを作るのに協力してた企業の連中も、他のヤツらも責任を余所に擦り付けるお仕事に励んでるだろうよ」
ますます笑みを深めた詩遥が、右手で首を切るジェスチャーをしてみせる。随分長々と話して満足したのか、彼女は笑みを引っ込めて本題に戻った。
「ま、ソイツらのケツを拭いておやんなさい、って話だわな。市街地で大暴れしてるオブリビオンを倒して、中のパイロットを助けりゃコッチとしちゃあそれきりだ。」
随分と簡単に言ってくれるが、はたしてそう簡単に事が済むだろうか。そんなことは承知しているのか、詩遥が最後に付け加える。
「────敵さんがどこまで逃げようが、地の果てまで追っかけて捜し出せば同じこったな。やり方は任せる。頼んだぜ、猟兵」
楓座 揺
はじめまして、楓座 揺と申します。
初シナリオとなる今回の戦場はクロムキャバリア。鳴り物入りの新型機を好きにぶっ壊すお仕事となっております。自前にせよ、依頼主ないし余所の国の借り物にせよキャバリアを使うも良し。別の得物をお持ちでお望みなら自分流で行かれるも良し。
皆さまのプレイング、お待ちしております。
第1章 ボス戦
『モノアイ・ゴースト』
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POW : バリアチャージ
【バリアを纏った】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【支援機】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : パルス・オーバーブースト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【オブリビオンマシン】から【光学兵器による一斉攻撃】を放つ。
WIZ : ゴーストスコードロン
自身が【敵意】を感じると、レベル×1体の【支援キャバリア】が召喚される。支援キャバリアは敵意を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
イコル・アダマンティウム
「ダメ」
超格闘特化の愛機【TALONE】で出撃
出撃後はオビリビオンの視線を民衆から遮るように跳んできて着地する
<ダッシュ><ジャンプ>
「ハロウィンは、まだ早い」
「撃つな」
周囲の被害を抑える為に敵の攻撃はなるべく受け止める
特に射撃は当たりに行く<武器受け><継戦能力><操縦>
当たり所を選べるなら装甲の硬さで補える、痛い
「痛たたたー……」
「砕く」
バリアチャージは【一撃必殺】で迎撃
突進なら見切りやすい、カウンターで威力上昇させて穿つ
<限界突破><暴力><見切り><カウンター>
<貫通攻撃><鎧砕き><鎧無視攻撃>
例え一撃で倒せなくてもバリアは砕いてみせる
「これ以上は、僕達が許さない」
アドリブ・連携歓迎
狙われた人々。魔の武威を振りかざすべく動き出すモノアイ・ゴースト。
────そして、彼方より豪風と共に跳び抜け、空高くから両者らの間に躍り出る一機のクロムキャバリア。
「ダメ」
その着地によるものか、濛々と立ち込める煙の中で、クロムキャバリア────TALONEのカメラアイが力強く輝いた。
「ハロウィンは、まだ早い」
モノアイ・ゴーストが反応するよりも先に、TALONEが動く。両手を突き出し、強固な力で抑え込んだのはモノアイ・ゴーストの両腕。
「撃つな」
そうして力尽くで、モノアイ・ゴーストが握るライフルの銃口を民衆からTALONEに向けさせた瞬間、噴射。モノアイ・ゴーストがここに来るまで通ってきた中でも、既に無人と化したのが見て取れる区画まで、推進機も駆使して押し出して行く。
当然、モノアイ・ゴーストとて為すがままにされてばかりではない。銃口はそのまま、TALONEに対する射撃を実行。その衝撃はTALONEの操縦席にまで伝わり、大きな揺れのせいで何処ぞにパイロットが頭を打ち付けた。
「痛たたたー……」
TALONEのパイロット、イコル・アダマンティウム(ノーバレッツ・f30109)はぼやきながらも状況を確認する。損傷軽微、戦闘に支障なし。間もなく、目標地点に到達。加えて、モニター越しにお誂え向きの物を見つける。
「だったら……!」
全力噴射。モノアイ・ゴーストが暴れていたせいか、もはや完全に壊すしかないほどの被害を受けていた廃墟ビルへ仕返しとばかりにその巨体を叩き付けた。
窓に割れ残っていた無数の硝子片が衝撃で砕け散り、TALONEとモノアイ・ゴーストの周りで煌々と二機を彩る。その中で拘束を一旦解いたTALONE。グポォン、と単眼を光らせたモノアイ・ゴーストが逃がすまいと突進を仕掛けた。バリアを展開した状態の体当たり。
……ここまで来れば、人々が巻き込まれる危険はない。そんな攻撃をわざわざ受けてやる必要もない。限界までモノアイ・ゴーストを惹き付けて、紙一重でTALONEが躱す。
「砕く」
攻撃と回避が一体となった、無駄のない戦闘機動。はたして、イコルとTALONEは言葉通りにバリアを砕き、モノアイ・ゴーストの装甲までをも撃砕してみせた。
「これ以上は、僕達が許さない」
大成功
🔵🔵🔵
ルクレツィア・アストリュード
新鋭機、オブリビオンマシン。相手にとって不足なし。
生身の剣術、キャバリアに届くか――『答え』示すには、充分。
敵は高速で飛翔する存在。流石にこの剣に翼はない。
でも、ここは市街地。ビルとか障害物の多い地形。
過剰な速度も、飛翔能力も、絶対的有利を意味しない。
建物の中を駆け抜け、跳躍一度で敵に届く高さまで登って。
敵がこっちの意図に気付く前に、仕掛ける。
機兵斬壊発動、【ダッシュ】からの跳躍。【瞬間思考力】を駆使し敵の回避経路予測の上、斬撃を繰り出す。
【切断】【部位破壊】狙うはメインブースタ、或いは脚など姿勢制御に必要な部位。剣届かぬ距離なら【衝撃波】で剣閃を飛ばして狙う。
キャバリア同士の戦闘を横目に、古びた建物の中を疾走する猟兵が一人。
ルクレツィア・アストリュード(終極フラガラッハ・f30398)は自身の目的を果たすに十分な階層まで上り詰めると、外に繋がる手近な鉄扉を強引に蹴り開けてただちに跳躍。床を砕くように踏み込み、錆と黴の臭い漂う空間から、己が原点の本懐たる戦場へ。刃光の軌跡を引いて、剣豪が駆ける。
敵機は今にも動き出すかという頃合い。動きは読めた。今なら間に合う。今しかない。
「一手、馳走」
翼がなかろうとも、この手に引っ提げた大太刀を。当たるべかざる武威の刃金を、飛翔せんとする亡霊機の鋼に。金属と金属が交錯する。
────────斬。
「『答え』は示した」
着地したルクレツィアが得物を収めると同時、その背後でメインブースターだったガラクタが音を立てて地に落ちる。
機兵斬壊、発動完了。大いなる敵を断つために狂えし力が、狂鉄の一端を見事に断ち切った。
大成功
🔵🔵🔵
アイオライト・セプテンバー
企業に関わるのキャバリアパイロットとしては、なんとも他人事と笑い飛ばせない話ね
せめて早いとこ暴走を止めてあげるのが慈悲というものでしょうよ
多勢に無勢で来られてドツボにハマるのが一番怖いわ
支援機の掃除を受け持ちましょう
分かりやすく敵意を放って、敵の支援キャバリアを引き付けつつ
まとめて【ファイアーバード・パーティ】のミサイル掃射で片付けちゃいましょう
私の機体は高機動特化機【ブルーテイル】、この【推力移動】と私の【操縦】なら、追いつかれずに敵を引き付けられるかしら
ミサイルだけなら売るほどあるからね
支援機を落としてターゲットの余ったミサイルは、まとめてモノアイ・ゴーストにお見舞いしてあげる
己を守るための盾は砕かれ、己が飛ぶための翼も断たれた。
……だが、己と共に戦うための手駒が。兵はまだ、モノアイ・ゴーストに残っている。────オブリビオンの敵である猟兵もまた、他にこの戦場にまだ残っている。
それを示すように、モノアイ・ゴーストへ叩き付けられる洗練された殺意。対するモノアイ・ゴーストは醜悪な衝動に駆られ、殺意を辿って単眼を向けると共に、支援キャバリア────ゴーストスコードロンを展開。新たに捉えたクロムキャバリア、ブルーテイルへと殺到させる。
主と同じく殺意に誘われる、亡霊たちの攻勢。その全てを、市街地という環境下でありながら、大推力を十全に駆使して軽やかに躱すブルーテイル。そのコックピットの中で、並外れた操縦技能を平然と発揮するアイオライト・セプテンバー(〝ブルーテイル〟・f29954)が、不敵に告げる。
「遠慮しないで、たっぷり食らいなさい」
三百と五本のミサイル。殺意だけに飽き足らず、桁外れの物量までもが放たれる。
「ミサイルだけなら売るほどあるもの」
台詞に違わず、ゴーストスコードロンを殲滅してなお余りある火力が、モノアイ・ゴーストの装甲を蹂躙した。
大成功
🔵🔵🔵
イェフ・デルクス
SPD
ま、責任は適当に誰かが取るだろってことで。
戦いに専念するとすっかね。
『ヘッドショット』使用。他の猟兵が前線に出てるっぽいんでな、適当に身を隠しとくぜ。すまんがこちとらツギハギの安モンでな、あんな最新機体と真正面からやり合ったらぶっ壊れちまわァ。
いくら速く飛ぶっつってもよ、流石に飛び続けるわけでもねェだろ。…いや、飛び続けんのか? わかんねェな。
適当に【瞬間思考力】で補いつつ撃てそうなタイミングを待っとくか。飛ぶ前に撃てりゃあ、それが一番いいな。
機会が来たら、なんか一撃でぶっ壊せそうなところをぶっ壊してから【戦闘知識、集団戦術】でいい場所見つけて位置変えっかァ。見つかるまで繰り返しとくぜ。
二機と一人がモノアイ・ゴーストと戦う光景を、とある猟兵が駆る量産型キャバリアが敵の死角となる建物の影から覗き見ていた。自らの領分を弁え、虎視眈々と好機を窺うその立ち回りは戦士と言うよりも、兵士か、あるいは狩人に近い物だ。
根無し草の古参兵、イェフ・デルクス(役立たずの生き残り・f30366)。彼の出番は、大火力による蹂躙の後だった。数多のミサイルを浴びながらも倒れず、耐え凌ぐモノアイ・ゴースト。手勢を失い、その元凶をより強く意識した瞬間。確実に仕留められる好機を手放す理由などありはしない。
量産型キャバリアの携行火器が火を噴いた。鋼鉄の嵐が市街地を裂き、幾多の攻撃により露出したモノアイ・ゴーストの内装を喰らう。
「さっさとくたばれ……!」
狙い定めた箇所を瞬く間に壊し尽くすや、即座に移動。巧みに身を隠しながら、イェフのキャバリアがモノアイ・ゴーストの周囲を動き回る。予め候補に定めていた座標に到着すると再射撃。執拗に、淡々と繰り返される砲火と砲声。それが完全に止んだのは、モノアイ・ゴーストの単眼から光が失せた後のことだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『噂のキャバリアを見つけろ!』
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POW : ●『直感に従って探す』
SPD : ●『隅々まで足を運んで探す』
WIZ : ●『手がかりや探知のアイテム、術式を使って探す』
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アイオライト・セプテンバー
SPD
こういうのは足を使って当たるのが基本よね
とりあえず隅々まで探してみましょう
敵機はキャバリア、となればこちらもキャバリアに乗り込んで探すのが無難でしょうね……
他の猟兵に比べ、私たちキャバリア乗りはアレがないと丸腰のようなものだもの
幸い、私の機体は長距離移動も前提に入れた機体
長時間、長距離をまんべんなく探すには向いているわ
これで広範囲を探し回ってみるわね
それに、他の猟兵が目標を発見したときは、迅速にそちらに急行することも可能だし
フレキシブルに対応していきましょ
敵機を発見したら即戦闘に移れるようにユーベルコードの準備もしておくわ
プラズマブレードの切れ味、使わないに越したことはないけど
機能が停まり、地に倒れこむモノアイ・ゴースト。人々の避難を妨げないのはもちろん、あの場からオブリビオンを追い出し、そのうえ逃さず倒せた。重畳の結果と言えよう。……本当に、それで終わっていればの話だが。
戦場に張り詰めていた緊張がやがて緩み始め、その途端に何かの軋む音が生じる。そこから先は一瞬だった。
どん、と。
無茶な機動で弾かれるように飛んだのは、停止した筈のモノアイ・ゴースト────否。あれはもはや別の何かだ。モノアイ・ゴーストの姿を蝕むよう徐々に変異しつつある、ナニモノかの出来損ない。壊されたメインブースターも異なる形に再生し、装甲は速度を上げるために軽量な物へと。急場凌ぎの中間形態。
キャバリアのカタチであることだけは留めたオブリビオンが、地面擦れ擦れを飛んで逃げながら、目晦ましの攻撃を狂ったように四方八方へと撒き散らす。回避。あるいは、防御。全員が対応を強いられるだけでなく、その攻撃で巻き起こされた煙がオブリビオンの行方を途絶えさせた。
「……とりあえず、隅々まで探してみましょう」
そんな言葉と共に、アイオライトのブルーテイルが真っ先に動き出す。過ぎたことを気にしても仕方ない。これからどうするかが重要だ。レーダーに反応はない以上、足を使うことになるが幸い、ブルーテイルは長距離移動を伴う作戦行動が想定されたキャバリア。広範囲の捜索を引き受けるのは、必然だった。
☆
「あれは……」
オブリビオンマシンの姿を追い求め、街を出た先の道中。アイオライトの目についたのは、黒煙を立ち上らせて点在する鉄屑。全てがキャバリアだ。加えて、その近くに人影が数人。撃墜されたと思しきキャバリアと数が一致している。脱出したパイロットか。もしかしたら、捜索の手がかりを知っているかもしれない。その手がかりを追えば、いずれは────。
「────使わないに越したことはないけれど」
呟きを漏らすアイオライトの目には、ブルーテイルに装備された発振器が映りこんでいた。
成功
🔵🔵🔴
イコル・アダマンティウム
「逃げた……
まだ、終わってない?」
「TALONE、着いてきて。」
一旦、僕のキャバリアから降りる
リモート・レプリカントで遠隔操作
追従させるから何かあっても平気
<操縦>
「出ーてこーい……いない」
逃げたのなら警戒してる、だから生身で油断させる。<フェイント>
それとキャバリアに乗ってると気づかない痕跡も、あるかもしれない
隅々まで探す
「ん、こっち……?」
地面スレスレに飛んでた
なら地面に痕跡が多少は残るはず、道を調べながら追跡する
高く速く飛べば、この世界はアレ(殲禍炎剣)が落ちてくる
<足場習熟><地形の利用>
万が一、強襲されたらまずは生身の格闘で応戦する
<暴力><肉体改造>
「なんかいた」
アドリブ・連携歓迎
ルクレツィア・アストリュード
逃げた…何処かに伏せて、回復の時間、稼いでいる?
でも、そうはさせない。
現場周辺で、キャバリアサイズの物体が隠れ得る位置に当たりをつけ、そこを重点的に捜索。
付近に人居れば、キャバリアが来たかどうか、それが何処へ向かったか確認。
キャバリア程の大きさの存在、一切の痕跡残さずに逃げるは困難。地面の歩行痕や周辺建造物の破壊痕、といった痕跡がある可能性は高い。それらを見つけたら、捜索範囲をその周辺へ絞り込む。
後は勘で見つけ出す。不意の遭遇には警戒しつつ。
もし敵が敵意を向けてくるなら、飛殺柳刃が発動するから、それも頼りにする。
「――逃がさない」
イェフ・デルクス
SPD
正直オッサン索敵とか向いてねえんだけどなァ、しゃーねェか。
こんなんの割に俺ァ勘も鈍いしな、足で探すとするぜ。
まあ…隠れる場所なんぞある程度決まってンだろ。
適当にうろつくか。【戦闘知識、集団戦術】くらいしか役に立ちそうなモンはねェが、アタリをつけて覗いていきゃあ、運が良ければ見つかんじゃねえの…適当に浮遊自走砲も出しとくか。【索敵】で探して、見つけ次第撃つようにしとけば音でわかるかもしれんしな。ちゃんと味方は撃たんように命令しとくぜ。
あー、そういやパイロットも一緒に連れて行かれてんのか。どうにか助けてやらねえとな…流石に知らねえやつでも死んだら寝覚めが悪ィ。
ま、見つけた後にでも考えるかね。
「出ーてこーい……いない」
アイオライトが引き受けた範囲とは別方向。TALONEを脳波コントロールで追従させ、生身を晒して街の外に出たイコル。生身なら食いついてくれるのではと、囮を買って出たのだが。敵は辺りから此方を窺っているわけではないのか、あるいは、他の猟兵たちを警戒しているのか。……生身でキャバリアと戦りあえる者もいるのだ。イコルも同類である可能性を、懸念しているという線もありえない話ではない。兎角何にせよ、未だに敵が姿を見せないのは事実。とはいえ、何もそれだけで諦めるほど手を尽くしてもいない。
「ん、こっち……?」
今度は穴があくほどに地面を凝視しながら歩き続けると、少し経ってからそんな呟きがイコルの口から不意に漏れ出た。敵が残したと思しき、微かな痕跡。その後を追って────跡が途絶えた。
ならば、ここからは隅々まで探し尽くすほかあるまい。此方が折れるのが先か、敵が見つかるのが先か。イコルによる捜索は根競べの領域へと────否。その時、TALONEに送られた通信が一つ。ユーベルコード越しに受け取ると、イコルはすぐにTALONEのコックピットへ戻って行った。
☆
ルクレツィア、小型浮遊戦車、イェフの量産型キャバリア。それぞれが戦場周辺の潜伏候補を一つ一つ探し続けていたところにキャバリアへ送られてきた通信。送り主はブルーテイル、アイオライトのクロムキャバリアからだ。彼女から受け取った内容をイェフから聞いたルクレツィアが、首を傾げてぽつりと。
「……何処かに伏せて、回復の時間、稼いでいる?」
「だとしても、まぁ……隠れる場所なんぞある程度決まってンだろ」
イェフの言葉に頷き、彼のキャバリアが差し伸べた手にルクレツィアが跳び乗る。
「しっかり捕まっとけよ」
忠告の直後、キャバリアは推進器から青白い噴射炎を吐き出して加速。浮遊戦車を伴い、地を駆け抜ける流星と化した。
☆
三機のキャバリアと一人の剣豪が合流し、進んだ先にあったのは地下への出入口。アイオライトが見つけ出したパイロットたちはあのオブリビオンに襲われていたらしく、辻斬りめいた真似をした敵が去って行った方向などを彼らから聞き出せた。その道を調べ、発見したそれらしき足跡を追い、辿り着いたのがここ。どこに繋がっているかは誰にも分からない。だが、オブリビオンの痕跡はまだ続いている。
「……あー、そういやパイロットも一緒に連れて行かれてんのか。どうにか助けてやらねえとな……」
決意も新たに、猟兵たちが行く。
☆
不意の遭遇などに備えながら、照明の点いた地下道を進む。オブリビオンの痕跡は途中で途絶え、道中にも分岐点はあったが、知識、勘、そういった物を動員して彼らが見つけ出したのは、無人の地下基地。誰からも忘れられたまま、人知れず存在を保ち続ける過去の遺物。オブリビオンが、猟兵たちが、偶然にも見つけ出した決着の地。
「────逃がさない」
敵意を感じたルクレツィアが弾かれるように反応したのと、イェフの索敵に何かが引っかかったのはほぼ同時。六十もの短刀の奔流と、浮遊戦車の砲弾が放たれる。姿を現し、応戦すべく構えるオブリビオンマシンの姿は、先の邂逅と全く異なるモノだった。
大成功
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第3章 ボス戦
『セラフィム・リッパー』
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POW : 断罪の剣
【無敵斬艦刀】が命中した対象を切断する。
SPD : エンジェルビット
自身が装備する【BS-Fクリスタルビット】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : フォールンウイング
【光の翼】を向けた対象に、【プラズマビーム】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アイオライト・セプテンバー
モノアイ野郎じゃない……!?
大ボスのお出まし、ってわけね。
クリスタルビットによる飽和攻撃が厄介そうね……。
……致し方ないか。
……機体のリミッター、および生命維持機能を解除。
自機キャバリア、ブルーテイルを、さらなる高速移動が可能な【真の姿】へと変形。
ユーベルコード【バーストモード】を発動するわ。
枷の無くなった強力な【推力移動】と【見切り】によりエンジェルビットの間を縫って接近。
試作型ブラストナックルである【BXS-A〝ハウリングホーク〟】での打撃で敵機オーバーフレームを狙いましょう。
こいつを相手にパイロットの救出を試みるなら、多少私の寿命を削る覚悟じゃないとね。
……可能な限り、助けてみせるわ!
ニール・ブランシャード(サポート)
困ってる人がいるの?
ぼくは斧で戦うのが得意だけど、体の中で毒を作ったり、普通の人には害になるものを食べちゃうこともできるよ。
…ほんとは戦うのはそんなに得意じゃないんだ。
でも、誰かが傷つくのはもうたくさんだから。
そのためならぼくは、どんなことだって頑張れる。
じゃあ、ぼくにできることがあれば教えてね!
(ブラックタールの少年です。
穏和で人懐っこく、優しい心を持っています。
主な活動は冒険、集団戦、ボス戦、日常です。
救える命は可能な限り助けようと尽力します。
弁が立つ方ではありませんが、誰かを励ましたり慰めたりすることには積極的です。
あとはお任せします。
NG:性的表現のあるシナリオ)
夜城・さくら(サポート)
キャバリアでの戦闘をメインに。
『オーバーフレーム換装』では、装甲を犠牲に攻撃力か射程を上げて仲間を援護するように攻撃します。【スナイパー】技能使用。
キャバリア以外では、『ギタギタ血まみれの外科手術』で仲間の治癒と戦闘力増強に励みます。
「ちょっと痛いですよ? でも大丈夫。すぐに元気すぎるくらいになりますからね」
笑顔でノコギリを振るいます。大丈夫怖くない怖くない。
「モノアイ野郎じゃない……!?」
────だが、間違いない。自分たちが追っていたのは、あのオブリビオンだ。そんな確信を抱くアイオライトの目に映るのは、機体のビットを二に四に八に十六に三十二に────一秒もなく展開と複製を行う敵の姿。未だ増え続け夥しい数にまで膨れ上がるビットに、猟兵たちは天使の軍勢を幻視する。
瞬間、閃光。それから何手も遅れて、轟音が衝撃波と共に轟く。短刀と砲弾の全てが、無数のビットに撃ち落とされたのだ。……あのビット兵器、先の支援キャバリアを目に見えて上回っている。それを従えるオブリビオンもまた、格別の敵に違いあるまい。
「────大ボスのお出まし、ってわけね」
迎撃を終えてなお止まぬ天使たちの攻勢を躱し、時にはビットをキャバリアライフルや荷電粒子砲で撃ち落としながら、その奥に控える敵機を一瞥する。
オブリビオンマシン、モノアイ・ゴースト改め、セラフィム・リッパー。最高位天使の名を冠する争乱の傀儡。ビット兵器も厄介だが、弾幕を突破したところで、あの機体とまともに戦り合えないのでは意味がない。ここは広大な地下空間。忌々しき「殲禍炎剣」の衛星砲に狙われることはない、ブルーテイルの性能を気兼ねなく存分に活かせるのだが……。
「数が、多すぎる……!」
どれだけ壊しても不足を補うように増えてゆく数多のビット兵器。それ等から連射される馬鹿げた量の光線が、猟兵たちを苦しめていた。ブルーテイルの機動力を以てしても、同様に。弾幕が薄まった瞬間を狙って突破は出来るだろうが、オブリビオンのもとに辿り着けても、その後の戦闘に耐えられるかどうか。こちらが一発狙う間に向こうは百発撃ってくる、といった旨の愚痴を誰かが吐き捨てていることからも、それがどれだけ分の悪い賭けなのかは嫌でも分かる。
弾幕を躱し、あるいは基地の建造物などを盾に凌ぎ続けていられる現状も、どれだけ持つのやら。ならば、致し方ない。道理を無理でこじ開けてでも行くしかないか────。
「────困ってる人がいるの?」
アイオライトが腹を括ろうとしていたその時、新たな戦士の声が木霊する。
「だったら、それ、ぼくがもらうよ!」
猟兵たちの後方から、威勢のいい言葉と共に前線に躍り出た全身鎧。その中から溢れた液体が光線の毒性を嗅ぎつけ、弾幕を構成する一角を呑み込んだ。
それだけではない。同じく後方から続く熱線の狙撃が、その周辺のビットを薙ぎ払う。
「援護します。今の内に本命を」
AZタイプの量産型キャバリア。キャノンフレームの姿で現れたその機体から、広域回線で少女の声が呼びかける。
ニール・ブランシャード(ブラックタールの黒騎士・f27668)と夜城・さくら(不思議ちゃんの量産型キャバリア・f30006)、二人の増援が好機を作り出してくれた。
弾幕が先程まで以上に薄くなったこの瞬間なら、やれる。
機体のリミッター、及び生命維持機能を解除。ブルーテイル、超高速戦闘形態に変形。
「少しばかり付き合って貰うわよ、バーストモード!」
コックピットのモニターに表示される《BURST MODE》の文字。カメラアイに力強い光を漲らせた真のブルーテイルが、一瞬にして最高速に至る。蒼の閃光が、戦場を縦横無尽に切り裂いた。
弾幕を突破する中で機体は損傷を被ったが、許容範囲内。ダメージチェックはそれだけで十分。
「とっておきよ! 有難く食らいなさいッ!」
腕部の試作型ビーム発生装置、ハウリングホークを起動。ブルーテイルの拳をビームが覆い、ピンポイントのバリアパンチをセラフィム・リッパーの脇腹に叩き付ける。熾天使の残像が真一文字に空間を貫き、吹き飛ぶ敵機を全力機動で追い駆けるブルーテイルが片手に握ったのは、プラズマブレードの発振器。ブレード形成システムを起動すると共に、発振器に貯蔵されたエネルギーの消費量を幾何級数的に増加。
「まだ終わりじゃないの!」
通常の200%にまで出力を上昇させた光刃を振り下ろす。対するセラフィム・リッパーも断罪の剣、無敵斬艦刀を振り上げて迎え撃つ。光と鋼の刃が激突し、耳障りな音を奏でながら斬艦刀がプラズマブレードを押し込んだ。このまま押し切られてしまえば、機体ごと両断されてしまう。
「だったら、これで……ッ!」
発振器だけでなく、それを握るマニピュレータのプラグからもエネルギーをブレードに供給。冷却が追いつかなくなり、発振器の溶融や爆発を招く危険も承知のうえで、出力を更に上昇。出力、400%。フルドライブを超えたオーバードライブ。堅牢な作りの武装と言えど、次の瞬間に耐えられなくなってもおかしくないほどの過剰出力。
「その刃、貰ってくわよ!」
使用時間の限界を迎える寸前。アイオライトの宣言通りに、プラズマブレードが斬艦刀の刀身を半ばから断ち切った。
成功
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イコル・アダマンティウム
「剣が無くなった、なら」
敵には遠距離しかない
走って距離を詰める
<ダッシュ><推力移動>
敵機の射撃は見切って避けるか、迎撃
<見切り><武器落とし><咄嗟の一撃>
距離を詰めたら会話を試みて意識の確認
「パイロット、応答して」
意識がないと敵機の撃破時に脱出がうまくいくか、心配
だからトドメを刺すためにも
「僕が行く」
UC【覇気解放】
キャバリアから跳び出して、動力にしていた覇気を全て解放
敵のコックピットに向けて跳び蹴り
これで装甲を砕いて、中からパイロットを助け出す
敵機のUCは覇気で無力化、吹き飛ばす
<暴力><限界突破><肉体改造>
<捨て身の一撃><鎧砕き><貫通攻撃><踏み付け><吹き飛ばし>
「おはよう」
ルクレツィア・アストリュード
姿を変えた…進化した?
けれど、やることは、変わらない。斬り倒す。それだけ。
とはいえ、あの姿。速度は結構なものと推察。
闇雲に追うだけでは、絶対に追いつけない。
…なら、逃げられないようにすれば良い。
存在を認識した時点で、ボクに敵意を向けてくるはず。
それをトリガーとし飛殺柳刃を発動。刃に敵を追わせて、ボクから離れようとする動きを牽制、逆に近づけさせるよう誘導。
此方からも【ダッシュ】で接近、敵がプラズマビームを構えるなら【瞬間思考力】で敵の狙う方向を判断、回避不能な位置に追い込まれないように回避。
剣の間合いに捉え次第【ジャンプ】からブースタ等の推進系を狙って斬撃繰り出し【切断】にかかる。
「剣が無くなった、なら」
現状、敵機が選べるのは遠距離攻撃しかない。そう判断したイコルはTALONEを駆り、セラフィム・リッパーへの接近を試みる。────即ち、弾幕への突入。無謀とも呼べる行いだ。
尽くを見切ったところでキャバリアの図体が躱しきれる空間などありはせず、咄嗟の対応も追いつかない。それだけで突破が叶うのなら、猟兵の増援がなくともブルーテイルが見せたあの速力だけで現状と同じような光景を作り出していることだろう。加えて、そのブルーテイルもエンジェルビットの向こう側。壊した直後に数を補ってくるビット兵器の対処に回る人手が減っている。同じだけのスピードがあったとして、あの程度の損傷で済みそうにもない。
だが、どうする。このままビット兵器の相手をしているだけでは終わりが見えない。どうすれば辿り着ける。どうすれば、この戦いを終わらせられる。何か、手は────。
「────ある」
イコルは然程に頭を悩ませることなく、乗機と共に軍勢の真っ只中に跳び込んだ。
その背を見たルクレツィアもまた、セラフィム・リッパーのもとへ動き出す。戦場を駆け回っている数多の飛殺柳刃を敵機に差し向け、誘い込む前提はとうに崩れた。敵機は既に弾幕を突破した猟兵の相手をしており、直接の敵意をルクレツィアに向けてきてはいない。それでも飛殺柳刃が召喚されたのは、エンジェルビットが念力────オブリビオンの思念、それも敵意によって動くからこそ。つまり、飛殺柳刃はオブリビオンではなく、ビットを追ってしまっている。
けれども、為すべきことは変わらない。
TALONEの背後について追従。盾代わりに利用する形となるが、無理に強いているわけでもなし。活かさぬ手はあるまい。そうして、一機と二人が決戦の領域へ新たに到達した。
「パイロット、応答して」
……強引な突破の代償か、被弾を重ねて各部の破損が目立つTALONE。そこから広域回線で呼びかけるイコル。
「────────」
返答はなし。それどころか、セラフィム・リッパーがTALONEへ肉薄する。パイロットは意識を失っているのか、はたまた機体が操作を全く受けつけない今、連絡手段がないのか。
いずれにせよ、斬艦刀が破壊された敵機が取れる攻撃手段は、遠距離からのそれに限られるはず。現実として、セラフィム・リッパーの光の翼からプラズマビームが照射される。その攻撃を躱した直後には、至近距離から斬艦刀を振るう敵機の姿を捉える。
敵には遠距離攻撃しかないという思い込みを否定する光景が、目の前に叩き付けられた。イコルの虚を突いて、半ばほどの刀身が残る斬艦刀がTALONEのコックピットへ迫る。想定外の状況。脱出が間に合うだけの余裕はなく、
「斬り倒す」
TALONEとイコルのもとに、となれば、その背後にいたルクレツィアの間近にも接近したセラフィム・リッパー。即応して跳躍、敵機の背後に回り込んでいたルクレツィアが、複数の推進系目掛けて高速の剣閃を次々に繰り出す。彼女の狙い通りにそれ等は切断され、セラフィム・リッパーの姿勢が崩れた。斬艦刀がTALONEを襲うことはもはやない。ならば、後は決着をつけるのみ。
「僕が行く」
TALONEのコックピットから跳び出したイコルが覇気を解放。────機体が満足に戦えずとも、イコルには己が身という武器が残っている。これこそが、勝利の一手。
あらゆるユーベルコードが無力化され、複製された大量のビットは瞬く間に消え失せてゆく。イコルの行き先は、セラフィム・リッパーのコックピット。彼女の跳び蹴りがコックピットハッチを貫き、その轟音がパイロットを叩き起こした。……ヘルメットの奥、パイロットの視線とイコルの視線が交わる。
「おはよう」
刺激的なモーニングコールを、イコルはパイロットに告げた。
────鮮烈な一撃がトドメとなったのか、セラフィム・リッパーは今度こそ完全に機能を停止。狂鉄の騎士が、漸く長い眠りに就く。
かくして、ある小国で起こったキャバリア暴走事件は、終わりを迎えたのであった。
大成功
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