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【Q】ようこそハロウィンキングダム!

#アリスラビリンス #【Q】 #お祭り2020 #ハロウィン

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●これぞまさしくキングダム!
 深い、ふかーい森の中。
 はらり、はらりと色とりどりの服が飛び出してくると、ころころ、ころんとまんまるカボチャが転がりだす。
 ころころ、ころころ。
 転がるカボチャはジャック・オ・ランタン。
「パーティーだ! ハロウィンパーティーがはじまるぞ!」
 ぼんやりと灯る明かりとと共に転がるランタンが行く道は長く、ながーい道。
 ジャック・オ・ランタンがいくつも並び、ガイコツやコウモリなどのオーナメントが散りばめられた道はまるでパレードの為に準備されたかのよう。そんな長い道を転がっていくと、冷蔵庫や調理器具がずらりと並ぶ広いキッチンの間を転がっていった。
 ころころ、ころころ――こつん。
 けたけた笑うカボチャはヒトの足にぶつかり止まると、片手でむんずと掴まれ軽々と持ちあげられてしまった。
 ど真ん中に位置する巨大なジャック・オ・ランタンが存在感たっぷりの巨大な王城を背に立つのは筋骨隆々の大男。
「ここは俺様の王国だー!! お前達、ハロウィンパーティーを行うぞおー!!」
 ばがあんっっ!!
 固そうなカボチャは片手一つでボロボロに砕け散り、王冠を輝かせる王はどこまでも響く声で豪快な笑いを響かせるのだった。

●こ、これはオウガ・オリジンの仕業!!
「おつ、皆集まったな」
 迫るハロウィンに影響されてか、資料と一緒にカボチャを抱えた海老名・轟(轟く流星・f13159)が猟兵達の前へとやってきた。
「アリスラビリンスでオウガ・オリジンが『現実改変ユーベルコード』で幾つもの不思議の国を生み出したり、改変したりしてた事は覚えてるか?」
 テーブルにごんとカボチャを置きながらの轟に猟兵達が思い出すのは、料理を作ったり、お茶会をしたりと色々な事があった、あの戦いだ。
「まさかまたオウガ・オリジンが?」
「ああ、そのまさかさ。今回、オウガ・オリジンによって『ハロウィンの国』に改変された国が幾つも見つかった。しゃべる南瓜ランタンや、コスプレ衣装の飛び出す森、食材が完備されたキッチンがあってな、しかも「なんかめちゃくちゃ長い行列をするためだけに作られた道』があるんだよ!」
 ごろんごろんとカボチャはテーブルの上で回され、
「まさにハロウィンパーティにうってつけの国だな」
 ぴたりと止めて轟は言うが、グリモア猟兵がこんなことを話すのだから、当然、続きがある。
「確かにうってつけの国だなんだが、オウガ・オリジンの作った国は『悲劇を作る』為のものだ。そんな国をはいそうですかと放っておける訳がない。オリジンから直接力を与えられた『凶悪なオウガ』達がハロウィンの国の力を利用して襲いかかって来るだろうが、お前達なら大丈夫だ」
 さらっと轟は簡単に言ってのけるが、それも猟兵達への信頼の現れなのだろう。

「凶悪なオウガを倒してこちらがハロウィンの国をゲットする。それが今回の目的だが、詳しくはこれを見てくれ」
 依頼の詳細を記したメモを手際よく渡し終えると、その背後にはハロウィンの国――深い森がその姿のぞかせていた。
「ちょ、ちょっとまった。『コスプレ衣装の飛び出す森ではコスプレ衣装(どんなコスプレ衣装が飛び出すかは分かりません)を着て戦うとパワーアップするぞ!』ってなんだ?!」
 メモに目を通していた猟兵はとんでもない一文を声に出して問いただすが、残念ですが時間です。
「あ? ああ、そのまんまさ。コスプレして戦うとパワーアップするぞ」
「どんなコスプレ衣装が飛び出すかは分かりません、って」
「よっしゃいくぞー!!」
「「「ちょっとまってえええええぇぇぇぇぇ???!!!」」」
 ――こうして猟兵達はハロウィンの国をゲットすべく戦いに赴くのだった。


カンナミユ
 カンナミユです。
 そういえばもうすぐハロウィンですね。

 第1章は【集団戦】です。
 オウガの軍勢は森から飛び出してきた『コスプレ衣装』でパワーアップしています。
 こちらも森から飛び出してきたコスプレ衣装を身につけてパワーアップしちゃいましょう!
 ちなみに飛んでくるコスプレ衣装の種類は『ランダム』です。本人が全く望まないコスプレ衣装が飛んでくるかもしれませんが、諦めてください。
 なお、『森から飛び出してきたコスプレ衣装を身につける』『本当は嫌だけど、勝つ為にしょうがなく着て戦う等のリアクション』はプレイングボーナスとなるので嫌でも着てください。

 第2章は【ボス戦】です。
 オウガのボスは『ハロウィンの国』の法則によって『ほぼ無敵』となっていますが、『美味しい料理を食べさせること』が唯一倒せる方法となります。
 美味しくなくても気持ちのこもった料理でも大丈夫みたいなので、ボスの苛烈な攻撃に耐えながらキッチンで美味しい料理を作ってください。
 料理が完成するとボスはこの国の法則により、抵抗できずに食べてしまいます。
 そしておいしさについて事細かに批評、称賛した上で段々眠くなってきますので、料理を食べさせ続けて完全に眠らせれば無敵状態は解除され、一撃で倒せるようになります。
 2章のプレイングは基本的に『料理を作る』か『攻撃を耐え忍ぶ』がメインですね。

 このシナリオは2章構成のシナリオフレームになっております。
 また10/31までに成功したシナリオの本数に応じてハロウィンパーティ当日、そしてやがて始まるであろう『アリスラビリンスでの猟書家戦』に何らかの影響があるかもしれません。

 それではよろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『四つ葉の使者』

POW   :    ぐちゃぐちゃにすれば食べやすいものね?
【クローバーの魔法陣から放つ魔力の矢】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    あなたも素敵な四つ葉になりたいでしょう?
対象への質問と共に、【クローバーの魔法陣】から【白詰草で出来た犬型の怪物】を召喚する。満足な答えを得るまで、白詰草で出来た犬型の怪物は対象を【牙による噛み付きや体当たり】で攻撃する。
WIZ   :    綺麗でしょ、あなたもこの一部になるのよ!
自身からレベルm半径内の無機物を【四つ葉のクローバーと白詰草の嵐】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 深い深い森の中。
 くすくす……くすくす……。
 ふふ、ふふふ……。
 鈴を転がすような可愛らしい声が森の一部を小さく揺らす。
「まあ、なんて愛らしいのでしょう」
「素敵だわ、四葉のクローバー。もっと、もっといっぱいにしないと」
 鈴の音の主たちはなんとも可愛らしい少女達。
 クローバーを模したであろう服の裾がふわりと揺れ、愛でる動作に髪も揺れ、その足元にはささやかながらも沢山の四つ葉のクローバーが広がっている。
 そう、少女たちは四つ葉のクローバーを愛する――ヒトならざる存在。
「足りないわ、もっと、もっといっぱいにしないと」
「世界中を覆いつくすほどの四つ葉のクローバーを育てましょう」
「たくさんの栄養が必要だわ」
「必要ね、四つ葉のクローバーを育てるための栄養が」
 くすくす、くすくす。
 ふわんと飛んでくる衣装を纏い、オウガたちは軽やかな、不思議な響きが含む笑い声を弾ませた。
ライカ・ネーベルラーベ
【白岩】
勝つために着替えればいいんだっけ
……これに?
「別にいいけどさ、バイクに跨りにくい服はやめてよ」(上着ぽいー)

他の2人は……うわぁ
「面白……じゃないや、戦いには向きそうにない格好。こんなんで本当に強化されるの?」
まぁ、そうだよね
何を着てようが、わたしはわたし
死体の服なんか誰も気にするもんか
……でもやっぱり肉襦袢はどうかと思う

今更スカートがひらひらしてる程度で騒ぐ身の上でも無いんだ
後ろから数宮さんが援護してくれるし
ぶち撒けられる炎を割って【Donner突撃/チェーンガンブレード四刀流】で使者たちに突撃
草の怪物ごと轢殺&惨殺のフルコースをお届けだよ
「知、る、か、ってんだよぉぉぉぉ!」


数宮・多喜
【白岩】

……コスプレ、なぁ。
いやアタシは良いんだよ?
今更だし。恥ずいカッコなんて何度もやってきたし。
でもなんだよこの筋肉襦袢!?
しかもなんで上半身裸なんだよ!男物じゃねーかこれ!!
こらそこ!呆れてんじゃねーよ!!

ったく……良いよさっさと草刈りと行こうじゃないさ!
いや、焼却処分かねぇ?
オーナーの炎に焚き付けるように、
【熱線銃作成】で造り出した熱線銃で『援護射撃』する。
火炎放射器だと造りが雑で変に延焼しそうだからねぇ!
魔力の矢にも、『衝撃波』を飛ばして相殺できるよう試みるよ。
こんだけあらかじめ『弾幕』を張ってれば、
ライカさんも突っ込みやすくなるだろうさ!

さあ、汚物も怪物も消毒だぁー!


エスタシュ・ロックドア
【白岩】
轟、かなり強引に送り込みやがったな……。

多喜……(名状しがたい表情)
似合ってる、ぜ?
ライカいま心の底からうわぁって言ったな正直でよろしい
にわかには信じがてぇがそーらしいな
どんな衣装を着ようと俺の男前度は変わらねぇ
変わらねぇんだそういうことにしておこうぜ、な!
よし行くぞ!!!(自棄)

『群青業火』発動
全身とフリントに業火を纏わせ、
【怪力】で振るって敵に切りかかり、
【なぎ払い】【吹き飛ばし】だ
その勢いで業火を撒いて【範囲攻撃】
敵を囲って狙いやすくするぜ
勿論味方は燃やさないよう消火

敵の攻撃は回避を試みるが当たっちまったら、
傷口から業火垂らしつつ【激痛耐性】で耐える

よーし焼け焼け、自棄だけに



「轟、かなり強引に送り込みやがったな……」
 深い森の中をざくざく進みながらエスタシュ・ロックドア(碧眼の大鴉・f01818)は自分達を送り出した男の名を口にし、さらに進む。
 随分といい笑顔で送り出した男がエスタシュ達に依頼したのは『凶悪なオウガを倒してハロウィンの国をゲットする』というものだ。
 説明を聞くだけなら簡単な依頼にも聞こえなくはないが、そう簡単にこなせる依頼なんて手ごたえがなさすぎる。
 血沸き肉躍る戦い。アドレナリンが噴き出す激しい戦いを!
「……コスプレ、なぁ。いやアタシは良いんだよ? 今更だし。恥ずいカッコなんて何度もやってきたし」
 ため息交じりの数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)の言葉通り、これから行われるのは血沸き肉躍りアドレナリンが天元突破するコスプレバトルなのだ!
 正確には『コスプレ衣装でパワーアップしたオウガの軍勢と対等に戦うべくこちらもパワーアップすべくコスプレ衣装を着る』のだが。
「勝つために着替えればいいんだっけ……これに?」
 見上げるライカ・ネーベルラーベ(りゅうせいのねがい・f27508)の瞳にはひゅんひゅんと飛び交う様々な衣装が飛び込んでくる。
 ふりふりレースのメイド服から際どいスリットが魅惑のチャイナ服。ビシッときまるスーツや最近話題沸騰なあの衣装や刀が飛んできて……おいなんか布面積がゼロに等しい水着が飛んできたぞ?!
「別にいいけどさ、バイクに跨りにくい服はやめてよ」
 いやいやこれはヤバイですよライカさん。このままでは際どい水着軍団になってしまいます!!
「わぶっ」
 突然ぼふんと顔面に飛び込んできたソレを引き剥がした多喜はぎょっとするも、上着をぽいーと手早く脱いだライカがエスタシュと一緒に着るのを見たので諦めた。
 水着じゃないし、皆で着れば怖くない。
「多喜……」
 着替え終えたエスタシュは己の瞳に映る多喜を前に名状しがたい表情が張り付いていた。
 完璧に再現された健康的な白い肌。引き締まった筋肉はくっきりと陰影がつけられ、これ見よがしに盛り上がり主張された6パックス。
「なんだよこの筋肉襦袢!? しかもなんで上半身裸なんだよ! 男物じゃねーかこれ!!」
「似合ってる、ぜ?」
 ちょっぴり口角が上がりかけのエスタシュは色白マッチョの多喜とは対照的にこんがり小麦色に日焼けしたマッシヴ肉襦袢である。
 当然、ライカも期待を裏切らない筋肉上半身だ。コッテリテカテカに輝くマッチョは肩にメロンが乗っている。キレてる! キレてるよ!!
「……うわぁ」
「こらそこ! 呆れてんじゃねーよ!!」
「ライカいま心の底からうわぁって言ったな正直でよろしい」
 うんうん頷くエスタシュにライカもこくりと頷くと、遠くでなにかがくすりと笑う。
 ――くすくす。
 ――ふふふ。
「面白……じゃないや、戦いには向きそうにない格好。こんなんで本当に強化されるの?」
「にわかには信じがてぇがそーらしいな」
 異なる双眸が見つめる先は木々に隠された先。肉襦袢を着込んだその下で本物の筋肉が戦いを前にぐぐっと動く。
 どんな格好であろうと勝つ。多喜の心の雑念もエンジンを回せば吹き飛んでしまう。
「ったく……良いよさっさと草刈りと行こうじゃないさ! いや、焼却処分かねぇ?」
「どんな衣装を着ようと俺の男前度は変わらねぇ。変わらねぇんだそういうことにしておこうぜ、な! よし行くぞ!!!」
 グルオオォ……!!
 木々を震わす鉄騎の咆哮が轟き――マッスルライダー爆誕の瞬間であった。

 倒木を飛び越え茂みを躱し、巨木をすり抜け3人は敵陣へと一直線!
 だあんっ!!
「来てくれたのね」
「待っていたわ」
 一面のクローバーを前にふわりと立ち待ち構えていたのは四つ葉を愛するオウガ達。
「もっと、もっとクローバーを育てないと」
「必要だわ、クローバーを育てるための栄養が」
 ふわりふわりと優しい声音の可愛らしいオウガ達は現れたライダー達へ優しい笑顔を向けてくる。
 優しい、とても優しい笑顔。
 だがその下はゴリゴリの肉襦袢である。しかもご丁寧にカツラを被った力士からレスリングパンツにレスリングマスク姿ときたもんだ。よくわからないが褌マッチョもいるではないか。
 クローバーを前に立つ、マッスル少女。
「これはひどい」
 三人の心は一つになった。
「ねえ、栄養になってちょうだい!」
「っ、オーナー!」
 浮かび上がる魔方陣に上がる声。
 多喜の声にアクセルをふかしシンディーちゃんとエスタシュは地を駆ける。
 ――此処に示すは我が血潮、罪過を焙る地獄の炉、以て振るうは臓腑の火。
 ぎいぃんっ!!
 払う燧石の一閃に狙う矢は振り払われ、運よく逃れても燃え盛る炎が焼き尽くすと群青の炎はオウガ達を翻弄しはじめる。
「ああっ、ひどい、ひどいわ」
「どうして栄養になってくれないの?」
「酷いのはその恰好だよ」
 相棒を触媒にして作ったレーザー銃を構えて引き金を引けば、多喜に飛び掛かってきた怪物はたまらないと地に転がるもそう長くはない。
 じたばたともがく怪物は起き上がるとライカへ飛び掛かる。
「あなたも素敵な四つ葉になりたいでしょう?」
「なりたいでしょう? 素敵な四つ葉に」
「ライカさん、そっち行ったよ!」
 問いかけを投げられたライカの体は2輪車と共に駆け抜けた。アクセルを回して怪物の牙をすり抜け、きゅっと旋回して飛び越え援護を背に攻撃をブチかます。
 確かにオウガの攻撃はパワーアップされているようだが、こちらもパワーアップしている。つまりはいつもと同じという事。
 同じ。いつもと同じ。何を着てようが、わたしはわたし。死体の服なんか誰も気にするもんか。
「……でもやっぱり肉襦袢はどうかと思う」
「それな!」
 がおぉんっ!!
 群青が咆哮を上げ、色白マッチョの援護射撃が迫る敵を狙えるだけ狙って撃ちぬいたち抜いた。
「大丈夫?」
「これくらい痛くもなんともねえ!」
 腕を伝う血を目にライカは心配の声をかけたがエスタシュは気にも留めなかった。傷口から炎が揺らめき握る手はアクセルをふかすと敵の中へと駆け抜ける。
「おぉおりゃあ!!」
「きゃあっ!」
 援護射撃を受けた中、力任せの攻撃にオウガの襦袢がざくりと裂けた。
 そうか、あの衣装をボロボロにしてしまえばパワーアップもできないに違いない!
「オーナー、ライカさん!」
 宇宙カブに乗る多喜はありったけの声を上げ、熱線銃だけでなく衝撃波までも放って豪快な弾幕を張ってみせた。
 これなら敵もそう簡単に接近はできないだろう。
「さあ、汚物も怪物も消毒だぁー!」
 ぐぐっと拳を握る多喜に応えた群青が更なる炎が燃え滾る。
「ふふっ、無駄よ」
「あなたたちはもう終わり」
「終わりなのはお前達だ。――焼き払うぜ、灰も残さねぇよ」
「邪魔だ退けぇ!」
 群青がすべてを燃やし尽くし、メガリスが輝いた。
「ま、まさか、そんな……」
「うそ……うそよこんな……」
 多喜の援護にエスタシュの炎が焼き尽くし、ボロボロになった可哀そうな少女達。
 ああ、ああ、愛しいクローバー達――。
「知、る、か、ってんだよぉぉぉぉ!」
 ぶち撒けられる炎を割るライカの声が轟くと、悲哀を鋸剣が切り裂き機関銃が何もかも撃ち抜いた。
 からからと落ちる薬きょうの音が止むと、敵の姿は消えていた。
 のこっているのはあの戦いの中でも消えることのなかったクローバーがだけ。
 しんと静まり返る中、
「よーし焼けた焼けた、自棄だけに」
「焼けたねぇ」
 むんと胸を張るエスタシュに多喜も思わずサムズアップ。
 どこからか吹く風に揺れるシロツメクサを見下ろし、着ていた襦袢を脱ぎ捨てたライカも上着に袖を通しながら小さくサムズアップした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
 妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


フルム・サーブル(サポート)
余裕があるときや敵に憐れみを感じる場合は基本通りの穏やかな口調
余裕がなかったり、敵がえげつなくて怒りを感じるような場合は
「敵には」の口調です

でもあまりキャラぶれは気にしないので
公序良俗に反しない限りは好きに扱ってください

技能は【力溜め】【怪力】【グラップル】【シールドバッシュ】【カウンター】など
セットされているもの(サバイバル用にばらつきがあります)
を活用し、小さい体で戦場を飛び回りながら
優雅(自称)な戦いをします
どうみてもそのスタイルは脳筋です

武器は鍵(バトルアックス)や杖(バールのようなもの)をメインに使いますが
選択されたユーベルコードによっては拳一つでの戦いも可能です


クロード・ロラン(サポート)
●心情
「俺は咎狩り!オブリビオンは皆狩ってやるよ!」
オブリビオンを倒すことこそ自分の存在意義と思っています
心情的に敵に同情することもありますが、
最終的にオブリビオンは狩るもので、それが救いにもなると思っています
助けるべき人がいれば、全力で助けに行きます
言動が素で中二病まっさかりな感じです

●戦闘
小柄さ・身の軽さを活かした、スピードやアクロバティックな動きで戦うタイプ
ダッシュ、ジャンプを多用し、敵の死角に潜り込んだり、敵を一ヶ所にまとめてUCを使います
武器は大鋏。斬ったり、叩いたり、お好きに使わせてください

その他、連携やアドリブお任せします



 オウガ・オリジンが改変して作った『ハロウィンの国』の森は邪魔者を排除しようとするモノ達の声と何かが飛ぶ音がよく聞こえる。
 スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)が見上げれば、木々の間をセーラー服が飛んでいき、瞬く間にぽてっとしたフォルムが可愛らしい着ぐるみが飛び出してきた。
「おっと」
 飛んできたカボチャの被り物らきしものをさっと避け、後を追うように飛んでくる黒猫スーツをフルム・サーブル(森林の妖精さん・f03354)はひらりと躱す。
 衣装は種類も豊富で様々なサイズが飛んでくる様子はまるで不思議なファッションショーのよう。
 着れば動きにくそうな肉襦袢をひょいと弾くクロード・ロラン(黒狼の狩人・f00390)がじっと見据えれば、開けた場所が先にある。
 薄暗い森の中に広がるのは小さく白いシロツメクサが咲き誇る、クローバー達。
 そして――それを愛でるヒトならざるモノ。
「いたな、オブリビオンは皆狩ってやるよ!」
 背丈程もある大きな鋏を手にクロードは一直線に駆けだした。

「ねえ、素敵なクローバーでしょう?」
「もっと、もっとクローバーでいっぱいにしたいの」
「素敵なクローバー達の栄養になってちょうだい!」
 愛でる少女達はヒトならざるモノ。
 にこにこと笑顔を向けてくる少女達は、なんかすごい恰好をしていた。
「巫女とナース、あと魔法少女ですね」
 金糸を揺らして茂みを飛び越え、スピネルの声にフルムも敵の姿をじっと見た。
 フリルのエプロンドレスから体操着に際どすぎるチャイナ服。何というか色々凄かった。
「あなたも素敵な四つ葉になりたいでしょう?」
「クロード君!」
 フルムの声に見れば、目前の魔方陣から現れた怪物が牙を剥く!
「おっと」
 鋭い爪がぶんとうなり、身軽さを活かして突進してくる巨体を飛び避ける。ざくりと抉れた地を目にたんと飛ぶ。
「逃げないで答えて?」
「うわっ」
 着地を狙った攻撃をひゅんと飛び越え、クロードを追いかける攻撃が木々を切り裂き地面に爪痕を残す。
「大丈夫、ちゃんとあなたも栄養にしてあげるからね」
「っ……!」
 くすくす笑う声を混ぜ、メイド服の少女は四つ葉のクローバーと白詰草の嵐を生み出した。
「ふふ、あなた絶対にいい栄養になるわよ」
 嵐に髪が乱れ、流されぬよう耐えるスピネルは生み出す狐火を展開させるが――、
「こんな炎じゃ私は燃やせないわ」
 嵐を操る少女は嗤う。
 戦いに苦戦してたのはスピネルだけではない。
「ほらほら、逃げてばかりじゃ栄養にできないわよ? 止まってちょうだい!」
 スク水少女が放つ矢をフルムは小柄な体を活かして避けていたが、その速度は速く、素敵なステッキで打ち払ってもその威力に負けそうになってしまう。
 かすりそうになるところをギリギリで躱し、攻撃しても大きなダメージを与えることができない。
「コスプレでパワーアップしてるからか?」
 大鋏で体当たりを防ぎながらクロードは新たな攻撃を大きく飛び避け、確かにそういう説明をしていたとフルムは思い出す。
 負ける訳にはいかない。
 何とかせねばとスピネルはきゅっと唇をかみ――、
 ごぉおうっ!!
「きゃあ!!」
 突如コスプレ少女が悲鳴を上げたのだ。
「な、なに? 炎が……!!」
「え? どういう事?」
 放ち続けた狐火の火力が急に上がった? いや、そんな事ある筈がない。
 だが、それはクロードやフルムでも同じ現象が起きていたのだ。
「……?」
 攻撃を受け流していたその勢いが落ちたようにフルムには感じられ、牙を剥く怪物の一撃が軽くなった用意クロードも感じたのだ。
 攻防の中でのその変化はチャンスである。
「クローバーを愛する気持ちは理解できます。ですがそれで誰かを傷つける事は許しません!」
 ごおおっっ!!
 嵐の中に放たれる数多の狐火は荒れ狂い、少女達を焼き尽くす。
「わあっ!」
「きゃっ!」
 炎に包まれ消えてくのを背に仲間達を見れば、形勢は見事に逆転していた。
「どうせなら良い仕事をしたいからね」
 先ほどとはうってかわって鈍重さを感じない攻撃をひらりひらりとかわし続けるフルムは武器を構えなおして振るいあげる!
 ごっ。
 どすっ。めきょっ。
 ちっちゃくてかわいい妖精さんは物理をもってコスプレ少女達へ優雅(自称)な攻撃を叩きつけ、
「さっきまでよくもやってくれたな!」
 切り裂こうと迫る攻撃をばっと飛び越えクロードの大鋏はぎらりと光る。
「今です!」
 スピネルに頷きその体は敵へと一直線。
「俺達はクローバーなんかにはならないからな!!」
 ざ、んっ!!
 怪物は少女ごと真っ二つに切り裂かれた。
「この勢いで残りも倒しましょうか」
「そうですね」
「おう!」
 優雅な攻撃に狐火が踊り、大鋏が敵を裂く。
 敵を倒すのにそう時間はかからなかった。

 戦いは終わり、疑問が一つ残った。
 コスプレ衣装でパワーアップした敵に対し、コスプレをしていないこちらはいつも通りであった筈だが……。
 いや、そういえば。
「戦っている時に何かが頭に乗ったような……」
 ちょっぴり違和感を感じる頭にそっと触れ、スピネルは違和感の正体に気が付いた。と、ほぼ同時にフルムとクロードも互いの頭をを見やり、己の頭に乗るそれを取る。
「ウサミミのカチューシャだわ」
「これは探偵がかぶる帽子か?」
「僕のはコック帽だね」
 どうやら三人はそれぞれバニー、探偵、コックさんのコスプレをいつの間にかしていたようだった。
 被っただけでコスプレとは随分と定義が緩いような気もするが、まあ考え方はそれぞれだろう。
「これくらいでも良かったんですね」
「よし、これにて事件解決だな!」
 ほっと胸をなでおろすスピネルを目にぐっと拳を握る名探偵クロードであるが、真犯人ならぬボスがいる。
「敵は倒したようですし、ボスの所へ向かいますか」
 コック帽をかぶったままでフルムはすいと進み、敵を倒した3人は森を抜けてボスの元へ向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

フィロメーラ・アステール
「……」
ランダムとは一体なんなのか。
確率的な部分だけ見れば、ある意味、幸運というか。

いやどっちかっていうと不運の分類では?
肉襦袢を前にして、涙を呑まずにはいられない。
どうして……こんなの着たら、かわいい妖精さんのイメージが台無しじゃない? ねえ? ひどい。

ただ勝つためには、世界を救うためには必要な事なんだよ。
わかっておくれ、あたし。
……ちょっと現実逃避ぎみに言い聞かせつつ。

【気合い】を入れて肉襦袢を装備!
でも、できれば見ないで欲しいなー!
敵には【先制攻撃】で、閃光の【目潰し】を食らわせるぞ!
それでも撃ってきたらマッスル【オーラ防御】だ!
その隙に【成層圏・重力隕石落とし】で【踏みつけ】アタック!



 真っ白な貝殻が眩しい貝殻ビキニが頭上を飛び、紺色のスクール水着やらエプロンドレスが宙を舞う。
 さて、この森はコスプレ衣装が飛び交う不思議な森。可愛らしい衣装から見なかった事にしたい衣装まで様々なものがフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)の頭上をゆく。
「…………」
 見上げる瞳は死んでいた。
 敵はあの中からどれかを身にまといパワーアップしているという。それに対抗する為には己もまた、身に纏わねばならない。
 何を着るかは全くのランダム。成人指定まったなしのものであったも涙をのみ唇をかみしめ耐え忍ばねばならないのだ。
 ――ぽてっ。
 ランダムとは一体なんなのかと目の前に落ちてきたそれを見つめフィロメーラはつい考えてしまう。
 確率的な部分だけ見れば、ある意味、幸運というか。いやどっちかっていうと不運の分類では?
 考えはとめどなく溢れてゆくが、このままでいても仕方がない。
「どうして……こんなの着たら、かわいい妖精さんのイメージが台無しじゃない? ねえ? ひどい」
 悲しみが混ざる声と共に見つめる先にはランダムの結果がそこにあった。
 きらきら輝くお星さまに負けないテッカテカの黒光りボディ。隆起し盛り上がった圧倒的筋肉は見た者の心をたちまち震わせるだろう。
 全身ではなく上半身タイプの肉襦袢であったのがせめての幸いか。
「ただ勝つためには、世界を救うためには必要な事なんだよ。わかっておくれ、あたし」
 ぐすぐす涙声まじりでそれを持ち上げいそいそ着替える幸運の流れ星フィロメーラだが、着替え終えればその表情も戦いに向かう一人の猟兵のものになっていた。
 キレてる! その筋肉仕上がってるよ!!
 土台が違う! 三角チョコパイSSR級だよ!!
「よ、よし、いくよ!」
 きらきら長い髪が揺れ、フィロメーラは敵陣へと突っ込んだ。

 黒光りマッチョ、フィロメーラが見たものは。
「ふふ、来たわね」
「来てくれたわ」
「クローバー達の栄養になってちょうだい?」
 黒マッチョ、白マッチョ、こんがりマッチョでが待ち構えていた。
「これはひどい」
 つい本音を真顔で言ってしまった。
 まさかマッチョ対マッチョという上半身がムサくるしい戦いになるとは思いもしなかった。確率とは恐ろしい。
「肩にちっちゃいジープが乗ってるわ!」
「板チョコみたいに腹筋割れてる!」
 ずらりと並ぶマッスル市場を目撃してしまった以上はさっさと先制攻撃を書けるしかない。
「できれば見ないで欲しいなー!」
 音速レベルの流星が閃き拳が少女達を的確に狙い、打つ!!
「きゃあっ!」
「ううっ」
 撃つ! 撃つ!!
「見ないでー!」
 束ねた髪を揺らしながら放つ一撃は敵の視界を奪うべく的確に、正確に、無慈悲であった。
「これでもくらえ!」
 運よく攻撃を受けなかった少女が魔方陣を展開させると、数多の矢が襲い掛かる。これはさすがに避けきるのは難しい。
 だが接近する矢を前にフィロメーラはすと構え、
「むっ、それならこっちも――マッスル防御!! あーんど見るなー!」
 ぴかりーん!!
 オーラを纏ったマッシヴボディは襲い掛かる弓矢を払い落として拳をどん! すごい! キレてる! 背中に羽が生えてるよ!
「見ないでー!!」
 己の姿を見られない為にも流星のごとくフィロメーラは敵の視界を次々と奪っていく。
 よし、これならまとめて片付けられるはずだ!
「成層圏! 重力隕石落とし!!!」
 ゴゴ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ズガアアアアァァァァアアアアンン!!!
 重力波を纏い放たれたそれは一見みればただの踏みつけに見えたかもしれない。だがそれは地を抉り衝撃で木々をなぎ倒す必殺技であったのだ!
 踏みに踏みつけられ、超強力な攻撃に少女達は耐えられる訳がなかった。
「な……ナイス……バル……ク……がくり」
 必殺の一撃を受けた少女達はそれだけを言い残してばたりと倒れ、消えてしまった。
「ふう、これで終わりだよな?」
 暑苦しいボディを脱いだフィロメーラはきょろきょろと周囲を見渡すと、クローバーが咲いているだけで敵の気配はもう残っていなかった。
 しんと静まり返った森の中はどこかで鳥がさえずる声しか聞こえない。
「それじゃ次だな、レッツゴー!」
 小柄な体はひゅんと舞い、フィロメーラは森を抜けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『メガトンキング・ネイキッド』

POW   :    メガトンキングドロップ
【天高く弾き飛ばすかちあげボディアッパー】が命中した対象に対し、高威力高命中の【上空でパワーボムの体勢に捕え落下叩きつけ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    メガトンパンチ
【常軌を逸した筋力・体重を乗せた拳】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    大王爆裂キック
【視線】を向けた対象に、【えげつないスピード・破壊力のミドルキック】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はファイール・ティンプレートです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 不思議な森を抜けた先。
 長く、ながーく続く道を歩いた先には大きな城がそびえ立っていた。
 ケタケタ笑うジャック・オ・ランタンにオバケやコウモリのオーナメントが不気味に彩る巨大な中庭ではパーティーの準備が整えられている。
 大きなテーブルに椅子がずらり。でも肝心な料理がない。
「さーてさて! 俺様! 登場!!」
 ビカビカーン!!
 バックライトの演出と共に現れたのは頭上に輝く王冠に負けじと鍛え抜かれた筋肉が輝く『メガトンキング・ネイキッド』。
「ハロウィンパーティーを行おうというのに肝心なモノが足りないなあ? どうしたどうしたー?!」
 ビシッとポージングするメガトンキングはバシッと別のポージング。
「さあパーティーだ! お前達用意をしろ! ああ、もちろん邪魔者は徹底的に叩きのめーす! くっくっく、がーっはっはっはっはっはー!!」
 ケタケタ笑う不気味な声が響き渡り、王の笑い声も高々と響くのだった。

====================

※2章のプレイングについて
 マスターコメントにもありますが、オウガのボスは『ハロウィンの国』の法則によって『ほぼ無敵』となっています。
 攻撃はできますがダメージを与えることは難しく、『美味しい料理を食べさせること』が唯一倒せる方法となります。
 美味しくなくても気持ちのこもった料理でも大丈夫みたいなので、ボスの耐えたり避けたりしながら材料を揃えたり中庭に特設されたキッチンで美味しい料理を作っちゃいましょう。
 料理が完成するとボスはこの国の法則により、抵抗できずに食べるとおいしさについて事細かに批評、称賛してくれます。
 その後、ボスは段々眠くなってきますので、料理を食べさせ続けて完全に眠らせれば無敵状態は解除されますので料理作りを頑張ってください!

====================
ライカ・ネーベルラーベ
【白岩】
ハロウィンだ、お菓子を作れ
…お菓子の前に料理が何もないって?知らないよ、わたしは甘いものが食べたいんだ
「え?コスプレタイムは終わったんじゃないの?」

ボスたちがきっちりガードしてくれるらしいので
わたしは調理に集中できそう
普段やらないだけで、出来ないわけじゃない料理の腕を見せてあげる
…わたしどこでこんなの覚えたんだろう
「頭痛い…」
本日のメニューはこちら。パンプキンパイ
だって南瓜が山ほどあるし…
南瓜を潰して色々混ぜて
練って焼いたら出来上がり、ってね
(でもその胸板で調理するのはどうなんだろう、なんかてらてら光ってるし)

完成したらそのまま突撃だ
「2人も食べる?」


数宮・多喜
【白岩】

二人とも肉襦袢脱いでんのかよ!?
アレか?アタシこのままオチ担当!?
……まぁいいか、どうせあの筋肉ダルマを相手取るんなら
この姿の方が合うだろうし。
オーナー、いつぞやぶりの変則タッグマッチと行こうじゃないのさ!

とにかくタイマンは避けて、
オーナーとキングの殴り合いのサポートに回るよ。
何か横槍入れられれば……そうか!
ライカさん、南瓜をこっちに投げとくれ!
そいつをキングにぶち当てて、
筋肉をまな板に見立てて【漢女の徹し】で肉体ごとブチ砕く!
これも立派な「調理」の一環だよ。
一環だったら一環だってーの!

だからすぐに南瓜を回収してライカさんへパス。
特上のパンプキンパイ、楽しみにしているよ!


エスタシュ・ロックドア
【白岩】
俺は自前のがあるしな(上腕屈筋群見せてドヤる)
筋肉を誇示されちゃぁ対抗しない訳にゃいかねぇな
あの野郎は俺がなんとかしとく
料理は任せたぜライカ
おう、行くか多喜

ガタイで勝ってるからってナメんなよ
見た目以上の膂力は羅刹の十八番だ
『羅刹旋風』発動
【怪力】でフリントぶん回して叩っ斬りに行くぜ
攻撃が通らねぇのは分かってら
だが俺ぁ基本防戦に向いてねぇからな
ダメージがなくとも【なぎ払い】、【吹き飛ばし】、
邪魔し続けるしかねぇのさ
多喜、その発想はなかった
念のため洗って使ってくれ

敵の攻撃はアッパーの拳に向けてフリントぶち当てて防御
当たっちまったら【激痛耐性】で耐えよう

俺らの分もあんのか
マジで、もらうわ



「ハッピィーイィハロウゥゥゥイィーンンン!!!」
 ズドオォーオン!!!
 ライダー3人をフロントダブルバイセップスからのサイドチェストで出迎えたのは引き締まった筋肉に暑苦しい声、風もないのマントをなびかせるオウガ、メガトンキング・ネイキッド。
「二人とも肉襦袢脱いでんのかよ!? アレか? アタシこのままオチ担当!?」
「え? コスプレタイムは終わったんじゃないの?」
「俺は自前のがあるしな」
 気付けばマッシヴ襦袢を着ていたのは自分だけ。突っ込む多喜にライカはさらっと言い、ドヤ顔でオーナーはぽんぽんと逞しい上腕屈筋を見せつける。戦いで培われたそれを見たキングは負けじと更にポージング。
「……まぁいいか、どうせあの筋肉ダルマを相手取るんならこの姿の方が合うだろうし」
 モストマスキュラーポーズでニッと笑顔のキングを見てぐっと拳を握る多喜であったが――、
「サーチ&デストローイ!!」
「オーナー!」
「ボス!」
 多喜とライカの声にエスタシュが反応するより早く殺気が肉薄していた。胴を捉えたかに見えたそれは上腕が打ち払い、めごりと鈍い音が響く。
「あの野郎は俺がなんとかしとく。料理は任せたぜライカ」
 こくんと頷きキッチンへと向かう仲間の姿を背で見送るエスタシュの隣では多喜が戦闘態勢を整えている。
「オーナー、いつぞやぶりの変則タッグマッチと行こうじゃないのさ!」
「おう、行くか多喜」
 応えた手には鉄塊剣。石畳を切っ先がかすめぢりっと火花が散るが、燧石の名を持つこれが放つのは火の粉を超えた。
「ガタイで勝ってるからってナメんなよ」
 盛る炎を纏った鉄塊が剛筋へと打ちあがる!
 ごお、っ!
「ぬうぅん!」
 上腕を捉えた一撃は裂帛に弾かれ、二打、三打と狙うもその顔を見ればダメージを与えられていない事がありありと見て取れた。
 普通なら大ダメージになってもおかしくはないそれだが、やはりこの国のルールで攻撃は通らないようだ。
「ふん! ふん! ふん! ふうーん!!」
 キングの攻撃の度にぶおんと得物が空を切り、烈火が舞う。エスタシュはこれでもかと繰り出される攻撃を躱すと得物で打ち払ってだんと地を蹴り飛び上がる。
「オーナー、今だよ!」
「おおりゃあ!」
 どがんっ!
「ぬおおっ?!」
 キングの身体は一瞬を見定めた多喜の声で放たれた一撃で吹っ飛び城壁を崩して城内に消えてしまった。
 確実に捉え、放った一撃。普通ならひとたまりもない。普通なら。
「ダメージがなくとも邪魔し続けるしかねぇからな」
 ふうと息を吐きながらのエスタシュだが、キングはすぐにでも戻ってくるだろう。いや、戻ってきた。
「やりおるやりおる!」
「何か横槍入れられれば……そうか!」
 第二ラウンドへと突入した戦いに多喜は思案し、サポートする為の案が閃いた。
「ライカさん、南瓜をこっちに投げとくれ!」
 鋭い声に応えてカボチャが飛んでくる。ずしりとしたそれは大人の頭よりも大きく、色々と好都合。
 サイキックエナジーを溜め、練って、整え、ぶち込むっ!
 ぼっごん!!
 横やりならぬ横カボチャ。何と多喜はタイマン真っ最中のキングの筋肉をまな板に見立て、肉体を砕くついでにカボチャをも砕こうとしたのだ!
 まな板、いや筋肉に撃たれた一撃は馬鹿でかいカボチャをいい感じに砕けてくれた。攻撃できるし硬いカボチャを包丁で切る手間も省けて一石二鳥! ナイスアイデア!
「これも立派な『調理』の一環だよ」
「多喜、その発想はなかった」
「一環だったら一環だってーの!」
 そんなやり取りとしている間もライカから攻撃する勢いでカボチャがボンボン飛んでくる。
「君達、食べ物を粗末にしてはいけないぞ!」
 いやいや、これも調理の一環ですキング。
 エスタシュとキングのタイマンの間に飛んでくるカボチャをキャッチし、片っ端から『調理』し砕いたカボチャやキャッチしそこねキングに直撃&粉砕したカボチャも回収しながら多喜はお手伝いしてくれる仲間達と一緒にライカが待つキッチンへと運んでいった。
「念のため洗って使ってくれ、ライカ」
 振りあがる攻撃を薙ぎ払い蹴り上げるボスにこくりと応えるライカもさっそく調理に取り掛かる。

 多喜の調理によって作られたカボチャを前にライカが作るものは何かと聞けば。
「ハロウィンだ、お菓子を作れ」
 なるほどお菓子。
「……お菓子の前に料理が何もないって? 知らないよ、わたしは甘いものが食べたいんだ」
 それではよろしくお願いします。
 まずは砕けたカボチャから綿と種を取り除き、皮をカットしたら大きさを揃えてレンジでチン。柔らかくなったらしっかり滑らかに裏ごしをしたそれを別で用意していたボウルに入れてよく混ぜる。
 南瓜を潰して色々混ぜて、練って焼いたら出来上がり。難しい工程はなく、さほど苦労はしないであろう。
 だが、
「頭痛い……」
 余熱済みのオーブンの中から漂う甘い香りに左右異なる瞳が揺れる。
 せっかく集中して調理しているというのに、わたしはどこでこんなのを覚えたのか。
「ライカさん、まだ南瓜あるかい?」
「っ、……今投げるよ」
 混濁した記憶と共にある鈍い痛みを振り払い、手近なカボチャを放りまくったライカは新たなパイ作りの準備に取り掛かった。
(「でもその胸板で調理するのはどうなんだろう、なんかてらてら光ってるし」)
 今更ながらに思ってしまったが、ちゃんと洗ってから調理しているから大丈夫だろう。多分。
「特上のパンプキンパイ、楽しみにしているよ!」
 砕けたカボチャ届けた多喜はまた戦いに戻っていく。仲間達の攻防を背にライカは新たなパイの為に包丁を握る。
 パイは完成したものの、大きなお皿に乗せただけでは面白くない。なので用意されていたコウモリやオバケの形をしたピックをアクセントに添え、料理に使えない小さなカボチャも一緒に並べて出来上がり!

 演出的なものか何かの力が働いたのか、周囲はいつの間にか薄暗い夜になっていた。
「二人ともお待たせ」
 両手にそれぞれパイを乗せた皿を持って突撃するとマッスルボディの超激闘が来る広げられていた。
 だがキングのみなぎる殺気はふんわり鼻孔をくすぐる甘い匂いにすんと消え、苛烈な攻撃をぺしぺしっとあしらい残像さえも残さない速さでライカの前にそびえ立つ。
「この匂いは……!」
「本日のメニューはパンプキンパイよ」
「パンプキンパイ……。 おお! これはいい!!」
 暑苦しく鍛えられた胸筋をぷるぷるさせるキングはライカからパイを受け取るとウキウキと子供のような笑顔でテーブルへまっしぐら。
 美味しいカボチャをふんだんに使ったパイをいくつもキングの前に並べ、薄暗い空間にテーブルキャンドルに火をともせば雰囲気バッチリ。
「ではいただきます」
 切り分けられた一つにフォークを入れ、さくり。
「うむ! 素晴らしい!」
 カッと目を見開いて声を上げたキングは更に一口、また一口。
「これはアレンジされていないシンプルで見事なパイだな。ふむ、裏ごしもしっかりしてあるから舌触りも良い。カボチャの甘みを活かして砂糖を加えすぎていないのもまた素晴らしい。基本に忠実でありつつ家庭的な風味。素晴らしい! 素晴らしいぞ!!」
 うんうん頷きながら評価しつつもキングはぱくぱく食べていく。
 材料の産地や加工方法、しまいには皿のメーカーまで長々と評価し続ける様子を3人はじっと見守っていると、『その時』がやってきた。
「む……いかんいかん……眠気が……」
 目頭を押さえて眠気と戦うキングだが、長くはもたなかった。うとうとしはじめ、あっという間に眠ってしまったキングはずるりと椅子から落ちてしまう。
 ごどんと崩れ落ちたキングの振動でテーブルに並んでいた巨大カボチャがごろごろ転がり――ぼごっ。
「「「あ。」」」
 キングの顔面にカボチャが直撃した。起きる気配がない。
 さらばメガトンキング・ネイキッド。これで一件落着めでたしめでたし。
 攻撃がほとんど効かない相手との戦いは地味に意外と大変だった。いやメチャクチャ大変だった。
 なのでこちらもお腹が空いてくる。
「あんなに美味しそうに食べてるの見たらアタシもお腹が空いてきたよ」
「2人も食べる?」
 多喜の声にいったんキッチンへ戻ったライカの手には大きなパンプキンパイ。
「俺らの分もあんのか。マジで、もらうわ」
「じゃあせっかくだから合いそうな飲み物も用意しようかねぇ」
 喜ぶエスタシュと皿を並べるライカを目に多喜もパイに合いそうな飲み物を準備し待つことしばし。
「手伝ってくれて助かったよ」
 影ながらサポートしてくれた仲間達にもパイを渡し、ささやかな3人のハロウィンパーティー。
 そういえば多喜さんいつまでナイスバルクなんですか?
「……そろそろ脱いでいいかい?」
「ライカおかわり」
「どうぞボス」
「ちょっと?!」
 ナイスハロウィン!!

 暗い空は明け、
 「……ハッ?! 寝ていたか!!」
 3人が報告に戻ってからしばらくしてキングは跳ね起きる。
「うーん、いかんいかん。寝不足は良くないな!」
 ごきごき首を鳴らすキングに新たな挑戦者が現れるのはこの後である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フィロメーラ・アステール
「防御しながらだと手の込んだ料理は難しいかな?」
楽に作れそうな料理でやってみよう!
デビルエッグでどう?

大雑把にいうと『固ゆで卵を半分に切り、黄身を取り出し、調味料などと混ぜた後、元の卵型にはめ込んだ』料理!
混ぜるモノや盛り付けを工夫すると、味や見た目にバリエーションをつける事ができる!
ハロウィンぴったりなオバケ風にしたら楽しいんじゃない?

まず【日輪の帷帳】で、炎の【オーラ防御】展開!
守護結界をナベ型にして、そこでお湯を沸かしてゆで卵!
余った炎で敵の視線を遮ったり、攻撃を防いだりするぞ!

器具や材料を【念動力】で操り、一つの所に留まらないように【空中浮遊】【ダンス】しながら【早業】で仕上げていく!



 マッスルボディとお別れしてからのフィロメーラは流れ星のごとくキラキラ髪をなびかせ、城への道をまっしぐら。
 だって今日は楽しいハロウィンパーティー!
 ころころ転がるカボチャたちを追いかけ城門をくぐり、すいすい進んでいくとなんだか岩のようなものがごろごろと転がっているではないか。
 小さなフィロメーラからすると巨大な岩に見えてしまうが、注意深く見ればそれは城壁の一部だとすぐに気が付いた。
「この様子だと先に誰か戦ったんだな?」
 大の字にぼっこり開いた城壁をじーっと見つめていると、なんだか殺気がこちらに近づいてきているではないか。
「不法侵入者を発見したぞー?!」
「わあっ」
 ぼっがん!
 えげつない速度の攻撃をひらっと躱すとぶおんと空を切る音が頭上をかすめていく。
「すばしっこいな?!」
 フロントラットスプレットをビシッとキメたオウガ、メガトンキング・ネイキッドはムキムキっとアブドミナルアンドサイ。
 鍛え抜かれた筋肉がテッカテカのムッキムキ。無風なのにマントがたなびき王冠が輝き王はガチムチときたもんだ。これはメチャクチャ暑苦しい。
 ヒュンッ! ズオォッ! ズダン!!
「わっ、きゃっ、うわあ!」
 めっちゃ早い攻撃を慌てて躱しながら依頼説明を思い出すフィロメーラは近くのキッチンへと向かっていった。
 さて何を作ろうかな?
「防御しながらだと手の込んだ料理は難しいかな?」
 うーんと首をかしげて攻撃を避けたフィロメーラの脳裏に閃くのは楽で簡単、それでいてとっても美味しいあの料理。
「デビルエッグでどう?」
 それでいきましょう!
「燃え盛る星の護りよー!」
 ぽんと展開した守護結界を操り鍋型にしてからお水を注ぎ、炎のオーラでぐつぐつ沸いたところで卵をそーっと入れてゆで卵作り。
「黄身が真ん中になるようにかき混ぜ……てっ!」
「そりゃあ!!」
 裂帛と共に飛んでくる攻撃を回避し卵をくるくる。
「調理中だぞ!」
 ふわんと宙を舞いすうっと指を一回し。
「邪魔するなー!」
「ぬうっ!?」
 びしっと指をさすと包丁やナイフやフォーク、お鍋やフライパンがキングめがけて飛んでいく。
 華麗なダンスのように攻撃を避け念動力で反撃をするが、攻撃はそれだけではない。
「これでもくらえー!」
 使わなかった守護結界の炎もこれでもかとお見舞いしてゆで卵の完成だ!
「デビルエッグは大雑把にいうと『固ゆで卵を半分に切り、黄身を取り出し、調味料などと混ぜた後、元の卵型にはめ込んだ』料理だ!」
 殻をつるんと剥き終え半分に切って白身と黄身に取り分け、ここからが頑張りどころ。
 黄身にピクルスやキャビア、エビなどの調味料や材料を加えて混ぜバリエーションは増えていく。
「ハロウィンぴったりなオバケ風にしたら楽しいんじゃない?」
 それはナイスアイデア! とんとん材料を切ったりゆで卵の切り方を変えながら料理はだんだんと完成し、
「できた!」
 カラフルなお皿にかわいいオバケ達がずらり。
「むむっ? これはなにかね」
「デビルエッグだぜ! 美味しいぞ!」
 にっこり笑顔のフィロメーラにつられて笑うキングの笑みはなかなかマッチョだが、料理を目にすると攻撃をぴたりと止めた。だだっとテーブルまで向かうとお皿に置かれたオバケ達と改めてご対面。
「では、いただきます」
 オバケの形をした卵をぱくりと頬張り、もぐもぐ、ごくん。
「ぬう! これはただのゆで卵かと思いきや何と美味!」
 くわっと目を見開きキングはひょいぱくひょいぱく食べていく。
「ふむ、ピクルスの酸味が程よい。これは何かな……おお、小さなトマトが乗っているぞ? これはオリーブの実で作ったクモか! 工夫がなんともたまらんなあ!」
 ひょいぱくひょいぱく食べながらアレンジがどうとか味付けがああだと一つ一つ評価するキングだが――、
「うまい! うますぎ――」
 ゴッ。
 感動のあまり椅子から立ち上がったキングは感極まって何か言いかけたが、そのまま眠気に耐えきれず床にぶっ倒れた。
 あまりの鈍い音にそろっと見ると、どうやら倒れた時に砕けた城壁のかけらが後頭部を直撃したようである。
「これはひどい」
 思わず真顔で言ってしまった。しかもこれが致命傷だったようで、絶命したキングの姿は消えてしまった。
 さてさてこれで一件落着。
「それじゃハロウィンを楽しむために帰ろうかな!」
 まだ間に合うであろうハロウィンパーティーへと向かうべく煌めく妖精は一筋の輝きと共に戻っていくのだった。

 めでたしめでたし!

大成功 🔵​🔵​🔵​

霧崎・蛇駆(サポート)
『あーあーヤダヤダ、めんどくさいったらありゃしねぇ』
『やるからにはやるさ、給料分はな』
『いいじゃんいいじゃん!楽しくなってきた』
口では面倒くさいと言いつつも仕事はこなす猟兵で、戦闘だとやる気を最初から見せる戦闘バカです。
捜索系ではハッキングを駆使して情報を集めたり、演技で騙したり脅したりします。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使います。正面きって無数のテンタクルによる物量戦も好きですが、触手による立体的な移動からの相手の死角から攻撃も別格です。弱い相手だといたぶる傾向があります。
メインの武器は『テンタクル』です。
基本的な口調は『オレ』です。
あとはおまかせします。よろしくお願いいたします。


燈夜・偽葉(サポート)
★これはお任せプレイングです★
『ぶった斬ってあげます!』
妖狐の剣豪 × スカイダンサー
年齢 13歳 女
外見 黄昏色の瞳 白い髪
特徴 長髪 とんでもない甘党 柔和な表情 いつも笑顔 胸が大きい
口調 元気な少女妖狐(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)

性格:
天真爛漫年下系ムードメーカー(あざとい)

武器:
刀9本
黄昏の太刀(サムライブレイド)を手に持ち
場合によっては念動力で残り8本を同時に操る

ユーベルコードはどれでもいい感じで使います

敵の動きは見切りや第六感を生かして回避
避けられなければ武器受けで対処します

多彩な技能を持っていて、問題に対していい感じで組み合わせて対処します


ダスク・ドーン(サポート)

煮るなり焼くなり。
人数穴埋めから不採用まで幅広くお使いください。
キャラの扱いはアドリブでも何でもお好きにお願いします。
口調は適当なので細かいとこは気にしない。

ただし、
他の猟兵に迷惑をかける行為や公序良俗に反する行動はしません。


『また日が沈むな』
人間のフォースナイト × スカイダンサー
年齢 27歳 男
特徴 面倒見がいい くーる 女性が好き とんでもない甘党
口調 やわらか(自分、相手の名前+ちゃん、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )


戦闘ならいずれかのフォースブレイドを使用。
シンプルな正面勝負を好む。

冒険や日常は……、
うむ、メンドウだな。
(テンション低くても仕事はきちんとやります)



 筋肉が飛び交い、キッチンで繰り広げられていた攻防の陰で実はお手伝いをしていた猟兵達がいたのだ。
「あーあーヤダヤダ、めんどくさいったらありゃしねぇ」
 転がるカボチャを霧崎・蛇駆(ヴィリジアンモンスター・f20261)は拾い上げ、戦う猟兵にぽんと放り投げる。
 ガチムチマッチョなオウガ、メガトンキング・ネイキッドと戦う猟兵は男女二人。蛇駆から受け取ったカボチャは受け取った猟兵の攻撃により分厚い筋肉に叩きつけられ砕け散る。
 ばがんと豪快に砕けるカボチャは拾い上げられ、調理を任された仲間が待つキッチンへと運ばれていくが――、
「やらせぬ! やらせはせんぞぉ!」
 カボチャを運ぶ猟兵を妨害すべく襲い掛かるキングだが黄昏の瞳をもつ少女、燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)が立ち塞がる。
 白糸が揺れ、くすりと微かな笑みを浮かべ、
「ぶった斬ってあげます!」
 黄昏色の刃を抜き放ち、しゃんと鮮やかな色が閃いた。
「なんと、邪魔をするとは!」
「ここから先は行かせないぜ、キング」
 ダスク・ドーン(人間のフォースナイト・f13904)も立ち塞がるとフォースブレイドを構えて前に出る。
「いくぜキング」
 斬りかかろうとぐっと地を踏み込んだダスクだが、
 ひゅん! ひゅひゅひゅっ!
「おっと」
「めちゃくちゃカボチャが飛んでくるな」
 キッチンから戻っていく姿を見送った後からぽんぽんカボチャが飛んでくる。
「あれだけのカボチャを砕いて運ぶのは骨が折れそうです」
「確かにサポートしながら運ぶのは大変じゃねぇの?」
 言葉を交わす偽葉とダスクだが、女性猟兵が運ぶカボチャがポロっと零れ落ちるのが見えてしまった。
「あーあーもう仕方がねぇ。給料分だけは働くからな!」
 蛇駆が両手とテンタクルスを駆使して零れ落ちたカボチャを拾っていく。
「給料分だけだからな!」
「私達も拾いますか」
 なんだかんだ言いつつ拾う姿を目に偽葉もカボチャを拾い上げた。
 戦闘しないのはなんだか複雑な気分になる。ダスクも拾ったり届かなかったカボチャを放り投げ見守っていると、どうやら料理ができたようである。
「パンプキンパイ……。 おお! これはいい!!」
 出来上がったパイを食べる様子をそっと見守っていると、眠くなったキングは倒れ、ついでにカボチャが顔面直撃。おっ、これは死んだか?!
「あ、起きた」
 闇の奥で蛇駆の瞳はぎろりと動く。
 倒れてから微動だにしないキングががばっと起き上がったのだ。
「うーん、いかんいかん。寝不足は良くないな!」
 パイを作った猟兵達は既に去っている。ごきごき首を鳴らすキングを目にどうしたものかと考える3人だが、しばらくするときらきらした妖精がやってきた。
「次は一人ですか。調理は大変そうです」
「よし、また目立たないように手伝おうぜ」
 するんと飛び出す偽葉にダスクも続くと蛇駆もすっと動き出す。
 先ほどが2対1なら今度は1対1である。先ほどと違って調理しながら戦うのはさすがに大変そうではないか。
「一人、ね。いいじゃんいいじゃん! 楽しくなってきた」
 先ほどよりも戦いができるだろう。
 キッチンでは小さな猟兵が守護結界を使いゆで卵を作りを始めている。もちろん戦いも考慮しているようで、炎のオーラや念動力を駆使した戦いも展開していたが相手はえげつないスピードで襲い掛かるガチムチマッチョ。
「危ないっ」
 調理中の背に迫る拳を偽葉の黄昏の太刀の一閃が食い止め、
「任せな!」
「ぬうっ?!」
 蛇駆の触手がずるりと伸び、キングめがけて攻撃を仕掛けた。無数の触手は恐ろしい勢いでキングに襲い掛かっていくが、大したダメージを与えられてえられていないようである。
「なんとこれは面倒な!」
 なんとか触手をかいくぐったキングはぶんと拳を振り上げ、それをするりと緑のコートは躱すと新たな触手で反撃し、
「色は選ばせてやる。いい夢見ろよ!」
 ざ、ん!
 数多の色が重なるフォースセイバーでダスクはキングへ斬りかかった。
 ダスク全力での斬撃だが、やはり手ごたえは感じられなかった。それは触手を駆使する蛇駆も同じようだ。
 えげつない速さの攻撃を受け流して触手で攻撃しフォースセイバーが閃くと、暑苦しい攻撃を縫って黄昏の太刀が新たに斬りかかる。
「斬ります!」
 空間をも切つ一閃であるが、やはり無敵に等しいキングの筋肉を断つのは困難であった。
 だが、今回の依頼に限って倒せないのは承知している。
 少しでも攻撃の手が届かぬよう妨害できれば良いのだ。
 暑苦しい攻防をしばらく続けていると料理が完了したようだ。テーブルへ運ばれるとキングもそちらへ向かっていった。
「ぬう! これはただのゆで卵かと思いきや何と美味!」
 カラフルなお皿に盛られたデビルエッグを口にするキングが声を上げる。
 ぱくぱくと美味しそうに食べるキングであったが、突然立ち上がると強烈な睡魔に耐えきれなくなったようでばたりと倒れてしまう。
 遠目からではよく見えないが後頭部に何かが当たっているように見え、しばらくすると暑苦しい姿はふっつりと消えた。
 今度こそどうやら倒せたらしい。
「さて、給料分はしっかり働いた事だし――」
 戦い終えた妖精も帰ったようで、オレ達も帰るかと蛇駆は言いかけたが、誰もいなくなったテーブルの席に着いた二人に言葉が途切れてしまう。
 テーブルには温かな飲み物と心のこもった料理。
 実は戦いや調理を手伝ったお礼にとパンプキンパイとデビルエッグをお裾分けしてくれたのだ。
「美味いじゃん、これ」
「確かに美味しいです」
 甘党のダスクはパンプキンパイをおかわりして食べ、同じく甘党の偽葉も舌鼓を打っている。
「蛇駆さんもどうぞ」
 偽葉から差し出された皿を受け取った蛇駆は少し考え、フードの奥に料理は消えていく。
「さて、やる事はやったし帰ろうぜ」
「そうですね、お皿を片付けてから帰りましょうか」
 立ち上がるダスクは偽葉の言葉に皿をまとめ、蛇駆も給料分だと皿を洗う。
 こうしてすべての片づけも終わり、猟兵達は完全撤収と相成りましたとさ。

 そんな訳で実は猟兵達の戦いを陰ながらちょっぴり支えていた3人がいた、という訳である。
 ありがとうございました。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年10月31日


挿絵イラスト