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ニートが神であるものか

#UDCアース #UDC-HUMAN

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●無職男の末路
「やめろ!俺は正しい事を言っているだけだ!俺は神だぞ!ネットの神だ!」
「とてもそうは思えんな、ニート。こんな狭い部屋で何を知った気になっているのだ?井の中の蛙にも劣るというもの」

 緋色の双剣を携えた女が、豚のように肥えた男、琴吹良夫に、酷薄な視線を向けている。

「オヤジ、おふくろ!何してんだよ!俺を助けろよ!助けろ!」
「ああ、"お父さんとお母さん"か。その2人なら、ほら」

 あざ笑うような声とともに、女は良夫の足元にいびつな物体を転がした。何の罪もない夫婦の成れの果てを。

「…え?オヤジ?おふくろ?…え?」
「あまりに不可解な事を言うので、殺した。『あれでも息子なんだ、殺すなんていけない』などと…何がいけないのだ。ただのニートじゃないか」
「え、これ頭…オヤジの?ころし…あ?あ…?」

 混乱する良夫を、人形のような少女…いや、少女型の人形達が羽交い締めにする。

「ていうかお前、今…"お父さんとお母さん"とか言ったか?じゃあ、お前まさか…良子?」
「意外と勘がいいな、"良夫お兄ちゃん"。なら、お前がこれからどうなるかもわかるよな」
「…俺の信者が助けてくれる?」

 その直後!紅蓮の炎を纏う大剣が、良夫の右腕を人形ごと断ち切った!激痛に悲鳴をあげる間もなく、暗黒を纏う大剣が男に襲いかかる!

「あぎゃあああっ!?いでぇ、俺は神だぞ、かみさま、なんだぞぉぉ!!なんでこんな、やめろおおぉぉ……」

 横柄な命乞いも虚しく、瞬く間に良夫は肉と残骸の混合物に成り果てた…。

「…やはり殺し足りんな。ま、次のニートを探すだけだが」

 そう、大剣の女…かつて琴吹良子だったオブリビオンの目的は、全てのニートを惨殺することである。
 ニートを殺す。それを邪魔する奴、否定する奴、ニートの蛮行を知りながら何もしない奴も殺す。
 可憐にして無情な人形の兵隊を引き連れ、オブリビオン…十字皇シュラヴェイアは歩を進める。ニートなき世界のために。

●グリモアベースにて
「良子ちゃんっていう女の子が、オブリビオンになって人を襲っちゃうのよ!」

 キマイラの少女レパルが、グリモアベースに集った猟兵に呼びかける。
 グリモアが示す転移先はUDCアース。人間がUDC怪物に変貌する事件、通称【UDC-HUMAN事件】が予知されたのだ。
 被害者の名前は『琴吹良子』。その兄『琴吹良夫』は俗に言うニートであり、同居する良子や両親に罵声を浴びせ暴力を振るっていた。これだけでも悲惨な境遇だが、偶然にも良子は兄の恐ろしい行動を知ってしまった。良夫は動画配信者として活動し、世界中に向けて良子や両親への身勝手な不満を垂れ流していたのだ!
 不幸中の幸いと言うべきか、まだ良子は完全なオブリビオンではない。すぐに転移し対処すれば、良子を人間に戻し一人の犠牲者もなく解決できるだろう。単純に撃破してもいいが、良子の心に響く説得によりUDCだけを弱体化させれば、より確実に救出できるだろう。

 すぐにでも対処したいところだが、まずは住宅街に集う人形のオブリビオンを撃破しなければならない。放っておけば彼女らは良子と合流し、配下に加わってしまうからだ。
 人形を撃破した後、速やかに良子の家に突入。オブリビオン化した良子と戦闘し、これを鎮圧してもらいたい。

「でも、それだけじゃ良子ちゃんたちの苦しみは終わらないわ!」

 新たなUDC-HUMANが発生しないよう、その原因たる良夫への対処が必要だ。
 シンプルかつ圧倒的な暴力により苦痛を与える、法的・金銭的に追い詰め破滅させる、一生モノの恐怖を与え精神崩壊させる、など…ユーベルコードをもってすれば、あるいは強制的に改心させる事も可能だろう。
 最終的に良夫がニートでなくなれば、殺害を除いたあらゆる制裁が許される。

「あたしは転送しかできないけど…みんな、頼んだわよ!」
 言葉とともに、グリモアの光が猟兵たちを包んだ!


クスノキ
 はじめまして。クスノキという者です。皆さんのプレイングを心待ちにしています。

 『第1章』
 UDC-HUMAN誕生の気配を察知したオブリビオンが、集団で良子の家に向かっています。今なら合流前に倒せます。

 『第2章』
 良子のオブリビオン化は止められませんが、すぐに倒せば助けられます。両親は勝手に逃げます。

 『第3章』
 事件の元凶である良夫に罰を与えましょう。殺してはいけませんが、それ以外は許可されます。
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第1章 集団戦 『偽りの心を授けられた人形』

POW   :    我が身を砕かせ敵を討つ戦術
【相手の攻撃に対し、理論上最も有効な反撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    限界を知りつつもそれを超える要求
【身体耐久力の限界を超えて操る邪神の眷属】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    その身を犠牲に得る情報
【全身】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、全身から何度でも発動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

麒・嵐
うわ…修羅場だね
丸く収めるために一丁噛みしましょうか

まだ家に着いてないってことは先回りできるのかな?
適当なポイントで待ち伏せして、良子さんの家に向かおうとしている可愛いお人形さんたちを蒐集硬貨(クリーピングコイン)で迎撃

持参した車箪笥の鍵を開け、中に仕舞ってある硬貨を全部解き放つよ
狙いは――球体関節部分で
地獄の沙汰も金次第ってね、こういう時、金に糸目はつけない方なんだ
手持ちが空になるまでやってやろうか

それにしても、よくできた人形だな…
売り物としてうちの店に置きたいくらいだ
特に色合いがいい、海の宝石みたいな瞳も砂糖菓子のような髪も壊すのはもったいないけど、まあ、仕方ないね

さあ、全部砕いてあげよう



 良子の家からほど近い交差点。
『新しい…主様…』
『お側に…参ります…』
 5体の少女人形が、しずしずと歩いている。強大なオブリビオンの…良子の気配を辿っているのだ。
 だが、曲がり角に潜む者がいた。
「さあ、全部砕いてあげよう」
『え』
 人形のうちの1体が、謎めいた声の方を向く。だが遅い。

 じゃらじゃらじゃらじゃら!!!車箪笥から溢れ出す硬貨が、人形の球体関節めがけて殺到!無残にも粉砕していく!
『きゃあああ!!』

「地獄の沙汰も金次第ってね」
 人形の行く先に先回りし、容赦ない蹂躙をもたらしたのは、金髪の商人、嵐。ユーベルコードの代償として降り注いだ金貨は、地に落ちると共に消失!だが嵐の微笑みは崩れない。手持ちが空になるまでやってやろうと、最初から決めていたからだ。
「こういう時、金に糸目はつけない方なんだ」

『あ…ああ…』
 関節を砕かれ道路に転がるオブリビオンたち。今さら邪神の眷属を召喚したところで、手足が胴から離れていては抵抗のすべが無い。
「それにしても、よくできた人形だな…」
 特に色合いがいい。海の宝石みたいな瞳、砂糖菓子のような髪。
「売り物としてうちの店に置きたいくらいだ」
 オブリビオンでさえなければ。

「おっと、こうしちゃいられない」
 嵐は最後に残った金貨5枚を投擲、それぞれが人形の頭部を直撃し破砕!その直後、破片も残された手足も、全てが雲散霧消した。
「さて、一丁噛みしましょうか」
 嵐は良子の家に向かう。予知された修羅場を、丸く収めるために。

大成功 🔵​🔵​🔵​

久坂部・匡弥
あ~、拗れちまった家庭ってヤツか…
殺すのは手っ取り早い解決手段ではあるが、
本人の覚悟も無しにやるもんじゃねぇしな
いっちょ首突っ込んでみるかね

先に動いた猟兵同様、
オレも敵にバレねえよう物陰に身を隠すか。
人形が先に進んだ所で、その背後からUCヘッドショットをブチ込む
部位狙いは足、機動力を削ぎてえ所だ

可愛い人形なのにえげつねえ動きをしやがんな~
距離がある内は拳銃で応戦すりが、
そんでも足りねえ状況になったら釘バットの出番だな
大撲殺で敵攻撃をいなしつつ、
咄嗟の一撃をかまして思いっきりぶっ叩こうじゃねえか
お前らの出番は無えんだよ

※連携・アドリブご自由にどーぞ



「あ〜、拗れちまった家庭ってヤツか…」
 なるほど、ある意味オブリビオン以上に一筋縄ではいかない問題だ。殺してしまうのが手っ取り早い。が、いかなゲス野郎といえど兄は兄、殺人は殺人。
「いっちょ首突っ込んでみるかね」
 白髪の裏社会人、匡弥は、人助けは嫌いじゃない。何の因果か、彼にはそのための力があった。

 先行した猟兵に倣い、電柱の陰に身を隠した匡弥。
「あんなに豪勢にはいかねえが…」
 何も気づかず通り過ぎる人形達の背に、ハンドガンを突きつける匡弥。数3体。大体30メートル。…今だ!

 パァン!パァン!パァン!静寂を破る破裂音と共に、人形の足が弾け飛ぶ!
『きゃあっ!?…おのれ!』
 片足を失った人形達に邪神の眷属が憑依!残った両手で地を這い、匡弥に向かってくる!

「可愛い人形なのにえげつねえ動きをしやがんな~」
 追撃の銃弾が人形の指や髪を削り取るが、致命打とはならない。人形の1体が倒立したかと思うと、異様な腕力で回転跳躍、頭部を狙う踵落としを繰り出す!
「チッ!」
 だが匡弥は咄嗟に釘バットの一撃を繰り出す!バットは人形の頭部をとらえ、一瞬で粉砕した!

『猟兵め…!』
 2体の人形は片足で跳ねながら匡弥に迫る!繰り出されたパンチを匡弥はしゃがんでかわし、そのまま横回転!足払いだ!
 人形は跳躍回避、だが匡弥は咄嗟にもう一回転!空中で攻撃体制に入っていた人形を、2体まとめて超人的スピードの釘バットが打ち据える!
 壁に叩きつけられた人形は、そのままバラバラに砕け散り雲散霧消した。

「お前らの出番は無えんだよ」
 つつがなく人形を撃退した匡弥は、良子の家へと歩いていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アトシュ・スカーレット
ニートってそんなに罪深いのかぁ…
親のありがたみわかってない人なんだね、ビックリだよ
世界が違うとこんなに変わるのかー…
平和ボケしすぎ。いや、オレらみたいなのが普通とは言わないけどさ

新調したバイクで可能な限りの速度で突っ切るね
人形には【展開術・剣聖式】で【範囲攻撃/(腐敗系統の)呪詛】していくよ

こっちに攻撃してくるようならルルディで応戦するねー



「ニートってそんなに罪深いのかぁ…」
 魔導エンジンが組み込まれた、真新しい大型バイクの背で。銀の眼の少年、アトシュは独りごちる。
「親のありがたみわかってない人なんだね、ビックリだよ」
 おぼろげな記憶の中の、本当の家族を探す旅を続けるアトシュにとって、ニートの良夫は理解不能な存在だった。
「世界の違いかなあ…」
 物思いにふけるアトシュを乗せて、バイクは突っ走り続ける。
 可能な限りの速度で、世界の敵めがけて突進する!

『あっ』
 爆音と共に住宅街を駆けるバイクが、進行上の人形の1体を無慈悲に撥ね飛ばした!大質量の衝突と落下の衝撃に耐えられるはずもなく、人形は粉微塵に砕けた。
『そ、そんな!?』
『おのれ、これ以上は…!』
 走り去るバイクを反射的に振り返る人形達。だが彼女たちは、襲撃者を追うことさえできなかった。腐敗の呪詛を纏う魔剣が全身に突き刺さり、無機物の体は見る見るうちに腐葉土のように朽ちてしまったからだ!
『う…あああ…』
 人形は最後の力を振り絞り、呪詛の魔剣を複製する。だが魔剣の主たるアトシュを乗せたバイクは既に走り去り、完全に射程外だ!

『今の音は何…!?』
 壮絶な衝突音を聞きつけ、新たな少女人形が駆けつける。敵を探し、視線を向けた先には…未だ爆走し続けるバイク!そしてその主アトシュは、愛らしいドラゴンの面影を残す槍を構える!
 凄まじい加速の乗ったドラゴンランスの薙ぎ払いが、哀れな人形を横一文字に両断!人形の全身が衝撃でひび割れ、雲散霧消!

「いや、オレらみたいなのが普通とは言わないけどさ」
 先程までのやりたい放題が嘘のように、バイクは良子の家の前でピタリと停止した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

火之夜藝速・継火
※アドリブ共闘大歓迎

さて、自分の世界以外では初めての依頼なんやけど……ニートってなんや?
まあ、今回は悪であるってことはわかるんやけど、殺しはやりすぎや!止めさせて貰うで!

キャバリアには流石に乗れへんから、生身で失礼!
ほうほうあんさんらもAIみたいなもんで体動かせられるんか。
ならウチもAIテルにアドバイス貰いながら暴れまっか!
乱射狂!強化した技能フル活用で、蜂の巣にしたるわ!
「パイロット、3時の方角に敵性存在」
あいあいさーテル!
さあウチのMP45の45口径弾をじっくり味わい!!



「ニートってなんや?」
 ニートとは若年無業者とも言い、15〜34歳の間で就学・就職・職業訓練・家事手伝いのいずれも行っていない人物の事である。
 戦火の絶えぬクロムキャバリア、沿岸犯罪都市のギャングの子である継火の周囲に、そんな人間が存在する余裕があったとは思えない。
「悪ってことはわかるんやけど、殺しはやりすぎや!止めさせて貰うで!」
 真紅の瞳が、ギャングらしからぬ正義に燃える!

「生身で失礼!」
 右手にMP45、左手にアサルトウェポンを構えた継火が、オブリビオンの前に躍り出る!前方には3体の人形!
『また猟兵か!』
 速やかに邪神の眷属を召喚し、あっという間に継火を取り囲む人形たち!
「ほうほう、あんさんらもAIみたいなもんで体動かせるんか」
 邪悪なオーラを纏う人形の視線を浴びても、怯えるどころか不敵に笑う継火。

「ならウチも!頼むでテル!」
『お任せください、パイロット』
「今日はキャバリア乗れへんけどな!」
 自作AIテルのサポートを受け、両手の銃を乱れ撃ち!人形達は異様なスピードで駆け回るが、空間を埋め尽くさんばかりの銃弾が人形に破片に変えていく!
『パイロット、3時の方角に敵性存在』
「あいあいさーテル!」
 言うが早いか、両手の銃を3時の方角に向け一斉発射!背後からの奇襲を仕掛けた人形はたちまち蜂の巣と化した!
『おのれ猟兵!!』
 新たな人形の足音が迫る!
『パイロット、ホークアイR33の使用を提案』
「いえっさーテル!』
 瞬時にスナイパーライフルに持ち替えて2連射!頭部と胸部を失った人形は、ダッシュ姿勢のまま崩れ落ちた!

『パイロット、オブリビオン反応は残り一体』
「れっつごーテル!」
 人形は全て雲散霧消した。最後のオブリビオン…良子の元へ継火は走る!

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『十字皇シュラヴェイア』

POW   :    緋燕十字斬
自身の【中に内包する宇宙】が輝く間、【裁きの大剣と罪の大剣】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD   :    嗚呼、光なき世界が溢れる・・・・
自身の【瞳の代わりにある宇宙】から【骸の海】を放出し、戦場内全ての【負の感情、生きる意志、戦闘能力】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
WIZ   :    緋燕十字斬
【物理的・魔法的な守り無視する斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠白石・明日香です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「やめてくれ良子、あれでも、あれでも息子なんだ…」
『なぜだ。あれはニートだ。醜い怪物だ』
 へたりこんだ中年の夫婦を、眼窩に宇宙を持つ女が見下ろしている。

『お父さん、お母さん。そして弱い私。さようなら』
 真紅の剣が、2人の首を刎ねようとしている!
久坂部・匡弥
良子ちゃんよ、殺したいのは兄貴じゃなかったのかよ?
両者の間に割り込んで両親殺しを阻止しつつ、
弱体化狙いの言葉を掛けるぜ

安心しな。お前の兄貴はオレ達がどうにかしてやるよ
出来るか、だって?
どうにかするんだよ
オレ達にはフシギな力があるんだからな
兄貴を脱ニートさせてやるさ
ま、その前にお前の目から醒させねえとな!
って事で攻撃開始

しかし何ともチートな技だな…こっちの意欲削りまくりすぎんだろ
だが、この娘を助けるっていう目的は消えねえんだよ!
敵UC効果中は回避や防御に徹し、
効果が途切れた瞬間にUC大撲殺で容赦ないぶん殴り攻撃

さーて、次は兄貴だな
この騒ぎで事態を察してりゃいいんだが

※連携・アドリブご自由にどーぞ



「…そりゃ違ぇだろ、良子ちゃんよ!」
『!?』
 悲劇の寸前!水平に構えられた赤い大剣の刀身に、古びた釘バットが振り下ろされた!衝撃と重量で、剣が床にめり込む!
「安心しな。お前の兄貴はオレ達がどうにかしてやるよ」
『できると思うのか?』
「するんだよ」
 バットに打ち付けられた釘が、匡弥の意思に応えるかのようにギラリと輝く。
「オレ達にはフシギな力があるんだからな」
『そんな不確かなものはいらない。殺せば確実に全てが終わる』
「それにしたって、親殺しはいけねえよ」
『……』
 匡弥の筋の通った言葉に、良子は言葉に詰まる。それでも彼女は右手の剣を縦に、左手の剣を横に持ち、十字架のように組み合わせる。戦闘態勢だ。
 匡弥とて、とうに覚悟は決めている。バットのグリップを右肩に当て、いつでも振りおろせるように構えた。
「兄貴を脱ニートさせてやるさ。ま、その前にお前の目から醒させねえとな!」
『…やってみろ猟兵!世界の下僕、私の敵!』

『ふんっ!』「おらッ!」『せいっ!』「ハッ!」『ええいっ!』「うりゃ!」『はあっ!』「だりゃあ!」
 幾度となく真紅の双剣が振るわれ、空間に朱と黒の軌跡を描く!だが匡弥は老いて見える姿からは想像もつかぬスピードで釘バットを振るい、命を狙う大剣を殴りつけて逸らしてしまう!数々の修羅場をくぐり抜ける中で習得し、ユーベルコードとして昇華された超人的テクニックであった!誰が呼んだか、絶技の名は大撲殺!

『ならば、溺れてしまえ!』
 オオオオオッ!大きく見開かれたシュラヴェイアの眼窩から怨念じみた暗黒の液体が放出され、匡弥の視界を閉ざす!いや、視界だけではない。骸の海は匡弥の心に染み込み、生きる意思さえも塗りつぶしていく…!
「ぐおっ…何ともチートな技だな…」
 思わずたたらを踏み、そのまま座り込んでしまう匡弥。黒い液体を浴びるほどに、意欲が削られ押し流されるのがわかってしまう。戦闘能力も奪われ、歩くこともままならない。幸いにもシュラヴェイアが他の攻撃を仕掛ける様子はない。その必要がないほどに凶悪なユーベルコードであった。
「あ…ホントにやべえなこれ…でもよ…」
 匡弥は生きる意志を奪われながらも、抗う意志は捨てなかった。やらなければならない事があるからだ。
「この娘を…助けるんだ…!」
 良子がただの化け物にならないように、親殺しにならないように!匡弥は抗う!抗う!抗う!!!

『頃合いか…』
 匡弥が廃人と化したと見て、ユーベルコードを解除するシュラヴェイア。トドメを刺すために両手の剣を大きく振り上げ、
「おらァーっ!」
『がはぁーっ!?』
 瞬間!恐るべきスピードの釘バットが、容赦なくシュラヴェイアのこめかみを殴り飛ばした!彼女は脳を揺らす衝撃に悶え、よろけ、倒れ込んだ。
 上着を脱いだ匡弥が立っている。抗い、耐えきり、そして反撃したのだ。骸の海にも呑まれぬ願いを胸に!
 シュラヴェイアが吐き出した骸の海は既に世界から排出され、しずく一つ残ってはいない。
『これが…フシギな力とやらか…』
「ああ…凄えだろ?」
 肩で息をしながら、それでも匡弥はバットを構え直す。
「すぐ助けるからな、良子ちゃん!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

火之夜藝速・継火
※アドリブ共闘大歓迎

はいストップ!!
それは見過ごすわけにはいかへんで。
アンタ、人を殺したらアンタの憎むニート以下やで?
ウチらみたいな人殺しのいく先は、救いなんてあらへんで!
ウチの住む世界とちゃうやんここは。殺さんでも生きていける世界や!
アンタが手を汚す必要あらへんねや。せやから、お引き取り願うで!!

指定UC、ウチ用のパイルもあるんやで!
攻撃は【戦闘知識】でかわしつつ、【カウンター】で【貫通攻撃】を叩き込んだる!
テルミットの【焼却】による【継続ダメージ】を味わい!
おんや?おかわり欲しいんか?
ならもう一発受け取りぃ!(【2回攻撃】)


アトシュ・スカーレット
はいはいそこまで!
それ以上は駄目だよ!!

んー…今回はちょっと相性悪いなー…
【幻想召喚・城壁式】で壁役やりまーす
ちょっと腐敗の【呪詛】混ぜてわざと脆くしておくね
崩れた時にシュラヴェイアに降りかかるように彼女を中心に展開しておくよ

必要なら【結界術/オーラ防御/激痛耐性/かばう】ことも視野に入れるね

城壁が崩れる時は【念動力/怪力】で物質化してる瓦礫をぶん投げるたり、当たるように誘導しておくね



『ぐっ…ならば、先におにい…あのニートから!』
 両手の剣を振り上げ、脚に力をこめるシュラヴェイア!跳躍!そのまま剣を十字に構え、強烈な斬撃の体勢!2階ごと兄を消し飛ばすつもりなのか!?

 だが魔力の詰まった弾丸がシュラヴェイアの肩に的中!続いて45口径弾が殺到!シュラヴェイアを撃ち落とし、悲劇を寸前で防ぐ!
『うおああぁっ!?』
「はいストップ!!見過ごすわけにはいかへんで」
「そうそう、それ以上は駄目だよ!」
 サブマシンガンを構えるのは紅き瞳の継火!魔弾の主は銀目のアトシュ!新たな猟兵の参戦だ!

「もうやめーや!人を殺したら、アンタの憎むニート以下やで?」
『だ、黙れ!邪魔だ!』
 継火の言葉に激昂し、一瞬で間合いを詰めるシュラヴェイア!彼女の大剣が二人まとめて切断してしまうか?いや、そうはならなかった!
「おおっと!我が呼び声に応えよ!」
アトシュ達の眼前に現れた何かにシュラヴェイアは正面衝突!猛スピードが災いし、激しく出血!
『なんだとーっ!?』
 シュラヴェイアの視線を遮るのは、堅牢な石壁だ!
「無垢なる願いの結晶たる守り、我が身を滅ぼしてでも証明せよ!」
 幻想召喚・城壁式!半球形の城壁が喚び出され、あっという間にシュラヴェイアを閉じ込める!多くの戦闘経験により相性の悪さを瞬時に見切ったアトシュが召喚したのは、防御に徹するための無敵の壁だ!

『こ、こんなものーっ!』
 シュラヴェイアの眼が、その中の宇宙が昏く輝く!ただでさえ高威力かつ超スピードの剣が、さらに9倍に加速する!
 常人が受ければ、悲鳴すらなくクズ肉と化す乱れ斬りだ!だが今その剣を浴びているのは人間ではない。想像より創造された、無敵の城壁なのだ!
「オレだって色んな奴と戦ってるんだ。悪いけど、なりたてのオブリビオンには負けないよ」
『おのれおのれおのれ!こんなものぉーっ!』

「やるやん!攻撃はウチに任しとき!」
「ありがとう。でも、もうちょっと待ってね」
 落ち着き払った様子のアトシュ。だが言葉とは裏腹に、堅牢な城塞は少しずつひび割れ、パラパラと小石や砂を散らしている!

「…ほーん、なるほどなぁ」
 壁の崩壊を恐れるどころか、手をポンと打つ継火。
『オオオオオっ!』
 躍起になって壁と格闘するシュラヴェイア!怒りを表すかのように、緋色の剣を叩きつけ続ける!そして…壁が…崩れる!
『砕いて…やったぞ!』
「うん、そうなるように作ったからね」
 アトシュは右手を意味深に掲げ…握りしめた!その時!
『な、ぎゃあああ!!!』
 崩れた石壁がアトシュの念動力によって操作され、シュラヴェイアの体に殺到!そう、アトシュは最初から、腐敗の呪詛の練り込まれた崩れやすい壁を制作していた!激しい抵抗でシュラヴェイアは疲労し、重量と硬度のある石により彼女の体は打ちのめされ拘束された!アトシュの経験と知略と能力が可能にする、なんと容赦ない策か!

「お待たせ、継火さん。存分にやっていいよ」
「よっしゃ!こいつで目ぇ覚まさせたるわ!」
 キャバリア用の装備をそのままダウンサイジングしたような兵器、二連装HEATパイルバンカーを携えた継火が飛びかかる!
『まだだ…今更止まれるか!』
「もう、いい加減にしーや!」
 疲労と負傷、岩による束縛によりその戦闘力は大きく落ちているが、シュラヴェイアが内包する宇宙は未だ翳らない!ユーベルコード使用時本来の速度には至らずとも、常人の3倍以上の速度の剣術が継火に襲いかかる!
 だが継火もまた、キャバリアが跋扈する戦場という地獄を焼き払い、生き延びてきた戦士である!双剣での切り払いをブリッジ姿勢で回避!縦の大振りを半身で回避!コンパクトな突きを斜め前に飛び込んで回避!斬撃!回避!斬撃!回避!回避しながら確実に距離を詰める!
『はああああっ!』
「なんのーっ!」
 十字の軌跡を描く大威力の双剣斬撃を…あえて懐に飛び込み、回避!ついに…パイルバンカーの射程内!
「歯、食いしばりぃ!」
 ガゴンッ!パイルバンカー接触の瞬間、凶悪な杭打ち機構が動作!ズドォンッ!シュラヴェイアの体に、とてつもない圧力で巨大杭がめり込む!
『ぐぎゃああああっ!!!』
 巨大杭による肉体破壊、そして杭に搭載されたテルミットの化学反応による超高温が、シュラヴェイアをズタズタにする!

『うお…おお、あ…』
 内部から肉体を、そして内包する宇宙さえも焼き尽くさんとする高熱に苦しむシュラヴェイア。
「…痛いなんてもんやないやろ?アンタにはな、こんな事してほしくないんや」
『…ニート…殺さなければ…救われない…』
「ウチらみたいな人殺しのいく先は、救いなんてあらへんで!」
『だが…私が…殺さねば…』
「ウチの住む世界とちゃうやんここは。殺さんでも生きていける世界や!」
 無数の小国家が生きるために戦い、奪い、殺し合う異世界クロムキャバリア。中でもギャングに育てられた継火にとって、争いなき日々のなんと遠く尊いものか。
「アンタが手を汚す必要あらへんねや。せやから、お引き取り願うで!!」
『あ…ああ…』

 猟兵特有のオブリビオン探知能力が、目の前の存在の弱体化を伝えてくる。シュラヴェイアのオブリビオン性が破壊され、ただの良子に戻りつつある事も。
『あ、ウウ、ガァァァッ!』
 だが、まだ完全ではない!オブリビオンとしてのシュラヴェイアは、自身が滅ぶまで止まらない!
「おんや?おかわり欲しいんか?ならもう一発受け取りぃ!」
 パイルバンカーが今一度、シュラヴェイアの鳩尾に叩きつけられる!迷いなく引き金を…引いた!
 ズドォンッ!さらなる杭と炎が体内の宇宙を灼いた!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

麒・嵐
「なるほどね、良子さんはお兄さんのことが好きだったんだ?」
背後から蒐集硬貨で先制攻撃を試みる…違ってもそれはそれで気が引けそうだからOK

UDC-HUMANが発生するほどの絶望
ただの怒りだけじゃない、理想を裏切られた憎しみやこうして欲しかったという期待もあったはずだ
にも関わらず、兄は穀潰しのニートどころか家族に暴力まで振るう始末――かわいそうだったね

君は弱くなんかないよ
どうしてほしい? ご両親やお兄さんを殺してUDCに身を堕とすよりも望む現実があるはずだ
嵐がそれを叶えてあげよう

生きる意志や戦闘能力を無くされようと『継承者の印』がある限り、嵐にお前の攻撃は当たらない
希望を聞けたら、硬貨で再度攻撃を



『ぐう…フウー…』
 人間離れした唸り声をあげるシュラヴェイア…あるいは良子。猟兵達の猛攻により、世界を滅ぼす意思が砕かれようとしているのだ。

『まだダ…ニートめ…許さん…!』
 それでもゆっくりと立ち上がり、兄が引きこもる二階へ向かおうとするシュラヴェイア。禍々しい剣を引きずりながら歩いていく。その時!
 ビシィ!何かが彼女の手を撃ち、剣を落とさせた!
「なるほどね、良子さんはお兄さんのことが好きだったんだ?」
 剣を拾うため手を伸ばすが、新たな声に思わず振り向く良子。その背後から現れたのは、金髪の青年、嵐。硬貨はひとりでに飛んで主たる彼の手に収まる。生きた硬貨、クリーピングコインなのだ。
『なンだと…?』
「UDC-HUMANが発生するほどの絶望」
 嵐はオブリビオンの中の良子に語りかけながら、ゆっくりと近づいていく。
「ただの怒りだけじゃない、理想を裏切られた憎しみやこうして欲しかったという期待もあったはずだ」
『期待…?そんなモノ…』
 言葉とは裏腹に、良子は手を…下ろす。その様子を見た嵐は、自分の推測が間違っていないと確信。説得を続ける。
「にも関わらず、兄は穀潰しのニートどころか家族に暴力まで振るう始末……かわいそうだったね」
『う…うう…』
 良子の目から、一筋の涙が流れる。嵐の言葉に幼い日々の事を思い出したからだ。大げさで偉そうだったけど、みんなを引っ張ってくれた頼もしい良夫お兄ちゃん。いつまでも大好きなお兄ちゃんでいてくれるはずだったのに…
『どうしてなの…お兄ちゃん…私が、守られるだけだったから…?弱いから…?』
「君は弱くなんかないよ」
 邪神に歪められてしまったとはいえ、良子が現実に立ち向かったのは事実だ。
「どうしてほしい?ご両親やお兄さんを殺してUDCに身を堕とすよりも、望む現実があるはずだ」
『私、は…私は…』

「嵐がそれを叶えてあげよう」
『私…また、頼もしいお兄ちゃんに会いたい…!』
 嵐は優しく良子の手をとった。その瞬間!良子の全身から禍々しいものが吹き出す!それは星のない夜空のように暗い、形を保てなくなった骸の海だ!猟兵たちがオブリビオンと戦って弱らせ、説得により良子が希望を取り戻した事により、融合を保てなくなったのだ!

「な、何!?これ…?」
「大丈夫。もう少しだけ待ってて」
 おぞましい漆黒の液体を見て、人間に戻った良子は慌てて部屋の隅に逃げる!骸の海は嵐の姿を覆い隠し、彼の生きる意志や戦闘能力を奪い去ってしまう!さらに…消えかけた緋色の剣が、嵐のいる場所に降り注ぐ!
 だが…戦えないはずの嵐の体が、ひとりでに動いて斬撃の雨をかわしている!
「『継承者の印』がある限り、嵐にお前の攻撃は当たらない」
 雷雲を呼ぶという天叢雲剣が嵐を加護し、驚異的な回避の力をもたらしているのだ!
「いい加減、しつこいUDCにはお帰り頂こう」
 車箪笥から大量のクリーピングコインが飛び出し、黒い怪物に立ち向かう!蒐集硬貨はまるで竜巻のように渦巻き、ほどなくして骸の海も緋色の剣も飲み込み、砕き、消し去ってしまった!
「お兄さん…!」
 変わらぬ笑顔で現れる嵐。安堵の表情を浮かべる良子。
 ここにはもう、オブリビオンはいない。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『人間の屑に制裁を』

POW   :    殺さない範囲で、ボコボコに殴って、心を折る

SPD   :    証拠を集めて警察に逮捕させるなど、社会的な制裁を受けさせる

WIZ   :    事件の被害者と同じ苦痛を味合わせる事で、被害者の痛みを理解させ、再犯を防ぐ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「お兄ちゃんを、よろしくお願いします」
 猟兵たちにおじぎをする良子。そして彼女と両親はUDC組織の車に乗り込んだ。これから3人は記憶処理され、全てを忘れる。

 だが、猟兵たちの戦いは終わっていない。真の元凶たる良夫を改心させなければ、何度でも悲劇は繰り返されるだろう。
アトシュ・スカーレット
さーて最後のお仕事だよ
…いや、その、本音を言えば一般人に手を出すのは良心が痛むんだけど…

可能な限り、対話での解決を試みるよ
【言いくるめ/傷口をえぐる/殺気】で痛いところを突きつつ、交渉かなー
まぁ、暴力に任せてくるだろうし、その時は【怪力】で骨の一本は覚悟してもらうね
あ、その時は【痛覚花弁】使って治してあげるよ!

「つーか、いつまでも誰かのすねかじって生きてられるわけねぇだろ。死ぬまで誰かが面倒見てくれる、なんて甘いこと考えてんじゃねぇよ。」
「あ?神?オレら、本物の神様に会ったことあるけど、少なくともあんたみたいな奴はいなかったわ。」
「あぁ、安心しろ。治してやるから…オレらの要求に答えたら、な?」


久坂部・匡弥
家族に飛び火する事はしたくねえな~

UC発動
生放送中に行動開始
動画に『神さまのお宅にお邪魔しますね!』とコメント直後に
「ど~も神さまコンニチハ!信者のマサヤでっす!」部屋へ突撃
同時にカメラを壊すか覆う一方
音声だけで生放送続行

笑顔で恫喝してやんよ
「これから聞く事が事実ならハイと答えろよ?」
「神さまは実家住まいなんだって?」
「同居家族を暴力暴言で追い詰めたんだよな?」

また、読心術で良夫の考えてる事を言い当てて脅しつつ
信者に現実を周知
ネット社会上での配信者制裁を狙う

これをネタにバズろうとか思うなよ?
クズニートを続ける限りお前を追い続けるからよ

真っ当に働いてご家族を安心させてやるんだな


※アドリブ連携OK



「さーて最後のお仕事だよ」
「だな」
 軽く伸びをするのはアトシュ。左手に釘バット、右手にスマートフォンを持つのは匡弥。
「…いや、その、本音を言えば一般人に手を出すのは良心が痛むんだけど…」
「ま、あんな奴でもな。家族に飛び火する事もしたくねえな」
 匡弥の持つスマホの画面の中では、金色の覆面で顔を隠した男、つまり良夫が何か言っている。動画のコメント欄は挨拶や相槌など、当たり障りのない発言ばかり。しばしば『働けニート』などの叱責や罵倒が書き込まれるが、すぐに良夫が削除する。

「アトシュ、扉をバーンとやってくれよ。オレが突っ込む」
「了解、匡弥さん」
 短い会話の後、ディストピアのように支配されたコメント欄に新たなコメントが現れた。
『神さまのお宅にお邪魔しますね!』
 良夫は首を傾げ、コメントの流れも止まる。

 その直後、アトシュは片足をあげ…槍のようなキックでこじ開けた!怪力!
「うわあああーーっ!?」
「ど~も神さまコンニチハ!信者のマサヤでっす!」
「ダレーーー!?」
 ブォン!目にも止まらぬ釘バットの一閃により、カメラは乱入者の姿を写すことなく粉砕された!
 たちまちPC画面は『ちょww』『リア凸しやがったww』『あーこれは天罰ですね』などのコメントで埋まる!それを止める者はいない!
「なにコレ?なんで!?俺様何かした!?」
「まあまあまあまあまあ、オレとお話しようぜ?」
 匡弥は容赦なく金の覆面を引っぺがし、良夫の素顔を顕にする。若く見えるが、脂ぎって明らかに不健康な顔つきだ。匡弥の笑顔と、笑っていない目が良夫に迫る。良夫の怯えきった目を、匡弥は黒く輝く瞳で真っ直ぐに見据えた。
「これから聞く事が事実ならハイと答えろよ?」
「ハイ!ごめんなさい!」
 何も聞かれないうちから平謝りだった。完全な恐慌状態だ!
「神さまは実家住まいなんだって?」
「ハイ!ごめんなさい!」
「神さまは無職なんだって?」
「ハイ!ごめんなさい!」
「同居家族を暴力暴言で追い詰めたんだよな?」
「ハイ!あっ、いいえ!やってない!」
 流石にこれは認めたらマズいと思ったらしく、慌てて言い直す!だが!
「ふざけんじゃねえぞコラァ!」
 そんな咄嗟の嘘など、超常能力の粋に達した読心技術を持つ匡弥には通用しない!
「おごっ!…はい…ごめんなさい…」
 みぞおちを殴られ、体をくの字に折って悶える良夫。音声だけでも、これが演技や仕込みなどではない事がよくわかる。
 コメント欄を見てみよう。『知ってる』『無職も実家住まいも動画で言ってた』『暴力は知らなかったわ』『マジで犯罪者じゃねえか』普段ならこのような都合の悪いコメントは良夫が即座に削除するのだが、その良夫は床にうずくまっている。

「つーか、神とかマジで言ってんの?」
 アトシュの追加口撃だ!世界どころか異世界を股にかける旅で、彼は多くの出会いを経験している。
「オレら、本物の神様に会ったことあるけど、少なくともあんたみたいな奴はいなかったわ」
持ち主の愛により魂を得たヤドリガミ、かつて人間を生み出した神々、あるいは暗黒世界にはびこる異界の邪神。そのいずれも、目の前の脂っこい男のような精神的に小さい存在では断じてなかった。

「だって、だって…俺はすげえんだ!物知りで視聴者もいっぱいで、とにかくすげえんだよ!だから働かなくていいんだ!」
「いつまでも誰かのすねかじって生きてられるわけねぇだろ。死ぬまで誰かが面倒見てくれる、なんて甘いこと考えてんじゃねぇよ」
「う、うるせえ!神の拳をくらえぇぇ!」
 半狂乱になり破れかぶれのパンチを繰り出す良夫!だがアトシュは素人の拳など簡単に受け止めた。そして良夫の指をつまみ
「えい」
 そのままへし折った!
「あぎゃあぁぁ!!!」
「あぁ、安心しろ。治してやるから…オレらの要求に答えたら、な?」
「よう…きゅう?」
 恐怖のあまり痛みすら忘れ、恐る恐る尋ねる良夫。アトシュと匡弥の要求はシンプルだった。
「「働け」」
「ひいっ!」
『働け』『働け』『働け』『働け』『働け』『働け』『働け』たちまちコメント欄にあふれる『働け』コール。まるでオーケストラだ。
「これをネタにバズろうとか思うなよ?クズニートを続ける限りお前を追い続けるからよ」
「あうあう…あひぃぃ…」
 アトシュと匡弥、そして視聴者からの言葉は、良夫の自己愛を無慈悲に粉砕したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

火之夜藝速・継火
※アドリブ共闘大歓迎

ウチにはニートというのがなんのことかはわからん。
働かないという思考回路がわからんのや。
だから、聞こうか。
ウチは知識が知りたいんや。知らないことがあるのは、あんま好きちゃうんでな。
だから教えてくれへんか?なんでアンタは働かへんのや?
なんで働かなくなったんや?なんで恩ある家族に暴力を振るうようになったんや?
親は間違いなくアンタより先に死ぬ。働かへんかったら、その後アンタは餓死しか待ってへんで?

質問を変えるわ。
何があれば、アンタはまた働けるようになる?
何があれば、アンタはここから出られると思う?
どうすれば、アンタはまた前を見れる?
ウチらが、それを支えたるさかい。教えてくれ、良夫。


麒・嵐
どうも 自称ネットの神様に天誅を与えに来ました

どうせパソコンに没頭してんのかな?
足で机ドンしつつ脅しつける
いるんだよなこういう奴…子供の頃はむしろ周りよりもできる方でお山の大将気分のまま大人になっちまうの

神なら嵐たちを倒してみろよ
ああ ネットの神なんだっけ? 
自己弁護に塗れた動画配信で集めた視聴者が果たして何の役に立ってくれるかね

お前を救ってくれていたのはネットじゃなくて家族だよ
「また、頼もしいお兄ちゃんに会いたい」
屑ニートを殺してと言ってもいい所なのにな
妹の本心にお前は何も感じない?
嵐ならネットの神より頼もしいお兄ちゃんと呼ばれる方が羨ましいけどね

金の稼ぎ方なら教えてやるからさ 勇気を出せよ



「どうも。自称ネットの神様に天誅を与えに来ました」
「アンタが良夫やな」
「ひっ…」
 これまでの良夫なら、すぐさまキレるか暴れるかだったろう。だが捨て犬のようにうずくまる今の良夫は、部屋に現れた嵐と継火の姿を見てさらに怯えるしかできなかった。
 猟兵のユーベルコードにより肉体的な傷こそ癒えているものの、痛みまでもすぐに忘れられる訳ではない。
「お、お前も…俺をいじめるのかよ…」
「ちゃう。聞きたいんや」
 継火は良夫を見下ろし、近くにしゃがみ込む。
「嵐、アンタはどうする?」
「…んー、もう罰は十分そうだ」
 まず脅しつけ、現実を教えてやるつもりでいた嵐だったが、無益な暴力を振るいに来た訳でもない。
「ウチは知識がほしいんや。知らないことがあるのは、あんま好きちゃうんでな」
 一切の敵意を見せない継火。それを見て良夫は落ち着きを取り戻す。

「聞くって…何を…」
「ウチにはニートというのがなんのことかはわからん。働かないという思考回路がわからんのや」
 継火を取り巻く環境、そして継火の燃えるような正義感は、彼女に戦わないという選択を許しはしなかった。そのような継火の生い立ちを知らない良夫でも、彼女の真剣さを感じ取ることはできた。
「だから教えてくれへんか?なんでアンタは働かへんのや?」
「だって…働くのはオヤジがやってくれるし…家事はおふくろが…」
「親は間違いなくアンタより先に死ぬ。働かへんかったら、その後アンタには餓死しか待ってへんで?」
「それは…そう…だけど…」
 涙ぐむ良夫。問い詰め続ける継火。それを少し離れて眺める嵐。
「なんで働かなくなったんや?なんで恩ある家族に暴力を振るうようになったんや?」
「…俺のこと…ほめてくれなくなったから…」
 良夫は消え入りそうな声で答える。良夫自身も『どうしてこんなことになってしまったのか』を探しているのだ。

「ああ、そういう事か」
 精いっぱい答えを絞り出す良夫に、今度は嵐が語りかけた。
「いるんだよなこういう奴…子供の頃はむしろ周りよりもできる方でお山の大将気分のまま大人になっちまうの」
 嵐はあくまで冷静な意見を述べる。良夫は何も言い返せない。嵐の言う通りだからだ。
「ネットや動画なら、都合いい言葉だけ聞けるもんな。自己弁護に塗れた動画配信で集めた視聴者が、果たして何の役に立ってくれるかね」
「……」
「お前を救ってくれていたのはネットじゃなくて家族だよ」
「うん…そうだよな…」
 ここまで堕落した良夫を、それでも両親は養い続けた。最適解ではなかったかもしれない。それでも見捨てる事はしなかったのだ。
「お前に聞かせたい言葉があるんだ」
 そう言って嵐が取り出したのは、タブレット端末。
『また、頼もしいお兄ちゃんに会いたい』
『お兄ちゃんを、よろしくお願いします』
 ボイスレコーダーアプリが、良子の声を再現した。
「屑ニートを殺してと言ってもいい所なのにな」
「良子…」
「妹の本心にお前は何も感じない?」
 良夫は首を横に振った。
「良子…オヤジ、おふくろ…ごめんなさい…」

「質問を変えるわ」
 再び、継火が良夫を見つめる。
「…うん」
「何があれば、アンタはまた働けるようになる?」
「何があれば、アンタはここから出られると思う?」
「どうすれば、アンタはまた前を見れる?」
 継火は、人の心を操るようなユーベルコードを持たない。だからこそ彼女は、良夫をまっすぐに見つめ、真正面から話すのだ。
「俺…俺は…」
「ウチらが、それを支えたるさかい。教えてくれ、良夫」

 良夫にとって、この数秒は何時間にも感じられた。やがて、口を開く。
「…俺…良子に喜んでほしい…」
「…そっか」
「オヤジとおふくろにも、ほめてもらえるかな」
「アンタがちゃんと働けば、な」
「金の稼ぎ方なら教えてやるからさ」
「うう…ありがとう…」
「がんばりぃや、お兄ちゃん!」
 継火に肩を叩かれ、嵐に見守られ、良夫はゆっくりと立ち上がり…ついに、部屋を出た。

 こうして琴吹良夫は、立派なお兄ちゃんへの道を進みだした。
 その後の琴吹一家をここで語るのは、無粋というものだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月24日


挿絵イラスト